JP3929745B2 - Adsorbent for blood purification and production method thereof - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた血液適合性を有し、患者の血液中に産生される病因物質を選択的に除去する血液浄化用吸着剤及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、我が国には既に20万人弱の慢性腎不全症の患者があり、今後急速に高齢化の進むなか更に患者が増加することは確実である。このように多数の慢性腎不全症患者があるにも拘わらず、根本的治療法はなく、延命を目的とした対症療法の血液透析療法しかないのが現状である。
血液透析療法としては、セルロース系天然高分子物質、あるいはポリスルホンやポリメタクリル酸メチルなどの合成高分子物質を素材にした中空糸膜型人工腎臓を使用して患者の血液中に産生、蓄積された尿毒症関連物質などの有害物質を除去するのが一般的である。透析膜壁には直径:10〜100nm程度の微細孔が貫通するように作製されており、この孔から有害物質は浸透圧差によって血液側から透析液に移行する。しかし、膜壁の貫通孔の物質透過性には上限があり、通常、膜の性能評価法の上限としてアルブミン(Alb、分子量:70000)の透過阻止率が99.5%程度になるように設計されている。しかも、その孔の直径を均一に作製することは技術的に極めて困難であり、ある程度の分布を持つことは避けられない。従って、Albの阻止率を100%にすると低分子領域の物質透過性も低下する。
【0003】
一方、透析治療の治療技術などの向上によって患者の延命率が向上し、透析治療年数も延長している。そのために、多くの合併症も認められるようになった。それらのうち、特に殆どの患者に皮膚のアミロイドシス症に関連した掻痒感、骨痛、関節痛、毛根管症候群などの多彩な合併症が認められるようになるが、その原因は患者の血液中のβ−ミクログロブリン(β−MG、分子量:12000)が異常産生され、それが体内の各組織に沈着することによるとされている。現在、透析膜の厚さを薄膜化して、この物質の除去率を向上させようという試みもなされているが、薄膜化することによる膜の強度低下、透析液側からの発熱性物質のバックフィルトレーションなどの負の効果もあり、透析膜での患者の血液中のβ−MGを充分に除去することは限界に達している。
【0004】
このように現在の透析膜による治療法では充分に除去できないβ−MGを何らかの方法で除去しない限り、透析合併症の患者は増加の一途を辿るおそれがある。
その対策の一つとして吸着剤によるβ−MGの除去療法がある。
吸着による病因物質の選択的除去法は既に確立した治療法であり、高脂血症、重症筋無力症、高ビリルビン血症などの患者に対してそれぞれ適切な吸着剤を使用することによって優れた臨床成績が得られている。しかし、これらは何れも血液を一旦、有形成分(赤血球、白血球、血小板)と血漿とに分離して、血漿中の病因物質を選択的に吸着除去するプラズマ灌流法(Plasma Perfusion)である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した如き現状に鑑みなされたもので、血液透析療法に組み込み直接血液灌流法で透析患者の血液中のβ−MGを効果的に吸着除去することが出来る、血液適合性に優れ、且つ安価な血液浄化用吸着剤とその製造法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、炭酸根が導入されてなる水酸化リン酸カルシウムに関する。
また、本発明は、炭酸ガス雰囲気下でリン酸アンモニウムと硝酸カルシウムとを反応させることを特徴とする、炭酸根が導入された水酸化リン酸カルシウムの製造法に関する。
更に、本発明は、炭酸根が導入された水酸化リン酸カルシウムを含んでなる血液浄化用吸着剤に関する。
更にまた、本発明は、炭酸根が導入された水酸化リン酸カルシウムを組込んでなる透析装置に関する。
【0007】
即ち、本発明者らは、透析患者の血液中のβ−MGを、血液透析療法に組み込み、直接血液灌流法で効果的に吸着除去することが出来る吸着剤を求めて鋭意研究を重ねた結果、炭酸根が導入されてなる水酸化リン酸カルシウムが該目的を達成し得ることを見出し本発明を完成するに到った。
本発明の目的に適う吸着剤の要求性能としては、より詳細には、▲1▼ヒトに対して無害・無毒で安全であること、▲2▼血液中の有用・有効成分を吸着しないこと、▲3▼特定の病因物質のみ選択的に吸着除去すること、▲4▼血栓の形成、あるいは溶血を惹起しないこと、▲5▼滅菌処理が可能な素材であること、▲6▼安価であることなどが挙げられる。
【0008】
本発明者らは、このような観点から血液適合性の良好な素材としてヒドロキシアパタイト(HAP)及びその類縁物質としてリン酸カルシウムを選択した。
HAPは動物の骨組織の主成分であり、すでに整形外科あるいは歯科材料として臨床で使用されている。
本発明者らは、HAPの生体適合性に注目して、そのうちの血液適合性について数名の健常者の混合血漿を用いてin vitroで検討し、優れた測定結果を得ている(Seisuke Takashima, Satoshi Hayakawa, Chikara Ohtsuki, Akiyoshi Osaka, Bioceramics, 9:217-220, 1996)。また、それと同時にHAPへのAlb,β−MGの吸着挙動についても検討したが、Albの吸着率が低値であることは望ましいことであるが、本発明の主目的の病因物質のβ−MGの吸着率も低値であった。
【0009】
