JP3972688B2

JP3972688B2 - Side airbag device for vehicle

Info

Publication number: JP3972688B2
Application number: JP2002065998A
Authority: JP
Inventors: 栄治佐藤; 利則棚瀬; 聡馬渕
Original assignee: Toyoda Gosei Co Ltd
Current assignee: Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date: 2002-03-11
Filing date: 2002-03-11
Publication date: 2007-09-05
Anticipated expiration: 2022-03-11
Also published as: JP2003261000A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両のボディサイド部に対する他の車両の衝突（以下、単に側突という）により、車両のボディに所定値以上の衝撃が加わったとき、車室内のシートに着座する乗員を衝撃から保護するための車両のサイドエアバッグ装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来のこの種のサイドエアバッグ装置としては、例えば特開平７−３２３８０２号公報（第１従来構成）及び特開２００１−２０６１７６号公報（第２従来構成）に開示されるような構成のものが知られている。
【０００３】
すなわち、前記第１従来構成においては、シートの腰掛け部のドア側端縁にエアバッグが配設され、側突時に、エアバッグがシートに着座する乗員と車両のボディサイド部との間に展開膨張して、衝撃を吸収するようになっている。また、シートがサイドレールを介して車両の中央方向へ移動可能に支持され、通常時にはロック機構により所定位置にロックされている。そして、前記エアバッグの展開膨張時にロック機構によるロックが解除されて、シートの車両中央側への移動が許容されるようになっている。
【０００４】
一方、第２従来構成においては、車両のドア内面に可動パネルと、その可動パネルを車両の中央方向へ移動させるための駆動装置とが設けられている。そして、プリクラッシュセンサにより側突が予測検出されたとき、駆動装置により可動パネルが車両の中央側に突出されて、シートに着座する乗員を車両の中央側に押し付け移動させるようになっている。また、車両のドアには可動パネルに近接してサイドエアバッグが設けられ、横加速度センサにより側突が検出されたとき、このサイドエアバッグが乗員とドアとの間に展開膨張されるようになっている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これらの従来構成においては、次のような問題があった。
すなわち、第１従来構成では、側突時に、ロック機構によるシートのロックが解除されるのみで、フロントシートが積極的に移動されるようになっていない。このため、エアバッグが乗員と車両のボディサイド部との間に展開膨張された後、そのエアバッグに押し付けられて、乗員がシートとともに車両の中央側へ移動されることになる。よって、側突時に、乗員を車輌中央側へ移動させる際に、乗員に対して乗員自身の体重に加えて、シートを移動させるための荷重が作用することになり、乗員に作用する衝撃を効果的に吸収する点で改善の余地があった。
【０００６】
また、第２従来構成では、側突の予測検出時に、平板状で硬質な可動パネルがドアの内面から突出して、乗員の身体を車両の中央側に直接押し付けるようになっている。このため、可動パネルの突出時に乗員の身体に衝撃的な押し付け荷重が掛かるおそれがあった。
【０００７】
さらに、この第２従来構成では、側突時に、ドア内面からの可動パネルの突出により、乗員が車両の中央側に押し付けられた後に、サイドエアバッグが乗員とドアとの間に展開膨張される。この場合、可動パネルが突出状態にあって邪魔になるため、サイドエアバッグが乗員の胸郭部や腰部等を覆うように広範囲に展開膨張することはできなかった。よって、この第２従来構成においても、側突時において乗員に作用する衝撃を効果的に吸収する点で改善の余地があった。
【０００８】
この発明は、このような従来の技術に存在する着目点に基づいてなされたものである。その目的は、側突時において、乗員に作用する衝撃を効果的に吸収することができて、乗員を有効かつ確実に保護することができる車両のサイドエアバッグ装置を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、車輌側方からの衝突時に乗員を保護するためのサイドエアバッグ機構を備えたサイドエアバッグ装置において、前記サイドエアバッグ機構のサイドエアバッグの展開膨張の直前または膨張展開とほぼ同時に、車室内のシートを少なくとも部分的に移動させて、シートに着座する乗員とボディサイド部との間の空間を広げるシート移動機構を備え、前記シート移動機構は、シートの腰掛け部内にボディサイド部側へ偏倚して設けられるとともに、シートの腰掛け部内に配設されたボトムエアバッグを有するボトムエアバッグ機構から構成し、前記ボトムエアバッグは、乗員の臀部に対応する位置に配設されているとともに腰掛け部内で展開膨張するものであって、前記ボトムエアバッグが展開膨張することにより、腰掛け部における乗員の臀部に対応する座面を室内中央側に向かって下降傾斜させるように上方へ移動させることを特徴とするものである。なお、ここで、衝突時とは衝突直前の時も含むものとする。
【００１０】
従って、この請求項１に記載の発明によれば、車両のボディ側部への衝突時において、フロントシート移動機構が作動されて、シートの一部分または全体が移動される。この移動により、シートに着座する乗員に直接負荷が掛かることなく、乗員とボディサイド部との間に空間が形成される。そして、その空間内においてサイドエアバッグ機構が動作され、サイドエアバッグが乗員とボディサイド部との間の空間内に展開膨張される。よって、乗員に作用する衝撃を効果的に吸収することができて、乗員を有効かつ確実に保護することができる。また、シート移動機構の構成が簡単であるとともに、ボトムエアバッグの展開膨張により、腰掛け部の座面を迅速に傾斜させることができる。
【００１２】
また、シート移動機構の作動に伴い、シートの腰掛け部の座面がボディサイド部側へ向かって高くなるように傾斜されて、乗員が室内中央側へ向かって傾くように姿勢変更される。よって、サイドエアバッグ機構のサイドエアバッグの展開膨張時に、乗員とボディサイド部との間に所定の空間を的確に形成することができる。
【００１７】
請求項２に記載の発明においては、請求項１に記載の発明において、前記シート移動機構は、車輌側方からの衝突を検出するセンサからの検出信号に基づいて動作することを特徴としたものである。
【００１８】
従って、車輌側方からの衝突の検出をサイドエアバッグ機構と共用できて、構成が簡単になる。
請求項３に記載の発明においては、請求項１に記載の発明において、プリクラッシュセンサからの検出信号に基づいて、車輌側方からの衝突を予測する予測手段を設け、その予測手段の作用により前記シート移動機構が動作されることを特徴としたものである。
【００１９】
従って、車輌側方からの衝突が生じる直前に、シート移動機構により乗員を車輌中央側に移動させることができる。このため、衝突が発生したときは、乗員とボディサイド部との間にすでに空間が形成されているため、その空間内で確実にサイドエアバッグを展開膨張させて、乗員を有効に保護できる。
