以下、図面を参照してこの発明の実施例に係る光ディスク及び光ディスク再生装置を説明する。
図1は、この発明の一実施例に係る光ディスクからデータを再生する光ディスク再生装置のブロックを示し、図2は、図1に示された光ディスクをドライブするディスクドライブ部のブロックを示し、図3及び図4は、図1及び図2に示した光光ディスクの構造を示している。
図1に示すように光ディスク再生装置は、キー操作/表示部4、モニター部6及びスピーカー部8を具備している。ここで、ユーザがキー操作/表示部4を操作することによって光ディスク10から記録データが再生される。記録データは、ビデオデータ、副映像データ及び音声データを含み、これらは、ビデオ信号及びオーディオ信号に変換される。モニター部6は、ビデオ信号によってビデオを表示し、スピーカー部8は、オーディオ信号によって音声を発生している。
既に知られるように光ディスク10は、種々の構造がある。この光ディスク10には、例えば、図3に示すように、高密度でデータが記録される読み出し専用ディスクがある。図3に示されるように光ディスク10は、一対の複合層18とこの複合ディスク層18間に介挿された接着層20とから構成されている。この各複合ディスク層18は、透明基板14及び記録層、即ち、光反射層16から構成されている。このディスク層18は、光反射層16が接着層20に接触するように配置される。この光ディスク10には、中心孔22が設けられ、その両面の中心孔22の周囲には、この光ディスク10をその回転時に押さえる為のクランピング領域24が設けられている。中心孔22には、光ディスク装置にディスク10が装填された際に図2に示されたスピンドルモータ12のスピンドルが挿入され、ディスクが回転される間、光ディスク10は、そのクランピング領域24でクランプされる。
図3に示すように、光ディスク10は、その両面のクランピング領域24の周囲に光ディスク10に情報を記録することができる情報領域25を有している。各情報領域25は、その外周領域が通常は情報が記録されないリードアウト領域26に、また、クランピング領域24に接するその内周領域が同様に、通常は情報が記録されないリードイン領域27に定められ、更に、このリードアウト領域26とリードイン領域27との間がデータ記録領域28に定められている。
情報領域25の記録層16には、通常、データが記録される領域としてトラックがスパイラル状に連続して形成され、その連続するトラックは、複数の物理的なセクタに分割され、そのセクタには、連続番号が付され、このセクタを基準にデータが記録されている。情報記録領域25のデータ記録領域28は、実際のデータ記録領域であって、後に説明するように再生情報、ビデオデータ、副映像データ及びオーディオデータが同様にピット(即ち、物理的状態の変化)として記録されている。読み出し専用の光ディスク10では、透明基板14にピット列が予めスタンパーで形成され、このピット列が形成された透明基板14の面に反射層が蒸着により形成され、その反射層が記録層16として形成されることとなる。また、この読み出し専用の光ディスク10では、通常、トラックとしてのグルーブが特に設けられず、透明基板14の面に形成されるピット列がトラックとして定められている。
このような光ディスク装置12は、図1に示されるように更にディスクドライブ部30、システムCPU部50、システムROM/RAM部52、システムプロッセッサ部54、データRAM部56、ビデオデコータ部58、オーディオデコーダ部60、副映像デコーダ部62及びD/A及びデータ再生部64から構成されている。
図2に示すようにディスクドライブ部30は、モータドライブ回路11、スピンドルモータ12、光学ヘッド32(即ち、光ピックアップ)、フィードモータ33、フォ―カス回路36、フィードモータ駆動回路37、トラッキング回路38、ヘッドアンプ40及びサーボ処理回路44を具備している。光ディスク10は、モータ駆動回路11によって駆動されるスピンドルモータ12上に載置され、このスピンドルモータ12によって回転される。光ディスク10にレーザビームを照射する光学ヘッド32が光ディスク10の下に置かれている。また、この光学ヘッド32は、ガイド機構(図示せず)上に載置されている。フィードモータ駆動回路37がフィードモータ33に駆動信号を供給する為に設けられている。モータ33は、駆動信号によって駆動されて光学ヘッド32を光ディスク10の半径方向に移動している。光学ヘッド32は、光ディスク10に対向される対物レンズ34を備えている。対物レンズ34は、フォ―カス回路36から供給される駆動信号に従ってその光軸に沿って移動される。
上述した光ディスク10からデータを再生するには、光学ヘッド32が対物レンズ34を介してレーザビームを光ディスク10に照射される。この対物レンズ34は、トラッキング回路38から供給された駆動信号に従って光ディスク10の半径方向に微動される。また、対物レンズ34は、その焦点が光ディスク10の記録層16に位置されるようにフォーカシング回路36から供給された駆動信号に従ってその光軸方向に沿って微動される。その結果、レーザビームは、最小ビームスポットをスパイラルトラック(即ち、ピット列)上に形成され、トラックが光ビームスポットで追跡される。レーザビームは、記録層16から反射され、光学ヘッド32に戻される。光ヘッド32では、光ディスク10から反射された光ビームを電気信号に変換し、この電気信号は、光ヘッド32からヘッドアンプ40を介してサーボ処理回路44に供給される。サーボ処理回路44では、電気信号からフォ―カス信号、トラッキング信号及びモータ制御信号を生成し、これらの信号を夫々フォ―カス回路36、トラッキング回路38、モータ駆動回路11に供給している。
従って、対物レンズ34がその光軸及び光ディスク10の半径方向に沿って移動され、その焦点が光ディスク10の記録層16に位置され、また、レーザビームが最小ビームスポットをスパイラルトラック上に形成する。また、モータ駆動回路11によってスピンドルモータ12が所定の回転数で回転される。その結果、光ディスク10のピット列が光ビームで線速一定で追跡される。
図1に示されるシステムCPU部50からアクセス信号としての制御信号がサーボ処理回路44に供給される。この制御信号に応答してサーボ処理回路44からヘッド移動信号がフィードモータ駆動回路37に供給されてこの回路37が駆動信号をフィードモータ33に供給することとなる。従って、フィードモータ33が駆動され、光ヘッド32が光ディスク10の半径方向に沿って移動される。そして、光学ヘッド32によって光ディスク10の記録層16に形成された所定のセクタがアクセスされる。再生データは、その所定のセクタから再生されて光学ヘッド32からヘッドアンプ40に供給され、このヘッドアンプ40で増幅され、ディスクドライブ部30から出力される。
出力された再生データは、システム用ROM及びRAM部52に記録されたプログラムで制御されるシステムCPU部50の管理下でシステムプロセッサ部54によってデータRAM部56に格納される。この格納された再生データは、システムプロセッサ部54によって処理されてビデオデータ、オーディオデータ及び副映像データに分類され、ビデオデータ、オーディオデータ及び副映像データは、夫々ビデオデコーダ部58、オーディオデコーダ部60及び副映像デコーダ部62に出力されてデコードされる。デコードされたビデオデータ、オーディオデータ及び副映像データは、D/A及び再生処理回路64でアナログ信号としてのビデオ信号、オーディオ信号に変換されるとともにビデオ信号がモニター6に、また、オーディオ信号がスピーカー部8に夫々供給される。その結果、ビデオ信号及び副映像信号によってモニター部6にビデオが表示されるとともにオーディオ信号によってスピーカー部8から音声が再現される。
図1に示す光ディスク装置の論理フォーマットの構造を次に説明する。光ディスク装置の論理フォーマットには、現在のところ初期バージョン及び初期バージョンを改良した新規なバージョンがあり、始めに図4から図11を参照して初期バージョンの論理フォーマットを説明し、また、図15から図59を参照して初期バージョンを改良した新規なバージョンについて説明する。また、図1に示す光ディスク装置の詳細な動作については、光ディスク10の初期バージョン及び初期バージョンを改良した新規なバージョンに係る論理フォーマットとともに後により詳細に説明する。
図4には、初期バージョンに係る論理フォーマットの構造が示されている。即ち、図1に示される光ディスク10のリードインエリア27からリードアウトエリア26までのデータ記録領域28は、論理フォーマットとしてISO9660に準拠した図4に示されるようなボリューム構造を有している。このボリューム構造は、階層構造のボリューム管理情報領域70及びファイル領域80から構成されている。ボリューム管理情報領域70は、ISO9660に準拠して定められた論理ブロック番号0から23までが相当し、システム領域72及びボリューム管理エリア74が割り付けられている。システム領域72は、通常は空き領域として内容は規定されていないが、例えば、光ディスク10に記録するデータを編集する編集者の為に設けられ、編集者の意図に応じた光ディスク装置の駆動を実現する為のシステムプログラムが必要に応じて格納される。また、ボリューム管理領域74には、ファイル領域80のディスク情報ファイル76(以下、単にディスク情報ファイル76と称する。)、ムービーファイル或いはミュージックファイル等のファイル78を管理するボリューム管理情報、即ち、全のファイルの記録位置、記録容量及びファイル名等が格納されている。ファイル領域80には、論理ブロック番号24以降の論理ブロック番号で指定されるファイル番号0からファイル番号99までのファイル76、78が配置され、ファイル番号0のファイル76がディスク情報ファイル76として割り付けられ、ファイル番号1からファイル番号99までのファイル78がムービーファイル、即ち、映像ファイル、又はミュージックファイルとして割り付けられている。
ディスク情報ファイル76は、図5に示されるようにファイル管理情報エリア82及びメニュー映像データエリア84から構成され、ファイル管理情報エリア82には、光ディスク10の全体に記録されている選択可能なシーケンス、即ち、ビデオ又はオーディオのタイトルを選択するためのファイル管理情報が記述されている。ここで、特に業務用のカラオケ用光ディスク10にあっては、シーケンスは、カラオケのジャンル、例えば、演歌、ポップス、ロックに該当し、後に説明するシーケンスの下位概念としてのプログラムが具体的な曲名に該当する。尚、曲数が少ないカラオケ用の光ディスク10にあっては、シーケンスが直接曲名を指定することとなるように定めても良い。
また、メニュー映像データエリア84には、タイトル、例えば、カラオケの曲名のジャンル及びそのジャンルの曲名等を選択する選択メニューを表示する為のメニュー画面の画像データがセル単位のメニューデータセル90として格納されている。メニュー映像用データエリア84のメニュー映像データは、後に詳述するように、目的に応じて必要な大きさの単位に区切られ、ディスク10のメニュー映像データエリア84への記録順に#1から連続して番号が割り付けられたi個のメニューセル90として定められている。このメニューセル90には、ムービー或いはオーディオのタイトルの選択、各タイトルのプログラムの選択等に関する映像データ、副映像データ、或いは、オーディオデータが格納されている。
図5に示されるようにファイル管理情報エリア82は、ディスク構成情報(DSINF: Disc Structure Information)を格納するディスク構成情報エリア86、メニュー構成情報(MSINF: Menu Structure Information)を格納するメニュー構成情報エリア87、セル情報を格納するセル情報テーブル(MCIT: Menu Cell Information Table)88の3種類の情報領域があり、この順序で配列されている。
ディスク構成情報エリア86には、主にディスク10のファイル領域80に記録されているムービーファイル及びミュージックファイル、即ち、再生ファイル78の数(パラメータDSINFとして1から99の範囲内で記述される。)、個々のファイル78内に存在するシーケンスの数(既に説明したようにビデオ、オーディオ及び副映像等を含む映像データの一連のデータ群を称する。また、以下、単にシーケンスと称し、パラメータFSINFとして記述される。)、オーディオストリームの数(パラメータFNASTとして記述される。)及びオーディオストリームを特定するコード(パラメータFACODEとして記述される。)に関するオーディオ情報(パラメータFCINFとして記述される。)及びプログラムの数に関する各タイトル情報(パラメータTSINFとして記述される。)等のディスク上のファイルに関する構成情報が記述される。
メニュー構成情報(MSINF)のエリア87には、このディスク情報ファイル76内に記録されているメニュー映像用データエリア84のメニューセル90の数(パラメータNOMCELとして記述される。)、ディスク内に存在するタイトル(後に述べるようにカラオケ用にあっては、音楽のジャンルを特定するメニュー画面の選択項目をタイトルとして取り扱っている。)を選択するための一連のメニュー映像用データを構成するタイトルメニューセル90の開始セル番号(パラメータTMSCELとして記述される。)等の情報が記述されている。更に、メニュー構成情報(MSINF)には、オーディオメニューの開始番号を特定するオーディオメニュー開始セル番号(ADMSCEL)が記述されている。この開始番号で特定されるオーディオメニューには、後に説明されるようにマイクボリューム、エコーの大小、トーンの高低、副オーディオの音声のレベル及び左右のバランスに関する表示がなされ、その表示に従って各オーディオ再生特性を指定することによって再生処理部64内の対応する各部の特性を調整することができる。また、メニュー構成情報(MSINF)には、プログラムメニュー(同様に後に説明されるようにカラオケ用にあっては、プログラムが各カラオケの曲に相当し、メニュー画面でこのプログラムを指定することが曲名を指定することとなる。)開始セル番号が特定するプログラムメニュー開始セル番号(PMSCEL)が記述されている。
メニューセル情報テーブル88には、各メニューセル90の再生に必要なセル情報がセル番号順に記述されたi個のセル情報エリア89の集合に規定されている。このセル情報テーブル88には、ファイル76内のセル90の位置(パラメータMCSLBNとしてファイル先頭からのオフセット論理ブロック番号で記述される。)、サイズ(パラメータMCNLBとして論理ブロック数で記述される。)等の情報が記述されている。ここで、ディスク構成情報(DSINF)及びメニュー構成情報(MSINF)は、ファイル管理情報エリア82に連続して記述され、メニューセル情報テーブル(MCIT)88は、論理ブロックの境界にアライメントされている。
カラオケ用光ディスクでは、上述しメニューファイル76を利用して曲を選択する為のメニュー画面が作成されている。即ち、メニューセル89としてカラオケのジャンル、即ち、演歌、ポップス及びロックが表示されるメインメニューセル及びこのメインメニューで選択されたジャンルの曲名等が表示される複数のサブメニューセルが用意されている。
1又は複数タイトルのミュージックデータ或いはムービーデータがファイル番号1からファイル番号99までに相当するムービーファイル及びミュージックファイル78に格納されている。カラオケ用の光ディスクにおいては、ミュージックファイルに複数タイトルのミュージックデータが格納されている。このファイル78は、夫々図6に示すように当該ファイル78に含まれるデータに対する諸元情報、即ち、管理情報(例えば、アドレス情報及び再生制御情報等)が記述されているファイル管理情報エリア101及び当該ファイル78の映像データ(ビデオ、オーディオ及び副映像データ等を単に映像データと称する。)が記述されている映像用データエリア102から構成されるファイル構造を有している。映像用データエリア102には、ディスク情報ファイル76のメニューセル90と同様に映像データがセル単位に分割され、映像データがj個の映像用データセル105として配列されている。既に説明したようにファイルは、ムービーデータであれば、1つの題名の映画のストーリーに対応したムービーデータであり、カラオケであれば、あるカラオケシリーズの中の1巻に相当する。ディスク情報ファイル76は、その映画又はカラオケを再生するに際しての制御データに相当し、制御情報が所定のフォーマットに従って階層的に配置されている。
通常、あるタイトルのムービーデータ或いはオーディオデータは、連続するシーケンス106の集合として表される。例えば、映画のストーリーは、「起」、「承」、「転」及び「結」に相当するような連続するシーケンス106で表現される。従って、各ファイル78の映像用データエリア102は、図7に示すようにシーケンス106の集合として定義される。また、業務用のカラオケにあっては、シーケンスは、音楽のジャンルに相当している。各シーケンス106は、複数のプログラムから構成されている。この各プログラムは、ムービーであれば、そのムービーストーリの種々の場面に相当し、カラオケにあっては、ある曲名のオーディオ、映像及び歌詞に対応した副映像のカラオケデータに相当している。尚、ファイル78内の曲数が少ない家庭用のカラオケにあっては、直接シーケンスがカラオケの曲に相当すると指定されても良い。また、この各映像プログラム107が複数の映像用データセル105で構成されている。各映像セル105は、図8に示されるように制御パック(DSI)92、主映像パック93、副映像パック95及びオーディオパック98を組み合わせた1画像グループ(GOP: Group of Picture)が複数グループ配列されて構成されている。この映像セル105の構成は、メニューセル90と略同様であって、この映像用データ102は、MPEG規格(Moving Picture Expert Group)等の圧縮規格に従って圧縮された動画(ムービー)、音声(オーディオ)及び副映像等のデータがMPEG2のシステムレーヤに対応したデータフォーマットで記録されている。即ち、映像用データ102は、MPEG規格で規定されるプログラムストリーマとなっている。更に、各パック92、93、95、98は、パックヘッダ97及びパックに対応するパケット99から構成されるパック構造を有している。ここでは、カラオケは、背景の映像に歌詞が表示されて曲が流れるタイプのカラオケを想定しているが、背景の映像が静止画で歌詞が副映像として表示されて曲が流れるタイプのカラオケ、或いは、歌詞の表示と音声の再現のみで主映像が表示されないタイプであって良い。