β−MG及びAlbは何れも蛋白質であり、それらは必須アミノ酸の分子量を100として算定すると、約100〜700個が結合しており、それらの化学的構造は前者が糖蛋白質であるのに対し、後者は非糖蛋白質であるという相違点はあるものの、それらの分子内にはアミノ酸の結合数に相当する−NHCO−(ペプチド結合)が存在し、分子の両末端はそれぞれNH−と−COOHになっている。蛋白質の電子密度を分子軌道法で計算すると、NHの位置は正に、COOHの位置は当然のことながら負に帯電しているという傾向が得られている(Seisuke Takashima, Shinji Takemoto, Satoshi Hayakawa, Akiyoshi Osaka: Bioceramics, 13:800-800,2000)。
【0010】
上述したように、蛋白質分子は血漿中で、電気的には正、負に分極していると考えられる。したがって、HAPのリン酸根(PO 3−)に蛋白質の−NH−基が静電的に結合すると考えられる。更に、β−MGは糖分子部分もあり、その分子内にはOH基もあり、吸着剤との間には水素結合の形成も当然予想されることである。Albを構成しているアミノ酸のうちにもセリンのようにOH基を有するものもあるが、その個数は少ない。
【0011】
このようなことから、従来のHAPに対して、リン酸根とは電離定数の異なる新しく負に帯電した吸着サイトを導入することによって、Albとβ−MGの吸着能に差が生じ、望むらくは、β−MGに対して選択的吸着能を有する材料の設計を目指した。
導入する原子団には、炭酸根、酢酸根、硫酸根、硝酸根、などが考えられたが、これらのうち呼吸代謝と関連があるもの、最も生体に対して安全性が高いと考えられるものとして、本発明者らは炭酸根の導入を選択した。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る、炭酸根が導入されてなる水酸化リン酸カルシウム(以下、CAPと略す。)は、例えば、炭酸ガス雰囲気下でリン酸アンモニウムと硝酸カルシウムとを反応させることにより容易に得られる。
より具体的には、炭酸ガス雰囲気下で水中に溶存している酸素を除去した蒸留水に硝酸カルシウムを溶解し、炭酸ガス雰囲気下、炭酸ガス濃度が5〜35%、好ましくは5〜30%、より好ましくは15〜25%になるように窒素と炭酸ガスを混合してなる炭酸ガス雰囲気下で、これに、上記と同様にして水中に溶存している酸素を除去した蒸留水にリン酸水素アンモニウムを溶解したリン酸水素アンモニウム水溶液を加えて反応させる。反応は、通常室温で行われるが、必要に応じて適宜加温、冷却等を行うことは任意である。なお、反応時、生成したCAPが沈殿するように反応系にアンモニア水を導入し、アルカリ側(例えばpH=11)で反応を行うのが好ましい。
【0013】
リン酸アンモニウムと硝酸カルシウムの使用割合は、カルシウムとリンの比率(Ca/P)が1.67±0.01のCAPが得られるようにそれぞれの使用量を設定するのが望ましい。血液適合性をよくするために、骨と同一組成のものにする必要があるからである。
反応は通常、数分〜数十分で完了するが、その後も、大気中で撹拌を続け(通常24時間)熟成を行うのが好ましい。
かくして得られた生成物を常法により濾取、水洗、乾燥し、要すればこれを更に水洗、濾取、乾燥すれば、目的とする、炭酸根が導入された水酸化リン酸カルシウム(CAP)が得られる。これを要すれば適当な粒径まで粉砕し、篩い分けした後、所定の温度で数時間焼成すれば、血液浄化用吸着剤として更に優れたCAPが得られる。焼成温度は、通常400〜700℃、好ましくは350〜4550℃である。
【0014】
本発明に係る、炭酸根が導入された水酸化リン酸カルシウム(CAP)は、血液浄化用吸着剤として効果的に使用し得る。より具体的には、血液中の特定の病因物質を選択的に吸着除去するための血液浄化用吸着剤として有効に使用し得る。
更に具体的には、本発明に係るCAPは、例えば血液中のβ−MGの吸着除去に極めて効果的に使用し得る。即ち、より具体的には、本発明に係るCAPの、血液中のβ−MGの吸着能は、炭酸根が導入されていない通常のヒドロキシアパタイト(水酸化リン酸カルシウム)のそれが89.2±14.6μg/gであるのに対し、通常110μg/g以上、好ましくは140μg/g以上、より好ましくは170μg/g以上であって、より好ましいものでは通常のヒドロキシアパタイト(水酸化リン酸カルシウム)に比べて2倍以上の値を示す。(換言すれば、本発明のより好ましいCAPによる血液中のβ−MGの除去率は通常のヒドロキシアパタイトの2倍以上である。)
更に、本発明に係るCAPは、血液適合性にも問題がないので、これを透析装置に組込むことにより、即ち、例えばこれを吸着剤として用いた吸着処理を腎不全患者の透析と組合わせることにより、より具体的には、本発明に係るCAPを含んでなる血液浄化用吸着剤を用いた吸着処理装置を透析装置に組込むことにより、腎不全患者のβ−MGを効果的に除去することが出来、それによって皮膚掻痒症、骨痛、関節痛、毛根管症候群などの合併症の防止にも効果が期待できる。
本発明に係るCAPを吸着剤として用いた吸着処理を腎不全患者の透析と組合わせて腎不全患者のβ−MGを除去する場合には、血液を体外で処理することになるが、血液を体外で処理するに当たっては、血液の体外循環量を少なくすることが重要であり、また、血液と異物との接触を極力減らすことも重要である。斯かる観点からも、本発明のCAPによる血液中のβ−MGの除去率が、上記した如く、通常のヒドロキシアパタイトのそれに比べて2倍以上であるということは、吸着剤の量がヒドロキシアパタイトの場合の半分以下ですむということであるから、メリットは大きい。因みに、吸着剤は、通常、1セット当たり200〜300g程度用いられる。
【0015】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0016】
実施例1(本発明に係るCAPの合成)
グローブボックス中で、その雰囲気の炭酸ガス濃度が5〜30%になるように窒素と炭酸ガスを混合して2.0ml/minの流速で通気しながら、その雰囲気下でカルシウムとリンの比率(Ca/P)=1.67のヒドロキシアパタイト、即ち、本発明に係るCAPを以下の操作手順により合成した。
