JP3977000B2 - Torque converter lockup device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクコンバータのロックアップ装置、特に、ピストンの側方に弾性部材が配置された装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に弾性連結機構は、入力回転部材から出力回転部材にトルクを伝達しつつ、入力回転部材から出力回転部材に伝わる捩り振動を吸収・減衰する。このような弾性連結機構が用いられる構造として、例えば、トルクコンバータ内部に配置されるロックアップ装置が知られている。
【0003】
トルクコンバータは、3種の羽根車(インペラー,タービン,ステータ)を内部に有し、内部の作動油を介してトルクを伝達する装置である。インペラーは入力側回転体としてのフロントカバーに固定されている。タービンは流体室内でインペラーに対向して配置されている。インペラーが回転すると、インペラーからタービンに作動油が流れ、タービンを回転させることでトルクを出力する。
【0004】
ロックアップ装置は、タービンとフロントカバーとの間の空間に配置されており、フロントカバーとタービンを機械的に連結することでフロントカバーからタービンにトルクを直接伝達するための機構である。
【0005】
通常、このロックアップ装置は、フロントカバーに押し付けられることが可能な円板状のピストンと、ピストンの外周部に固定されるリティーニングプレートと、リティーニングプレートにより回転方向及び外周側を支持されるトーションスプリングと、トーションスプリングの両端を回転方向に支持するドリブンプレートとを有している。ドリブンプレートはタービンのタービンシェル等に固定されている。
【0006】
ロックアップ装置が連結状態になると、トルクはフロントカバーからピストンに伝達され、さらにトーションスプリングを介してタービンに伝えられる。また、ロックアップ装置の弾性連結機構においては、トーションスプリングがリティーニングプレートとドリブン部材との間で回転方向に圧縮され、捩り振動を吸収・減衰する。
【0007】
トーションスプリングとしては、低剛性・広捩じり角度を達成するため、1対のコイルスプリングが回転方向に直列に作用するように配置された構造がある。1対のコイルスプリングの回転方向間には中間フロート体(遊動子)が配置され、1対のコイルスプリングを連結している。中間フロート体は、例えば、環状部と、環状部から延び1対のコイルスプリング間に延びる爪とから構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述したロックアップ装置においては、弾性部材はリティーニングプレートによってピストンに対して軸方向に支持されている。そのため、リティーニングプレートの構造が複雑になり、又は弾性部材を保持させるためにリティーニングプレートに所定の強度が必要になる。
【0009】
本発明の目的は、トルクコンバータのロックアップ装置等の弾性連結機構において弾性部材を保持するための構造を簡単にすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のロックアップ装置は、トルクを伝達するとともに捩じり振動を吸収・減衰するためのトルクコンバータに用いられる装置であって、円板状のピストンと出力回転部材と弾性部材とサポート部材とを備えている。円板状のピストンはクラッチ動作を行うための部材である。弾性部材は、ピストンと出力回転部材とを回転方向に弾性的に連結するための部材であり、ピストンタービン側面に当接して配置されている。サポート部材は、弾性部材の外周側に配置され、タービン及びピストンに対して相対回転可能に支持され、弾性部材のピストンと反対側を軸方向から支持する。
【0011】
この装置では、サポート部材が弾性部材の軸方向片側を支持しているため、弾性部材を保持するための構造が簡単になる。
【0012】
請求項2記載のトルクコンバータのロックアップ装置では、請求項1において、サポート部材はピストンによって軸方向に移動不能に支持されている。
【0013】
請求項3に記載のトルクコンバータのロックアップ装置では、請求項1又は2において、サポート部材はピストンによって半径方向に移動不能に支持されている。
【0014】
請求項4に記載のトルクコンバータのロックアップ装置では、請求項1〜3のいずれかにおいて、ピストンは、ピストン本体と、ピストン本体に固定され弾性部材の回転方向両端を支持する入力側部材とを有している。
【0015】
請求項5に記載のトルクコンバータのロックアップ装置では、弾性部材は回転方向に直列に作用するように配置された1対の部材からなる。サポート部材は、1対の部材の回転方向間に配置されたトルク伝達部をさらに有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
A.第1実施形態
(1)トルクコンバータの基本構造
図1は本発明の一実施形態が採用されたトルクコンバータ1の縦断面概略図である。トルクコンバータ1は、エンジンのクランクシャフト2からトランスミッションの入力シャフト3にトルクを伝達するための装置である。図1の左側に図示しないエンジンが配置され、図1の右側に図示しないトランスミッションが配置されている。図1に示すO−Oがトルクコンバータ1の回転軸である。また、図4の矢印R1がトルクコンバータ1の回転方向駆動側を表しており、矢印R2がその反対側を表している。
【0017】
トルクコンバータ1は、主に、フレキシブルプレート4とトルクコンバータ本体5とから構成されている。フレキシブルプレート4は、円板状の薄い部材からなり、トルクを伝達するとともにクランクシャフト2からトルクコンバータ本体5に伝達される曲げ振動を吸収するための部材である。したがって、フレキシブルプレート4は、回転方向にはトルク伝達に十分な剛性を有しているが、曲げ方向には剛性が低くなっている。
【0018】
トルクコンバータ本体5は、3種の羽根車(インペラー21、タービン22、ステータ23)からなるトーラス形状の流体作動室6と、ロックアップ装置7とから構成されている。
【0019】
フロントカバー11は、円板状の部材であり、フレキシブルプレート4に近接して配置されている。フロントカバー11の内周端にはセンターボス16が溶接により固定されている。センターボス16は、軸方向に延びる円筒形状の部材であり、クランクシャフト2の中心孔内に挿入されている。
