JP3981761B2 - Method for removing heavy metals from incineration ash - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ごみ焼却炉等から排出される焼却灰中のPb、Zn、Cd等の重金属を効果的に除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみ焼却炉からは、処理したごみの約1割が灰として排出される。この灰には、焼却炉の焼却残渣である焼却主灰と、焼却中に排ガスに同伴された粉塵およびガス化した金属塩が凝縮した粉塵の混合物である焼却飛灰の2種類がある。これらの灰には何れも、有害な重金属類とダイオキシン類が含まれている。現在、ダイオキシン類処理の研究が進み、ダイオキシン類の除去については、例えば加熱脱塩素化法と呼ばれる技術が実用化されている。しかしながら、灰中の重金属類の除去については実用化されている方法が少なく、ほとんどは溶出の抑制に頼っているのが現状である。
【0003】
灰中の重金属類除去に関する方法として提案されている方法の一つに、塩化揮発法と呼ばれる方法がある。この方法は、実際にごみ焼却炉の中でも一部生じている次のような反応を積極的に利用しようとするものである。
【0004】
PbO +2HCl(g) =PbCl2(g) + H2O(g) (1)
ZnO +2HCl(g) =ZnCl2(g) + H2O(g) (2)
CdO +2HCl(g) =CdCl2(g) + H2O(g) (3)
【0005】
これらの反応における重金属塩化物のガス中の濃度は、気相に共存するHClと H2O濃度に関係するが、例えば、ごみ焼却炉排ガス中のHCl濃度が1000(ppm)、H2O濃度が20(%)であるとすると、200〜300以上の温度ではいずれの塩化物もガスとして気相中に1(ppm)以上は存在し得る。従って、次の反応によるこれらの物質の固体の蒸気圧が、ガス中濃度を決定することになる。
【0006】
PbCl2=PbCl2(g) (4)
ZnCl2=ZnCl2(g) (5)
CdCl2=CdCl2(g) (6)
【0007】
これらの反応によって、ガス中の平衡濃度が1000(ppm) を越える温度は概略次のようになる。
【0008】
PbCl2(g):530℃
ZnCl2(g):415℃
CdCl2(g):530℃
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、塩化揮発法よりも低温で重金属をガス化して灰から分離する技術を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
図1〜図3は式(4) 、式(5) 、式(6) による重金属塩化物のガス中の平衡濃度とそれらのヨウ化物、臭化物の平衡濃度を比較したものである。これらの図から明らかなように、いずれの重金属も同一のガス中濃度を示す温度は塩化物よりもヨウ化物、臭化物の方が低温側にある。
【0011】
本願発明は、これらの物質の性質を利用して、ごみ焼却炉から排出される灰中の重金属類を気化させ、灰中から重金属類を除去しようとするものである。
【0012】
本発明による焼却灰中の重金属除去方法は、都市ごみ焼却炉等から排出される焼却灰中の重金属を除去するに際し、処理対象灰にアルカリ金属またはアルカリ土類金属のヨウ化物または臭化物を反応させることによって重金属をヨウ化物または臭化物としてガス化し、これを湿式もしくは乾式集塵または湿式洗煙法によって回収することを特徴とする。
【0014】
下記のような形態も好ましい。
【0015】
i) 処理対象灰にアルカリ金属またはアルカリ土類金属のヨウ化物または臭化物の固体または水溶液を混合し、その後、この混合物を加熱することによって重金属をヨウ化物ガスまたは臭化物ガスとしてガス化する。
【0016】
ii) 処理対象灰にアルカリ金属またはアルカリ土類金属のヨウ化物または臭化物の固体または水溶液と、有機珪素化合物または酸化珪素含有の固体またはゾルとを混合し、その後、この混合物を加熱することによって重金属をヨウ化物ガスまたは臭化物ガスとしてガス化する。
【0017】
iii) 処理対象灰にアルカリ金属またはアルカリ土類金属のヨウ化物または臭化物の固体または水溶液と、酸化アルミニウムの固体またはゾルとを混合し、その後、この混合物を加熱することによって重金属をヨウ化物ガスまたは臭化物ガスとしてガス化する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明を実施例により具体的に説明する。
【0019】
参考例1
ごみ焼却炉から排出される灰中の重金属類は、塩化物と酸化物が主体を占める。従って、これらの灰を加熱状態でガス状のヨウ化物、臭化物と接触させると、以下の反応によって重金属ヨウ化物、臭化物のガスが発生して灰からガス中に分離される。
【0020】
