JP3949926B2 - Linear or bar-shaped steel with excellent wire drawing workability that can omit heat treatment before wire drawing, and bearing parts - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸線前の熱処理(球状化焼鈍)が省略可能であり、熱間圧延のままで優れた伸線加工性を有する軸受鋼等の線状または棒状鋼(以下、鋼と略記する場合がある)、及び該鋼を用いて得られる軸受部品に関するものである。本発明鋼は、引張強度が約900〜1400MPa,絞り値が20%以上を満足するものであり、特に軸受用のレースやボール等に使用される線状または棒状鋼として有用である。
【0002】
【従来の技術】
軸受用部品等の機械部品は、主にC:0.8%以上の高炭素鋼を熱間圧延により線材とし、酸洗や機械的処理により脱スケールした後、熱処理(焼鈍処理)を施し、伸線加工を行ってから球状化焼鈍し、冷間ヘッダーなどにより所定の形状に成形する等して製造されている。即ち、伸線加工する前には、軟化焼鈍等の熱処理を行うというのが現状の工程であった。
【0003】
ところが上記熱処理には、数時間〜数十時間の長時間を要するという問題を抱えている。そこで、生産性の向上や省エネルギー対策、ひいてはコストの低減化を目的として、球状化焼鈍処理等の熱処理の省略が可能な伸線加工性に優れた線状または棒状鋼の開発が進められている。
【0004】
しかしながら、伸線加工前の焼鈍処理を省略すると、伸線時に断線や焼付け等の問題が生じる。これは、C:0.8%以上の高炭素鋼(過共析鋼)では、圧延時の冷却過程で初析セメンタイトが発生し、延性が著しく劣化して伸線加工性が低下する為である。従って、伸線加工性に悪影響を及ぼす初析フェライトをうまく制御しつつ、伸線前の熱処理が省略可能な伸線加工性に優れた線状または棒状鋼の提供が切望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的は、球状化焼鈍処理等の熱処理を省略したとしても熱間圧延のままで伸線加工性に優れた線状または棒状鋼、および該線状または棒状鋼を用いて得られる軸受用レースやボールなどの軸受部品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し得た本発明に係る伸線前の熱処理が省略可能な伸線加工性に優れた線状または棒状鋼(圧延後の鋼線または鋼棒を意味する)は、
C:0.8〜1.3%(質量%の意味、以下同じ)を含有し、
初析セメンタイトのアスペクト比(長径/短径の比)は10以下で、且つ、短径は2μm以下であり、
該初析セメンタイトに囲まれた領域の平均径が20μm以下であるところに要旨を有するものである。
【0007】
上記鋼において、Si:1.0%以下(0%を含まない),Mn:2.0%以下(0%を含まない)を含有するもの;更に、Cr:2.0%以下,及び/又はMo:0.5%以下を含有するものは、いずれも好ましい態様である。
【0008】
上記線状または棒状鋼は、軸受用素材として用いられることが好ましく、この様な鋼を伸線し、加工する等して得られる軸受部品も本発明の範囲内に包含される。
【0009】
更に上記課題を解決し得た本発明の線状または棒状鋼を製造する方法は、熱間圧延における仕上圧延温度を850℃以下、冷却開始温度を850℃以下に制御し、且つ、該冷却開始温度から600℃の範囲における平均冷却速度を0.1〜5℃/sで冷却するところに要旨を有するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
前述した通り、軸受用線材等に代表される線状または棒状鋼を、伸線前の熱処理を省略して熱間圧延のままで伸線加工することは困難であった。その主な理由は、圧延線材において旧オーステナイト粒界に沿って初析セメンタイトがネット状に析出し、粒界強度が極端に低くなって延性が乏しくなる為であり、その結果、熱処理を施すこと無しに伸線加工すると、断線する等の弊害が生じていた。そこで本発明者らは、熱間圧延のままで伸線加工性に優れた鋼を提供すべく、特に伸線過程で延性を劣化させている初析フェライトの形状を改善するという観点から、鋭意検討してきた。
【0011】
その結果、以下の知見に基づき、本発明を完成した。
【0012】
▲1▼伸線前の熱処理を省略する為には、圧延材の延性(絞り値)を、少なくとも20%以上にまで高めることが必要であること。
【0013】
▲2▼その為には、初析セメンタイトを析出させない様に圧延後の冷却過程を制御するのではなく、「初析セメンタイトは発生するが、伸線時の延性に悪影響を及ぼさない形状に制御する」べく圧延条件等を制御することが有用であること。
【0014】
▲3▼具体的には、初析セメンタイトのアスペクト比(長径/短径の比)を10以下、且つ、短径を2μm以下に制御すると共に、上記初析セメンタイトに囲まれた領域の平均径を20μm以下に制御することにより、圧延線材の延性が著しく高められ(絞り値で20%以上)、伸線加工性が向上すること。
【0015】
▲4▼この様な組織を得る為には、熱処理条件を制御することが必要であり、特に熱間圧延での仕上圧延温度及び冷却開始温度を低く制御すると共に、該冷却開始温度から600℃の範囲における平均冷却速度を適切に制御することが有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0016】
