JP3943930B2 - 中継装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線を用いて通信を行う中継装置に関し、特にコンピュータとその周辺機器との中継を行う中継装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
有線でコンピュータと接続されていたマウスやキーボードは、接続の煩わしさの解消や操作性の向上を図るため、近年ではワイヤレス化されることが多い。このワイヤレス化の方法として電磁式や赤外線式などがあるが、電磁式は、赤外線式のように赤外線ポート同士を有効範囲内かつ有効角度内で向き合わせる必要がなく、周囲に物体が存在しても電波が回り込んだり反射したりして通信することが可能であるため、赤外線式と比較し多く用いられている。しかし、電磁式を用いた場合でも、電波の強さが変動するフェージング現象により通信ができないことがある。
【０００３】
このような通信状態を使用者が認識できるように、コンピュータ本体またはキーボードのようなＩ／Ｏ装置に表示手段を設け、両者間の伝送路が適正であるか否かを、チェック信号またはデータ信号を送受信することにより受信レベルを判定し、その判定結果を表示手段を用いて表示する情報処理装置が特開平５−１０８２２０公報に開示されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報のチェック信号は、周辺機器であるマウスやキーボードの電源である電池を用いるため、電池の消耗を早めることになる。また、情報処理装置またはＩ／Ｏ装置に送受信部が搭載されるため、受信状態によっては情報処理装置またはＩ／Ｏ装置を良好な受信状態となる位置に移動しなければならず、使い勝手が良くない。
【０００５】
本発明は、このような問題点に鑑み、周辺機器との間でチェック信号を用いることなく受信信号レベルを表示することを可能とするとともに、周辺機器やコンピュータを移動させることなく良好な受信状態を確保できる中継装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明は、コンピュータと該コンピュータの周辺機器との中継を行う中継装置において、前記周辺機器でディジタル変調方式で変調され、送信された信号を受信するアンテナと、前記アンテナで受信した信号から所定の周波数成分を通過させるフィルタと、前記フィルタを通過した信号に対して前記ディジタル変調方式に対応した復調を行う復調回路と、前記フィルタを通過した信号を整流・平滑した信号のレベルを測定する受信レベル測定手段と、該受信レベル測定手段で測定した測定結果に基づいて受信状態を表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【０００７】
請求項１によれば、周辺機器からコンピュータへのデータなどが搬送された電波をアンテナで受信し、フィルタを通した信号のレベルを受信信号レベルとして測定することにより、特別なチェック信号を用いなくても受信信号レベルを測定することが可能な中継装置を提供することができる。
【０００８】
請求項２に記載の発明は、前記表示手段は、発光ダイオードを１つ以上有し、前記測定結果に基づき前記発光ダイオードを点灯・消灯・点滅させることを特徴とする。
【０００９】
請求項２によれば、表示手段として発光ダイオードを１つ以上設け、それら発光ダイオードを点灯・消灯・点滅することにより、受信信号レベルを使用者に認識させることが可能な中継装置を提供することができる。またこの場合、発光ダイオードの個数を増やすことにより、より詳細な受信信号レベルを使用者に認識させることが可能な中継装置を提供することができる。
【００１０】
請求項３に記載の発明は、前記表示手段は、文字を表示する文字表示手段を有し、前記受信状態に対応した文字情報を前記文字表示手段に表示することを特徴とする。
【００１１】
請求項３によれば、表示手段としてＬＣＤなどの文字を表示する手段を設け、そのＬＣＤに受信信号レベルを表示する。この場合、ＬＣＤに数字を表示したり、あるいは「強、中、弱」のように漢字で表示したりすることにより、より詳細な受信信号レベルを使用者に認識させることが可能な中継装置を提供することができる。
【００１２】
請求項４に記載の発明は、コンピュータと該コンピュータの周辺機器との中継を行う中継装置において、前記周辺機器でディジタル変調方式で変調され、送信された信号を受信するアンテナと、前記アンテナで受信した信号から所定の周波数成分を通過させるフィルタと、前記フィルタを通過した信号に対して前記ディジタル変調方式に対応した復調を行う復調回路と、前記フィルタを通過した信号を整流・平滑した信号のレベルを測定する受信レベル測定手段とを有し、前記受信レベル測定手段で測定した測定結果を前記コンピュータに送信し、前記コンピュータが有する表示装置に前記測定結果に基づいて表示させることを特徴とする。
【００１３】
請求項４によれば、文字やグラフィックなど多彩な表示が可能なコンピュータの表示装置に受信信号レベルを表示することにより、文字での表現やグラフィックによる表現など種々の方法で受信信号レベルを表示することができる。また、表示機能を表示装置が行うことにより、中継装置は表示機能が不必要となり、中継装置の小型化やコストの低減が可能な中継装置を提供することができる。
【００１６】
請求項５に記載の発明は、前記周辺機器との間の変調方式として、ディジタル振幅変調方式、ディジタル周波数変調方式、ディジタル位相変調方式、スペクトラム拡散変調方式のいずれか１つの方式を用いることを特徴とする。
【００１７】
請求項５によれば、従来からモデムなどに用いられている方式を用いることができるため、簡易に実装を行えるとともに、例えばディジタル周波数変調方式を用いることにより、フェージングの影響をほとんど受けない中継装置を提供することができる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
以下、３種類の本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、その説明に先立ち、それら実施の形態に共通であるシステム全体構成、ワイヤレスキーボード、ワイヤレスマウスについて説明する。
【００１９】
最初にシステムの全体構成を図１に示す。図１には、中継装置１０と、ワイヤレスキーボード１２と、ワイヤレスマウス１４と、コンピュータ１６と、表示装置１８とが示されている。このシステムは、図１に示されるように、中継装置１０がコンピュータ１６と有線で接続され、ワイヤレスキーボード１２とワイヤレスマウス１４からのデータを無線で受信し、受信したデータをコンピュータ１６に送信するシステムである。また、中継装置１０と、ワイヤレスキーボード１２またはワイヤレスマウス１４間の無線の変調方式として、ディジタル振幅変調（ASK: Amplitude Shift Keying）方式、ディジタル周波数変調（FSK: Frequency Shift Keying）方式、ディジタル位相変調（PSK: Phase Shift Keying）方式あるいはスペクトラム拡散変調（SS: Spread Spectrum）方式などを用いている。