(塩化物との反応)
PbCl2+2HI(g)=PbI2(g) +2HCl(g) (7)
PbCl2+2HBr(g)=PbBr2(g) +2HCl(g) (8)
ZnCl2+2HI(g)=ZnI2(g) +2HCl(g) (9)
ZnCl2+2HBr(g)=ZnBr2(g) +2HCl(g) (10)
CdCl2+2HI(g)=CdI2(g) +2HCl(g) (11)
CdCl2+2HBr(g) =CdBr2(g) +2HCl(g) (12)
【0021】
HI、HBr、HClの気相中の濃度がそれぞれ1000(ppm) であるとした場合の式(7)〜式(12)の反応による重金属類のヨウ化物ガス、臭化物ガス濃度は図4〜図6のようになり、同一濃度を示す温度は、いずれも塩化物単独で存在する場合よりも低くなる。
【0022】
(酸化物との反応)
PbO +2HI(g)=PbI2(g) +H2O(g) (13)
PbO +2HBr(g)=PbBr2(g) +H2O(g) (14)
ZnO +2HI(g)=ZnI2(g) +H2O(g) (15)
ZnO +2HBr(g)=ZnBr2(g) +H2O(g) (16)
CdO +2HI(g)=CdI2(g) +H2O(g) (17)
CdO +2HBr(g)=CdBr2(g) +H2O(g) (18)
【0023】
これらの反応は、式(1)〜式(3)の場合と同様に、常温から右に進む傾向にあり、高温になると右から左への反応、すなわち、塩化物の加水分解が起こる方向になるが、何れも同温度で比較すると、塩化物として存在し得る濃度よりもヨウ化物、臭化物として存在し得る濃度の方が高い。従って、ヨウ化物、臭化物がよりガス化し易いと言える。
【0024】
以上、本参考例の説明により、焼却炉から排出される灰の重金属の形態が塩化物、酸化物である場合、これらの灰から重金属類を1000(ppm) のガスとして取り出す時、
1) 塩化物のままで揮発させる場合は
PbCl2(g) :530℃
ZnCl2(g) :415℃
CdCl2(g) :530℃
の温度が必要であるが、
2) 1000ppm のHIガスを通じながら加熱すると、
PbI 2(g) :220℃
ZnI2(g) :230℃
CdI2(g) :150℃
3) 1000ppmのHBrガスを通じながら加熱すると、
PbBr2(g) :340℃
ZnBr2(g) :260℃
CdBr2(g) :310℃
と、より低温で重金属をガスとして灰から分離できる。
【0025】
実施例1
参考例1の方法は、灰にガス状のヨウ化物、臭化物を直接反応させて重金属類をガス化して灰から分離する方法であるが、実施例1の方法は、アルカリ土類金属のヨウ化物、臭化物の固体またはこれを溶解した溶液を処理対象灰に反応させ、その後加熱して、生じた重金属のヨウ化物、臭化物を灰から分離する方法である。すなわち、反応は式(19)〜式(24)で示されるものであり、反応後、反応混合物を加熱することによって、重金属をヨウ化物、臭化物として灰中から分離する。
【0026】
(塩化物との反応)
PbCl2+CaI2(g)=PbI2(g) +CaCl2 (19)
PbCl2+CaBr2(g)=PbBr2(g) +CaCl2 (20)
ZnCl2+CaI2=ZnI2(g) +CaCl2 (21)
ZnCl2+CaBr2(g)=ZnBr2(g) +CaCl2 (22)
CdCl2+CaI2=CdI2(g) +CaCl2 (23)
CdCl2+CaBr2=CdBr2(g) +CaCl2 (24)
【0027】
これらの反応によって発生する重金属ヨウ化物、臭化物のガス中濃度を図(7) 〜図(9) に示す。いずれの場合も、ガス中に同一濃度の重金属を得る場合には塩化物のままよりもヨウ化物、臭化物に変換した方が低温で得られることが分かる。
【0028】
(酸化物との反応)
灰中の重金属の形態が酸化物である場合を考慮すると、次のようなSiO2の共存する反応を考慮した方が良い。もちろん、灰中にはSiO2が含まれているのであるがより確実な反応を望むならば、重金属の酸化物をアルカリ土類金属のヨウ化物、臭化物に、ケイソウドやシリカ系ゾル、またはシロキサンのような有機珪素を混入した状態で、反応させた方が良好な結果が得られる。
【0029】
2PbO+2CaI2+SiO2=2PbI2(g) +2CaO*SiO2 (25)
2PbO+2CaBr2+SiO2=2PbBr2(g) +2CaO*SiO2 (26)
2ZnO+2CaI2+SiO2=2ZnI2(g) +2CaO*SiO2 (27)
2ZnO+2CaBr2+SiO2=2ZnBr2(g) +2CaO*SiO2 (28)
2CdO+2CaI2+SiO2=2CdI2(g) +2CaO*SiO2 (29)
2CdO+2CaBr2+SiO2=2CdBr2(g) +2CaO*SiO2 (30)
これらの反応によって発生する重金属ヨウ化物、臭化物の蒸気圧は常温から1気圧を超える。最も蒸気圧の低い式(27)、式(28)によるZnOとの反応によって発生するZnI2(g)、ZnBr2(g)の場合を濃度換算して図10に示す。
