JP3969566B2 - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気が抜けてもしばらく走ることのできるランフラットタイヤに関し、特にサイド補強タイプのランフラットタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
ランフラットタイヤは、タイヤがパンクした場合やその他の原因でタイヤ内の空気圧が不十分か又はほとんどゼロとなった場合にも、最寄りのサービス施設に到達するまでの間、車両の荷重に耐えることのできる耐久性を備えたタイヤである。このようなランフラットタイヤについては、種々の構造のものが提案されているが、カーカス層のタイヤ内面側に断面が略三日月状で高硬度のゴムからなるサイド補強ゴムパッドを設けて、サイドウォールを補強したいわゆるサイド補強タイプと呼ばれるものが、特に小型タイヤでは主流となりつつある。
【0003】
しかし、サイド補強ゴムパッドが高硬度であるため、通常走行時において一般的に乗り心地性が不十分となり易い。このため、乗り心地性などを改良すべく、ゴムパッドの一部に低硬度のゴムを用いる技術も幾つか提案されている。例えば、特開昭62−279107号公報には、サイド補強ゴムパッドの一部(断面積で50%以下)にショアA硬度55〜70°のゴムを配設して、通常走行時の乗り心地性を維持しつつランフラット走行時の耐久性を改善する技術が提案されている。
【0004】
また、特開平1−278806号公報には、サイド補強ゴムパッドの両表面部分(内側層/中間層/外側層の厚み比率は、0.1〜0.2/1/0.1〜0.4)にショアA硬度50〜70°のゴムを配設して、通常走行時の乗り心地性を維持しつつランフラット走行時の耐久性を改善する技術が提案されている。更に、特開2000−351307号公報には、同様の低硬度ゴムをサイド補強ゴムパッドのタイヤ内周側(全長さの0.15〜0.30倍)に配設して、特にランフラット走行時の耐久性を改善する技術が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のランフラットタイヤでは、何れも低硬度ゴムの使用量が少ないため、ランフラット走行時の耐久性の改善効果が小さく、通常走行時の乗り心地性や転がり抵抗指数の改善効果も殆ど得られなかった。
【0006】
一方、現在まで、ランフラットタイヤでは、上記従来技術のように、高硬度ゴムをサイド補強ゴムパッドの全体又は略全体に使用するのが一般的であり、高硬度ゴムの硬度を低下させたり、低硬度ゴムの使用量が多くなると、ランフラット走行時の耐久性が低下し、走行性が損なわれる(撓み量の増加)と考えられていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ランフラット走行時の走行性をある程度維持しながら、耐久性の改善効果が大きく、しかも通常走行時の乗り心地性や転がり抵抗指数の改善効果も得られるランフラットタイヤを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ゴムが非圧縮性を有することに着目して、従来の常識に反して低硬度ゴムをサイド補強ゴムパッドの一部に使用することにより、意外なことに、ランフラット走行時の走行性をある程度維持しながら、耐久性の改善効果を増大できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明のランフラットタイヤは、ビード部の周辺で折り返されたカーカス層のタイヤ内面側に、タイヤ軸を含む断面にて略三日月状をなしサイドウォールを補強するためのサイド補強ゴムパッドを備え、リムライン位置でのタイヤ厚みに対して、タイヤ最大幅でのタイヤ厚みが60〜140%のランフラットタイヤにおいて、前記サイド補強ゴムパッドは、前記断面での断面積のうち82〜95%を、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)による硬さ(HS)が65〜35°の低硬度ゴムが占め、前記断面での断面積のうち5〜18%を、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)による硬さ(HS)が70〜95°の高硬度ゴムが占めると共に、その高硬度ゴムがタイヤ外面側の表面に少なくとも配置されており、かつ、前記サイド補強ゴムパッドは低硬度ゴム及び高硬度ゴムのみからなるものであることを特徴とする。本発明において、リムライン位置でのタイヤ厚みとは、規格リムに装着した際にリムフランジとタイヤが接する部分の最外周位置での、タイヤ軸に平行方向のタイヤ厚みを指し(図1のW1)、タイヤ最大幅でのタイヤ厚みとは、カーカスラインが最大幅となる位置(プロテクターゴムによる膨出部はタイヤ最大幅としない)でのタイヤ軸に平行方向のタイヤ厚みを指す(図1のW2)。