【００２０】
次に、ワイヤレスキーボード１２とワイヤレスマウス１４のブロック図を説明する。まず、ワイヤレスキーボード１２のブロック図を図２に示す。ワイヤレスキーボード１２は、ワイヤレスキーボード１２の制御を行うＭＣＵ（Micro Computer Unit）２０と、中継装置１０と無線による通信を行う無線通信部２６と、ＭＣＵ２０がデータやプログラムを記憶させるために用いるメモリ部２４と、キー情報を得るためのキーマトリクス２２からなる。また、ワイヤレスマウス１４は、図３に示されるようにワイヤレスマウス１４の制御を行うＭＣＵ２８と、中継装置１０と無線による通信を行う無線通信部３４と、ＭＣＵ２８がデータやプログラムを記憶させるために用いるメモリ部３２と、座標の位置を決定する移動検出部３０からなる。
【００２１】
次に、コンピュータ１６について図４を用いて説明する。コンピュータ１６は、図４に示されるように、表示装置１８と、ドライブ装置１５と、主記憶装置１７と、補助記憶装置１９と、ＣＰＵ（Central Processing Unit）１３と、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）インタフェース１１とを有し、それらはバスで接続されている。このうち、表示装置１８は、コンピュータ１６を操作するために必要な各種情報などを表示する。ドライブ装置１５は、着脱自在な記録媒体の読み書きが可能であり、例えば記録媒体からプログラム読み込み、補助記憶装置１９にインストールするときに用いられる。ＣＰＵ１３は、補助記憶装置１９に格納されたプログラムを読み込み実行し、プログラムやデータなどを記憶するために主記憶装置１７を用いる。そしてＵＳＢインタフェース３４は、中継装置１０とのやり取りをＵＳＢ転送方式で行うためのインタフェースである。
【００２２】
以上説明したシステム全体構成を用いて、以下、本発明の実施の形態を３種類説明する。
【００２３】
最初に第１の実施の形態における中継装置１０について説明する。まず、中継装置１０の正面図と側面図について図５、図６、図７を用いて説明する。中継装置の正面及び側面は、それぞれ図５と図６のような形状をしている。そして中継装置１０は、図７の分解斜視図に示されるように、ケース半体３７１、３７２と表示パネル３７３の３つの部材からなり、このうちケース半体３７１、３７２は、収納部４１１、４１２とアンテナ部３６１、３６２と台座部３９１、３９２とを一体に樹脂モールド成型されるため、中継装置１０の成型及び組立を容易に行うことができる。また、アンテナ部３６１、３６２は、収納部４１１、４１２前方（矢印Ａ方向）端部上面に形成され、内部にはアンテナ素子が収納される。台座部３９１、３９２は、収納部４１１、４１２の後方（矢印Ｂ方向）下側部に形成され、収納部４１１、４１２の矢印Ｃ方向への転倒を防止する形状となっている。このような成型方法及び組立方法は他の実施の形態でも同じである。
【００２４】
図５に戻り中継装置１０に備えられている発光ダイオード３８、４０、４２、４４、４６について説明する。発光ダイオード３８、４０、４２、４４はそれぞれ「Num Lock」、「Caps Lock」、「Scroll Lock」、「Low Battery」の状態を表す。また、発光ダイオード４６は、ワイヤレスキーボード１２やワイヤレスマウス１４からの受信信号レベルの強さを示し、受信信号レベルの強さが所定の閾値を超えると点灯し、その閾値以下であると消灯するようになっている。なお「Num Lock」は、ワイヤレスキーボードに備わるテンキーを数字入力キーとして固定することを示し、「Caps Lock」はアルファベットキーを大文字入力に固定することを示し、「Scroll Lock」は特定のアプリケーション上のセルの位置を固定することを示し、「Low Battery」は電源の残りがわずかであることを示している。
【００２５】
次に、中継装置１０のブロック図を図８に示す。図８には、アンテナ４８と、アンプ５０と、フィルタ５１と、復調器５２と、データ処理部５４と、ダイオード５９と、平滑回路５６と、コンパレータ５８と、基準電圧６２と、接地６４、６６と、アンプ６０と、発光ダイオード４６とが示されている。
【００２６】
このうちアンテナ４８は電波を受信し、アンプ５０は受信した信号の増幅を行う。そしてフィルタ５１は、中継装置１０が用いる周波数帯の信号を通過させる。復調器５２は、受信信号をその変調方式に対応した復調を行う。データ処理部５４は、復調器５２で復調されたデータをコンピュータ１６が処理できる信号に変換するための処理を行う。このように、アンテナで受信した信号は、アンプ５０で増幅されフィルタ５１を介し、復調器５２を経てデータ処理部５４からコンピュータ１６へ送信される。
【００２７】
このようなデータの中継とともに、受信した信号のレベルの測定が行われる。この測定は、フィルタ５１でフィルタリングされた信号に対し、上記ダイオード５９と平滑化回路５６とコンパレータ５８とを用いることにより行う。まず、ダイオード５９はフィルタリングされた信号を整流する。そして抵抗５３とコンデンサ５５と接地５７からなる平滑化回路５６は、抵抗５３とコンデンサ５５の接続点にダイオード５９の出力が供給され、この平滑化回路５６から、受信信号のレベルに対応した信号がコンパレータ５８に出力される。
【００２８】
コンパレータ５８は、平滑化回路５６からの入力電圧が、基準電圧６２の電圧値より大きければプラスを出力し、逆であればマイナスを出力する比較回路である。従って、基準電圧値を閾値とし、その値よりも平滑化回路５６から出力された電圧値が高ければ、電流はアンプ６０で増幅され発光ダイオード４６を点灯させる。そして基準電圧値より電圧値が低い場合は、発光ダイオードは点灯しない。
【００２９】
以上のように第１の実施の形態では、１つの発光ダイオードが点灯または消灯することにより、使用者は電波の状態を確認することができる。その電波の状態により、使用者は通信状態が良好な位置へ中継装置を位置決め固定することができる。また、この受信レベルの強さは、データ信号を受信した際にその強さを計測するため、チェック信号は必要としない。なお、発光ダイオードは、点灯するだけではなく、点滅するようにしても良い。
【００３０】
