JP3960050B2 - Method for producing dried gel - Google Patents

Method for producing dried gel Download PDF

Info

Publication number
JP3960050B2
JP3960050B2 JP2002005591A JP2002005591A JP3960050B2 JP 3960050 B2 JP3960050 B2 JP 3960050B2 JP 2002005591 A JP2002005591 A JP 2002005591A JP 2002005591 A JP2002005591 A JP 2002005591A JP 3960050 B2 JP3960050 B2 JP 3960050B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gel
solvent
water
methanol
wet gel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002005591A
Other languages
Japanese (ja)
Other versions
JP2003206125A (en
Inventor
卓 橋田
光宏 佐野
隆行 浦田
正明 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2002005591A priority Critical patent/JP3960050B2/en
Publication of JP2003206125A publication Critical patent/JP2003206125A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3960050B2 publication Critical patent/JP3960050B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱材、吸音材および触媒担体、音響センサー、などに用いられる低密度の疎水化された乾燥ゲルの製造方法およびそれを用いた断熱材に関する。
【0002】
【従来の技術】
断熱材、吸音材および触媒担体、音響センサー等を得るために用いる乾燥ゲルは、一般的に比表面積が大きく、同時に密度が低いものが好ましい。
【0003】
比表面積が大きく低密度であるためには、多数の微細孔を有していることが必要であり、このような乾燥ゲルを得るためには、前記の条件を満たす湿潤ゲルを得る必要がある。
【0004】
上記湿潤ゲルは、いわゆるゾルーゲル法により製造されるが、乾燥時にゲル孔中に生じる毛管力によって収縮を起こし、その時に微細孔も失われてしまう。この収縮を抑えることが、低密度で、比表面積大きい乾燥ゲルを得るためには重要であり、そのために主として二つの方法が知られている。
【0005】
その第一番目の方法は、超臨界乾燥法であり、この方法では、臨界点以上の圧力、温度で乾燥するために、乾燥時に気液界面が形成されないことが特徴である。このため、毛管力が生じず、ゲルの収縮を起こすことなく乾燥が可能となる。この方法は、キスラーによりアルコールの超臨界乾燥を用いる方法として開発され(ジャーナル オブ フィジカルケミストリー、36巻、52〜64頁、1932年)、後にハントらにより、二酸化炭素を用いた超臨界乾燥へと発展した(米国特許第4610863号)。
【0006】
第二番目の方法として、湿潤ゲル表面を疎水化剤を用いて疎水化することによって、毛管力を減少させて乾燥させる方法(ジャーナル オブ ノン−クリスタライン ソリッド、186巻、104〜112頁、1995年)が知られている。このように、湿潤ゲル表面を疎水化させる場合、前記ゲル中に含まれる水が疎水化剤と反応することを避けるために、アルコール等の水溶性溶媒による溶媒置換によりゲル中の水を除いた後に、さらに非水溶性の溶媒で置換を行い、前記非水溶性溶媒中で疎水化処理がなされる。この後、湿潤ゲル中の溶媒を加熱乾燥することで乾燥ゲルを得る。疎水化剤としては、トリメチルクロロシランを用いることが記載されている。
【0007】
また、上記トリメチルクロロシランに代表されるクロロシラン化合物は、疎水化時に塩化水素を発生して装置の腐食を引き起こしやすいが、そのような強い腐食性を示さない疎水化剤として、シラザン化合物が知られている。この疎水化剤を適用することが可能な湿潤ゲル表面の疎水化方法として、湿潤ゲル内の水を水溶性溶媒により置換除去した後に、水溶性溶媒中で前記疎水化剤をゲルに作用させて疎水化処理を行う方法が知られている。また、乾燥は、上記と同じく疎水化の後に、湿潤ゲル中の溶媒を加熱除去することで行われる(特許第3045411号)。ここでは、疎水化時の溶媒としてのメタノールの優れた効果に関しては記載されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
疎水化剤としてシラザン化合物を用いて、湿潤ゲル表面を疎水化して乾燥させる場合、既に述べたように、疎水化処理時の溶媒として水溶性溶媒が用いられることが知られている。しかし、通常の水溶性溶媒を用いたのでは、効率的な疎水化を進めて、密度の低い乾燥ゲルを得ることが容易ではない。また、高沸点の水溶性溶媒を用いれば密度の低い乾燥ゲルが得られるが、前記溶媒としてはジメチルフォルムアミド等少数の溶媒に限られ、それらの溶媒も価格が高い等の課題を有していた。
【0009】
したがって、本発明の目的は、上記の課題を解決するために、疎水化剤としてシラザン化合物を用いる場合に、高効率な疎水化処理を汎用溶媒の使用により可能とする、疎水化された乾燥ゲルの製造方法およびそれを用いた高性能な断熱材を、提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の1つの手段は、少なくとも水を含む溶媒とゲル原料とを混合することで湿潤ゲルを形成させてなるゲル化工程と、前記湿潤ゲル内の水を除く除水工程と、前記湿潤ゲルの表面を、疎水化剤としてシラザン化合物を用いて疎水化処理を行う疎水化工程と、前記の疎水化処理された湿潤ゲル内に残存した溶媒を、前記溶媒の臨界点未満の条件で除いて乾燥ゲルを得る乾燥工程とを含み、前記疎水化工程において、前記疎水化処理時の溶媒として、少なくともメタノールと非水溶性溶媒とを含む溶媒を用いることを特徴とする乾燥ゲルの製造方法とする。これにより、低密度の乾燥ゲルが容易に得られる。
【0011】
前記疎水化処理時の溶媒が、少なくともメタノールと非水溶性溶媒とを含むことが有効である。
【0012】
前記無機多孔体の主性分が二酸化珪素であることが有効である。
【0013】
前記ゲル原料が、アルコキシシランあるいはそのオリゴマーであることが有効である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の疎水化された乾燥ゲルの製造方法は、以下の4つの工程からなる。
(1)ゲル化工程(湿潤ゲルの形成)
(2)除水工程(湿潤ゲル内の水の除去)
(3)疎水化工程(湿潤ゲル表面の疎水化)
(4)乾燥工程(湿潤ゲルの乾燥)
以下で各工程毎に説明して行く。
【0015】
(1)ゲル化工程(湿潤ゲルの形成)
本発明では、まずゾルーゲル法により湿潤ゲルを作製する。具体的には、ゲル原料と溶媒と、必要に応じてゲル化触媒とを混合することで、溶媒中でゲル原料の重合をすすめ、湿潤ゲルを形成する。
【0016】
本発明の製造方法で用いられるゲル原料としては、ゾルーゲル法に用いられる一般的な原料が用いられる。例えば、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン等の酸化物微粒子や対応するアルコキシド等がある。この中でも金属としてケイ素を含有する化合物が、入手の容易性から好ましい。例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランおよびトリアルコキシシラン、ジアルコキシシラン等のケイ素アルコキシドやそのオリゴマー、コロイダルシリカ、水ガラス、また水ガラスから電気透析により得られるケイ酸水溶液等及びこれらの混合物が用いられる。
【0017】
ゲル化触媒としては、一般的な有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基が用いられる。有機酸として、酢酸、クエン酸、無機酸として、硫酸、塩酸、硝酸、有機塩基として、ピペリジン、無機塩基として、アンモニア等がある。
【0018】
湿潤ゲルの形成には上記の各種ゲル原料を用いることが可能であるが、後述するように代表的なゲル原料を使用する場合、形成された湿潤ゲルは何れも水を含むことになる。
【0019】
アルコキシシランを原料とする場合、アルコキシシランと、溶媒としてのアルコールと、ゲル化触媒としての酸あるいは塩基及び水を加えることで、アルコキシシランの加水分解、縮重合を経て、湿潤ゲルを形成する。このように、水を用いるためアルコキシシランを原料として用いる場合、得られる湿潤ゲルは水を含むことになる。
【0020】
また、ケイ酸金属塩の水溶液である水ガラスをゲル原料とする場合、水ガラスから、陽イオン交換樹脂を通して金属イオンを除いた後、塩基触媒を添加してゲル化を進行させる。また、水ガラスに直接、塩酸等の酸を触媒として、混合することで、ゲル化を進行させる方法もある。後者の場合、ゲル中に金属塩が形成される。この金属塩が存在すると、後で述べる疎水化工程に於ける疎水化処理の進行の効率が低下するため、後述のゲル熟成の後に、水による洗浄等の方法により除かれる。このような水ガラスをゲル原料とする場合も、溶媒が水であるため、得られる湿潤ゲルは水を含むことになる。
【0021】
また、ゲル原料としては、水ガラスを電気透析処理して得られるケイ酸水溶液が、より好適に用いられる。電気透析処理によって、水ガラス中の金属イオンの大半が除かれているため、ゲル熟成後の水洗浄処理が、水ガラスを直接用いる場合に比較して大幅に軽減される。また、水ガラスに比較して粘度が低いため扱いが容易である。この場合も、得られる湿潤ゲルは水を含むことになる。
【0022】
やはり、溶媒として水を用いるコロイダルシリカも、ゲル原料として用いられ、酸触媒の添加によりゲル化を進行させるが、ゲルの強度が得られにくく、乾燥時の収縮が起こりやすいという欠点がある。この場合も、得られる湿潤ゲルは水を含むことになる。
【0023】
本発明の場合、上記のようなゲル原料のうち、アルコキシシランあるいはそのオリゴマーを用いることが好ましい。これは以下の理由による。水ガラスや、水ガラスを電気透析処理して得られるケイ酸水溶液、コロイダルシリカ等の他のゲル原料からゲルを作製する場合の溶媒が水である。これに対し、ゲル原料としてアルコキシシランを用いる場合は、溶媒として相当量のアルコールが用いられるため、ゲル中の水の割合が減少し、後で述べる水除去工程が簡略化できるという効果が生じるためである。
【0024】
また、ゲル化後、形成された湿潤ゲルを必要に応じて、昇温雰囲気に置き、ゲル中の未反応の水酸基を縮合させてゲルを熟成させることが、ゲル強度を増して、乾燥時の収縮を抑制することに有効である。さらに、熟成時に、ゲル原料を加えてモノマー中で、ゲルの熟成を行うことが、ゲル強度を確保し、乾燥時の収縮を低減するためには、より効果的であることが知られている(ジャーナル オブ ノン−クリスタライン ソリッド、186巻、96頁、1995年)。
【0025】
また、ゲル化後、熟成時にさらにゲル化触媒を添加することも、ゲル強度の上昇に効果がある。特に、ゲル化時に、触媒を添加してゲル加速度が早くなりすぎる場合には、ゲル化後、熟成時に、触媒を添加する方法が有効である。
【0026】
一方、湿潤ゲルの形成法として、例えば特表平11−514324等に示されているように、ゲル原料等を貧溶媒中へ滴下攪拌あるいは噴霧する等で、ゲルを粒体として形成することも可能である。大きさがmm程度の粒体を形成することで、後述の疎水化工程でも疎水化剤を含んだ液体の浸透が良くなり、疎水化が効率的に進行する効果がある。
【0027】
本発明の乾燥ゲルの製造方法には、上記のように一般的なゲル原料による湿潤ゲル形成法や、ゲル形成時に粒体化を行うゲル形成法が適用可能であるが、水を含む湿潤ゲルが形成されていれば、上記の方法に限定されるものではない。
【0028】
(2)除水工程(湿潤ゲル内の水の除去)
この工程では、(1)ゲル化工程、で形成された湿潤ゲル内にある水を除去する。その方法として、以下の二つの方法が好ましい。
・溶媒置換
・加熱留去
まず、溶媒置換について説明する。一般的な溶媒置換は、形成された湿潤ゲルを、置換したい溶媒の中に浸漬させて、前記溶媒をゲル内の溶媒と入れ替えることで行う。この時に用いる溶媒としては、水溶性の溶媒であれば特に制限されない。例えば、水溶性のアルコール類としてメタノール、エタノール、プロパノールおよびターシャリ−ブタノール、エチレングリコール、グリセロール等の低級アルコール、その他に、アセトン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等のケトン類やエーテル類、ジメチルホルムアミド等のホルムアミド類、さらに蟻酸、酢酸およびプロピオン酸などの低級カルボン酸や、これらの混合物を用いることができる。この中でも、低価格で、後述の疎水化工程での疎水化効率の高いメタノールの使用が好ましい。
【0029】
また、上記溶媒置換は、上記水溶性溶媒だけではなく、上記水溶性溶媒と他の非水溶性溶媒との混合溶媒によっても可能である。この場合、後述の疎水化工程での疎水化効率を高めるためには、やはり水溶性溶媒がメタノールであることが好ましい。さらに同様に、上記の疎水化効率を高めるためには、非水溶性溶媒として沸点80℃以上の溶媒、特に100℃以上の溶媒が好ましい。これを満たす非水溶性溶媒としては、非水溶性であれば特に制限されず、非常に広範囲の溶媒、例えば、アルコール、ケトン、エステル、その他の官能基を有する芳香族および脂肪族炭化水素、および官能基を有しない前記炭化水素等が用いられる。具体的には、沸点が80℃以上で、表面張力の小さい非水溶性溶媒としては、デカン、ノナン、オクタン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン等があり、さらに、これらのうち、沸点が100℃以上で特に好ましいものとして、オクタン、トルエン、キシレン等がある。
【0030】
次に加熱留去に関して説明する。加熱留去により水を除く場合、一般的に、水の沸点付近より高い沸点を有する非水溶性の溶媒を加えて加熱することで、水を優先的に留去することが可能である。非水溶性の溶媒を用いることで、加熱留去後に有機溶媒と水が自然に分離するため、溶媒の再利用が容易になる効果がある。また、非水溶性溶媒の沸点は、水の沸点より低くても、過剰に加えれば、水を除去することが可能であるが、さらに溶媒の沸点を高くすることで、水留去の選択性を高めることができる。このため、溶媒置換により水を除去する場合に比較して、使用する溶媒量も大幅に低減できる効果が得られる。同時に、溶媒置換のときに触れた、沸点が80℃以上の非水溶性溶媒、さらに好ましくは、沸点が100℃以上の非水溶性溶媒を用いることにより、低密度な乾燥ゲルが容易に得られる効果が得られ好ましい。
【0031】
また、水と加えた溶媒が、共沸混合物を形成する場合は、水と溶媒が一定の割合で留去されていくため、水の除去の制御が容易になる効果がある。さらに、通常の有機溶媒の乾燥で行われるように、減圧条件下で加熱留去を行うことで、効率的な水除去が可能になる。特に、ゲル化触媒等が存在する場合、水を含む状態で温度を上げて加熱乾燥すると、ゲル骨格中の結合の切断などが生じる可能性がある。このような場合は、減圧で水を加熱留去することで、温度上昇を防ぐことが効果的である。
【0032】
また、(1)ゲル化工程、で述べたゲル形成時に粒体化を行う場合のように、溶媒留去時の上記非水溶性溶媒が、ゲル化時に貧溶媒等として加えられている場合には、前記貧溶媒をそのまま用いることができるため好ましい。
【0033】
(3)疎水化工程(湿潤ゲル表面の疎水化)
従来、除水工程を経た湿潤ゲルを、疎水化剤としてシラザンを用いて疎水化を行うときは、疎水化時の溶媒として、水溶性溶媒が用いられていた。しかし、通常の水溶性溶媒を用いたのでは、密度の低い乾燥ゲルを得ることが容易ではなかった。また、高沸点の水溶性溶媒を用いれば密度の低い乾燥ゲルが得られるが、前記水溶性溶媒としてはジメチルフォルムアミド等使用可能な溶媒が限られており、溶媒のコストも高くなるという課題があった。
【0034】
この課題を解決するために、本発明の発明者らは鋭意検討した結果、疎水化処理時にメタノールと非水溶性溶媒とを含む溶媒を用いれば、メタノールを重量で1割から2割程度混合することで、メタノール中で疎水化した場合と同様に良好な疎水化処理を施すことが可能となり、後述の乾燥工程に従って乾燥することで低密度乾燥ゲルが得られることを見いだした。
【0035】
ところで、後述の乾燥工程で述べるように、メタノールを含む湿潤ゲルの乾燥は収縮が起こりやすく難しかった。ところが、本発明によれば、疎水化処理時の溶媒として、メタノールを少量しか含まない混合溶媒を用いることができる。この場合、少量で沸点の低いメタノールは、乾燥工程初期に選択的に留去され、ゲルを実質的にメタノールを含まない溶媒から乾燥させることができる。また、メタノールと共に用いる溶媒が非水溶性の溶媒であるので、より表面張力の小さい溶媒を選択することが容易となるため好ましく、そのことによって乾燥時の収縮を押さえて低密度の乾燥ゲルを得ることができる。このように、メタノールと非水溶性溶媒との混合溶媒中での疎水化処理は、疎水化の効率的な進行と、低表面張力で毛管力を低減した乾燥の両方を可能にし、低密度乾燥ゲルを容易に提供するを得る効果を奏する。
【0036】
このように、本発明の疎水化処理時の溶媒としては、
・メタノールと非水溶性溶媒とを含む混合溶媒
が用いられる。従って、疎水化工程に於ける具体的な操作としては、(2)除水工程を経た湿潤ゲルの含む溶媒が、上記の溶媒でない場合は、相当する溶媒置換を行うことで上記の溶媒に置換することが必要である。その後に、疎水化剤としてのシラザン化合物を加えるか、疎水化剤としてのシラザン化合物を含んだ上記溶媒中に湿潤ゲルを浸積した後に、加熱することで疎水化処理を行う。この時、上記の溶媒置換時に、メタノールと非水溶性溶媒とを含む混合溶液に疎水化剤を添加することで、上記溶媒置換を省略することも可能である。
【0037】
また、本発明に用いられる具体的な疎水化剤であるシラザン化合物としては、特に制限はないが、例えばヘキサメチルジシラザン,ジメチルトリメチルシリルアミン、ジエチルトリメチルシリルアミン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン等がある。この中でも入手の容易性から、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。
【0038】
また、疎水化処理時に用いる水溶性溶媒で、メタノールと併用できるものとして、既に述べた水溶性溶媒、具体的には水溶性のアルコール類としてエタノール、プロパノールおよびターシャリ−ブタノール、エチレングリコール、グリセロール等の低級アルコール類、その他、アセトン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等のケトンやエーテルの他、蟻酸、酢酸およびプロピオン酸などの低級カルボン酸や、これらの混合物も用いることができる。酢酸等は疎水化時の触媒としても働くため、併用するとより好ましい。
【0039】
また、疎水化時に用いられる非水溶性溶媒は、水に溶解しなければ特に制限を受けない。しかし、その表面張力の小さい方が、乾燥時に作用する毛管力が小さくなり収縮を起こしにくくなるため有利である。
【0040】
本発明で好適に用いられる非水溶性溶媒としては、官能基を含まない脂肪族及び芳香族炭化水素、及びフッ素化された炭化水素、エーテル、アルコールの他、アルキルシラン、ジメチルポリシロキサンの様なケイ素化合物が沸点での表面張力が小さく好ましい。