(1)500ml及び477mlの蒸留水を上記の炭酸ガス雰囲気下で30分間撹拌して水中に溶存している酸素を除去した。
(2)500mlの蒸留水に59gの硝酸カルシウム・4水和物(Ca(NO/4HO)を撹拌・溶解して、0.5M−Ca(NO溶液を調製した。
(3)477mlの蒸留水に18.9gのリン酸水素アンモニウム(NHHPO)を溶解して0.3M−(NHHPO溶液を調製した。
(4)(3)で得られた0.3M−(NHHPO溶液に25mlの28%アンモニア水を送液ポンプを用いて3.0ml/minの流速で添加した。
(5)(4)で得られた溶液を送液ポンプを用いて3.0ml/minの流速で上記(2)で得られた0.5M−Ca(NO溶液に添加して撹拌混合した。
(6)上で得られた混合溶液を大気中で24時間撹拌し熟成した。
(7)生成物を吸引濾過し、濾取した生成物を蒸留水で洗浄した。
(8)生成物を105℃にて48時間乾燥した。
(9)上記乾燥品を1Lの蒸留水に1時間分散して洗浄した後、濾過した。
(10)上で得られた生成物を105℃にて48時間乾燥した。
(11)上で得られた乾燥品をアルミナ製乳鉢で粉砕後、篩にかけ、粒子径:150−300μmの粉末を吸着実験用の試料とした。
以下、合成時の試料の調製は、この試薬類の混合比に基づいて、その実験スケールに合わせて、少量、あるいは多量の処理を行った。
得られた試料を昇温速度:5℃/minで所定の温度(400、600,700℃)で焼成して、その温度で3時間保持した。
【0017】
得られたCAPのうち、炭酸ガス濃度5%及び15%でそれぞれ400℃及び700℃で反応させたものについて測定した、炭酸イオンバンド範囲である850〜950cm−1及び1400〜1600cm−1におけるIRスペクトルを図1に示す。
図1中、(a)は炭酸ガス濃度5%で反応、焼成温度400℃のCAP、(b)は炭酸ガス濃度5%で反応、焼成温度700℃のCAP、(c)は炭酸ガス濃度15%で反応、焼成温度400℃のCAP、(d)は炭酸ガス濃度15%で反応、焼成温度700℃のCAPのスペクトルデータをそれぞれ示している。
図1から明らかなように、プロファイルは、焼成温度に伴い変化した。879、1450及び1545cm−1でのCO 2−イオンのIR吸収ピークは、OHイオンと置き換わったもの(部位A)、872、1420及び1500cm−1でのCO 2−イオンのピークは、PO 3−イオンと置き換わったもの(部位B)である。 OHイオン部位における炭酸イオンの割合を経験的に導き出すために、875cm−1のダブレットバンドに分解した。その範囲が0.4〜0.6であったことから、その割合は加熱温度及び気相ガスのCO含有量によりコントロール可能であることがわかる。
【0018】
実施例2(CAP吸着剤の血液適合性の評価)
実施例1で得られた各種CAPからなる吸着剤について血液適合性の評価を以下の操作手順により行った。
(1)1.0mlの生理食塩液(pH:7.4)に0.1gの吸着剤を浸漬して、オートクレーブで121℃にて10分間、加熱脱泡処理した(試料群A)。
(2)8名の健康な青年男子の被験者から各27ml採血し、抗凝固剤として3.8%のクエン酸ナトリウム水溶液を3.0mlを添加し、3000rpmで10分間、遠心分離処理して血漿を得た(新鮮血漿:F−Plas.)。
(3)試料群Aに夫々F−Plas.を2.0ml添加して、37℃にて3時間振とうした。
(4)これらを濾過し、濾液を被験血漿として試料群Aの血液凝固性を検討した。
【0019】
血液凝固性を自動測定装置(オーソ・ダイアグノスティック・システム、KoaguLab.MJ)を用いて
a.部分トロンボプラスチン時間(PTT)
b.プロトロンビン時間(PT)
c.フィブリノーゲン量(Fib)
の3項目によって評価した。対照の吸着剤として、現在、臨床で用いられている(株)クラレ製、血液浄化器(DHP−1)の充填剤のポリメタクリル酸ヒドロキシエチル(PHEMA)コート活性炭(PHEMA−AC)を使用した。
各炭酸ガス濃度の雰囲気中で合成し、焼成して得られたヒドロキシアパタイトの血液凝固性の測定結果を表1に一括して示す。
なお、表1中の吸着剤の欄における、HAPはヒドロキシアパタイトを表し、CAP5〜CAP35はそれぞれのCAP合成時の氣相中の炭酸ガス濃度5〜35%を表し、400,600,700は何れも焼成温度を表す。また、ブランクは混合血清、対照はPHEMA−ACを表す。
【0020】
【表1】

Figure 0003929745
【0021】
表1に示されるように、水酸化リン酸カルシウムを合成する際に、その気相中での炭酸ガス濃度が0〜30%では、炭酸ガスの割合が上昇するにつれて、PTT値がブランク値よりも高値になる傾向が認められるものの、全体的に本発明の処方で得られた吸着剤の血液凝固性に関連する3個のパラメーターは大幅には変化せず、対照試料のPHEMA−ACの測定値と大差ない。この事実は、PHEMA−ACは現在、直接血液灌流の吸着剤として臨床で使用されているものであることから、本発明の吸着剤を血液透析治療と連結する際の第1関門をクリアーしたことになる。
【0022】
実施例3(アルブミン及びβ−MGの吸着性)
選択的血液吸着剤のもう一つの重要な基本的な物性は、血液中の有用成分の吸着量が可能な限り微量であり、標的となる病因物質を効率的に除去することである。そこで、血液中の数多くの有用物質のうちから、透析膜の評価でも使用されるアルブミンを選び、本発明の吸着剤群のアルブミン及び本発明の主眼であるβ−MGの吸着性を測定した。それらの測定結果を表2に一括して示す。
なお、表2中の吸着剤の欄における、HAPはヒドロキシアパタイトを表し、CAP5〜CAP35はそれぞれのCAP合成時の氣相中の炭酸ガス濃度5〜35%を表し、400,600,700は何れも焼成温度を表す。
【0023】
【表2】
Figure 0003929745