次に、第２の実施の形態における中継装置６８を説明する。この第２の実施の形態と第１の実施の形態との違いは、第１の実施の形態における受信信号レベルの強弱を表す発光ダイオードの部分である。まず、中継装置６８の正面図と側面図を図９と図１０を用いて説明する。発光ダイオード７０、７２、７４、７６は第１の実施の形態と同様に、それぞれ「Num Lock」、「Caps Lock」、「Scroll Rock」、「Low Battery」の状態を表している。そして、発光ダイオード７８は、複数の発光ダイオードで構成され、ワイヤレスキーボード１２やワイヤレスマウス１４からの受信信号レベルの強さを示し、受信信号レベルが複数の閾値を超えるごとに、点灯する発光ダイオードの数が増えるようになっている。
【００３１】
次に、中継装置６８のブロック図を図１１に示す。図１１には、アンテナ８２と、アンプ８４、９４１、…９４ｎと、フィルタ８５と、復調器８６と、データ処理部８８と、ダイオード９７と、平滑化回路９０と、コンパレータ９２１、…９２ｎと、基準電圧９１１、…９１ｎと、発光ダイオード７８１、…７８ｎと、接地９３１、…９３ｎ、９５１、…９５ｎとが示されている。このように、図１１における中継装置６８は、第１の実施の形態と異なり、コンパレータとアンプと発光ダイオードからなる直列回路をｎ個有する。この構成において、コンピュータ１６へデータを送信するための処理は、第１の実施の形態と同じで、中継装置８２は、アンテナ８４で電波を受信し、アンプ８４で受信した信号の増幅を行う。そしてフィルタ８５は、中継装置８２が用いる周波数帯の信号を通過させる。復調器８６は、受信信号をその変調方式に対応した復調を行う。データ処理部８８は、復調器８６で復調されたデータをコンピュータ１６が処理できる信号に変換するための処理を行う。このように、第２の実施の形態においても第１の実施の形態と同様にアンテナ８２で受信した信号は、アンプ８４で増幅され、フィルタ８５を介し、復調器８６で復調されてデータ処理部８８からコンピュータ１６へ送信される。
【００３２】
次に、受信信号レベルの測定について説明する。第２の実施の形態における測定方法は、第１の実施の形態と原理的にほとんど同じであり、フィルタ８５でフィルタリングされ、ダイオード９７で整流された信号は、抵抗８３とコンデンサ８７と接地８９とで構成される平滑化回路９０で平滑化される。そして平滑化された信号を、コンパレータと基準電圧によって計測する形態となっている。この場合、コンパレータ９２１、…９２ｎに入力される基準電圧がそれぞれのコンパレータ９２１、…９２ｎで異なっており、図の場合、基準電圧９１１、…９１ｎの添え字が大きくなるほど大きな電圧を発生するようになっているため、受信信号レベルに応じて段階的に発光ダイオードを点灯もしくは消灯することができる。
【００３３】
以上のように第２の実施の形態では、中継装置６８に設けられた複数の発光ダイオードのうち、点灯している発光ダイオードの個数により、使用者は電波の状態を確認することができる。その電波の状態により、使用者は通信状態が良好な位置へ中継装置を位置決め固定することができる。また、この受信レベルは、データ信号を受信した際にその強さを計測するため、チェック信号は必要としない。なお、発光ダイオードは、点灯するだけではなく、点滅するようにしても良い。
【００３４】
次に、第３の実施の形態における中継装置９８を説明する。この第３の実施の形態と第１の実施の形態との違いは、第１の実施の形態における受信レベルの強弱を表す発光ダイオードの部分がＬＣＤ表示となったことである。中継装置９８の正面図と側面図を図１２と図１３を用いて説明する。中継装置９８に備えられている発光ダイオード１０２、１０４、１０６、１０８は第１の実施の形態と同様にそれぞれ「Num Lock」、「Caps Lock」、「Scroll Rock」、「Low Battery」の状態を表している。そして、ＬＣＤ１１０は、ワイヤレスキーボード１２やワイヤレスマウス１４からの受信レベルの強さを数値で表示するようになっている。
【００３５】
次に、中継装置９８のブロック図を図１４に示す。図１４には、アンテナ１１２と、アンプ１１４と、フィルタ１１５と、復調器１１６と、データ処理部１１８と、平滑化回路１２０と、Ａ／Ｄ変換器１２２と、ＬＣＤドライバ１２４と、ＬＣＤ１２６とが示されている。
【００３６】
この構成において、コンピュータ１６へデータを送信するための処理は、第１の実施の形態と同じで、中継装置９８は、アンテナ１１２で電波を受信し、アンプ１１４で受信した信号の増幅を行う。そしてフィルタ１１５は、中継装置９８が用いる周波数帯の信号を通過させる。復調器１１６は、受信信号をその変調方式に対応した復調を行う。データ処理部１１８は、復調器１１６で復調されたデータをコンピュータ１６が処理できる信号に変換するための処理を行う。このように、第３の実施の形態においても第１の実施の形態と同様に、アンテナ１１２で受信した信号は、アンプ１１４で増幅され、フィルタ１１５を介し、復調器１１６で復調されてデータ処理部１１８からコンピュータ１６へ送信される。
【００３７】
次に、受信信号レベルの測定について説明する。第３の実施の形態における測定方法は、第１、第２の実施の形態と比べ、ダイオード１２３と、抵抗１１３とコンデンサ１１７と接地１１９からなる平滑化回路１２０までは同じであるので、Ａ／Ｄ変換器１２２から説明する。このＡ／Ｄ変換器１２２は、平滑化回路１２０から出力される信号を、サンプリングし、量子化ビット数を例えば８として量子化する。その量子化されたデータは、ＬＣＤドライバ１２４に出力され、ＬＣＤドライバは、量子化されたデータに基づき、例えば０〜２５５の間の数字をＬＣＤ１２６に表示する。
【００３８】
以上のように第３の実施の形態では、中継装置９８に設けられたＬＣＤ１２６により、使用者は受信レベルの強さを確認することができる。その受信レベルの強さにより、使用者は通信状態が良好な位置へ中継装置を位置決め固定することができる。また、この受信レベルの強さは、データ信号を受信した際にその強さを計測するため、チェック信号は必要としない。なお、発光ダイオードは、点灯するだけではなく、点滅するようにしても良い。
【００３９】
以上説明した第３の実施の形態の変形例として、中継装置９８近傍のノイズの測定も可能とする実施の形態を図１５を用いて説明する。この変形例は、図１４の中継装置９８のフィルタ１１５をバンドパスフィルタとし、このバンドパスフィルタの中心周波数を制御信号により変化させることにより、中継装置９８が使用するすべてのチャネルにわたりフィルタ１１５が通過させる周波数帯域を変化させることが可能な形態である。そして、このノイズの測定は、キーボードあるいはマウスなどの周辺機器を使用する際に行い、測定されたノイズに基づいて中継装置９８の通信状態が良好な位置の決定、又はチャネルを設定するために行われる。
【００４０】
この場合、中継装置９８は、バンドパスフィルタの中心周波数を中継装置９８が使用するすべてのチャネルにわたり変化させ、最もノイズが少ないチャネルを通信に用いる。また、この測定の結果、ノイズが多く、適当なチャネルが見つからなかった場合は、エラー音を発生したり、エラー表示をＬＣＤ１２６に表示したりするなどし、使用者に位置の変更を促し、位置が変更されると再び測定を行う。
