JP3945063B2 - 周回衛星及びそのシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は地球上空の低軌道を周回する周回衛星及びそのシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来の地球を周回する衛星システムで一般に用いられている衛星の一例を示す。図10において1は地球、2は太陽、3は太陽光、4は衛星本体15に設けられた地球センサ、5は衛星本体15に設けられた2つの太陽センサ、11は衛星の進行方向、15は立方体形状の衛星本体、16は展開型の太陽電池パネル、17は展開型の太陽電池パネル16の回転機構、18は衛星の周回軌道、19は衛星本体15の内部中央に搭載された燃料タンクを示す。従来の衛星はこのように構成され、地球センサ4で地球を指向するようにロール角、ピッチ角を制御し、太陽センサ5で軌道上の位置に応じた太陽の方向が所定方向となるようにヨー角を制御することにより、衛星の3軸の姿勢制御を行って安定に周回軌道18上を周回する。
【0003】
従来この種の衛星を用いて低軌道で地球を周回する衛星が実用化されていたが、その周回軌道18の高度は約500〜1000km程度であったので、地球の大気による空気抵抗の影響は無視でき、空気抵抗の軽減については考慮する必要がなかった。そのため図10のように衛星本体15の形状は、内部に搭載するコンポーネントの実装密度を高くできること、姿勢制御の簡素化と容易性のために重心を衛星本体中心とし各方向の慣性モーメントの均一化が図れること、および衛星本体15のサイズを左右する大きな燃料タンク19を中央に配置することができることから、ほぼ立方体形状となっていた。
【0004】
展開型の太陽電池パネル16も、太陽エネルギー吸収効率が最大となるように、衛星進行方向11に対して概ね垂直な方向を向いており、空気抵抗が大きくなるような軌道上での飛行には不向きであった。
【0005】
また、展開型の太陽電池パネル16は周回軌道18の位置によらず、常に太陽光3を受けるように制御を行うため、回転機構17の軸周りのみ回転できる構造となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
現在、全地球的通信、観測を行うことを目的として、高度約300km前後の低軌道に衛星を多数配置した衛星システムが要望されている。この種の衛星システムにおいては、小型かつ軽量で長期間の高信頼性を要求しない低コストの衛星が有効であるため、そのミッションは大気温度測定のみを行うことなどのように単一化が図られ、軌道上運用期間は1年〜2年の短期寿命となる。また小型化、軽量化のために、高度約500km以上では無視されていた大気中の窒素、酸素分子密度が立方センチあたり数万〜数十万倍に増加するため、その影響を十分考慮して空気抵抗を小さくする必要がある。しかしながら、従来の立方体形状の衛星本体15を、このような低軌道で周回させた場合は大気密度の影響による空気抵抗が大きく、飛行速度が減少し遠心力と重力のバランスが崩れ、その結果重力の影響により衛星の軌道高度の低下が顕著となる。また、その高度を維持するためには衛星本体15に搭載されたスラスターで、空気抵抗により軌道低下した分だけ軌道上昇させる必要があり、このために多くの燃料が必要となり、燃料タンク19を小型化、軽量化することは難しく、よって空気抵抗を小さくするような衛星の小型化、軽量化の実現が困難になるといった問題が顕在化していた。
【0007】
特に、衛星本体15の質量、容積に占める燃料の割合は大きく、燃料タンク19をいかに小さくし、どこに配置するかが、衛星本体15のサイズと制御の簡素化、容易性を左右する大きな課題となっている。
【0008】
また、従来衛星の展開型の太陽電池パネル16は、衛星の進行方向11に対して垂直な方向を向いており空気抵抗が大きい。
【0009】
一方、係る課題を解決するために例えば従来のスピン型衛星のように太陽電池を衛星本体15の全周にボディマウントすると太陽電池による空気抵抗が小さく出来るが、ボディマウントの場合は太陽光3を有効に吸収する太陽電池面積は全体の半分以下となり、太陽電池の発生エネルギーに対する太陽電池の重量効率が悪い。また多数の異なる軌道を周回する場合は、軌道によって太陽光3の方向に太陽電池面が向かない場合があり、スピン衛星ではボディマウントした太陽電池面を太陽光3に垂直になるよう傾けられないので十分なエネルギーの確保が出来ない。
【0010】
また、低軌道に多数の衛星を配置する場合、飛行軌道によって衛星から見た地球1と太陽2の相対関係が大きく異り、太陽エネルギー確保のために飛行軌道によって太陽電池パネル16のサイズ及び、配置を変える必要が生じて来るが、そのために飛行軌道に応じて数種類の衛星を設計、製造することになりコストが増大する。
【0011】
この発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、低軌道を周回する衛星の衛星本体15及び太陽電池パネル16の空気抵抗を小さくすることを目的とするものである。