【0030】
最も蒸気圧の低い、ZnOとの反応でも前述のようにZnCl2単独で1000(ppm)のガス中濃度を示す温度は415℃であるのに対し、式(27)、式(28)の反応を利用すれば、それぞれ、170℃、260℃と低温化する。
【0031】
実施例2
実施例1では、重金属の塩化物をCaのヨウ化物、臭化物と反応させて重金属のヨウ化物ガス、臭化物ガスに変換して、これを灰から分離する方法を述べたが、このような考え方はCaだけでなく、アルカリ金属やMg化合物でも同様の反応が生じる。一例として、次のような反応によるガス中のヨウ化物、臭化物の濃度を図11〜12に示す。
【0032】
PbCl2+2KI=PbI2(g) +2KCl (31)
PbCl2+2NaI=PbI2(g) +2NaCl (32)
PbCl2+CaI2=PbI2(g) +CaCl2 (19)
PbCl2+MgI2=PbI2(g) +MgCl2 (33)
PbCl2+2KBr=PbBr2(g) +2KCl (34)
PbCl2+2NaBr=PbBr2(g) +2NaCl (35)
PbCl2+CaBr2=PbBr2(g) +CaCl2 (20)
PbCl2+MgBr2=PbI2(g) +MgCl2 (36)
【0033】
これらの結果からも明らかなように、重金属の塩化物をそのままガス化するよりもヨウ化物、臭化物に変換した方が、より低温でガス化し灰から分離し易くなる。
【0034】
実施例3
実施例1では、重金属酸化物にCaのヨウ化物、臭化物とSiO 2を反応させる反 応について述べたが、SiO2の代わりに酸化アルミニウム(アルミナ)粉末またはアルミナゾルを共存させても同様の効果が得られる。一例として次の反応によるガス中の重金属濃度を図13に示す。
【0035】
PbO +CaI2+Al2O3=PbI2(g) +CaO*Al2O3 (37)
この例でも明らかなように、PbCl2を単独でガス化するよりもアルミナ共存下でヨウ化物化する方が低温で出来ることになる。
【0036】
【発明の効果】
実施例で説明したように、本発明による効果は以下のようになる。
【0037】
(1) 焼却灰から、重金属類を揮発させて除去する方法に塩化揮発法と呼ばれる方法があるが、本発明によるごとく
灰中にすでに塩化物として存在している重金属はアルカリ金属、アルカリ土類金属のヨウ化物、臭化物を加えることによって、重金属ヨウ化物、臭化物の形態に変換することによって、より低温で揮発させることが出来る。
【0038】
また、灰中に酸化物の形態で存在している重金属類もアルカリ土類金属のヨウ化物、臭化物を反応させることによって、より低温で揮発させることが出来る。
【0039】
なお、この場合、酸化珪素化合物または酸化アルミニウム化合物の粉体またはゾルを共存させた場合には、さらに低温で揮発させられる。
【0040】
(2) このように、重金属類の塩化物、酸化物にアルカリ土類金属のヨウ化物、臭化物を加えることによって重金属のヨウ化物、臭化物に変換し、より低温で灰から揮散除去させることが本発明の骨子である。アルカリ金属のヨウ化物、臭化物を使用してもほとんど同じ効果が得られることが確認されている。ただし、ごみ焼却炉灰中の重金属の形態が、ほとんど酸化物であるような場合にはアルカリ金属のヨウ化物、臭化物による重金属類揮発温度の低温化効果は少ない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉛の塩化物、ヨウ化物、臭化物が単独に存在する場合のガス中の平衡濃度を示すグラフである。
【図2】亜鉛の塩化物、ヨウ化物、臭化物が単独に存在する場合のガス中の平衡濃度を示すグラフである。
【図3】カドミウムの塩化物、ヨウ化物、臭化物が単独に存在する場合のガス中の平衡濃度を示すグラフである。
【図4】反応式(7) 〜(8) による鉛のヨウ化物、臭化物のガス中の平衡濃度を示すグラフである。
【図5】反応式(9) 〜(10)による亜鉛のヨウ化物、臭化物のガス中の平衡濃度を示すグラフである。
【図6】反応式(11)〜(12)によカドミウムのヨウ化物、臭化物のガス中の平衡濃度を示すグラフである。
【図7】鉛の塩化物にカルシウムのヨウ化物、臭化物を反応させた場合のヨウ化物、臭化物のガス中の濃度を示すグラフである。
【図8】亜鉛の塩化物にカルシウムのヨウ化物、臭化物を反応させた場合のヨウ化物、臭化物のガス中の濃度を示すグラフである。
【図9】カドミウムの塩化物にカルシウムのヨウ化物、臭化物を反応させた場合のヨウ化物、臭化物のガス中の濃度を示すグラフである。
【図10】酸化亜鉛に酸化珪素共存下で、ヨウ化カルシウム、臭化カルシウムを反応させた場合のZnI 2、ZnBr2のガス中濃度を示すグラフである。
【図11】塩化鉛にアルカリ金属ヨウ化物、アルカリ土類金属ヨウ化物を反応させた時のヨウ化鉛ガスのガス中の濃度を示すグラフである。