【００２０】
請求項４に記載の発明は、請求項１〜請求項３のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記サイドエアバッグ機構のサイドエアバッグは、乗員を肩部から腰部にかけて覆うように展開膨張することを特徴とするものである。
【００２１】
従って、この請求項４に記載の発明によれば、サイドエアバッグの展開膨張時に、乗員を肩部から腰部にかけての広範囲に亘って覆うことができて、乗員の保護効果を高めることができる。
【００２２】
請求項５に記載の発明は、請求項４に記載の発明において、前記サイドエアバッグ機構のサイドエアバッグは、その展開膨張時に、乗員の肩部に対応する部分及び腰部に対応する部分の厚さが他の部分の厚さよりも大きくなることを特徴とするものである。
【００２３】
従って、この請求項５に記載の発明によれば、サイドエアバッグの展開膨張時に、乗員の胸郭部に対応する部分の厚さが肩部及び腰部に対応する部分の厚さよりも小さくなって、胸郭部の保護効果を高めることができる。すなわち、肩部及び腰部は、胸郭部に比較して外部からの衝撃に対する抗堪性が高いため、この部分のサイドエアバッグを厚くすると、外部からの衝撃の大部分を肩部及び腰部で受けることになるため、胸郭部を保護できる。
【００２４】
請求項６に記載の発明は、請求項４又は請求項５に記載の発明において、前記サイドエアバッグ機構のサイドエアバッグは、その展開膨張時に、乗員の肩部に対応する部分及び腰部に対応する部分の内圧が他の部分の内圧よりも高くなることを特徴とするものである。
【００２５】
従って、この請求項６に記載の発明によれば、サイドエアバッグの展開膨張時に、乗員の胸郭部に対応する部分の内圧が肩部及び腰部に対応する部分の内圧よりも低くなって、前記請求項５の場合と同様に、胸郭部の保護効果を一層高めることができる。
【００２６】
【発明の実施の形態】
（第１実施形態）
以下に、この発明の第１実施形態を、図１〜図５に基づいて説明する。
【００２７】
図１及び図２には、車室内に配置された左側のフロントシート１１が示され、このフロントシート１１は腰掛け部１１ａと背もたれ部１１ｂとを備えている。フロントシート１１の腰掛け部１１ａ内で、クッション１１ｃの下部には、ボディサイド部の一部を構成するドア１２側及び背もたれ部１１ｂ側に偏倚した位置に、すなわち、乗員Ｐの臀部に対応する位置にフロントシート移動機構１３がケース１４内に収容した状態で埋設配設されている。フロントシート１１の背もたれ部１１ｂにおけるドア１２側の左側内部にはサイドエアバッグ機構１５がケース１６内に収容した状態で埋設配置されている。なお、図面においては、左側のフロントシート１１のみを図示したが、右側のフロントシートの右側内部にも同様なサイドエアバッグ機構が埋設配置されている。
【００２８】
図１及び図２に示すように、前記フロントシート移動機構１３はボトムエアバッグ機構から構成され、ケース１４内に固定されたガス発生源としてのインフレータ１９と、そのインフレータ１９を被覆するように装着された織布等からなる袋状のボトムエアバッグ２０とを備えている。インフレータ１９の内部にはガス発生剤（図示しない）が内装され、インフレータ１９の側部にはガス噴出口１９ａが形成されている。このボトムエアバッグ２０は、通常はケース１４内に折り畳み状態で収納されている。
【００２９】
図５に示すように、前記インフレータ１９の着火部１９ｂには、車両のボディサイド部に対する衝撃を検出するための横加速度センサ１７が制御装置１８を介して電気的に接続されている。そして、車両のボディサイド部に対する側突により、ボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったとき、横加速度センサ１７から制御装置１８を介してインフレータ１９の着火部１９ｂに駆動電流が出力される。この駆動電流により、インフレータ１９の前記ガス発生剤が着火されてガスが発生される。そして、このガスがガス噴出口１９ａからボトムエアバッグ２０内に噴出供給されて、そのボトムエアバッグ２０が折り畳み状態から展開膨張される。このため、このボトムエアバッグ２０により腰掛け部１１ａの座面が下方から突き上げられて、ボディサイド部側に向かって高くなるように傾斜される。この結果、図２に示すように、フロントシート１１に着座している乗員Ｐが室内中央側へ傾くように姿勢変更されて、乗員Ｐとボディサイド部を構成するドア１２との間に所定の空間Ｓ１が形成される。
【００３０】
図１〜図３に示すように、前記サイドエアバッグ機構１５は、ケース１６内に固定されたガス発生源としてのインフレータ２３と、そのインフレータ２３を被覆するように装着された袋状のサイドエアバッグ２４とから構成されている。インフレータ２３の内部にはガス発生剤（図示しない）が内装され、インフレータ２３の下部にはガスを噴出させるためのガス噴出口２３ａが形成されている。
【００３１】
前記インフレータ２３の着火部２３ｂには、前記制御装置１８を介して横加速度センサ１７が接続されている。そして、側突により車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったとき、横加速度センサ１７から制御装置１８を介して、前記フロントシート移動機構１３のインフレータ１９の着火部１９ｂに作動信号が出力される。次いで、所定時間（例えば５ｍｍｓｅｃ）をおいてインフレータ２３の着火部２３ｂに駆動電流信号が出力される。この駆動電流により、前記と同様に、インフレータ２３内のガス発生剤が点火されてガスが発生され、ガス噴出口２３ａからサイドエアバッグ２４内に噴出供給される。
【００３２】
前記サイドエアバッグ２４は、織布等からなる一対の基布２４ａ，２４ｂを袋状に縫着することによって形成され、通常は折り畳み状態でケース１６内に収容されている。そして、インフレータ２３が作動されたとき、図１及び図２に示すように、サイドエアバッグ２４が姿勢変更状態の乗員Ｐとドア１２との間の空間Ｓ１内で、展開膨張されて、乗員Ｐの身体を肩部Ｐｓから腰部Ｐｈにかけて広範囲に覆うようになっている。なお、このサイドエアバッグ２４及び前記ボトムエアバッグ２０にはガス排出用の透孔（図示しない）が形成され、それらのサイドエアバッグ２４，２０を展開膨張させたガスが排出される。
【００３３】
前記サイドエアバッグ２４の上下方向のほぼ中央には、側面形ほぼ横Ｕ字状のシーム２５が両基布２４ａ，２４ｂの縫着接合により形成されている。また、このシーム２５により、サイドエアバッグ２４の内部に上部区画室２６及び下部区画室２７が形成されるとともに、上下両区画室２６，２７間においてインフレータ２３側に向かって開口する中間区画室２８が形成されている。さらに、インフレータ２３と反対側において、サイドエアバッグ２４の周縁部とシーム２５との間にはガス通路２９が形成されている。
【００３４】
そして、図１に矢印で示すように、インフレータ２３のガス噴出口２３ａから噴出されるガスが、シーム２５の外周及びガス通路２９に沿って下部区画室２７及び上部区画室２６内にほぼ同時に導入される。そして、その後、上部区画室２６内のガスがシーム２５の上縁を迂回するようにして中間区画室２８内に導入される。これにより、上部区画室２６が膨張されて乗員Ｐの肩部Ｐｓに対応配置されると同時に、下部区画室２７が膨張されて乗員Ｐの腰部Ｐｈに対応配置され、その後に中間区画室２８が膨張されて乗員Ｐの胸郭部Ｐｃに対応配置されるようになっている。
【００３５】