【００４１】
このようにすることにより、中継装置９８周辺のノイズを測定することができるとともに、中継装置９８が良好な通信状態となるチャネルの設定をすることが可能となる。また、上記説明において、バンドパスフィルタは、第３の実施の形態に限らず、第１、第２の実施の形態においてもそれぞれのフィルタ５１、８５（図８、図１１参照）バンドパスフィルタに置き換えることにより、上記方法でノイズの測定及び良好な通信状態となるチャネルの設定をすることができる。
【００４２】
以上で３種類の実施の形態および変形例の説明を終えるが、３種類の実施の形態は、いずれも中継装置本体に受信信号レベルを表示するものであった。そこで次は、中継装置と接続されたコンピュータ１６の表示装置１８上に、受信信号レベルを表示する例を説明する。最初に第１の実施の形態における表示例を図１６を用いて説明する。第１の実施の形態における電界表示方法は電位が所定の閾値を超えたときに１つの発光ダイオードが点灯する表示方法であるので、図１６のように、中継装置１０からの通知により、コンピュータ１６は、丸いグラフィック１５２の色を変化させることにより表示を行う。
【００４３】
次に、第２の実施の形態における表示例を図１７を用いて説明する。第２の実施の形態における電界表示方法は受信信号レベルが所定の閾値を超えるごとに点灯する発光ダイオードの数が増える表示方法であるので、例えば図１７のように、コンピュータ１６は中継装置６８からの通知により、長方形のグラフィック１５４の色を左から濃くさせることにより表示を行う。
【００４４】
次に、第３の実施の形態における表示例を図１８を用いて説明する。第３の実施の形態における受信信号レベル表示方法は受信信号レベルの強さに応じてＬＣＤに数値を表示する表示方法であるので、例えば図１８のように、コンピュータ１６は、中継装置９８からの通知により受信信号レベルを「５」のように数字を用いて表示を行う。
【００４５】
このように、中継装置本体で行っていた電界の表示をコンピュータ１６で行うだけでなく、さらに中継装置本体そのものをコンピュータ１６にセットすることもできる。例えば、現在市販されているほとんどのパソコンは、拡張用のスロットであるＰＣＩ（Peripheral Component Interconnect）スロットが設けられているため、そのスロットを用いて中継装置をコンピュータ１６にセットすることにより、上記実施の形態を行うことが出来る。
【００４６】
以上説明したように本実施の形態では、チェック信号ではなくキーデータなどのデータ本体を用いて受信信号レベルを測定し、その測定結果を表示させている。このように中継装置がチェック信号を用いなくても、中継装置は移動体通信のように移動することはなく、またワイヤレスキーボードやワイヤレスマウスもほとんど移動しないので、中継装置を受信信号レベルの強いところに一度位置決め固定されることで通常の使用には十分耐えられる。
【００４７】
【発明の効果】
以上説明したように、周辺機器との間でチェック信号を用いることなく受信信号レベルを表示することを可能とするとともに、周辺機器やコンピュータを移動させることなく良好な受信状態を確保できる中継装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態におけるシステムの全体構成図である。
【図２】ワイヤレスキーボードのブロック図である。
【図３】ワイヤレスマウスのブロック図である。
【図４】コンピュータのブロック図である。
【図５】第１の実施の形態における中継装置の正面図である。
【図６】第１の実施の形態における中継装置の側面図である。
【図７】中継装置の分解斜視図である。
【図８】第１の実施の形態における中継装置のブロック図である。
【図９】第２の実施の形態における中継装置の正面図である。
【図１０】第２の実施の形態における中継装置の側面図である。
【図１１】第２の実施の形態における中継装置のブロック図である。
【図１２】第３の実施の形態における中継装置の正面図である。
【図１３】第３の実施の形態における中継装置の側面図である。
【図１４】第３の実施の形態における中継装置のブロック図である。
【図１５】第３の実施の形態の変形例における中継装置のブロック図である。
【図１６】コンピュータ表示例を示す図である。
【図１７】コンピュータ表示例を示す図である。
【図１８】コンピュータ表示例を示す図である。
【符号の説明】
１０、６８、９８…中継装置
１１…ＵＳＢインタフェース
１２…ワイヤレスキーボード
１３…ＣＰＵ
１４…ワイヤレスマウス
１５…ドライブ装置
１６…コンピュータ
１７…主記憶装置
１８…表示装置
１９…補助記憶装置
２０、２８…ＭＣＵ
２２…キーマトリクス
２４、３２…メモリ部
２６、３４…無線通信部
３０…移動検出部
３６、４８、８０、８２、１００、１１２…アンテナ
３６１、３６２…アンテナ部
３７１、３７２…ケース半体
３７３…表示パネル
３９１、３９２…台座部
３８、４０、４２、４４、４６、７０、７２、７４、７６、７８、７８１、７８ｎ、１０２、１０４、１０６、１０８…発光ダイオード
４１１、４１２…収納部
５０、６０、８４、９４１、９４ｎ、１１４、１３０…アンプ
５１、８５、１１５…フィルタ
５３、８３、１１３…抵抗
５４、８８、１１８…データ処理部
５５、８７、１１７…コンデンサ
５６、９０、１２０…平滑化回路
５８、９２１、９２ｎ…コンパレータ
５９、９７、１２１、１２３…ダイオード
６２、９１１、９１ｎ…基準電圧
５７、６４、６６、８９、９３１、９３ｎ、９５１、９５ｎ、１１９…接地
１２２…Ａ／Ｄ変換器
１２４…ＬＣＤドライバ
１２６…ＬＣＤ
１５２、１５４…グラフィック
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線を用いて通信を行う中継装置に関し、特にコンピュータとその周辺機器との中継を行う中継装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
有線でコンピュータと接続されていたマウスやキーボードは、接続の煩わしさの解消や操作性の向上を図るため、近年ではワイヤレス化されることが多い。このワイヤレス化の方法として電磁式や赤外線式などがあるが、電磁式は、赤外線式のように赤外線ポート同士を有効範囲内かつ有効角度内で向き合わせる必要がなく、周囲に物体が存在しても電波が回り込んだり反射したりして通信することが可能であるため、赤外線式と比較し多く用いられている。しかし、電磁式を用いた場合でも、電波の強さが変動するフェージング現象により通信ができないことがある。
【０００３】