【0010】
上記において、前記サイド補強ゴムパッドは、前記断面での断面積のうち5〜18%を、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)による硬さ(HS)が70〜95°の高硬度ゴムが占めると共に、その高硬度ゴムがタイヤ外面側の表面に少なくとも配置されている。
【0011】
あるいは、前記サイド補強ゴムパッドは、前記断面での断面積のうち5〜18%を、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)による硬さ(HS)が70〜95°の高硬度ゴムが占めると共に、その高硬度ゴムがタイヤ内面側の表面に少なくとも配置されている。
【0012】
更に、前記低硬度ゴムの硬さ(HS)が60〜45°であることが好ましい。なお、本発明における硬さ等の物性は、具体的には実施例の記載に基づいて測定される値を基準とする。
【0013】
[作用効果]
本発明のランフラットタイヤによると、タイヤ最大幅でのタイヤ厚みが60〜140%のランフラットタイヤにおいて、前記サイド補強ゴムパッドは、前記断面での断面積のうち82〜95%を、硬さ(HS)が65〜35°の低硬度ゴムが占め、前記断面での断面積のうち5〜18%を、硬さ(HS)が70〜95°の高硬度ゴムが占めるため、実施例の結果が示すように、ランフラット走行時の走行性を維持しながら、耐久性の改善効果が大きく、しかも通常走行時の乗り心地性や転がり抵抗指数の改善効果も得られるようになる。つまり、低硬度ゴムが占める割合が従来よりかなり大きいため、ランフラット走行時の撓み量が大きく耐久性も低下することが懸念されたが、実際のテストでは撓み量も許容範囲内であり、逆に耐久性の改善効果が大きいことが判明した。
【0014】
前記サイド補強ゴムパッドは、前記断面での断面積のうち5〜18%を硬さ(HS)が70〜95°の高硬度ゴムが占めると共に、その高硬度ゴムがタイヤ外面側の表面に少なくとも配置されている場合、サイド補強ゴムパッドを低硬度ゴムで構成すると、タイヤ外側のカーカス層のランフラット走行時の歪みが大きくなり、故障が発生し易くなるところ、カーカス層と低硬度ゴムとの間に高硬度ゴムが介在するため、その部分で応力集中を生じにくくして、耐久性をより高めることができる。しかも、同時に乗り心地性の低下を十分抑えることができる。
【0015】
また、前記サイド補強ゴムパッドは、前記断面での断面積のうち5〜18%を、硬さ(HS)が70〜95°の高硬度ゴムが占めると共に、その高硬度ゴムがタイヤ内面側の表面に少なくとも配置されている場合、低硬度ゴムがカーカス層と高硬度ゴムとの間に挟まれる状態で配置されるため、低硬度ゴムが厚み方向に逃げにくくなり(非圧縮性による効果が高まり)、ランフラット走行時のサイド補強ゴムパッド全体の撓み量をより小さくすることができる。このため、サイド補強ゴムパッドを低硬度ゴムで構成すると、タイヤ内側のインナーライナーのランフラット走行時の歪みが大きくなり、故障が発生し易くなるところ、乗り心地性の低下を抑えつつ、ランフラット走行時の走行性の維持や耐久性の改善により有利になる。
【0016】
以上の如き作用効果は、前記低硬度ゴムの硬さ(HS)が60〜45°である場合に特に顕著になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1には、中小型乗用車用のランフラットタイヤの構造を、タイヤ軸を含む断面で切断した部分縦断面図で示す。以下の説明において、タイヤ半径方向トレッド側を上とし、タイヤ外面側を外側、タイヤ内面側を内側とする。
【0018】
図1に示すように、カーカス層1の両端部は、ビード部7において、ビードコア71とその上のビードフィラー72の周りに内側から外側へと巻き上げられる。カーカス層1の巻き上げ端11は、ほぼトレッド部の幅TWの全体にわたって配されたベルト層4の端部に達している。したがって、カーカス層1が外側に巻き上げられてなる巻き上げ部分13は、ビード部7以外において、左右のビード部7間を結ぶカーカス層1の本体部分12の外面に重ね合わされている。なお、図示の例では、カーカス層1が1プライである。
【0019】