【0020】
フレキシブルプレート4の内周部は複数のボルト13によってクランクシャフト2の先端面に固定されている。フロントカバー11の外周側かつエンジン側面には、円周方向に等間隔で複数のナット12が固定されている。このナット12内に螺合するボルト14がフレキシブルプレート4の外周部をフロントカバー11に固定している。
【0021】
フロントカバー11の外周部には、軸方向トランスミッション側に延びる外周側筒状部11aが形成されている。この外周側筒状部11aの先端にインペラー21のインペラーシェル26の外周縁が溶接によって固定されている。この結果、フロントカバー11とインペラー21とによって、内部に作動油が充填された流体室が形成されている。インペラー21は、主に、インペラーシェル26と、その内側に固定された複数のインペラーブレード27と、インペラーシェル26の内周部に固定されたインペラーハブ28とから構成されている。
【0022】
タービン22は流体室内でインペラー21に対して軸方向に対向して配置されている。タービン22は、主に、タービンシェル30と、そのインペラー側の面に固定された複数のタービンブレード31と、タービンシェル30の内周縁に固定されたタービンハブ32とから構成されている。タービンシェル30とタービンハブ32とは複数のリベット33によって固定されている。
【0023】
タービンハブ32の内周面には、入力シャフト3に係合するスプラインが形成されている。これによりタービンハブ32は入力シャフト3と一体回転するようになっている。
【0024】
ステータ23は、タービン22からインペラー21に戻る作動油の流れを整流するための機構である。ステータ23は樹脂やアルミ合金等で鋳造により一体に製作された部材である。ステータ23はインペラー21の内周部とタービン22の内周部と間に配置されている。ステータ23は、主に、環状のステータシェル35と、シェル35の外周面に設けられた複数のステータブレード36とから構成されている。ステータシェル35はワンウェイクラッチ37を介して筒状の固定シャフト39に支持されている。固定シャフト39は入力シャフト3の外周面とインペラーハブ28の内周面との間を延びている。
【0025】
以上に述べた各羽根車21,22,23の各シェル26,30,35によって、流体室内にトーラス形状の流体作動室6が形成されている。なお、流体室内においてフロントカバー11と流体作動室6の間には環状の空間9が確保されている。
【0026】
図に示すワンウェイクラッチ37はラチェットを用いた構造であるが、ローラやスプラグを用いた構造であってもよい。
【0027】
フロントカバー11の内周部とタービンハブ32との軸方向間には第1スラストベアリング41が配置されている。この第1スラストベアリング41が設けられた部分において、半径方向に作動油が連通可能な第1ポート17が形成されている。第1ポート17は、入力シャフト3内に設けられた油路と、第1油圧室A(後述)と、タービン22とフロントカバー11との間の空間内とを連通させている。また、タービンハブ32とステータ23の内周部(具体的にはワンウェイクラッチ37)との間には第2スラストベアリング42が配置されている。この第2スラストベアリング42が配置された部分において、半径方向両側に作動油が連通可能な第2ポート18が形成されている。すなわち、第2ポート18は、入力シャフト3及び固定シャフト39の間の油路と、流体作動室6とを連通させている。さらに、ステータ23(具体的にはシェル35)とインペラー21(具体的にはインペラーハブ28)との軸方向間には第3スラストベアリング43が配置されている。この第3スラストベアリング43が配置された部分において、半径方向両側に作動油が連通可能な第3ポート19が形成されている。すなわち、第3ポート19は、固定シャフト39及びインペラーハブ28との間の油路と、流体作動室6とを連通させている。なお、各油路は、図示しない油圧回路に接続されており、独立して第1〜第3ポート17〜19に作動油の供給・排出が可能となっている。
(2)ロックアップ装置の構造
ロックアップ装置7は、タービン22とフロントカバー11との間の空間9に配置されており、必要に応じて両者を機械的に連結するための機構である。ロックアップ装置7は、全体が円板状になっており、空間9を概ね軸方向に分割している。ここでは、フロントカバー11とロックアップ装置7との間の空間を第1油圧室Aとし、ロックアップ装置7とタービン22との間の空間を第2油圧室Bとする。
【0028】
ロックアップ装置7は、クラッチ及び弾性連結機構の機能を有し、主に、ピストン71と、ドリブン部材73と、複数のトーションスプリング74、スプリングホルダー75とから構成されている。
【0029】
ピストン71は、クラッチ連結・遮断を行うための部材であり、さらには弾性連結機構としてのロックアップ装置7における入力部材として機能する。ピストン71は中心孔が形成された円板形状である。ピストン71は、空間9を概ね軸方向に分割するように空間9内の半径全体にわたって延びている。ピストン71の内周縁には軸方向トランスミッション側に延びる内周側筒状部71bが形成されている。内周側筒状部71bはタービンハブ32の外周面によって回転方向及び軸方向に移動可能に支持されている。なお、タービンハブ32の外周面には、内周側筒状部71bに当接することでピストン71の軸方向トランスミッション側への移動を制限するためのフランジ32aが形成されている。さらに、タービンハブ32の外周面には内周側筒状部71bの内周面に当接する環状のシールリング32bが設けられている。これにより、ピストン71の内周縁において軸方向のシールがされている。さらに、ピストン71の外周側には摩擦連結部71cが形成されている。摩擦連結部71cは、半径方向に所定の長さを有する環状部分であり、軸方向両面が軸方向に対して垂直な面となっている平面形状である。摩擦連結部71cの軸方向エンジン側には環状の摩擦フェーシング76が張られている。このように、ピストン71とフロントカバー11の平坦な摩擦面とによって、ロックアップ装置7のクラッチが構成されている。
【0030】