また、このサイドエアバッグ２４の展開膨張時には、図２に示すように、上部区画室２６及び下部区画室２７の厚さが中間区画室２８の厚さよりも大きくなるように構成されている。これにより、中間区画室２８と乗員Ｐの胸郭部Ｐｃとの間に空間Ｓ２が形成された状態で、上部区画室２６及び下部区画室２７にて、乗員Ｐの肩部Ｐｓ及び腰部Ｐｈが室内側へ押されて保護されるようになっている。
【００３６】
次に、前記のように構成された車両のサイドエアバッグ装置の動作を説明する。
さて、車両のボディサイド部に対する他の車両による側突により、ボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わると、横加速度センサ１７から制御装置１８を介して、フロントシート移動機構１３及びサイドエアバッグ機構１５のインフレータ１９，２３に所定の時間をおいて駆動電流が順に出力される。このため、まずフロントシート移動機構１３のインフレータ１９からボトムエアバッグ２０内にガスが噴出供給されて、そのボトムエアバッグ２０が展開膨張される。この展開膨張により、図２に示すように、腰掛け部１１ａの座面の臀部位置がボディサイド部側に向かって高くなるように傾斜される。このため、フロントシート１１に着座している乗員Ｐが室内中央側へ傾くように姿勢変更されて、乗員Ｐとドア１２との間に所定の空間Ｓ１が形成される。
【００３７】
その後、図１に矢印で示すように、サイドエアバッグ機構１５のインフレータ２３のガス噴出口２３ａからガスがサイドエアバッグ２４の下部区画室２７に噴出供給されるとともに、ガス通路２９を介して上部区画室２６に導入され、その後に中間区画室２８に導入される。これにより、姿勢変更状態の乗員Ｐとドア１２との間の空間Ｓ１内において、乗員Ｐの肩部Ｐｓに対応する上部区画室２６と腰部Ｐｈに対応する下部区画室２７とがほぼ同時に膨張され、その後に胸郭部Ｐｃに対応する中間区画室２８が膨張される（図４参照）。
【００３８】
この場合、図２に示すように中間区画室２８の厚さが上部区画室２６及び下部区画室２７の厚さよりも薄くなる。このため、中間区画室２８と乗員Ｐの胸郭部Ｐｃとの間には空間Ｓ２が形成され、この状態で上部区画室２６及び下部区画室２７との接触により、乗員Ｐの肩部Ｐｓ及び腰部Ｐｈが室内側へ押される。これにより、乗員Ｐが室内側へさらに移動されて、胸郭部Ｐｃを保護しながら側突に伴う衝撃が緩和される。よって、車両のボディサイド部が室内側に大きく進入した場合でも、乗員Ｐを保護することができ、特に胸郭部Ｐｃを有効に保護することができる。
【００３９】
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
（１）この車両のサイドエアバッグ装置においては、フロントシート移動機構１３とサイドエアバッグ機構１５とが装備されている。フロントシート移動機構１３は、車両のボディに側突により所値定以上の衝撃が加わったときに作動され、乗員Ｐの臀部と対応する座面を上方へ移動させて、乗員Ｐの姿勢を傾け、フロントシート１１に着座する乗員Ｐとボディサイド部との間に空間Ｓ１を形成する。そして、サイドエアバッグ機構１５は、フロントシート移動機構１３の作動から所定時間後に動作され、乗員Ｐとボディサイド部との間の空間Ｓ１内においてサイドエアバッグ２４を展開膨張させる。
【００４０】
このため、前述した従来技術とは異なり、フロントシート１１に着座する乗員Ｐにフロントシート１１の移動荷重が作用したり、硬質で板状のものが当たったりすることがない。よって、サイドエアバッグ２４により乗員Ｐに作用する衝撃を効果的に吸収することができて、乗員Ｐを有効かつ確実に保護することができる。
【００４１】
（２）この車両のサイドエアバッグ装置においては、前記フロントシート移動機構１３が、フロントシート１１の腰掛け部１１ａ内に乗員Ｐの臀部と対応して設けられたボトムエアバッグ機構から構成されている。そして、このボトムエアバッグ機構のボトムエアバッグ２０の展開膨張により、腰掛け部１１ａの座面を室内中央側に向かって下降傾斜させるようになっている。このため、ボトムエアバッグ２０の展開膨張により、乗員Ｐに大きな身体的負担を負わせることなく、車室内中央側へ向かって傾くように姿勢変更させることができる。よって、サイドエアバッグ機構１５のサイドエアバッグ２４の展開膨張に先立って、乗員Ｐとボディサイド部との間に所定の空間Ｓ１を有効に形成することができる。
【００４２】
（３）この車両のサイドエアバッグ装置においては、前記サイドエアバッグ機構１５のサイドエアバッグ２４が、乗員Ｐを肩部Ｐｓから腰部Ｐｈにかけて覆うように展開膨張される構成になっている。このため、サイドエアバッグ２４の展開膨張時に、乗員Ｐを肩部Ｐｓから腰部Ｐｈにかけての広範囲に亘って覆うことができて、乗員Ｐの保護効果を高めることができる。
【００４３】
（４）この車両のサイドエアバッグ装置においては、前記サイドエアバッグ機構１５のサイドエアバッグ２４に、乗員Ｐの肩部Ｐｓに対応する上部区画室２６と、腰部Ｐｈに対応する下部区画室２７と、胸郭部Ｐｃに対応する中間区画室２８とが形成されている。そして、サイドエアバッグ２４の展開膨張時に、上部区画室２６及び下部区画室２７の厚さが中間区画室２８の内厚さよりも大きくなるように構成されている。このため、サイドエアバッグ２４の展開膨張時に、胸郭部Ｐｃを保護しつつ、外部衝撃に対する抗堪性の高い肩部Ｐｓ及び腰部Ｐｈを押して、乗員Ｐの姿勢を傾けることが可能になり、乗員Ｐの保護効果を一層高めることができる。
【００４４】
（第２実施形態）
次に、この発明の第２実施形態を、前記第１実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【００４５】
さて、この第２実施形態においては、図６に示すように、サイドエアバッグ機構１５のサイドエアバッグ２４が上部区画室２６を有する上部サイドエアバッグ２４Ａと、下部区画室２７を有する下部サイドエアバッグ２４Ｂとに独立して構成されている。そして、これらのサイドエアバッグ２４Ａ，２４Ｂがケース１６内に上下方向へ所定間隔をおいて並設され、展開膨張時には、それぞれ乗員Ｐの肩部Ｐｓ及び腰部Ｐｈに対応するようになっている。また、各サイドエアバッグ２４Ａ，２４Ｂに対応して独立構成のインフレータ２３Ａ，２３Ｂが配設され、これらのインフレータ２３Ａ，２３Ｂからサイドエアバッグ２４Ａ，２４Ｂに各別にガスが供給導入されて、両サイドエアバッグ２４Ａ，２４Ｂが同時に膨張されるようになっている。
【００４６】
従って、この第２実施形態によれば、前記第１実施形態における（１）〜（３）に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
（５）この車両のサイドエアバッグ装置においては、前記サイドエアバッグ機構１５のサイドエアバッグ２４が乗員Ｐの肩部Ｐｓに対応する上部サイドエアバッグ２４Ａと、腰部Ｐｈに対応する下部サイドエアバッグ２４Ｂとに独立して構成され、上下に所定間隔をおいて並設されている。このため、乗員Ｐの胸郭部Ｐｃに側方に広い空間が形成される。従って、乗員Ｐの胸郭部Ｐｃをさらに有効に保護することができる。
【００４７】
（第３実施形態）
次に、この発明の第３実施形態を、前記第１実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【００４８】
さて、この第３実施形態においては、図７及び図８に示すように、フロントシート１１の腰掛け部１１ａが車両ボディに固定された固定レール３１と腰掛け部１１ａに固定された可動レール３２との係合を介して、車両ボディの幅方向へ移動可能に支持されている。可動レール３２と固定レール３１との間にはロック機構３３が設けられている。