以下、本発明を構成する各要件について説明する。
【0017】
初析セメンタイトのアスペクト比(長径/短径の比):10以下、且つ、短径:2μm以下
本発明では、伸線前の延性向上の方法として、初析セメンタイトを、従来の如く「旧オーステナイト粒界に沿ってネット状に粗大に析出した」形態とするのではなく、「微細に分断された」形態に制御することとした。その具体的指標として、初析セメンタイトのアスペクト比を10以下、且つ、短径を2μm以下に定めた。初析セメンタイトのアスペクト比を10以下に規定したのは、これよりもアスペクト比が長くなると、初析セメンタイトの界面で亀裂が発生する等の問題があるからである。また、初析セメンタイトの短径を2μm以下に規定したのは、短径が大きくなり過ぎると、後の球状化焼鈍工程で粗大化して残留し、性能が劣化する為である。好ましくは初析セメンタイトのアスペクト比は5以下であり、短径は1μm以下である。これら初析セメンタイトのアスペクト比及び短径は小さければ小さい程、好ましい。
【0018】
即ち、本発明における初析セメンタイトの形状は、微細で球状化しているものが好ましく、これにより、たとえ、旧オーステナイト粒界に沿って初析セメンタイトが析出したとしても、当該初析セメンタイトは分断されているので、亀裂の進展速度が遅くなり、延性が向上するものと考えられる。
【0019】
上記セメンタイトの短径/長径は、圧延した線材等を走査電子顕微鏡(倍率5000倍、視野面積0.02mm2)で観察し、撮影した写真から、個々の初析セメンタイトの長径(最も長い径)及び短径(最も短い径)を測定して求め、平均値を算出したものである。
【0020】
初析セメンタイトに囲まれた領域の平均径:20μm以下
更に本発明では、上記初析セメンタイトの形状制御に加え、初析セメンタイトに囲まれた領域の平均径20μm以下に抑制することが必要である。上記領域の平均径が20μmを超えると、旧オーステナイト粒界の面積が減少し、当該粒界へ働く応力が集中する為、延性が低下する等の問題がある。従って、本発明では、これら両方を制御することによって始めて、伸線前の圧延材の絞り(延性の指標)を、安定して、20%以上にまで著しく高めることができたのである。好ましくは上記領域の平均径は15μm以下、より好ましくは10μm以下である。
【0021】
ここで、上記初析セメンタイトに囲まれた領域の平均径は、以下の様にして測定する。まず、圧延した線材等を光学顕微鏡(倍率400倍)で観察し、撮影した写真から、初析セメンタイトに囲まれた領域を特定する。この領域の最大長径及び最小短径を測定し、平均値を算出する。同様にして、任意に選定した10個の領域について平均値を夫々算出する。本発明では、これら10個の領域の平均値を平均したものを、「初析セメンタイトに囲まれた領域の平均径」と定めた。
【0022】
尚、本発明と同様、初析セメンタイトに着目し、球状化焼鈍処理を省略したとしても伸線加工性に優れた鋼を製造する方法は、これまでにも提案されているが、従来の方法は、いずれも「延性向上に有害な初析セメンタイトを析出させずに制御しよう」という観点からのみ、アプローチされているものであり、本発明の如く、「微細な初析セメンタイトをできるだけ多く析出させ、且つ、上記初析セメンタイトに囲まれた領域の平均径を抑制しよう」という独自の技術的思想は開示も示唆もされていない。
【0023】
例えば▲1▼特開平8−260046には、本発明と同様、熱処理を施すことなく熱間圧延のままで伸線加工性に優れた軸受鋼等の高炭素鋼線材の製造方法が開示されている。これによれば、所定の成分組成をする鋼を熱間圧延した後、550〜700℃までの範囲まで冷却速度8〜20℃/秒で急冷した後、400℃までの温度範囲を平均冷却速度0.5〜2℃/秒で冷却することにより、初析セメンタイトの面積率を3%以下、大きさを3μm以下に制御することができ、その結果、初析セメンタイトの析出粗大が防止され、マルテンサイトの発生を完全に抑制できる旨記載されている。
【0024】
しかしながら、本発明者らが検討したところ、上記の如く、冷却開始温度から550〜750℃までの範囲まで急冷すると、初析セメンタイトは微細になり、当該初析セメンタイトの生成も減少するが、過冷組織が生成する為、所望の延性レベルを確保できないのみならず、その後の伸線過程で断線する恐れもあることが分かった。
【0025】
また、▲2▼特開平9−263887には、パーライト組織中の初析セメンタイトの面積率が3%以下、大きさが3μm以下に制御されたB含有高炭素クロム軸受鋼線材が開示されている。これは、鋼中にBを添加することにより変態を促進させ、熱間圧延の際に圧延後の冷却過程において発生する伸線加工性に有害な初析セメンタイトの生成を減少させ、熱間圧延のままで極めて優れた伸線加工性を有する線材を提供しようというものであり、B添加以外、前記▲1▼の公報と同じ思想を有するものである。
【0026】
即ち、いずれの公報においても、「延性向上に有害な初析セメンタイトを微細化し、当該初析フェライトの面積率を少なくする」為に、鋼中成分や熱処理条件を制御するものであり、「微細な初析セメンタイトをできるだけ多く析出させる」(換言すれば、「上記初析セメンタイトの面積率をできるだけ多くする」)本発明とは、延性向上のアプローチが全く異なる技術である。しかも、上記公報には、この様な初析フェライトによって囲まれた領域の平均径を抑制しようという思想はない。実際のところ、上記▲1▼及び▲2▼の熱処理条件を精査しても、本発明の如く、仕上圧延温度や冷却開始温度を低めに制御するという記載は一切なく、また、冷却開始温度から約500℃までの範囲を8〜20℃/sで急冷している為、本発明で意図する組織を得ることはできないこと;更に得られた線材の特性についても、延性は高められるものの、硬さ(TS)も高くなり、その結果、割れが発生する場合があること等を、実験により確認している。