【0041】
具体的には、表面張力としては沸点での値が、0.02N/m程度以下であれば後述の乾燥工程における乾燥時に適しているため好適に用いることができるが、さらに、沸点での表面張力が0.016N/m以下であることが好ましい。これを満たし入手も容易である溶媒としては、デカン、ノナン、オクタン、ヘプタン、ヘキサンおよびペンタン、ブタンなどで環状構造を有しない脂肪族炭化水素、その異性体、それらの混合物がある。
【0042】
これらのうち、沸点が80℃以下で、表面張力の小さい非水溶性溶媒としては、ヘキサン、ペンタンあるいは、これらの混合物が主成分である石油エーテル等が特に好ましい。
【0043】
これらのうち、沸点が80℃以上で、表面張力の小さい非水溶性溶媒としては、デカン、ノナン、オクタン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン等である。
【0044】
さらに、これらのうち、沸点が100℃以上で特に好ましいものは、オクタン、トルエン、キシレン等である。
【0045】
(4)乾燥工程
最後に、乾燥方法に関して説明する。
【0046】
上述の(1)ゲル化工程、(2)水除去工程、(3)疎水化工程を経ることで疎水化された湿潤ゲルが得られる。乾燥工程では、乾燥時の毛管力を大きくする溶媒を選択的に除去した後に、ゲル中に残存した溶媒を加熱により除去して、疎水化された乾燥ゲルを得る。前記の乾燥時に毛管力を増大させる溶媒としては、メタノールが最も重要である。従って、例えば、メタノール中で疎水化処理を行った場合は、ゲル中のメタノールを他の溶媒に置換するか、乾燥前あるいは乾燥中に他の溶媒を加えることにより、乾燥中の毛管力を低減することが好ましい。
【0047】
既に述べたように、疎水化溶媒が、メタノールと非水溶性溶媒との混合溶媒である場合は、非水溶性溶媒を過剰にしておくことにより、湿潤ゲルの実質的な乾燥が始まる前に、メタノールを選択的に留去することが可能となるため好ましい。さらに、非水溶性溶媒の沸点を高くすることで、より選択的にメタノールを留去することが可能になるため好ましいが、メタノール自体の沸点が64.1℃と低いために、前記非水溶性溶媒の選択が容易であり、メタノールの選択的な留去も容易となる効果がある。上記非水溶性溶媒としては、メタノールよりも沸点が高いものであれば良いが、メタノールと共沸混合物を形成する溶媒を用いると、安定したメタノールの除去が可能であり好ましい。前記溶媒として、例えば、エチルメチルケトン、トルエン、シクロへキサン等がある。
【0048】
また、乾燥時にメタノールを優先的に除去する方法として、湿潤ゲルが含むメタノール以外の有機溶媒の蒸気雰囲気で乾燥することが好ましい。例えば、湿潤ゲルが、ヘキサン、メタノールを含む場合、ヘキサンの加熱蒸気を吹き込みつつ乾燥することで、メタノールを優先的に気化させて、最終的にメタノールをほとんど含まない湿潤ゲルとし、ヘキサンを加熱乾燥することで、良好な低密度乾燥ゲルが得られる。
【0049】
一方、乾燥は、特開平7−257918に記載されているように、大気圧以下でも可能である。この際、特に乾燥溶媒として乾燥温度での毛管力を低減するために、表面張力が小さい溶媒を選択することが好ましい。また、減圧下で乾燥することは、有機溶媒を乾燥する際の危険性を低減する効果もある。このような溶媒として、入手の容易性も考えて、ペンタン、ヘキサン、これらを主成分とする混合物である石油エーテル等を用いることが特に好ましい。
【0050】
また、上記の本発明の疎水化された乾燥ゲルの製造方法を適用することで乾燥ゲルの低密度が容易となる。具体的には、50〜500kg/m3の低密度の疎水化された乾燥ゲルの製造が容易になり、特に断熱材として好ましい50〜300kg/m3の低密度の疎水化された乾燥ゲルの製造が容易になる効果がある。
【0051】
最後に本発明の疎水化された乾燥ゲルを用いた断熱材について説明する。この断熱材は、本発明の疎水化された乾燥ゲルの製造方法により製造された乾燥ゲルを主たる構成成分とするものである。乾燥ゲルは、ブロック状、粒体、粉体等の形態をとり、これらを、断熱したい機器等の必要な部分に充填することによって、断熱材として使用できる。また、バインダーやフィラー等を加えて成型したものも断熱材として好適に用いられる。
【0052】
また、みかけ密度が50〜500kg/m3であることが特徴である。低密度であるために低い熱伝導率が実現でき、疎水化処理されたゲルを主成分とするため耐湿性を有する。
【0053】
以下に、具体的な実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は、これらのみに制限されるものではない。
【0054】
【実施例】
参考例1および比較例1、2、3、4》
参考例では、アルコキシシランをゲル原料として湿潤ゲルを形成し、この湿潤ゲル内の水を含む溶媒をメタノールを用いた溶媒置換により除いた後、疎水化剤としてビス(ジメチルアミノ)ジメチルシランを用いてメタノール中で疎水化処理を行った。最後に、乾燥工程に於いて、溶媒置換を行った後乾燥することで乾燥ゲルを作製した。
【0055】
具体的には、まずテトラメトキシシラン/メタノール/水=100/90/47(重量比)を混合することで湿潤ゲルを得た。水としては、0.1規定アンモニア水を用いた。引き続き、得られた湿潤ゲルを、ゲル体積の10倍のメタノールに浸漬することで、前記湿潤ゲル中の水を含む溶媒を、メタノールに置換した。この溶媒置換をさらに1回繰り返した。引き続き、ゲル形成に用いたテトラメトキシシラン1モルに対して、0.5モルの割合のビス(ジメチルアミノ)ジメチルシランを10wt%メタノール溶液としたものに、前記湿潤ゲルを浸漬した。前記の浸積を60℃で3時間継続した後に、前記湿潤ゲルをゲル体積の10倍量のヘキサンに浸漬することで溶媒置換を行った。さらに、この溶媒置換を、一回繰り返した。最後に、前記湿潤ゲルを100℃の窒素気流下で乾燥することにより、乾燥ゲルを得た。得られた乾燥ゲルの密度を、ゲル片の重量測定と水中置換により体積を求めることにより算出した。また得られた乾燥ゲルを粉砕し、不織布製の袋に充填することにより断熱材を作製し、その熱伝導率を平行平板法により測定した。(参考例1)
比較のために、疎水化前の溶媒置換、疎水化時の溶媒をエタノールに変更した他は、参考例と同じ条件で乾燥ゲル作製と密度、熱伝導率測定を行った。(比較例1)
同様に、疎水化前の溶媒置換、疎水化時の溶媒をイソプロパノールに変更した他は、参考例と同じ条件で乾燥ゲルを作製と密度、熱伝導率測定を行った。(比較例2)
同様に、疎水化前の溶媒置換、疎水化時の溶媒をターシャリーブタノール変更した他は、参考例と同じ条件で乾燥ゲルを作製と密度、熱伝導率測定を行った。(比較例3)
同様に、疎水化前の溶媒置換、疎水化時の溶媒をアセトンに変更した他は、参考例と同じ条件で乾燥ゲルを作製と密度、熱伝導率測定を行った。(比較例4)
得られた乾燥ゲルの密度は、順に260kg/m3(参考例1)、350kg/m3(比較例1)、360kg/m3(比較例2)、340kg/m3(比較例3)、330kg/m3(比較例4)であった。水溶性溶媒の中でも、メタノールが顕著に低密度の乾燥ゲルを与えることがわかった。これは、メタノール中での疎水化の効率が高いためと考えられる。
【0056】
また、得られた断熱材の熱伝導率は、順に20.5mW/mK(参考例1)、28.4mW/mK(比較例1)、29.0mW/mK(比較例2)、27.6mW/mK(比較例3)、27.0mW/mK3(比較例4)であり、メタノールを用いることで低密度ゲルが得られたものが優れた熱伝導率を示すことがわかった。
【0057】
参考例2》
参考例では、疎水化剤をジメチルトリメチルシリルアミンに変更した他は参考例1と同様にして乾燥ゲルを作製し、密度測定を行った。
【0058】
得られた乾燥ゲルの密度は、270kg/m3であり、参考例1と同様に低密度となっていることがわかった。これは、疎水化溶媒としてメタノールを使用したため高い効率で疎水化が進行したためと考えられる。
【0059】
参考例3、4、5及び比較例5、6、7》
参考例では、アルコキシシランをゲル原料として湿潤ゲルを形成した。この湿潤ゲル内の水を含む溶媒をメタノールを用いた溶媒置換により除いた後、さらにトルエンを用いて溶媒置換を行った。疎水化は、疎水化剤としてヘキサメチルジシラザンを用いて、トルエン中で行い、そのまま乾燥処理を施すことで乾燥ゲルを作製した。
【0060】
具体的には、参考例1と同様にして湿潤ゲルを作製し、メタノール置換を行った後、メタノール置換と同様にしてトルエン置換を行った。引き続き、ゲル形成に用いたテトラメトキシシラン1モルに対して、0.25モルの割合のヘキサメチルジシラザンを10wt%トルエン溶液としたものに、前記湿潤ゲルを浸漬した。前記の浸積を80℃で3時間継続した。最後に、疎水化処理を施した前記湿潤ゲルをそのまま、耐圧容器内で、0.2MPa、150℃の窒素気流下で乾燥することにより、乾燥ゲルを得た。得られた乾燥ゲルの密度を、参考例1と同様にして求めた。(参考例3)
さらに、疎水化の温度を100℃にした他は、参考例3と同じにして乾燥ゲルを製造し、密度測定を行った。(参考例4) また、参考例3と同様にゲル化及び、メタノール置換を行った後、ゲル形成に用いたテトラメトキシシラン1モルに対して、0.5モルの割合のヘキサメチルジシラザンを10wt%メタノール溶液としたものに、前記湿潤ゲルを60℃で3時間浸漬した。この後、メタノール置換と同様にして、トルエン置換を行い、0.2MPaの圧力のもと150℃の窒素気流下で乾燥を行い、参考例3と同様にして乾燥ゲルの密度測定を行った。(参考例5)
比較のために、疎水化の温度を40℃にした他は、参考例4と同じにして乾燥ゲルを製造し、密度測定を行った。(比較例5)
比較のために、疎水化の温度を60℃にした他は、参考例4と同じにして乾燥ゲルを製造し、密度測定を行った。(比較例6)
比較のために、湿潤ゲル中のトルエンを、高圧容器中で液化炭酸ガスで置換し、その後、70℃、10MPaに昇温加熱して、超臨界状態とした後に、圧力を徐々に開放して乾燥ゲルを得た。参考例4と同様にして密度測定を行った。(比較例7)
得られた乾燥ゲルの密度は、順に460kg/m3(トルエン、40℃、比較例5)、360kg/m3(トルエン、60℃、比較例6)、260kg/m3(トルエン、80℃、参考例3)、260kg/m3(メタノール、60℃、参考例5)、220kg/m3(トルエン、100℃、参考例4)であった。60℃程度より低温では、乾燥ゲルの密度は高くなったが、80℃で疎水化すると非水溶性溶媒のトルエン中でも、メタノール中で疎水化した場合と同程度の低密度が実現された。また、100℃で乾燥することにより、臨界圧以下の条件でも、収縮はほぼ完全に押さえれて、超臨界乾燥時と同等の低い密度が実現された。
【0061】
《実施例1、2参考例6及び比較例8》
本実施例、参考例では、メタノール置換後、ヘキサンを加えることで、メタノール/ヘキサンの混合溶媒中で疎水化を行い、そのまま加熱乾燥を行うことで乾燥ゲルを作製した。疎水化剤は、ヘキサメチルジシラザンを用いた。
【0062】
具体的には、参考例1と同様にして湿潤ゲルを作製し、前記ゲル体積の3倍の体積のメタノールで3回置換を行った後、前記湿潤ゲルをヘキサン中に移すことで、湿潤ゲルの含む溶媒が、メタノール/ヘキサン=10/90(重量比)となるようにした。さらに、前記溶媒に、ヘキサメチルジシラザンを加えることで10wt%溶液として疎水化処理を進めた。前記の疎水化処理は、60℃で3時間継続された。最後に、疎水化処理を施した前記湿潤ゲルをそのまま、100℃の窒素気流下で乾燥することにより、乾燥ゲルを得た。また、得られた乾燥ゲルの密度を、参考例1と同様にして求めた。(実施例
疎水化前の湿潤ゲルが含む混合溶媒の比率が、メタノール/ヘキサン=20/80(重量比)となるようにした他は、実施例と同様にして、乾燥ゲルを作製し、密度を測定した。(実施例
また、メタノール置換後にメタノール中で疎水化を行い、乾燥前にヘキサン置換を行った以外は実施例と同様に乾燥ゲルを作製し、密度を測定した。(参考
また、メタノール置換後にヘキサン置換を行い、疎水化をヘキサン中で行った以外は、実施例と同様にして、乾燥ゲルを作製し、密度を測定した。(比較例8)
得られた乾燥ゲルの密度は、順に260kg/m3(実施例)、280kg/m3(実施例)、260kg/m3(参考)、340kg/m3(比較例8)であった。
【0063】
このように、疎水化溶媒にメタノールが少量混合されるだけで、得られる乾燥ゲルの密度が低下することがわかった。これは、少量のメタノールの混合により、疎水化効率が向上し、乾燥時には、メタノールが少量で沸点が低いために、選択的に留去され、乾燥時の毛管力が上昇しないためと考えられる。
【0064】
参考
参考例では、アルコキシシランをゲル原料として湿潤ゲルを形成した。この湿潤ゲル内の水を含む溶媒にトルエンを加えて、加熱により水を留去した。疎水化は、疎水化剤としてヘキサメチルジシラザンを用いて、トルエン中で行い、そのまま乾燥処理を施すことで乾燥ゲルを作製した。
【0065】
具体的には、参考例1と同様にして湿潤ゲルを作製し、さらにトルエンをゲルの5倍体積加えた。この後、減圧下で加熱することで、全溶媒の半分を留去した。さらに、ヘキサメチルジシラザンを、ゲル化時に使用したテトラメトキシシラン1モルに対して0.5モル加え、110℃で3時間保持した。最後に、疎水化処理を施した前記湿潤ゲルをそのまま、耐圧容器内で、0.2MPa、150℃の窒素気流下で乾燥することにより、乾燥ゲルを得た。得られた乾燥ゲルの密度を、実施例1と同様にして求めたところ、230kg/m3であった。このように、形成された湿潤ゲル中の水を加熱留去により除くことによって、溶媒置換により水を除去する場合に比べて、溶媒量を大幅に削減することが可能となった。(参考例3)
【0066】
【発明の効果】
本発明の疎水化された乾燥ゲルの製造方法は、湿潤ゲル形成後、前記ゲルに含まれる水を除去し、疎水化剤としてのシラザン化合物を作用させて疎水化処理を行った後に、前記ゲルを乾燥するものであるが、疎水化処理時の溶媒として、少なくともメタノールと非水溶性溶媒とを含む溶媒を用いることが特徴である。このことにより、低密度の乾燥ゲルが容易に得られる効果が生じる。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a low-density hydrophobized dry gel used for a heat insulating material, a sound absorbing material, a catalyst carrier, an acoustic sensor, and the like, and a heat insulating material using the method.
[0002]
[Prior art]
A dry gel used for obtaining a heat insulating material, a sound absorbing material, a catalyst carrier, an acoustic sensor and the like generally has a large specific surface area and a low density at the same time.
[0003]
In order to have a large specific surface area and low density, it is necessary to have a large number of fine pores, and in order to obtain such a dry gel, it is necessary to obtain a wet gel that satisfies the above conditions. .
[0004]
The wet gel is produced by a so-called sol-gel method, but shrinks due to the capillary force generated in the gel pores during drying, and the micropores are lost at that time. It is important to suppress this shrinkage in order to obtain a dry gel having a low density and a large specific surface area. For this purpose, two methods are mainly known.
[0005]
The first method is a supercritical drying method. This method is characterized in that a gas-liquid interface is not formed during drying because drying is performed at a pressure and temperature above the critical point. For this reason, it becomes possible to dry without causing capillary force and causing shrinkage of the gel. This method was developed as a method using supercritical drying of alcohol by Kistler (Journal of Physical Chemistry, 36, 52-64, 1932), and later by Hunt et al. To supercritical drying using carbon dioxide. Developed (US Pat. No. 4,610,863).
[0006]
As the second method, the wet gel surface is hydrophobized with a hydrophobizing agent to reduce the capillary force and dry it (Journal of Non-Crystaline Solid, 186, 104-112, 1995). Year) is known. Thus, when hydrophobizing the wet gel surface, the water in the gel was removed by solvent replacement with a water-soluble solvent such as alcohol in order to avoid the water contained in the gel reacting with the hydrophobizing agent. After that, further substitution is performed with a water-insoluble solvent, and a hydrophobic treatment is performed in the water-insoluble solvent. Thereafter, the solvent in the wet gel is heated and dried to obtain a dry gel. It is described that trimethylchlorosilane is used as the hydrophobizing agent.
[0007]
