JP3938301B2 - センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
尿酸は生体内プリン代謝系の主要な最終生成物であり、血液中や尿中の尿酸の濃度が高いと、過尿酸症、痛風、腎臓病、心臓血管の病気などの兆候と考えられる。従って、血液や尿中の尿酸の定量は医療診断および日常の健康管理において大変重要である。
血液中の尿酸の通常濃度は240〜250μMであり、尿中の濃度は1.4〜4.4mMである。
【0003】
尿酸の分析法には、発色法、酵素法、酵素を用いる電気化学法、および修飾電極を用いる電気化学法等がある。各分析法について説明する。
【0004】
最初に、発色法について説明する。これは、尿酸をリンタングステン酸でallantoinとCO2 に酸化し、その結果生じる還元体であるタングステンブルー化合物が示す660〜770nmの吸光度を利用する方法である[1]。この場合の吸光度が反応した尿酸の濃度に比例する。しかしながら、この方法では尿酸は血しょうプラズマタンパク質と一緒に沈澱し、発色した溶液は濁りを生じ、尿酸の濃度と吸光度の間には直線関係が得られない。またこの方法ではアスコルビン酸によって妨害される[2]。
【0005】
つぎに、酵素法について説明する。尿酸は、下の反応式に示すようにウリカーゼ(Uricase)酵素の存在下allantoinに酸化され、その結果292nm付近の尿酸の吸光度は減少する。
尿酸+O2 +2H2 O → allantoin+H2 2 +CO2
酵素法は、この吸光度の減少に基づいて尿酸を測定する方法である。この酵素法は、発色法に比べて選択性は高いが、測定試料の吸光度のブランク応答が大きく、また試料中に存在するプリンによって酵素作用が妨害される。この結果、再現性が悪い[3]。
【0006】
つぎに、酵素を用いる電気化学法について説明する。これは、上の反応で生じるH2 2 の電気化学的酸化反応あるいは還元反応の電流を測定することにより、尿酸の濃度を評価する方法である。酸化反応の場合には高い過電圧が必要であり、その結果多くの妨害物質により測定は影響される。最近、レドックスポリマーやリン脂質/アルカンチオール二層膜で修飾した金電極を用いてウリカーゼ酵素の存在下尿酸の酸化電流を測定する方法が報告されている[4,5]。
この場合、アスコルビン酸の妨害を防ぐことができるが、ウリカーゼ酵素が電極表面に吸着し、電極活性が低下する。
【0007】
つぎに、修飾電極を用いる電気化学法について説明する。この方法においては、電極表面をポリビニルピリジン、ナフィオン、粘土物質などの高分子化合物で電極表面を修飾したり、炭素電極を電気化学的に前処理したものを用いている。高い選択性と感度が得られるが、各測定の前に尿酸の前濃縮(preconcentration)が必要である[6]。
【0008】
また、最近ダイヤモンド電極を用いて尿酸を電気化学的に検出する方法が報告されている[7]。この方法は高い感度と選択性を与えるが、尿酸の酸化に対して930mVvs.SCEという高い酸化過電圧を必要とするため、アスコルビン酸が妨害物質となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の分析法では、尿素、アルコルビン酸等を簡便にかつ安定的に定性・定量分析することが困難であるという問題がある。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、尿酸、アスコルビン酸等を定性・定量分析できるセンサを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のセンサは、作用電極、参照電極、および対極を収納した電解セルを有するセンサにおいて、作用電極が、メルカプト基を有する複素環式化合物により化学修飾されているものである。
【0012】
上述のメルカプト基を有する複素環式化合物は、メルカプトベンズイミダゾール、メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、2−メルカプトピリミジン、6−メルカプトプリン、1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、または4−メルカプトピリジンの中から選ばれる1種であることが好ましい。
【0013】
上述のセンサは、尿酸、アスコルビン酸、ドーパミン、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元体、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸、またはホモバニリン酸を検出するのに用いる。
【0014】
