JP3945579B2 - Syndiotactic propylene polymer composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、シンジオタクティックプロピレン系重合体組成物に関し、さらには耐摩耗性、柔軟性、ゴム弾性に優れたシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマーは、省エネルギー、省資源タイプのエラストマーとして、特に天然ゴムの代替として自動車部品、工業機械部品、電子・電気機器部品、建材等に広く使用されている。
【0003】
架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマーは、A.Y.Coran らの文献(Rubber Chemistry and Technology、53巻 (1980年)、141ページ)に詳細に記されているように、広く知られている。
【0004】
一方で非架橋型あるいは非架橋または部分架橋型のオレフィン系熱可塑性エラストマーについては、たとえば、特公昭53−21021号公報、特公昭55−18448号公報、特公昭56−15741号公報、特公昭56−15742号公報、特公昭58−46138号公報、特公昭58−56575号公報、特公昭59−30376号公報、特公昭62−938号公報、特公昭62−59139号公報などに記載されている。
【0005】
しかしながら非架橋または部分架橋型熱可塑性エラストマーはゴム的性質(永久伸び、圧縮永久歪など)、耐熱性などに優れるものの、耐摩耗性、耐傷つき性に劣るために軟質塩ビを代替するには至っておらず、環境問題、廃棄処理問題等のない軟質塩ビを代替しうる耐摩耗性、耐傷つき性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の出現が望まれていた。
【0006】
【発明の目的】
本発明の目的は、従来の非架橋または部分架橋型熱可塑性エラストマーの性能を保持し、かつ耐摩耗性、柔軟性にも優れたシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物を提供することにある。
【0007】
【発明の概要】
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物は
非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対して
実質的にシンジオタクティック構造であるプロピレン成分を99〜65モル%の量含み、αオレフィン成分(C3を除くC2〜C20)を1〜35モル%の量含むシンジオタクティック構造プロピレン−αオレフィン共重合体(B)10〜60重量部
(C)架橋剤0〜10重量部
から構成されている。
【0008】
本発明の好ましい態様については、シンジオタクティック構造プロピレン−αオレフィン共重合体(B)は、実質的にシンジオタクティック構造であるプロピレン成分を99〜65モル%の量含み、αオレフィン成分(C3を除くC2〜C20)を1〜35モル%の量含むことが好ましく、αオレフィンとしてはエチレン、ブテン、オクテンから選ばれることが望ましい。
【0009】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係わるシンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物について具体的に説明する。
【0010】
<非架橋または部分的に架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー ( A ) >
本発明で用いられる非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマーはポリプロピレンと非共役ジエンを含有したエチレン・αオレフィンランダム共重合体を含有していることが望ましいが、これに限らず、例えばポリプロピレンとエチレン・αオレフィンランダム共重合体を含有する非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマーであってもよく、αオレフィンとしては、プロピレン、ブテンであることが望ましい。
【0011】
本発明で用いられる非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマーの230℃、10kg荷重で測定されるMFRが0.001〜100であることが好ましく、0.01〜80であることが更に好ましい。
【0012】
また本発明で用いられる非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマーのDSCの吸熱曲線から求められる融点(Tm)が120〜165℃であることが好ましく、130℃〜160の範囲にあることが更に好ましい。
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、非架橋の熱可塑性エラストマー組成物または部分的に架橋された熱可塑性エラストマー組成物であり、特定の結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)と、特定のα- オレフィン系共重合体ゴム(A−2)とから構成されてなる。
【0013】
結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)
本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)は、高圧法または低圧法の何れかによる1種またはそれ以上のモノオレフィンを重合して得られる結晶性の高分子量固体生成物からなる。このような樹脂としては、たとえばアイソタクチックおよびシンジオタクチックのモノオレフィン重合体樹脂が挙げられるが、これらの代表的な樹脂は商業的に入手できる。
【0014】
上記結晶性ポリオレフィン樹脂の適当な原料オレフィンとしては、具体例には、エチレン、プロピレン、1- ブテン、1- ペンテン、1- ヘキセン、2- メチル-1-プロペン、3- メチル-1-ペンテン、4- メチル-1-ペンテン、5- メチル-1-ヘキセン、1- オクテン、1- デセンおよびこれらのオレフィンを2種以上混合した混合オレフィンが挙げられる。
【0015】
重合様式はランダム型でもブロック型でも、樹脂状物が得られればどのような重合様式を採用しても差支えない。本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂は、MFR(A−1STM A−4 1238−65T、230℃)が通常0.01〜100g/10分、特に0.05〜50g/10分の範囲にあることが好ましい。
【0016】
上記結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)は、組成物の流動性および耐熱性を向上させる役割を持っている。本発明においては、結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)およびα- オレフィン系共重合体ゴム(A−2)の合計量100重量部に対し、10〜60重量部、好ましくは20〜55重量部の割合で用いられる。
【0017】
上記のような割合で結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)を用いると、ゴム弾性に優れるとともに、成形加工に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0018】
α - オレフィン系共重合体ゴム(A−2)
本発明で用いられるα- オレフィン系共重合体ゴム(A−2)は、炭素原子数2〜20、好ましくは炭素原子数2〜12のα- オレフィンと、非共役ジエンとを共重合して得られるゴムである。
【0019】
上記α- オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1- ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン、1- ヘプテン、1- オクテン、1- ノネン、1- デセン、1- ウンデセン、1- ドデセン、1- トリデセン、1- テトラデセン、1- ペンタデセン、1- ヘキサデセン、1- ヘプタデセン、1- ノナデセン、1- エイコセン、9- メチル-1-デセン、11- メチル-1-ドデセン、12- エチル-1-テトラデセンなどが挙げられる。
【0020】
本発明においては、上記のようなα- オレフィンを単独で用いても良く、また2種以上の混合物として用いても良い。4-メチル-1- ペンテンと、他のα- オレフィンを混合物として用いる場合、4-メチル-1- ペンテンと、他のα- オレフィンとのモル比(他のα- オレフィン/4-メチル-1- ペンテン)は、10/90〜95/5の範囲内にあることが好ましい。
【0021】
上記α−オレフィンのうち、特にエチレン、プロピレン、1−ブテンが好ましく用いられる。
【0022】
非共役ジエンとしては、具体的には、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン
4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-エチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘプタジエン、5-エチル-1,4- ヘプタジエン、5-メチル-1,5- ヘプタジエン、6-メチル-1,5- ヘプタジエン、5-エチル-1,5- ヘプタジエン、4-メチル-1,4- オクタジエン、5-メチル-1,4- オクタジエン、4-エチル-1,4- オクタジエン、5-エチル-1,4- オクタジエン、5-メチル-1,5- オクタジエン、6-メチル-1,5- オクタジエン、5-エチル-1,5- オクタジエン、6-エチル-1,5- オク
タジエン、6-メチル-1,6- オクタジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、6-エチル-1,6- オクタジエン、4-メチル-1,4- ノナジエン、5-メチル-1,4- ノナジエン、4-エチル-1,4- ノナジエン、5-エチル-1,4- ノナジエン、5-メチル-1,5- ノナジエン、6-メチル-1,5- ノナジエン、5-エチル-1,5- ノナジエン、6-エチル-1,5- ノナジエン、6-メチル-1,6- ノナジエン、7-メチル-1,6- ノナジエン、6-エチル-1,6- ノナジエン、7-エチル-1,6- ノナジエン、7-メチル-1,7- ノナジエン、8-メチル-1,7- ノナジエン、7-エチル-1,7- ノナジエン、5-メチル-1,4- デカジエン、5-エチル-1,4- デカジエン、5-メチル-1,5- デカジエン、6-メチル-1,5- デカジエン、5-エチル-1,5- デカジエン、6-エチル-1,5- デカジエン、6-メチル-1,6- デカジエン、7-メチル-1,6- デカジエン、6-エチル-1,6- デカジエン、7-エチル-1,6- デカジエン、7-メチル-1,7- デカジエン、8-メチル-1,7- デカジエン、7-エチル-1,7- デカジエン、8-エチル-1,7- デカジエン、8-メチル-1,8- デカジエン、9-メチル-1,8- デカジエン、8-エチル-1,8- デカジエン、9-メチル-1,8- ウンデカジエンなどが挙げられる。特に中でも5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、4,8-ジメチル-1,4,8- デカトリエン(DMDT)、4- エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン(EMND)が望ましい。
本発明においては、上記のような非共役ジエンを単独で用いてもよく、また2種以上の混合物として用いてもよい。さらに、上記のような非共役ジエンの他に、他の共重合可能なモノマーを、本発明の目的を損なわない範囲で用いてもよい。
【0023】
本発明で用いられるα- オレフィン系共重合体ゴムを構成する非共役ジエンの含有量は、0.01〜30モル%、好ましくは0.1〜20モル%、特に好ましくは0.1〜10モル%の範囲内にある。
【0024】
本発明で用いられるα- オレフィン系共重合体ゴムの135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]は、1.0〜10.0A−4l/g、好ましくは1.5〜7A−4l/gの範囲にある。
【0025】
本発明においては、α- オレフィン系共重合体ゴム(A−2)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)およびα- オレフィン系共重合体ゴム(A−2)の合計量100重量部に対し、90〜40重量部、好ましくは80〜45重量部の割合で用いられる。
【0026】
上記のようなα- オレフィン系共重合体ゴム(A−2)は、以下の方法で製造することができる。本発明で用いられるα- オレフィン系共重合体ゴム(A−2)は、オレフィン重合用触媒の存在下に、炭素原子数2〜20のα- オレフィンと、非共役ジエンとを共重合させることにより得られる。
【0027】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物には、結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)およびα- オレフィン系共重合体ゴム(A−2)の他に、軟化剤(A−3)および/または無機充填剤(A−4)を含めることができる。
【0028】
本発明で用いられる軟化剤(A−3)としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができ、具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系物質;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸またはその金属塩;石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤;その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコールなどが挙げられる。
