JP3948179B2 - Elastic shaft coupling - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両のステアリング装置において、自在継手のヨークと、このヨークに挿入するシャフトとの間に、ゴム等の弾性体を介装し、エンジンや車輪の振動を吸収してステアリングホイールへの振動の伝達を抑制する弾性軸継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のステアリング装置における各種の継手には、弾性体を内蔵した弾性軸継手があり、この弾性軸継手では、例えば、自在継手のヨークと、このヨークに挿入するシャフトとの間に、ゴム等の弾性体を介装し、これにより、エンジンや車輪の振動を吸収して、ステアリングホイールへの振動の伝達を抑制している。
【0003】
このような弾性軸継手においては、シャフトからヨークへのトルクの伝達は、トルクの低い範囲では、弾性体を介して行っているが、トルクの高い範囲では、ヨークとシャフトの間に設けたストッパー面の直接接触により行っている。
【0004】
例えば、特開平10−89373号公報に開示された弾性軸継手においては、自在継手のヨークの基端部に、弾性体を介して筒状のシャフトが連結してあり、このヨークの基端部から先端側の内周面には、平坦なストッパー面が形成してあると共に、弾性体から突出するシャフトの先端部の外周面には、平坦なストッパー面が形成してある。これら一対の平坦なストッパー面は、トルクの非伝達時には、互いに平行になるように構成してある。
【0005】
したがって、トルクの低い範囲では、ヨークとシャフトの間の弾性体が弾性変形しながら、その変形抵抗によりトルクを伝達する一方、トルクの高い範囲では、ヨークの平坦なストッパー面にシャフトの平坦なストッパー面が当接しながら、直接トルクを伝達するようになっている。
【0006】
但し、ヨークとシャフトの一対の平坦なストッパー面は、トルクの非伝達時には、互いに平行になるように構成してあるため、トルクの伝達時には、ヨークの内周面の平坦なストッパー面に、シャフトの外周面の平坦なストッパー面のコーナー部(エッジ部)が当接する「点接触」の状態になっている。
【0007】
また、特開昭53−91236号公報に開示された弾性軸継手においては、自在継手のヨークに、弾性体を介して筒状のシャフトが連結してあり、このヨークの基端部には、一対の径方向切欠きが形成してあると共に、シャフトには、これら一対の径方向切欠きに係合する一対の径方向突出部を有するリング部材が嵌合してある。
【0008】
したがって、トルクの低い範囲では、ヨークとシャフトの間の弾性体を介してトルクを伝達する一方、トルクの高い範囲では、ヨークの基端部の一対の径方向切欠きに、シャフトのリング部材の一対の径方向突出部が当接して係合しながら、直接トルクを伝達するようになっている。
【0009】
但し、この場合には、トルクの伝達時、ヨークの径方向切欠きに、シャフト側の径方向突出部が「面接触」状態で当接するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平10−89373号公報に開示された弾性軸継手では、トルクの伝達時、ヨークの内周面の平坦なストッパー面に、シャフトの外周面の平坦なストッパー面のコーナー部(エッジ部)が当接する「点接触」の状態になっているため、非常に高いトルクが繰り返し負荷した時には、平坦なストッパー面のコーナー部(エッジ部)が「へたり」を生起するといったことがあり、当初に設定したストッパー角(一対のストッパー面がなす角)が大きくなり、好ましくないといったことがある。
【0011】
また、このように、ストッパー面が「へたり」易いといったことから、成型性・加工性の良い低硬度材や低カーボン材を素材として使用できないため、加工装置や加工方法に制約が生じ、製造コストの高騰を招くといったことがある。
【0012】
すなわち、第1に、ヨークに挿入するシャフトとして、筒状のパイプ部材を用いると、「へたり」を生じ易いことから、このような筒状のパイプ部材を使用できないといったことがある。第2に、ある程度のカーボンを含む炭素鋼材等の材料が使える多段ホーマー成型で加工することは可能であるが、全長が100mmを超える場合、加工装置に制約があり、また、サイズや材質的に制約の少ない冷間鍛造プレスによる加工は可能であるが、主な工程毎に加工硬化した材料の硬さを低下させる焼鈍工程が必要なため、生産性が低下し、製造コストの高騰を招くといったことがある。第3に、シャフトを挿入するヨークも、成型性の良いアルミニウム等の材料では、硬度が低く、「へたり」易く、使用が困難であるといったことがある。
【0013】
また、上記特開昭53−91236号公報に開示された弾性軸継手では、トルクの伝達時、ヨークの径方向切欠きに、シャフト側の径方向突出部が「面接触」状態で当接するようになっているが、ヨークに径方向切欠きを設けていることから、ヨークの「捩り強度」を十分に強く設定することができないため、ヨークの素材として、成型性の良いアルミニウム等の低硬度材を用いることができないといたことがある。
【0014】
さらに、ストッパー面がヨークの基端部に設けてあることから、トルクを十分に伝達するためには、ヨークの基端部から先端部の全域にわたり、十分なトルク伝達強度が必要であり、軽量化や小型化が困難であるといったことがある。
【0015】