このような通信状態を使用者が認識できるように、コンピュータ本体またはキーボードのようなＩ／Ｏ装置に表示手段を設け、両者間の伝送路が適正であるか否かを、チェック信号またはデータ信号を送受信することにより受信レベルを判定し、その判定結果を表示手段を用いて表示する情報処理装置が特開平５−１０８２２０公報に開示されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報のチェック信号は、周辺機器であるマウスやキーボードの電源である電池を用いるため、電池の消耗を早めることになる。また、情報処理装置またはＩ／Ｏ装置に送受信部が搭載されるため、受信状態によっては情報処理装置またはＩ／Ｏ装置を良好な受信状態となる位置に移動しなければならず、使い勝手が良くない。
【０００５】
本発明は、このような問題点に鑑み、周辺機器との間でチェック信号を用いることなく受信信号レベルを表示することを可能とするとともに、周辺機器やコンピュータを移動させることなく良好な受信状態を確保できる中継装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明は、コンピュータと該コンピュータの周辺機器との中継を行う中継装置において、前記周辺機器でディジタル変調方式で変調され、送信された信号を受信するアンテナと、前記アンテナで受信した信号から所定の周波数成分を通過させるフィルタと、前記フィルタを通過した信号に対して前記ディジタル変調方式に対応した復調を行う復調回路と、前記フィルタを通過した信号を整流・平滑した信号のレベルを測定する受信レベル測定手段と、該受信レベル測定手段で測定した測定結果に基づいて受信状態を表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【０００７】
請求項１によれば、周辺機器からコンピュータへのデータなどが搬送された電波をアンテナで受信し、フィルタを通した信号のレベルを受信信号レベルとして測定することにより、特別なチェック信号を用いなくても受信信号レベルを測定することが可能な中継装置を提供することができる。
【０００８】
請求項２に記載の発明は、前記表示手段は、発光ダイオードを１つ以上有し、前記測定結果に基づき前記発光ダイオードを点灯・消灯・点滅させることを特徴とする。
【０００９】
請求項２によれば、表示手段として発光ダイオードを１つ以上設け、それら発光ダイオードを点灯・消灯・点滅することにより、受信信号レベルを使用者に認識させることが可能な中継装置を提供することができる。またこの場合、発光ダイオードの個数を増やすことにより、より詳細な受信信号レベルを使用者に認識させることが可能な中継装置を提供することができる。
【００１０】
請求項３に記載の発明は、前記表示手段は、文字を表示する文字表示手段を有し、前記受信状態に対応した文字情報を前記文字表示手段に表示することを特徴とする。
【００１１】
請求項３によれば、表示手段としてＬＣＤなどの文字を表示する手段を設け、そのＬＣＤに受信信号レベルを表示する。この場合、ＬＣＤに数字を表示したり、あるいは「強、中、弱」のように漢字で表示したりすることにより、より詳細な受信信号レベルを使用者に認識させることが可能な中継装置を提供することができる。
【００１２】
請求項４に記載の発明は、コンピュータと該コンピュータの周辺機器との中継を行う中継装置において、前記周辺機器でディジタル変調方式で変調され、送信された信号を受信するアンテナと、前記アンテナで受信した信号から所定の周波数成分を通過させるフィルタと、前記フィルタを通過した信号に対して前記ディジタル変調方式に対応した復調を行う復調回路と、前記フィルタを通過した信号を整流・平滑した信号のレベルを測定する受信レベル測定手段とを有し、前記受信レベル測定手段で測定した測定結果を前記コンピュータに送信し、前記コンピュータが有する表示装置に前記測定結果に基づいて表示させることを特徴とする。
【００１３】
請求項４によれば、文字やグラフィックなど多彩な表示が可能なコンピュータの表示装置に受信信号レベルを表示することにより、文字での表現やグラフィックによる表現など種々の方法で受信信号レベルを表示することができる。また、表示機能を表示装置が行うことにより、中継装置は表示機能が不必要となり、中継装置の小型化やコストの低減が可能な中継装置を提供することができる。
【００１６】
請求項５に記載の発明は、前記周辺機器との間の変調方式として、ディジタル振幅変調方式、ディジタル周波数変調方式、ディジタル位相変調方式、スペクトラム拡散変調方式のいずれか１つの方式を用いることを特徴とする。
【００１７】
請求項５によれば、従来からモデムなどに用いられている方式を用いることができるため、簡易に実装を行えるとともに、例えばディジタル周波数変調方式を用いることにより、フェージングの影響をほとんど受けない中継装置を提供することができる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
以下、３種類の本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、その説明に先立ち、それら実施の形態に共通であるシステム全体構成、ワイヤレスキーボード、ワイヤレスマウスについて説明する。
【００１９】
最初にシステムの全体構成を図１に示す。図１には、中継装置１０と、ワイヤレスキーボード１２と、ワイヤレスマウス１４と、コンピュータ１６と、表示装置１８とが示されている。このシステムは、図１に示されるように、中継装置１０がコンピュータ１６と有線で接続され、ワイヤレスキーボード１２とワイヤレスマウス１４からのデータを無線で受信し、受信したデータをコンピュータ１６に送信するシステムである。また、中継装置１０と、ワイヤレスキーボード１２またはワイヤレスマウス１４間の無線の変調方式として、ディジタル振幅変調（ASK: Amplitude Shift Keying）方式、ディジタル周波数変調（FSK: Frequency Shift Keying）方式、ディジタル位相変調（PSK: Phase Shift Keying）方式あるいはスペクトラム拡散変調（SS: Spread Spectrum）方式などを用いている。
【００２０】
次に、ワイヤレスキーボード１２とワイヤレスマウス１４のブロック図を説明する。まず、ワイヤレスキーボード１２のブロック図を図２に示す。ワイヤレスキーボード１２は、ワイヤレスキーボード１２の制御を行うＭＣＵ（Micro Computer Unit）２０と、中継装置１０と無線による通信を行う無線通信部２６と、ＭＣＵ２０がデータやプログラムを記憶させるために用いるメモリ部２４と、キー情報を得るためのキーマトリクス２２からなる。また、ワイヤレスマウス１４は、図３に示されるようにワイヤレスマウス１４の制御を行うＭＣＵ２８と、中継装置１０と無線による通信を行う無線通信部３４と、ＭＣＵ２８がデータやプログラムを記憶させるために用いるメモリ部３２と、座標の位置を決定する移動検出部３０からなる。