【0027】
次に、この様な組織を得る為の好ましい鋼中成分について説明する。
【0028】
C:0.8〜1.3%
Cは、鋼材の必要強度を付与するために必須の元素である。特に軸受鋼線材では、疲労寿命向上の目的で炭化物量を増加させることが必要であり、その為に、0.8%以上添加する。一方、1.3%を超えると、熱間圧延後の冷却過程において、初析セメンタイトを所望の形状に制御することが困難である。
【0029】
Si:1.0%以下(0%を含まない)
Siは脱酸剤として有用な元素であり、同一炭素量であっても初析セメンタイトの析出を抑制する効果がある。更にSiは、パーライト中のフェライト強度を増加させる作用がある他、温度上昇による強度の低下を防ぐ作用もある等、極めて有用な元素である。この様な作用を有効に発揮させる為には、0.05%以上(より好ましくは0.1%以上)添加することが推奨される。但し、過剰に添加すると、伸線加工性に有害なSiO2系介在物が発生し易くなる為、その上限を1.0%に定めた。より好ましくは0.8%以下である。
【0030】
Mn:2.0%以下(0%を含まない)
Mnは脱酸及び脱硫に有用であるのみならず、鋼の焼入れ性を向上させ、強度を高めるのに有用な元素である。この様な作用を有効に発揮させるには、0.1%以上(より好ましくは0.2%以上)添加することが好ましい。但し、過剰に添加しても上記効果が飽和してしまい、経済的に無駄である他、熱延圧延後の冷却過程で、伸線加工性に有害なマルテンサイトが発生し易くなる為、その上限を2.0%に定めた。より好ましくは1.0%以下である。
【0031】
本発明の鋼は上記成分を含有し、残部:実質的に鉄であるが、本発明の作用を一層高める目的で、更にCr及び/又はMoを添加することが推奨される。
【0032】
Cr:2.0%以下,及び/又はMo:0.5%以下
Cr及びMoはいずれも、パーライトのセメンタイト間隔を微細化し、強度を高めると共に、伸線加工硬化率の向上に寄与する元素である。また、軸受鋼の場合には、熱処理時の焼入性を増加させると共に、炭化物量及び炭化物硬度を高めるのに有効な元素である。この様な作用を有効に発揮させる為には、Cr:0.1%以上添加することが推奨される。但し、過剰に添加すると、マルテンサイトが発生し易くなる為、その上限をCr:2.0%,Mo:0.5%に、夫々定めた。尚、これらの元素は単独で添加しても良いし、併用しても構わない。
【0033】
更に上記成分以外にも、本発明の作用を損なわない範囲で、許容し得る他の許容成分を添加しても良いし、不純物も含まれる。
【0034】
次に、本発明に係る線材または棒材を製造する方法について説明する。
【0035】
本発明で目的とする所定の組織を得る為には、上記成分を満足する鋼片を「加熱」→所定の線径まで「圧延」→「冷却」するという一連の工程において、熱間圧延における仕上圧延温度を850℃以下、冷却開始温度を850℃以下に制御し、且つ、該冷却開始温度から600℃の範囲における平均冷却速度を0.1〜5℃/sで冷却することが必要である。以下、各要件について説明する。
【0036】
仕上圧延温度:850℃以下
この温度は、初析セメンタイトのアスペクト比を10以下に制御する為に設定されたものであり、「圧延温度」とは、放射温度計によって測定されたものであり、厳密には、「鋼片の表面温度」を意味する。従来の仕上圧延温度は概ね、900℃以上であったが、本発明では上記の如く低温域に制御することにより、仕上圧延の前に初析セメンタイトを析出させることができ、当該析出した初析セメンタイトは、その後の仕上圧延過程で破壊され、所定のアスペクト比となるのである。好ましくは825℃以下、より好ましくは800℃以下である。尚、その下限は、700℃以上に制御することが推奨される。
【0037】
冷却開始温度:850℃以下
この温度は、冷却過程で、新たな初析セメンタイトが析出するのを抑制すると共に、上記圧延過程で分断された初析セメンタイトが再固溶するのを抑制する為に設定されたものである。更に上記温度に制御することにより、上記初析セメンタイトに囲まれた領域の平均径を20μm以下に制御することができ、延性が高められる。好ましくは825℃以下、より好ましくは800℃以下である。但し、600℃未満では過冷組織が生成する等の問題がある。より好ましくは700℃以上である。
【0038】
冷却開始温度から600℃の範囲における平均冷却速度:0.1〜5℃/s
これは、上記冷却開始温度に達してから、600℃まで冷却する際における平均冷却速度を特定したものである。上記平均冷却速度が0.1℃/sを下回ると、粗大な若しくは板状の初析セメンタイトが発生してしまう。好ましくは0.5℃/s以上、より好ましくは1.0℃/s以上である。但し、5℃/sを超えると、過冷組織が発生してしまう。好ましくは3℃/s以下である。
【0039】
本発明では、伸線前の圧延線材を製造するに当たり、特に上記工程に留意するものであって、その他の工程(加熱工程等)については特に限定されず、所望の組織が得られる様、通常用いられる方法を適宜採用することができる。
【0040】
