JP3963139B2 - サウンディング試験を用いた改良地盤の許容応力度と沈下量の算定法 - Google Patents
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- Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、地盤のサウンディングによる試験結果を用いて、地盤の強度解析および地盤の変形解析を行い、改良地盤の許容応力度と沈下量を算定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
砂質土や粘性土などから構成される地盤を改良して基礎を構築する場合、改良地盤の許容応力度を求めておく必要がある(参考文献1,2)。改良地盤の許容支持力に関して、原地盤が一層地盤の場合は、実務に適用し易い形を有する理論式が提案されている(参考文献3)。
一方、多層地盤の支持力を求めるための方法には、分割法(参考文献4)と層別支持力法(参考文献5,6)がある。このうち層別支持力法は二次元的な連続基礎に対してだけでなく、正方形あるいは長方形基礎スラブなど有限な長さの基礎スラブに対しても利用できるため、参考文献6では二層地盤に関する層別支持力法が示されている。層別支持力法の多層地盤への適用に関して、多層地盤の許容応力度の算定法(参考文献7)が提案されているが、地盤面から基礎底面までの深さ、地下水面及び改良地盤底面の下部土質層に関するそれぞれの影響を考慮した改良地盤の許容応力度に関して、理論式は提案されていない。
また、改良地盤の即時沈下量は、原地盤と変形量を比較すると、顕著に小さくなる傾向があり、その特徴を表現しうる理論式(参考文献8)が提案されているが、これまで提示されている改良地盤の即時沈下量に関する理論式による解析法は、改良地盤の各層ごとの剛性の影響を定量的に沈下量計算に組み込めうるような、必ずしも精度の高い解析法ではない。
さて、旧指針である1988年版建築基礎構造設計指針(参考文献9)では許容応力度設計法に基づき、地盤の許容支持力度が提示されていたが、2001年版新指針(参考文献8)では限界状態設計法を採用し、極限鉛直支持力を定義している。
また、建築基準法における地盤の許容応力度について告示(参考文献1)が2001年に改正され、第1113号が提示された。
このような背景を踏まえ、「建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針」(参考文献3)の考え方に基づき、本願発明においては告示に沿った方針で、改良地盤の許容応力度の算定法を示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
砂質土や粘性土などから構成される地盤を改良して基礎を構築する場合、改良地盤の許容応力度を求めておく必要がある。改良地盤の許容応力度に関して、原地盤が一層地盤の場合は、実務に適用し易い形を有する理論式(参考文献3)が提案されているが、多層地盤では提案されていない。
そこで、原地盤が多層地盤である場合、地盤面から基礎底面までの深さ、地下水面及び改良地盤底面の下部土質層に関するそれぞれの影響を考慮した改良地盤の許容応力度について、理論式を提案する。
また、改良地盤の即時沈下量の算定法に関して、これまで提案されている改良地盤の即時沈下量に関する理論式(参考文献8)による解析法は、改良地盤の各層ごとの剛性の影響を定量的に沈下量計算に組み込めうる精度の高い数値解析法ではないので、この点を改善した新しい理論式による解析法を提案する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1は、サウンディング試験を用いて改良地盤の許容応力度を算定するために、原地盤を砂質土と粘性土に分類し、また改良地盤を多層地盤としてモデル化し、地盤面から基礎底面までの深さ、地下水面及び改良地盤底面の下部土質層に関するそれぞれの影響を考慮し、原地盤と改良体の複合地盤としての鉛直支持力機構より求まる許容鉛直支持力度、及び改良体が独立して支持するとした場合の鉛直支持力機構より求まる許容鉛直支持力度についてそれぞれを算定することを特徴とするサウンディング試験を用いた改良地盤の許容応力度解析法である。
