JP3936687B2 - 機械翻訳文の評価方法、および機械翻訳文の評価装置 - Google Patents

機械翻訳文の評価方法、および機械翻訳文の評価装置 Download PDF

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Description

本発明は、機械翻訳文の評価方法、および機械翻訳文の評価装置に関する。
近年、機械翻訳装置が数多く実用化されているが、原文の内容によっては適切に翻訳されない場合がある。そのため、機械翻訳装置の利用時および開発時にその翻訳結果の質を評価することが重要である。
機械翻訳装置による翻訳文を評価するのに、通常行なわれている方法は、評価者が主観で翻訳文の質のランク付けを行なう方法である。この方法を第1の評価方法ということにする。この第1の評価方法では、評価の信頼性が高いが、原文の言語と翻訳文の言語の双方に精通した評価者を必要とする。通常、機械翻訳装置のユーザは、翻訳文の言語に精通していないはずなので、この評価方法は、開発段階などの限られた場面でのみ有効である。そこで、次のような第2および第3の評価方法が提案されている。
第2の評価方法は、例文とそれに対する正解翻訳文を予め用意しておく。例文を機械翻訳装置に入力して、機械翻訳装置が出力した翻訳文と正解翻訳文とが一致するか、または類似するかを自動的に判定する方法である(たとえば、非特許文献1を参照)。
第3の評価方法は、機械翻訳装置によって得られた翻訳文(順方向の翻訳文)を、さらに原文の言語に翻訳して逆方向の翻訳文を作成する。評価者がこの逆方向の翻訳文の質を評価し、これを順方向の翻訳文の評価とする。つまり、この方法は、逆方向の翻訳文の質が良ければ、順方向の翻訳文の質も良いとみなし、逆方向の翻訳文の質が悪ければ、順方向の翻訳文の質も悪いとみなすものである(たとえば、非特許文献2を参照)。
K.Yasuda, F.Sugaya, T.Takezawa, S.Yamamoto and M.Yanagida, 2003. Application of automatic evaluation methods to measuring a capability of speech translation system, In 10th Conference of European Chapter of the Association for Computational Linguistica(EACL), pages 371-378. R.Frederking, A.W.Black, H.D.Brown, J.Moody and E.Steinhrecher, 2002, Field Testing the Tongues Speech-to-Speech Machine Translation System, In Proceedings of International Conference on Language Resources and Evaluation(LREC), pages 160-164.
しかしながら、第2および第3の評価方法も、以下のような問題がある。
第2の評価方法では、正解翻訳文を予め人手で作成しておかなければならず、労力を要するとともに、例文に対する翻訳文の質しか知ることができない。
また、第3の評価方法では、順方向の翻訳文の質が良であるにもかかわらず、逆方向の翻訳文の質が悪い場合や、順方向の翻訳文の質が悪いのにもかかわらず、逆方向の翻訳文の質が良い場合もありうるので、評価の信頼性が低い。
それゆれに、本発明の目的は、例文の翻訳文だけでなくすべての翻訳文に対する評価が可能で、評価の信頼性が高く、かつ労力が少ない機械翻訳文の評価方法、および機械翻訳文の評価装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、第1の言語で表わされた原文を第2の言語に機械翻訳した順方向翻訳文の良否を評価する機械翻訳文の評価装置の評価方法であって、評価装置が、原文を取得する第1のステップと、評価装置が、原文を順方向機械翻訳部によって機械翻訳して第2の言語の順方向翻訳文を取得する第2のステップと、評価装置が、n種類(n≧2)の逆方向機械翻訳部によって順方向翻訳文を第1の言語に機械翻訳してn個の逆方向翻訳文を生成する第3のステップと、評価装置が、順方向機械翻訳部による順方向翻訳文の良否を評価するために、n個の逆方向翻訳文と原文との一致または類似を調べてその結果を提示する第4のステップとを有する。
好ましくは、第4のステップは、評価装置が、各逆方向翻訳文と原文との類似度を表わすスコアを算出し、算出された最大のスコアを提示する。
好ましくは、第4のステップは、評価装置が、各逆方向翻訳文と原文との類似度を表わすスコアを算出し、算出された最大のスコアを有する逆方向翻訳文を原文とともに提示する。
好ましくは、第4のステップは、評価装置が、各逆方向翻訳文について、原文と完全一致するか否かを判定し、n個の逆方向翻訳文のうち完全一致するものがあるか否かを提示する。
好ましくは、 評価方法は、評価装置が、第2のステップで取得した順方向翻訳文のパラフレーズを行なって、m個(m≧2)の順方向翻訳文を得るステップをさらに含み、第3のステップは、評価装置が、各逆方向機械翻訳部によってm個の順方向翻訳文を第1の言語に機械翻訳することによって、(n×m)個の逆方向翻訳文を生成し、第4のステップは、評価装置が、(n×m)個の逆方向翻訳文と原文との一致または類似を調べて、その結果を提示する。