【0024】
表2から明らかなように、従来のヒドロキシアパタイトと比較して、5〜25%の炭酸ガスの雰囲気下で合成した本発明に係るCAPのアルブミンの吸着量は、炭酸ガスの濃度が上昇するにしたがって、徐々に低下するという臨床的には望むべき方向に改善されることが確認された。更に、本発明の主目的であるβ−MGの吸着能は顕著に向上するという理想的な選択的血液吸着剤とその合成方法が見出されたことになった。この理由については明らかでないがヒドロキシアパタイトの表面にカルボシキル基濃度が増加することによって、従来のヒドロキシアパタイトと比較して静電的にアルブミンと分子末端のカルボシキル基との相互作用が弱まったのか、あるいは細孔径がやや狭まり、物理的に細孔に嵌り込むことが困難になったのではないかと考えられる。そのことは逆にβ−MGに対しては有利に働き、その吸着能が向上するという望ましい結果を生むこととなった。しかし、気相の炭酸ガス濃度が35%になると、炭酸カルシウムのブロックが増加することによるためか、β−MGの吸着能が低下し、全般的に血液適合性も低下する傾向が認められた。
【0025】
従って、本発明の当初の目的を達成するには、本発明に係るCAPの合成時の気相の炭酸ガスの至適濃度範囲は窒素気流との混合比が5〜25%の領域が望ましいと考えられる。
また、それらの焼成温度については、全ての試料群において、焼成前、400℃、600℃、700℃のうち、400℃で焼成した試料がβ−MGの吸着能が極大値を示した。また、上記表1に示した如く、血液適合性の項目においても、400℃で焼成した試料は、3種類のパラメーターともにブランク値との差が少なく、従って、至適焼成温度領域は350〜450℃であると考えられる。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、血液中のβ−MG等の病因物質を選択的に吸着除去するためのより効果的な吸着除去剤とその製造法を提供するものであり、本発明の吸着除去剤によれば、血液中のβ−MGの除去率が従来からあるヒドロキシアパタイトの倍以上になり、且つ血液適合性も全く問題がないので、腎不全患者の透析に本発明の吸着剤による吸着処理を組合わせることにより、腎不全患者のβ−MGを効果的に除去することが出来、それによって皮膚掻痒症、骨痛、関節痛、毛根管症候群などの合併症の防止にも効果が期待できる点に顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る、炭酸根が導入されてなる水酸化リン酸カルシウムについて測定した、炭酸イオンバンド範囲である850〜950cm−1及び1400〜1600cm−1におけるIRスペクトルを示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an adsorbent for blood purification that has excellent blood compatibility and selectively removes a pathogenic substance produced in the blood of a patient, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
At present, there are already less than 200,000 patients with chronic renal failure in Japan, and it is certain that the number of patients will increase further as the population ages rapidly. In spite of such a large number of patients with chronic renal failure, there is no fundamental treatment, and there is currently only symptomatic hemodialysis for the purpose of prolonging life.
Hemodialysis therapy is produced and accumulated in the patient's blood using a hollow fiber membrane type artificial kidney made of cellulosic natural polymer material or synthetic polymer material such as polysulfone or polymethyl methacrylate. It is common to remove harmful substances such as uremic substances. The dialysis membrane wall is formed so that fine pores having a diameter of about 10 to 100 nm pass through, and harmful substances are transferred from the blood side to the dialysate through the osmotic pressure difference. However, there is an upper limit to the substance permeability of the through-holes in the membrane wall, and usually designed so that the permeation blocking rate of albumin (Alb, molecular weight: 70000) is about 99.5% as the upper limit of the membrane performance evaluation method. Has been. Moreover, it is technically very difficult to make the diameters of the holes uniform, and it is inevitable that the holes have a certain degree of distribution. Therefore, when the Alb rejection is 100%, the material permeability in the low-molecular region is also lowered.
