JP3970124B2 - 心線対照光信号受光装置の使用方法 - Google Patents

心線対照光信号受光装置の使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープ型の光ファイバ心線の特定を行う心線対照システムで使用する心線対照用光信号受光装置及びその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ通信網の建設や保守にあたり、光ファイバ心線の誤切断や誤接続といった事態を発生させないために、作業現場において、光ファイバケーブル内、或いは顧客の光ファイバ心線の個別識別を行う必要がある。この作業を心線対照と呼ぶ。通常実施されている心線対照の方法を図4に示す。
【0003】
図4は、心線対照方法の一例を示す概略図である。
【0004】
図4では、テープ型の光ファイバ心線である光ファイバテープ心線を用いて説明する。光ファイバテープ心線は、複数本の光ファイバの単心線を横一列に配置して被覆を施したものである。
【0005】
図4に示すように、心線対照を行う場合、対照を必要とする光ファイバテープ心線1の一方側(図4では左側)に、心線対照に用いる光信号を発生する心線対照用光信号光源装置(以下「光源装置」という)2を設置し、同じく光ファイバテープ心線1の一方側に設置した心線対照用光信号入射装置(以下「入射装置」という)3を介して、光源装置2からの心線対照用光信号(以下「対照光」という)4を光ファイバテープ心線1に入射する。更に、光ファイバテープ心線1の他方側(図4では右側)に、心線対照用光信号受光装置(以下「受光装置」という)5を設置し、この受光装置5において、光ファイバテープ心線1に曲げを与えて、光ファイバテープ心線1の外部へ対照光4を放射させることで、対照光4を検出する。
【0006】
上記光源装置2は、顧客への情報提供等で用いる通信用光信号(以下「通信光」という)よりも波長の長い光(例えば、レーザーダイオード(LD)や発光ダイオード(LED)等)に270Hzの周波数変調を加えた対照光を発光する。例えば、通信光の波長が1.31μmの場合、対照光の波長は1.55μmを採用し、通信光の波長が1.55μmの場合、対照光の波長は1.65μmを採用する。
【0007】
又、入射装置3としては、光ファイバカプラや導波路型方向性結合器などが用いられる。或いは、入射装置3を用いずに、光ファイバテープ心線1の一方側の端面に、光源装置2からの対照光4を直接入射する場合もある。
【0008】
又、受光装置5には、通信光の損失をある所定のレベルに抑制しつつ、光ファイバテープ心線1の外部へ対照光4のみを効率的に放射させるための曲げを与える湾曲機構が設けられると共に、この放射させた対照光4を受光するためのGeフォトダイオードやInGaAsフォトダイオードなどの心線対照用光信号受光素子(以下「受光素子」という)が設けられており、対照光4の放射の有無の判別や強度測定をすることができる。
【0009】
上記構成により、通信光の送受信中であっても、光ファイバテープ心線1の一方側から入射された対照光4の放射を、他方側の受光装置5を用いて検出することにより、心線対照が遂行される。
【0010】
なお、従来から使用している光源装置、入射装置及び受光装置からなる心線対照システムの代表的なものは、下記の文献等に示されている。
榎本ほか:“ハイブリッド型光モジュールを用いた小型光ファイバIDテスタの設計”、1996年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会講演論文集(分冊:通信2)、講演番号B−976、P.461
【0011】
図5は、受光装置において、光ファイバテープ心線に曲げを与える湾曲機構を示す図である。
【0012】
図5に示すように、受光装置5の湾曲機構5a中の湾曲部分の形状は、その湾曲部分の長さ5bの中間を中心とする線対称断面の湾曲面で形成されている。そのため、光ファイバテープ心線1に与える曲げの形状も、湾曲部分の長さ5bの中心に対して、線対称の湾曲形状を有することとなる。従って、光ファイバテープ心線1の一方側(図5では左側)、又は他方側(図5では右側)のどちらから対照光4が入射されても、線対称の湾曲形状を有する頂点部分において、光ファイバテープ心線1の外部へ同等の対照光の放射4aが発生し、心線対照が可能となり、更に、対照光の放射4aの強度測定においても同等の計測値が得られる(図5での実線の矢印及び点線の矢印を参照)。このことから、光ファイバテープ心線1での対照光4の進行方向を考慮する必要がなく、心線対照作業の簡素化が図られている。
【0013】
光ファイバテープ心線を表裏逆に接続するあや接続(以下「テレコ接続」という)を防止するためには、光ファイバテープ心線の最若番心線から最老番心線への心線順序の確認が必要である。しかし、上記の心線対照システムでは、光ファイバテープ心線の特定までしか行えず、光ファイバテープ心線の中の個々の単心線の特定はできなかった。そのため、光ファイバテープ心線の接続にあたって、接続する双方の光ファイバテープ心線の最若番心線や最老番心線の特定は、各単心線に付された個々の被覆色を目視確認することで、光ファイバテープ心線の中のトレーサ心線を特定していた。
【0014】
しかしながら、上記確認方法では、混乱・誤解・間違いを引き起こす可能性が大きい。光ファイバテープ心線は、光ファイバの製造技術の向上や要求条件の変化にもとづき、仕様変更や物品変更が行われるのが常であり、このような変更を重ねるごとに色配列や色種類の異なる光ファイバテープ心線の種別が増え、対処が困難になっていく。又、上記確認方法では、いかに万全を期して、細心の注意を払っても誤接続は撲滅に至らず、しかも、過去の接続工事においてテレコ接続が行われ、発見されることもなく現在に至った場合、被覆色の目視確認のみによるトレーサ心線の確認では、結果的に発見・修正することができず、再びテレコ接続・誤接続になってしまう。
【0015】