好ましくは、評価方法は、評価装置が、第3のステップで取得したn個の逆方向翻訳文のそれぞれについて、パラフレーズを行なってm個(m≧2)の逆方向翻訳文を得ることによって、(n×m)個の逆方向翻訳文を得るステップをさらに含み、第4のステップは、評価装置が、(n×m)個の逆方向翻訳文と原文との一致または類似を調べて、その結果を提示する
好ましくは、評価方法は、評価装置が、第1のステップで取得した原文のパラフレーズを行なって、m個(m≧2)の原文を得るステップをさらに含み、第4のステップは、評価装置が、n個の逆方向翻訳文とm個の原文との一致または類似を調べて、その結果を提示する
また、本発明は、第1の言語で表わされた原文を第2の言語に機械翻訳した順方向翻訳文の良否を評価する機械翻訳文の評価装置であって、原文を第2の言語の順方向翻訳文に機械翻訳する順方向機械翻訳部と、各々が、順方向翻訳文を第1の言語に機械翻訳して逆方向翻訳文を生成するn個(n≧2)の逆方向機械翻訳部と、順方向翻訳文の良否を評価するために、n個の逆方向翻訳部が生成したn個の逆方向翻訳文と、順方向翻訳文の原文との一致または類似を調べて、その結果を提示する評価部とを備える。
好ましくは、評価部は、各逆方向翻訳文と原文との類似度を表わすスコアを算出し、算出した最大のスコアを出力する。
好ましくは、評価部は、各逆方向翻訳文と原文との類似度を表わすスコアを算出し、算出した最大のスコアを有する逆方向翻訳文を原文とともに出力する。
好ましくは、評価部は、各逆方向翻訳文について、原文と完全一致するか否かを判定し、n個の逆方向翻訳文のうち完全一致するものがあるか否かを出力する。
好ましくは、順方向翻訳文のパラフレーズを行なって、m個(m≧2)の順方向翻訳文を得るパラフレーズ部をさらに備え、n個の逆方向翻訳部の各々は、m個の順方向翻訳文を第1の言語に機械翻訳して、m個の逆方向翻訳文を生成し、評価部は、n個の逆方向翻訳部が生成する(n×m)個の逆方向翻訳文と原文との一致または類似を調べて、その結果を提示する
好ましくは、各々が、各逆方向翻訳文のパラフレーズを行なってm個の逆方向翻訳文を得るn個のパラフレーズ部をさらに備え、評価部は、n個のパラフレーズ部による(n×m)個の逆方向翻訳文と、原文との一致または類似を調べて、その結果を提示する
好ましくは、原文のパラフレーズを行なって、m個(m≧2)の原文を得るパラフレーズ部をさらに備え、評価部は、n個の逆方向翻訳文とm個の原文との一致または類似を調べて、その結果を提示する
本発明に係る機械翻訳文の評価方法および機械翻訳文の評価装置によれば、例文の翻訳文だけでなくすべての翻訳文に対する評価が可能で、評価の信頼性を高く、かつ労力を少なくすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る機械翻訳文評価装置の構成を示す。同図を参照して、この機械翻訳文評価装置19は、順方向機械翻訳部11と、順方向翻訳文評価部10と、この順方向翻訳文評価部10による評価結果を表示する表示装置14とから構成される。
順方向機械翻訳部11は、日本語で表された原文を英語に翻訳して、順方向翻訳文を出力する。この順方向翻訳文が順方向翻訳文評価部10に送られて、評価される。順方向翻訳文評価部10は、逆方向機械翻訳部12a,12b,12cと、評価部13とを備える。
逆方向機械翻訳部12a〜12cは、それぞれ異なる種類の翻訳エンジンである。逆方向機械翻訳部12a〜12cは、それぞれ、英語で表された順方向翻訳文を日本語に翻訳して、日本語の逆方向翻訳文を出力する。
図2は、評価部13の具体的な構成を示す。評価部13は、DP(Dynamic Programming)マッチング部15と、最大スコア特定部16とを備える。
DPマッチング部15は、順方向機械翻訳部11に入力された原文と、逆方向機械翻訳部12aから出力された逆方向翻訳文Aとの類似度を求めるため、DPマッチングを行ない、次の式にしたがってマッチングスコアSAを出力する。
SA=(T−Sa−Ia−Da)/T
ここで、Tは、原文の語数、Saは、逆方向翻訳文Aで置換された語(原文の語と異なる逆方向翻訳文Aの語)の数、Iaは、逆方向翻訳文Aで挿入された語(つまり、逆方向翻訳文Aにあって、原文にない語)の数、Daは、逆方向翻訳文Aで削除された語(つまり、原文にあって、逆方向翻訳文Aにない語)の数を示す。
また、DPマッチング部15は、順方向機械翻訳部11に入力された原文と、逆方向機械翻訳部12bから出力された逆方向翻訳文Bとの類似度を求めるため、DPマッチングを行ない、次の式にしたがってマッチングスコアSBを出力する。
SB=(T−Sb−Ib−Db)/T
ここで、Tは、原文の語数、Sbは、逆方向翻訳文Bで置換された語(原文の語と異なる逆方向翻訳文Bの語)の数、Ibは、逆方向翻訳文Bで挿入された語(つまり、逆方向翻訳文Bにあって、原文にない語)の数、Dbは、逆方向翻訳文Bで削除された語(つまり、原文にあって、逆方向翻訳文Bにない語)の数を示す。
さらに、DPマッチング部15は、順方向機械翻訳部11に入力された原文と、逆方向機械翻訳部12cから出力された逆方向翻訳文Cとの類似度を求めるため、DPマッチングを行ない、次の式にしたがってマッチングスコアSCを出力する。