ファイル管理情報エリア101は、ファイル管理テーブル(FMT: File Management Table)113、シーケンス情報テーブル(SIT: Sequence Information Table)114、セル情報テーブル(CIT: Cell Information Table)115等から構成される。映像用データエリア102の映像用データセルは、ディスクへの記録順に#1から連続して番号が振り分けられ、このセル番号及びこのセル番号に関連させてセルに関する情報がセル情報テーブル115に記述されている。即ち、セル情報テーブル115には、映像用データセルの再生に必要な情報をセル番号順に記述したj個のセル情報(CI)が格納されるエリア117の集合に定められ、このセル情報(CI)には、ファイル78内のセルの位置、サイズ、再生時間等の情報が記述されている。ここで、カラオケにあっては、ファイル78内のあるセルは、ある曲の1番の歌詞に相当する副映像、主映像及びオーディオデータに相当し、その次のセルがその曲の2番の歌詞に相当する副映像、主映像及びオーディオデータに相当し、更にその次のセルがその曲の3番の歌詞に相当する副映像、主映像及びオーディオデータに相当するように構成しても良い。
図9には、このセル情報テーブル115に格納されるセル情報(CI)の内容が示されている。このセル情報117は、映像データを目的に応じた単位で分割した映像セルの開始位置及びサイズ等の内容がパラメータで記述される。即ち、このセル情報(CI)は、映像セルがムービー、カラオケ及びインタラクティブメニューのいずれであるか等の映像セルの内容を示すセル種別情報(CCAT)、映像セルのトータル再生時間を示すセル再生情報(CTIME)、映像セルの開始位置、即ち開始アドレスを示すセル開始位置情報(CSLBN)及び映像セルを構成するサイズを示したセルサイズ情報(CNLB)等から構成されている。
シーケンス情報テーブル114は、シーケンス106毎に指定された範囲内のセル105を選択して再生する順序等を記述したi個のシーケンス情報(SI)が格納されるエリア116の集合に定められ、各シーケンス情報(SI)には、そのシーケンス106の内に記録されている映像セル105の再生順序及び再生に関する再生制御情報が記述されている。このシーケンス情報の番号は、シーケンス番号1からiと定義され、夫々の開始位置情報は、ファイル管理情報テーブル113に書き込まれている。
図10には、図6に示されたファイル管理情報エリア101内のシーケンス情報テーブル114に格納される1つのシーケンス情報(SI)の内容が示されている。図10に示すようにシーケンス情報エリア116には、映像セルの再生順序及びシーケンス情報等が記述される。このシーケンス情報(SI)の番号は、シーケンスの番号に一致し、シーケンス情報テーブル114にその番号順に割り付けられている。このシーケンス情報116は、シーケンス種別情報(SCAT)、構成プログラム数(SNPRG)、シーケンス再生時間(STIME)、接続シーケンス数情報(SNCSQ)、シーケンス番号リスト情報(SCSQN)及びシーケンス制御情報(SCINF)から構成されている。シーケンス種別情報(SCAT)には、このシーケンスのタイプがムービー及びカラオケのいずれかであるかが記述されている。構成プログラム数(SNPRG)には、シーケンスを構成するプログラム数が記述され、シーケンス再生時間(STIME)には、シーケンスのトータル再生時間が記述されている。シーケンス制御情報(SCINF)には、シーケンスを構成するセルの再生順序及びシーケンス内のプログラムを構成するセル及びそのプログラムを特定するプログラム番号が記述されている。ここで、各カラオケの曲に対応するシーケンス内のプログラムは、このシーケンス制御情報(SCINF)を参照することによってそのプログラムの先頭セルを特定することができ、そのセルからカラオケを再生することができる。尚、各プログラムを構成する複数のセルの内の最終セルをメニューセルとして選択された複数の次候補の曲の表示し、次候補の選択をできるようにしても良い。
図11に示すファイル管理テーブル(FMT)113は、その映像ファイル78に関する諸元情報を示している。このファイル管理テーブル113には、図11に示すようにそのファイル名(FFNAME)及び光ディスクが装填された光ディスク再生装置で再生可能なファイルか否かを識別する為のファイル識別子(FFID)が記述されている。このファイル識別子(FFID)には、例えば、ムービーファイルであることを識別するための識別子が記述されている。また、このファイル管理テーブル113には、シーケンス情報テーブル(SIT)114及びセル情報テーブル(SIT)115の開始アドレス(FSASIT、FSACIT)及びそれぞれのテーブルに記述されるシーケンス情報(SI)及びセル情報(CI)の個数(FNSQ、FNCEL)、さらに、シーケンス情報テーブル(CIT)114の先頭からの相対距離で示されるに夫々のシーケンス116の開始アドレス(FSAESI)及び映像用データエリア102の映像データを開始する為の開始アドレス(FSADVD)、各データを再生するための情報としてのデータ属性等が記述されている。ここで、シーケンス情報テーブル114の開始アドレス(FSASIT)には、このファイル管理テーブル113が属するファイル78の先頭からのシーケンス情報テーブル114の開始アドレスがオフセットブロック論理番号で記述され、シーケンス情報開始アドレス(FSAESI)には、シーケンス情報テーブル114中の各シーケンス情報の開始アドレス及びそのサイズがシーケンスの記述順序でシーケンスの数だけ記述される。開始アドレスは、シーケンス情報テーブル114の先頭からのオフセットバイト番号で記述される。
更に、ファイル管理テーブル(FMT)113は、オーディオストリームの数を記述したオーディオストリーム数(FNAST)及びオーディオストリームの属性に関するオーディオストリーム属性(FAATR)が記述されている。ここでオーディオストリームとは、オーディオデータのストリームであって、ムービーデータであれば、背景音に相当するマスターストリーム及びそのムービーの音声部分に相当するスレーブストリームがあり、スレーブストリームには、英語の音声、日本語音声及びその他の言語を用意して置くことができる。また、カラオケでは、マスターストリームは、オーケストラ等の演奏が入れられたオーディオデータが該当し、スレーブストリームは、男性ボーカル音声或いは女性ボーカル音声に係るオーディオデータが該当している。また、このオーディオストリーム属性(FAATR)としてオーディオの圧縮モード、例えば、ドルビー AC3、或いは、リニアPCMオーディオ等が記述され、オーディオモード、例えば、モノラル、或いは、ステレオ等が記述され及びオーディオ種別、例えば、特定せず、或いは、言語を含む場合等が記述されている。また、このオーディオストリーム属性(FAATR)には、ミキシングに関するMIX、マスターストリーム番号及び特定コードが記述されている。MIXには、オーディオストリームが独立ストリーム、即ち、ミキシングができないマスターストリームであるか、ミキシングが可能であると共に単独でも再生可能なストリーム、即ち、マスターストリームであるか、或いは、ミキシングが可能であるが、単独では再生ができないストリーム、即ちスレーブストリームであるかが記述されている。マスターストリーム番号には、オーディオストリームがスレーブストリームである場合にミキシングするマスターストリームのオーディオストリームの番号が記述され、独立ストリーム或いはマスターストリームの場合は対象とするオーディオストリームがない旨が記述される。更に、特定コードには、オーディオ種別に言語或いは言語を含むオーディオストリームである旨が記述される場合に、別途定められた言語テーブルに記載の言語、例えば、英語、日本語、ドイツ語等のコード番号が記述される。
次に、再び図1を参照して図4から図11に示す論理フォーマットを有する光ディスク10からのカラオケデータの再生動作について説明する。尚、図1においてブロック間の実線の矢印は、データバスを示し、破線の矢印は、制御バスを示している。
図1に示される光ディスク装置においては、電源が投入されると、システム用ROM及びRAM52からシステムCPU部50は、初期動作プログラムを読み出し、ディスクドライブ部30を作動させる。従って、ディスクドライブ部30は、リードイン領域27から読み出し動作を開始し、リードイン領域27に続くボリューム管理領域70のボリューム管理情報エリア74からボリューム管理情報が読み出される。即ち、システムCPU部50は、ディスクドライブ部30にセットされたディスク10の所定位置に記録されているボリューム管理情報エリア74からボリューム管理情報を読み出す為に、ディスクドライブ部30にリード命令を与え、ボリューム管理情報の内容を読み出し、システムプロセッサ部54を介して、データRAM部56に一旦格納する。システムCPU部50は、データRAM部56に格納されたボリューム管理情報のデータ列から各ファイルの記録位置や記録容量等の情報やその他管理に必要な情報を抜き出し、システム用ROM&RAM部52の所定の場所に転送し、保存する。
次に、システムCPU部50は、システム用ROM&RAM部52から、先に取得した各ファイルの記録位置や記録容量の情報を参照してファイル番号0番に相当するディスク情報ファイル76を取得する。即ち、システムCPU部50は、システム用ROM及びRAM部52から、先に取得した各ファイルの記録位置や記録容量の情報を参照してディスクドライブ部30に対してリード命令を与え、ファイル番号が0であるディスク情報ファイル76のファイル管理情報を読み出し、システムプロセッサ部54を介して、データRAM部56に格納する。取得した情報を同様にシステム用ROM&RAM部52の所定の場所に転送し保存する。
システムCPU部50は、ディスク情報ファイル76のファイル管理情報のディスク構成情報86、メニュー構成情報87及びセル情報テーブル88を利用して、メニュー映像用データ84のシーケンス(タイトル)選択メニューを再生し、後述するように画面に表示する。即ち、カラオケのジャンルを表示するメインメニュー画面が表示され、キー操作及び表示部4を用いてメインメニューでジャンルが特定されると、そのシーケンス番号が指定される。その後、曲名を表示するサブメニュー画面が表示され、このサブメニュー画面である曲名のタイトルを選択すると、プログラム番号が指定される。これにより選択したシーケンスの帰属するファイル番号、シーケンス情報及びシーケンス内のプログラムが特定される。
指定された映像用ファイル78を取得し、映像用データ102を再生するまでの動作を次に説明する。指定されたシーケンス番号に対するシーケンス情報を取得するために、ボリューム管理情報74から得た各映像用ファイル78の記録位置及び記録容量を用いて、先ず、再生するプログラム、即ちシーケンスが帰属する映像用ファイル78のファイル管理情報101を上記のディスク情報ファイル76の獲得の際と同様に読み出し、データRAM部56へ格納する。
システムCPU部50は、データRAM部56に格納したファイル管理情報101のシーケンス情報テーブル114から、指定されたプログラムが属するシーケンス情報を取得し、そのデータと、そのシーケンスのプログラムを再生するために必要なセル情報テーブル115中のセル情報117をシステムROM&RAM部52へ転送し、格納する。
このように取得したシーケンス情報中のプログラムのセル再生順序情報により、最初に再生するセル情報を取得し、このセル情報中の映像用データ再生開始アドレスとサイズをもとに、ディスクドライブ部30に対し目的のアドレスからのリード命令が与えられる。ディスクドライブ部30は、リード命令に従って光ディスク10を駆動すると共に、光ディスク10より目的のアドレスのデータを読み込んでシステムプロセッサ部54に送る。システムプロセッサ部54は、送られてきたデータをデータRAM部56に一旦記憶し、そのデータに付加されているヘッダ情報を基にデータの種別(ビデオ、オーディオ、副映像、再生情報等)を判別し、判別した種類に応じたデコーダ部58、60、62にデータを転送する。
各デコーダ部58、60、62はそれぞれのデータフォーマットに従ってデータをデコードし、D/A&再生処理部64に送る。D/A&再生処理部64は、デコード結果のデジタル信号をアナログ信号に変換し、ミキシング処理を施して、モニター部6、スピーカー部8に出力する。
尚、データの種別の判別過程では、データが映像用データの再生位置等を示す再生情報の場合には、この再生情報はデコーダへは転送されず、この再生データは、データRAM部56に格納される。この再生情報は、システムCPU部50によって必要に応じて参照されて映像データを再生する際の監視に利用される。
また、1つのセルの再生が終了すると、次に再生するセル情報がシーケンス情報中のセル再生順序情報から取得し、同様にして再生が続けられる。
更に、図12を参照してD/A&再生処理部64内のオーディオの音声制御に係る回路をより詳細に説明する。尚、図12においてキー操作&表示部4は、表示部4A及びキー操作部4Bに分離して図示されている。
既に説明したように光ディスク10から光学的検出された映像データ、即ち、RF信号は、システムプロセッサ部58により映像データと音声データに分離され、映像データはビデオデコーダ部58でデコードされて映像再生信号として出力される。一方、音声データは音声デコーダ部60に入力され、音声信号にデコードされてマスターストリームに相当する主音声信号とスレーブストリームに相当する副音声信号に分けられて個別に出力される。主音声信号は、音声調子制御部126でそのトーンが調整されて音声加算/切り換え部127に入力される。更に、副音声信号は、副音声信号振幅調整部124により適度な信号振幅に調整され、その後、L(左)とR(右)の音量バランスを整える為に副音声信号L/Rバランス調整部125に入力される。マイク(図示せず)からは、マイクからは、マイク音声信号が音声入力部120に入力され、この音声入力部120から外部音声信号が残響効果制御部129に入力され、エコー処理が残響効果制御部129でなされる。このエコー処理された外部音声信号は、音声調子制御部126から出力される主音声信号及び副音声信号L/Rバランス調整部125から出力される副音声信号が入力されている音声加算/切り換え部127に出力される。この音声加算/切り換え部127では、これら主音声信号及び副音声信号並びに外部音声信号が加算され、必要に応じて切り替えられて最終的にステレオ音声信号として出力される。図12に示す回路の各部は、システムCPU部50によって制御され、このシステムCPU部50を介して動作状態を表示する表示部4Aとユーザーからの指示を受け付ける為のキー入力部4Bに接続されている。
図12に示した回路の動作を図13に示したフローチャートを参照して説明する。既に説明したようにシステムCPU50はシステムプロセッサ部54を介してシーケンス用途を含む演奏に必要な全ての情報を得るためにディスクの所定エリアに記録されたファイル管理情報を読み取る。読み取った情報は再生装置の電源が遮断されるまでシステム用ROM&RAM52に保存される(ステップS1)。
ディスクを再生するに当たり、まずシーケンス用途(SCAT)が解析され、カラオケモードか否かが判断される。カラオケモード以外であった場合には、そのモードに応じてディスク装置の動作が設定される(ステップS2、S3)。