これまでの光ファイバケーブルの設備量が少ない光サービス需要の黎明期においては、設備量そのものや切替工事の発生頻度も少なかったため、このような問題が顕在化してこなかった。しかし、光ファイバ網を根幹とした近年の様々なサービス需要にこたえるため、設備投資や提供エリアを拡大していけば、必然的にその危険度は増していく。つまり、光ファイバテープ心線の各単心線に付された個々の被覆色による目視確認のみに頼り、光学特性的な確認を行わないのであれば、確実な接続工事を行っていないことになり、通信品質の維持の大きな妨げとなり、ひいては社会的責任を果たしていないこととなる。
【0016】
上記問題を解決するべく、心線対照作業の信頼性を向上させる改善を施した従来の受光装置が、図6に示すものである。この受光装置では、内部に後述のアタッチメント部材を設け、アタッチメント部材が有するスリットを用いることで、光ファイバテープ心線の単心線の特定を可能にし、トレーサ心線の確認を光学特性的にできるようにした。
【0017】
図6は、改善を施した従来の受光装置の概略であり、(a)は受光装置の側面図、(b)は受光装置の上面図、(c)は受光装置に付加したアタッチメント部材の正面図である。
図6(a)、図6(b)では、光ファイバテープ心線を挟持しない状態の受光装置の全体構成を示した。又、図6(c)では受光装置に付加したアタッチメント部材のみを抜き出し、グリップ側から見た図を示した。
【0018】
まず、受光装置21について主な構成を説明し、更に、細部の構成及び機能を説明する。
【0019】
図6(a)、図6(b)に示すように、受光装置21は、主な構成として、湾曲面を有する挟持凹部22と、挟持凹部22の湾曲面に嵌合する湾曲面を有し、挟持凹部22の湾曲面に対向する位置に配置され、挟持凹部2側へ移動することで、光ファイバテープ心線を挟持凹部22との間で圧接して挟持する挟持凸部23と、光ファイバテープ心線を挟持する際に作業者が握るグリップ24と、光ファイバテープ心線を挟持する際に作業者が手前(グリップ24側)に引くトリガ25と、トリガ25を引くことにより挟持凸部23を挟持凹部22側へスライドさせるスライド機構26と、グリップ24に内蔵された受光素子27とを有している。
【0020】
上記挟持凹部22は、受光装置21の本体をなす部分である。具体的には、挟持凹部22は、所定の曲率半径(第1の曲率半径)を有する凹んだ湾曲面である凹部22aと、凹部22aと一連の湾曲面を形成するように凹部22aの両端に配置され、所定の曲率半径(第2の曲率半径)を有する突き出た湾曲面である側凸部22b及び側凸部22cとを有している。挟持凹部22は、凹部22aと、その両端に配置される側凸部22b、側凸部22cとにより、凹部22aの中央(底部)を中心とする線対称断面の1つの湾曲面を有する(図6(b)参照)。
【0021】
又、挟持凹部22の湾曲面には、光ファイバテープ心線を適切に挟持するため、光ファイバテープ心線が収まる形状(例えば、矩形状)の溝部22dが設けられており、挟持凹部22の湾曲面の長手方向(側凸部22bから凹部22aを経て側凸部22cへの方向)に沿って形成されている(図6(a)、図6(b)参照)。
【0022】
又、挟持凹部22には、グリップ24に内蔵された受光素子27から凹部22aの中央(底部)の湾曲面までつながる貫通孔28が設けられており、貫通孔28の高さ方向の大きさは、光ファイバテープ心線の幅と同等である(図6(a)、図6(b)参照)。
【0023】
更に、挟持凹部22には、挟持凹部22の内部の凹部22aの湾曲面と受光素子27の間において、挟持凹部22の湾曲面の長手方向(側凸部22bの湾曲中心点と側凸部22cの湾曲中心点とを結ぶ直線と平行の方向)に貫通するようにアタッチメント部材29が設けてあり、貫通孔28を垂直に横断するように配置されている(図6(a)、図6(b)参照)。
【0024】
上記挟持凸部23は、挟持凹部22の湾曲面に対向するように、受光装置21の本体部分に設けられている。具体的には、挟持凸部23は、所定の曲率半径(第1の曲率半径)を有する突き出た湾曲面である凸部23aと、凸部23aと一連の湾曲面を形成するように、凸部23aの両端に配置され、所定の曲率半径(第2の曲率半径)を有する凹んだ湾曲面である側凹部23b及び側凹部23cとを有している。挟持凸部23は、凸部23aと、その両端に配置される側凹部23b、側凹部23cとにより、凸部23aの中央(底部)を中心とする線対称断面の1つの湾曲面を有する(図6(a)、図6(b)参照)。
【0025】
又、挟持凸部23の湾曲面にも、挟持凹部22と同様に、光ファイバテープ心線を適切に挟持するため、光ファイバテープ心線が収まる形状(例えば、矩形状)の溝部23dが設けられており、挟持凸部23の湾曲面の長手方向(側凹部23bから凸部23aを経て側凹部23cへの方向)に沿って形成されている(図6(a)、図6(b)参照)。
【0026】
上記挟持凹部22及び上記挟持凸部23において、挟持凹部22の凹部22aと挟持凸部23の凸部23aの湾曲面の曲率半径は等しく、挟持凹部22の側凸部22b、側凸部22cと挟持凸部23の側凹部23b、側凹部23cの湾曲面の曲率半径は等しいため、挟持凹部22、挟持凸部23は、互いに嵌合する湾曲面を有することとなる(図6(b)参照)。挟持凸部23の凸部23aの中央(頂部)が、挟持凹部22の凹部22aの中央(底部)に相対するように配置されており、挟持凹部22側であるグリップ24に設けられた受光素子27から見た場合、貫通孔28を通して、挟持凹部22の凹部22aの中央(底部)から、挟持凸部23の凸部23aの中央(頂部)を臨む配置になる。
【0027】
上記スライド機構26は、挟持凹部22と挟持凸部23との間に設けられており(図6(b)参照)、作業者がグリップ24を握り、トリガ25を手前(グリップ24側)に引くと、トリガ25の動きに連動して、挟持凸部23が、挟持凹部22に向かって移動され、互いに嵌合する状態となる。
【0028】