SC=(T−Sc−Ic−Dc)/T
ここで、Tは、原文の語数、Scは、逆方向翻訳文Cで置換された語(原文の語と異なる逆方向翻訳文Cの語)の数、Icは、逆方向翻訳文Cで挿入された語(つまり、逆方向翻訳文Cにあって、原文にない語)の数、Dcは、逆方向翻訳文Cで削除された語(つまり、原文にあって、逆方向翻訳文Cにない語)の数を示す。
最大スコア特定部16は、マッチングスコアSA、SB、およびSCを受けて、それらの最大スコアを特定して、表示装置14に出力する。
表示された最大スコアが高いときには順方向翻訳文の質が良いと自動評価でき、最大スコアが低いときには順方向翻訳文の質が悪いと自動評価することができる。本実施の形態により3つの逆方向翻訳文を用いたことによって、この自動評価の信頼性が増加したことが後述する実験(1)および(2)によって証明された。
図3は、第1の実施形態に係る機械翻訳文評価装置による機械翻訳文の評価処理の動作手順を示すフローチャートである。同図を参照して、機械翻訳文の評価処理の手順を説明する。
順方向機械翻訳部11は、たとえば、図4に示す日本語の原文α「ホテルの予約をお願いします。」を取得して、原文αを英語に翻訳して順方向翻訳文β「I’d like to reserve a room.」を生成する(S101)。
逆方向機械翻訳部12a,12b,12cは、順方向機械翻訳部11から順方向翻訳文β「I’d like to reserve a room.」を取得する。
逆方向機械翻訳部12aは、順方向翻訳文βを日本語に翻訳して、図4に示す逆方向翻訳文A「部屋の予約をしたいんです。」を生成する(S102)。
逆方向機械翻訳部12bは、順方向翻訳文βを日本語に翻訳して、図4に示す逆方向翻訳文B「部屋を差し控えたい。」を生成する(S103)。
逆方向機械翻訳部12cは、順方向翻訳文βを日本語に翻訳して、図4に示す逆方向翻訳文C「余裕を確保したい。」を生成する(S104)。
評価部13のDPマッチング部15は、原文αと逆方向翻訳文AとのDPマッチングを行ない、マッチングスコアSAを算出する。図5に示すように、Tは6、Saは3、Iaは1、Daは0なので、マッチングスコアSAは1/3となる(S105)。
評価部13のDPマッチング部15は、原文αと逆方向翻訳文BとのDPマッチングを行ない、マッチングスコアSBを算出する。図5に示すように、Tは6、Sbは3、Ibは0、Dbは2なのでマッチングスコアSBは1/6となる(S106)。
評価部13のDPマッチング部15は、原文αと逆方向翻訳文CとのDPマッチングを行ない、マッチングスコアSCを算出する。図5に示すように、Tは6、Scは4、Icは0、Dcは2なのでマッチングスコアSCは0となる(S107)。
最大スコア特定部16は、最大スコアである1/3を表示装置14に出力する(S108)。
以上のように、本実施の形態に係る機械翻訳文の評価方法および機械翻訳文の評価装置によれば、3つの逆方向翻訳文と原文とのDPマッチングを行ない、最大スコアを順方向翻訳文の自動評価の結果とすることができるので、例文の翻訳文だけでなくすべての翻訳文に対する評価を可能とし、評価の労力を少なくし、かつ評価の信頼性を高くすることできる。
[第2の実施形態]
本実施の形態に係る機械翻訳文評価装置と、図1に示す第1の実施形態に係る機械翻訳文評価装置とは、評価部のみが相違する。
図6は、第2の実施形態に係る評価部23の具体的な構成を示す。評価部23は、第1の実施の形態と同一のDPマッチング部15と、最大スコア逆方向翻訳文特定部26とを備える。
最大スコア逆方向翻訳文特定部26は、マッチングスコアSA、SB、およびSCを受けて、それらの最大スコアを特定して、最大スコアを有する逆方向翻訳文と、原文とを表示装置14に出力する。
最大スコアを有する逆方向翻訳文と、原文とが表示されるので、評価者がこれらが類似していると主観的に判断すると、順方向翻訳文の質が良いと主観評価でき、これらが類似していないと主観的に判断すると、順方向翻訳文の質が悪いと主観評価できる。本実施の形態により3つの逆方向翻訳文を用いたことによって、この主観評価の信頼性が増加したことが後述する実験(1)および(3)によって証明された。
図7は、第2の実施形態に係る機械翻訳文評価装置による機械翻訳文の評価処理の動作手順を示すフローチャートである。同図を参照して、機械翻訳文の評価処理の手順を説明する。
順方向機械翻訳部11は、第1の実施形態と同様のたとえば、図4に示す日本語の原文α「ホテルの予約をお願いします。」を取得して、原文αを英語に翻訳して順方向翻訳文β「I’d like to reserve a room.」を生成する(S201)。
逆方向機械翻訳部12a,12b,12cは、順方向機械翻訳部11から順方向翻訳文β「I’d like to reserve a room.」を取得する。
逆方向機械翻訳部12aは、順方向翻訳文βを日本語に翻訳して、図4に示す逆方向翻訳文A「部屋の予約をしたいんです。」を生成する(S202)。
逆方向機械翻訳部12bは、順方向翻訳文βを日本語に翻訳して、図4に示す逆方向翻訳文B「部屋を差し控えたい。」を生成する(S203)。
逆方向機械翻訳部12cは、順方向翻訳文βを日本語に翻訳して、図4に示す逆方向翻訳文C「余裕を確保したい。」を生成する(S204)。
