JP3934994B2 - Scraper for printing - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、雑誌や食品袋、建材・床材の絵柄などの印刷を行う際に版面から印刷インキを掻き取ったり、ガムテープやアルミ箔等へコーティングする際の余分なコート材を掻き取る際に使用するスクレーパに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、グラビア印刷やパッド印刷等と通称される曲面印刷等においては、鋼、銅、亜鉛、合成樹脂等からなる版材の表面に凹状の絵柄を加工してなる凹版印刷版を用い、その版に印刷インキを流し込んだ後、掻き取りスクレーパブレードを用いて版面の余分なインキを掻き取り、絵柄となる凹部のインキを直接又は間接的に被印刷物に転写するようにしている。
【0003】
図4の概略側面図に示すように、スクレーパブレード11を凹版印刷版の版胴18に接触させつつ矢印で示す掻き取り方向に移動させ、版胴18の余分な印刷インキ17を掻き取るものである。ここで保持機構20は工具鋼又は炭素鋼等の金属で作られている。又版胴18は、金属製のスクレーパブレード11に掻き取られ摩耗しないようにクロムメッキを施している。
【0004】
ここで、インキ供給槽16は版胴18にインキ17を供給する為の受け皿で、インキ17が不足しないように一定の液量を蓄えられるように工夫してある。
【0005】
圧胴15は、被印刷体19を一定圧力で版胴18に押し付け、版胴18からインキ17を被印刷体19へ転写させる役割を果たしている。
【0006】
このとき使用するスクレーパブレード11としては、図3の側面図に示すようなものが知られている。従来の金属製スクレーパブレード11の形状では、先端部に刃が付いたものと付いていないもの、或いはこの表面にセラミックコーティングや硬質クロムメッキ処理を施したもの等も使用されている。
【0007】
即ち、図3(A)に示す、刃の無いスクレーパブレード11の材質は、薄肉の鋼板もしくはステンレススチールより形成されている。又、図3(B)に示す刃の付いたスクレーパブレード11は同様の材質からなり、先端を薄肉のナイフエッジ状とするとともに非常に鋭く加工された刃先11aを備えており、この薄肉の刃先11aが大きくたわむことで版面へのなじみの早さ及び良好な掻き取りを実現している。
【0008】
この刃先11aの材質は薄肉の鋼板、この鋼板にセラミック複合材をコーティングしたもの、硬質クロムメッキ仕上げを施したもの、更にはその表面層にダイヤモンド等のコーティングをしたもの、或いは樹脂等を用いる。
【0009】
一方、スクレーパブレード刃先の初期摩耗を防止する目的で上記金属製スクレーパブレード11に厚み1〜20μmの薄いセラミック被膜を形成したものも作られている。又、近年、ジルコニア焼結体からなるスクレーパブレード11も検討されている(特公平3−21348号公報参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来より用いられている金属製のスクレーパブレード11やこれに硬質クロムメッキ処理したスクレーパブレード11は、印刷の高速化や全面に彫刻を施した版胴18に使用する際などにおいて、寿命が極端に短くなっている。1日に1回スクレーパブレード11を交換することも珍しいことではなく、そのたびに被印刷体19の色調チェック等に多くの時間を費やすことになっている。
【0011】
近年のフレキソ印刷等においては、版胴18の表面に酸化クロムを溶射したものなども登場しており、版胴18の長寿命化は進んでいるものの、スクレーパブレード11の寿命がこれに追いついていないのが現状である。
【0012】
版胴18は、金属製のスクレーパブレード11に掻き取られ摩耗しないようにクロムメッキを施しているが、近年では、印刷の高速化やインキ17の水溶性化等により、版胴18は高速回転し、スクレーパブレード11の押しつけ力を大きくするためにスクレーパブレード11の耐久性が低いために起こると思われる印刷トラブルも少なくない。
【0013】
一方、セラミック被膜を形成したスクレーパブレード11は、従来スクレーパブレード11より耐久性が少々優れているものの、母材そのものが従来同様の鋼板であるため、初期摩耗に若干の効果があるのみで、著しい耐久性を備えているものではない。
【0014】
