JP3963861B2 - パイロット孔掘削装置およびパイロット孔内計測装置 - Google Patents

パイロット孔掘削装置およびパイロット孔内計測装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パイロット孔掘削装置およびパイロット孔内計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パイロット孔を掘削する場合、まず、所定の深度まで通常径ボーリングを行う。このようなボーリング掘削を行う装置としては、例えば、ワイヤーライン工法を利用したものとして、先端にビットを有し、アウタチューブに内挿してラッチにて係合したコアチューブを、コアチューブに接続した駆動体により回転させて掘進し、所定長を掘進後、コアチューブをアウタチューブ内から引き上げてコアを採取するものがある(特許文献1参照)。
【0003】
ボーリングを行った後、孔内にあるボーリングロッドを地上まで揚管する。次に、図8に示すように、直径の小さいパイロット孔用のビット71を継ぎ手72を介してボーリングロッド73の先端に装着し、ボーリング孔底まで降管した後、パイロット孔の掘削を行う。また、ボーリング孔の中心に径の小さい仮ケーシングを設置し、径の小さいボーリングを掘削する方法も行われている。
【0004】
さらに、パイロット孔掘削終了後、通常径ボーリングを再掘削する場合には、パイロット孔を掘削した装置およびボーリングロッドを全て揚管し、再度、通常掘削径のビットを降管する。
【0005】
また、従来、パイロット孔内で計測を行う場合、まず、パイロット孔を掘削後、パイロット孔を掘削した装置を全て地上まで揚管する。次に、図9に示すように、先端にセンサー81を有する計測器82をボーリングロッド83の先端に装着し、ボーリング孔底まで降管する。先端のセンサー81がパイロット孔内に挿入された状態で、シャーピン84などにより計測器82をボーリングロッド83から切り離して設置し、各種計測を行っている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−60975号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のパイロット孔掘削では、深度の深いボーリング孔に適用する場合、通常掘削とパイロット孔掘削とを切り換えるたびに全てのボーリングロッドの揚降管を行う必要があるため、揚降管の作業に手数と長時間とを要し、工費が嵩むという課題があった。
【0008】
従来のパイロット孔内計測でも同様に、掘削と計測とを切り換えるたびに全てのボーリングロッドの揚降管を行う必要があるため、同様に、揚降管の作業に手数と長時間とを要し、工費が嵩むという課題があった。
【0009】
また、崩壊が発生しやすい地層の場合、ロッド揚降管の際、崩壊物が落下して、いったん掘削したパイロット孔に侵入し、ときには掘削のやり直しが必要な状況が発生するという課題があった。特に、パイロット孔に計測機などの装置を設置する場合、このような事態を避けなければならないが、従来の工法では、この崩壊物が落下する事態を回避することは困難であった。
【0010】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、作業が容易であって作業時間を短縮でき、また、パイロット孔内への崩壊物の侵入を低減することができるパイロット孔掘削装置およびパイロット孔内計測装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るパイロット孔掘削装置は、先端にビットを備え内周に係合部を有するボーリングロッドの内部にワイヤーラインにより挿入されてパイロット孔を掘削するためのパイロット孔掘削装置であって、インナー本体と吊下部とストッパと掘削部とを有し、前記インナー本体はボーリングロッドの内部に挿入可能な径を有し、前記吊下部はワイヤーラインにより吊上げ可能であって前記インナー本体の長さ方向に往復運動可能に前記インナー本体の後端に設けられ、前記ストッパは開閉可能に前記インナー本体に設けられ、前記吊下部が先端方向に移動するとき前記係合部と係合可能に開き、前記吊下部が後端方向に移動するとき前記係合部と離脱可能に閉じる構成を有し、前記掘削部はパイロット孔を掘削可能な先端を有し、前記ストッパが前記係合部と係合するとき前記ビットからパイロット孔を掘削可能な長さで突出するよう前記インナー本体の先端に設けられていることを、特徴とする。