なお、実公昭63−35896号公報や実開昭58−125727号公報にも、弾性軸継手が開示されているが、ヨークに別体に設けた筒状部材に、シャフトを連結し、この別体の筒状部材とシャフトとの間に一対のストッパー面が設けてあり、この別体の筒状部材を必要とすることから、小型化を図ることが困難であると共に、製造コストの高騰を招くといったことがあり、上記詳述した2件の公報および本発明と基本的に異なるものである。
【0016】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、ストッパー面の「へたり」を確実に防止して、加工性・成型性の良い素材を使用することができる弾性軸継手を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る弾性軸継手は、筒状の基端部を有する自在継手のヨークと、一端側で該筒状の基端部内に挿入されて、その外周面と前記筒状の基端部の内周面との間に介装された弾性体を介して連結されたシャフトとから成り、前記シャフトは、前記弾性体から軸線方向ヨーク先端側に突出した部分に全周に亘り径方向外向きに突出するフランジ部を一体に有し、前記フランジ部の外周面とそれに対向する前記基端部内周面とに互いに当接可能なストッパー面がそれぞれ形成され、所定トルク以下のトルク伝達に際しては前記弾性体を介してトルク伝達し、該所定トルクを越えるトルク伝達の際には前記ストッパー面同士が当接してトルク伝達する弾性軸継手において、
前記シャフトは成型性・加工性の良い低硬度材を素材とし、前記フランジ部外周面と前記基端部内周面との何れか一方の前記ストッパー面は、隣同士の成す角が略直角で軸線方向にみて四角形状断面を形成する4つの平坦な第1ストッパー面から構成され、前記フランジ部外周面と前記基端部内周面との他方の前記ストッパー面は、交互に隣り合い軸線方向にみて非四角形状断面を形成する4つの平坦な第2ストッパー面と4つの平坦な第3ストッパー面とから構成され、前記4つの平坦な第1ストッパー面と前記4つの平坦な第2ストッパー面とはそれぞれ互いに対向し、トルク非伝達時それぞれ互いに非平行であり、一方向へのトルク伝達が前記所定トルクを越える際それぞれ互いに面接触で当接し、前記4つの平坦な第1ストッパー面と前記4つの平坦な第3ストッパー面とはそれぞれ互いに対向し、トルク非伝達時それぞれ互いに非平行であり、逆方向へのトルク伝達が前記所定トルクを越える際それぞれ互いに面接触で当接することを特徴とする。
【0018】
このように、本発明によれば、ヨークの内周面のストッパー面と、シャフトの外周面のストッパー面とは、トルクの非伝達時には、互いに非平行に形成してあり、トルクの伝達時には、「面接触」で当接するように構成してあるため、従来の「点接触」のようにストッパー面の「へたり」を招来することがなく、当初に最適に設定したストッパー角(一対のストッパー面がなす角)を維持することができる。
【0019】
また、このように、ストッパー面の「へたり」を招かないことから、成型性・加工性の良いアルミニウム等の低硬度材等をヨークやシャフトの素材として使用することができ、加工装置や加工方法に制約がなく、製造コストの高騰を招くといったこともない。
【0020】
さらに、ストッパー面の「へたり」を招かないと共に、ヨークに径方向切欠きを設けていないことから、「捩り強度」、特に、最終捩り破壊強度も十分なものにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る弾性軸継手を図面を参照しつつ説明する。
(第1実施の形態…コラプスシャフトタイプ)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る弾性軸継手の横断面図である。図2(a)は、図1の矢印IIの矢視図であり、トルクの非伝達時を示し、図2(b)は、図1の矢印IIの矢視図であり、トルクの伝達時を示す。
【0022】
自在継手のヨーク1には、その先端部に、十字軸(図示略)を嵌合するための嵌合孔2が形成してあると共に、その基端部には、下記の弾性体4を装着するための装着座3が形成してある。この弾性体4は、その外側から順次、ラバーブッシュ外環5、ゴム等のラバーブッシュ6、およびラバーブッシュ内環7から構成してある。
【0023】
この弾性体4の内側には、中空で筒状のシャフト8が嵌合してあり、このシャフト8には、コラプスシャフト9が軸方向摺動自在に連結してある。
【0024】
ヨーク1の基端部から先端側の内周面には、平坦なストッパー面10が形成してあると共に、弾性体4から突出するシャフト8の先端部の外周面には、平坦なストッパー面11が形成してある。なお、シャフト8側のストッパー面11は、筒状のシャフト8の先端をフランジ状に曲げ起こした後、ストッパー形状にトリミングして形成してある。また、本実施の形態では、図2に示すように、ストッパー時の面圧を下げるため、四組のストッパー面10,11が設けてある。
【0025】
一対の平坦なストッパー面10,11は、トルクの非伝達時には、図2(a)に示すように、互いに非平行であって、そのストッパー角(一対のストッパー面がなす角)がθである一方、トルクの伝達時には、図2(b)に示すように、「面接触」で当接するようになっている。なお、ステアリングホイールが逆方向に回転する場合には、図2において、符号12,13で示す面がストッパー面となる(同様に、四組のストッパー面)。また、符号14で示すヨーク1側の切欠きは、筒状のシャフト8との干渉を防止するための逃げである(四箇所)。
【0026】