In addition, chlorosilane compounds represented by trimethylchlorosilane are likely to generate hydrogen chloride during hydrophobization and cause corrosion of the device, but silazane compounds are known as hydrophobizing agents that do not exhibit such strong corrosivity. Yes. As a method for hydrophobizing a wet gel surface to which this hydrophobizing agent can be applied, after the water in the wet gel is replaced and removed by a water-soluble solvent, the hydrophobizing agent is allowed to act on the gel in the water-soluble solvent. A method of performing a hydrophobization treatment is known. In addition, drying is performed by removing the solvent in the wet gel by heating after the hydrophobization as described above (Japanese Patent No. 3045411). Here, it does not describe the excellent effect of methanol as a solvent during hydrophobization.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In the case where a wet gel surface is hydrophobized and dried using a silazane compound as a hydrophobizing agent, it is known that a water-soluble solvent is used as a solvent during the hydrophobizing treatment as described above. However, if a normal water-soluble solvent is used, it is not easy to proceed with efficient hydrophobization and obtain a dry gel with low density. Further, if a high-boiling water-soluble solvent is used, a low-density dry gel can be obtained. However, the solvent is limited to a small number of solvents such as dimethylformamide, and these solvents also have problems such as high price. It was.
[0009]
Therefore, the object of the present invention is to solve the above-mentioned problems, and in the case where a silazane compound is used as a hydrophobizing agent, a hydrophobized dry gel that enables highly efficient hydrophobizing treatment by using a general-purpose solvent. And a high-performance heat insulating material using the same.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, one means of the present invention includes a gelling step in which a wet gel is formed by mixing a solvent containing at least water and a gel raw material, and removal of water in the wet gel. A water step, a hydrophobizing step for hydrophobizing the surface of the wet gel using a silazane compound as a hydrophobizing agent, and a solvent remaining in the hydrophobized wet gel. And a drying step of obtaining a dry gel by removing under a condition less than the point, and in the hydrophobic step, a solvent containing at least methanol and a water-insoluble solvent is used as the solvent during the hydrophobic treatment. It is set as the manufacturing method of a dry gel. Thereby, a low-density dry gel is easily obtained.
[0011]
It is effective that the solvent during the hydrophobization treatment contains at least methanol and a water-insoluble solvent.
[0012]
It is effective that the main component of the inorganic porous material is silicon dioxide.
[0013]
It is effective that the gel raw material is alkoxysilane or an oligomer thereof.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The manufacturing method of the hydrophobized dry gel of this invention consists of the following four processes.
(1) Gelation step (formation of wet gel)
(2) Water removal step (removal of water in wet gel)
(3) Hydrophobization step (hydrophobization of wet gel surface)
(4) Drying process (drying of wet gel)
Hereinafter, each process will be described.
[0015]
(1) Gelation step (formation of wet gel)
In the present invention, a wet gel is first prepared by a sol-gel method. Specifically, by mixing a gel material, a solvent, and a gelling catalyst as necessary, the gel material is polymerized in the solvent to form a wet gel.
[0016]
As the gel material used in the production method of the present invention, general materials used in the sol-gel method are used. For example, there are oxide fine particles such as silicon, aluminum, zirconium and titanium, and corresponding alkoxides. Among these, a compound containing silicon as a metal is preferable from the viewpoint of availability. For example, tetraalkoxysilanes such as tetramethoxysilane and tetraethoxysilane, silicon alkoxides such as trialkoxysilane, dialkoxysilane and oligomers thereof, colloidal silica, water glass, aqueous silicate solution obtained by electrodialysis from water glass, and the like Mixtures of these are used.
[0017]
As the gelation catalyst, a general organic acid, inorganic acid, organic base, or inorganic base is used. Examples of the organic acid include acetic acid, citric acid, inorganic acid, sulfuric acid, hydrochloric acid, nitric acid, organic base, piperidine, inorganic base, ammonia, and the like.
[0018]
The various gel raw materials described above can be used for forming the wet gel. However, when a typical gel raw material is used as will be described later, the formed wet gel contains water.
[0019]
When alkoxysilane is used as a raw material, a wet gel is formed through hydrolysis and polycondensation of alkoxysilane by adding alkoxysilane, alcohol as solvent, acid or base as gelling catalyst and water. Thus, when using alkoxysilane as a raw material in order to use water, the wet gel obtained will contain water.
[0020]
When water glass, which is an aqueous solution of a metal silicate salt, is used as a gel raw material, after removing metal ions from the water glass through a cation exchange resin, gelation is promoted by adding a base catalyst. In addition, there is a method in which gelation proceeds by directly mixing water glass with an acid such as hydrochloric acid as a catalyst. In the latter case, a metal salt is formed in the gel. If this metal salt is present, the efficiency of progress of the hydrophobizing treatment in the hydrophobizing step described later is lowered, so that it is removed by a method such as washing with water after gel aging described later. Even when such a water glass is used as the gel raw material, the resulting wet gel contains water because the solvent is water.
[0021]
Moreover, as a gel raw material, the silicic acid aqueous solution obtained by electrodialyzing water glass is used more suitably. Since most of the metal ions in the water glass are removed by the electrodialysis treatment, the water washing treatment after the gel ripening is greatly reduced as compared with the case of directly using the water glass. Moreover, since the viscosity is lower than that of water glass, it is easy to handle. Again, the resulting wet gel will contain water.
[0022]
After all, colloidal silica using water as a solvent is also used as a gel raw material, and gelation proceeds by the addition of an acid catalyst. However, there is a drawback in that it is difficult to obtain gel strength and shrinkage during drying tends to occur. Again, the resulting wet gel will contain water.
[0023]
In the case of the present invention, among the gel materials as described above, it is preferable to use alkoxysilane or its oligomer. This is due to the following reason. Water is a solvent used to produce a gel from other gel raw materials such as water glass, an aqueous silicic acid solution obtained by electrodialysis of water glass, and colloidal silica. On the other hand, when alkoxysilane is used as the gel raw material, a considerable amount of alcohol is used as the solvent, so that the proportion of water in the gel is reduced, and the effect of simplifying the water removal step described later is produced. It is.
[0024]
In addition, after gelation, the formed wet gel is placed in a temperature-raising atmosphere as necessary, and the gel is aged by condensing unreacted hydroxyl groups in the gel. It is effective in suppressing shrinkage. Furthermore, it is known that the aging of the gel in the monomer by adding the gel raw material at the time of aging is more effective for ensuring the gel strength and reducing the shrinkage at the time of drying. (Journal of Non-Crystaline Solid, 186, 96, 1995).
[0025]
Further, adding a gelling catalyst after the gelation at the time of aging is also effective in increasing the gel strength. In particular, when the catalyst is added at the time of gelation and the gel acceleration becomes too fast, a method of adding the catalyst at the time of aging after gelation is effective.
[0026]
On the other hand, as a method for forming a wet gel, for example, as shown in JP-A-11-514324, the gel raw material may be formed into granules by dropping or stirring or spraying the gel raw material into a poor solvent. Is possible. By forming granules having a size of about mm, the penetration of the liquid containing the hydrophobizing agent is improved even in the hydrophobizing step described later, and there is an effect that the hydrophobization proceeds efficiently.
[0027]