[0003]
On the other hand, improvement in dialysis treatment techniques has increased the survival rate of patients and extended the dialysis treatment years. As a result, many complications have been observed. Among them, most patients have various complications such as pruritus associated with cutaneous amyloidosis, bone pain, joint pain, and root canal syndrome. It is said that β 2 -microglobulin (β 2 -MG, molecular weight: 12000) in the medium is abnormally produced and deposited in each tissue in the body. At present, attempts have been made to reduce the thickness of the dialysis membrane to improve the removal rate of this substance. However, reducing the thickness of the dialysis membrane reduces the strength of the membrane, and backfilling of pyrogenic substances from the dialysate side. There is also a negative effect such as torsion, and it has reached the limit of sufficiently removing β 2 -MG in the patient's blood with a dialysis membrane.
[0004]
As described above, patients with dialysis complications may continue to increase unless β 2 -MG, which cannot be sufficiently removed by current dialysis membrane therapy, is removed by some method.
One countermeasure is β 2 -MG removal therapy using an adsorbent.
The selective removal of etiological agents by adsorption is an established treatment, and it is excellent by using appropriate adsorbents for patients with hyperlipidemia, myasthenia gravis, hyperbilirubinemia, etc. Clinical results have been obtained. However, these are all plasma perfusion methods in which blood is once separated into formed components (red blood cells, white blood cells, platelets) and plasma, and pathogenic substances in plasma are selectively adsorbed and removed.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the current situation as described above, and is capable of effectively adsorbing and removing β 2 -MG in the blood of a dialysis patient by direct blood perfusion method incorporated in hemodialysis therapy. An object is to provide an excellent and inexpensive adsorbent for blood purification and a method for producing the same.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to calcium hydroxide phosphate into which carbonate radicals are introduced.