【0012】
本発明に係るパイロット孔掘削装置は、所定の深度まで通常径ボーリングを行った後、孔内にあるコアチューブをワイヤーラインにより地上まで引き揚げる。次に、インナー本体を先端からボーリングロッドの内部に挿入する。このとき、吊下部がインナー本体より先端方向に移動しており、ストッパが開いた状態になっている。
【0013】
ストッパの位置がボーリングロッドの係合部の位置と一致したならば、ストッパが係合部と係合する。このとき、掘削部がビットから突出し、掘削可能な状態となる。
【0014】
ボーリングロッドを回転させれば、ストッパが係合部と係合してボーリングロッドと一体となった掘削部により、パイロット孔の掘削を行うことができる。パイロット孔の掘削が完了したならば、吊下部にワイヤーラインを取り付けて引き揚げる。このとき、吊下部がインナー本体に対し後端方向に移動して、ストッパが閉じ、係合部から離脱する。こうして、インナー本体を地上まで引き揚げることができる。
【0015】
再び通常径ボーリングを掘削する場合には、ボーリングロッドの内部にコアチューブを挿入すれば、掘削を行うことができる。
【0016】
本発明に係るパイロット孔掘削装置では、全てのボーリングロッドの揚降管を行うことなく、ボーリングロッドの内部のコアチューブとインナー本体とを交換することによって、通常掘削とパイロット孔掘削とを切り換えることができる。このため、パイロット孔掘削作業が容易になり、作業時間を短縮することができる。
【0017】
また、本発明に係るパイロット孔掘削装置では、前記インナー本体は前記ストッパより先端側に水圧で前記掘削部を回転駆動するダウンホールモータを有することが好ましい。
【0018】
この場合、ボーリングロッドを回転させずに、ダウンホールモータに水圧を加えることにより掘削部を回転させて、パイロット孔を掘削することができる。ダウンホールモータは、高速回転が可能で、水圧により掘削時の荷重を調整することができる。
【0019】
従来、大深度においてパイロット孔掘削を行う場合、細いパイロット孔掘削用のロッドに伝達する荷重を微妙に調整することは極めて困難であり、この荷重が適切でないと、通常掘削孔とパイロット孔の軸心が一致しなくなるという課題があった。通常掘削孔とパイロット孔の軸心が一致しない場合には、パイロット孔掘削用のロッドが切断することも考えられるため、従来の方法は大深度におけるパイロット孔掘削には適さなかった。
【0020】
これに対し、本発明に係るパイロット孔掘削装置では、前述のダウンホールモータを有する場合、水圧により掘削時の荷重の調整が容易なため、通常掘削孔とパイロット孔の軸心との一致が容易になり、大深度でのパイロット孔掘削が可能となる。また、高速回転によりパイロット孔の掘進効率を高めることもできる。
【0021】
本発明に係るパイロット孔内計測装置は、先端にビットを備え内周に係合部を有するボーリングロッドの内部にワイヤーラインにより挿入されてパイロット孔内で各種計測を行うためのパイロット孔内計測装置であって、インナー本体と吊下部とストッパとセンサー部とを有し、前記インナー本体はボーリングロッドの内部に挿入可能な径を有し、前記吊下部はワイヤーラインにより吊上げ可能であって前記インナー本体の長さ方向に往復運動可能に前記インナー本体の後端に設けられ、前記ストッパは開閉可能に前記インナー本体に設けられ、前記吊下部が先端方向に移動するとき前記係合部と係合可能に開き、前記吊下部が後端方向に移動するとき前記係合部と離脱可能に閉じる構成を有し、前記センサー部は前記インナー本体の先端に設けられ、前記ストッパが前記係合部と係合するとき前記ビットから前記パイロット孔内に挿入可能に突出するよう設けられていることを、特徴とする。
【0022】
本発明に係るパイロット孔内計測装置は、パイロット孔掘削後、インナー本体を先端からボーリングロッドの内部に挿入する。このとき、吊下部がインナー本体より先端方向に移動しており、ストッパが開いた状態になっている。
【0023】
ストッパの位置がボーリングロッドの係合部の位置と一致したならば、ストッパが係合部と係合する。このとき、センサー部がビットから突出し、パイロット孔内に設置される。こうして、本発明に係るパイロット孔内計測装置は、センサー部がパイロット孔内に設置された状態で、各種計測を行うことができる。
