JP3981549B2 - Washing machine control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗い,濯ぎ及び脱水運転を行うための回転駆動力を発生させるブラシレスDCモータを備えてなる洗濯機について、モータの駆動トルクをベクトル制御するための制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、全自動洗濯機においては、洗い,濯ぎ運転や脱水運転を行う場合に撹拌翼(パルセータ)或いは回転槽を回転させるモータにはブラシレスDCモータを使用し、そのブラシレスDCモータをインバータ回路によって駆動する方式が広く採用されている。そして、モータの駆動条件に応じてトルクを制御する場合は、モータの印加電圧を増減させるようにしている。しかし、モータの回転速度は発生トルクに比例するが、印加電圧によって制御される発生トルクは電圧に比例しないため、目標速度指令とモータの検出速度とに差が生じやすく制御が不安定になりがちであるという問題がある。
【0003】
そこで、本発明の発明者等は、洗濯機のモータをベクトル制御することを考案した。即ち、ブラシレスDCモータの発生トルクは、ベクトル制御によって得られるq(quadrature)軸電流に比例することから、モータのトルク制御、ひいては回転速度制御を高精度で行うことが可能となる。
【0004】
ところで、従来、洗濯機の入力操作に伴うモータの制御並びに洗い,濯ぎ,脱水などの各行程の制御には、CISC(Complex Instruction Set Computer)アーキテクチャのCPUコアを有するマイクロコンピュータが用いられている。しかしながら、洗濯機のモータをベクトル制御することを想定するとその演算処理負荷が重くなるため、従来用いられているマイクロコンピュータでは処理が困難となる。即ち、CISCアーキテクチャのCPUでは、乗算命令などの演算処理を実行する速度が極めて遅くなるからである。
【0005】
そこで、本発明の発明者等は、洗濯機のモータをベクトル制御する構成を実現するため、乗算などの演算を高速に実行することができるDSP(Digital Signal Proccesor)を用いることを考案した。その電気的構成の一例を図16に示す。
【0006】
100Vの商用交流電源1には、電源スイッチ2を介してモータ電源である直流電源回路3が接続されている。上記交流電源1及び電源スイッチ2の直列回路と並列にノイズ除去用のコンデンサ4が接続されている。さらにこのコンデンサ4と並列に、コンデンサ5及び6の直列回路が接続され、このコンデンサ5と6との間は電気機器筐体である図示しない外箱にアースのために接続されている。そして、この外箱には、使用者側で大地アースされるアース線7が設けられている。
【0007】
前記直流電源回路3は、ダイオードブリッジ整流回路8及び平滑コンデンサ9、10を備えた倍電圧整流回路から構成されている。すなわち、整流回路8の入力端子8aが前記交流電源1の電源端子1aに接続され、整流回路8の入力端子8bが前記電源スイッチ2を介して交流電源1の電源端子1bに接続されている。そして、整流回路8の出力端子8c、8d間には平滑コンデンサ9、10が直列に接続され、この平滑コンデンサ9、10の共通接続点と整流回路8の入力端子8aとが接続されている。
【0008】
直流電源回路3は、中点3cで0V、正側出力端子3aで+141V、負側出力端子3bでは、−141Vとなっており、正側出力端子3aと負側出力端子3bとの間で282Vの直流電圧を発生する。この直流電源回路3の負側出力端子3bは回路上のグランド(シャーシ)に接続されている。なお、図1に大地アースをGND1(0V)で示し、回路上のグランドをGND2(−141V)で示している。
【0009】
この直流電源回路3には、17Vの定電圧と5Vの定電圧を出力する制御電源回路たる定電圧回路11が接続されていると共に、モータ駆動回路であるインバータ回路12が接続されている。上記定電圧回路11は、後述のメインマイコン13等に5V電源を与え、IGBT駆動回路14に17V電源を与えるようになっている。上記インバータ回路12は、例えばIGBTからなるIGBT15a〜15fを3相ブリッジ接続し、各IGBT15a〜15fにそれぞれフリーホイールダイオード16a〜16fを図示極性にて並列に接続して構成されている。
【0010】
上記各相ブリッジの出力端子がモータ17のステータの各相巻線17u、17v、17wに接続されている。すなわち、このインバータ回路12により前記モータ17が駆動されるようになっている。そのIGBT15a〜15fはメインマイコン13によりIGBT駆動回路14を介してオンオフ制御されるようになっている。上記メインマイコン13はCISCアーキテクチャのCPUコアやROM,RAM等を備えて構成されている。
【0011】
前記IGBT駆動回路14は、チャージポンプ形電圧コンバータ回路18a、18b、18cとチャージポンプ用コンデンサ19a、19b、19c等を備えて構成されている。上記チャージポンプ形電圧コンバータ回路18a、18b、18cは、各アームのハイサイド側のIGBT15a、15c、15eのゲート端子に与えるゲート電圧を各コンデンサ19a、19b、19cにチャージさせておいて発生させるようになっている。
【0012】
また、前記交流電源1の電源端子1a、1b間には、電源端子1a側から1b側へ、給水弁20、フォトトライアック21が順に接続されている。そして、この給水弁20、フォトトライアック21の直列回路と並列に、排水弁22、フォトトライアック23の直列回路が接続されている。また、各フォトトライアック21、23にはノイズ除去用のスナバ回路24、25がそれぞれ並列に接続されている。
【0013】
また、フォトトライアック21のゲート端子はNPNトランジスタ26を介してグランドに接続され、フォトトライアック21のゲート端子はNPNトランジスタ27を介してグランドに接続されている。そして、各トランジスタ26、27はメインマイコン13により制御されるようになっている。尚、メインマイコン13には、各種スイッチを備えたスイッチ入力回路28からのスイッチ信号、回転槽内の水位を検出する水位センサ29からの水位検出信号が与えられるようになっている。また、このメインマイコン13は、給水弁20、排水弁22並びに表示回路30を制御するものである。この表示回路30は、例えば7セグメントLED等の表示器を備えて構成されている。
【0014】
インバータ回路12における下アーム側のIGBT15d〜15fのエミッタとグランドとの間には、各相電流を検出するための電流センサ31u,31v,31wが配置されている。そして、これらの電流センサ31u〜31wの電流検出信号は、増幅バイアス回路32を介してDSP33が内蔵しているA/Dコンバータ(図示せず)の入力ポートに与えられている。
【0015】
DSP33は、メインマイコン13との間で行われるUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter) 通信によって与えられる演算パラメータと、電流センサ31u〜31wの電流検出信号とに基づいてベクトル制御に関する演算処理を行うものである。そして、その演算処理結果として生成される駆動信号をIGBT駆動回路14に出力し、モータ17の駆動制御を行うようになっている。
【0016】
斯様な構成を採用することにより、メインマイコン13は、スイッチ入力回路28や表示回路30等の操作パネル制御,水位センサ29からのセンサ信号読取り,給水弁20、排水弁22の駆動制御を行う。また、メインマイコン13は、UART通信によりDSP33に制御指令(モータ17の回転数や正転,反転時間の指示)を送信し、DSP33よりモータ17の制御結果(回転状態)を受信する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯様な構成を採用した場合には、以下のような問題が発生することが想定される。先ず第1に、メインマイコン13とDSP33との2つのLSIを用いるため部品コストがアップすると共に、回路基板サイズの増加を招くことになる。この場合、単にDSPチップが1個余分になるだけでなく、その周辺回路として動作電源用のコンデンサやリセット回路,発振子なども必要となるため、それらも含めて基板サイズが増加してしまう。
【0018】