また、太陽光3を十分に吸収するための機能を備え、特に飛行軌道によらず太陽電池パネル16のサイズと配置を同一とすることを可能とする周回衛星及びそシステムを得ることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明による周回衛星は、搭載機器を収納できる大きさの範囲で、衛星進行方向における衛星本体の断面積を小さくし、細長い形状とするものである。
【0013】
第2の発明による周回衛星は、第1の発明において、太陽電池パネルの長手方向が衛星本体の長手方向を向くように、衛星本体に配置した太陽電池パネルを備えたものである。
【0014】
第3の発明による周回衛星は、第1もしくは第2の発明において、衛星の軌道高度を維持する所要の燃料を積んだ小型の燃料タンクを、衛星本体の略中央に配置するものである。
【0015】
第4の発明による周回衛星は、第2の発明において、太陽電池パネルを衛星本体の長手方向を中心に回転可能な角度可変部と、衛星の軌道位置に応じて太陽光の入射角度が適切となるよう太陽電池パネルを回動する駆動手段とを備えるものである。
【0016】
第5の発明による周回衛星は、第2の発明において、太陽電池パネルを衛星本体の長手方向に傾斜可能な伸縮支持部と、衛星の軌道位置に応じて太陽光の入射角度が適切となるよう太陽電池パネルの角度を変える駆動手段とを備えるものである。
【0017】
第6の発明による周回衛星は、第2の発明において、太陽電池パネルを衛星本体の長手方向を中心に回転可能な角度可変部と、太陽電池パネルを衛星本体の長手方向に傾斜可能な伸縮支持部を備え、衛星の軌道位置に応じて太陽光の入射角度が適切となるように、その角度可変部および伸縮支持部を駆動し太陽電池パネルの角度を変える手段とを備えたものである。
【0018】
第7の発明による周回衛星は、地球上空の低軌道の異なる任意の軌道に請求項6の衛星を多数配置したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は高度約300km前後の低軌道で地球を周回する周回衛星に関し、この発明の実施の形態1を説明する図である。図1において、6は細長い形状の衛星本体、20は細長い形状の衛星本体6内部の中央に搭載された小型燃料タンク、23は軌道高度維持のため地球へ向けられたスラスターを示す。地球センサ4は衛星の進行方向11の前部において地球を向く方向に設け、太陽センサ5は衛星の進行方向11の前と後ろに設ける。また、展開型の太陽電池パネル16は従来と同様衛星の進行方向11に対して垂直な方向を向ける。尚、地球センサ4及び太陽センサ5の位置と個数は上記以外でもよい。
【0020】
図1において、衛星の進行方向11に対して、衛星本体6を細長形状とする進行方向11の断面積が減り空気抵抗が小さくなる。衛星本体6の空気抵抗は、その先端形状による抵抗係数と進行方向の断面積によって決まるが、抵抗係数を小さくする事には限界があり、また衛星本体6の内部及び外部に機器を搭載する必要があるので、先端形状を変えて搭載制約を増やすよりも、先端形状は変えずに断面積を小さくして細長くする。この場合特に、従来の立方体形状と容積が同じ場合、衛星の進行方向11の断面積を約半分程度とすることによって空気抵抗が激減する。このため細長化の比率としては衛星の進行方向11の断面積を約半分以下とし、機器の搭載が可能な限り断面積を小さくすることが望ましい。また、今後機器の小型化、軽量化、薄型化が進めば更に断面積は減少し、容積、重量の減少も加味するとその相乗効果は大きくなる。
【0021】
一方、衛星本体6の断面積を小さくすることで、空気抵抗が減り、軌道高度維持のための燃料が削減出来ることから、従来の衛星本体6のサイズを左右していた燃料タンク19も小型燃料タンク20とすることができるため、その結果衛星本体6の断面積をさらに小さくできるとともに機器の搭載スペースを広く確保することが可能となる。
【0022】
尚、姿勢制御の面では、衛星の細長形状方向の重心が中央となるよう機器配置上の配慮が必要である。また、衛星本体6を細長形状とした場合に細長形状方向の慣性モーメントが大きくなるが、空気抵抗を考慮する必要のある超低軌道においてはその空気抵抗により、慣性モーメントが大きい分姿勢が安定するのでその影響はキャンセルされる。
【0023】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2を説明する図である。図2において、10は衛星本体6に密着させた展開しない太陽電池パネルである。太陽電池パネル10の長手方向が衛星本体6の長手方向を向くように、太陽電池パネル10を衛星本体6に密着させると、衛星の進行方向11に対する有効断面積が減り空気抵抗が小さくなる。この場合、実施の形態1よりも更に空気抵抗を小さくすることが可能となる。尚、その他の構成は実施の形態1と同じとする。
【0024】
実施の形態3.