【００４９】
このロック機構３３は、可動レール３２に移動可能に支持されたロックピン３４と、そのロックピン３４を固定レール３１の係合孔３５から離脱する方向に付勢するバネ３６と、ロックピン３４と係脱するように可動レール３２に回動可能に支持された係止爪３７とから構成されている。そして、通常は係止爪３７がロックピン３４に係合することにより、ロックピン３４が係合孔３５に挿入した状態に係止されて、フロントシート１１が車室内の所定位置にロックされるようになっている。
【００５０】
前記フロントシート１１の腰掛け部１１ａの下面には作動体３８が固定され、可動レール３２及び固定レール３１を貫通して下方に突出されている。車両ボディ上にはフロントシート移動機構１３を構成するソレノイド３９が配設され、そのアーマチュア３９ａが作動体３８に対向配置されるとともに、連結ロッド４０を介して前記係止爪３７に連結されている。
【００５１】
そして、車両のボディサイド部に対する側突により、ボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったとき、横加速度センサ１７から制御装置１８を介して出力される作動信号により、ソレノイド３９が励磁されてアーマチュア３９ａが図６の右側方に移動される。この移動により、係止爪３７がロックピン３４から離間する解放位置に回動される。このため、ロックピン３４がバネ３６の付勢力により係合孔３５から離脱する位置に移動されて、フロントシート１１がロック状態から解除される。
【００５２】
それとともに、ソレノイド３９のアーマチュア３９ａが作動体３８に係合されて、その作動体３８を介してフロントシート１１全体が乗員Ｐとともに車室内中央側にスライド移動され、乗員Ｐとドア１２との間に所定の空間Ｓ１が形成される。この状態で、前記第１実施形態の場合と同様に、サイドエアバッグ機構１５のサイドエアバッグ２４が乗員Ｐとドア１２との間の空間Ｓ１内で展開膨張されて、乗員Ｐに作用する衝撃が緩和される。
【００５３】
従って、この第３実施形態によれば、前記第１実施形態における（１）、（３）及び（４）に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
（６）この車両のサイドエアバッグ装置においては、フロントシート１１全体を乗員Ｐとともに車室内中央側に移動させるように構成されている。このため、側突時において、乗員Ｐの室内中央側への移動が乗員Ｐに直接負荷を掛けるものではない。従って、乗員Ｐに対する負担を軽減することができる。
【００５４】
（変更例）
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・前記各実施形態において、図９に示すように、プリクラッシュセンサ４１を設け、このプリクラッシュセンサ４１により車両のボディボディサイド部に対する他の車両の接近距離及び衝突逼迫度を検出して、フロントシート移動機構１３に対して作動信号を出力するように構成すること。すなわち、プリクラッシュセンサ４１は超音波または電波を発信するとともに、その超音波または電波の反射波を受信する。制御装置１８は、プリクラッシュセンサ４１からの受信信号の変化度合いに基づいて、他の車輌の側突タイミングを予測し、適切なタイミングでフロントシート移動機構１３を作動させ、乗員Ｐとボディサイド部との間に所定の空間を形成させる。そして、横加速度センサ１７の検出に伴い、サイドエアバッグ機構１５を動作させる。従って、プリクラッシュセンサ４１と制御装置１８とにより予測手段が構成されている。このように構成すれば、フロントシート移動機構１３を最適タイミングで動作させることができて、側突時には乗員Ｐとボディサイド部との間に所定の空間を確実に形成させることができ、乗員保護を一層有効に行うことができる。
【００５５】
・横加速度センサ１７を省略し、プリクラッシュセンサ４１のみを設けること。従って、この場合には、サイドエアバッグ機構１５がプリクラッシュセンサ４１の検出に基づく制御装置１８の計時動作によって作動される。
【００５６】
・前記各実施形態において、フロントシート移動機構１３の作動とほぼ同時にサイドエアバッグ機構１５が動作されるように構成すること。
・前記第１及び第２実施形態において、フロントシート移動機構１３として、フロントシート１１の腰掛け部１１ａに傾斜移動板を内装し、この傾斜移動板が傾斜位置に移動することにより、腰掛け部１１ａの座面が傾斜されるように構成すること。
【００５７】
・この発明をフロントシート以外のリヤシート等の他のシートにおいて具体化すること。
・図４に２点鎖線で示すように、ガス発生時における中間区画室２８の内圧が上下の区画室２６，２７の内圧よりも低くなるように構成すること。このためには、例えば、中間区画室２８に至るガス通路の断面積を絞る等の手段を講じればよい。そして、このようにすれば、乗員Ｐの胸郭部Ｐｃに対する外部圧力を低くすることができ、乗員Ｐの保護に有効である。
【００５８】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明においては、側突時において、乗員に作用する衝撃を効果的に吸収することができて、乗員を有効かつ確実に保護することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１実施形態の車両のサイドエアバッグ装置を示す側断面図。
【図２】図１の２−２線における部分拡大断面図。
【図３】図１の３−３線における部分拡大断面図。
【図４】図１のサイドエアバッグ機構における各区画室の展開膨張時の圧力変化を示すグラフ。
【図５】第１実施形態の電気的構成を示すブロック図。
【図６】第２実施形態の車両のサイドエアバッグ装置を示す部分側面図。
【図７】第３実施形態の車両のサイドエアバッグ装置を示す部分断面図。
【図８】第３実施形態の電気的構成を示すブロック図。
【図９】変形例の電気的構成を示すブロック図。
【符号の説明】
１１…フロントシート、１１ａ…腰掛け部、１１ｂ…背もたれ部、１２…車両のボディサイド部を構成するドア、１３…フロントシート移動機構、１５…サイドエアバッグ機構、１７…横加速度センサ、１８…予測手段を構成する制御装置、１９…インフレータ、２０…エアバッグ、２３…インフレータ、２４…エアバッグ、２６…上部区画室、２７…下部区画室、２８…中間区画室、３３…ロック機構、３９…ソレノイド、４１…予測手段を構成するプリクラッシュセンサ、Ｓ１…乗員とボディサイド部との間の空間、Ｐ…乗員、Ｐｓ…肩部、Ｐｃ…胸郭部、Ｐｈ…腰部。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
According to the present invention, when an impact of a predetermined value or more is applied to the vehicle body due to a collision of another vehicle with the vehicle body side portion (hereinafter, simply referred to as a side collision), the occupant seated on the seat in the vehicle compartment is protected from the impact. The present invention relates to a vehicle side airbag device for protection.
