JP3972185B2 - Negatively chargeable toner - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法等により画像形成を行う画像形成装置に用いられ、この画像形成装置の潜像担持体上の静電潜像を現像するための一成分非磁性トナーの技術分野に属し、特に、トナー母粒子に対して疎水性の外添剤が少なくとも添加されてなる一成分非磁性トナーである負帯電性トナーの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置に用いられるトナーとしては、一般的には二成分トナーが知られ、比較的安定した現像を可能とするが、現像剤と磁性キャリアとの混合比の変動が発生しやすく、その維持管理をする必要がある。そのため、一成分非磁性トナーが開発されている。この一成分非磁性トナーとしては、一成分磁性トナーが開発されているものの、磁性材料の不透明性から鮮明なカラー画像を得られないという問題がある。そこで、従来、カラートナーとして一成分非磁性トナーである負帯電性トナーが開発されている。
【0003】
ところで、画像形成装置に用いられるトナーにおいては、帯電安定性、流動性、耐久安定性等を向上させることを目的として、従来、トナー母粒子に外添剤の微粒子を外添させる表面処理が行われている。
【0004】
従来、トナー用の外添剤として、トナー母粒子に負極性を付与する負帯電性を有する二酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)および酸化チタン(チタニア)を単独または複数種組み合わせて使用することが知られている。この場合、それぞれの外添剤はそれらの有する特徴を活かすために、単独よりも複数種組み合わせて使用するのが一般的である。
【0005】
しかし、このように複数種の外添剤を単に組み合わせて使用したトナーであっても、次のような問題がある。すなわち、
▲1▼ トナーに粒度分布がある関係で、トナーの帯電量分布が存在し、負帯電性トナーであっても正帯電したトナーが含有することは避けられなかった。その結果、特に負帯電反転現像で作像する画像形成装置では、潜像担持体(感光体)の非画像部にトナーが付着するため、実質的なトナーの使用量が増えると同時に感光体のクリーニング負荷が増大するという問題がある。
▲2▼ これに伴い、感光体や中間転写媒体の転写後の残留トナーをクリーニングすることで回収されるクリーニングトナーを収容する大きな容器を別途設ける必要がある。しかも、トナー使用量が増える結果、消耗品のランニングコストが高くなってしまう。
▲3▼ トナーの劣化防止のために、シリカを多量に添加してトナーの流動性を維持しようとすると、流動性は改善されるが、定着性が低下してしまう。
▲4▼ シリカを増やすと、トナーの負帯電能力が高くなり過ぎて印字画像濃度が低下するため、比較的低電気抵抗のチタニアやアルミナを添加しているが、一般にチタニアやアルミナは一次粒子径が小さいため、印字枚数が増えるとトナー母粒子中に埋没し、それらの効果が発揮できなくなってしまう。
▲5▼ 良好なフルカラートナーを得るために、逆転写トナーの発生を可能な限り抑制することが求められる。
【0006】
そこで、アナターゼ型酸化チタンを含有し、シランカップリング剤で処理されている処理層を有するルチル型酸化チタンを外添剤として用い、紡錘形状のルチル型酸化チタンでトナー母粒子に付着した酸化チタンがこのトナー母粒子内に埋没しないようにし、またシランカップリング剤との親和性がよいアナターゼ型酸化チタンでトナー母粒子にシランカップリング剤の均一な被膜を得ることにより、帯電分布が均一で、摩擦帯電性を低下させることなくかつ過帯電を防止して安定した帯電特性を得るとともに、環境依存性、流動性および耐ケーキング性を向上させることが特開2000−128534号公報において提案されている。この公開公報に開示されているトナーによれば、前述の諸問題▲1▼〜▲5▼がある程度解決することができる。
【0007】
また、トナーの外添剤として疎水性シリカにルチル/アナターゼ混晶型酸化チタンを添加することにより、フルカラー画像において、色再現性、透明性を損なうことなく、トナーの流動性を高め、温度・湿度の環境に左右されずに安定した摩擦帯電性を得るとともに、トナー飛散を防止して非画像部へのトナーのカブリを防止することが特開2001−83732号公報において提案されている。この公開公報に開示されているトナーによっても、前述の諸問題▲1▼〜▲4▼がある程度解決することができる。
【0008】
一方、特許第2533067号公報にはアルミナ−シリカ複合酸化物微粒子をトナーに用いることが開示されており、このアルミナ−シリカ複合酸化物微粒子はトナーの凝集性を高める機能を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のルチル/アナターゼ型酸化チタンを外添剤として用いた場合には、トナーの帯電特性およびトナーの流動性を向上させることができるので、トナー規制部材によるトナーの均一な薄層および均一な帯電が可能となるが、ルチル/アナターゼ型酸化チタンを単に用いたのでは、次のような問題がある。すなわち、
▲6▼ 線画像を印字転写した場合に、図9に示すように線画像における中心部のトナーが転写されずにトナーが薄くなる、いわゆるトナーの中抜け現象が生じ、印字品質が低下するという問題がある。この中抜け現象は、トナーの流動性と凝集力のバランスがくずれるために、感光体上の現像された線画像を形成するトナーの中心部が感光体上に残り、両縁部が転写される結果生じる現象である。この中抜け現象は、非接触現像方式でACバイアスによるジャンピング現像において特に発生しやすい。
【0010】
一方、前述のアルミナ−シリカ複合酸化物微粒子を単に用いたのでは、そのトナー凝集性により次のような問題がある。すなわち、
▲7▼ 逆転写トナーが多く、かつトナーの平均帯電量が小さい場合には、図9に示すように転写画像の周辺部にチリが発生することが考えられる。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的はカブリトナーおよび逆転写トナーを可及的に少なくできるとともに転写効率を更に向上でき、しかも、トナーの中抜けやトナーのチリを防止できるとともに、安定した帯電性を維持できる負帯電性トナーを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明の負帯電性トナーは、トナー母粒子に対して疎水性の外添剤が少なくとも外添処理されてなる負帯電性トナーにおいて、前記外添剤として、少なくとも、疎水性の酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子と、この酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の仕事関数よりも小さな仕事関数を有する導電性微粒子とが用いられており、前記導電性微粒子が、導電性二酸化ケイ素、導電性酸化チタン、および導電性酸化アルミニウムのいずれか1つであり、前記酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の量が、トナー母粒子に対して、重量比で0 . 1重量%から3重量%以下に設定されており、前記外添剤として、更に、粒径の異なる2種類の疎水性で負帯電性の二酸化ケイ素が用いられており、これらの2種類の二酸化ケイ素の平均一次粒子径の間に前記酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の平均一次粒子径がくるように設定されるとともに、これらの2種類の二酸化ケイ素の平均一次粒子径が、前記導電性微粒子の平均一次粒子径よりも小さく設定されているとともに、2種類の二酸化ケイ素の仕事関数がいずれも前記酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の大きい方の第2仕事関数よりも小さく、かつ前記導電性微粒子の仕事関数よりも大きく設定されていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項2の発明は、前記外添剤として、更に、前記疎水性の酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の第2仕事関数と略同一の仕事関数を有する疎水性の金属酸化物微粒子が用いられ、この金属酸化物微粒子が、ルチルアナターゼ型酸化チタンであることを特徴としている。
【0014】
更に、請求項3の発明は、前記2種類の二酸化ケイ素の添加量(重量)が前記酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子と前記導電性微粒子との合計添加量(重量)より多く設定されていることを特徴としている。
【0015】
更に、請求項4の発明は、前記2種類の二酸化ケイ素の添加量(重量)が前記酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子と前記導電性微粒子と前記金属酸化物微粒子との合計添加量(重量)より多く設定されていることを特徴としている。
【0019】
【作用】
このように構成された本発明の負帯電性トナーにおいては、疎水性の導電性微粒子の有するトナーの負の過帯電防止機能およびトナーの流動性の向上機能という固有の特性と、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子の有するトナーの凝集性向上機能という固有の特性とが相乗された機能がトナー母粒子に付与されるようになる。
【0020】
これにより、負帯電性トナーの流動性低下が防止されるとともに、トナーの負の過帯電が防止されることから、より良好な負帯電特性が得られ、その結果、逆転写トナーの発生およびカブリをさほど増大させることなく、画像印字時のベタ濃度を、非接触現像時において特に効果的に高くすることができる。
【0021】
また、トナーの流動性が向上して線画像の境目にチリが発生することが防止され、画像のシャープ性が向上するとともに、トナーの凝集性が向上して中抜けが線画像の中心部に発生することが抑制される。特に、この中抜けは非接触現像方式でACバイアスによるジャンピング現像において特に効果的に防止されるようになる。
【0022】
したがって、負帯電性トナーはその負帯電がより一層長期にわたり安定して、シャープ性を有する画像が作製されるとともに、連続印字における安定した画像品質が得られるようになる。
しかも、トナーの流動性が向上することで、トナー規制部材によりトナーの均一な薄層が形成されるようになる。
【0023】
また、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子が広い粒度分布(例えば、一次粒子径の分布が7nm〜80nmで平均一次粒子径は約17nm)を有していることから、この酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子はトナー母粒子内に埋没し難くなり、トナー母粒子に確実に付着するようになる。これにより、転写効率が向上する。
【0024】
更に、2種類の疎水性の二酸化ケイ素の平均一次粒子径の間に、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の平均一次粒子径がくるように設定されるとともに、これらの2種類の二酸化ケイ素の平均一次粒子径は、導電性微粒子の平均一次粒子径よりも小さく設定されており、それらの仕事関数は酸化アルミニウムー二酸化ケイ素複合酸化物微粒子の大きい方の第2仕事関数よりも小さく、かつ導電性微粒子の仕事関数よりも大きく設定されることから、これらの2種類の二酸化ケイ素と導電性微粒子がトナー母粒子の表面に固着し、次いで酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子がトナー母粒子に付着した疎水性の二酸化ケイ素や導電性微粒子に付着する形でトナー母粒子の表面に付着するようになる。
【0025】
更に、疎水性の酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の第2仕事関数と略同一の仕事関数を有する疎水性の金属酸化物微粒子を用いることで、トナーの流動性のみならず、後述する実施例に示されるように帯電特性を安定させることができる。
【0026】
したがって、前述の酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の固有の特性と導電性微粒子粒子の固有の特性とに、疎水性の負帯電性二酸化ケイ素の有する負帯電機能および流動性向上機能という固有の特性が相乗された機能がトナー母粒子に付与される。そして、更に、疎水性の金属酸化物微粒子の機能が加わることで、負帯電性トナーはその流動性低下が防止されるとともに、負の過帯電が防止されることからより良好な負帯電特性を有するようになり、その結果、逆転写トナーの発生およびカブリが更に効果的に抑制される。
【0027】
また、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の仕事関数に屈曲点が存在することで、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子は、正と負の摩擦サイトを有している。トナー母粒子が正の摩擦サイトに接触するとトナー母粒子が負に確実に帯電し、また負の摩擦サイトに接触するとトナー母粒子が正に帯電するので過剰に負に帯電したトナー母粒子の電荷を適切な値に調整されるようになる。
【0028】
このようにして、本発明の負帯電性トナーは、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の正の摩擦サイトと負帯電性二酸化ケイ素とにより負に帯電し、更に、トナー規制部材とトナー担持体表面とにより、より一層確実に負に摩擦帯電されるようになる。
【0029】
その場合、電荷放出が少なく負帯電がし易い低温低湿下はもちろん、電荷が放出しがちになり負帯電がし難い高温高湿下においても、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子によりトナー母粒子が負に帯電することからトナーは安定した負帯電特性を維持し、また、連続印字においても同様に安定した帯電特性を維持するので、印字品質が環境にあまり影響されずに長期間にわたって変わらないものとなる。
【0030】
更に、2種類の二酸化ケイ素の添加量(重量)が酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子と導電性微粒子と金属酸化物微粒子との合計添加量(重量)より多いことから、仮に二酸化ケイ素の一部がトナー母粒子に埋没しても、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の大きい方の第2仕事関数と金属酸化物微粒子の仕事関数とが2種類の二酸化ケイ素の仕事関数より大きいので、これらの2種類の二酸化ケイ素を介してトナー母粒子に確実に固着し、トナー母粒子から遊離することが少なくなる。したがって、本発明の負帯電トナーは長期にわたって帯電が安定するようになる。
【0031】
更に、粉砕法トナーおよび重合法トナーを問わず、トナー粒子径を小さくするとトナー層を均一に帯電することは困難であり、その結果、逆極性のトナーの発生をもたらしてカブリや逆転写トナーの発生の原因となるが、2種類の二酸化ケイ素の平均一次粒子径の間にくるように設定された平均一次粒子径を有し、かつ正と負の摩擦サイトを有する酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子を共存させることで、規制トナー層を均一に帯電でき、逆極性である正帯電のトナー量が減少するようになる。
【0032】
これにより、感光体上のカブリトナーや逆転写トナー量が減り、転写効率がより一層向上する。そして、転写効率が向上することで、感光体や中間転写媒体上のクリーニングされるトナー量が少なくなるので、クリーニングが簡単になり、かつクリーニングトナーの回収容器が小さい容器で済むようになる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明にかかる負帯電性トナーの実施の形態の一例を模式的に示す図である。
図1に示すように、この例の負帯電性トナー8は一成分非磁性トナーであり、トナー母粒子8aに外添剤12が外添されて構成されている。外添剤12には、焔内加水分解法により得られる疎水性の酸化アルミニウム(アルミナ;Al2O3)ー二酸化ケイ素(シリカ;SiO2)複合酸化物粒子(以下、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子という)13と、トナー母粒子8aおよびアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の仕事関数よりも小さな仕事関数を有する、導電性微粒子14と、2種類の二酸化ケイ素の平均一次粒子径の間に、アルミナ−シリカ複合酸化物粒子の平均一次粒子径がくるように設定され、仕事関数がトナー母粒子8a、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13よりも小さく、導電性微粒子14よりも大きい2種類の疎水性の負帯電性二酸化ケイ素(負帯電性シリカ;SiO2)15a,15bとがそれぞれ使用されている。
【0034】
そして、疎水性の負帯電性シリカ15a,15bの仕事関数がトナー母粒子8a、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13、および金属酸化物微粒子16より小さいので、図1に示すように負帯電性シリカ15a,15bと導電性微粒子14がトナー母粒子8aに付着し、次いで負帯電性シリカ15a,15bに、仕事関数がこれらの負帯電性シリカ15a,15bより大きいアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13および金属酸化物微粒子16が接触する形でトナー母粒子8aに付着している。
【0035】
この例の負帯電トナー8では、トナー母粒子8aの仕事関数より小さい仕事関数を有する疎水性の負帯電性シリカ15a,15bによりトナー母粒子8aは負の帯電性が付与されている。また、トナー母粒子8aの仕事関数より大きいかあるいはトナー母粒子8aの仕事関数と略同一(仕事関数差が0.25eV以内)である仕事関数を有する金属酸化物微粒子と仕事関数が小さい導電性微粒子14を混合使用することにより、トナー母粒子8aの過帯電が防止されているとともに、トナーの流動性を向上させて線画像の境目に比較的小さいマイナスの負帯電トナーが付着することで発生するチリが防止されている。更に、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13を混合使用することで、トナーの凝集性を向上させて線画像の中心部におけるトナーが転写されないことで発生する中抜けが防止されている。
【0036】
仕事関数(Φ)は、表面分析装置{AC−2型、理研計器(株)製}により、照射光量500nWで測定されるものであり、その物質から電子を取り出すために必要なエネルギーであり、仕事関数が小さいほど電子を出しやすく、大きい程電子を出しにくい。そのため、仕事関数の小さい物質と大きい物質を接触させると、仕事関数の小さい物質は正に、仕事関数の大きい物質は負に帯電するものであるが、仕事関数自体としてはその物質から電子を取り出すためのエネルギー(eV)として数値化されるものである。
【0037】
このように構成されたこの例の負帯電性トナー8に用いられるトナー母粒子8aは粉砕法および重合法のいずれの方法でも作製することができるが、フルカラーに使用されるトナー母粒子は好ましくは重合法で作成するのがよい。以下、トナー母粒子8aの作製について説明する。
【0038】
まず、粉砕法によるトナー母粒子8aを用いた負帯電性トナー(以下、粉砕法トナーという)8の作製について説明する。
粉砕法トナー8は、樹脂バインダーに顔料(着色剤)、離型剤、荷電制御剤をヘンシェルミキサーで均一混合した後、2軸押し出し機で熔融・混練され、冷却後、粗粉砕−微粉砕工程を経て、分級処理されて得られたトナー母粒子8aに、さらに、外添剤12が外添されて負帯電トナー8とされる。
【0039】
バインダー樹脂としては、公知のトナー用樹脂が使用可能であり、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、シリコーン変成エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂等が単独又は混合して使用できる。特に本発明においては、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。本発明にあってはバインダー樹脂としてはガラス転移温度が50℃〜75℃、フロー軟化温度が70℃〜150℃の範囲が好ましい。
【0040】
着色剤としては、公知のトナー用着色剤が使用可能である。例えば、カーボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料および顔料を単独あるいは混合して使用できる。
【0041】
離型剤としては、公知のトナー用離型剤が使用可能である。例えば、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、エステルワックス等を使用することが好ましい。
【0042】
荷電調整剤としては、公知のトナー用荷電調整剤が使用可能である。例えば、オイルブラック、オイルブラックBY、ボントロンS−22(オリエント化学工業(株)製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業(株)製)、サリチル酸金属錯体E−81(オリエント化学工業(株)製)、チオインジゴ系顔料、銅フタロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学工業(株)製)、カリックスアレン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシルカルボン酸系金属錯体、芳香族ジカルボン酸系金属錯体、多糖類等が挙げられる。中でもカラートナー用には無色ないしは白色のものが好ましい。
【0043】
粉砕法トナー8における成分比(重量比)を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1に示すとおり、バインダー樹脂100重量部に対して、着色剤は0.5重量部〜15重量部、好ましくは1重量部〜10重量部であり、また、離型剤は1重量部〜10重量部、好ましくは2.5重量部〜8重量部であり、更に、荷電制御剤は0.1重量部〜7重量部、好ましくは0.5重量部〜5重量部である。
【0046】
この例の粉砕法トナー8にあっては、転写効率の向上を目的として、球形化処理により円形度がアップされている。粉砕法トナー8の円形度をアップさせるためには、
(A) 粉砕工程で、比較的丸い球状で粉砕可能な装置、例えば機械式粉砕機として知られるターボミル(川崎重工(株)製)を使用すれば円形度は0.93まで可能である。
または、
(B) 粉砕したトナーを市販の熱風球形化装置サーフュージングシステムSFS−3型(日本ニューマチック工業(株)製)を使用すれば円形度は1.00まで可能である。
【0047】
この例の粉砕法トナー8の望ましい円形度(球状化係数)は0.91以上であり、これにより良好な転写効率が得られる。そして、円形度は0.97まではクリーニングブレードにより、それ以上ではブラシクリーニングを併用することでクリーニングすることができる。
【0048】
また、このようにして得られる粉砕法トナー8としては、個数基準の50%径である平均粒径(D50)が9μm以下、好ましくは4.5μm〜8μmに設定される。これにより、粉砕法トナー8の粒子径が比較的小粒子径となり、この小粒子径トナーに外添剤として疎水性の負帯電性シリカ15a,15bと疎水性のアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13および導電性微粒子14とを併用することで、疎水性の負帯電性シリカの量を、従来のシリカ微粒子を単独用いた場合の疎水性の負帯電性シリカの量よりも少なくすることができるので、定着性が向上する。
なお、本発明におけるトナー粒子等における平均粒径と円形度は、シスメックス株式会社製のFPIA2100で測定する値である。