もし、カラオケモードであった場合には、LED等によりカラオケモードであることが表示部4Aに表示されると共に一曲目の演奏開始点がサーチされ、その位置でポーズ状態となる(ステップS3、ステップS4)。ここで、図14A,14B,14Cに示すような画面をキー入力部4Bの操作によってモニター6にマイクボリューム等の調整画面を表示させることができる。即ち、図14Aに示すように調整画面を見ながらマイクボリュームを調整すると、その調整コマンドがキー入力部4Bを介してマイク音声入力部120に与えられ、入力されたマイク音声信号の増幅率が変化され、図14Bに示すように調整画面を見ながらエコーを調整すると、その調整コマンドがキー入力部4Bを介して残響効果制御手段129に与えられ、入力されたマイク音声信号のエコーが変化される。また、図14Cに示すように音の高さに相当するキーコントロールを調整すると、その調整コマンドがキー入力部4Bを介して音声調子制御部126に与えられ、主音声信号のトーンが変化される。更に、図14D及び14E に示すように調整画面を見ながら副音声のレベル及びその左右のバランスを調整すると、その調整コマンドがキー入力部4Bを介して副音声信号振幅調整部124及び副音声信号L/Rバランス調整部125に与えられ、副音声の再生音声レベル及びその左右のバランスが調整される。調整を誤った時の為に図14Fに示すように上記調整を解除する為の画面及びその解除に従って、リセットコマンドをマイク音声入力部120、残響効果制御手段129、音声調子制御部126、副音声信号振幅調整部124及び副音声信号L/Rバランス調整部125に与え、これらマイク音声入力部120、残響効果制御手段129、音声調子制御部126、副音声信号振幅調整部124及び副音声信号L/Rバランス調整部125が調整前の標準状態に復帰される。このような調整があった場合には、この調整の後に、メニュー情報、特に全曲目のメニューがあるか否かが確認され(ステップS5)、メニュー情報がある場合には、メニュー画面として全曲目のメニューを表示するか否かが確認される(ステップS6)。全曲目のメニューを表示する場合には(ステップS7)、そのメニューが表示され、その表示から演奏曲名を選択することとなる(ステップS9)。ここで、全曲目のメニューは、既に述べたようにメインメニュー及び複数枚のサブメニューから構成されても良いことはあきらかである。ここで、演奏曲名が選択されない場合には、再びステップS5に戻されることとなる。また、ステップS5でメニューがない場合及びステップS6でメニューの非表示を選択した場合には、曲名のメニューが表示されずに曲目一覧表でコード指定して曲目を選定することとなる(ステップS8、ステップS9)。既に述べたようにこの演奏曲目の選択は、あるシーケンス中のプログラムの選定に該当し、このプログラムの指定でプログラム内の先頭のセルがサーチされることとなる。このようにしてポーズ状態で対話形式のカラオケの操作が可能となる。演奏曲目が選択されると、演奏開始キーが押されたかが確認され(ステップS10)、演奏開始キーが押されない場合には、再びステップS5に戻されることとなる。演奏開始キーが押されると、指定された曲目がサーチされ、演奏が開始される(ステップS11)。その後、演奏が終了すると、次の曲の開始位置でポーズモードに維持されてステップS5に戻されることとなる(ステップS13)。演奏の終了は、既に説明したように選定したプログラムの終了であり、そのプログラム内のセルデータの再生に相当している。演奏が終了した際には、キー操作部4Bにおいて調整操作を保留する保留が押されていない限りにおいては、既にその演奏前にセットされた調整コマンドがリセットされる。即ち、演奏の終了とともに、リセットコマンドがキー入力部4Bから発生され、リセットコマンドがマイク音声入力部120、残響効果制御手段129、音声調子制御部126、副音声信号振幅調整部124及び副音声信号L/Rバランス調整部125に与えられ、これらマイク音声入力部120、残響効果制御手段129、音声調子制御部126、副音声信号振幅調整部124及び副音声信号L/Rバランス調整部125が調整前の標準状態に復帰される。このリセットコマンドは、次のメニュー画面で次に歌う曲名が選択された際に発生されるようにしても良く、或いは、選定したジャンルの曲の間では、そのまま保留に維持され、ジャンルが代わった際にリセットコマンドが発生されても良い。
演奏が終了していない場合には、例えば、演奏途中で歌い直しを希望して歌い直しキーが押された場合には(ステップS14)、再びステップS11に戻される。この歌い直しモードでは、既に選定されたそのプログラムの先頭データセルが再生セルに指定されて次々とデータセルが再生されることとなる。また、演奏途中で調子等が合わず、調子或いは残響キーが押された場合には(ステップS15)、押されたキーに応じた処理がなされると共にその表示画面が切り替えられて所定時間後にその元の演奏中の画面、即ちステップS12に戻されることとなる。副音声レベル或いはバランスキーが押された場合(ステップ16)には、同様に押されたキーに応じた処理がなされると共にその表示画面が切り替えられて所定時間後にその元の演奏中の画面、即ちステップS12に戻されることとなる。
上述したメニュー画面では、タイトルに相当する演奏等の主音声のみならず副音声をも選択することができる。例えば、マスターストリームに相当する主音声として純粋にオーケストラのみをしても良く、このマスターストリームに加えてスレーブストリームとして副音声に該当する歌唱の手本となるボーカルが選択されても良い。このような選択によって、カラオケのみの演奏或いはボーカル音声をミックスして音声ガイド付きで演奏するなどの選択ができる。
さらに、ボーカル音声のL(左)に男性ボーカル、R(右)に女性ボーカルを割当ておくと、例えば男性が一人でデュエット曲を歌う場合などボーカル音声のR(右)だけをオーケストラとミックスして歌う事ができる。女性が一人でデュエットする場合は上記と逆にL(左)の男性ボーカルだけをミックスすれば良い。このような設定は、マスターストリームに加えてスレーブストリームをメニュー画面から選択することによって実現することができる。
この他に、カラオケモード時にはオーケストラの音声信号の調子(キー)の調整やマイクからの外部入力音声に残響効果(エコー)を付けたりする事が出来ると共に、これらのキー操作に応じてマイク音量、残響レベル、調子、副音声のレベルやバランス等が画面上にシンボル化されて表示される。また、カラオケの場合に特に必要とされる機能で、もう一度最初から歌い直したいときの為に歌い直し機能が設けられており、これは歌い直しキーが操作されると直ちに演奏中の曲の頭に戻り再生を行うというものである。
図4から図11に示した初期バージョンとは異なる初期バージョンを改良した新規なバージョンに係る論理フォーマットついて、図15から図59を参照して説明する。また、新規なバージョンに係る論理フォーマットでの図1に示す光ディスク装置の詳細な動作については、この初期バージョンを改良した新規なバージョンに係る論理フォーマットを説明した後に説明する。
図15は、初期バージョンを改良した新規なバージョンに係る論理フォーマットの構造を示している。即ち、図1に示される光ディスク10のリードインエリア27からリードアウトエリア26までのデータ記録領域28は、図15に示されるようなボリューム及びファイル構造を有している。この構造は、論理フォーマットとして特定の規格、例えば、マイクロUDF(microUDF)及びISO9660に準拠されて定められている。データ記録領域28は、既に説明したように物理的に複数のセクタに分割され、その物理的セクタには、連続番号が付されている。下記の説明で論理アドレスは、マイクロUDF(microUDF)及びISO9660で定められるように論理セクタ番号(LSN)を意味し、論理セクタは、物理セクタのサイズと同様に2048バイトであり、論理セクタの番号(LSN)は、物理セクタ番号の昇順とともに連続番号が付加されている。
図15に示されるようにこのボリューム及びファイル構造は、階層構造を有し、ボリューム及びファイル構造領域270、ビデオマネージャー(VMG)271、少なくとも1以上のビデオタイトルセット(VTS)272及び他の記録領域273を有している。これら領域は、論理セクタの境界上で区分されている。ここで、従来のCDと同様に1論理セクタは、2048バイトと定義されている。同様に、1論理ブロックも2048バイトと定義され、従って、1論理セクタは、1論理ブロックと定義される。
ファイル構造領域70は、マイクロUDF及びISO9660に定められる管理領域に相当し、この領域の記述を介してビデオマネージャー271がシステムROM/RAM部52に格納される。ビデオマネージャー71には、図16を参照して説明するようにビデオタイトルセットを管理する情報が記述され、ファイル#0から始まる複数のファイル274から構成されている。また、各ビデオタイトルセット(VTS)72には、後に説明するように圧縮されたビデオデータ、オーディオデータ及び副映像データ及びこれらの再生情報が格納され、同様に複数のファイル274から構成されている。ここで、複数のビデオタイトルセット272は、最大99個に制限され、また、各ビデオタイトルセット272を構成するファイル274(File#jからFile#j+9)の数は、最大10個に定められている。これらファイルも同様に論理セクタの境界で区分されている。
他の記録領域273には、上述したビデオタイトルセット272を利用可能な情報が記録されている。この他の記録領域273は、必ずしも設けられなくとも良い。
ここで、カラオケ用の光ディスク10にあっては、動画とともにカラオケ、即ち、伴奏とともに副映像として歌詞が表示されるビデオ、オーディオ及び副映像データがビデオタイトルセット272内に後に説明するように再生対象としてのビデオオブジェクトセット282として格納されている。従って、カラオケ用にあっては、このビデオタイトルセット272は、例えば、年代別、歌手別、ジャンル別等のタイトルセット272が用意されても良い。カラオケの分類とフォーマットとの関係は、より詳細に後に説明する。
図16に示すようにビデオマネージャー271は、夫々が各ファイル274に相当する3つの項目を含んでいる。即ち、ビデオマネージャー271は、ビデオマネージャー情報(VMGI)275、ビデオマネージャーメニューの為のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)76及びビデオマネージャー情報のバックアップ(VMGI_BUP)277から構成されている。ここで、ビデオマネージャー情報(VMGI)275及びビデオマネージャー情報のバックアップ77(VMGI_BUP)277は、必須の項目とされ、ビデオマネージャーメニューの為のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)276は、オプションとされている。このVMGM用のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)276には、ビデオマネージャー271が管理する当該光ディスク中のボリュームに関するメニューのビデオデータ、オーディオデータ及び副映像データが格納されている。
このVMGM用のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)276によって後に説明されるビデオの再生のように当該光ディスクのボリューム名、ボリューム名表示に伴う音声及び副映像の説明が表示されるとともに選択可能な項目が副映像で表示される。例えば、VMGM用のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)276によって当該光ディスクがある年代のヒット曲集に係るカラオケデータである旨、即ち、1960年代のポップスヒット曲集等のボリューム名とともに1960年代にヒット曲を出した歌手の映像がビデオデータで再生されるとともにヒット曲のイントロが音声で再現され、副映像でヒット曲名等が表示される。また、選択項目として1960年代にヒット曲を出した歌手名が表示され、いずれの歌手を選択するかが問い合わされる。
ここで、図17を参照してビデオオブジェクトセット(VOBS)282の構造について説明する。図17は、ビデオオブジェクトセット(VOBS)282の一例を示している。このビデオオブジェクトセット(VOBS)282には、2つのメニュー用及びタイトル用として3つのタイプのビデオオブジェクトセット(VOBS)276、295、296がある。即ち、ビデオオブジェクトセット(VOBS)282は、後に説明するようにビデオタイトルセット(VTS)272中にビデオタイトルセットのメニュー用ビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)295及び少なくとも1つ以上のビデオタイトルセットのタイトルの為のビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)296があり、いずれのビデオオブジェクトセット82もその用途が異なるのみで同様の構造を有している。
図6に示すようにビデオオブジェクトセット(VOBS)282は、1個以上のビデオオブジェクト(VOB)283の集合として定義され、ビデオオブジェクトセット(VOBS)282中のビデオオブジェクト283は、同一の用途の供される。通常、メニュー用のビデオオブジェクトセット(VOBS)282は、1つのビデオオブジェクト(VOB)283で構成され、複数のメニュー用の画面を表示するデータが格納される。これに対してタイトルセット用のビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)282は、通常、複数のビデオオブジェクト(VOB)283で構成される。
ここで、ビデオオブジェクト(VOB)283は、1960年代のヒット曲集のカラオケデータを例にすれば、ある歌手のヒット曲集のビデオデータに相当する。また、ビデオタイトルセット272のメニュー用ビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)295には、その歌手の曲名のメニューデータが格納され、そのメニューの表示に従って、特定の曲名を指定することができる。
ビデオオブジェクト(VOB)283には、識別番号(IDN#j)が付され、この識別番号によってそのビデオオブジェクト(VOB)283を特定することができる。ビデオオブジェクト(VOB)283は、1又は複数のセル284から構成される。通常のビデオストリームは、複数のセルから構成されることとなるが、メニュー用のビデオストリーム、即ち、ビデオオブジェクト(VOB)283は、1つのセル284から構成される場合もある。同様にセルには、識別番号(C_IDN#j)が付され、このセル識別番号(C_IDN#j)によってセル284が特定される。
図17に示すように各セル284は、1又は複数のビデオオブジェクトユニット(VOBU)285、通常は、複数のビデオオブジェクトユニット(VOBU)285から構成される。ここで、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)285は、1つのナビゲーションパック(NVパック)286を先頭に有するパック列として定義される。即ち、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)285は、あるナビゲーションパック286から次のナビゲーションパックの直前まで記録される全パックの集まりとして定義される。このビデオオブジェクトユニット(VOBU)の再生時間は、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)中に含まれる単数又は複数個のGOPから構成されるビデオデータの再生時間に相当し、その再生時間は、0.4秒以上であって1秒より大きくならないように定められる。MPEGでは、1GOPは、通常0.5秒であってその間に15枚程度の画像が再生する為の圧縮された画面データであると定められている。
図17に示すようにビデオオブジェクトユニットがカラオケ用ビデオデータを含む場合には、MPEG規格に定められたビデオパック(Vパック)288、副映像パック(SPパック)290及びオーディオパック(Aパック)291から構成されるGOPが配列されてビデオデータストリームが構成されるが、このGOPの数とは、無関係にGOPの再生時間を基準にしてビデオオブジェクトユニット(VOBU)283が定められ、その先頭には、常にナビゲーションパック(NVパック)286が配列される。また、オーディオ及び/又は副映像データのみの再生データにあってもこのビデオオブジェクトユニットを1単位として再生データが構成される。即ち、オーディオパックのみでビデオオブジェクトユニットが構成されても、ビデオデータのビデオオブジェクトと同様にそのオーディオデータが属するビデオオブジェクトユニットの再生時間内に再生されるべきオーディオパックがそのビデオオブジェクトユニットに格納される。
再び図16を参照してビデオマネージャー271について説明する。ビデオマネージャー271の先頭に配置されるビデオ管理情報275は、そのビデオマネージャー自体の情報、タイトルをサーチする為の情報、ビデオマネージャーメニューの再生の為の情報、及びビデオタイトルの属性情報の等のビデオタイトルセット(VTS)272を管理する情報が記述され、図16に示す順序で4つのテーブル278、279、280、281が記録されている。この各テーブル278、279、280は、論理セクタの境界に一致されている。第1のテーブルであるビデオ管理情報管理テーブル(VMGI_MAT)278は、必須のテーブルであってビデオマネージャー271のサイズ、このビデオマネージャー271中の各情報のスタートアドレス、ビデオマネージャーメニュー用のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)276のスタートアドレス及びその属性情報等が記述されている。この属性情報には、ビデオの属性情報、オーディオの属性情報及び副映像の属性情報があり、これらの属性情報よってデコーダ58、60、62及び再生処理部64のビデオ再生処理部201、オーディオ再生処理部202、オーディオミキシング部203並びに副映像再生処理部207のモードが変更され、ビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)276が適切なモードで再生される。
また、ビデオマネージャー271の第2のテーブルであるタイトルサーチポインターテーブル(TT_SRPT)279には、装置のキー及び表示部4からのタイトル番号の入力に応じて選定可能な当該光ディスク10中のボリュームに含まれるビデオタイトルセットのスタートアドレスが記載されている。
