JP3967485B2 - Polyolefin resin composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形加工性と耐衝撃性、特に低温時の耐衝撃性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物に関する。本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、自動車の内・外装部品、各種機械部品、家庭用品等に使用される成形材料として好適である。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン系樹脂は、一般に耐薬品性、機械的特性に優れており、機械部品、自動車部品、家庭用品、各種容器など幅広い分野に使用されている。しかしながら、耐衝撃強度、特に低温時における耐衝撃強度が不足しており、使用目的が限定されることがある。
【0003】
このため、スチレンと共役ジエンからなるブロック共重合体の水素添加物などのゴム成分をポリオレフィン系樹脂に配合することによってポリオレフィン系樹脂の改質を行う試みが数多くなされており、例えば、特開昭63−156842号公報には、ポリプロピレンとスチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物からなる組成物が記載されており、また、特開平2−53849号公報には、オレフィン系樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物、エチレン・α−オレフィン共重合オリゴマーと無機充填剤からなる組成物が記載されている。
これらの組成物では、成形加工性が良好なものとするためにはブロック共重合体の水素添加物として分子量が低いものを使用する必要がある。しかし、ブロック共重合体の水素添加物として分子量が低いものを使用した場合、組成物から得られる成形品の耐衝撃性、特に低温時の耐衝撃性が低くなるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、成形加工性に優れるとともに、低温時の耐衝撃性が良好な成形品を与えるポリオレフィン系樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記の課題は、(イ)ポリオレフィン系樹脂、および(ロ)ビニル芳香族化合物から構成される重合体ブロックA1、ビニル芳香族化合物から構成される重合体ブロックA2および共役ジエン化合物から構成される重合体ブロックBを有し、ビニル芳香族化合物に由来する構造単位の含有量が10〜30重量%であって、数平均分子量が40,000〜150,000であるトリブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体であって、重合体ブロックA1の平均分子量〔Mn(A1)〕と重合体ブロックA2の平均分子量〔Mn(A2)〕の比が、Mn(A1)/Mn(A2)=0.25〜0.75であり、重合体ブロックBにおける共役ジエンに基づく炭素−炭素二重結合の80%以上が水素添加されてなる水添ブロック共重合体を、ポリオレフィン系樹脂/水添ブロック共重合体=95/5〜50/50(重量比)の割合で含有するポリオレフィン系樹脂組成物(但し、粘着性付与樹脂を含むものは除く)を提供することによって解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を構成する成分(イ)であるポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンを主たる構成成分とする樹脂であればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレンブロック共重合体などが挙げられる。これらの中でも、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(イ)は、1種類のものを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0007】
得られる組成物の成形加工性および耐衝撃性をより優れたものとするためには、ポリオレフィン系樹脂(イ)は、230℃、2.16kg荷重下でのメルトフローレート(MFR)の値が1〜100g/10分の範囲にあることが好ましい。
【0008】
一方、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を構成する成分(ロ)である水添ブロック共重合体は、水素添加前の状態において、ビニル芳香族化合物から構成される重合体ブロックA1の平均分子量〔Mn(A1)〕と重合体ブロックA2の平均分子量〔Mn(A2)〕の比が、Mn(A1)/Mn(A2)=0.25〜0.75の範囲内にあることが必要である。
Mn(A1)/Mn(A2)が0.25未満の場合、得られる樹脂組成物の流動性は良好であり、成形加工性に優れたものとなるが、樹脂組成物から得られた成形品の剛性が劣り好ましくない。一方、Mn(A1)/Mn(A2)が0.75を超える場合は、流動性が損なわれ、成形加工性に劣り好ましくない。
【0009】
また、水添ブロック共重合体(ロ)は、水素添加前の状態において、重合体ブロックA1と重合体ブロックA2に含まれるビニル芳香族化合物に由来する構造単位の含有量が水素添加前のブロック共重合体全体に対して10〜30重量%の範囲内にあることが必要である。ビニル芳香族化合物に由来する構造単位の含有量が30重量%を超える場合、得られる樹脂組成物の耐衝撃強度、特に低温における耐衝撃強度が劣り好ましくない。一方、ビニル芳香族化合物の含有量が10重量%未満の場合、樹脂組成物から得られる成形品の剛性等が低くなり実用的ではない。
【0010】