【図12】塩化鉛にアルカリ金属臭化物、アルカリ土類金属臭化物を反応させた時の臭化鉛ガスのガス中の濃度を示すグラフである。
【図13】酸化鉛にアルミナ共存下でヨウ化カルシウムを反応させた時に発生するヨウ化鉛ガスのガス中濃度を示すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for effectively removing heavy metals such as Pb, Zn, and Cd in incineration ash discharged from a municipal waste incinerator or the like.
[0002]
[Prior art]
Approximately 10% of the treated waste is discharged as ash from municipal waste incinerators. There are two types of ash: incineration main ash which is incineration residue of the incinerator and incineration fly ash which is a mixture of dust entrained in the exhaust gas during incineration and dust condensed with gasified metal salt. These ashes all contain harmful heavy metals and dioxins. Currently, research on dioxins treatment has progressed, and for the removal of dioxins, for example, a technique called a heat dechlorination method has been put into practical use. However, there are few practical methods for removing heavy metals in ash, and most of them rely on suppression of elution.
[0003]
One method that has been proposed as a method for removing heavy metals in ash is a method called a chlorination volatilization method. This method is intended to actively utilize the following reactions that are partly occurring in waste incinerators.
[0004]
PbO + 2HCl (g) = PbCl 2 (g) + H 2 O (g) (1)
ZnO + 2HCl (g) = ZnCl 2 (g) + H 2 O (g) (2)
CdO + 2HCl (g) = CdCl 2 (g) + H 2 O (g) (3)
[0005]
The concentration of heavy metal chloride in the gas in these reactions is related to the concentration of HCl and H 2 O coexisting in the gas phase. For example, the concentration of HCl in the waste incinerator exhaust gas is 1000 (ppm), the concentration of H 2 O Is 20 (%), at a temperature of 200 to 300 or higher, any chloride may be present in the gas phase as 1 (ppm) or more as a gas. Thus, the solid vapor pressure of these materials from the next reaction will determine the concentration in the gas.
[0006]
PbCl 2 = PbCl 2 (g) (4)
ZnCl 2 = ZnCl 2 (g) (5)
CdCl 2 = CdCl 2 (g) (6)
[0007]
By these reactions, the temperature at which the equilibrium concentration in the gas exceeds 1000 (ppm) is roughly as follows.