第2に、メインマイコン13とDSP33との間でシリアル通信(UART通信)を行うには、実データ以外に開始コード,チェックサム,終了コードなどを加えて作成したパケットを送受信しなければならず、制御プログラムにはそのためのロジックを組み込む必要があり作成行程が余分に必要となる。また、通信処理を行う分だけプログラム容量が増加するので、他の処理についてのコードサイズを圧迫したり、或いは、プログラムROMの容量を増加しなければならない場合も想定される。
【0019】
更に、通信処理を実行することでメインマイコン13の制御周期が制約を受けるようになり、メインマイコン13は、リアルタイムでDSP33に対する制御指令を与えることが困難となる。従って、メインマイコン13は、一定の動作パターンを実行するための指令をDSP33にまとめて送信しなければならず、即応性のある柔軟な処理が実行できなくなることも考えられる。
【0020】
加えて、シリアル通信には、例えばGND,送信,受信の3本の通信用接続線が必要となるが(図16では、2本のみ示す)、これらの内何れか1本が断線してもモータ17の駆動制御は不能となってしまう。また、断線が発生しないとしても、これらの通信線には外来ノイズが印加される可能性が恒常的に存在しており、ノイズの印加によるデータ化けが排除できない場合は誤動作が生じるおそれがある。
【0021】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ブラシレスDCモータのベクトル制御をより低コストで、且つ、回路基板のサイズを増大させること無く実行することができる洗濯機の制御装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の洗濯機の制御装置は、洗い,濯ぎ及び脱水運転を行うための回転駆動力を発生させるブラシレスDCモータを、インバータ回路を介してPWM制御により駆動する洗濯機について、前記モータの駆動トルクをベクトル制御するためのものであって、
前記ベクトル制御を行うための演算処理と、前記洗濯機のスイッチ入力回路や表示回路等の操作パネル制御,水位センサからのセンサ信号読取り,給水弁や排水弁の駆動制御などに関する制御処理とをRISCアーキテクチャのCPUコアを有して構成される単一のマイクロコンピュータで行うように構成する。
【0023】
従って、洗濯機の基本的な制御をマイクロコンピュータで行い、ベクトル制御に関する演算をDSPで行う構成とは異なり、部品コストを上昇させたり回路基板の面積を増やす必要が無い。また、上記構成を採用することで、マイクロコンピュータはDSPとの間で通信処理を行う必要が無くなり、制御プログラムサイズを小さくすることができる。更に、ノイズの印加によるデータ化けの発生や、通信線の断線による制御不能状態が発生するおそれが無くなるので、ブラシレスDCモータの制御をより安定的に行うことが可能となる。
【0026】
また、モータに流れる電流を検出する電流検出手段を備え、
マイクロコンピュータを、前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて前記モータをベクトル制御することで、当該モータの発生トルクが洗い,濯ぎ,脱水の各行程において最適となるように制御する構成にするので、モータの駆動制御を高い応答性を以て行うことで、洗い,濯ぎ,脱水の何れの行程においてもモータの回転に伴う振動や騒音の発生を抑制することが可能となる。
【0028】
そして、マイクロコンピュータが電流検出手段によって検出されたモータの電流値を読み込むためのA/Dコンバータを複数備え、
電流検出手段を、インバータ回路の各相に配置される3つのシャント抵抗で構成し、
前記複数のA/Dコンバータを、同時に動作が可能に構成すると共に夫々が有する複数の入力チャネルの選択切替えが可能となるように構成し、各A/Dコンバータの入力チャネルにモータの各相電流を並列に与えるように構成して、
マイクロコンピュータは、A/DコンバータによるA/D変換処理を、PWM制御の搬送波周期に同期して行わせる。
【0029】
即ち、ベクトル制御を行うためには、マイクロコンピュータは最低でも2相以上のモータ電流値を読み込む必要がある。そこで、斯様に構成すれば、マイクロコンピュータは、複数のA/Dコンバータに並列に入力されている各相電流の内から、必要な相の電流を略同時に読み込むことが可能となる。従って、電流値の読み込みを高速に行って処理時間を短くすることができる。また、A/Dコンバータの変換速度が高速でなくとも、複数相の電流値の読み込みを余裕をもっておこなうことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を縦軸形の全自動洗濯機に適用した第1の実施例につき、図1ないし図13を参照して説明する。尚、図16と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。
【0035】
まず、図3は、全自動洗濯機41の全体構成を示す縦断面図である。すなわち、全体として矩形状をなす外箱42内には、水受槽43が、4組(1組のみ図示)の防振機構44を介して弾性支持されている。この場合、防振機構44は、上端が外箱42内において上方に係止された吊り棒44aと、その吊り棒44aの他端側に取り付けられた振動減衰用のダンパー44bとを含んで構成されている。これらの防振機構44を介して水受槽43が弾性支持されることにより、洗濯運転時に発生する振動が外箱42に極力伝達されないようにしている。
【0036】
上記水受槽43内には、洗濯槽兼脱水槽用の回転槽45が配設されており、この回転槽45の内底部には、撹拌体(パルセータ)46が配設されている。上記回転槽45は、槽本体45aと、この槽本体45aの内側に設けられた内筒45bと、これらの上端部に設けられたバランスリング45cとから構成されている。そして、この回転槽45が回転されると、内部の水を回転遠心力により揚水して槽本体45aの上部の脱水孔45dから水受槽43内に放出するようになっている。
【0037】
また、回転槽45の底部には、通水口47が形成されており、この通水口47は、排水通路47aを通して排水口48に連通されている。そして、排水口48には、排水弁22を備えた排水路50が接続されている。従って、排水弁22を閉塞した状態で回転槽45内に給水すると、回転槽45内に水が貯溜され、排水弁22を開放すると、回転槽45内の水は排水通路47a、排水口48および排水路50を通じて排出されるようになっている。
【0038】
水受槽43の底部には、補助排水口48aが形成されており、この補助排水口48aは、図示しない連結ホースを介し前記排水弁22をバイパスして前記排水路50に接続され、前記回転槽45が回転したときに、その上部から水受槽43内に放出された水を排出するようになっている。
【0039】
また、前記水受槽43の外底部には、機構部ハウジング51が取付けられており、この機構部ハウジング51には、中空の槽軸52が回転自在に設けられ、この槽軸52には、回転槽45が連結されている。また、槽軸52の内部には、撹拌軸53が回転自在に設けられており、この撹拌軸53の上端部には、撹拌体46が連結されている。そして、撹拌軸53の下端部は、アウタロータ形のブラシレスDCモータ17のロータ17aに連結されている。このブラシレスDCモータ17は、洗い時には、撹拌体46を直接正逆回転駆動するようになっている。
【0040】
また、ブラシレスDCモータ17は、脱水時には、図示しないクラッチにより槽軸42と撹拌軸53とが連結された状態で、回転槽45および撹拌体46を一方向に直接回転駆動するようになっている。従って、本実施例では、ブラシレスDCモータ17の回転速度は、洗い時には撹拌体46のそれと同一になり、脱水時には回転槽45および撹拌体46のそれと同一になる、いわゆる、ダイレクトドライブ方式が採用されている。
【0041】
電気的構成を示す図1において、本実施例の構成では、図16に示すメインマイコン13とDSP33とが単一のマイコン54に置き換わっている。即ち、マイコン54には、スイッチ入力回路28からのスイッチ信号,水位センサ29からの水位検出信号が与えられるようになっている。そして、マイコン54は、給水弁20、排水弁22並びに表示回路30を制御する。
【0042】
また、電流センサ31u〜31wに代わって、下アーム側のIGBT15d〜15fのエミッタとグランドとの間にはシャント抵抗(電流検出手段)55u〜55wが介挿されており、IGBT15d〜15fのエミッタは、増幅バイアス回路32の入力端子に接続されている。尚、シャント抵抗55の抵抗値は0.1Ω程度である。
【0043】