水添ブロック共重合体(ロ)において、水素添加前の重合体ブロックA1および重合体ブロックA2を構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−、m−またはp−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。これらの中でも、スチレンおよびα−メチルスチレンが好ましい。ビニル芳香族化合物は、1種類のものを使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。また、重合体ブロックA1を構成するビニル芳香族化合物と重合体ブロックA2を構成するビニル芳香族化合物は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0011】
また、水添ブロック共重合体(ロ)において、水素添加前の重合体ブロックBを構成する共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、イソプレン、1,3−ブタジエンまたはこれらの混合物が好ましい。共役ジエン化合物は、1種類のものを使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0012】
重合体ブロックBのミクロ構造は特に限定されないが、例えば、重合体ブロックBがイソプレンの単独重合体からなるブロックである場合には、その1,4−結合量は30モル%以上であることが望ましい。
【0013】
水添ブロック共重合体(ロ)は、水素添加前の状態において数平均分子量が40,000〜150,000の範囲内にあることが必要である。水素添加前の状態での数平均分子量が40,000未満の場合、得られる樹脂組成物の耐衝撃強度が劣り、一方、水素添加前の状態での数平均分子量が150,000を超える場合は、得られる樹脂組成物の流動性が十分ではなく、成形加工性に劣り好ましくない。
【0014】
水添ブロック共重合体(ロ)においては、重合体ブロックB中の共役ジエンに基づく炭素−炭素二重結合の80%以上が水素添加されていることが必要であり、90%以上が水素添加されていることが好ましい。重合体ブロックB中の共役ジエンに基づく炭素−炭素二重結合の水素添加率が80%未満の場合、得られる組成物の耐熱性および耐候性が十分ではない。
【0015】
さらに、水添ブロック共重合体(ロ)は、本発明の趣旨を損なわない限り、分子鎖中に、または分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物、アミノ基、エポキシ基などの官能基を含有していてもよい。
【0016】
水添ブロック共重合体(ロ)の製造方法としては、例えば、次のような公知のアニオン重合法を採用することができる。すなわち、アルキルリチウム化合物等を開始剤としてヘキサン等の不活性有機溶媒中で、ビニル芳香族化合物、共役ジエン化合物を逐次重合させて所望の分子形態を有するブロック共重合体を形成する。次いで、得られたブロック共重合体を、公知の方法にしたがって不活性有機溶媒中で公知の水素添加触媒の存在下に水素添加して、水添ブロック共重合体(ロ)を製造することができる。水添ブロック共重合体(ロ)における重合体ブロックB中の不飽和二重結合の水素添加率は、ヨウ素価測定、赤外分光光度計、核磁気共鳴装置等により算出することができる。
【0017】
樹脂組成物中のポリオレフィン系樹脂(イ)と水添ブロック共重合体(ロ)の割合は、ポリオレフィン系樹脂(イ)/水添ブロック共重合体(ロ)=95/5〜50/50(重量比)であることが必要である。ポリオレフィン系樹脂(イ)の割合が上記の範囲より少ない場合、得られる樹脂組成物の成形加工性が十分ではなく、また樹脂組成物から得られた成形品の剛性等が低くなり実用的ではなくなる。また、ポリオレフィン系樹脂(イ)の配合量が上記の範囲を超える場合は、樹脂組成物から得られた成形品の耐衝撃強度、特に低温時の耐衝撃強度が低下する。ポリオレフィン系樹脂(イ)と水添ブロック共重合体(ロ)の割合は、ポリオレフィン系樹脂(イ)/水添ブロック共重合体(ロ)=90/10〜60/40(重量比)であることが好ましい。
【0018】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、その特性を損なわない範囲で、無機充填剤を添加することができる。かかる無機充填剤の具体例としては、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、ガラス繊維、カーボン繊維、マイカ、カオリン、酸化チタンなどが挙げられるが、これらの中でもタルクが好ましい。
【0019】
さらに、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、その改質を目的として他の添加剤、例えば、熱老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、発泡剤、顔料、染料、増白剤などを添加することができる。
【0020】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、例えば、すべての材料をドライブレンドした後、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロールなどの混練機を用いて溶融混練することにより製造することができる。
【0021】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、従来からの各種成形法、例えば、射出成形、ブロー成形、プレス成形、押出成形、カレンダー成形などにより、シート状、板状等の種々の形状の成形品に成形することが可能であり、特に、ハイサイクルの射出成形に適している。
【0022】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、成形加工性に優れ、しかも耐衝撃性、中でも低温時における耐衝撃性に優れた成形品を与えるので、日用品、包装材料から自動車の内・外装品等の自動車部品、例えば大型のバンパー、インスツルメントパネル等まで広範囲に利用できる。