【0024】
本発明に係るパイロット孔内計測装置では、全てのボーリングロッドの揚降管を行うことなく、ボーリングロッドの内部のインナー本体を交換することによって、パイロット孔掘削と孔内計測とを切り換えることができる。このため、パイロット孔内計測が容易になり、作業時間を短縮することができる。
【0025】
本発明に係るパイロット孔掘削装置およびパイロット孔内計測装置では、ボーリングロッドの揚降管を行わないため、ボーリング孔壁が常にボーリングロッドで保護されている。このため、崩壊が発生しやすい地層の場合でも、ボーリング孔壁の崩壊の発生を防止し、パイロット孔内への崩壊物の侵入を低減することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図7は、本発明の実施の形態を示している。
図1および図2に示すように、パイロット孔掘削装置10は、インナー本体11と吊下部12とストッパ13と掘削部14とを有している。
【0027】
パイロット孔掘削装置10は、先端にビット1を備え内周に係合部2aを有するボーリングロッド2の内部に挿入されてパイロット孔を掘削するために使用される。ボーリングロッド2は、先端側から順に、リーマ2b、スタビライザー2c、SUSアウターチューブ2d、ドライブカップリング(アダプターカップリング)2e、ガイドカップリング(ロッキングカップリング)2fおよびワイヤーラインロッド2gが一体的に固定されて管状に構成されている。ビット1はリーマ2bに固定されている。SUSアウターチューブ2dの内周には、ランディングリング2hが取り付けられ、ボーリングロッド2の内径が小さくなっている。なお、ドライブカップリング2eとガイドカップリング2fとは螺合して固定されている。係合部2aは、ドライブカップリング2eの雌ねじボア部2iの内径を大きくして形成されている。
【0028】
図1および図2に示すように、インナー本体11は、先端側から順に、スイベル21、ステムロット(ステアリングロッド)22、ストロークエンドサブ23、セットナット24、四角ステム(四角ストロークサブ)25、ウレタン圧縮ラバー26、ラッチサポート27およびラッチボディストローク28が、それぞれの中心軸が一致するよう一体的に固定されて棒状に構成されている。四角ステム25は、通水口25aを有し、後端付近に段部25bを有して内径が変化している。
【0029】
インナー本体11は、四角ステム25の段部25bより先端側でランディングリング2hの内径よりも小さい径を有し、段部25bより後端側でボーリングロッド2の内径よりも小さい径を有している。このため、インナー本体11は、ボーリングロッド2の内部に挿入可能である。また、四角ステム25は、段部25bより後端側でランディングリング2hの内径より大きい径を有している。このため、インナー本体11は、段部25bがランディングリング2hと係合して、それ以上先端側へは移動しない。
【0030】
吊下部12は、インナー本体11の後端に固定され、リフティングドック(スピアーヘッド)29およびリトラクティングケース30から成っている。リフティングドック29は、インナー本体11の後端側に開口した円筒部29aを有している。円筒部29aの開口は、円筒部29aの内径より小さい径を有している。リトラクティングケース30は、リフティングドック29の開口と反対側の端部に、スプリングピン31により固定されている。リトラクティングケース30は、ラッチボディストローク28の外周に沿って取り付けられている。リトラクティングケース30は、ストッパ13の先端側を挟むように内側に突出する押上部30aを有している。吊下部12は、インナー本体11の長さ方向に往復運動可能に構成されている。
【0031】
図4に示すように、吊下部12は、ワイヤーライン3の先端に取り付けられたオーバーショット組立4の鉤部4aをリフティングドック29の円筒部29aの開口から挿入し、鉤部4aを開いて円筒部29aに係合させることにより、吊上げることができる。
【0032】