ビデオマネージャー271の第3のテーブルであるビデオマネージャーメニューPGCIユニットテーブル(VMGM_PGCI_UT)248は、ビデオマネージャーメニュー用のビデオオブジェクト(VMGM_VOB)276がある場合には、必須項目とされている。ビデオマネージャーメニュー用のビデオオブジェクト(VMGM_VOB)276内には、種々の言語に対応したプログラムチェーンが設けられ、この各言語に対応したメニュー用のプログラムチェーンに関する情報が記述されている。
ビデオマネージャー271の第4のテーブルであるビデオタイトルセット属性テーブル(VTS_ATRT)280には、当該光ディスクのボリューム中のビデオタイトルセット(VTS)272に定められた属性情報が記載される。即ち、属性情報としてビデオタイトルセット(VTS)272の数、ビデオタイトルセット(VTS)272の番号、ビデオの属性、例えば、ビデオデータの圧縮方式等、オーディオストリームの属性、例えば、オーディオの符号化モード等、副映像の属性、例えば、副映像の表示タイプ等がこのテーブルに記載されている。
ボリューム管理情報管理テーブル(VMGI_MAT)278、ビデオマネージャーメニューPGCIユニットテーブル(VMGM_PGCI_UT)280、タイトルサーチポインターテーブル(TT_SRPT)279及びビデオタイトルセット属性テーブル(VTS_ATRT)280に記載の記述内容の詳細について、図18から図32を参照して次に説明する。
図18に示すようにボリューム管理情報管理テーブル(VMGI_MAT)278には、ビデオマネージャー271の識別子(VMG_ID)、論理ブロック(既に説明したように1論理ブロックは、2048バイト)の数でビデオ管理情報のサイズ(VMGI_SZ)、当該光ディスク、通称、デジタルバーサタイルディスク(デジタル多用途ディスク:以下、単にDVDと称する。)の規格に関するバージョン番号(VERN)及びビデオマネージャー271のカテゴリー(VMG_CAT)が記載されている。
ここで、ビデオマネージャー271のカテゴリー(VMG_CAT)には、このDVDビデオデイレクトリーがコピーを禁止であるか否かのフラグ等が記載される。また、このテーブル(VMGI_MAT)278には、ボリュームセットの識別子(VLMS_ID)、ビデオタイトルセットの数(VTS_Ns)、このディスクに記録されるデータの供給者の識別子(PVR_ID)、ビデオマネージャーメニューの為のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)276のスタートアドレス(VMGM_VOBS_SA)、ボリュームマネージャー情報の管理テーブル(VMGI_MAT)278の終了アドレス(VMGI_MAT_EA)、タイトルサーチポインターテーブル(TT_SRPT)279のスタートアドレス(TT_SRPT_SA)が記載されている。VMGメニューのビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)295がない場合には、その開始アドレス(VMGM_VOBS_SA)には、”00000000h”が記載される。VMGI_MAT78の終了アドレス(VMGI_MAT_EA)は、VMGI_MAT278の先頭からの相対的なバイト数で記述され、TT_SRPT279のスタートアドレス(TT_SRPT_SA)は、VMGI275の先頭の論理ブロックからの相対的な論理ブロック数で記載されている。
更に、このテーブル278には、ビデオマネージャーメニューPGCIユニットテーブル(VMGM_PGCI_UT)248のスタートアドレス(VMGM_PGCI_UT_SA)及びビデオタイトルセット(VTS)272の属性テーブル(VTS_ATRT)280のスタートアドレス(VTS_ATRT_SA)がVMGIマネージャーテーブル(VMGI_MAT)71の先頭バイトからの相対的なバイト数で記載され、ビデオマネージャーメニュー(VMGM)ビデオオブジェクトセット276のビデオ属性(VMGM_V_ATR)が記載されている。更にまた、このテーブル278には、ビデオマネージャーメニュー(VMGM)のオーディオストリームの数(VMGM_AST_Ns)、ビデオマネージャーメニュー(VMGM)のオーディオストリームの属性(VMGM_AST_ATR)、ビデオマネージャーメニュー(VMGM)の副映像ストリームの数(VMGM_SPST_Ns)及びビデオマネージャーメニュー(VMGM)の副映像ストリームの属性(VMGM_SPST_ATR)が記載されている。ビデオマネージャーメニュー(VMGM)がない場合には、ビデオマネージャーメニューPGCIユニットテーブル(VMGM_PGCI_UT)には、”00000000h”が記載される。
再び、図16に示す構造について説明する。図16に示すタイトルサーチポインターテーブル(TT_SRPT)279には、図19に示すように始めにタイトルサーチポインターテーブルの情報(TSPTI)が記載され、次に入力番号1からn(n≦99)に対するタイトルサーチポインター(TT_SRP)が必要な数だけ連続的に記載されている。この光ディスクのボリューム中に1タイトルの再生データ、例えば、1タイトルのビデオデータしか格納されていない場合には、1つのタイトルサーチポインター(TT_SRP)293しかこのテーブル(TT_SRPT)279に記載されない。
タイトルサーチポインターテーブル情報(TSPTI)292には、図20に示されるようにエントリープログラムチェーンの数(EN_PGC_Ns)及びタイトルサーチポインター(TT_SRP)293の終了アドレス(TT_SRPT_EA)が記載されている。このアドレス(TT_SRPT_EA)は、このタイトルサーチポインターテーブル(TT_SRPT)279の先頭バイトからの相対的なバイト数で記載される。また、図22に示すように各タイトルサーチポインター(TT_SRP)には、ビデオタイトルセット番号(VTSN)、プログラムチェーン番号(PGCN)及びビデオタイトルセット272のスタートアドレス(VTS_SA)が記載されている。
このタイトルサーチポインター(TT_SRP)293の内容によって再生されるビデオタイトルセット(VTS)272、また、プログラムチェーン(PGC)が特定されるとともにそのビデオタイトルセット272の格納位置が特定される。ビデオタイトルセット272のスタートアドレス(VTS_SA)は、ビデオタイトルセット番号(VTSN)で指定されるタイトルセットを論理ブロック数で記載される。
ここで、プログラムチェーン287とは、図22に示すようにあるタイトルのストーリーを再現するプログラム289の集合と定義される。メニュー用のプログラムチェーンにあっては、静止画或いは動画のプログラムが次々に再現されて1タイトルのメニューが完結されることとなる。また、タイトルセット用のプログラムチェーンにあっては、プログラムチェーンが複数プログラムから成るあるストーリーのある章が該当し、プログラムチェーンが連続して再現されることによってある1タイトルの映画が完結される。図22に示されるように各プログラム289は、再生順序に配列された既に説明したセル284の集合として定義される。ここで、カラオケ用においては、タイトルセット272が1960年代のヒット曲集であれば、プログラムチェーン287は、ビデオオブジェクト283と同様に60年代のある歌手の曲目、即ち、プログラム289の集まりとなる。従って、タイトルセット272を指定して60年代のヒット曲集を指定でき、プログラムチェーン287を指定することによって60年代のある歌手のカラオケ集を指定でき、プログラム289を指定することによって具体的な曲名を指定できることとなる。
図16に示すビデオマネージャーメニューPGCIユニットテーブル(VMGM_PGCI_UT)280には、図23に示すように始めにビデオマネージャーメニューPGCIユニットテーブル情報( VMGM_PGCI_UTI)250が記載され、次に、言語数nに対応してビデオマネージャーメニュー言語ユニットサーチポインター(VMGM_LU_SRP)251が必要な数nだけ連続的に記載され、続いてサーチポインターで検索されるビデオマネージャーメニュー言語ユニット(VMGM_LU)252が記載されている。ここで、ビデオマネージャーメニュー言語ユニット(VMGM_LU)で定められるメニューは、ただ1つのPGCを備えねばならないとされている。
ビデオマネージャーメニューPGCIユニットテーブル情報(VMGM_PGCI_UTI)280には、図24に示されるようにVMGM言語ユニット(VMGM_LU)の数(VMGM_LU_Ns)及びVMGM_PGCIユニットテーブル(VMGM_PGCI_UT)280の終了アドレス(VMGM_PGCI_UT_EA)が記載されている。言語毎に用意されているn個のビデオマネージャーメニュー言語ユニットサーチポインター(VMGM_LU_SRP)251の夫々には、図25に示すようにビデオマネージャーメニューの言語コード(VMGM_LCD)及びビデオマネージャーメニュー(VMGM)言語ユニット(VMGM_LU)252の開始アドレス(VMGM_LU_SA)が記述されている。 VMGM_PGCI_UT280の終了アドレス(VMGM_PGCI_UT_EA)及びVMGM_LU252の開始アドレス(VMGM_LU_SA)は、このVMGM_PGCIユニットテーブル(VMGM_PGCI_UT)280の先頭バイトからの論理ブロック番号で記述されている。
言語毎に用意されているn個のVMGM言語ユニット(VMGM_LU)252の夫々には、図26に示すようにビデオマネージャーメニュー言語ユニット情報(VMGM_LUI)253、メニュー用のプログラムチェーンの数だけVMGM_PGCIサーチポインター(VMGM_PGCI_SRP)が設けられ、このサーチポインターでサーチされるVMGM_PGC情報(VMGM_PGCI)255が同様にメニュー用のプログラムチェーンの数だけ設けられている。
各言語ユニット情報(VMGM_LUI)253には、図27に示されるようにVMGM_PGCIの数( VMGM_PGCI_Ns)及び言語ユニット情報(VMGM_LUI)の終了アドレス(VMGM_LUI_EA)が記述されている。また、各VMGM_PGCIサーチポインター(VMGM_PGCI_SRP)には、 図28に示すようにVMGM_PGCカテゴリー(VMGM_PGC_CAT)及びVMGM_PGCIのスタートアドレス(VMGM_PGCI_SA)が記述されている。 VMGM_LUIの終了アドレス(VMGM_LUI_EA)及びVMGM_PGCIのスタートアドレス(VMGM_PGCI_SA)は、VMGM_LUの先頭バイトからの相対的論理ブロック番号で記述されている。 VMGM_PGCカテゴリー(VMGM_PGC_CAT)としては、このプログラムチェーンがエントリープログラムチェーンであるか、また、タイトルメニューであるか等が記述される。
図16に示すビデオタイトルセット(VTS)272の属性情報を記述したビデオタイトルセット属性テーブル(VTS_ART)280は、図29に示すようにビデオタイトルセット属性テーブル情報(VTS_ATRTI)266、n個のビデオタイトルセット属性サーチポインター(VTS_ATR_SRP)267及びn個のビデオタイトルセット属性(VTS_ARTR)268から構成され、その順序で記述されている。ビデオタイトルセット属性テーブル情報(VTS_ATRTI)266には、このテーブル280の情報が記述され、ビデオタイトルセット属性サーチポインター(VTS_ATR_SRP)267には、#1から#nまでのタイトルセットに対応した順序で記述され、同様に#1から#nまでのタイトルセットに対応した順序で記述されたビデオタイトルセット属性(VTS_ATR)268を検索するポインターに関する記述がされている。また、ビデオタイトルセット属性(VTS_ATR)268の夫々には、対応するタイトルセット(VTS)の属性が記述されている。
より詳細には、ビデオタイトルセット属性テーブル情報(VTS_ATRTI)266には、図30に示すようにビデオタイトルの数がパラメータ(VTS_Ns)として記載され、また、ビデオタイトルセット属性テーブル(VTS_ART)80の終了アドレスがパラメータ(VTS_ATRT_EA)として記載されている。また、図31に示すように各ビデオタイトルセット属性サーチポインター(VTS_ATR_SRP)267には、対応するビデオタイトルセット属性(VTS_ATR)68の開始アドレスがパラメータ(VTS_ATR_SA)として記述されている。更に、ビデオタイトルセット属性(VTS_ATR)268には、図32に示すようにこのビデオタイトルセット属性(VTS_ATR)268の終了アドレスがパラメータ(VTS_ATR_EA)として記述され、対応するビデオタイトルセットのカテゴリーがパラメータ(VTS_CAT)として記述されている。更にまた、ビデオタイトルセット属性(VTS_ATR)268には、対応するビデオタイトルセットの属性情報がパラメータ(VTS_ATRI)として記述されている。このビデオタイトルセットの属性情報は、後に図31及び図32を参照して説明するビデオタイトルセット情報管理テーブル(VTS_MAT)に記述されるビデオタイトルセットの属性情報と同一内容が記述されるため、その説明は、省略する。
次に、図15に示されたビデオタイトルセット(VTS)272の論理フォーマットの構造について図31を参照して説明する。各ビデオタイトルセット(VTS)272には、図33に示すようにその記載順に4つの項目294、295、296、297が記載されている。また、各ビデオタイトルセット(VTS)272は、共通の属性を有する1又はそれ以上のビデオタイトルから構成され、このビデオタイトル272についての管理情報、例えば、ビデオオブジェクトセット296を再生する為の情報、タイトルセットメニュー(VTSM)を再生する為の情報及びビデオオブジェクトセット272の属性情報がビデオタイトルセット情報(VTSI)に記載されている。
このビデオタイトルセット情報(VTSI)294のバックアップ297がビデオタイトルセット(VTS)272に設けられている。ビデオタイトルセット情報(VTSI)294とこの情報のバックアップ(VTSI_BUP)297との間には、ビデオタイトルセットメニュー用のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)295及びビデオタイトルセットタイトル用のビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)296が配置されている。いずれのビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS及びVTSTT_VOBS)295、296は、既に説明したように図17に示す構造を有している。
ビデオタイトルセット情報(VTSI)294、この情報のバックアップ(VTSI_BUP)297及びビデオタイトルセットタイトル用のビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)296は、ビデオタイトルセット272にとって必須の項目とされ、ビデオタイトルセットメニュー用のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)295は、必要に応じて設けられるオプションとされている。
ビデオタイトルセット情報(VTSI)294は、図33に示すように7つのテーブル298、299、300、301、311、312、313から構成され、この7つのテーブル298、299、300、301、311、312、313は、論理セクタ間の境界に一致されている。第1のテーブルであるビデオタイトルセット情報管理テーブル(VTSI_MAT)298は、必須のテーブルであってビデオタイトルセット(VTS)272のサイズ、ビデオタイトルセット(VTS)272中の各情報の開始アドレス及びビデオタイトルセット(VTS)272中のビデオオブジェクトセット(VOBS)282の属性が記述されている。
第2のテーブルであるビデオタイトルセットパートオブタイトルサーチポインターテーブル(VTS_PTT_SRPT)299は、必須のテーブルであってユーザーが装置のキー操作/表示部4から入力した番号に応じて選定可能なビデオタイトルの部分、即ち、選定可能な当該ビデオタイトルセット272中に含まれるプログラムチェーン(PGC)及び又はプログラム(PG)が記載されている。ユーザーは、光ディスク10の配布とともにパンフレットに記載した入力番号中から任意の番号をキー操作/表示部4で指定すると、その入力番号に応じたストーリー中の部分からビデオを鑑賞することができる。この選択可能なタイトルのパートは、タイトル提供者が任意に定めることができる。
第3のテーブルであるビデオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)300は、必須のテーブルであってVTSのプログラムチェーンに関する情報、即ち、VTSプログラムチェーン情報(VTS_PGCI)を記述している。
第4のテーブルであるビデオタイトルセットメニューPGCIユニットテーブル(VTSM_PGCI_UT)311は、ビデオタイトルセットメニュー用のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)95が設けられる場合には、必須項目とされ、各言語毎に設けられたビデオタイトルセットメニュー(VTSM)を再現するためのプログラムチェーンについての情報が記述されている。このビデオタイトルセットメニューPGCIユニットテーブル(VTSM_PGCI_UT)311を参照することによってビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)295中の指定した言語のプログラムチェーンを獲得してメニューとして再現することができる。