このように、本実施の形態では、ヨーク1の内周面のストッパー面10と、シャフト8の外周面のストッパー面11とは、トルクの非伝達時には、互いに非平行に形成してあり、トルクの伝達時には、「面接触」で当接するように構成してあるため、従来の「点接触」のようにストッパー面10,11の「へたり」を招来することがなく、当初に最適に設定したストッパー角θを維持することができる。また、ストッパー面10,11の「へたり」を招かないことから、成型性・加工性の良いアルミニウム等の低硬度材等をヨーク1やシャフト8の素材として使用することができ、加工装置や加工方法に制約がなく、製造コストの高騰を招くといったこともない。さらに、ストッパー面10,11の「へたり」を招かないと共に、ヨーク1に径方向切欠きを設けていないことから、「捩り強度」、特に、最終捩り破壊強度も十分なものにすることができる。
【0027】
また、本実施の形態のように、シャフト8が筒状である場合には、素材に孔が設けられた低カーボンのパイプ素材も使用可能となるため、穿孔工程も省略することができ、その結果、長尺品の素材を用いることができ、しかも、汎用プレスで加工することができる。
(第2実施の形態…中実シャフトタイプ)
図3は、本発明の第2実施の形態に係る弾性軸継手の横断面図である。図4(a)は、図3の矢印IVの矢視図であり、トルクの非伝達時を示し、図4(b)は、図3の矢印IVの矢視図であり、トルクの伝達時を示す。
【0028】
本実施の形態では、シャフト8が中実であり、図4に示すように、シャフト8の先端部の外周面は、四角形状に形成してある。一方、ヨーク1の内周面は、傾斜して形成してあり、ヨーク1側のストッパー面10が傾斜分(ストッパー角θ)を負担するように構成してある。なお、シャフト8側のストッパー面11は、鋳造等によりフランジ面を成型後、トリミングしてストッパー面として形成してある。
【0029】
このように、本実施の形態においても、ヨーク1の内周面のストッパー面10と、シャフト8の外周面のストッパー面11とは、トルクの非伝達時には、互いに非平行に形成してあり、トルクの伝達時には、「面接触」で当接するように構成してあるため、ストッパー面10,11の「へたり」を招来することがなく、当初に最適に設定したストッパー角θを維持することができる。また、ストッパー面10,11の「へたり」を招かないことから、成型性・加工性の良いアルミニウム等の低硬度材等をヨーク1やシャフト8の素材として使用することができ、加工装置や加工方法に制約がなく、製造コストの高騰を招くといったこともない。さらに、ストッパー面10,11の「へたり」を招かないと共に、ヨーク1に径方向切欠きを設けていないことから、「捩り強度」、特に、最終捩り破壊強度も十分なものにすることができる。
(第3実施の形態…コラプスシャフトタイプ)
図5は、本発明の第3実施の形態に係る弾性軸継手の横断面図である。図6(a)は、図5の矢印VIの矢視図であり、トルクの非伝達時を示し、図6(b)は、図5の矢印VIの矢視図であり、トルクの伝達時を示す。
【0030】
本実施の形態では、筒状のシャフト8の先端部は、丸パイプ素材を異形形状に拡管して、ストッパー面11を形成している。これにより、ストッパー面11の軸方向長さ(d)を十分に確保して、ストッパー時の面圧を下げるようにしている。
【0031】
なお、拡管方式故に、ストッパー面11の長さ(d)は、任意に長くすることもできる。また、素材の硬さが低い場合には、ストッパー面11の長さ(d)を長くすることにより、「へたり」を軽減することができる。さらに、筒状のシャフト8の先端部は、丸パイプ素材を異形形状に拡管しても良いが、丸パイプ素材を充分大きい径の丸形状に一旦拡管した後、外側からプレス成型して異形形状にして、ストッパー面11を形成してもよい。
【0032】
このように、本実施の形態においても、ヨーク1の内周面のストッパー面10と、シャフト8の外周面のストッパー面11とは、トルクの非伝達時には、互いに非平行に形成してあり、トルクの伝達時には、「面接触」で当接するように構成してあるため、ストッパー面10,11の「へたり」を招来することがなく、当初に最適に設定したストッパー角θを維持することができる。また、ストッパー面10,11の「へたり」を招かないことから、成型性・加工性の良いアルミニウム等の低硬度材等をヨーク1やシャフト8の素材として使用することができ、加工装置や加工方法に制約がなく、製造コストの高騰を招くといったこともない。さらに、ストッパー面10,11の「へたり」を招かないと共に、ヨーク1に径方向切欠きを設けていないことから、「捩り強度」、特に、最終捩り破壊強度も十分なものにすることができる。
(参考例)
図7(a)は、本発明の参考例に係る弾性軸継手の断面図であり、トルクの非伝達時を示し、図7(b)は、同断面図であり、トルクの伝達時を示す。
【0033】
本参考例では、シャフト8の径方向長さを大きくして、2組のストッパー面10,11を設け、これにより、各ストッパー面10,11の当接面の面積を大きくし、「へたり」を防止している。
【0034】
また、このように2組のストッパー面10,11の場合であっても、従来公報と異なり、ヨーク1に径方向切欠きを設けず、周方向に連続していることから、「捩り強度」、特に、最終捩り破壊強度を十分に強いものにすることができる。
【0035】
このように、本参考例においても、ヨーク1の内周面のストッパー面10と、シャフト8の外周面のストッパー面11とは、トルクの非伝達時には、互いに非平行に形成してあり、トルクの伝達時には、「面接触」で当接するように構成してあるため、ストッパー面10,11の「へたり」を招来することがなく、当初に最適に設定したストッパー角θを維持することができる。また、ストッパー面10,11の「へたり」を招かないことから、成型性・加工性の良いアルミニウム等の低硬度材等をヨーク1やシャフト8の素材として使用することができ、加工装置や加工方法に制約がなく、製造コストの高騰を招くといったこともない。