【0029】
本発明においては、軟化剤(A−3)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)およびα- オレフィン系共重合体ゴム(A−2)の合計量100重量部に対し、200重量部以下、好ましくは2〜100重量部の割合で用いられる。本発明において、軟化剤(A−3)の使用量が200重量部を超えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性、耐熱老化性が低下する傾向にある。
【0030】
本発明で用いられる無機充填剤(A−4)としては、具体的には、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレー、カリオン、タルク、シリカ、ケイソウ土、雲母粉、アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラス繊維、ガラス球、シラスバルーンなどが挙げられる。
【0031】
本発明においては、無機充填剤(A−4)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)およびα- オレフィン系共重合体ゴム(A−2)の合計量100重量部に対して、100重量部以下、好ましくは2〜50重量部の割合で用いられる。本発明において、無機充填剤(A−4)の使用量が100重量部を超えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性、成形加工性が低下する傾向にある。
【0032】
また、本発明に係る部分的に架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、上述した結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)と、α- オレフィン系共重合体ゴム(A−2)と、必要に応じて配合される軟化剤(A−3)および/または無機充填剤(A−4)、さらには上記エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム、エチレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム等との混合物を、下記のような有機過酸化物の存在下に、動的に熱処理して部分的に架橋することによって得られる。
【0033】
ここに、「動的に熱処理する」とは、溶融状態で混練することをいう。有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、2,5- ジメチル-2,5-ジ- (tert- ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5- ジメチル-2,5-ジ- (tert- ブチルパーオキシ)ヘキシン- 3、1,3- ビス(tert- ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1- ビス(tert- ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n- ブチル-4,4-ビス(tert- ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p- クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4- ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert- ブチルパーオキシベンゾエート、tert- ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert- ブチルクミルパーオキサイドなどが挙げられる。
【0034】
このような有機過酸化物は、被処理物全体、すなわち結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)およびα- オレフィン系共重合体ゴム(A−2)の合計量100重量部に対し0.02〜3重量部、好ましくは0.05〜1重量部となるような量で用いられる。この配合量が上記範囲よりも少ないと、得られる熱可塑性エラストマー組成物は、架橋度が低いため、耐熱性、引張特性、弾性回復および反発弾性等が十分でない。また、この配合量が上記範囲よりも多いと、得られる熱可塑性エラストマー組成物は、架橋度が高くなり過ぎて成形性の低下をもたらす場合がある。
【0035】
本発明においては、前記有機過酸化物による部分架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'-ジベンゾイルキノンジオキシム、N- メチル- N,N'-m- フェニレンジマレイミド等のパーオキシ架橋助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アクリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラートまたはビニルステアレート等の多官能性ビニルモノマーを配合してもよい。
【0036】
上記のような架橋助剤などの化合物を用いることにより、均一かつ温和な架橋反応が期待できる。このような架橋助剤あるいは多官能性ビニルモノマーなどの化合物は、上記被処理物全体100重量部に対し、通常2重量部以下、さらに好ましくは0.3〜1重量部となるような量で用いられる。
【0037】
また有機過酸化物の分解を促進するために、トリエチルアミン、トリブチルアミン、2,4,6- トリ(ジメチルアミノ)フェノール等の三級アミンや、アルミニウム、コバルト、バナジウム、銅、カルシウム、ジルコニウム、マンガン、マグネシウム、鉛、水銀等のナフテン酸塩などの分解促進剤を用いてもよい。
【0038】
本発明における動的な熱処理は、非開放型の装置中で行なうことが好ましく、また窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。その温度は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)の融点から300℃の範囲であり、通常150〜250℃、好ましくは170℃〜225℃である。混練時間は、通常1〜20分間、好ましくは1〜10分間である。また、加えられる剪断力は、剪断速度として10〜100,000sec-1、好ましくは100〜50,000sec-1である。
【0039】
混練装置としては、ミキシングロール、インテンシブミキサー(たとえばバンバリーミキサー、ニーダー)、一軸または二軸押出機等を用い得るが、非開放型の装置が好ましい。
【0040】
本発明によれば、上述した動的な熱処理によって、結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)とα- オレフィン系共重合体ゴム(A−2)とからなる非架橋の、または部分的に架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0041】
なお、本発明において、熱可塑性エラストマー組成物が部分的に架橋されたとは、下記の方法で測定したゲル含量が20%以上、好ましくは20〜99.5%、特に好ましくは45〜98%の範囲内にある場合をいう。
ゲル含量の測定熱可塑性エラストマー組成物の試料を100mg秤取し、これを0.5mm×0.5mm×0.5mmの細片に裁断したものを、密閉容器中にて30mlのシクロヘキサンに、23℃で48時間浸漬した後、試料を濾紙上に取出し、室温で72時間以上、恒量となるまで乾燥する。
【0042】
この乾燥残渣の重量からポリマー成分以外のすべてのシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量、およびシクロヘキサン浸漬前の試料中の結晶性ポリオレフィン樹脂(A−1)の重量を減じたものを、「補正された最終重量(Y)」とする。
【0043】
一方、試料中のα- オレフィン系共重合体(A−2)を、「補正された初期重量(X)」とする。ここに、ゲル含量は、次の式で求められる。
【0044】
ゲル含量[重量%]=[補正された最終重量(Y)/補正された初期重量(X)]×100。
【0045】
<シンジオタクティック構造プロピレン−αオレフィン共重合体(B)>
本発明で用いられるシンジオタクティック構造プロピレン−αオレフィン共重合体(B)は実質的にシンジオタクティック構造であるプロピレン成分を99〜65モル%の量含み、αオレフィン成分(C3を除くC2〜C20)を1〜35モル%の量含むことが好ましく、αオレフィンとしてはエチレン、ブテン、オクテンから選ばれることが望ましい。中でもエチレンであることが特に好ましい。
【0046】
本発明で用いられるシンジオタクティック構造プロピレン−α-オレフィン共重合体(B)は、プロピレンから導かれる繰返し単位を、99〜65モル%、好ましくは95〜65モル%、より好ましくは90〜65モル%、α-オレフィンから導かれる繰返し単位を1〜35モル%、好ましくは5〜35モル%、より好ましくは10〜35モル%の割合で含有している。
【0047】
このシンジオタクティック構造プロピレン−α-オレフィン共重合体(B)は、非晶性であり、ヤングモジュラスが150MPa以下、好ましくは100MPa以下、より好ましくは50MPa以下である。
【0048】
このようなシンジオタクティック構造プロピレン−α-オレフィン共重合体(B)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が、通常0.01〜10dl/g、好ましくは0.5〜10dl/g、さらに好ましくは1〜8dl/gの範囲にあることが望ましい。
【0049】
このシンジオタクティック構造プロピレン−α-オレフィン共重合体(B)は、単一のガラス転移温度を有し、かつ示差走査熱量計(DSC)によって測定したガラス転移温度(Tg)が、通常−5℃以下、好ましくは−10℃以下、さらに好ましくは−20℃以下であることが望ましい。該シンジオタクティック構造プロピレン−α-オレフィン共重合体(B)のガラス転移温度(Tg)が前記範囲内にあると、耐寒性、低温特性に優れる。またゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn、ポリスチレン換算、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)は4.0以下であることが好ましく、特に3.5以下であることが好ましい。
【0050】
なお、本明細書において実質的にシンジオタクティック構造であるとは、プロピレンのtriad連鎖でみたシンジオタクティシティーが0.6以上であることを意味する。
【0051】
ここでプロピレンのtriad連鎖でみたシンジオタクティシティーについて説明する。このシンジオタクティック構造プロピレン−α-オレフィン共重合体(B)のトリアドシンジオタクティシティ(以下「rr分率」ということがある。)は、該重合体(A)の13C−NMRスペクトルおよび下記式(1)により、頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖部の第2単位目の側鎖メチル基の強度(面積)比として求められる。
【0052】
rr分率(%)=PPP(rr)/{PPP(mm)+PPP(mr)+PPP(rr)} …(1)
(式中、PPP(mm)、PPP(mr)、PPP(rr)は、それぞれ13C−NMRスペクトルの下記シフト領域で観察される頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖部の第2単位目の側鎖メチル基の面積である。) このようなPPP(mm)、PPP(mr)、PPP(rr)は、それぞれ下記構造の頭−尾結合したプロピレン3単位連鎖を示す。 なおメチル炭素領域内(19〜23ppm)では、上記のような頭−尾結合プロピレン3連鎖中のプロピレン単位の側鎖メチル基以外にも、下記のような他の連鎖中のプロピレン単位の側鎖メチル基ピークが観測される。rr分率を求める際には、このようなプロピレン単位3連鎖に基づかないメチル基のピーク面積を下記のように補正する。なお、Pはプロピレンから導かれる繰返し単位を示し、Eはα-オレフィンから導かれる繰返し単位を示す。
【0053】
▲1▼第2領域内では、プロピレン同士が頭−尾結合したPPE3連鎖中の第2単位(プロピレン単位)目の側鎖メチル基に由来するピークが観測される。 このメチル基ピークの面積は、PPE連鎖中の第2単位(プロピレン単位)のメチン基(30.6ppm付近で共鳴)のピーク面積から求めることができる。
【0054】
▲2▼第3領域内では、EPE3連鎖中の第2単位(プロピレン単位)目の側鎖メチル基に由来するピークが観測される。このメチル基ピーク面積は、EPE連鎖中の第2単位(プロピレン単位)のメチン基(32.9ppm付近で共鳴)のピーク面積から求めることができる。
【0055】
▲3▼第2領域および第3領域内では、α-オレフィン・α-オレフィンランダム共重合体中に少量含まれる、下記部分構造(i)、(ii)および(iii)で示されるような位置不規則単位中のメチル基C〜E’に由来するピークが観察される。
【0056】
第2領域では、メチル基Cピーク、メチル基Dピークおよびメチル基D’ピークが観測され、 第3領域では、メチル基Eピークおよびメチル基E’ピークが観測される。なお位置不規則単位(i)〜(iii)中のメチル基中、メチル基Aピークおよびメチル基Bピークは、それぞれ17.3ppm、17.0ppmで観測され、第1〜3領域内では観測されない。
【0057】
メチル基Cのピーク面積は、隣接するメチン基(31.3ppm付近で共鳴)のピーク面積より求めることができる。 メチル基Dのピーク面積は、構造(ii)のαβメチレン炭素に基づくピーク(34.3ppm付近および34.5ppm付近)のピーク面積の和の1/2より求めることができる。