The dry gel production method of the present invention can be applied to a wet gel formation method using a general gel material as described above or a gel formation method in which granulation is performed at the time of gel formation. If it is formed, it is not limited to the above method.
[0028]
(2) Water removal step (removal of water in wet gel)
In this step, water in the wet gel formed in (1) the gelation step is removed. As the method, the following two methods are preferable.
・ Solvent replacement
・ Evaporation by heating
First, solvent replacement will be described. The general solvent replacement is performed by immersing the formed wet gel in the solvent to be replaced and replacing the solvent with the solvent in the gel. The solvent used at this time is not particularly limited as long as it is a water-soluble solvent. For example, as water-soluble alcohols, lower alcohols such as methanol, ethanol, propanol and tertiary-butanol, ethylene glycol, glycerol, and other ketones such as acetone, 1,4-dioxane, tetrahydrofuran, 1,3-dioxolane, Ethers, formamides such as dimethylformamide, lower carboxylic acids such as formic acid, acetic acid and propionic acid, and mixtures thereof can be used. Among these, it is preferable to use methanol that is low in cost and has high hydrophobizing efficiency in the hydrophobizing step described later.
[0029]
The solvent replacement can be performed not only with the water-soluble solvent but also with a mixed solvent of the water-soluble solvent and another water-insoluble solvent. In this case, in order to increase the hydrophobizing efficiency in the hydrophobizing step described later, it is preferable that the water-soluble solvent is methanol. Similarly, in order to increase the above-described hydrophobization efficiency, a solvent having a boiling point of 80 ° C. or higher, particularly a solvent of 100 ° C. or higher is preferable as the water-insoluble solvent. The water-insoluble solvent satisfying this is not particularly limited as long as it is water-insoluble, and a very wide range of solvents such as alcohols, ketones, esters, aromatic and aliphatic hydrocarbons having other functional groups, and The hydrocarbon etc. which do not have a functional group are used. Specifically, the water-insoluble solvent having a boiling point of 80 ° C. or higher and a low surface tension includes decane, nonane, octane, heptane, octane, toluene, xylene, and the like. Of these, particularly preferred are octane, toluene, xylene and the like.
[0030]
Next, heating distillation will be described. When water is removed by distillation by heating, it is generally possible to distill water preferentially by adding and heating a water-insoluble solvent having a boiling point higher than that of water. By using a water-insoluble solvent, the organic solvent and water are naturally separated after distillation by heating, so that the solvent can be easily reused. Moreover, even if the boiling point of the water-insoluble solvent is lower than the boiling point of water, if it is added excessively, it is possible to remove water, but by further increasing the boiling point of the solvent, the selectivity of water distillation Can be increased. For this reason, compared with the case where water is removed by solvent substitution, the effect that the amount of solvent to be used can be reduced significantly is acquired. At the same time, a low-density dry gel can be easily obtained by using a water-insoluble solvent having a boiling point of 80 ° C. or higher, more preferably a water-insoluble solvent having a boiling point of 100 ° C. or higher. An effect is acquired and it is preferable.
[0031]
In addition, when the solvent added with water forms an azeotrope, water and the solvent are distilled off at a constant rate, so that there is an effect that the control of water removal becomes easy. Furthermore, efficient water removal becomes possible by performing the heating and distillation under reduced pressure conditions as is done by drying an ordinary organic solvent. In particular, in the case where a gelling catalyst or the like is present, if the temperature is raised in a state containing water and then heat-dried, bonds in the gel skeleton may be broken. In such a case, it is effective to prevent the temperature from rising by distilling water off under reduced pressure.
[0032]
In addition, when the water-insoluble solvent at the time of distilling off the solvent is added as a poor solvent or the like at the time of gelation, as in the case of granulating at the time of gel formation described in (1) Gelation step Is preferable because the poor solvent can be used as it is.
[0033]
(3) Hydrophobization step (hydrophobization of wet gel surface)
Conventionally, when hydrolyzing a wet gel that has undergone a water removal step using silazane as a hydrophobizing agent, a water-soluble solvent has been used as a solvent for hydrophobization. However, it was not easy to obtain a dry gel having a low density by using a normal water-soluble solvent. Further, if a high-boiling water-soluble solvent is used, a dry gel having a low density can be obtained. However, as the water-soluble solvent, usable solvents such as dimethylformamide are limited, and the cost of the solvent is increased. there were.
[0034]
In order to solve this problem, the inventors of the present invention have intensively studied, and as a result, at the time of hydrophobization treatment. If you use a solvent containing methanol and a water-insoluble solvent, By mixing about 10 to 20% by weight of methanol, it becomes possible to perform a good hydrophobizing treatment in the same way as when hydrophobizing in methanol, and low density dry gel by drying according to the drying process described below. I found out that
[0035]
By the way, as described in the drying step described later, it was difficult to dry a wet gel containing methanol because shrinkage easily occurred. However, according to the present invention, a mixed solvent containing only a small amount of methanol can be used as the solvent during the hydrophobization treatment. In this case, a small amount of methanol having a low boiling point is selectively distilled off at the beginning of the drying step, and the gel can be dried from a solvent substantially free of methanol. Also, Solvent used with methanol is a water-insoluble solvent So Since it becomes easy to select a solvent having a smaller surface tension, it is preferable to suppress shrinkage during drying, thereby obtaining a low-density dried gel. In this way, the hydrophobization treatment in a mixed solvent of methanol and a water-insoluble solvent enables both efficient progress of hydrophobization and drying with low surface tension and reduced capillary force. The effect of obtaining a gel is provided.
[0036]
Thus, as the solvent during the hydrophobization treatment of the present invention,
·methanol And water-insoluble solvent Mixed solvent
Is used. Therefore, as a specific operation in the hydrophobization step, (2) when the solvent contained in the wet gel that has undergone the water removal step is not the above solvent, the solvent is replaced by the corresponding solvent replacement. It is necessary to. Thereafter, a silazane compound as a hydrophobizing agent is added, or a wet gel is immersed in the solvent containing the silazane compound as a hydrophobizing agent, and then the hydrophobizing treatment is performed by heating. At this time, during the above solvent replacement, Mixed solution containing methanol and water-insoluble solvent It is also possible to omit the above solvent substitution by adding a hydrophobizing agent.
[0037]
The silazane compound, which is a specific hydrophobizing agent used in the present invention, is not particularly limited, and examples thereof include hexamethyldisilazane, dimethyltrimethylsilylamine, diethyltrimethylsilylamine, and bis (dimethylamino) dimethylsilane. . Among these, hexamethyldisilazane is preferable from the viewpoint of availability.
[0038]
In addition, as a water-soluble solvent used in the hydrophobization treatment, which can be used in combination with methanol, the water-soluble solvent described above, specifically, water-soluble alcohols such as ethanol, propanol and tertiary-butanol, ethylene glycol, glycerol, etc. In addition to lower alcohols, ketones and ethers such as acetone, 1,4-dioxane, tetrahydrofuran and 1,3-dioxolane, lower carboxylic acids such as formic acid, acetic acid and propionic acid, and mixtures thereof can also be used. . Since acetic acid and the like also act as a catalyst for hydrophobization, it is more preferable to use it together.
[0039]
The water-insoluble solvent used for hydrophobization is not particularly limited as long as it does not dissolve in water. However, the smaller surface tension is advantageous because the capillary force acting at the time of drying becomes small and shrinkage hardly occurs.