カーカス層1の内側には、ランフラット時にリムフランジの上端と接するリムライン64の近傍からベルト層4の端部に至る領域にわたって、サイド補強ゴムパッド2が配される。サイド補強ゴムパッド2は、サイドウォールSWを補強するために、タイヤ軸を含む断面にて略三日月状をなす。
【0020】
サイド補強ゴムパッド2は、前記断面での断面積のうち82〜95%を、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)による硬さ(HS)が65〜35°の低硬度ゴムが占めている。好ましくは、低硬度ゴムの硬さ(HS)が60〜45°の場合である。硬さ(HS)が35°未満では、ランフラット走行時の耐久性が逆に低下し、撓み量の増大により走行性も悪化する。硬さ(HS)が65°を超えると、ランフラット走行時の耐久性の改善効果が得られず、通常走行時の乗り心地性や転がり抵抗指数の改善効果も得られない。
【0021】
低硬度ゴムは、一般に硬度が低くなるほど、動的特性試験による損失正接(tanδ)が小さくなり、ランフラット走行時の発熱性が小さくなる。この発熱性と撓み量との関係によって、実際の発熱量や耐久性が決まるという傾向があり、このため低硬度ゴムの硬さ(HS)の下限が上記のように決定される。但し、より確実にランフラット走行時の耐久性を高める上で、低硬度ゴムのtanδ値は、実施例に示す測定条件で、0.08〜0.20が好ましく、0.08〜0.12がより好ましい。このような低いtanδ値は、通常走行時の転がり抵抗を小さくする効果も有している。
【0022】
低硬度ゴムの配合は、上記の物性を有するものであれば何れでもよいが、ブタジエンゴムがゴム成分中に10〜50重量%含まれるものが好ましい。また、レゾルシンまたはその誘導体、および、ヘキサメチレンテトラミンまたはメラミン誘導体が含まれるものを使用してもよい。これらの成分又はカーボンブラックの添加量を調整することで、低硬度ゴムの硬さやtanδ値を調節することができる。また、発泡により低硬度ゴムを得ることも可能であるが、非圧縮性が損なわれ易いため、本発明では非発泡の低硬度ゴムを使用するのが好ましい。
【0023】
このようにブタジエンゴムがゴム成分中に適量含まれることにより、耐疲労性を向上させることができる。ブタジエンゴム(BR)として特に好ましいものは、高シス含量ブタジエンゴム(High-cis BR )または、VCR(Vinyl Cis-polybutadiene Rubber、高結晶性のシンジオタクチック1,2-ポリブタジエンからなる繊維状物で補強した1,4-ポリブタジエンゴム)が挙げられる。ゴム成分中に含まれる他のゴムの好ましいものとしては、天然ゴム、S−SBR(溶液重合SBR)が挙げられる。天然ゴムは、一般に動的特性及び耐疲労性において優れる。
【0024】
また、低硬度ゴムは、断面積のうち82〜95%を占め、高硬度ゴムは、断面積のうち5〜18%を占める。その際、高硬度ゴムは、タイヤ外面側の表面、もしくはタイヤ内面側の表面、又はそれらの両表面に配置されている。なお、高硬度ゴムの好ましい硬さ(HS)は、80〜90°である。
【0025】
本実施形態では、タイヤ外面側の表面のみに高硬度ゴムが配置されている例を示す。つまり、サイド補強ゴムパッド2は、高硬度ゴムからなる外側の薄いゴムパッド21と、低硬度ゴムからなる内側の厚みの大きいゴムパッド22とからなる。内側のゴムパッド22は、略三日月状であると共に、外側のゴムパッド21はシート状であり、外側のゴムパッド21はゴムパッド22のタイヤ外面側の表面を覆うように配設されている。外側のゴムパッド21の厚みは、0.5〜1.5mmが好ましい。
【0026】
なお、高硬度ゴムの配合は、従来のサイド補強ゴムパッドに使用されるものでもよいが、ブタジエンゴムがゴム成分中に10〜50重量%含まれるものが好ましい。また、レゾルシンまたはその誘導体、および、ヘキサメチレンテトラミンまたはメラミン誘導体が含まれるものが更に好ましい。
【0027】
本発明のランフラットタイヤは、上記のようなサイド補強ゴムパッド2を配設することによって、リムライン位置でのタイヤ厚みW1に対して、タイヤ最大幅でのタイヤ厚みW2が、100×W2/W1=60〜140%となる。低硬度ゴムの効果を好適に得る上で、好ましくは100×W2/W1が100〜140%である。
【0028】
以上に説明した他は、中小型乗用車用の一般タイヤと何ら変わるところはない。図に示すように、トレッド部、サイドウォール部、及びビード部7の外面には、それぞれ、トレッドゴム61、サイドゴム62及びプロテクターゴム63が配される。
【0029】