【００２１】
次に、コンピュータ１６について図４を用いて説明する。コンピュータ１６は、図４に示されるように、表示装置１８と、ドライブ装置１５と、主記憶装置１７と、補助記憶装置１９と、ＣＰＵ（Central Processing Unit）１３と、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）インタフェース１１とを有し、それらはバスで接続されている。このうち、表示装置１８は、コンピュータ１６を操作するために必要な各種情報などを表示する。ドライブ装置１５は、着脱自在な記録媒体の読み書きが可能であり、例えば記録媒体からプログラム読み込み、補助記憶装置１９にインストールするときに用いられる。ＣＰＵ１３は、補助記憶装置１９に格納されたプログラムを読み込み実行し、プログラムやデータなどを記憶するために主記憶装置１７を用いる。そしてＵＳＢインタフェース３４は、中継装置１０とのやり取りをＵＳＢ転送方式で行うためのインタフェースである。
【００２２】
以上説明したシステム全体構成を用いて、以下、本発明の実施の形態を３種類説明する。
【００２３】
最初に第１の実施の形態における中継装置１０について説明する。まず、中継装置１０の正面図と側面図について図５、図６、図７を用いて説明する。中継装置の正面及び側面は、それぞれ図５と図６のような形状をしている。そして中継装置１０は、図７の分解斜視図に示されるように、ケース半体３７１、３７２と表示パネル３７３の３つの部材からなり、このうちケース半体３７１、３７２は、収納部４１１、４１２とアンテナ部３６１、３６２と台座部３９１、３９２とを一体に樹脂モールド成型されるため、中継装置１０の成型及び組立を容易に行うことができる。また、アンテナ部３６１、３６２は、収納部４１１、４１２前方（矢印Ａ方向）端部上面に形成され、内部にはアンテナ素子が収納される。台座部３９１、３９２は、収納部４１１、４１２の後方（矢印Ｂ方向）下側部に形成され、収納部４１１、４１２の矢印Ｃ方向への転倒を防止する形状となっている。このような成型方法及び組立方法は他の実施の形態でも同じである。
【００２４】
図５に戻り中継装置１０に備えられている発光ダイオード３８、４０、４２、４４、４６について説明する。発光ダイオード３８、４０、４２、４４はそれぞれ「Num Lock」、「Caps Lock」、「Scroll Lock」、「Low Battery」の状態を表す。また、発光ダイオード４６は、ワイヤレスキーボード１２やワイヤレスマウス１４からの受信信号レベルの強さを示し、受信信号レベルの強さが所定の閾値を超えると点灯し、その閾値以下であると消灯するようになっている。なお「Num Lock」は、ワイヤレスキーボードに備わるテンキーを数字入力キーとして固定することを示し、「Caps Lock」はアルファベットキーを大文字入力に固定することを示し、「Scroll Lock」は特定のアプリケーション上のセルの位置を固定することを示し、「Low Battery」は電源の残りがわずかであることを示している。
【００２５】
次に、中継装置１０のブロック図を図８に示す。図８には、アンテナ４８と、アンプ５０と、フィルタ５１と、復調器５２と、データ処理部５４と、ダイオード５９と、平滑回路５６と、コンパレータ５８と、基準電圧６２と、接地６４、６６と、アンプ６０と、発光ダイオード４６とが示されている。
【００２６】
このうちアンテナ４８は電波を受信し、アンプ５０は受信した信号の増幅を行う。そしてフィルタ５１は、中継装置１０が用いる周波数帯の信号を通過させる。復調器５２は、受信信号をその変調方式に対応した復調を行う。データ処理部５４は、復調器５２で復調されたデータをコンピュータ１６が処理できる信号に変換するための処理を行う。このように、アンテナで受信した信号は、アンプ５０で増幅されフィルタ５１を介し、復調器５２を経てデータ処理部５４からコンピュータ１６へ送信される。
【００２７】
このようなデータの中継とともに、受信した信号のレベルの測定が行われる。この測定は、フィルタ５１でフィルタリングされた信号に対し、上記ダイオード５９と平滑化回路５６とコンパレータ５８とを用いることにより行う。まず、ダイオード５９はフィルタリングされた信号を整流する。そして抵抗５３とコンデンサ５５と接地５７からなる平滑化回路５６は、抵抗５３とコンデンサ５５の接続点にダイオード５９の出力が供給され、この平滑化回路５６から、受信信号のレベルに対応した信号がコンパレータ５８に出力される。
【００２８】
コンパレータ５８は、平滑化回路５６からの入力電圧が、基準電圧６２の電圧値より大きければプラスを出力し、逆であればマイナスを出力する比較回路である。従って、基準電圧値を閾値とし、その値よりも平滑化回路５６から出力された電圧値が高ければ、電流はアンプ６０で増幅され発光ダイオード４６を点灯させる。そして基準電圧値より電圧値が低い場合は、発光ダイオードは点灯しない。
【００２９】
以上のように第１の実施の形態では、１つの発光ダイオードが点灯または消灯することにより、使用者は電波の状態を確認することができる。その電波の状態により、使用者は通信状態が良好な位置へ中継装置を位置決め固定することができる。また、この受信レベルの強さは、データ信号を受信した際にその強さを計測するため、チェック信号は必要としない。なお、発光ダイオードは、点灯するだけではなく、点滅するようにしても良い。
【００３０】
次に、第２の実施の形態における中継装置６８を説明する。この第２の実施の形態と第１の実施の形態との違いは、第１の実施の形態における受信信号レベルの強弱を表す発光ダイオードの部分である。まず、中継装置６８の正面図と側面図を図９と図１０を用いて説明する。発光ダイオード７０、７２、７４、７６は第１の実施の形態と同様に、それぞれ「Num Lock」、「Caps Lock」、「Scroll Rock」、「Low Battery」の状態を表している。そして、発光ダイオード７８は、複数の発光ダイオードで構成され、ワイヤレスキーボード１２やワイヤレスマウス１４からの受信信号レベルの強さを示し、受信信号レベルが複数の閾値を超えるごとに、点灯する発光ダイオードの数が増えるようになっている。
【００３１】
