JP3947083B2 - オーディオ用記録媒体とその再生装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、高音質のオーディオデータを処理(記録、再生、伝送、構築)するのにその取り扱いを容易にし、かつ高音質の状態を満足させられるようにしたオーディオ用データ構造その記録媒体及びその信号を処理する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビデオ(動画)を高画質・高密度で記録できるとともに、マルチアングル映像・副映像・マルチリンガル音声・多チャンネルオーディオなど種々な情報の記録もできる光ディスクとして、DVDビデオディスクが開発され、一般市場への普及・浸透が始まっている(DVDはデジタル・バーサタイル・ディスクの略称)。
【0003】
このDVDビデオディスクは、圧縮多チャネルオーディオ(ACー3、 MPEG等)とともに非圧縮リニアPCM(48kHzサンプリング・16ビット量子化から96kHzサンプリング・24ビットまで)もサポートできる仕様となっている。このDVDビデオのリニアPCMは従来の音楽 CD(44.1kHzサンプリング・16ビット量子化)を上回るハイサンプリング・ハイビットの高音質仕様であり、とくに96kHzサンプリング・20〜24ビットのリニアPCMは、次世代デジタルオーディオディスク(俗にスーパーCDまたはスーパーオーディオディスクといわれるもの)としての資格を十分備えている。
【0004】
しかしながら、DVDビデオの仕様はどちらかといえばオーディオよりも映像優先で作成されており、サンプリング周波数・量子化ビット数のみならず記録可能なチャネル数や記録可能時間等に関して、DVDビデオの音声仕様をさらに上回るオーディオ優先の仕様も期待されている。
【0005】
上記期待に答える形で、DVDオーディオ仕様が検討されるに至った(ただし、このDVDオーディオ仕様はまだ従来技術ではない)。このDVDオーディオ仕様では、DVDビデオで採用されている48K〜96kHzサンプリング・ 16〜24ビットのリニアPCMは当然として、192kHzサンプリング・ 24ビットのリニアPCMまでサポート可能なことが考えられている。また、 DVDオーディオ仕様の将来のバージョンアップにおいて、さらに高音質仕様が導入される可能性も残している。
【0006】
このようにDVDオーディオが将来的なスケールアップに対応できるのは、デジタルハイビジョン映像までターゲットに入っている大容量記録が可能な DVDビデオと共通利用できる部分が、DVDオーディオにあるからである。
【0007】
また、DVDオーディオは、DVDビデオの進化に伴い利用可能になる将来の技術的・市場的・経済的アドバンテージを享受できる特徴を持っている。
【0008】
たとえば、DVDビデオで今後実用化される大容量DVDディスクをDVDオーディオに利用することにより、記録時間を一定とすれば、記録に用いるサンプリング周波数・量子化ビット数・記録チャネル数等をどんどん増やして行ける可能性を持っている。近い将来実用化されるDVD−RAM(または書換可能な DVD−RWあるいはライトワンスのDVD−R)を用いたDVDビデオレコーダの技術は、いずれ実用化されるであろうDVDオーディオレコーダにも利用可能となる。
【0009】
さらに、DVDビデオの普及によりその市場規模が広がれば、DVDビデオとDVDオーディオとの間で、媒体(DVD−ROMディスク、DVD− RAM/DVD−RWディスク、DVD−Rディスクなど)、装置部品(ディスクドライブ、光ピックアップ、各種ICなど)、各種制御プログラムその他の共通化が進み、高音質で多くの特徴を持つDVDオーディオの製品コストダウンも加速される。そして、DVDオーディオが広く普及すれば、DVDビデオも、 DVDオーディオの進化に伴い利用可能になる将来の技術的・市場的・経済的アドバンテージを享受できるようになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、DVDオーディオの開発が期待されているが、上記した DVDビデオに見られるように、高密度記録が可能なディスクが開発された結果、高密度記録が可能な故に、各種の機能や性能を任意に盛り込んだDVDオーディオが提案開発されることが予想される。つまり、DVDオーディオに関してはサンプリング周波数・量子化ビット数・チャンネル数などの性能面で、異なるデータ構造のものが制作される可能性があり、また、メニュー映像を含むものや、含まないもの、背景映像を含むものや含まないものなど機能面で、異なるデータ構造のものが制作される可能性がある。
【0011】
上記のような各種のデータが記録された場合、当然ユーザにとっては、目的のプログラムやトラックを容易にサーチできること、また、現在の再生中のトラックの時間情報や、アドレス情報を認識しやすくすることが要求される。
【0012】
そこでこの発明の目的とするところは、再生装置およびその使用者が、様々な種類の再生動作を行うのに十分な時間情報及び管理情報を得ることができ、再生装置の使い勝手を向上したオーディオデータ構造とその記録媒体及び再生装置を提供することにある。。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、コンピュータ制御装置を用いて読取られて処理されるデータが、ビデオオブジェクトとオーディオオブジェクトと管理情報とを有し、前記ビデオオブジェクト(VOB)は、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)を含み、このビデオオブジェクトユニット(VOBU)は、ビデオパック、オーディオパックを含み、前記オーディオオブジェクト(AOB)は、プログラム(PG)を含み、このプログラム(PG)は複数のセル(Cell)を含み、各セル(Cell)は、データを格納した複数のパックを含み、このパックの中には、オーディオパック及びオーディオとは異なる付加的なデータを含むリアルタイムパック(RTI_PCK)が定義されており、前記セルの種類として、データ内容がオーディオ出力を得るタイプであるオーディオセル(A_C)と無音出力データを含むタイプであるサイレントセル(SI_C)とが定義されており、前記ビデオオブジェクトを管理するビデオ用管理情報は、プログラムチェーン情報を含み、このプログラムチェーン情報は、前記ビデオオブジェクトの再生範囲を指定するセル情報を含み、前記オーディオオブジェクトを管理するオーディオ用管理情報は、前記オーディオオブジェクトを再生するためのもので、プログラムチェーン情報(PGCI)を有し、このプログラムチェーン情報には、複数のプログラムの各エントリーセルの番号を含むプログラム情報テーブル(ATS_PGIT)と、各プログラムのセルの再生位置を示したセル再生情報テーブル(ATS_C_PBIT)とが含まれており、前記セル再生情報テーブル(ATS_C_PBIT)には、前記オーディオセル、サイレントセルのタイプを識別したセルタイプ情報(C_TY)と前記セルのスタート(S_SA)及びエンドアドレス(C_EA)、セルインデックス番号(C_IXN)が含まれ、さらに、前記オーディオ用管理情報は、前記ビデオオブジェクトに含まれるオーディオパックのストリームを管理するセル情報が含まれていることを基本とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
この発明は、高音質のオーディオデータを処理(記録、再生、伝送、構築)するのにその取り扱いを容易にし、かつ高音質の状態を満足させられるようにしたオーディオ用データ構造その記録媒体及び処理装置及び方法に関する。
【0016】
実施の形態では、複数のコンテンツ(種々のビデオコンテンツ、種々のオーディオコンテンツ等)のオブジェクトを共有化するシステムに適用された場合を説明する。また、複数コンテンツのオブジェクトを共有化するための管理データを持つ情報媒体、この媒体から記録情報を再生する装置、この媒体に前記管理データを含む情報を記録する方法、およびこの媒体から前記管理データに基づき情報を再生する方法に適用された場合を例として説明する。
【0017】
図1は、DVDオーディオの記録媒体として利用可能な光ディスクの構造を説明する斜視図である。
【0018】
図1に示すように、この光ディスク10は、それぞれ記録層17が設けられた一対の透明基板14を接着層20で貼り合わせた構造を持つ。各基板14は 0.6mm厚のポリカーボネートで構成することができ、接着層20は極薄(たとえば40μm厚)の紫外線硬化性樹脂で構成することができる。これら一対の0.6mm基板14を、記録層17が接着層20の面上で接触するようにして貼り合わすことにより、1. 2mm厚の大容量光ディスク10が得られる。
【0019】
光ディスク10には中心孔22が設けられており、ディスク両面の中心孔 22の周囲には、この光ディスク10を回転駆動時にクランプするためのクランプエリア24が設けられている。中心孔22には、図示しないディスクドライブ装置に光ディスク10が装填された際に、ディスクモータのスピンドルが挿入される。そして、光ディスク10は、そのクランプエリア24において、図示しないディスククランパにより、ディスク回転中クランプされる。
【0020】
光ディスク10は、クランプエリア24の周囲に、ビデオデータ、オーディオデータその他の情報を記録することができる情報エリア25を有している。
【0021】
情報エリア25のうち、その外周側にはリードアウトエリア26が設けられている。また、クランプエリア24に接する内周側にはリードインエリア27が設けられている。そして、リードアウトエリア26とリードインエリア27との間にデータ記録エリア28が定められている。
【0022】
情報エリア25の記録層(光反射層)17には、記録トラックがたとえばスパイラル状に連続して形成されている。その連続トラックは複数の物理セクタに分割され、これらのセクタには連続番号が付されている。このセクタを記録単位として、光ディスク10に種々なデータが記録される。
【0023】
データ記録エリア28は、実際のデータ記録領域であって、DVDオーディオデータの記録領域およびDVDビデオデータの記録領域を含んでいる。(ピュアオーディオディスクの場合はDVDビデオデータ記録領域は使用されないことがある。)
DVDオーディオデータの記録領域には、記録・再生情報として、主にオーディオデータが、ピット列(レーザ反射光に光学的な変化をもたらす物理的な形状あるいは相状態)として記録されている。場合によっては、このDVDオーディオデータ記録領域に、スチル画データが記録されることもある。また、この DVDオーディオデータ記録領域に記録されるオーディオデータは、通常の音楽データの他に、全くの無音データ(音楽としての無音部分ではなく意図的に音を出さないデータ)を含むことができる。
【0024】
一方、DVDビデオデータの記録領域には、記録・再生情報として、映画等のビデオデータ(主映像データ)、字幕・メニュー等の副映像データおよび台詞・効果音等のオーディオデータが、同様なピット列で記録されている。
【0025】
なお、光ディスク10が片面1層で両面記録のDVD−RAMディスク(またはリライタブルディスク;DVD−RWディスク)の場合は、各記録層17は、2つの硫化亜鉛・酸化シリコン混合物(ZnS・SiO2)で相変化記録材料層(たとえばGe2Sb2Te5)を挟み込んだ3重層により構成できる。
【0026】
光ディスク10が片面1層で片面記録のRAMディスクの場合は、読み出し面19側の記録層17は、上記相変化記録材料層を含む3重層により構成できる。この場合、読み出し面19から見て反対側に配置される層17は情報記録層である必要はなく、単なるダミー層でよい。
【0027】
光ディスク10が片面読み取り型の2層RAM/ROMディスクの場合は、 2つの記録層17は、1つの相変化記録層(読み出し面19からみて奥側;読み書き用)と1つの半透明金属反射層(読み出し面19からみて手前側;再生専用)で構成できる。
【0028】
光ディスク10がライトワンスのDVD−Rである場合は、基板としてはポリカーボネートが用いられ、、図示しない反射膜としては金、図示しない保護膜としては紫外線硬化樹脂を用いることができる。この場合、記録層17には有機色素が用いられる。この有機色素としては、シアニン、スクアリリウム、クロコニック、トリフェニルメンタン系色素、キサンテン、キノン系色素(ナフトキン、アントラキノン等)、金属錯体系色素(フタロシアン、ボルフィリン、ジチオール錯体等)その他が利用可能である。
【0029】
このようなDVD−Rディスクへのデータ書き込みは、たとえば波長 650nmで出力6〜12mW程度の半導体レーザを用いて行うことができる。
【0030】
光ディスク10が片面読み取り型の2層ROMディスクの場合は、2つの記録層17は、1つの金属反射層(読み出し面19からみて奥側)と1つの半透明金属反射層(読み出し面19からみて手前側)で構成できる。
【0031】
読み出し専用のDVD−ROMディスク(DVDオーディオおよび/または DVDビデオ用)10では、基板14にピット列が予めスタンパーで形成され、このピット列が形成された基板14の面に金属等の反射層が形成され、この反射層が記録層17として使用されることになる。このようなDVD−ROMディスク10では、通常、記録トラックとしてのグルーブは特に設けられず、基板 14の面に形成されたピット列がトラックとして機能するようになっている。
【0032】
上記各種の光ディスク10において、再生専用のROM情報はエンボス信号として記録層17に記録される。これに対して、読み書き用(またはライトワンス用)の記録層17を持つ基板14にはこのようなエンボス信号は刻まれておらず、その代わりに連続のグルーブ溝が刻まれている。このグルーブ溝に、相変化記録層等が設けられるようになっている。読み書き用DVD−RAMディスクの場合は、さらに、グルーブの他にランド部分の相変化記録層も情報記録に利用される。
【0033】
なお、光ディスク10が片面読み取りタイプ(記録層が1層でも2層でも)の場合は、読み出し面19から見て裏側の基板14は読み書き用レーザに対して透明である必要はない。この場合は裏側基板14全面にラベル印刷がされていてもよい。
【0034】
図2は、図1の光ディスク10のデータ記録エリア28とそこに記録されるデータの記録トラックとの対応関係を説明する図である。
【0035】
ディスク10がDVD−RAM(またはDVD−RW)の場合は、デリケートなディスク面を保護するために、ディスク10の本体が図示しないカートリッジに収納されるようになっている。DVD−RAMディスク10がカートリッジごと後述するDVDプレーヤ(図29〜図30)のディスクドライブに挿入されると、カートリッジからディスク10が引き出されて図示しないスピンドルモータのターンテーブルにクランプされ、図示しない光ヘッドに向き合うようにして回転駆動される。
【0036】
一方、ディスク10がDVD−RまたはDVD−ROMの場合は、ディスク 10の本体はカートリッジに収納されておらず、裸のディスク10がディスクドライブのディスクトレイに直接セットされるようになる。
【0037】
図1に示した情報エリア25の記録層17には、データ記録トラックがスパイラル状に連続して形成されている。その連続するトラックは、図2に示すように一定記憶容量の複数論理セクタ(最小記録単位)に分割され、この論理セクタを基準にデータが記録されている。1つの論理セクタの記録容量は、1パックのデータ長と同じ2048バイト(あるいは2kバイト)に決められている。
【0038】
データ記録エリア28には、実際のデータ記録領域であって、DVDオーディオ用に管理データおよび音声データが記録され、DVDビデオ用に管理データ、主映像(ビデオ)データ、副映像データおよび音声データが同様に記録されている。
【0039】
なお、図示はしないが、図2のディスク10がDVD−RAMディスクの場合、そのデータ記録エリア28を、リング状(年輪状)に複数の記録エリア(複数の記録ゾーン)に分割することができる。この場合、各記録ゾーン毎にディスク回転の角速度は異なるが、各ゾーン内では線速度または角速度を一定にすることができる。図2のディスク10がDVD−ROMディスクの場合は、データ記録エリア28の全域に種々なデータが線速度一定で記録される。
【0040】
図3は、図2の光ディスクに記録される種々な情報のうち、DVDオーディオゾーンに記録される情報の階層構造を説明する図である。
【0041】
図3において、先の光ディスク10に形成されたデータ記録エリア28は、図に示すような構造を有している。この構造の論理フォーマットは、たとえば標準規格の1つであるISO9660およびユニバーサルディスクフォーマット (UDF)ブリッジに準拠して定められている。
【0042】
リードインエリア27からリードアウトエリア26までの間のデータ記録エリア28は、ボリュームスペース28として割り当てられる。このボリュームスペース28は、ボリュームおよびファイル構造の情報のための空間(ボリューム /ファイル構造70)と、DVD規格のアプリケーションのための空間 (DVDオーディオゾーン71およびDVDビデオゾーン72)と、この規格のアプリケーション以外のための空間(他記録エリア73)を含むことができる。
【0043】
ボリュームスペース28は、多数のセクタに物理的に分割され、それらの物理的セクタには連続番号が付されている。このボリュームスペース28に記録されるデータの論理アドレスは、ISO9660およびUDFブリッジで定められるように、論理セクタ番号を意味している。ここでの論理セクタサイズは、物理セクタの有効データサイズと同様に、2048バイト(2kバイト)としてある。論理セクタ番号は、物理セクタ番号の昇順に対応して連続番号が付加されている。
【0044】
なお、論理セクタと異なり、物理セクタにはエラー訂正情報等の冗長な情報が付加されている。このため、物理セクタサイズは、正確に言うと論理セクタサイズと一致しない。
【0045】
図3に示すように、ボリュームスペース28は、ボリューム/ファイル構造領域70、DVDオーディオゾーン71、DVDビデオゾーン72および他の記録領域73を含んでいる。これらの各領域(70〜73)は、図2の論理セクタの境界上で区分されている。ここで、1論理セクタは2048バイトと定義され、1論理ブロックも2048バイトと定義される。したがって、1論理セクタは 1論理ブロックと対等に定義される。
【0046】
ボリューム/ファイル構造領域70は、ISO9660およびUDFブリッジに定められる管理領域に相当する。この領域70の記述に基づいて、オーディオマネージャ(AMG)711の内容が、後述するDVDプレーヤ(図29)内部のシステムメモリに格納される。
【0047】
DVDオーディオゾーン71は、オーディオマネージャ(AMG)711および1以上のオーディオタイトルセット(ATS#m)712から構成される(オーディオタイトルセットの数mは最大99)。
【0048】
AMG711は、オーディオマネージャ情報(AMGI)ファイル7110と、オーディオマネージャメニュー用ビデオオブジェクトセット(AMGM_ VOBS)ファイル7111とオーディオマネージャ情報バックアップ (AMGI_BUP)ファイル7112とで構成される。なお、AMGM_ VOBS7111はオプションのファイルであり、無い場合もある。