挟持凹部22及び挟持凸部23は、挟持凹部22の凹部22aの湾曲面の中央(底部)の法線と、挟持凸部23の凸部23aの湾曲面の中央(頂点)の法線が一致するように配置されている。更に、スライド機構26による挟持凸部23の移動方向も、これらの湾曲面の法線と平行であるため、スライド機構26により、挟持凸部23が挟持凹部22側へ移動すると、溝部22d、23dを除く互いの湾曲面が、全面で接することとなる。
【0029】
上記構造の挟持凹部22、挟持凸部23及びスライド機構26を用いることにより、互いの湾曲面の溝部22d、23dに設置された光ファイバテープ心線を、互いに対向する挟持凹部22と挟持凸部23の湾曲面の間に圧接することができ、光ファイバテープ心線に所定の湾曲(曲げ)を与えて挟持することとなる。従って、光ファイバテープ心線が湾曲されることで、湾曲された光ファイバテープ心線の頂部、つまり、挟持凹部22の凹部22aの中央(底部)と挟持凸部23の凸部23aの中央(頂部)に挟まれた光ファイバテープ心線部分にて、対照光が外部へ放射されることとなる。この放射された対照光(以下「放射対照光」という)は、貫通孔28を通過して、受光素子27側へ入射される。
【0030】
受光装置21では、光ファイバテープ心線からの放射対照光が、どの単心線から放射されたものであるかを特定する必要がある。そのため、受光装置21では、挟持凹部22の内部に設けたアタッチメント部材29にスリット30a、30bを設け、貫通孔28に入射された放射対照光をスリット30a、30bに通過させることで、光ファイバテープ心線の単心線の特定を可能にし、トレーサ心線の確認を光学特性的にできるようにした。
【0031】
従って、放射対照光の特定のため、アタッチメント部材29では、スリット30a、30bの大きさを、幅が光ファイバテープ心線からの放射対照光を受光素子27に導く貫通孔28の幅と同一で、高さが、光ファイバテープ心線を構成する個々の単心線の直径と同一とした。更に、アタッチメント部材29でのスリット30a、30bの互いの配置位置を異なるものとした。
【0032】
具体的には、上側のスリット30aを、挟持される光ファイバテープ心線の1番上の単心線(例えば、4心のテープ心線の場合、1番心線:最若番心線)に対応する高さの位置に配置し、下側のスリット30bを、挟持される光ファイバテープ心線の1番下の単心線(例えば、4心のテープ心線の場合、4番心線:最老番心線側)に対応する高さの位置に配置した。又、スリット30a、30bが同時に貫通孔28と重ならないように、アタッチメント部材29の長手方向の適切な位置に配置した。つまり、アタッチメント部材29の長手方向及び高さ方向において、スリット30a、30bを、適切な長手方向の間隔を置いて、互いに異なる高さの位置へ配置することで、受光装置11が、光ファイバテープ心線の最若番心線又は最老番心線を特定できる構成とした(図6(c)参照)。
【0033】
アタッチメント部材29は、光ファイバテープ心線が挟持凹部22と挟持凸部23との間で挟持された状態でも、光ファイバテープ心線に影響を与えることなく、アタッチメント部材29の長手方向(側凸部22bの湾曲中心点と側凸部22cの湾曲中心点とを結ぶ直線と平行の方向)に、作業者の手動により移動させることができる。そのため、上側のスリット30a又は下側のスリット30bを、貫通孔28と重なり合う位置で、それぞれ一時的に固定・保持でき、それぞれの位置に固定した状態で放射対照光の強度を、受光素子27で検出することができる。
【0034】
従って、アタッチメント部材29の位置調整を行うことで、上側のスリット30aが貫通孔28と重なり合う位置で一時的に固定・保持されたときは、光ファイバテープ心線の1番上の単心線からの放射対照光を、貫通孔28及び上側のスリット30aを通して、受光素子27が検出することができる。又、下側のスリット30bが貫通孔28と重なり合う位置で一時的に固定・保持されたときは、光ファイバテープ心線の1番下の単心線からの放射対照光を、貫通孔28及び下側のスリット30bを通して、受光素子27が検出することができる。それぞれの状態において、受光素子27から光ファイバテープ心線を臨むことのできる面積は、それぞれ上側のスリット30a又は下側のスリット30bの面積となっている。
【0035】
なお、アタッチメント部材29が挟持凹部22から脱落するのを防止するため、アタッチメント部材29の長手方向の両端部には、L字型の折曲部が設けられている。このL字型の折曲部は、上側のスリット30a又は下側のスリット30bが貫通孔28と重なり合うのを妨げないように、配置されている(図6(a)、図6(b)、図6(c)参照)。
【0036】
上記構成の受光装置21を用い、アタッチメント部材29の位置を調整することで、光ファイバテープ心線のトレーサ心線の判定が可能となる。受光装置21でのアタッチメント部材29の使用状況を、図7、8に示す。
【0037】
図7は、従来の受光装置の使用状況を示す概略であり、(a)は受光装置の上面図、(b)は光ファイバテープ心線とアタッチメント部材との関係を示す概略図である。
又、図8は、従来の受光装置の他の使用状況を示す概略であり、(a)は受光装置の上面図、(b)は光ファイバテープ心線とアタッチメント部材との関係を示す概略図である。
【0038】
図7(a)、図8(a)において、光ファイバテープ心線1に対する光源装置2、入力装置3の構成は、図4に示すものと同等である。つまり、心線対照を行う光ファイバテープ心線1の一方側に、心線対照に用いる光信号を発生する光源装置2を設置し、同じく光ファイバテープ心線1の一方側に設置した入射装置3を介して、光源装置2からの対照光4を光ファイバテープ心線1に入射する。更に、光ファイバテープ心線1の他方側に、上記構成の受光装置21を設置する。
【0039】