図1および図2に示すように、ストッパ13は、ラッチボディストローク28に設けられ、1対のラッチプレート32とラッチスプリング33とを有している。各ラッチプレート32は、インナー本体11の先端側で互いの基端を重ね、スプリングピン34を貫通させて回転可能に取り付けられている。ラッチスプリング33は、ねじりバネから成り、中心部がラッチボディストローク28に取り付けられ、2つの端部がそれぞれ各ラッチプレート32の開閉側端部と係合して、各ラッチプレート32を互いに開く方向に付勢している。各ラッチプレート32は、開閉側端部の外側コーナーにラッチ部32aを有している。
【0033】
図4に示すように、各ラッチプレート32は、吊下部12が先端方向に移動するとき、ラッチスプリング33の付勢力により、ラッチ部32aがリトラクティングケース30から突出して係合部2aと係合し、ドライブカップリング2eの雌ねじボア部2iの内面に接触するように開く。また、吊下部12が後端方向に移動するとき、押上部30aが各ラッチプレート32を閉じるように移動し、各ラッチプレート32はラッチスプリング33の付勢力に抗して閉じて、ラッチ部32aが係合部2aと離脱し、リトラクティングケース30の内部に収容される。
【0034】
図5(A)に示すように、各ラッチプレート32が開くと、ラッチ部32aが係合部2aに係合する。このとき、ラッチ部32aの後端側がガイドカップリング2fの先端部に当たり、インナー本体11が後端側に移動するのを防ぐことができる。また、図5(B)に示すように、ガイドカップリング2fの雄ねじの先端部2jは半割形状を成している。このため、ラッチ部32aが係合部2aに係合したとき、インナー本体11が空回りせず、パイロット孔の掘削時にボーリングロッド2とともにインナー本体11を回転させることができる。なお、一例では、ガイドカップリング2fの先端部2jの半割形状の段差は20mmである。
【0035】
図1および図2に示すように、掘削部14は、インナー本体11の先端に設けられ、小口径ビット35とダブルコアチューブ36から成る。小口径ビット35は、ダブルコアチューブ36の外管に取り付けられ、パイロット孔を掘削可能である。ダブルコアチューブ36は小口径で、外管が回転しても、スイベル21により内管が回転しないよう構成されている。このため、小口径ビット35の回転により掘削されたコアが、内管の内部に挿入しても切れず、良好なコアを採取することができる。掘削部14は、ストッパ13が係合部2aと係合するとき、パイロット孔を掘削可能な長さでビット1から突出する。
【0036】
図3に示すように、パイロット孔内計測装置40は、インナー本体41と吊下部42とストッパ43とセンサー部44とを有している。
なお、パイロット孔内計測装置40は、先端にビット1を備え内周に係合部2aを有するボーリングロッド2の内部に挿入されてパイロット孔内で各種計測を行うために使用される。
【0037】
図3に示すように、インナー本体41は、先端側から順に、シャーピン51、セントラアイザー52、ステムロット(ステアリングロッド)53、ストロークエンドサブ54、セットナット55、四角ステム56(四角ストロークサブ)、ウレタン圧縮ラバー57、ラッチサポート58およびラッチボディストローク59が、それぞれの中心軸が一致するよう一体的に固定されて棒状に構成されている。四角ステム56は、通水口56aを有し、後端付近に段部56bを有して内径が変化している。
【0038】
インナー本体41は、四角ステム56の段部56bより先端側でランディングリング2hの内径よりも小さい径を有し、段部56bより後端側でボーリングロッド2の内径よりも小さい径を有している。このため、インナー本体41は、ボーリングロッド2の内部に挿入可能である。また、四角ステム56は、段部56bより後端側でランディングリング2hの内径より大きい径を有している。このため、インナー本体41は、段部56bがランディングリング2hと係合して、それ以上先端側へは移動しない。
【0039】
吊下部42は、インナー本体41の後端に固定され、リフティングドック60およびリトラクティングケース61から成っている。リフティングドック60は、インナー本体41の後端側に開口した円筒部60aを有している。円筒部60aの開口は、円筒部60aの内径より小さい径を有している。リトラクティングケース61は、リフティングドック60の開口と反対側の端部に、スプリングピン62により固定されている。リトラクティングケース61は、ラッチボディストローク59の外周に沿って取り付けられている。リトラクティングケース61は、ストッパ43の先端側を挟むように内側に突出する押上部61aを有している。吊下部42は、インナー本体41の長さ方向に往復運動可能に構成されている。