マイコン54は、内部に2つのA/Dコンバータ56A,56Bを備えており、これらのA/Dコンバータ56A,56Bは、夫々3つの以上の入力ポート(AD11〜AD13,AD21〜AD23)を有している。そして、増幅バイアス回路32の出力端子は、A/Dコンバータ56A,56B夫々の入力ポートに並列に接続されている。マイコン54は、A/Dコンバータ56A,56Bより得られる電流値に基づいて駆動信号Ua及びUb,Va及びVb,Wa及びWbを生成し、チャージポンプ形電圧コンバータ回路18a,18b,18cに夫々出力するようになっている。
【0044】
マイコン54は、RISC(Reduced Instruction Set Computer)アーキテクチャのCPUコアを有して構成されている。RISCアーキテクチャのCPUは、以下のような特徴を備えている。
・全てのデコードがワイヤードロジックで実現され、
同一時間で実行可能である単純な命令セット
・命令実行処理のパイプライン制御
・多数の内部レジスタ
・大容量のキャッシュ
そして、上記のアーキテクチャによりプログラムを効率的に実行するため、実行形式のプログラムはコンパイラによって最適化されている。
斯様な構成のRISCによれば、トータルでの処理性能がCISCに比較して向上する。特に、積演算等の実行速度に関しては極めて高速化されている。例えば、本実施例のマイコン54は、50MIPS(ドライストーン)の処理能力を備えている。
【0045】
図2は、モータ17の駆動制御系を示す機能ブロック図である。尚、図1において、(α,β)は、三相ブラシレスDCモータ17の各相に対応する電機角120度間隔の三相(UVW)座標系を直交変換した直交座標径を示し、(d,q)は、ブラシレスDCモータ17のロータ17aの回転に伴って回転している2次磁束の座標系を示すものである。
【0046】
速度指令出力部57は、目標速度指令ωref を減算器58に被減算値として出力する。また、減算器58には、エスティメータ(Estimator) 59によって検出されたブラシレスDCモータ17の検出速度ωが減算値として与えられている。そして、減算器58の減算結果は、速度PI(Proportional-Integral)制御部60に与えられている。
【0047】
速度PI制御部60は、目標速度指令ωref と検出速度ωとの差分量に基づいてPI(比例積分)制御を行い、q軸電流指令値Iqrefとd(direct)軸電流指令値Idrefとを生成して減算器61,62に被減算値として夫々出力する。尚、洗いまたは濯ぎ運転時におけるd軸電流指令値Idrefは“0”に設定され、脱水運転時には、弱め界磁制御を行うためd軸電流指令値Idrefは所定値に設定される。減算器61,62には、αβ/dq変換部63より出力されるq軸電流値Iq,d軸電流値Idが減算値として夫々与えられており、減算結果は、電流PI制御部64q,64dに夫々与えられている。尚、速度PI制御部60における制御周期は1m秒に設定されている。
【0048】
電流PI制御部64q,64dは、q軸電流指令値Iqrefとd軸電流指令値Idrefとの差分量に基づいてPI制御を行い、q軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値Vdを生成してdq/αβ変換部65に出力する。dq/αβ変換部65には、エスティメータ59によって検出されたブラシレスDCモータ17における2次磁束の回転位相角(ロータ位置角)θが与えられており、その回転位相角θに基づいて電圧指令値Vd,Vqを電圧指令値Vα,Vβに変換するようになっている。
【0049】
dq/αβ変換部65が出力する電圧指令値Vα,Vβは、αβ/UVW変換部66に与えられている。αβ/UVW変換部66は、電圧指令値Vα,Vβを三相の電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換して出力する。電圧指令値Vu,Vv,Vwは、切換えスイッチ67u,67v,67wの一方の固定接点67ua,67va,67waに与えられており、他方の固定接点67ub,67vb,67wbには、初期パターン出力部68によって出力される起動用の電圧指令値Vus,Vvs,Vwsが与えられている。そして、切換えスイッチ67u,67v,67wの可動接点67uc,67vc,67wcは、PWM形成部69の入力端子に接続されている。
【0050】
PWM形成部69は、電圧指令値Vus,Vvs,Vwsに基づいて16kHzの搬送波(三角波)を変調した各相のPWM信号Vup(+,-) ,Vvp(+,-) ,Vwp(+,-) をインバータ回路12に出力するようになっている。PWM信号Vup〜Vwpは、例えばモータ17の各相巻線17u,17v,17w(図2参照)に正弦波状の電流が通電されるように正弦波に基づいた電圧振幅に対応するパルス幅の信号として出力される。
【0051】
インバータ回路12における下アーム側のIGBT15c〜15eのエミッタは、増幅・バイアス回路70を介してA/D変換部56(A/Dコンバータ56A,56B)に接続されている。増幅・バイアス回路70はオペアンプなどを含んで構成されており、シャント抵抗55の端子電圧を増幅すると共にその増幅信号の出力範囲が正側に収まるように(例えば、0〜+5V)バイアスを与えるようになっている。
【0052】
再び図1を参照して、A/D変換部56は、増幅・バイアス回路70の出力信号をA/D変換した電流データIu,IvをUVW/αβ変換部71に出力する。UVW/αβ変換部71は、電流データIu,IvからW相の電流データIwを推定し、三相の電流データIu,Iv,Iwを(1)式に従って直交座標系の2軸電流データIα,Iβに変換する。
【数1】
そして、2軸電流データIα,Iβをαβ/dq変換部63に出力する。
【0053】
αβ/dq変換部63は、ベクトル制御時にはエスティメータ59よりモータ17のロータ位置角θを得ることで、(2)式に従って2軸電流データIα,Iβを回転座標系(d,q)上のd軸電流値Id,q軸電流値Iqに変換する。
【0054】
【数2】
そして、d軸電流値Id,q軸電流値Iqを前述したようにエスティメータ59及び減算器61,62に出力するようになっている。
【0055】
エスティメータ59は、d軸電流値Id,q軸電流値Iqに基づいてロータ17aの位置角θ及び回転速度ωを推定し、各部に出力する。ここで、モータ17は、起動時には初期パターン出力部68によって直流励磁が行われてロータ17aの回転位置が初期化された後、起動パターンが印加され強制転流が行われる。この起動パターンの印加による強制転流時においては、位置角θは推定するまでもなく明らかである。そして、αβ/dq変換部63は、ベクトル制御が開始される直前において初期パターン出力部68より得られる位置角θinitを初期値として、電流値Id,Iqを演算して出力する。
【0056】
ベクトル制御の開始以降は、エスティメータ59が起動されてロータ17a位置角θ及び回転速度ωが推定される。この場合、エスティメータ59がαβ/dq変換部63に出力するロータ位置角θn とすると、エスティメータ59は、電流値Id,Iqに基づいてベクトル演算により推定したロータ位置角θn-1 とその一周期前に推定したロータ位置角θn-2 との相関に基づいてロータ位置角θn を推定するようになっている。
【0057】
尚、以上の構成において、インバータ回路12,増幅・バイアス回路70を除く構成は、マイコン54のソフトウエアによって実現されている機能をブロック化したものである。そして、ベクトル制御における電流制御周期は、PWM搬送波周波数の逆数である62.5μ秒に設定されている。
【0058】
また、本実施例では、モータ17を起動する場合、後述するように、ベクトル制御の開始前にPI制御を一時的に行うようになっている。そのため、図示しないPI制御部及びUVW変換部を並列に備えており、実際には、そのUVW変換部より出力される電圧指令Vu,Vv,Vwについても切換えスイッチ67部分で切り替えてPWM形成部69に出力することができるようになっている。
【0059】
次に、本実施例の作用について図4乃至図13をも参照して説明する。図4は、主にマイコン54による概略的な制御内容を示すフローチャートである。マイコン54は、例えば洗い運転を開始させる場合に前述した起動処理を行う(ステップS1)。即ち、切替えスイッチ67u〜67wの可動接点67uc〜67wcを固定接点67ub〜67wbに接続して初期パターン出力部68により直流励磁を行わせ、ロータ17aの回転位置を初期化させてから電圧指令値Vus〜Vwsをインバータ回路12に与えてモータ17を強制転流させる(ステップS2)。すると、モータ17は回転を開始し、回転速度は徐々に上昇して行く。
【0060】