図7(a)では、受光装置21にて、光ファイバテープ心線1を挟持し、アタッチメント部材29の位置調整を行って、上側のスリット30aが貫通孔28と重なり合う位置で一時的に固定・保持した状態を示した。つまり、受光素子27が貫通孔28及び上側のスリット30aを通して、光ファイバテープ心線1の1番上の単心線である最若番心線11を臨むことのできる状態(以下「上側のスリット30a透過状態」という)である。図7(b)では、グリップ24側から、光ファイバテープ心線1方向を見たときの、光ファイバテープ心線1、貫通孔28、アタッチメント部材29及びスリット30a、30bの配置関係を示した。つまり、上記使用状況において、アタッチメント部材29の上側のスリット30aが、貫通孔28(貫通孔の断面の投影28a参照)と重なり合い、受光素子27が、光ファイバテープ心線1の1番上の単心線である最若番心線11を臨むことのできる状態である。
【0040】
図8(a)では、受光装置21にて、光ファイバテープ心線1を挟持し、アタッチメント部材29の位置調整を行って、下側のスリット30bを貫通孔28と重なり合う位置で一時的に固定・保持した状態を示した。つまり、受光素子27が貫通孔28及び下側のスリット30bを通して、光ファイバテープ心線1の1番下の単心線である最老番心線1nを臨むことのできる状態(以下「下側のスリット30b透過状態」という)である。図8(b)では、グリップ24側から、光ファイバテープ心線1方向を見たときの、光ファイバテープ心線1、貫通孔28、アタッチメント部材29及びスリット30a、30bの配置関係を示した。つまり、上記使用状況において、アタッチメント部材29の下側のスリット30bが、貫通孔28(貫通孔の断面の投影28a参照)と重なり合い、受光素子27が光ファイバテープ心線1の1番下の単心線である最老番心線1nを臨むことのできる状態である。
【0041】
図7、図8を用いて、受光装置21の使用方法となる具体的な作業手順を説明する。
【0042】
光ファイバテープ心線の特定を行う場合、ビル内で光源装置2を操作する作業者Aと、ビル外で受光装置21を操作する作業者Bは互いに連携をとりながら、以下の手順により作業を実施する。
【0043】
(作業ステップ1)
作業者Aは、光ファイバテープ心線1の被覆色を目視確認して、最若番心線11に対照光を入射し、作業者Bに次の作業に移行するよう連絡する。
【0044】
(作業ステップ2)
作業者Bは、作業者Aの連絡を受け、光ファイバテープ心線1の被覆色を目視確認して、最若番心線11を上に配置して、光ファイバテープ心線1を受光装置21で挟持する(図7参照)。
【0045】
(作業ステップ3)
作業者Bは、手動でアタッチメント部材29を移動させ、上側のスリット30a透過状態に固定・保持して、放射対照光の強度を測定する。このときの、放射対照光の強度の測定値をP1とする(図7参照)。
【0046】
(作業ステップ4)
作業者Bは、手動でアタッチメント部材29を移動させ、下側のスリット30b透過状態に固定・保持して、放射対照光の強度を測定する。このときの、放射対照光の強度の測定値をP2とする(図8参照)。
【0047】
(作業ステップ5)
作業者Bは、放射対照光の強度の測定値P1とP2の差分を計算し、P1がP2より大きければ、“光ファイバテープ心線1の1番上の単心線に対照光が入射されている”と判断し、トレーサ心線は光ファイバテープ心線1の1番上の単心線と決定する。
逆に、P2がP1より大きければ、“光ファイバテープ心線1の1番下の単心線に対照光が入射されている”と判断し、トレーサ心線は光ファイバテープ心線1の1番下の単心線と決定する。
【0048】
(作業ステップ6)
作業者Bは、作業者Aにトレーサ心線の判定作業が完了したことを連絡し、光ファイバテープ心線1の接続作業に移行する。
【0049】
作業ステップ5の差分の計算結果において、P1がP2より大きい、つまり“光ファイバテープ心線1の1番上の単心線に対照光が入射されている”状態であれば、被覆色により最若番心線11と想定した光ファイバテープ心線1の1番上の単心線が、光学的特性の測定結果からも最若番心線11(4心テープ心線ならば1番心線)となり、過去の接続工事において、テレコ状態がなく、正常な接続が行われていると判断できる。
【0050】
しかし逆に、作業ステップ5の差分の計算結果において、P2がP1より大きい、つまり“光ファイバテープ心線1の1番下の単心線に対照光が入射されている”状態であれば、被覆色により最老番心線1nと想定した光ファイバ光ファイバテープ心線1の1番下の単心線が、最若番心線11(4心テープ心線ならば1番心線)となり、過去の接続工事において、テレコ接続が行われ、放置されているということが判断できる。
【0051】
作業者Aが被覆色により最若番心線11と想定した光ファイバテープ心線の単心線と、作業者Bが被覆色により最若番心線11と想定した光ファイバテープ心線の単心線とが、光学的特性の測定結果からも一致して、トレーサ心線と判定できることが理想な状態である。
【0052】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、光学的特性によるトレーサ心線の判定を実現した上記受光装置21は、上側のスリット30a又は下側のスリット30bの位置や面積等のサイズの微細加工や挟持凹部22内でのがたつきの抑制の加工が必要であり、構造が複雑で高額なものとなる。更に、繰り返し使用するとアタッチメント部材29と挟持凹部22との間で磨耗が発生し、がたつきが発生して、測定精度が劣化していくという問題がある。
【0053】
又、アタッチメント部材29を付加したことにより、受光装置21が大型化し、狭隘な作業スペースに適用できないという問題もある。
【0054】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、構造が簡素で、小型化でき、コストの削減及び長期の信頼性が確保でき、更に作業性が向上する心線対照用光信号受光装置及びその使用方法を提供することを目的とする。