[他の実施形態]
以下、本発明の他の実施形態について説明する。
【0030】
(1)前述の実施形態では、サイド補強ゴムパッドのタイヤ外面側の表面のみに高硬度ゴムが配置されている例を示したが、高硬度ゴムを使用することなく、サイド補強ゴムパッドの全てを低硬度ゴムで構成したものを参考形態として挙げることができる。また、サイド補強ゴムパッドのタイヤ内面側の表面のみに高硬度ゴムを配置してもよく、図2に示すようにサイド補強ゴムパッド2のタイヤ内面側とタイヤ外面側の両表面に高硬度ゴムを配置してもよい。つまり高硬度ゴムからなる外側と内側の薄いゴムパッド21,23が設けられる。
【0031】
サイド補強ゴムパッドのタイヤ内面側に配置される高硬度ゴムとしては、前述したタイヤ外面側と同様のものが使用でき、シート状のものが好ましい。但し、タイヤ内面側に配置される高硬度ゴムの厚みとしては、0.5〜1.5mmが好ましい。また、その硬さ(HS)は80〜85°が好ましい。
【0032】
両表面に高硬度ゴムを配置される場合、低硬度ゴムが高硬度ゴムに略完全に被覆されていることが、非圧縮性による効果を発現する上で好ましい。
【0033】
(2)前述の実施形態では、サイド補強ゴムパッドに対して補強繊維層を設けない例を示したが、図3に示すように、低硬度ゴムからなるサイド補強ゴムパッド22を複数に分割して、その間に補強繊維層3を配置したものを参考形態として挙げることができる。この場合、各々のゴムパッド22a,22bを構成する低硬度ゴムは、同一材料でも異なる材料でもよい。以下、この例について説明する。
【0034】
補強繊維層3の位置は、タイヤ内面に近づくほど圧縮を受け、耐久力の低下につながるが、タイヤ外側に近づけば包み込むパッドゴム量が小さくなり、包み込みによる剛性アップが望めない。従って、外側のゴムパッド22aに対する内側のゴムパッド22bの厚みの比は、0.9〜0.5の範囲が好ましい。
【0035】
両側のゴムパッド22a,22bの間には、略ラジアル方向配列の繊維コードから成る補強繊維層3が挟持されている。したがって、外側のゴムパッド22aは、カーカス層1と補強繊維層3によって包み込まれることにより、変形が抑制される。補強繊維層3の上端31は、外側のゴムパッド22aの上端付近でカーカス層1とインナーライナー5に挟まれる。補強繊維層3の下端32は、ほぼ内側のゴムパッド22aの下端付近まで延びており、ビードフィラー72の内側で、カーカス層1と、インナーライナー5またはゴムパッド22bの下端部分とに挟まれている。補強繊維層3は、例えば、すだれ状織物から形成され、繊維コードの配列方向は、タイヤ周方向に対して90〜40°の範囲内が好ましい。
【0036】
(3)前述の実施形態では、カーカス層が1層で形成され、その巻き上げ端がベルト層の端部に達している例を示したが、本発明では、カーカス層を2層以上で構成してもよい。また、カーカス層の巻き上げ端の何れか又は全てを、ベルト層の端部よりタイヤ内周側に配置してもよい。
【0037】
カーカス層を2層以上で構成する場合、タイヤの重量が増大するものの、タイヤの耐荷重性能が向上するため、一般に、比較的大きな荷重がかかるタイヤ、例えば、ミニバンや軽トラックに適している。カーカス層1の各カーカス層を薄く構成する場合には、上記実施例と同様、中小型の一般乗用車に適している。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における物性と評価項目は下記のようにして測定を行った。
【0039】
(1)硬さ(HS)
試作タイヤよりカットサンプルを作り、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)により硬さ(HS)を測定した。
【0040】
(2)tanδ値
試作タイヤの一部(サイズ0.5×5.0×20mm)をサンプルとし、(株)岩本製作所製、粘弾性スペクトロメーターを使用して、測定温度30℃、初期歪み10%、動歪み1%、周波数50Hzで測定した。
【0041】
(3)通常走行時の乗り心地性
空気圧=230KPa、荷重=5739Nでの縦剛性で評価し、比較例1−1、比較例2−1、又は比較例3−1をそれぞれ100として指数表示し、小さい方が乗り心地は良好となる。
【0042】
(4)通常走行時の転がり抵抗指数
空気圧=230KPa、荷重=5739N、速度80km/hでの転がり抵抗を測定し、比較例1−1、比較例2−1、又は比較例3−1をそれぞれ100として指数表示し、小さい方が転がり抵抗は良好となる。
【0043】