ドライブ部材72は、ピストン71に固定され、ピストン71のトルクをトーションスプリング74に伝達するための部材である。ドライブ部材72は、図4に示すように、環状の固定部72aと、固定部72aから半径方向外方に延びる複数の爪部72bと、固定部72aから半径方向外方に延びる複数の弧状部72cとから構成されている。固定部72aは、ピストン71に当接しており、複数のかしめ71fによって固定されている。各爪部72bは、半径方向外方に延び、さらに軸方向エンジン側に凸となるように湾曲し、さらに軸方向トランスミッション側に延びている。この実施形態では合計4つの爪部72bが形成されている。なお、爪部72bの湾曲部分はピストン71の摩擦連結部71cに当接している。
【0031】
弧状部72cは、爪部72bの回転方向間に形成されており、固定部72aの外周にそって弧状に長く延びている。弧状部72cは、半径方向外方に向かって延びており、全体として軸方向トランスミッション側に傾いている。弧状部72cは半径方向内側から外側に向かって、第1部分72d、第2部分72e、第3部分72fとから構成されている。第1部分72dは爪部72b同士の回転方向間にわたって全体的に形成されている。第2部分72eは第1部分72dからさらに外周側に延びる部分である。第2部分72eは第1部分72dより回転方向長さが短く、第1部分72dの回転方向中間に位置している。したがって、第2部分72eは、爪部72bから回転方向に離れた回転方向端面を有している。第3部分72fは第2部分72eからさらに外周側に延びる部分である。第3部分72fは第2部分72eより回転方向長さが短く、第2部分72eの回転方向中間に位置している。第3部分72fはスプリングホルダー75(後述)を半径方向及び軸方向に支持するため部分である。
【0032】
ドライブ部材72の各爪部72b同士の回転方向間すなわち弧状部72cの外周側は、それぞれ弧状のばね収容部になっている。この実施形態では4つのばね収容部が形成されている。
【0033】
各ばね収容部すなわち爪部72b同士の回転方向間には1対のトーションスプリング74a,74bが回転方向に直列に作用するように配置されている。すなわち、全体で合計8個のトーションスプリング74が用いられている。ここでのトーションスプリングとは、回転方向に延びるコイルスプリングであるが、コイルスプリング単体の物のみならず、コイルスプリング内にさらに小コイルスプリングや弾性体を組みあわせたものをも含む場合がある。また、各ばね収容部において、回転方向R1側のものをトーションスプリング74aとし、回転方向R2側のものをトーションスプリング74bとする。爪部72bは、トーションスプリング74aのR1側端に当接又は近接し、トーションスプリング74bのR2側端に当接又は近接している。
【0034】
スプリングホルダー75は、ドライブ部材72に組みつけられ、ピストン71、ドライブ部材72及びドリブン部材73に対して相対回転可能となっている。スプリングホルダー75は、環状の板金製部材であり、ピストン71の摩擦連結部71c外周縁の軸方向トランスミッション側に配置されている。スプリングホルダー75は、主に、筒状部75aと、その軸方向トランスミッション側端から半径方向内方に延びる環状部75bとから構成されている。筒状部75aはトーションスプリング74の外周側に配置されている。環状部75bは、外周部と、そこから軸方向エンジン側にプレス加工で押し下げられた内周部とを有している。環状部75bの外周部と内周部の境には内周面75gが形成されている。内周面75gは、ドライブ部材72の第3部分72fの外周面に当接している。この当接によって、スプリングホルダー75はドライブ部材72及びピストン71に対して半径方向の位置決めされている。この半径方向支持部分のインロー部は、プレス破断面で構成されているため、形成が容易である。さらに、環状部75bの内周部は、ドライブ部材72の第3部分72fの軸方向エンジン側に位置している。この構造によって、スプリングホルダー75はドライブ部材72及びピストン71に対して軸方向トランスミッション側に外れないようになっている。
【0035】
スプリングホルダー75の環状部75bの内周縁には複数の爪部75cが形成されている。爪部75cは、回転方向に並んで複数形成され、軸方向エンジン側に延びている。爪部75cは、ドライブ部材72の第3部分72fに対応して、つまり爪部72b同士の回転方向中間位置に形成されている。爪部75cは1対のトーションスプリング74a,74b間に延び、両者を回転方向に連結するためのトルク伝達部として機能している。なお、爪部75cの先端は、ドライブ部材72の爪部72bの湾曲部分に近接しており、それによりスプリングホルダー75はドライブ部材72及びピストン71に対して軸方向トランスミッション側への移動が制限されている。
【0036】
以上に述べたようにして、スプリングホルダー75は、ドライブ部材72にガイドされた状態で(半径方向及び軸方向に移動不能に係合した状態で)、回転方向に移動可能となっている。言い換えると、スプリングホルダー75は、制限部としてのドライブ部材72によって相対回転自在にかつ半径方向外方への移動が制限されるように支持されている。このような構造によって、スプリングホルダー75は、遠心力によって半径方向外側に移動するトーションスプリング74の荷重を支持することができるため、ピストン71の外周縁にばねを受けるための筒状部を設ける必要がない。
【0037】
なお、スプリングホルダー75の環状部75bには、組み付け時にドライブ部材72の爪部72bが貫通するための複数の切り欠き75dが形成されている。また、筒状部75aにおいて切り欠き75dに対応する部分の軸方向エンジン側端には他の部分より軸方向に突出する突出部75eが形成されている。突出部75eは切り欠き75dによる剛性が低くなることを補償して回転方向のバランスを維持するための構造である。また、筒状部75aにおいて爪部75cに対応する軸方向エンジン側端には他の部分より軸方向に凹む切り欠き75fが形成されている。切り欠き75fは爪部75cによる剛性が高くなることを補償して回転方向のバランスを維持するための構造である。
【0038】
ドリブン部材73はトーションスプリング74からのトルクをタービン22に伝達するための部材である。ドリブン部材73は、タービン22のタービンシェル30の外周側に設けられた板金製の環状部材である。ドリブン部材73は、タービンシェル30に固定された環状固定部73aと、その外周縁から軸方向エンジン側に延びる複数の爪部73bとを有している。ドリブン部材73の爪部73bは、ドライブ部材72の爪部72bに対応して形成されており、爪部72bの湾曲部分内に延びている。爪部73bは、ドライブ部材72の爪部72bと同等の回転方向幅を有しており、爪部72bと同様に、トーションスプリング74aの回転方向R1側端及びトーションスプリング74bの回転方向R2側端に当接又は近接している。