The present invention also relates to a method for producing calcium phosphate introduced with carbonate radicals, characterized in that ammonium phosphate and calcium nitrate are reacted in a carbon dioxide atmosphere.
Furthermore, the present invention relates to an adsorbent for blood purification comprising calcium phosphate introduced with carbonate radicals.
Furthermore, the present invention relates to a dialysis apparatus incorporating calcium hydroxide phosphate into which carbonate groups have been introduced.
[0007]
That is, the present inventors conducted extensive research for an adsorbent that can incorporate β 2 -MG in the blood of a dialysis patient into hemodialysis therapy and can effectively adsorb and remove it by direct blood perfusion. As a result, the present inventors have found that calcium phosphate containing carbonic acid radicals can achieve the object and have completed the present invention.
The required performance of the adsorbent suitable for the purpose of the present invention is more specifically: (1) harmless, non-toxic and safe for humans, (2) not adsorbing useful / active ingredients in blood, (3) Selective adsorption and removal of specific pathogenic substances, (4) No thrombus formation or hemolysis, (5) Materials that can be sterilized, (6) Low cost Etc.
[0008]
From these viewpoints, the present inventors have selected hydroxyapatite (HAP) as a material having good blood compatibility and calcium phosphate as its related substance.
HAP is the main component of animal bone tissue and has already been used clinically as an orthopedic or dental material.
The present inventors paid attention to the biocompatibility of HAP and examined the blood compatibility among them by using mixed plasma of several healthy subjects in vitro, and obtained excellent measurement results (Seisuke Takashima Satoshi Hayakawa, Chikara Ohtsuki, Akiyoshi Osaka, Bioceramics, 9 : 217-220, 1996). At the same time, the adsorption behavior of Alb, β 2 -MG to HAP was also examined. Although it is desirable that the adsorption rate of Alb is low, β 2 , which is the main etiological agent of the present invention. The adsorption rate of -MG was also low.
[0009]
β 2 -MG and Alb are both proteins, and when calculated based on the molecular weight of essential amino acids as 100, about 100 to 700 are bound, and the chemical structure of the former is glycoprotein. On the other hand, although there is a difference that the latter is a non-glycoprotein, -NHCO- (peptide bond) corresponding to the number of amino acid bonds exists in these molecules, and both ends of the molecule are NH 2 -and -COOH. When the electron density of a protein is calculated by the molecular orbital method, there is a tendency that the position of NH is positive and the position of COOH is naturally negatively charged (Seisuke Takashima, Shinji Takemoto, Satoshi Hayakawa, Akiyoshi Osaka: Bioceramics, 13 : 800-800,2000).
[0010]
As described above, protein molecules are considered to be positively and negatively polarized in plasma. Therefore, it is considered that the —NH— group of the protein is electrostatically bound to the phosphate radical (PO 4 3− ) of HAP. Furthermore, β 2 -MG also has a sugar molecule part, and there is also an OH group in the molecule, and it is a matter of course that hydrogen bonds are formed with the adsorbent. Some amino acids constituting Alb have OH groups such as serine, but the number is small.
[0011]
For this reason, by introducing a new negatively charged adsorption site having a different ionization constant from that of the phosphate radical compared to the conventional HAP, a difference occurs in the adsorption ability of Alb and β 2 -MG. Aimed to design a material having selective adsorption ability for β 2 -MG.
Carbon groups, acetate groups, sulfate groups, nitrate groups, etc. were considered as the atomic groups to be introduced. Of these, those related to respiratory metabolism and those considered to be the safest for the living body. As such, we chose to introduce carbonate radicals.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The calcium phosphate phosphate (hereinafter abbreviated as CAP) into which carbonate radicals are introduced according to the present invention can be easily obtained by, for example, reacting ammonium phosphate and calcium nitrate in a carbon dioxide atmosphere.
More specifically, calcium nitrate is dissolved in distilled water from which oxygen dissolved in water has been removed under a carbon dioxide atmosphere, and the carbon dioxide concentration in the carbon dioxide atmosphere is 5 to 35%, preferably 5 to 30%. More preferably, in a carbon dioxide atmosphere formed by mixing nitrogen and carbon dioxide so as to be 15 to 25%, phosphoric acid is added to distilled water from which oxygen dissolved in water is removed in the same manner as described above. An aqueous solution of ammonium hydrogen phosphate in which ammonium hydrogen is dissolved is added and reacted. The reaction is usually performed at room temperature, but it is optional to appropriately perform heating, cooling, etc. as necessary. In addition, it is preferable to introduce | transduce ammonia water into a reaction system so that produced | generated CAP may precipitate at the time of reaction, and to react on the alkali side (for example, pH = 11).