評価部13のDPマッチング部15は、原文αと逆方向翻訳文AとのDPマッチングを行ない、マッチングスコアSAを算出する。図5に示すように、Tは6、Saは3、Iaは1、Daは0なので、マッチングスコアSAは1/3となる(S205)。
評価部13のDPマッチング部15は、原文αと逆方向翻訳文BとのDPマッチングを行ない、マッチングスコアSBを算出する。図5に示すように、Tは6、Sbは3、Ibは0、Dbは2なのでマッチングスコアSBは1/6となる(S206)。
評価部13のDPマッチング部15は、原文αと逆方向翻訳文CとのDPマッチングを行ない、マッチングスコアSCを算出する。図5に示すように、Tは6、Scは4、Icは0、Dcは2なのでマッチングスコアSCは0となる(S207)。
最大スコア逆方向翻訳文特定部26は、最大スコアである1/3を有する逆方向翻訳文A「I’d like to reserve a room.」と、原文「ホテルの予約をお願いします。」とを表示装置14に出力する(S208)。
以上のように、本実施の形態に係る機械翻訳文の評価方法および機械翻訳文の評価装置によれば、最大スコアを有する逆方向翻訳文と、原文とが表示されるので、評価者がこれらを比較することによって順方向翻訳文の主観評価を行なうことができるので、例文の翻訳文だけでなくすべての翻訳文に対する評価を可能とし、評価の労力を少なくし、かつ評価の信頼性を高くすることできる。
[第3の実施形態]
本実施の形態に係る機械翻訳文評価装置と、図1に示す第1の実施形態に係る機械翻訳文評価装置とは、評価部のみが相違する。
図8は、第3の実施形態に係る評価部33の具体的な構成を示す。評価部33は、完全一致判定部31からなる。
完全一致判定部31は、原文と逆方向翻訳文Aとが完全一致するとき、原文と逆方向翻訳文Bとが完全一致するとき、または原文と逆方向翻訳文Cとが完全一致するときには、完全一致した旨を表示装置14に出力する。ここで、完全一致とは、2つの文の語がすべて一致すること、つまり、2つの文がまったく同一であることをいう。
完全一致判定部31は、原文と逆方向翻訳文Aとが完全一致しないとき、原文と逆方向翻訳文Bとが完全一致しないとき、かつ原文と逆方向翻訳文Cとが完全一致しないときには、完全一致しない旨を表示装置14に出力する。
完全一致した旨が表示されたときには順方向翻訳文の質が良いと自動評価でき、完全一致しない旨が表示されたときには順方向翻訳文の質が悪いと自動評価することができる。本実施の形態により3つの逆方向翻訳文を用いたことによって、この自動評価の信頼性が増加したことが後述する実験(1)によって証明された。
図9は、第3の実施形態に係る機械翻訳文評価装置による機械翻訳文の評価処理の動作手順を示すフローチャートである。同図を参照して、機械翻訳文の評価処理の手順を説明する。
順方向機械翻訳部11は、第1の実施形態と同様のたとえば、図4に示す日本語の原文α「ホテルの予約をお願いします。」を取得して、原文αを英語に翻訳して順方向翻訳文β「I’d like to reserve a room.」を生成する(S301)。
逆方向機械翻訳部12a,12b,12cは、順方向機械翻訳部11から順方向翻訳文β「I’d like to reserve a room.」を取得する。
逆方向機械翻訳部12aは、順方向翻訳文βを日本語に翻訳して、図4に示す逆方向翻訳文A「部屋の予約をしたいんです。」を生成する(S302)。
逆方向機械翻訳部12bは、順方向翻訳文βを日本語に翻訳して、図4に示す逆方向翻訳文B「部屋を差し控えたい。」を生成する(S303)。
逆方向機械翻訳部12cは、順方向翻訳文βを日本語に翻訳して、図4に示す逆方向翻訳文C「余裕を確保したい。」を生成する(S304)。
評価部13の完全一致判定部31は、原文αと逆方向翻訳文Aとが完全一致するときには、完全一致した旨を表示装置14に出力する(S305,S306)。
評価部13の完全一致判定部31は、S305で完全一致しないと判定されたが、原文αと逆方向翻訳文Bとが完全一致するときには、完全一致した旨を表示装置14に出力する(S307,S306)。
評価部13の完全一致判定部31は、S305,S307で完全一致しないと判定されたが、原文αと逆方向翻訳文Cとが完全一致するときには、完全一致した旨を表示装置14に出力する(S308,S306)。
評価部13の完全一致判定部31は、S305,S307,S308で完全一致しないと判定されたときに、完全一致しない旨を表示装置14に出力する(S309)。
以上のように、本実施の形態に係る機械翻訳文の評価方法および機械翻訳文の評価装置によれば、3つの逆方向翻訳文と原文とが完全一致するか否かを判定し、完全一致するか否かを順方向翻訳文の自動評価の結果とすることができるので、例文の翻訳文だけでなくすべての翻訳文に対する評価を可能とし、評価の労力を少なくし、かつ評価の信頼性を高くすることできる。
[第4の実施形態]
図10は、第4の実施形態に係る機械翻訳文評価装置の構成を示す。同図を参照して、この機械翻訳文評価装置49の順方向翻訳文評価部40は、第1パラフレーズ部41と、逆方向機械翻訳部12a,12b,12cと、第2パラフレーズ部42a,42b,42cと、第3パラフレーズ部44と、評価部43とからなる。