次に、中継装置６８のブロック図を図１１に示す。図１１には、アンテナ８２と、アンプ８４、９４１、…９４ｎと、フィルタ８５と、復調器８６と、データ処理部８８と、ダイオード９７と、平滑化回路９０と、コンパレータ９２１、…９２ｎと、基準電圧９１１、…９１ｎと、発光ダイオード７８１、…７８ｎと、接地９３１、…９３ｎ、９５１、…９５ｎとが示されている。このように、図１１における中継装置６８は、第１の実施の形態と異なり、コンパレータとアンプと発光ダイオードからなる直列回路をｎ個有する。この構成において、コンピュータ１６へデータを送信するための処理は、第１の実施の形態と同じで、中継装置８２は、アンテナ８４で電波を受信し、アンプ８４で受信した信号の増幅を行う。そしてフィルタ８５は、中継装置８２が用いる周波数帯の信号を通過させる。復調器８６は、受信信号をその変調方式に対応した復調を行う。データ処理部８８は、復調器８６で復調されたデータをコンピュータ１６が処理できる信号に変換するための処理を行う。このように、第２の実施の形態においても第１の実施の形態と同様にアンテナ８２で受信した信号は、アンプ８４で増幅され、フィルタ８５を介し、復調器８６で復調されてデータ処理部８８からコンピュータ１６へ送信される。
【００３２】
次に、受信信号レベルの測定について説明する。第２の実施の形態における測定方法は、第１の実施の形態と原理的にほとんど同じであり、フィルタ８５でフィルタリングされ、ダイオード９７で整流された信号は、抵抗８３とコンデンサ８７と接地８９とで構成される平滑化回路９０で平滑化される。そして平滑化された信号を、コンパレータと基準電圧によって計測する形態となっている。この場合、コンパレータ９２１、…９２ｎに入力される基準電圧がそれぞれのコンパレータ９２１、…９２ｎで異なっており、図の場合、基準電圧９１１、…９１ｎの添え字が大きくなるほど大きな電圧を発生するようになっているため、受信信号レベルに応じて段階的に発光ダイオードを点灯もしくは消灯することができる。
【００３３】
以上のように第２の実施の形態では、中継装置６８に設けられた複数の発光ダイオードのうち、点灯している発光ダイオードの個数により、使用者は電波の状態を確認することができる。その電波の状態により、使用者は通信状態が良好な位置へ中継装置を位置決め固定することができる。また、この受信レベルは、データ信号を受信した際にその強さを計測するため、チェック信号は必要としない。なお、発光ダイオードは、点灯するだけではなく、点滅するようにしても良い。
【００３４】
次に、第３の実施の形態における中継装置９８を説明する。この第３の実施の形態と第１の実施の形態との違いは、第１の実施の形態における受信レベルの強弱を表す発光ダイオードの部分がＬＣＤ表示となったことである。中継装置９８の正面図と側面図を図１２と図１３を用いて説明する。中継装置９８に備えられている発光ダイオード１０２、１０４、１０６、１０８は第１の実施の形態と同様にそれぞれ「Num Lock」、「Caps Lock」、「Scroll Rock」、「Low Battery」の状態を表している。そして、ＬＣＤ１１０は、ワイヤレスキーボード１２やワイヤレスマウス１４からの受信レベルの強さを数値で表示するようになっている。
【００３５】
次に、中継装置９８のブロック図を図１４に示す。図１４には、アンテナ１１２と、アンプ１１４と、フィルタ１１５と、復調器１１６と、データ処理部１１８と、平滑化回路１２０と、Ａ／Ｄ変換器１２２と、ＬＣＤドライバ１２４と、ＬＣＤ１２６とが示されている。
【００３６】
この構成において、コンピュータ１６へデータを送信するための処理は、第１の実施の形態と同じで、中継装置９８は、アンテナ１１２で電波を受信し、アンプ１１４で受信した信号の増幅を行う。そしてフィルタ１１５は、中継装置９８が用いる周波数帯の信号を通過させる。復調器１１６は、受信信号をその変調方式に対応した復調を行う。データ処理部１１８は、復調器１１６で復調されたデータをコンピュータ１６が処理できる信号に変換するための処理を行う。このように、第３の実施の形態においても第１の実施の形態と同様に、アンテナ１１２で受信した信号は、アンプ１１４で増幅され、フィルタ１１５を介し、復調器１１６で復調されてデータ処理部１１８からコンピュータ１６へ送信される。
【００３７】
次に、受信信号レベルの測定について説明する。第３の実施の形態における測定方法は、第１、第２の実施の形態と比べ、ダイオード１２３と、抵抗１１３とコンデンサ１１７と接地１１９からなる平滑化回路１２０までは同じであるので、Ａ／Ｄ変換器１２２から説明する。このＡ／Ｄ変換器１２２は、平滑化回路１２０から出力される信号を、サンプリングし、量子化ビット数を例えば８として量子化する。その量子化されたデータは、ＬＣＤドライバ１２４に出力され、ＬＣＤドライバは、量子化されたデータに基づき、例えば０〜２５５の間の数字をＬＣＤ１２６に表示する。
【００３８】
以上のように第３の実施の形態では、中継装置９８に設けられたＬＣＤ１２６により、使用者は受信レベルの強さを確認することができる。その受信レベルの強さにより、使用者は通信状態が良好な位置へ中継装置を位置決め固定することができる。また、この受信レベルの強さは、データ信号を受信した際にその強さを計測するため、チェック信号は必要としない。なお、発光ダイオードは、点灯するだけではなく、点滅するようにしても良い。
【００３９】
以上説明した第３の実施の形態の変形例として、中継装置９８近傍のノイズの測定も可能とする実施の形態を図１５を用いて説明する。この変形例は、図１４の中継装置９８のフィルタ１１５をバンドパスフィルタとし、このバンドパスフィルタの中心周波数を制御信号により変化させることにより、中継装置９８が使用するすべてのチャネルにわたりフィルタ１１５が通過させる周波数帯域を変化させることが可能な形態である。そして、このノイズの測定は、キーボードあるいはマウスなどの周辺機器を使用する際に行い、測定されたノイズに基づいて中継装置９８の通信状態が良好な位置の決定、又はチャネルを設定するために行われる。
【００４０】
この場合、中継装置９８は、バンドパスフィルタの中心周波数を中継装置９８が使用するすべてのチャネルにわたり変化させ、最もノイズが少ないチャネルを通信に用いる。また、この測定の結果、ノイズが多く、適当なチャネルが見つからなかった場合は、エラー音を発生したり、エラー表示をＬＣＤ１２６に表示したりするなどし、使用者に位置の変更を促し、位置が変更されると再び測定を行う。
【００４１】
このようにすることにより、中継装置９８周辺のノイズを測定することができるとともに、中継装置９８が良好な通信状態となるチャネルの設定をすることが可能となる。また、上記説明において、バンドパスフィルタは、第３の実施の形態に限らず、第１、第２の実施の形態においてもそれぞれのフィルタ５１、８５（図８、図１１参照）バンドパスフィルタに置き換えることにより、上記方法でノイズの測定及び良好な通信状態となるチャネルの設定をすることができる。
【００４２】