尚、本発明によれば熱間圧延ままの線材や棒鋼でも優れた伸線加工性が得られるが、この線材または棒鋼に、更に酸(塩酸、硫酸等)を添加したり機械的に歪みを付与する等してスケールを除去した後、燐酸亜鉛皮膜、燐酸カルシウム皮膜、石灰、金属石鹸などを潤滑剤として用いて伸線,冷間圧延などを施した鋼線においても、同様の優れた伸線加工性が得られる。
【0041】
この様にして得られる圧延線材は、球状化焼鈍などの熱処理を省略したとしても、熱間圧延ままで、引張強度900〜1400MPa;絞り値20%以上の、伸線加工性に優れたものである。
【0042】
以下実施例に基づいて本発明を詳述する。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。
【0043】
【実施例】
表1に記載の成分組成からなる供試鋼(JISに規格されているSUJ2相当の軸受鋼:表中の単位は質量%)を用い、同表に示す如く熱間圧延条件を種々変化させることにより、φ5.5mmの線材を得た。
【0044】
この様にして得られた線材の横断面を前述した方法で観察し、初析セメンタイトのアスペクト比及び短径;並びに当該初析セメンタイトによって囲まれた領域の平均径を測定した。また、上記線材を引張試験に供し、引張強度及び絞りを測定した。また、伸線性に関しては、焼鈍を省略した上記線材を、単減面率25%にて総減面率75%まで伸線を施し、断線の有無を観察することにより評価した。
【0045】
これらの結果を表1に併記する。更に図1に、初析セメンタイトによって囲まれた領域の平均径と絞りとの関係をグラフ化して示す。
【0046】
また、参考までに、本発明の要件を満足するNo.3、及び本発明の要件を満足しないNo.5の光学顕微鏡写真(倍率400倍)を夫々、図2及び図3に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
上記結果より、以下の様に考察することができる。
【0049】
まず、No.1〜3、6〜7は、いずれも本発明法により所望の組織に制御した本発明例であり、優れた引張特性(引張強度及び絞り)を有しており、且つ、伸線時の断線も見られなかった。
【0050】
これに対し、仕上圧延温度が高い為に、初析セメンタイトのアスペクト比が大きく、且つ、初析フェライトによって囲まれた領域の平均径も大きいNo.4〜5;及び初析セメンタイトの短径が大きく、且つ、初析フェライトによって囲まれた領域の平均径も大きいNo.8はいずれも、目標レベルである20%以上の絞りを得ることはできず、伸線時の断線が見られたことから、これらは、熱間圧延まま伸線加工することはできないことが分かる。
【0051】
【発明の効果】
本発明は上記の様に構成されているので、球状化焼鈍処理を省略したとしても熱間圧延のままで、伸線加工性等の伸線加工性に優れた線状または棒状鋼を効率よく提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】初析フェライトに囲まれた領域の平均径と絞りとの関係を示すグラフである。
【図2】No.3の光学顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【図3】No.5の光学顕微鏡写真(倍率400倍)である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
In the present invention, heat treatment (spheroidizing annealing) prior to wire drawing can be omitted, and linear or rod-like steel (hereinafter, abbreviated as steel) such as bearing steel having excellent wire drawing workability in hot rolling. And a bearing component obtained by using the steel. The steel of the present invention satisfies a tensile strength of about 900 to 1400 MPa and a drawing value of 20% or more, and is particularly useful as a linear or bar steel used for bearing races, balls and the like.
[0002]
[Prior art]
Machine parts such as bearing parts are mainly made of C: 0.8% or higher high carbon steel wire by hot rolling, descaled by pickling or mechanical treatment, and then subjected to heat treatment (annealing treatment). It is manufactured by performing spheroidizing annealing after drawing and forming into a predetermined shape with a cold header or the like. That is, the current process is to perform heat treatment such as soft annealing before wire drawing.