本発明のセンサによれば、作用電極が、メルカプト基を有する複素環式化合物により化学修飾されているので、電解酸化生成物が電極表面に直接吸着するのを防止でき、複素環式化合物が電極表面に対して分子配向するのを実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、センサにかかる発明の実施の形態について説明する。
最初に、センサの構成について説明する。
本発明のセンサは、作用電極、参照電極、および対極を収納した電解セルを有している。すなわち、例えば電解室を両側に2個有する、ガラス製のH形セルを用いて、片方の電解室に作用電極となる修飾電極と参照電極とを配置し、もう一方の電解室に対極を配置して、センサとなる電解セルを構成した。
【0016】
つぎに、作用電極の構成について説明する。図1は、本発明のセンサに用いる作用電極の一例を示す断面図である。導電性の基板となる導電性金属棒2および金電極4を、絶縁体である樹脂棒6の中心に、金電極4の表面と樹脂棒6の一端の面がほぼ同一面となり、また導電性金属棒2が樹脂棒6の他方の面より露出するように埋め込んである。露出した金電極4の表面は電解処理を行う。そして、この金電極4は、メルカプト基を有する複素環式化合物により化学修飾されている。
【0017】
つぎに、作用電極の化学修飾の方法について説明する。この方法には、例えば作用電極を電解処理した後、メルカプト基(−SH)を有する複素環式化合物(ヘテロ原子を骨格に含む環状有機化合物)を溶解した有機溶媒に所定時間浸漬した後、室温で乾燥することにより、化学修飾した修飾電極を作製するものがある。
【0018】
図2および図3は、電極表面の化学修飾に用いる複素環式化合物の例を示す図である。ここで、メルカプト基を有する複素環式化合物としては、メルカプトベンズイミダゾール、メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、2−メルカプトピリミジン、6−メルカプトプリン、1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、または4−メルカプトピリジン等がある。
【0019】
つぎに、上述した電極の修飾方法とは異なる他の修飾方法について説明する。図4は、電極表面に対する、化学修飾方法の他の例を示す図である。炭素系電極(グラファイト、グラッシーカーボン、パイロリティックグラファイト等)、金属酸化物型半導体電極(SnO2 ,TiO2 ,RuO2 等)および金属電極(Pt,Ti等)の表面を空気酸化や試薬酸化して、電極表面に−OH基を生成させ、つぎにこれと有機ケイ素化合物(たとえば(H3 CO)3 Si(CH2 3 Cl;(3−chloropropyl)−(trimethoxysilane)との反応により−O−Si−結合を通じて(−O)3 Si(CH2 3 Clを電極表面に生成する[8]。つぎに、メルカプト基を有する複素環式化合物と反応させて、複素環式化合物単分子層修飾電極を作製することが可能である。
【0020】
つぎに、上述のセンサにより分析できる対象について説明する。図5および図6は、センサにより検出することができる有機化合物の例を示す図である。本発明のセンサは、尿酸(UA)、L−アスコルビン酸(AA)、ドーパミン(DA)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元体(NADH)、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、またはホモバニリン酸(HVA)等を検出できる。
【0021】
本発明のセンサにより、上述の有機化合物のうち、少なくともつぎの有機化合物同士を分離して検出することができる。すなわち、尿酸(UA)とL−アスコルビン酸(AA)、尿酸(UA)とドーパミン(DA)、尿酸(UA)とニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元体(NADH)、尿酸(UA)と3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、または尿酸(UA)とホモバニリン酸(HVA)である。
【0022】
つぎに、本センサにより測定できる濃度範囲について説明する。
本発明では直径1.6mmの金電極を用いた。この電極を用いると1〜約300μMの濃度範囲で尿酸(UA)を検出できる。
【0023】
濃度の低い方については、電極の面積を大きくすればより低濃度でも検出できることになる。たとえば電極の直径を1.6mmから10倍の16mmにすると面積は(1.6/2)2 πから(16/2)2 πになり100倍大きくなるので、検出電流は100倍大きくなる(電流応答は電極面積に比例する)。したがって、nM(10-9M)程度まで測定することができる。