【0023】
【実施例】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0024】
なお、以下の実施例および比較例における物性の測定方法は以下のとおりである。
【0025】
▲1▼成形加工性
JIS K7210に従い、230℃、2.16kg荷重の条件下でMFRを測定し、成形加工性の指標とした。
▲2▼曲げ弾性率
JIS K7203に従って測定し、剛性の指標とした。
▲3▼耐熱変形性(HDT)
JIS K7207に従い、荷重:4.6kg/cm2の条件下で熱変形温度を測定した。
▲4▼耐衝撃性
JIS K7110に従い、−20℃にてIZOD衝撃強度を測定した。
【0026】
参考例1(水添ブロック共重合体の製造)
撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン50kg、充分に脱水したスチレン1410gおよびsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(濃度:10重量%)150gを加えて50℃で60分間重合したのち、イソプレン8760gを加えて50℃で60分間重合を行い、さらにスチレンを2350g加えて50℃で60分間重合し、最後にメタノールを加えて反応を停止し、ポリスチレン(重合体ブロックA1)−ポリイソプレン(重合体ブロックB)−ポリスチレン(重合体ブロックA2)型のブロック共重合体(以下SIS−1と略記する)をシクロヘキサン溶液として調製した。GPC測定によって求めた重合体全体の数平均分子量(Mn)、および赤外分光光度計(IR)を用いて求めたスチレン含有量は表1に示すとおりであった。また、重合体ブロックA1の平均分子量〔Mn(A1)〕と重合体ブロックA2の平均分子量〔Mn(A2)〕の比〔R1/2=Mn(A1)/Mn(A2)〕は表1に示すとおりである(スチレンの仕込み量から算出した)。
【0027】
上記で得られたSIS−1に対し、シクロヘキサン溶液中、Ziegler系触媒を用い、8kg/cm2の圧力の水素雰囲気下、75℃で5時間水素添加反応を行い、重合体ブロックBの炭素−炭素二重結合が水素添加されてなる水添ブロック共重合体1(以下、SEPS−1と略記することがある)を得た。1H−NMRスペクトル測定により、水素添加率を算出したところ表1に示すとおりであった。
【0028】
参考例2〜7(水添ブロック共重合体の製造)
参考例1において、重合に使用するスチレンまたはイソプレンの量および重合開始剤の使用量を変更したこと以外は参考例1と同様の操作を行うことによってブロック共重合体の製造およびその水素添加を実施し、水添ブロック共重合体2〜7(以下、SEPS−2〜SEPS−7と略記することがある)を得た。参考例1と同様にして求めた、水添前のブロック共重合体における重合体全体の数平均分子量(Mn)および重合体ブロックA1の平均分子量〔Mn(A1)〕と重合体ブロックA2の平均分子量〔Mn(A2)〕の比〔R1/2=Mn(A1)/Mn(A2)〕、並びにスチレン含有量は表1に示すとおりであった。また、水添ブロック共重合体2〜7における重合体ブロックB(ポリイソプレンブロック)の水素添加率は表1に示すとおりであった。
【0029】
【表1】
【0030】
実施例1〜3および比較例1〜5
ポリプロピレン〔J707(商品名)、グランドポリマー(社)製、MFR:23g/10分(230℃、2.16kg荷重)〕に、参考例1〜7で得られた水添ブロック共重合体をそれぞれ表2に示した割合でドライブレンドした後、二軸押出機により230℃の温度で溶融混練し、ペレット状のポリオレフィン系樹脂組成物を得た。
得られたペレットを用いて、MFR(成形加工性)の測定を行った。また、得られたペレットを230℃で射出成形して所定形状(短冊状)の試験片を作製し、曲げ弾性率、耐熱変形性および耐衝撃性を測定した。結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
表2から明らかなように、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物(実施例1〜3)は、成形加工性および耐衝撃性に優れ、しかも耐熱変形性、剛性とのバランスのとれた組成物であった。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、成形加工性と耐衝撃性、特に低温時の耐衝撃性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物が提供される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polyolefin resin composition excellent in molding processability and impact resistance, particularly impact resistance at low temperatures. The polyolefin resin composition of the present invention is suitable as a molding material used for automobile interior / exterior parts, various machine parts, household goods, and the like.
[0002]
[Prior art]