それから、マイコン54は、例えば、初期パターン出力部68によって与えられる検知信号によりモータ17の回転数が20rpmに達したと判断すると(ステップS3,「YES」)、切替えスイッチ67u〜67wの可動接点67uc〜67wcを固定接点67ua〜67waに接続するように切り替えると共に目標速度指令ωref の出力を開始し電圧制御(PI制御)を行う(ステップS4)。即ち、回転速度が比較的低い領域では、ベクトル制御を高精度で行うことが困難となるからである。
【0061】
続いて、マイコン54は、エスティメータ59より与えられる回転速度ωを参照してモータ17の回転数が60rpmに達したと判断すると(ステップS5,「YES」)、ベクトル制御を開始させる(ステップS6)。その後は、運転停止の指示があるまで運転を継続する(ステップS7)。
【0062】
以下、ステップS6以降におけるベクトル制御について処理の流れを説明する。PWM形成部69は、内部のアップダウンカウンタ(図示せず)のカウンタ出力によって16kHzのPWM搬送波を生成しており、そのカウンタ値が“0”,即ち三角波の谷に達した時点で変換タイミング信号をA/D変換部56に出力するようになっている(図5参照)。
【0063】
図5に示すように、PWM形成部69は、αβ/UVW変換部66が出力する電圧指令値Vu〜VwとPWM搬送波とのレベルを比較して、後者のレベルが前者を上回っている期間に上アーム側のIGBT15a〜15cがオンするようにPWM信号Vup(+) 〜Vwp(+) を出力する。そして、下アーム側のIGBT15d〜15fは、上アーム側のIGBT15a〜15cがオフしている期間にデッドタイムを挟んでオンされるようになっている。
【0064】
また、図6には、モータ17の相電流の反転IMINVとシャント抵抗55に流れる電流ISR及び相電圧との関係を示す波形図である。即ち、電流ISRが流れる期間は、下アーム側のIGBT15がオンして相電圧が0Vを示す場合である。従って、三角波の谷は、下アーム側のIGBT15d〜15fがオンしている期間の中間位相を示すことになる。つまり、A/D変換部56が、PWM形成部69内部のカウンタ値“0”の時点でA/D変換を行うようにすれば、インバータ回路12の下アーム側に流れる相電流を確実にサンプリングすることができる。
【0065】
A/D変換部56によりA/D変換された2相の電流値は、推定された残り1相の電流値と共にUVW/αβ変換部71,αβ/dq変換部63を介すことで2軸電流データIα,Iβ,→Id,Iqに変換され、エスティメータ59及び減算器61,62に出力され、エスティメータ59によって位置角θ及び回転速度ωが推定される。尚、電流Iqは、モータ17の2次磁束の方向に対して垂直となる方向に流れる電流であり、トルクの発生に寄与する電流成分である。一方、電流Idは、2次磁束の方向に対して平行となる方向に流れる電流であり、トルクの発生には寄与しない電流成分である。
【0066】
そして、速度PI制御部60は、速度指令値出力部57より与えられる目標速度指令ωref と検出速度ωとの差分量に基づいてq軸,d軸電流指令値Iqref,Idrefを出力し、電流PI制御部64q,64dは、指令値Iqref,Idrefと検出された電流値Iq,Idとの差分に基づいて電圧指令値Vq,Vdを出力する。電圧指令値Vq,Vdは、dq/αβ変換部65,αβ/UVW変換部63を介して電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換されてPWM形成部69に出力され、PWM形成部69がインバータ回路12にPWM信号Vup〜Vwpを出力する。すると、モータ17の各相巻線17u〜17wに通電が行われる。
【0067】
ここで、図7は、モータ17に二相変調波通電を行った場合、各相巻線に現れる相電圧Vmu,Vmv,Vmwと、A/D変換部56における各相電流の検出タイミングを示すものである。この図において、相電圧が高いほど、対応する上アーム側のIGBT15a〜15cがオンしている時間は長く、下アーム側のIGBT15d〜15fがオンしている時間は短い。そして、シャント抵抗55による電流の検出は、下アーム側のIGBT15d〜15fがオンしている期間でなければできないので、上述し、図5に示したように、A/D変換はPWM搬送波の三角波の谷に達したタイミングで行っている。
【0068】
また、下アーム側のIGBT15d〜15fがオンしている時間でなければ電流検出ができないということは、電流検出が不能となる期間が各相毎に存在することを示している。しかし、三相の電流の内の二相を検出できれば、残りの一相は推定することが可能であるから、A/D変換部56において、検出可能な二相の電流を順次切り換えてれば三相分の電流を常時検出することができる。
【0069】
ところが、PWM搬送波は三相とも共通の信号であるから、二相のA/D変換タイミングは同時になる。搬送波周波数は16kHzであるから電流制御周期は最短で62.5μ秒となるが、A/D変換に要する時間が例えば1μ秒程度の短時間である場合は、1つのA/Dコンバータで二相のA/D変換をシリアルに行っても問題はない。しかし、一般に、マイクロコンピュータに搭載されるA/Dコンバータはそれ程高速ではない。
【0070】
そこで、本実施例では、2つのA/Dコンバータ56A,56Bに夫々三相分の電流信号を与えて、夫々のコンバータ56A,56Bにおいて、何れか一相の電流信号の入力を切り換えてA/D変換することで、同時に二相分のA/D変換値を得るようにしている。斯様に構成することで、A/D変換部56のA/D変換速度が低速(例えば、6μ秒)であっても、十分に対応することが可能となっている。
【0071】
ここで、図8は、回転槽45を250rpmで回転させた場合に回転速度が変動する状態を示すものであり、(a)は本実施例の構成による場合、(b)は従来構成による場合(即ち、電圧による制御)を示す。尚、250rpmは、防振機構44のダンパー44bの固有振動するに対応した回転数である。円の直径方向は回転速度の大きさ(250rpmを中心として±3rpm)を表し、周方向は回転槽45の回転位置を表している。尚、(洗濯物+水分)に相当する負荷として16kgのウエイトを回転槽45内に配置している。また、回転槽45の上端部,下端部には、夫々400g,300gの流体バランサを配置している。
【0072】
図8(b)に示す従来構成の場合は、回転変動に回転角と連動した周期性を有しており、特定の回転位置について大きく偏るように回転変動が発生している (最大変動差は6rpm程度)。これに対して、図8(a)に示す本実施例の構成による場合、回転速度は回転位置の全般に渡って略250rpmとなっている(最大変動差は1rpm程度)。即ち、本実施例の構成により回転変動が効果的に抑制されていることが明らかである。
【0073】
ところで、図4に示すフローチャートは、マイコン54が、例えば洗い運転を開始させる場合として説明したが、脱水運転を行う場合のモータ17の初期駆動手順も、図4に示すフローチャートに示すものと同様にして行うようにしている。この場合、回転槽45の回転数が60rpmを超えると電圧制御からベクトル制御に切り替わるが、60rpm程度の脱水運転における低速回転域は、回転槽45(水受槽43)を弾性支持する防振機構44の、吊り棒44aの固有振動数1Hzに相当する回転数である。
【0074】
このため、回転槽45の回転数と吊り棒44aの固有振動数とが一致する場合に回転槽45(水受槽43)の振動振幅はピークに達するが、回転槽45内の洗濯物がアンバランスに分布している状態にあると、その振動振幅は更に大きくなる。そこで、脱水運転における低速回転域でベクトル制御及びPI制御を行って回転槽45の回転数を制御すれば、回転数の変動を極力小さくすることができるため、60rpm付近で発生しようとする回転槽45の振動を効果的に抑制することができる。従って、騒音や振動、特に、水受槽43が外箱42の内壁にぶつかることで発生する「ドン」という音や振動、また、水受槽43の揺動によって発生する振動が床に伝達することが極力防止される。
【0075】
また、図9及び図10には、本実施例の構成と従来構成とにおける脱水運転開始時の回転槽45の揺れ量(変位量)を示す。図9に示す本実施例の場合は、図10に示す従来構成の場合と比較してレベルの小さい揺れ量のピークが早い時間に発生して急速に収束している。即ち、回転速度の変動が少なくなったことで運転時に発生する振動を抑制することが可能となっている。また、図11には、従来構成と本実施例の構成とが夫々発生させる騒音レベルを比較したものを示す。本実施例の構成によって騒音レベルが最大で2dB程度低減されている。
【0076】