【0039】
爪部73bはドライブ部材72に対して軸方向に移動可能である。すなわち、ピストン71はトーションスプリング74に係合した状態を維持しつつ油圧変化によって軸方向に移動可能である。
【0040】
爪部73bは、ドライブ部材72の第2部分72e同士の回転方向中間位置にあり、第2部分72eの回転方向端面から所定角度回転方向に離れている。爪部73bが第2部分72eの回転方向端面に当接するまでは、ドリブン部材73はドライブ部材72に対して相対回転可能である。言い換えると、ドライブ部材72の第2部分72eとドリブン部材73の爪部73bとによって、両者の相対回転を停止させるためのストッパー機構が形成されている。このように、爪部73bは、トーションスプリング74に対して係合することによってトルク伝達部の機能を有するとともに、弾性連結部のストッパー機構の一部を構成している。このため、ストッパー機構のための特別な構成を設ける必要がなくなる。
(4)ロックアップ装置の動作
トルクコンバータ1の速度比が上がり、入力シャフト3が一定の回転数に達すると、第1ポート17から第1油圧室Aの作動油が排出される。この結果、第1油圧室Aと第2油圧室Bとの油圧差によって、ピストン71がフロントカバー11側に移動させられ、摩擦フェーシング76がフロントカバー11の平坦な摩擦面に押し付けられる。この結果、フロントカバー11のトルクは、ピストン71からトーションスプリング74を介してドリブン部材73に伝達される。さらにトルクはドリブン部材73からタービン22に伝達される。すなわち、フロントカバー11が機械的にタービン22に連結され、フロントカバー11のトルクがタービン22を介して直接入力シャフト3に出力される。
【0041】
以上に述べたロックアップ連結状態において、ロックアップ装置7は、トルクを伝達するとともにフロントカバー11から入力される捩り振動を吸収・減衰する。具体的には、フロントカバー11からロックアップ装置7に捩り振動が入力されると、トーションスプリング74がピストン71とドリブン部材73との間で回転方向に圧縮される。さらに具体的には、トーションスプリング74はドライブ部材72の爪部72bとドリブン部材73の爪部73bとの間で回転方向に圧縮される。このとき、1対のトーションスプリング74a,74bが回転方向に直列に作用するため、低剛性・広捩じり角の捩じり特性が得られる。
【0042】
以上のように捩り振動が入力されてトーションスプリング74が圧縮を繰り返す際に、遠心力によってトーションスプリング74は半径方向外側に移動し、スプリングホルダー75に摺動する。しかし、スプリングホルダー75はトーションスプリング74とともに回転方向に移動する部材であるため、両部材間での摺動抵抗はきわめて小さい。したがって、捩り振動吸収性能が十分に維持されている。
(6)本発明の有利な効果
a)スプリングホルダー75は、ドライブ部材72の弧状部72cによって半径方向移動を制限されながら、筒状部75aによってトーションスプリング74の外周側を支持している。このように、スプリングホルダー75によってトーションスプリング74の外周側への移動を制限することによって、円板状のピストン71の外周側筒状部を省略できる。
【0043】
b)スプリングホルダー75は1対のトーションスプリング74a,74bに対して中間フロート体として機能しており、簡単な構造によってピストンの外周側筒状部を省略可能としている。
【0044】
c)このロックアップ装置7では、構造が簡単になり、部品点数も少なくなり、コストダウンや軽量化が図れる。特に、スプリングホルダー75の構造が簡素化したことで、軽量化や設備開発工数が削減された。
【0045】
特に、ドライブ部材72はトルク伝達機能しか有しておらずトーションスプリングを保持する機能を有していないため、構造が簡単になり、軽量化や薄肉化が実現可能である。
【0046】
d)スプリングホルダー75はトーションスプリング74の軸方向トランスミッション側のみを支持しているため、トーションスプリング74はピストン71に直接当接している。この結果トーションスプリング74はコイル径を十分に大きくすることができ、低剛性を実現するための設計が容易になる。
【0047】
e)さらに、スプリングホルダー75、トーションスプリング74、及びドリブン部材73を、ピストン71外周部とタービン22外周部の間の余ったスペースに配置できるため、スペース効率がよい。つまり、これら部材によってトルクコンバータの軸方向寸法などが極端に大きくなることがない。
B.第2実施形態
本実施形態においてトルクコンバータの基本構造は前記実施形態と同様である。
【0048】
ロックアップ装置7は、タービン22とフロントカバー11との間の空間9に配置されており、必要に応じて両者を機械的に連結するための機構である。ロックアップ装置7は、全体が円板状になっており、空間9を概ね軸方向に分割している。ここでは、フロントカバー11とロックアップ装置7との間の空間を第1油圧室Aとし、ロックアップ装置7とタービン22との間の空間を第2油圧室Bとする。
【0049】
ロックアップ装置7は、クラッチ及び弾性連結機構の機能を有し、主に、ピストン61と、ドリブン部材63と、複数のトーションスプリング64、スプリングホルダー65とから構成されている。
【0050】
ピストン61は、クラッチ連結・遮断を行うための部材であり、さらには弾性連結機構としてのロックアップ装置7における入力部材として機能する。ピストン61は中心孔が形成された円板形状である。ピストン61は、空間9を概ね軸方向に分割するように空間9内の半径全体にわたって延びている。ピストン61の外周縁には軸方向トランスミッション側に延びる外周側筒状部61aが形成されている。ピストン61の内周縁には軸方向トランスミッション側に延びる内周側筒状部61bが形成されている。内周側筒状部61bはタービンハブ32の外周面によって回転方向及び軸方向に移動可能に支持されている。なお、タービンハブ32の外周面には、内周側筒状部61bに当接することでピストン61の軸方向トランスミッション側への移動を制限するためのフランジ32aが形成されている。さらに、タービンハブ32の外周面には内周側筒状部61bの内周面に当接する環状のシールリング32bが設けられている。これにより、ピストン61の内周縁において軸方向のシールがされている。さらに、ピストン61の外周側には摩擦連結部61cが形成されている。摩擦連結部61cは、半径方向に所定の長さを有する環状部分であり、軸方向両面が軸方向に対して垂直な面となっている平面形状である。摩擦連結部61cの軸方向エンジン側には環状の摩擦フェーシング66が張られている。このように、ピストン61とフロントカバー11の平坦な摩擦面とによって、ロックアップ装置7のクラッチが構成されている。