[0002]
[Prior art]
As this type of conventional side airbag device, for example, there is a configuration as disclosed in JP-A-7-323802 (first conventional configuration) and JP-A-2001-206176 (second conventional configuration). Are known.
[0003]
That is, in the first conventional configuration, the airbag is disposed at the door side edge of the seat stool, and the airbag is deployed between the occupant seated on the seat and the vehicle body side part at the time of a side collision. It expands and absorbs shocks. Further, the seat is supported so as to be movable toward the center of the vehicle via the side rail, and is normally locked at a predetermined position by a lock mechanism. When the airbag is deployed and inflated, the lock mechanism is unlocked to allow the seat to move toward the center of the vehicle.
[0004]
On the other hand, in the second conventional configuration, a movable panel and a drive device for moving the movable panel toward the center of the vehicle are provided on the inner surface of the door of the vehicle. When a side collision is predicted and detected by the pre-crash sensor, the movable panel is projected to the center side of the vehicle by the driving device, and the occupant seated on the seat is pressed and moved to the center side of the vehicle. Further, a side airbag is provided near the movable panel on the door of the vehicle so that when a side collision is detected by the lateral acceleration sensor, the side airbag is deployed and inflated between the occupant and the door. It has become.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, these conventional configurations have the following problems.
That is, in the first conventional configuration, the seat is only unlocked by the locking mechanism at the time of a side collision, and the front seat is not actively moved. For this reason, after the airbag is deployed and inflated between the occupant and the vehicle body side portion, the airbag is pressed against the airbag and the occupant is moved to the center of the vehicle together with the seat. Therefore, when moving the occupant toward the center of the vehicle at the time of a side collision, in addition to the occupant's own weight, a load for moving the seat acts on the occupant, and the impact acting on the occupant is effective. There was room for improvement in terms of absorption.
[0006]
Further, in the second conventional configuration, at the time of predictive detection of a side collision, a flat and hard movable panel protrudes from the inner surface of the door and directly presses the occupant's body toward the center of the vehicle. For this reason, there is a possibility that a shocking pressing load is applied to the occupant's body when the movable panel protrudes.
[0007]
Further, in the second conventional configuration, the side airbag is deployed and inflated between the occupant and the door after the occupant is pressed against the center of the vehicle by the projection of the movable panel from the inner surface of the door at the time of a side collision. . In this case, since the movable panel is in the protruding state, the side airbag cannot be expanded and inflated over a wide area so as to cover the thoracic part, the waist part, and the like of the occupant. Therefore, this second conventional configuration also has room for improvement in that it effectively absorbs the impact acting on the occupant during a side collision.
[0008]
The present invention has been made based on such a point of interest existing in the prior art. An object of the present invention is to provide a vehicle side airbag device that can effectively absorb an impact acting on an occupant during a side collision and can effectively and reliably protect the occupant.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
  In order to achieve the above object, the invention according to claim 1 is directed to a side airbag device including a side airbag mechanism for protecting an occupant at the time of a collision from the side of a vehicle. Immediately before or at the same time as inflating and deploying the side airbag, a seat moving mechanism is provided that widens the space between the occupant seated in the seat and the body side portion by moving the seat in the vehicle compartment at least partially. The sheet moving mechanism isIn the seat stool, it is biased toward the body side, andA bottom airbag mechanism having a bottom airbag disposed in a seat stool, the bottom airbag being disposed at a position corresponding to the occupant's buttocksIt is deployed and inflated in the stool, and when the bottom airbag is deployed and inflated,StoolThe seat corresponding to the occupant's buttocks is moved upward so as to be inclined downward toward the center of the room.It is characterized by this. Here, the time of collision includes the time immediately before the collision.
[0010]
  Therefore, according to the first aspect of the present invention, at the time of a collision with the vehicle body side portion, the front seat moving mechanism is operated to move a part or the whole of the seat. By this movement, a space is formed between the occupant and the body side portion without applying a load directly to the occupant seated on the seat. Then, the side airbag mechanism is operated in the space, and the side airbag is deployed and inflated in the space between the occupant and the body side part. Therefore, the impact which acts on a passenger | crew can be absorbed effectively and a passenger | crew can be protected effectively and reliably.In addition, the configuration of the seat moving mechanism is simple, and the seat surface of the seat can be quickly inclined by the deployment and inflation of the bottom airbag.
[0012]
  AlsoIn accordance with the operation of the seat moving mechanism, the seat surface of the seat stool is inclined so as to become higher toward the body side, and the posture is changed so that the occupant is inclined toward the center of the room. Therefore, when the side airbag of the side airbag mechanism is deployed and inflated, a predetermined space can be accurately formed between the occupant and the body side portion.
[0017]
  Claim2In the invention described in claim 1,1In the described invention, the seat moving mechanism operates based on a detection signal from a sensor that detects a collision from the side of the vehicle.
[0018]
  Therefore, the detection of the collision from the side of the vehicle can be shared with the side airbag mechanism, and the configuration is simplified.
  Claim3In the invention described in claim 1,1In the described invention, a predicting means for predicting a collision from the side of the vehicle is provided based on a detection signal from the pre-crash sensor, and the seat moving mechanism is operated by the action of the predicting means. It is.
[0019]
Therefore, the occupant can be moved to the vehicle center side by the seat moving mechanism immediately before the collision from the side of the vehicle occurs. For this reason, when a collision occurs, since a space is already formed between the occupant and the body side portion, the side airbag can be surely deployed and inflated in the space to effectively protect the occupant.
[0020]
  Claim4The invention described in claim 1 to claim 13In the invention according to any one of the above, the side airbag of the side airbag mechanism is characterized in that it is deployed and inflated so as to cover the occupant from the shoulder to the waist.
[0021]
  Therefore, this claim4According to the invention described above, when the side airbag is deployed and inflated, the occupant can be covered over a wide range from the shoulder portion to the waist portion, and the occupant protection effect can be enhanced.
[0022]
  Claim5The invention described in claim 14The side airbag of the side airbag mechanism according to the present invention is such that, when the side airbag is deployed and inflated, the thickness of the portion corresponding to the shoulder portion of the occupant and the thickness corresponding to the waist portion is greater than the thickness of the other portions. It is characterized by.
[0023]
  Therefore, this claim5When the side airbag is deployed and inflated, the thickness of the portion corresponding to the thoracic portion of the occupant is smaller than the thickness of the portion corresponding to the shoulder portion and the lumbar portion, and the protective effect of the thoracic portion is achieved. Can be increased. In other words, the shoulder and waist are more resistant to external impacts than the thorax, so if you thicken this part of the side airbag, the shoulders and waist will receive most of the external impacts. As a result, the rib cage can be protected.
[0024]
  Claim6The invention described in claim 14Or claim5The side airbag of the side airbag mechanism according to the present invention is configured such that, when the side airbag is deployed and inflated, the internal pressure of the portion corresponding to the shoulder portion of the passenger and the portion corresponding to the waist portion is higher than the internal pressure of the other portion. It is a feature.