【0049】
更に、この粉砕法トナー8にあっては、外添剤12の総量(重量)がトナー母粒子8aの重量に対して0.5重量%(wt%)以上4.0重量%以下に設定されるが、好ましくは、1.0重量%から3.5重量%の範囲に設定するのがよい。これにより、粉砕法トナー8をフルカラートナーとして使用したときに逆転写トナーの発生を抑える効果を発現することができる。なお、外添剤12を総量で4.0重量%以上添加すると、トナー表面より遊離したり、定着性を悪化させる要因となる。
【0050】
次に、重合法によるトナー母粒子8aを用いた負帯電性トナー(以下、重合法トナーという)8の作製について説明する。
重合法トナー8としては、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等がある。懸濁重合法においては、重合性単量体(モノマー)、着色顔料、離型剤とを、必要により更に、染料、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を添加した混合物を溶解又は分散させた単量体組成物を、懸濁安定剤(水溶性高分子、難水溶性無機物質)を含む水相中に攪拌しながら添加して造粒し、重合させて所望の粒子サイズを有する着色重合トナー粒子を形成することができる。
【0051】
また、乳化重合法においては、単量体と離型剤を必要により更に重合開始剤、乳化剤(界面活性剤)などを水中に分散させて重合を行い、次いで凝集過程で着色剤、荷電制御剤と凝集剤(電解質)等を添加することによって所望の粒子サイズを有する着色トナー粒子を形成することができる。
重合法トナー作製に用いられる材料において、着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動性改良剤に関しては、上記の粉砕トナーと同様の材料が使用できる。
【0052】
重合性単量体(モノマー)としては、公知のビニル系モノマーが使用可能であり、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、無水マレイン酸、無水フタル酸、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルナフタレン等が挙げられる。なお、フッ素含有モノマーとしては例えば2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、フッ化ビニリデン、三フッ化エチレン、四フッ化エチレン、トリフルオロプロピレンなどはフッ素原子が負荷電制御に有効であるので使用が可能である。
【0053】
乳化剤(界面活性剤)としては公知のものが使用可能である。例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル等がある。
【0054】
重合開始剤としては、公知のものが使用可能である。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル等がある。
【0055】
凝集剤(電解質)としては、公知のものが使用可能である。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸鉄等が挙げられる。
【0056】
乳化重合法トナー8における成分比(重量)を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
表2に示すとおり、重合性モノマー100重量部に対して、重合開始剤は0.03重量部〜2重量部、好ましくは0.1重量部〜1重量部であり、また、界面活性剤0.01重量部〜0.1重量部であり、更に、離型剤は1重量部〜40重量部、好ましくは2重量部〜35重量部であり、更に、荷電制御剤は0.1重量部〜7重量部、好ましくは0.5重量部〜5重量部であり、着色剤は1重量部〜20重量部、好ましくは3重量部〜10重量部であり、更に、凝集剤(電解質)は0.05重量部〜5重量部、好ましくは0.1重量部〜2重量部である。
【0059】
この例の重合法トナー8にあっても、転写効率の向上を目的として、球形化処理により円形度がアップされている。重合法トナー8の円形度の調節法としては、
(A) 乳化重合法は2次粒子の凝集過程で温度と時間を制御することで、円形度を自由に変えることができ、その範囲は0.94〜1.00である。
また、
(B) 懸濁重合法では、真球のトナーが可能であるため、円形度は0.98〜1.00の範囲となる。また、円形度を調節するためにトナーのTg温度以上で加熱変形させることで、円形度を0.94〜0.98まで自由に調節することが可能となる。
【0060】
重合法トナー8は上記の方法以外の分散重合法でも作ることができ、例えば特開平63−304002号公報に開示されている方法でも作製できる。この場合には、形状が真球に近い形となるため、形状を制御するには、例えばトナーのTg温度以上で加圧し、所望のトナー形状にすることができる。
【0061】
前述の粉砕法トナー8の場合と同様に、この例の重合法トナー8の望ましい円形度(球状化係数)は0.95以上であり、円形度が0.97まではクリーニングブレードにより、それ以上ではブラシクリーニングを併用することでクリーニングすることができる。
【0062】
このようにして得られる重合法トナー8においても、個数基準の50%径である平均粒径(D50)が9μm以下、好ましくは4.5μm〜8μmに設定される。これにより、重合法トナー8の粒子径が比較的小粒子径となり、この小粒子径トナーに外添剤12として疎水性の負帯電性シリカ15a,15bと疎水性の導電性微粒子14とアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13とを併用することで、疎水性の負帯電性シリカ15a,15bの量を、従来のシリカ微粒子を単独用いた場合の疎水性の負帯電性シリカの量よりも少なくすることができるので、定着性が向上する。
なお、この重合法トナー8の場合にも、トナー粒子等における平均粒径と円形度は、シスメックス株式会社製のFPIA2100で測定する値である。
【0063】
更に、この重合法トナー8にあっても、前述の粉砕法トナーと同様に、外添剤12の総量(重量)がトナー母粒子8aの重量に対して0.5重量%以上4.0重量%以下に設定されるが、好ましくは、1.0重量%から3.5重量%の範囲に設定するのがよい。これにより、重合法トナー8をフルカラートナーとして使用したときに逆転写トナーの発生を抑える効果を発現することができる。なお、外添剤12を総量で4.0重量%以上添加すると、トナー表面より飛散したり、定着性を悪化させる要因となる。
【0064】
外添剤12であるアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13は、乾式トナーにおける帯電特性の安定化、流動性改良を目的として用いられるものである。このアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13は、例えば特許第2533067号公報に開示されているケイ素ーアルミニウム複合酸化物微粉末の製法等により作成することができる。以下に、この特許公報に開示の製法における作製工程について示す。
(1) ケイ素ハロゲン化物およびアルミニウムハロゲン化物を蒸発させ、それぞれの蒸気をキャリアガスとともに複合ユニット中で空気、酸素および水素と均一複合する。
(2) 次いで、得られた複合蒸気をバーナーに供給し、燃焼室内で焔内反応させ、得られたガスおよび固体を熱交換ユニット中で冷却する。
(3) ガスを固体から分離し、生成物に付着しているハロゲン化物残分を湿った空気を用いた熱処理により除去し、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13が得られる。
【0065】
図2は前述の特許第2533067号公報に開示されているアルミナーシリカ複合酸化物微粒子を製造するためのバーナー装置である。図中、101は燃焼室、102は二重ジャケット管、103は環状ダイヤフラム、104は内側管、105は外側管、106は水冷焔管である。
【0066】
燃焼室101には二重ジャケット管102が突出させられ、二重ジャケット管102の内側管104からは水素1.4Nm3/h、空気5.5Nm3/hおよび予め蒸発させたガス状SiCl41.30kg/hの割合で混合した200℃の熱混合蒸気が導入され、次いで、この熱混合蒸気に予め300℃で蒸発させたガス状AlCl32.34kg/hの割合で付加供給されて焔管中に導入されるとともに付加的に空気12Nm3/hが供給されて燃焼させられる。この際、燃焼室101には空気が導入され、また、環状ダイヤフラム103から付加的に空気が導入される。焔中では、生成する水と塩化物との急激な反応が生じ、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子が形成される。焔管通過後に、生じた粉末はフィルターまたはサイクロンを使用して分離され、また、粉末に付着した塩酸分が除去される。得られるアルミナーシリカ複合酸化物微粒子の組成はAl2O365重量%、SiO235重量%であり、一次平均粒子径は14nm、BET比表面積74m2/g、体積抵抗率1012Ω・cmである。得られたアルミナーシリカ複合酸化物微粒子はジメチルシラン(DMS)により疎水化処理される。
【0067】
このアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13中のアルミナ(Al2O3)とシリカ(SiO2)との割合は、ケイ素ハロゲン化物およびアルミニウムハロゲン化物の供給量、水素供給量、ケイ素ハロゲン化物およびアルミニウムハロゲン化物の供給量、水素供給量、空気供給量等の反応条件により適宜調整される。
【0068】
アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13におけるAl2O3とSiO2との重量比は、Al2O3の含有量が55重量%〜85重量%、SiO2の含有量が45重量%〜15重量%の範囲にできる。また、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13は焔内中で粒子化されることにより非晶質構造で、十分な微粒子状性を有し、BET法による比表面積が20m2/g〜200m2/gのものとなる。更に、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子3の一次粒子径は7nm〜80nm、好ましくは10nm〜40nmであり、個数基準で20nm以上が30%以上である。更に、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13は重量比でトナー母粒子8aの量に対して、0.1重量%〜3重量%、好ましくは0.2重量%〜2重量%の割合で添加するとよい。アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13はブロードな粒径分布を有するので、少量の添加でも連続印字における外添剤12粒子のトナー母粒子8a中への埋没を生じ難いものとすることができる。また、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の大粒子径部分により転写効率を向上させることができ、また、その大粒子径部分は大きすぎることがないので、像担持体表面の異常な偏摩耗を防止できる。
【0069】
また、この例の負帯電性トナー8のアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13は、5.0eV〜5.4eVの範囲の第1の仕事関数と5.4eV〜5.7eVの範囲の第2の仕事関数の2種類の仕事関数を示すとともに、トナー母粒子8aの仕事関数が5.3eV〜5.65eVであって、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の第1の仕事関数より大きく、また第2の仕事関数より小さく設定されている。
【0070】
このアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の仕事関数の一例について、前述の表面分析装置を用いて測定して得られたデータにより説明する。表面分析装置による測定で得られたアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13に関するデータを図3および図4に示す。
【0071】
前述の表面分析装置においては、単色光の励起エネルギーについて低い方から高い方にスキャンし、光電子の放出が始まるエネルギー(仕事関数)を測定するものであり、仕事関数のデータは、横軸にとった励起エネルギー(Photon Energy)と縦軸にとった規格化光電子収率(Emmission Yield)との関係から得られる。
【0072】
すなわち、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13は、その仕事関数が、励起エネルギーと規格化光電子収率との関係において、図3に示すように屈曲点(A)における励起エネルギー5.18eVと図4に示すように屈曲点(B)における励起エネルギー5.62eVであり、2種類の仕事関数を有することがわかる。そして、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13はアルミナとシリカとの単なる混合酸化物粒子に比して仕事関数の差が大きく、トナー母粒子8aに外添されると正と負の2つの摩擦帯電サイトを与えやすいものであることが判明した。その詳細な理由は不明であるが、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13がSiO2粒子とAl2O3粒子との単なる混合物ではないことに起因するものと考えられる。
【0073】
このようなアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13における正の摩擦帯電サイトにトナー母粒子8aが接触すると、単なる混合物粒子に比してトナー粒子を確実に負に帯電して正帯電トナーを減少させることができる。また、負の摩擦帯電サイトにトナー母粒子8aが接触すると、トナー粒子の過剰な負帯電性を抑制できるので、安定した負帯電性トナーとすることができる。
【0074】
アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13は、ケイ素ハロゲン化物およびアルミニウムハロゲン化物のそれぞれの蒸発量を目的に応じて変化させて、前述のようにキャリアガスと一緒に混合ユニット中で空気、酸素および水素と均一に混合し、焔内加水分解することにより得られるが、その製造条件を制御することにより第1と第2の仕事関数を制御でき、前述のような5.0eV〜5.4eVの範囲の第1の仕事関数と5.4eV〜5.7eVの範囲の第2の仕事関数の種類の仕事関数を示すものにすることができる。
【0075】
また、この例の負帯電性トナー13は、前述のように外添剤12としてアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13とともにこのアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の仕事関数より大きくかつトナー母粒子8aの仕事関数と同一かあるいは略同一の仕事関数を有する金属酸化物微粒子16が用いられる。この金属酸化物微粒子16としては、ルチルアナターゼ型酸化チタン(仕事関数5.64eV)、ルチル型酸化チタン(仕事関数5.61eV)、アナターゼ型酸化チタン(仕事関数5.64eV)、チタン酸ストロンチウム(TiO3Sr;仕事関数5.62eV)等を用いることができる。
【0076】
更に、このアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の仕事関数より小さくかつトナー母粒子8aの仕事関数より小さい仕事関数を有する導電性微粒子14が用いられる。この導電性微粒子14としては、導電性二酸化ケイ素、導電性酸化チタン、導電性酸化アルミニウム、導電性酸化亜鉛、導電性酸化錫等を用いることができる。)
【0077】
その場合、トナーの流動性を向上してチリをなくすとともに現像装置のトナー規制部材による均一な薄層を形成するため、特に、疎水性のルチルアナターゼ型酸化チタンや導電性酸化チタンおよび導電性酸化アルミニウムが好ましい。
【0078】
このルチルアナターゼ型酸化チタンはルチル型酸化チタンとアナターゼ型酸化チタンとが所定の混晶比で用いられており、例えば前述の特開2000−128534号公報に開示されている製造方法により製造することができる。この疎水性ルチルアナターゼ型酸化チタン(図1に符号14で示す)は紡錘形状を呈しており、その長軸径が0.02μm〜0.10μmであるとともに、長軸と短軸との軸径比が2〜8に設定されている。このルチルアナターゼ型酸化チタンの場合は、負帯電性シリカ15a,15bの平均一次粒子径の間に、ルチルアナターゼ型酸化チタンの短軸径がくるように設定される。
【0079】
このように、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13より小さな仕事関数を有する導電性微粒子14をこのアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13とともに用いることにより、トナー母粒子8aに帯電した電荷を逃して帯電調整し、過帯電を防止することができる。すなわち、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13を入れすぎると、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子のシリカ成分が負帯電サイトとして機能することからトナーが負に過帯電して画像濃度が低下するようになるが、導電性微粒子14をアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13とともに添加することにより、トナー母粒子8aの過帯電を防止できる。
【0080】
更に、外添剤12として用いられる2種類の疎水性の負帯電性シリカ15a,15bのうち、一方の負帯電性シリカ15aの平均一次粒子径は20nm以下、好ましくは7nm〜16nmであり、また、他方の負帯電性シリカ15bの平均一次粒子径は30nm以上、好ましくは40nm〜50nmに設定されている。
【0081】
更に、本発明の負帯電性トナー8は、外添剤12として、前述のアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13および前述の導電性微粒子14の他に、必要に応じて他の外添剤を添加することもできる。例えば、他の外添剤として、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、マグネタイト、二硫化モリブデン、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、チタン酸バリウム、ケイ素金属塩の各微粒子を使用することができる。その他の樹脂微粒子の例としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂等がある。
【0082】
外添剤12の粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して使用することが好ましい。疎水化処理剤としては、例えば、ジメチルジクロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル、オクチルートリクロシラン、デシルートリクロルシラン、ノニルートリクロシラン、(4−iso−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、ジヘキシルジクロシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロシラン、ジペンチルージクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−iso−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン等が例示される。
【0083】
本発明の負帯電性トナー8にあっては、前述のようにトナー母粒子8aに対するアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の添加量は、0.1重量%〜3重量%、好ましくは0.2重量%〜2重量%である。また、トナー母粒子8aに対する導電性微粒子14の添加量は0.05重量%〜1.5重量%、好ましくは0.1重量%〜1.0重量%である。また、トナー母粒子8aに対する全外添剤12粒子の添加量は、0.5重量%〜5重量%、好ましくは1重量%〜4重量%の割合とするとよい。
【0084】
更に、本発明の負帯電性トナー8は、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13を外添したトナー粒子において、トナー母粒子8aをその仕事関数が5.3eV〜5.7eV、好ましくは5.4eV〜5.65eVのものとし、かつ、トナー母粒子8aの仕事関数がアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の第1の仕事関数より大きく、また、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の第2の仕事関数より小さいものと設定することを特徴としている。これにより、カブリをより低減でき、転写効率をより向上させることができることが判明した。トナー母粒子8aの仕事関数がこのアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の2種類の仕事関数の間にないと、本発明のような2種類の仕事関数の間にある場合と比較して、クリーニングトナーが増大する。
【0085】
トナー母粒子8aと外添剤12とは、前述のヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、反転ミキサー、ハイスピードミキサ、サイクロミックス、アキシャルミキサー等の公知の複合機に投入されて、トナー母粒子8aに対して外添剤12粒子が付着処理され、本発明の負帯電性トナー8が得られる。
【0086】
このようにして得られる負帯電性トナー8の仕事関数は5.35eV〜5.8eVであり、好ましくは5.4eV〜5.75eVである。なお、像担持体表面の仕事関数より負帯電性トナー8の仕事関数を大きくすることにより、カブリをより低減でき、転写効率をより向上させることができる。また、像担持体面の仕事関数より負帯電性トナー8の仕事関数を小さくすると、トナー規制部材による現像ローラへのトナー薄層規制に際して、帯電量が下がり「帯電不足」の現象を生じることがあるが、本発明のように各仕事関数が設定されることで、この「過帯電」の現象を抑制することができる。
【0087】
また、本発明の負帯電性トナー8は、粉砕法トナーにあっては、個数基準の平均粒径が5μm〜10μm、好ましくは6μm〜9μmであり、また、重合法トナーにあっては、個数50%粒子径(D50)が、8μm以下、好ましくは4.5μm〜8μmであり、3μm以下が10%以下であり、好ましくは5%以下の粒径分布を有するものである。
【0088】
一般に、粉砕法トナーと重合法トナーとを問わず、トナー粒子径を小さくすると、シリカ粒子の添加量を増す必要があり、そのためトナーの帯電量が初期では大きくなり過ぎるという問題がある。また、印字が進むにつれ、埋没または飛散によりシリカ粒子の有効表面量が減少してトナー帯電量が低下し、画像濃度変動やカブリ量が増大してトナー消費量が増加する傾向にあり、トナーとしては使用し難いという問題がある。これに対して、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13を外添剤12として用いると、その粒度分布がブロードであり、外添剤12粒子の埋没等の問題を抑制できるものであり、また、第1と第2の仕事関数の差を大きくできるので、印字期間を通じ安定した負帯電性トナーとすることができる。
【0089】
更に、本発明の負帯電性トナー8としては、粉砕法、重合法のいずれの場合においても、円形度(球状化係数)を0.94以上とするとよく、望ましくは、0.95以上である。円形度(球状化係数)0.97まではクリーニングブレードにより、それ以上ではブラシクリーニングを併用するとよい。円形度(球状化係数)を0.94以上とすることにより、転写効率を向上させることができる。