また、ジルコニアセラミックからなるスクレーパブレード11は、一般的に耐摩耗性・摺動性に優れているが、スクレーパブレード11全体をジルコニアセラミックで形成したものでは、ブレードのたわみによる破損や先端部の欠けの発生などの問題があった。加えて、ジルコニアセラミック製スクレーパブレード11の刃先11aは、一般的に平面研削盤にて長手方向に研磨されているため、微細なチッピングや欠けが生じ、これによってインキの掻き取りムラを発生させて、印刷媒体に影響を及ぼすという問題があった。
【0015】
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであって、ロールの長寿命化に伴い寿命の長い高速対応可能な印刷用スクレーパを提供し、印刷トラブルを防止することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の印刷用スクレーパは、円柱体の外周側面にスパイラル状の溝部を備え、該溝部に形成した刃先で印刷時のインキ等を掻き取るようにした印刷用スクレーパであって、上記刃先を、上記溝部に上記円柱体の外周側面から突出させてジルコニア製セラミックスの板状体を固定して形成したものとした。
また、本発明の印刷用スクレーパは、厚さ0.03〜0.2mmのジルコニア製セラミックスの板状体で上記刃先を形成したものとした。
【0017】
また、上記板状体の刃先がシャフトの外周側面に形成したスパイラル状の溝より0.1〜0.5mm突出しているとともに、当該板状体の幅が1.0mm以上であり、且つ刃先面の表面粗さがRa0.2μm以下であることとした。
【0018】
これにより、インキをきれいに掻き取ることができ、高速印刷下であっても長寿命で良好な掻き取りが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0020】
図1(A)〜(C)に示すように本発明のスクレーパ1は、鋼材またはステンレススチール材でできたシャフト3に連接した円柱体3aに、溝のねじれ角度αにスパイラル加工された溝部3bを備え、この溝部3bに薄板状に加工されたジルコニア製セラミックスの板状体2をエポキシ系接着剤等を使用して接着剤により固定し、その刃先2aを側面から突出させたものである。また、板状体2の刃先2aは高速回転化でもスムーズに版胴8と摺動出来るように加工されている。
【0021】
本発明の印刷用スクレーパ1において、円柱体3aは鋼材またはステンレススチール材からなり、その外周側面に備えた溝部3bの溝のねじれ角度αは3〜13°の範囲とすることが好ましい。この溝部3bにジルコニア製セラミックスの板状体2をエポキシ系接着剤等を使用して接着固定することによって、刃先2aをスパイラル状に形成することができ、この刃先2aを回転させながら版胴に当接させることでインキ等の掻き取りを行う。このようにスパイラル状に形成されたジルコニア製セラミックスの刃先でできた印刷用スクレーパ1は高速印刷時に伴う版胴8の高速回転時にも対応でき、ムラ無くきれいにインキ等を掻き取る効果が有ると共に、高耐摩耗を有する。
【0022】
ここで、溝のねじれ角度αを3〜13゜としたのは、3゜未満ではスクレーパ1の回転による掻き取りムラ発生抑制効果が得られず、13゜を超えると薄肉に加工したジルコニア製セラミックスの板状体2がスパイラル状に加工された円柱体3aの外周側面に形成した溝部3bに添ったねじりの反発応力に耐えられず、貼り着け後直ぐに剥がれたり、ジルコニア製セラミックスの板状体2自体が割れるおそれがあるためである。
【0023】
また、上記板状体2の厚みTを0.03〜0.2mmに薄肉加工し、その刃先2aの表面粗さをRa0.2μm以下とすることが好ましい。
【0024】
ここで、ジルコニア製セラミックスの板状体2の厚みTを0.03〜0.2mmとしたのは、厚みを0.03mm未満とすると強度が保たれず、直ぐに欠けや割れを起こしてしまうからであり、一方で、厚みが0.2mmを超えると容易にスパイラル状にねじることができないから、円柱体3aの外周側面に形成したスパイラル状の溝部3bに添って隙間無く貼り合わせることが困難となるからである。
【0025】
ここで、板状体2の刃先2aの形状は、図1(D)に示すようにさまざまな形状とすることができる。図面の左側から順番に、最も簡素である長方形型で刃先角度βを90°とすることによって、掻き取りの際の刃欠け防止に優れ、製造を簡単としたものや、刃先角度をより鋭角にして掻き取り効率を高めたものや、逆に刃先角度を鈍角にしたものや、刃先を円柱体の外周面と同じ程度の円弧形状とすることによって最も版胴8に対する摺動性を高くし、長寿命化したもの等とすることができる。