【0040】
図4に示すように、吊下部42は、ワイヤーライン3の先端に取り付けられたオーバーショット組立4の鉤部4aをリフティングドック60の円筒部60aの開口から挿入し、鉤部4aを開いて円筒部60aに係合させて、吊上げることができる。
【0041】
図3に示すように、ストッパ43は、ラッチボディストローク59に設けられ、1対のラッチプレート63とラッチスプリング64とを有している。各ラッチプレート63は、インナー本体41の先端側で互いの基端を重ね、スプリングピン65を貫通させて回転可能に取り付けられている。ラッチスプリング64は、ねじりバネから成り、中心部がラッチボディストローク59に取り付けられ、2つの端部がそれぞれ各ラッチプレート63の開閉側端部と係合して、各ラッチプレート63を互いに開く方向に付勢している。各ラッチプレート63は、開閉側端部の外側コーナーにラッチ部63aを有している。
【0042】
図4に示すように、各ラッチプレート63は、吊下部42が先端方向に移動するとき、ラッチスプリング64の付勢力により、ラッチ部63aがリトラクティングケース61から突出して係合部2aと係合し、ドライブカップリング2eの雌ねじボア部2iの内面に接触するように開く。また、吊下部42が後端方向に移動するとき、押上部61aが各ラッチプレート63を閉じるように移動し、各ラッチプレート63はラッチスプリング64の付勢力に抗して閉じて、ラッチ部63aが係合部2aと離脱して、ラッチ部63aがリトラクティングケース61の内部に収容される。
【0043】
図3に示すように、センサー部44は、インナー本体41の先端に設けられ、SIセル66と計測器67とから成る。SIセル66は、パイロット孔に挿入可能な径を有している。センサー部44は、ストッパ43が係合部2aと係合するとき、SIセル66がパイロット孔内に挿入可能にビット1から突出する。
【0044】
次に、作用について説明する。
パイロット孔掘削装置10は、所定の深度まで通常径ボーリングを行った後、孔内にあるコアチューブをワイヤーライン3により地上まで引き揚げる。次に、掘削部14の長さ程度ボーリングロッド2を引き揚げておいて、インナー本体11を先端からボーリングロッド2の内部に挿入し、落下させる。
【0045】
このとき、吊下部12がインナー本体11より先端方向に移動しており、ラッチスプリング33の付勢力により、各ラッチプレート32が開いている。これにより、インナー本体11は、各ラッチプレート32がボーリングロッド2の内面に接触した状態で、ボーリングロッド2の内部を落下する。
【0046】
インナー本体11の段部25bがランディングリング2hと係合し、その位置で留まる。このとき、ストッパ13の位置がボーリングロッド2の係合部2aの位置と一致する。ラッチスプリング33の付勢力により、ラッチ部32aが係合部2aと係合する。このとき、掘削部14がビット1から突出し、掘削可能な状態となる。
【0047】
ボーリングロッド2を回転させると、ストッパ13が係合部2aと係合しているため、掘削部14がボーリングロッド2と一体となって回転し、図6(A)に示すように、パイロット孔5の掘削を行うことができる。パイロット孔5の掘削が完了したならば、ワイヤーライン3の先端に取り付けられたオーバーショット組立4をボーリングロッド2のワイヤーラインロッド2gの内部に落下させ、鉤部4aをリフティングドック29の円筒部29aと係合させる。こうして、図4に示すように吊下部12にワイヤーライン3を取り付け、ワイヤーライン3を巻き上げて引き揚げる。このとき、吊下部12がインナー本体11に対し後端方向に移動して、ストッパ13が閉じ、係合部2aから離脱する。こうして、インナー本体11を地上まで引き揚げることができる。
【0048】
再び通常径ボーリングを掘削する場合には、ボーリングロッド2の内部にコアチューブを挿入すれば、掘削を行うことができる。
【0049】
パイロット孔掘削装置10では、全てのボーリングロッド2の揚降管を行うことなく、ボーリングロッド2の内部のコアチューブとインナー本体11とを交換することによって、通常掘削とパイロット孔掘削とを切り換えることができる。このため、パイロット孔掘削作業が容易になり、作業時間を短縮することができる。
【0050】