【0049】
各ATS712は、オーディオタイトルセット情報(ATSI)ファイル 7120と、オーディオ・オンリータイトルのオーディオオブジェクトセット (AOTT_AOBS)ファイル7121と、オーディオタイトルセット情報バックアップ(ATSI_BUP)ファイル7123とで構成される。なお、 AOTT_AOBS7121は1ないし9ファイルで構成されるが、これらはオプションのファイルであり、無い場合もある。
【0050】
ここで図6を先に参照してAOTT_AOBS7121を説明する。後でも説明するが、AOTT_AOBS7121は、1以上のオーディオオブジェクト AOBの集まりを定義している。各AOBは1以上のオーディオタイトルセット・セル(ATS_C#)の集まりを定義している。そして、1以上のセルの集まりによってオーディオタイトルセットのプログラムが構成され、1以上のプログラムの集まりによってオーディオタイトルセットのプログラムチェーンPGCが構成される。
【0051】
図3に戻る。図3ではAOTT_AOBS7121の構成を、直接ATS_ C#の集まりのレベルで示している。PGCは、ATS内のプログラムチェーン情報により表現されている。
【0052】
1つのPGCを1本のオペラに例えれば、このPGCを構成する複数のセルはそのオペラ中の種々なシーンの音楽あるいは歌唱部分に対応すると解釈可能である。このPGCの中身(あるいはセルの中身)は、ディスク10に記録される内容を制作するソフトウエアプロバイダにより決定される。すなわち、プロバイダは、ATS内のプログラムチェーン情報ATS_PGCIに書き込まれたセル再生情報ATS_C_PBIを用いて、AOTT_AOBS7121を構成するセルを意図通りに再生させることができる。(ATS_PGCIおよびATS_ C_PBIについては、図24〜図28を参照して後述する。)
他の記録エリア73には、上述したビデオタイトルセットVTS72で利用可能な情報、あるいはビデオタイトルセットとは関係ない他の情報を記録することができる。このエリア73は必須ではなく使用しないなら削除されてもよい。
【0053】
図4は、図2の光ディスクに記録される種々な情報のうち、DVDビデオゾーンに記録される情報の階層構造を説明する図である。以下、図3で説明済みの部分の説明は省略し、DVDビデオゾーン72に関する部分の説明を行なう。
【0054】
ボリューム/ファイル構造領域70の記述に基づいて、ビデオマネージャ 721の内容が、後述するDVDプレーヤ(図29)内部のシステムメモリに格納される。
【0055】
DVDビデオゾーン72は、ビデオマネージャ(VMG)721および1以上のビデオタイトルセット(VTS#n)722から構成される(ビデオタイトルセットの数nは最大99)。
【0056】
VMG721は、ビデオマネージャ情報(VMGI)ファイル7210と、ビデオマネージャメニュー用ビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)ファイル7211とビデオマネージャ情報バックアップ(VMGI_BUP)ファイル7212とで構成される。なお、VMGM_VOBS7211はオプションのファイルであり、無い場合もある。
【0057】
各VTS722は、ビデオタイトルセット情報(VTSI)ファイル 7220と、ビデオタイトルセットメニュー用ビデオオブジェクトセット (VTSM_VOBS)ファイル7221と、ビデオタイトルセットタイトルのビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)ファイル7222と、ビデオタイトルセット情報バックアップ(VTSI_BUP)ファイル7223とで構成される。なお、VTSM_VOBS7221はオプションのファイルであり、無い場合もある。
【0058】
各ビデオタイトルセットVTS72には、MPEG規格により圧縮されたビデオデータ(後述するビデオパック)、所定規格により圧縮されあるいは非圧縮のオーディオデータ(後述するオーディオパック)、およびランレングス圧縮された副映像データ(後述する副映像パック;1画素が複数ビットで定義されたビットマップデータを含む)とともに、これらのデータを再生するための情報(後述するナビゲーションパック;プレゼンテーション制御情報およびデータサーチ情報を含む)が格納されている。
【0059】
ここで図8を参照して先にVTSTT_VOBS7222を説明する。後でも説明するが、VTSTT_VOBS7222は、1以上のビデオオブジェクト VOBの集まりを定義している。各VOBは1以上のビデオタイトルセット・セル(VTS_C#n)の集まりを定義している。VTS_C#nは1以上のビデオオブジェクトユニット(VOBU)で構成され、VOBUにはナビゲーションパック、ビデオパック、オーディオパック、副映像パックを含ませることができる。そして、1以上のビデオタイトルセルの集まりによってビデオタイトルセットのプログラムが構成され、1以上のプログラムの集まりによってビデオタイトルセットのプログラムチェーンPGCが構成される。
【0060】
図4に戻る。図4ではプログラムチェーンとビデオタイトルセットセル (VTS_C#n)の関係を示している。
【0061】
1つのPGCを1本のドラマに例えれば、このPGCを構成する複数のセルはそのドラマ中の種々なシーンに対応すると解釈可能である。このPGCの中身 (あるいはセルの中身)は、ディスク10に記録される内容を制作するソフトウエアプロバイダにより決定される。すなわち、図3で説明したATS_ PGCIの場合と同様に、プロバイダは、VTS内のプログラムチェーン情報 VTS_PGCIに書き込まれたセル再生情報(図示せず)を用いて、 VTSTT_VOBS7222を構成するセルを意図通りに再生させることができる。
【0062】
図5は、図3のDVDオーディオゾーンのプログラムチェーン情報ATS_ PGCIおよび図4のDVDビデオゾーンのプログラムチェーン情報VTS_ PGCIの双方から、特定のビデオ情報(VTS_C#2、VTS_C#3、 VTS_C#5)が、共通に(しかし異なる方法で)アクセスされる場合を説明する図である。換言すれば、図5は、同一のビデオオブジェクトVOBがオーディオ側の再生ユニットおよびビデオ側の再生ユニットから異なる方法で参照される場合を例示している。
【0063】
すなわち、ビデオタイトルセット側からビデオ再生を行なう場合、VTS_ PGCI内のセル再生情報(図示せず)により、VOBのセルVTS_C#1〜VTS_C#6が順に再生される。
【0064】
一方、オーディオタイトルセット側からビデオ再生(あるいはスチル再生)を行なう場合、ATS_PGCI内のセル再生情報(図28)により、VOBのセルVTS_C#2、VTS_C#3およびVTS_C#5が選択的に再生される。
【0065】
この場合、同じディスク10内でATSおよびVTSが同じセルデータ (VTS_C#2、VTS_C#3、VTS_C#5)を別々に持つ必要がないので、ディスク10の限られた容量を有効利用できるようになる。
【0066】
図6は、図3のDVDオーディオゾーンの記録内容(AOTT_AOBS)のデータ構造の一例を示す。
【0067】
図3を参照して説明したAOTT_AOBS7121は、図6に示すように、1以上のオーディオオブジェクトAOTT_AOB#の集まりを定義している。各AOTT_AOBは1以上のオーディオセルATS_C#の集まりを定義している。そして、1以上のセルATS_C#の集まりによってプログラムが構成され、1以上のプログラムの集まりによってプログラムチェーンPGCが構成される。このPGCは、オーディオタイトルの全体あるいは一部を差し示す論理的なユニットを構成する。
【0068】
図6の例では、各オーディオセルATS_C#が2048バイトサイズのオーディオパックA_PCKの集合で構成されている。これらのパックは、データ転送処理を行う際の最小単位となる。また、論理上の処理を行う最小単位はセル単位であり、論理上の処理はこのセル単位で行なわれる。
【0069】
図7は、図3のDVDオーディオゾーンの記録内容(AOTT_AOBS)のデータ構造の他例を示す。図7の例は、セルおよびパックの構成が、図6の場合と異なっている。
【0070】
すなわち、図7のオーディオオブジェクトAOTT_AOB#1は、ピクチャセルATS_C#1、サイレントセルATS_C#2、オーディオセルATS_C#3等を含んでいる。次のAOTT_AOB#2は、図示しないが、オーディオセルATS_Cだけで構成されてもよい。メインとなるのはオーディオセルであるが、それに適宜ピクチャセルおよび/またはサイレントセルが追加されるようになっている。
【0071】
ピクチャセルATS_C#1は1以上のスチル画パックSPCT_PCKにより構成され、サイレントセルATS_C#2は1以上の無音オーディオパック A_PCKにより構成される。このサイレントセルの再生時間は、約0.5秒以上に設定される。オーディオセルATS_C#3は、リアルタイム情報を持つリアルタイム情報パックRTL_PCKを適宜含んで、オーディオパックA_ PCKにより構成される。
【0072】
DVDオーディオプレーヤの再生動作中に上記スチル画パックSPCT_ PCKのデータ転送が行われると、その転送期間中、短時間(約0.5秒〜 0.6秒)の音切れが生じる。この音切れをオーディオギャップという。オーディオギャップが音楽再生の途中で生じるとまずいので、上記スチル画パック SPCT_PCKのデータ転送は、通常は、図9のアルバム再生の開始前、特定グループ再生の開始前、あるいは特定トラックの開始前に行われる。
【0073】
なお、DVDオーディオプレーヤ内部でスチル画パックSPCT_PCKの転送を一旦し終えてしまえば、このSPCT_PCKの内容に相当するスチル画はプレーヤ内の画像メモリに保持される。このメモリ内のスチル画は、オーディオパックA_PCKの内容(音楽等)の再生中、連続的に再生できる(ただしユーザが希望すればいつでもスチル画をモニタから消去することは可能)。
【0074】
図8は、図4のDVDビデオゾーンの記録内容(VTSTT_VOBS)のデータ構造の一例示す。
【0075】
図4を参照して説明したVTSTT_VOBS7222は、図8に示すように、1以上のビデオオブジェクトVOB#の集まりを定義している。各VOBは 1以上のビデオセルVTS_C#の集まりを定義している。各VTS_Cは1以上のビデオオブジェクトユニットVOBUの集まりを定義している。そして、 1以上のセルVTS_C#の集まりによってプログラムが構成され、1以上のプログラムの集まりによってプログラムチェーンPGCが構成される。この PGCは、ビデオタイトルあるいはビジュアルメニューの全体あるいは一部を差し示す論理的なユニットを構成する。
【0076】
図8に示すように、各VOBUは、ナビゲーションパックを先頭として、ビデオパック(MPEG圧縮された動画データ)、副映像パック(ランレングス圧縮されたビットマップデータ)、およびオーディオパック(非圧縮リニアPCMオーディオデータまたは圧縮された多チャネルオーディオデータ)の集合体(パック列)として構成されている。すなわち、ビデオオブジェクトユニット VOBUは、あるナビゲーションパックから次のナビゲーションパックの直前まで記録される全パックの集まりとして定義される。このナビゲーションパックは、アングル変更(シームレスアングル変更再生またはノンシームレスアングル変更再生)を実現できるように、各VOBU中に組み込まれている。
【0077】
これらのパックは、図6または図7の場合と同様に、データ転送処理を行う際の最小単位となる。また、論理上の処理を行う最小単位はセル単位であり、論理上の処理はこのセル単位で行わる。
【0078】
上記VOBUの再生時間は、そのVOBU中に含まれる1以上の映像グループ(グループオブピクチャー;略してGOP)で構成されるビデオデータの再生時間に相当し、その再生時間は0.4秒〜1.2秒の範囲内に定められる。 1GOPは、MPEG規格では通常約0.5秒であって、その間に15枚程度の画像を再生するように圧縮された画面データである。
【0079】
VOBUがビデオデータを含む場合には、ビデオパック、副映像パックおよびオーディオパックから構成されるGOP(MPEG規格準拠)が配列されてビデオデータストリームが構成される。しかし、このGOPの数とは無関係に、 GOPの再生時間を基準にしてVOBUが定められ、その先頭に、常にナビゲーションパックが配置される。
【0080】
なお、DVDビデオの再生にあたっては、オーディオおよび/または副映像データのみの再生データであってもVOBUを1単位として再生データが構成される。たとえば、ナビゲーションパックを先頭としてオーディオパックのみで VOBUが構成されている場合を想定してみる。この場合、ビデオデータの VOBUと同様に、そのオーディオデータが属するVOBUの再生時間内 (0.4秒〜1.2秒)に再生されるべきオーディオパックが、そのVOBUに格納される。
【0081】
図8に示すように、VTSTT_VOBSは1以上のVOBの集合として定義され、このVOBS中のVOBは同一用途に用いられる。
【0082】
メニュー用のVOBSは、通常、1つのVOBで構成され、そこには複数のメニュー画面表示用データが格納される。これに対して、ビデオタイトルセット用のVOBSは、通常、複数のVOBで構成される。
【0083】
ここで、タイトルセット用ビデオオブジェクトセットVTSTT_VOBSを構成するVOBは、あるロックバンドのコンサートビデオを例にとれば、そのバンドの演奏の映像データに相当すると考えることができる。この場合、ある VOBを指定することによって、そのバンドのコンサート演奏曲目のたとえば 3曲目を再生することができる。
【0084】
また、メニュー用ビデオオブジェクトセットVTSM_VOBSを構成する VOBには、そのバンドのコンサート演奏曲目全曲のメニューデータが格納され、そのメニューの表示にしたがって、特定の曲、たとえばアンコール演奏曲目を再生することができる。
【0085】
なお、通常のビデオプログラムでは、1つのVOBで1つのVOBSを構成することができる。この場合、1本のビデオストリームが1つのVOBで完結することとなる。
【0086】
一方、たとえば複数ストーリのアニメーション集あるいはオムニバス形式の映画では、1つのVOBS中に各ストーリに対応して複数のビデオストリーム(複数のプログラムチェーンPGC)を設けることができる。この場合は、各ビデオストリームが対応するVOBに格納されることになる。その際、各ビデオストリームに関連したオーディオストリームおよび副映像ストリームも各VOB中で完結する。
【0087】
ビデオオブジェクトVOBには識別番号(#i;i=0〜i)が付されており、この識別番号によってそのVOBを特定することができる。VOBは、1または複数のセルで構成されている。通常のビデオストリームは複数のセルで構成されるが、メニュー用のビデオストリームは1つのセルで構成される場合もある。各セルには、VOBの場合と同様に識別番号(#j;j=0〜j)が付されている。
【0088】
図9は、ユーザアクセス可能なDVDオーディオゾーン71の記録内容であって、図1の光ディスクの片面(1層または2層)に記録されるデータ構造の一例を示す。
【0089】
DVDオーディオでは、ソフトウエア制作サイドからみた記録内容の管理構造として、アルバム、グループ、トラック、およびインデックスからなる階層構造を用意している。
【0090】
アルバムはDVDオーディオディスク10の片面分に相当し、たとえば「ベートーベンの作品集の第1巻」をこのアルバムに割り当てることができる。その場合、このアルバムは、たとえば交響曲第1番のグループ#1〜交響曲第9番のグループ#9などで構成できる。
【0091】
各グループ(たとえばグループ#1)は、対応交響曲(交響曲第1番)の第 1楽章〜第4楽章それぞれに対応したトラック#1〜#4で構成で構成される。さらに、各トラックは、その内容を適宜i分割したインデックス#1〜#iで構成で構成される。
【0092】
図9のような階層構造で制作されたDVDオーディオディスク10をユーザが再生する場合、ユーザは、そのディスク10をDVDオーディオプレーヤ(図 29〜図30)にセットしてから、図示しないリモートコントローラを操作して、グループ#1、およびトラック#1を選択できる。
【0093】
この選択をしてからユーザがリモートコントローラの再生ボタンを押すと、 DVDオーディオプレーヤは、ベートーベンの交響曲第1番の第1楽章の頭から再生を開始する。ユーザがさらに特定のインデックスをリモートコントローラから指示すると、指示されたインデックス部分がサーチされ、その部分から再生される。(そのアルバムの最初のグループの最初のトラックの最初のインデックス部分については、ユーザがなにも指定しなくてもデフォルトで再生できる。)
なお、DVDビデオディスクの再生の場合はユーザはタイトル(特定の映画作品タイトルなど)を認識できるが、DVDオーディオディスクの場合はユーザには「タイトル」が見えない。ユーザに見えるのは、図9の「アルバム」と、「グループ」と、「トラック」と、「インデックス」だけである。
【0094】
図10は、図1の光ディスクに記録される情報(DVDオーディオおよび DVDビデオのデータファイル)のディレクトリ構造を示す。この図は、 DVDファイル規格で定義されるファイル・ディレクトリ構造の例である。
【0095】
コンピュータの汎用オペレーティングシステムが採用している階層ファイル構造と同様に、ルートディレクトリの下にビデオタイトルセットVTSのサブディレクトリ、オーディオタイトルセットATSのサブディレクトリ、ユーザ定義のディレクトリ等が繋がっている。
【0096】
ビデオタイトルセットVTSのサブディレクトリ中には、種々なビデオファイル(VMGI、VMGM、VTSI、VTSM、VTS等のファイル;図4参照)が配置されて、各ファイルが整然と管理されるようになっている。
【0097】
また、オーディオタイトルセットATSのサブディレクトリ中には、種々なオーディオファイル(AMGI、ATSI、ATS等のファイル;図3参照)が配置されて、各ファイルが整然と管理されるようになっている。
【0098】
ユーザは、特定のファイル(特定のVTSまたは特定のATS)に、ルートディレクトリからそのファイルまでのパスを指定することで、アクセスできる。
【0099】
DVDビデオ規格に準拠して作られたDVDビデオプレーヤは、DVDビデオ規格に準拠して作られたDVDビデオディスクを再生する場合、まずルートディレクトリの下のビデオタイトルセットVTSディレクトリ内にある管理情報 (VMG)を読み込み、その情報によりビデオコンテンツを再生する。しかし、VMGによって再生できるのはVTSディレクトリ内に記録されたビデオコンテンツ(VTS)に限られる。
【0100】