[0040]
Examples of the water-insoluble solvent suitably used in the present invention include aliphatic and aromatic hydrocarbons that do not contain a functional group, fluorinated hydrocarbons, ethers, alcohols, alkylsilanes, dimethylpolysiloxanes, and the like. Silicon compounds are preferred because of their low surface tension at the boiling point.
[0041]
Specifically, as the surface tension, if the value at the boiling point is about 0.02 N / m or less, it can be suitably used because it is suitable for drying in the drying step described later. The tension is preferably 0.016 N / m or less. Solvents that satisfy this and are easily available include decane, nonane, octane, heptane, hexane and pentane, butane and the like, aliphatic hydrocarbons having no cyclic structure, isomers thereof, and mixtures thereof.
[0042]
Among these, as the water-insoluble solvent having a boiling point of 80 ° C. or less and a low surface tension, hexane, pentane, or petroleum ether mainly composed of a mixture thereof is particularly preferable.
[0043]
Among these, decane, nonane, octane, heptane, octane, toluene, xylene and the like are examples of the water-insoluble solvent having a boiling point of 80 ° C. or higher and a low surface tension.
[0044]
Of these, octane, toluene, xylene and the like are particularly preferable when the boiling point is 100 ° C. or higher.
[0045]
(4) Drying process
Finally, the drying method will be described.
[0046]
A hydrophobized wet gel is obtained through the above-mentioned (1) gelation step, (2) water removal step, and (3) hydrophobization step. In the drying step, the solvent that increases the capillary force during drying is selectively removed, and then the solvent remaining in the gel is removed by heating to obtain a hydrophobized dry gel. Methanol is the most important solvent for increasing the capillary force during drying. Therefore, for example, when hydrophobization treatment is performed in methanol, the capillary force during drying is reduced by replacing methanol in the gel with another solvent or adding another solvent before or during drying. It is preferable to do.
[0047]
As already mentioned, when the hydrophobizing solvent is a mixed solvent of methanol and a water-insoluble solvent, by leaving the water-insoluble solvent in excess, before the substantial drying of the wet gel begins, It is preferable because methanol can be selectively distilled off. Furthermore, it is preferable to increase the boiling point of the water-insoluble solvent, so that methanol can be more selectively distilled off. However, since the boiling point of methanol itself is as low as 64.1 ° C., the water-insoluble solvent The solvent can be easily selected, and the methanol can be selectively distilled off easily. The water-insoluble solvent is not particularly limited as long as it has a boiling point higher than that of methanol. However, it is preferable to use a solvent that forms an azeotrope with methanol because stable removal of methanol is possible. Examples of the solvent include ethyl methyl ketone, toluene, and cyclohexane. Xan Etc.
[0048]
As a method for preferentially removing methanol during drying, it is preferable to dry in a vapor atmosphere of an organic solvent other than methanol contained in the wet gel. For example, when the wet gel contains hexane and methanol, the methanol is preferentially vaporized by drying while blowing heated steam of hexane, and finally the wet gel containing almost no methanol is obtained. By doing so, a good low density dry gel can be obtained.
[0049]
On the other hand, drying can be performed at atmospheric pressure or lower as described in JP-A-7-257918. At this time, it is preferable to select a solvent having a low surface tension in order to reduce the capillary force at the drying temperature, particularly as the drying solvent. Moreover, drying under reduced pressure also has the effect of reducing the risk of drying the organic solvent. As such a solvent, it is particularly preferable to use pentane, hexane, petroleum ether, which is a mixture containing these as main components, in view of availability.
[0050]
Moreover, the low density of a dry gel becomes easy by applying the manufacturing method of the hydrophobized dry gel of the present invention described above. Specifically, it becomes easy to produce a hydrophobized dry gel with a low density of 50 to 500 kg / m3, and in particular, it is possible to produce a hydrophobized dry gel with a low density of 50 to 300 kg / m3 which is preferable as a heat insulating material. There is an effect that becomes easy.
[0051]
Finally, the heat insulating material using the hydrophobized dry gel of the present invention will be described. This heat insulating material is mainly composed of a dry gel produced by the method for producing a hydrophobized dry gel of the present invention. The dried gel is in the form of blocks, granules, powders, and the like, and can be used as a heat insulating material by filling them into necessary parts such as equipment to be insulated. Moreover, what was shape | molded by adding a binder, a filler, etc. is used suitably as a heat insulating material.
[0052]
Further, the apparent density is 50 to 500 kg / m 3. Since it has a low density, low thermal conductivity can be realized, and it has moisture resistance because it is mainly composed of a hydrophobized gel.
[0053]
Hereinafter, the present invention will be described based on specific examples, but the present invention is not limited thereto.
[0054]
【Example】
reference Example 1 and Comparative Examples 1, 2, 3, 4 >>
Book reference In the example, a wet gel is formed using alkoxysilane as a gel raw material, and after removing the solvent containing water in the wet gel by solvent replacement with methanol, bis (dimethylamino) dimethylsilane is used as a hydrophobizing agent. Hydrophobization treatment was performed in methanol. Finally, in the drying step, solvent substitution was performed and then dried to prepare a dried gel.
[0055]
Specifically, a wet gel was obtained by first mixing tetramethoxysilane / methanol / water = 100/90/47 (weight ratio). As the water, 0.1N ammonia water was used. Subsequently, the obtained wet gel was immersed in methanol 10 times the gel volume, so that the solvent containing water in the wet gel was replaced with methanol. This solvent substitution was repeated once more. Subsequently, the wet gel was immersed in a 10 wt% methanol solution of 0.5 mol of bis (dimethylamino) dimethylsilane with respect to 1 mol of tetramethoxysilane used for gel formation. After the immersion was continued at 60 ° C. for 3 hours, the solvent substitution was performed by immersing the wet gel in 10 times the gel volume of hexane. Furthermore, this solvent substitution was repeated once. Finally, the wet gel was dried under a nitrogen stream at 100 ° C. to obtain a dry gel. The density of the obtained dried gel was calculated by determining the volume by measuring the weight of the gel piece and substituting in water. The obtained dried gel was pulverized and filled into a non-woven bag to produce a heat insulating material, and the thermal conductivity was measured by a parallel plate method. ( reference Example 1)
For comparison, except for solvent replacement before hydrophobization and changing the solvent at the time of hydrophobization to ethanol, reference Dry gel preparation and density and thermal conductivity measurements were performed under the same conditions as in the examples. (Comparative Example 1)
Similarly, except for solvent substitution before hydrophobization, and the solvent at hydrophobization changed to isopropanol, reference A dried gel was prepared and the density and thermal conductivity were measured under the same conditions as in the examples. (Comparative Example 2)
Similarly, the solvent substitution before hydrophobization, except that the solvent at the time of hydrophobization was changed to tertiary butanol, reference A dried gel was prepared and the density and thermal conductivity were measured under the same conditions as in the examples. (Comparative Example 3)
Similarly, solvent replacement before hydrophobization, except that the solvent at hydrophobization was changed to acetone, reference A dried gel was prepared and the density and thermal conductivity were measured under the same conditions as in the examples. (Comparative Example 4)
The density of the obtained dried gel was 260 kg / m 3 ( reference Example 1), 350 kg / m3 (Comparative Example 1), 360 kg / m3 (Comparative Example 2), 340 kg / m3 (Comparative Example 3), and 330 kg / m3 (Comparative Example 4). Among water-soluble solvents, it has been found that methanol gives a remarkably low density dry gel. This is presumably because the hydrophobization efficiency in methanol is high.