【0024】
つぎに、センサの様式について説明する。センサの様式は、上述のH型セルに限定されるわけではない。図7は、センサの他の例を示す図である。図7のAは、フローセルタイプのセンサ(濃度測定用装置)を示す概略断面図である。センサ11は、電極を収納する試料室12、尿酸やL−アスコルビン酸等が溶解した試料溶液を資料室12に供給する供給管13、および濃度測定後の試料溶液が排出される排出管14から成っている。また、試料室12内の試料溶液15中には濃度測定用電極(作用電極)16、対極17、および参照電極18が浸漬されている。このフローセルタイプのセンサを用いると、試料の連続測定が可能となり、オンライン(on line)測定系に適用できるという効果か得られる。
【0025】
なお、上述のフローセルタイプのセンサにおいては、図7のBに示すような濃度測定用電極(作用電極)16、対極17、および参照電極18を樹脂20に埋め込んだ一体型電極19を使用することもできる。この一体型電極19を用いると、取り扱いやすく、電極全体の微小化も容易であるという効果が得られる。
【0026】
つぎに、センサの機能について説明する。
最初に、本発明のセンサにより、L−アスコルビン酸(AA)と尿酸(UA)等を分離・検出できる理由を説明する。
L−アスコルビン酸(AA)と尿酸(UA)の電気化学的な酸化反応は、L−アスコルビン酸(AA)の方が尿酸(UA)よりもより負の電位で酸化されることはすでにわかっている[9]。従って、本来はL−アスコルビン酸(AA)と尿酸(UA)を電気化学的に分離検出することが可能な筈である。
【0027】
しかしながら、実際上は未修飾電極ではL−アスコルビン酸(AA)と尿酸(UA)の分離・検出は不可能である。その理由としては、L−アスコルビン酸(AA)および尿酸(UA)の不溶性酸化生成物が電極表面に直接吸着して(次の反応をブロックして)電極活性が低下し、両方の酸化が約0.4V付近に観察される。しかも、繰り返し測定すると、それに伴って酸化生成物の電極表面への吸着も増え、電極活性が益々低下し、L−アスコルビン酸(AA)と尿酸(UA)の電解酸化に相当する電流応答も次第に減少することになる。
【0028】
それに対して、修飾電極においては、電極表面がすでに適当な親水性、疎水性を有する複素環式化合物の単分子層で被覆されており、尿酸(UA)やL−アスコルビン酸(AA)の電解酸化生成物の電極表面への直接吸着が起こらず、電極の本来の活性が保たれ、L−アスコルビン酸(AA)と尿酸(UA)の酸化ピークを分離して測定できることになる。
【0029】
また、複素環式化合物の違いにより、L−アスコルビン酸(AA)と尿酸(UA)の分離・検出能および修飾電極の安定性は異なるが、これは個々の化合物の電極表面での分子配向の違い(電極と化合物との電子相互作用の違いによる)、例えば図8に示すように、(A)電極表面と平行に配向、(B)電極表面に垂直に配向、または(C)電極表面とある角度で配向という違いによるものと考えられる。
なお、このような配向の違いは分光法により調べられることが報告されている[10]。
【0030】
つぎに、L−アスコルビン酸(AA)と尿酸(UA)等を分離・検出するために、メルカプト基(−SH)を有する複素環式化合物が特に優れている理由を具体的に説明する。以下にその理由を列挙する。
【0031】
まず、電極上での自己組織化単分子層の形成が可能なメルカプト基を有することがあげられる。しかも作製された自己組織化単分子層の厚さが非常に薄い(約2〜3オングストローム)ことがあげられる。
このように、自己組織化単分子層の厚さが非常に薄いことにより、L−アスコルビン酸(AA)や尿酸(UA)が電極表面により接近して反応することができ(この電極反応する面を通常反応面と呼ぶ)、従って、電極表面とこれらの反応物との距離が短く、電極反応が速く起こることになるという効果が得られる。
【0032】
また、作製した自己組織化単分子層が化学的に安定であることあげられる。すなわち、作製した自他組織化単分子層が電気化学的に安定であること(それ自身が電極反応しない)こと、具体的には、約−0.7〜0.7V(対Ag/AgCl参照電極)の電位範囲で安定であることがあげられる。なお、尿酸、L−アスコルビン酸の酸化反応はこの範囲内で起こる。
【0033】
また、作製した自己組織化単分子層修飾電極で水溶液中での通常の電極反応が可能であることがあげられる。これは作製した単分子層が適切な親水性を有していることによる。もし、完全に疎水性であれば、電極表面を疎水性層(絶縁層)が覆うことになり、水溶液中での電極反応はブロックされる(起こらないこともありうる。その程度は化合物に依存する)。