図3〜図5はこの発明の実施の形態3を説明する図である。図3は実施の形態2の衛星で太陽光3を効率よく吸収できるように、実施の形態2における衛星本体6に密着させた太陽電池パネル10の角度を、進行方向11に対して左右に変えるための制御ギヤ21と駆動ギヤ22から成る角度可変部7と、太陽電池パネル10の四隅と角度可変部7を結合して太陽電池パネル10の角度の変化量を伝えるための支持部8とを設けた状態を説明する図である。一方、図4は進行方向11の前後方向に太陽電池パネル10の角度を変えるために、太陽電池パネル10の支持部を自在に伸縮させるもので、図3の角度可変部7と支持部8の代わりに、太陽電池パネル10の四隅を回転可能なジョイントで支持し、円筒状で径の違う複数の支持棒が自動車のアンテナのように電動でリニアに伸縮する伸縮支持部9を設けた状態を説明する図である。図5は、図3にある角度可変部7と図4にある伸縮支持部9を兼ね備えることにより、その角度可変量と伸縮量の組み合わせを用いることで太陽電池パネル10の向きが自在に変化可能となる状態を説明する図である。
【0025】
図3の構成においては、衛星は地球センサ4で地球1を捕捉して進行方向11の方向へ飛行しながら、太陽センサ5で太陽光3を捕らえ、太陽2の方向を検知する。検知された信号が角度可変部7の内部にある制御ギヤ21の回転量を決め、制御ギヤ21の回転が駆動ギヤ22へ伝達される。駆動ギヤ22に固定されている太陽電池パネル10の支持部8が一緒に回転することにより、太陽電池パネル10を進行方向11の左または右方向にある太陽光3へ傾けることで、太陽エネルギーの吸収効率を上げる。尚、角度可変部7はギヤによる例を挙げたが、これ以外の機構のものでもよい。
【0026】
図4の構成において伸縮支持部9は、太陽2の方向を検知した信号に基づいて、円筒状で径の違う複数の支持棒の先端部を、自動車のラジオアンテナのようにワイヤで固定して、そのワイヤを電動モータで巻き取ることで円筒状の棒を縮めて短くしたり、その逆にワイヤを伸ばすことで円筒状の棒を長くする構造を有する。この4本の伸縮支持部9の長さを決めて、各伸縮支持部9を伸縮変化させることで、太陽電池パネル10を進行方向11の前後方向にある太陽光3へ傾けることによって太陽エネルギーの吸収効率を上げることができる。尚、伸縮支持部9は自動車のラジオアンテナによる例を挙げたが、これ以外の機構のものでもよい。
【0027】
図5は、上記図3にある太陽電池パネル10の角度可変部7と図4にある太陽電池パネル10の伸縮支持部9を兼ね備えるもので、太陽2の方向を検知した信号に基づいて、角度可変部7と伸縮支持部9の両方の動作を最適に制御することにより、太陽電池パネル10を傾ける向きを進行方向11の左右又は前後方向に限定せず、自在に変化させることができる。
【0028】
実施の形態4.