一方、DVDオーディオ規格に準拠して作られたDVDオーディオプレーヤ (またはDVDビデオ・DVDオーディオコンパチブルプレーヤ)は、DVDオーディオ規格に準拠して作られたDVDオーディオディスクを再生する場合、まずルートディレクトリの下のオーディオタイトルセットATSディレクトリ内にある管理情報(AMG)を読み込み、その情報によりオーディオコンテンツを再生する。この場合、AMGによって再生できるのは、ATSディレクトリ内に記録されたオーディオコンテンツ(ATS)に限られず、VTSディレクトリ内のビデオコンテンツ(VTS)も再生可能となっている(その仕組みは図12以降を参照して後述する)。
【0101】
図11は、図1の光ディスクに記録される情報(DVDオーディオおよび DVDビデオのデータファイル)のディレクトリ構造の他例を示す。
【0102】
図10の例ではVTSディレクトリもATSディレクトリもルートディレクトリの下の同じ階層レベルに配置されている。一方、図11の例では、ルートディレクトリ(親ディレクトリ)の下の階層にATSディレクトリ(子ディレクトリ)を配置し、ATSディレクトリの下の階層にVTSディレクトリ(孫ディレクトリ)を配置している。
【0103】
図12は、図10のディレクトリ構造において、オーディオコンテンツ側のディレクトリからビデオコンテンツ側のディレクトリ内のファイルにアクセスする場合を説明する図である。
【0104】
すなわち、AVディスク10に記録されたデータファイルを管理する階層管理構造において、ルートディレクトリ(親ディレクトリ)の下にビデオタイトルセットディレクトリ(子ディレクトリ)およびオーディオタイトルセットディレクトリ(子ディレクトリ)が配置されている。
【0105】
ビデオタイトルセットディレクトリ(VTSディレクトリ)は、ディスク 10に記録されたビデオコンテンツのファイルを扱うディレクトリであり、ビデオマネージャVMGのファイルおよび1以上のビデオタイトルセットVTSのファイル(ビデオコンテンツの論理ユニット)を含んでいる(図4参照)。
【0106】
オーディオタイトルセットディレクトリ(ATSディレクトリ)は、ディスク10に記録されたオーディオコンテンツのファイルを扱うディレクトリであり、オーディオマネージャAMGのファイルおよび1以上のオーディオタイトルセットATSのファイル(オーディオコンテンツの論理ユニット)を含んでいる(図3参照)。
【0107】
VTSディレクトリのVMGは、VTSのみを管理するもので、VTSディレクトリ内のVTSにしかアクセスできないようになっている。
【0108】
一方、ATSディレクトリのAMGは、主にATSを管理するものであるが、ATSディレクトリ内のATSのみならず、VTSディレクトリ内のVTSにもアクセスできるようになっている。
【0109】
その具体的内容は図17〜図20を参照して後述するが、AMGはオーディオマネージャ情報AMGIを含み(図17)、AMGIはオーディオタイトルのサーチポインタテーブルATT_SRPTを含み(図17)、ATT_SRPTはオーディオ・オンリータイトル(AOTT)用のサーチポインタATT_ SRPおよびオーディオ・ビデオ(AVTT)用のサーチポインタATT_ SRPを含んでいる(図20)。
【0110】
つまり、ATSディレクトリのAMGは、AOTT用サーチポインタATT_SRPTによりATSディレクトリ内のオーディオタイトルセット ATS#1、ATS#2、…にアクセスでき、かつ、AVTT用サーチポインタATT_SRPTによりVTSディレクトリ内のビデオタイトルセット VTS#1、VTS#2、…にアクセス可能となる。これにより、あるオブジェクト(VTS#1など)をビデオコンテンツとオーディオコンテンツの双方で共用できるようになる。これが、この発明の「オブジェクト共有化システム」の重要な特徴の1つである。
【0111】
図13は、図10のディレクトリ構造において、オーディオコンテンツ側のディレクトリ内のファイルがビデオコンテンツ側のディレクトリ内のファイルにリンクする場合を説明する図である。図13は、図12の変形例と捕らえることもできる。
【0112】
すなわち、図12の例では、オーディオマネージャAMGがオーディオタイトルセットATSおよびビデオタイトルセットVTSの双方にアクセスできるような構成を取ることにより、あるVTSがビデオコンテンツとオーディオコンテンツとで共用されている。
【0113】
一方、図13の例では、あるオーディオタイトルセット(ここでは ATS#1)に、あるビデオタイトルセット(ここではVTS#1)へリンクするための情報(VTS#1の所定部分のアドレスを指し示すポインタなど)を書き込んでいる。こうすることにより、たとえばVTS#1内のオーディオデータがビデオコンテンツとオーディオコンテンツとで共用できるようになる。
【0114】
図14は、図12のファイルアクセスが図3および図4のボリュームスペース内においてどのように行われるかの一例を説明するデータ構造図である。図 14のデータ構造は、図12のディレクトリ構造に対応している。
【0115】
図14において、斜線で図示される部分は、ビデオコンテンツ(またはビデオボリューム)とオーディオコンテンツ(またはオーディオボリューム)とで共用されるコンテンツを例示している。
【0116】
図14のデータ構造の考え方の基本は、ビデオコンテンツのための記録領域 (VMG+VTS)とオーディオコンテンツのための記録領域 (AMG+ATS)とをそれぞれ独立にボリュームスペース28に記録し、ビデオ用のみならずオーディオ用としても共通に利用されるビデオコンテンツに関しては、AMGからも管理可能とすることである。
【0117】
具体例を言えば、図14において、VMGで管理されるビデオタイトルセットVTS#1がビデオオブジェクトセットVOBS#1の一部(セル)にアクセスできる一方で、AMGで管理されるオーディオタイトルセットATS#1が VOBS#1の他部(セル)にアクセスできるようになっている。この例では、VTS#1のビデオオブジェクトセットVOBS#1を構成するセルの一部(図8参照)が、ビデオコンテンツとオーディオコンテンツとで共用されることになる。
【0118】
図14のデータ構造では、DVDオーディオゾーン71がアドレスの小さい方(図3のリードインエリア27に近い方)に配置され、DVDビデオゾーン 72がアドレスの大きい方(図3のリードアウトエリア26に近い方)に配置される。この場合、AMGは、ATSにアクセスするときもVTSにアクセスするときも、常に+方向に変化するアドレスを用いれば良く、ー方向のアドレスを扱う必要がないので、再生システムの構築が容易になる。
【0119】
図15は、図12のファイルアクセスが図3および図4のボリュームスペース内においてどのように行われるかの他の例を説明するデータ構造図である。図 15は図14の変形例と捕らえることができる。
【0120】
図14では、DVDオーディオゾーン71がアドレスの小さい方に配置され、DVDビデオゾーン72がアドレスの大きい方に配置されているので、前述したように、ー方向のアドレスを扱う必要がなかった。
【0121】
一方、図14では、DVDビデオゾーン72がアドレスの小さい方(図3のリードインエリア27に近い方)に配置され、DVDオーディオゾーン71はアドレスの大きい方(図3のリードアウトエリア26に近い方)に配置されている。この場合、AMGは、ATSにアクセスするときは+方向のアドレスを扱い、 VTSにアクセスするときはー方向のアドレスを扱うことになる。この場合、所望のオブジェクト(ATSあるいはVTS中のセル)にアクセスする際のアドレッシングが面倒であり、製品コストが問題になる民生用DVDオーディオプレーヤに採用するのは難しくなる。
【0122】
しかし、DVDドライブを持つパーソナルコンピュータをソフトウエアで DVDオーディオプレーヤ化する場合は、図15のデータ構造が採用されても、コスト上の問題は回避できる。つまり、図15のデータ構造を一旦解析したパーソナルコンピュータのオペレーティングシステム(または制御ソフトウエア)は、自分のメモリ上でアドレスをリマッピングし、物理的には図15の配置であったデータ構造を見かけ上図14の配置に変換してしまうことができる。そうすれば、そのパーソナルコンピュータのMPUまたはCPUは、図14の場合と同様に、+方向だけのアドレス指定でもって、AMGから、ATSにもVTSにもアクセスできるようになる。
【0123】
図16は、図12のファイルアクセスが図3および図4のボリュームスペース内においてどのように行われるかのさらに他の例を説明するデータ構造図である。図16も、図14の変形例と捕らえることができる。
【0124】
図14では、DVDオーディオゾーン71がアドレスの小さい方に配置され、DVDビデオゾーン72がアドレスの大きい方に配置されているので、前述したように、マイナス(−)方向のアドレスを扱う必要がなかった。
【0125】
これに対し、図16のデータ構造では、DVDオーディオゾーン71の AMGがアドレスの小さい方(図3のリードインエリア27に近い方)に配置され、DVDビデオゾーン72のVMGがAMGよりはアドレスの大きい方(図 3のリードアウトエリア26に近い方)に配置されている。この場合、AMGは、ATSにアクセスするときもVTSにアクセスするときも、常に+方向に変化するアドレスを用いれば良く、ー方向のアドレスを扱う必要がない。このため、図14の場合と同様に、再生システムの構築が容易になる。
【0126】
ただし、図16のデータ構造ではATS#1内にVTS#1等が配置される「入れ子」構造となるため、図4のVMGは、ATS内のVTSがDVDビデオゾーン72に存在しているとは認識できない。この場合、VMGは、ATS内の VTSが他記録エリア73に存在しているものとして取り扱うことができる。
【0127】
図16のデータ構造は、AMGがATSのみならずVTSもアクセスできるようにする場合において、他記録エリア73を使用する場合に、利用できる。
【0128】
以上、「AMGがATSおよびVTSにアクセスできる」データ構造の例として図14〜図16の3種を挙げたが、一番好ましいのは、図14のデータ構造である。その理由は、アドレスのリマッピングをしなくても所望の共用オブジェクトに+方向のアドレス指定だけでアクセスできるからである。
【0129】
図17は、図3のDVDオーディオゾーン内のオーディオマネージャ情報 AMGIの記録内容を説明する図である。
【0130】
DVDオーディオゾーン71で扱うコンテンツには、オーディオ・オンリータイトルAOTTと、ビデオ付オーディオタイトル(またはオーディオ・ビデオタイトル)AVTTの2種がある。
【0131】
AOTTは、オーディオディスク(Aディスク)10内のタイトルであってビデオ部を持たず、オーディオタイトルセットディレクトリ下に記録された ATS内で定義される。一方、AVTTは、オーディオディスク(AVディスク)10内のタイトルであってビデオ部を持ち、ビデオタイトルセットディレクトリ下に記録されたVTS内で定義される。そして、AOTTとAVTTの総称をATT(オーディオタイトル)と定義する。
【0132】
上記ATTのデータが記録されるDVDオーディオゾーン71は、 AMG711および1以上(最大99)のオーディオタイトルセット (ATS#1〜ATS#m)712で構成されている。
【0133】
AMG711は、オーディオマネージャ情報AMGIファイル7110と、オーディオマネージャメニュー用ビデオオブジェクトセットAMGM_VOBSファイル(オプションファイル)7111とオーディオマネージャ情報バックアップAMGI_BUPファイル7112とで構成されている。
【0134】
AMGIファイル7110は、オーディオマネージャ情報管理テーブル AMGI_MATと、オーディオタイトルのサーチポインタテーブルATT_ SRPTと、オーディオ・オンリータイトルのサーチポインタテーブル AOTT_SRPTと、オーディオマネージャメニューのプログラムチェーン情報ユニットテーブルAMGM_PGCI_UTと、オーディオテキストデータマネージャATXTDT_MGを含んでいる。
【0135】
すなわち、AMGは、2 つのサーチ情報ATT_SRPTおよびAOTT_ SRPTを持っている。ここで、ATT_SRPTはAOTTおよびAVTT両方のサーチ情報を記述したテーブルであり、AOTT_SRPTはAOTTのみのサーチ情報を記述したテーブルである。
【0136】
このように、サーチ情報をAVTT用とAOTT用の2 種に分けるのではなく、ATT(AOTTとAVTTの総称)用(後述する図20のATT_ SRPT)とAOTT用(後述する図22のAOTT_SRPT)の2 種に分けるようにしたのは、種々なDVDプレーヤに対して再生方法を簡単にするためである。
【0137】
図18は、図17のオーディオマネージャ情報AMGIに含まれるオーディオマネージャ情報管理テーブルAMGI_MATの記録内容を示す。
【0138】
すなわち、このオーディオマネージャ情報管理テーブルAMGI_MATには、オーディオマネージャー識別子(AMG_ID);オーディオマネージャのエンドアドレス(AMG_EA);オーディオマネージャ情報のエンドアドレス (AMGI_EA);該当光ディスク(DVDオーディオディスク)10が採用する規格のバージョン番号(VERN);ボリューム設定識別子(VLMS_ ID);タイトルセット数(TS_Ns);プロバイダ(ソフトウエアの制作・販売元)の識別子(PVR_ID);オーディオマネージャ情報管理テーブルのエンドアドレス(AMGI_MAT_EA);オーディオマネージャメニューのビデオオブジェクトセットのスタートアドレス(AMGM_VOBS_ SA);オーディオタイトルのサーチポインタテーブルのスタートアドレス (ATT_SRPT_SA);オーディオ・オンリータイトルのサーチポインタテーブルのスタートアドレス(AOTT_SRPT_SA);オーディオマネージャメニュー用プログラムチェーン情報のユニットテーブルのスタートアドレス(AMGM_PGCI_UT_SA);オーディオテキストデータマネージャのスタートアドレス(ATXTDT_MG_SA);オーディオマネージャメニューのビデオオブジェクトセットに対するビデオ属性(AMGM_V_ ATR);オーディオマネージャメニューに対する副映像ストリーム数 (AMGM_SPST_Ns);オーディオマネージャメニューのビデオオブジェクトセットに対する副映像の属性(AMGM_SPST_ATR);ディオマネージャメニューのオーディオストリーム数(AMGM_AST_Ns);ディオマネージャメニューのビデオオブジェクトセットに対するオーディオ属性 (AMGM_AST_ATR);その他の予約エリアが設けられている。
【0139】
上記オーディオマネージャメニューのビデオオブジェクトセットのスタートアドレスAMGM_VOBS_SAには、AMGの最初の論理ブロックからの相対ブロック数でもって、AMGM_VOBSのスタートアドレスが書き込まれる。AMGM_VOBSがないときは「00000000h」がこのAMGM_ VOBS_SAに書き込まれる。
【0140】
上記スタートアドレスATT_SRPT_SAには、AMGIの最初の論理ブロックからの相対ブロック数でもって、ATT_SRPTのスタートアドレスが書き込まれる。
【0141】
上記スタートアドレスAOTT_SRPT_SAには、AMGIの最初の論理ブロックからの相対ブロック数でもって、AOTT_SRPTのスタートアドレスが書き込まれる。
【0142】
図18のAMGI_MATに書き込まれたATT_SRPT_SAあるいは AOTT_SRPT_SAから、オーディオタイトルのサーチポインタATT_SRPTあるいはオーディオ・オンリータイトルのサーチポインタAOTT_ SRPTがディスク10の何処に記録されているかが分かるようになる。
【0143】
図19は、図17のオーディオマネージャ情報AMGIに含まれるオーディオタイトルのサーチポインタテーブルATT_SRPTの内容を説明する図である。AMGIは、2種のサーチポインタATT_SRPTおよびAOTT_ SRPTを持っているが、図19はAOTTにもAVTTにもアクセスできるサーチポインタATT_SRPを示している。
【0144】
すなわち、AMGIに含まれるATT_SRPTは、オーディオタイトルのサーチポインタテーブル情報ATT_SRPTIと1以上のオーディオタイトルサーチポインタATT_SRP(ATT_SRP#1〜ATT_SRP#n)を含む。ATT_SRPTIはオーディオタイトルサーチポインタの数とATT_ SRPTのエンドアドレスを含んでいる。
【0145】
図20は、図19のオーディオタイトルのサーチポインタテーブルATT_ SRPTに含まれる各オーディオタイトルサーチポインタ(ここではATT_ SRP#n)の内容を説明する図である。
【0146】
DVDオーディオの規格は音だけでなく画像も扱えるようになっており、 AMGは2 つのサーチ情報ATT_SRPTおよびAOTT_SRPTを持っている。図20のATT_SRPTは、AOTTおよびAVTT両方のサーチ情報を記述したテーブルである。
【0147】
図20において、オーディオ・オンリータイトル用のサーチポインタ AOTT・ATT_SRPは、オーディオタイトルATTのカテゴリと、オーディオタイトルATT内のプログラム数と、オーディオタイトルATTのトータル再生時間と、オーディオタイトルセットATSの番号と、オーディオタイトルセットATSのタイトル番号と、オーディオタイトルセットATSの開始アドレスとを含んでいる。
【0148】
また、ビデオ付オーディオタイトル用のサーチポインタAVTT_SRPは、オーディオタイトルATTのカテゴリと、オーディオタイトルATTのトータル再生時間と、タイトル再生形式と、ビデオに含まれるアングル数と、ビデオに含まれるパートオブタイトル数と、ビデオタイトルセットVTSの番号と、ビデオタイトルセットVTSのタイトル番号と、ビデオタイトルセットVTSの開始アドレスとを含んでいる。
【0149】
図21は、図17のオーディオマネージャ情報AMGIに含まれるオーディオ・オンリータイトルのサーチポインタテーブルAOTT_SRPTの内容を説明する図である。AMGIは、2種のサーチポインタATT_SRPTおよび AOTT_SRPTを持っているが、図21はAOTTだけにアクセスできるサーチポインタAOTT_SRPを示している。
【0150】
すなわち、AMGIに含まれるAOTT_SRPTは、オーディオ・オンリータイトルのサーチポインタテーブル情報AOTT_SRPTIと1以上のオーディオ・オンリータイトルサーチポインタAOTT_SRP(AOTT_ SRP#〜AOTT_SRP#m)を含む。AOTT_SRPTIはオーディオ・オンリータイトルサーチポインタの数とAOTT_SRPTのエンドアドレスを含んでいる。
【0151】
図22は、図21のオーディオ・オンリータイトルのサーチポインタテーブルAOTT_SRPTに含まれるオーディオ・オンリータイトルサーチポインタ (ここではAOTT_SRP#m)の内容を説明する図である。
【0152】
DVDオーディオの規格は音だけでなく画像も扱えるようになっており、 AMGは2 つのサーチ情報ATT_SRPTおよびAOTT_SRPTを持っているが、図22のAOTT_SRPTは、AOTTだけのサーチ情報を記述したテーブルである。
【0153】
すなわち、図22において、オーディオ・オンリータイトル用のサーチポインタAOTT・ATT_SRPは、オーディオタイトルATTのカテゴリと、オーディオ・オンリータイトルAOTT内のプログラム数と、オーディオ・オンリータイトルAOTTのトータル再生時間と、オーディオタイトルセットATSの番号と、オーディオタイトルセットATSのタイトル番号と、オーディオタイトルセットATSの開始アドレスとを含んでいる。