Polyolefin resins are generally excellent in chemical resistance and mechanical properties, and are used in a wide range of fields such as mechanical parts, automobile parts, household goods, and various containers. However, the impact strength, particularly the impact strength at low temperatures, is insufficient, and the purpose of use may be limited.
[0003]
For this reason, many attempts have been made to modify a polyolefin resin by blending the polyolefin resin with a rubber component such as a hydrogenated block copolymer composed of styrene and a conjugated diene. JP-A 63-156842 discloses a composition comprising a hydrogenated product of polypropylene and a styrene-conjugated diene block copolymer, and JP-A-2-53849 discloses an olefin resin, styrene- A composition comprising a hydrogenated butadiene block copolymer, an ethylene / α-olefin copolymer oligomer and an inorganic filler is described.
In these compositions, in order to achieve good moldability, it is necessary to use a hydrogenated product of a block copolymer having a low molecular weight. However, when a block copolymer having a low molecular weight is used as a hydrogenated product, there is a problem that the impact resistance of a molded product obtained from the composition, particularly impact resistance at low temperatures is lowered.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above problems, and it is an object of the present invention to provide a polyolefin-based resin composition that provides a molded article having excellent molding processability and excellent impact resistance at low temperatures. To do.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
According to the present invention, the above-mentioned problems are solved by: (a) a polyolefin resin, and (b) a polymer block A1 composed of a vinyl aromatic compound, a polymer block A2 composed of a vinyl aromatic compound, and a conjugated diene. A triblock having a polymer block B composed of a compound, having a content of structural units derived from a vinyl aromatic compound of 10 to 30% by weight and a number average molecular weight of 40,000 to 150,000 A hydrogenated block copolymer obtained by hydrogenating the copolymer, wherein the ratio of the average molecular weight [Mn (A1)] of the polymer block A1 to the average molecular weight [Mn (A2)] of the polymer block A2 is Mn (A1) / Mn (A2) = 0.25 to 0.75, and 80% or more of the carbon-carbon double bonds based on the conjugated diene in the polymer block B are not hydrogenated. The hydrogenated block copolymer, polyolefin resin composition in a proportion of polyolefin resin / hydrogenated block copolymer = 95 / 5-50 / 50 (weight ratio) (however, those containing tackifying resin Is resolved by providing ) .