【0058】
メチル基D’のピーク面積は、構造(iii)のメチル基E’に隣接するメチン基に基づくピーク(33.3ppm付近)の面積より求めることができる。メチル基Eのピーク面積は、隣接するメチン炭素(33.7ppm付近)のピーク面積より求めることができる。 メチル基E’のピーク面積は、隣接するメチン炭素(33.3ppm付近)のピーク面積より求めることができる。
【0059】
したがってこれらのピーク面積を第2領域および第3領域の全ピーク面積より差し引くことにより、頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖中の第2プロピレン単位の側鎖メチル基のピーク面積を求めることができる。なおスペクトル中の各炭素ピークは、文献(Polymer,30,1350(1989))を参考にして帰属することができる。
【0060】
シンジオタクティック構造プロピレン−α-オレフィン共重合体(B)の製造
このようなシンジオタクティック構造プロピレン−α-オレフィン共重合体(B)は、下記に示すメタロセン系触媒の存在下にプロピレンから導かれる繰り返し単位が99〜65モル%、α-オレフィンから導かれる繰り返し単位が1〜35モル%となるようにプロピレンとα-オレフィンを共重合させて得られる。
【0061】
このようなメタロセン系触媒としては、
(a)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物と、
(b)(b-1)上記遷移金属化合物(a)中の遷移金属Mと反応してイオン性の錯体を形成する化合物、
(b-2)有機アルミニウムオキシ化合物、
(b-3)有機アルミニウム化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなる少なくとも1つの触媒系が挙げられる。
【0062】
【化1】
【0063】
本発明においては、上記シンジオタクティック構造プロピレン−α-オレフィン共重合体(B)製造用の触媒としては、上記のようなメタロセン系触媒が好ましく用いられるが、場合によっては上記メタロセン系触媒以外の、従来より公知の▲1▼固体状チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物とからなるチタン系触媒、▲2▼可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒を用いることもできる。
【0064】
本発明では、上記のようなメタロセン系触媒の存在下に、プロピレンとα-オレフィンを通常液相で共重合させる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、プロピレンを溶媒として用いてもよい。共重合はバッチ法または連続法のいずれの方法でも行うことができる。
【0065】
メタロセン系触媒を用い、共重合をバッチ法で実施する場合には、重合系内の遷移金属化合物(a)は、重合容積1リットル当り、通常0.00005〜1ミリモル、好ましくは0.0001〜0.5ミリモルとなるような量で用いられる。
【0066】
イオン化イオン性化合物(b-1)は、遷移金属化合物(a)に対するイオン化イオン性化合物のモル比((b-1)/(a))で、0.5〜20、好ましくは1〜10となるような量で用いられる。
【0067】
有機アルミニウムオキシ化合物(b-2)は、遷移金属化合物(a)中の遷移金属原子(M)に対するアルミニウム原子(Al)のモル比(Al/M)で、1〜10000、好ましくは10〜5000となるような量で用いられる。 また有機アルミニウム化合物(b-3)は、重合容積1リットル当り、通常約0〜5ミリモル、好ましくは約0〜2ミリモルとなるような量で用いられる。
【0068】
共重合反応は、通常、温度が−20〜150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃の範囲で、圧力が0を超えて〜80kg/cm2 、好ましくは0を超えて〜50kg/cm2の範囲の条件下に行なわれる。
【0069】
また反応時間(重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常5分間〜3時間、好ましくは10分間〜1.5時間である。
【0070】
プロピレンとα-オレフィンは、上述のような特定組成のシンジオタクティック構造プロピレン−α-オレフィン共重合体(B)が得られるような量でそれぞれ重合系に供給される。なお共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
【0071】
上記のようにしてプロピレンとα-オレフィンを共重合させると、シンジオタクティック構造プロピレン−α-オレフィン共重合体(B)は通常これを含む重合液として得られる。この重合液は常法により処理され、シンジオタクティック構造プロピレン−α-オレフィン共重合体(B)が得られる。
【0072】
シンジオタクティック構造プロピレン−α-オレフィン共重合体(B)は非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対して10〜60重量部、好ましくは10〜50重量部、より好ましくは10〜40重量部含まれる。シンジオタクティック構造プロピレン−α-オレフィン共重合体(B)がこの範囲にあるとシンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物の耐熱性と耐磨耗性のバランスに優れる。
【0073】
<架橋剤(C)>
本発明に係わるシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物において必要に応じて(C)架橋剤を添加しても良い。
(C)架橋剤としては、有機過酸化物であってもイオウまたはイオウ系化合物であってもどちらでも良い。
有機過酸化物である場合には、非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部の量で用いられ、イオウまたはイオウ系化合物あるときには、非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対して1〜15重量部、好ましくは5〜10重量部の量で用いられる。
【0074】
本発明に係わるシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物において必要に応じて
架橋助剤が含まれていても良い。
【0075】
架橋促進剤として具体的には、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBZ)、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4-モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;ジフェニルグアニジン(DPG)、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物;2-メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;亜鉛華等の化合物などを挙げることができる。非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対して、0.5〜10重量部の量で用いられる。
【0076】
本発明のシンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物に架橋剤、架橋助剤が含まれている場合は、その他の共重合体として、非共役ジエンを含有したエチレン系重合体を更に少量ブレンドしても良く、加熱あるいは電子線によって、シンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物の架橋物を得ることもできる。
【0077】
本発明のシンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、軟化剤、粘着付与剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤が必要に応じて配合されていてもよい。また、本発明の趣旨を逸脱しない限りその他の共重合体を少量ブレンドすることができる。
【0078】
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン系重合体組成物は、公知の任意の方法を採用して製造することができ、たとえば、非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対してシンジオタクティック構造プロピレン−αオレフィン共重合体(B)10〜60重量部、必要に応じて(C)架橋剤0〜10重量部、および所望により添加される他成分を、押出機、ニーダー等を用いて一括で溶融混練することにより得られる。
【0079】
<成形体>
上記のような本発明に係るシンジオタクティックポリプロピレン組成物は、従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができるが、特にポリオレフィン組成物をたとえばシート、未延伸または延伸フィルム、パイプ、電線被覆、フィラメント、他の種々形状の成形体に成形して利用することができる。
【0080】
成形体としては具体的には、押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、カレンダー成形、発泡成形などの公知の熱成形方法により得られる成形体が挙げられる。以下に数例挙げて成形体を説明する。
【0081】
本発明に係る成形体がたとえば押出成形あるいは射出成形体である場合、その形状および製品種類は特に限定されないが、たとえばシート、フィルム(未延伸)、パイプ、ホース、電線被覆、フィラメントなどが挙げられ、特にシート、表皮材、自動車内外層材などが好ましい。
【0082】
シンジオタクティックポリプロピレン組成物を押出成形、射出成形する際には、従来公知の押出装置、射出装置および成形条件を採用することができる。また押し出し成形の際、電子線やγ線にて架橋処理を行うこともできる。
【0083】
【発明の効果】
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物は、非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性樹脂にシンジオタクティックプロピレン系共重合体を配合することにより、ゴム弾性を保持して、耐摩耗性、耐熱性とのバランスに優れたシンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物が得られる。
【0084】
【実施例】
以下、本発明について実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により何等限定されるものではない。
【0085】
以下、物性試験条件等を記す。
[引張試験]
1.引っ張り弾性率;
JIS K6301に準拠して、JIS3号ダンベルを用い、スパン間:30mm、
引っ張り速度:30mm/minで23℃にて測定した。
【0086】
2.針侵入温度:TMA(℃);
JIS K7196に準拠し、厚さ2mmの試験片を用いて、昇温速度5℃/minで1.8mmφの平面圧子に2Kg/cm2の圧力をかけ、TMA曲線より、針
進入温度(℃)を求めた。
【0087】
3.耐摩耗性試験
東洋精機製、学振摩耗試験機を用いて、厚さ2mmの試験片を用いて、45R、SUS製の摩耗圧子470gの先端を綿帆布#10に覆い、これを23℃、往復回数100回、往復速度33回/min、ストローク100mmで試料を摩耗させ、その前後のグロス変化率ΔGlossを以下のようにして求めた。
【0088】
ΔGloss=(摩耗前のGloss−摩耗後のGloss)/摩耗前のGloss×100
4.JIS A硬度;
JIS K 6301に従って、JIS A硬度(HS )を測定した。
5.永久伸び:JIS K 6301に準拠して測定した。ただし、保持した長さは伸び100%に相当する長さとした。
【0089】
[融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg)]
DSCの吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度をTmとする。
【0090】
測定は、試料をアルミパンに詰め、100℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持したのち、100℃/分で−150℃まで降温し、ついで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
【0091】
なおDSC測定時の吸熱ピークから、単位重さ当たりの融解熱量を求め、これをポリエチレンの結晶の融解熱量70cal/gで除して求めることにより、結晶化度(%)を求めることができる。
【0092】
[極限粘度[η]]
135℃、デカリン中で測定した。
【0093】
[Mw/Mn]
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒で、140℃で測定した。
【0094】
【合成例1】
(シンジオタクティックプロピレン・エチレン共重合体の合成)
減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを750ml加え、続いてトリイソブチルアルミニウム(以下、TIBAと略す。)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が0.3ミリモルとなるように0.3ml加え、撹拌下にプロピレンを50.7リットル(25℃、1気圧)挿入し、昇温を開始し30℃に到達させた。その後、系内をエチレンで5.5kg/cm2Gとなるように加圧し、公知の方法で合成したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液(0.0002mM/ml)を3.75ml、(トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート)のトルエン溶液(0.002mM/ml)を2.0ml加え、プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。この時の触媒濃度は、全系に対してジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドが0.001ミリモル/リットル、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートが0.004ミリモル/リットルであった。