請求項2は、サウンディング試験結果を利用し、改良地盤の各層ごとの剛性の影響を適切に沈下量計算に組み込めうるように、二層地盤におけるBarberの方法を多層地盤に一般化した理論式による解析手法を用いて、即時沈下量を算定することを特徴とするサウンディング試験を用いた改良地盤の沈下解析法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下図面及び表に基いて、本願発明であるサウンディング試験を用いた改良地盤の許容応力度と沈下量の算定法の実施の形態につき、詳細に説明する。
図1は地盤を構成する土質層の第1層から第n層までが、それぞれ厚さ4を有し、地下水面2は地表面1からの深さ3にあり、このような多層地盤において基礎底面の幅5、深さ6の直接基礎に荷重7が作用している状態を示す。
いま、図1に示されるように、地盤の層数と各層の厚さ4、砂質土と粘性土の区分並びに地表面1から地下水面2までの深さ3については、地盤の深さ方向に行われるサウンディング試験によって調査できる。
【0006】
基礎については、地表面1から基礎底面までの深さ6、基礎底面の幅5の最小値、及び形状・寸法が与えられるものとする。
【0007】
砂質土の単位体積重量、並びに粘性土の単位体積重量、自然含水比、液性限界、圧密降伏応力については、サウンディングによる試験結果からは直接求められないので、既往の土質データ及び解析手法を用いて推定し、既知量とする。
既往の土質データとは、地盤工学会:土質試験の方法と解説,1990年(参考文献13参照)及び地盤工学会:地盤調査法,1995年(参考文献14参照)に基いて得られた土質データを意味し、本発明においては砂質土の単位体積重量、並びに粘性土の単位体積重量,自然含水比,液性限界,圧密降伏応力を示す。
また解析手法とは、圧密降伏応力に関する解析手法を意味し、平井弘義:サウンディング試験を用いた地盤の圧密降伏応力解析法、特許第3598500号公報、2004年(参考文献15参照)に基づく地盤の圧密降伏応力解析法を意味する。
【0008】
サウンディング試験(標準貫入試験あるいはスウェーデン式サウンディング試験等)によって、各層の土質区分(砂質土と粘性土)とN値(ただし、スウェーデン式サウンディング試験においては、静的貫入抵抗WswとNswが分かれば、N値は間接的に既往の関係式を用いて推定できる)が与えられる。
既往の関係式とは、稲田倍穂:スウェーデン式サウンディング試験結果の使用について,土と基礎、Vol.8、No.1,pp.13〜18,1960年(参考文献16参照)における関係式を意味する。
【0009】
地盤内の砂質土については、試験で得られたN値を、既往の内部摩擦角の推定式に代入すると、砂質土に関する内部摩擦角の値が得られる。
既往の内部摩擦角の推定式とは、日本建築学会:建築基礎構造設計指針(第2版), pp.105~138, 2001年(参考文献8参照)によるものである。
【0010】
地盤内の粘性土に関して、N値と非排水せん断強さの関係は、既往の実験式により与えられるので、サウンディングによる試験結果から得られたN値を用いて、粘性土の非排水せん断強さは推定できうる。
既往の実験式とは、地盤工学会:地盤調査法,1995年(参考文献14参照)によるものである。
【0011】
地盤の支持力を推定するためには、境界条件を考慮した可能な破壊モードについて支持力を調べ、最小のものを探さなければならない。
この許容応力度の算定方針は、(1)改良地盤頭部に作用する鉛直荷重(構造物の荷重Qを基礎スラブの面積Arで割った設計用接地圧qと、(2)改良地盤の許容応力度qaを求め、(1)≦(2)を満足することである。
上記(2)に関しては、原地盤と改良体の複合地盤としての鉛直支持力より求まる許容鉛直支持力度をqa1とする。