[0025]
  Therefore, this claim6When the side airbag is deployed and inflated, the internal pressure of the portion corresponding to the thoracic portion of the occupant is lower than the internal pressure of the portion corresponding to the shoulder portion and the waist portion.5As in the above case, the protective effect of the rib cage can be further enhanced.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(First embodiment)
Below, 1st Embodiment of this invention is described based on FIGS.
[0027]
FIG. 1 and FIG. 2 show a left front seat 11 disposed in a vehicle compartment, and the front seat 11 includes a seat portion 11a and a backrest portion 11b. In the seat 11a of the front seat 11, the cushion 11c has a lower portion of the body side portion at a position biased toward the door 12 side and the backrest portion 11b, that is, a position corresponding to the heel portion of the occupant P. The front seat moving mechanism 13 is embedded and disposed in a state accommodated in the case 14. A side airbag mechanism 15 is embedded and arranged in the case 16 inside the left side of the backrest 11 b of the front seat 11 on the door 12 side. In the drawing, only the left front seat 11 is shown, but a similar side airbag mechanism is also embedded in the right side of the right front seat.
[0028]
As shown in FIGS. 1 and 2, the front seat moving mechanism 13 is composed of a bottom airbag mechanism, and is mounted so as to cover the inflator 19 as a gas generation source fixed in the case 14 and the inflator 19. And a bag-like bottom airbag 20 made of a woven fabric or the like. A gas generating agent (not shown) is housed inside the inflator 19, and a gas outlet 19 a is formed on the side of the inflator 19. The bottom airbag 20 is usually stored in a folded state in the case 14.
[0029]
As shown in FIG. 5, a lateral acceleration sensor 17 for detecting an impact on the vehicle body side portion is electrically connected to the ignition portion 19 b of the inflator 19 via a control device 18. Then, when an impact of a predetermined value or more is applied to the body side portion due to a side collision with the body side portion of the vehicle, a driving current is output from the lateral acceleration sensor 17 to the ignition portion 19b of the inflator 19 via the control device 18. . By this drive current, the gas generating agent of the inflator 19 is ignited to generate gas. And this gas is injected and supplied in the bottom airbag 20 from the gas ejection opening 19a, The bottom airbag 20 is expand | deployed and expanded from a folded state. For this reason, the seat surface of the seat 11a is pushed up from below by the bottom airbag 20 and is inclined so as to become higher toward the body side. As a result, as shown in FIG. 2, the posture of the occupant P seated on the front seat 11 is changed so as to incline toward the center of the room, and a predetermined amount is provided between the occupant P and the door 12 constituting the body side portion. A space S1 is formed.
[0030]
As shown in FIGS. 1 to 3, the side airbag mechanism 15 includes an inflator 23 as a gas generation source fixed in a case 16, and a bag-like side air mounted so as to cover the inflator 23. It is comprised from the bag 24. FIG. A gas generating agent (not shown) is housed inside the inflator 23, and a gas outlet 23a for ejecting gas is formed in the lower part of the inflator 23.
[0031]
A lateral acceleration sensor 17 is connected to the ignition part 23 b of the inflator 23 via the control device 18. When an impact of a predetermined value or more is applied to the vehicle body side part due to a side collision, an operation signal is sent from the lateral acceleration sensor 17 to the ignition part 19b of the inflator 19 of the front seat moving mechanism 13 via the control device 18. Is output. Next, a drive current signal is output to the ignition part 23b of the inflator 23 after a predetermined time (for example, 5 mmsec). By this drive current, the gas generating agent in the inflator 23 is ignited and gas is generated as described above, and is jetted and supplied into the side airbag 24 from the gas jet port 23a.
[0032]
The side airbag 24 is formed by sewing a pair of base fabrics 24a and 24b made of woven fabric or the like into a bag shape, and is usually housed in the case 16 in a folded state. When the inflator 23 is actuated, as shown in FIGS. 1 and 2, the side airbag 24 is deployed and inflated in the space S <b> 1 between the occupant P and the door 12 in the posture change state, and the occupant P The body is covered in a wide range from the shoulder Ps to the waist Ph. The side airbag 24 and the bottom airbag 20 are formed with gas discharge through holes (not shown), and the gas in which the side airbags 24 and 20 are expanded and inflated is discharged.
[0033]
A seam 25 having a substantially side U-shape is formed in the center of the side airbag 24 in the vertical direction by sewing and joining the base fabrics 24a and 24b. The seam 25 forms an upper compartment 26 and a lower compartment 27 inside the side airbag 24, and an intermediate compartment 28 that opens toward the inflator 23 between the upper and lower compartments 26, 27. Is formed. Further, a gas passage 29 is formed between the peripheral portion of the side airbag 24 and the seam 25 on the side opposite to the inflator 23.
[0034]
As shown by arrows in FIG. 1, the gas ejected from the gas ejection port 23 a of the inflator 23 is introduced almost simultaneously into the lower compartment 27 and the upper compartment 26 along the outer periphery of the seam 25 and the gas passage 29. Is done. Thereafter, the gas in the upper compartment 26 is introduced into the intermediate compartment 28 so as to bypass the upper edge of the seam 25. As a result, the upper compartment 26 is expanded and disposed corresponding to the shoulder portion Ps of the occupant P, and at the same time, the lower compartment 27 is expanded and disposed corresponding to the waist portion Ph of the occupant P, and then the intermediate compartment 28 is disposed. It is inflated and arranged to correspond to the thoracic part Pc of the occupant P.
[0035]
When the side airbag 24 is deployed and inflated, the upper compartment 26 and the lower compartment 27 are configured so that the thickness of the upper compartment 26 and the lower compartment 27 is larger than the thickness of the intermediate compartment 28 as shown in FIG. Thus, in the state where the space S2 is formed between the intermediate compartment 28 and the thoracic portion Pc of the occupant P, the shoulder Ps and the waist Ph of the occupant P are placed in the upper compartment 26 and the lower compartment 27. It is protected by being pushed inward.
[0036]
Next, the operation of the vehicle side airbag device configured as described above will be described.
Now, when an impact of a predetermined value or more is applied to the body side part due to a side collision by another vehicle with respect to the body side part of the vehicle, the front seat moving mechanism 13 and the side airbag are passed from the lateral acceleration sensor 17 via the control device 18. A drive current is sequentially output to the inflators 19 and 23 of the mechanism 15 with a predetermined time. For this reason, first, gas is jetted and supplied from the inflator 19 of the front seat moving mechanism 13 into the bottom airbag 20, and the bottom airbag 20 is deployed and inflated. By this expansion and expansion, as shown in FIG. 2, the position of the buttocks of the seat surface of the seat 11 a is inclined so as to increase toward the body side. Therefore, the posture is changed so that the occupant P seated on the front seat 11 tilts toward the center of the room, and a predetermined space S <b> 1 is formed between the occupant P and the door 12.