(5)ランフラット走行時の撓み指数
空気圧=0KPa、荷重=5739Nでの縦たわみ比率を指数で評価し、比較例1−1、比較例2−1、又は比較例3−1をそれぞれ100として指数表示し、小さい方がランフラット性は良好となる。
【0044】
(6)ランフラット走行時の耐久性
空気圧=0KPa、荷重=5415N、速度80km/hでのドラム試験によって破壊するまでの耐久力を測定し、比較例1−1、比較例2−1、又は比較例3−1をそれぞれ100として指数表示し、大きい方がランフラット性は良好となる。
【0045】
参考例1−1
タイヤの構成は、図1においてサイド補強ゴムパッド2の全体を低硬度ゴムで構成したものである。タイヤサイズは、245/40R18であり、リムライン位置でのタイヤ厚みが13.5mm、タイヤ最大幅でのタイヤ厚みが17.1mmである。サイド補強ゴムパッド2の最大厚みは、10.3mmである。タイヤのカーカス層は、レーヨン1650デニール×2本、打ち込み24本/インチのものである。ベルト層は、スチールの(2+2)×0.25mm、19本/インチのものである。ベルト補強層は、1キャップタイプ、すなわち、6,6−ナイロン840デニール×2本、打ち込み30本/インチのもの1枚である。
【0046】
また、サイド補強ゴムパッド2を構成するゴム材料(低硬度ゴム)は、ゴム成分が、天然ゴム(NR)70重量%、及び、高シス含量ブタジエンゴム(High-cis BR )30重量%からなり、このゴム成分100重量部に対して、カーボンブラック(N550)50重量部、アロマオイル5重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸2重量部、老化防止剤TMQ(住友化学工業「アンチゲンRD」)1.5重量部、イオウ3重量部、及び、加硫促進剤CBS(大内新興化学ノクセラ−CZ−G)1重量部が添加されている。ここで、得られたゴム成形物の硬さ(HS)及びtanδは、それぞれ表1に示すとおりである。この試作タイヤについて、上記の評価試験を行った結果を表1に示す。
【0047】
参考例1−2〜1−3
参考例1−1において、カーボン減量とオイル量増加して調整することによって、低硬度ゴムの硬さ(HS)及びtanδを表1のように変える以外は、参考例1−1と同様にして試作タイヤを作製し、上記の評価試験を行った。その結果を表1に示す。
【0048】
比較例1−1(従来品)
参考例1−1において、カーボン減量とオイル量増加して調整することによって、ゴムの硬さ(HS)及びtanδを表1のような高硬度ゴムに変える以外は、参考例1−1と同様にして試作タイヤを作製し、上記の評価試験を行った。その結果を表1に示す。
【0049】
比較例1−2
参考例1−1において、カーボン減量とオイル量増加して調整することによって、低硬度ゴムの硬さ(HS)及びtanδを表1のように変える以外は、参考例1−1と同様にして試作タイヤを作製し、上記の評価試験を行った。その結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
表1の結果が示すように、サイド補強ゴムパッドの硬度を下げると乗り心地や転がり抵抗が改善される。さらにランフラット性として重要な空気圧ゼロでのたわみ性は硬度低下にともない悪化するが硬度35゜までは実用上許容範囲であり、耐久性はヒステリシス低下にともなう発熱低下とたわみの増加との兼ね合いで、硬度60〜50゜が最良となり、硬度35゜以下では使用に耐えなくなる。
【0051】
実施例2−1
参考例1−1において、高硬度ゴムをタイヤ外面側の表面に配置して図1に示す構造とすること以外は、参考例1−1と同様にして試作タイヤを作製し、上記の評価試験を行った。その結果を表2に示す。なお、高硬度ゴムとしては、比較例1−1で使用したゴム材料からなるシート(厚み1.0mm、断面積の比率15%)を使用し、低硬度ゴムのタイヤ外面側の表面を覆うように配置(全体の厚みと形状は同じ)した。
【0052】
実施例2−2
実施例2−1において、カーボン減量とオイル量増加して調整することによって、低硬度ゴムの硬さ(HS)及びtanδを表2のように変える以外は、実施例2−1と同様にして試作タイヤを作製し、上記の評価試験を行った。その結果を表2に示す。
【0053】
比較例2−1
実施例2−1において、カーボン減量とオイル量増加して調整することによって、ゴムの硬さ(HS)及びtanδを表2のような高硬度ゴムに変える以外は、実施例2−1と同様にして試作タイヤを作製し、上記の評価試験を行った。その結果を表2に示す。
【0054】