加えて、図12には、本実施例の構成における洗い運転時の目標速度指令ωref とモータ17の回転速度ωとを示し、図13は、従来構成のPI制御によるデューティ指令Dutyとモータ7の回転速度ωとを示す。これらの図から明らかなように、本実施例の場合は、目標速度指令ωref に対する回転速度ωの追従が良好であり回転変動も少なく安定している。
【0077】
以上のように本実施例によれば、洗濯機41のモータ17を、インバータ回路12を介して駆動するためベクトル制御を行う場合に、ベクトル制御を行うための演算処理と、洗濯機41の入力操作などに関する制御処理とを50MIPSの処理能力を備える単一のマイコン54で行うように構成した。
【0078】
従って、洗濯機の基本的な制御をマイクロコンピュータで行い、ベクトル制御に関する演算をDSPで行う構成とは異なり、部品コストを上昇させたり回路基板の面積を増やす必要が無くなる。また、マイコン45はDSP33との間で通信処理を行う必要が無くなるので、制御プログラムサイズを小さくすることができる。更に、ノイズの印加によるデータ化けの発生や、通信線の断線による制御不能状態が発生するおそれが無くなるので、モータ17の制御をより安定的に行うことが可能となる。そして、PWM信号の搬送波周波数が16kHzに設定される洗濯機41であっても、ベクトル制御を十分に実行することが可能となる。
【0079】
また、シャント抵抗55によってモータ17の巻線17u〜17wに流れる電流を検出し、マイコン54は、検出された電流に基づいてモータ17をベクトル制御して、モータ17の発生トルクが洗い,濯ぎ,脱水の各行程において最適となるように制御するので、モータ17の駆動制御を高い応答性を以て行うことで、洗い,濯ぎ,脱水の何れの行程においてもモータ17の回転に伴う振動や騒音の発生を抑制することが可能となる。そして、マイコン54は、位置センサレス方式を採用し、検出したモータ17の電流に基づいてモータ17の回転数を推定・制御するので、部品コストがより低下するようになる。
【0080】
更に、本実施例によれば、マイコン54が備える2つのA/Dコンバータ56A,56B夫々の入力チャネルにモータ17の各相電流を並列に与えるようにしたので、マイコン54は、各相電流の内から、必要な相の電流を略同時に読み込むことが可能となる。従って、電流値の読み込みを高速に行って処理時間を短くすることができる。また、A/Dコンバータ56A,56Bの変換速度が高速でなくとも、複数相の電流値の読み込みを余裕をもって行うことができる。
【0081】
また、本実施例によれば、マイコン54を、洗い,濯ぎ行程における撹拌体46の正反転動作時に、モータ17の回転数をPI制御するようにした。即ち、モータ17のトルクをベクトル制御することで制御応答性が極めて良好となり、モータ17の回転速度が高速の領域においてもPI制御を行うことが可能となった。従って、モータ17の回転数制御をより広い回転数範囲に渡って高精度に行うことができる。
【0082】
加えて、マイコン54は、脱水行程の初期において回転槽45の回転に伴って発生しようとする振動を抑制するように、モータ17のトルクをベクトル制御する。従って、脱水行程の初期において、回転槽45の回転数が60rpm付近に達した段階で、防振機構44を構成する吊り棒44aの固有振動数1Hzで共振が発生することを効果的に抑止して、騒音や振動、特に、水受槽43が外箱42の内壁にぶつかることで発生する「ドン」という音や振動、また、水受槽43の揺動によって発生する振動が床に伝達することを極力防止することができるようになる。
【0083】
図14及び図15は、本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。図14は、マイコン54Aとその周辺の構成を部分的に示す図である。第2実施例では、洗濯機41に音声信号入力用のマイクロフォン72及び音声信号出力用のスピーカ73を付加している。
【0084】
マイクロフォン72に入力された音声信号は、音声アンプ74を介して増幅され、マイコン54AのA/D変換部56の入力チャネルに与えられている。この場合、A/Dコンバータ56A,56Bの何れであっても良く、入力チャネルは、電流検出用に使用されていないものを割り当てる。そして、マイコン54Aはの音声信号出力のポートは、D/A変換部75及び音声アンプ76を介してスピーカ73に接続されている。そして、マイコン54Aは、内部のROMに様々な音声データの波形を記憶させた音声データ部77を備えている。
【0085】
即ち、第2実施例では、ユーザがマイクロフォン72を介して入力した音声信号をマイコン54Aが認識し、その認識した音声に基づく処理を実行するように構成されている。
【0086】
次に、第2実施例の作用について図15をも参照して説明する。マイコン54Aは、自身がモータ17の駆動制御を行っている場合は(ステップV1,「YES」)、モータ17の駆動制御を続行する(ステップV2)。そして、モータ17の駆動制御を行っていない場合、例えば、電源投入直後で洗濯運転を開始する前の段階などであれば(ステップV1,「NO」)、マイクロフォン72に音声信号が入力されたか否かを判断する(ステップV2)。一定レベル以上の信号入力が検出されることで音声信号が入力されたものと判断すると(「YES」)、マイコン54は音声認識処理を実行し(ステップV3)、音声信号が入力されなければ(「NO」)ステップV1に戻る。
【0087】
一般に、音声認識はかなり複雑な処理であり、コンピュータの処理能力が相当程度なければ実行はできない。例えば、従来構成で使用されていたメインマイコン13などでは不可能である。これに対して、20MIPS以上の処理能力を有するマイコン54Aは音声認識処理を行う能力を十分に備えており、ベクトル制御を実行していない期間であればその実行が可能である。
【0088】
ステップV3における音声認識処理は、A/D変換部56においてデジタル値に変換された音声データパターンを、音声データ部77に記憶されているデータパターンと比較することによって行う。そして、マイコン54Aは、音声認識の結果に応じた音声データを出力する(ステップV5)。
【0089】
例えば、ユーザが、回転槽45の内部に洗濯物を投入した後、「洗濯」という音声を発してマイクロフォン72に入力したとすると、マイコン54Aは、その音声「洗濯」を認識して、例えば、「洗濯を開始します」といったような音声信号をスピーカ73より出力させる。
【0090】
音声信号の出力は、音声データ部77から上記音声信号に対応する波形データを読み出して合成を行い、そのデータを出力ポートに与える。出力ポートに与えられた音声データはD/A変換部75によりD/A変換され、音声アンプ76により増幅されてからスピーカ73を介して出力される。
【0091】
それから、マイコン54Aは、音声認識処理の結果に基づいた処理を実行する(ステップV6)。即ち、上記の例であれば、マイコン54Aは洗濯運転を開始する(例えば、給水弁20を開いて給水を開始する)。そして、ステップV1に戻る。
【0092】
以上のように第2実施例によれば、マイコン54Aは、モータ17の駆動制御を停止している期間において、洗濯機41の入力操作に関する音声信号処理を行うようにしたので、処理能力に余裕がある期間に音声認識処理等を行い、ユーザが要求した処理の実行を開始させることが可能となり、利便性をより向上させることができる。
【0093】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
マイコンの処理能力は10MIPS以上あれば十分である。
速度制御周期は、振動系の固有振動数に対応する周期の1/20以下に設定すれば、振動・騒音の抑制効果を十分に得ることができる。
A/Dコンバータは、十分高速なものが使用できる場合には、1個のみでシリアルにA/D変換を行っても良い。
モータ17に流れる電流の検出は、シャント抵抗55に代えて電流センサ31を用いて行っても良い。
第2実施例において、音声信号の出力は必要に応じて行えば良く、スピーカ73等の構成やフローチャートのステップV5は削除しても良い。
また、第2実施例において、必ずしも入力された音声信号に対する応答に限らず、必要に応じて適当な音声信号を出力することで、例えば、洗濯に関する一連の行程が全て終了した時点で「洗濯が終了しました」など、ユーザに対する報知を行うようにしても良い。
【0094】
【発明の効果】