【0154】
ところで、オーディオマネージャAMG内で定義される再生タイトルの制御情報中では、タイトルグループTT_GRを指定することができる。
【0155】
このタイトルグループTT_GRは、1個以上のオーディオタイトルATTの集合体であり、ATT群の連続再生を保証する単位として定義される。ユーザから見れば、オーディオタイトルATTは「曲」に相当し、タイトルグループ TT_GRは曲の集合体としての「アルバム」に相当する(図9参照)。レコードあるいはCDにおいて、アルバムの先頭または途中の曲から再生を開始すると、そのままアルバムの最後まで連続して再生できるのと同じように、TT_ GRの先頭または途中のATTから再生を開始すると、そのままこのTT_ GRの最後まで連続して再生ができるようになっている。
【0156】
タイトルグループTT_GRとしては、次の2 種類を定義することができる。
【0157】
<A1>オーディオタイトルグループ(ATT_GR);このATT_GRは、オーディオタイトルサーチポインタテーブルATT_SRPT内に定義されるオーディオタイトルATTからなるタイトルグループTT_GRである。
【0158】
<A2>オーディオ・オンリータイトルグループ(AOTT_GR);この AOTT_GRは、オーディオ・オンリータイトルサーチポインタテーブル AOTT_SRPT内に定義されるオーディオ・オンリータイトルAOTTからなるタイトルグループTT_GRである。
【0159】
オーディオタイトルグループATT_GRは、オーディオ規格の画像と音声を再生できるプレーヤ(AOTTおよびAVTTの双方を扱うプレーヤ)のためのものであり、オーディオ・オンリータイトルグループAOTT_GRは、オーディオ規格の音声だけを再生できるプレーヤ(AOTTだけを扱うプレーヤ)のためのものである。
【0160】
また、オーディオタイトルATTの構成には次の3種類がある。
【0161】
<B1>ATTがAOTTのみを持つもの
<B2>ATTがAVTTのみを持つもの
<B3>ATTがAOTTとAVTTの両方を持つもの(ここでは、 AOTTとAVTTは、曲としては同じものだが、画像なしバージョンである AOTTと、画像付バージョンであるAVTTの両方を持つという意味)
上記<B1>の場合は、AOTTのためのサーチ情報はATT_SRPTおよびAOTT_SRPTの両方に記述される(図20および図22参照)。
【0162】
上記<B2>の場合は、AVTTのためのサーチ情報はATT_SRPTだけに記述される(図20参照)。
【0163】
上記<B3>の場合は、AOTTのためのサーチ情報はAOTT_SRPTのみに記述され、AVTTのためのサーチ情報はATT_SRPTだけに記述される(図20参照)。
【0164】
上記<B1>〜<B3>の関係を例示したものが図23である。
【0165】
図23は、図17のオーディオマネージャ情報AMGI内のオーディオ・オンリータイトルサーチポインタAOTT_SRPでアクセスされるオーディオ・オンリータイトルのグループAOTT_GRと、このオーディオマネージャ情報 AMGI内のオーディオタイトルサーチポインタATT_SRPでアクセスされるオーディオタイトルのグループATT_GRとの関係を例示している。図 23は、ATT_SRPTとAOTT_SRPTとの関係を表す例であるともいえる。
【0166】
図23において、オーディオタイトルATT#1および#9はそれぞれビデオ付オーディオタイトルAVTTだけで構成され、ATT#2および#3はそれぞれビデオ付オーディオタイトルAVTTとオーディオ・オンリータイトル AOTTで構成され、ATT#4、#5、#7、#8はそれぞれオーディオ・オンリータイトルAOTTだけで構成されている。
【0167】
図23の例では、9個のオーディオタイトルATTが用いられ、これらを4つにグループ分け(GR#1〜GR#4)してオーディオタイトルグループ ATT_GRを構成し、2つにグループ分け(GR#1〜GR#2)してオーディオ・オンリータイトルグループAOTT_GRを構成している。
【0168】
この例では、オーディオタイトルATT#1および#9はAVTTのみで構成されそこにはAOTTが存在しない。したがって、ATT#1および#9はオーディオ・オンリータイトルグループAOTT_GRとしては存在しない。
【0169】
このため、オーディオタイトルグループATT_GRの個数(この例では4個)とオーディオ・オンリータイトルグループAOTT_GRの個数(この例では 2個)は一般的には一致しない。
【0170】
ここで必要なことは、オーディオ規格の画像と音声を再生できるプレーヤ (AOTTおよびAVTTの双方を扱うプレーヤ)でATT群を再生する場合と、オーディオ規格の音声だけを再生できるプレーヤ(AOTTだけを扱うプレーヤ)でATT群を再生する場合において、タイトルグループTT_GRの同一性を保つことである。
【0171】
すなわち、対応するATT_GRとAOTT_GRは、GR番号は異なったとしても、同一のATTから構成され、なおかつTT_GR内でのATTの順番も同じにする必要がある。そうでないと、ユーザは混乱してしまう。もちろんこの事は、AVTTのみであってAOTTが存在しないようなATT(図23の ATT#1および#9)は除外しての話である。
【0172】
上記「必要」を満足するためには、「AOTTとして定義されないATT」と「AOTTとして定義されるATT」とが1つのATT_GR内に混在しないように制限を加えるとよい。これにより、ATT_GRとAOTT_GRの両方が存在する部分においては、TT_GRとしての同一性が保たれる。
【0173】
図23の例でいうと、ATTのGR#2 とAOTTのGR#1 、および ATT_GR#3とAOTT_GR#2は、それぞれ同一のATTから構成され、TT_GR内でのATTの順番も同一となっている。
【0174】
図24は、図3のDVDオーディオゾーン内のオーディオタイトルセット (ATS)の記録内容を説明する図である。
【0175】
オーディオタイトルセットATSは、オーディオタイトルセット情報 ATSIと、オーディオ・オンリータイトル用オーディオオブジェクトセット AOTT_AOBSと、オーディオタイトルセット情報のバックアップ ATSI_BUPとで構成されている。
【0176】
オーディオタイトルセット情報ATSIは、オーディオタイトルセット管理テーブルATSI_MATおよびオーディオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブルATS_PGCITを含んでいる。
【0177】
そして、オーディオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブルATS_PGCITは、オーディオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル情報ATS_PGCITIと、オーディオタイトルセットプログラムチェーン情報サーチポインタATS_PGCI_SRPと、1以上のオーディオタイトルセットプログラムチェーン情報ATS_PGCIとを含んでいる。
【0178】
図25は、図24のオーディオタイトルセット情報管理テーブルATSI_ MATの記録内容を示す。
【0179】
すなわち、このオーディオタイトルセット情報管理テーブルATSI_ MATには、オーディオタイトルセット識別子(ATSI_ID);オーディオタイトルセットのエンドアドレス(ATS_EA);オーディオタイトルセット情報のエンドアドレス(ATSI_EA);採用されたオーディオ規格のバージョン番号(VERN);オーディオタイトルセット情報管理テーブルのエンドアドレス(ATSI_MAT_EA);オーディオ・オンリータイトルAOTT用ビデオタイトルセットVTSのスタートアドレス(VTS_SA);オーディオ・オンリータイトル用オーディオオブジェクトセットのスタートアドレス (AOTT_AOBS_SA)またはオーディオ・オンリータイトル用ビデオオブジェクトセットのスタートアドレス(AOTT_VOBS_SA);オーディオタイトルセット用プログラムチェーン情報テーブルのスタートアドレス (ATS_PGCIT_SA);オーディオ・オンリータイトル用オーディオオブジェクトセットの属性(AOTT_AOBS_ATR)またはオーディオ・オンリータイトル用ビデオオブジェクトセットの属性(AOTT_VOBS_ ATR)#0〜#7;オーディオタイトルセットデータミックス係数(ATS_DM_COEFT)#0〜#15;
オーディオタイトルセットのスチル画属性(ATS_SPCT_ATR);その他の予約エリアが設けられている。
【0180】
上記AOTT用VTSのスタートアドレスVTS_SAには、ATSが AOTT_AOBSを持たないときは、AOTTのために用いられる VTSTT_VOBS(図8)を含むVTSのスタートアドレスが書き込まれる。ATSがAOTT_AOBSを持つときは「00000000h」がこの VTS_SAに書き込まれる。
【0181】
上記AOTT_AOBS_SAには、ATSがAOTT_AOBSを持つときは、ATSの最初の論理ブロックからの相対論理ブロック数でもって、 AOTT_AOBSのスタートアドレスが書き込まれる。一方、ATSが AOTT_ABOSを持たないときは、AOTT_VOBS_SAには、 VTSTT_VOBSのスタートアドレスが、ATSのために用いられる VTSTT_VOBSを含むVTSの最初の論理ブロックからの相対論理ブロック数でもって、書き込まれる。
【0182】
上記ATS_PGCIT_SAには、ATSIの最初の論理ブロックからの相対論理ブロック数でもって、ATS_PGCITのスタートアドレスが書き込まれる。
【0183】
上記AOTT_AOBS_ATRまたはAOTT_VOB_ARTは、#0から#7まで8つ用意されている。ATSがAOTT_AOBSを持つときは、 ATSに記録されたAOTT_AOBの属性がAOTT_AOBS_ATRに書き込まれる。一方、ATSがAOTT_AOBSを持たないときは、AOTT_VOB_ARTには、ATS内のAOTT_VOBのために用いられるVOB内のオーディオストリームの属性が書き込まれる。このAOTT_AOBS_ ATRまたはAOTT_VOB_ARTには、採用されたサンプリング周波数 (44〜192kHz)および量子化ビット数(16〜24ビット)が書き込まれている。
【0184】
上記ATS_DM_COEFTは、マルチチャネル出力(5.1チャネル出力)を持つオーディオデータを2チャネル出力にミックスダウンする際の係数を示すもので、ATS内に記録された1以上のAOTT_AOBでのみ使用される。ATSがAOTT_AOBSを持たないときは、16個(#0〜#15)ある ATS_DM_COEFTそれぞれの全ビットに、「0h」が書き込まれる。この16個(#0〜#15)のATS_DM_COEFTのためのエリアは定常的に設けられている。
【0185】
上記ATS_SPCT_ATRは、AOTT_AOBS内の各スチル画のためのスチル画ストリームの属性を示す。AOTT_AOBSにスチル画がないときは、ATS_SPCT_ATRには「0000h」が書き込まれる。このスチル画の各フィールドは、AOTT_AOBS内の各スチル画のビデオストリームに記録された情報に合わせてある。
【0186】
各ATS_SPCT_ATRは16ビットで構成され、MSB側の2ビット (ビットb15〜b14)はビデオ圧縮モード(MPEG2等)を表し、次の 2ビット(ビットb13〜b12)はTVシステム(NTSC、PAL、 SECAM等)を表し、次の2ビット(ビットb11〜b10)は画像のアスペクト比(4:3、16:9等)を表し、次の2ビット(ビットb9〜b8)は表示モード(4:3サイズのTVモニタにおける4:3表示、16:9表示、レターボックス表示等)を表している。次の2ビット(ビットb7〜b6)は将来に備えての予約ビットである。次の3ビット(ビットb5〜b3)は、スチル画の解像度(NTSCシステムにおける水平720本x垂直480本、PALシステムにおける水平720本x垂直576本等)を表している。LSB側の最後の 3ビット(ビットb2〜b0)も、将来に備えての予約ビットである。
【0187】
図26は、図24のオーディオタイトルセット情報ATSIに含まれるオーディオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブルATS_PGCITの内容を説明する図である(このATS_PGCITの記録位置は図25のATSI_MATのATS_PGCIT_SAに書き込まれている)。
【0188】
このATS_PGCITは、前述したように、オーディオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル情報ATS_PGCITIと、オーディオタイトルセットプログラムチェーン情報サーチポインタATS_PGCI_SRPと、オーディオタイトルセットプログラムチェーン情報ATS_PGCIとを含んでいる。
【0189】
上記ATS_PGCI_SRPは1以上のオーディオタイトルセット用プログラムチェーン情報サーチポインタ(ATS_PGCI_SRP#1〜ATS_ PGCI_SRP#j)を含み、上記ATS_PGCIはATS_PGCI_ SRPと同数のオーディオタイトルセット用プログラムチェーン情報(ATS_PGCI#1〜ATS_PGCI#j)を含んでいる。
【0190】
各ATS_PGCIは、オーディオタイトルセット用プログラムチェーン ATS_PGCの再生を制御するナビゲーションデータとして機能する。
【0191】
ここで、ATS_PGCは、オーディオ・オンリータイトルAOTTを定義する単位であり、ATS_PGCIと1以上のセル(AOTT_AOBS内のセルまたはAOTTのオブジェクトとして用いられるAOTT_VOBS内のセル)とから構成される。
【0192】
各ATS_PGCIは、オーディオタイトルセット用プログラムチェーンの一般情報(ATS_PGC_GI)と、オーディオタイトルセット用プログラム情報テーブル(ATS_PGCIT)と、オーディオタイトルセット用セル再生情報テーブル(ATS_C_PBIT)を含んでいる。
【0193】
上記ATS_PGCITは1以上のオーディオタイトルセット用プログラム情報(ATS_PGI#1〜ATS_PGI#k)を含み、上記ATS_C_ PBITはATS_PGIと同数のオーディオタイトルセット用セル再生情報 (ATS_C_PBI#1〜ATS_C_PBI#k)を含んでいる。
【0194】
図27は、図26のオーディオタイトルセットプログラム情報ATS_ PGIの内容を示す。
【0195】
このATS_PGIは、オーディオタイトルセット用プログラムの内容 (ATS_PG_CNT)と、ATS_PGのエントリセル番号(ATS_ PG_EN_CN)と、スチル画のための内部標準記録コード(ISRC_ SPCT)と、ATS_PG内の最初のオーディオセルの再生開始時間 (FAC_ST_PTM)と、ATS_PGの再生時間(ATS_PG_PB_TM)と、ATS_PGのポーズ時間(ATS_PG_PA_TM)を含んでいる。
【0196】
上記ATS_PG_CNTは、先行プログラムと現在プログラムとの間の物理配置の関係を示す記述と;先行プログラムと現在プログラムとの間の再生タイムスタンプの関係を示す記述と;AOBの属性またはATS_PGのVOB内のオーディオストリームの属性を示す記述(ATRN)と;ATSI_MATで定義されたAOTT_AOB_ARTまたはAOTT_VOB_ARTの番号を持つATS_PG(AOB_PG)内のAOBのダウンミックスを、ATSI_ MATで定義されたATS_DM_COEFTの番号を用いて行なうための係数テーブル番号を示す記述(DM_COEFTN)とを含んでいる。
【0197】
上記ATS_PG_EN_CNは、ATS_PGを構成する最初のATSセルの番号(1から255まで)の記述を含んでいる。
【0198】
上記ISRC_SPCTは、ATS_PG内のスチル画のための内部標準記録コード(ISRC)の記述を含んでいる。ATS_PG内にスチル画がないときは、このISRC_SPCTの全ビットには「0」が書き込まれる。
【0199】
上記FAC_ST_PTMは、ATS_PG内の最初のオーディオセルの先頭オーディオパケットに記述された再生タイムスタンプ(またはプレゼンテーションタイムスタンプPTS)の、下位32ビットの記述を含んでいる。
【0200】
上記ATS_PG_PB_TMは、ATS_PG内の各セルのトータル再生時間を記述したものである。このトータル再生時間(秒)は、ATS_PG_ PB_TM(32ビットデータ)を90000で割った値として得られる。
【0201】
上記ATS_PG_PA_TMは、ATS_PGの最初に定義することができるポーズ時間を記述したものである。このポーズ時間(秒)は、ATS_PG_PA_TM(32ビットデータ)を90000で割った値として得られる。
【0202】
図28は、図26のオーディオタイトルセットセル再生情報ATS_C_ PBIの内容を示す。
【0203】
このATS_C_PBIは、オーディオタイトルセットのセル(ATS_ C)のインデックス番号(ATS_C_IXN)と、ATS_Cのタイプ (ATS_C_TY)と、ATS_Cのスタートアドレス(ATS_C_ SA)と、ATS_Cのエンドアドレス(ATS_C_EA)とを含んでいる。
【0204】
上記ATS_C_IXNには、ATTがAOBSを持たないときは、「 01h」が書き込まれる。
【0205】
ATTがAOBSを持つときは、ATT_Cの内容に応じて、ATS_C_ IXNの内容は、次のようになる:
*ATS_Cが前述したサイレントセルまたはピクチャセルである場合、このATS_Cのインデックス番号として、ATS_C_IXNには、「00h」が書き込まれ;
*ATS_Cが前述したオーディオセルである場合、このATS_Cのインデックス番号として、ATS_C_IXNには、「1」〜「99」が書き込まれる。
【0206】
ATS_PG内の最初のオーディオセル(ピクチャセルおよびサイレントセルを除き番号の小さいATS_Cを持つもの)のインデックス番号は、「1」に設定される。同様なインデックス番号を、ATS_PG内の1以上のATS_Cに適宜割り当ててもよい。
【0207】
上記ATS_C_TYの全ビットには、ATTがAOBSを持たないときは、「0」が書き込まれる。
【0208】
一方、ATTがAOBSを持つときは、ATS_C_TYには、ATT_Cの構成(ATS_C_COMP)およびその用途(ATS_C_Usage)が書き込まれる。
【0209】
すなわち、該当セルがオーディオデータのみからなるオーディオセルである場合はATS_C_COMP(2ビット)に「00b」が書き込まれ;
該当セルがオーディオデータおよびリアルタイム情報からなるオーディオセルである場合はATS_C_COMP(2ビット)に「01b」が書き込まれ;
該当セルが無音用のオーディオデータのみからなるサイレントセルである場合はATS_C_COMP(2ビット)に「10b」が書き込まれ;