【0095】
重合中、エチレンを連続的に供給することにより、内圧を5.5kg/cm2Gに保持した。重合を開始して30分後、重合反応をメチルアルコールを添加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットルに対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割合で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相に移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相を分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油水分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量のアセトンと強撹拌下に接触させ、重合体を析出させたのち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過により採取した。窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥した。以上のようにして得られたプロピレン・エチレン共重合体の収量は50gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.4dl/gであり、ガラス転移温度Tgは−28℃であり、エチレン含量は24.0モル%であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.9であった。
【0096】
また、前述のDSC測定条件では融解ピークは、実質的に観測されなかった。
【0097】
【実施例1】
非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー、三井化学(株)製、ミラストマー5030N100重量部に対して、上記合成例1で得られたシンジオタクチックプロピレン・エチレン共重合体(B-1)25重量部を添加し、溶融混連によりシンジオタックティックポリプロピレン組成物を得た。得られた組成物を200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。
【0098】
この組成物の引張り弾性率は7MPaであり、TMAは130℃、摩耗前後のグロス変化率Δglossは20、永久伸びは7、JIS A硬度は45であった。
【0099】
【実施例2】
上記実施例1で、合成例1で得られたシンジオタクチックプロピレン・エチレン共重合体(B-1)25重量部を50重量部に変えた以外は、実施例1と同様に行った。得られた組成物を200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。
【0100】
この組成物の引張り弾性率は7MPaであり、TMAは130℃、摩耗前後のグロス変化率Δglossは10、永久伸びは9、JIS A硬度は35であった。
【0101】
【比較例1】
非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー、三井化学(株)製、ミラストマー5030Nを200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。
【0102】
この組成物の引張り弾性率は3MPaであり、TMAは154℃、摩耗前後のグロス変化率Δglossは96、永久伸びは8、JIS A硬度は50であった。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a syndiotactic propylene polymer composition, and further relates to a syndiotactic propylene polymer composition excellent in abrasion resistance, flexibility and rubber elasticity.
[0002]
TECHNICAL BACKGROUND OF THE INVENTION
Cross-linked olefin-based thermoplastic elastomers are widely used as energy-saving and resource-saving elastomers, particularly as automotive parts, industrial machine parts, electronic / electric equipment parts, building materials and the like as substitutes for natural rubber.
[0003]
Cross-linked olefin-based thermoplastic elastomers are widely known as described in detail in A.Y.Coran et al. (Rubber Chemistry and Technology, Vol. 53 (1980), p. 141).
[0004]
On the other hand, non-crosslinked or non-crosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomers include, for example, Japanese Patent Publication No. 53-21021, Japanese Patent Publication No. 55-18448, Japanese Patent Publication No. 56-15741, Japanese Patent Publication No. 56. -15742, JP-B-58-46138, JP-B-58-56575, JP-B-59-30376, JP-B-62-938, JP-B-62-59139, etc. .
[0005]
However, non-crosslinked or partially crosslinked thermoplastic elastomers have excellent rubber properties (permanent elongation, compression set, etc.) and heat resistance, but have poor abrasion resistance and scratch resistance. In addition, there has been a demand for the appearance of an olefin-based thermoplastic elastomer composition excellent in abrasion resistance and scratch resistance that can replace soft vinyl chloride that does not have environmental problems and disposal problems.
[0006]
OBJECT OF THE INVENTION
An object of the present invention is to provide a syndiotactic propylene-based polymer composition that retains the performance of a conventional non-crosslinked or partially crosslinked thermoplastic elastomer and is excellent in wear resistance and flexibility.
[0007]
SUMMARY OF THE INVENTION
The syndiotactic propylene-based copolymer composition according to the present invention is
For 100 parts by weight of non-crosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer (A)
A syndiotactic propylene-α-olefin copolymer containing a propylene component having a substantially syndiotactic structure in an amount of 99 to 65 mol% and an α-olefin component (C2 to C20 excluding C3) in an amount of 1 to 35 mol%. 10 to 60 parts by weight of polymer (B)
(C) 0 to 10 parts by weight of a crosslinking agent
It is composed of
[0008]
In a preferred embodiment of the present invention, the syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B) contains a propylene component having a substantially syndiotactic structure in an amount of 99 to 65 mol%, and an α-olefin component (C3 C2-C20) is preferably included in an amount of 1 to 35 mol%, and the α-olefin is preferably selected from ethylene, butene, and octene.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the syndiotactic propylene copolymer composition according to the present invention will be described in detail.
[0010]
<Non-crosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer ( A ) >
The non-crosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer used in the present invention preferably contains an ethylene / α-olefin random copolymer containing polypropylene and a nonconjugated diene, but is not limited thereto, An uncrosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer containing polypropylene and an ethylene / α-olefin random copolymer may be used, and the α-olefin is preferably propylene or butene.
[0011]
The MFR measured at 230 ° C. and 10 kg load of the non-crosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer used in the present invention is preferably 0.001 to 100, and more preferably 0.01 to 80. preferable.
[0012]
Moreover, it is preferable that melting | fusing point (Tm) calculated | required from the endothermic curve of DSC of the non-crosslinked or partially crosslinked olefin type thermoplastic elastomer used by this invention is 120-165 degreeC, and exists in the range of 130 to 160 degreeC. Is more preferable.
The olefinic thermoplastic elastomer composition according to the present invention is a non-crosslinked thermoplastic elastomer composition or a partially crosslinked thermoplastic elastomer composition, and a specific crystalline polyolefin resin (A-1) and a specific Α-olefin copolymer rubber (A-2).