第1パラフレーズ部41は、順方向機械翻訳部11が出力した順方向翻訳文を順方向翻訳文0として、順方向翻訳文0をパラフレーズ(言い換え)して、順方向翻訳文1〜9を作成する。図11(a)は、順方向翻訳文0「I’d like to reserve a room.」をパラフレーズした例を示す。同図に示すように、順方向翻訳文0をパラフレーズして、順方向翻訳文1「I want to reserve a room.」が作成される。
逆方向機械翻訳部12a,12b,12cは、それぞれ異なる種類の翻訳エンジンである。逆方向機械翻訳部12a,12b,12cは、それぞれ、英語で表された順方向翻訳文0〜9を翻訳して日本語の逆方向翻訳文A0〜A9,B0〜B9,C0〜C9を出力する。
第2パラフレーズ部42aは、逆方向翻訳文A0〜A9のうちの1個の逆方向翻訳文ごとに、パラフレーズした9個の逆方向翻訳文を作成することにより、100個の逆方向翻訳文A0〜A99を得る。図11(b)は、逆方向翻訳文A0「部屋の予約をしたいんです。」をパラフレーズした例を示す。同図に示すように、逆方向翻訳文A0をパラフレーズした逆方向翻訳文A1「部屋の予約を御願いします。」が作成される。
第2パラフレーズ部42bは、逆方向翻訳文B0〜B9のうちの1個の逆方向翻訳文ごとに、パラフレーズした9個の逆方向翻訳文を作成することにより、100個の逆方向翻訳文B0〜B99を得る。
第2パラフレーズ部42cは、逆方向翻訳文C0〜C9のうちの1個の逆方向翻訳文ごとに、パラフレーズした9個の逆方向翻訳文を作成することにより、100個の逆方向翻訳文C0〜C99を得る。
第3パラフレーズ部44は、順方向機械翻訳部11に入力された原文を原文0として、原文0をパラフレーズして、原文1〜9を作成する。図11(c)は、原文0「ホテルの予約を御願いします。」をパラフレーズした例を示す。同図に示すように、原文0をパラフレーズした原文1「部屋の予約を御願いします。」が作成される。
評価部43は、原文0〜9のいずれかと、逆方向翻訳文A0〜A99,B0〜B99,C0〜C99のいずれかとが完全一致するときには、完全一致した旨を表示装置14に出力する。評価部43は、原文0〜9のどれも、逆方向翻訳文A0〜A99,B0〜B99,C0〜C99のどれとも完全一致しないときには、完全一致しない旨を表示装置14に出力する。
図12は、第4の実施形態に係る機械翻訳文評価装置による機械翻訳文の評価処理の動作手順を示すフローチャートである。同図を参照して、機械翻訳文の評価処理の手順を説明する。
順方向機械翻訳部11は、日本語の原文を取得して、原文を英語に翻訳して順方向翻訳文を生成する(S401)。
第1パラフレーズ部41は、順方向機械翻訳部11が出力した順方向翻訳文をパラフレーズすることにより、順方向翻訳文0〜9を得る(S402)。
逆方向機械翻訳部12aは、順方向翻訳文0〜9を日本語に翻訳して、逆方向翻訳文A0〜A9を生成する(S403)。
逆方向機械翻訳部12bは、順方向翻訳文0〜9を日本語に翻訳して、逆方向翻訳文B0〜B9を生成する(S404)。
逆方向機械翻訳部12cは、順方向翻訳文0〜9を日本語に翻訳して、逆方向翻訳文C0〜C9を生成する(S405)。
第2パラフレーズ部42aは、逆方向翻訳文A0〜A9をパラフレーズすることにより、逆方向翻訳文A0〜A99を得る(S406)。
第2パラフレーズ部42bは、逆方向翻訳文B0〜B9をパラフレーズすることにより、逆方向翻訳文B0〜B99を得る(S407)。
第2パラフレーズ部42cは、逆方向翻訳文C0〜C9をパラフレーズすることにより、逆方向翻訳文C0〜C99を得る(S408)。
第3パラフレーズ部44は、順方向機械翻訳部11に入力された原文をパラフレーズして、原文0〜9を得る(S409)。
評価部43は、原文0〜9のいずれかと、逆方向翻訳文A0〜A99,B0〜B99,C0〜C99のいずれかとが完全一致するときには、完全一致した旨を表示装置14に出力する(S410,S411)。
評価部43は、S401で完全一致しないと判定されたときには、完全一致しない旨を表示装置14に出力する(S410,S412)。
以上のように、本実施の形態に係る機械翻訳文の評価方法および機械翻訳文の評価装置によれば、3種類の逆方向翻訳およびパラフレーズを組合せることによって生成された多量の文を用いて、原文と逆方向翻訳文とが完全一致するか否かの自動評価を行なうので、例文の翻訳文だけでなくすべての翻訳文に対する評価を可能とし、評価の労力を少なくし、かつ評価の信頼性を高くすることできる。
(変形例)
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、たとえば、以下の変形例も包含する。
(1) 文間の類似度計算
本発明の実施形態では、DPマッチングを行なうことによって文間の類似度を算出したが、これに限定するものではなく、その他の文間の類似度を計算する手法を用いてもよい。
(2) 主観評価時の逆方向翻訳文の表示
本発明の第2の実施形態では、マッチングスコアが最大の逆方向翻訳文を表示装置に出力するものとしたが、これに限定するものではない。たとえば、逆方向翻訳部が10個あるような場合には、マッチングスコアが1位〜5位の逆方向翻訳文を表示装置に出力するものとしてもよい。
(3) パラフレーズ部
本発明の第4の実施形態では、順方向翻訳文評価部は、第1パラフレーズ部、第2パラフレーズ部、および第3パラフレーズ部を備えるものとしたが、これらのうち、1つのパレフレーズ部のみを備えるものとしてもよく、あるいは、任意の2つのパラフレーズ部を備えるものとしてもよい。