【0090】
このように構成されたこの例の負帯電性トナー8においては、重合法トナーおよび粉砕法トナーのいずれでも、小粒子径の疎水性の負帯電性シリカおよび導電性微粒子14がトナー母粒子8aに付着する。この疎水性の負帯電性シリカ13の仕事関数より大きい仕事関数の疎水性アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13および疎水性の金属酸化物微粒子16がそれぞれ仕事関数差による接触電位差でトナー母粒子8aに付着した負帯電性シリカ13に固着してトナー母粒子8aから遊離することが少なくなる。したがって、トナー母粒子8aの表面が疎水性アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13、疎水性の金属酸化物微粒子16、疎水性の負帯電性シリカ15a,15bおよび導電性微粒子14によりまんべんなく覆われるようになる。
【0091】
したがって、導電性微粒子14の有する比較的低い電気抵抗(例、導電性酸化チタン41.8Ω・cm)の電荷調整機能をより効果的に活かすことができるとともに、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の有するトナーの凝集機能をより効果的に活かすことができるようになる。
すなわち、疎水性の負帯電性シリカ15a,15bの有するトナーの負帯電機能およびトナーの流動性向上機能という固有の特性と、導電性微粒子14の有する負の過帯電防止機能およびトナーの流動性向上機能という固有の特性と、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の有するトナーの凝集性向上機能という固有の特性とが相乗された機能をトナー母粒子8aに付与することができる。
【0092】
これにより、負帯電性トナー8の流動性低下を防止できるとともに負の過帯電を防止できることから、より良好な負帯電特性を得ることができるようになり、その結果、逆転写トナーの発生およびカブリを効果的に抑制することができる。また、トナーの流動性を向上させて線画像の境目に発生する前述のチリを防止でき、画像のシャープ性を向上できるとともに、トナーの凝集性を向上させて線画像の中心部に発生する前述の中抜けを防止することができる。
したがって、負帯電性トナー8はその負帯電がより一層長期にわたり安定し、中抜けを生じなくシャープ性を有する、連続印字における安定した画像品質を与えることができるようになる。
【0093】
図5は、この例の負帯電性トナー8を用いた非接触一成分現像方式の一例を模式的に示す図であり、図6は、この例の負帯電性トナー8を用いた接触一成分現像方式の一例を模式的に示す図である。図5および図6中、1は像担持体である有機感光体、2はコロナ帯電器、3は露光、4はクリーニングブレード、5は転写ローラ、6は供給ローラ、7は規制ブレード、8は負帯電性トナー、9は転写材、10は現像器、11は現像ローラであり、Lは非接触一成分現像プロセスにおける現像ギャップである。
【0094】
有機感光体1としては、有機感光層が単層の有機単層型でもよいし、有機感光層が多層の有機積層型でもよい。
有機積層型感光体1は、図7(a)に示すように導電性支持体1a上に、下引き層1bを介して、電荷発生層1cおよび電荷輸送層1dからなる感光層を順次積層したものである。
【0095】
導電性支持体1aとしては、公知の導電性支持体が使用可能であり、例えば体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム合金に切削等の加工を施した管状物やポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムを蒸着あるいは導電性塗料により導電性を付与した管状物、導電性ポリイミド樹脂を形成してなる管状物とから形成することができる。なお、他の形状例としては、ベルト状、板状、シート状支持体等が例示でき、また、他の材料、形状例として、ニッケル電鋳管やステンレス管などをシームレスにした金属ベルト等も好適に使用することができる。
【0096】
導電性支持体1a上に設けられる下引き層1bとしては公知の下引き層が使用可能である。例えば、下引き層1bは接着性を向上させ、モワレを防止し、上層の電荷発生層1cの塗工性を改良、露光時の残留電位を低減させるなどの目的で設けられる。下引き層1bに使用する樹脂はその上に電荷発生層1cを有する感光層を塗工する関係上、感光層に使用する溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。使用可能な樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、酢酸ビニル、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等であり、単独または2種以上の組み合わせで使用することができる。また、これらの樹脂に二酸化チタン、酸化亜鉛等の導電性微粒子を含有させてもよい。
【0097】
電荷発生層1cにおける電荷発生顔料としては、公知の材料が使用可能である。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノンおよびナフトキノン系顔料、シアニンおよびアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生顔料は、単独または2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0098】
電荷発生層1cにおけるバインダー樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。バインダー樹脂と前記電荷発生物質の構成比は、重量比でバインダー樹脂100重量部に対して、10重量部〜1000重量部の範囲で用いられる。
【0099】
電荷輸送層1dを構成する電荷輸送物質としては公知の材料が使用可能であり、電子輸送物質と正孔輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、パラジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0100】
正孔輸送物質としては、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン化合物、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、フェナジン化合物、ベンゾフラン化合物、ブタジエン化合物、ベンジジン化合物、スチリル化合物およびこれらの化合物の誘導体が挙げられる。これらの電子供与性物質は単独または2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0101】
電荷輸送層1d中には、これらの物質の劣化防止のために酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤などを含有することもできる。
電荷輸送層1dにおけるバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂などを用いることができるが、電荷輸送物質との相溶性、膜強度、溶解性、塗料としての安定性の点でポリカーボネートが好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質の構成比は、重量比でバインダー樹脂100重量部に対して25重量部〜300重量部の範囲で用いられる。
【0102】
電荷発生層1c、電荷輸送層1dを形成するためには、塗布液を使用するとよく、溶剤はバインダー樹脂の種類によって異なるが、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル類等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン等の芳香族類等を用いることができる。
また、電荷発生顔料の分散には、サンドミル、ボールミル、アトライター、遊星式ミル等の機械式の方法を用いて分散と混合を行うとよい。
【0103】
下引き層1b、電荷発生層1cおよび電荷輸送層1dの塗工法としては、浸漬コーティング法、リングコーティング法、スプレーコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スピンコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアナイフコーティング法等の方法を用いる。また、塗工後の乾燥は常温乾燥後、30℃〜200℃の温度で30から120分間加熱乾燥することが好ましい。これらの乾燥後の膜厚は電荷発生層1cでは、0.05μm〜10μmの範囲、好ましくは0.1μm〜3μmである。また、電荷輸送層1dでは5μm〜50μmの範囲、好ましくは10μm〜40μmである。
【0104】
また、有機単層型感光体1は、図7(b)に示すように上述した有機積層型感光体1において説明した導電性支持体1a上に、同様の下引き層1bを介して、電荷発生剤、電荷輸送剤、増感剤等とバインダー、溶媒等からなる単層有機感光層1eを塗布形成することにより作製される。有機負帯電単層型感光体については、例えば特開2000−19746号公報に開示されている方法に準じて作製するとよい。
【0105】
単層有機感光層1eにおける電荷発生剤としてはフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、キノシアトン系顔料、インジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、キナクリドン系顔料が挙げられ、好ましくはフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料である。電荷輸送剤としてはヒドラゾン系、スチルベン系、フェニルアミン系、アリールアミン系、ジフェニルブタジエン系、オキサゾール系等の有機正孔輸送化合物が例示され、また、増感剤としては各種の電子吸引性有機化合物であって電子輸送剤としても知られているパラジフェノキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、クロラニル等が例示される。バインダーとしてはポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が例示される。
【0106】
各成分の組成比は、バインダー40重量%〜75重量%、電荷発生剤0.5重量%〜20重量%、電荷輸送剤10重量%〜50重量%、増感剤0.5重量%〜30重量%であり、好ましくはバインダー45重量%〜65重量%、電荷発生剤1重量%〜20重量%、電荷輸送剤20重量%〜40重量%、増感剤2重量%〜25重量%である。溶剤としては、下引き層に対して、溶解性を有しない溶媒が好ましく、トルエン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等が例示される。
【0107】
各成分は、ホモミキサー、ボールミル、サンドミル、アトライター、ペイントコンディショナー等の攪拌装置で粉砕・分散混合され、塗布液とされる。塗布液は、下引き層上にディップコート、リングコート、スプレーコート等により乾燥後の膜厚15μm〜40μm、好ましくは20μm〜35μmで塗布・乾燥されて単層有機感光体層1eとされる。
【0108】
そして、このように構成された有機感光体1は直径24mm〜86mmで表面速度60mm/s〜300mm/sで回転する感光体ドラムであり、コロナ帯電器2等の帯電部材によりその表面が均一に負帯電された後、記録すべき情報に応じた露光3が行なわれることにより、感光体ドラムの表面に静電潜像が形成される。
【0109】
現像ローラ11を有する現像器10は、一成分現像器10であり、有機感光体1上に負帯電性トナー8を供給することで有機感光体1における静電潜像を反転現像し、可視像化するものである。現像器10には、負帯電性トナー8が収納されており、図5に示すように反時計方向で回転する供給ローラ6によりトナーを現像ローラ11に供給する。現像ローラ11は図示のごとく反時計方向に回転し、供給ローラ6により搬送されたトナー8をその表面に吸着した状態で、時計方向に回転する有機感光体1との接触部に搬送し、有機感光体1上の静電潜像を可視像化する。
【0110】
現像ローラ11は、例えば直径16mm〜24mmで、金属製のパイプにメッキやブラスト処理したローラ、あるいは中心軸周面にNBR、SBR、EPDM、ウレタンゴム、シリコンゴム等からなる体積抵抗値104 Ω・cm〜108 Ω・cm、硬度が40°〜70°(アスカーA硬度)の導電性弾性体層が形成されたもので、このパイプのシャフトや中心軸を介して、図示していない電源より現像バイアス電圧が印加される。
【0111】
規制ブレード7としてはSUS、リン青銅、ゴム板、金属薄板にゴムチップの貼り合わせたもの等が使用されるが、現像ローラ11に対して図示しないスプリング等の付勢手段により、あるいは弾性体としての反発力を利用して線圧20gf/cm〜60gf/cmで押圧され、現像ローラ11上のトナー層厚を5μm〜20μm、好ましくは6μm〜15μm、トナー粒子の積層形態としては略1層〜2層、好ましくは1層〜1.8層とされるとよい。
【0112】
図5に示す非接触現像方式の画像形成装置では、現像ローラ11と有機感光体1とを現像ギャップLを介して対向させるものであるが、現像ギャップLとしては100μm〜350μmとするとよく、また、図示しないが直流電圧(DC)の現像バイアスとしては−200V〜−500Vであり、これに重畳する交流電圧(AC)としては1.5kHz〜3.5kHz、P−P電圧1000V〜1800Vの条件とするとよい。また、非接触現像方式にあって、反時計方向に回転する現像ローラ11の周速としては、時計方向に回転する有機感光体1に対して1.0〜2.5、好ましくは1.2〜2.2の周速比とするとよい。
【0113】
現像ローラ11は図示のごとく反時計方向に回転し、供給ローラ6により搬送された負帯電性トナー8をその表面に吸着した状態で有機感光体1との対向部に負帯電性トナー8を搬送するが、有機感光体1と現像ローラ11との対向部において、交流電圧を重畳して印加することにより、負帯電性トナー8は現像ローラ11表面と有機感光体1表面との間で振動することにより現像される。本発明にあっては、交流電圧の印加により現像ローラ11表面と有機感光体1表面との間でトナー8が振動する間にトナー粒子と現像ローラ11表面とが接触させることができるので、これによっても、小粒子径の正帯電トナーを負帯電させることができ、カブリトナーを減少させることができるものと考えられる。
【0114】
また、紙等の転写材9や中間転写媒体(図5には不図示;後述する図8に図示)は可視像化された有機感光体1と転写ローラ5との間に送られるが、転写ローラ5による有機感光体1への押し圧荷重を、接触現像方式と同程度の20gf/cm〜70gf/cm、好ましくは25gf/cm〜50gf/cmとするとよい。
【0115】
図5に示す非接触現像プロセスおよび図6に示す非接触現像プロセスを、それぞれイエローY、シアンC、マゼンタM、ブラックKからなる4色のトナー(現像剤)による現像器と感光体1を組み合わせれば、フルカラー画像を形成することのできるフルカラー画像形成装置となる。このフルカラー画像形成装置としては、図8に示す4色の各現像器と回転可能な1つの潜像担持体からなる4サイクル方式(詳細は後述)、4色の各現像器と各潜像担持体とを1列に並べたタンデム方式、および、1つの潜像担持体と4色の回転可能な現像器を組み合わせたロータリー方式がある。
【0116】
次に、本発明の負帯電性トナーの作製例、およびこの負帯電性トナーを用いた、図5および図6に示す基本構成を有する図8に示す非接触または接触一成分現像プロセスによる画像形成装置の有機感光体、転写媒体の製造例について説明する。なお、図8に示す画像形成装置は接触一成分現像プロセスを行うこともでき、後述する作像化試験では、この画像形成装置を用いて接触一成分現像プロセスによる試験も行った。ただし、以下の説明においては、基本的にこの画像形成装置は非接触一成分現像プロセスを行うものとしている。
【0117】
次に、本発明の負帯電性トナーの製造例を示す。その場合、負帯電性トナー(1)ないし(4)は重合法により製造されたトナーであり、また、負帯電性トナー(5)ないし(8)は粉砕法で製造されたトナーの例である。
【0118】
[負帯電性トナー(1)の製造例]
スチレンモノマー80重量部、アクリル酸ブチル20重量部、およびアクリル酸5重量部からなるモノマー混合物を、
・水 105重量部
・ノニオン乳化剤 1重量部
・アニオン乳化剤 1.5重量部
・過硫酸カリウム 0.55重量部
からなる水溶性混合物に添加し、窒素気流中下で攪拌して70℃で8時間重合を行った。重合反応後冷却し、乳白色の粒子径0.25μmの樹脂エマルジョンを得た。
【0119】
次に、
・この樹脂エマルジョン 200重量部
・ポリエチレンワックスエマルジョン{三洋化成工業(株)製} 20重量部
・フタロシアニンブルー 7重量部
を、界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部を含んだ水中へ分散し、ジエチルアミンを添加してpHを5.5に調整後攪拌しながら電解質の硫酸アルミニウムを0.3重量部を加え、次いでTKホモミキサーで高速攪拌し、分散を行った。
【0120】
更に、スチレンモノマー40重量部、アクリル酸ブチル10重量部、サリチル酸亜鉛5重量部を水40重量部と共に追加し、窒素気流下で攪拌しながら同様にして90℃に加熱し、過酸化水素を加えて5時間重合し、粒子を成長させた。重合停止後、この二次粒子の会合と造膜結合強度を上げるため、pHを5以上に調整しながら95℃に昇温し、5時間保持した。その後、得られた粒子を水洗いし、45℃で真空乾燥を10時間行ってシアントナーの母粒子を得た。
【0121】
得られたシアントナーの母粒子は、前述のFPIA2100装置で平均粒径および円形度を測定するとともに、前述のAC−2型表面分析装置で仕事関数を測定した結果、平均粒径が6.8μm、円形度が0.98のトナーであり、その仕事関数は前述の表面分析装置により測定した結果、5.57eVであった。このシアントナーの母粒子に対し、流動性改良剤である平均一次粒子径が約12nmでかつ仕事関数が5.22eVの疎水性シリカを重量比で1%、平均一次粒子径が約40nmでかつ仕事関数が5.24eVの疎水性シリカを0.5重量%添加混合して添加混合し、シアントナー(1)を作製した。得られたシアントナー(1)は前述の各装置を用いて測定した結果、平均粒径が6.86μm、円形度が0.983、仕事関数が5.54eVであった。
【0122】
[負帯電性トナー(2)の製造例]
前述のシアントナー(1)において、同様にしてフタロシアニンブルーの顔料の代わりに顔料をキナクリドンに変更し、また二次粒子の会合と造膜結合強度を上げる温度を90℃のままで行い、マゼンタトナー(2)を同様に作製した。前述のシアントナー(1)と同様にして、マゼンタトナー(2)の母粒子およびマゼンタトナー(2)の平均粒径、円形度、および仕事関数を測定した結果、トナー母粒子の平均粒子径が6.9μm、円形度が0.97、仕事関数が5.65eV、マゼンタトナー(2)の平均粒径が6.96μm、円形度が0.975で、仕事関数が5.61eVであった。
【0123】
[負帯電性トナー(3)および(4)の製造例]
前述のマゼンタトナー(2)において、顔料をピグメントイエロー180とカーボンブラックとに変えた以外はマゼンタトナー(2)と同様にして重合を行い、流動性改良剤を添加し、イエロートナー(3)とブラックトナー(4)とを作製した。このとき、イエロートナー(3)は、トナー母粒子の平均粒子径が6.93μm、円形度が0.968、仕事関数が5.55eV、イエロートナー(3)の平均粒径が7.01μm、円形度が0.971、仕事関数が5.52eVであった。また、ブラックトナー(4)は、トナー母粒子の平均粒径が6.89μm、円形度が0.965、仕事関数が5.49eV、ブラックトナー(4)の平均粒径が7.08μm、円形度が0.975、仕事関数が5.45eVであった。
【0124】
[負帯電性トナー(5)の製造例]
芳香族ジカルボン酸とアルキレンエーテル化ビスフェノールAとの重縮合ポリエステルと該重縮合ポリエステルの多価金属化合物による一部架橋物の50:50(重量比)混合物{三洋化成工業(株)製}100重量部、マゼンタ顔料のカーミン6B重量部、離型剤として融点が152℃、重量分子量Mwが4000のポリプロピレン1重量部、および荷電制御剤としてのサリチル酸金属錯体E−81{オリエント化学工業(株)製}4重量部をヘンシェルミキサーを用い、均一混合した後、内温130℃の二軸押し出し機で混練し、冷却した。冷却物を2mm角以下に粗粉砕し、次いでジェットミルで微粉砕し、ローター回転による分級装置により分級し、平均粒径6.2μmで、円形度0.905の分級トナー母粒子を得た。分級したトナー母粒子に対して、重量比で0.2%の疎水性シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積250m2/g)を加え、表面処理を行った後、熱風球形化装置サーフュージングシステムを用い、熱処理温度250℃に設定し、部分的に球形化処理を行い、その後、同様にして再度分級し、平均粒径7.35μm、円形度0.940のマゼンタトナーの母粒子を得た。また、このトナー母粒子の仕事関数は、測定の結果、5.50eVであった。
【0125】
得られたトナー母粒子に対して、前述のトナー(1)で使用した2種類の疎水性シリカのうち、小粒子径のシリカを平均一次粒子径が約7nm、仕事関数が5.18eVの疎水性シリカを0.5重量%、更に、平均一次粒子径が約12nmの前述の疎水性シリカを0.5重量%、そして大粒子径のシリカの平均一次粒子径が約40nm、仕事関数が5.24eVの疎水性シリカを0.5重量%添加し、更に、平均一次粒子径が約17nm、第1の仕事関数が5.18eVで第2の仕事関数が5.62eVの疎水性アルミナーシリカ複合酸化物微粒子を0.5重量%、金属酸化物微粒子として平均一次粒子径が約20nm、仕事関数が5.64eVのルチルアナターゼ型酸化チタンを0.3重量%および平均一次粒子径が0.23μm、仕事関数が5.00eVの導電性酸化アルミニウムを0.4重量%添加混合し、マゼンタトナー(5)を作製した。このとき、マゼンタトナー(5)は、平均粒子径が約7.38μm、円形度が0.94、仕事関数が5.56eVであった。
【0126】
[負帯電性トナー(6)、(7)、(8)の製造例]
前述のマゼンタトナー(5)の製造例に従い、同様にしてシアントナー(6)(シアントナー顔料としてフタロシアニンブルーを使用)、イエロートナー(7)(イエロートナー顔料としてピグメントイエロー93を使用)およびブラックトナー(8)(ブラックトナー顔料としてカーボンブラックを使用)を作製した。
【0127】
このとき、シアントナー(6)は、そのトナー母粒子の平均粒子径が約7.21μm、円形度が0.941、仕事関数が5.40eVであり、シアントナー(6)の平均粒子径と円形度がいずれもほぼマゼンタトナー(5)とほぼ同じであり、仕事関数が5.44eVであった。また、イエロートナー(7)は、そのトナー母粒子の平均粒子径が約7.03μm、円形度が0.941、仕事関数が5.53eVであり、イエロートナー(7)の平均粒子径と円形度がいずれもほぼマゼンタトナー(5)とほぼ同じであり、仕事関数が5.61eVであった。更に、ブラックトナー(8)は、そのトナー母粒子の平均粒子径が約7.26μm、円形度が0.940、仕事関数が5.61eVであり、ブラックトナー(8)の平均粒子径と円形度がいずれもほぼマゼンタトナー(5)とほぼ同じであり、仕事関数が5.65eVであった。
【0128】
(非接触または接触一成分現像プロセスによる画像形成装置の例)
図5に示す非接触一成分現像プロセスによる画像形成装置あるいは図6に示す接触一成分現像プロセスによる画像形成装置として、図8に示す非接触現像プロセスおよび接触現像プロセスが可能なフルカラープリンタがある。このフルカラープリンタを示す図8において、100は像担持体ユニットが組み込まれた像担持体カートリッジである。この例では、感光体カートリッジとして構成されていて、感光体と現像部ユニットが個別に装着できるようになっており、本発明の相対関係にある仕事関数を有する負帯電用電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)140が図示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。感光体140の周りにはその回転方向に沿って、帯電手段として帯電ローラ160、現像手段としての現像器10(Y、M、C、K)、中間転写装置30、およびクリーニング手段170が配置される。