[0013]
Crystalline polyolefin resin (A-1)
The crystalline polyolefin resin (A-1) used in the present invention comprises a crystalline high molecular weight solid product obtained by polymerizing one or more monoolefins by either a high pressure method or a low pressure method. Such resins include, for example, isotactic and syndiotactic monoolefin polymer resins, but these representative resins are commercially available.
[0014]
Specific examples of suitable raw material olefins for the crystalline polyolefin resin include ethylene, propylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 2-methyl-1-propene, 3-methyl-1-pentene, Examples include 4-methyl-1-pentene, 5-methyl-1-hexene, 1-octene, 1-decene, and mixed olefins obtained by mixing two or more of these olefins.
[0015]
The polymerization mode may be random type or block type, and any polymerization mode can be adopted as long as a resinous material is obtained. The crystalline polyolefin resin used in the present invention has an MFR (A-1STM A-4 1238-65T, 230 ° C.) of usually 0.01 to 100 g / 10 min, particularly 0.05 to 50 g / 10 min. It is preferable.
[0016]
The crystalline polyolefin resin (A-1) has a role of improving the fluidity and heat resistance of the composition. In the present invention, the crystalline polyolefin resin (A-1) is 10 to 10 parts by weight based on 100 parts by weight of the total amount of the crystalline polyolefin resin (A-1) and the α-olefin copolymer rubber (A-2). It is used in a proportion of 60 parts by weight, preferably 20 to 55 parts by weight.
[0017]
When the crystalline polyolefin resin (A-1) is used in the above proportion, an olefinic thermoplastic elastomer composition having excellent rubber elasticity and excellent molding processing can be obtained.
[0018]
α - Olefin copolymer rubber (A-2)
The α-olefin copolymer rubber (A-2) used in the present invention is obtained by copolymerizing an α-olefin having 2 to 20 carbon atoms, preferably 2 to 12 carbon atoms, and a non-conjugated diene. It is a rubber obtained.
[0019]
Specific examples of the α-olefin include ethylene, propylene, 1-butene, 1-hexene, 4-methyl-1-pentene, 1-heptene, 1-octene, 1-nonene, 1-decene, 1- Undecene, 1-dodecene, 1-tridecene, 1-tetradecene, 1-pentadecene, 1-hexadecene, 1-heptadecene, 1-nonadecene, 1-eicosene, 9-methyl-1-decene, 11-methyl-1-dodecene, Examples include 12-ethyl-1-tetradecene.
[0020]
In the present invention, the above α-olefins may be used alone or as a mixture of two or more. When 4-methyl-1-pentene and other α-olefin are used as a mixture, the molar ratio of 4-methyl-1-pentene to other α-olefin (other α-olefin / 4-methyl-1) -Pentene) is preferably in the range of 10/90 to 95/5.
[0021]
Of the α-olefins, ethylene, propylene, and 1-butene are particularly preferably used.
[0022]
Specific examples of non-conjugated dienes include dicyclopentadiene, 1,4-hexadiene, cyclooctadiene, methylene norbornene, and ethylidene norbornene.
4-methyl-1,4-hexadiene, 5-methyl-1,4-hexadiene, 4-ethyl-1,4-hexadiene, 5-methyl-1,4-heptadiene, 5-ethyl-1,4-heptadiene, 5-methyl-1,5-heptadiene, 6-methyl-1,5-heptadiene, 5-ethyl-1,5-heptadiene, 4-methyl-1,4-octadiene, 5-methyl-1,4-octadiene, 4-ethyl-1,4-octadiene, 5-ethyl-1,4-octadiene, 5-methyl-1,5-octadiene, 6-methyl-1,5-octadiene, 5-ethyl-1,5-octadiene, 6-ethyl-1,5-oct
Tadiene, 6-methyl-1,6-octadiene, 7-methyl-1,6-octadiene, 6-ethyl-1,6-octadiene, 4-methyl-1,4-nonadiene, 5-methyl-1,4- Nonadiene, 4-ethyl-1,4-nonadiene, 5-ethyl-1,4-nonadiene, 5-methyl-1,5-nonadiene, 6-methyl-1,5-nonadiene, 5-ethyl-1,5- Nonadiene, 6-ethyl-1,5-nonadiene, 6-methyl-1,6-nonadiene, 7-methyl-1,6-nonadiene, 6-ethyl-1,6-nonadiene, 7-ethyl-1,6- Nonadiene, 7-methyl-1,7-nonadiene, 8-methyl-1,7-nonadiene, 7-ethyl-1,7-nonadiene, 5-methyl-1,4-decadiene, 5-ethyl-1,4- Decadiene, 5-methyl-1,5-decadiene, 6-methyl-1,5-decadiene, 5-ethyl-1,5-decadiene, 6-ethyl-1,5-decadiene, 6-methyl-1,6- Decadiene, 7-methyl-1,6-decadiene, 6-ethyl-1,6-decadiene, 7-ethyl-1,6-decadiene 7-methyl-1,7-decadiene, 8-methyl-1,7-decadiene, 7-ethyl-1,7-decadiene, 8-ethyl-1,7-decadiene, 8-methyl-1,8-decadiene 9-methyl-1,8-decadiene, 8-ethyl-1,8-decadiene, 9-methyl-1,8-undecadiene and the like. Among them, 5-ethylidene-2-norbornene, 5-vinyl-2-norbornene, dicyclopentadiene, 4,8-dimethyl-1,4,8-decatriene (DMDT), 4-ethylidene-8-methyl-1,7 -Nonadiene (EMND) is preferred.
In the present invention, the non-conjugated dienes as described above may be used alone or as a mixture of two or more. Furthermore, in addition to the non-conjugated diene as described above, other copolymerizable monomers may be used as long as the object of the present invention is not impaired.
[0023]
The content of the non-conjugated diene constituting the α-olefin copolymer rubber used in the present invention is 0.01-30 mol%, preferably 0.1-20 mol%, particularly preferably 0.1-10. It is in the range of mol%.
[0024]
The intrinsic viscosity [η] measured in a 135 ° C. decalin solvent of the α-olefin copolymer rubber used in the present invention is 1.0-10.0 A-4 l / g, preferably 1.5-7 A-4 l. / G.
[0025]
In the present invention, the α-olefin copolymer rubber (A-2) is added to 100 parts by weight of the total amount of the crystalline polyolefin resin (A-1) and the α-olefin copolymer rubber (A-2). On the other hand, it is used in a proportion of 90 to 40 parts by weight, preferably 80 to 45 parts by weight.
[0026]
The α-olefin copolymer rubber (A-2) as described above can be produced by the following method. The α-olefin copolymer rubber (A-2) used in the present invention is obtained by copolymerizing an α-olefin having 2 to 20 carbon atoms and a non-conjugated diene in the presence of an olefin polymerization catalyst. Is obtained.
[0027]
In addition to the crystalline polyolefin resin (A-1) and the α-olefin copolymer rubber (A-2), the olefinic thermoplastic elastomer composition according to the present invention includes a softener (A-3) and / or Or an inorganic filler (A-4) can be included.
[0028]
As the softener (A-3) used in the present invention, a softener usually used for rubber can be used. Specifically, process oil, lubricating oil, paraffin, liquid paraffin, petroleum asphalt, petroleum jelly, etc. Petroleum substances such as coal tar and coal tar pitch; fatty oils such as castor oil, linseed oil, rapeseed oil, soybean oil and coconut oil; waxes such as tall oil, beeswax, carnauba wax and lanolin; Fatty acids such as ricinoleic acid, palmitic acid, stearic acid, barium stearate, calcium stearate or metal salts thereof; synthetic polymer substances such as petroleum resin, coumarone indene resin, atactic polypropylene; dioctyl phthalate, dioctyl adipate, dioctyl sebacate Ester plasticizers, etc .; other microcrystalline wax Scan, sub (factice), liquid polybutadiene, modified liquid polybutadiene, etc. liquid Thiokol and the like.
[0029]
In the present invention, the softening agent (A-3) is 200 parts by weight or less with respect to 100 parts by weight of the total amount of the crystalline polyolefin resin (A-1) and the α-olefin copolymer rubber (A-2). , Preferably 2 to 100 parts by weight. In this invention, when the usage-amount of a softening agent (A-3) exceeds 200 weight part, it exists in the tendency for the heat resistance of the thermoplastic elastomer composition obtained and heat aging resistance to fall.
[0030]
Specific examples of the inorganic filler (A-4) used in the present invention include calcium carbonate, calcium silicate, clay, carion, talc, silica, diatomaceous earth, mica powder, asbestos, alumina, barium sulfate, and sulfuric acid. Examples include aluminum, calcium sulfate, basic magnesium carbonate, molybdenum disulfide, graphite, glass fiber, glass sphere, and shirasu balloon.
[0031]
In this invention, an inorganic filler (A-4) is 100 weight with respect to 100 weight part of total amounts of crystalline polyolefin resin (A-1) and alpha-olefin type copolymer rubber (A-2). Or less, preferably 2 to 50 parts by weight. In this invention, when the usage-amount of an inorganic filler (A-4) exceeds 100 weight part, it exists in the tendency for the rubber elasticity of a thermoplastic elastomer composition obtained and a moldability to fall.