(第4実施の形態)
図8(a)は、本発明の第4実施の形態に係る弾性軸継手の断面図であり、トルクの非伝達時を示し、図8(b)は、同断面図であり、トルクの伝達時を示す。
【0036】
本実施の形態では、ヨーク1の内周面とシャフト8の外周面との干渉を防止するための逃げ15(切欠き)が、シャフト8側に形成してある。
【0037】
このように、本実施の形態においても、ヨーク1の内周面のストッパー面10と、シャフト8の外周面のストッパー面11とは、トルクの非伝達時には、互いに非平行に形成してあり、トルクの伝達時には、「面接触」で当接するように構成してあるため、ストッパー面10,11の「へたり」を招来することがなく、当初に最適に設定したストッパー角θを維持することができる。また、ストッパー面10,11の「へたり」を招かないことから、成型性・加工性の良いアルミニウム等の低硬度材等をヨーク1やシャフト8の素材として使用することができ、加工装置や加工方法に制約がなく、製造コストの高騰を招くといったこともない。さらに、ストッパー面10,11の「へたり」を招かないと共に、ヨーク1に径方向切欠きを設けていないことから、「捩り強度」、特に、最終捩り破壊強度も十分なものにすることができる。
【0038】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ヨークの内周面のストッパー面と、シャフトの外周面のストッパー面とは、トルクの非伝達時には、互いに非平行に形成してあり、トルクの伝達時には、「面接触」で当接するように構成してあるため、従来の「点接触」のようにストッパー面の「へたり」を招来することがなく、当初に最適に設定したストッパー角を維持することができる。
【0040】
また、このように、ストッパー面の「へたり」を招かないことから、成型性・加工性の良いアルミニウム等の低硬度材等をヨークやシャフトの素材として使用することができ、加工装置や加工方法に制約がなく、製造コストの高騰を招くといったこともない。
【0041】
さらに、ストッパー面の「へたり」を招かないと共に、ヨークに径方向切欠きを設けていないことから、「捩り強度」、特に、最終捩り破壊強度も十分なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る弾性軸継手の横断面図である。
【図2】(a)は、図1の矢印IIの矢視図であり、トルクの非伝達時を示し、(b)は、図1の矢印IIの矢視図であり、トルクの伝達時を示す。
【図3】本発明の第2実施の形態に係る弾性軸継手の横断面図である。
【図4】(a)は、図3の矢印IVの矢視図であり、トルクの非伝達時を示し、(b)は、図3の矢印IVの矢視図であり、トルクの伝達時を示す。
【図5】本発明の第3実施の形態に係る弾性軸継手の横断面図である。
【図6】(a)は、図5の矢印VIの矢視図であり、トルクの非伝達時を示し、(b)は、図5の矢印VIの矢視図であり、トルクの伝達時を示す。
【図7】 (a)は、本発明の参考例に係る弾性軸継手の断面図であり、トルクの非伝達時を示し、(b)は、同断面図であり、トルクの伝達時を示す。
【図8】 (a)は、本発明の第4実施の形態に係る弾性軸継手の断面図であり、トルクの非伝達時を示し、(b)は、同断面図であり、トルクの伝達時を示す。
【符号の説明】
1 自在継手のヨーク
2 嵌合孔
3 装着座
4 弾性体
5 ラバーブッシュ外環
6 ラバーブッシュ
7 ラバーブッシュ内環
8 シャフト
9 コラプスシャフト
10 ストッパー面
11 ストッパー面
12 ストッパー面
13 ストッパー面
14 逃げ(切欠き)
15 逃げ(切欠き)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention, for example, in a steering apparatus for a vehicle, interposes an elastic body such as rubber between a yoke of a universal joint and a shaft inserted into the yoke, and absorbs vibrations of the engine and wheels to steer the wheel. The present invention relates to an elastic shaft coupling that suppresses transmission of vibrations to the shaft.
[0002]
[Prior art]
Various types of joints in a vehicle steering system include an elastic shaft joint with a built-in elastic body. In this elastic shaft joint, for example, a rubber or the like is provided between a universal joint yoke and a shaft inserted into the yoke. An elastic body is interposed, thereby absorbing vibrations of the engine and wheels and suppressing transmission of vibrations to the steering wheel.