パイロット孔内計測装置40は、パイロット孔掘削後、インナー本体41を先端からボーリングロッド2の内部に挿入し、落下させる。このとき、吊下部42がインナー本体41より先端方向に移動しており、ストッパ43が開いた状態になっている。これにより、インナー本体41は、各ラッチプレート63がボーリングロッド2の内面に接触した状態で、ボーリングロッド2の内部を落下する。
【0051】
インナー本体41を挿入すると、段部56bがランディングリング2hと係合し、その位置で留まる。このとき、ストッパ43の位置がボーリングロッド2の係合部2aの位置と一致する。ラッチスプリング64の付勢力により、ラッチ部63aが係合部2aと係合する。このとき、センサー部44がビット1から突出し、パイロット孔5内に設置される。こうして、図6(B)に示すように、パイロット孔内計測装置40は、センサー部44がパイロット孔5内に設置された状態で、各種計測を行うことができる。
【0052】
パイロット孔内計測装置40で行う計測は、例えば、応力解放法に基づく初期応力測定である。この場合、センサー部44に歪計を取り付け、パイロット孔内に設置する。この状態で、図6(B)に破線で示すように、通常径でリボーリングを行い、そのときの応力を測定してメモリーに記憶する。その後、これを回収して、解析を行う。この他にも、パイロット孔内計測装置40は、ボーリング孔の掘削方向を変えるときなどに利用することができる。
計測が完了したならば、ワイヤーライン3の先端に取り付けられたオーバーショット組立4をボーリングロッド2のワイヤーラインロッド2gの内部に落下させ、鉤部4aをリフティングドック60の円筒部60aと係合させる。こうして、図4に示すように吊下部42にワイヤーライン3を取り付け、ワイヤーライン3を巻き上げて引き揚げる。このとき、吊下部42がインナー本体41に対し後端方向に移動して、ストッパ43が閉じ、係合部2aから離脱する。こうして、インナー本体41を地上まで引き揚げることができる。
【0053】
パイロット孔内計測装置40では、全てのボーリングロッド2の揚降管を行うことなく、ボーリングロッド2の内部のインナー本体41を交換することによって、パイロット孔掘削と孔内計測とを切り換えることができる。このため、パイロット孔内計測が容易になり、作業時間を短縮することができる。
【0054】
また、パイロット孔掘削装置10およびパイロット孔内計測装置40では、ボーリングロッド2の揚降管を行わないため、ボーリング孔壁が常にボーリングロッド2で保護されている。このため、崩壊が発生しやすい地層の場合でも、ボーリング孔壁の崩壊の発生を防止し、パイロット孔内への崩壊物の侵入を低減することができる。
【0055】
なお、図7に示すように、パイロット孔掘削装置10では、インナー本体11はストッパ13より先端側のステムロット22の内部に水圧で掘削部14を回転駆動するダウンホールモータ15を有してもよい。この場合、ボーリングロッド2を回転させずに、ダウンホールモータ15に水圧を加えることにより掘削部14を回転させて、パイロット孔を掘削することができる。ダウンホールモータ15は、高速回転が可能で、水圧により掘削時の荷重を調整することができる。
【0056】
従来、大深度においてパイロット孔掘削を行う場合、細いパイロット孔掘削用のロッドに伝達する荷重を微妙に調整することは極めて困難であり、この荷重が適切でないと、通常掘削孔とパイロット孔の軸心が一致しなくなるという課題があった。通常掘削孔とパイロット孔の軸心が一致しない場合には、パイロット孔掘削用のロッドが切断することも考えられるため、従来の方法は大深度におけるパイロット孔掘削には適さなかった。
【0057】
これに対し、パイロット孔掘削装置10では、前述のダウンホールモータ15を有する場合、水圧により掘削時の荷重の調整が容易なため、通常掘削孔とパイロット孔の軸心との一致が容易になり、大深度でのパイロット孔掘削が可能となる。また、高速回転によりパイロット孔の掘進効率を高めることもできる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、作業が容易であって作業時間を短縮でき、また、パイロット孔内への崩壊物の侵入を低減することができるパイロット孔掘削装置およびパイロット孔内計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のパイロット孔掘削装置を示す縦断面図である。