また、改良体が独立して支持するとした場合の鉛直支持力より求まる許容鉛直支持力度に関しては、建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針(参考文献3)によるものをqa2とし、地盤面から基礎底面までの深さDfと地盤面から地下水面までの深さZwの影響を考慮したものをqa3とし、それぞれの算定式を提案する。それゆえ、三つの許容鉛直支持力度の内、いずれか最小のものを改良地盤の許容応力度qaとする。
そこで、許容応力度の算定における仮定として、地盤面から基礎底面までの深さDfは第1層の厚さH1以下であるものとする。また、図1において示されるように地盤はn個の土質層から構成され、地下水面は第i層内にあるものとする。
まず、原地盤と改良体の複合地盤としての鉛直支持力機構より求まる許容鉛直支持力度qa1に関して、Dfを考慮する場合を検討する。多層地盤の第1〜(k−1)層を改良する場合、許容鉛直支持力度qa1について、二層地盤の場合と同様な仮定を用いることとすれば、図2に示すように改良地盤底面の荷重が、1/2の傾斜で下方に向かって広がるものとする。この分散した改良地盤底面の荷重、下部土質層の重量および下部土質層境界における極限支持力との力のつり合い式をつくると、下部土質層の影響を受けた場合の改良地盤底面における極限支持力度が求められる。
次に、第1〜(k−1)層の改良地盤に関して、基礎スラブ底面の荷重、改良地盤の重量、改良地盤底面における極限支持力及び極限周面摩擦力との力のつり合い式をつくると、下部土質層の影響を受けた場合の改良地盤の極限支持力度が求められる。長期許容応力度は、極限支持力度に安全率3を導入することによって与えられる。以後、本願発明においては、長期許容応力度を簡略に許容応力度という。
地盤の許容応力度に用いられている材料パラメータに関して、地盤面から地下水面までの深さZWと地盤面から改良地盤底面までの深さΣHmとの位置関係により区分され、砂質土では粘着力c=0、粘性土では内部摩擦角φ=0を仮定している。
表1においては、改良地盤の許容応力度qa1が示されており、ΣHm<ZWの場合においては表1に示される(a),(b),(c),(d)のうち、いずれか最小の値が改良地盤の許容応力度qa1となる。
【表1−1】
【表1−2】
【表1−3】
次に、図2において地盤面から地下水面までの深さZWが地盤面から改良地盤底面までの深さΣHm以下である場合、許容応力度qa1は表1に示されている。ゆえに、ΣHm≧ZWの場合における(a),(b)のうち、いずれか最小の値が改良地盤の許容応力度となる。
以上示された許容応力度は、地盤面から基礎底面までの深さDfを考慮したものであるがDfの効果を考慮しない場合の許容応力度についても、上記と類似な許容応力度の算定式が求められる。Dfを考慮しない改良地盤の許容応力度については、図2に示す根入れ深さDfに相当する土被り部分が除荷された状態において考察することになる。
改良地盤底面の荷重が、1/2の傾斜で下方に向かって広がるものとする。この分散した改良地盤底面の荷重、下部土質層の重量および下部土質層境界における極限支持力との力のつり合い式をつくると、下部土質層の影響を受けた場合の改良地盤底面における極限支持力度が求められる。
次に、第1〜(k−1)層の改良地盤に関して、基礎スラブ底面の荷重、改良地盤の重量、改良地盤底面における極限支持力及び極限周面摩擦力との力のつり合い式をつくると、Dfを考慮しない場合における下部土質層の影響を受けた場合の改良地盤の許容応力度qa1が求められる。
ゆえに、表1においてDfを考慮しない場合でΣHm<ZWの場合における(a),(b),(c),(d)のうち、いずれか最小の値が改良地盤の許容応力度qa1となる。
次に、図2において地盤面から地下水面までの深さZWが地盤面から改良地盤底面までの深さΣHm以下である場合は、表1においてDfを考慮しない場合でΣHm≧ZWの場合における(a),(b)のうち、いずれか最小の値が改良地盤の許容応力度qa1となる。