[0003]
However, the heat treatment has a problem that it takes a long time of several hours to several tens of hours. Therefore, for the purpose of improving productivity, energy saving measures, and cost reduction, the development of wire or bar steel with excellent wire drawing workability that can omit heat treatment such as spheroidizing annealing is being promoted. .
[0004]
However, if the annealing process before the wire drawing is omitted, problems such as disconnection and baking occur at the time of wire drawing. This is because high carbon steel (hypereutectoid steel) with C: 0.8% or more generates proeutectoid cementite during the cooling process during rolling, and the ductility deteriorates significantly and the wire drawing workability decreases. is there. Accordingly, there is an urgent need to provide a linear or bar-shaped steel excellent in wire drawing workability that can control the pro-eutectoid ferrite that adversely affects wire drawing workability and can omit heat treatment before wire drawing.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made paying attention to the above circumstances, and the purpose thereof is a linear or rod-like steel excellent in wire drawing workability in hot rolling even if heat treatment such as spheroidizing annealing is omitted, Another object of the present invention is to provide bearing parts such as bearing races and balls obtained by using the linear or rod-shaped steel.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The wire or bar steel excellent in wire drawing workability (meaning the steel wire or steel bar after rolling) which can omit the heat treatment before wire drawing which can solve the above-mentioned subject,
C: 0.8 to 1.3% (meaning mass%, the same shall apply hereinafter)
The aspect ratio of the pro-eutectoid cementite (ratio of major axis / minor axis) is 10 or less, and the minor axis is 2 μm or less,
It has a gist where the average diameter of the region surrounded by the pro-eutectoid cementite is 20 μm or less.
[0007]
In the above steel, Si: 1.0% or less (excluding 0%), Mn: 2.0% or less (not including 0%); Cr: 2.0% or less, and / or Or what contains Mo: 0.5% or less is a preferable aspect.
[0008]
The linear or rod-like steel is preferably used as a bearing material, and bearing parts obtained by drawing and processing such steel are also included in the scope of the present invention.
[0009]
Furthermore, the method for producing the linear or rod-like steel of the present invention that can solve the above-mentioned problems controls the finish rolling temperature in hot rolling to 850 ° C. or lower, the cooling start temperature to 850 ° C. or lower, and the cooling start. The gist is that the average cooling rate in the range from the temperature to 600 ° C. is cooled at 0.1 to 5 ° C./s.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As described above, it has been difficult to draw wire or rod steel typified by a bearing wire or the like as it is in hot rolling while omitting the heat treatment before drawing. The main reason is that in the rolled wire rod, proeutectoid cementite precipitates in a net shape along the prior austenite grain boundaries, the grain boundary strength becomes extremely low and the ductility becomes poor, and as a result, heat treatment is performed. If the wire drawing was performed without any problems, such as wire breakage occurred. In view of this, the present inventors diligently aimed to provide a steel that is hot-rolled and excellent in wire drawing workability, particularly from the viewpoint of improving the shape of pro-eutectoid ferrite that has deteriorated ductility in the wire drawing process. I have been considering it.
[0011]
As a result, the present invention was completed based on the following findings.
[0012]
(1) In order to omit the heat treatment before wire drawing, it is necessary to increase the ductility (drawing value) of the rolled material to at least 20% or more.
[0013]
(2) For this purpose, rather than controlling the cooling process after rolling so as not to precipitate the pro-eutectoid cementite, “control the shape so that pro-eutectoid cementite is generated but does not adversely affect the ductility during wire drawing. It is useful to control the rolling conditions as much as possible.
[0014]
(3) Specifically, the aspect ratio (major axis / minor axis ratio) of pro-eutectoid cementite is controlled to 10 or less and the minor axis to 2 μm or less, and the average diameter of the region surrounded by the pro-eutectoid cementite By controlling the thickness to 20 μm or less, the ductility of the rolled wire is remarkably improved (20% or more by the drawing value), and the wire drawing workability is improved.
[0015]
(4) In order to obtain such a structure, it is necessary to control the heat treatment conditions. In particular, the finish rolling temperature and the cooling start temperature in hot rolling are controlled to be low, and from the cooling start temperature to 600 ° C. The present inventors have found that it is useful to appropriately control the average cooling rate in the above range.
[0016]
Hereinafter, each requirement which comprises this invention is demonstrated.
[0017]
The aspect ratio of the pro-eutectoid cementite (ratio of major axis / minor axis): 10 or less and the minor axis: 2 μm or less In the present invention, as a method for improving ductility before wire drawing, pro-eutectoid cementite is used as a conventional method. As described above, the “finely divided” form was not used instead of the “precisely precipitated net form along the prior austenite grain boundaries”. As specific indexes thereof, the aspect ratio of pro-eutectoid cementite was set to 10 or less, and the minor axis was set to 2 μm or less. The reason why the aspect ratio of pro-eutectoid cementite is specified to be 10 or less is that when the aspect ratio becomes longer than this, there is a problem that cracks occur at the interface of pro-eutectoid cementite. The reason why the minor axis of pro-eutectoid cementite is specified to be 2 μm or less is that when the minor axis becomes too large, it becomes coarse and remains in the subsequent spheroidizing annealing process, and the performance deteriorates. Preferably, the aspect ratio of pro-eutectoid cementite is 5 or less, and the minor axis is 1 μm or less. The smaller the aspect ratio and the minor axis of these pro-eutectoid cementites, the better.