[0032]
Moreover, the partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer composition according to the present invention includes the above-described crystalline polyolefin resin (A-1), α-olefinic copolymer rubber (A-2), and necessary. Softener (A-3) and / or inorganic filler (A-4) blended according to the above, and further ethylene / α-olefin copolymer rubber, ethylene / α-olefin / non-conjugated diene copolymer A mixture with rubber or the like can be obtained by dynamically heat-treating in the presence of an organic peroxide as described below and partially crosslinking.
[0033]
Here, “dynamically heat-treating” means kneading in a molten state. Specific examples of the organic peroxide include dicumyl peroxide, di-tert-butyl peroxide, 2,5-dimethyl-2,5-di- (tert-butylperoxy) hexane, 2,5- Dimethyl-2,5-di- (tert-butylperoxy) hexyne-3,1,3-bis (tert-butylperoxyisopropyl) benzene, 1,1-bis (tert-butylperoxy) -3,3 , 5-trimethylcyclohexane, n-butyl-4,4-bis (tert-butylperoxy) valerate, benzoyl peroxide, p-chlorobenzoyl peroxide, 2,4-dichlorobenzoyl peroxide, tert-butylperoxybenzoate Tert-butylperoxyisopropyl carbonate, diacetyl peroxide, lauroyl peroxide, tert-butylcumyl peroxide, etc. Can be mentioned.
[0034]
Such an organic peroxide is 0.02 to 0.02 parts per 100 parts by weight of the total amount of the object to be treated, that is, the total amount of the crystalline polyolefin resin (A-1) and the α-olefin copolymer rubber (A-2). The amount used is 3 parts by weight, preferably 0.05 to 1 part by weight. If the blending amount is less than the above range, the resulting thermoplastic elastomer composition has a low degree of cross-linking, and therefore has insufficient heat resistance, tensile properties, elastic recovery, rebound resilience, and the like. Moreover, when there are more compounding quantities than the said range, the thermoplastic elastomer composition obtained may have a too high bridge | crosslinking degree, and may cause a moldability fall.
[0035]
In the present invention, sulfur, p-quinonedioxime, p, p′-dibenzoylquinonedioxime, N-methyl-N, N′-m-phenylenedimaleimide, etc. are used in the partial crosslinking treatment with the organic peroxide. Peroxy crosslinking aids such as divinylbenzene, triallyl cyanurate, ethylene glycol dimethacrylate, polyethylene glycol dimethacrylate, trimethylolpropane trimethacrylate, acrylic methacrylate and other polyfunctional methacrylate monomers, vinyl butyrate or vinyl stearate You may mix | blend a polyfunctional vinyl monomer.
[0036]
By using a compound such as the above-mentioned crosslinking aid, a uniform and mild crosslinking reaction can be expected. Such a crosslinking aid or a compound such as a polyfunctional vinyl monomer is usually 2 parts by weight or less, more preferably 0.3 to 1 part by weight with respect to 100 parts by weight of the whole object to be treated. Used.
[0037]
In order to accelerate the decomposition of organic peroxides, tertiary amines such as triethylamine, tributylamine, 2,4,6-tri (dimethylamino) phenol, aluminum, cobalt, vanadium, copper, calcium, zirconium, manganese Decomposition accelerators such as naphthenates such as magnesium, lead, and mercury may also be used.
[0038]
The dynamic heat treatment in the present invention is preferably performed in a non-open type apparatus, and is preferably performed in an inert gas atmosphere such as nitrogen or carbon dioxide. The temperature ranges from the melting point of the crystalline polyolefin resin (A-1) to 300 ° C., and is usually 150 to 250 ° C., preferably 170 ° C. to 225 ° C. The kneading time is usually 1 to 20 minutes, preferably 1 to 10 minutes. The applied shear force is 10 to 100,000 sec as the shear rate.-1, Preferably 100 to 50,000 sec-1It is.
[0039]
As a kneading apparatus, a mixing roll, an intensive mixer (for example, a Banbury mixer, a kneader), a single-screw or twin-screw extruder can be used, and a non-open type apparatus is preferable.
[0040]
According to the present invention, non-crosslinked or partially crosslinked, which comprises the crystalline polyolefin resin (A-1) and the α-olefin copolymer rubber (A-2), by the dynamic heat treatment described above. An olefinic thermoplastic elastomer composition is obtained.
[0041]
In the present invention, that the thermoplastic elastomer composition is partially crosslinked means that the gel content measured by the following method is 20% or more, preferably 20 to 99.5%, particularly preferably 45 to 98%. When it is within range.
Measurement of Gel Content 100 mg of a sample of a thermoplastic elastomer composition was weighed and cut into 0.5 mm × 0.5 mm × 0.5 mm strips into 30 ml of cyclohexane in a sealed container, 23 After soaking at 48 ° C. for 48 hours, the sample is taken out on a filter paper and dried at room temperature for 72 hours or more until a constant weight is obtained.
[0042]
The weight of all cyclohexane-insoluble components (fibrous filler, filler, pigment, etc.) other than the polymer component and the weight of the crystalline polyolefin resin (A-1) in the sample before cyclohexane immersion are subtracted from the weight of this dry residue. This is the “corrected final weight (Y)”.
[0043]
On the other hand, the α-olefin copolymer (A-2) in the sample is referred to as “corrected initial weight (X)”. Here, the gel content is determined by the following formula.
[0044]
Gel content [wt%] = [corrected final weight (Y) / corrected initial weight (X)] × 100.
[0045]
<Syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B)>
The syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B) used in the present invention contains 99 to 65 mol% of a propylene component having a substantially syndiotactic structure, and an α-olefin component (C2 excluding C3). C20) is preferably contained in an amount of 1 to 35 mol%, and the α-olefin is preferably selected from ethylene, butene and octene. Of these, ethylene is particularly preferred.
[0046]
The syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B) used in the present invention contains 99 to 65 mol%, preferably 95 to 65 mol%, more preferably 90 to 65, of repeating units derived from propylene. It contains 1 to 35 mol%, preferably 5 to 35 mol%, more preferably 10 to 35 mol% of repeating units derived from α-olefin.
[0047]
This syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B) is amorphous and has a Young's modulus of 150 MPa or less, preferably 100 MPa or less, more preferably 50 MPa or less.
[0048]
Such a syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B) has an intrinsic viscosity [η] measured in decalin at 135 ° C. of usually 0.01 to 10 dl / g, preferably 0.5 to 10 dl. / G, more preferably in the range of 1 to 8 dl / g.
[0049]
This syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B) has a single glass transition temperature, and the glass transition temperature (Tg) measured by a differential scanning calorimeter (DSC) is usually −5. It is desirable that the temperature is not higher than ° C, preferably not higher than -10 ° C, more preferably not higher than -20 ° C. When the glass transition temperature (Tg) of the syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B) is within the above range, the cold resistance and the low temperature characteristics are excellent. The molecular weight distribution (Mw / Mn, converted to polystyrene, Mw: weight average molecular weight, Mn: number average molecular weight) determined by gel permeation chromatography (GPC) is preferably 4.0 or less, particularly 3.5 or less. It is preferable that
[0050]
In the present specification, the phrase “substantially syndiotactic structure” means that the syndiotacticity as seen in the triad chain of propylene is 0.6 or more.
[0051]
Here, syndiotacticity as seen from the triad chain of propylene will be explained. The triad syndiotacticity (hereinafter sometimes referred to as “rr fraction”) of this syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B) is the 13 C-NMR spectrum of the polymer (A) and According to the following formula (1), the strength (area) ratio of the side chain methyl group of the second unit of the three linked portions of the propylene unit bonded head-to-tail is obtained.
[0052]
rr fraction (%) = PPP (rr) / {PPP (mm) + PPP (mr) + PPP (rr)} (1)
(Wherein, PPP (mm), PPP (mr), and PPP (rr) are the second unit side of the three-chain unit of propylene units having head-to-tail bonds observed in the following shift region of the 13C-NMR spectrum, respectively. This is the area of the chain methyl group.) Such PPP (mm), PPP (mr), and PPP (rr) each represent a propylene tri-unit chain having the following structure. In addition, in the methyl carbon region (19 to 23 ppm), in addition to the side chain methyl group of the propylene unit in the head-to-tail coupled propylene 3 chain as described above, the side chain of the propylene unit in the following other chain A methyl group peak is observed. When determining the rr fraction, the peak area of the methyl group that is not based on such a three-chain structure of propylene units is corrected as follows. P represents a repeating unit derived from propylene, and E represents a repeating unit derived from an α-olefin.
[0053]
(1) In the second region, a peak derived from the side chain methyl group of the second unit (propylene unit) in the PPE3 chain in which propylene is head-to-tail bonded is observed. The area of this methyl group peak can be determined from the peak area of the methine group (resonance at around 30.6 ppm) of the second unit (propylene unit) in the PPE chain.