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The polyolefin resin that is the component (I) constituting the polyolefin resin composition of the present invention is mainly composed of α-olefin such as ethylene, propylene, 1-butene, isobutylene, 4-methyl-1-pentene, and the like. For example, polyethylene, polypropylene, polybutene, polymethylpentene, ethylene-propylene block copolymer, and the like can be given. Among these, polypropylene resins such as homopolypropylene, random polypropylene, and block polypropylene are preferable.
One type of polyolefin-based resin (A) may be used, or two or more types may be used in combination.
[0007]
In order to further improve the moldability and impact resistance of the resulting composition, the polyolefin resin (a) has a melt flow rate (MFR) value at 230 ° C. under a load of 2.16 kg. It is preferably in the range of 1 to 100 g / 10 minutes.
[0008]
On the other hand, the hydrogenated block copolymer which is the component (b) constituting the polyolefin resin composition of the present invention is an average molecular weight of the polymer block A1 composed of a vinyl aromatic compound in the state before hydrogenation [ The ratio of the average molecular weight [Mn (A2)] of the Mn (A1)] and the polymer block A2 needs to be in the range of Mn (A1) / Mn (A2) = 0.25 to 0.75. .
When Mn (A1) / Mn (A2) is less than 0.25, the resulting resin composition has good fluidity and excellent moldability, but a molded product obtained from the resin composition. The rigidity of is inferior. On the other hand, when Mn (A1) / Mn (A2) exceeds 0.75, the fluidity is impaired and the molding processability is inferior.
[0009]
Further, the hydrogenated block copolymer (b) is a block before hydrogenation in which the content of the structural unit derived from the vinyl aromatic compound contained in the polymer block A1 and the polymer block A2 is in the state before hydrogenation. It is necessary to be within the range of 10 to 30% by weight with respect to the entire copolymer. When the content of the structural unit derived from the vinyl aromatic compound exceeds 30% by weight, the resulting resin composition has an inferior impact resistance strength, in particular, low temperature impact strength. On the other hand, when the content of the vinyl aromatic compound is less than 10% by weight, the rigidity or the like of the molded product obtained from the resin composition is lowered, which is not practical.
[0010]
In the hydrogenated block copolymer (b), examples of the vinyl aromatic compound constituting the polymer block A1 and the polymer block A2 before hydrogenation include styrene, α-methylstyrene, o-, m-, or p. -Methyl styrene, 1,3-dimethyl styrene, vinyl naphthalene, vinyl anthracene, etc. are mentioned. Among these, styrene and α-methylstyrene are preferable. One type of vinyl aromatic compound may be used, or two or more types may be used in combination. The vinyl aromatic compound constituting the polymer block A1 and the vinyl aromatic compound constituting the polymer block A2 may be the same or different.
[0011]
In the hydrogenated block copolymer (b), examples of the conjugated diene compound constituting the polymer block B before hydrogenation include 1,3-butadiene, isoprene, 2,3-dimethyl-1,3- Examples include butadiene, 1,3-pentadiene, and 1,3-hexadiene. Among these, isoprene, 1,3-butadiene or a mixture thereof is preferable. One type of conjugated diene compound may be used, or two or more types may be used in combination.
[0012]
The microstructure of the polymer block B is not particularly limited. For example, when the polymer block B is a block made of a homopolymer of isoprene, the 1,4-bond amount may be 30 mol% or more. desirable.
[0013]
The hydrogenated block copolymer (b) needs to have a number average molecular weight in the range of 40,000 to 150,000 in the state before hydrogenation. When the number average molecular weight in the state before hydrogenation is less than 40,000, the impact strength of the resulting resin composition is inferior. On the other hand, when the number average molecular weight in the state before hydrogenation exceeds 150,000 The flowability of the resulting resin composition is not sufficient, and the molding processability is inferior.