【0034】
また、電極と複素環式化合物との電子相互作用により、電極表面で特異な分子配向をとることがあげられる。これが単分子層の安定性や検出・分離能の違いに反映すると考えられる。
【0035】
つぎに、複素環式化合物により電極を化学修飾した場合、電極表面に単分子層が形成されるとする根拠につい説明する。
金電極(銀、銅電極等も)とメルカプト基(−SH)やジスルフィド基(−S−S−)をもつ有機化合物は、金属−S結合を容易に形成して電極表面上に有機化合物の単分子層を形成すること(これを「自己組織化単分子層」という)は周知の事実である[11,12]。電極をR−S−S−RやHS−Rの溶液に浸すだけで、図9に示すように、金属とSの結合が生成し単分子層が形成される。図9は、電極表面に有機化合物の単分子層が形成される様子を模式的に示す図である。
【0036】
したがって、メルカプト基を有する複素環式化合物により、電極を化学修飾した場合も、図10に示すように自己組織化単分子層が形成されるものと考えられる。図10は、電極表面に複素環式化合物の自己組織化単分子層が形成される様子を模式的に示す図である。
【0037】
以上のことから本実施の形態のセンサによれば、作用電極が、メルカプト基を有する複素環式化合物により化学修飾されているので、電解酸化生成物が電極表面に直接吸着するのを防止でき、複素環式化合物が電極表面に対して分子配向するのを実現できる。その結果、尿酸、L−アスコルビン酸等を定性・定量分析できる。
【0038】
すなわち、メルカプト基を有する複素環式化合物の自己組織化単分子層で化学修飾した電極を作用電極として用いることにより、酸化還元触媒や酵素を必要とすることなく、被検試料中の尿酸を高濃度のL−アスコルビン酸等の共存下で電気化学的に酸化し、得られた酸化ピーク電位から尿酸およびL−アスコルビン酸等を定性し、さらに酸化ピーク電流値からそれぞれの濃度を定量することができる。
【0039】
また、電極を自己組織化単分子層で修飾することによって、酸化生成物の電極表面への吸着によって電極活性が低下するのを防ぐことができる。
【0040】
なお、本発明は上述の実施の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0041】
【実施例】
つぎに、本発明にかかる実施例について具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
【0042】
(実施例1)
[修飾電極の作製]
図1に示すように、導電性の基板となる直径1.6mmの導電性金属棒(銅棒)2、および直径1.6mm、長さ4mmの金電極4を、絶縁体である直径6mmのポリイミドからなる樹脂棒6の中心に、金電極4の表面とポリイミド樹脂棒6の一端の面がほぼ同一面となり、また導電性金属棒(銅棒)2がポリイミド樹脂棒6の他方の面より1cm程度露出するように埋め込んだ。露出した金電極4の表面を、直径が1.0μmのアルミナ粉、直径が0.06μmのアルミナ微粉で研磨した後、0.05Mの硫酸水溶液中で、Ag/AgCl参照電極に対して−0.2〜1.5Vの電位間で10Vs-1で電位掃引することにより電解処理を行い、電極(D)を作製した。
【0043】
つぎに、この電極(D)を、メルカプトベンズイミダゾール(MBI)10mMを溶解したエチルアルコール溶液に約2時間浸漬した後、室温で乾燥して、メルカプトベンズイミダゾール(MBI)で化学修飾した修飾電極(A)を作製した。
【0044】
[被検試料の調製]
リン酸2水素ナトリウム(NaH2 PO4 )0.1M、リン酸水素2ナトリウム(Na2 HPO4 )0.1Mを脱イオン水に溶解したpH7.2の緩衝溶液に、L−アスコルビン酸を100μM、尿酸を100μM溶解し、被検試料(1)を調製した。
【0045】
[センサの作製]
容積が20ccの電解室を両側に2個有する、ガラス製のH形セルを用いて、片方の電解室に、作用電極となる電極(A)または修飾電極(B)と、Ag/AgCl参照電極とを配置し、もう一方の電解室に対極となる白金巻線を配置して、センサとなる電解セルを構成した。電解室間は、多孔質のガラス焼結板で仕切った。
電解セルに被検試料(1)を入れた後、窒素ガスを通じて溶存酸素を除去したのち、セルを密閉状態に保ち電解を行った。
【0046】
[電解検出方法]
作用電極の電位を参照電極に対し、−0.1Vから+0.55Vまで掃引して電解を行い、この際流れる電解電流を測定した。作用電極の電位の掃引方法は矩形波ポーラログラフ法により行った。電位の掃引条件は、矩形波高=35mV、ステップ電圧=4mV、周波数=15Hzとした。
【0047】