[0003]
In such an elastic shaft coupling, torque is transmitted from the shaft to the yoke through an elastic body in a low torque range, but in a high torque range, a stopper provided between the yoke and the shaft. This is done by direct contact with the surface.
[0004]
For example, in the elastic shaft joint disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 10-89373, a cylindrical shaft is connected to the base end of a universal joint yoke via an elastic body, and the base end of the yoke A flat stopper surface is formed on the inner peripheral surface on the tip side of the shaft, and a flat stopper surface is formed on the outer peripheral surface of the tip portion of the shaft protruding from the elastic body. The pair of flat stopper surfaces are configured to be parallel to each other when torque is not transmitted.
[0005]
Therefore, in the low torque range, the elastic body between the yoke and the shaft is elastically deformed and the torque is transmitted by its deformation resistance. In the high torque range, the flat stopper surface of the shaft is placed on the flat stopper surface of the yoke. Torque is directly transmitted while the surfaces abut.
[0006]
However, since the pair of flat stopper surfaces of the yoke and the shaft are configured to be parallel to each other when torque is not transmitted, the shaft is placed on the flat stopper surface on the inner peripheral surface of the yoke when torque is transmitted. The corner portion (edge portion) of the flat stopper surface of the outer peripheral surface is in a “point contact” state.
[0007]
Further, in the elastic shaft joint disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 53-91236, a cylindrical shaft is connected to a universal joint yoke through an elastic body, and a base end portion of the yoke is A pair of radial notches are formed, and a ring member having a pair of radial protrusions engaged with the pair of radial notches is fitted to the shaft.
[0008]
Therefore, in the low torque range, torque is transmitted through the elastic body between the yoke and the shaft, while in the high torque range, the pair of radial notches at the base end portion of the yoke are connected to the ring member of the shaft. The torque is directly transmitted while the pair of radial protrusions abut and engage with each other.