【0129】
帯電ローラ160は、感光体140の外周面に当接してその外周面を一様に帯電させる。一様に帯電した感光体140の外周面には露光ユニット40によって所望の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、この露光L1によって感光体140上に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器10によって現像剤が付与されて現像される。
【0130】
現像器10としてイエロー用の現像器10Y、マゼンタ用の現像器10M、シアン用の現像器10C、およびブラック用の現像器10Kが設けられている。これら現像器10Y、10C、10M、10Kはそれぞれ揺動可能に構成されている。そして、選択的に一つの現像器の現像ローラ(現像剤担持体)11のみが、非接触現像プロセスの場合は感光体140に対して所定の現像ギャップLを置いてセットされ、また、接触現像プロセスの場合は感光体140に圧接し得るようになっている。これらの現像器10は、感光体における仕事関数と相対関係にある仕事関数を有する負帯電性トナーを現像ローラ上に保持しているものであり、これらの現像器10はイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKのうちのいずれかのトナーを感光体140の表面に付与して感光体140上の静電潜像を現像する。現像ローラ11は硬質のローラ、例えば表面を粗面化した金属ローラで構成されている。現像されたトナー像は、中間転写装置30の中間転写ベルト36上に転写される。クリーニング手段170は、上記転写後に感光体140の外周面に付着しているトナーTを掻き落とすクリーナブレードと、このクリーナブレードによって掻き落とされたトナーを受けるクリーニングトナー回収部とを備えている。
【0131】
中間転写装置30は、駆動ローラ31と、4本の従動ローラ32、33、34、35と、これら各ローラの周りに張架された無端状の中間転写ベルト36とを有している。駆動ローラ31は、その端部に固定された図示しない歯車が感光体140の駆動用歯車とかみ合っていることによって感光体140と略同一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルト36が感光体140と略同一の周速で図示矢印方向に循環駆動されるようになっている。
【0132】
従動ローラ35は駆動ローラ31との間で中間転写ベルト36がそれ自身の張力によって感光体140に圧接される位置に配置されており、感光体140と中間転写ベルト36との圧接部において、一次転写部T1が形成されている。従動ローラ35は、中間転写ベルトの循環方向上流側において一次転写部T1の近くに配置されている。
【0133】
駆動ローラ31には中間転写ベルト36を介して図示しない電極ローラが配置されており、この電極ローラを介して中間転写ベルト36の導電性層に一次転写電圧が印加される。従動ローラ32は、テンションローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト36をその張り方向に付勢している。従動ローラ33は二次転写部T2を形成するバックアップローラである。このバックアップローラ33には中間転写ベルト36を介して二次転写ローラ38が対向配置されている。二次転写ローラには二次転写電圧が印加され、図示しない接離機構により中間転写ベルト36に対して接離可能になっている。従動ローラ34はベルトクリーナ39のためのバックアップローラである。ベルトクリーナ39は図示しない接離機構により中間転写ベルト36に対して接離可能になっている。
【0134】
中間転写ベルト36は、導電層と、この導電層上に形成され、感光体140に圧接される抵抗層とを有する複層ベルトで構成されている。導電層は合成樹脂からなる絶縁性基体の上に形成されており、この導電層に前述した電極ローラを介して一次転写電圧が印加される。なお、ベルト側縁部において、抵抗層が帯状に除去されることによって導電層が帯状に露出し、この露出部に電極ローラが接触するようになっている。
【0135】
中間転写ベルト36が循環駆動される過程で、一次転写部T1において、感光体140上のトナー像が中間転写ベルト36上に転写され、中間転写ベルト36上に転写されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ38との間に供給される用紙等のシート(記録材)Sに転写される。シートSは、給紙装置50から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで二次転写部T2に供給される。51は給紙カセット、52はピックアップローラである。
【0136】
二次転写部T2で二次転写されたトナー像が定着器60で定着され、排紙経路70を通って装置本体のケース80上に形成されたシート受け部81上に排出される。なお、この画像形成装置は、排紙経路70として互いに独立した2つの排紙経路71、72を有しており、定着装置60を通ったシートはいずれかの排紙経路71又は72を通って排出される。また、この排紙経路71、72はスイッチバック経路をも構成しており、シートの両面に画像を形成する場合には排紙経路71又は72に一旦進入したシートが、返送ローラ73を通って再び二次転写部T2に向けて給紙されるようになっている。
【0137】
次に、画像形成装置の各構成部材の製造例を説明する。
{有機感光体(OPC1)の製造例}
この製造例の有機感光体(OPC1)1の作製では、まず、アルミ素管の径85.5mmの導電性支持体1aの周面に、下引き層1bとして、アルコール可溶性ナイロン{東レ(株)製「CM8000」}の6重量部とアミノシラン処理された酸化チタン微粒子4重量部とをメタノール100重量部に溶解、分散させてなる塗工液をリングコーティング法で塗工し、温度100℃で40分乾燥させ、膜厚1.5μm〜2μmの下引き層1bを形成した。
【0138】
次いで、の下引き層1b上に、電荷発生顔料としてのオキシチタニウムフタロシアニン1重量部と、ブチラール樹脂{BX−1、積水化学(株)製}1重量部と、ジクロルエタン100重量部とを、φ1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで8時間分散させて顔料分散液を得た。得られた顔料の分散液をこの下引き層1b上に、リングコーティング法で塗工し、80℃で20分間乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層1cを形成した。
【0139】
この電荷発生層1c上に、下記構造式(1)のスチリル化合物の電荷輸送物質40重量部とポリカーボネート樹脂(パンライトTS、帝人化成(株)製)60重量部をトルエン400重量部に溶解させ、乾燥膜厚が22μmになるように浸漬コーティング法で塗工、乾燥させて電荷輸送層1dを形成し、2層からなる感光層を有する有機積層型感光体1(OPC1)を作製した。
得られた有機積層型感光体1の一部を切り欠いて試料片とし、この試料片の仕事関数は前述のAC−2型表面分析装置を用い、照射光量500nWで測定したところ、5.48eVを示した。
【0140】
【化1】
【0141】
{有機感光体(OPC2)の製造例}
有機感光体(OPC1)1において、導電性支持体1aにシームレスの厚さ40μmで直径85.5mmのニッケル電鋳管を用い、また、電荷発生顔料としてチタニルフタロシアニンを用い、更に、電荷輸送物質に下記構造式(2)のジスチリル化合物を用い、それ以外は製造例1と同様にして有機積層型感光体(OPC2)1を作製した。この有機積層型感光体の仕事関数を同様に測定すると、5.50eVであった。
【0142】
【化2】
【0143】
(現像ローラ11の作製例)
現像ローラ11は、直径18mmのアルミパイプ表面にニッケルメッキ(厚さ23μm)を施し、表面粗さ(Ra)4μmの表面を得た。この現像ローラ11表面の一部を切り欠き、同様にして仕事関数を測定したところ、4.58eVであった。
【0144】
(トナー規制ブレードの作製例)
トナー規制ブレード7は、厚さ80μmのSUS板に厚さ1.5mmの導電性ウレタンフゴムチップを導電性接着剤で貼り付けて作製し、このときにウレタン部の仕事関数は約5eVとした。
【0145】
(中間転写装置の転写媒体の作製例)
中間転写装置30の転写媒体である中間転写ベルト36における導電層である中間導電性層を、
アルミニウムを蒸着した厚さ130μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上に、
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 30重量部
・導電性カーボンブラック 10重量部
・メチルアルコール 70重量部
からなる均一分散液を、厚さが20μmになるようにロールコーティング法にて塗工乾燥することにより、形成した。
【0146】
次いで、この中間導電性層上に、抵抗層である転写層を、
の組成を混合分散してなる塗工液を厚さ10μmとなるようにロールコーティング法にて同様に塗工乾燥して、形成した。
【0147】
そして、この塗工シートを長さ540mmに裁断し、塗工面を上にして端部を合わせ、超音波溶着を行うことにより中間転写ベルト36を作製した。この中間転写ベルト36の体積抵抗は2.5×1010Ω・cmであった。また、仕事関数は5.37eV、規格化光電子収率6.90を示した。
【0148】
(定着器の作製例)
定着器60はヒータローラおよびプレスローラの二本の加圧ローラ(約38kgfの荷重)を備えている。ヒータローラはハロゲンランプ600wを内蔵し、シリコンゴム2.5mm(60°JISA)上にPFAを厚み50μmに成膜してφ40に形成した。また、プレスローラはハロゲンランプ300wを内蔵し、シリコンゴム2.5mm(60°JISA)上にPFAを厚み50μmに成膜してφ40に形成した。定着温度は190℃に設定している。
【0149】
このように構成されたフルカラープリンタの作動の概要は次の通りである。
(i) 図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が画像形成装置の制御部90に入力されると、感光体140、現像器10の各ローラ11、および中間転写ベルト36が回転駆動される。
【0150】
(ii) 感光体140の外周面が帯電ローラ160によって一様に帯電される。
(iii) 一様に帯電した感光体140の外周面に、露光ユニット40によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
【0151】
(iv) 感光体140には、第1色目の例えばイエロー用の現像器10Yの現像ローラのみが感光体140に対して所定の現像ギャップLをおいてセットされるかまたは感光体140に接触し、これによって上記静電潜像が非接触現像または接触現像され、第1色目のイエローのトナー像が感光体140上に形成される。
(v) 中間転写ベルト36には、上記トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体140上に形成されたトナー像が一次転写部T1において中間転写ベルト36上に転写される。このとき、二次転写ローラ38およびベルトクリーナ39は中間転写ベルト36から離間している。
【0152】
(vi) 感光体140上に残留しているトナーがクリーニング手段170によって除去された後、除去手段41から除電光L2によって感光体140が除電される。
(vii) 上記(ii)〜(vi)の動作に必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号に応じて第2色目、第3色目、第4色目と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー像が中間転写ベルト36上において重ね合わされて形成される。
【0153】
(viii) 所定のタイミングで給紙装置50からシートSが給送され、シートSの先端が二次転写部T2に達する直前あるいは達した後に(要するにシートS上の所望の位置に、中間転写ベルト36上のトナー像が転写されるタイミングで)二次転写ローラ38が中間転写ベルト36上のトナー像(基本的には4色のトナー像が重ね合わせられたフルカラー画像)がシートS上に転写される。また、ベルトクリーナ39が中間転写ベルト36に当接し、二次転写後に中間転写ベルト36上に残留しているトナーが除去される。
【0154】
(ix) シートSが定着装置60を通過することによってシートS上のトナー像が定着し、その後、シートSが所定の位置に向け(両面印刷でない場合にはシート受け部81に向け、両面印刷の場合にはスイッチバック経路71または72を経て返送ローラ73に向け)搬送される。
【0155】
次に、本発明の負帯電トナーの実施例について説明する。
(実施例1)
この実施例1で使用した外添剤12の仕事関数の一覧表を表3に示す。その場合、導電性微粒子14としてこの実施例では導電性のアナターゼ型酸化チタンを用いている。
【0156】
【表3】
【0157】
前述のように、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13は屈曲点があって第1と第2の2つの仕事関数を有しており、表3には、外添剤▲4▼のアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の2つの仕事関数が示されている。これらの仕事関数がそれぞれ前述の正と負の摩擦帯電サイトを与えると考えられる。
【0158】
そこで、この実施例1では、前述のシアントナー(1)に対して、ジメチルシラン(DMS)により表面処理された疎水性アルミナ−シリカ複合酸化物微粒子{かさ密度75g/L、平均一次粒子径17nm、比表面積110m2/g、シリカ35/アルミナ65の重量構成比(混晶比)}を0.5重量%、更に、導電性のアナターゼ型酸化チタン(平均一次粒子径0.063μm、比表面積45.2m2/g)を、表4に示す重量比で添加混合したトナー1ー▲1▼ないし1ー▲5▼をそれぞれ作製した。
【0159】
【表4】
【0160】
これらのトナーについて、図5に模式的に示す非接触現像方式で、前述の有機感光体(OPC1)1、前述の現像ローラ11、中間転写装置30の中間転写ベルト36、およびトナー規制部材7を使用した図8に示すフルカラープリンタを用いて、現像ギャップLを220μmに設定した非接触現像方式(作像条件:有機感光体1の暗電位−600V、有機感光体1の明電位−80V、DC現像バイアス−300V、AC現像バイアス(P−P電圧)1320V、AC周波数2.5kHz)でベタ画像を出力してトナーの帯電特性試験を行った。そして、その時の現像ローラ11上のトナーの平均帯電量q/m(μc/g)と正帯電トナー量(個数%)を市販のホソカワミクロン(株)製の帯電量分布測定器(E−SPARTアナライザEST−3型)で測定した。これらのトナーの帯電特性測定結果を表4に示す。
【0161】
表4に示す測定結果から明らかなように、導電性のアナターゼ型酸化チタンの外添剤を添加するに従い、添加しない場合に比し、平均帯電量は少しずつ小さくなるが、正帯電トナー量は、その添加量が0.5重量%までは添加してもあまり増えないことがわかった。しかし、0.5重量%以上になると、平均帯電量が急に落ち込み、しかも、正帯電トナー量も急激に増大することがわかった。
【0162】
(実施例2)
前述の実施例1で使用したトナー1ー▲1▼ないし1ー▲5▼を用い、図5に模式的に示す非接触現像方式により、前述の有機感光体(OPC1)1、前述の現像ローラ11、中間転写装置30の中間転写ベルト36、およびトナー規制部材7を使用した図8に示すフルカラープリンタを用いて、作像試験を行った。このときの作像条件は、有機感光体1の暗電位−600V、有機感光体1の明電位−80V、DC現像バイアス−300V、AC現像バイアス(P−P電圧)1320V、AC周波数2.5kHz)であり、供給ローラと現像ローラが同電位である。
この作像試験の結果を表5および表6にそれぞれ示す。
【0163】
【表5】
【0164】
【表6】
【0165】
表6において、△は中抜けあるいはチリがある程度発生し、良好なベタ画像が得られなく、また、○は中抜けあるいはチリがほとんど発生しなく、良好なベタ画像が得られた結果を示す。
表5および表6に示す作像試験結果から明らかなように、シリカとアルミナーシリカ複合酸化物微粒子を外添剤として添加したトナー1ー▲1▼よりも、導電性微粒子である導電性のアナターザ型酸化チタンを添加したトナー1ー▲2▼やトナー1ー▲3▼の方がベタ画像濃度が向上するだけでなく、カブリ、逆転写トナーがさほど増えずに、中抜け、チリが少なくなることがわかった。
【0166】
なお、各トナーの転写効率は、トナー1ー▲1▼が65.2%であったのに対し、導電性微粒子である導電性のアナターゼ型酸化チタンを添加するに従い向上し、その添加量が0.5重量%のときに最大なることがわかった。
【0167】
また、カブリおよび逆転写トナーのOD値はテープ転写法で求めた。テープ転写法とは住友3M製のメンディングテープを感光体上に存在するトナー上に貼り付けてカブリトナーや逆転写トナーをテープ上に転写し、次いでこのメンディングテープおよび貼り付け前のメンディングテープをそれぞれ白紙上に貼り、これらの反射濃度をマクベスの反射濃度計で測定し、その測定値よりテープの反射濃度を差し引いた値をカブリおよび逆転写トナーの各反射濃度としている。また、転写効率は転写前後の感光体上に存在するトナーに前述のテープを貼り付け、剥がしたテープの重量を測定することで、その重量差により計算し求めた。逆転写トナーは1色目のベタ画像を作像し、次いで、2色目の白ベタ画像を作像させたときに、白ベタ画像に相当する非画像部となる感光体上に逆転写された1色目のシアントナーを逆転写トナーとして、テープ転写法で求めた値である。
【0168】
(実施例3)
この実施例3で使用した外添剤12の導電性微粒子の仕事関数を表7に示す。そして、実施例1のトナー1−▲3▼と同様にして各導電性微粒子を表8に示す重量%を添加し、トナー1−▲6▼、トナー1−▲7▼およびトナー1−▲8▼を作製した。これらのトナーについて、実施例1と同様にして測定したトナーの帯電特性結果を表8に示す。
【0169】
【表7】
【0170】
【表8】
【0171】
表8に示す測定結果から明らかなように、導電性微粒子を添加することで、平均帯電量が過帯電にならないように抑えることができ、しかも、正帯電トナー量もさほど増えないことがわかった。
【0172】
(実施例4)
前述の実施例3で使用したトナー1−▲6▼ないし1−▲8▼を用い、実施例2と同様にして作像試験を行い、その結果を表9および表10にそれぞれ示す。
【0173】
【表9】
【0174】
【表10】
【0175】
表9および表10に示す作像試験結果から明らかなように、シリカとアルミナーシリカ複合酸化物微粒子と導電性微粒子とを外添剤として添加したトナー1−▲6▼ないしトナー1ー▲8▼は、導電性微粒子を添加しないトナー1−▲1▼よりベタ画像濃度と転写効率が向上するだけでなく、カブリ、逆転写トナーがさほど増えずに、中抜け、チリが少なくなることがわかった。
【0176】
(実施例5)
この実施例5で使用したトナーはマゼンタトナー2およびマゼンタトナー5である。このときに使用した外添剤12の仕事関数を表11に示す。そして、実施例1のトナー1−▲3▼と同様にして各外添剤を表12に示す重量%を追加添加し、トナー2−▲1▼およびトナー5−▲1▼を作製した。これらのトナーについて、実施例1と同様にして測定したトナーの帯電特性結果を表12に示す。
【0177】
【表11】
【0178】
【表12】
【0179】
表12に示す測定結果から明らかなように、導電性微粒子と金属酸化物を添加することで、平均帯電量が過帯電にならないように抑えることができ、しかも、正帯電トナー量を低減させることがわかった。
【0180】
(実施例6)
前述の実施例5で使用したトナー2−▲1▼および5−▲1▼を用い、実施例2と同様にして作像試験を行い、その結果を表13および表14にそれぞれ示す。
【0181】
【表13】
【0182】
【表14】
【0183】
表13および表14に示す作像試験結果から明らかなように、シリカとアルミナーシリカ複合酸化物微粒子と導電性微粒子だけでなく、金属酸化物である仕事関数の大きいルチルアナターゼ型酸化チタンを外添剤として添加したトナー2−▲1▼ないしトナー5ー▲1▼は、ベタ画像濃度と転写効率が向上させ、かつカブリ、逆転写トナーを更に低減させ、中抜け、チリがない高画質を与えることがわかった。
【0184】
(実施例7)
前述の実施例1で使用したトナー1−▲3▼の導電性酸化チタンの代わりに、表11に示す導電性酸化アルミニウムを導電性微粒子として0.2重量%添加したトナー1−▲9▼を作製した。実施例1と同じようにしてトナーの帯電特性を測定し、その結果を表15に再度トナー1ー▲1▼のデータとともに示す。また、これらのトナーを用いて、図6に模式的に示す接触現像方式を採用した図8に示すフルカラープリンタにて作像試験を行った。このときの作像条件は、有機感光体1にOPC2を用い、暗電位−600V、明電位−80V、DC現像バイアス−200V、供給ローラと現像ローラを同電位に設定している。この作像試験結果を表16に示す。
【0185】
【表15】
【0186】
【表16】
【0187】
表15および表16に示す結果より、導電性微粒子である導電性酸化アルミニウムを添加することにより、接触現像においても画像濃度と転写効率を向上させ、かつカブリ、逆転写トナーを低減させることがわかった。なお、中抜け、チリはともになく同程度の画質を与えた。
【0188】
前述のマゼンタトナー2ー▲1▼と同様にして、シアントナー(1)、イエロートナー(3)およびブラックトナー(4)の外添剤処理を行った。また、前述のマゼンタトナー5−▲1▼と同様にして、シアントナー(6)、イエロートナー(7)およびブラックトナー(8)の外添剤処理を行い、2組のトナーの製造方法が異なる4色のフルカラートナーを作製した。これらのトナーを図8に示すフルカラープリンタを用いて、低温・低湿(10℃・20%)、中温・中湿(25℃・60%)および高温・高湿(35℃・85%)の環境下で、各5000枚の印字試験を行ったが、いずれにおいてもトナーの飛散もなく、安定したフルカラー画像が得られ、画質を比較しても、耐久後に画質の変化はほとんど見られなく、実質的に初期の画質が保持されることが確認できた。
【0189】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の負帯電トナーによれば、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子の有するトナーの凝集性向上機能という固有の特性と導電性微粒子の有するトナーの負の過帯電防止機能およびトナーの流動性の向上機能という固有の特性とを相乗した機能をトナー母粒子に付与しているので、負帯電性トナーの流動性低下を防止できるとともに、トナーの負の過帯電を防止できる。これにより、より良好な負帯電特性を得ることができるので、逆転写トナーの発生およびカブリを効果的に抑制できるようになる。また、トナーの流動性を向上できるので、線画像の境目に発生するチリを防止でき、画像のシャープ性を向上することができるとともに、トナーの凝集性を向上できるので、線画像の中心部に発生する中抜けを防止できる。
【0190】
したがって、負帯電性トナーの負帯電をより一層長期にわたり安定させることができるので、シャープ性を有する画像を作製できるとともに、連続印字における安定した画像品質を得ることができる。
しかも、トナーの流動性を向上できることで、トナー規制部材によりトナーの均一な薄層を形成することができるようになる。
【0191】
また、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物微粒子が広い粒度分布を有していることから、この酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物微粒子をトナー母粒子内に確実に付着することができるので、転写効率を向上することができる。