矩形波ポーラログラフ法を用いたのは、電気二重層容量の充放電電流の影響を除去して検出感度を上げるためである。L−アスコルビン酸、尿酸の濃度が高くなり、電気二重層容量の充放電電流値に較べ十分に大きな酸化電流値が得られる場合は、作用電極の電位を直線的に増加させる単掃引ボルタンメトリー法を用いてもよい。
【0048】
[検出結果]
メルカプトベンズイミダゾール(MBI)で化学修飾した修飾電極(A)を用いて、矩形波ポーラログラフ法で得られた電流−電位曲線を図11に示す。修飾電極(A)では、L−アスコルビン酸に由来する酸化電流ピークが+0.05V付近に得られ、+0.35V付近に尿酸の酸化に由来する電流ピークがそれぞれ得られた。
【0049】
よって、導電性の基板として金を用い、メルカプトベンズイミダゾール(MBI)を基板表面に化学修飾することにより、L−アスコルビン酸の共存する被検試料中で、尿酸およびL−アスコルビン酸を分離して検出することができる。
【0050】
(実施例2)
[修飾電極の作製]
エチルアルコール溶液中の、メルカプトベンズイミダゾール(MBI)の濃度を5mMとした以外は、実施例1と同様にして、メルカプトベンズイミダゾール(MBI)で化学修飾した修飾電極(B)を作製した。
【0051】
[被検試料の調製]
リン酸2水素ナトリウム(NaH2 PO4 )0.1M、リン酸水素2ナトリウム(Na2 HPO4 )0.1Mを脱イオン水に溶解したpH7.2の緩衝溶液に、L−アスコルビン酸を100μM、尿酸を1,2,3,‥‥15μM溶解して、被検試料(2a)〜(2o)を調製した。
【0052】
[センサの作製]
作製したメルカプトベンズイミダゾール(MBI)化学修飾電極を作用電極として、実施例1と同様のセルを用いてセンサを作製した。
【0053】
[電解検出方法]
実施例1と同様に、矩形波ポーラログラフ法を用いて、電解電流を測定した。
【0054】
[検出結果]
被検試料(2a)〜(2o)について得られた電流−電位曲線を図12に示す。図12に示すように、被検試料(2a)〜(2o)の場合、+0.05V付近にL−アスコルビン酸の酸化に由来する電流ピークが得られ、+0.35V付近に尿酸の酸化に由来する電流ピークが得られた。L−アスコルビン酸の酸化電流はL−アスコルビン酸の濃度が被検試料(2a)〜(2o)のいずれについても同じであることに対応して、L−アスコルビン酸の酸化に由来する電流ピークの高さはほぼ同じであった。一方、尿酸の濃度が被検試料(2a)〜(2o)の順に高くなるように調製されていることに対応して、尿酸の酸化に由来する電流ピークは被検試料(2a)〜(2o)の順に増加した。
【0055】
よって、既知の尿酸濃度の試料について測定を行い、あらかじめ検量線を作成しておくことにより、尿酸の酸化に由来する電流ピークの高さから、L−アスコルビン酸の存在下においても被検試料中の尿酸濃度を容易に定量することができる。
【0056】
(実施例3)
[修飾電極の作製]
実施例1と同様に、修飾電極(A)を作製した。
【0057】
[被検試料の調製]
リン酸2水素ナトリウム(NaH2 PO4 )0.1M、リン酸水素2ナトリウム(Na2 HPO4 )0.1Mを脱イオン水に溶解して、pH7.2の緩衝溶液を用意した。この緩衝溶液にL−アスコルビン酸と尿酸を溶解し、L−アスコルビン酸と尿酸の濃度が等しい、6,12,18,24,30,36,42,48,54,60,66,72,78,84,90,96,102,108および114μMの被検試料(3a)〜(3s)を調製した。
【0058】
[センサの作製]
作製したメルカプトベンズイミダゾール(MBI)化学修飾電極を作用電極として、実施例1と同様のセルを用いてセンサを作製した。
【0059】
[電解検出方法]
実施例1と同様に、矩形波ポーラログラフ法を用いて電解電流を測定した。
【0060】
[検出結果]
被験試料(3a)〜(3s)について得られた電流−電位曲線を図13に、またその時のL−アスコルビン酸と尿酸の酸化ピーク電流と濃度の関係を図14に示す。
L−アスコルビン酸と尿酸の濃度が被検試料(3a)〜(3s)の順に高くなるように調製されていることに対応して、L−アスコルビン酸と尿酸の両方の酸化ピーク電流は被検試料(3a)〜(3s)の順に増加した。
【0061】
よって、既知のL−アスコルビン酸および尿酸濃度の試料について測定を行い、あらかじめ検量線を作成しておくことにより、それぞれの酸化に由来する電流ピークの高さから、L−アスコルビン酸と尿酸濃度を同時に容易に定量することができる。
同じ濃度のL−アスコルビン酸および尿酸の酸化ピーク電流を比較すると、尿酸の方が大きく、従ってL−アスコルビン酸よりも尿酸を高感度に検出することができる。
【0062】
(実施例4)
[修飾電極の作製]
実施例1と同様にして、メルカプトベンズイミダゾール(MBI)で化学修飾した修飾電極(A)を作製した。