【0026】
なお、刃先角度βは80°より小さくなると版胴8に食い込み易くなり、結果的に欠けが多くなる傾向にあるため、80°以上とすることが好ましく、逆に刃先角度βが大きくなりすぎると掻き取り効果に乏しくなるため、刃先角度βは80〜110°が好ましい範囲となる。
【0027】
また、上記板状体2の刃先2aが円柱体3aの外周側面に形成したスパイラル状の溝部3bから突出量pは0.1〜0.5mmが好ましく、さらに板状体2の幅Wは1.0mm以上とすることが好ましい。
【0028】
ここで、上記板状体2の刃先2aの突出量pが0.1mm未満のときは、回転軸に添ったスパイラル状のたわみが得られず、版胴8表面へなじみ難いために、インキ掻き取りの際に、部分的にインキ7が溜まったり、漏れたりすることで、掻き取りのムラが発生する。
【0029】
逆に突出量pが0.5mmを超えると、先端のたわみが大きくなり、版胴8に押しつけた際に、接着固定している板状体2が外れたり刃先2a部の微細なチッピングや欠けから大きく割れてしまい、掻き取りができなくなる。
【0030】
この突出量pは、溝部3bに固定したジルコニア製セラミックスの板状体2の突出した刃先2aを円筒研削盤や万能研削盤にて研磨加工する際に、突出量pを0.1〜0.5mmに調整して製作することで得られる。
【0031】
このスクレーパ1は、先端の突出している刃先2aが、版胴8への回転させながらの押し圧力によってスクリュー状のたわみが発生し、均一性に富んだ良好な掻き取りが可能となると同時に、版胴8の表面の微細なうねりに対しても、これを吸収するだけのたわみの発生が得られる。このとき、刃先2aが上記範囲で突出することにより、たわみが発生し良好な掻き取りが可能となる。
【0032】
また、突出量pが大きいほど版胴8へはなじみやすいが、一方でスパイラル状に添ってねじらせる必要があるジルコニア製セラミックスの板状体2の厚みを0.03〜0.2mmと極めて薄く製作する必要があり著しく破損し易くなる。そこで、突出量pを0.1〜0.5mmの範囲とすることで板状体2の破損を防止することができる。
【0033】
なお、板状体2の幅Wを1.0mm以上としたのは、1.0mm未満では掻き取られたインキ7がスライド排出されず、遠心力や表面張力で円柱体3aの外周側面に形成したスパイラル状の溝10の刃面付近に溜まることで、飛散等で版胴8にインキが逆流し、班点ムラ等の不具合が発生するからである。
【0034】
また、刃先2aの表面粗さをRa0.2μm以下にすることで高摺動面が得られ、被印刷体9のスピードアップ時に伴う、版胴8の高速回転時にも極めて低い摩擦に抑えられ、高速対応が可能で、なおかつ版胴8も摩耗させに難くできる優れた摺動状態の確保と刃先2a及び版胴8の共に長寿命化が実現できる。
【0035】
従来の金属製スクレーパブレード11では、摩耗が早い分、版胴18へのなじみが早く良好な掻き取り作用をもたらしているが、ジルコニア製セラミックスのスクレーパブレードに単純に素材を変更することで、長寿命の特性を備えている反面、版胴18へはなじみ難いという欠点及び欠け易いという欠点も備えている。ここで言うなじみとは、スクレーパブレード11先端の微細なチッピングや欠けが摩耗して、版胴18の全面を良好に掻き取れる事象を意味する。
【0036】
つまり従来は、研磨加工によって発生する小さなチッピングや欠けの影響を受けていた。
【0037】
版胴18とスクレーパブレード11の接触面は数十〜数百μmの幅を持つ線接触と考えられが、版胴18の回転方向と従来の平面研削盤による加工スジは垂直方向にあり、一部分でも微細な欠けやチッピングが発生しているといつも同じ掻き取りスジが発生してしまう。
【0038】
これに対し、本発明のスクレーパ1では、インキ7等を掻き取るための刃先2aが表面粗さRa0.2μm以下に仕上げ加工を備えたジルコニア製セラミックスの板状体2を円柱体3aの外周側面に溝のねじれ角度αが3〜13゜となるようにスパイラル状に備えることによって、刃先2aの表面に微細な欠けやチッピングが介在してもスクレーパ1自体がスパイラル状に回転スライドし、インキ7等を掻き取るために、同じ場所に掻き取りムラを発生することを無くすことができる。
【0039】
ここで、表面粗さRa0.2μm以下が必要な部分は図1(E)に示す刃先2aのδの範囲である。この範囲が直接的に版胴8に摺動する部分となり、また、間接的にインキ等が掻き取られた後、吐き出される部分となる。