[0009]
However, in this case, when transmitting torque, the radial protrusion on the shaft side comes into contact with the radial notch of the yoke in a “surface contact” state.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the elastic shaft joint disclosed in JP-A-10-89373, when torque is transmitted, the corner portion (edge) of the flat stopper surface on the outer peripheral surface of the shaft is placed on the flat stopper surface on the inner peripheral surface of the yoke. Part), the corner part (edge part) of the flat stopper surface may cause "sagging" when a very high torque is repeatedly applied. In some cases, the initially set stopper angle (the angle formed by the pair of stopper surfaces) becomes large, which is not preferable.
[0011]
In addition, because the stopper surface is easy to “sag” in this way, low hardness materials and low carbon materials with good moldability and workability cannot be used as raw materials. In some cases, the cost increases.
[0012]
That is, firstly, when a cylindrical pipe member is used as the shaft to be inserted into the yoke, “sagging” is likely to occur, so that such a cylindrical pipe member cannot be used. Secondly, it is possible to process by multi-stage homer molding that can use materials such as carbon steel materials containing a certain amount of carbon, but when the total length exceeds 100 mm, there are restrictions on the processing equipment, and in terms of size and material Although it is possible to process by cold forging press with few restrictions, it requires an annealing process to reduce the hardness of work hardened material in each main process, so that productivity is lowered and manufacturing cost is increased. Sometimes. Third, the yoke into which the shaft is inserted may be difficult to use if it is made of a material such as aluminum having good moldability and has low hardness, is easy to “sag”.
[0013]
Further, in the elastic shaft joint disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 53-91236, the shaft-side radial protrusion is brought into contact with the radial notch of the yoke in a “surface contact” state when torque is transmitted. However, because the yoke has a radial notch, the “torsional strength” of the yoke cannot be set sufficiently strong, and as a material for the yoke, low hardness such as aluminum with good formability. There was a case that the material could not be used.
[0014]
In addition, since the stopper surface is provided at the base end of the yoke, sufficient torque transmission strength is required from the base end of the yoke to the entire front end in order to transmit torque sufficiently. It may be difficult to downsize or downsize.
[0015]
Japanese Utility Model Publication No. 63-35896 and Japanese Utility Model Application Publication No. 58-125727 also disclose elastic shaft couplings. However, a shaft is connected to a cylindrical member provided separately from the yoke, Since a pair of stopper surfaces are provided between the cylindrical member of the body and the shaft, and this separate cylindrical member is required, it is difficult to reduce the size and increase the manufacturing cost. This is basically different from the above-mentioned two publications and the present invention.
[0016]
The present invention has been made in view of the above-described circumstances, and is an elastic shaft coupling that can reliably prevent “sagging” of the stopper surface and can use a material with good workability and moldability. The purpose is to provide.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
To achieve the above object, the elastic shaft joint according to the present invention, the yoke of a universal joint having a cylindrical base end portion, is inserted into the cylindrical base end portion at one end, and the outer circumferential surface The shaft is connected via an elastic body interposed between the inner peripheral surface of the cylindrical base end portion, and the shaft protrudes from the elastic body toward the tip of the axial yoke. integrally includes a flange portion projecting radially outwardly over the entire circumference, the outer peripheral surface and the base end portion peripheral surface can come into contact stopper surfaces mutually opposed to that of the flange portion is formed respectively, predetermined . Before following torque transmission torque torque transmitted through the elastic body, when the torque transmission exceeding the predetermined torque in elastic coupling said stopper faces to torque transmission contact,
The shaft is made of a low-hardness material with good moldability and workability, and the stopper surface of either the outer peripheral surface of the flange portion or the inner peripheral surface of the base end portion has a substantially perpendicular angle between adjacent axes. Four flat first stopper surfaces forming a rectangular cross section when viewed in the direction, and the other stopper surface of the flange portion outer peripheral surface and the base end portion inner peripheral surface is alternately viewed in the adjacent axial direction. It is composed of four flat second stopper surfaces and four flat third stopper surfaces that form a non-rectangular cross section, and the four flat first stopper surfaces and the four flat second stopper surfaces are The four flat first stopper surfaces are opposed to each other and are not parallel to each other when torque is not transmitted, and contact each other in surface contact when torque transmission in one direction exceeds the predetermined torque. It said four of the flat third stopper face to face each other, are non-parallel to each other when torque is not transmitted, characterized in that the torque transmission in the opposite direction abuts on each surface contact with each other when exceeding a predetermined torque And
[0018]
Thus, according to the present invention, the stopper surface of the inner peripheral surface of the yoke and the stopper surface of the outer peripheral surface of the shaft are formed non-parallel to each other when torque is not transmitted, and when torque is transmitted, Because it is configured to come into contact with “surface contact”, the stopper angle (a pair of stoppers) initially set optimally does not invite the “sag” of the stopper surface unlike the conventional “point contact”. The angle formed by the surface can be maintained.