【0051】
ドライブ部材62は、ピストン61に固定され、ピストン61のトルクをトーションスプリング64に伝達するための部材である。ドライブ部材62は、環状の固定部62aと、固定部62aから半径方向外方に延びる複数の爪部62bとから構成されている。固定部62aは、ピストン61に当接しており、かしめ61fによって固定されている。なお、固定部は環状でなくて個々に分割されていてもよい。各爪部62bは半径方向に間隔をあけて軸方向トランスミッション側に延びる2本の爪からなる。なお、爪部62b同士の回転方向間にはドライブ部材62の構成部分は設けられていないため、ピストン61の摩擦連結部61cの軸方向トランスミッション側面が露出している。
【0052】
スプリングホルダー65は、ピストン61に組みつけられ、環状のばね収容空間を形成している。スプリングホルダー65は、環状の板金製部材であり、ピストン61の摩擦連結部61cの軸方向トランスミッション側すなわち外周側筒状部61aの内周側に配置されている。スプリングホルダー65は、内周部65aが概ね平板形状であり、外周部65bが内周部65aから軸方向トランスミッション側に凸となるように湾曲している。外周部65bの外周縁はピストン61の外周側筒状部61aの内周面に、特に先端内周面に近接している。外周側筒状部61aの先端には、内周側に延びる突出部61dが形成されている。突出部61dは、環状に形成され、スプリングホルダー65の外周部65bの軸方向トランスミッション側に当接している。この当接によってスプリングホルダー65はピストン61から軸方向トランスミッション側に外れないようになっている。また、スプリングホルダー65の内周縁には、軸方向エンジン側に延びる筒状部65cが形成されている。ピストン61の半径方向中間付近には所定角度で回転方向に延びる外周壁を有する支持部61eが形成されている。支持部61eは、ピストン61の半径方向中間部分において軸方向エンジン側に突出するように絞り加工で形成された部分であり、回転方向に複数形成されている。支持部61eの外周面はスプリングホルダー65の突出部61dの内周面に当接している。この支持によってスプリングホルダー65はピストン61によって半径方向の位置決めがされている。以上に述べたようにして、スプリングホルダー65は、ピストン61にガイドされた状態で(半径方向及び軸方向に移動不能に係合した状態で)、回転方向に移動可能となっている。
【0053】
なお、スプリングホルダー65の外周部65bの一部には、軸方向エンジン側に突出するように絞り加工で形成されたばね支持部65dが形成されている。ばね支持部65dは、回転方向に間隔をあけて複数形成され、爪部62b同士の回転方向中間部分に位置している。また、スプリングホルダー65には、回転方向に長く延びるスリット65eが形成されている。スリット65eは、回転方向に並んで複数形成されており、ドライブ部材62の爪部62bに対応している。スリット65eは爪部62bに比べて回転方向幅が長くその両端は爪部62bの両端より回転方向外側に位置している。
【0054】
スプリングホルダー65とピストン61(より具体的には、外周側筒状部61a及び摩擦連結部61c)の間には環状の空間が形成され、さらに環状空間はドライブ部材62の爪部62bによって回転方向に複数の弧状ばね収容部に分割されている。この実施形態では4つのばね収容部が形成されている。
【0055】
ばね収容部内には、円周方向に延びるコイルスプリングであるトーションスプリング64が収容されている。各ばね収容部すなわち爪部62b同士の回転方向間には1対のトーションスプリング64a,64bが回転方向に直列に作用するように配置されている。すなわち、全体で合計8個のトーションスプリングが用いられている。なお、ここでいう1個のトーションスプリングとは、コイルスプリング単体の物のみならず、コイルスプリング内にさらに小コイルスプリングや弾性体を組みあわせたものをも含む場合がある。また、各ばね収容部において、回転方向R1側のトーションスプリングをトーションスプリング64aとし、回転方向R2側のトーションスプリングをトーションスプリング64bとする。爪部62bは、トーションスプリング64aのR1側端に当接又は近接し、トーションスプリング64bのR2側端に当接又は近接している。
【0056】
ドリブン部材63はトーションスプリング64からのトルクをタービン22に伝達するための部材である。ドリブン部材63は、タービン22のタービンシェル30の外周側に設けられた板金製の環状部材である。ドリブン部材63は、タービンシェル30に固定された環状固定部63aと、その外周縁から軸方向エンジン側に延びる複数の爪部63bとを有している。ドリブン部材63の爪部63bはスリット65eからスプリングホルダー65及びピストン61が形成する環状空間内に挿入されている。爪部63bは、ドライブ部材62の爪部62bと同等の回転方向幅を有しており、爪部62bと同様に、トーションスプリング64aの回転方向R1側端及びトーションスプリング64bの回転方向R2側端に当接又は近接している。爪部63bは、爪部62bの2つの爪の半径方向間に延びており、爪部62bに干渉されることなくスリット65e内を回転方向に移動可能である。
【0057】
爪部63bはスプリングホルダー65に対して軸方向に移動可能である。すなわち、ピストン61はトーションスプリング64に係合した状態を維持しつつ油圧変化によって軸方向に移動可能である。
【0058】
ドリブン部材63の固定部63aの内周縁には複数のストッパー爪63cが形成されている。ストッパー爪63cは、固定部63aの内周縁から半径方向内方に延びる部分であり、ピストン61の支持部61e同士の回転方向間の隙間に延びている。ストッパー爪63cの回転方向幅は支持部61e同士の回転方向間隙間より短く、ストッパー爪63cが支持部61eに当接するまでは、ピストン61とドリブン部材63は相対回転可能である。言い換えると、両者が当接すると、ピストン61とドリブン部材63の相対回転が停止する。このようにドリブン部材63及びピストン61によってストッパー機構を構成しているため、全体の部品点数が多くならない。