【図2】図1に示すパイロット孔掘削装置を示す縦断面図である。
【図3】本発明の実施の形態のパイロット孔内計測装置を示す縦断面図である。
【図4】図1に示すパイロット孔掘削装置および図3に示すパイロット孔内計測装置の吊下部およびストッパを示す縦断面図である。
【図5】図1に示すパイロット孔掘削装置のストッパの係合状態を示す(A)正面側縦断面図、および(B)右側面側縦断面図である。
【図6】(A)図1に示すパイロット孔掘削装置により掘削されたパイロット孔を示す縦断面図、および(B)図3に示すパイロット孔内計測装置の設置状況を示す縦断面図である。
【図7】本発明の実施の形態のパイロット孔掘削装置の変形例を示す縦断面図である。
【図8】従来のパイロット孔掘削装置を示す縦断面図である。
【図9】従来のパイロット孔内計測装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ビット
2 ボーリングロッド
2a 係合部
3 ワイヤーライン
4 オーバーショット組立
4a 鉤部
10 パイロット孔掘削装置
11 インナー本体
12 吊下部
13 ストッパ
14 掘削部
15 ダウンホールモータ
21 スイベル
22 ステムロット
23 ストロークエンドサブ
24 セットナット
25 四角ステム
25a 通水口
25b 段部
26 ウレタン圧縮ラバー
27 ラッチサポート
28 ラッチボディストローク
29 リフティングドック
29a 円筒部
30 リトラクティングケース
30a 押上部
31 スプリングピン
32 ラッチプレート
32a ラッチ部
33 ラッチスプリング
34 スプリングピン
35 小口径ビット
36 ダブルコアチューブ
40 パイロット孔内計測装置
41 インナー本体
42 吊下部
43 ストッパ
44 センサー部
66 SIセル
67 計測器

Claims (3)

  1. 先端にビットを備え内周に係合部を有するボーリングロッドの内部にワイヤーラインにより挿入されてパイロット孔を掘削するためのパイロット孔掘削装置であって、
    インナー本体と吊下部とストッパと掘削部とを有し、
    前記インナー本体はボーリングロッドの内部に挿入可能な径を有し、
    前記吊下部はワイヤーラインにより吊上げ可能であって前記インナー本体の長さ方向に往復運動可能に前記インナー本体の後端に設けられ、
    前記ストッパは開閉可能に前記インナー本体に設けられ、前記吊下部が先端方向に移動するとき前記係合部と係合可能に開き、前記吊下部が後端方向に移動するとき前記係合部と離脱可能に閉じる構成を有し、
    前記掘削部はパイロット孔を掘削可能な先端を有し、前記ストッパが前記係合部と係合するとき前記ビットからパイロット孔を掘削可能な長さで突出するよう前記インナー本体の先端に設けられていることを、
    特徴とするパイロット孔掘削装置。
  2. 前記インナー本体は前記ストッパより先端側に水圧で前記掘削部を回転駆動するダウンホールモータを有することを、特徴とする請求項1記載のパイロット孔掘削装置。
  3. 先端にビットを備え内周に係合部を有するボーリングロッドの内部にワイヤーラインにより挿入されてパイロット孔内で各種計測を行うためのパイロット孔内計測装置であって、
    インナー本体と吊下部とストッパとセンサー部とを有し、
    前記インナー本体はボーリングロッドの内部に挿入可能な径を有し、
    前記吊下部はワイヤーラインにより吊上げ可能であって前記インナー本体の長さ方向に往復運動可能に前記インナー本体の後端に設けられ、
    前記ストッパは開閉可能に前記インナー本体に設けられ、前記吊下部が先端方向に移動するとき前記係合部と係合可能に開き、前記吊下部が後端方向に移動するとき前記係合部と離脱可能に閉じる構成を有し、
    前記センサー部は前記インナー本体の先端に設けられ、前記ストッパが前記係合部と係合するとき前記ビットから前記パイロット孔内に挿入可能に突出するよう設けられていることを、
    特徴とするパイロット孔内計測装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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