[0019]
In addition, since the stopper surface does not “sag”, low-hardness materials such as aluminum with good formability and workability can be used as the material for yokes and shafts. There are no restrictions on the method, and there is no increase in manufacturing costs.
[0020]
Further, since “sagging” of the stopper surface is not caused, and the radial notch is not provided in the yoke, “torsional strength”, in particular, final torsional fracture strength can be made sufficient.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an elastic shaft coupling according to an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
(First embodiment ... collapse shaft type)
FIG. 1 is a cross-sectional view of the elastic shaft coupling according to the first embodiment of the present invention. 2A is a view taken in the direction of arrow II in FIG. 1 and shows when torque is not transmitted. FIG. 2B is a view taken in the direction of arrow II in FIG. Indicates.
[0022]
The universal
[0023]
A hollow
[0024]
A
[0025]
When the torque is not transmitted, the pair of flat stopper surfaces 10 and 11 are non-parallel to each other as shown in FIG. 2A, and the stopper angle (angle formed by the pair of stopper surfaces) is θ. On the other hand, at the time of torque transmission, as shown in FIG. When the steering wheel rotates in the reverse direction, the surfaces indicated by
[0026]
Thus, in the present embodiment, the
[0027]
Further, when the
(Second embodiment: Solid shaft type)
FIG. 3 is a cross-sectional view of an elastic shaft coupling according to the second embodiment of the present invention. 4A is an arrow view of the arrow IV in FIG. 3 and shows when torque is not transmitted, and FIG. 4B is a view of the arrow IV in FIG. 3 when torque is transmitted. Indicates.
[0028]
In the present embodiment, the
[0029]
Thus, also in the present embodiment, the
(Third embodiment ... collapse shaft type)
FIG. 5 is a cross-sectional view of an elastic shaft coupling according to the third embodiment of the present invention. 6A is an arrow view of the arrow VI in FIG. 5 and shows when torque is not transmitted, and FIG. 6B is a view of the arrow VI in FIG. 5 when torque is transmitted. Indicates.
[0030]
In the present embodiment, the distal end portion of the
[0031]
Note that because of the tube expansion method, the length (d) of the
[0032]
Thus, also in the present embodiment, the
( Reference example )
FIG. 7A is a cross-sectional view of an elastic shaft coupling according to a reference example of the present invention, showing when torque is not transmitted, and FIG. 7B is the same cross-sectional view showing when torque is transmitted. .
[0033]
In this reference example , the length of the
[0034]
Further, even in the case of the two sets of stopper surfaces 10 and 11 as described above, unlike the conventional publication, the
[0035]
Thus, also in this reference example , the
( Fourth embodiment)
FIG. 8A is a cross-sectional view of the elastic shaft coupling according to the fourth embodiment of the present invention, showing a state in which torque is not transmitted, and FIG. Indicates the time.
[0036]
In the present embodiment, a relief 15 (notch) for preventing interference between the inner peripheral surface of the
[0037]
Thus, also in the present embodiment, the
[0038]
In addition, this invention is not limited to embodiment mentioned above, A various deformation | transformation is possible.
[0039]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the stopper surface on the inner peripheral surface of the yoke and the stopper surface on the outer peripheral surface of the shaft are formed non-parallel to each other when torque is not transmitted. Sometimes it is configured to abut with “surface contact”, so it does not cause “sagging” of the stopper surface unlike conventional “point contact”, and maintains the stopper angle set to the optimal initially. can do.
[0040]
In addition, since the stopper surface does not “sag”, low-hardness materials such as aluminum with good formability and workability can be used as the material for yokes and shafts. There is no restriction on the method, and the manufacturing cost is not increased.
[0041]
Further, since “sagging” of the stopper surface is not caused, and the radial notch is not provided in the yoke, “torsional strength”, in particular, final torsional fracture strength can be made sufficient.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of an elastic shaft coupling according to a first embodiment of the present invention.
2A is a view taken in the direction of arrow II in FIG. 1 and shows when torque is not transmitted; FIG. 2B is a view taken in the direction of arrow II in FIG. Indicates.