[0018]
That is, the shape of the pro-eutectoid cementite in the present invention is preferably fine and spheroidized, so that even if pro-eutectoid cementite precipitates along the prior austenite grain boundaries, the pro-eutectoid cementite is divided. Therefore, it is considered that the crack growth rate is slowed and the ductility is improved.
[0019]
The short diameter / long diameter of the cementite is determined by observing a rolled wire or the like with a scanning electron microscope (magnification 5000 times, visual field area 0.02 mm 2 ), and from the photographed photograph, the long diameter (longest diameter) of each proeutectoid cementite. The average value is calculated by measuring the short diameter (shortest diameter).
[0020]
In the present invention, in addition to the shape control of the pro-eutectoid cementite, the average diameter of the region surrounded by the pro-eutectoid cementite is controlled to 20 μm or less. is required. When the average diameter of the region exceeds 20 μm, the area of the prior austenite grain boundary decreases, and stress acting on the grain boundary concentrates, resulting in a problem that ductility is lowered. Therefore, in the present invention, only by controlling both of them, the drawing of the rolled material before drawing (the index of ductility) could be stably increased to 20% or more. Preferably, the average diameter of the region is 15 μm or less, more preferably 10 μm or less.
[0021]
Here, the average diameter of the region surrounded by the proeutectoid cementite is measured as follows. First, a rolled wire or the like is observed with an optical microscope (400 times magnification), and a region surrounded by proeutectoid cementite is specified from the photographed photograph. The maximum major axis and the minimum minor axis of this region are measured, and an average value is calculated. Similarly, average values are calculated for 10 arbitrarily selected areas. In the present invention, the average value of these 10 regions is defined as “the average diameter of the region surrounded by the pro-eutectoid cementite”.
[0022]
As in the present invention, attention has been paid to pro-eutectoid cementite, and a method for producing a steel excellent in wire drawing workability even if the spheroidizing annealing treatment is omitted has been proposed so far. Are only approached from the viewpoint of "control without precipitating cementite, which is harmful to improving ductility". In addition, the original technical idea of “suppressing the average diameter of the region surrounded by the proeutectoid cementite” is neither disclosed nor suggested.
[0023]
For example, {circle around (1)} Japanese Patent Laid-Open No. 8-260046 discloses a method for producing a high carbon steel wire material such as bearing steel which is excellent in wire drawing workability without being subjected to heat treatment as in the present invention. Yes. According to this, after hot-rolling steel having a predetermined component composition, it is rapidly cooled to a range of 550 to 700 ° C. at a cooling rate of 8 to 20 ° C./second, and then a temperature range of up to 400 ° C. is set to an average cooling rate. By cooling at 0.5 to 2 ° C./second, the area ratio of pro-eutectoid cementite can be controlled to 3% or less, and the size can be controlled to 3 μm or less. As a result, coarse precipitation of pro-eutectoid cementite is prevented, It is described that the generation of martensite can be completely suppressed.
[0024]
However, as a result of the study by the present inventors, as described above, when rapidly cooled from the cooling start temperature to the range of 550 to 750 ° C., the pro-eutectoid cementite becomes finer, and the generation of the pro-eutectoid cementite decreases. It has been found that since a cold structure is generated, not only a desired ductility level cannot be secured, but also there is a possibility of disconnection in the subsequent wire drawing process.
[0025]
(2) Japanese Patent Laid-Open No. 9-263887 discloses a B-containing high carbon chromium bearing steel wire in which the area ratio of pro-eutectoid cementite in the pearlite structure is controlled to 3% or less and the size is controlled to 3 μm or less. . This promotes transformation by adding B in the steel, reduces the generation of pro-eutectoid cementite harmful to the wire drawing workability that occurs in the cooling process after rolling during hot rolling, and hot rolling. The wire rod having extremely excellent wire drawing workability is provided as it is, and has the same idea as the above publication (1) except for addition of B.
[0026]
That is, in any of the publications, in order to “refine the pro-eutectoid cementite that is harmful to ductility improvement and reduce the area ratio of the pro-eutectoid ferrite”, the components in the steel and the heat treatment conditions are controlled. In other words, the approach for improving ductility is completely different from that of the present invention. (In other words, the area ratio of the pro-eutectoid cementite is increased as much as possible.) Moreover, the above publication does not have the idea of suppressing the average diameter of the region surrounded by such proeutectoid ferrite. Actually, even if the heat treatment conditions of (1) and (2) above are scrutinized, there is no description that the finish rolling temperature and the cooling start temperature are controlled to be lower as in the present invention. Since the range up to about 500 ° C. is rapidly cooled at 8 to 20 ° C./s, it is impossible to obtain the intended structure in the present invention; although the ductility of the obtained wire is improved, (TS) is also increased, and as a result, it has been confirmed by experiments that cracks may occur.