[0056]
Moreover, the heat conductivity of the obtained heat insulating material is 20.5 mW / mK (in order) reference Example 1), 28.4 mW / mK (Comparative Example 1), 29.0 mW / mK (Comparative Example 2), 27.6 mW / mK (Comparative Example 3), 27.0 mW / mK3 (Comparative Example 4), It was found that those obtained with a low density gel by using methanol showed excellent thermal conductivity.
[0057]
reference Example 2
Book reference In the example, the hydrophobizing agent was changed to dimethyltrimethylsilylamine reference A dry gel was prepared in the same manner as in Example 1, and the density was measured.
[0058]
The density of the resulting dried gel is 270 kg / m3, reference It was found that the density was low as in Example 1. This is presumably because the hydrophobization progressed with high efficiency because methanol was used as the hydrophobizing solvent.
[0059]
reference Examples 3, 4, 5 and Comparative Examples 5, 6, 7 >>
Book reference In the example, a wet gel was formed using alkoxysilane as a gel raw material. The solvent containing water in the wet gel was removed by solvent replacement using methanol, and then solvent replacement was further performed using toluene. Hydrophobization was performed in toluene using hexamethyldisilazane as a hydrophobizing agent, and a dry gel was prepared by performing a drying treatment as it was.
[0060]
In particular, reference A wet gel was prepared in the same manner as in Example 1, and after methanol substitution, toluene substitution was carried out in the same manner as methanol substitution. Subsequently, the wet gel was immersed in a 10 wt% toluene solution of hexamethyldisilazane at a ratio of 0.25 mol to 1 mol of tetramethoxysilane used for gel formation. The soaking was continued at 80 ° C. for 3 hours. Finally, the wet gel subjected to the hydrophobization treatment was dried as it was in a pressure-resistant container under a nitrogen stream of 0.2 MPa and 150 ° C. to obtain a dry gel. The density of the obtained dried gel reference Determined in the same manner as in Example 1. ( reference Example 3)
Furthermore, except that the hydrophobization temperature was set to 100 ° C. reference A dry gel was produced in the same manner as in Example 3, and density measurement was performed. ( reference Example 4) Also, reference After gelation and methanol substitution in the same manner as in Example 3, 0.5 mol of hexamethyldisilazane was made into a 10 wt% methanol solution with respect to 1 mol of tetramethoxysilane used for gel formation. The wet gel was immersed at 60 ° C. for 3 hours. Thereafter, as in the case of methanol substitution, toluene substitution is performed, and drying is performed under a nitrogen stream at 150 ° C. under a pressure of 0.2 MPa, reference The density of the dried gel was measured in the same manner as in Example 3. ( reference Example 5)
For comparison, except that the hydrophobization temperature was 40 ° C. reference A dry gel was produced in the same manner as in Example 4, and the density was measured. (Comparative Example 5)
For comparison, except that the hydrophobization temperature was set to 60 ° C. reference A dry gel was produced in the same manner as in Example 4, and the density was measured. (Comparative Example 6)
For comparison, the toluene in the wet gel was replaced with liquefied carbon dioxide gas in a high-pressure vessel, and then heated to 70 ° C. and 10 MPa to obtain a supercritical state, and then the pressure was gradually released. A dry gel was obtained. reference Density measurement was performed in the same manner as in Example 4. (Comparative Example 7)
The density of the obtained dried gel was 460 kg / m 3 (toluene, 40 ° C., comparative example 5), 360 kg / m 3 (toluene, 60 ° C., comparative example 6), 260 kg / m 3 (toluene, 80 ° C., reference Example 3), 260 kg / m 3 (methanol, 60 ° C., reference Example 5), 220 kg / m 3 (toluene, 100 ° C., reference Example 4). At a temperature lower than about 60 ° C., the density of the dried gel increased, but when hydrophobized at 80 ° C., a low density comparable to that obtained when hydrophobized in methanol was realized even in toluene, which is a water-insoluble solvent. Also, by drying at 100 ° C., shrinkage was almost completely suppressed even under conditions below the critical pressure, and a low density equivalent to that during supercritical drying was realized.
[0061]
"Example 1, 2 , Reference Example 6 And Comparative Example 8 >>
Example Reference examples Then, after substitution with methanol, hexane was added to hydrophobize in a mixed solvent of methanol / hexane, and the dried gel was prepared by heating and drying as it was. Hexamethyldisilazane was used as the hydrophobizing agent.
[0062]
In particular, reference A wet gel was prepared in the same manner as in Example 1, and after replacement with methanol having a volume three times the gel volume, the wet gel was transferred into hexane so that the solvent contained in the wet gel was methanol. / Hexane = 10/90 (weight ratio). Furthermore, the hydrophobization process was advanced as a 10 wt% solution by adding hexamethyldisilazane to the solvent. The hydrophobization treatment was continued at 60 ° C. for 3 hours. Finally, the wet gel subjected to the hydrophobization treatment was dried as it was under a nitrogen stream at 100 ° C. to obtain a dry gel. In addition, the density of the obtained dry gel, reference Determined in the same manner as in Example 1. (Example 1 )
Examples except that the ratio of the mixed solvent contained in the wet gel before hydrophobization was methanol / hexane = 20/80 (weight ratio) 1 In the same manner as above, a dried gel was prepared, and the density was measured. (Example 2 )
In addition, the examples were the same except that the hydrophobization was performed in methanol after the methanol substitution and the hexane substitution was performed before the drying. 1 A dry gel was prepared in the same manner as described above, and the density was measured. ( reference Example 6 )
In addition, Example 1 was performed except that hexane replacement was performed after methanol replacement and hydrophobization was performed in hexane. 1 In the same manner as above, a dried gel was prepared, and the density was measured. (Comparative Example 8)
The density of the obtained dried gel was 260 kg / m3 in order (Example 1 ) 280 kg / m3 (Example) 2 ), 260 kg / m3 ( reference Example 6 ) 340 kg / m3 (Comparative Example 8).
[0063]
Thus, it has been found that the density of the resulting dried gel is reduced only by mixing a small amount of methanol with the hydrophobic solvent. This is thought to be because hydrophobic efficiency is improved by mixing a small amount of methanol, and during drying, the amount of methanol is small and the boiling point is low, so that it is selectively distilled off and the capillary force during drying does not increase.
[0064]
reference Example 7
Book reference In the example, a wet gel was formed using alkoxysilane as a gel raw material. Toluene was added to the solvent containing water in the wet gel, and water was distilled off by heating. Hydrophobization was performed in toluene using hexamethyldisilazane as a hydrophobizing agent, and a dry gel was prepared by performing a drying treatment as it was.
[0065]
In particular, reference A wet gel was prepared in the same manner as in Example 1, and toluene was added in a volume 5 times that of the gel. Then, half of all the solvents were distilled off by heating under reduced pressure. Furthermore, 0.5 mol of hexamethyldisilazane was added to 1 mol of tetramethoxysilane used at the time of gelation, and the mixture was held at 110 ° C. for 3 hours. Finally, the wet gel subjected to the hydrophobization treatment was dried as it was in a pressure-resistant container under a nitrogen stream of 0.2 MPa and 150 ° C. to obtain a dry gel. When the density of the obtained dry gel was determined in the same manner as in Example 1, it was 230 kg / m 3. Thus, by removing the water in the formed wet gel by heating distillation, the amount of the solvent can be greatly reduced as compared with the case of removing the water by solvent replacement. ( reference Example 3)
[0066]
【The invention's effect】
In the method for producing a hydrophobized dry gel of the present invention, after the formation of a wet gel, water contained in the gel is removed, and a silazane compound as a hydrophobizing agent is allowed to act to hydrophobize the gel. Is characterized in that a solvent containing at least methanol and a water-insoluble solvent is used as a solvent during the hydrophobization treatment. This produces an effect that a low-density dry gel can be easily obtained.