比較例2−2
実施例2−2において、高硬度ゴムの使用量を断面積の比率で40%(形状は三日月状)に変える以外は、実施例2−2と同様にして試作タイヤを作製し、上記の評価試験を行った。その結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
表2の結果が示すように、大部分が低硬度ゴムでタイヤ外側面のみ高硬度ゴムにすると、プライひずみ低減による耐久性が若干向上し、他の特性の低下は少ない。硬い部分が大きくなると、性能への効果が少なくなり、工程が複雑になるもののメリットがなくなる。
参考例3−1
参考例1−1において、低硬度ゴムを中央線で2分割してその間に補強繊維層を配置して図3に示す構造とすること以外は、参考例1−1と同様にして試作タイヤを作製し、上記の評価試験を行った。その結果を表3に示す。なお、補強繊維層としては、レーヨン1500デニール×2本、打ち込み24本/インチのもの1枚使用した。
【0056】
参考例3−2
参考例3−1において、カーボン減量とオイル量増加して調整することによって、低硬度ゴムの硬さ(HS)及びtanδを表3のように変える以外は、参考例3−1と同様にして試作タイヤを作製し、上記の評価試験を行った。その結果を表3に示す。
【0057】
比較例3−1
参考例3−1において、カーボン減量とオイル量増加して調整することによって、ゴムの硬さ(HS)及びtanδを表3のような高硬度ゴムに変える以外は、参考例3−1と同様にして試作タイヤを作製し、上記の評価試験を行った。その結果を表3に示す。
【0058】
【表3】
表3の結果が示すように、補強繊維層を追加するとゴムの拘束力が強まる傾向が生じ、ランフラット走行時の撓み指数が若干改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のランフラットタイヤの一例のタイヤ軸を含む断面を示す部分縦断面図
【図2】 本発明のランフラットタイヤの他の例のタイヤ軸を含む断面を示す部分縦断面図
【図3】 本発明の参考形態であるランフラットタイヤのタイヤ軸を含む断面を示す部分縦断面図

Claims (3)

  1. ビード部の周辺で折り返されたカーカス層のタイヤ内面側に、タイヤ軸を含む断面にて略三日月状をなしサイドウォールを補強するためのサイド補強ゴムパッドを備え、リムライン位置でのタイヤ厚みに対して、タイヤ最大幅でのタイヤ厚みが60〜140%のランフラットタイヤにおいて、
    前記サイド補強ゴムパッドは、前記断面での断面積のうち82〜95%を、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)による硬さ(HS)が65〜35°の低硬度ゴムが占め
    前記断面での断面積のうち5〜18%を、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)による硬さ(HS)が70〜95°の高硬度ゴムが占めると共に、その高硬度ゴムがタイヤ外面側の表面に少なくとも配置されており、かつ、
    前記サイド補強ゴムパッドは低硬度ゴム及び高硬度ゴムのみからなるものであることを特徴とするランフラットタイヤ。
  2. ビード部の周辺で折り返されたカーカス層のタイヤ内面側に、タイヤ軸を含む断面にて略三日月状をなしサイドウォールを補強するためのサイド補強ゴムパッドを備え、リムライン位置でのタイヤ厚みに対して、タイヤ最大幅でのタイヤ厚みが60〜140%のランフラットタイヤにおいて、
    前記サイド補強ゴムパッドは、前記断面での断面積のうち82〜95%を、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)による硬さ(HS)が65〜35°の低硬度ゴムが占め、
    前記断面での断面積のうち5〜18%を、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)による硬さ(HS)が70〜95°の高硬度ゴムが占めると共に、その高硬度ゴムがタイヤ内面側の表面に少なくとも配置されており、かつ、
    前記サイド補強ゴムパッドは低硬度ゴム及び高硬度ゴムのみからなるものであることを特徴とするランフラットタイヤ。
  3. 前記低硬度ゴムの硬さ(HS)が60〜45°である請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ。
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