[0008]
PbCl 2 (g): 530 ° C
ZnCl 2 (g): 415 ° C
CdCl 2 (g): 530 ° C
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a technique for gasifying and separating heavy metal from ash at a lower temperature than the chlorination volatilization method.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
FIGS. 1 to 3 compare the equilibrium concentrations of heavy metal chlorides in formula (4), (5), and (6) with the iodide and bromide equilibrium concentrations. As is clear from these figures, the temperature at which all heavy metals exhibit the same concentration in the gas is lower in iodide and bromide than in chloride.
[0011]
The present invention intends to remove heavy metals from the ash by vaporizing heavy metals in the ash discharged from the waste incinerator using the properties of these substances.
[0012]
In the method for removing heavy metals in incineration ash according to the present invention, when removing heavy metals in incineration ash discharged from a municipal waste incinerator or the like, an alkali metal or alkaline earth metal iodide or bromide is reacted with the ash to be treated. Thus, heavy metals are gasified as iodides or bromides, which are recovered by wet or dry dust collection or wet smoke cleaning.
[0014]
The following forms are also preferable.
[0015]
i) A solid or aqueous solution of an alkali metal or alkaline earth metal iodide or bromide is mixed with the ash to be treated, and then the mixture is heated to gasify the heavy metal as an iodide gas or bromide gas.
[0016]
ii) Mixing a solid or aqueous solution of an alkali metal or alkaline earth metal iodide or bromide with an ash to be treated and a solid or sol containing an organosilicon compound or silicon oxide, and then heating the mixture to form a heavy metal Is gasified as iodide gas or bromide gas.
[0017]
iii) Mixing a solid or aqueous solution of an alkali metal or alkaline earth metal iodide or bromide with an aluminum oxide solid or sol to the ash to be treated, and then heating the mixture to convert the heavy metal to an iodide gas or Gasifies as bromide gas.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be specifically described with reference to examples.
[0019]
Reference example 1
Heavy metals in ash discharged from waste incinerators are mainly composed of chlorides and oxides. Therefore, when these ashes are brought into contact with gaseous iodide and bromide in a heated state, heavy metal iodide and bromide gases are generated and separated from the ash into the gas by the following reaction.
[0020]
(Reaction with chloride)
PbCl 2 + 2HI (g) = PbI 2 (g) + 2HCl (g) (7)
PbCl 2 + 2HBr (g) = PbBr 2 (g) + 2HCl (g) (8)
ZnCl 2 + 2HI (g) = ZnI 2 (g) + 2HCl (g) (9)
ZnCl 2 + 2HBr (g) = ZnBr 2 (g) + 2HCl (g) (10)
CdCl 2 + 2HI (g) = CdI 2 (g) + 2HCl (g) (11)
CdCl 2 + 2HBr (g) = CdBr 2 (g) + 2HCl (g) (12)
[0021]
The concentrations of iodide gas and bromide gas of heavy metals by the reactions of formulas (7) to (12) when the concentrations of HI, HBr, and HCl in the gas phase are 1000 (ppm) are shown in FIGS. 6 and the temperature showing the same concentration is lower than that in the case where all of chlorides exist alone.
[0022]
(Reaction with oxide)
PbO + 2HI (g) = PbI 2 (g) + H 2 O (g) (13)
PbO + 2HBr (g) = PbBr 2 (g) + H 2 O (g) (14)
ZnO + 2HI (g) = ZnI 2 (g) + H 2 O (g) (15)
ZnO + 2HBr (g) = ZnBr 2 (g) + H 2 O (g) (16)
CdO + 2HI (g) = CdI 2 (g) + H 2 O (g) (17)
CdO + 2HBr (g) = CdBr 2 (g) + H 2 O (g) (18)
[0023]
These reactions tend to proceed from normal temperature to the right, as in the case of formulas (1) to (3), and the reaction from right to left, that is, hydrolysis of chloride occurs at high temperatures. However, when both are compared at the same temperature, the concentration that can exist as iodide and bromide is higher than the concentration that can exist as chloride. Therefore, it can be said that iodide and bromide are more easily gasified.