【0040】
ここで、刃先2aの表面粗さをRa0.2μm以下としたのは、Ra0.2μmを超えると、版胴との接触面で、抵抗が大きくなり欠けやチッピングの発生を促すことになったり、高速印刷対応時には摺動面の摩擦熱の発生により、刃先2aを構成するジルコニア製セラミックスの素材が相変態を引き起こし、強度劣化の末、割れてしまうからである。
【0041】
次に上記スクレーパ1を使用するときは、図2の概略側面図に示すように、スクレーパ1のシャフト3を矢印の方向に回転させながら、スクレーパ1の先端を凹版印刷版の版胴8に接触させつつ矢印の方向に回転させ、版胴8表面にスクレーパ1の先端が回転移動にてスライド面圧をかけ版胴8の余分な印刷インキ7を掻き取る。
【0042】
なお、本発明のスクレーパ1を実際に回転させる好ましい回転数はr.p.m(1分間での回転数)で15〜80が良い。回転数が遅くなると版胴8のインキ等の残りが厚くなりインキの無駄が多くなる傾向にあり、一方で回転数が早過ぎても掻き取り時にインキ等の凝集箇所を効率的に除去することができず、結果的に斑点やムラの発生が出てくる傾向にあることから、上記回転数r.p.mで15〜80が好ましい。
【0043】
また、掻き取り効率にも関係する図1(B)に示す溝部3b間の溝(板状体2)間のピッチ角度θの好ましい範囲は45°以下である。これは言い換えるとスクレーパ1の溝部3bの本数でも表され、45°は8本分に当たり、好ましくは溝部3bを8本以上有することが好ましく、特に製造コスト的には12本までが良い。8本を下回る溝部3bでは、回転数を早過ぎる傾向と同じインキ等の凝集箇所を効率的に除去することができず、結果的に斑点やムラの発生が出てくる悪影響が表れてくる。
【0044】
ここで、インキ供給層6は版胴8にインキ7を供給する為の受け皿で、インキ7が不足しないように一定の液量を蓄えられるように工夫してある。圧胴5は、被印刷体9を一定圧力で版胴8に押し付け、版胴8からインキ7を被印刷体9へ転写させる役割を果たしている。
【0045】
次に、板状体2及びその刃先2aの加工方法を簡単に説明する。板状体2は厚みが0.03〜0.2mmで幅が1.0mm以上で長さも350mm〜1000mm程度で、極めて細長い形状が必要なため、押し出し成形方法及びテープ成型方法で生成形したジルコニア製セラミックスを大気雰囲気のバッチ式の焼成炉にて1400℃で1時間吊り焼き焼成したものを平面研削盤にて研削加工して得られる。研削加工は長さ方向に番定#200のダイヤモンドツールにて研削加工し、厚み0.03〜0.2mmになるように仕上げ、刃先2aの面の幅加工は長さ方向に番定#800以上のダイヤモンドツールで研削加工することでRa0.2μm以下の面粗さ及びサイズを形成することができる。なお、余分な長さの加工はスライシング加工にて揃えることができる。
【0046】
【実施例】
(実験例1)
表1は、本発明の金属製シャフトに連接した円柱体の外周側面に形成したスパイラル状の溝加工を施したものに板状体のジルコニア製セラミックスを貼り付けた構造の数点を条件と比較例として従来構造のジルコニア製セラミックス及び本発明構造体にSKD素材の板状体を貼り付けたものとでの掻き取り性能と寿命評価についてまとめたものである。
【0047】
何れの刃先も摺動条件を統一するために、その表面粗さをRa0.01〜0.03μmの範囲内に合わせて加工を施した。
【0048】
【表1】
【0049】
この結果より、本発明の好適範囲外のNo1はジルコニア製セラミックスの板状体の厚みが0.02mmで薄く欠けや割れが発生し、結果としてスジが発生した。No3およびNo8はねじれ角度が18゜と15゜で角度がきつく、貼り着け時の不可でやはり欠けや割れが発生し、結果としてスジが発生した。No6およびNo9はねじれ角度が2゜と0゜で角度が不十分であり、高速回転に掻き取り効率が追いつかず、結果的にムラが発生した。No13及びNo14はジルコニア製セラミックスの板状体の厚みTが0.23mmと0.30mmで厚すぎる為に金属のスパイラル状の溝に添って一様に貼り着けることが困難となり、隙間やクラックが発生し、結果としてスジが発生した。また、本発明の範囲外であるNo15とNo16は厚みT=0.15mmのSKDの金属ブレードを用いたが、何れも寿命が短く頻繁に取り替えが必要となることがわかり、No15はねじれ角度も0゜であることから、ムラの発生もあった。よって本発明の範囲外のものは掻き取り状態が悪く高速印刷時に適応できないことがわかる。