【0059】
捩り振動が入力されてトーションスプリング64が圧縮を繰り返す際に、遠心力によってトーションスプリング64は半径方向外側に移動し、スプリングホルダー65に摺動する。しかし、スプリングホルダー65はトーションスプリング64とともに回転方向に移動する部材であるため、両部材間での摺動抵抗はきわめて小さい。したがって、捩り振動吸収性能が十分に維持されている。
【0060】
このロックアップ装置7では、複数のトーションスプリング64は、スプリングホルダー65とピストン61によって確保された弧状空間に配置されている。したがって、構造が簡単になり、部品点数も少なくなり、コストダウンや軽量化が図れる。
【0061】
特に、ドライブ部材62はトルク伝達機能しか有しておらずトーションスプリングを保持する機能を有していないため、構造が簡単になり、軽量化や薄肉化が実現可能である。
【0062】
スプリングホルダー65はトーションスプリング64の軸方向トランスミッション側のみを支持しているため、トーションスプリング64はピストン61に直接当接している。この結果トーションスプリング64はコイル径を十分に大きくすることができ、低剛性を実現するための設計が容易になる。
【0063】
さらに、スプリングホルダー65、トーションスプリング64、及びドリブン部材63を、ピストン61外周部とタービン22外周部の間の余ったスペースに配置できるため、スペース効率がよい。つまり、これら部材によってトルクコンバータの軸方向寸法などが極端に大きくなることがない。
C.他の実施形態
ロックアップ装置の構造は前記実施形態に限定されない。例えば、ピストンとフロントカバーとの間に複数のプレートが配置された複板クラッチのロックアップ装置にも本発明を採用できる。
【0064】
【発明の効果】
本発明に係る弾性連結機構では、中間フロート体が1対の弾性部材を収容した状態で入力回転部材及び出力回転部材の一方に相対回転可能に保持されている。このため、弾性部材を保持するための構造が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態が採用されたトルクコンバータの縦断面概略図。
【図2】 図1の部分拡大図。
【図3】 図2に対応する図であり、図2と異なる位置での断面図。
【図4】 ロックアップ装置の弾性連結部の部分斜視図。
【図5】 本発明の第2実施形態が採用されたトルクコンバータの縦断面概略図。
【図6】 図5の部分拡大図。
【図7】 図6に対応する図であり、図6と異なる位置での断面図。
【図8】 ロックアップ装置の弾性連結部の部分斜視図。
【符号の説明】
7 ロックアップ装置
11 フロントカバー
61 ピストン
62 ドライブ部材
63 ドリブン部材
64 トーションスプリング
65 スプリングホルダー[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a lock-up device for a torque converter, and more particularly to a device in which an elastic member is disposed on a side of a piston.
[0002]
[Prior art]
Generally, the elastic coupling mechanism absorbs and attenuates torsional vibration transmitted from the input rotating member to the output rotating member while transmitting torque from the input rotating member to the output rotating member. As a structure in which such an elastic coupling mechanism is used, for example, a lock-up device arranged inside a torque converter is known.
[0003]
The torque converter is a device that has three types of impellers (impeller, turbine, and stator) inside and transmits torque via internal hydraulic oil. The impeller is fixed to a front cover as an input side rotating body. The turbine is disposed opposite the impeller in the fluid chamber. When the impeller rotates, hydraulic oil flows from the impeller to the turbine, and torque is output by rotating the turbine.
[0004]
The lockup device is disposed in a space between the turbine and the front cover, and is a mechanism for directly transmitting torque from the front cover to the turbine by mechanically connecting the front cover and the turbine.
[0005]