[0024]
As described above, when the heavy metal form of the ash discharged from the incinerator is chloride or oxide according to the description of this reference example, when removing heavy metal from these ash as 1000 (ppm) gas,
1) When volatilizing with chloride
PbCl2 (g): 530 ° C
ZnCl2 (g): 415 ° C
CdCl2 (g): 530 ° C
Temperature is required,
2) When heated while passing 1000ppm of HI gas,
PbI 2 (g): 220 ° C
ZnI2 (g): 230 ° C
CdI2 (g): 150 ° C
3) When heated while passing 1000ppm of HBr gas,
PbBr2 (g): 340 ° C
ZnBr2 (g): 260 ° C
CdBr2 (g): 310 ° C
Then, the heavy metal can be separated from the ash as a gas at a lower temperature.
[0025]
Example 1
The method of Reference Example 1 is a method in which gaseous iodide and bromide are reacted directly with ash to gasify heavy metals to separate them from ash, but the method of Example 1 is an alkaline earth metal iodide. , A bromide solid or a solution in which the bromide is dissolved is reacted with the ash to be treated, and then heated to separate the resulting heavy metal iodide and bromide from the ash. That is, the reaction is represented by the formulas (19) to (24). After the reaction, the reaction mixture is heated to separate heavy metals from the ash as iodide and bromide.
[0026]
(Reaction with chloride)
PbCl 2 + CaI 2 (g) = PbI 2 (g) + CaCl 2 (19)
PbCl 2 + CaBr 2 (g) = PbBr 2 (g) + CaCl 2 (20)
ZnCl 2 + CaI 2 = ZnI 2 (g) + CaCl 2 (21)
ZnCl 2 + CaBr 2 (g) = ZnBr 2 (g) + CaCl 2 (22)
CdCl 2 + CaI 2 = CdI 2 (g) + CaCl 2 (23)
CdCl 2 + CaBr 2 = CdBr 2 (g) + CaCl 2 (24)
[0027]
Figures 7 to 9 show the concentrations of heavy metal iodide and bromide generated by these reactions in the gas. In any case, it is understood that when heavy metal having the same concentration is obtained in the gas, conversion to iodide or bromide can be obtained at a lower temperature than chloride.
[0028]
(Reaction with oxide)
Considering the case where the heavy metal form in the ash is an oxide, it is better to consider the following reaction in which SiO 2 coexists. Of course, SiO 2 is contained in the ash, but if a more reliable reaction is desired, heavy metal oxides can be converted to alkaline earth metal iodides, bromides, diatomides, silica-based sols, or siloxanes. A better result is obtained when the reaction is carried out in a state in which such organic silicon is mixed.
[0029]
2PbO + 2CaI 2 + SiO 2 = 2PbI 2 (g) + 2CaO * SiO 2 (25)
2PbO + 2CaBr 2 + SiO 2 = 2PbBr 2 (g) + 2CaO * SiO 2 (26)
2ZnO + 2CaI 2 + SiO 2 = 2ZnI 2 (g) + 2CaO * SiO 2 (27)
2ZnO + 2CaBr 2 + SiO 2 = 2ZnBr 2 (g) + 2CaO * SiO 2 (28)
2CdO + 2CaI 2 + SiO 2 = 2CdI 2 (g) + 2CaO * SiO 2 (29)
2CdO + 2CaBr 2 + SiO 2 = 2CdBr 2 (g) + 2CaO * SiO 2 (30)
The vapor pressures of heavy metal iodides and bromides generated by these reactions are from room temperature to over 1 atm. The case of ZnI 2 (g) and ZnBr 2 (g) generated by the reaction with ZnO according to the equations (27) and (28) having the lowest vapor pressure is shown in FIG.
[0030]
In the reaction with ZnO, which has the lowest vapor pressure, ZnCl 2 alone has a concentration of 1000 ppm (ppm) in the gas as described above, while the temperature in the gas is 415 ° C, while the reaction of formulas (27) and (28) If used, the temperature will be lowered to 170 ° C and 260 ° C, respectively.
[0031]
Example 2
In Example 1 , a method was described in which heavy metal chloride was reacted with Ca iodide and bromide to convert to heavy metal iodide gas and bromide gas, and this was separated from ash. Similar reactions occur not only with Ca but also with alkali metals and Mg compounds. As an example, the concentrations of iodide and bromide in the gas by the following reaction are shown in FIGS.