[0027]
Next, preferable steel components for obtaining such a structure will be described.
[0028]
C: 0.8 to 1.3%
C is an essential element for imparting the necessary strength of the steel material. In particular, in the case of bearing steel wires, it is necessary to increase the amount of carbide for the purpose of improving the fatigue life, and for that purpose, 0.8% or more is added. On the other hand, if it exceeds 1.3%, it is difficult to control the pro-eutectoid cementite to a desired shape in the cooling process after hot rolling.
[0029]
Si: 1.0% or less (excluding 0%)
Si is an element useful as a deoxidizer, and has the effect of suppressing the precipitation of pro-eutectoid cementite even with the same carbon content. Further, Si is an extremely useful element such as an effect of increasing the ferrite strength in pearlite and an effect of preventing a decrease in strength due to a temperature rise. In order to effectively exhibit such an action, it is recommended to add 0.05% or more (more preferably 0.1% or more). However, if excessively added, SiO 2 -based inclusions harmful to wire drawing workability are likely to be generated, so the upper limit was set to 1.0%. More preferably, it is 0.8% or less.
[0030]
Mn: 2.0% or less (excluding 0%)
Mn is not only useful for deoxidation and desulfurization, but is an element useful for improving the hardenability of steel and increasing the strength. In order to effectively exhibit such an action, it is preferable to add 0.1% or more (more preferably 0.2% or more). However, even if added excessively, the above effect is saturated, and it is economically wasteful, and in the cooling process after hot rolling, martensite that is harmful to wire drawing workability is likely to occur. The upper limit was set to 2.0%. More preferably, it is 1.0% or less.
[0031]
The steel of the present invention contains the above components and the balance is substantially iron, but it is recommended to further add Cr and / or Mo for the purpose of further enhancing the action of the present invention.
[0032]
Cr: 2.0% or less, and / or Mo: 0.5% or less Both Cr and Mo are elements that contribute to improving the drawing work hardening rate as well as increasing the strength of the pearlite by reducing the cementite interval. is there. In the case of bearing steel, it is an element effective for increasing the hardenability during heat treatment and increasing the amount of carbide and carbide hardness. In order to effectively exhibit such an action, it is recommended to add Cr: 0.1% or more. However, when excessively added, martensite is likely to be generated, so the upper limits were set to Cr: 2.0% and Mo: 0.5%, respectively. These elements may be added alone or in combination.
[0033]
Furthermore, in addition to the above components, other permissible components that are permissible may be added as long as the effects of the present invention are not impaired, and impurities are also included.
[0034]
Next, a method for producing the wire or bar according to the present invention will be described.
[0035]
In order to obtain a desired microstructure of the present invention, in a series of processes of “heating” → “rolling” → “cooling” a steel slab satisfying the above components to a predetermined wire diameter, It is necessary to control the finishing rolling temperature to 850 ° C. or lower, the cooling start temperature to 850 ° C. or lower, and the average cooling rate in the range from the cooling start temperature to 600 ° C. at 0.1 to 5 ° C./s. is there. Hereinafter, each requirement will be described.
[0036]
Finish rolling temperature: 850 ° C. or less This temperature was set to control the aspect ratio of pro-eutectoid cementite to 10 or less, and “rolling temperature” was measured by a radiation thermometer. Strictly speaking, it means “the surface temperature of a steel slab”. Although the conventional finish rolling temperature is generally 900 ° C. or higher, in the present invention, by controlling in the low temperature range as described above, pro-eutectoid cementite can be precipitated before finish rolling, and the precipitated pro-eutectoid The cementite is destroyed in the subsequent finish rolling process and has a predetermined aspect ratio. Preferably it is 825 degrees C or less, More preferably, it is 800 degrees C or less. It is recommended that the lower limit be controlled to 700 ° C. or higher.
[0037]
Cooling start temperature: 850 ° C. or lower This temperature suppresses the precipitation of new pro-eutectoid cementite during the cooling process, and prevents the pro-eutectoid cementite separated during the rolling process from re-dissolving. It is set to suppress. Furthermore, by controlling to the said temperature, the average diameter of the area | region enclosed by the said pro-eutectoid cementite can be controlled to 20 micrometers or less, and ductility is improved. Preferably it is 825 degrees C or less, More preferably, it is 800 degrees C or less. However, if it is less than 600 ° C., there is a problem that a supercooled tissue is generated. More preferably, it is 700 ° C. or higher.
[0038]
Average cooling rate in the range from the cooling start temperature to 600 ° C .: 0.1 to 5 ° C./s
This specifies the average cooling rate when cooling to 600 ° C. after reaching the cooling start temperature. When the average cooling rate is less than 0.1 ° C./s, coarse or plate-like pro-eutectoid cementite is generated. Preferably it is 0.5 degreeC / s or more, More preferably, it is 1.0 degreeC / s or more. However, when it exceeds 5 ° C./s, a supercooled structure is generated. Preferably it is 3 degrees C / s or less.