[0054]
(2) In the third region, a peak derived from the side chain methyl group of the second unit (propylene unit) in the EPE3 chain is observed. This methyl group peak area can be determined from the peak area of the methine group (resonance at around 32.9 ppm) of the second unit (propylene unit) in the EPE chain.
[0055]
(3) In the second region and the third region, the positions shown in the following partial structures (i), (ii) and (iii) contained in a small amount in the α-olefin / α-olefin random copolymer Peaks derived from methyl groups C to E ′ in irregular units are observed.
[0056]
In the second region, a methyl group C peak, a methyl group D peak, and a methyl group D ′ peak are observed, and in the third region, a methyl group E peak and a methyl group E ′ peak are observed. In the methyl groups in the position irregular units (i) to (iii), the methyl group A peak and the methyl group B peak are observed at 17.3 ppm and 17.0 ppm, respectively, and are not observed in the first to third regions. .
[0057]
The peak area of the methyl group C can be determined from the peak area of the adjacent methine group (resonance near 31.3 ppm). The peak area of the methyl group D can be obtained from ½ of the sum of the peak areas of the peaks (around 34.3 ppm and around 34.5 ppm) based on the αβ methylene carbon of the structure (ii).
[0058]
The peak area of the methyl group D ′ can be obtained from the area of the peak (around 33.3 ppm) based on the methine group adjacent to the methyl group E ′ of the structure (iii). The peak area of the methyl group E can be determined from the peak area of the adjacent methine carbon (near 33.7 ppm). The peak area of the methyl group E ′ can be determined from the peak area of the adjacent methine carbon (around 33.3 ppm).
[0059]
Therefore, by subtracting these peak areas from the total peak areas of the second region and the third region, the peak area of the side chain methyl group of the second propylene unit in the three head-to-tail bonded propylene units can be determined. . Each carbon peak in the spectrum can be assigned with reference to literature (Polymer, 30, 1350 (1989)).
[0060]
Production of syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B)
Such a syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B) has 99 to 65 mol% of repeating units derived from propylene in the presence of the metallocene catalyst shown below, and a repeating derived from α-olefin. It is obtained by copolymerizing propylene and α-olefin so that the unit is 1 to 35 mol%.
[0061]
As such a metallocene catalyst,
(A) a transition metal compound represented by the following general formula (I);
(B) (b-1) a compound that reacts with the transition metal M in the transition metal compound (a) to form an ionic complex,
(B-2) organoaluminum oxy compounds,
(B-3) Organoaluminum compound
And at least one catalyst system comprising at least one compound selected from the group consisting of:
[0062]
[Chemical 1]
[0063]
In the present invention, as the catalyst for producing the syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B), the metallocene catalyst as described above is preferably used, but in some cases, other than the metallocene catalyst. It is also possible to use a conventionally known titanium catalyst comprising a solid titanium catalyst component and an organoaluminum compound, and (2) a vanadium catalyst comprising a soluble vanadium compound and an organoaluminum compound.
[0064]
In the present invention, propylene and α-olefin are usually copolymerized in the liquid phase in the presence of the metallocene catalyst as described above. At this time, a hydrocarbon solvent is generally used, but propylene may be used as a solvent. Copolymerization can be carried out by either a batch method or a continuous method.
[0065]
When a metallocene catalyst is used and copolymerization is carried out by a batch method, the transition metal compound (a) in the polymerization system is usually 0.00005 to 1 mmol, preferably 0.0001 to 1 liter per polymerization volume. The amount used is 0.5 mmol.
[0066]
The ionized ionic compound (b-1) is a molar ratio of the ionized ionic compound to the transition metal compound (a) ((b-1) / (a)), and is 0.5 to 20, preferably 1 to 10. Is used in such an amount.
[0067]
The organoaluminum oxy compound (b-2) has a molar ratio (Al / M) of the aluminum atom (Al) to the transition metal atom (M) in the transition metal compound (a) of 1 to 10000, preferably 10 to 5000. Is used in such an amount that The organoaluminum compound (b-3) is generally used in an amount of about 0 to 5 mmol, preferably about 0 to 2 mmol, per liter of polymerization volume.
[0068]
The copolymerization reaction is usually performed at a temperature in the range of -20 to 150 ° C, preferably 0 to 120 ° C, more preferably 0 to 100 ° C, and a pressure exceeding 0 to 80 kg / cm 2, preferably exceeding 0. Performed under conditions in the range of ˜50 kg / cm 2.
[0069]
The reaction time (average residence time when polymerization is carried out in a continuous process) varies depending on conditions such as catalyst concentration and polymerization temperature, but is usually 5 minutes to 3 hours, preferably 10 minutes to 1.5 hours. It is.
[0070]
Propylene and α-olefin are supplied to the polymerization system in such an amount that a syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B) having a specific composition as described above is obtained. In the copolymerization, a molecular weight regulator such as hydrogen can be used.
[0071]
When propylene and α-olefin are copolymerized as described above, the syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B) is usually obtained as a polymerization liquid containing the same. This polymerization solution is treated by a conventional method to obtain a syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B).
[0072]
The syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B) is 10 to 60 parts by weight, preferably 10 to 50 parts by weight, based on 100 parts by weight of the non-crosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer (A). More preferably, it is contained in 10 to 40 parts by weight. When the syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B) is in this range, the balance between heat resistance and wear resistance of the syndiotactic propylene copolymer composition is excellent.
[0073]
<Crosslinking agent (C)>
In the syndiotactic propylene polymer composition according to the present invention, a crosslinking agent (C) may be added as necessary.
(C) The crosslinking agent may be either an organic peroxide, sulfur or a sulfur compound.
In the case of an organic peroxide, 0.01 to 5 parts by weight, preferably 0.01 to 1 part by weight, per 100 parts by weight of the non-crosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer (A). When used in an amount of sulfur or a sulfur compound, the amount is 1 to 15 parts by weight, preferably 5 to 10 parts by weight, based on 100 parts by weight of the non-crosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer (A). Used.
[0074]
In the syndiotactic propylene polymer composition according to the present invention, if necessary
A crosslinking aid may be included.
[0075]
Specific examples of the crosslinking accelerator include N-cyclohexyl-2-benzothiazole sulfenamide (CBZ), N-oxydiethylene-2-benzothiazole sulfenamide, N, N-diisopropyl-2-benzothiazole sulfenamide , 2-mercaptobenzothiazole, 2- (2,4-dinitrophenyl) mercaptobenzothiazole, 2- (2,6-diethyl-4-morpholinothio) benzothiazole, dibenzothiazyl disulfide, and other thiazole compounds; diphenylguanidine (DPG), guanidine compounds such as triphenylguanidine, diorthonitrile guanidine, orthonitrile biguanide, diphenylguanidine phthalate; acetaldehyde-aniline reaction product, butyraldehyde-aniline condensate, hexamethylenetetramine, acetaldehyde ammonia, etc. Aldehyde amines or aldehyde-ammonia compounds; imidazoline compounds such as 2-mercaptoimidazoline; thiourea compounds such as thiocarbanilide, diethylthiourea, dibutylthiourea, trimethylthiourea, diorthotolylthiourea; tetramethylthiuram monosulfide ; Thiuram compounds such as tetramethylthiuram disulfide, tetraethylthiuram disulfide, tetrabutylthiuram disulfide, pentamethylenethiuram tetrasulfide; zinc dimethyldithiocarbamate, zinc diethyldithiocarbamate, zinc di-n-butyldithiocarbamate, zinc ethylphenyldithiocarbamate , Zinc butylphenyl dithiocarbamate, sodium dimethyldithiocarbamate, dimethyldithiocarbamate Selenium, dithio acid salt-based compounds such as dimethyl dithiocarbamate tellurium; dibutyl xanthate acid xanthate compounds such as zinc; and the like compounds such as zinc white. It is used in an amount of 0.5 to 10 parts by weight per 100 parts by weight of the non-crosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer (A).
[0076]
When the syndiotactic propylene copolymer composition of the present invention contains a crosslinking agent and a crosslinking aid, an ethylene polymer containing a non-conjugated diene is further blended in a small amount as another copolymer. Alternatively, a cross-linked product of the syndiotactic propylene copolymer composition can be obtained by heating or electron beam.
[0077]
In the syndiotactic propylene-based copolymer composition of the present invention, a softener, a tackifier, a weather resistance stabilizer, a heat stabilizer, an antistatic agent, an anti-slip agent, as long as the object of the present invention is not impaired. Additives such as an antiblocking agent, an antifogging agent, a lubricant, a pigment, a dye, a plasticizer, an antiaging agent, a hydrochloric acid absorbent, and an antioxidant may be blended as necessary. Also, other copolymers can be blended in small amounts without departing from the spirit of the present invention.
[0078]
The syndiotactic propylene polymer composition according to the present invention can be produced by employing any known method. For example, 100 parts by weight of an uncrosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer (A) 10 to 60 parts by weight of a syndiotactic propylene-α-olefin copolymer (B), 0 to 10 parts by weight of a cross-linking agent (if necessary), and other components optionally added to the extruder It is obtained by melting and kneading all together using a kneader or the like.