図6〜図9は衛星を異なる軌道に多数配置するケースを示す図である。図6(a)はその軌道例、図6(b)〜(d)は実施の形態2のように細長い形状の衛星本体6と、衛星本体6に密着させる太陽電池パネル10を有する衛星を配置するケースを示す図であり、図7〜図9は実施の形態3のように太陽電池パネル10の向きを自在に変化させる角度可変部7と伸縮支持部9を兼ね備えた衛星を配置するケースを示す図であり、それぞれの軌道における地球1と太陽2と太陽電池パネル10の位置関係を示す。
【0029】
図6(a)は、衛星を多数配置する軌道を示す。12は常に太陽光へ太陽電池パネルが対向する軌道例、13は常に太陽光へ一部しか太陽電池パネルが向かない軌道例、14はある周回位置だけは太陽光へ太陽電池パネルがよく対向する軌道例を示す。
【0030】
図6(b)のような、常に太陽光3へ太陽電池パネル10が対向する軌道例12を飛行する場合、太陽電池パネル10は常に同じ方向を向くので、太陽光3の吸収量が最大となる。
【0031】
図6(c)のような、常に太陽光3へ一部しか太陽電池パネル10が向かない軌道例13を飛行する場合、太陽電池パネル10は常に傾きながら違う方向を向くので、太陽光3の吸収量が一番小さくなる。
【0032】
図6(d)のような、ある周回位置だけは太陽光3へ太陽電池パネル10がよく対向する軌道例14を飛行する場合、太陽電池パネル10は常に違う方向を向くので、周回位置によって太陽光3を十分吸収できる時と、太陽光の吸収量が小さくなる時がある。
【0033】
従って、図6(b)〜図6(d)に示すように、太陽電池パネル10の向きを変える角度可変部7あるいは伸縮支持部9を使用しない状態の衛星を配置する場合、どの軌道でも空気抵抗を小さく出来るが、軌道により太陽光3の吸収量にバラツキがあるので、電力量の制約が生ずる。
【0034】
電力量の制約をなくすためには、飛行軌道によって太陽電池パネル10のサイズを大きくする、或いは飛行軌道によって太陽電池パネル10の配置位置を変えることで太陽光3の吸収量を増加させる方法があるが、それらを達成するには、異なる種類の衛星を設計、製作することになり大幅なコスト増となる。
【0035】
図5のように、角度可変部7及び伸縮支持部9を兼ね備えた衛星を、図6(a)に示す異なる軌道に配置した場合の、飛行状態を図7〜図9に示す。太陽電池パネル10の角度可変部7及び伸縮支持部9を自在に変化させることにより、太陽電池パネル10を任意の角度に傾けることが出来るので、軌道によらず同一の衛星で、太陽光3を十分吸収でき、必要な電力量を確保した運用が可能となる。
【0036】
図7のような、常に太陽光3へ太陽電池パネル10が対向する軌道例12を飛行する場合、図6(b)と同様に太陽電池パネル10は常に同じ方向を向くので、十分な太陽光3が吸収でき、太陽電池パネル10を傾ける必要はない。
【0037】
図8は、常に太陽光3へ一部しか太陽電池パネル10が向かない軌道例13を飛行する場合を示す。図8(a)は、図8(b)を矢視Aの方向から見た図である。図8において、太陽2に並行に飛行する位置では、角度可変部7により図8(b)の図で、太陽電池パネル10の下側を持ち上げて太陽光3の方向へ向くよう傾けることにより太陽光3の吸収率が上がる。また太陽2と垂直に飛行する位置では、衛星進行方向11の前側(もしくは後ろ側)の太陽電池パネル10の伸縮支持部9を伸ばし、衛星進行方向の後ろ側(もしくは前側)の太陽電池パネル10の伸縮支持部9を縮めることで太陽電池パネル10を太陽2の方向へ向くよう傾ける。この時更に、衛星進行方向11の前側及び後側の両端の伸縮支持部9の長さに差をつけて、図8(b)の図で下側を長くすると衛星進行方向11の左右方向について太陽電池パネル10が太陽光3に対して垂直となり、更に太陽光3の吸収率を上げることができる。尚、太陽2と垂直に飛行する際、衛星進行方向11の前方側の伸縮支持部9を長くすると、太陽電池パネル10による空気抵抗が少し増えるが、従来の衛星のように進行方向11に対して太陽電池パネル10が垂直面となる場合と比べると、進行方向11に対する有効断面積は小さいので、空気抵抗は小さい。
【0038】
図9は、ある周回位置だけは太陽光3へ太陽電池パネル10がよく対向する軌道例14を飛行する場合を示す。図9(a)は、図9(b)を矢視Bの方向から見た図である。図9において太陽2に並行に飛行する位置では、図7と同様に太陽電池パネル10は太陽2へ向いており、十分な太陽光3が吸収できるため、太陽電池パネル10を傾ける必要はない。また太陽2と垂直に飛行する位置では、図8と同様に伸縮支持部9により太陽電池パネル10を太陽2の方向へ向くよう傾けることにより、太陽光3の吸収率が上がる。
【0039】
従って、図7〜図9に示すように、衛星密着型太陽電池パネル10の角度可変部7及び伸縮支持部9を有する衛星システムを異なる軌道に配置する場合、どの軌道でも太陽光3の吸収率がよくなるので、電力量による運用の制約が解消出来る。
【0040】
【発明の効果】