【0063】
[被検試料の調製]
リン酸2水素ナトリウム(NaH2 PO4 )0.1M、リン酸水素2ナトリウム(Na2 HPO4 )0.1Mを脱イオン水に溶解して、pH7.2の緩衝溶液を調製した。この緩衝溶液に尿酸を溶解し、38,76,114,152,190,228,266および304μMの被検試料(4a)〜(4h)を調製した。
【0064】
[センサの作製]
作製したメルカプトベンズイミダゾール(MBI)化学修飾電極を作用電極として、実施例1と同様のセルを用いてセンサを作製した。
[電解検出方法]
実施例1と同様に、矩形波ポーラログラフ法を用いて電解電流を測定した。
【0065】
[検出結果]
38,76,114,152,190,228,266および304μMの尿酸を含む被検試料について得られた電流−電位曲線を図15に、またその時の尿酸の酸化ピーク電流と濃度の関係を図16に示す。尿酸の濃度に比例して酸化ピーク電流が増加した。
よって、既知の尿酸濃度の試料について測定を行い、あらかじめ検量線を作成しておくことにより、酸化ピーク電流の高さから高濃度の尿酸を定量することができる。
【0066】
(実施例5)
[修飾電極の作製]
実施例1と同様にして、メルカプトベンズイミダゾール(MBI)で化学修飾した修飾電極(A)を作製した。
【0067】
[被検試料の調製]
リン酸2水素ナトリウム(NaH2 PO4 )0.1M、リン酸水素2ナトリウム(Na2 HPO4 )0.1Mを脱イオン水に溶解したpH7.2の緩衝溶液に、尿酸50μM、ドーパミン(DA)50μMを溶解し、被検試料(5)を調製した。
【0068】
[センサの作製]
作製したメルカプトベンズイミダゾール(MBI)化学修飾電極を作用電極として、実施例1と同様のセルを用いてセンサを作製した。
【0069】
[電解検出方法]
実施例1と同様に、矩形波ポーラログラフ法を用いて電解電流を測定した。
【0070】
[検出結果]
被検試料(5)について得られた電流−電位曲線を図17に示す。尿酸に由来する酸化電流ピークが+0.35V付近に得られ、+0.2V付近にドーパミン(DA)の酸化に由来する電流ピークが得られた。
よって、修飾電極(A)を用いることにより、尿酸とドーパミン(DA)の共存する被検試料中でこれらを分離して検出することができる。
【0071】
(実施例6)
[修飾電極の作製]
実施例1と同様にして、メルカプトベンズイミダゾール(MBI)で化学修飾した修飾電極(A)を作製した。
【0072】
[被検試料の調製]
リン酸2水素ナトリウム(NaH2 PO4 )0.1M、リン酸水素2ナトリウム(Na2 HPO4 )0.1Mを脱イオン水に溶解したpH7.2の緩衝溶液に、尿酸50μM、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元体(NADH)50μMを溶解し、被検試料(6)を調製した。
【0073】
[センサの作製]
作製したメルカプトベンズイミダゾール(MBI)化学修飾電極を作用電極として、実施例1と同様のセルを用いてセンサを作製した。
【0074】
[電解検出方法]
実施例1と同様に、矩形波ポーラログラフ法を用いて電解電流を測定した。
【0075】
[検出結果]
被検試料(6)について得られた電流−電位曲線を図18に示す。尿酸に由来する酸化電流ピークが+0.35V付近に得られ、+0.55V付近にニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元体(NADH)の酸化に由来する電流ピークが得られた。
よって、修飾電極(A)を用いることにより、尿酸とニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元体(NADH)の共存する被検試料中でこれらを分離して検出することができる。
【0081】
なお、上述の実施例1〜6においては、電解電流の繰り返し測定において全く同じ電流応答が得られ、金電極表面をメルカプト基を有する複素環式化合物で化学修飾することによって、L−アスコルビン酸や尿酸などの電解酸化生成物が金電極表面に直接吸着することを防止することが可能であり、作用電極の電極活性の低下は認められなかった。
【0082】
(比較例1)
[電極の作製]
実施例1において作製された電極(D)、すなわち修飾電極(A)を作製する前段の、未修飾電極を作製した。
すなわち、露出した金電極の断面を、直径が1.0μmのアルミナ粉、直径が0.06μmのアルミナ微粉で研磨した後、0.05Mの硫酸水溶液中で、Ag/AgCl参照電極に対して−0.2〜1.5Vの電位間で10Vs-1で電位掃引することにより電解処理を行い、比較用の電極(D)を作製した。
【0083】
[被検試料の調製]