Claims (3)

少なくとも水を含む溶媒とゲル原料とを混合することで湿潤ゲルを形成させてなるゲル化工程と、前記湿潤ゲル内の水を除く除水工程と、前記湿潤ゲルの表面を、疎水化剤としてシラザン化合物を用いて疎水化処理を行う疎水化工程と、前記の疎水化処理された湿潤ゲル内に残存した溶媒を、前記溶媒の臨界点未満の条件で除いて乾燥ゲルを得る乾燥工程とを含み、前記疎水化工程において、前記疎水化処理時の溶媒として、少なくともメタノールと非水溶性溶媒とを含む溶媒を用いることを特徴とする乾燥ゲルの製造方法。  A gelling step in which a wet gel is formed by mixing a solvent containing at least water and a gel raw material, a dewatering step for removing water in the wet gel, and the surface of the wet gel as a hydrophobizing agent A hydrophobizing step of hydrophobizing using a silazane compound, and a drying step of obtaining a dry gel by removing the solvent remaining in the hydrophobized wet gel under conditions below the critical point of the solvent. In the hydrophobizing step, a solvent containing at least methanol and a water-insoluble solvent is used as the solvent during the hydrophobizing treatment. 無機多孔体の主性分が二酸化珪素である請求項1記載の乾燥ゲルの製造方法。  The method for producing a dry gel according to claim 1, wherein the main component of the inorganic porous material is silicon dioxide. ゲル原料が、アルコキシシランあるいはそのオリゴマーである請求項1記載の乾燥ゲルの製造方法。  The method for producing a dry gel according to claim 1, wherein the gel raw material is alkoxysilane or an oligomer thereof.
JP2002005591A 2002-01-15 2002-01-15 Method for producing dried gel Expired - Fee Related JP3960050B2 (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002005591A JP3960050B2 (en) 2002-01-15 2002-01-15 Method for producing dried gel