第1の発明によれば、衛星本体を細長い形状とすることで空気抵抗が小さくなる。
【0041】
第2の発明によれば太陽電池パネルの長手方向を衛星本体の長手方向に向けて配置することで空気抵抗が小さくなるので、大気密度の影響のある地球上空の低軌道を周回する衛星の軌道高度維持に必要な燃料が削減され、小型化、軽量化が可能となり、低コスト化につながる。
【0042】
第3の発明によれば、小型燃料タンクを衛星中央に配置することで、第1の発明の衛星本体が細長い形状においても、質量特性のバランスがよくなり制御の簡素化、容易性に効果がある。
【0043】
第4の発明によれば、太陽電池パネルの角度可変部により衛星進行方向の左右方向に太陽が位置する場合の太陽エネルギー吸収効率が向上する。
【0044】
第5の発明によれば、太陽電池パネルの伸縮支持部により衛星進行方向の前後方向に太陽が位置する場合の太陽エネルギー吸収効率が向上する。
【0045】
第6の発明によれば太陽電池パネルの角度可変部と伸縮支持部の両方の動作を最適に制御することにより、衛星進行方向に対する太陽方向によらずに、太陽電池パネルを自在に傾けて、太陽電池エネルギー吸収効率をより向上できる。
【0046】
第7の発明によれば、異なる軌道に多数の衛星を配置するシステムにおいて、飛行軌道によらず同一な衛星で運用可能となり、ひいては低コストとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による、細長形状の衛星本体を有する衛星を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による、衛星本体に密着する太陽電池パネルを有する衛星を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態3による、太陽電池パネルの角度可変部を有する衛星を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態3による、太陽電池パネルの伸縮支持部を有する衛星を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態3による、太陽電池パネルの角度可変部と伸縮支持部を兼ね備えた衛星を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態4による、太陽電池パネルの角度可変部を有しない衛星を、異なる軌道に配置した場合の飛行ケースを示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態4による、太陽電池パネルの角度可変部と伸縮支持部を兼ね備えた衛星を、軌道例12に配置した場合の飛行ケースを示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態4による、太陽電池パネルの角度可変部と伸縮支持部を兼ね備えた衛星を、軌道例13に配置した場合の飛行ケースを示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態4による、太陽電池パネルの角度可変部と伸縮支持部を兼ね備えた衛星を、軌道例14に配置した場合の飛行ケースを示す図である。
【図10】 従来の衛星の例を示す図である。
【符号の説明】
1 地球、2 太陽、3 太陽光、4 地球センサ、5 太陽センサ、6 衛星本体、7 角度可変部、8 支持部、9 伸縮支持部、10 太陽電池パネル、11 進行方向、12 常に太陽光へ太陽電池パネルが対向する軌道例、13常に太陽光へ一部しか太陽電池パネルが向かない軌道例、14 ある周回位置だけは太陽光へ太陽電池パネルがよく対向する軌道例、15 衛星本体、16 太陽電池パネル、17 回転機構、18 周回軌道、19 燃料タンク、20 小型燃料タンク、21 制御ギヤ、22 駆動ギヤ、23 スラスター。
Claims (2)
- 地球上空の低軌道を周回し軌道に沿って進行する周回衛星において、
進行方向における断面積を同容積の立方体の断面積の半分以下程度に小さくし、内部に搭載機器を収納できる搭載スペースを有するように細長い形状とした衛星本体と、
長手方向が前記衛星本体の長手方向を向くように、衛星本体の進行方向側面に対向配置した太陽電池パネルと、
前記衛星本体の略中央に収容され、前記周回衛星の軌道高度を維持する所要の燃料を積んだ小型の燃料タンクと、
前記太陽電池パネルを前記衛星本体の長手方向を中心に左右に回転可能な角度可変部と、
前記太陽電池パネルを前記衛星本体の長手方向に傾斜可能なように前記角度可変部に対して伸縮可能な伸縮支持部とを備え、
前記周回衛星の軌道位置に応じて太陽光の吸収量が適切となるように、前記角度可変部および伸縮支持部を駆動し太陽電池パネルの傾斜角度を変えることを特徴とする周回衛星。 - 地球上空の低軌道の異なる任意の軌道に請求項1記載の前記周回衛星を多数配置したことを特徴とする周回衛星システム。
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