本発明の洗濯機の制御装置によれば、ブラシレスDCモータの駆動トルクをベクトル制御するための演算処理と、洗濯機のスイッチ入力回路や表示回路等の操作パネル制御,水位センサからのセンサ信号読取り,給水弁や排水弁の駆動制御などに関する制御処理とをRISCアーキテクチャのCPUコアを有して構成される単一のマイクロコンピュータで行うように構成した。従って、洗濯機の基本的な制御をマイクロコンピュータで行い、ベクトル制御に関する演算をDSPで行う構成とは異なり、部品コストを上昇させたり回路基板の面積を増やす必要が無い。また、上記構成を採用することで、マイクロコンピュータはDSPとの間で通信処理を行う必要が無くなり、制御プログラムサイズを小さくすることができる。更に、ノイズの印加によるデータ化けの発生や、通信線の断線による制御不能状態が発生するおそれが無くなるので、モータの制御をより安定的に行うことが可能となる。
また、モータの駆動制御を高い応答性を以て行うことで、洗い,濯ぎ,脱水の何れの行程においてもモータの回転に伴う振動や騒音の発生を抑制することが可能となる。そして、マイクロコンピュータは、複数のA/Dコンバータに並列に入力されている各相電流の内から、必要な相の電流を略同時に読み込むことが可能となるから、電流値の読み込みを高速に行って処理時間を短くすることができる。また、A/Dコンバータの変換速度が高速でなくとも、複数相の電流値の読み込みを余裕をもって行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であり、全自動洗濯機の電気的構成を示す図
【図2】主に、モータの駆動制御に関するマイクロコンピュータ内部の機能をブロック化して示す図
【図3】全自動洗濯機の全体構成を示す縦断面図
【図4】主に制御用マイコンによる概略的な制御内容を示すフローチャート
【図5】PWM搬送波と上アーム側,下アーム側のゲート信号の波形を示す図
【図6】モータの相電流の反転IMINVとシャント抵抗に流れる電流ISR及び相電圧との関係を示す波形図
【図7】モータの相電圧と各相電流の検出を行うタイミングを示す図
【図8】回転槽を250rpmで回転させた場合に回転速度が変動する状態を示すものであり、(a)は本実施例の構成による場合、(b)は従来構成による場合を示す図
【図9】脱水運転開始時の回転槽の揺れ量(変位量)を示す図(本実施例)
【図10】図8相当図(従来構成)
【図11】従来構成と本実施例の構成とが夫々発生させる騒音レベルを比較した図
【図12】洗い運転時の目標速度指令ωref とモータの回転速度ωとを示す図
【図13】従来構成においてPI制御部が出力するデューティ指令Dutyとモータの回転速度ωとを示す図
【図14】本発明の第2実施例であり、マイクロコンピュータ及びその周辺構成の一部を示すブロック図
【図15】音声信号処理に関するマイクロコンピュータの制御内容を示すフローチャート
【図16】従来技術を示す図1相当図
【符号の説明】
12はインバータ回路、17はブラシレスDCモータ、41は全自動洗濯機、45は回転槽(脱水槽)、46は撹拌翼、54,54Aはマイクロコンピュータ、55はシャント抵抗(電流検出手段)、56A,56BはA/Dコンバータを示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention generates a rotational driving force for performing washing, rinsing and dewatering operations.Brushless DCThe present invention relates to a control device for vector-controlling the driving torque of a motor for a washing machine including a motor.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in a fully automatic washing machine, a brushless DC motor is used as a motor for rotating a stirring blade (pulsator) or a rotating tub when performing washing, rinsing operation or dewatering operation, and the brushless DC motor is driven by an inverter circuit. This method is widely adopted. And when controlling a torque according to the drive condition of a motor, the applied voltage of a motor is increased / decreased. However, although the motor rotation speed is proportional to the generated torque, the generated torque controlled by the applied voltage is not proportional to the voltage, so that the control tends to be unstable because a difference between the target speed command and the detected motor speed tends to occur. There is a problem that.
[0003]
Accordingly, the inventors of the present invention have devised vector control of the motor of the washing machine. That is, since the generated torque of the brushless DC motor is proportional to the q (quadrature) axis current obtained by vector control, it is possible to perform motor torque control and thus rotation speed control with high accuracy.
[0004]
By the way, conventionally, a microcomputer having a CPU core of CISC (Complex Instruction Set Computer) architecture has been used for the control of the motor accompanying the input operation of the washing machine and the control of each process such as washing, rinsing and dehydration. However, if it is assumed that the motor of the washing machine is vector-controlled, the calculation processing load becomes heavy, so that the processing becomes difficult with a conventionally used microcomputer. That is, in the CPU of the CISC architecture, the speed of executing arithmetic processing such as a multiplication instruction is extremely slow.
[0005]
Accordingly, the inventors of the present invention have devised using a DSP (Digital Signal Processor) capable of executing operations such as multiplication at high speed in order to realize a configuration in which the motor of the washing machine is vector-controlled. An example of the electrical configuration is shown in FIG.