[0039]
In the present invention, in producing the rolled wire before drawing, the above process is particularly noted, and other processes (heating process, etc.) are not particularly limited, and usually a desired structure is obtained. The method used can be adopted as appropriate.
[0040]
According to the present invention, excellent wire drawing workability can be obtained even with a hot-rolled wire rod or steel bar. However, an acid (hydrochloric acid, sulfuric acid, etc.) is further added to this wire rod or steel bar, or mechanical distortion is caused. For steel wires that have been drawn, cold rolled, etc. using a zinc phosphate coating, calcium phosphate coating, lime, metal soap, etc. as a lubricant after removing the scale by applying, etc. Line workability is obtained.
[0041]
The rolled wire obtained in this way is excellent in wire drawing workability with a tensile strength of 900 to 1400 MPa; a drawing value of 20% or more as it is in hot rolling even if heat treatment such as spheroidizing annealing is omitted. is there.
[0042]
The present invention is described in detail below based on examples. However, the following examples are not intended to limit the present invention, and all modifications made without departing from the spirit of the preceding and following descriptions are included in the technical scope of the present invention.
[0043]
【Example】
Using test steels with the composition shown in Table 1 (bearing steel equivalent to SUJ2 standardized in JIS: the unit in the table is mass%), and variously changing the hot rolling conditions as shown in the table As a result, a wire with a diameter of 5.5 mm was obtained.
[0044]
The cross section of the wire thus obtained was observed by the method described above, and the aspect ratio and short diameter of pro-eutectoid cementite; and the average diameter of the region surrounded by the pro-eutectoid cementite were measured. Moreover, the said wire was used for the tensile test and the tensile strength and drawing were measured. Further, the wire drawing property was evaluated by drawing the above-mentioned wire material without annealing to a total surface reduction rate of 75% at a single surface reduction rate of 25% and observing the presence or absence of wire breakage.
[0045]
These results are also shown in Table 1. FIG. 1 is a graph showing the relationship between the average diameter of the region surrounded by the pro-eutectoid cementite and the aperture.
[0046]
For reference, No. 1 satisfying the requirements of the present invention. 3 and No. 3 that do not satisfy the requirements of the present invention. 5 and 4 show optical microscope photographs (magnification 400 times), respectively, in FIGS.
[0047]
[Table 1]
[0048]
From the above results, it can be considered as follows.
[0049]
First, no. 1 to 3 and 6 to 7 are examples of the present invention controlled to a desired structure by the method of the present invention, have excellent tensile properties (tensile strength and drawing), and are broken at the time of wire drawing. Was also not seen.
[0050]
On the other hand, because the finish rolling temperature is high, the aspect ratio of pro-eutectoid cementite is large, and the average diameter of the region surrounded by pro-eutectoid ferrite is also large. 4-5; and No. 4 in which the short axis of pro-eutectoid cementite is large and the average diameter of the region surrounded by pro-eutectoid ferrite is also large. In any of the cases, it is not possible to obtain a drawing of 20% or more, which is the target level, and since wire breakage was observed, it is understood that these cannot be drawn as hot rolled. .
[0051]
【The invention's effect】
Since the present invention is configured as described above, even if the spheroidizing annealing treatment is omitted, the wire or rod-like steel excellent in wire drawing workability such as wire drawing workability can be efficiently obtained as hot rolling. Could be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing a relationship between an average diameter of a region surrounded by pro-eutectoid ferrite and a drawing.
FIG. 3 is an optical micrograph of No. 3 (magnification 400 times).
FIG. 5 is an optical micrograph of No. 5 (magnification 400 times).
Claims (5)
C:0.8〜1.3%(質量%の意味、以下同じ)、
Si:1.0%以下(0%を含まない)、
Mn:2.0%以下(0%を含まない)、
Cr:2.0%以下(0%を含まない)、
残部:鉄および不純物
を満足し、
初析セメンタイトのアスペクト比(長径/短径の比)は10以下で、且つ、短径は2μm以下であり、該初析セメンタイトに囲まれた領域の平均径が20μm以下であり、
引張強度が900MPa〜1400MPa、絞り値が20%以上を満足する
ことを特徴とする伸線前の熱処理が省略可能な伸線加工性に優れた線状または棒状鋼。 Components in steel are
C: 0.8 to 1.3% (meaning mass%, the same shall apply hereinafter)
Si: 1.0% or less (excluding 0%),
Mn: 2.0% or less (excluding 0%),
Cr: 2.0% or less (excluding 0%),
The rest: iron and impurities
Satisfied,
The aspect ratio of pro-eutectoid cementite (long diameter / ratio of the shorter diameter) is 10 or less, and, the minor axis is at 2μm or less state, and are an average diameter of 20μm or less in a region surrounded by the該初analysis cementite,
A linear or bar-shaped steel excellent in wire drawing workability which can omit heat treatment before wire drawing, characterized by satisfying a tensile strength of 900 MPa to 1400 MPa and a drawing value of 20% or more .
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