Usually, this lock-up device is supported by a disc-shaped piston that can be pressed against the front cover, a retaining plate that is fixed to the outer periphery of the piston, and a rotating direction and an outer peripheral side by the retaining plate. It has a torsion spring and a driven plate that supports both ends of the torsion spring in the rotational direction. The driven plate is fixed to a turbine shell or the like of the turbine.
[0006]
When the lockup device is in the connected state, torque is transmitted from the front cover to the piston and further to the turbine via the torsion spring. Further, in the elastic coupling mechanism of the lockup device, the torsion spring is compressed in the rotational direction between the retaining plate and the driven member, and absorbs and attenuates torsional vibration.
[0007]
As a torsion spring, there is a structure in which a pair of coil springs are arranged in series in the rotational direction in order to achieve a low rigidity and a wide torsion angle. An intermediate float (moving element) is disposed between the rotation directions of the pair of coil springs, and couples the pair of coil springs. The intermediate float body includes, for example, an annular portion and a claw extending from the annular portion and extending between a pair of coil springs.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In the lock-up device described above, the elastic member is supported in the axial direction with respect to the piston by the retaining plate. Therefore, the structure of the retaining plate becomes complicated, or the retaining plate needs to have a predetermined strength in order to hold the elastic member.
[0009]
An object of the present invention is to simplify a structure for holding an elastic member in an elastic coupling mechanism such as a lock-up device of a torque converter.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The lock-up device according to claim 1 is a device used in a torque converter for transmitting torque and absorbing / damping torsional vibration, and includes a disk-shaped piston, an output rotating member, an elastic member, And a support member. The disc-shaped piston is a member for performing a clutch operation. The elastic member is a member for elastically connecting the piston and the output rotation member in the rotation direction, and is disposed in contact with the side surface of the piston turbine. The support member is disposed on the outer peripheral side of the elastic member, is supported so as to be relatively rotatable with respect to the turbine and the piston, and supports the opposite side of the elastic member from the piston in the axial direction.
[0011]
In this device, since the support member supports one axial side of the elastic member, the structure for holding the elastic member is simplified.
[0012]
According to a second aspect of the present invention, the support member is supported by the piston so as not to move in the axial direction.