さらに、地盤面から地下水面までの深さZWが地盤面から基礎底面までの深さDf以下である場合は、表1においてDfを考慮しない場合でDf≧ZWの場合における(a),(b)のうち、いずれか最小の値が改良地盤の許容応力度qa1となる。
一方、図3の改良体が独立して支持するとした場合、杭としての鉛直支持力機構より求まる許容鉛直支持力度qa2は場所打ちコンクリート杭の算定式が準用されている。そこで、建築基準法における地盤の許容応力度について、告示第1113号(参考文献1)による考え方を適用すると、許容鉛直支持力度qa2は表2の中に示されるように与えられる。
【表2】
また、図3の改良体が独立して支持するとした場合、地盤面から基礎底面までの深さDfと地盤面から地下水面までの深さZWの影響を考慮し、鉛直支持力機構より求まる許容鉛直支持力度qa3に関しては、表1において与えられる改良地盤の許容応力度の中で、下部土質層の影響がない場合について、Ap=Ab,Wb=ΣγmHm−γ1Dfとおけば、表3に示されるような改良地盤の許容応力度qa3が得られる。
【表3】
ゆえに、改良地盤の許容応力度qa1,qa2,qa3の中で最小のものが改良地盤の許容応力度として採用されることになる。
【0012】
次に、即時沈下量と圧密沈下量について検討する。まず、図1を参照して、多層地盤における即時沈下量の算定方法について検討する。有限厚さの地盤表面における基礎の即時沈下量Siは、参考文献8の式(5.3.3)によって与えられる。
一方、Barber、(参考文献10)は二層地盤の表面変位を求めるための近似計算法を提案し、二層弾性体の第一層を第二層と同じ弾性係数を持つ層で置き換えるのに、層の剛性を等しく保てばよいと考えた。
本願発明においては、Barberによって提案された二層地盤に関する近似計算法を多層地盤に一般化した近似解析法を提案する。第n層の弾性係数をEn、ポアソン比をνnと書くことにする。この場合第n層と同じ弾性係数を持つ層で第m層を置き換えるのに、層の剛性を等しく保つようにすれば、次の次式をうる。
【式1】
ここに、H1e,H2e,・・・・・・,Hneは等価換算厚である。改良地盤部分の弾性係数については、地盤と改良体とを考慮した等価弾性係数を採用することになり、参考文献8の式(6.3.33)と同様な形で与えられる。
いま、弾性係数E、ポアソン比νの半無限弾性体で地盤面から基礎底面までの深さDfにおいて荷重qを受ける長辺L,短辺Bの長方形基礎に関して、中央部の直下で鉛直距離zにおける鉛直変位w(z)は次のようになる。
【式2】
ここに、m=L/B,n=2z/B.
また、荷重qを受ける半径aの円形基礎において中央部の直下で鉛直距離zにおける鉛直変位w(z)は次のようになる。
【式3】
図1に示す多層地盤において、弾性係数Enなる半無限体の表面沈下w(0)からw (H1e)を引いたものは、等価弾性対の第一層に相当する部分の圧縮量になる。したがって、多層地盤の第一層の圧縮量△1は次のように与えられる。
【式4】
同様にして、多層地盤における第二層、……、第n−1層の圧縮量△2,……、△n−1は次のようになる。
【式5】
ゆえに、多層地盤における表面変位は、つぎのように表される。
【式6】
図4と図5は地盤表面で円形載荷を受ける三層地盤において、厚さ比と変位係数との関係について、厳密計算(参考文献11)、指針式(参考文献8)による近似計算及び提案式による近似計算のそれぞれの値を示している。ここにHt=Hl+H2である。各層の弾性係数比が異なるいずれの場合でも、全般的に提案式による近似値は厳密解を適切に表していることがわかる。
また、粘性土の圧密沈下量Scは、次式(参考文献8)のように表される。
【式7】