(4) 評価部
本発明の実施の形態では、評価部によって評価が行なわれるものとしたが、評価部による評価を行なうことなく、逆方向翻訳文A,B,Cをそのまま表示装置に送って表示するものとしてもよい。
(5) 評価の提示
本発明の実施の形態では、評価部による評価結果は表示装置に送られて表示されたが、これに限定するものではなく、音声などによって評価結果を通知するものとしてもよい。
(6) 第4の実施形態における評価部
本発明の第4の実施形態では、評価部として、第3の実施形態と同様の評価部(完全一致判定部)を用いたが、第1または第2の実施形態における評価部を用いてもよい。
(7) 逆方向機械翻訳部
本発明の実施形態では、3個の逆方向機械翻訳部を備えるものとしたが、これに限定するものではなく、n個(n≧2)の逆方向機械翻訳部を備えるものであればよい。
(8) パラフレーズ部
本発明の実施形態では、各パラフレーズ部は、元の文から9個の文を生成することによって10個の文を出力したが、これに限定するものではなく、m個(m≧2)の文を出力するものであればよい。
(実験結果)
(1) 実験1(複数の逆方向翻訳文を用いた評価方法の有効性について)
実験1では、順方向機械翻訳部が出力した順方向翻訳文を、評価者がA〜Dの4段階にランク付けを行なった。これは、従来の第1の評価方法に相当する。ここで、Aランクは、「情報および文法において問題なし」を表わし、Bランクは、「重要でない情報が抜けていたり、文法に欠陥があるが、簡単に理解できる」を表わし、Cランクは、「不完全だが、努力すれば理解でき、容認可能」を表わし、Dランクは、「重要な情報が誤訳されているため、意味不明」を表わす。
そして、主観評価した順方向翻訳文を逆方向翻訳装置で翻訳して、逆方向翻訳文を生成し、逆方向翻訳文と原文とが完全一致しているか否かを調べた。この方法は、本発明の第3の実施形態の評価方法に相当する。そして、次の2つの確率を算出した。
(a) 主観評価がAランクのうち、逆方向翻訳文が原文と完全一致している確率P(Smatch|RA)を算出した。
図13(a)は、D3、SAT、およびTDMTの3種類の翻訳エンジンのいずれかを順方向機械翻訳部として用い、HPAT、SAT、TDMT、およびマルチMTの4種類の翻訳エンジンのいずれかを逆方向機械翻訳装置として用いた場合の、各組合せごとの確率P(Smatch|RA)を示す。
ここで、翻訳エンジンD3は、文献A「E.Sumita, Y.Akiba, T.Doi, A.Finch, K.Imamura, M.Paul, M.Shimohata and T.Watanabe, 2003, A corpus-centered approach to spoken language translation, In 10th Conference of the Europe Chapter of the Association for Computational Linguistics(EACL), pages 171-174」に記載されている。
また、翻訳エンジンSATも、文献Aに記載されている。
また、翻訳エンジンTDMTは、文献B「E.Sumita, S.Yamada, K.Yamamoto, M.Paul, H.Kashioka, K.Ishikawa and S.Shirai, 1999, Solutions to problems inherent in spoken language translation, The atr-matrix approach, In Proceeding of Machine Translation Summit(MT Summit), pages 229-235」に記載されている。
また、翻訳エンジンHPATは、文献C「K.Imamura, 2002, Application of translation knowledge acquired by hierarchical phrase alignment for pattern-based mt, In Proceedings of the 9th International Conference on Theoretical and Methodological Issues in Machine Translation(TMI), pages 74-85」に記載されている。
また、マルチMTは、HPAT、SAT、およびTDMTの3種類を用いて逆方向翻訳することを意味する。この場合には、3つの逆方向翻訳文のうち、1つでも原文と完全一致したときには、マルチMTで完全一致したと評価し、3つの逆方向翻訳文のいずれもが原文と完全一致しないときに、マルチMTで完全一致しないと評価する。
図13(a)に示すように、単一の逆方向機械翻訳装置(HPAT、SAT、TDMT)の場合には、確率P(Smatch|RA)は0.1〜0.25である。これに対して、逆方向機械翻訳装置をマルチMTにすると、確率P(Smatch|RA)は、平均して約0.35である
つまり、順方向機械翻訳部としていずれの翻訳エンジンを用いても、逆方向機械翻訳装置をマルチMTにすると、単一の逆方向機械翻訳装置(HPAT、SAT、TDMT)にするよりも、確率P(Smatch|RA)が少なくとも0.1ほど高くなる。