【0050】
(実験例2)
表2については、本発明の金属製シャフトに連接する円柱体の外周側面に形成したスパイラル状の溝加工を施したものに板状体のジルコニア製セラミックスを貼り付けた構造において、貼り付けるジルコニア製セラミックスの厚みTが0.10mmで、ねじれ角度が10゜に統一された条件下で、それぞれの上記板状体の刃先が円柱体の外周側面に形成したスパイラル状の溝の最外周面より突出する量と、当該板状体の幅、および刃面の表面粗さをそれぞれ条件を組み合わせ比較したもので、掻き取り性能と寿命評価についてまとめたものである。
【0051】
【表2】
【0052】
この結果より、本発明の範囲外のNo1は円柱体の外周側面に形成したスパイラル状の溝の最外周面からの突出量が0で全くなく、インキを掻き取る際の僅かなたわみが全く得られず、またジルコニア製セラミックスの板状体とスパイラル状の溝の最外周面との間に僅かな隙間ができ、結果的にインキの逆流が発生した。
また、本発明の好適範囲外のNo4およびNo8はジルコニア製セラミックの板状体の幅が0.8mmと0.7mmで浅いために、板状体底面に溜まったインキが高速回転時の遠心力などで逆流することにより、結果的にムラが発生した。No7はジルコニア製セラミックスの板状体の刃部の表面粗さRaが0.25μmで粗いため掻き取り時の摺動抵抗が大きくなり、欠けや割れが発生すること、または摺動熱による高温化により熱劣化(相変態)が発生し、クラックが発生し、結果的にスジが発生した。
【0053】
No12およびNo13は円柱体の外周側面に形成したスパイラル状の溝の最外周面からの突出量が0.6mmと0.8mmで多過ぎるため、No12で接着外れによるムラの発生およびNo13ではたわみに耐えきれない為に欠けや割れが発生し、結果的にスジが発生した。よって本発明の範囲外のものは掻き取り状態が悪く高速印刷時に適応できないことがわかる。
【0054】
【発明の効果】
以上記述したように、本発明によれば、円柱体の外周側面にスパイラル状の溝を備え、該溝のエッジ部に形成した刃先で印刷時のインキ等を掻き取るようにしたスクレーパであって、少なくとも上記刃先をジルコニア製セラミックスで形成したことによって、長寿命化が可能となり、かつ、高速印刷下でも均一にムラ無く安定して掻き取ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の印刷用掻き取りスクレーパを示しており、(A)は概略側面図、(B)は概略断面図、(C)は概略拡大部分断面図、(D)は板状体のさまざまな形態を示す側面図、(E)は刃先の拡大図である。
【図2】 本発明の印刷用スクレーパを用いて版面のインキを掻き取る状態を示す概略側面図である。
【図3】 (A)(B)は従来の印刷用掻き取りブレードを示す側面図である。
【図4】 従来の印刷用掻き取りスクレーパを用いた版面の印刷インキを掻き取る状態を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1:スクレーパ
2:板状体
2a、11a:刃先
3:シャフト
3a:円柱体
a、b、c、d:板状体2の刃先2aの形状
T:板状体2の厚み
W:板状体2の幅
P:突出量
α:溝のねじれ角
β:掻き取り部の刃先2aの角度
δ:面粗さRa0.2μm以下の範囲
θ:溝(板状体2)間のピッチ角度
5、15:圧胴
6、16:インキ供給槽
7、17:インキ
8、18:版胴
9、19:被印刷体
10:外周側面に形成したスパイラル状の溝
11:スクレーパブレード
20:保持機構[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention, when scraping magazines and food bags, or scraped off the printing-in key from the plate surface when printing, such as the pattern of the building materials and floor coverings, the excess coating material at the time of coating to the duct tape or aluminum foil, etc. It is related with the scraper used for.