[0014]
In the hydrogenated block copolymer (b), 80% or more of the carbon-carbon double bond based on the conjugated diene in the polymer block B needs to be hydrogenated, and 90% or more is hydrogenated. It is preferable that When the hydrogenation rate of the carbon-carbon double bond based on the conjugated diene in the polymer block B is less than 80%, the heat resistance and weather resistance of the resulting composition are not sufficient.
[0015]
Furthermore, the hydrogenated block copolymer (b) is a functional group such as a carboxyl group, a hydroxyl group, an acid anhydride, an amino group, and an epoxy group in the molecular chain or at the molecular end unless the purpose of the present invention is impaired. May be contained.
[0016]
As a method for producing the hydrogenated block copolymer (b), for example, the following known anionic polymerization methods can be employed. That is, a block copolymer having a desired molecular form is formed by sequentially polymerizing a vinyl aromatic compound and a conjugated diene compound in an inert organic solvent such as hexane using an alkyl lithium compound as an initiator. Subsequently, the obtained block copolymer is hydrogenated in the presence of a known hydrogenation catalyst in an inert organic solvent according to a known method to produce a hydrogenated block copolymer (b). it can. The hydrogenation rate of the unsaturated double bond in the polymer block B in the hydrogenated block copolymer (b) can be calculated by iodine value measurement, infrared spectrophotometer, nuclear magnetic resonance apparatus or the like.
[0017]
The ratio of the polyolefin resin (I) and the hydrogenated block copolymer (B) in the resin composition is polyolefin resin (I) / hydrogenated block copolymer (B) = 95/5 to 50/50 ( Weight ratio). When the proportion of the polyolefin resin (a) is less than the above range, the molding processability of the obtained resin composition is not sufficient, and the rigidity of the molded product obtained from the resin composition is low, which is not practical. . Moreover, when the compounding quantity of polyolefin-type resin (I) exceeds said range, the impact strength of the molded article obtained from the resin composition, especially the impact strength at the time of low temperature will fall. The ratio of polyolefin resin (I) and hydrogenated block copolymer (B) is polyolefin resin (I) / hydrogenated block copolymer (B) = 90 / 10-60 / 40 (weight ratio). It is preferable.
[0018]
An inorganic filler can be added to the polyolefin resin composition of the present invention as long as the characteristics are not impaired. Specific examples of the inorganic filler include talc, calcium carbonate, silica, glass fiber, carbon fiber, mica, kaolin, and titanium oxide. Among these, talc is preferable.
[0019]
Furthermore, the polyolefin-based resin composition of the present invention has other additives for the purpose of modification, such as heat aging inhibitors, antioxidants, light stabilizers, antistatic agents, mold release agents, flame retardants, foaming. Agents, pigments, dyes, brighteners and the like can be added.
[0020]
The polyolefin resin composition of the present invention is produced, for example, by dry blending all materials and then melt-kneading using a kneader such as a single screw extruder, twin screw extruder, kneader, Banbury mixer, roll, etc. can do.
[0021]
The polyolefin-based resin composition of the present invention can be formed into various shapes such as sheets and plates by various conventional molding methods such as injection molding, blow molding, press molding, extrusion molding, and calendar molding. It can be molded and is particularly suitable for high cycle injection molding.
[0022]
The polyolefin-based resin composition of the present invention provides a molded product having excellent molding processability and impact resistance, particularly excellent impact resistance at low temperatures. It can be used in a wide range of automobile parts, such as large bumpers and instrument panels.
[0023]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be specifically described below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0024]
In addition, the measuring method of the physical property in a following example and a comparative example is as follows.
[0025]
(1) Molding workability According to JIS K7210, MFR was measured under conditions of 230 ° C. and 2.16 kg load, and used as an index of molding processability.
(2) Flexural modulus Measured according to JIS K7203 and used as an index of rigidity.
(3) Heat-resistant deformation (HDT)
According to JIS K7207, the heat distortion temperature was measured under the condition of load: 4.6 kg / cm 2 .
(4) Impact resistance IZOD impact strength was measured at -20 ° C in accordance with JIS K7110.