【0055】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明に係る心線対照用光信号受光装置は、狭隘な作業スペースでのテープ型光ファイバ心線の心線対照を行う心線対照用光信号受光装置において、テープ型光ファイバ心線を湾曲させて保持し、凹型部材と凸型部材からなる保持部材と、前記テープ型光ファイバ心線の湾曲させた部分から放射される放射光を検出する受光素子と、前記放射光を前記受光素子へ導くべく前記保持部材に形成され、前記テープ型光ファイバ心線のいずれか一方の側端部の単心線の位置に対応して開口し、かつ、前記受光素子につながる貫通孔とを備えることを特徴とする。
【0056】
上記課題を解決する本発明に係る心線対照用光信号受光装置は、前記保持部材が、前記テープ型光ファイバ心線を線対称に湾曲させるものであることを特徴とする。
【0057】
上記課題を解決する本発明に係る心線対照用光信号受光装置は、前記貫通孔の、前記テープ型光ファイバ心線の幅方向における大きさを、前記テープ型光ファイバ心線の単心線の直径と同等としたことを特徴とする。
【0058】
上記課題を解決する本発明に係る心線対照用光信号受光装置は、前記貫通孔の、前記テープ型光ファイバ心線の長さ方向における大きさを、前記テープ型光ファイバ心線の長さ方向における前記受光素子の大きさと同等としたことを特徴とする。
【0059】
上記課題を解決する本発明に係る心線対照用光信号受光装置の使用方法は、テープ型光ファイバ心線のいずれか一方の側端部の単心線に光信号を入射して、前記テープ型光ファイバ心線の幅方向を任意の方向にして、前記テープ型光ファイバ心線を、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の心線対照用光信号受光装置に保持し、前記テープ型光ファイバ心線から放射される前記光信号の第1の強度を測定して、前記テープ型光ファイバ心線の幅方向を前記任意の方向と逆の方向にして、前記テープ型光ファイバ心線を、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の心線対照用光信号受光装置に保持し、前記テープ型光ファイバ心線から放射される前記光信号の第2の強度を測定して、前記第1の強度と前記第2の強度を比較して、前記第1の強度が前記第2の強度より大きい場合には、前記第1の強度を測定する手順にて前記テープ型光ファイバ心線の幅方向を前記任意の方向に保持したときにおける側端部の単心線に光信号が入射されていると決定して、前記テープ型光ファイバ心線の対照を行うことを特徴とする。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0061】
図1は、本発明に係る実施形態の一例を示す受光装置の概略であり、(a)は受光装置の側面図、(b)は受光装置の上面図、(c)は光ファイバテープ心線と貫通孔の関係を示す概略図である。
図1(a)及び図1(b)は、光ファイバテープ心線を挟持しない状態の受光装置の全体構成を示しており、図1(c)は、光ファイバテープ心線と貫通孔の関係を示すため、グリップ側から見た図を示した。
【0062】
本発明に係る受光装置11は、図6に示した受光装置21と略同等の構成である。しかしながら、貫通孔18の大きさ、配置を工夫することで、アタッチメント部材29(図6参照)を不要とし、簡単な構成にて光ファイバテープ心線の単心線の特定を可能にし、トレーサ心線の確認を光学特性的にできるようにした。この受光装置11について、まず、主な構成を説明し、更に、細部の構成及び機能を説明する。
【0063】
図1(a)、図1(b)に示すように、受光装置11は、主な構成として、湾曲面を有する挟持凹部12と、挟持凹部12の湾曲面に嵌合する湾曲面を有し、挟持凹部12の湾曲面に対向する位置に配置され、挟持凹部12側へ移動することで、光ファイバテープ心線を挟持凹部12との間で圧接して挟持する挟持凸部13と、光ファイバテープ心線を挟持する際に作業者が握るグリップ14と、光ファイバテープ心線を挟持する際に作業者が手前(グリップ14側)に引くトリガ15と、トリガ15を引くことにより挟持凸部13を挟持凹部12側へスライドさせるスライド機構16と、グリップ14に内蔵された受光素子17とを有している。上記挟持凹部12、挟持凸部13が、光ファイバテープ心線を湾曲させて保持する保持部材となる。光受光素子17は、光ファイバテープ心線の湾曲された部分から放射される放射対照光を検出するものであり、例えば、GeフォトダイオードやInGaAsフォトダイオード等が使用される。
【0064】
上記挟持凹部12は、受光装置11の本体をなす部分である。具体的には、挟持凹部12は、所定の曲率半径(第1の曲率半径)を有する凹んだ湾曲面である凹部12aと、凹部12aと一連の湾曲面を形成するように凹部12aの両端に配置され、所定の曲率半径(第2の曲率半径)を有する突き出た湾曲面である側凸部12b及び側凸部12cとを有している。挟持凹部2は、凹部12aと、その両端に配置される側凸部12b、側凸部12cとにより、凹部12aの中央(底部)を中心とする線対称断面の1つの湾曲面を有する(図1(b)参照)。
【0065】
又、挟持凹部12の湾曲面には、光ファイバテープ心線を適切に挟持するため、光ファイバテープ心線が収まる形状(例えば、矩形状)の溝部12dが設けられており、挟持凹部12の湾曲面の長手方向(側凸部12bから凹部12aを経て側凸部12cへの方向)に沿って形成されている(図1(a)、図1(b)参照)。なお、溝部12dの幅は、収める光ファイバテープ心線の心線数によって異なり、例えば、4心の光ファイバテープ心線を用いる場合、4心の光ファイバテープ心線が溝部12dに収まるような幅に形成する。
【0066】
又、挟持凹部12には、グリップ14に内蔵された受光素子17から凹部12aの中央(底部)の湾曲面までつながる貫通孔18が設けられている(図1(a)、図1(b)参照)。詳細は後述するが、貫通孔18は、光ファイバ心線からの放射対照光を受光素子17へ導くように形成され、更に、貫通孔18の大きさ、配置により、光ファイバテープ心線の単心線の特定ができるように設けられている。
【0067】