実施例1と同様に、被検試料(1)を調製した。すなわち、pH7.2の緩衝溶液に、L−アスコルビン酸を100μM、尿酸を100μM溶解し、被検試料(1)を調製した。
【0084】
[センサの作製]
未修飾の電極(D)を作用電極として、実施例1と同様のセルを用いてセンサを作製した。
【0085】
[電解検出方法]
実施例1と同様に、矩形波ポーラログラフ法を用いて電解電流を測定した。
[検出結果]
電極(D)を用いて、矩形波ポーラログラフ法で得られた電流−電位曲線を図19に示す。未修飾の電極(D)では、L−アスコルビン酸と尿酸の酸化に由来する電流ピークは単一のものとなり、L−アスコルビン酸と尿酸とを分離して検出することができなかった。
【0086】
(比較例2)
[電極の作製]
比較例1と同様にして、電極(D)を作製した。
[被検試料の調製]
実施例5と同様に、被検試料(5)を調製した。すなわち、pH7.2の緩衝溶液に、尿酸50μM、ドーパミン(DA)50μMを溶解し、被検試料(5)を調製した。
[センサの作製]
未修飾の電極(D)を作用電極として、実施例1と同様のセルを用いてセンサを作製した。
【0087】
[電解検出方法]
実施例1と同様に、矩形波ポーラログラフ法を用いて電解電流を測定した。
[検出結果]
未修飾の電極(D)では、尿酸の酸化に由来する明瞭な電流ピークは得られず、+0.2V付近に単一の電流ピークが得られただけであり、尿酸とドーパミン(DA)を分離して検出することができなかった。
【0088】
(比較例3)
[電極の作製]
比較例1と同様にして、電極(D)を作製した。
【0089】
[被検試料の調製]
実施例6と同様に、被検試料(6)を調製した。すなわち、pH7.2の緩衝溶液に、尿酸50μM、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元体(NADH)50μMを溶解し、被検試料(6)を調製した。
【0090】
[センサの作製]
未修飾の電極(D)を作用電極として、実施例1と同様のセルを用いてセンサを作製した。
【0091】
[電解検出方法]
実施例1と同様に、矩形波ポーラログラフ法を用いて電解電流を測定した。
【0092】
[検出結果]
未修飾の電極(D)では、尿酸の酸化に由来する明瞭な電流ピークは得られず、+0.2V付近に単一の電流ピークが得られただけであり、尿酸とニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元体(NADH)を分離して検出することができなかった。
【0093】
(比較例4)
[電極の作製]
比較例1と同様にして、電極(D)を作製した。
【0094】
[被検試料の調製]
実施例1と同様に、被検試料(1)を調製した。すなわち、pH7.2の緩衝溶液に、L−アスコルビン酸を100μM、尿酸を100μM溶解し、被検試料(1)を調製した。
【0095】
[センサの作製]
未修飾の電極(D)を作用電極として、実施例1と同様のセルを用いてセンサを作製した。
【0096】
[電解検出方法]
実施例1と同様に、矩形波ポーラログラフ法を用いて、連続5回電解電流を測定した。
【0097】
[検出結果]
図20に示すように、L−アスコルビン酸と尿酸の酸化に由来する単一の電流ピークが約0.4Vに観察され、しかもこの電流ピークは測定を繰り返すにつれて減少した。図20は、電極(D)の電流−電位応答を示す図であり、第1回目から第5回目までの連続測定における電流−電位応答の変化を示している。
このことから、未修飾の電極(D)においては、L−アスコルビン酸と尿酸の電解酸化生成物の金電極表面への直接吸着により電極活性が低下するものと考えられる。
【0098】
なお、L−アスコルビン酸やドーパミンについては、酸化生成物が電極表面に直接吸着することにより電極活性が低下することは、すでに報告されている[13,14]。
【0099】
以上のことから、本実施例によれば、メルカプト基を有する複素環式化合物の自己組織化単分子層で化学修飾した電極を作用電極として用いることにより、酸化還元触媒や酵素を必要とすることなく、被検試料中の尿酸を高濃度のL−アスコルビン酸等の共存下で電気化学的に酸化し、得られた酸化ピーク電位から尿酸およびL−アスコルビン酸等を定性し、さらに酸化ピーク電流値からそれぞれの濃度を定量することができる。
【0100】
また、電極を自己組織化単分子層で修飾することによって、酸化生成物の電極表面への吸着によって電極活性が低下するのを防ぐことができる。
[参考文献]
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[12]北村房男・岡島武義・徳田耕一・大坂武男;表面,Vol.37,No.12,661−677(1999).