第5のテーブルであるビデオタイトルセットタイムサーチマップテーブル(VTS_MAPT)301は、必要に応じて設けられるオプションのテーブルであって再生表示の一定時間に対するこのマップテーブル(VTS_MAPT)301が属するタイトルセット272の各プログラムチェーン(PGC)内のビデオデータの記録位置に関する情報が記述されている。
第6のテーブルであるビデオタイトルセットセルアドレステーブル(VTS_C_ADT)312は、必須項目とされ、図6を参照して説明したように全てのビデオオブジェクト283を構成する各セル284のアドレス或いは、セルを構成するセルピースのアドレスがビデオオブジェクトの識別番号の順序で記載されている。ここで、セルピースとは、セルを構成するピースであって、このセルピースを基準にインタリーブ処理されてセルがビデオオブジェクト283中に配列される。
第7のテーブルであるビデオタイトルセットビデオオブジェクトユニットアドレスマップ(VTS_VOBU_ADMAP)313は、必須項目とされ、ビデオタイトルセット中のビデオオブジェクトユニット85のスタートアドレスが全てその配列順序で記載されている。
次に、図33に示したビデオタイトル情報マネージャーテーブル(VTSI_MAT)298、ビデオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)300及びビデオタイトルセットメニューPGCIユニットテーブル(VTSMPGCI_UT)について図34から図50を参照して説明する。
図34は、ビデオタイトル情報マネージャーテーブル(VTSI_MAT)298の記述内容を示している。このテーブル(VTSI_MAT)298には、記載順にビデオタイトルセット識別子(VTS_ID)、ビデオタイトルセット272のサイズ(VTS_SZ)、このDVDビデオ規格のバージョン番号(VERN)、ビデオタイトルセット272のカテゴリー(VTS_CAT)が記載されるとともにこのビデオタイトル情報マネージャーテーブル(VTSI_MAT)2298の終了アドレス(VTSI_MAT_EA)が記載されている。ここで、ビデオタイトルセット272のカテゴリー(VTS_CAT)には、ビデオタイトルセット272の応用分野が記載され、応用分野がカラオケである場合には、その旨が記載される。
また、このテーブル(VTSI_MAT)98には、VTSメニュー(VTSM)のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)295の開始アドレス(VTSM_VOBS_SA)及びビデオタイトルセット(VTS)におけるタイトルの為のビデオオブジェクトのスタートアドレス(VTSTT_VOB_SA)の開始アドレスが記述されている。VTSメニュー(VTSM)のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)295がない場合には、その開始アドレス(VTSM_VOBS_SA)には、”00000000h”が記載される。VTSI_MATの終了アドレス(VTSI_MAT_EA)は、ビデオタイトルセット情報管理テーブル(VTI_MAT)294の先頭バイトからの相対バイト数で記載され、VTSM_VOBSの開始アドレス(VTSM_VOBS_SA)及びVTSTT_VOBの開始アドレス(VTSTT_VOB_SA)は、このビデオタイトルセット(VTS)272の先頭論理ブロックからの相対論理ブロック数(RLBN)で記述される。
更に、このテーブル(VTSI_MAT)298には、ビデオタイトルセットパートオブタイトルサーチポインターテーブル(VTS_PTT_SRPT)299のスタートアドレス(VTS_PTT_SRPT_SA)がビデオタイトルセット情報(VTSI)294の先頭論理ブロックからの相対ブロック数で記載されている。また、このテーブル(VTSI_MAT)298には、ビデオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)300のスタートアドレス(VTS_PGCIT_SA)及びビデオタイトルセットメニュー用のPGCIユニットテーブル(VTS_PGCI_UT)311のスタートアドレス(VTS_PGCI_UT_SA)がビデオタイトルセット情報(VTSI)294の先頭論理ブロックからの相対ブロック数で記載され、ビデオタイトルセット(VTS)のタイムサーチマップテーブル(VTS_MAPT)301のスタートアドレス(VTS_MAPT_SA)がこのビデオタイトルセット(VTS)272の先頭論理セクタからの相対論理セクタで記述される。同様に、VTSアドレステーブル(VTS_C_ADT)312及びVTS_VOBUのアドレスマップ(VTS_VOBU_ADMAP)313がこのビデオタイトルセット(VTS)272の先頭論理セクタからの相対論理セクタで記述される。
このテーブル(VTSI_MAT)298には、ビデオタイトルセット(VTS)272中のビデオタイトルセットメニュー(VTSM)の為のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)295のビデオ属性(VTSM_V_ATR)、オーディオストリーム数(VTSM_AST_Ns)並びにそのオーディオストリーム属性(VTSM_AST_ATR)、副映像ストリーム数(VTSM_SPST_Ns)及びその副映像ストリーム属性(VTSM_SPST_ATR)が記述されている。同様にこのテーブル(VTSI_MAT)298には、ビデオタイトルセット(VTS)72中のビデオタイトルセット(VTS)のタイトル(VTSTT)の為のビデオオブジェクトセット(VTST_VOBS)296のビデオ属性(VTS_V_ATR)、オーディオストリーム数(VTS_AST_Ns)並びにそのオーディオストリーム属性(VTS_AST_ATR)、副映像ストリーム数(VTS_SPST_Ns)及びその副映像ストリーム属性(VTS_SPST_ATR)が記述されている。更に、ビデオタイトルセット(VTS)のマルチチャネルオーディオストリームの属性(VTS_MU_AST_ATR)がこのテーブル(VTSI_MAT)298に記述されている。
オーディオストリームに関しては、最大8ストリーム用意され、また、副映像ストリームに関しては、最大32ストリーム用意されている。各ストリームに対して属性が記述されている。副映像ストリーム属性(VTS_SPST_ATR)には、その副映像のタイプが言語であるか否かが記述されている。ビデオタイトルセット272のカテゴリー(VTS_CAT)がカラオケであれば、その副映像ストリームとして種々の言語、英語、日本語、その他の歌詞のストリームを用意することができる。通常、カテゴリー(VTS_CAT)がカラオケであれば、副映像ストリーム属性(VTS_SPST_ATR)には、その副映像のタイプが言語である旨が記載される。
次に、オーディオストリーム属性に関して図35を参照して詳述する。VTSMの為のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)295のオーディオストリーム属性(VTSM_AST_ATR)及びビデオタイトルセットタイトル(VTSTT)の為のビデオオブジェクトセット(VTST_VOBS)296のオーディオストリーム属性(VTS_AST_ATR)には、ビデオマネージャーメニュー用ビデオオブジェクト(VMGM_VOBS)のオーディオストリーム属性(VMGM_AST_ATR)と略同様の属性情報が記述されている。即ち、VTSメニュー用ビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)295のオーディオストリームの属性(VTSM_AST_ATR)には、図35に示されるようにビット番号b63からビット番号b48にオーディオコーディングモード、予約、オーディオタイプ、オーディオのアプリケーションID、量子化、サンプリング周波数、予約、及びオーディオチャネルの数が記述され、ビット番号b47からビット番号b0は、今後の為に予約として空けられている。ビデオタイトルセットタイトル(VTST)のオーディオストリームの属性(VTS_AST_ATR)には、図35に示されるようにビット番号b63からビット番号b48にオーディオコーディングモード、マルチチャネルの拡張、オーディオタイプ、オーディオのアプリケーションID、量子化、サンプリング周波数、予約、及びオーディオチャネルの数が記述され、ビット番号b47からビット番号b40及びビット番号b39からビット番号b32には、特定コードが記述され、ビット番号b31からビット番号b24には、特定コードの為の予約が設けられている。また、ビット番号b23からビット番号b8は、今後の為に予約として空けられ、ビット番号b8からビット番号b0には、応用情報が記述されている。ここで、VTSメニュー用ビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)95がない場合、或いは、そのビデオオブジェクトセットにオーディオストリームがない場合には、ビット番号b63からビット番号b0の各ビットに”0”が記述される。
VTSM及びVTSTのオーディオストリームの属性(VTSM_AST_ATR,VTS_AST_ATR)のいずれにおいてもオーディオコーディングモードは、ビット番号b63,b62,b61に記述されている。このオーディオコーディングモードに“000”が記述される場合には、ドルビーAC−3 (Dolby Labratories Licensing Corporationの商標)でオーディオデータがコード化されていることを意味し、オーディオコーディングモードに“010”が記述される場合には、拡張ビットストリーム無しにMPEG−1或いはMPEG−2でオーディオデータが圧縮されていることを意味している。また、オーディオコーディングモードに“011”が記述される場合には、拡張ビットストリームを備えてMPEG−2でオーディオデータが圧縮されていることを意味し、オーディオコーディングモードに“100”が記述される場合には、リニアPCMでオーディオデータがコード化されていることを意味している。オーディオデータについては、他の記述は、今後の為の予約とされている。
ビデオデータの属性において、1フレームを水平走査周波数60Hzで走査線数525本で描くフレームレート(VTSM_V_ATR及びVTS_V_ATRにおいてビット番号b13、b12に“00”が記述される。)場合には、ドルビーAC−3(ビット番号b63,b62,b63が“000”)或いは、リニアPCM(ビット番号63,b62,b63が“100”)が設定されるべきであるとされている。また、ビデオデータの属性において、1フレームを周波数50Hzで走査線数625本で描くフレームレート(VTSM_V_ATR及びVTS_V_ATRにおいてビット番号b13、b12に“01”が記述される。)場合には、MPEG−1、MPEG−2(ビット番号63,b62,b63が“010”又は“011”)或いは、リニアPCM(ビット番号63,b62,b63が“100”)が設定されるべきであるとされている。VTSTのオーディオストリームの属性(VTS_AST_ATR)のオーディオコーディングモードにおいてビット番号b60には、マルチチャネルの拡張が記述されるが、このビット番号b60が“0”である場合には、オーディオストリームに関係したVTSのマルチチャネルオーディオストリーム属性(VTS_MU_AST_ATR)が無効である旨を意味し、このビット番号b60が“1”である場合には、オーディオストリームに関係したVTSのマルチチャネルオーディオストリーム属性(VTS_MU_AST_ATR)にリンクさせる旨を意味している。
オーディオタイプは、ビット番号b59及びb58に記述され、特定しない場合には、“00”が記述され、言語、即ち、人の音声である場合には、“01”が記述され、その他は予約とされている。また、オーディオの応用分野のIDは、ビット番号b57及びb56に記述され、特定しない場合には、“00”が記述され、カラオケの場合は、“01”が記述され、サラウンドの場合には、“10”が記述され、その他は予約とされている。
更に、オーディオデータの量子化に関しては、ビット番号b55及びb54に記述され、ビット番号b55,b54が“00”の場合は、16ビットで量子化されたオーディオデータであることを意味し、ビット番号b55,b54が“01”の場合は、20ビットで量子化されたオーディオデータであることを意味し、ビット番号番号b55,b54が“10”の場合は、24ビットで量子化されたオーディオデータであることを意味し、ビット番号b55,b54が“11”の場合は、特定せずとされている。ここで、オーディオコーディングモードがリニアPCM(ビット番号b63,b62,b61が“100”)に設定されている場合には、量子化を特定せず(ビット番号b55,b54が“11”)が記述される。オーディオデータのサンプリング周波数Fsに関しては、ビット番号b53及びb52に記述され、サンプリング周波数Fsが48kHzである場合には、“00”が記述され、サンプリング周波数Fsが96kHzである場合には、“01”が記述され、その他は予約とされている。
オーディオチャネル数に関しては、ビット番号b66からb64に記述され、ビット番号b50、b49,b48が“000”である場合には、1チャネル(モノラル)であることを意味し、ビット番号b50、b49,b48が“001”である場合には、2チャネル(ステレオ)であることを意味している。また、ビット番号b50、b49,b48が“010”である場合には、3チャネルであることを意味し、ビット番号b50、b49,b48が“011”である場合には、4チャネルであることを意味し、ビット番号b50、b49,b48が“100”である場合には、5チャネルであることを意味し、ビット番号b50、b49,b48が“101”である場合には、6チャネルであることを意味し、ビット番号番号b50、b49,b48が“110”である場合には、7チャネルであることを意味し、ビット番号b50、b49,b48が“111”である場合には、8チャネルであることを意味している。
特定コードは、b47からb40及びb39からb32に記載されるが、ここには、オーディオストリームのタイプが言語、即ち、音声である場合には、ISO−639で定められたその言語のコードが言語シンボルで記載される。オーディオストリームのタイプが言語、即ち、音声でない場合には、この領域は、予約とされる。
VTSオーディオストリームの数(VTS_AST_Ns)は、0から8の間で設定される。この為、設定可能なストリーム数に対応して8個のVTSオーディオストリームの属性(VTS_AST_ATR)が用意されている。即ち、VTSオーディオストリーム#0からVTSオーディオストリーム#7までのVTSオーディオストリーム属性(VTS_AST_Ns)の領域が設けられ、VTSオーディオストリームが8個よりも少なく、対応するオーディオストリームがない場合には、ないオーディオストリームに対応する図35に示すVTSオーディオストリーム属性(VTS_AST_Ns)の記述は、全てのビットが“0”となる。
ビット番号b7からビット番号b0のオーディオの応用分野には、特に指定がない予約とされるが、ビット番号b57、b56に“01”が記述されてオーディオの応用分野のIDがカラオケであることが明らかな場合には、チャネル数が最大5チャネルに制限され、そのチャネルの割り当てモードが記載される。チャネルの割り当てモードは、ビット番号b63,b62,b61に記述されているオーディオのコーディングモード(AC_3、MPEG−1,MPEG,2,リニアPCM)によって異なり、その割り当てが割り当てモード毎に定まっている。また、このオーディオの応用分野には、司会者による紹介があるオーディオストリームであるか否か、或いは、ソロ或いはデュエットであるかの記述もされている。
ビデオタイトルセット(VTS)のマルチチャネルオーディオストリームの属性(VTS_MU_AST_ATR)には、マルチチャネルオーディオストリーム#0からマルチチャネルオーディオストリーム#7までの属性情報が記述されている。各マルチチャネルオーディオストリーム属性(VTS_MU_AST_ATR)には、オーディオチャネルの内容(カラオケ或いはサラウンド等)、オーディオミキシングの方式等が記述される。
図33に示されるVTSプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)300は、図36に示すような構造を備えている。この情報テーブル(VTS_PGCIT)300には、VTSプログラムチェーン(VTS_PGC)に関する情報(VTS_PGCI)が記載され、始めの項目としてVTSプログラムチェーン(VTS_PGC)に関する情報テーブル(VTS_PGCIT)300の情報(VTS_PGCIT_I)302が設けられている。この情報(VTS_PGCIT_I)302に続いてこの情報テーブル(VTS_PGCIT)300には、この情報テーブル(VTS_PGCIT)300中のVTSプログラムチェーン(VTS_PGC)の数(#1から#n)だけVTSプログラムチェーン(VTS_PGC)をサーチするVTS_PGCIサーチポインター(VTS_PGCIT_SRP)303が設けられ、最後にVTSプログラムチェーン(VTS_PGC)に対応した数(#1から#n)だけ各VTSプログラムチェーン(VTS_PGC)に関する情報(VTS_PGCI)304が設けられている。
VTSプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)300の情報(VTS_PGCIT_I)302には、図37に示されるようにVTSプログラムチェーン(VTS_PGC)の数(VTS_PGC_Ns)が内容として記述され及びこのテーブル情報(VTS_PGCIT_I)302の終了アドレス(VTS_PGCIT_EA)がこの情報テーブル(VTS_PGCIT)300の先頭バイトからの相対的なバイト数で記述されている。
また、VTS_PGCITサーチポインター(VTS_PGCIT_SRP)303には、図38に示すようにビデオタイトルセット(VTS)272のプログラムチェーン(VTS_PGC)のカテゴリー(VTS_PGC_CAT)及びこのVTS_PGC情報テーブル(VTS_PGCIT)300の先頭バイトからの相対的バイト数でVTS_PGC情報(VTS_PGCI)のスタートアドレス(VTS_PGCI_SA)が記述されている。ここで、VTS_PGCカテゴリー(VTS_PGC_CAT)には、カテゴリーとして例えば、最初に再生されるエントリープログラムチェーン(エントリーPGC)か否か、また、プログラムチェーンの応用分野のタイプが記載される。通常、エントリプログラムチェーン(PGC)は、エントリープログラムチェーン(PGC)でないプログラムチェーン(PGC)に先だって記載される。また、このプログラムチェーンの応用分野タイプとしてカラオケが記載されている。
ビデオタイトルセット内のPGC情報(VTS_PGCI)304には、図39に示すように4つ項目が記載されている。このPGC情報(VTS_PGCI)304には、始めに必須項目のプログラムチェーン一般情報(PGC_GI)305が記述され、これに続いてビデオオブジェクトがある場合だけ必須の項目とされる少なくとも3つの項目306、307、308が記載されている。即ち、その3つの項目としてプログラムチェーンプログラムマップ(PGC_PGMAP)306、セル再生情報テーブル(C_PBIT)307及びセル位置情報テーブル(C_POSIT)308がPGC情報(VTS_PGCI)304に記載されている。
プログラムチェーン一般情報(PGC_GI)305には、図40に示すようにプログラムチェーン(PGC)のカテゴリー(PGCI_CAT)、プログラムチェーン(PGC)の内容(PGC_CNT)及びプログラムチェーン(PGC)の再生時間(PGC_PB_TIME)が記載されている。PGCのカテゴリー(PGCI_CAT)には、当該PGCのコピーが可能であるか否か及びこのPGC中のプログラムの再生が連続であるか或いはランダム再生であるか否か、プログラムチェーンの応用分野のタイプが記載される。このプログラムチェーンの応用分野がカラオケであれば、そのタイプとしてカラオケが記載される。
PGCの内容(PGC_CNT)には、このプログラムチェーンの構成内容、即ち、プログラム数、セルの数等が記載される。PGCの再生時間(PGC_PB_TIME)には、このPGC中のプログラムのトータル再生時間等が記載される。この再生時間は、再生手順には無関係に連続してPGC内のプログラムを再生する場合のプログラムの再生時間が記述される。
また、プログラムチェーン一般情報(PGC_GI)305には、PGC副映像ストリーム制御(PGC_SPST_CTL)、PGCオーディオストリーム制御(PGC_AST_CTL)及びPGC副映像パレット(PGC_SP_PLT)が記載されている。PGC副映像ストリーム制御(PGC_SPST_CTL)には、PGCで使用可能な副映像番号が記載され、PGCオーディオストリーム制御(PGC_AST_CTL)には、同様にPGCで使用可能なオーディオストリームの番号が記載される。PGC副映像パレット(PGC_SP_PLT)には、このPGCの全ての副映像ストリームで使用する所定数のカラーパレットのセットが記載される。
更に、PGC一般情報(PGC_GI)305には、PGCプログラムマップ(PGC_PGMAP_SA)のスタートアドレス(PGC_PGMAP_SA_SA)、セル再生情報テーブル(C_PBIT)307のスタートアドレス(C_PBIT_SA)及びセル位置情報テーブル(C_POSIT)308のスタートアドレス(C_POSIT_SA)が記載されている。いずれのスタートアドレス(C_PBIT_SA及びC_POSIT_SA)もVTS_PGC情報(VTS_PGCI)の先頭バイトからの相対的な論理ブロック数で記載される。
プログラムチェーンプログラムマップ(PGC_PGMAP)306は、図41に示すようにPGC内のプログラムの構成を示すマップである。このマップ(PGC_PGMAP)306には、図41及び図42に示すようにプログラムの開始セル番号であるエントリーセル番号(ECELLN)がセル番号の昇順に記述されている。また、エントリーセル番号の記述順にプログラム番号が1から割り当てられている。従って、このマップ(PGC_PGMAP)206の最初のエントリーセル番号は、#1でなければならないとされている。
セル再生情報テーブル(C_PBIT)307は、PGCのセルの再生順序を定義している。このセル再生情報テーブル(C_PBIT)307には、図43に示すようにセル再生情報(C_PBIT)が連続して記載されている。基本的には、セルの再生は、そのセル番号の順序で再生される。セル再生情報(C_PBIT)には、図42に示されるように再生情報(P_PBI)としてセルカテゴリー(C_CAT)が記載される。このセルカテゴリー(C_CAT)には、セルがセルブロック中のセルであるか、また、セルブロック中のセルであれば最初のセルであるかを示すセルブロックモード、セルがブロック中の一部ではない、或いは、アングルブロックであるかを示すセルブロックタイプ、システムタイムクロック(STC)の再設定の要否を示すSTC不連続フラグが記載される。ここで、セルブロックとは、ある特定のアングルのセルの集合として定義される。アングルの変更は、セルブロックを変更することによって実現される。即ち、野球を例にとれば、外野からのシーンを撮影したアングルブロックから内野からのシーンを撮影したアングルブロックの変更がアングルの変更に相当する。
また、このセルカテゴリー(C_CAT)には、セル内では連続して再生するか或いはセル内の各ビデオオブジェクトユニット(VOBU)単位で静止するかを示すセル再生モード、セルの再生の後に静止させるか否か或いはその静止時間を示すセルナビゲーション制御が記載されている。
また、図42に示すようにセル再生情報テーブル(C_PBIT)307の再生情報(P_PBI)は、PGCの全再生時間を記述したセル再生時間(C_PBTM)を含んでいる。アングルセルブロックがPGC中にある場合には、そのアングルセル番号1の再生時間がそのアングルブロックの再生時間を表している。更に、セル再生情報テーブル(C_PBIT)307には、当該セルが記録されているビデオオブジェクトユニット(VOBU)285の先頭論理セクタからの相対的な論理セクタ数でセル中の先頭ビデオオブジェクトユニット(VOBU)285のスタートアドレス(C_FVOBU_SA)が記載され、また、当該セルが記録されているビデオオブジェクトユニット(VOBU)285の先頭論理セクタからの相対的な論理セクタ数でセル中の最終ビデオオブジェクトユニット(VOBU)285のスタートアドレス(C_LVOBU_SA)が記載される。
セル位置情報テーブル(C_POSI)308は、PGC内で使用するセルのビデオオブジェクト(VOB)の識別番号(VOB_ID)及びセルの識別番号(C_ID)を特定している。セル位置情報テーブル(C_POSI)には、図43に示されるようにセル再生情報テーブル(C_PBIT)307に記載されるセル番号に対応するセル位置情報(C_POSI)がセル再生情報テーブル(C_PBIT)と同一順序で記載される。このセル位置情報(C_POSI)には、図46に示すようにセルのビデオオブジェクトユニット(VOBU)285の識別番号(C_VOB_IDN)及びセル識別番号(C_IDN)が記述されている。
更に、図33に示したビデオタイトルセットPGCIユニットテーブル(VTSM_PGCI_UT)311の構造について図47から図52を参照して説明する。図47に示したビデオタイトルセットPGCIユニットテーブル(VTSM_PGCI_UT)311は、図23に示したVMGM_PGCIユニットテーブル280と略同様な構造を有している。即ち、VMGM_PGCIユニットテーブル(VTSM_PGCI_UT)311には、図47に示すように始めにVTSメニューPGCIユニットテーブル情報( VTSM_PGCI_UTI)350が記載され、次に、言語数nに対応してVTSメニュー言語ユニットサーチポインター(VMGM_LU_SRP)351が必要な数nだけ連続的に記載され、続いてサーチポインターで検索されるVTSメニュー言語ユニット(VTSM_LU)352が記載されている。
VTSメニューPGCIユニットテーブル情報(VMGM_PGCI_UTI)350には、図48に示されるようにVTSM言語ユニット(VTSM_LU)の数(VTSM_LU_Ns)及びVTSM_PGCIユニットテーブル(VMGM_PGCI_UT)311の終了アドレス(VTSM_PGCI_UT_EA)が記載されている。言語毎に用意されているn個のビデオマネージャーメニュー言語ユニットサーチポインター(VTSM_LU_SRP)351の夫々には、図47に示すようにVTSメニューの言語コード(VTSM_LCD)及びVTSメニュー(VTSM)言語ユニット(VTSM_LU)252の開始アドレス(VTSM_LU_SA)が記述されている。VTSM_PGCI_UT280の終了アドレス(VTSM_PGCI_UT_EA)及びVTSM_LU352の開始アドレス(VTSM_LU_SA)は、このVTSM_PGCIユニットテーブル(VTSM_PGCI_UT)311の先頭バイトからの論理ブロック番号で記述されている。
言語毎に用意されているn個のVTSM言語ユニット(VTSM_LU)352の夫々には、図50に示すようにVTSメニュー言語ユニット情報(VTSM_LUI)353、メニュー用のプログラムチェーンの数だけVTSM_PGCIサーチポインター(VTSM_PGCI_SRP)354が設けられ、このサーチポインターでサーチされるVTSM_PGC情報(VTSM_PGCI)355が同様にメニュー用のプログラムチェーンの数だけ設けられている。
各言語ユニット情報(VTSM_LUI)353には、図50に示されるようにVMGM_PGCIの数(VMGM_PGCI_Ns)及び言語ユニット情報(VTSM_LUI)の終了アドレス(VTSM_LUI_EA)が記述されている。また、各VTSM_PGCIサーチポインター(VTSM_PGCI_SRP)には、図52に示すようにVTSM_PGCカテゴリー(VTSM_PGC_CAT)及びVTSM_PGCIのスタートアドレス(VTSM_PGCI_SA)が記述されている。VTSM_LUIの終了アドレス(VTSM_LUI_EA)及びVTSM_PGCIのスタートアドレス(VTSM_PGCI_SA)は、VTSM_LUの先頭バイトからの相対的論理ブロック番号で記述されている。VTSM_PGCカテゴリー(VTSM_PGC_CAT)としては、このプログラムチェーンがエントリープログラムチェーンであるか、また、タイトルメニューであるか等が記述される。
図17を参照して説明したようにセル284は、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)285の集合とされ、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)285は、ナビゲーション(NV)パック286から始まるパック列として定義される。従って、セル284中の最初のビデオオブジェクトユニット(VOBU)285のスタートアドレス(C_FVOBU_SA)は、NVパック286のスタートアドレスを表すこととなる。このNVパック286は、図53に示すようにパックヘッダ310、システムヘッダ311及びナビゲーションデータとしての2つのパケット、即ち、再生制御情報(PCI)パケット116及びデータサーチ情報(DSI)パケット117から成る構造を有し、図53に示すようなバイト数が各部に割り当てられ、1パックが1論理セクタに相当する2048バイトに定められている。また、このNVパックは、そのグループオブピクチャー(GOP)中の最初のデータが含まれるビデオパックの直前に配置されている。オブジェクトユニット285がビデオパックを含まない場合であってもNVパックがオーディオパック又は/及び副映像パックを含むオブジェクトユニットの先頭に配置される。このようにオブジェクトユニットがビデオパックを含まない場合であってもオブジェクトユニットがビデオパックを含む場合と同様にオブジェクトユニットの再生時間は、ビデオが再生される単位を基準に定められる。
ここで、GOPとは、MPEGの規格で定められ、既に説明したように複数画面を構成するデータ列として定義される。即ち、GOPとは、圧縮されたデータに相当し、この圧縮データを伸張させると動画を再生することができる複数フレームの画像データが再生される。パックヘッダ310及びシステムヘッダ311は、MPEG2のシステムレーヤで定義され、パックヘッダ310には、パック開始コード、システムクロックリファレンス(SCR)及び多重化レートの情報が格納され、システムヘッダ311には、ビットレート、ストリームIDが記載されている。PCIパケット316及びDSIパケット317のパケットヘッダ312、314には、同様にMPEG2のシステムレーヤに定められているようにパケット開始コード、パケット長及びストリームIDが格納されている。
他のビデオ、オーディオ、副映像パック288、289、280、291は、図54に示すようにMPEG2のシステムレーヤに定められると同様にパックヘッダ120、パケットヘッダ121及び対応するデータが格納されたパケット322から構成され、そのパック長は、2048バイトに定められている。これらの各パックは、論理ブロックの境界に一致されている。
PCIパケット316のPCIデータ(PCI)313は、VOBユニット(VOBU)285内のビデオデータの再生状態に同期してプレゼンテーション、即ち、表示の内容を変更する為のナビゲーションデータである。即ち、PCIデータ(PCI)313には、図55に示されるようにPCI全体の情報としてのPCI一般情報(PCI_GI)及びアングル変更時における各飛び先アングル情報としてのアングル情報(NSMLS_ANGLI)が記述されている。PCI一般情報(PCI_GI)には、図56に示されるようにPCI313が記録されているVOBU285の論理セクタからの相対的論理ブロック数でそのPCI313が記録されているNVパック(NV_PCK)286のアドレス(NV_PCK_LBN)が記述されている。また、PCI一般情報(PCI_GI)には、VOBU285のカテゴリー(VOBU_CAT)、VOBU285のスタート再現時間(VOBU_S_PTM)及び再現終了時間(VOBU_EPTM)が記述されている。ここで、VOBU285のスタートPTS(VOBU_SPTS)は、当該PCI313が含まれるVOBU285中のビデオデータの再生開始時間(スタートプレゼンテーションタイム)を示している。この再生開始時間は、VOBU285中の最初の再生開始時間である。通常は、最初のピクチャーは、MPEGの規格におけるIピクチャー(Intra−Picture)の再生開始時間に相当する。VOBU85の終了PTS(VOBU_EPTS)は、当該PCI313が含まれるVOBU285の再生終了時間(終了プレゼンテーションタイム)を示している。
図53に示したDSIパケット317のDSIデータ(DSI)315は、VOBユニット(VOBU)285のサーチを実行する為のナビゲーションデータである。DSIデータ(DSI)315には、図57に示すようにDSI一般情報(DSI_GI)、シームレス再生情報(SML_PBI)、アングル情報(SML_AGLI)、ナビゲーションパックのアドレス情報(NV_PCK_ADI)及び同期再生情報(SYNCI)が記述されている。
DSI一般情報(DSI_GI)は、そのDSIデータ315全体の情報が記述されている。即ち、図58に示すようにDSI一般情報(DSI_GI)には、NVパック86のシステム時刻基準参照値(NV_PCK_SCR)が記載されている。このシステム時刻基準参照値(NV_PCK_SCR)は、図1に示す各部に組み込まれているシステムタイムクロック(STC)に格納され、このSTCを基準にビデオ、オーディオ及び副映像パックがビデオ、オーディオ及び副映像デコーダ部58、60、62でデコードされ、ビデオ及び音声がモニター部6及びスピーカー部8で再生される。DSI一般情報(DSI_GI)には、DSI315が記録されているVOBセット(VOBS)282の先頭論理セクタからの相対的論理セクタ数(RLSN)でDSI315が記録されているNVパック(NV_PCK)286のスタートアドレス(NV_PCK_LBN)が記載され、VOBユニット(VOBU)の先頭論理セクタからの相対的論理セクタ数(RLSN)でDSI315が記録されているVOBユニット(VOBU)285中の最終パックのアドレス(VOBU_EA)が記載されている。
更に、DSI一般情報(DSI_GI)には、DSI315が記録されているVOBユニット(VOBU)の先頭論理セクタからの相対的論理セクタ数(RLSN)でこのVOBU内での最初のIピクチャーの最終アドレスが記録されているVパック(V_PCK)288の終了アドレス(VOBU_IP_EA)が記載され、当該DSI315が記録されているVOBU283の識別番号(VOBU_IP_IDN)及び当該DSI315が記録されているセルの識別番号(VOBU_C_IDN)が記載されている。