該当セルがスチル画データのみからなるピクチャセルである場合はATS_ C_COMP(2ビット)に「11b」が書き込まれる。
【0210】
また、ATS_C_Usageには、オーディオマネージャメニュー AMGMの表示中の特定部分を目立たせる(スポットライトをあてる)ための「スポットライト部」である等の用途を示すデータ(0001b)が書き込まれる。
【0211】
ATSがAOTT_AOBSを持つ場合、上記ATS_C_SAには、 ATS_Cが記録されたAOTT_AOBSの最初の論理ブロックからの相対論理ブロック番号で表したATS_Cのスタートアドレスが、記述される。
【0212】
一方、ATSがAOTT_AOBSを持たない場合、上記ATS_C_SAには、ATS_Cが記録されたAOTT_VOBSの最初の論理ブロックからの相対論理ブロック番号で表したATS_Cのスタートアドレスが、記述される。
【0213】
ATSがAOTT_AOBSを持つ場合、上記ATS_C_EAには、 ATS_Cが記録されたAOTT_AOBSの最初の論理ブロックからの相対論理ブロック番号で表したATS_Cのエンドアドレスが、記述される。
【0214】
一方、ATSがAOTT_AOBSを持たない場合、上記ATS_C_EAには、ATS_Cが記録されたVTSTT_VOBSの最初の論理ブロックからの相対論理ブロック番号で表したATS_Cのエンドアドレスが、記述される。
【0215】
図29は、図1の光ディスク(DVDオーディオディスク)から図3のオーディオゾーンの記録情報あるいは図4のビデオゾーンの記録情報を再生する装置の一例を示すブロック図である。この再生装置は、オーディオだけでなくビデオ再生も可能なDVDビデオ・DVDオーディオコンパチブルプレーヤの構成を取っている。(具体的な構成の説明は省略するが、このプレーヤは既存のCD再生とコンパチブルでもよい。)
図29の光ディスク再生装置は、ユーザ操作を受け付けるリモートコントローラ5、リモートコントローラ5の操作状況を受信するリモートコントローラ受信部4A、再生装置本体側でユーザ操作を受け付けるキー入力部4、およびユーザによる操作結果やDVDオーディオディスク10の再生状況等をユーザに通知するもので再生装置本体(および/またはリモートコントローラ)に設けられたパネル表示部4Bを備えている。それ以外の外部装置としては、モニタ部6およびスピーカー部8L/8Rが用意されている。(図示したスピーカ部は2チャネルステレオの場合であるが、マルチチャネル再生を行なう場合は必要数のスピーカシステムおよびその駆動アンプを別途用意することになる。)
キー入力部4、パネル表示部4B、リモートコントローラ5およびモニタ部 6は、視覚上のユーザーインターフェイスを構成している。モニタ部6は、スチル画付DVDオーディオディスクの再生映像モニタとして使用されるだけでなく、オンスクリーンディスプレイOSD等の表示手段としても利用される。このモニタ部6は、直視型のCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイに限定されるものではなく、直視型ディスプレイの他に、大スクリーンにOSD情報を含む種々な映像(メニュー画面、録音現場の状況を撮影したスチル画その他)を投射するビデオプロジェクタであってもよい。
【0216】
リモートコントローラ5からのユーザ操作情報は、リモートコントローラ受信部4Aを介して、再生装置全体の動作を制御するシステム制御部50のマイクロコンピュータ(MPUまたはCPU)500に通知される。この制御部50は、MPU500により実行される制御プログラム等を格納したROM502も含んでいる。
【0217】
キー入力部4からのユーザ操作情報は、MPU500に直接通知される。このMPU500によって、ユーザ操作情報に対応した再生装置の動作状況(各種設定状態やDVDディスクの再生情報)が、適宜、パネル表示部4Bに表示される。
【0218】
MPU500には、RAM52およびメモリインターフェイス(メモリ I/F)53が接続されている。このRAM52の入出力制御は、メモリ I/F53を介して行われる。MPU500は、RAM52をワークエリアとして使用し、ROM502に格納された各種処理プログラムに基づいて、ディスクドライブ部30、システムプロセサ部54、ビデオデコーダ部58、オーディオデコーダ部60、副映像デコーダ部62、およびD/A変換・再生処理部64の動作を制御する。
【0219】
ディスクドライブ部30は、再生装置本体のトレイ(図30のDISK・ TRAY・INLETの内部)にセットされたディスク10を回転駆動するとともに、ディスク10から記録データ(音声/音楽情報を含むオーディオデータの他、ディスク10に記録されておれば、動画情報/静止画情報を含む主映像データ/ビデオデータ、字幕情報/メニュー情報を含む副映像データ等)を読み出す。読み出されたデータは、ディスクドライブ部30において、信号復調およびエラー訂正等の信号処理を受け、パック形式のデータ列(図6〜図8参照)となって、システムプロセサ部54に送られる。
【0220】
システムプロセサ部54は、ディスク10から再生されたデータに含まれる種々なパケットの種別を判断して、そのパケット内のデータを対応する各デコーダ(58〜62)へ配送するパケット転送処理部(図示せず)を有している。
【0221】
このパケット転送処理部は、ディスクドライブ部30からのパック形式データ列を、パックの種類(ナビゲーションパック、ビデオパック、副映像パック、オーディオパック、リアルタイム情報パック、およびスチル画パック)毎に切り分ける。切り分けられたパックそれぞれには、転送時間データおよびデータの種類を示すIDデータが記録されている。
【0222】
システムプロセサ部54は、これらの転送時間データおよびIDデータを参照して、ビデオパック、副映像パック、およびビデオパックを、それぞれ、ビデオデコーダ部58、副映像デコーダ部62、およびオーディオデコーダ部60へ、転送する。なお、スチル画パックはビデオデコーダ部58に送られる。サイレントセルに相当するオーディオパックあるいはリアルタイム情報パックは、オーディオデコーダ部60に送られる。
【0223】
また、システムプロセサ部54は、ナビゲーションパック内の制御データを、メモリI/F53を介してRAM52に転送する。MPU500は、転送されたRAM内の制御データを参照して、再生装置本体の各部の再生動作を制御する。
【0224】
ビデオデコーダ部58は、システムプロセサ部54から転送されてきたビデオパック内のMPEGエンコードされたビデオデータをデコードし、圧縮前の映像データを生成する。
【0225】
副映像デコーダ部62は、システムプロセサ部54から転送されてきた副映像パック内のランレングス圧縮された副映像データをデコードし、圧縮前のビットマップ副映像データを生成する。
【0226】
この副映像デコーダ部62には、システムプロセサ部54からの副映像データをデコードする副映像デコーダの他に、デコード後の副映像データに対してハイライト処理(DVDビデオの場合)部が設けられている(図示せず)。
【0227】
上記副映像デコーダは、所定の規則にしたがってランレングス圧縮された所定ビット(2ビット)単位の画素データ(強調画素、パターン画素、背景画素等を含む)を伸長し元のビットマップ画像を復元するものである。
【0228】
上記図示しないハイライト処理部は、MPU500から供給されるハイライト情報(たとえばメニュー選択選択項目)が表示される矩形領域を示すX・Y座標値、色コード、およびハイライト色/コントラスト値に応じて、対応するハイライト処理を行うものである。
【0229】
このハイライト処理は、モニタ部6上での視覚的なユーザーインターフェイスにおいて、ユーザが表示された特定のアイテム(再生音声言語の種類や再生字幕の使用言語の種類等の特定項目を選択するボタン;あるいは再生音のサンプリング周波数や量子化ビット数や再生チャネル数等の特定項目を選択するボタン)を容易に認知できるようにする手段として利用できる。
【0230】
デコード後の副映像データの画素毎の色とコントラストが前記ハイライト情報に応じて変更されると、この変更後の副映像データはビデオプロセサ部640内の画像合成部(図示せず)に供給される。この画像合成部においてデコード後の画像データとハイライト処理後の副映像データが合成され、その合成画像がモニタ部6で表示されるようになる。
【0231】
前述したRAM52は、副映像メニュー、オーディオメニュー、アングルメニュー、チャプター(プログラム)メニューなどのスタートアドレスを格納するメニューテーブルを含んでいる。これらのメニューの特定部分を強調するのに、前記ハイライト処理が利用される。
【0232】
オーディオデコーダ部60は、システムプロセサ部54から転送されてきたオーディオパック内のオーディオデータをデコードし、モノラル、2チャネルステレオ、あるいは多チャネルステレオの音声データを生成する。オーディオパック内のオーディオデータが圧縮エンコードされたデータ(MPEG、AC−3等)の場合はそのデコード処理もオーディオデコーダ部60内部で実行される。
【0233】
ビデオデコーダ部58でデコードされた映像データ(通常は動画信号)および副映像デコーダ部62でデコードされた副映像データ(通常は字幕またはメニューのビットマップデータ)は、ビデオプロセサ部640に転送される。このビデオプロセサ部640内において、映像データと副映像データは所定の割合で混合され、最終的なアナログ映像信号(コンポジットビデオ信号、セパレートS信号、あるいはコンポーネント信号Y/Cr/Cb)となって、モニタ部6に出力される。
【0234】
ビデオデコーダ部58でデコードされた映像データがDVDビデオディスク 10の映画の本編部分のときは、副映像データは通常はユーザが選択した言語の字幕であり、字幕入りの映画本編がモニタ部6で上演される。
【0235】
ビデオデコーダ部58でデコードされた映像データが映画のメニュー部分のときは、副映像データは通常はメニューを構成する文字およびユーザ選択ボタン (適宜ハイライト処理される)となる。この場合は、映像データによりメニューの背景(静止画または動画)がモニタ部6に表示され、副映像データによりユーザ選択操作に対応して表示が変化するボタンが背景画の上に重なって表示される。
【0236】
一方、ビデオデコーダ部58でデコードされた映像データがDVDオーディオディスク10のスチル画であるときは、副映像データは、たとえばユーザが選択した言語の解説テキストであり、その場合はテキスト入りのスチル画がモニタ部6に表示される。
【0237】
なお、ビデオプロセサ部640はオンスクリーンディスプレイの表示データを発生するOSD部を含んでいる。リモートコントローラ5等からのユーザ操作はMPU500で処理され、その処理結果はMPU500からビデオプロセサ部 640のOSD部に送られる。OSD部は、MPU500からの処理結果に対応した画像データを発生し、それをアナログ映像信号形式でモニタ部6に送出する。
【0238】
別の言い方をすれば、ビデオプロセサ部640は、ビデオデコーダ部58および副映像デコーダ部62から出力されたディジタル信号をアナログ信号に変換し多重化する部分といえる。
【0239】
ビデオプロセサ部640には、フレームメモリ部642が接続されている。このフレームメモリ部642は、上記映像データの画像および副映像データの画像の多重化に使用されるほか、n分割(たとえば4分割)マルチ画面表示にも利用される。
【0240】
このフレームメモリ部642は、チャプターサーチ等が行われる場合において、ビデオデコーダ部58からの映像の一部をスチル画として固定し、ターゲットチャプターの再生が始まるまでこのスチル画をモニタ部6に送る場合に、使用することができる。
【0241】
さらに、このフレームメモリ部642は、ユーザ操作結果に対応した表示を OSDにより行なう場合に、そのOSD表示の映像データへの多重化を行なうときにも、利用することができる。
【0242】
オーディオデコーダ部60でデコードされたオーディオデータは、DAC・出力回路644に転送される。DAC・出力回路644によりオーディオデコーダ部60からのオーディオデータ(デジタル)は対応するアナログ音声信号に変換され、適宜増幅されて、スピーカ部8L/8Rに送られる。
【0243】
図25で説明したオーディオタイトルセット情報管理テーブルATSI_ MAT内のATS_DM_COEFTの書き込みに基づき多チャネルオーディオを2チャネルにダウンミックスする場合、そのダウンミックスの係数(パラメータ)はMPU500からDAC・出力回路644に送られる。すると、DAC・出力回路644は、送られてきた係数に基づきオーディオデコーダ部60でデコードされた多チャネルオーディオデータを2チャネルにミックスダウンし、2チャネルのアナログオーディオ信号を出力する。
【0244】
前記ビデオプロセサ部640、フレームメモリ部642およびDAC・出力回路644は、D/A変換および再生処理部64を構成している。
【0245】
なお、システムプロセサ部54、ビデオデコータ部58、オーディオデコーダ部60および副映像デコーダ部62は、それぞれ、動作タイミングを知るためのシステムタイムクロック(STC)およびシステムMPU500からの指令・情報等を一時格納するレジスタを含んでいる。
【0246】
図30は、図29の再生装置のフロントパネルの一例を示す。このフロントパネルには、図29のパネル表示部4Bに対応する蛍光表示部(FLディスプレイ)4Bが設けられている。
【0247】
図30のFLディスプレイ4Bには、AMGIのオーディオテキストデータマネージャATXTDT_MGにしたがって、アルバム名および/またはグループ名が文字で表示される。図9の例でいえば、アルバム名として「ベートーベン作品集第1巻」が表示され、グループ名としてたとえば「交響曲第1番」が表示される。
【0248】
また、FLディスプレイ4Bの左側数字表示部には、タイトル番号(DVDビデオの場合)あるいはグループ番号(DVDオーディオの場合)、トラック番号、およびインデックス番号が表示される。
【0249】
また、図30のディスクトレイにセットされた光ディスク10がAVディスクである場合(図20のATT_SRPを持つディスク)、FLディスプレイ 4Bの右側やや中央よりの文字表示部において、図示するように、「AVディスク」の部分が目立つように表示される。セットされたディスクがAディスクである場合(図22のAOTT_SRPを持つディスク)、FLディスプレイ4Bの右側文字表示部において、「Aディスク」の部分が目立つように表示される。セットされたディスクがATSを持たずVTSだけのビデオディスクである場合 (図12のATSディレクトリがないディスク)、FLディスプレイ4Bの右側文字表示部において、「ビデオディスク」の部分が目立つように表示される。
【0250】
さらに、FLディスプレイ4Bの右側数字表示部には、これから再生されるオーディオコンテンツのサンプリング周波数および量子化ビット数が表示される。この表示は、オーディオタイトルセット情報管理テーブルATSI_MAT中のAOTT_AOB_ATRまたはAOTT_VOB_ARTの内容に基づいて、自動的に実行できる。
【0251】
ところで、DVDオーディオディスク(AディスクまたはAVディスク) 10を再生するDVDオーディオプレーヤには、次の2 種が考えられる。
【0252】
<C1>オーディオ規格の画と音を再生できるするプレーヤ、すなわち AOTTとAVTTの両方を扱うプレーヤ。
【0253】
<C2>オーディオ規格の音だけを再生できるプレーヤ、すなわちAOTTだけを扱うプレーヤ。
【0254】
上記<C1>タイプのプレーヤは、コンテンツ再生のためにはATT_ SRPTに記述されたサーチ情報(図20)だけを読み込めばよい。
【0255】
一方、上記<C2>タイプのプレーヤは、コンテンツ再生のためには AOTT_SRPTに記述されたサーチ情報(図22)だけを読み込めばよい。
【0256】
このようにすれば、各タイプのプレーヤでの再生方法が簡単になる。当然ながら、<C2>タイプのプレーヤは図23におけるATT#1 、#9 の部分は AOTTがないため再生できない。
【0257】
前述した図29のDVDオーディオプレーヤは、上記<C1>タイプのプレーヤである。このプレーヤの動作を、図14のデータ構造を持つディスク10を再生する場合について説明する。
【0258】
図14のデータ構造を持つディスク10を通常のDVDビデオプレーヤで再生する場合、このビデオプレーヤは、図12のルートディレクトリ下のVTSディレクトリ内のVMGを読み込み、その情報によって再生するタイトルを決定する。そして、決定したタイトルに対応するVTS中で定義された再生ユニットの指示にしたがって、図14のオブジェクトセットVOBS #1あるいはVOBS #2の全てあるいは一部が再生される。
【0259】
図14のデータ構造において、ビデオプレーヤにとっては、VMG、 VTS#1、VTS#2以外の部分は他記録エリア73(図3、図4)として認識される。このため、他記録エリア73と認識された部分にどのようなデータが記述されていてもビデオプレーヤがVOBS#1、VOBS#2を再生する時の動作には影響しない。この場合、他記録エリア73に存在するオブジェクトはビデオプレーヤでは再生できない。
【0260】
一方、図14のデータ構造を持つディスク10を図29のDVDオーディオプレーヤで再生する場合では、このオーディオプレーヤは、図12のルートディレクトリ下のATSディレクトリ内のAMGを読み込み、その情報に基づいてコンテンツを再生する。AMGによるタイトル指定においては、DVDオーディオゾーン71(図3)に記録されているATS内で定義された再生ユニットの指定はもちろんのこと、DVDビデオゾーン72(図4)に記録されたVTS内で定義された再生ユニットも指定可能である。
【0261】
ATS内で定義される再生ユニットは、DVDオーディオゾーン71に記録されているオブジェクト(AOBS#1またはAOBS#2)の再生経路を指定するばかりでなく、DVDビデオゾーン72のオブジェクト(たとえば VOBS#1)に記録されているオーディオデータの再生経路を指定することも可能である。
【0262】
図14中の斜線でマークされたVOBS#1は、DVDオーディオ側から共用化されたDVDビデオの一部分を例示している。ここで、矢印(ア)はビデオゾーン72の再生ユニットが参照された場合を示し、矢印(イ)はオーディオゾーン71の再生ユニットからビデオゾーン72のオブジェクト(VOBS#1)のオーディオ部分が参照された場合を示す。
【0263】
ビデオゾーン72のオブジェクト(VOBS#1)のオーディオ部分がオーディオゾーン71の再生ユニットによって参照される場合、この共通参照部分 (DVDオーディオとDVDビデオとで共有化する部分)は、再生ユニットの定義情報(ATSI)によって、ビデオゾーン72内での再生ユニットの定義情報(VTSI)によって定義された各単位(セル、プログラム、プログラムチェーン)と異なった定義をすることも可能である。これは、同じオブジェクトであってもビデオプレーヤとしての再生方法とオーディオプレーヤとしての再生方法が異なる可能性があるからである(図5参照)。
【0264】