[0013]
In the lockup device for a torque converter according to a third aspect, in the first or second aspect, the support member is supported by the piston so as not to move in the radial direction.
[0014]
In the torque converter lock-up device according to
[0015]
In the lockup device for a torque converter according to claim 5, the elastic member is composed of a pair of members arranged so as to act in series in the rotation direction. The support member further includes a torque transmission portion disposed between the rotation directions of the pair of members.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A. First embodiment
(1) Basic structure of torque converter
FIG. 1 is a schematic longitudinal sectional view of a torque converter 1 in which an embodiment of the present invention is employed. The torque converter 1 is a device for transmitting torque from an
[0017]
The torque converter 1 mainly includes a
[0018]
The torque converter body 5 includes a torus-shaped
[0019]
The
[0020]
The inner peripheral portion of the
[0021]
An outer peripheral
[0022]
The
[0023]
A spline that engages with the
[0024]
The
[0025]
The torus-shaped
[0026]
The one-way clutch 37 shown in the drawing has a structure using a ratchet, but may have a structure using a roller or a sprag.
[0027]
A first thrust bearing 41 is disposed between the inner peripheral portion of the
(2) Structure of lock-up device
The lock-up
[0028]
The lock-up
[0029]
The
[0030]
The
[0031]
The
[0032]
Between the rotation directions of the
[0033]
A pair of torsion springs 74a and 74b are arranged in series in the rotational direction between the spring accommodating portions, that is, between the
[0034]
The
[0035]
A plurality of
[0036]
As described above, the
[0037]
The
[0038]
The driven
[0039]
The
[0040]
The
(4) Operation of lock-up device
When the speed ratio of the torque converter 1 increases and the
[0041]
In the lockup coupled state described above, the
[0042]
As described above, when torsional vibration is input and the
(6) Advantageous effects of the present invention
a) The
[0043]
b) The
[0044]
c) With this lock-up
[0045]
In particular, since the
[0046]
d) Since the
[0047]
e) Furthermore, since the
B. Second embodiment
In this embodiment, the basic structure of the torque converter is the same as that of the above embodiment.
[0048]
The lock-up
[0049]
The lock-up
[0050]
The
[0051]
The
[0052]
The
[0053]
A
[0054]
An annular space is formed between the
[0055]
A
[0056]
The driven
[0057]
The
[0058]
A plurality of
[0059]
When a torsional vibration is input and the
[0060]
In the
[0061]
In particular, since the
[0062]
Since the
[0063]
Furthermore, since the
C. Other embodiments
The structure of the lockup device is not limited to the above embodiment. For example, the present invention can be applied to a lockup device for a double-plate clutch in which a plurality of plates are disposed between a piston and a front cover.
[0064]
【The invention's effect】
In the elastic coupling mechanism according to the present invention, the intermediate float body is held on one of the input rotation member and the output rotation member so as to be relatively rotatable in a state in which the pair of elastic members is accommodated. For this reason, the structure for holding the elastic member is simplified.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic vertical sectional view of a torque converter in which a first embodiment of the present invention is adopted.
FIG. 2 is a partially enlarged view of FIG.
3 is a view corresponding to FIG. 2 and a cross-sectional view at a position different from FIG. 2;
FIG. 4 is a partial perspective view of an elastic connecting portion of the lockup device.
FIG. 5 is a schematic vertical sectional view of a torque converter in which a second embodiment of the present invention is employed.
6 is a partially enlarged view of FIG. 5;
7 is a view corresponding to FIG. 6 and a cross-sectional view at a position different from FIG. 6;
FIG. 8 is a partial perspective view of an elastic connecting portion of the lockup device.
[Explanation of symbols]
7 Lock-up device
11 Front cover
61 piston
62 Drive member
63 Driven parts
64 Torsion spring
65 Spring holder
Claims (5)
クラッチ動作を行うための円板状のピストンと、
出力回転部材と、
前記ピストンと前記出力回転部材とを回転方向に弾性的に連結するための部材であり、前記ピストンの前記タービン側面に当接して配置された弾性部材と、
前記弾性部材の外周側に配置され、前記タービン及び前記ピストンに対して相対回転可能に支持され、前記弾性部材の前記ピストンと反対側を軸方向から支持するサポート部材と、
を備えたトルクコンバータのロックアップ装置。A torque converter lockup device for transmitting torque and absorbing / damping torsional vibrations,
A disc-shaped piston for clutch operation;
An output rotating member;
An elastic member for elastically connecting the piston and the output rotating member in a rotational direction, and an elastic member disposed in contact with the turbine side surface of the piston;
A support member disposed on the outer peripheral side of the elastic member, supported so as to be relatively rotatable with respect to the turbine and the piston , and supporting the opposite side of the elastic member from the piston in an axial direction;
Torque converter lockup device with
前記サポート部材は、前記1対の部材の回転方向間に配置されたトルク伝達部をさらに有する、請求項1〜4のいずれかに記載のトルクコンバータのロックアップ装置。The elastic member consists of a pair of members arranged to act in series in the rotational direction,
The lockup device for a torque converter according to any one of claims 1 to 4, wherein the support member further includes a torque transmission portion disposed between rotation directions of the pair of members.
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