DSIのナビゲーションパックアドレス情報には、所定数のナビゲーションパックのアドレスが記述されている。このアドレスを参照してビデオの早送り等が実行される。また、同期情報(SYNCI)には、DSI315が含まれるVOBユニット(VOBU)のビデオデータの再生開始時間と同期して再生する副映像及びオーディオデータのアドレス情報が記載される。即ち、図59に示すようにDSI315が記録されているNVパック(NV_PCK)286からの相対的な論理セクタ数(RLSN)で目的とするオーディオパック(A_PCK)291のスタートアドレス(A_SYNCA)が記載される。オーディオストリームが複数(最大8)ある場合には、その数だけ同期情報(SYNCI)が記載される。また、同期情報(SYNCI)には、目的とするオーディオパック(SP_PCK)291を含むVOBユニット(VOBU)85のNVパック(NV_PCK)286のアドレス(SP_SYNCA)がDSI315が記録されているNVパック(NV_PCK)286からの相対的な論理セクタ数(RLSN)で記載されている。副映像ストリームが複数(最大32)ある場合には、その数だけ同期情報(SYNCI)が記載される。
次に、再び図1を参照して図15から図59に示す論理フォーマットを有する光ディスク10からのカラオケ用ムービーデータの再生動作について説明する。尚、図1においてブロック間の実線の矢印は、データバスを示し、破線の矢印は、制御バスを示している。
図1に示される光ディスク装置においては、電源が投入され、光ディスク10が装填されると、システム用ROM及びRAM部52からシステムCPU部50は、初期動作プログラムを読み出し、ディスクドライブ部30を作動させる。従って、ディスクドライブ部30は、リードイン領域27から読み出し動作を開始し、リードイン領域27に続く、ISO−9660等に準拠してボリュームとファイル構造を規定したボリューム及びファイル構造領域70が読み出される。即ち、システムCPU部50は、ディスクドライブ部30にセットされたディスク10の所定位置に記録されているボリューム及びファイル構造領域270を読み出す為に、ディスクドライブ部30にリード命令を与え、ボリューム及びファイル構造領域270の内容を読み出し、システムプロセッサ部54を介して、データRAM部56に一旦格納する。システムCPU部50は、データRAM部56に格納されたパステーブル及びディレクトリレコードを介して各ファイルの記録位置や記録容量等の情報やその他管理に必要な情報としての管理情報を抜き出し、システム用ROM&RAM部52の所定の場所に転送し、保存する。
次に、システムCPU部50は、システム用ROM&RAM部52から各ファイルの記録位置や記録容量の情報を参照してファイル番号0番から始まる複数ファイルから成るビデオマネージャー271を取得する。即ち、システムCPU部50は、システム用ROM及びRAM部52から取得した各ファイルの記録位置や記録容量の情報を参照してディスクドライブ部30に対してリード命令を与え、ルートディレクトリ上に存在するビデオマネージャー271を構成する複数ファイルの位置及びサイズを取得し、このビデオマネージャー71を読み出し、システムプロセッサ部54を介して、データRAM部56に格納する。
ここで、カラオケを選択する為のビデオマネージャーメニューが表示されるまでの動作を図60を参照して説明する。ステップS10で示すようにメニューサーチが開始されると、このビデオマネージャー271の第1番目のテーブルであるボリュームマネージャー情報管理テーブル(VMGI_MAT)278がサーチされる。このサーチによってビデオマネージャーメニュー(VMGM)の為のVMGM_PGCIユニットテーブル(VMGM_PGCI_UT)280のスタートアドレス(VMGM_PGCI_UT_SA)が獲得される。VMGM_PGCIユニットテーブル280が獲得され、このテーブル(VMGM_PGCI_UT)280のテーブル情報(VMGM_PGCI_UTI)からビデオマネージャーメニューの言語ユニット(VMGM_LU_Ns)の数(a)が獲得され、ステップS11に示すように一番目#1(n=1)のVMGM_LUのサーチポインター(VMGM_LU_SRP)の取得が決定される。そのVMGM_LUのサーチポインター(VMGM_LU_SRP)がステップS12に示すように獲得される。ステップS13に示すようにVMGM_LUのサーチポインター(VMGM_LU_SRP)に記述の言語コード(=b)(VMGM_LCD)が再生装置に指定の言語コード(=B)、即ち、デフォルトの言語コードに一致するかが確認される。両者が一致しない場合には、ステップ14に示すようにサーチポインターの番号が繰り上げられ(n=n+1)、その繰り上げられた番号nがビデオマネージャーメニューの言語ユニット(VMGM_LU_Ns)の数(a)を越えないかが確認される。番号nがビデオマネージャーメニューの言語ユニット(VMGM_LU_Ns)の数(a)以上に設定される場合には、ステップS16に示すようにビデオマネージャーメニュー(VMGM)の為の検索動作が終了される。番号nがビデオマネージャーメニューの言語ユニット(VMGM_LU_Ns)の数(a)以内であれば、ステップS13に戻され、そのn番目のVMGM_LUのサーチポインター(VMGM_LU_SRP)が獲得され、再びステップS13からステップS15が実行される。
ステップS13において、VMGM_LUのサーチポインター(VMGM_LU_SRP)に記述の言語コード(=b)(VMGM_LCD)が再生装置に指定の言語コード(=B)、即ち、デフォルトの言語コードに一致する場合には、ステップS17に示すようにVMGM_LUのサーチポインター(VMGM_LU_SRP)に記述の言語コードに対応するVMGM言語ユニット(VMGM_LU)252が獲得される。そのVMGM言語ユニット情報(VMGM_LUI)からVMGM_PGCIの数(VMGM_PGCI_Ns)が獲得される。次に、ステップS18に示すようにVMGM_PGCIサーチポインター(VMGM_PGCI_SRP)254からVMGM_PGCカテゴリー(VMGM_PGC_CAT)が獲得される。従って、そのVMGM_PGCカテゴリー(VMGM_PGC_CAT)からメニューID(=“0001”或いは“0010”)に相当し、エントリータイプに(=1)に相当するVMGM_PGC番号が獲得される。ここで、メニューID(=“0001”或いは“0010”)は、VMGM用の言語メニュー或いはVMGM用のタイトルメニューが該当している。獲得されたVMGM_PGC番号に相当するVMGM_PGCのスタートアドレス(VMGM_PGC_SA)がVMGM_PGCIサーチポインター(VMGM_PGCI_SRP)から獲得され、ステップ19に示すようにVMGMビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)276から該当するPGCが獲得され、PGCが再現される。
従って、1例として図61で示すようなVMGメニューが表示される。このようなメニューで歌手が歌っているヒット曲集が集められたビデオタイトルセット、この例では、ビートルズヒット曲集及びエルビスプレスリーヒット曲集(1−a,1−b)及びそのカラオケに相当するビデオタイトルセット、この例では、ビートルズカラオケヒット曲集及びエルビスプレスリーカラオケヒット曲集(2−a,2−b)のいずれかを選択することができる。このメニューに従って、キー操作部及び表示部4から対応するキーを入力することによってカラオケヒット曲集(歌手別)が選択されると、そのカラオケ用ビデオタイトルセットのメニューが図62に示すフローに従って再生される。
尚、ビデオマネージャーメ二ューの再生に際しては、システムCPU部50は、ボリュームマネージャー(VMGI)75の情報管理テーブル(VMGI_MAT)78に記述されたボリュームメニュー用のビデオ、オーディオ、副映像のストリーム数及びそれぞれの属性情報を取得して属性情報を基に、各々のビデオデコーダ部58、オーディオデコーダ部60及び副映像デコーダ部62にビデオマネージャーメ二ュー再生のためのパラメータが設定される。また、属性情報に従って、D/A及び再生処理部64内のビデオ処理部201、オーディオ処理部202、オーディオミキシング部203及び副映像再生処理部207がセットされる。
ビデオタイトルセットメニューの為のサーチが図62のステップS20に示す開始されると、このサーチによってタイトルセットサーチポインターテーブル(TT_SRPT)279がシステム用ROM&RAM部52の所定の場所に転送され、保存される。次に、システムCPU部50は、タイトルサーチポインターテーブル情報(TSPTI)92からタイトルサーチポインターテーブル(TT_SRPT)79の最終アドレスを獲得するとともにキー操作/表示部4からの入力番号に応じたタイトルサーチポインター(TT_SRP)93から入力番号に対応したビデオタイトルセット番号(VTSN)、プログラムチェーン番号(PGCN)及びビデオタイトルセットのスタートアドレス(VTS_SA)が獲得される。このタイトルセットのスタートアドレス(VTS_SA)からシステムCPU部50は、目的のタイトルセットを獲得することとなる。
次に、図21に示すビデオタイトルセット72のスタートアドレス(VTS_SA)から図33に示すようにそのタイトルセットのビデオタイトルセット情報(VTSI)294が獲得される。このビデオタイトルセット情報(VTSI)294のビデオタイトルセット情報の管理テーブル(VTSI_MAT)298から図34に示すビデオタイトルセット情報管理テーブル(VTSI_MAT)298の終了アドレス(VTSI_MAT_EA)が獲得される。また、オーディオ及び副映像データのストリーム数(VTS_AST_Ns、VTS_SPST_Ns)及びビデオ、オーディオ及び副映像データの属性情報(VTS_V_ATR,VTS_A_ATR,VTS_SPST_ATR)に基づいて図1に示される再生装置の各部がその属性に従って設定される。即ち、属性情報に従って、D/A及び再生処理部64内のビデオ処理部201、オーディオ処理部202、オーディオミキシング部203及び副映像再生処理部207がセットされる。また、VTSカテゴリー(VTS_CAT)からこのビデオタイトルセットがカラオケであることが確認され、同様に再生装置の各部がカラオケ再生の為にセットされる。即ち、図12及び図13を参照して説明した動作と同様に再生装置の各部がカラオケ再生の為にセットされる。
ビデオタイトルセット情報管理テーブル(VTSI_MAT)298からこのサーチによってビデオタイトルセットメニュー(VTSM)の為のVTSM_PGCIユニットテーブル(VTS_PGCI_UT)300のスタートアドレス(VTSM_PGCI_UT_SA)が獲得される。従って、VTSM_PGCIユニットテーブル300が獲得され、このテーブル情報(VTSM_PGCI_UTI)300からビデオタイトルメニューの言語ユニット(VTSM_LU_Ns)の数(a)が獲得され、ステップS21に示すように一番目#1(n=1)のVTSM_LUのサーチポインター(VTSM_LU_SRP)351の取得が決定される。そのVMGM_LU352のサーチポインター(VMGM_LU_SRP)351がステップS22に示すように獲得される。ステップS23に示すようにVMGM_LU352のサーチポインター(VMGM_LU_SRP)351に記述の言語コード(=b)(VTSM_LCD)が再生装置に指定の言語コード(=B)、即ち、デフォルトの言語コードに一致するかが確認される。両者が一致しない場合には、ステップ24に示すようにサーチポインターの番号が繰り上げられ(n=n+1)、その繰り上げられた番号nがビデオタイトルセットメニューの言語ユニット(VTSM_LU_Ns)の数(a)を越えないかが確認される。番号nがビデオタイトルセットメニューの言語ユニット(VTSM_LU_Ns)の数(a)以上に設定される場合には、ステップS26に示すようにビデオタイトルセットメニュー(VTSM)の為の検索動作が終了される。番号nがビデオタイトルセットメニューの言語ユニット(VTSM_LU_Ns)の数(a)以内であれば、ステップS22に戻され、そのn番目のVTSM_LUのサーチポインター(VTSM_LU_SRP)351が獲得され、再びステップS23からステップS25が実行される。
ステップS23において、VTSM_LUのサーチポインター(VMGM_LU_SRP)351に記述の言語コード(=b)(VTSM_LCD)が再生装置に指定の言語コード(=B)、即ち、デフォルトの言語コードに一致する場合には、ステップS27に示すようにVTSM_LUのサーチポインター(VMGM_LU_SRP)351に記述の言語コードに対応するVTSM言語ユニット(VTSM_LU)352が獲得される。そのVMGM言語ユニット情報(VTSM_LUI)からVTSM_PGCIの数( VTSM_PGCI_Ns)が獲得される。次に、ステップS28に示すようにVTSM_PGCIサーチポインター(VTSM_PGCI_SRP)354からVTSM_PGCカテゴリー(VTSM_PGC_CAT)が獲得される。従って、そのVTSM_PGCカテゴリー(VTSM_PGC_CAT)からメニューID(=“0001”或いは“0010”)に相当し、エントリータイプに(=1)に相当するVTSM_PGC番号が獲得される。ここで、メニューID(=“0001”或いは“0010”)は、VTSM用の言語メニュー或いはVTSM用のタイトルメニューが該当している。獲得されたVTSM_PGC番号に相当するVTSM_PGCのスタートアドレス(VTSM_PGC_SA)がVTSM_PGCIサーチポインター(VTSM_PGCI_SRP)から獲得され、ステップ29に示すようにVTSMビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)276から該当するPGCが獲得され、PGCが再現される。
従って、1例として図63で示すようなVTSメニューが表示される。このようなメニューでは、ビデオタイトルセット、この例では、エルビスプレスリーカラオケヒット曲集に相当するビデオタイトルセットであって、彼のヒット曲1番からn番の曲のいずれかのプログラムチェーン(PGC)を選択することができる。このメニューに従って、キー操作部及び表示部4から対応するキーを入力することによってカラオケ曲が選択されると、サブメニューに該当する、例えば、図64に示すような歌詞を選択するメニューが表示される。即ち、副映像として既に説明したように32個の副映像ストリームが用意されていることからカラオケ提供者は、例えば、英語、日本語、ドイツ語、フランス語等の歌詞を用意し、音楽に合わせて、即ち、図59に示す同期情報(SYNCI)を利用してその副映像を表示させることができる。また、その他のサブメニューとして8個のオーディオストリームから1つを選択するメニューを用意することができる。即ち、演奏のみが格納されているオーディオストリーム、演奏にガイドメロディーが付加されているオーディオストリーム、演奏とともにデュエットの相手の音声が格納されているオーディオストリームのいずれかを選択することができる。このようなメニューから選択項目を選定すると、その選択曲に相当するプログラムチェーンが再生される。
尚、ビデオタイトルセット(VTS)の為のメニュー(VTSM)が単純な構成である場合には、図34に示すビデオタイトルセット情報管理テーブル(VTSI_MAT)298からビデオタイトルセットのメニュー用のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOB)295のスタートアドレス(VTSM_VOB_SA)が獲得されてそのビデオオブジェクトセット(VTSM_VOB)295によってビデオタイトルセットのメニューが表示される。
この副映像ストリーム及びオーディオストリームの変更、或いは、図65に示すフローチャートに従って実行される。始めに、ステップS30に示すようにメニューで副映像ストリーム、或いは、オーディオストリームの選択、或いは、変更が指定される。ここでは、X番目のストリームを指定しているものとする。この指定の後に、ステップS31に示すように現在選択されているビデオタイトルセット中のVTS管理テーブル( VTS _MAT)298のVTS_AST_Ns或いはVTSSPST_Nsからオーディオストリームの数(n)、或いは、副映像ストリームの数(n)が獲得される。ステップS32に示すように選択されたX番目のストリームがストリームの数nより小さいかが確認される。ストリームの数nよりも選択されたストリームの番号Xが大きい場合には、該当するストリームがないとしてストリームの選択動作が中止される。ストリームの数nよりも選択されたストリームの番号Xが小さい場合には、選択されたPGCに対応するPGCI一般情報(PGCI_GI)305からステップS33に示すようにそのPGC中で使用可能なストリームに関するオーディオ、或いは、副映像ストリーム制御情報としてPGCI_AST_CTL或いはPGCI_SPST_CTLが獲得される。ここで、ステップS34に示すように使用可能なm個のストリーム中に選択された番号Xのストリームがない場合には、該当するストリームがないとしてストリームの選択動作が中止される。ステップS34に示すように使用可能なm個のストリーム中に選択された番号Xのストリームがある場合には、ステップ35に示すように選択されたX番目のオーディオストリーム属性(VTS_AST_SPST)、或いは、副映像ストリームの属性(VTS_SPST_SPST)が獲得される。この属性に従って、ステップ36に示すように属性パラメータがセットされる。次に、ステップ37に示すようにストリーム番号Xがシステムパラメータとしてセットされる。このようにストリーム番号が特定されることによって、ステップS38に示すように特定のストリームを選定して再生する動作が終了する。