[0006]
A DC
[0007]
The DC
[0008]
The DC
[0009]
The DC
[0010]
The output terminal of each phase bridge is connected to each phase winding 17u, 17v, 17w of the stator of the
[0011]
The
[0012]
Further, between the
[0013]
The gate terminal of the phototriac 21 is connected to the ground via the NPN transistor 26, and the gate terminal of the phototriac 21 is connected to the ground via the
[0014]
[0015]
The DSP 33 performs calculation processing related to vector control based on calculation parameters given by UART (Universal Asynchronous Receiver Transmitter) communication performed with the main microcomputer 13 and current detection signals of the
[0016]
By adopting such a configuration, the main microcomputer 13 performs operation panel control of the
[0017]
[Problems to be solved by the invention]
However, when such a configuration is adopted, the following problems are assumed to occur. First, since the two LSIs of the main microcomputer 13 and the
[0018]
Secondly, in order to perform serial communication (UART communication) between the main microcomputer 13 and the
[0019]
Further, by executing the communication process, the control cycle of the main microcomputer 13 is restricted, and it becomes difficult for the main microcomputer 13 to give a control command to the
[0020]
In addition, serial communication requires, for example, three communication connection lines for GND, transmission, and reception (only two lines are shown in FIG. 16), but even if any one of them is disconnected. The drive control of the
[0021]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and its purpose is:Brushless DCIt is an object of the present invention to provide a control device for a washing machine that can execute vector control of a motor at a lower cost and without increasing the size of a circuit board.
[0022]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a control device for a washing machine according to
RISC includes arithmetic processing for performing the vector control and control processing related to operation panel control of the switch input circuit and display circuit of the washing machine, reading of sensor signals from the water level sensor, drive control of the water supply valve and drain valve, and the like. It is configured to be performed by a single microcomputer configured with an architecture CPU core.CompleteThe
[0023]
Therefore, unlike a configuration in which basic control of the washing machine is performed by a microcomputer and calculation related to vector control is performed by a DSP, there is no need to increase the part cost or increase the area of the circuit board. Further, by adopting the above configuration, the microcomputer does not need to perform communication processing with the DSP, and the control program size can be reduced. In addition, there is no possibility of data corruption due to noise application and the possibility of uncontrollable state due to communication line disconnection.Brushless DCThe motor can be controlled more stably.
[0026]
AlsoTheCurrent detection means for detecting the current flowing through the
The microcomputer is configured so that the motor is vector-controlled based on the current detected by the current detection means so that the torque generated by the motor is optimized in each of the washing, rinsing, and dewatering processes.BecauseBy performing motor drive control with high responsiveness, it is possible to suppress the generation of vibration and noise associated with the rotation of the motor in any of the washing, rinsing and dewatering steps.
[0028]
The microcomputer includes a plurality of A / D converters for reading the current value of the motor detected by the current detection means,
The current detection means is composed of three shunt resistors arranged in each phase of the inverter circuit,
The plurality of A / D converters are configured to be able to operate simultaneously, and are configured to be capable of selecting and switching a plurality of input channels that each has, and each phase current of the motor is connected to the input channel of each A / D converter. Configured to give in paralleldo it,
The microcomputer performs A / D conversion processing by the A / D converter in synchronization with the carrier wave period of PWM control..
[0029]
That is, in order to perform vector control, the microcomputer needs to read motor current values of at least two phases. Therefore, if configured in this way, the microcomputer can read the currents of the necessary phases from the phase currents input in parallel to the plurality of A / D converters substantially simultaneously. Accordingly, the processing time can be shortened by reading the current value at high speed. Even if the conversion speed of the A / D converter is not high, the current values of a plurality of phases can be read with a margin.
[0034]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A first embodiment in which the present invention is applied to a fully automatic washing machine having a vertical axis will be described below with reference to FIGS. Note that the same parts as those in FIG.
[0035]
First, FIG. 3 is a longitudinal sectional view showing the overall configuration of the fully
[0036]
A rotating
[0037]
Further, a
[0038]
An
[0039]
A
[0040]
Also brushlessDCAt the time of dehydration, the
[0041]
In FIG. 1 showing the electrical configuration, in the configuration of this embodiment, the main microcomputer 13 and the
[0042]
In place of the
[0043]
The
[0044]
The
・ All decoding is realized by wired logic,
Simple instruction set that can be executed in the same time
・ Pipeline control of instruction execution processing
・ Many internal registers
・ Large capacity cache
In order to efficiently execute the program by the above architecture, the executable program is optimized by the compiler.
According to the RISC having such a configuration, the total processing performance is improved as compared with CISC. In particular, the execution speed of product operations and the like is extremely increased. For example, the
[0045]
FIG. 2 is a functional block diagram showing a drive control system of the
[0046]
The speed
[0047]
The speed
[0048]
The
[0049]
The voltage command values Vα and Vβ output from the dq /
[0050]
The
[0051]
The emitters of the IGBTs 15c to 15e on the lower arm side in the
[0052]
Referring again to FIG. 1, the A /
[Expression 1]
Then, the biaxial current data Iα and Iβ are output to the αβ /
[0053]
The αβ /
[0054]
[Expression 2]
The d-axis current value Id and the q-axis current value Iq are output to the
[0055]
The
[0056]
After the start of vector control, the
[0057]
In the above configuration, the configuration excluding the
[0058]
In the present embodiment, when the
[0059]
Next, the operation of the present embodiment will be described with reference to FIGS. FIG. 4 is a flowchart showing a schematic control content mainly by the
[0060]
Then, for example, when the
[0061]
Subsequently, when the
[0062]
Hereinafter, the flow of processing for vector control in step S6 and subsequent steps will be described. The
[0063]
As shown in FIG. 5, the
[0064]
FIG. 6 is a waveform diagram showing the relationship between the inversion IMINV of the phase current of the
[0065]
The two-phase current values A / D converted by the A /
[0066]
Then, the speed
[0067]
7 shows the phase voltage Vmu, Vmv, Vmw appearing in each phase winding when the
[0068]
In addition, the fact that current detection cannot be performed unless the
[0069]
However, since the PWM carrier wave is a signal common to all three phases, the two-phase A / D conversion timing is simultaneous. Since the carrier frequency is 16 kHz, the current control period is 62.5 μs at the shortest. However, if the time required for A / D conversion is a short time of about 1 μs, for example, one A / D converter uses two phases. There is no problem even if A / D conversion is performed serially. However, in general, an A / D converter mounted on a microcomputer is not so fast.
[0070]
Therefore, in this embodiment, current signals for three phases are respectively supplied to the two A /
[0071]
Here, FIG. 8 shows a state in which the rotation speed fluctuates when the rotating
[0072]
In the case of the conventional configuration shown in FIG. 8B, the rotation fluctuation has a periodicity linked to the rotation angle, and the rotation fluctuation is generated so as to be largely deviated with respect to a specific rotation position (the maximum fluctuation difference is About 6 rpm). On the other hand, in the case of the configuration of this embodiment shown in FIG. 8A, the rotation speed is approximately 250 rpm over the entire rotation position (the maximum variation difference is about 1 rpm). That is, it is clear that the rotational fluctuation is effectively suppressed by the configuration of this embodiment.