[0013]
As for the usage ratio of ammonium phosphate and calcium nitrate, it is desirable to set each usage amount so as to obtain a CAP having a calcium to phosphorus ratio (Ca / P) of 1.67 ± 0.01. It is because it is necessary to make it the same composition as bone in order to improve blood compatibility.
The reaction is usually completed in several minutes to several tens of minutes, but after that, it is preferable to continue aging in the atmosphere (usually 24 hours) and to perform aging.
The product thus obtained is filtered, washed and dried by a conventional method, and if necessary, this is further washed with water, filtered and dried to obtain the target calcium hydroxide (CAP) into which carbonate groups have been introduced. can get. If this is required, it can be pulverized to a suitable particle size, sieved, and then calcined at a predetermined temperature for several hours to obtain CAP more excellent as an adsorbent for blood purification. A calcination temperature is 400-700 degreeC normally, Preferably it is 350-4550 degreeC.
[0014]
The calcium hydroxide phosphate (CAP) introduced with carbonate radicals according to the present invention can be effectively used as an adsorbent for blood purification. More specifically, it can be effectively used as an adsorbent for blood purification for selectively adsorbing and removing specific pathogenic substances in blood.
More specifically, the CAP according to the present invention can be used extremely effectively, for example, for adsorption and removal of β 2 -MG in blood. That is, more specifically, the adsorption ability of CAP according to the present invention for β 2 -MG in blood is that of ordinary hydroxyapatite (calcium hydroxide phosphate) into which carbonic acid radicals are not introduced is 89.2 ±. While it is 14.6 μg / g, it is usually 110 μg / g or more, preferably 140 μg / g or more, more preferably 170 μg / g or more, and more preferable compared to ordinary hydroxyapatite (calcium hydroxide phosphate). 2 times or more. (In other words, the more preferable removal rate of β 2 -MG in blood by CAP of the present invention is more than twice that of normal hydroxyapatite.)
Further, since the CAP according to the present invention has no problem in blood compatibility, it is incorporated into a dialysis apparatus, that is, for example, an adsorption treatment using this as an adsorbent is combined with dialysis of a renal failure patient. More specifically, β 2 -MG of a patient with renal failure is effectively removed by incorporating an adsorption treatment apparatus using a blood purification adsorbent comprising CAP according to the present invention into a dialysis apparatus. It can be expected to be effective in preventing complications such as cutaneous pruritus, bone pain, joint pain, and hair root canal syndrome.
When β 2 -MG of a renal failure patient is removed by combining the adsorption treatment using the CAP according to the present invention as an adsorbent with dialysis of the renal failure patient, the blood is processed outside the body. In order to treat the blood outside the body, it is important to reduce the amount of blood extracorporeally circulated, and it is also important to reduce the contact between blood and a foreign substance as much as possible. From this point of view as well, as described above, the removal rate of β 2 -MG in blood by the CAP of the present invention is more than twice that of normal hydroxyapatite. Since it is less than half of the case of apatite, the merit is great. Incidentally, about 200 to 300 g of adsorbent is usually used per set.
[0015]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention in detail, this invention is not limited at all by these Examples.
[0016]
Example 1 (Synthesis of CAP according to the present invention)
In a glove box, nitrogen and carbon dioxide are mixed so that the carbon dioxide concentration in the atmosphere is 5 to 30% and aerated at a flow rate of 2.0 ml / min. Hydroxyapatite (Ca / P) = 1.67, that is, CAP according to the present invention was synthesized by the following operation procedure.
(1) 500 ml and 477 ml of distilled water were stirred for 30 minutes in the above carbon dioxide atmosphere to remove oxygen dissolved in water.
(2) 59 g of calcium nitrate tetrahydrate (Ca (NO 3 ) 2 / 4H 2 O) was stirred and dissolved in 500 ml of distilled water to prepare a 0.5 M-Ca (NO 3 ) 2 solution. .
(3) 18.9 g of ammonium hydrogen phosphate (NH 4 ) 2 HPO 4 ) was dissolved in 477 ml of distilled water to prepare a 0.3M- (NH 4 ) 2 HPO 4 solution.
(4) 25 ml of 28% aqueous ammonia was added to the 0.3 M- (NH 4 ) 2 HPO 4 solution obtained in (3) at a flow rate of 3.0 ml / min using a feed pump.
(5) The solution obtained in (4) is added to the 0.5M-Ca (NO 3 ) 2 solution obtained in (2) above at a flow rate of 3.0 ml / min using a feed pump and stirred. Mixed.
(6) The mixed solution obtained above was aged by stirring in the air for 24 hours.
(7) The product was suction filtered, and the filtered product was washed with distilled water.
(8) The product was dried at 105 ° C. for 48 hours.
(9) The dried product was dispersed in 1 L of distilled water for 1 hour, washed, and then filtered.