プログラムチェーン(PGC)、即ち、具体的な曲がキー操作/表示部4で指定される場合には、次のような手順で対象とするプログラムチェーンがサーチされる。このプログラムチェーンのサーチは、ビデオタイトルセットにおけるタイトルの為のプログラムチェーンに限らず、メニューがプログラムチェーンで構成される比較的複雑なメニューにおいてもそのメニューの為のプログラムチェーンのサーチに関しても同様の手順が採用される。ビデオタイトルセット情報(VTSI)294の管理テーブル(VTSI_MAT)298に記述される図34に示すビデオタイトルセット(VTS)内のプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)300のスタートアドレスが獲得されて図36に示すそのVTSプログラムチェーン情報テーブルの情報(VTS_PGCIT_I)302が読み込まれる。この情報(VTS_PGCIT_I)302から図37に示すプログラムチェーンの数(VTS_PGC_Ns)及びテーブル300の終了アドレス(VTS_PGCIT_EA)が獲得される。
キー操作/表示部4でプログラムチェーンの番号が指定されると、その番号に対応した図36に示すVTS_PGCITサーチポインター(VTS_PGCIT_SRP)303から図38に示すそのプログラムチェーンのカテゴリー(VTS_PGCIT_CAT)及びそのサーチポインター(VTS_PGCIT_SRP)303に対応したVTS_PGC情報104のスタートアドレスが獲得される。このプログラムチェーンのカテゴリーから該当するプログラムチェーンがカラオケであることが確認される。また、スタートアドレス(VTS_PGCI_SA)によって図39に示すプログラムチェーン一般情報(PGC_GI)が読み出される。この一般情報(PGC_GI)によってもプログラムチェーン(PGC)のカテゴリーが獲得される。また、この一般情報(PGC_GI)によって再生時間(PGC_CAT、PGC_PB_TIME)等が獲得され、その一般情報(PGC_GI)に記載したセル再生情報テーブル(C_PBIT)及びセル位置情報テーブル(C_POSIT)108のスタートアドレス(C_PBIT_SA、C_POSIT_SA)が獲得される。スタートアドレス(C_PBIT_SA)から図45に示すセル位置情報(C_POSI)として図46に示すようなビデオオブジェクトの識別子(C_VOB_IDN)及びセルの識別番号(C_IDN)が獲得される。
また、スタートアドレス(C_POSIT_SA)から図44に示すセル再生情報(C_PBI)が獲得され、その再生情報(C_PBI)に記載の図42セル中の最初のVOBU85のスタートアドレス(C_FVOBU_SA)及び最終のVOBUのスタートアドレス(C_LVOBU_SA)が獲得されてその目的とするセルがサーチされる。セルの再生順序は、図39に示されるPGCプログラムマップ(PGC_PGMAP)306の図41に示すプログラムのマップを参照して次々に再生セル284が決定される。このように決定されたプログラムチェーンのデータセル284が次々にビデオオブジェクトセット296から読み出されてシステムプロセッサ部54を介して、データRAM部56に入力される。このデータセル284は、再生時間情報を基にビデオデコーダ部58、オーディオデコーダ部60及び副映像デコーダ部62に与えられてデコードされ、D/A及び再生処理部64で信号変換されてモニター部6に画像が再現されるとともにスピーカー部8、9から音声が再生される。
カラオケの再生に関しては、既に初期バージョンに係る光ディスクからのカラオケ再生に関して図12、図13及び図14Aから図14Fを参照して説明した記載を参照されたい。図12、図13及び図14Aから図14Fの説明においてシーケンスは、プログラムチェーンに置き換えられたい。
尚、上述した説明においては、あるタイトルセットには、音声付きオーディオであり、他のタイトルセットは、カラオケが該当するとして説明したが、全てのタイトルセットがカラオケであっても良いことは、明らかである。
また、タイトルセット毎、或いは、プログラムチェーン毎に次のようなカラオケを用意してもよい。例えば、年代別の曲集をタイトルセット毎、或いは、プログラムチェーンで用意しても良い。例えば、1960年代ヒット曲集及び1980年代ヒット曲集のタイトルセット、或いは、プログラムチェーンを用意しても良い。また、歌手別のタイトルセット毎、或いは、プログラムチェーンで用意しても良い。例えば、ビートルズヒット曲集及びエルビスプレスリーヒット曲集のタイトルセット、或いは、プログラムチェーンを用意しても良い。その他、ジャンル別、例えば、カントリーソング集、歌唱法別、例えば、ソロ曲集或いはデュエット曲集、等の分類別にタイトルセット毎、或いは、プログラムチェーンで用意しても良い。
プログラムチェーンで曲名集を指定した場合には、プログラムが各カラオケ曲に対応することとなる。
次に、図66から図71を参照して図15から図59に示す論理フォーマットで映像データ及びこの映像データを再生するための光ディスク10への記録方法及びその記録方法が適用される記録システムについて説明する。
図66は、映像データをエンコーダしてあるタイトルセット84の映像ファイル88を生成するエンコーダシステムが示されている。図66に示されるシステムにおいては、主映像データ、オーディオデータ及び副映像データのソースとして、例えば、ビデオテープレコーダ(VTR)201、オーディオテープレコーダ(ATR)202及び副映像再生器(Subpicture、source)203が採用される。これらは、システムコントローラ(Sys、con)205の制御下で主映像データ、オーディオデータ及び副映像データを発生し、これらが夫々ビデオエンコーダ(VENC)206、オーディオエンコーダ(AENC)207及び副映像エンコーダ(SPENC)208に供給され、同様にシステムコントローラ(Sys、con)205の制御下でこれらエンコーダ206、207、208でA/D変換されると共に夫々の圧縮方式でエンコードされ、エンコードされた主映像データ、オーディオデータ及び副映像データ(Comp、Video、Comp、Audio、Comp、Sub−pict)としてメモリ210、211、212に格納される。
この主映像データ、オーディオデータ及び副映像データ(Comp、Video、Comp、Audio、Comp、Sub−pict)は、システムコントローラ(Sys、con)205によってファイルフォーマッタ(FFMT)214に出力され、既に説明したようなこのシステムの映像データのファイル構造に変換されるとともに各データの設定条件及び属性等の管理情報がファイルとしてシステムコントローラ(Sys、con)205によってメモリ216に格納される。
以下に、映像データからファイルを作成するためのシステムコントローラ(Sys、con)205におけるエンコード処理の標準的なフローを説明する。
図67に示されるフローに従って主映像データ及びオーディオデータがエンコードされてエンコード主映像及びオーディオデータ(Comp、Video、Comp、Audio)のデータが作成される。即ち、エンコード処理が開始されると、図67のステップ70に示すように主映像データ及びオーディオデータのエンコードにあたって必要なパラメータが設定される。この設定されたパラメータの一部は、システムコントローラ(Sys、con)205に保存されるとともにファイルフォーマッタ(FFMT)214で利用される。ステップS271で示すようにパラメータを利用して主映像データがプリエンコードされ、最適な符号量の分配が計算される。ステップS272に示されるようにプリエンコードで得られた符号量分配に基づき、主映像のエンコードが実行される。このとき、オーディオデータのエンコードも同時に実行される。ステップS273に示すように必要であれば、主映像データの部分的な再エンコードが実行され、再エンコードした部分の主映像データが置き換えられる。この一連のステップによって主映像データ及びオーディオデータがエンコードされる。また、ステップS274及びS275に示すように副映像データがエンコードされエンコード副映像データ(Comp、Sub−pict)が作成される。即ち、副映像データをエンコードするにあたって必要なパラメータが同様に設定される。ステップS274に示すように設定されたパラメータの一部がシステムコントローラ(Sys、con)205に保存され、ファイルフォーマッタ(FFMT)214で利用される。このパラメータに基づいて副映像データがエンコードされる。この処理により副映像データがエンコードされる。
図68に示すフローに従って、エンコードされた主映像データ、オーディオデータ及び副映像データ(Com、Video、Comp、Audio、Comp、Sub−pict)が組み合わされて図15及び図59を参照して説明したような映像データのタイトルセット構造に変換される。即ち、ステップS276に示すように映像データの最小単位としてのセルが設定され、セルに関するセル再生情報(C_PBI)が作成される。次に、ステップS277に示すようにプログラムチェーンを構成するセルの構成、主映像、副映像及びオーディオ属性等が設定され(これらの属性情報の一部は、各データエンコード時に得られた情報が利用される。)、図33に示すようにプログラムチェーンに関する情報を含めたビデオタイトルセット情報管理テーブル情報(VTSI_MAT)278及びビデオタイトルセットプログラムチェーンテーブル(VTS_PGCIT)300が作成される。このとき必要に応じてビデオタイトルセットダイレクトアクセスポインターテーブル(VTS_DAPT)も作成される。エンコードされた主映像データ、オーディオデータ及び副映像データ(Com、Video、Comp、Audio、Comp、Sub−pict)が一定のパックに細分化され、各データのタイムコード順に再生可能なように、VOBU単位毎にその先頭にNVパックを配置しながら各データセルが配置されて図6に示すような複数のセルで構成されるビデオオブジェクト(VOB)が構成され、このビデオオブジェクトのセットでタイトルセットの構造にフォーマットされる。
尚、図68に示したフローにおいて、プログラムチェーン情報は、ステップS277の過程で、システムコントローラ(Sys、con)205のデータベースを利用したり、或いは、必要に応じてデータを再入力する等を実行し、プログラムチェーン情報(PGI)として記述される。
図69は、上述のようにフォーマットされたタイトルセットを光ディスクへ記録するためのディスクフォーマッタのシステムを示している。図69に示すようにディスクフォーマッタシステムでは、作成されたタイトルセットが格納されたメモリ220、222からこれらファイルデータがボリュームフォーマッタ(VFMT)226に供給される。ボリュームフォーマッタ(VFMT)226では、タイトルセット284、286から管理情報が引き出されてビデオマネージャー71が作成され、図15に示す配列順序でディスク10に記録されるべき状態の論理データが作成される。ボリュームフォーマッタ(VFMT)226で作成された論理データにエラー訂正用のデータがディスクフォーマッタ(DFMT)228において付加され、ディスクへ記録する物理データに再変換される。変調器230において、ディスクフォーマッタ(DFMT)228で作成された物理データが実際にディスクへ記録する記録データに変換され、この変調処理された記録データが記録器232によってディスク10に記録される。
上述したディスクを作成するための標準的なフローを図70及び図71を参照して説明する。図70には、ディスク10に記録するための論理データが作成されるフローが示されている。即ち、ステップS280で示すように映像データファイルの数、並べ順、各映像データファイル大きさ等のパラメータデータが始めに設定される。次に、ステップS281で示すように設定されたパラメータと各ビデオタイトルセット72のビデオタイトルセット情報281からビデオマネージャー71が作成される。その後、ステップS282に示すようにビデオマネージャー71、ビデオタイトルセット72の順にデータが該当する論理ブロック番号に沿って配置され、ディスク10に記録するための論理データが作成される。
その後、図71に示すようなディスクへ記録するための物理データを作成するフローが実行される。即ち、ステップS283で示すように論理データが一定バイト数に分割され、エラー訂正用のデータが生成される。次にステップS284で示すように一定バイト数に分割した論理データと、生成されたエラー訂正用のデータが合わされて物理セクタが作成される。その後、ステップS285で示すように物理セクタを合わせて物理データが作成される。このように図71に示されたフローで生成された物理データに対し、一定規則に基づいた変調処理が実行されて記録データが作成される。その後、この記録データがディスク10に記録される。
上述した実施例においては、記録媒体として高密度記録タイプの光ディスクについて説明したが、この発明は、光ディスク以外の他の記憶媒体、例えば、磁気ディスク或いはその他の物理的に高密記録可能な記憶媒体等にも適用することができる。
6 … モニター部、8 … スピーカー部、10 … 光ディスク、14 … 透明基盤、16 … 光反射層、28 … データ記録領域、30 … ディスクドライブ部、32 … 光ピックアップ、34 … 対物レンズ、36 … フォ―カス駆動回路、37 … 駆動回路、44 … サーボ処理回路、50 … システムCPU、54 … システムプロセッサ部、56 … データRAM部、58 … ビデオデコーダ部、60 … オーディオデコード部、62 … 副映像デコーダ部、64 … D/A及び再生処理回路、70 … ボリューム管理情報領域、72 … システム領域、74 … ボリューム管理エリア、76 … ディスク情報ファイル、78 … ファイル、71 … 基本ボリューム記述子エリア、73 … ボリューム記述子集合終端子エリア、75 … バステーブルレコードエリア、77 … ディレクトリレコードエリア、80 … ファイル領域、82 … ファイル管理情報エリア、84 … メニュー映像データエリア、86 … ディスク構成情報エリア、87 … メニュー構成情報エリア、88 … セル情報テーブル、90 … メニューデータセル、101 … ファイル管理情報エリア、102 … 映像用データエリア、113 … ファイル管理テーブル、114 … シーケンス情報テーブル、115 … セル情報テーブル、120 … マイク音声入力部、124 … 副音声信号振幅調整部、125 … 副音声信号L/Rバランス調整部、126 … 音声調子制御部、129 … 残響効果制御手段、201 … ビデオテープレコーダ、202 … オーディオテープレコーダ、203 … 副映像再生器、205 … システムコントローラ、206 … ビデオエンコーダ、207 … オーディオエンコーダ、208 … 副映像エンコーダ、205 … システムコントローラ、220、222 … メモリ、226 … ボリュームフォーマッタ、228 … ディスクフォーマッタ、230 … 変調器、232 … 記録器、270 … ボリューム及びファイル構造領域、271 … ビデオマネージャー(VMG)、272 … ビデオタイトルセット(VTS)、273 … 他の記録領域、274 … ファイル、275 … ビデオマネージャー情報(VMGI)、276 … ビデオマネージャーメニューの為のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)、277 … ビデオマネージャー情報のバックアップ(VMGI_BUP)、278 … ビデオ管理情報管理テーブル(VMGI_MAT)、279 … タイトルサーチポインターテーブル(TT_SRPT)、280 … ビデオタイトルセット属性テーブル(VTS_ATRT)、282 … ビデオオブジェクトセット(VOBS)、283 … ビデオオブジェクト(VOB)、284 … セル95、285 … ビデオオブジェクトユニット(VOBU)、286 … ナビゲーションパック(NVパック)、288 … ビデオパック(Vパック)、290 … 副映像パック(SPパック)、291 … オーディオパック(Aパック)、295 … ビデオタイトルセットのメニュー用ビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)、
296 … ビデオタイトルセットのタイトルの為のビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)、297 … ビデオタイトルセット情報(VTSI)のバックアップ、298 … ビデオタイトルセット情報管理テーブル(VTSI_MAT)、299 … ビデオタイトルセットパートオブタイトルサーチポインターテーブル(VTS_PTT_SRPT)、300 … ビデオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)、301 … ビデオタイトルセットタイムサーチマップテーブル(VTS_MAPT)、304 … PGC情報(VTS_PGCI)、306 … プログラムチェーンプログラムマップ(PGC_PGMAP)、307 … セル再生情報テーブル(C_PBIT)、308 … セル位置情報テーブル(C_POSIT)、311 … ビデオタイトルセットメニューPGCIユニットテーブル(VTSM_PGCI_UT)、312 … ビデオタイトルセットセルアドレステーブル(VTS_C_ADT)、313 … VTS_PGCITサーチポインター(VTS_PGCIT_SRP)、316 … PCIパケット、317 … DSIパケット