上記挟持凸部13は、挟持凹部12の湾曲面に対向するように、受光装置11の本体部分に設けられている。具体的には、挟持凸部13は、所定の曲率半径(第1の曲率半径)を有する突き出た湾曲面である凸部13aと、凸部13aと一連の湾曲面を形成するように、凸部13aの両端に配置され、所定の曲率半径(第2の曲率半径)を有する凹んだ湾曲面である側凹部13b及び側凹部13cとを有している。挟持凸部13は、凸部13aと、その両端に配置される側凹部13b、側凹部13cとにより、凸部13aの中央(底部)を中心とする線対称断面の1つの湾曲面を有する(図1(a)、図1(b)参照)。
【0068】
又、挟持凸部13の湾曲面にも、挟持凹部12と同様に、光ファイバテープ心線を適切に挟持するため、光ファイバテープ心線が収まる形状(例えば、矩形状)の溝部13dが設けられており、挟持凸部13の湾曲面の長手方向(側凹部13bから凸部13aを経て側凹部13cへの方向)に沿って形成されている(図1(a)、図1(b)参照)。なお、溝部13dの幅は、収める光ファイバテープ心線の心線数によって異なり、例えば、4心の光ファイバテープ心線を用いる場合、4心の光ファイバテープ心線が溝部13dに収まるような幅に形成する。
【0069】
上記挟持凹部12及び上記挟持凸部13において、挟持凹部12の凹部12aと挟持凸部13の凸部13aの湾曲面の曲率半径は等しく、挟持凹部12の側凸部12b、側凸部12cと挟持凸部13の側凹部13b、側凹部13cの湾曲面の曲率半径は等しいため、挟持凹部12、挟持凸部13は、互いに嵌合する湾曲面を有することとなる(図1(b)参照)。挟持凸部13の凸部13aの中央(頂部)が、挟持凹部12の凹部12aの中央(底部)に相対するように配置されており、挟持凹部12側であるグリップ14に設けられた受光素子17から見た場合、貫通孔18を通して、挟持凹部12の凹部12aの中央(底部)から、挟持凸部13の凸部13aの中央(頂部)を臨む配置になる。
【0070】
上記スライド機構16は、挟持凹部12と挟持凸部13との間に設けられており(図1(b)参照)、作業者がグリップ14を握り、トリガ15を手前(グリップ14側)に引くと、トリガ15の動きに連動して、挟持凸部13が、挟持凹部12に向かって移動され、互いに嵌合する状態となる。
【0071】
挟持凹部12及び挟持凸部13は、挟持凹部12の凹部12aの湾曲面の中央(底部)の法線と、挟持凸部13の凸部13aの中央(頂点)の湾曲面の法線が一致するように配置されている。更に、スライド機構16による挟持凸部13の移動方向も、これらの湾曲面の法線と平行であるため、スライド機構16により、挟持凸部13が挟持凹部12側へ移動すると、溝部12d、13dを除く互いの湾曲面が、全面で接することとなる。
【0072】
挟持凹部12、挟持凸部13、スライド機構16を用いることにより、互いの湾曲面の溝部12d、13dに設置された光ファイバテープ心線を、互いに対向する挟持凹部12と挟持凸部13の湾曲面の間に圧接することができ、光ファイバテープ心線に所定の線対称の湾曲(曲げ)を与えて挟持することとなる。従って、光ファイバテープ心線が湾曲されることで、湾曲された光ファイバテープ心線の頂部、つまり、挟持凹部12の凹部12aの中央(底部)と挟持凸部13の凸部13aの中央(頂部)に挟まれた光ファイバテープ心線部分にて、対照光が外部へ放射されることとなる。この放射対照光は、貫通孔18を通過して、受光素子17側へ入射される。なお、光ファイバテープ心線の湾曲の大きさを変えることで、放射対照光の大きさを変えることができる。
【0073】
本発明に係る受光装置11では、光ファイバテープ心線1を挟持する時、光ファイバテープ心線1の1番上の単心線が、最若番心線11(4心テープ心線ならば1番心線)であり、光ファイバテープ心線1の1番下の単心線が、最老番心線1n(4心テープ心線ならば4番心線)であることは、必ずしも必要ではない。
【0074】
受光装置11では、光ファイバテープ心線からの放射対照光が、どの単心線から放射されたものであるかを特定する必要がある。そのため、受光装置11では、挟持凹部12の内部に設けた貫通孔18を、適切な大きさに設け、適切な位置に配置することで、特定位置の単心線からの放射対照光を貫通孔18に通過させて、光ファイバテープ心線の単心線の特定を可能にし、トレーサ心線の確認を光学特性的にできるようにした。
【0075】
具体的には、図1に示すように、受光装置11では、挟持される光ファイバテープ心線の長さ方向における貫通孔18の大きさ(幅)を、挟持される光ファイバテープ心線の長さ方向における受光素子40の大きさ(幅)と同等とし、挟持される光ファイバテープ心線の幅方向における貫通孔18の大きさ(高さ)を、光ファイバテープ心線1を構成する個々の単心線の直径と同等とした。
【0076】
又、挟持される光ファイバテープ心線の幅方向における貫通孔18の配置位置を、挟持される光ファイバテープ心線1のいずれかの一方の側端部の単心線の位置、即ち、光ファイバテープ心線1の1番上となる単心線(例えば、4心のテープ心線ならば1番心線:最若番心線11)、又は光ファイバテープ心線1の1番下となる単心線(例えば、4心のテープ心線ならば4番心線:最老番心線1n)のいずれかの位置に対応して開口した。図1に示す受光装置11では、挟持される光ファイバテープ心線1の1番上となる最若番心線側11側の対応する位置に貫通孔18を配置した。
【0077】
上記構成の貫通孔18により、受光素子17から貫通孔18を通して、光ファイバテープ心線の1番上の単心線を臨むことができる。つまり、光ファイバテープ心線1の1番上に配置された単心線からの放射対照光を、貫通孔18で受光素子17へ導き、その強度を受光素子17で検出することができる。
【0078】
従って、上記構成の受光装置11では、従来の受光装置21と比較して、可動部となるアタッチメント部材29(図6参照)が不要であるため、簡素な構造とすることができ、小型化することもでき、それにともない受光装置11のコストを削減することもできる。又、可動部が減ることにより操作手順が単純になり、作業性が向上し、更に、可動部がすり減ることで起こる弊害もないため、放射対照光の強度の測定を長期的に安定して行うことができる。