FIG. 3 is a cross-sectional view of an elastic shaft coupling according to a second embodiment of the present invention.
4A is a view taken in the direction of arrow IV in FIG. 3 and shows when torque is not transmitted; FIG. 4B is a view taken in the direction of arrow IV in FIG. Indicates.
FIG. 5 is a cross-sectional view of an elastic shaft coupling according to a third embodiment of the present invention.
6A is an arrow view of the arrow VI in FIG. 5 and shows when torque is not transmitted; FIG. 6B is an arrow view of the arrow VI in FIG. Indicates.
7A is a cross-sectional view of an elastic shaft coupling according to a reference example of the present invention, showing when torque is not transmitted, and FIG. 7B is the same cross-sectional view showing when torque is transmitted. .
FIG. 8A is a cross-sectional view of an elastic shaft coupling according to a fourth embodiment of the present invention, showing when torque is not transmitted, and FIG. 8B is the cross-sectional view showing torque transmission. Indicates the time.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
15 Escape (notch)
Claims (3)
一端側で該筒状の基端部内に挿入されて、その外周面と前記筒状の基端部の内周面との間に介装された弾性体を介して連結されたシャフトとから成り、
前記シャフトは、前記弾性体から軸線方向ヨーク先端側に突出した部分に全周に亘り径方向外向きに突出するフランジ部を一体に有し、
前記フランジ部の外周面とそれに対向する前記基端部内周面とに互いに当接可能なストッパー面がそれぞれ形成され、所定トルク以下のトルク伝達に際しては前記弾性体を介してトルク伝達し、該所定トルクを越えるトルク伝達の際には前記ストッパー面同士が当接してトルク伝達する弾性軸継手において、
前記シャフトは成型性・加工性の良い低硬度材を素材とし、
前記フランジ部外周面と前記基端部内周面との何れか一方の前記ストッパー面は、隣同士の成す角が略直角で軸線方向にみて四角形状断面を形成する4つの平坦な第1ストッパー面から構成され、
前記フランジ部外周面と前記基端部内周面との他方の前記ストッパー面は、交互に隣り合い軸線方向にみて非四角形状断面を形成する4つの平坦な第2ストッパー面と4つの平坦な第3ストッパー面とから構成され、
前記4つの平坦な第1ストッパー面と前記4つの平坦な第2ストッパー面とはそれぞれ互いに対向し、トルク非伝達時それぞれ互いに非平行であり、一方向へのトルク伝達が前記所定トルクを越える際それぞれ互いに面接触で当接し、
前記4つの平坦な第1ストッパー面と前記4つの平坦な第3ストッパー面とはそれぞれ互いに対向し、トルク非伝達時それぞれ互いに非平行であり、逆方向へのトルク伝達が前記所定トルクを越える際それぞれ互いに面接触で当接することを特徴とする弾性軸継手。A universal joint yoke having a cylindrical base end;
In one end is inserted into the cylindrical base end portion consists of a outer peripheral surface thereof with the tubular shaft connected through the interposed elastic member between the inner peripheral surface of the proximal end portion ,
The shaft integrally has a flange portion protruding outward in the radial direction over the entire circumference at a portion protruding from the elastic body toward the tip end side of the axial direction yoke,
The flange portion outer peripheral surface with said proximal portion periphery and a can abut the stopper surface each other are formed respectively opposite to that of, the time of the following torque transmitting predetermined torque to the torque transmission through the elastic body, the predetermined in elastic coupling said stopper faces to torque transmission contact in the time of torque transmission exceeding torque,
The shaft is made of a low-hardness material with good moldability and workability,
Either one of the outer peripheral surface of the flange portion and the inner peripheral surface of the base end portion has four flat first stopper surfaces that form a quadrangular cross section when viewed in the axial direction with the angle formed between adjacent ones being substantially perpendicular. Consisting of
The other stopper surface of the outer peripheral surface of the flange portion and the inner peripheral surface of the base end portion includes four flat second stopper surfaces and four flat second stopper surfaces that form a non-rectangular cross section when viewed in the adjacent axial direction. It consists of 3 stopper surfaces,
The four flat first stopper surfaces and the four flat second stopper surfaces face each other and are not parallel to each other when torque is not transmitted, and when torque transmission in one direction exceeds the predetermined torque Abut each other in surface contact,
The four flat first stopper surfaces and the four flat third stopper surfaces face each other and are not parallel to each other when torque is not transmitted, and when torque transmission in the reverse direction exceeds the predetermined torque Elastic shaft couplings that are in contact with each other by surface contact .
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