【0192】
更に、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物微粒子および導電性微粒子粒子の各平均一次粒子径より、平均一次粒子径がともに小さく、かつ酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物微粒子の大きい方の第2仕事関数および導電性微粒子粒子の仕事関数より、仕事関数がともに小さい2種類の疎水性の二酸化ケイ素を併用しているので、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物微粒子の前述の固有の特性と導電性微粒子粒子の前述の固有の特性とに、疎水性の負帯電性二酸化ケイ素の有する負帯電機能および流動性という固有の特性が相乗された機能をトナー母粒子に付与できる。これにより、負帯電性トナーの流動性低下を防止できるとともに、負の過帯電を防止できることから、負帯電性トナーにより良好な負帯電特性を持たせることができ、逆転写トナーの発生およびカブリを更に効果的に抑制できる。
【0193】
更に、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の第2仕事関数と略同一の金属酸化物微粒子を添加することで、より安定した帯電特性が得られ、その結果、ベタ画像濃度と転写効率の向上のみならず、カブリと逆転写トナーが低減されるようになる。
【0194】
また、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物微粒子の仕事関数に屈曲点が存在することで、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物微粒子は、正と負の摩擦サイトを有している。トナー母粒子が正の摩擦サイトに接触するとトナー母粒子が負に確実に帯電し、また負の摩擦サイトに接触するとトナー母粒子が正に帯電するので過剰に負に帯電したトナー母粒子の電荷を適切な値に調整されるようになる。
【0195】
このようにして、本発明の負帯電性トナーによれば、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物微粒子の正の摩擦サイトと負帯電性二酸化ケイ素とにより負に帯電し、更に、トナー規制部材とトナー担持体表面とにより、より一層確実に負に摩擦帯電することができる。
【0196】
その場合、負帯電し易い低温低湿下はもちろん、負帯電し難い高温高湿下においても、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物微粒子によりトナー母粒子を負に帯電することができるので、トナーはに安定した負帯電特性を維持することができ、また、連続印字においても同様に安定した帯電特性を維持できるので、印字品質を環境にほとんど影響されずに長期間にわたって高品質を維持することができる。
【0197】
更に、2種類の二酸化ケイ素の添加量(重量)を酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物微粒子と導電性微粒子との、あるいは金属酸化物微粒子との合計添加量(重量)より多くしているので、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物微粒子と導電性微粒子と、あるいは金属酸化物微粒子とをこれらの2種類の二酸化ケイ素を介してトナー母粒子に確実に固着でき、トナー母粒子からの遊離を少なくできる。したがって、本発明の負帯電トナーは長期にわたって帯電を安定させることができるようになる。
【0198】
更に、2種類の二酸化ケイ素の平均一次粒子径より大きな粒子径の正と負の摩擦サイトを有する酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物微粒子を共存させているので、規制トナー層を均一に帯電でき、逆極性である正帯電のトナー量を減少することができる。
【0199】
これにより、感光体上のカブリトナーや逆転写トナー量を減らすことができ、転写効率をより一層向上できる。そして、転写効率を向上できることで、感光体や中間転写媒体上のクリーニングされるトナー量を少なくできるので、クリーニングが簡単になり、かつクリーニングトナーの回収容器を小さい容器にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる負帯電性トナーの実施の形態の一例を模式的に示す図である。
【図2】 特許第2533067号公報に開示されているアルミナーシリカ複合酸化物微粒子を製造するためのバーナー装置である。
【図3】 表面分析装置による測定で得られたアルミナーシリカ複合酸化物微粒子に関するデータの1つを示す図である。
【図4】 表面分析装置による測定で得られたアルミナーシリカ複合酸化物微粒子に関するデータの他の1つを示す図である。
【図5】 本発明にかかる負帯電性トナーが使用される画像形成装置の非接触現像プロセスの一例を模式的に示す図である。
【図6】 本発明にかかる負帯電性トナーが使用される画像形成装置の接触現像プロセスの一例を模式的に示す図である。
【図7】 図5および図6に示す画像形成装置の有機積層型感光体を示す図である。
【図8】 本発明の負帯電性トナーによる作像試験に用いた非接触現像プロセスおよび接触現像プロセスによる4サイクル方式のフルカラープリンターの一例を示す図である。
【図9】 従来の負帯電性トナーにおける中抜け現象およびチリの発生を示す図である。
【符号の説明】
1,140…有機感光体、2…コロナ帯電器、3…露光、4…クリーニングブレード、5…転写ローラ、6…供給ローラ、7…規制ブレード、8…負帯電性トナー(一成分非磁性トナー)、8a…トナー母粒子、9…転写材または転写媒体、10…現像器、11…現像ローラ、12…外添剤、13…アルミナーシリカ複合酸化物微粒子、14…導電性微粒子、15a,15b…疎水性の負帯電性シリカ(SiO2)、L…現像ギャップ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention belongs to the technical field of a one-component non-magnetic toner that is used in an image forming apparatus that forms an image by electrophotography or the like and develops an electrostatic latent image on a latent image carrier of the image forming apparatus. In particular, the present invention belongs to the technical field of negatively chargeable toner which is a one-component nonmagnetic toner obtained by adding at least a hydrophobic external additive to toner base particles.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a toner used in an image forming apparatus, a two-component toner is generally known and enables relatively stable development. However, a change in the mixing ratio between the developer and the magnetic carrier is likely to occur. It is necessary to maintain it. Therefore, one-component nonmagnetic toner has been developed. As this one-component non-magnetic toner, although one-component magnetic toner has been developed, there is a problem that a clear color image cannot be obtained due to the opacity of the magnetic material. Therefore, a negatively chargeable toner, which is a one-component nonmagnetic toner, has been developed as a color toner.
[0003]
By the way, in the toner used in the image forming apparatus, a surface treatment for externally adding external additive fine particles to the toner base particles has been conventionally performed for the purpose of improving charging stability, fluidity, durability stability, and the like. It has been broken.
[0004]
Conventionally, as external additives for toner, silicon dioxide (silica), aluminum oxide (alumina), and titanium oxide (titania) having negative charging property that imparts negative polarity to toner base particles are used singly or in combination. It is known. In this case, each of the external additives is generally used in combination of a plurality of types rather than a single type in order to make use of their characteristics.
[0005]
However, even a toner using a combination of a plurality of types of external additives as described above has the following problems. That is,
(1) Since the toner has a particle size distribution, there is a toner charge amount distribution, and it is inevitable that a positively charged toner is contained even if it is a negatively chargeable toner. As a result, particularly in an image forming apparatus that forms an image by negative charge reversal development, the toner adheres to the non-image portion of the latent image carrier (photoconductor), so that the amount of toner used increases substantially and at the same time There is a problem that the cleaning load increases.
(2) Along with this, it is necessary to separately provide a large container for storing the cleaning toner recovered by cleaning the residual toner after the transfer of the photoreceptor and the intermediate transfer medium. Moreover, as a result of an increase in the amount of toner used, the running cost of consumables increases.
{Circle around (3)} In order to prevent toner deterioration, if a large amount of silica is added to maintain the fluidity of the toner, the fluidity is improved, but the fixability is lowered.
(4) When silica is increased, the negative charging ability of the toner becomes too high and the printed image density decreases. Therefore, titania and alumina with relatively low electric resistance are added. Generally, titania and alumina have a primary particle size. Therefore, when the number of printed sheets increases, the toner is buried in the toner base particles, and these effects cannot be exhibited.
(5) In order to obtain a good full color toner, it is required to suppress the occurrence of reverse transfer toner as much as possible.
[0006]
Accordingly, titanium oxide adhered to the toner base particles with spindle-shaped rutile type titanium oxide, using rutile type titanium oxide containing anatase type titanium oxide and having a treatment layer treated with a silane coupling agent as an external additive. In the toner base particles, the anatase-type titanium oxide, which has good affinity with the silane coupling agent, is used to obtain a uniform coating of the silane coupling agent on the toner base particles. JP-A-2000-128534 proposes that stable charging characteristics can be obtained without reducing tribocharging and preventing overcharging to improve environment dependency, fluidity and caking resistance. Yes. According to the toner disclosed in this publication, the above problems (1) to (5) can be solved to some extent.
[0007]
In addition, by adding rutile / anatase mixed crystal type titanium oxide to hydrophobic silica as an external additive for toner, the flowability of toner can be improved in full color images without impairing color reproducibility and transparency. Japanese Patent Laid-Open No. 2001-83732 proposes to obtain a stable triboelectric chargeability regardless of the humidity environment, and to prevent toner scattering and prevent toner from being fogged to non-image areas. The toners disclosed in this publication can also solve the problems (1) to (4) to some extent.
[0008]
On the other hand, Japanese Patent No. 2533067 discloses that alumina-silica composite oxide fine particles are used for toner, and the alumina-silica composite oxide fine particles have a function of increasing the cohesiveness of the toner.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, when the aforementioned rutile / anatase type titanium oxide is used as an external additive, it is possible to improve toner charging characteristics and toner fluidity. However, if rutile / anatase type titanium oxide is simply used, there are the following problems. That is,
(6) When a line image is printed and transferred, the toner in the central portion of the line image is not transferred as shown in FIG. There's a problem. In this hollow-out phenomenon, the balance between the toner fluidity and the cohesive force is lost, so that the central portion of the toner forming the developed line image on the photosensitive member remains on the photosensitive member, and both edges are transferred. It is a phenomenon that results. This void phenomenon is particularly likely to occur in jumping development with AC bias in a non-contact development method.
[0010]
On the other hand, when the above-mentioned alumina-silica composite oxide fine particles are simply used, there are the following problems due to the toner cohesiveness. That is,
{Circle around (7)} When there is a large amount of reverse transfer toner and the average charge amount of the toner is small, it is conceivable that dust appears in the peripheral portion of the transferred image as shown in FIG.
[0011]
The present invention has been made in view of such circumstances. The object of the present invention is to reduce fog toner and reverse transfer toner as much as possible and to further improve transfer efficiency. An object of the present invention is to provide a negatively chargeable toner capable of preventing dust and maintaining stable chargeability.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the negatively chargeable toner of the invention of
[0013]
The invention of claim 2As the external additive, hydrophobic metal oxide fine particles having a work function substantially the same as the second work function of the hydrophobic aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles are further used. The metal oxide fine particles Is rutile-anatase type titanium oxideIt is characterized by that.
[0014]
Furthermore, the invention of claim 3The addition amount (weight) of the two types of silicon dioxide is set larger than the total addition amount (weight) of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles and the conductive fine particles.It is characterized by that.
[0015]
Furthermore, the invention of claim 4The addition amount (weight) of the two types of silicon dioxide is set larger than the total addition amount (weight) of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles, the conductive fine particles, and the metal oxide fine particles.It is characterized by that.