ここに、CS:膨張指数,Cc:圧縮指数,H:層の厚さ,e0:間隙比,σv'1:建設前の有効上載圧,σvc':圧密降伏応力,△σv':増加応力である。建設前の有効上載圧σv'1は、地盤を構成する土層の深さと単位体積重量及び地下水位がわかれば求められる。圧密降伏応力σvc'に関しては、参考文献12においてサウンディング試験を用いた推定法が提案されている。また、弾性係数Enの半無限弾性体では、荷重qを受ける長辺L,短辺Bの長方形基礎において中央部の直下で鉛直距離zにおける増加応力△σv'は次のように与えられる。
【式8】
ここに、m=L/B,n=2z/Bであり、等価換算厚式(1)を式(8)に代入すれば、図1の各層における増加応力△σv'は求められる。よって、式(7)によって、圧密沈下量は算定できることになる。
改良地盤の許容応力度の算定に関してまとめると次のようになる。即ち、改良地盤において計算された許容応力度を外力として考え、即時沈下量と圧密沈下量を算定し、許容沈下量以下の変形を発生させるような許容応力度を地盤の許容応力度として採用する。もし、最初に求められた許容応力度が、即時沈下量と圧密沈下量を超える変形を生じさせうる場合は、許容応力度を低減させた値を外力として採用し、沈下量を計算して、この値が許容沈下量以下になるまで、繰り返し計算を行い、最終的に適合する許容応力度が得られるので、この値を改良地盤の許容応力度とする。
【0013】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によって次のことが分かる。
1)改良地盤の許容応力度に関しては、地下水面の影響および改良地盤底面の下部土質層の影響を考慮し、国土交通省告示1113号(参考文献1)を一般化した形を提案した。
このとき、原地盤と改良体の複合地盤としての鉛直支持力機構より求まる許容鉛直支持力度、及び改良体が独立して支持するとした場合の鉛直支持力機構より求まる地盤面から基礎底面までの深さDfと地盤面から地下水面までの深さZwの影響を考慮した許容鉛直支持力度について、それぞれの算定式を提示した。さらに、改良体が独立して支持するとした場合の鉛直支持力機構より求まる指針式による許容鉛直支持力度を考慮して、以上三つの許容鉛直支持力度の内、いずれか小さいものを改良地盤の許容応力度qaとした。
即ち、地盤のサウンディングによる試験結果による土質情報を利用して、改良地盤の許容応力度の算定が理論的に可能となる。
2)即時沈下量に関して、地盤の各層ごとの剛性の影響を適切に沈下量計算に組み込めるBarberの方法を一般化した理論式を提案し、厳密計算値と比較・検討し、提案式の有用性を明らかにした。
即ち、地盤のサウンディングによる試験結果による土質情報を利用して、改良地盤の即時沈下量の算定が理論的に可能となる。
3)改良地盤において提案された許容応力度と別途推定された圧密降伏応力とを用いて圧密沈下量の計算を行い、また即時沈下量も計算し、許容沈下量との比較によって、改良地盤の許容応力度を求めるための算定法を提案した。
即ち、改良地盤の許容応力度とそれに伴う即時沈下量及び圧密沈下量も推定できうるため、許容沈下量との比較検討が可能となり、最終日標である地盤の許容応力度の算定を、迅速にかつ理路整然と行うことができる。
参考文献
1)国土交通省告示第1113号:官報,号外第136号,pp.4〜5,2001.
2)2001年版建築物の構造関係技術基準解説書:国土交通省住宅局建築指導課他,工学図書(株),pp.53〜63,2001.
3)日本建築センター:建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針−セメント系固化材を用いた深層・浅層混合処理工法,1997.
4)今泉繁良・山口柏樹:分割法による地盤の支持力計算法,土質工学会論文報告集,Vol.26,No.2,pp.143−150,1986
5)Yamaguchi,H.:Practical Formula of the Bearing Vilue for Two Layered Ground,Proc.2nd Asian Regional Conf,SMFE,Vol.1,pp.176〜180,1963.
6)大崎順彦:建築基礎構造,技報堂出版,pp.324〜327,1991.