[0073]
Incidentally, the flowchart shown in FIG. 4 has been described as the case where the
[0074]
For this reason, when the rotation speed of the
[0075]
9 and 10 show the shaking amount (displacement amount) of the
[0076]
In addition, FIG. 12 shows the target speed command ωref and the rotational speed ω of the
[0077]
As described above, according to the present embodiment, when vector control is performed to drive the
[0078]
Therefore, unlike the configuration in which the basic control of the washing machine is performed by the microcomputer and the calculation related to the vector control is performed by the DSP, it is not necessary to increase the component cost or increase the area of the circuit board. In addition, since the
[0079]
Further, the current flowing through the
[0080]
Furthermore, according to the present embodiment, since each phase current of the
[0081]
Further, according to the present embodiment, the
[0082]
In addition, the
[0083]
14 and 15 show a second embodiment of the present invention. The same parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals and the description thereof will be omitted. Only different parts will be described below. FIG. 14 is a diagram partially showing the configuration of the
[0084]
The audio signal input to the
[0085]
That is, in the second embodiment, the
[0086]
Next, the operation of the second embodiment will be described with reference to FIG. If the
[0087]
In general, speech recognition is a fairly complicated process and cannot be executed unless the computer has a considerable processing capability. For example, it is impossible with the main microcomputer 13 used in the conventional configuration. On the other hand, the
[0088]
The voice recognition process in step V3 is performed by comparing the voice data pattern converted into a digital value by the A /
[0089]
For example, if the user puts the laundry into the
[0090]
For the output of the audio signal, the waveform data corresponding to the audio signal is read from the
[0091]
Then, the
[0092]
As described above, according to the second embodiment, the
[0093]
The present invention is not limited to the embodiments described above and illustrated in the drawings, and the following modifications or expansions are possible.
The processing capacity of the microcomputer should be 10 MIPS or more..
If the speed control period is set to 1/20 or less of the period corresponding to the natural frequency of the vibration system, the effect of suppressing vibration and noise can be sufficiently obtained.
If a sufficiently fast A / D converter can be used, only one A / D converter may perform serial A / D conversion.
The current flowing through the
In the second embodiment, the output of the audio signal may be performed as necessary, and the configuration of the
In the second embodiment, the response to the input audio signal is not necessarily output, and an appropriate audio signal is output as necessary. You may make it alert | report to a user, such as "It was completed."
[0094]
【The invention's effect】
According to the washing machine control device of the present invention, arithmetic processing for vector control of the driving torque of the brushless DC motor, operation panel control of the switch input circuit and display circuit of the washing machine, and reading of the sensor signal from the water level sensor The control processing related to the drive control of the water supply valve and the drain valve is performed by a single microcomputer having a CPU core of RISC architecture. Therefore, unlike a configuration in which basic control of the washing machine is performed by a microcomputer and calculation related to vector control is performed by a DSP, there is no need to increase the part cost or increase the area of the circuit board. Further, by adopting the above configuration, the microcomputer does not need to perform communication processing with the DSP, and the control program size can be reduced. Furthermore, there is no possibility of data corruption due to the application of noise or the possibility of an uncontrollable state due to disconnection of the communication line, so that the motor can be controlled more stably.
In addition, by performing motor drive control with high responsiveness, it is possible to suppress the generation of vibration and noise associated with the rotation of the motor in any of the washing, rinsing, and dehydration processes. And since the microcomputer can read the current of the required phase from the phase currents input in parallel to the plurality of A / D converters almost simultaneously, the current value is read at high speed. Processing time can be shortened. Further, even when the conversion speed of the A / D converter is not high, the current values of a plurality of phases can be read with a margin.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an electrical configuration of a fully automatic washing machine according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram showing functions inside a microcomputer mainly related to motor drive control.
FIG. 3 is a longitudinal sectional view showing the overall configuration of a fully automatic washing machine.
FIG. 4 is a flowchart showing a schematic control content mainly by a control microcomputer.
FIG. 5 is a diagram showing waveforms of PWM carrier waves and gate signals on the upper arm side and the lower arm side
FIG. 6 is a waveform diagram showing the relationship between the inversion IMINV of the motor phase current, the current ISR flowing through the shunt resistor, and the phase voltage.
FIG. 7 is a diagram showing the timing for detecting the motor phase voltage and each phase current;
FIGS. 8A and 8B show a state in which the rotation speed fluctuates when the rotating tank is rotated at 250 rpm. FIG. 8A shows the case of the configuration of this embodiment, and FIG. 8B shows the case of the conventional configuration.
FIG. 9 is a diagram showing the shaking amount (displacement amount) of the rotating tank at the start of the dehydration operation (this example)
FIG. 10 is a view corresponding to FIG. 8 (conventional configuration).
FIG. 11 is a diagram comparing noise levels generated by the conventional configuration and the configuration of the present embodiment.
FIG. 12 is a diagram showing a target speed command ωref and a motor rotational speed ω during washing operation.
FIG. 13 is a diagram showing a duty command duty output by a PI control unit and a motor rotation speed ω in a conventional configuration;
FIG. 14 is a block diagram showing a part of a microcomputer and a peripheral configuration thereof according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 15 is a flowchart showing the control contents of a microcomputer related to audio signal processing;
FIG. 16 is a view corresponding to FIG.
[Explanation of symbols]
12 is an inverter circuit, 17 is brushlessDCMotor, 41 is a fully automatic washing machine, 45 is a rotating tub (dehydration tub), 46 is a stirring blade, 54 and 54A are microcomputers, 55 is a shunt resistance (current detection means), and 56A and 56B are A / D converters. .
Claims (1)
前記ベクトル制御を行うための演算処理と、前記洗濯機のスイッチ入力回路や表示回路等の操作パネル制御,水位センサからのセンサ信号読取り,給水弁や排水弁の駆動制御などに関する制御処理とをRISC(Reduced Instruction Set Computer)アーキテクチャのCPUコアを有して構成される単一のマイクロコンピュータで行うように構成し、
前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段を備え、
前記マイクロコンピュータは、前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて前記モータをベクトル制御することで、当該モータの発生トルクが洗い,濯ぎ,脱水の各行程において最適となるように制御し、
前記マイクロコンピュータが前記電流検出手段によって検出されたモータの電流値を読み込むためのA/Dコンバータを複数備え、
前記電流検出手段を、インバータ回路の各相に配置される3つのシャント抵抗で構成し、
前記複数のA/Dコンバータは、同時に動作が可能に構成されると共に夫々が有する複数の入力チャネルの選択切替えが可能に構成されており、各A/Dコンバータの入力チャネルにモータの各相電流が並列に与えられ、
前記マイクロコンピュータは、前記A/DコンバータによるA/D変換処理を、前記PWM制御の搬送波周期に同期して行わせることを特徴とする洗濯機の制御装置。This is a control device for vector-controlling the driving torque of a motor for a washing machine that drives a brushless DC motor that generates a rotational driving force for performing washing, rinsing, and dehydrating operations by PWM control via an inverter circuit. And
RISC includes arithmetic processing for performing the vector control, and control processing related to operation panel control of the switch input circuit and display circuit of the washing machine, sensor signal reading from the water level sensor, drive control of the water supply valve and drain valve, and the like. (Reduced Instruction Set Computer) is configured to be performed by a single microcomputer configured with a CPU core of architecture ,
Comprising current detection means for detecting the current flowing through the motor;
The microcomputer performs vector control of the motor based on the current detected by the current detection means, so that the generated torque of the motor is optimized in each of the washing, rinsing, and dehydration processes,
The microcomputer comprises a plurality of A / D converters for reading the current value of the motor detected by the current detection means,
The current detection means is composed of three shunt resistors arranged in each phase of the inverter circuit,
The plurality of A / D converters are configured to be simultaneously operable and configured to be capable of selecting and switching a plurality of input channels included in each of the A / D converters. Are given in parallel,
The microcomputer controls a washing machine control device to perform A / D conversion processing by the A / D converter in synchronization with a carrier wave period of the PWM control .
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