なお、上記共有化部分は、ビデオオブジェクトユニットVOBUを単位として使用される。その理由は、図8に示されるように、オーディオデータストリームおよびその他(ビデオ、副映像)のデータストリームがそれぞれパック化されて時分割多重される単位が、VOBUだからである。
【0265】
図14に示すように、オーディオゾーン71をビデオゾーン72より物理的に先に配置することによって、それぞれの管理情報から指定される再生ユニットのアドレスを全て正方向のアドレス指定だけに限定できる。こうすることにより、オーディオプレーヤの設計開発を簡易化できる。
【0266】
なお、図16のデータ構造におけるビデオプレーヤの動作は、上述した図 14の場合と同じである。
【0267】
図16のデータ構造におけるオーディオプレーヤの動作も、図14の場合とほぼ同じである。オーディオプレーヤはAMGの先頭に飛んで管理情報を読み込み、オブジェクトセットAOBS#1、AOBS#2を再生する。AOBS#1はDVDビデオゾーン内のオブジェクトであるが、ATSI#1によって、 AOBS#1のセル、プログラムおよびプログラムチェーンが再定義される。なお、AOBS#1もVOBUを単位として使用される。
【0268】
以上述べた実施の形態では、ボリュームスペース28に含まれるDVDオーディオデータおよび/またはDVDビデオデータが光ディスク10に記録される場合で説明を行った。しかしながら、この発明のデータ構造(図3〜図28)は光ディスク10に記録される場合に限定されない。たとえば、図3および図12に示すような構造のデータを含むビットストリームをデジタル放送あるいはデジタル通信してもよい。(この場合は、電波あるいは通信ラインが媒体として機能する。またDVD放送受信器あるいはパーソナルコンピュータ等の通信端末が、 DVDオーディオプレーヤとして機能することになる。)
以上、この発明を適用できるシステムを全般的に説明したが、次にこの発明において特に主張している点をまとめて説明することとする。
【0269】
ポイントとなる点は、DVDオーディオにおけるセル構造に特徴を持たせた点である。まず、DVDオーディオには、取り扱うデータの種類によって次の2種類がある。
【0270】
[A-1] ビデオを伴うオーディオ(Audio with Video): 音声データと画像データの両方を取り扱うシステム。
【0271】
[A-2] ビデオ無しオーディオ(Audio without Video ): 音声データのみ取扱い, 画像データは取り扱わないシステム。である。
【0272】
上記の[A-1] タイプのデータ構造は基本的には前述したDVD規格と同等である。本発明で対象としているのは上記の[A-2] タイプのオーディオのデータ構造に関する。DVDオーディオシステムのためのディスクは先に説明したような構造である。ディスクの片面全体はボリウムと定義されている。タイトルグループ(TT_GR)は,ボリウムの構成要素であり、1 個以上のオーディオタイトル(ATT)から構成される。TT_GRはレコードやCDでいうところのアルバムである。ひとつのTT_GR中のトラック(Track )群は再生の連続性が保証される。
【0273】
ATTには次の2 種類がある。即ち、
[B-1] Audio with Video Title(AVTT): 音声データと画像データから成るタイトル
[B-2]Audio Only Title (AOTT) :音声データのみから成るタイトルである。AVTTとAOTTの総称がATTである。上記のように本発明は[A-2] タイプのデータ構造を対象としているから, AOTTに関して以下説明する。1 個のAOTTは1個のPGCによって形成される。より詳しくいうと図3で示すように, 1個のAOTTは,ATS中のプログラムチェーン情報(ATS_ PGCI)と, それに対応するATS中のオーディオオブジェクトセット (AOBS)の1個以上のセル(Cell)により構成される。トラック(Track )はPGC内で定義されるプログラム(PG)である。ひとつのトラック(Track )はひとつのPGから構成される。そしてトラックは1個以上のセル(Cell)から構成される。
【0274】
一般的に, オーディオコンテンツにおいては, トラックは曲, セルは曲中の番号を区切る一つの単位として使われる。オーディオコンテンツの再生は, セルの再生順を指定する事で定義される。
【0275】
上記した[A-2] タイプのオーディオデータ構造では以下の仕様が要求される。[C-1] …1個のトラック(Track )再生ごとに1 個のスチルピクチャ(Still picture )がオプション再生可能であること、
[C-2] …音声データの属性をトラック(Track )ごとに設定することが可能なこと。
【0276】
[C-1] について: 上記[A-2] タイプの説明においては「音声データのみ取扱い, 画像データは取り扱わない」と記したが、1個のトラック(Track )について 1個の静止画( スチルピクチャ) がオプションで付加できることが, 必要な仕様である。スチルピクチャデータ付きのトラック(Track )を映像出力機能を持ったオーディオプレーヤで再生すると、音声出力と共に静止画像が出力される。スチルピクチャデータなしのトラック(Track )をオーディオプレーヤで再生させた時は静止画像は出力しないし, また映像出力機能を持たないオーディオプレーヤでスチルピクチャデータ付きのトラック(Track )を再生した時は, 静止画像のデータをスキップあるいは無視する事で静止画像は出力しない。
【0277】
[C-2] について: 音楽CDでは1枚のアルバム中の各曲の属性( サンプリング周波数:fs,量子化ビット数:Qb など) はすべて同一である。しかし, DVDオーディオでは音源の自由度を高めるために各曲ごとに属性を設定できるようにした。すなわち, コンテンツプロバイダは各トラック(Track )ごとに属性を設定できる。DVDオーディオにおけるトラック(Track )ごとの属性としては, たとえばサンプリング周波数, 量子化ビット数, チャネルのアサインメント, ダウンミクス係数などがある。
【0278】
上記したように項目[C-1],[C-2] の仕様を満たすオーディオデータをプレーヤで再生させる時には、トラック(Track )の再生開始時に音切れの問題が発生する。しかしながらコンテンツとして見た場合, 音切れの時間も製作者の意図によって管理されるべきであり, 更に前述したように, ビデオの再生機能を持つプレーヤにおいても持たないプレーヤにおいても, 音切れ時間長は同一であるべきである。従ってこの発明では、製作者が音切れの発生時間長を自分で設定できるようなデータ構造を提供すると共に, 製作者によって定義された再生手順の中で, 音切れの有無を予めプレーヤが認識し, なおかつ製作者が定めた音切れ時間長の設定を実現するためのデータ構造を提供している。
【0279】
まず, 静止画は一つの曲の開始から終了の間までずっと再生し続けなければならない。従ってプレーヤは、 一つのトラック(Track) のオーディオデータの読み込みに先立って静止画データを読み込む必要がある。よって、 プログラムチェーン上で一つのプログラムを構成するセル(Cell)群の先頭がスチルピクチャデータのセルでなければならない。
【0280】
ここで, オーディオデータと静止画データをMPEGプログラムストリームの規格に則ってマルチプレクスしてデータを記録すれば先立った読み込みは必要ないが, 高品質オーディオを実現する為にはオーディオデータのビットレートを最大限に上げる必要がある為, もし静止画区間に低いビットレートのオーディオデータをマルチプレクスしたとしても, 静止画区間の属性と静止画区間に続くオーディオデータの属性( ビットレート等) が異なるため, その変わり目で音切れが発生する事になる。更に, 実際にはマルチプレクスは, 固定長の静止画データパックがオーディオデータパック列の中に混在するという形をとるため, 静止画データが大きいということはこの混在期間が長いということと同じになる。従ってこの音切れが発生する時間は, 静止画データの大きさに依存し, 発生時間を制御する事が困難となる。このような不具合の発生を防ぐために静止画データを独立して記録する構造としている。
【0281】
例えば連続再生で, あるトラック(Track )からスチルピクチャデータ付きの新しいトラック(Track )に再生が遷移する時, まず最初にスチルピクチャデータの読み込みが行われるため, その間、オーディオデータの読み込みが停止して再生の音切れが生ずる。さらに, 一つのタイトルグループ(TT_GR)中に静止画ありのトラック(Track )と静止画なしのトラック(Track )が混在するような場合, 再生動作中にこの音切れが生じたり生じなかったりする。
【0282】
上記で述べた音切れは再生遷移する2 つのトラック(Track )の属性が異なる場合にも発生する。即ち、ある属性を持ったトラック(Track )をプレーヤが再生していて, 次に再生するトラック(Track )の属性が前のトラック(Track )と異なる場合、プレーヤは、そのハードウェア的に各種再設定(量子化ビット数の相違から影響を受けるバッファの設定、クロック(サンプリング)周波数の設定、チャンネル数の設定など)を行わなければならず, この間データ転送は停止するのでやはり音切れが生ずる。当然この音切れは再生遷移する2つのトラック(Track )の属性が同じ場合には生じない。従って上記の場合と同じように, 一つのタイトルグループ(TT_GR)中で音切れが生じたり生じなかったりする場合があり得る。
【0283】
この音切れは物理的原因によるものなのでアプリケーションレベルのデータ構造では解消することはできない。従って本システムでは, 上記述べてきた音切れの存在を積極的に認め, コンテンツプロバイダが, 音切れ時間長を管理することができるようなデータ構造を構築している。そしてその結果, ユーザーが再生時に不自然さを感じないような形にしている。
【0284】
この解決のために、まずセルのタイプを以下のように定義している。
【0285】
[D-1] オーディオセル:Audio Cell(A_C): 一般のオーディオデータから成るセル。
【0286】
[D-2] サイレントセル:Silent Cell (SI_C): 無音のみのオーディオデータから成るセル。
【0287】
[D-3] スチルピクチャセル:Still picture Cell(SPCT_C): 静止画データから成るセル。
【0288】
そして、セルの構成内容を識別するためのデータ識別情報を, セル情報に加え、この3種類のセルを識別する事を可能とした。ここで無音とはオーディオデータが存在しないのではなく, 振幅レベル零のオーディオデータを意味する。
【0289】
図31は、上記3つのセルのタイプの分類構造を示している。
【0290】
オーディオデータセルのオーディオ(A_C)には、静止画データは含まれない。サイレントセル(SI_C)は,オーディオデータセルの中の特殊な場合に相当しで、オーディオデータがすべて無音である。サイレントセルはは無音の時間長を設定管理するために使用される。スチルピクチャセル(SPCT_C)は,静止画データ転送のために使用され,オーディオデータは含まない。
【0291】
一つのATS_PGは,1個以上のATS_Cから構成される。ここで, ATS_PGがトラック(Track)に相当し、ATS_Cがセルに相当する。
【0292】
図32には、ATS_PG中のATS_Cの3種類の並び方を示している。即ち
[E-1] …ATS_PGは,A_Cのみの並びで構成される。
【0293】
[E-2] …ATS_PGの1番目のセルは、SI_Cであり,2番目以降のセルはすべてA_Cが並んで構成される。
【0294】
[E-3] …ATS_PGの1番目のセルは、SPCT_Cであり,2番目のセルはSI_Cであり, 3番目以降のセルはすべてA_Cの並びで構成される。
【0295】
さらに, 一つのATS_PGを構成するすべてのATS_Cは以下の条件を満足して構築される。
【0296】
[F-1] …一つのATS_PGを構成するすべてのATS_Cは物理的に連続して配置される。
【0297】
[F-2] …一つのATS_PGを構成するすべてのATS_Cのプレゼンテーションタイムスタンプ:presentation time stamp (PTS)は連続である。
【0298】
[F-3] …一つのATS_PGには少なくとも1個のA_Cが存在する。
【0299】
[F-4] …一つのA_Cのプレゼンテーションタイムは、1秒以上である。
【0300】
[F-5] …一つのATS_PGを構成するすべてのSI_CとA_C群のオーディオ属性は同一である。
【0301】
[F-6] …一つのSI_Cのプレゼンテーションタイムは、0.5 秒以上である。
【0302】
[F-7] …一つのトラック(Track )が静止画データを持つ場合、SPCT_Cに記録された静止画は, オーディオギャップ( Audio Gap)期間中に出画するようにする。
【0303】
[F-8] …静止画データを転送するために発生するオーディオギャップの長さは 0.5 ないし0.6 秒である。このDVDオーディオでは、上記のオーディオギャップを定義している。これは、オーディオギャップ期間の長さは、1オーディオフレーム時間長の整数倍に設定することにもなる。
【0304】
図33、図34、図35、図36は、オーディオギャップの定義のために、前もって、AOTT_AOBとAOTT_AOBSについて説明する図である。図において、A_PAKはオーディオパック、RTI_PACは、リアルタイム情報パックを意味する。
【0305】
前述のように, ターゲットとするタイトルは、項目[B-2] で述べたタイプの AOTTであり, 従ってデータの実体であるオーディオオブジェクトは、オーディオのみのタイトルのためのオーディオオブジェクト(Audio Object for Audio Only Title(AOTT_AOB))である。AOTT_AOBは1 個以上のATS_Cから構成され, それぞれのATS_Cは,パック群から構成される。
【0306】
AOTT_AOBに含まれるデータは,オーディオデータと静止画データである。オーディオデータは無音( 前述のように振幅レベル零ということ) の音声データを含むし, また特殊な例としてテキストデータのような若干の非画像の付加的データ( これをリアルタイム情報(Real Time Information )データと呼ぶことにする) をもRTIパックの形で含む。
【0307】
AOTT_AOBは、オーディオデータを含まねばならず、そして1つの AOTT_AOBの中のオーディオデータの属性はすべて同一でなければならない。静止画データは、AOTT_AOB中にオプションで含まれ, 一つのプログラム(PG)中に含まれる静止画は, そのプログラム中のオーディオデータが再生される前に出画しなければならない。
【0308】
一つのAOTT_AOBは「The system part of the MPEG-2 standard(ISO/IEC 13818-1) 」で記述される一つのプログラムストリームまたはその一部分である。AOTT_AOBSはAOTT_AOBの集合体である。先に[D-1] 〜[D-3] で定義したのと同様に, 一つのAOTT_AOB中のセルとして次の3種類が定義されている。
【0309】
[G-1] オーディオセル(Audio Cell( A_C) )はオーディオデータのパック(pack)群のみ(図33参照), あるいはオーディオデータのパック群と、付加的非映像データ( RTIデータ) のパック群から構成され(図34参照), そのプレゼンテーションタイム(presentation time)は1 秒以上である。
【0310】
[G-2] サイレントセル(Silent Cell(SI_C) )は無音のみのオーディオデータパック群から構成され(図35参照), 無音期間の設定のために使用される。一つのSI_Cのプレゼンテーションタイムは0.5秒以上である。
【0311】
[G-3] スチルピクチャセル(Still picture Cell( SPCT_C) は静止画データのパック群のみから構成され(図36参照), SPCT_Cに記録された静止画はオーディオギャップ(Audio Gap )期間中に出画しなければならない。
【0312】
ここで上記した条件[G-3] と[F-1] により, SPCT_Cは一つのPG中の第1 番目のセルとしてしか存在しないことになる(図36参照) 。
【0313】
ところで、オーディオギャップ(Audio Gap )は、一つのAOB中でオーディオストリーム転送が不連続となる期間で, その長さは0.5 秒から0.6 秒の間である。このオーディオギャップは、以下のように定義される。
【0314】
[H-1] SPCT_Cを持つようなあるプログラム(PG)と, その一つ前のプログラム(PG)の関係が,
・2 つのPGは同一のAOTT_AOBに属する。
【0315】
・2 つのPGは物理的に連続に配置される。
【0316】
・2 つのPGの属性は同一である。
【0317】
という3 つの条件をすべて満たす場合は,
オーディオギャップ期間 = 「SPCT_Cに続くSI_Cの1 番目のオーディオフレームのPTS値」−「一つ前のPGの最後のオーディオフレームの PTS値」−「オーディオフレーム 1個の時間」
[H-2] SPCT_Cを持つようなあるPGと, その一つ前のPGの関係が, 上記の[H-1] の3つの条件をひとつでも満たさない場合は,
オーディオギャップ期間 = 「SPCT_Cに続くSI_Cの1 番目のオーディオフレームのPTS値」−「SPCT_Cの1 番目のパックのSCR値」
なおPTSは、各オーディオパックのパックヘッダに含まれている。そして、このPTSは、オーディオパック内のオーディオデータの復号が行われた場合、装置内部のシステムクロックと当該PTSの一致が得られた時点で、データ出力のタイミングを得るために利用される。またシステムクロックリファレンス (SCR)は、PGの先頭のパックヘッダに含まれており、このSCRが到来すると装置内部の基準クロックがセットされることになる。
【0318】
オーディオストリーム転送が不連続となる期間は, 再生時間を定義するためのリファレンスとなるデータが存在しない。そこでその期間の時間長を, オーディオギャップ時間によって代替的に定義する。これにより再生時間の連続性を擬似的に保たせるためのものである。
【0319】
次に具体的にオーディオギャップの挿入方法を述べる。まず、PGC上で隣り合う2つのPGの関係には次の4つの場合が考えられる。
【0320】
[I-1] そのPGがSPCT_Cを持たず, なおかつそのPGと一つ前のPGが同じ属性を持つ場合。
【0321】
[I-2] そのPGがSPCT_Cを持たず, なおかつそのPGと一つ前のPGの属性が異なる場合。
【0322】
[I-3] そのPGはSPCT_Cを持ち, なおかつ先の項目 [H-1] の3つの条件をすべて満足する場合。
【0323】
[I-4] そのPGはSPCT_Cを持ち, なおかつ先の項目 [H-1] の3つの条件をひとつでも満さない場合。
【0324】
である。
【0325】