[0019]
[Action]
In the negatively chargeable toner of the present invention configured as described above, the intrinsic characteristics of the toner having the hydrophobic conductive fine particles such as the negative overcharge preventing function and the toner fluidity improving function, and the alumina-silica composite The toner mother particles are given a function that is synergistic with the inherent property of the oxide fine particles, which is a function of improving the cohesiveness of the toner.
[0020]
As a result, the fluidity of the negatively chargeable toner is prevented from being lowered and the toner is prevented from being negatively overcharged. As a result, better negative charge characteristics can be obtained. The solid density at the time of image printing can be particularly effectively increased at the time of non-contact development without increasing the image quality so much.
[0021]
In addition, the flowability of the toner is improved and dust is prevented from being generated at the boundary between the line images, the sharpness of the image is improved, and the cohesion of the toner is improved, so that the void is at the center of the line image. Occurrence is suppressed. In particular, this void is particularly effectively prevented in jumping development by AC bias in a non-contact development method.
[0022]
Therefore, the negatively chargeable toner is more stable in negative charge for a longer period of time, and an image having sharpness is produced, and stable image quality in continuous printing can be obtained.
In addition, since the fluidity of the toner is improved, a uniform thin layer of toner is formed by the toner regulating member.
[0023]
Further, since the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles have a wide particle size distribution (for example, the primary particle size distribution is 7 nm to 80 nm and the average primary particle size is about 17 nm), this aluminum oxide-silicon dioxide. The composite oxide particles are less likely to be embedded in the toner base particles, and reliably adhere to the toner base particles. Thereby, the transfer efficiency is improved.
[0024]
Further, the average primary particle diameter of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles is set to be between the average primary particle diameters of the two types of hydrophobic silicon dioxide. The average primary particle size is set smaller than the average primary particle size of the conductive fine particles, and their work function is the same as that of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide fine particles.The larger secondSince it is set smaller than the work function and larger than the work function of the conductive fine particles, these two types of silicon dioxide and the conductive fine particles are fixed to the surface of the toner base particles, and then the aluminum oxide-silicon dioxide composite The oxide particles adhere to the surface of the toner base particles in the form of adhering to hydrophobic silicon dioxide and conductive fine particles attached to the toner base particles.
[0025]
Further, by using hydrophobic metal oxide fine particles having a work function substantially the same as the second work function of the hydrophobic aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles, not only the fluidity of the toner but also the implementation described later. As shown in the example, the charging characteristics can be stabilized.
[0026]
Accordingly, the inherent characteristics of the above-described aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles and the inherent characteristics of the conductive fine particle particles are inherent to the negative charging function and fluidity improving function of the hydrophobic negatively charged silicon dioxide. A function having a synergistic characteristic is imparted to the toner base particles. Further, by adding the function of the hydrophobic metal oxide fine particles, the negatively chargeable toner is prevented from lowering its fluidity, and negative overcharge is prevented. As a result, the generation and fogging of the reverse transfer toner are further effectively suppressed.
[0027]
Further, the presence of a bending point in the work function of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles causes the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles to have positive and negative friction sites. When the toner base particles come into contact with the positive friction site, the toner base particles are positively charged negatively. When the toner base particles come into contact with the negative friction site, the toner base particles are positively charged. Will be adjusted to an appropriate value.
[0028]
In this way, the negatively chargeable toner of the present invention is negatively charged by the positive friction sites of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles and the negatively chargeable silicon dioxide, and further, the toner regulating member and the toner carrier The surface is more reliably negatively triboelectrically charged.
[0029]
In this case, the toner base particles are made of aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles not only under low temperature and low humidity where charge release is small and easy to be negatively charged, but also under high temperature and high humidity where charge tends to be released and difficult to be negatively charged. Since the toner is negatively charged, the toner maintains a stable negative charging characteristic and also maintains a stable charging characteristic in continuous printing, so the print quality is not affected by the environment so much and does not change over a long period of time. It will be a thing.
[0030]
Furthermore, since the addition amount (weight) of the two types of silicon dioxide is larger than the total addition amount (weight) of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles, the conductive fine particles, and the metal oxide fine particles, it is assumed that one silicon dioxide is added. Aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles even if the part is embedded in the toner base particles2nd work function with larger oneAnd metal oxide fine particlesofWork functionWhenIs larger than the work function of the two types of silicon dioxide, it is firmly fixed to the toner base particles via these two types of silicon dioxide, and is less likely to be released from the toner base particles. Therefore, the negatively charged toner of the present invention becomes stable in charging over a long period of time.
[0031]
Further, regardless of whether the toner is a pulverized toner or a polymerized toner, it is difficult to uniformly charge the toner layer when the toner particle size is reduced. Aluminum oxide-silicon dioxide composite oxidation having an average primary particle size set to be between the average primary particle sizes of two types of silicon dioxide and having positive and negative friction sites The coexistence of the physical particles makes it possible to uniformly charge the regulated toner layer and to reduce the amount of positively charged toner having a reverse polarity.
[0032]
As a result, the amount of fog toner and reverse transfer toner on the photoreceptor is reduced, and the transfer efficiency is further improved. Further, since the transfer efficiency is improved, the amount of toner to be cleaned on the photosensitive member and the intermediate transfer medium is reduced, so that cleaning becomes simple and a cleaning toner collecting container can be a small container.
[0033]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a diagram schematically illustrating an example of an embodiment of a negatively chargeable toner according to the present invention.
As shown in FIG. 1, the negatively
[0034]
Since the work functions of the hydrophobic negatively
[0035]
In the negatively charged
[0036]
The work function (Φ) is measured by a surface analyzer {AC-2 type, manufactured by Riken Keiki Co., Ltd.) at an irradiation light amount of 500 nW, and is an energy necessary for taking out electrons from the substance. The smaller the work function, the easier it is to emit electrons, and the larger the work function, the harder it is to emit electrons. Therefore, when a substance with a small work function is brought into contact with a substance with a large work function, a substance with a small work function is positively charged, while a substance with a large work function is negatively charged, but the work function itself takes out electrons from the substance. Therefore, the energy (eV) is quantified.
[0037]
The
[0038]
First, production of a negatively chargeable toner (hereinafter referred to as a pulverized toner) 8 using
The pulverized
[0039]
As the binder resin, a known toner resin can be used, for example, polystyrene, poly-α-methylstyrene, chloropolystyrene, styrene-chlorostyrene copolymer, styrene-propylene copolymer, styrene-butadiene copolymer. Polymer, styrene-vinyl chloride copolymer, styrene-vinyl acetate copolymer, styrene-maleic acid copolymer, styrene-acrylic acid ester copolymer, styrene-methacrylic acid ester copolymer, styrene-acrylic acid ester- Styrene or a styrene-substituted product is obtained with a styrene resin such as a methacrylic acid ester copolymer, a styrene-α-chloroacrylic acid methyl copolymer, a styrene-acrylonitrile-acrylic acid ester copolymer, or a styrene-vinyl methyl ether copolymer. Containing homopolymer or copolymer, poly Ester resin, epoxy resin, urethane modified epoxy resin, silicone modified epoxy resin, vinyl chloride resin, rosin modified maleic acid resin, phenyl resin, polyethylene, polypropylene, ionomer resin, polyurethane resin, silicone resin, ketone resin, ethylene-ethyl acrylate Polymers, xylene resins, polyvinyl butyral resins, terpene resins, phenol resins, aliphatic or alicyclic hydrocarbon resins, and the like can be used alone or in combination. In particular, in the present invention, styrene-acrylic acid ester resins, styrene-methacrylic acid ester resins, polyester resins, and epoxy resins are preferable. In the present invention, the binder resin preferably has a glass transition temperature of 50 ° C to 75 ° C and a flow softening temperature of 70 ° C to 150 ° C.
[0040]
As the colorant, a known toner colorant can be used. For example, carbon black, lamp black, magnetite, titanium black, chrome yellow, ultramarine blue, aniline blue, phthalocyanine blue, phthalocyanine green, Hansa Yellow G, rhodamine 6G, calco oil blue, quinacridone, benzidine yellow, rose bengal, malachite green lake, Quinoline Yellow, C.I. I. Pigment red 48: 1, C.I. I. Pigment red 122, C.I. I. Pigment red 57: 1, C.I. I. Pigment red 122, C.I. I. Pigment red 184, C.I. I. Pigment yellow 12, C.I. I. Pigment yellow 17, C.I. I. Pigment yellow 97, C.I. I. Pigment yellow 180, C.I. I. Solvent Yellow 162, C.I. I. Pigment blue 5: 1, C.I. I. Dye and pigment such as CI Pigment Blue 15: 3 can be used alone or in combination.
[0041]
As the release agent, a known toner release agent can be used. Examples thereof include paraffin wax, micro wax, micro crystallin wax, cadilla wax, carnauba wax, rice wax, montan wax, polyethylene wax, polypropylene wax, oxidized polyethylene wax, oxidized polypropylene wax and the like. Among these, it is preferable to use polyethylene wax, polypropylene wax, carnauba wax, ester wax and the like.
[0042]
As the charge adjusting agent, a known toner charge adjusting agent can be used. For example, oil black, oil black BY, Bontron S-22 (manufactured by Orient Chemical Industries, Ltd.), Bontron S-34 (manufactured by Orient Chemical Industries, Ltd.), salicylic acid metal complex E-81 (Orient Chemical Industries, Ltd.) Manufactured), thioindigo pigment, sulfonylamine derivative of copper phthalocyanine, Spiron Black TRH (manufactured by Hodogaya Chemical Co., Ltd.), calixarene compound, organic boron compound, fluorine-containing quaternary ammonium salt compound, monoazo metal complex, Aromatic hydroxyl carboxylic acid metal complexes, aromatic dicarboxylic acid metal complexes, polysaccharides and the like can be mentioned. Of these, colorless or white toners are preferred for color toners.
[0043]
The component ratio (weight ratio) in the pulverized
[0044]
[Table 1]
[0045]
As shown in Table 1, with respect to 100 parts by weight of the binder resin, the colorant is 0.5 to 15 parts by weight, preferably 1 to 10 parts by weight, and the release agent is 1 to part by weight. 10 parts by weight, preferably 2.5 parts by weight to 8 parts by weight, and the charge control agent is 0.1 parts by weight to 7 parts by weight, preferably 0.5 parts by weight to 5 parts by weight.
[0046]
In the pulverized
(A) In a pulverization step, if a relatively round spherical device capable of being pulverized, for example, a turbo mill known as a mechanical pulverizer (manufactured by Kawasaki Heavy Industries, Ltd.), the circularity can reach 0.93.
Or
(B) If the pulverized toner is used with a commercially available hot-air spheronizer surfing system SFS-3 type (manufactured by Nippon Pneumatic Industry Co., Ltd.), the circularity can be up to 1.00.
[0047]
The desirable circularity (spheroidizing coefficient) of the pulverized
[0048]
Further, the pulverized
In the present invention, the average particle diameter and the circularity of the toner particles and the like are values measured with an FPIA 2100 manufactured by Sysmex Corporation.
[0049]
Further, in this pulverized
[0050]
Next, production of a negatively chargeable toner (hereinafter referred to as polymerization method toner) 8 using
Examples of the
[0051]
In the emulsion polymerization method, if necessary, a polymerization initiator, an emulsifier (surfactant) and the like are further dispersed in water to carry out the polymerization, if necessary, and then a colorant and a charge control agent in the aggregation process. Colored toner particles having a desired particle size can be formed by adding a flocculant (electrolyte) and the like.
In the materials used for the production of the polymerization toner, the same materials as those of the above pulverized toner can be used for the colorant, release agent, charge control agent, and fluidity improver.
[0052]
As the polymerizable monomer (monomer), known vinyl monomers can be used. For example, styrene, o-methylstyrene, m-methylstyrene, p-methylstyrene, α-methylstyrene, p-methoxystyrene. , P-ethylstyrene, vinyltoluene, 2,4-dimethylstyrene, pn-butylstyrene, p-phenylstyrene, p-chlorostyrene, divinylbenzene, methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, acrylic acid n-butyl, isobutyl acrylate, n-octyl acrylate, dodecyl acrylate, hydroxyethyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, phenyl acrylate, stearyl acrylate, 2-chloroethyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate , Methacrylate Pill, n-butyl methacrylate, isobutyl methacrylate, n-octyl methacrylate, dodecyl methacrylate, hydroxyethyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, stearyl methacrylate, phenyl methacrylate, acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid, Fumaric acid, cinnamic acid, ethylene glycol, propylene glycol, maleic anhydride, phthalic anhydride, ethylene, propylene, butylene, isobutylene, vinyl chloride, vinylidene chloride, vinyl bromide, vinyl fluoride, vinyl acetate, vinyl propyleneate, Examples include acrylonitrile, methacrylonitrile, vinyl methyl ether, vinyl ethyl ether, vinyl ketone, vinyl hexyl ketone, and vinyl naphthalene. Examples of fluorine-containing monomers include 2,2,2-trifluoroethyl acrylate, 2,2,3,3-tetrafluoropropyl acrylate, vinylidene fluoride, ethylene trifluoride, tetrafluoroethylene, and trifluoropropylene. Can be used because fluorine atoms are effective for negative charge control.
[0053]
Known emulsifiers (surfactants) can be used. For example, sodium dodecylbenzene sulfate, sodium tetradecyl sulfate, sodium pentadecyl sulfate, sodium octyl sulfate, sodium oleate, sodium laurate, potassium stearate, calcium oleate, dodecyl ammonium chloride, dodecyl ammonium bromide, dodecyl trimethyl ammonium bromide, dodecyl pyridinium chloride Hexadecyl trimethyl ammonium bromide, dodecyl polyoxyethylene ether, hexadecyl polyoxyethylene ether, lauryl polyoxyethylene ether, sorbitan monooleate polyoxyethylene ether, and the like.
[0054]
A well-known thing can be used as a polymerization initiator. For example, potassium persulfate, sodium persulfate, ammonium persulfate, hydrogen peroxide, 4,4′-azobiscyanovaleric acid, t-butyl hydroperoxide, benzoyl peroxide, 2,2′-azobis-isobutyronitrile, etc. is there.
[0055]
As the flocculant (electrolyte), known ones can be used. Examples thereof include sodium chloride, potassium chloride, lithium chloride, magnesium chloride, calcium chloride, sodium sulfate, potassium sulfate, lithium sulfate, magnesium sulfate, calcium sulfate, zinc sulfate, aluminum sulfate, and iron sulfate.
[0056]
Table 2 shows the component ratio (weight) of the
[0057]
[Table 2]
[0058]
As shown in Table 2, with respect to 100 parts by weight of the polymerizable monomer, the polymerization initiator is 0.03 part by weight to 2 parts by weight, preferably 0.1 part by weight to 1 part by weight. 0.01 part by weight to 0.1 part by weight, the mold release agent is 1 part by weight to 40 parts by weight, preferably 2 parts by weight to 35 parts by weight, and the charge control agent is 0.1 part by weight. -7 parts by weight, preferably 0.5-5 parts by weight, the colorant is 1-20 parts by weight, preferably 3-10 parts by weight, and the flocculant (electrolyte) is 0.05 to 5 parts by weight, preferably 0.1 to 2 parts by weight.
[0059]
Even in the
(A) In the emulsion polymerization method, the degree of circularity can be freely changed by controlling the temperature and time during the aggregation process of secondary particles, and the range thereof is 0.94 to 1.00.
Also,
(B) In the suspension polymerization method, since a true spherical toner is possible, the circularity is in the range of 0.98 to 1.00. In addition, the degree of circularity can be freely adjusted from 0.94 to 0.98 by heating and deforming at a temperature equal to or higher than the Tg temperature of the toner in order to adjust the degree of circularity.
[0060]
The
[0061]
As in the case of the pulverized
[0062]
Also in the
Also in the case of the
[0063]
Further, even in this
[0064]
The alumina-silica composite oxide
(1) Evaporate silicon halide and aluminum halide, and uniformly mix each vapor with air, oxygen and hydrogen in a composite unit together with a carrier gas.
(2) Next, the obtained composite vapor is supplied to a burner to cause a reaction in the combustion chamber in the combustion chamber, and the obtained gas and solid are cooled in a heat exchange unit.
(3) The gas is separated from the solid, and the halide residue adhering to the product is removed by heat treatment using moist air, whereby alumina-silica composite oxide
[0065]
FIG. 2 shows a burner device for producing alumina-silica composite oxide fine particles disclosed in the aforementioned Japanese Patent No. 2533067. In the figure, 101 is a combustion chamber, 102 is a double jacket tube, 103 is an annular diaphragm, 104 is an inner tube, 105 is an outer tube, and 106 is a water cooling tube.
[0066]
A
[0067]
Alumina in the alumina-silica composite oxide fine particles 13 (Al2OThree) And silica (SiO2)) Is appropriately adjusted depending on the reaction conditions such as the supply amount of silicon halide and aluminum halide, the supply amount of hydrogen, the supply amount of silicon halide and aluminum halide, the supply amount of hydrogen, the supply amount of air, and the like.
[0068]
Al in alumina-silica composite oxide fine particles 132OThreeAnd SiO2The weight ratio of2OThreeContent of 55 wt% to 85 wt%, SiO2The content of can be in the range of 45 wt% to 15 wt%. In addition, the alumina-silica composite oxide
[0069]
Further, the alumina-silica composite oxide
[0070]
An example of the work function of the alumina-silica composite oxide
[0071]
In the surface analyzer described above, the excitation energy of monochromatic light is scanned from low to high, and the energy (work function) at which photoelectron emission starts is measured. Work function data is plotted on the horizontal axis. It is obtained from the relationship between the excited energy (Photon Energy) and the normalized photoelectron yield (Emmission Yield) taken on the vertical axis.
[0072]
That is, the alumina-silica composite oxide
[0073]
When the
[0074]
The alumina-silica composite oxide
[0075]
Further, the negatively
[0076]
Further, conductive
[0077]
In that case, hydrophobic rutile-anatase-type titanium oxide, conductive titanium oxide and conductive oxidation are used to improve the fluidity of the toner to eliminate dust and to form a uniform thin layer by the toner regulating member of the developing device. Aluminum is preferred.