したがって、本実施の形態のように、複数種類の逆方向機械翻訳装置による複数個の逆方向翻訳文を用いた場合に、1個の逆方向機械翻訳装置による1個の逆方向翻訳文を用いた場合に比べて、逆方向翻訳文で良と評価されたときに、順方向翻訳文が良である可能性が高いということができる。
(b) 主観評価がB、C、またはDランクのうち、逆方向翻訳文が原文と完全一致している確率P(Smatch|Rbcd)を算出した。
図13(b)は、D3、SAT、およびTDMTの3種類の翻訳エンジンのいずれかを順方向機械翻訳部として用い、HPAT、SAT、TDMT、およびマルチMTの4種類の翻訳エンジンのいずれかを逆方向機械翻訳装置として用いた場合の、各組合せごとの確率P(Smatch|Rbcd)を示す。
図13(b)に示すように、順方向機械翻訳部としていずれの翻訳エンジンを用いても、逆方向機械翻訳をマルチMTにすると、単一の逆方向機械翻訳装置(HPAT、SAT、TDMT)にするよりも、確率P(Smatch|Rbcd)が増加しているが、その増加量は、多くても0.042であり微小である。
したがって、本実施の形態のように、複数種類の逆方向機械翻訳装置による複数個の逆方向翻訳文を用いた場合には、1個の逆方向機械翻訳装置による1個の逆方向翻訳文を用いた場合に比べて、逆方向翻訳文で良と評価されたときに、順方向翻訳文が不良である可能性が少し高くなるが、その差は、無視できるということができる。
以上より、複数種類の逆方向機械翻訳装置による逆方向翻訳文を用いた場合には、1個の逆方向機械翻訳装置による逆方向翻訳文を用いた場合よりも、逆方向翻訳文で良と評価されたことをもって順方向翻訳文が良であると評価し、逆方向翻訳文で不良と評価されたことをもって順方向翻訳文が不良でありと評価しても、評価が誤る可能性が少ないといえる。
(2) 実験2(第1の実施形態の自動評価の有効性)
実験2では、順方向機械翻訳部が出力した順方向翻訳文を、評価者がA〜Dの4ランクで主観評価を行なった。この方法は、従来の第1の評価方法に相当する。ここで、Aランクに対してランクFR=3を割当て、Bランクに対してランクFR=2を割当て、Cランクに対してランクFR=1を割当て、Dランクに対してランクFR=0を割当てた。そして、次の(a)〜(c)を行なった。
(a)主観評価された順方向翻訳文と正解順方向翻訳文とのDPマッチングを行ない、マッチングスコアESaを算出した。この方法は、従来の第2の評価方法に相当する。ランクFRとマッチングスコアESaとの相関値Caを計算した。
(b)主観評価された順方向翻訳文を1つの逆方向機械翻訳装置で翻訳して、得られた逆方向翻訳文と原文とのDPマッチングを行ない、マッチングスコアEsbを算出した。ランクFRとマッチングスコアESbとの相関値Cbを計算した。
(c)主観評価された順方向翻訳文を3つの逆方向機械翻訳装置で翻訳して、得られた3つの逆方向翻訳文と原文とのDPマッチングを行ない、マッチングスコアの最大値EScを算出した。この方法は、本発明の第1の実施形態の評価方法に相当する。ランクFRとマッチングスコアEScとの相関値Ccを計算した。
図14は、順方向機械翻訳部として、D3、SAT、またはTDMTを用いたそれぞれの場合について、実験(2)の結果である相関値Ca、Cb、およびCcを示す。
同図に示すように、従来の第1の評価方法と従来の第2の評価方法との相関値(Ca)が高いが、従来の第1の評価方法と本発明の第1の実施形態の評価方法との相関値(Cc)とそれほど差がないといえる。
したがって、本発明の第1の実施形態による評価方法による評価結果は、労力のかかる従来の第2の評価方法と同様に、信頼性の高い従来の第1の評価方法による評価結果と、類似するといえる。
(3) 実験3(第2の実施形態の主観評価の有効性)
実験3では、順方向機械翻訳部が出力した順方向翻訳文を、A〜Dの4段階で主観評価し、(2)と同様にしてランクFRを割当てた。この方法は、従来の第1の評価方法に相当する。そして、次の(a)〜(c)を行なった。
(a)主観評価された順方向翻訳文を1つの逆方向機械翻訳装置で翻訳して、得られた逆方向翻訳文をA〜Dの4段階で主観評価し、(2)と同様にしてランクBRaを割当てた。この方法は、従来の第3の評価方法に相当する。ランクFRとランクBRaとの相関値Caを計算した。
(b)主観評価された順方向翻訳文を3つの逆方向機械翻訳装置で翻訳して、得られた3つの逆方向翻訳文と原文とのDPマッチングを行ない、マッチングスコアが最大の逆方向翻訳文をA〜Dの4段階で主観評価し、(2)と同様にしてランクBRbを割当てた。この方法は、本発明の第2の実施形態の評価方法に相当する。ランクFRとランクBRbとの相関値Cbを計算した。
(c)主観評価された順方向翻訳文を3つの逆方向機械翻訳装置で翻訳して、得られた3つの逆方向翻訳文をA〜Dの4段階で主観評価し、評価が最良のものを選択して、(2)と同様にしてランクBRcを割当てた。この方法は、変形例(4)の評価方法に相当する。ランクFRとランクBRcとの相関値Ccを計算した。
図15は、順方向機械翻訳部として、D3、SAT、またはTDMTを用いたそれぞれの場合について、実験(3)の結果である相関値Ca、Cb、およびCcを示す。
同図に示すように、従来の第1の評価方法と従来の第3の評価方法との相関値(Ca)よりも、従来の第1の評価方法と本発明の第2の実施形態の評価方法との相関値(Cb)が高く、従来の第1の評価方法と本発明の変形例(4)の評価方法との相関値(Cc)が高い。