PGにはPG内部のセルがもつオーディオデータの属性, 前のPGとの時間的関係等を定義するためのPG情報が記述される。その内容とPGのセル構成( 再生順) 情報を認識する事で, 上記の項目[I-1] 〜[I-4] の4つの状態は簡単にプレーヤによって認識可能である。
【0326】
図37乃至図40には、上記の4つの場合での隣接する2つのPGにおける PTSと再生時間およびオーディオギャップ(Audio Gap )の関係を示す。
【0327】
図37は、先の項目 [I-1] の場合を示している。同図(a)、(b)、 (c)は、トラック上のオーディオパックの並び(PG)と、プレゼンテーションタイムスタンプの値と、再生時間の経過を示している。この場合は、オーディオデータストリームの連続転送は保たれ, オーディオ再生もその連続性が保たれる。オーディオギャップは生じない。PTSはPGの先頭でリセットされる。
【0328】
この場合, PGの1番目のセルがSI_Cである場合も考えられるが, この場合も状況には変わりはない。なぜならばSI_Cはオーディオセルの1種であって, 全オーディオデータが振幅レベル零であるという特殊な場合に過ぎないからである。
【0329】
図38は、先の項目[I-2] の場合を示している。同図(a)、(b)、 (c)は、トラック上のオーディオパックの並び(PG)と、プレゼンテーションタイムスタンプの値と、再生時間の経過を示している。この場合は、オーディオデータストリームの連続転送は保たれ, オーディオギャップは生じない。しかし属性切換時のハードウェア再設定が必要なので, その間、オーディオ再生は不連続になる。
【0330】
この場合コンテンツ制作者は, PGの1番目のセルをSI_Cにすることにより, 「音の出ない時間」という時間間隔を管理することができる。すなわちコンテンツ制作者は, SI_Cの長さ(0.5秒以上) の設定により, 「音の出ない時間」という時間間隔を自分の思うままに設定することができる。
【0331】
図37、図38において隣接するPG間でのPTSを不連続に描いているが, この両者の場合はオーディオデータストリーム自体は連続であるから, PTSは連続であっても良い。
【0332】
図39は、先の項目[I-3] の場合を示している。同図(a)、(b)、 (c)は、トラック上のオーディオパックの並び(PG)と、プレゼンテーションタイムスタンプの値と、再生時間の経過を示している。この場合は、 SPCT_Cがあるためオーディオデータストリームの転送連続性は保たれず, オーディオギャップが生じる。このオーディオギャップ長は、先の項目 [H-1] で述べたように定義される。
【0333】
この場合、当然、オーディオ再生は不連続になるが、SPCT_Cの次に置かれるSI_Cによって, 先の項目[I-2] と同じように音切れの時間(無音時間)を管理することができる。
【0334】
図40は、先の項目[I-4] の場合を示している。同図(a)、(b)、 (c)は、トラック上のオーディオパックの並び(PG)と、プレゼンテーションタイムスタンプの値と、再生時間の経過を示している。この場合も、も SPCT_Cがあるためオーディオデータストリームの転送連続性は保たれず, オーディオギャップが生じる。オーディオギャップ長は、先の[H-2] で述べたように定義される。音切れ時間の管理については、先の項目[I-3] の場合と同様である。
【0335】
上述した方式のデータ構造のディスクを再生するプレーヤ(再生装置)とオーディオギャップ、及び特殊セルとの関係について説明する。
【0336】
本方式では, SPCT_Cがある場合に, 映像再生機能を持つプレーヤと持たない再生装置での動作は同一である。すなわちどちらの再生装置においてもデータ読み込みのシーケンスは, SPCT_Cの静止画データ, SI_Cのオーディオデータ, A_Cのオーディオデータの順番である。映像再生機能を持つ再生装置は静止画データを復号して静止画を出力するし, 映像再生機能を持たない再生装置は静止画データを無視するだけである。従って両者の再生装置における音切れ時間長も同一であり, オーディオギャップ長とSI_Cのプレゼンテーション時間長によって決まる。
【0337】
上記した3種類のセルを系統立てて示すと以下のようになる。
【0338】
図41において、オーディオゾーンは、オーディオマネージャファイル (AMG)、オーディオタイトルセット(ATS)のファイルで構成される。オーディオタイトルセット(ATS)は、オーディオタイトルセット情報 (ATSI)、オーディオオンリータイトル・オーディオオブジェクトセット (AOTT_AOBS)、オーディオタイトルセット情報のバックアップ (ATS_BUP)の各ファイルで構成される。
【0339】
オーディオタイトルセット情報(ATSI)は、オーディオタイトルセット情報管理テーブル(ATS_MAT)と、オーディオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル(ATS_PGCIT)のファイルで構成される。
【0340】
このATS_PGCITは、オーディオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル情報(ATS_PGCITI)、オーディオタイトルセットプログラムチェーン情報サーチポインタ(ATS_PGCI_SRP)、オーディオタイトルセットプログラムチェーン情報(ATS_PGCI)のファイルで構成される。
【0341】
ATS_PGCIは、オーディオタイトルセットプログラムチェーン一般情報(ATS_PGCI_GI),オーディオタイトルセットプログラム情報テーブル(ATS_PGIT),オーディオタイトルセットセルプレイバック情報テーブル(ATS_C_PBIT)の各ファイルで構成される。
【0342】
各オーディオタイトルセットプログラムチェーン(ATS_PGC)の中に記述されるそれぞれのオーディオタイトルセットセル再生情報(ATS_C_ PBI)中において, 変数として設定されている項目がある。この変数がオーディオタイトルセットセルタイプ、つまり、ATC_C_TY( =ATS Cell Type) である。そして、そのセルが
[J-1] オーディオデータのみから構成されるオーディオセル(A_C)
[J-2] オーディオデータとリアルタイム情報空なるオーディオセルA_C)
[J-3] 振幅レベル零の無音オーディオデータのみからなるサイレントセル (SI_C)
[J-4] 静止画データのみから構成されるスチルピクチャセル(SPCT_ C)
のどれに該当するかを指定している。
【0343】
また, 変数ATC_C_IXN(Index number of ATS Cell)は, そのセルが SI_CかまたはSPCT_Cである時は'00h' に指定する。そのセルがA_ Cである場合はそのセルのインデクス番号('1'から'99') を指定する。
【0344】
再生装置は, これらの情報から各々のセルの種類が判るので, 予め音切れの有無を認識することができる。
【0345】
上記したようにこの発明によると以下のような効果を有する。
【0346】
まず,DVD−Audoiの仕様として,1トラック( Track)に1 個の静止画をオプションで付加できること, およびオーディオ属性を各トラックごとに指定できることである。その結果生じる不具合として音切れがあり, これは静止画データ転送時にオーディオデータ転送が中断すること, およびオーディオ属性変更に伴う再生装置のハードウェアの環境再設定に必要な時間、音声出力が途切れることが原因である。
【0347】
これを解決するために3種類のセル(A_C、SI_C、SPCT_C) を定義し、その配置順番の限定、およびオーディオギャップ時間( オーディオストリーム転送が中断する時間) の定義を行った。
【0348】
このような概念の導入により, コンテンツ制作者は音切れ時間を、積極的に管理設定することができ, 例えば音切れありのトラックと音切れなしのトラックがが混在する場合に, 音切れなしのトラックの冒頭にサイレントセルを配置することによって, 音無しの時間をいずれのトラックにおいても画一化することができ、音切れあり/ なしの混在によりユーザーが不自然さを感じないようにすることができる。
【0349】
さらにこの発明では、再生装置に対して種々の再生動作を行わせるのに、その動作を円滑かつ自然にするために、次に述べるような時間情報とその管理情報の概念が取り込まれている。
【0350】
今、再生装置の再生動作と時間情報の関係について考えると、としては以下のような種類が挙げられる。
【0351】
ユーザが再生装置に再生動作を実行させる時に必要な時間情報として、
[K-1] ひとつのトラック(Track )全体の再生時間
[K-2] ひとつのタイトルグループ(TT_GR )全体の再生時間
[K-3] 今聞いているポイント(point )の, トラック(Track )先頭からの再生経過時間
[K-4] 今聞いているポイント(point )の, タイトルグループ(TT_GR )先頭からの再生経過時間
[K-5] 今聞いているポイント(point )の, 属するトラック(Track )としての再生残量時間
[K-6] 今聞いているポイント(point )の, タイトルグループ(TT_GR )全体の再生残量時間
[K-7] あるトラック(Track )の先頭のポイント(point )の, タイトルグループ(TT_GR )先頭からの再生時間
次に、再生装置がユーザから指定されたジャンプ先ポイントを探すために必要な時間と、アドレス(address )とのの対応情報として、
[K-8] トラック(Track )の先頭からの再生経過時間を指定された時, そのポイント(point )のアドレス
[K-9] タイトルグループ(TT_GR )の先頭からの再生経過時間を指定された時, そのポイント(point )のアドレス
等がある。
【0352】
「解決策」
上記の時間情報やアドレスを認識させるために利用する管理情報として、 DVDオーディオにおいては以下のような, 再生時間およびアドレスの管理データを付加する。
【0353】
即ち、図41及び図42に示すように、先に説明した管理データに加えて、以下の項目[L-1]乃至[L-9]に述べるような管理データを備えている。
【0354】
即ち、
[L-1] ATS_PGC_PB_TM in ATS_PGC_GI :オーディオタイトルセットプログラムチェーン一般情報の中に記述されているオーディオタイトルセットプログラムチェーン再生時間という情報である。
【0355】
この情報、即ち、ATS_PGC Playback time(ATS_PGC_PB_TM)の内容は、そのATS_PGC に属する全てのPGの再生時間の総和(sec) に90k を掛けた値である。90k は、90kHz の意味でシステムクロック周波数である。
【0356】
[L-2] FAC_ST_PTM in ATS_PGI :オーディオタイトルセットプログラム情報の中に記述されているオーディオタイトルセットプログラムの最初のオーディオセルの再生開始時間という情報である。
【0357】
この情報、即ち、Start Presentation time of the first Audio-Cell in ATS_PG(FAC_ST_PTM)の内容は、そのATS_PGに属する最初のAudio Cellの最初の audio packetのPTS 値の例えば下位32bit の値である。
【0358】
[L-3] ATS_PG_PB_TM in ATS_PGI :オーディオタイトルセットプログラム情報の中に記述されているオーディオタイトルセットプログラム再生時間という情報である。
【0359】
この情報、即ち、ATS_PG Playback time(ATS_PG_PB_TM)の内容は、そのATS_PGに属する全てのCellの再生時間の総和(sec) に90k を掛けた値である。
【0360】
[L-4] ATS_PG_PA_TM in ATS_PGI :オーディオタイトルセットプログラム情報の中に記述されているオーディオタイトルセットポーズ時間という情報である。
【0361】
この情報、即ち、ATS_PG Pause time(ATS_PG_PA_TM) は、そのATS_PGの冒頭に存在する再生ポーズ時間, すなわちAudio Gap 長とSilent Cell の再生時間の和(sec) に90k を掛けた値である。
【0362】
[L-5] ATS_PG_EN_CN in ATS_PGI :オーディオタイトルセットプログラム情報の中に記述されているオーディオタイトルセットプログラムのエントリーセル番号という情報である。
【0363】
この情報、即ち、 Entry Cell number of ATS_PG(ATS_PG_EN_CN)の内容は、そのATS_PGを構成するセル(Cell)のうち,1番目のセルのオーディオタイトルセットセル(ATS_C )番号である。
【0364】
[L-6] ATS_C_IXN in ATS_C_PBI:オーディオタイトルセットセル再生情報の中に記述されるオーディオタイトルセットセルインデックス番号という情報である。
【0365】
この情報、即ち、Index number of ATS_C(ATS_C_IXN)の内容は、そのオーディオタイトルセットセル(ATS_C )がサイレントセル(Silent Cell )またはスチルピクチャセル(Still picture Cell)ならば'00h' 、オーディオ(Audio Cell)ならばそのATS_C のインデックス(Index )番号の値を表す情報である。そして、1つののオーディオタイトルセットプログラム(ATS_PG)中の1番目のオーディオセル(Audio Cell)のIndex 番号は'1' である。
【0366】
[L-7] ATS_C_TY in ATS_C_PBI :オーディオタイトルセットセル再生情報の中に記述されるオーディオタイトルセットセルタイプという情報である。
【0367】
この情報、即ち、ATS_C type(ATS_C_TY)の内容は、そのATS_C がAudio Cellなのか,Silent Cellなのか,Still picture Cell なのかの区別を示す情報である。 [L-8] ATS_C_SA in ATS_C_PBI :オーディオタイトルセットセル再生情報の中に記述されるオーディオタイトルセットセルスタートアドレスという情報である。
【0368】
この情報、即ちStart address of ATS_C(ATS_C_SA)の内容は、そのATS_C が属するAOTT_AOBS の1 番目の論理ブロックから, そのATS_C の先頭のaddress までの相対論理ブロック番号の値である。
【0369】
[L-9] ATS_C_EA in ATS_C_PBI :オーディオタイトルセットセル再生情報の中に記述されるオーディオタイトルセットセルエンドアドレスという情報である。
【0370】
この情報、即ち、End address of ATS_C(ATS_C_EA)の内容は、そのATS_C が属するAOTT_AOBS の1 番目の論理ブロックから, そのATS_C の末尾のアドレス (address )までの相対論理ブロック番号の値である。
【0371】
[具体的な利用方法]
上記の項目[L-1] 〜[L-9] で定義した情報を基に, 項目[K-1] 〜[K-7] には必要な時間情報を計算する手順を下記に示す。
【0372】
この項目[K-1] 〜[K-7] は、図42にその区間を示している。
【0373】
1つのトラック全体の再生経過時間(例:図42のトラック#2)は、
[K-1] = ([L-3]-[L-4])/90k で認識できる。
【0374】
1つのタイトルグループ全体の再生時間(例:図42のトラック#1、 #2、#3)は、
[K-2] = [L-1]/90k で認識できる。
【0375】
今聞いている、つまり現在デコードされて出力されているポイントのトラックの先頭からの再生時間は、
[K-3]=((lower 32bits of PTS of the indicated packet)-[L-2])/90k で認識できる。
【0376】
今聞いているポイントのタイトルグループの先頭からの再生時間は、
[K-4]={((Sum of ATS_PG_PB_TMs of all previous ATS_PGs in the ATS_PGC)+[L-4]) /90k} +[K-3] で認識できる。
【0377】
Sum of ATS_PG_PB_TMs of all previous ATS_PGs in the ATS_PGCは、オーディオタイトルセットプログラムチェーン内におけるすべての先行するオーディオタイトルセットプルグラムのオーディオタイトルセットプログラム再生時間の合計値である。
【0378】
今聞いているポイントの属するトラックとしての再生残量時間は、
[K-5]=[K-1]-[K-3] で認識できる。
【0379】
今聞いてきるポイントのタイトルグループ全体の再生残量時間は、
[K-6]=[K-2]-[K-4] で認識できる。
【0380】
あるトラックの先頭のポイントのタイトルグループ先頭からの再生時間は、
[K-7]=((Sum of ATS_PG_PB_TMs of all previous ATS_PGs in the ATS_PGC)+[L-4]) /90kで認識できる。
【0381】
Sum of ATS_PG_PB_TMs of all previous ATS_PGs in the ATS_PGC は、オーディオタイトルセットプログラムチェーンにおけるすべての先行するオーディオタイトルセットプログラムのオーディオタイトルセット再生時間の合計値を意味する。
【0382】
次に, 上記[L-1] 〜[L-9] で定義した情報を基に,[K-8]〜[K-9] のアドレス情報を計算する方法を下記に示す。
【0383】
トラック(Track )の先頭から再生経過時間を指定されたときそのポイントのアドレス[K-8] は次のようになる。
【0384】
まず、DVDオーディオのオーディオストリーム(Audio stream)は固定レートであるから,[K-8]の時間に相当する相対アドレス値が求められる。
【0385】
次に、[L-5],[L-6],[L-7],[L-8] から, そのATS_PGの先頭のAudio Cellの開始アドレス(ATS_C_SA)を求める。
【0386】
これにより、[K-8]=([K-8]の時間に相当する相対アドレス値)+( 先頭のCellのATS_C_SA) を求めれば目的のアドレス情報を得られる。
【0387】
タイトルグループ(TT_GR) の先頭から再生経過時間を指定されたとき、そのポイントのアドレス[K-9] は、次のようになる。
【0388】
まず、[L-3] からそのTT_GR に属する各ATS_PGの再生時間がわかる。
【0389】
[ L-9]*90k の関係を用いると, 指定された時間ポイントがどのATS_PG中のポイントであるかがわかる。
【0390】
次に[ L-9]-[ L-7] で, 指定された時間ポイントの, 属するATS_PGの先頭からの時間がわかる。後の手順は[K-8} と同じである。
【0391】
即ち、DVDオーディオのオーディオストリーム(Audio stream)は固定レートであるから, 指定されたポイントの時間に相当する相対アドレス値が求められる。
【0392】