以上で３種類の実施の形態および変形例の説明を終えるが、３種類の実施の形態は、いずれも中継装置本体に受信信号レベルを表示するものであった。そこで次は、中継装置と接続されたコンピュータ１６の表示装置１８上に、受信信号レベルを表示する例を説明する。最初に第１の実施の形態における表示例を図１６を用いて説明する。第１の実施の形態における電界表示方法は電位が所定の閾値を超えたときに１つの発光ダイオードが点灯する表示方法であるので、図１６のように、中継装置１０からの通知により、コンピュータ１６は、丸いグラフィック１５２の色を変化させることにより表示を行う。
【００４３】
次に、第２の実施の形態における表示例を図１７を用いて説明する。第２の実施の形態における電界表示方法は受信信号レベルが所定の閾値を超えるごとに点灯する発光ダイオードの数が増える表示方法であるので、例えば図１７のように、コンピュータ１６は中継装置６８からの通知により、長方形のグラフィック１５４の色を左から濃くさせることにより表示を行う。
【００４４】
次に、第３の実施の形態における表示例を図１８を用いて説明する。第３の実施の形態における受信信号レベル表示方法は受信信号レベルの強さに応じてＬＣＤに数値を表示する表示方法であるので、例えば図１８のように、コンピュータ１６は、中継装置９８からの通知により受信信号レベルを「５」のように数字を用いて表示を行う。
【００４５】
このように、中継装置本体で行っていた電界の表示をコンピュータ１６で行うだけでなく、さらに中継装置本体そのものをコンピュータ１６にセットすることもできる。例えば、現在市販されているほとんどのパソコンは、拡張用のスロットであるＰＣＩ（Peripheral Component Interconnect）スロットが設けられているため、そのスロットを用いて中継装置をコンピュータ１６にセットすることにより、上記実施の形態を行うことが出来る。
【００４６】
以上説明したように本実施の形態では、チェック信号ではなくキーデータなどのデータ本体を用いて受信信号レベルを測定し、その測定結果を表示させている。このように中継装置がチェック信号を用いなくても、中継装置は移動体通信のように移動することはなく、またワイヤレスキーボードやワイヤレスマウスもほとんど移動しないので、中継装置を受信信号レベルの強いところに一度位置決め固定されることで通常の使用には十分耐えられる。
【００４７】
【発明の効果】
以上説明したように、周辺機器との間でチェック信号を用いることなく受信信号レベルを表示することを可能とするとともに、周辺機器やコンピュータを移動させることなく良好な受信状態を確保できる中継装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態におけるシステムの全体構成図である。
【図２】ワイヤレスキーボードのブロック図である。
【図３】ワイヤレスマウスのブロック図である。
【図４】コンピュータのブロック図である。
【図５】第１の実施の形態における中継装置の正面図である。
【図６】第１の実施の形態における中継装置の側面図である。
【図７】中継装置の分解斜視図である。
【図８】第１の実施の形態における中継装置のブロック図である。
【図９】第２の実施の形態における中継装置の正面図である。
【図１０】第２の実施の形態における中継装置の側面図である。
【図１１】第２の実施の形態における中継装置のブロック図である。
【図１２】第３の実施の形態における中継装置の正面図である。
【図１３】第３の実施の形態における中継装置の側面図である。
【図１４】第３の実施の形態における中継装置のブロック図である。
【図１５】第３の実施の形態の変形例における中継装置のブロック図である。
【図１６】コンピュータ表示例を示す図である。
【図１７】コンピュータ表示例を示す図である。
【図１８】コンピュータ表示例を示す図である。
【符号の説明】
１０、６８、９８…中継装置
１１…ＵＳＢインタフェース
１２…ワイヤレスキーボード
１３…ＣＰＵ
１４…ワイヤレスマウス
１５…ドライブ装置
１６…コンピュータ
１７…主記憶装置
１８…表示装置
１９…補助記憶装置
２０、２８…ＭＣＵ
２２…キーマトリクス
２４、３２…メモリ部
２６、３４…無線通信部
３０…移動検出部
３６、４８、８０、８２、１００、１１２…アンテナ
３６１、３６２…アンテナ部
３７１、３７２…ケース半体
３７３…表示パネル
３９１、３９２…台座部
３８、４０、４２、４４、４６、７０、７２、７４、７６、７８、７８１、７８ｎ、１０２、１０４、１０６、１０８…発光ダイオード
４１１、４１２…収納部
５０、６０、８４、９４１、９４ｎ、１１４、１３０…アンプ
５１、８５、１１５…フィルタ
５３、８３、１１３…抵抗
５４、８８、１１８…データ処理部
５５、８７、１１７…コンデンサ
５６、９０、１２０…平滑化回路
５８、９２１、９２ｎ…コンパレータ
５９、９７、１２１、１２３…ダイオード
６２、９１１、９１ｎ…基準電圧
５７、６４、６６、８９、９３１、９３ｎ、９５１、９５ｎ、１１９…接地
１２２…Ａ／Ｄ変換器
１２４…ＬＣＤドライバ
１２６…ＬＣＤ
１５２、１５４…グラフィック
Claims (5)
- コンピュータと該コンピュータの周辺機器との中継を行う中継装置において、
前記周辺機器でディジタル変調方式で変調され、送信された信号を受信するアンテナと、
前記アンテナで受信した信号から所定の周波数成分を通過させるフィルタと、
前記フィルタを通過した信号に対して前記ディジタル変調方式に対応した復調を行う復調回路と、
前記フィルタを通過した信号を整流・平滑した信号のレベルを測定する受信レベル測定手段と、
該受信レベル測定手段で測定した測定結果に基づいて受信状態を表示する表示手段とを有することを特徴とする中継装置。 - 前記表示手段は、発光ダイオードを１つ以上有し、前記測定結果に基づき前記発光ダイオードを点灯・消灯・点滅させることを特徴とする請求項１に記載の中継装置。
- 前記表示手段は、文字を表示する文字表示手段を有し、前記受信状態に対応した文字情報を前記文字表示手段に表示することを特徴とする請求項１に記載の中継装置。
- コンピュータと該コンピュータの周辺機器との中継を行う中継装置において、
前記周辺機器でディジタル変調方式で変調され、送信された信号を受信するアンテナと、
前記アンテナで受信した信号から所定の周波数成分を通過させるフィルタと、
前記フィルタを通過した信号に対して前記ディジタル変調方式に対応した復調を行う復調回路と、
前記フィルタを通過した信号を整流・平滑した信号のレベルを測定する受信レベル測定手段とを有し、
前記受信レベル測定手段で測定した測定結果を前記コンピュータに送信し、前記コンピュータが有する表示装置に前記測定結果に基づいて表示させることを特徴とする中継装置。 - 前記ディジタル変調方式は、ディジタル振幅変調方式、ディジタル周波数変調方式、ディジタル位相変調方式、スペクトラム拡散変調方式のいずれか１つの方式を用いることを特徴とする請求項１乃至４のいずれか一項記載の中継装置。
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