[0037]
Thereafter, as indicated by an arrow in FIG. 1, gas is ejected and supplied from the gas ejection port 23 a of the inflator 23 of the side airbag mechanism 15 to the lower compartment 27 of the side airbag 24, and the upper part via the gas passage 29. It is introduced into the compartment 26 and then into the intermediate compartment 28. Thereby, in the space S1 between the occupant P in the posture change state and the door 12, the upper compartment 26 corresponding to the shoulder portion Ps of the occupant P and the lower compartment 27 corresponding to the waist portion Ph are expanded almost simultaneously. Thereafter, the intermediate compartment 28 corresponding to the rib cage portion Pc is expanded (see FIG. 4).
[0038]
In this case, as shown in FIG. 2, the thickness of the intermediate compartment 28 is thinner than the thickness of the upper compartment 26 and the lower compartment 27. For this reason, a space S2 is formed between the intermediate compartment 28 and the thoracic portion Pc of the occupant P. In this state, the shoulder Ps and the waist of the occupant P are brought into contact with the upper compartment 26 and the lower compartment 27. Ph is pushed indoors. Thereby, the passenger | crew P is moved further indoors and the impact accompanying a side collision is eased, protecting the rib cage part Pc. Therefore, even when the body side portion of the vehicle greatly enters the indoor side, the occupant P can be protected, and in particular, the rib cage portion Pc can be effectively protected.
[0039]
Therefore, according to this embodiment, the following effects can be obtained.
(1) In the vehicle side airbag device, a front seat moving mechanism 13 and a side airbag mechanism 15 are provided. The front seat moving mechanism 13 is actuated when an impact of a predetermined value or more is applied to the vehicle body due to a side collision, and the seat surface corresponding to the buttocks of the occupant P is moved upward to tilt the position of the occupant P. A space S1 is formed between the occupant P sitting on the front seat 11 and the body side part. The side airbag mechanism 15 is operated after a predetermined time from the operation of the front seat moving mechanism 13, and deploys and inflates the side airbag 24 in the space S1 between the occupant P and the body side portion.
[0040]
For this reason, unlike the prior art described above, the moving load of the front seat 11 does not act on the occupant P seated on the front seat 11, and the hard and plate-like object does not hit. Therefore, the impact acting on the occupant P can be effectively absorbed by the side airbag 24, and the occupant P can be effectively and reliably protected.
[0041]
(2) In the side airbag device of the vehicle, the front seat moving mechanism 13 includes a bottom airbag mechanism provided in the seat 11a of the front seat 11 so as to correspond to the buttocks of the occupant P. . And the seat surface of the seat part 11a is made to incline and descend toward the indoor center side by the deployment and expansion of the bottom airbag 20 of this bottom airbag mechanism. For this reason, by deploying and inflating the bottom airbag 20, it is possible to change the posture so as to incline toward the center of the passenger compartment without imposing a large physical burden on the occupant P. Therefore, the predetermined space S1 can be effectively formed between the occupant P and the body side part prior to the deployment and inflation of the side airbag 24 of the side airbag mechanism 15.
[0042]
(3) In the side airbag device of this vehicle, the side airbag 24 of the side airbag mechanism 15 is configured to be deployed and inflated so as to cover the occupant P from the shoulder portion Ps to the waist portion Ph. For this reason, when the side airbag 24 is deployed and inflated, the occupant P can be covered over a wide range from the shoulder Ps to the waist Ph, and the protective effect of the occupant P can be enhanced.
[0043]
(4) In this vehicle side airbag device, the side airbag 24 of the side airbag mechanism 15 includes an upper compartment 26 corresponding to the shoulder portion Ps of the occupant P and a lower compartment 27 corresponding to the waist portion Ph. And an intermediate compartment 28 corresponding to the thorax Pc. When the side airbag 24 is deployed and inflated, the thickness of the upper compartment 26 and the lower compartment 27 is configured to be larger than the inner thickness of the intermediate compartment 28. For this reason, when the side airbag 24 is deployed and inflated, it is possible to tilt the occupant P by pressing the shoulder Ps and the waist Ph that are highly resistant to external impact while protecting the rib cage Pc. The protective effect of P can be further enhanced.
[0044]
(Second Embodiment)
Next, a second embodiment of the present invention will be described with a focus on differences from the first embodiment.
[0045]
In the second embodiment, as shown in FIG. 6, the side airbag 24 of the side airbag mechanism 15 has an upper side airbag 24 </ b> A having an upper compartment 26 and a lower side airbag having a lower compartment 27. It is configured independently of the bag 24B. These side airbags 24A and 24B are arranged side by side in the vertical direction in the case 16 so as to correspond to the shoulder portion Ps and the waist portion Ph of the occupant P, respectively, when deployed and inflated. Independently configured inflators 23A and 23B are provided corresponding to the side airbags 24A and 24B, respectively, and gas is separately supplied to the side airbags 24A and 24B from the inflators 23A and 23B. The airbags 24A and 24B are inflated simultaneously.
[0046]
Therefore, according to the second embodiment, in addition to the effects described in (1) to (3) in the first embodiment, the following effects can be obtained.
(5) In this vehicle side airbag device, the side airbag 24 of the side airbag mechanism 15 has an upper side airbag 24A corresponding to the shoulder portion Ps of the occupant P and a lower side airbag corresponding to the waist portion Ph. 24B, and arranged side by side at a predetermined interval in the vertical direction. For this reason, a wide space is formed laterally in the thorax portion Pc of the occupant P. Therefore, the thoracic part Pc of the occupant P can be more effectively protected.
[0047]
(Third embodiment)
Next, a third embodiment of the present invention will be described with a focus on differences from the first embodiment.
[0048]
In the third embodiment, as shown in FIGS. 7 and 8, the seat 11a of the front seat 11 includes a fixed rail 31 fixed to the vehicle body and a movable rail 32 fixed to the seat 11a. It is supported through the engagement so as to be movable in the width direction of the vehicle body. A lock mechanism 33 is provided between the movable rail 32 and the fixed rail 31.
[0049]
The lock mechanism 33 includes a lock pin 34 that is movably supported by the movable rail 32, a spring 36 that biases the lock pin 34 in a direction to be disengaged from the engagement hole 35 of the fixed rail 31, and a lock pin 34. The engaging claw 37 is rotatably supported by the movable rail 32 so as to be engaged and disengaged. Normally, when the locking claw 37 engages with the lock pin 34, the lock pin 34 is locked in a state of being inserted into the engagement hole 35, and the front seat 11 is locked at a predetermined position in the vehicle interior. It is like that.
[0050]
An operating body 38 is fixed to the lower surface of the seat 11 a of the front seat 11 and protrudes downward through the movable rail 32 and the fixed rail 31. A solenoid 39 constituting the front seat moving mechanism 13 is disposed on the vehicle body, and the armature 39a is disposed opposite to the operating body 38 and is connected to the locking claw 37 via a connecting rod 40. .