[0032]
PbCl 2 + 2KI = PbI 2 (g) + 2KCl (31)
PbCl 2 + 2NaI = PbI 2 (g) + 2NaCl (32)
PbCl 2 + CaI 2 = PbI 2 (g) + CaCl 2 (19)
PbCl 2 + MgI 2 = PbI 2 (g) + MgCl 2 (33)
PbCl 2 + 2KBr = PbBr 2 (g) + 2KCl (34)
PbCl 2 + 2NaBr = PbBr 2 (g) + 2NaCl (35)
PbCl 2 + CaBr 2 = PbBr 2 (g) + CaCl 2 (20)
PbCl 2 + MgBr 2 = PbI 2 (g) + MgCl 2 (36)
[0033]
As is clear from these results, conversion of heavy metal chlorides to iodides and bromides is easier than gasification and gasification at a lower temperature and separation from ash.
[0034]
Example 3
In Example 1 , the reaction in which Ca iodide, bromide and
[0035]
PbO + CaI 2 + Al 2 O 3 = PbI 2 (g) + CaO * Al 2 O 3 (37)
As is clear from this example, the iodide can be formed at a low temperature in the presence of alumina rather than gasifying PbCl 2 alone.
[0036]
【The invention's effect】
As described in the embodiments, the effects of the present invention are as follows.
[0037]
(1) There is a method called the chlorination volatilization method that volatilizes and removes heavy metals from incinerated ash, but the heavy metals already present as chlorides in the ash as in the present invention are alkali metals and alkaline earths. By adding a metal iodide or bromide, it can be volatilized at a lower temperature by converting it to a heavy metal iodide or bromide form.
[0038]
Also, heavy metals present in the form of oxides in the ash can be volatilized at a lower temperature by reacting iodides and bromides of alkaline earth metals.
[0039]
In this case, when a powder or sol of a silicon oxide compound or an aluminum oxide compound coexists, it is volatilized at a lower temperature.
[0040]
(2) In this way, heavy metal chlorides and oxides can be converted to heavy metal iodides and bromides by adding alkaline earth metal iodides and bromides, and volatilized and removed from ash at lower temperatures. It is the gist of the invention. It has been confirmed that almost the same effect can be obtained even when alkali metal iodide or bromide is used. However, when the form of heavy metal in the waste incinerator ash is mostly oxide, the effect of lowering the volatilization temperature of heavy metals by alkali metal iodide and bromide may be small.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the equilibrium concentration in gas when lead chloride, iodide and bromide are present alone.
FIG. 2 is a graph showing the equilibrium concentration in gas when zinc chloride, iodide and bromide are present alone.
FIG. 3 is a graph showing the equilibrium concentration in gas when cadmium chloride, iodide and bromide are present alone.
FIG. 4 is a graph showing the equilibrium concentration of lead iodide and bromide in the gas according to reaction formulas (7) to (8).
FIG. 5 is a graph showing the equilibrium concentrations of zinc iodide and bromide in the gases according to reaction formulas (9) to (10).
FIG. 6 is a graph showing the equilibrium concentrations in the gas of cadmium iodide and bromide according to reaction formulas (11) to (12).
FIG. 7 is a graph showing the concentrations of iodide and bromide in gas when calcium chloride and bromide are reacted with lead chloride.
FIG. 8 is a graph showing the concentrations of iodide and bromide in a gas when zinc iodide and bromide are reacted with zinc chloride.
FIG. 9 is a graph showing the concentrations of iodide and bromide in a gas when calcium iodide and bromide are reacted with cadmium chloride.
FIG. 10 is a graph showing the concentrations of ZnI 2 and ZnBr 2 in a gas when zinc iodide and calcium bromide are reacted with zinc oxide in the presence of silicon oxide.
FIG. 11 is a graph showing the concentration of lead iodide gas in the gas when alkali metal iodide or alkaline earth metal iodide is reacted with lead chloride.
FIG. 12 is a graph showing the concentration of lead bromide gas in the gas when alkali metal bromide and alkaline earth metal bromide are reacted with lead chloride.
FIG. 13 is a graph showing the concentration in a gas of lead iodide gas generated when calcium iodide is reacted with lead oxide in the presence of alumina.
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