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in curved surface printing, commonly called gravure printing, pad printing, etc., an intaglio printing plate formed by processing a concave pattern on the surface of a plate material made of steel, copper, zinc, synthetic resin, etc. after flushing the print-in key to the plate, scraped excess in key on the plate surface using a scraping scraper blade, is adapted to transfer, directly or indirectly the substrate in-key recess the picture.
[0003]
As shown in the schematic side view of FIG. 4, while contacting the
[0004]
Here, the
[0005]
The
[0006]
As the
[0007]
That is, the
[0008]
The blade edge 11a is made of a thin steel plate, a steel composite coated with a ceramic composite material, a hard chrome plated finish, a surface layer coated with diamond, or a resin.
[0009]
On the other hand, for the purpose of preventing initial wear of the scraper blade edge, the
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However
[0011]
In recent flexographic printing, such as those sprayed chromium oxide on the surface of the plate cylinder 18 and also appeared, although advances in the life of the plate cylinder 18, the life of the
[0012]
The plate cylinder 18 is chrome-plated so as not to be scraped off and worn by the
[0013]
On the other hand, the
[0014]
Further,
[0015]
The present invention was made in consideration of the above problems, and its object is to extend the life of the rolls to provide a long fast adaptable printing scraper of Ban Ikotobuki life, prevent printing troubles.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
The printing scraper of the present invention is a printing scraper provided with a spiral groove on the outer peripheral side surface of a cylindrical body, and scraping off ink and the like at the time of printing with the blade edge formed in the groove part. A zirconia ceramic plate was fixed to the groove by protruding from the outer peripheral side surface of the cylindrical body.
Moreover, the scraper for printing of this invention shall have formed the said blade edge | tip with the plate-shaped body of the ceramics made from zirconia of thickness 0.03-0.2 mm .
[0017]
Further, the blade edge of the plate-like body is 0 . 1 to 0 . It protrudes 5 mm and the width of the plate-like body is 1 . 0 mm or more and the surface roughness of the cutting edge surface is Ra0 . The thickness was 2 μm or less.
[0018]
As a result, the ink can be scraped cleanly, and even under high-speed printing , a long life and good scraping can be achieved.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0020]
[0021]
In the
[0022]
Here, zirconia to that 3 to 13 ° twist angle α of the groove is not obtained the take comes up uneven effect of suppressing the generation by the rotation of the
[0023]
Further, it is preferable that the thickness T of the plate-
[0024]
Here, the reason why the thickness T of the zirconia ceramic plate-
[0025]
Here, the shape of the
[0026]
If the blade edge angle β is smaller than 80 °, it tends to bite into the
[0027]
Further, the protruding amount p is preferably 0.1 to 0.5 mm from the spiral groove 3b formed on the outer peripheral side surface of the
[0028]
Here, when the protrusion amount p of the
[0029]
When the projection amount p conversely obtain ultra the 0.5 mm, flexure increases the tip, when pressed against the
[0030]
The protruding amount p is set to 0.1 to 0.1 when the protruding
[0031]
The
[0032]
Further, the larger the protrusion amount p, the easier it is to adapt to the
[0033]
The width W of the plate-
[0034]
Moreover, a high sliding surface can be obtained by setting the surface roughness of the
[0035]
In the conventional
[0036]
That is, conventionally, it has been affected by small chipping and chipping generated by polishing.
[0037]
The contact surface of the plate cylinder 18 and the
[0038]
In contrast, in the
[0039]
Here, the portion where the surface roughness Ra is 0.2 μm or less is within the range of δ of the
[0040]
Here, the surface roughness of the
[0041]
Next, when the
[0042]
In addition, the preferable rotation speed which actually rotates the
[0043]
Moreover, the preferable range of pitch angle ( theta ) between the grooves (plate-like body 2) between the groove parts 3b shown in FIG.1 (B) related to scraping efficiency is 45 degrees or less. In other words, this is also expressed by the number of the groove portions 3b of the
[0044]
Here, the ink supply layer 6 in pan for supplying the
[0045]
Next, the processing method of the plate-
[0046]
【Example】
(Experimental example 1)
Table 1 compares several conditions of the structure in which a plate-like zirconia ceramic is pasted on a spiral groove formed on the outer peripheral side surface of a cylindrical body connected to the metal shaft of the present invention. It summarizes the scraping performance and life evaluation at what was pasted plate body of SKD material to zirconia ceramics and the invention structure of the conventional structure as an example.
[0047]
In order to unify the sliding conditions for any blade edge, the surface roughness is set to Ra0 . 01-0 . Processing was performed within the range of 03 μm.
[0048]
[Table 1]
[0049]
From this result, the preferred range of No1 of the present invention the thickness of the zirconia ceramics of the plate-like body is chipping or cracking occurs thinly 0.02 mm, streaks occurred as a result. In No. 3 and No. 8, the twist angles were 18 ° and 15 °, and the angles were tight, and when they were stuck, cracks and cracks were generated, resulting in streaks. In No. 6 and No. 9, the twist angles were 2 ° and 0 °, and the angles were insufficient, and the scraping efficiency could not catch up with high-speed rotation, resulting in unevenness. No13 and No14 becomes difficult pasted uniformly along the metallic spiral groove for the thickness T of zirconia ceramics of the plate is too thick at 0.23mm and 0.30 mm, gaps or cracks As a result, streaks occurred. Moreover, although No15 and No16 which are outside the scope of the present invention used SKD metal blades with a thickness T = 0.15 mm, it was found that both had a short life and required frequent replacement. Since it was 0 °, unevenness occurred. Therefore, outside the scope of this onset bright it can be seen that that can not be adapted to the time of high-speed printing poor scraping state.
[0050]
(Experimental example 2)
As for Table 2, in the structure in which the plate-like zirconia ceramics are pasted on the spiral groove formed on the outer peripheral side surface of the cylindrical body connected to the metal shaft of the present invention, the zirconia ceramics to be pasted The ceramic thickness T is 0 . 10 mm and under the condition that the twist angle is unified to 10 °, the amount of the blade edge of each plate-like body protruding from the outermost circumferential surface of the spiral groove formed on the outer circumferential side surface of the cylindrical body, This is a comparison of the body width and the surface roughness of the blade surface in combination with each other, and summarizes scraping performance and life evaluation.
[0051]
[Table 2]
[0052]
This result, No1 outside the scope of the present invention is the projection amount from the outermost surface of the spiral-shaped groove formed on the outer peripheral side surface of the cylindrical body without any zero, quite slight deflection when scraping the in-key not obtained, also can slight gap between the outermost surface of the plate-like body and spiral grooves of zirconia ceramics, backflow of consequently-in key is generated.
In order No4 and No8 outside preferable range of the present invention is shallow in width 0.8 mm and 0.7 mm made of zirconia ceramic of the plate-like body, when in key high-speed rotation accumulated in the plate-like body bottom As a result, non-uniformity occurred due to reverse flow caused by centrifugal force. No7 rough for scraping during sliding resistance increases at 0.25μm surface roughness Ra of the blade portion of the plate-like member made of zirconia ceramics, the chipping or cracking occurs, or high temperature caused by sliding heat Caused thermal degradation (phase transformation), cracks, and streaks.
[0053]
In No12 and No13, the amount of protrusion from the outermost peripheral surface of the spiral groove formed on the outer peripheral side surface of the cylindrical body is too large at 0.6 mm and 0.8 mm. Since it could not withstand the deflection, chipping and cracking occurred, resulting in streaks. Therefore, outside the scope of this onset bright it can be seen that that can not be adapted to the time of high-speed printing poor scraping state.
[0054]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, comprises a spiral groove on the outer peripheral side surface of the cylindrical body, a scraper which is adapted to scrape the printing time of the in-key or the like with the cutting edge formed on an edge portion of the groove By forming at least the above-mentioned cutting edge with zirconia ceramics, it is possible to extend the life, and to scrape evenly and uniformly even under high-speed printing.
[Brief description of the drawings]
1A and 1B show a scraping scraper for printing according to the present invention, in which FIG. 1A is a schematic side view, FIG. 1B is a schematic cross-sectional view, FIG. 1C is a schematic enlarged partial cross-sectional view, and FIG. The side view which shows various forms of (E) is an enlarged view of a blade edge | tip.
2 is a schematic side view showing a state where the scraping-in key of the plate surface using the printing scraper of the present invention.
FIGS. 3A and 3B are side views showing a conventional scraping blade for printing. FIGS.
4 is a schematic side view showing a state in which scraping the printing-in key conventional scraping scraper plate surface using for printing.
[Explanation of symbols]
1: Scraper 2: Plate
2a, 11a: cutting edge
3: Shaft
3a: cylindrical bodies a, b, c, d: shape of the
P: protrusion amount α: twist angle of groove β: angle of cutting
11: Scraper blade 20: Holding mechanism
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