したがって、本発明の第2の実施形態による評価方法および本発明の変形例(4)による評価結果は、従来の第3の評価方法による評価結果よりも、信頼性の高い従来の第1の評価方法による評価結果と類似するといえる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
第1の実施形態に係る機械翻訳文評価装置の構成を示す図である。 第1の実施形態に係る評価部13の具体的な構成を示す図である。 第1の実施形態に係る機械翻訳文評価装置による機械翻訳文の評価処理の動作手順を示すフローチャートである。 原文α、順方向翻訳文β、および逆方向翻訳文A,B,Cを示す図である。 マッチングスコアSA,SB,SCの算出の例を示す図である。 第2の実施形態に係る評価部23の具体的な構成を示す図である。 第2の実施形態に係る機械翻訳文評価装置による機械翻訳文の評価処理の動作手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る評価部33の具体的な構成を示す図である。 第3の実施形態に係る機械翻訳文評価装置による機械翻訳文の評価処理の動作手順を示すフローチャートである。 第4の実施形態に係る機械翻訳文評価装置の構成を示す図である。 (a)は、順方向翻訳文0のパラフレーズの例を示す図であり、(b)は、逆方向翻訳文A0のパラフレーズの例を示す図であり、(c)は、原文0のパラフレーズの例を示す図である。 第4の実施形態に係る機械翻訳文評価装置による機械翻訳文の評価処理の動作手順を示すフローチャートである。 (a)は、3種類の翻訳エンジンのいずれかを順方向機械翻訳部として用い、4種類の翻訳エンジンのいずれかを逆方向機械翻訳装置として用いた場合の、各組合せごとの確率P(Smatch|RA)を示す図であり、(b)は、3種類の翻訳エンジンのいずれかを順方向機械翻訳部として用い、4種類の翻訳エンジンのいずれかを逆方向機械翻訳装置として用いた場合の、各組合せごとの確率P(Smatch|Rbcd)を示す図である。 順方向機械翻訳部として、D3、SAT、またはTDMTを用いたそれぞれの場合について、実験(2)の結果である相関値Ca、Cb、およびCcを示す図である。 順方向機械翻訳部として、D3、SAT、またはTDMTを用いたそれぞれの場合について、実験(3)の結果である相関値Ca、Cb、およびCcを示す図である。
符号の説明
10,40 順方向翻訳文評価部、11 順方向機械翻訳部、12a,12b,12c 逆方向機械翻訳部、13,23,33,43 評価部、14 表示装置、15 DPマッチング部、16 最大スコア特定部、19,49 機械翻訳文評価装置、26 最大スコア逆方向翻訳文特定部、31 完全一致判定部、41 第1パラフレーズ部、42a,42b,42c 第2パラフレーズ部、44 第3パラフレーズ部。

Claims (7)

  1. 第1の言語で表わされた原文を第2の言語に機械翻訳した順方向翻訳文の良否を評価する機械翻訳文の評価装置であって、
    原文を取得して第2の言語の順方向翻訳文に機械翻訳する順方向機械翻訳部と、
    各々が、前記順方向翻訳文を第1の言語に機械翻訳して逆方向翻訳文を生成するn個(n≧2)の逆方向機械翻訳部と、
    前記n個の逆方向翻訳部が生成したn個の逆方向翻訳文と、前記原文との一致または類似度を表わすスコアに基づいて、前記順方向翻訳文の良否を評価する評価部とを備えた機械翻訳文の評価装置。
  2. 前記評価部は、前記各逆方向翻訳文と前記原文との類似度を表わすスコアを算出し、算出した最大のスコアを出力する、請求項記載の機械翻訳文の評価装置。
  3. 前記評価部は、前記各逆方向翻訳文と前記原文との類似度を表わすスコアを算出し、算出した最大のスコアを有する逆方向翻訳文を前記原文とともに出力する、請求項記載の機械翻訳文の評価装置。
  4. 前記評価部は、前記各逆方向翻訳文について、前記原文と完全一致するか否かを判定し、前記n個の逆方向翻訳文のうち完全一致するものがあるか否かを出力する、請求項記載の機械翻訳文の評価装置。
  5. 前記順方向翻訳文のパラフレーズを行なって、m個(m≧2)の順方向翻訳文を得るパラフレーズ部をさらに備え、
    前記n個の逆方向翻訳部の各々は、前記m個の順方向翻訳文を第1の言語に機械翻訳して、m個の逆方向翻訳文を生成し、
    前記評価部は、前記n個の逆方向翻訳部が生成する(n×m)個の逆方向翻訳文と前記原文との一致または類似度を表わすスコアに基づいて、前記順方向翻訳文の良否を評価する、請求項記載の機械翻訳文の評価装置。
  6. 各々が、前記逆方向翻訳文のパラフレーズを行なってm個(m≧2)の逆方向翻訳文を得るn個のパラフレーズ部をさらに備え、
    前記評価部は、前記n個のパラフレーズ部による(n×m)個の逆方向翻訳文と、前記原文との一致または類似度を表わすスコアに基づいて、前記順方向翻訳文の良否を評価する、請求項記載の機械翻訳文の評価装置。
  7. 原文のパラフレーズを行なって、m個(m≧2)の原文を得るパラフレーズ部をさらに備え、
    前記評価部は、前記n個の逆方向翻訳文と前記m個の原文との一致または類似度を表わすスコアに基づいて、前記順方向翻訳文の良否を評価する、請求項記載の機械翻訳文の評価装置。
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