次に、[L-5],[L-6],[L-7],[L-8] から, そのATS_PGの先頭のAudio Cellの開始アドレス(ATS_C_SA)を求める。
【0393】
これにより、[K-9]=( 指定ポイントの時間に相当する相対アドレス値)+( 先頭のCellのATS_C_SA) を求めることができる。
【0394】
再生装置は、ユーザに対し, 上記方法を用いて[K-1] 〜[K-7] の再生時間情報を提示することができる。また, ユーザが再生装置に対して[K-8] 〜[K-9] のj ジャンプ時間の指示を出すと, 再生装置は上記方法を用いてジャンプ先のアドレスを計算し, ジャンプ動作を実行することができる。
【0395】
上記のようにこの方式では、上記の情報をDVDオーディオに付加することにより、再生装置およびその使用者は, 様々な種類の再生動作を行うのに十分な時間情報を得ることができる。
【0396】
図43には、上記したDVDオーディオディスクを再生する再生装置を示している。この再生装置は、オーディオデータのみを再生する装置であるために、図29に示した装置に比べてビデオデータ及び副映像データを処理する系統が存在しない。この装置では、先に説明したスチルピクチャセルが記録されているディスクを再生した場合、そのセルタイプを判定した後は、そのスチルピクチャセルのデータ期間を無視するだけである。つまりシステムプロセサ部54は、スチルピクチャセルのデータが到来してもそのデータのパックをオーディオデコーダ部60ヘ転送することはない。サイレントセルのデータが到来したときは、オーディオデータとしてオーディオデコーダ部60へ転送する。他の部分は、図29に示した装置と略同様である。
【0397】
上記の実施の形態では、スチルピクチャセルを完全に無視するとしたが、スチルピクチャセルを構成するパックのみを分離導出する端子54−1をシステムプロセッサ部54に設けてもよい。このように構成した場合、例えば自宅においてオーディオディスクを再生し、スチルピクチャを、DVD再生装置のデコーダ入力端子に供給するようにすることで、スチルピクチャを有するディスクを購入しても無だなく活用することができる。またオーディオ出力端子を増設してもよいことは勿論である。
【0398】
この再生装置の場合、リアルタイム情報がディスクに記録されていた場合は、そのデータをシステム制御部50、あるは別途設けられる復調部で復調し、パネル表示部4Bに表示することができる。この場合パネル表示部4Bはたとえば液晶などの画面を有するものが好ましい。キー入力部4としては、テンキーなどの各種のキーが設けられている。
【0399】
いずれのタイプのディスク再生装置もセルタイプを識別できる機能を備えなければならない。
【0400】
図44には、スチルピクチャがディスクに記録された場合にこれを再生することができる再生装置を示している。この再生装置は、スチルピクチャのデータがディスクに記録されているときは、そのデータを再生してモニタ6に表示することができる。他のタイプのディスクを再生するときは、図43の装置と同様な動作を得る。
【0401】
なお上記の説明では、記録媒体とディスク再生装置の関係で説明したが、上述したような定義の成されているオーディオ用のデータを伝送装置で伝送し、受信装置で受信して再生するようにすることも本発明の範疇であることは当然のことである。また上記のようなオーディオ用のデータを受信処理できる機能を実現するための制御データを予め前記受信装置に伝送し、その後、上述した定義のオーディオ情報を伝送又は記録媒体から読み取り再生することも本発明の範疇である。また、上記のようなオーディオ用のデータを受信あるいは処理できる機能を実現するための制御データを記録した光ディスク、或いは磁気ディスク等で予め融通性のあるパーソナルコンピュータにインストールし、その後、上述した定義のオーディオ用のデータを受信して処理又は記録媒体から読み取り再生処理することも本発明の範疇である。
【0402】
【発明の効果】
上記のようにこの発明は、再生装置およびその使用者は, 様々な種類の再生動作を行うのに十分な時間情報及び管理情報を得ることができ、再生装置の使い勝手を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DVDオーディオの記録媒体として利用可能な光ディスクの構造を説明する斜視図。
【図2】図1の光ディスクのデータ記録エリアとそこに記録されるデータの記録トラックとの対応関係を説明する図。
【図3】図2の光ディスクに記録される種々な情報のうち、DVDオーディオゾーンに記録される情報の階層構造を説明する図。
【図4】図2の光ディスクに記録される種々な情報のうち、DVDビデオゾーンに記録される情報の階層構造を説明する図。
【図5】図3のDVDオーディオゾーンのプログラムチェーン情報(ATS_PGCI)および図4のDVDビデオゾーンのプログラムチェーン情報(VTS_PGCI)の双方から共通にアクセスされるビデオ情報(VTS_C#2など)の一例を説明する図。
【図6】図3のDVDオーディオゾーンの記録内容(AOTT_AOBS)のデータ構造の一例を説明する図。
【図7】図3のDVDオーディオゾーンの記録内容(AOTT_AOBS)のデータ構造の他の例を説明する図。
【図8】図4のDVDビデオゾーンの記録内容(VTSTT_VOBS)のデータ構造の一例を説明する図。
【図9】ユーザアクセス可能なDVDオーディオの記録内容であって、図1の光ディスクの片面に記録されるデータ構造の一例を説明する図。
【図10】図1の光ディスクに記録される情報(DVDオーディオおよびDVDビデオのデータファイル)のディレクトリ構造の一例を説明する図。
【図11】図1の光ディスクに記録される情報(DVDオーディオおよびDVDビデオのデータファイル)のディレクトリ構造の他の例を説明する図。
【図12】図10のディレクトリ構造において、オーディオコンテンツ側のディレクトリからビデオコンテンツ側のディレクトリ内のファイルにアクセスする場合を説明する図。
【図13】図10のディレクトリ構造において、オーディオコンテンツ側のディレクトリ内のファイルがビデオコンテンツ側のディレクトリ内のファイルにリンクする場合を説明する図。
【図14】図12のファイルアクセスが図3および図4のボリュームスペース内においてどのように行われるかの一例を説明する図。
【図15】図12のファイルアクセスが図3および図4のボリュームスペース内においてどのように行われるかの他の例を説明する図。
【図16】図12のファイルアクセスが図3および図4のボリュームスペース内においてどのように行われるかの、さらに他の例を説明する図。
【図17】図3のDVDオーディオゾーン内のオーディオマネージャ情報(AMGI)の記録内容を説明する図。
【図18】図17のオーディオマネージャ情報(AMGI)に含まれるオーディオマネージャ情報管理テーブル(AMGI_MAT)の記録内容を説明する図。
【図19】図17のオーディオマネージャ情報(AMGI)に含まれるオーディオタイトルのサーチポインタテーブル(ATT_SRPT)の内容を説明する図。
【図20】図19のオーディオタイトルのサーチポインタテーブル(ATT_SRPT)に含まれるオーディオタイトルサーチポインタ(ATT_SRP)の内容を説明する図。
【図21】図17のオーディオマネージャ情報(AMGI)に含まれるオーディオ・オンリータイトルのサーチポインタテーブル(AOTT_SRPT)の内容を説明する図。
【図22】図21のオーディオ・オンリータイトルのサーチポインタテーブル(AOTT_SRPT)に含まれるオーディオ・オンリータイトルサーチポインタ(AOTT_SRP)の内容を説明する図。
【図23】図17のオーディオマネージャ情報(AMGI)内のオーディオ・オンリータイトルサーチポインタ(AOTT_SRP)でアクセスされるオーディオ・オンリータイトルのグループ(AOTT_GR)と、このオーディオマネージャ情報(AMGI)内のオーディオタイトルサーチポインタ(ATT_SRP)でアクセスされるオーディオタイトルのグループ(ATT_GR)との関係を説明する図。
【図24】図3のDVDオーディオゾーン内のオーディオタイトルセット(ATS)の記録内容を説明する図。
【図25】図24のオーディオタイトルセット情報(ATSI)に含まれるオーディオタイトルセット情報管理テーブル(ATSI_MAT)の記録内容を説明する図。
【図26】図24のオーディオタイトルセット情報(ATSI)に含まれるオーディオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル(ATS_PGCIT)の内容を説明する図。
【図27】図26のオーディオタイトルセットプログラム情報(ATS_PGI)の内容を説明する図。
【図28】図26のオーディオタイトルセットセル再生情報(ATS_C_PBI)の内容を説明する図。
【図29】図1の光ディスクから図3のオーディオゾーンの記録情報あるいは図4のビデオゾーンの記録情報を再生する装置の一例を示すブロック図。
【図30】図29の再生装置のフロントパネルの一例を示す図。
【図31】この発明の要部となるオーディオデータのセルの種類を示す説明図。
【図32】オーディオタイトルセットプログラムの種類とそのデータ配置構造を示す説明図。
【図33】オーディオ オンリータイトルのオーディオのみのデータのパック列の例を示す説明図。
【図34】オーディオ オンリータイトルのオーディオとリアルタイムデータが存在するときのパック列の列を示す図。
【図35】オーディオ オンリータイトルのオーディオセルとサイレントセルが存在するときのパック列の例を示す図。
【図36】オーディオ オンリータイトルのオーディオセル、スチルピクチャセル及びサイレントセルが存在するときのパック列の例を示す図。
【図37】前後のプログラムが同じ属性でオーディオセルのみからなるパック列と、その再生順序に伴うプレゼンテーションタイムスタンプの変化及び再生時間の変化を示す図。
【図38】前後のプログラムが異なる属性でオーディオセルのみからなるパック列と、その再生順序に伴うプレゼンテーションタイムスタンプの変化及び再生時間の変化を示す図。
【図39】スチルピクチャセルを有し前後のプログラムが同じ属性のオーディオセルからなるパック列と、その再生順序に伴うプレゼンテーションタイムスタンプの変化及び再生時間の変化を示す図。
【図40】スチルピクチャセルを有し、例えば前後のプログラムが異なる属性のオーディオセルからなるパック列と、その再生順序に伴うプレゼンテーションタイムスタンプの変化及び再生時間の変化を示す図。
【図41】本発明に係るディスクのオーディオゾーンにおいてセルのタイプ、各種時間情報等が記述されている階層までを示す説明図。
【図42】本発明に係るデータ構造における管理情報を用いる方法のいくつかの例を説明するために示したデータ配列説明図。
【図43】本発明に係るディスク再生装置の他の例を示す図。
【図44】本発明に係るディスク再生装置のさらに他の例を示す図。
【符号の説明】
4…キー入力部、4A…リモートコントローラ受信部、4B…パネル表示部(蛍光管表示器など)、5…リモートコントローラ、6…モニタ部、8L,8R…スピーカ、30…ディスクドライブ部、50…制御部、500…マイクロプロセシングユニットMPU(またはセントラルプロセシングユニットCPU)、502…リードオンリーメモリROM(制御プログラム等の格納)、52…ランダムアクセスメモリRAM(制御部50のワークメモリ)、53…メモリインターフェイス、54…システムプロセサ部、58…ビデオデコーダ部、60…オーディオデコーダ部、62…副映像デコーダ部、64…デジタル/アナログ変換および再生処理部、640…ビデオプロセサ部(オンスクリーン表示OSD部を含む)、642…フレームメモリ部、644…デジタル/アナログ変換器および出力回路、70…ボリュームおよびファイル構造エリア、71…DVDオーディオゾーン、711…オーディオマネージャAMG、712…オーディオタイトルセットATS、7110…オーディオマネージャ情報ファイルAMGI、7111…オーディオマネージャメニュー用ビデオオブジェクトセットファイルAMGM_VOBS、7112…AMGIのバックアップファイルAMGI_BUP、7120…オーディオタイトルセット情報ファイルATSI、7121…オーディオ・オンリータイトルのオーディオオブジェクトセットAOTT_AOBS、7123…ATSIのバックアップファイルATSI_BUP、72…DVDビデオゾーン、73…他の記録エリア。
Claims (3)
- コンピュータ制御装置を用いて読取られて処理されるデータが、ビデオオブジェクトとオーディオオブジェクトと管理情報とを有し、
前記ビデオオブジェクト(VOB)は、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)を含み、このビデオオブジェクトユニット(VOBU)は、ビデオパック、オーディオパックを含み、
前記オーディオオブジェクト(AOB)は、プログラム(PG)を含み、このプログラム(PG)は複数のセル(Cell)を含み、各セル(Cell)は、データを格納した複数のパックを含み、このパックの中には、オーディオパック及びオーディオとは異なる付加的なデータを含むリアルタイムパック(RTI_PCK)が定義されており、
前記セルの種類として、データ内容がオーディオ出力を得るタイプであるオーディオセル(A_C)と無音出力データを含むタイプであるサイレントセル(SI_C)とが定義されており、
前記ビデオオブジェクトを管理するビデオ用管理情報は、プログラムチェーン情報を含み、このプログラムチェーン情報は、前記ビデオオブジェクトの再生範囲を指定するセル情報を含み、
前記オーディオオブジェクトを管理するオーディオ用管理情報は、前記オーディオオブジェクトを再生するためのもので、プログラムチェーン情報(PGCI)を有し、このプログラムチェーン情報には、複数のプログラムの各エントリーセルの番号を含むプログラム情報テーブル(ATS_PGIT)と、各プログラムのセルの再生位置を示したセル再生情報テーブル(ATS_C_PBIT)とが含まれており、
前記セル再生情報テーブル(ATS_C_PBIT)には、前記オーディオセル、サイレントセルのタイプを識別したセルタイプ情報(C_TY)と前記セルのスタート(S_SA)及びエンドアドレス(C_EA)、セルインデックス番号(C_IXN)が含まれ、
さらに、前記オーディオ用管理情報は、前記ビデオオブジェクトに含まれるオーディオパックのストリームを管理するセル情報が含まれていることを特徴とするコンピュータ制御装置で読み取り可能なオーディオ用情報記録媒体。 - オーディオ情報再生装置において、情報記録媒体は、コンピュータ制御装置を用いて読取られて処理されるデータがビデオオブジェクトとオーディオオブジェクトと管理情報とを有し、
前記ビデオオブジェクト(VOB)は、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)を含み、このビデオオブジェクトユニット(VOBU)は、ビデオパック、オーディオパックを含み、
前記オーディオオブジェクト(AOB)は、プログラム(PG)を含み、このプログラム(PG)は複数のセル(Cell)を含み、各セル(Cell)は、データを格納した複数のパックを含み、このパックの中には、オーディオパック及びオーディオとは異なる付加的なデータを含むリアルタイムパック(RTI_PCK)が定義されており、
前記セルの種類として、データ内容がオーディオ出力を得るタイプであるオーディオセル(A_C)と無音出力データを含むタイプであるサイレントセル(SI_C)とが定義されており、
前記ビデオオブジェクトを管理するビデオ用管理情報は、プログラムチェーン情報を含み、このプログラムチェーン情報は、前記ビデオオブジェクトの再生範囲を指定するセル情報を含み、
前記オーディオオブジェクトを管理するオーディオ用管理情報は、前記オーディオオブジェクトを再生するためのもので、プログラムチェーン情報(PGCI)を有し、このプログラムチェーン情報には、複数のプログラムの各エントリーセルの番号を含むプログラム情報テーブル(ATS_PGIT)と、各プログラムのセルの再生位置を示したセル再生情報テーブル(ATS_C_PBIT)とが含まれており、
前記セル再生情報テーブル(ATS_C_PBIT)には、前記オーディオセル、サイレントセルのタイプを識別したセルタイプ情報(C_TY)と前記セルのスタート(S_SA)及びエンドアドレス(C_EA)、セルインデックス番号(C_IXN)が含まれ、
さらに、前記オーディオ用管理情報は、前記ビデオオブジェクトに含まれるオーディオパックのストリームを管理するセル情報が含まれるオーディオ用情報記録媒体であり、前記オーディオ情報再生装置は、
前記オーディオ用管理情報を再生する手段と、
前記オーディオオブジェクトを再生する手段とを具備したことを特徴とするオーディオ用情報再生装置。 - オーディオ情報再生装置において、情報記録媒体は、コンピュータ制御装置を用いて読取られて処理されるデータがビデオオブジェクトとオーディオオブジェクトと管理情報とを有し、
前記ビデオオブジェクト(VOB)は、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)を含み、このビデオオブジェクトユニット(VOBU)は、ビデオパック、オーディオパックを含み、
前記オーディオオブジェクト(AOB)は、プログラム(PG)を含み、このプログラム(PG)は複数のセル(Cell)を含み、各セル(Cell)は、データを格納した複数のパックを含み、このパックの中には、オーディオパック及びオーディオとは異なる付加的なデータを含むリアルタイムパック(RTI_PCK)が定義されており、
前記セルの種類として、データ内容がオーディオ出力を得るタイプであるオーディオセル(A_C)と無音出力データを含むタイプであるサイレントセル(SI_C)とが定義されており、
前記ビデオオブジェクトを管理するビデオ用管理情報は、プログラムチェーン情報を含み、このプログラムチェーン情報は、前記ビデオオブジェクトの再生範囲を指定するセル情報を含み、
前記オーディオオブジェクトを管理するオーディオ用管理情報は、前記オーディオオブジェクトを再生するためのもので、プログラムチェーン情報(PGCI)を有し、このプログラムチェーン情報には、複数のプログラムの各エントリーセルの番号を含むプログラム情報テーブル(ATS_PGIT)と、各プログラムのセルの再生位置を示したセル再生情報テーブル(ATS_C_PBIT)とが含まれており、
前記セル再生情報テーブル(ATS_C_PBIT)には、前記オーディオセル、サイレントセルのタイプを識別したセルタイプ情報(C_TY)と前記セルのスタート(S_SA)及びエンドアドレス(C_EA)、セルインデックス番号(C_IXN)が含まれ、
さらに、前記オーディオ用管理情報は、前記ビデオオブジェクトに含まれるオーディオパックのストリームを管理するセル情報が含まれるオーディオ用情報記録媒体であり、前記オーディオ情報再生装置は、
前記オーディオ用管理情報を再生する手段と、
前記オーディオオブジェクトを再生する手段とを具備したことを特徴とするオーディオ用情報再生装置。
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