[13]たとえばL−アスコルビン酸については、M.E.G.Lyons,W.Breen and J.Cassidy,J.Chem.Soc.Faraday Trans.87,115−123(1991).
[14]たとえばドーパミンについてはA.Ciszwski and G.Milczarek,Anal.Chem.,71,1055−1061(1999).
【0101】
【発明の効果】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
作用電極が、メルカプト基を有する複素環式化合物により化学修飾されているので、尿酸、L−アスコルビン酸等を定性・定量分析できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセンサに用いる作用電極を示す断面図である。
【図2】電極表面の化学修飾に用いる複素環式化合物の例を示す図である(その1)。
【図3】電極表面の化学修飾に用いる複素環式化合物の例を示す図である(その2)。
【図4】電極表面に対する、化学修飾方法の他の例を示す図である。
【図5】センサにより検出することができる有機化合物の例を示す図である(その1)。
【図6】センサにより検出することができる有機化合物の例を示す図である(その2)。
【図7】センサの他の例を示す図である。
【図8】電極表面に対する、複素環式化合物の分子配向の違いを模式的に示す図である。
【図9】電極表面に有機化合物の自己組織化単分子層が形成される様子を模式的に示す図である。
【図10】電極表面に複素環式化合物の自己組織化単分子層が形成される様子を模式的に示す図である。
【図11】本発明の実施例1における、メルカプトベンズイミダゾール(MBI)で化学修飾した修飾電極(A)の電流−電位応答を示す図である。
【図12】本発明の実施例2における、L−アスコルビン酸濃度が一定で、尿酸濃度を変化させた複数の被検試料中での、修飾電極(B)の電流−電位応答を示す図である。
【図13】本発明の実施例3における、L−アスコルビン酸および尿酸濃度を変化させた複数の被検試料中での、修飾電極(A)の電流−電位応答を示す図である。
【図14】本発明の実施例3における、L−アスコルビン酸および尿酸の濃度を変化させた複数の被検試料中での、修飾電極(A)の電流−電位応答曲線(図13)から得られたL−アスコルビン酸および尿酸の酸化ピーク電流と濃度の関係を示す図である。
【図15】本発明の実施例4における、尿酸の濃度を38,76,114,152,190,228,266および304μMと変化させた複数の被検試料中での、修飾電極(A)の電流−電位応答を示す図である。
【図16】本発明の実施例4における、尿酸の濃度を38,76,114,152,190,228,266および304μmと変化させた複数の被検試料中での、修飾電極(A)の電流−電位応答曲線(図15)から得られた尿酸の酸化ピーク電流と濃度の関係を示す図である。
【図17】本発明の実施例5における、修飾電極(A)の電流−電位応答を示す図である。
【図18】本発明の実施例6における、修飾電極(A)の電流−電位応答を示す図である。
【図19】 本発明の比較例1における電極(D)の電流−電位応答を示す図である。
【図20】 本発明の比較例4における電極(D)の電流−電位応答を示す図であり、第1回目から第5回目までの連続測定における電流−電位応答の変化を示している。
【符号の説明】
1‥‥作用電極、2‥‥導電性金属棒、3‥‥導電性ペースト、4‥‥金電極、5‥‥単分子層、6‥‥樹脂棒、7‥‥電極、8‥‥複素環式化合物、11‥‥センサ、12‥‥試料室、13‥‥供給管、14‥‥排出管、15‥‥試料溶液、16‥‥濃度測定用電極、17‥‥対極、18‥‥参照電極、19‥‥一体型電極、20‥‥樹脂

Claims (1)

  1. 作用電極、参照電極、および対極を収納した電解セルを有するセンサにおいて、
    上記作用電極は、メルカプトベンズイミダゾール、メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、2−メルカプトピリミジン、6−メルカプトプリン、1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、または4−メルカプトピリジンのいずれかにより化学修飾され、
    尿酸、アスコルビン酸、ドーパミン、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元体、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸、またはホモバニリン酸を検出する
    ことを特徴とするセンサ。
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