【0079】
なお、本発明は、図に示す形状のみに限定されるものではなく、同等の機能を有するのであれば、他の形状でもよい。例えば、光ファイバテープ心線1に湾曲(曲げ)を与える保持部材としては、光ファイバテープ心線1を挟持して所定の湾曲を与えることができるものであれば、図1に示した構成のもの(受光装置11で用いた挟持凹部12、挟持凸部13)に限定されるものではない。又、光ファイバテープ心線1からの放射対照光を特定する手段としては、光ファイバテープ心線1の特定の位置からの放射対照光を受光素子17へ適切に導くものであれば、図1に示した貫通孔18の構成に限定されるものではない。例えば、できるだけ多くの放射対照光を受光素子17に導くため、貫通孔18の内壁を鏡面に加工したり、貫通孔18内に光の導波路となる材料を充填したりして、放射対照光の乱反射を抑えるようにしてもよい。
【0080】
上記受光装置11を用い、光ファイバテープ心線を挟持することで、光ファイバテープ心線1のトレーサ心線の判定が可能となる。この使用状況を、図2、3に示す。
【0081】
図2は、本発明に係る実施形態の一例である受光装置の使用状況を示す概略であり、(a)は受光装置の上面図、(b)は光ファイバテープ心線と貫通孔との関係を示す概略図である。
又、図3は、本発明に係る実施形態の一例である受光装置の他の使用状況を示す概略であり、(a)は受光装置の上面図、(b)は光ファイバテープ心線と貫通孔との関係を示す概略図である。
【0082】
図2(a)、図3(a)において、光ファイバテープ心線1に対する光源装置2、入力装置3の構成は、図4に示すものと同等である。つまり、心線対照を行う光ファイバテープ心線1の一方側に、心線対照に用いる光信号を発生する光源装置2を設置し、同じく光ファイバテープ心線1の一方側に設置した入射装置3を介して、光源装置2からの対照光4を光ファイバテープ心線1に入射する。更に、光ファイバテープ心線1の他方側に、本発明に係る受光装置11を設置する。
【0083】
図2(a)では、単心線の被覆色から判断した光ファイバテープ心線1の最若番心線11側(4心テープ心線ならば1番心線)を上側にして、受光装置11で光ファイバテープ心線1を挟持して、放射対照光の強度を測定している状態を示した。図2(b)では、グリップ14側から、光ファイバテープ心線1方向を見たときの、光ファイバテープ心線1、貫通孔18の配置関係を示した。つまり、上記状態において、受光素子17が、貫通孔18(貫通孔の断面の投影18a参照)を通して、1番上に配置した光ファイバテープ心線1の単心線である最若番心線11を臨むことのできる状態である。
【0084】
図3(a)では、単心線の被覆色から判断した光ファイバテープ心線1の最老番心線1n側(4心テープ心線ならば4番心線)を上側にして、受光装置11で光ファイバテープ心線1を挟持して、放射対照光の強度を測定している状態を示した。図3(b)では、グリップ14側から、光ファイバテープ心線1方向を見たときの、光ファイバテープ心線1、貫通孔18の配置関係を示した。つまり、上記状態において、受光素子17が、貫通孔18(貫通孔の断面の投影18a参照)を通して、1番上に配置した光ファイバテープ心線1の単心線である最若番心線1nを臨むことのできる状態である。
【0085】
図2、図3を用いて、本発明に係る受光装置11の使用方法となる作業手順を説明する。なお、本発明に係る受光装置11では、挟持される光ファイバテープ心線1の一番上の単心線(4心テープ心線ならば1番心線:最若番心線側11)に対応する位置に貫通孔18が設けられている。
【0086】
光ファイバテープ心線の特定を行う場合、ビル内で光源装置2を操作する作業者Aと、ビル外で受光装置11を操作する作業者Bは互いに連携をとりながら、以下の手順により作業を実施する。
【0087】
(作業ステップ1)
作業者Aは、光ファイバテープ心線1の被覆色を目視確認して、光ファイバテープ心線1の両側端部のいずれかの単心線である最若番心線11に対照光を入射し、作業者Bに次作業に移行するよう連絡する。
【0088】
(作業ステップ2)
作業者Bは、作業者Aの連絡を受け、光ファイバテープ心線1の被覆色を目視確認して、光ファイバテープ心線1の幅方向の任意の方向、具体的には、光ファイバテープ心線1の一方の側端部の単心線である最若番心線11を上側に配置して、光ファイバテープ心線1を受光装置11で挟持し、放射対照光の強度を測定する。このときの放射対照光の強度(第1の強度)の測定値をP1とする(図2参照)。
【0089】
(作業ステップ3)
作業者Bは、光ファイバテープ心線1の被覆色を目視確認して、作業ステップ2での任意の方向の逆の方向、具体的には、光ファイバテープ心線1の他方の側端部の単心線である最老番心線1nを上側に配置して、光ファイバテープ心線1を受光装置11で挟持し、放射対照光の強度を測定する。このときの放射対照光の強度(第2の強度)の測定値をP2とする(図3参照)。
【0090】
(作業ステップ4)
作業者Bは、放射対照光の強度の測定値P1とP2を比較し、その差分を計算して、P1がP2より大きければ、“光ファイバテープ心線1の最若番心線11に対照光が入射されている”と判断し、トレーサ心線は光ファイバテープ心線1の最若番心線11と決定する。
逆に、P2がP1より大きければ、“光ファイバテープ心線1の最老番心線1nに対照光が入射されている”と判断し、トレーサ心線は光ファイバテープ心線1の最老番心線1nと決定する。
【0091】
(作業ステップ5)
作業者Bは、作業者Aにトレーサ心線の判定作業が完了したことを連絡し、光ファイバテープ心線1の接続作業に移行する。
【0092】
作業ステップ4の差分の計算結果において、P1がP2より大きい、つまり“光ファイバテープ心線1の最若番心線11に対照光が入射されている”状態であれば、被覆色により最若番心線11と想定した光ファイバテープ心線1の1番上の単心線が、光学的特性の測定結果からも最若番心線11(4心テープ心線ならば1番心線)となり、過去の接続工事において、テレコ状態がなく、正常な接続が行われていると判断できる。