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002005591A JP3960050B2 (en) 2002-01-15 2002-01-15 Method for producing dried gel

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003206125A JP2003206125A (en) 2003-07-22
JP3960050B2 true JP3960050B2 (en) 2007-08-15

Family

ID=27644590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002005591A Expired - Fee Related JP3960050B2 (en) 2002-01-15 2002-01-15 Method for producing dried gel

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3960050B2 (en)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5250900B2 (en) * 2005-07-19 2013-07-31 株式会社ダイナックス Alkylsiloxane airgel manufacturing method, alkylsiloxane airgel, manufacturing apparatus thereof, and panel manufacturing method including the same
KR100849927B1 (en) 2007-05-03 2008-08-04 연세대학교 산학협력단 Optimized manufacturing method of silica aerogel corresponding to the shape of production
JP6416036B2 (en) * 2015-04-17 2018-10-31 日東電工株式会社 Method for producing porous silicone material

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003206125A (en) 2003-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hwang et al. Effective preparation of crack-free silica aerogels via ambient drying
EP3147261B1 (en) Process for producing silica aerogel
JPH0859224A (en) Xerogel,preparation and use of it
JP6597064B2 (en) Airgel composite
KR20140142343A (en) Process for producing aerogels
JP3339394B2 (en) Manufacturing method of hydrophobic airgel
JP7024121B2 (en) Method for synthesizing pre-hydrolyzed polysilicate
CN111164049B (en) Aerogel and method for producing same
JP2001518835A (en) Method for producing low-density gel structure
WO2017038777A1 (en) Aerogel composite, support material with aerogel composite, and heat-insulating material
JP4231329B2 (en) Molded body containing dried gel and method for producing the same
JP3960050B2 (en) Method for producing dried gel
US20050079337A1 (en) Porous body and method of making the porous body
EP0585456B1 (en) Process for producing hydrophobic aerogel
JP7127934B2 (en) Airgel precursor and airgel produced using it
JP2017178644A (en) Method for producing aerogel complex, aerogel complex, and support member and heat insulation material with aerogel complex
JP4128363B2 (en) Method for producing porous gel
JP4432811B2 (en) Acoustic matching layer using porous material
JP6750626B2 (en) Airgel complex
JP2003206124A (en) Method for producing dry gel, and heat insulating material obtained by using the same
KR20010076229A (en) Method of drying wet silica gel
JP2017178643A (en) Method for producing aerogel complex, aerogel complex, and support member and heat insulation material with aerogel complex
JP2003020219A (en) Method for manufacturing dry gel, and heat insulating material produced by the method
JP2004131343A (en) Method of manufacturing porous body composed of dry gel and porous body obtained by the method
JP2981861B2 (en) Method for producing metal oxide airgel

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040414

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050704

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060620

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060905

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070424

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070507

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees