JP3929822B2 - Sewing thread fixing method and threading deforming device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、布地を立体化するために、一定方向の糸目を密にして縫製する辺を短くするいせ込み糸目固定方法およびそのためのいせ込み用糸目変形器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
布地を立体化する手法として、一定方向の糸目を密にして縫製する辺を縫い縮めるいせ込み縫製が一般的に知られている。従来のいせ込み工程は、縫製する辺を小さな山谷状に折込みながら相手布地と縫製し、その後アイロンにより山谷を平らにすることで糸目の密度を高めるものであった。例えば特開平05−184752号公報には、上記工程を自動的に行ういせ込みミシンが開示されている。
【0003】
図7は、従来のいせ込み縫製方法を説明するための布地100の斜視図である。布地100の元の形状は、二点鎖線で示す矩形の布地100’である。布地100’の一辺であり、相手布地と縫製する辺が縫製辺102’である。縫製辺102’に沿う方向は、糸目Xの対角線方向(以下バイアス方向という)となっている。いせ込み縫製を行う際、縫製辺102’をバイアス方向付近に設定するのが一般的である。縫製辺102は、縫製辺102’の変形後の形状であり、小さく山谷状に折込まれた状態となっている。但し通常は、図のように全体を折込んでから相手布地と縫製するのではなく、順次折込みながら縫製してゆく。そして縫製後にアイロンにより山谷を平らにしていせ込み縫製工程が完了する。このように山谷状に折込む目的は、縫製辺102’の糸目を密にすることであり、その効果として布地100は立体的に変形したものとなっている。糸目を密にするにあたり、縫製辺102’を布地面に沿って圧縮しようとしても、糸目が密になる前に布地100’自体が折れ曲がるので、直接圧縮することは困難である。そこで、まず縫製辺102’を山谷状に折込みながら縫製し、後のアイロンがけによって山谷の折込みを糸目の圧縮に変換するという手法がとられているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アイロンがけによって皺や糸目のムラが発生しないように山谷状に折込みながら縫製するには熟達した縫製技術者の高度な技能が必要である。一方、比較的容易にいせ込み縫製を行い得るいせ込みミシン等の専用の装置は、複雑な機構のため高価なものとなり易い。また、特殊な用途であるために、一箇所でいせ込みだけを処理するような、流れ作業工程において有効であり、例えば工場内の縫製作業者が、各自の縫製作業中に適宜いせ込み縫製を行うような場合には不向きである。従って、容易にいせ込み縫製を行うことが出来る方法、或いは各縫製作業者が、容易にいせ込み縫製を行い得る小型で簡単な機構の器具が求められていた。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑み、縫製する辺を小さな山谷状に折込む必要がなく、容易にいせ込み縫製を行うことが出来るいせ込み糸目固定方法を提供するとともに、各縫製作業者が、容易にいせ込み縫製を行い得る小型で簡単な機構のいせ込み用糸目変形器具を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、布地を立体化するために、一定方向の糸目を密にして縫製辺を短くするいせ込み糸目固定方法であって、上記縫製辺を短くするために、その縫製辺と交わる方向に布地を伸ばす工程と、短くした上記縫製辺の糸目を固定する工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1記載のいせ込み糸目固定方法であって、上記布地を伸ばす工程と、上記糸目を固定する工程とを所定長さ単位で順次繰り返し、必要な長さに亘って上記縫製辺の糸目を固定することを特徴とする。
【0008】
これらの発明によれば、一方のバイアス方向に伸ばした布地は、もう一方のバイアス方向には縮む、という布地のポアソン効果(詳細は後述する)を利用して、布地を一定方向に伸ばすことにより、その方向と交わる方向に沿った縫製辺を短くし、更にその状態を固定することができる。従って、いせ込み縫製にあたって、布地を小さな山谷状に折込む工程を必要としない。即ち、上記方法で糸目が固定された布の縫製辺を、相手布地と通常に縫製するだけで、容易に所定のいせ込み縫製を行うことができる。また、糸目の固定にあたり、布地の引き伸ばしと、その糸目の固定とを順次繰り返し行えば、任意の長さに亘る縫製辺の固定を行うことができる。なお、布地はバイアス方向に最も良く伸びるが、引き伸ばし方向は、正確にバイアス方向である必要は無く、バイアス方法から多少ずれた方向に引き伸ばしても、それに応じた糸目の圧縮効果は得られる。
【0009】
請求項3の発明は、布地を立体化するために、一定方向の糸目を密にして縫製辺を短くするためのいせ込み用糸目変形器具であって、上記縫製辺の周辺を、上記縫製辺と交わる方向に所定の間隔をもって布地を支持する支持手段と、上記支持手段により支持された布地を、上記縫製辺と交わる方向に引き伸ばす引き伸ばし手段とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3記載のいせ込み用糸目変形器具において、上記支持手段として、布地を両面から挟持する上挟持部および下挟持部と、上記上挟持部と上記下挟持部との布地の表裏方向の間隔を変動し得る挟持部移動手段とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4記載のいせ込み用糸目変形器具において、上記引き伸ばし手段として、布地の表裏両側に離して設けられた1対の第1支点と、上記第1支点から所定の内角をもって布地の引き伸ばし方向に伸びるアームであって、その先端部に上記上挟持部または下挟持部が連設された第1アームと、上記第1アームの内角を変動し得る第1アーム内角変動手段とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5記載のいせ込み用糸目変形器具において、上記第1支点と布地面との距離を変動し得る第1支点移動手段を有し、上記挟持部移動手段と上記第1アーム内角変動手段とが、共に上記第1支点移動手段と共通のものであることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項6記載のいせ込み用糸目変形器具において、上記第1支点移動手段として、上記各第1支点を、その一端で支持する1対の第2アームと、上記第2アームを支持するとともに、その支持点周りの上記第2アームの所定範囲内での回動を自在にする第2支点とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項3乃至7のいずれかに記載のいせ込み用糸目変形器具において、上記引き伸ばし手段により引き伸ばされた糸目を固定する糸目固定手段を有することを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項8記載のいせ込み用糸目変形器具において、上記糸目固定手段として、固定用テープと、その固定用テープを布地に押圧し得るテープ押圧手段とを有することを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明は、請求項8または9記載のいせ込み用糸目変形器具において、上記テープ押圧手段は、上記上挟持部または上記下挟持部の動作に連動して上記固定用テープを押圧し得るものであることを特徴とする。
【0017】
請求項11の発明は、請求項3乃至10のいずれかに記載のいせ込み用糸目変形器具において、上記布地の引き伸ばしを所定長さ単位で順次繰り返し成し得るものであって、引き伸ばす部位を、上記引き伸ばし手段の対象となる位置に順次送る布送り手段を有することを特徴とする。
【0018】
請求項12の発明は、請求項11記載のいせ込み用糸目変形器具において、上記布送り手段は、上記上挟持部または上記下挟持部の動作に連動して布地を送るものであることを特徴とする。
【0019】
上記請求項3乃至12記載の発明によれば、このいせ込み用糸目変形器具を用いることにより、本発明のいせ込み糸目固定方法を容易に実施することができる。このいせ込み用糸目変形器具で予め縫製辺を短くし、この器具または別途手段によりその糸目を固定しておけば、その縫製辺と相手布地とを通常に縫製するだけで、縫製技術者の技能に依ることなく、高い品質のいせ込み縫製を行うことができる。しかも、このいせ込み用糸目変形器具は、布地を支持して引き伸ばすという基本的な機能を有するものであり、その状態を固定したり、布を送るという付加機能を含めても、従来のいせ込みミシンと比較して格段に簡単な機構で製造することが可能であり、安価で生産することができる。従って、例えば工場内の縫製技術者全員がこのいせ込み用糸目変形器具を手許に準備し、必要に応じて自由に使用できるようにすれば、投資を押えつつ、生産性と製品品質を向上することができる。
【0020】
このいせ込み用糸目変形器具を、上挟持部、下挟持部、第1支点、第1アーム、第2支点および第2アームからなるリンク機構とし、挟持部移動手段、第1アーム内角変動手段および第1支点移動手段を適宜組み合わせて作動させるようにした上で、上記挟持部移動手段と上記第1アーム内角変動手段とが、共に上記第1支点移動手段と共通のものとすれば、以下に示すように、鋏を使うような手軽さで上記第2アームを開閉するだけで、布地の引き伸ばしを行いうる器具とすることができる。
【0021】
第2支点を中心として第2アームを閉じる方向に操作すると、その一端に設けられた第1支点が、互いに接近するように動く。それとともに、第1支点に連設された第1アームおよびその一端に設けられた上下挟持部も互いに接近するように動く。上下挟持部は、布地を挟み、固定するまでは互いに接近するように動くが、それらが布地を挟んで固定した状態から更に第2アームを閉じる方向に操作すると、第1アームの内角が拡大することにより、上下挟持部の互いの距離が変化することなく、第1支点のみが互いに接近するようにに動く。その際、第1アームの内角の拡大に伴い、引き伸ばし部の引き伸ばし方向の両端を挟んだ上下挟持部は、その挟み点を維持した状態で引き離される。従って、引き伸ばし部が引き伸ばされ、それに伴い、引き伸ばし方向と略直交する縫製辺は、その辺に沿った方向に短くなる。布地の引き伸ばしを解除する際には、第2アームを開く方向に操作すると、上記作用と逆の動きにより、布地の引き伸ばしは解除される。
【0022】
但し、第1支点移動手段として、必ずしも上記の第2アームおよび第2支点を必要としない。また、上記挟持部移動手段や上記第1アーム内角変動手段が、必ずしも上記第1支点移動手段と共通のものである必要もない。これらの機構は、布地や器具の大きさその他の設計要因によって、適宜決定し得るものである。
【0023】
また、このいせ込み用糸目変形器具に、糸目固定手段を設ければ、上記布地の引き伸ばしとほぼ同時に糸目の固定ができる上、布地を送りながら順次引き伸ばし、固定を繰り返す場合に効率良く作業を行うことができる。更に、この糸目固定手段が、上記上挟持部または上記下挟持部の動作に連動するようにすれば、一層作業効率を向上することができる。
【0024】
上記糸目固定手段として、固定用テープと、その固定用テープを布地に押圧し得るテープ押圧手段とを有するようにすれば、簡単なリンク機構でこのいせ込み用糸目変形器具に備えることができ、任意の長さに亘って、確実に糸目の固定をすることができる。
【0025】
このいせ込み用糸目変形器具に、上記布送り手段を設ければ、布を送りながら連続して引き伸ばしを行う作業を効率良く進めることができる。また、この布送り手段が、上記上挟持部または上記下挟持部の動作に連動するようにすれば、一層作業効率を向上することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明のいせ込み糸目固定方法およびいせ込み用糸目変形器具の実施形態について、図1乃至図7によって説明する。図1は、本発明のいせ込み糸目固定方法によって糸目が固定された状態の布地1の斜視図である。布地1では、その一辺であり、相手布地と縫製する辺である縫製辺2の糸目が密になっており、その糸目が固定用テープ3によって固定されている。縫製辺2に沿う方向は、図に示すように布地1の基本の糸目Xの対角線方向となっている。即ち、縫製辺2は、バイアス方向の糸目が密になっている。縫製辺2の長さをLbで示すが、これは二点鎖線で示す元の布地1’の対応する辺の長さLaに対し、Lb<Laとなっている。縫製辺2の糸目を密にするため、布地1の縫製辺2付近では、縫製辺2に略直交する方向に引き伸ばされている。その引き伸ばしにより、元の長さLcがLdとなっている。(Ld>Lc)。このLdは、後述するダーツのダーツ半径に相当するものである。
【0027】
こうして縫製辺2に略直交する方向に布地1を引き伸ばし、縫製辺2の糸目を密にすることにより、布地1は頂点Tを最高部とする立体形状となっており、その高さ(以下いせ込み高さという)はhとなっている。(図は説明のため誇張して描かれており、必ずしも実際の形状とは一致しない)。この状態で長さLbの相手布地の縫製辺と通常に縫製し、縫製後に固定用テープ3を除去すれば、布地1の縫製辺2を長さLaからLbに縫い縮めるいせ込み縫製が完了する。
【0028】
本実施形態によるいせ込み縫製と、図7に示す従来のいせ込み縫製との根本的な相違は、従来の山谷状に折込む工程が、直接糸目を圧縮して密にするものであるのに対し、本実施形態では、布地をバイアス方向に引き伸ばすと、糸目が疎になり伸びるとともに、それと直交するもう一方のバイアス方向には自動的に糸目が密になり圧縮される、ポアソン効果と呼ばれる性質を利用している点である。布地を引き伸ばす場合は、圧縮する場合のように折れ曲がることがないので、容易にムラ無く引き伸ばすことが出来る。それとともに、引き伸ばし方向と略直交する方向には糸目が均一に圧縮されるのである。
【0029】
更に適当な器具(例えば後述するいせ込み用糸目変形器具)を用いて糸目を密にし、固定するようにすれば一層容易にいせ込み縫製が可能となる。その際、布地1’の長さLaが、その器具によって一度に糸目の固定ができる長さ以上であっても、順次繰り返すことにより、必要な長さLbの糸目を固定することができる。
【0030】
次に、布地のポアソン効果と、それを利用したいせ込みに関する特性式をモデル化により説明する。図2は、布地を糸目に沿って剪断変形(以下バイアス変形という)させた状態をモデル化した説明図である。図2(イ)は、バイアス変形前の布地10である。布地10は、長辺Ra、短辺Rbの矩形であり、辺Raと辺Rbとのなす角度は直角である。また、その対角線sおよびtの長さは等しい。布地10の糸目Xは、縦横の各辺に沿った、矩形の糸目である。図2(ロ)は、布地10を、対角線tが伸びる方向にバイアス変形させた布地10’の説明図である。辺Rbが傾斜して辺Rb’となり、矩形の布地10が平行四辺形の布地10’に変形している。このモデルでは糸の伸びを想定していないが、図中矢印で示すように、対角線t’は元のtに対して伸び、逆にもう一方の対角線s’は、元のsに対し短くなっている。これは、糸目X’が元の糸目Xに対し、ひし形状に変形しているためである。また、辺Raと辺Rb’とのなす角度θは直角より小さくなっている。
【0031】
一般的に、物体に荷重(例えば引張り力)を加えた時、荷重方向に変形(伸び)するとともに、荷重方向と直交する方向に反対の変形(縮み)が発生することをポアソン効果というが、上記のように布地にもポアソン効果が見られ、その発生メカニズムは糸目の変形で説明することができる。そしてそのポアソン効果は、バイアス方向に最も顕著に表れる。
【0032】
図2において、対角線の伸び倍率をそれぞれEs、Etとし、Es=s’/s、Et=t’/tとすると、Es2+Et2=2という関係が得られる。例えばEt=1.1の時、Es=0.89となる。これは、対角線tを10%引き伸ばせば、もう一方の対角線sが11%縮むことを示す。また、図2(ロ)の布地10’の面積はRa・Rb・sinθとなるので、元の面積Ra・RbよりもRa・Rb・(1−sinθ)だけ小さくなっている。これは糸目が変形し、密になったためである。なお、Ra=Rb、即ち布地10が正方形の場合は、対角線s、tの方向はバイアス方向と一致するが、図のようにRa≠Rbの場合は、対角線s、tの方向はバイアス方向からずれたものとなる。この場合にも、上記Es2+Et2=2の関係は成立する。但し、同程度のバイアス変形であれば、対角線tの方向がバイアス方向と一致する場合に、その伸び倍率Etが最も大きくなる。
【0033】
ところで、布地を立体化するための、良く知られた別の方法として、ダーツがある。ダーツは、布地の一部を除去して縫い合わせることにより布地を立体化するものであるが、その際、除去した面積dS’と、立体化の度合いであるダーツ高さh’との関係は、h’2=k・dS’で示される。kはダーツの中心角によって決まる定数である。このように、ダーツ高さh’は、除去した面積dS’が大きい程高くなる。いせ込み縫製におけるいせ込み高さhに関してもダーツと同様に考えて良く、糸目を密にしたことにより小さくなった面積をdSとすると、h2=k・dSで示される。また、ダーツ半径に相当するものとして、いせ込み深さLd(図1参照)が定義でき、Ld=A/Lbで表される。ここでAは、バイアス変形している領域の面積である。
【0034】
いせ込みを上記のようにダーツと対応させて考えると、縮小面積dS、いせ込み深さLdのいせ込みは、半径Ld、中心角が2・dS/Ld2のダーツと同等の立体化効果が得られることとなる。Ldは、引き伸ばす領域を調整することにより、適宜設定可能である。
【0035】
図3は、図1に示す布地1の平面図である。ダーツと同様、布地を立体的にしたため、平面視での縫製辺2のラインが図3に示すようにずれる。縫製辺2付近の糸目は、矢印で示すように、縫製辺2に略直交する方向に引き伸ばされ、縫製辺2に沿う方向に密となっている。その結果、縫製辺2は立体化の頂点Tの方向にδだけ入り込んだ形状となっている。布地1の元の形状1’(型紙)は、相手布地との縫製ラインが狙いの位置になるよう、予めその変化量を考慮に入れて縫製辺2を設定しておく必要がある。δの大きさはδ=Ld−(Ld2−h2)0.5で求められる。
【0036】
次に、本発明のいせ込み糸目固定方法を更に容易に実施し得るいせ込み用糸目変形器具を説明する。但し、上記いせ込み糸目固定方法を実施するにあたり、必ずしも本発明のいせ込み用糸目変形器具を用いる必要は無く、更には、特に器具、装置を用いることなく実施しても良い。
【0037】
図4は、本発明のいせ込み用糸目変形器具の第1実施形態を示す斜視図である。図4および後述の図5では、説明を簡潔にするため、図示のように図中の第2アーム21の長手方向を、布地1を引き伸ばす前後方向、それと直交する方向を上下および左右方向としている。いせ込み用糸目変形器具20は、鋏状の1対の第2アーム21と第2支点22とを有し、第2アーム21の後端には、この第2アーム21を開閉させるための操作部23を備える。第2アーム21の先端には、各々第1支点34が設けられている。上側の第1支点34には、2本の第1アーム30が下開きに取り付けられ、下側の第1支点34には、2本の第1アーム30が上開きに取り付けられている。第1アーム30は、第1支点34を軸として所定範囲内で回動自在となっているが、第1支点34と同軸上に取り付けられた第1アームスプリング36によって復元力が負荷され、外力が働かない状態では図示のように所定の開度を維持している。第1アーム30の先端には上挟持部24および下挟持部26が、挟持部連結軸32を介して上下互いに向き合うように取り付けられている。上挟持部24および下挟持部26の上下向き合う面には、左右方向に伸びる挟持板28が設けられている。
【0038】
更に、上下の第1支点34には、テープ押え外軸58およびテープ押え内軸52を介してテープ押え板50が、互いに向き合うように取り付けられている。テープ押え内軸52は、一部がテープ押え外軸58の内側に入り込んでいるが、その入り込み量を変化させることにより、テープ押え外軸58とテープ押え内軸52との合計長さを変化させることができる。そして、テープ押えスプリング54は、その一端がスプリングリテーナ56を介してテープ押え外軸58に、別の一端がスプリングリテーナ56を介してテープ押え内軸52に取り付けられている。こうしてテープ押え外軸58とテープ押え内軸52との合計長さは、テープ押えスプリング54から負荷される復元力により、外力が働かない状態では図示のように所定の長さを維持している。なお、その所定の長さは、最適値となるよう、適宜ねじ調整可能となっている。
【0039】
また、上側の第1支点34と同軸上に、テープホルダ42を介してテープローラ40が備えられている。テープローラ40から引き出された固定用テープ3は、上下向き合ったテープ押え板50の間に、その粘着面を下にして導き得るようになっている。
【0040】
上側の第2アーム21の上挟持部24付近には、ストッパねじ台62を介してストッパねじ61が設けられている。ストッパねじ61は、上挟持部24が所定の最大幅まで前後に開いた状態で、その先端が上挟持部24に当接するように調整することで、上挟持部24の挙動を制限している。
【0041】
前後の下挟持部26の間には、テープ押え板50の左右に送りローラ82,83が設けられている。送りローラ82は送りローラ駆動軸80と一体回転し、送りローラ83は、送りローラ従動軸81と一体回転する。送りローラ従動軸81は送りローラベルト84を介して送りローラ駆動軸80と連結されており、送りローラ駆動軸80と同方向に回転する。送りローラ駆動軸80および送りローラ従動軸81は、下挟持部26を貫通しているが、その後端側の下挟持部26(送りローラベルト84の無い方)の内部を軸方向に自由に摺動し得る。
【0042】
送りローラ駆動軸80には、ワンウェイクラッチ74を介してピニオン73が嵌合している。また、送りローラ駆動軸80にはキー溝78が設けられ、ワンウェイクラッチ74の内径部のキーと嵌合している。このキーとキー溝は、軸方向には自由に動くことができるように設定されており、送りローラ駆動軸80は、ワンウェイクラッチ74との内径部に対し、軸方向に自由に摺動し得る。上側の第2アーム21には、ピニオン73と噛み合う関係のラック71がラック止め72を介して取り付けられている。ピニオン73の前後にはピニオンガイド75が備えられ、ピニオン73がラック71の軌道から外れないようになっている。(図では先端側のピニオンガイド75は説明のため省略している)。ワンウェイクラッチ74は、ピニオン73の回転を、図に示す矢印Aの方向にのみ伝達し、逆方向には空転することによって伝達しない。
【0043】
次に、いせ込み用糸目変形器具20の作用について説明する。操作部23を鋏のように開閉すると、上下の第1支点34の上下間隔が変化する。以下に、第1支点34の上下動と布地1の引き伸ばし、および固定用テープ3による糸目の固定について詳述する。
【0044】
図5は、第1支点34の上下動と、それに伴う上挟持部24、下挟持部26およびテープ押え板50の動きを示す説明図である。図5(イ)は、操作部23を閉じる方向に操作し、上下の挟持板28が布地1を挟み点29で挟んだ直後の状態を示す。操作部23での第2アーム21の操作に伴い、第1支点34、第1アーム30、上挟持部24および下挟持部26は、図の二点鎖線の位置から実線の位置まで移動し、布地1を支持している。即ち、第2アーム21およびそれを支持する第2支点22は、第1支点34の移動手段であるとともに、上挟持部24および下挟持部26の移動手段ともなっている。また、上挟持部24、下挟持部26およびこれらの挟持部移動手段は、布地1の支持手段となっている。このとき、布地1の上側には固定用テープ3が、その粘着面を下(布地1側)にして導かれており、上下のテープ押え板50は、布地1と固定用テープ3とを上下から挟み込む位置にある。しかしテープ押え板50と布地1、固定用テープ3とは未だ接しておらず、固定用テープ3による布地1の糸目の固定は成されていない。
【0045】
図5(ロ)は、第2アーム21を更に閉じる方向に操作し、上挟持部24および下挟持部26の前後間隔が最も開いた状態を示す。操作部23の操作に伴い、第1支点34、第1アーム30、上挟持部24および下挟持部26は、図の二点鎖線で示す図5(イ)の位置から実線の位置まで移動している。第1支点34の上下間隔は、図5(ロ)の状態より小さくなっているが、上挟持部24と下挟持部26との上下間隔は、既に最小となっているので、変化していない。第1支点34は、第1アーム30の内角を拡大することによって、その上下間隔を縮小している。このように、第1支点34の移動手段は、第1アーム30の内角変動手段ともなっている。また、第1アーム30の内角の拡大に伴い、矢印で示すように上挟持部24および下挟持部26は、その前後間距離を拡大するように移動している。この際、第1アームスプリング36(図4)の作用により、第1アーム30には復元力が負荷されるため、上挟持部24、下挟持部26を介して挟持板28を布地1に押し付ける力が働く。従って挟持板28は、図5(イ)で布地1を挟持した挟み点29を維持した状態で前後に引き離されるように拡がる。その結果、布地1の糸目は前後に拡大される。このように、第1アーム30、第1支点34および第1アーム内角30の内角変動手段は、布地1の引き伸ばし手段ともなっている。上挟持部24、下挟持部26の動きは、上挟持部24がストッパねじ61の先端に当接する位置(以下、最大ストロークという)で止まる。ストッパねじ61は、布地1の引き伸ばし量が狙いの値になるよう、ねじ調整可能となっている。上下のテープ押え板50は、最大ストローク直前に、布地1や固定用テープ3との隙間が無くなるようにねじ調整されている。その後、最大ストロークまでの間、テープ押えスプリング54は押し縮められ、その復元力によって固定用テープ3を布地1に押し付け、糸目を固定する。
【0046】
糸目を固定した後は、操作部23で第2アーム21を開く方向に操作することにより、第1支点34の上下間隔が拡がり、布地1を引き伸ばす力は解除される。しかし、布地1の糸目は固定用テープ3によって固定されているので、糸目の固定は維持される。以上、一連の動作により、布地1の引き伸ばしと、上挟持部24および下挟持部26の動作に連動した糸目の固定が成されるが、糸目を固定する範囲が広い場合は、この動作を複数回繰り返す必要がある。その際、未固定の縫製辺2を上下のテープ押え板50の間に逐次移動させる必要がある。以下、そのための連動布送り手段について説明する。
【0047】
図4に示すラック71は、上側の第2アーム21に取り付けられている。一方ピニオン73は、下挟持部26を貫通する送りローラ駆動軸80と同軸に取り付けられている。従って、第2アーム21の開閉によって、ピニオン73はラック71上を転動する。そして、ピニオン73の回転は、矢印Aの方向には送りローラ駆動軸80に伝達されるが、逆方向はワンウェイクラッチ74の空転により伝達されない。即ち、第2アーム21を開く方向に操作したときのみ、送りローラ駆動軸80が矢印Aの方向に回転する。
【0048】
送りローラ駆動軸80の矢印A方向の回転に伴い、一体回転する送りローラ82は矢印B方向に回転する。更に、送りローラベルト84が矢印C方向に回転するので、送りローラ83も矢印B方向に回転する。従って、第2アーム21を閉じる方向に操作して布地1を引き伸ばし、固定するときは送りローラ82,83が回転せず布地1は送られない。第2アーム21を開く方向に操作して布地1を解放するときは送りローラ82,83が矢印B方向に回転し、布地1が送られる。このように、布地1の送りは、第2アーム21の開閉に伴う上挟持部24および下挟持部26の動作に連動して成される。
【0049】
なお、下側の第1アーム30の開閉により、下挟持部26の前後間隔および下挟持部26とピニオン73との前後間隔が変化する。そのとき、送りローラ駆動軸80および送りローラ従動軸81が、後端側の下挟持部26の内部或いはワンウェイクラッチ74の内径部を軸方向に自由に摺動して上記前後間隔の変化を妨げないので、各部の作動は円滑なものとなる。
【0050】
上記のように、第2アーム21の開閉を連続して行うことにより、布地1の引き伸ばし、固定、開放、送りという一連の動作が連動して繰り返し行われる。
【0051】
図6は、本発明のいせ込み用糸目変形器具の第2実施形態を示す側面図である。いせ込み用糸目変形器具20aは、1対の第2アーム21aを備えるが、そのそれぞれに第2支点22aが設けられ、第2アーム21aは、個別の第2支点22aを中心に回転する。また、操作部23aは、第1支点34aと第2支点22aとの間に配設されている。以上の点は、第1実施形態と異なっているが、本発明のいせ込み用糸目変形器具では第2支点22の数や第1支点34、第2支点22および操作部23の位置関係を限定しておらず、器具の大きさ、使用部位等によって、適宜決定し得る設計事項として良い。例えば、特に図示しないが、操作部23aを、第1支点34aを挟んで第2支点22aの反対側に配設するようにしても良い。
【0052】
その他の第1アーム30a、上挟持部24a、下挟持部26a、挟持板28a、テープ押え板50a、テープ押えスプリング54aおよび図外のテープローラ40等は、第1実施形態の第1アーム30、上挟持部24、下挟持部26、挟持板28、テープ押え板50、テープ押えスプリング54およびテープローラ40等と同様の作用をなす。なお、第2実施形態には布送り手段を設けていないが、このように布送り手段を設けず、器具をより簡単、小型な構造としても良い。
【0053】
第1実施形態に示す連動布送り手段は、上記のようなラック、ピニオン式の歯車機構とせず、摩擦ローラその他の動力伝達機構、或いはモータ等によるものであっても良く、必ずしも連動式でなくても良い。
【0054】
テープ押え板50は、上記実施形態のように、第1支点34で支持される軸に設けなくても良い。例えば、前後の上挟持部24または下挟持部26を、その間隔が変動し得るようにさし渡されたステイで連結し、そのステイによってテープ押え板50が支持されるようにしても良い。また、テープ押え板50の作動は、上挟持部24や下挟持部26の動作と連動しないようにしても良い。更に、テープ押え板50は、必ずしも布地1の表裏両面から押圧するものでなくても良く、片側から押圧するようにしても良い。
【0055】
第1支点34の移動手段としては、第2アーム21を設けず、図5に示す機構を適当な作業台に設置するようにしても良い。また、第1アーム30の内角変動手段として、第1支点移34の動手段と共通とせず、別途ステップモータ等の手段を設けても良い。更に、布地1の引き伸ばし手段として、第1支点34や第1アーム30を設けず、支持手段によって支持された布地1の支持部を、適当な機構によって前後に引き離すような装置としても良い。
【0056】
支持手段として、上挟持部24および下挟持部26を用いなくても良い。適当な固定手段、例えば固定ピンや粘着テープ等を用いても良い。
【0057】
いせ込み糸目固定器具20には、必ずしも糸目固定手段を備えなくとも良い。備える場合は、上記実施形態のような固定用テープ3の他に、例えば、樹脂、接着剤等を布地1に塗布するもの、ヒータ等による熱圧着によるもの、ステープル等を打ち込むもの、または簡易的なミシンで仮止めするもの等でも良い。
【0058】
また、この器具は、布地1の引き伸ばし機能を用いることにより、布地の引張り試験に利用することもできる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明のいせ込み糸目固定方法は、布地を立体化するために、一定方向の糸目を密にして縫製辺を短くするいせ込み糸目固定方法であって、上記縫製辺を短くするために、その縫製辺と交わる方向に布地を伸ばす工程と、短くした上記縫製辺の糸目を固定する工程とを含むことを特徴とするので、いせ込み縫製にあたって、布地を小さな山谷状に折込む工程を必要とせず、適当な手段によって布地を伸ばし、その糸目を固定しておくことができる。その後、伸ばした方向と略直交する、短くなった縫製辺を相手布地と通常に縫製するだけで、所定のいせ込み縫製を容易に行うことができる。
【0060】
また、本発明のいせ込み用糸目変形器具は、布地を立体化するために、一定方向の糸目を密にして縫製辺を短くするいせ込み糸目固定方法であって、上記縫製辺を短くするために、その縫製辺と交わる方向に布地を伸ばす工程と、短くした上記縫製辺の糸目を固定する工程とを含むことを特徴とするので、上記の布地を伸ばす工程を、簡単に行うことができる。いせ込み縫製において、このいせ込み用糸目変形器具で所定の糸目の変形を行い、更に同器具あるいは別途手段によりその糸目を固定した後、相手布地と通常に縫製することにより、容易にいせ込み縫製を行うことができる。従って、縫製技術者の技能に依ることなく、高い品質のいせ込み縫製を行うことができるとともに、投資を押えつつ、生産性と製品品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるいせ込み糸目固定方法を使用した布地の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるいせ込み糸目固定方法において、布地をバイアス変形させた状態をモデル化した説明図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるいせ込み用糸目変形器具の斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるいせ込み用糸目変形器具の機構を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかるいせ込み用糸目変形器具の側面図である。
【図7】従来のいせ込み縫製方法の途中工程を模式的に示す布地の斜視図である。
【符号の説明】
1 布地
2 縫製辺
3 固定用テープ(糸目固定手段)
20 いせ込み用糸目変形器具
21 第2アーム(第1支点移動手段))
22 第2支点(第1支点移動手段))
23 操作部
24 上挟持部(支持手段)
26 下挟持部(支持手段)
28 挟持板
29 挟み点
30 第1アーム(引き伸ばし手段)
34 第1支点(引き伸ばし手段)
50 テープ押え板(テープ押圧手段、糸目固定手段)
61 ストッパねじ
80 送りローラ駆動軸
81 送りローラ従動軸
82、83 送りローラ(布送り手段)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a squeeze thread fixing method and a squeeze thread deformation device for shortening the side to be sewn in close contact with one another in order to make a fabric three-dimensional.
[0002]
[Prior art]
As a technique for making a three-dimensional fabric, it is generally known to perform sew-in sewing in which a side to be sewn is densely sewn and shrunk in a certain direction. In the conventional squeeze-in process, the side to be sewn is folded into a small mountain-valley shape and sewn with the mating fabric, and then the valleys are flattened by ironing to increase the density of the stitches. For example, Japanese Laid-Open Patent Publication No. 05-184552 discloses a sewing machine that automatically performs the above steps.
[0003]
FIG. 7 is a perspective view of the
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in order to sew while being folded in a mountain or valley shape so as not to cause wrinkles or unevenness of the stitches due to ironing, a high level skill of a skilled sewing engineer is required. On the other hand, a dedicated device such as a sewing machine capable of performing sewing sewing relatively easily tends to be expensive due to its complicated mechanism. In addition, since it is a special application, it is effective in the flow work process where only the squeeze is processed at one place.For example, a sewing maker in a factory appropriately performs sew-in sewing during each sewing work. It is not suitable for such cases. Accordingly, there has been a demand for a method capable of easily performing sew-in sewing, or a small and simple mechanism instrument that allows each maker to easily perform sew-in sewing.
[0005]
In view of such circumstances, the present invention provides a squeeze thread fixing method capable of easily performing sew-in stitches without having to fold the side to be sewn into a small mountain-valley shape. It is an object of the present invention to provide a thread changing device for squeezing with a small and simple mechanism capable of performing squeeze sewing.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The invention of
[0007]
The invention of claim 2 is the squeezing thread fixing method according to
[0008]
According to these inventions, the fabric is stretched in a certain direction by utilizing the Poisson effect (details will be described later) of the fabric that the fabric stretched in one bias direction contracts in the other bias direction. The sewing side along the direction intersecting with the direction can be shortened and the state can be fixed. Therefore, the process of folding the fabric into small ridges and valleys is not required for sewing sewing. In other words, the predetermined sew-in sewing can be easily performed by simply sewing the sewing side of the fabric, to which the stitches are fixed by the above method, with the mating fabric. Further, when the fabric is stretched and the stitches are repeatedly fixed in order, the sewing side can be fixed over an arbitrary length. Although the fabric stretches best in the bias direction, the stretching direction does not have to be exactly the bias direction, and even if the fabric is stretched in a direction slightly deviated from the biasing method, a compression effect corresponding to the yarn can be obtained.
[0009]
The invention according to
[0010]
According to a fourth aspect of the present invention, in the thread changing device for squeezing according to the third aspect, as the support means, an upper clamping portion and a lower clamping portion for clamping the fabric from both sides, the upper clamping portion and the lower clamping portion, And holding part moving means capable of changing the distance between the front and back sides of the fabric.
[0011]
According to a fifth aspect of the present invention, there is provided the threading deformation device for squeezing according to the fourth aspect, wherein the stretching means includes a pair of first fulcrum provided on both sides of the cloth and a predetermined distance from the first fulcrum. An arm that extends in the direction of stretching the fabric with an inner angle, the first arm having the upper clamping portion or the lower clamping portion connected to the tip thereof, and the first arm inner angle variation that can vary the inner angle of the first arm Means.
[0012]
A sixth aspect of the present invention is the squeezing thread deformation device according to the fifth aspect, further comprising a first fulcrum moving means capable of changing a distance between the first fulcrum and the cloth ground, the clamping part moving means and the above The first arm internal angle varying means is common to the first fulcrum moving means.
[0013]
According to a seventh aspect of the present invention, there is provided the threading deformation device for squeezing according to the sixth aspect, wherein the first fulcrum moving means includes a pair of second arms that support the first fulcrum at one end thereof, And a second fulcrum that supports the two arms and allows the second arm around the support point to freely rotate within a predetermined range.
[0014]
The invention of claim 8 is characterized in that in the thread changing device for threading according to any one of
[0015]
The ninth aspect of the invention is the squeezing thread deformation device according to the eighth aspect, wherein the thread fixing means includes a fixing tape and a tape pressing means capable of pressing the fixing tape against the fabric. And
[0016]
According to a tenth aspect of the present invention, in the squeezing thread deformation device according to the eighth or ninth aspect, the tape pressing means presses the fixing tape in conjunction with the operation of the upper clamping portion or the lower clamping portion. It is obtained.
[0017]
The invention of claim 11 is the squeezing thread deformation device according to any one of
[0018]
According to a twelfth aspect of the present invention, in the thread changing device for squeezing according to the eleventh aspect, the cloth feeding means feeds the cloth in conjunction with the operation of the upper clamping part or the lower clamping part. And
[0019]
According to the third to twelfth aspects of the present invention, by using this squeezing thread deformation device, the squeezing thread fixing method of the present invention can be easily carried out. If the sewing side is shortened in advance with this squeezing thread changing device and the thread is fixed by this device or by other means, the skill of the sewing engineer can be obtained only by sewing the sewing side and the mating fabric normally. This makes it possible to carry out high-quality garment sewing without depending on. In addition, this threading device for squeezing has the basic function of supporting and stretching the fabric. Even if it includes the additional function of fixing the state and feeding the fabric, the conventional squeezing is performed. Compared to a sewing machine, it can be manufactured with a much simpler mechanism and can be manufactured at a low cost. Therefore, for example, if all the sewing engineers in the factory prepare this threading deforming device at hand and can use it freely as necessary, it will improve productivity and product quality while holding down investment. be able to.
[0020]
This squeezing thread-deformation instrument is a link mechanism comprising an upper clamping part, a lower clamping part, a first fulcrum, a first arm, a second fulcrum, and a second arm, and a clamping part moving means, a first arm internal angle varying means, If the first fulcrum moving means and the first arm internal angle varying means are both in common with the first fulcrum moving means after operating the first fulcrum moving means in an appropriate combination, As shown, it is possible to provide an instrument that can stretch the fabric by simply opening and closing the second arm as easily as using a scissors.
[0021]
When the second arm is operated in the closing direction around the second fulcrum, the first fulcrum provided at one end thereof moves so as to approach each other. At the same time, the first arm connected to the first fulcrum and the upper and lower clamping portions provided at one end thereof also move so as to approach each other. The upper and lower clamping portions move so as to approach each other until the fabric is sandwiched and fixed, but if the second arm is further closed from the state in which the fabric is sandwiched and fixed, the inner angle of the first arm increases. Thereby, only the 1st fulcrum moves so that it may mutually approach, without the mutual distance of an up-and-down clamping part changing. At that time, as the inner angle of the first arm increases, the upper and lower clamping parts sandwiching both ends in the extending direction of the extending part are pulled apart while maintaining the holding point. Accordingly, the stretched portion is stretched, and accordingly, the sewing side that is substantially orthogonal to the stretching direction is shortened in the direction along the side. When releasing the stretch of the fabric, if the second arm is operated in the opening direction, the stretch of the fabric is released by the movement opposite to the above action.
[0022]
However, the second arm and the second fulcrum are not necessarily required as the first fulcrum moving means. Further, the holding part moving means and the first arm internal angle varying means are not necessarily common to the first fulcrum moving means. These mechanisms can be appropriately determined depending on the size of the fabric, the device, and other design factors.
[0023]
In addition, if a thread fixing means is provided in this squeezing thread deformation device, the thread can be fixed almost simultaneously with the stretching of the fabric, and the work is efficiently performed when the fabric is stretched and fixed repeatedly while feeding the fabric. be able to. Furthermore, if this thread fixing means is interlocked with the operation of the upper clamping part or the lower clamping part, the working efficiency can be further improved.
[0024]
As the above-mentioned thread fixing means, if it has a fixing tape and a tape pressing means that can press the fixing tape against the fabric, it can be provided in this threading deformation device for squeezing with a simple link mechanism, The thread can be reliably fixed over an arbitrary length.
[0025]
If the cloth feeding means is provided in the squeezing thread deformation device, the work of continuously stretching while feeding the cloth can be efficiently advanced. Further, if the cloth feeding means is interlocked with the operation of the upper clamping part or the lower clamping part, the working efficiency can be further improved.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An embodiment of the squeezing thread fixing method and the squeezing thread changing device of the present invention will be described with reference to FIGS. FIG. 1 is a perspective view of the
[0027]
In this way, the
[0028]
The fundamental difference between the sew-in sewing according to this embodiment and the conventional sew-in sewing shown in FIG. 7 is that the conventional process of folding into a mountain-and-valley shape compresses the yarn directly to make it dense. On the other hand, in the present embodiment, when the fabric is stretched in the bias direction, the yarn becomes sparse and stretches, and the yarn is densely compressed in the other bias direction orthogonal thereto, and the property called Poisson effect is compressed. It is a point using. When the fabric is stretched, it does not bend unlike the case where it is compressed, so that it can be stretched easily and without unevenness. At the same time, the stitches are uniformly compressed in a direction substantially perpendicular to the stretching direction.
[0029]
Furthermore, if the thread is densely fixed using an appropriate tool (for example, an igniting thread-deformation apparatus described later), the embroidery sewing can be performed more easily. At this time, even if the length La of the
[0030]
Next, the Poisson effect of the fabric and the characteristic formula relating to wrinkling using the fabric will be described by modeling. FIG. 2 is an explanatory diagram modeling a state in which the fabric is subjected to shear deformation (hereinafter referred to as bias deformation) along the line. FIG. 2A shows the
[0031]
In general, when a load (for example, tensile force) is applied to an object, the Poisson effect is that deformation (stretching) occurs in the direction perpendicular to the load direction while deforming (stretching) in the load direction. As described above, the Poisson effect is also observed in the fabric, and the generation mechanism can be explained by the deformation of the yarn. The Poisson effect is most noticeable in the bias direction.
[0032]
In FIG. 2, assuming that the elongation of the diagonal line is Es and Et, and Es = s ′ / s and Et = t ′ / t, respectively. 2 + Et 2 = 2 is obtained. For example, when Et = 1.1, Es = 0.89. This indicates that if the diagonal t is extended by 10%, the other diagonal s is reduced by 11%. Further, since the area of the
[0033]
By the way, there is a dart as another well-known method for three-dimensionalizing a fabric. The dart is to three-dimensionalize the fabric by removing a part of the fabric and stitching it. At that time, the relationship between the removed area dS ′ and the dart height h ′, which is the degree of three-dimensionalization, is h ' 2 = K · dS ′. k is a constant determined by the center angle of the dart. Thus, the dart height h ′ increases as the removed area dS ′ increases. The sagging height h in the sacrificial sewing may be considered in the same manner as the dart. If the area reduced due to the dense thread is dS, h 2 = K · dS. In addition, the depth of penetration Ld (see FIG. 1) can be defined as corresponding to the dart radius, and is represented by Ld = A / Lb. Here, A is the area of the region subjected to bias deformation.
[0034]
Assuming that the intrusion is associated with the dart as described above, the intrusion of the reduced area dS and the intrusion depth Ld has a radius Ld and a center angle of 2 · dS / Ld. 2 The same three-dimensional effect as that of darts can be obtained. Ld can be set as appropriate by adjusting the stretched region.
[0035]
FIG. 3 is a plan view of the
[0036]
Next, description will be given of a threading deformation device for squeezing which can more easily implement the squeezing thread fixing method of the present invention. However, it is not always necessary to use the squeezing thread-deformation device of the present invention in carrying out the above-described squeezing thread fixing method, and further, it may be performed without using any particular instrument or device.
[0037]
FIG. 4 is a perspective view showing a first embodiment of the thread changing device for squeezing according to the present invention. In FIG. 4 and FIG. 5 to be described later, for the sake of brevity, the longitudinal direction of the
[0038]
Further, a
[0039]
A
[0040]
A
[0041]
[0042]
A
[0043]
Next, the action of the squeezing
[0044]
FIG. 5 is an explanatory view showing the vertical movement of the
[0045]
FIG. 5B shows a state in which the
[0046]
After fixing the stitches, by operating the
[0047]
The
[0048]
As the feed
[0049]
Note that the front-rear distance of the lower holding
[0050]
As described above, by continuously opening and closing the
[0051]
FIG. 6: is a side view which shows 2nd Embodiment of the thread deformation | transformation instrument for squeezing of this invention. The squeezing
[0052]
The other
[0053]
The interlocking cloth feeding means shown in the first embodiment is not limited to the rack or pinion type gear mechanism as described above, but may be based on a friction roller or other power transmission mechanism, or a motor, and is not necessarily an interlocking type. May be.
[0054]
The
[0055]
As a means for moving the
[0056]
As the support means, the
[0057]
It is not always necessary to provide the
[0058]
Moreover, this instrument can also be used for the tension test of the fabric by using the stretch function of the
[0059]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, the squeeze thread fixing method of the present invention is a squeeze thread fixing method for shortening the sewing side by densely fixing the threads in a certain direction in order to make the fabric three-dimensional. In order to shorten the sewing side, the method includes a step of stretching the fabric in a direction intersecting with the sewing side and a step of fixing the thread of the shortened sewing side. It is possible to stretch the fabric by an appropriate means and fix the stitches without the need to fold it into a small valley. Then, predetermined sewing sewing can be easily performed only by sewing the shortened sewing side that is substantially orthogonal to the stretched direction with the mating fabric.
[0060]
In addition, the squeezing thread deformation device of the present invention is a squeezing thread fixing method for shortening the sewing side by making the threads in a certain direction dense in order to make the fabric three-dimensional. In addition, the method includes a step of stretching the fabric in a direction intersecting with the sewing side and a step of fixing the thread of the shortened sewing side, so that the step of stretching the fabric can be easily performed. . In sew-in sewing, sew-in-sewing is easily performed by performing predetermined thread deformation with this squeezing thread-deformation device, and further fixing the thread with the same device or by another means and then sewing normally with the mating fabric. It can be performed. Therefore, high-quality garment sewing can be performed without depending on the skill of the sewing engineer, and productivity and product quality can be improved while holding down investment.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view of a fabric using a false thread stitch fixing method according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an explanatory diagram modeling a state in which the fabric is bias-deformed in the squeeze thread fixing method according to the embodiment of the present invention.
3 is a plan view of FIG. 1. FIG.
FIG. 4 is a perspective view of a squeezing thread changing device according to an embodiment of the present invention.
FIG. 5 is an explanatory view showing the mechanism of the squeezing thread changing device according to one embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a side view of the squeezing thread changing device according to one embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a perspective view of a fabric schematically showing an intermediate step of a conventional sew-in sewing method.
[Explanation of symbols]
1 Fabric
2 Sewing edges
3 Fixing tape (thread fixing means)
20 Threading deformation device
21 Second arm (first fulcrum moving means))
22 Second fulcrum (first fulcrum moving means))
23 Operation unit
24 Upper clamping part (support means)
26 Lower clamping part (support means)
28 Clamping plate
29 pinch point
30 First arm (stretching means)
34 First fulcrum (stretching means)
50 Tape holding plate (tape pressing means, thread fixing means)
61 Stopper screw
80 Feed roller drive shaft
81 Feed roller driven shaft
82, 83 Feed roller (cloth feed means)
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