【0093】
しかし逆に、作業ステップ4の差分の計算結果において、P2がP1より大きい、つまり“光ファイバテープ心線1の最老番心線1nに対照光が入射されている”状態であれば、被覆色により最老番心線1nと想定した光ファイバ光ファイバテープ心線1の1番下の単心線が、最若番心線11(4心テープ心線ならば1番心線)となり、過去の接続工事において、テレコ接続が行われ放置されているということが判断できる。
【0098】
[発明の効果]
請求項に係る発明によれば、テープ型光ファイバ心線のいずれか一方の側端部の単心線に光信号を入射して、前記テープ型光ファイバ心線の幅方向を任意の方向にして、前記テープ型光ファイバ心線を、
凹型部材と凸型部材からなる保持部材と、前記テープ型光ファイバ心線の湾曲させた部分から放射される放射光を検出する受光素子と、前記放射光を前記受光素子へ導くべく前記保持部材で形成され、前記テープ型光ファイバ心線のいずれか一方の側端部の単心線の位置に対応して開口し、かつ、前記受光素子につながる貫通孔とを備えた心線対照用光信号受光装置に保持し、前記テープ型光ファイバ心線から放射される前記光信号の第1の強度を測定して、前記テープ型光ファイバ心線の幅方向を前記任意の方向と逆の方向にして、前記テープ型光ファイバ心線を、前記心線対照用光信号受光装置に保持し、前記テープ型光ファイバ心線から放射される前記光信号の第2の強度を測定して、前記第1の強度と前記第2の強度を比較して、前記テープ型光ファイバ心線の対照を行うので、光ファイバ通信網の建設や保守にあたり、心線対照の原理を活かし、光ファイバテープ心線を切断することなく、光ファイバテープ心線の最若番心線から最老番心線への心線順序の確認が確実に実施でき、テレコ接続を防止できるほか、接続までの断線時間を短縮することができる。
又、過去の施工ミスに起因するテレコ接続の発見・修正も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の一例を示す心線対照用光信号受光装置の概略であり、(a)は受光装置の側面図、(b)は受光装置の上面図、(c)は光ファイバテープ心線と貫通孔との関係を示す概略図である。
【図2】本発明に係る実施形態の一例である心線対照用光信号受光装置の使用状況を示す概略であり、(a)は受光装置の上面図、(b)は光ファイバテープ心線と貫通孔との関係を示す概略図である。
【図3】本発明に係る実施形態の一例である心線対照用光信号受光装置の他の使用状況を示す概略であり、(a)は受光装置の上面図、(b)は光ファイバテープ心線と貫通孔との関係を示す概略図である。
【図4】心線対照方法の一例を示す概略図である。
【図5】光ファイバテープ心線に曲げを与える湾曲機構を示す概略図である。
【図6】従来の心線対照用光信号受光装置の構成を示す概略図であり、(a)は受光装置の側面図、(b)は受光装置の上面図、(c)は受光装置に付加したアタッチメント部材の正面図である。
【図7】従来の心線対照用光信号受光装置の使用状況を示す概略であり、(a)は受光装置の上面図、(b)は光ファイバテープ心線とアタッチメント部材との関係を示す概略図である。
【図8】従来の心線対照用光信号受光装置の他の使用状況を示す概略であり、(a)は受光装置の上面図、(b)は光ファイバテープ心線とアタッチメント部材との関係を示す概略図である。
【符号の説明】
1 光ファイバテープ心線
1 最若番心線(n心の光ファイバテープ心線において、被覆色から決定した1番目の単心線)
n 最老番心線(n心の光ファイバテープ心線において、被覆色から決定したn番目の単心線、例えば、4心テープ心線ならば4番心線、8心テープ心線ならば8番心線)
2 光源装置(心線対照用光信号光源装置)
3 入射装置(心線対照用光信号入射装置)
5 対照光(心線対照用光信号)
11 受光装置(心線対照用光信号受光装置)
12 挟持凹部
12a 凹部
12b 側凸部
12c 側凸部
12d 溝部
13 挟持凸部
13a 凸部
13b 側凹部
13c 側凹部
13d 溝部
14 グリップ
15 トリガ
16 スライド機構
17 受光素子(心線対照用光信号受光素子)
18 貫通孔
18a 貫通孔断面の投影

Claims (1)

  1. テープ型光ファイバ心線を湾曲させて保持し、凹型部材と凸型部材からなる保持部材と、前記テープ型光ファイバ心線の湾曲させた部分から放射される放射光を検出する受光素子と、前記放射光を前記受光素子へ導くべく前記保持部材で形成され、前記テープ型光ファイバ心線のいずれか一方の側部の単心線の位置に対応して開口し、かつ、前記受光素子につながる貫通孔とを備えた心線対照用光信号受光装置の使用方法であって、
    テープ型光ファイバ心線のいずれか一方の側端部の単心線に光信号を入射して、
    前記テープ型光ファイバ心線の幅方向を任意の方向にして、前記テープ型光ファイバ心線を、
    心線対照用光信号受光装置に保持し、
    前記テープ型光ファイバ心線から放射される前記光信号の第1の強度を測定して、
    前記テープ型光ファイバ心線の幅方向を前記任意の方向と逆の方向にして、前記テープ型光ファイバ心線を、前記心線対照用光信号受光装置に保持し、
    前記テープ型光ファイバ心線から放射される前記光信号の第2の強度を測定して、
    前記第1の強度と前記第2の強度を比較して、
    前記第1の強度が前記第2の強度より大きい場合には、前記第1の強度を測定する手順にて前記テープ型光ファイバ心線の幅方向を前記任意の方向に保持したときにおける側端部の単心線に光信号が入射されていると決定して、前記テープ型光ファイバ心線の対照を行うことを特徴とする心線対照光信号受光装置の使用方法。
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