[0051]
Then, when an impact of a predetermined value or more is applied to the body side portion due to a side collision with the body side portion of the vehicle, the solenoid 39 is excited by an operation signal output from the lateral acceleration sensor 17 via the control device 18. The armature 39a is moved to the right side of FIG. By this movement, the locking claw 37 is rotated to the release position where it is separated from the lock pin 34. For this reason, the lock pin 34 is moved to a position where it is detached from the engagement hole 35 by the biasing force of the spring 36, and the front seat 11 is released from the locked state.
[0052]
At the same time, the armature 39 a of the solenoid 39 is engaged with the operating body 38, and the entire front seat 11 is slid to the vehicle interior center side together with the occupant P through the operating body 38. A predetermined space S1 is formed. In this state, as in the case of the first embodiment, the side airbag 24 of the side airbag mechanism 15 is deployed and inflated in the space S1 between the occupant P and the door 12, and the impact acting on the occupant P is achieved. Is alleviated.
[0053]
Therefore, according to the third embodiment, in addition to the effects described in (1), (3), and (4) in the first embodiment, the following effects can be obtained.
(6) The vehicle side airbag device is configured to move the entire front seat 11 together with the occupant P toward the center of the passenger compartment. For this reason, at the time of a side collision, the movement of the passenger P toward the center of the room does not directly apply a load to the passenger P. Therefore, the burden on the passenger P can be reduced.
[0054]
(Example of change)
In addition, this embodiment can also be changed and embodied as follows.
In each of the above embodiments, as shown in FIG. 9, a pre-crash sensor 41 is provided, and the pre-crash sensor 41 detects the approach distance and the degree of collision tightness of another vehicle with respect to the body body side part of the vehicle, An operation signal is output to the sheet moving mechanism 13. That is, the pre-crash sensor 41 transmits an ultrasonic wave or a radio wave and receives a reflected wave of the ultrasonic wave or the radio wave. Based on the degree of change in the received signal from the pre-crash sensor 41, the control device 18 predicts a side collision timing of another vehicle, operates the front seat moving mechanism 13 at an appropriate timing, and detects the occupant P and the body side part. A predetermined space is formed between the two. And the side airbag mechanism 15 is operated with the detection of the lateral acceleration sensor 17. Therefore, the pre-crash sensor 41 and the control device 18 constitute a prediction unit. If comprised in this way, the front seat moving mechanism 13 can be operated at an optimal timing, and a predetermined space can be reliably formed between the occupant P and the body side part at the time of a side collision. Can be performed more effectively.
[0055]
-The lateral acceleration sensor 17 is omitted and only the pre-crash sensor 41 is provided. Therefore, in this case, the side airbag mechanism 15 is activated by the timing operation of the control device 18 based on the detection of the pre-crash sensor 41.
[0056]
In each of the above embodiments, the side airbag mechanism 15 is configured to be operated almost simultaneously with the operation of the front seat moving mechanism 13.
In the first and second embodiments, as the front seat moving mechanism 13, an inclined moving plate is provided in the stool portion 11a of the front seat 11, and the inclined moving plate moves to the inclined position, so that the stool portion 11a Configure the seating surface to be inclined.
[0057]
-The present invention is embodied in other seats such as a rear seat other than the front seat.
As shown by a two-dot chain line in FIG. 4, the internal pressure of the intermediate compartment 28 during gas generation is configured to be lower than the internal pressure of the upper and lower compartments 26 and 27. For this purpose, for example, means such as reducing the cross-sectional area of the gas passage leading to the intermediate compartment 28 may be taken. And if it does in this way, the external pressure with respect to the rib part Pc of the passenger | crew P can be made low, and it is effective in protection of the passenger | crew P. FIG.
[0058]
【The invention's effect】
As described above in detail, in the present invention, it is possible to effectively absorb the impact acting on the occupant at the time of a side collision, and to exhibit an excellent effect that the occupant can be effectively and reliably protected. To do.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side sectional view showing a side airbag device for a vehicle according to a first embodiment.
FIG. 2 is a partially enlarged cross-sectional view taken along line 2-2 in FIG.
3 is a partially enlarged cross-sectional view taken along line 3-3 in FIG.
4 is a graph showing a change in pressure when each compartment is deployed and inflated in the side airbag mechanism of FIG. 1. FIG.
FIG. 5 is a block diagram showing an electrical configuration of the first embodiment.
FIG. 6 is a partial side view showing a side airbag device for a vehicle according to a second embodiment.
FIG. 7 is a partial sectional view showing a side airbag device for a vehicle according to a third embodiment.
FIG. 8 is a block diagram showing an electrical configuration of the third embodiment.
FIG. 9 is a block diagram showing an electrical configuration of a modified example.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 11 ... Front seat, 11a ... Sitting part, 11b ... Backrest part, 12 ... Door which comprises the body side part of a vehicle, 13 ... Front seat moving mechanism, 15 ... Side airbag mechanism, 17 ... Lateral acceleration sensor, 18 ... Prediction Control device constituting means, 19 ... inflator, 20 ... air bag, 23 ... inflator, 24 ... air bag, 26 ... upper compartment, 27 ... lower compartment, 28 ... middle compartment, 33 ... lock mechanism, 39 ... Solenoid, 41: Pre-crash sensor constituting prediction means, S1: Space between passenger and body side part, P: Passenger, Ps ... Shoulder part, Pc ... Thorax part, Ph ... Lumbar part.

Claims

In a side airbag device provided with a side airbag mechanism for protecting an occupant at the time of a collision from the side of the vehicle,
Immediately before or at the same time as the deployment of the side airbag of the side airbag mechanism, the seat in the passenger compartment is forcibly moved at least partially between the occupant seated in the seat and the body side portion. Equipped with a sheet moving mechanism that expands the space,
The seat moving mechanism includes a bottom airbag mechanism having a bottom airbag disposed in the seat stool of the seat , and is provided in the seat stool of the seat while being biased toward the side of the body .
The bottom airbag is disposed at a position corresponding to the occupant's buttocks and is deployed and inflated in the stool. The bottom airbag is deployed and inflated to correspond to the occupant's buttocks in the stool. A side airbag device for a vehicle, wherein the seating surface is moved upward so as to be inclined downward toward the center of the room .

2. The vehicle side airbag device according to claim 1, wherein the seat moving mechanism operates based on a detection signal from a sensor that detects a collision from a side of the vehicle.

Based on the detection signal from the pre-crash sensor, provided predicting means for predicting a collision from the vehicle side, according to claim 1, wherein the sheet moving mechanism is characterized in that it is operated by the action of the prediction means Vehicle side airbag device.

The side air bag of the vehicle side airbag apparatus according to claims 1 to 3, characterized in that the deployed and inflated so as to cover over the lumbar region of the occupant from the shoulder.

The side airbag of the side airbag mechanism is characterized in that, when the airbag is deployed and inflated, the thickness of the portion corresponding to the shoulder portion of the occupant and the thickness corresponding to the waist portion is greater than the thickness of the other portions. 5. A side airbag device for a vehicle according to 4 .

Side airbag of the side airbag mechanism according to claim 4, wherein the at expansion and inflation, the internal pressure of the portion corresponding to the portion and the waist corresponding to the occupant's shoulder is higher than the internal pressure of the other portion Or the side airbag apparatus of the vehicle of Claim 5.