[0078]
This rutile-anatase type titanium oxide is made of rutile-type titanium oxide and anatase-type titanium oxide in a predetermined mixed crystal ratio. For example, the rutile-anatase type titanium oxide should be produced by the production method disclosed in the above-mentioned JP-A-2000-128534. Can do. This hydrophobic rutile-anatase-type titanium oxide (indicated by
[0079]
As described above, by using the conductive
[0080]
Further, of the two types of hydrophobic negatively
[0081]
Further, in the negatively
[0082]
The particles of the
[0083]
In the negatively
[0084]
Further, in the negatively
[0085]
The
[0086]
The work function of the negatively
[0087]
The negatively
[0088]
In general, if the toner particle diameter is reduced regardless of whether the toner is a pulverized toner or a polymerized toner, it is necessary to increase the amount of silica particles added, and there is a problem that the charge amount of the toner becomes too large at the initial stage. As printing progresses, the effective surface amount of silica particles decreases due to embedding or scattering, the toner charge amount decreases, the image density variation and fogging amount increase, and the toner consumption tends to increase. Has a problem that it is difficult to use. On the other hand, when the alumina-silica composite oxide
[0089]
Further, the negatively
[0090]
In the negatively
[0091]
Therefore, the charge adjusting function of the
In other words, the intrinsic characteristics of the toner negatively charging function and the toner fluidity improving function of the hydrophobic negatively charged
[0092]
As a result, the fluidity of the negatively
Therefore, the negatively
[0093]
FIG. 5 is a diagram schematically showing an example of a non-contact one-component developing system using the negatively
[0094]
The
As shown in FIG. 7A, the organic multi-layer
[0095]
As the conductive support 1a, a known conductive support can be used.TenConductives having a conductivity of Ω · cm or less, for example, tubular materials obtained by cutting aluminum alloys, tubular materials obtained by depositing aluminum on a polyethylene terephthalate film or imparting conductivity by a conductive paint, conductive polyimide resins It can form from the tubular thing formed by forming. Examples of other shapes include belt-like, plate-like, and sheet-like supports, and examples of other materials and shapes include metal belts that are seamlessly made of nickel electroformed tubes and stainless steel tubes. It can be preferably used.
[0096]
As the undercoat layer 1b provided on the conductive support 1a, a known undercoat layer can be used. For example, the undercoat layer 1b is provided for the purpose of improving adhesion, preventing moire, improving the coatability of the upper charge generation layer 1c, and reducing the residual potential during exposure. The resin used for the undercoat layer 1b is preferably a resin having a high resistance to dissolution with respect to the solvent used for the photosensitive layer because a photosensitive layer having the charge generation layer 1c is applied thereon. Usable resins include water-soluble resins such as polyvinyl alcohol, casein, and sodium polyacrylate, alcohol-soluble resins such as vinyl acetate, copolymer nylon, and methoxymethylated nylon, polyurethane, melamine resin, and epoxy resin. It can be used alone or in combination of two or more. These resins may contain conductive fine particles such as titanium dioxide and zinc oxide.
[0097]
A known material can be used as the charge generation pigment in the charge generation layer 1c. For example, phthalocyanine pigments such as metal phthalocyanine and metal-free phthalocyanine, azulenium salt pigments, squaric acid methine pigments, azo pigments having a carbazole skeleton, azo pigments having a triphenylamine skeleton, azo pigments having a diphenylamine skeleton, dibenzothiophene skeleton Azo pigments having a fluorene skeleton, azo pigments having an oxadiazole skeleton, azo pigments having a bis-stilbene skeleton, azo pigments having a distyryl oxadiazole skeleton, azo pigments having a distyrylcarbazole skeleton, perylene Pigments, anthraquinone or polycyclic quinone pigments, quinoneimine pigments, diphenylmethane and triphenylmethane pigments, benzoquinone and naphthoquinone pigments, cyanine and azomethine pigments Indigoid pigments, and bisbenzimidazole pigments. These charge generation pigments can be used alone or in combination of two or more.
[0098]
Examples of the binder resin in the charge generation layer 1c include polyvinyl butyral resin, partially acetalized polyvinyl butyral resin, polyarylate resin, and vinyl chloride-vinyl acetate copolymer. The constituent ratio of the binder resin and the charge generating material is used in the range of 10 to 1000 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the binder resin.
[0099]
A known material can be used as the charge transport material constituting the charge transport layer 1d, and there are an electron transport material and a hole transport material. Examples of the electron transporting material include electron accepting materials such as chloranil, tetracyanoethylene, tetracyanoquinodimethane, 2,4,7-trinitro-9-fluorenone, paradiphenoquinone derivatives, benzoquinone derivatives, and naphthoquinone derivatives. . These electron transport materials can be used alone or in combination of two or more.
[0100]
As hole transport materials, oxazole compounds, oxadiazole compounds, imidazole compounds, triphenylamine compounds, pyrazoline compounds, hydrazone compounds, stilbene compounds, phenazine compounds, benzofuran compounds, butadiene compounds, benzidine compounds, styryl compounds, and these compounds And derivatives thereof. These electron donating substances can be used alone or in combination of two or more.
[0101]
The charge transport layer 1d may contain an antioxidant, an anti-aging agent, an ultraviolet absorber and the like for preventing the deterioration of these substances.
As the binder resin in the charge transport layer 1d, polyester, polycarbonate, polysulfone, polyarylate, polyvinyl butyral, polymethyl methacrylate, polyvinyl chloride resin, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, silicone resin, and the like can be used. Polycarbonate is preferred in view of compatibility with the charge transport material, film strength, solubility, and stability as a paint. The composition ratio of the binder resin and the charge transport material is used in a range of 25 to 300 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the binder resin.
[0102]
In order to form the charge generation layer 1c and the charge transport layer 1d, a coating solution may be used, and the solvent varies depending on the type of the binder resin. For example, alcohols such as methanol, ethanol, isopropyl alcohol, acetone, methyl ethyl ketone, cyclohexanone Ketones such as N, N-dimethylformamide, amides such as N, N-dimethylacetamide, ethers such as tetrahydrofuran, dioxane and ethylene glycol monomethyl ether, esters such as methyl acetate and ethyl acetate, chloroform, chloride Aliphatic halogenated hydrocarbons such as methylene, dichloroethylene, carbon tetrachloride, and trichloroethylene, or aromatics such as benzene, toluene, xylene, and monochlorobenzene can be used.
The charge generating pigment may be dispersed and mixed using a mechanical method such as a sand mill, ball mill, attritor, or planetary mill.
[0103]
Coating methods for the undercoat layer 1b, the charge generation layer 1c and the charge transport layer 1d include dip coating, ring coating, spray coating, wire bar coating, spin coating, blade coating, roller coating, and air knife. A method such as a coating method is used. The drying after coating is preferably performed by drying at room temperature, followed by heat drying at a temperature of 30 ° C. to 200 ° C. for 30 to 120 minutes. The film thickness after drying in the charge generation layer 1c is in the range of 0.05 μm to 10 μm, preferably 0.1 μm to 3 μm. In the charge transport layer 1d, the thickness is in the range of 5 μm to 50 μm, preferably 10 μm to 40 μm.
[0104]
Further, the organic single-
[0105]
Examples of the charge generator in the single-layer organic photosensitive layer 1e include phthalocyanine pigments, azo pigments, quinone pigments, perylene pigments, quinothiaton pigments, indigo pigments, bisbenzimidazole pigments, and quinacridone pigments. Are phthalocyanine pigments and azo pigments. Examples of the charge transport agent include hydrazone-based, stilbene-based, phenylamine-based, arylamine-based, diphenylbutadiene-based, oxazole-based organic hole-transporting compounds, and sensitizers include various electron-withdrawing organic compounds. Examples thereof include paradiphenoquinone derivatives, naphthoquinone derivatives and chloranil which are also known as electron transport agents. Examples of the binder include thermoplastic resins such as polycarbonate resin, polyarylate resin, and polyester resin.
[0106]
The composition ratio of each component is as follows: binder 40 wt% to 75 wt%, charge generating agent 0.5 wt% to 20 wt%,
[0107]
Each component is pulverized / dispersed and mixed with a stirrer such as a homomixer, a ball mill, a sand mill, an attritor, or a paint conditioner to obtain a coating solution. The coating solution is applied and dried on the undercoat layer by dip coating, ring coating, spray coating or the like so as to have a film thickness of 15 μm to 40 μm, preferably 20 μm to 35 μm after drying to form a single-layer organic photoreceptor layer 1e.
[0108]
The
[0109]
A developing
[0110]
The developing
[0111]
As the
[0112]
In the non-contact developing type image forming apparatus shown in FIG. 5, the developing
[0113]
The developing
[0114]
Further, a
[0115]
The non-contact development process shown in FIG. 5 and the non-contact development process shown in FIG. 6 are combined with a developing device and a
[0116]
Next, an example of production of the negatively chargeable toner of the present invention, and image formation using the negatively chargeable toner by the non-contact or contact one-component development process shown in FIG. 8 having the basic configuration shown in FIGS. An example of manufacturing the organic photoreceptor and transfer medium of the apparatus will be described. Note that the image forming apparatus shown in FIG. 8 can also perform a contact one-component development process. In the image formation test described later, a test using the contact one-component development process was also performed using this image forming apparatus. However, in the following description, this image forming apparatus basically performs a non-contact one-component development process.
[0117]
Next, production examples of the negatively chargeable toner of the present invention will be shown. In that case, the negatively chargeable toners (1) to (4) are toners produced by a polymerization method, and the negatively chargeable toners (5) to (8) are examples of toners produced by a pulverization method. .
[0118]
[Production Example of Negatively Charged Toner (1)]
A monomer mixture comprising 80 parts by weight of styrene monomer, 20 parts by weight of butyl acrylate, and 5 parts by weight of acrylic acid,
・ 105 parts by weight of water
-
・ Anionic emulsifier 1.5 parts by weight
・ 0.55 parts by weight of potassium persulfate
The mixture was added to the water-soluble mixture consisting of the following, stirred in a nitrogen stream, and polymerized at 70 ° C. for 8 hours. After the polymerization reaction, the mixture was cooled to obtain a milky white resin emulsion having a particle size of 0.25 μm.
[0119]
next,
・ 200 parts by weight of this resin emulsion
・ Polyethylene wax emulsion {manufactured by Sanyo Chemical Industries Ltd.} 20 parts by weight
・ Phthalocyanine blue 7 parts by weight
Is dispersed in water containing 0.2 part by weight of sodium dodecylbenzenesulfonate as a surfactant, pH is adjusted to 5.5 by adding diethylamine, and 0.3 part by weight of aluminum sulfate as an electrolyte is stirred. Then, the mixture was stirred at high speed with a TK homomixer and dispersed.
[0120]
Further, 40 parts by weight of styrene monomer, 10 parts by weight of butyl acrylate and 5 parts by weight of zinc salicylate were added together with 40 parts by weight of water, and the mixture was heated to 90 ° C. while stirring under a nitrogen stream, and hydrogen peroxide was added. And polymerized for 5 hours to grow particles. After the polymerization was stopped, the temperature was raised to 95 ° C. and maintained for 5 hours while adjusting the pH to 5 or more in order to increase the association of the secondary particles and the film-forming bond strength. Thereafter, the obtained particles were washed with water and vacuum dried at 45 ° C. for 10 hours to obtain mother particles of cyan toner.
[0121]
The average particle diameter and circularity of the obtained cyan toner mother particles were measured with the FPIA 2100 apparatus, and the work function was measured with the AC-2 type surface analysis apparatus. As a result, the average particle diameter was 6.8 μm. The toner has a circularity of 0.98, and its work function was 5.57 eV as measured by the surface analyzer. 1% by weight of hydrophobic silica having a mean primary particle size of about 12 nm and a work function of 5.22 eV as a fluidity improver, and a mean primary particle size of about 40 nm with respect to the mother particles of the cyan toner. A cyan toner (1) was prepared by adding and mixing 0.5 wt% of hydrophobic silica having a work function of 5.24 eV. The obtained cyan toner (1) was measured using the above-mentioned devices, and as a result, the average particle size was 6.86 μm, the circularity was 0.983, and the work function was 5.54 eV.
[0122]
[Production Example of Negatively Charged Toner (2)]
Similarly, in the above-described cyan toner (1), the pigment is changed to quinacridone instead of the phthalocyanine blue pigment, and the temperature for increasing the association of the secondary particles and the film-forming bond strength is maintained at 90 ° C. (2) was prepared in the same manner. As in the case of the cyan toner (1), the average particle diameter, circularity, and work function of the mother particles of the magenta toner (2) and the magenta toner (2) were measured. The 6.9 μm, the circularity was 0.97, the work function was 5.65 eV, the average particle size of the magenta toner (2) was 6.96 μm, the circularity was 0.975, and the work function was 5.61 eV.
[0123]
[Production Examples of Negatively Charged Toners (3) and (4)]
In the magenta toner (2) described above, polymerization was performed in the same manner as the magenta toner (2) except that the pigment was changed to Pigment Yellow 180 and carbon black, and a fluidity improver was added to obtain the yellow toner (3). A black toner (4) was prepared. At this time, the yellow toner (3) has an average particle size of toner base particles of 6.93 μm, a circularity of 0.968, a work function of 5.55 eV, and an average particle size of yellow toner (3) of 7.01 μm, The circularity was 0.971 and the work function was 5.52 eV. The black toner (4) has an average particle diameter of toner base particles of 6.89 μm, a circularity of 0.965, a work function of 5.49 eV, and an average particle diameter of black toner (4) of 7.08 μm, circular. The degree was 0.975 and the work function was 5.45 eV.
[0124]
[Example of production of negatively chargeable toner (5)]
50:50 (weight ratio) mixture of polycondensed polyester of aromatic dicarboxylic acid and alkylene etherified bisphenol A and a partially cross-linked product of the polycondensed polyester with a polyvalent metal compound {manufactured by Sanyo Chemical Industries Ltd.} 100 weight Parts, carmine 6B parts by weight of magenta pigment, 1 part by weight of polypropylene having a melting point of 152 ° C. and a weight molecular weight Mw of 4000 as a release agent, and a salicylic acid metal complex E-81 as a charge control agent {manufactured by Orient Chemical Co., Ltd. } After 4 parts by weight were uniformly mixed using a Henschel mixer, they were kneaded with a twin screw extruder having an internal temperature of 130 ° C. and cooled. The cooled product was coarsely pulverized to 2 mm square or less, then finely pulverized by a jet mill, and classified by a classifier by rotating a rotor to obtain classified toner base particles having an average particle diameter of 6.2 μm and a circularity of 0.905. 0.2% by weight of hydrophobic silica (average primary particle diameter: 7 nm, specific surface area: 250 m) based on the classified toner base particles2/ G), and after surface treatment, using a hot air spheronizer surfing system, set the heat treatment temperature to 250 ° C., partially spheronize, then classify again in the same way, average Mother particles of magenta toner having a particle size of 7.35 μm and a circularity of 0.940 were obtained. Further, the work function of the toner base particles was 5.50 eV as a result of measurement.
[0125]
Of the two types of hydrophobic silica used in the toner (1), the obtained toner base particles have a small particle diameter of about 7 nm and an average primary particle diameter of about 7 nm and a work function of 5.18 eV. 0.5% by weight of the active silica, 0.5% by weight of the above-mentioned hydrophobic silica having an average primary particle diameter of about 12 nm, and an average primary particle diameter of large silica of about 40 nm and a work function of 5 Hydrophobic alumina-silica having 0.54% by weight of hydrophobic silica of .24 eV, an average primary particle diameter of about 17 nm, a first work function of 5.18 eV and a second work function of 5.62 eV The composite oxide fine particles are 0.5% by weight, the average primary particle size is about 20 nm as metal oxide fine particles, the rutile-anatase type titanium oxide having a work function of 5.64 eV is 0.3% by weight, and the average primary particle size is 0.5. 23 μm, work function is 5.00 eV Conductive aluminum oxide added and mixed 0.4 wt%, to prepare a magenta toner (5). At this time, the magenta toner (5) had an average particle diameter of about 7.38 μm, a circularity of 0.94, and a work function of 5.56 eV.
[0126]
[Production Example of Negatively Charged Toner (6), (7), (8)]
In accordance with the above-described production example of magenta toner (5), cyan toner (6) (using phthalocyanine blue as cyan toner pigment), yellow toner (7) (using pigment yellow 93 as yellow toner pigment) and black toner (8) (using carbon black as the black toner pigment) was prepared.
[0127]
At this time, the cyan toner (6) has an average particle size of the toner base particles of about 7.21 μm, a circularity of 0.941, a work function of 5.40 eV, and the cyan toner (6) has an average particle size of The circularity was almost the same as that of magenta toner (5), and the work function was 5.44 eV. The yellow toner (7) has an average particle diameter of the toner base particles of about 7.03 μm, a circularity of 0.941, a work function of 5.53 eV, and the average particle diameter of the yellow toner (7) is circular. The degrees were almost the same as those of the magenta toner (5), and the work function was 5.61 eV. Further, the black toner (8) has an average particle diameter of the toner base particles of about 7.26 μm, a circularity of 0.940, a work function of 5.61 eV, and the average particle diameter of the black toner (8) is circular. The degrees were almost the same as those of the magenta toner (5), and the work function was 5.65 eV.
[0128]
(Example of image forming apparatus by non-contact or contact one-component development process)
As an image forming apparatus using the non-contact one-component development process shown in FIG. 5 or an image forming apparatus using the contact one-component development process shown in FIG. 6, there is a full-color printer capable of the non-contact development process and the contact development process shown in FIG. In FIG. 8 showing this full-color printer,
[0129]
The charging
[0130]
As the developing
[0131]
The intermediate transfer device 30 includes a driving
[0132]
The driven roller 35 is disposed at a position where the
[0133]
An electrode roller (not shown) is disposed on the driving
[0134]
The
[0135]
In the process in which the
[0136]
The toner image secondarily transferred by the secondary transfer portion T2 is fixed by the fixing
[0137]
Next, an example of manufacturing each component of the image forming apparatus will be described.
{Example of production of organic photoreceptor (OPC1)}
In the production of the organic photoconductor (OPC1) 1 of this production example, first, an alcohol-soluble nylon {Toray Industries, Inc.) is used as an undercoat layer 1b on the peripheral surface of a conductive support 1a having an aluminum tube diameter of 85.5 mm. "CM8000"} 6 parts by weight and 4 parts by weight of aminosilane-treated titanium oxide fine particles were dissolved and dispersed in 100 parts by weight of methanol, and a coating solution was applied by a ring coating method. Then, an undercoat layer 1b having a film thickness of 1.5 μm to 2 μm was formed.