[0026]
Reference Example 1 (Production of hydrogenated block copolymer)
In a pressure vessel equipped with a stirrer, 50 kg of cyclohexane, 1410 g of sufficiently dehydrated styrene and 150 g of a cyclohexane solution of sec-butyllithium (concentration: 10% by weight) were added and polymerized at 50 ° C. for 60 minutes, and then 8760 g of isoprene was added to add 50 Polymerization is carried out at 60 ° C. for 60 minutes, 2350 g of styrene is further added, polymerization is carried out at 50 ° C. for 60 minutes, and methanol is finally added to stop the reaction. Polystyrene (polymer block A1) -polyisoprene (polymer block B) — A polystyrene (polymer block A2) type block copolymer (hereinafter abbreviated as SIS-1) was prepared as a cyclohexane solution. Table 1 shows the number average molecular weight (Mn) of the whole polymer determined by GPC measurement, and the styrene content determined using an infrared spectrophotometer (IR). The ratio of the average molecular weight [Mn (A1)] of the polymer block A1 and the average molecular weight [Mn (A2)] of the polymer block A2 [R1 / 2 = Mn (A1) / Mn (A2)] is shown in Table 1. As shown (calculated from the amount of styrene charged).
[0027]
The SIS-1 obtained above was subjected to a hydrogenation reaction at 75 ° C. for 5 hours under a hydrogen atmosphere at a pressure of 8 kg / cm 2 using a Ziegler catalyst in a cyclohexane solution. A hydrogenated block copolymer 1 (hereinafter sometimes abbreviated as SEPS-1) obtained by hydrogenating a carbon double bond was obtained. When the hydrogenation rate was calculated by 1 H-NMR spectrum measurement, it was as shown in Table 1.
[0028]
Reference Examples 2 to 7 (Production of hydrogenated block copolymer)
In Reference Example 1, a block copolymer was produced and hydrogenated by performing the same operation as in Reference Example 1 except that the amount of styrene or isoprene used in the polymerization and the amount of the polymerization initiator were changed. Hydrogenated block copolymers 2 to 7 (hereinafter sometimes abbreviated as SEPS-2 to SEPS-7) were obtained. The number average molecular weight (Mn) of the whole polymer in the block copolymer before hydrogenation and the average molecular weight [Mn (A1)] of the polymer block A1 and the average of the polymer block A2 obtained in the same manner as in Reference Example 1. The ratio [R1 / 2 = Mn (A1) / Mn (A2)] of the molecular weight [Mn (A2)] and the styrene content were as shown in Table 1. Moreover, the hydrogenation rate of the polymer block B (polyisoprene block) in the hydrogenated block copolymers 2 to 7 was as shown in Table 1.
[0029]
[Table 1]
[0030]
Examples 1-3 and Comparative Examples 1-5
Polypropylene [J707 (trade name), manufactured by Grand Polymer Co., Ltd., MFR: 23 g / 10 min (230 ° C., 2.16 kg load)], each of the hydrogenated block copolymers obtained in Reference Examples 1 to 7 was used. After dry blending at the ratio shown in Table 2, it was melt-kneaded at a temperature of 230 ° C. with a twin-screw extruder to obtain a pellet-shaped polyolefin resin composition.
Using the obtained pellets, MFR (molding processability) was measured. Moreover, the obtained pellet was injection-molded at 230 ° C. to prepare a test piece having a predetermined shape (strip shape), and the flexural modulus, heat distortion resistance, and impact resistance were measured. The results are shown in Table 2.
[0031]
[Table 2]
[0032]
As is apparent from Table 2, the polyolefin resin compositions (Examples 1 to 3) of the present invention are compositions having excellent moldability and impact resistance, and having a good balance between heat distortion resistance and rigidity. there were.
[0033]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the polyolefin resin composition excellent in molding processability and impact resistance, especially the impact resistance at the time of low temperature is provided.
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