[0079]
<Molded body>
The syndiotactic polypropylene composition according to the present invention as described above can be widely used for conventionally known polyolefin applications. In particular, the polyolefin composition can be used as a sheet, an unstretched or stretched film, a pipe, a wire coating, a filament, It can be used by forming into other various shaped articles.
[0080]
Specifically, the molded body can be obtained by a known thermoforming method such as extrusion molding, injection molding, inflation molding, blow molding, extrusion blow molding, injection blow molding, press molding, vacuum molding, calendar molding, foam molding and the like. A molded body is mentioned. Hereinafter, the molded body will be described with several examples.
[0081]
When the molded product according to the present invention is, for example, an extrusion molded product or an injection molded product, its shape and product type are not particularly limited, and examples thereof include a sheet, a film (unstretched), a pipe, a hose, a wire coating, and a filament. In particular, a sheet, a skin material, an automobile inner / outer layer material and the like are preferable.
[0082]
When extruding and injection-molding the syndiotactic polypropylene composition, conventionally known extrusion apparatuses, injection apparatuses and molding conditions can be employed. Further, at the time of extrusion molding, crosslinking treatment can also be performed with an electron beam or γ-ray.
[0083]
【The invention's effect】
The syndiotactic propylene-based copolymer composition according to the present invention maintains rubber elasticity by blending a syndiotactic propylene-based copolymer with a non-crosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic resin, A syndiotactic propylene copolymer composition having an excellent balance between wear resistance and heat resistance can be obtained.
[0084]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated further more concretely based on an Example, this invention is not limited at all by this Example.
[0085]
The physical property test conditions are described below.
[Tensile test]
1. Tensile modulus;
In accordance with JIS K6301, using JIS No. 3 dumbbell, span: 30mm,
Tensile speed: measured at 23 ° C. at 30 mm / min.
[0086]
2. Needle penetration temperature: TMA (° C);
In accordance with JIS K7196, using a test piece with a thickness of 2 mm, a pressure of 2 Kg / cm 2 was applied to a flat indenter with a temperature rise rate of 5 ° C./min at a temperature of 5 mm / min.
The entry temperature (° C) was determined.
[0087]
3. Abrasion resistance test
Using a Toyo Seiki, Gakushoku Abrasion Tester, using a 2 mm thick test piece, the tip of a 470 g wear indenter made of 45R, SUS is covered with cotton canvas # 10, and this is 23 ° C. and 100 reciprocations. The sample was worn at a reciprocating speed of 33 times / min and a stroke of 100 mm, and the gloss change rate ΔGloss before and after that was determined as follows.
[0088]
ΔGloss = (Gloss before wear−Gloss after wear) / Gloss before wear × 100
4). JIS A hardness;
JIS A hardness (HS) was measured according to JIS K 6301.
5. Permanent elongation: measured in accordance with JIS K 6301. However, the held length was a length corresponding to 100% elongation.
[0089]
[Melting point (Tm) and glass transition temperature (Tg)]
An endothermic curve of DSC is obtained, and the temperature at the maximum peak position is defined as Tm.
[0090]
In the measurement, the sample is packed in an aluminum pan, heated to 200 ° C. at 100 ° C./min, held at 200 ° C. for 5 minutes, lowered to −150 ° C. at 100 ° C./min, and then increased at 10 ° C./min. It was determined from the endothermic curve when warming.
[0091]
The degree of crystallinity (%) can be obtained by obtaining the heat of fusion per unit weight from the endothermic peak at the time of DSC measurement and dividing this by the heat of fusion of polyethylene crystals of 70 cal / g.
[0092]
[Intrinsic viscosity [η]]
Measurements were made at 135 ° C. in decalin.
[0093]
[Mw / Mn]
GPC (gel permeation chromatography) was used and measured at 140 ° C. with an orthodichlorobenzene solvent.
[0094]
[Synthesis Example 1]
(Synthesis of syndiotactic propylene / ethylene copolymer)
750 ml of heptane was added at room temperature to a 1.5 liter autoclave that had been dried under reduced pressure and purged with nitrogen, and then a 1.0 mmol / ml toluene solution of triisobutylaluminum (hereinafter abbreviated as TIBA) was converted to aluminum atoms. Then, 0.3 ml was added so that the amount became 0.3 mmol, 50.7 liters of propylene (25 ° C., 1 atm) was inserted with stirring, and the temperature was raised to reach 30 ° C. Thereafter, the system was pressurized with ethylene to 5.5 kg / cm 2 G, and a heptane solution (0.0002 mM / ml) of diphenylmethylene (cyclopentadienyl) fluorenylzirconium dichloride synthesized by a known method was added. .75 ml, 2.0 ml of a toluene solution (0.002 mM / ml) of (triphenylcarbenium tetra (pentafluorophenyl) borate) was added to initiate copolymerization of propylene and ethylene. The catalyst concentration at this time was 0.001 mmol / liter of diphenylmethylene (cyclopentadienyl) fluorenylzirconium dichloride and 0.004 mmol / liter of triphenylcarbenium tetra (pentafluorophenyl) borate relative to the entire system. Liters.
[0095]
During the polymerization, ethylene was continuously supplied to maintain the internal pressure at 5.5 kg / cm 2 G. 30 minutes after starting the polymerization, the polymerization reaction was stopped by adding methyl alcohol. After depressurization, the polymer solution is taken out, and the polymer solution is washed with a ratio of 1: 1 of “an aqueous solution in which 5 ml of concentrated hydrochloric acid is added to 1 liter of water” to remove the catalyst residue. The water phase was transferred. After this catalyst mixed solution was allowed to stand, the aqueous phase was separated and removed, and further washed twice with distilled water, and the polymerization liquid phase was separated into oil and water. Subsequently, the polymer liquid phase separated from oil and water was brought into contact with 3 times the amount of acetone under strong stirring to precipitate a polymer, and then sufficiently washed with acetone, and the solid part (copolymer) was collected by filtration. It dried for 12 hours at 130 degreeC and 350 mmHg under nitrogen circulation. The yield of the propylene / ethylene copolymer thus obtained was 50 g, the intrinsic viscosity [η] measured in decalin at 135 ° C. was 2.4 dl / g, and the glass transition temperature Tg was −28 ° C. The ethylene content was 24.0 mol% and the molecular weight distribution (Mw / Mn) measured by GPC was 2.9.
[0096]
Moreover, substantially no melting peak was observed under the above-mentioned DSC measurement conditions.
[0097]
[Example 1]
The syndiotactic propylene / ethylene copolymer (B-1) obtained in Synthesis Example 1 above with respect to 100 parts by weight of Miralastomer 5030N manufactured by Mitsui Chemicals, Inc., an uncrosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer 25 parts by weight was added, and a syndiotactic polypropylene composition was obtained by melt mixing. The obtained composition was subjected to melt press molding at 200 ° C., and physical properties were evaluated with a desired test shape.
[0098]
This composition had a tensile modulus of 7 MPa, a TMA of 130 ° C., a gloss change rate Δgloss of 20 before and after abrasion, a permanent elongation of 7, and a JIS A hardness of 45.
[0099]
[Example 2]
In Example 1 above, the syndiotactic propylene / ethylene copolymer (B-1) obtained in Synthesis Example 125The same operation as in Example 1 was conducted except that the weight part was changed to 50 parts by weight. The obtained composition was subjected to melt press molding at 200 ° C., and physical properties were evaluated with a desired test shape.
[0100]
This composition had a tensile modulus of 7 MPa, a TMA of 130 ° C., a gloss change rate Δgloss before and after abrasion of 10, a permanent elongation of 9, and a JIS A hardness of 35.
[0101]
[Comparative Example 1]
Non-crosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer, Mitsui Chemical Co., Ltd., Miralastomer 5030N was melt-press molded at 200 ° C., and physical properties were evaluated in a desired test shape.
[0102]
This composition had a tensile modulus of 3 MPa, a TMA of 154 ° C., a gloss change rate Δgloss before and after abrasion of 96, a permanent elongation of 8, and a JIS A hardness of 50.
Claims (3)
実質的にシンジオタクティック構造であるプロピレン成分を90〜65モル%の量含み、αオレフィン成分(C3を除くC2〜C20)を10〜35モル%の量含む非晶性シンジオタクティック構造プロピレン−αオレフィン共重合体(B)25〜60重量部
(C)架橋剤0〜10重量部
を含有するシンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物。The propylene component having a substantially syndiotactic structure is included in an amount of 90 to 65 mol% with respect to 100 parts by weight of the non-crosslinked or partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer (A), and the α-olefin component (C2 excluding C3) -C20) in an amount of 10 to 35 mol% of an amorphous syndiotactic structure propylene-α-olefin copolymer (B) 25-60 parts by weight (C) a syndiotactic containing 0-10 parts by weight of a crosslinking agent Propylene-based copolymer composition.
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