[0138]
Next, on the
[0139]
On this charge generation layer 1c, 40 parts by weight of a charge transport material of a styryl compound of the following structural formula (1) and 60 parts by weight of a polycarbonate resin (Panlite TS, manufactured by Teijin Chemicals Ltd.) are dissolved in 400 parts by weight of toluene. Then, coating and drying were performed by a dip coating method so that the dry film thickness was 22 μm to form a charge transport layer 1d, and an organic laminated photoreceptor 1 (OPC1) having a photosensitive layer composed of two layers was produced.
A part of the obtained organic
[0140]
[Chemical 1]
[0141]
{Example of production of organic photoreceptor (OPC2)}
In the organic photoreceptor (OPC1) 1, a nickel electroformed tube having a seamless thickness of 40 μm and a diameter of 85.5 mm is used for the conductive support 1 a, titanyl phthalocyanine is used as a charge generating pigment, and a charge transport material is used. An organic laminated photoreceptor (OPC2) 1 was produced in the same manner as in Production Example 1 except that a distyryl compound represented by the following structural formula (2) was used. The work function of this organic laminated photoreceptor was measured in the same manner and was 5.50 eV.
[0142]
[Chemical 2]
[0143]
(Example of production of developing roller 11)
The developing
[0144]
(Example of production of toner regulating blade)
The
[0145]
(Example of production of transfer medium for intermediate transfer device)
An intermediate conductive layer which is a conductive layer in the
On a polyethylene terephthalate resin film having a thickness of 130 μm deposited with aluminum,
・ 30 parts by weight of vinyl chloride-vinyl acetate copolymer
・
・
A uniform dispersion liquid was formed by coating and drying by a roll coating method so that the thickness became 20 μm.
[0146]
Next, a transfer layer which is a resistance layer is formed on the intermediate conductive layer.
A coating solution obtained by mixing and dispersing the composition was similarly applied and dried by a roll coating method so as to have a thickness of 10 μm.
[0147]
Then, this coated sheet was cut to a length of 540 mm, the coated surface was faced up, the ends were aligned, and ultrasonic welding was performed to produce an
[0148]
(Fixer preparation example)
The fixing
[0149]
The outline of the operation of the full-color printer configured as described above is as follows.
(i) When a print command signal (image formation signal) from a host computer (not shown) or the like (personal computer or the like) is input to the control unit 90 of the image forming apparatus, the photosensitive member 140, each
[0150]
(ii) The outer peripheral surface of the photoreceptor 140 is uniformly charged by the charging
(iii) The exposure unit 40 selectively exposes L1 according to the image information of the first color (for example, yellow) on the outer peripheral surface of the uniformly charged photoreceptor 140, thereby forming an electrostatic latent image for yellow. Is done.
[0151]
(iv) On the photoconductor 140, only the developing roller of the developing device 10Y for the first color, eg, yellow, is set with a predetermined developing gap L with respect to the photoconductor 140 or comes into contact with the photoconductor 140. As a result, the electrostatic latent image is subjected to non-contact development or contact development, and a yellow toner image of the first color is formed on the photoreceptor 140.
(v) The
[0152]
(vi) After the toner remaining on the photoconductor 140 is removed by the
(vii) The above operations (ii) to (vi) are repeated as necessary. That is, the second color, the third color, and the fourth color are repeated according to the print command signal, and a toner image according to the content of the print command signal is superimposed on the
[0153]
(viii) The sheet S is fed from the
[0154]
(ix) The toner image on the sheet S is fixed by passing the sheet S through the fixing
[0155]
Next, examples of the negatively charged toner of the present invention will be described.
Example 1
Table 3 shows a list of work functions of the
[0156]
[Table 3]
[0157]
As described above, the alumina-silica composite oxide
[0158]
Thus, in Example 1, hydrophobic alumina-silica composite oxide fine particles surface-treated with dimethylsilane (DMS) for the cyan toner (1) described above {bulk density 75 g / L, average primary particle diameter 17 nm. , Specific surface area 110m2/ G, weight ratio of silica 35 / alumina 65 (mixed crystal ratio)} is 0.5% by weight, and conductive anatase-type titanium oxide (average primary particle size 0.063 μm, specific surface area 45.2 m).2/ G) was added and mixed in the weight ratios shown in Table 4 to prepare toners 1- (1) to 1- (5), respectively.
[0159]
[Table 4]
[0160]
For these toners, the above-mentioned organic photoreceptor (OPC1) 1, the above-described developing
[0161]
As is apparent from the measurement results shown in Table 4, as the external additive of conductive anatase-type titanium oxide was added, the average charge amount gradually decreased as compared with the case where it was not added, but the positively charged toner amount was It was found that even when the addition amount was 0.5% by weight, it did not increase much. However, it was found that when the amount was 0.5% by weight or more, the average charge amount suddenly dropped and the amount of positively charged toner also increased rapidly.
[0162]
(Example 2)
Using the toner 1- (1) to 1- (5) used in Example 1 described above and the non-contact developing method schematically shown in FIG. 5, the organic photoreceptor (OPC1) 1 and the developing roller described above are used. 11. An image forming test was performed using the
The results of this imaging test are shown in Table 5 and Table 6, respectively.
[0163]
[Table 5]
[0164]
[Table 6]
[0165]
In Table 6, Δ indicates that some voids or dust is generated and a satisfactory solid image cannot be obtained, and ○ indicates that a void image or dust is hardly generated and a satisfactory solid image is obtained.
As is apparent from the imaging test results shown in Tables 5 and 6, the conductive fine particles are more conductive than the toner 1- (1) in which silica and alumina-silica composite oxide fine particles are added as external additives. Toner 1- (2) and Toner 1- (3) added with anataza-type titanium oxide not only improve the solid image density, but also the fog and reverse transfer toner do not increase so much. I found out that
[0166]
The transfer efficiency of each toner was 65.2% for toner 1-1, but improved as the conductive anatase-type titanium oxide, which is conductive fine particles, was added. It was found that the maximum was 0.5% by weight.
[0167]
Further, the OD value of fog and reverse transfer toner was determined by a tape transfer method. What is the tape transfer method? A Sumitomo 3M mending tape is affixed onto the toner present on the photoconductor to transfer fog toner and reverse transfer toner onto the tape, and then this mending tape and mending before application The tapes were each affixed on white paper, and the reflection densities thereof were measured with a Macbeth reflection densitometer, and the values obtained by subtracting the reflection density of the tape from the measured values were used as the reflection densities of fog and reverse transfer toner. Further, the transfer efficiency was calculated and obtained from the difference in weight by attaching the tape to the toner present on the photoreceptor before and after transfer and measuring the weight of the peeled tape. The reverse transfer toner forms a solid image of the first color, and then reverse-transferred onto the photoconductor that is a non-image portion corresponding to the white solid image when the white solid image of the second color is formed. This is a value obtained by a tape transfer method using cyan toner of a color as a reverse transfer toner.
[0168]
(Example 3)
Table 7 shows the work function of the conductive fine particles of the
[0169]
[Table 7]
[0170]
[Table 8]
[0171]
As is apparent from the measurement results shown in Table 8, it was found that by adding conductive fine particles, the average charge amount can be suppressed from becoming overcharged, and the positively charged toner amount does not increase so much. .
[0172]
Example 4
Using toners 1- (6) to 1- (8) used in Example 3 described above, an image formation test was performed in the same manner as in Example 2, and the results are shown in Table 9 and Table 10, respectively.
[0173]
[Table 9]
[0174]
[Table 10]
[0175]
As is apparent from the imaging test results shown in Tables 9 and 10, Toner 1- (6) to Toner 1- (8) in which silica, alumina-silica composite oxide fine particles and conductive fine particles are added as external additives. ▼ indicates that not only the toner 1- (1) to which conductive fine particles are not added, but also solid image density and transfer efficiency are improved, and fog and reverse transfer toner do not increase so much, and voids and dust are reduced. It was.
[0176]
(Example 5)
The toners used in Example 5 are
[0177]
[Table 11]
[0178]
[Table 12]
[0179]
As is apparent from the measurement results shown in Table 12, by adding conductive fine particles and metal oxide, the average charge amount can be suppressed from being overcharged, and the amount of positively charged toner can be reduced. I understood.
[0180]
(Example 6)
Using toners 2- (1) and 5- (1) used in Example 5 above, an image formation test was performed in the same manner as in Example 2, and the results are shown in Table 13 and Table 14, respectively.
[0181]
[Table 13]
[0182]
[Table 14]
[0183]
As is apparent from the imaging test results shown in Tables 13 and 14, not only silica, alumina-silica composite oxide fine particles and conductive fine particles, but also a rutile-anatase type titanium oxide having a large work function as a metal oxide was removed. Toner 2- (1) to toner 5- (1) added as an additive improves solid image density and transfer efficiency, further reduces fog and reverse transfer toner, and achieves high image quality without voids and dust. I knew that to give.
[0184]
(Example 7)
In place of the conductive titanium oxide of toner 1- (3) used in Example 1 described above, toner 1- (9) containing 0.2% by weight of conductive aluminum oxide as conductive fine particles shown in Table 11 was added. Produced. The toner charging characteristics were measured in the same manner as in Example 1, and the results are shown in Table 15 together with the toner 1- (1) data. Further, using these toners, an image formation test was conducted with the full-color printer shown in FIG. 8 adopting the contact development method schematically shown in FIG. As the image forming conditions at this time, the
[0185]
[Table 15]
[0186]
[Table 16]
[0187]
From the results shown in Table 15 and Table 16, it can be seen that addition of conductive aluminum oxide, which is conductive fine particles, improves image density and transfer efficiency in contact development, and reduces fogging and reverse transfer toner. It was. The image quality was almost the same with no void or dust.
[0188]
In the same manner as the above-described magenta toner 2- (1), the external additive treatment of cyan toner (1), yellow toner (3) and black toner (4) was performed. Similarly to the above-described magenta toner 5- (1), the cyan toner (6), yellow toner (7) and black toner (8) are treated as external additives, and the production methods of the two sets of toners are different. Four color full-color toners were prepared. Using these toners, the full-color printer shown in FIG. 8 is used for low-temperature / low-humidity (10 ° C / 20%), medium-temperature / medium-humidity (25 ° C / 60%), and high-temperature / high-humidity (35 ° C / 85%) environments. Below, a printing test was performed on each of 5000 sheets. In any case, there was no scattering of toner, and a stable full-color image was obtained. It was confirmed that the initial image quality was maintained.
[0189]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, according to the negatively charged toner of the present invention, the intrinsic property of the toner-agglomeration improving function of the alumina-silica composite oxide fine particles and the negative overcharge of the toner of the conductive fine particles Since the toner base particles have a function that synergizes with the inherent characteristics of the prevention function and the toner fluidity improvement function, it is possible to prevent the negatively charged toner from flowing down and to prevent negative overcharge of the toner. Can be prevented. As a result, better negative charging characteristics can be obtained, so that the generation and fogging of reverse transfer toner can be effectively suppressed. In addition, since the fluidity of the toner can be improved, dust generated at the boundary of the line image can be prevented, the sharpness of the image can be improved, and the cohesiveness of the toner can be improved. It is possible to prevent the occurrence of voids.
[0190]
Therefore, the negative charge of the negatively chargeable toner can be stabilized for a longer period of time, so that an image having sharpness can be produced and a stable image quality in continuous printing can be obtained.
In addition, since the fluidity of the toner can be improved, a uniform thin layer of toner can be formed by the toner regulating member.
[0191]
Further, since the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide fine particles have a wide particle size distribution, the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide fine particles can be reliably adhered to the toner base particles, so that the transfer efficiency can be improved. Can be improved.
[0192]
Further, aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide fine particles and conductive fine particleEach average primary particle size ofThan,Both the average primary particle diameter is small and the work function is smaller than the work function of the larger second work function and conductive fine particle of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide fine particle.Since two types of hydrophobic silicon dioxide are used in combination, the above-mentioned specific characteristics of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide fine particles and the above-mentioned specific characteristics of the conductive fine particles are hydrophobic negative charges. Thus, the toner base particles can be provided with a function in which the inherent characteristics of the negative silicon dioxide and the fluidity are combined. As a result, the fluidity of the negatively chargeable toner can be prevented from being lowered, and negative overcharge can be prevented. Therefore, the negatively chargeable toner can have better negative charge characteristics, and the generation and fogging of the reverse transfer toner can be prevented. Furthermore, it can suppress effectively.
[0193]
Furthermore, by adding metal oxide fine particles that are substantially the same as the second work function of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles, more stable charging characteristics can be obtained, resulting in improved solid image density and transfer efficiency. In addition, fog and reverse transfer toner are reduced.
[0194]
In addition, since the bending point exists in the work function of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide fine particles, the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide fine particles have positive and negative friction sites. When the toner base particles come into contact with the positive friction site, the toner base particles are positively charged negatively. When the toner base particles come into contact with the negative friction site, the toner base particles are positively charged. Will be adjusted to an appropriate value.
[0195]
Thus, according to the negatively chargeable toner of the present invention, the positive friction site of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide fine particles and the negatively chargeable silicon dioxide are negatively charged. The surface of the carrier can be more reliably negatively triboelectrically charged.
[0196]
In this case, the toner base particles can be negatively charged by the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide fine particles not only at low temperature and low humidity, which is easily negatively charged, but also at high temperature and high humidity, which is difficult to be negatively charged. Stable negative charging characteristics can be maintained, and stable charging characteristics can be maintained in continuous printing as well, so that high quality can be maintained over a long period of time with almost no environmental impact. .
[0197]
Furthermore, since the addition amount (weight) of two types of silicon dioxide is larger than the total addition amount (weight) of aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide fine particles and conductive fine particles, or metal oxide fine particles, Aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide fine particles and conductive fine particles, or metal oxide fine particles can be securely fixed to the toner base particles via these two types of silicon dioxide, and release from the toner base particles can be reduced. . Therefore, the negatively charged toner of the present invention can stabilize the charging over a long period of time.
[0198]
Furthermore, since the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide fine particles having positive and negative friction sites having a particle size larger than the average primary particle size of the two types of silicon dioxide coexist, the regulated toner layer can be uniformly charged, The amount of positively charged toner having a reverse polarity can be reduced.
[0199]
Thereby, the amount of fog toner and reverse transfer toner on the photoreceptor can be reduced, and the transfer efficiency can be further improved. Further, since the transfer efficiency can be improved, the amount of toner to be cleaned on the photoconductor and the intermediate transfer medium can be reduced, so that cleaning is simplified and the cleaning toner collecting container can be made a small container.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram schematically illustrating an example of an embodiment of a negatively chargeable toner according to the present invention.
FIG. 2 is a burner apparatus for producing alumina-silica composite oxide fine particles disclosed in Japanese Patent No. 2533067.
FIG. 3 is a diagram showing one of data relating to alumina-silica composite oxide fine particles obtained by measurement with a surface analyzer.
FIG. 4 is a diagram showing another one of data relating to alumina-silica composite oxide fine particles obtained by measurement with a surface analysis apparatus.
FIG. 5 is a diagram schematically illustrating an example of a non-contact development process of an image forming apparatus in which a negatively chargeable toner according to the present invention is used.
FIG. 6 is a diagram schematically illustrating an example of a contact development process of an image forming apparatus in which a negatively chargeable toner according to the present invention is used.
7 is a view showing an organic laminated photoreceptor of the image forming apparatus shown in FIGS. 5 and 6. FIG.
FIG. 8 is a diagram illustrating an example of a four-cycle full color printer using a non-contact development process and a contact development process used in an image formation test using a negatively chargeable toner according to the present invention.
FIG. 9 is a diagram illustrating a void phenomenon and generation of dust in a conventional negatively chargeable toner.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1,140 ... Organic photoreceptor, 2 ... Corona charger, 3 ... Exposure, 4 ... Cleaning blade, 5 ... Transfer roller, 6 ... Supply roller, 7 ... Restriction blade, 8 ... Negative chargeable toner (one component nonmagnetic toner) 8a ... toner base particles, 9 ... transfer material or transfer medium, 10 ... developing device, 11 ... developing roller, 12 ... external additive, 13 ... alumina-silica composite oxide fine particles, 14 ... conductive fine particles, 15a, 15b ... Hydrophobic negatively charged silica (SiO2), L ... Development gap
Claims (4)
前記外添剤として、少なくとも、疎水性の酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子と、この酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の仕事関数よりも小さな仕事関数を有する導電性微粒子とが用いられており、
前記導電性微粒子は、導電性二酸化ケイ素、導電性酸化チタン、および導電性酸化アルミニウムのいずれか1つであり、
前記酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の量は、トナー母粒子に対して、重量比で0 . 1重量%から3重量%以下に設定されており、
前記外添剤として、更に、粒径の異なる2種類の疎水性で負帯電性の二酸化ケイ素が用いられており、
これらの2種類の二酸化ケイ素の平均一次粒子径の間に前記酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の平均一次粒子径がくるように設定されるとともに、これらの2種類の二酸化ケイ素の平均一次粒子径は、前記導電性微粒子の平均一次粒子径よりも小さく設定されているとともに、2種類の二酸化ケイ素の仕事関数がいずれも前記酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の大きい方の第2仕事関数よりも小さく、かつ前記導電性微粒子の仕事関数よりも大きく設定されていることを特徴とする負帯電性トナー。In the negatively chargeable toner obtained by at least externally adding a hydrophobic external additive to the toner base particles,
As the external additive, at least hydrophobic aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles and conductive fine particles having a work function smaller than the work function of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles are used. And
The conductive fine particles are any one of conductive silicon dioxide, conductive titanium oxide, and conductive aluminum oxide,
The aluminum oxide - The amount of silicon dioxide composite oxide particles, the toner mother particles is set to a 0 from 1 wt% 3 wt% or less by weight,.
As the external additive, two types of hydrophobic and negatively charged silicon dioxide having different particle diameters are used,
The average primary particle diameter of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles is set between the average primary particle diameters of these two types of silicon dioxide, and the average primary particles of these two types of silicon dioxide The diameter is set smaller than the average primary particle diameter of the conductive fine particles, and the work function of two types of silicon dioxide is the second work function of the larger one of the aluminum oxide-silicon dioxide composite oxide particles. And a negatively chargeable toner set to be larger than the work function of the conductive fine particles .
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