7)平井弘義・亀井健史:サウンディング試験を用いた地盤の許容応力度の算定法に関する一提案,日本建築学会構造系論文集,第557号,pp.113〜120,2002.
8)日本建築学会:建築基礎構造設計指針(第2版),pp.105〜138,2001.
9)日本建築学会:建築基礎構造設計指針(第1版),pp.117〜130,1988.
10)Palmer,L.A.and Barber,E.S.:Soil Displacement under a Circular Loaded Area,Proc.Highway Res.Board,Vol.20, pp.279〜286,1940.
11)植下協・G.G.マイヤホフ:多層地盤における弾性変位について,土木学会論文集,No.144,1967.
12)平井弘義・亀井健史:粘性土の圧密降伏応力の推定法に関する一提案,土と基礎,地盤工学会,Vol.50,No.5,Ser.No.532,pp.11〜13,2002.
13)地盤工学会:土質試験の方法と解説,1990年
14)地盤工学会:地盤調査法,1995年
15)平井弘義:サウンディング試験を用いた地盤の圧密降伏応力解析法、特許第3598500号公報、2004年
16)稲田倍穂:スウェーデン式サウンディング試験結果の使用について,土と基礎、Vol.8、No.1,pp.13〜18,1960年
【図面の簡単な説明】
【図1】改良地盤上における直接基礎を示す図面である。
【図2】複合地盤としての鉛直支持力機構
【図3】改良体が独立して支持するとした場合の鉛直支持力機構
【図4】厳密解と近似値(指針式)の比較
【図5】厳密解と近似値(提案式)の比較
【符号の説明】
1 地表面
2 地下水面
3 地表面から地下水面までの深さ
4 第i層の厚さ
5 基礎底面の最小幅
6 地表面から基礎底面までの深さ
7 荷重
Claims (2)
- サウンディング試験を用いてセメント系固化材を用いた深層・浅層混合処理工法により改良された地盤の許容応力度を算定するために、原地盤を砂質土と粘性土に分類し、また改良地盤部分の弾性係数として地盤と改良体とからなる複合地盤を考慮した等価弾性係数を採用して、当該複合地盤を第一層とした多層地盤としてモデル化し、地盤面から基礎底面までの深さ、地下水面及び複合地盤底面の下部土質層に関するそれぞれの影響を表1−1,表1−2,表1−3,表2及び表3に示すように考慮し、原地盤と改良体の複合地盤としての鉛直支持力により求まる許容鉛直支持力度qa1、改良体が独立して支持するとした場合の鉛直支持力より求まる許容鉛直支持力度qa2、及び地盤面から基礎底面までの深さDfと地盤面から地下水面までの深さZwの影響を考慮した改良体が独立して支持するとした場合の鉛直支持力より求まる許容鉛直支持力度qa3について、それぞれを算定すること、を特徴とするサウンディング試験を用いた改良地盤の許容応力度解析法。
表1−1
表1−2
表1−3
表2
表3
- 請求項1に記載の改良地盤の許容応力度算定法を採用するとともに、サウンディング試験結果を利用し、改良地盤の各層ごとの剛性の影響を適切かつ定量的に沈下量計算に組み込めるように、二層地盤におけるBarberによる解析方法を多層地盤にも適用できるように、
式1:
(式中、Ej は多層弾性体における第j層の弾性係数、νjはポアソン比、Dfは荷重qを受ける地盤面から基礎底面までの深さ、またH1e , H2e , ……, Hne は等価換算厚である。)
を用いて等価換算厚を一般化し、
式2:
(ここに、m=L/B,n=2z/Bである。)
及び
式3
において、荷重qとして本請求項1に示す改良地盤の許容応力度を用いて、各層の即時沈下量
式4
式5
を求め、
式6
に代入して近似的に即時沈下量を算定することを特徴とするサウンディング試験を用いた改良地盤の即時沈下解析法。
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