(10) The product obtained above was dried at 105 ° C. for 48 hours.
(11) The dried product obtained above was pulverized in an alumina mortar and then passed through a sieve, and a powder having a particle size of 150-300 μm was used as a sample for adsorption experiments.
Hereinafter, preparation of samples at the time of synthesis was performed in a small amount or a large amount according to the experimental scale based on the mixing ratio of the reagents.
The obtained sample was fired at a predetermined temperature (400, 600, 700 ° C.) at a heating rate of 5 ° C./min and held at that temperature for 3 hours.
[0017]
Among the resulting CAP, were measured for those reacted at 400 ° C. and 700 ° C., respectively with carbon dioxide gas concentration of 5% and 15%, IR in 850~950Cm -1 and 1400~1600Cm -1 a carbonate ion band range The spectrum is shown in FIG.
In FIG. 1, (a) is a reaction at a carbon dioxide gas concentration of 5%, CAP at a baking temperature of 400 ° C., (b) is a reaction at a carbon dioxide gas concentration of 5%, CAP at a baking temperature of 700 ° C., and (c) is a carbon dioxide gas concentration of 15 % Shows the CAP with a reaction and calcination temperature of 400 ° C., and (d) shows the spectrum data of the CAP with a carbon dioxide gas concentration of 15% and the reaction and calcination temperature of 700 ° C., respectively.
As is apparent from FIG. 1, the profile changed with the firing temperature. The IR absorption peaks of CO 3 2− ions at 879, 1450 and 1545 cm −1 are replaced with OH ions (site A), and the peaks of CO 3 2− ions at 872, 1420 and 1500 cm −1 are This is a substitute for PO 4 3- ion (part B). In order to empirically derive the proportion of carbonate ions at the OH - ion site, it was resolved into a doublet band at 875 cm- 1 . Since the range was 0.4 to 0.6, it can be seen that the ratio can be controlled by CO 2 content of the heating temperature and the vapor phase gas.
[0018]
Example 2 (Evaluation of blood compatibility of CAP adsorbent)
The blood compatibility of the adsorbent composed of various CAPs obtained in Example 1 was evaluated by the following operation procedure.
(1) 0.1 g of an adsorbent was immersed in 1.0 ml of physiological saline (pH: 7.4) and subjected to heat defoaming treatment at 121 ° C. for 10 minutes in an autoclave (sample group A).
(2) 27 ml of blood was collected from 8 healthy young male subjects, 3.0 ml of 3.8% sodium citrate aqueous solution was added as an anticoagulant, and centrifuged at 3000 rpm for 10 minutes to obtain plasma. Was obtained (fresh plasma: F-Plas.).
(3) F-Plas. Was added and shaken at 37 ° C. for 3 hours.
(4) These were filtered, and the blood coagulation property of sample group A was examined using the filtrate as test plasma.
[0019]
Using an automatic measurement device (ortho-diagnostic system, KoaguLab.MJ) for blood coagulation a. Partial thromboplastin time (PTT)
b. Prothrombin time (PT)
c. Fibrinogen content (Fib)
The three items were evaluated. As a control adsorbent, polyethyl methacrylate (PHEMA) -coated activated carbon (PHEMA-AC), a filler of a blood purifier (DHP-1) manufactured by Kuraray Co., Ltd., which is currently used clinically, was used. .
Table 1 collectively shows the blood coagulation measurement results of hydroxyapatite obtained by synthesis and baking in an atmosphere of each carbon dioxide concentration.
In the column of adsorbent in Table 1, HAP represents hydroxyapatite, CAP5 to CAP35 represent the carbon dioxide concentration in the vapor phase at the time of CAP synthesis, 5 to 35%, and 400, 600, and 700 Also represents the firing temperature. The blank represents mixed serum, and the control represents PHEMA-AC.
[0020]
[Table 1]
Figure 0003929745
[0021]
As shown in Table 1, when synthesizing calcium hydroxide phosphate, when the carbon dioxide concentration in the gas phase is 0 to 30%, the PTT value is higher than the blank value as the proportion of carbon dioxide increases. However, the three parameters related to the blood clotting properties of the adsorbent obtained with the formulation of the present invention as a whole do not change significantly, and the PHEMA-AC measured value of the control sample There is no big difference. This fact is that PHEMA-AC is currently used clinically as an adsorbent for direct blood perfusion, so it cleared the first barrier when linking the adsorbent of the present invention to hemodialysis treatment. become.
[0022]
Example 3 (adsorbability of albumin and β 2 -MG)
Another important basic physical property of the selective blood adsorbent is that the amount of useful components adsorbed in the blood is as small as possible and the target pathogenic substance is efficiently removed. Therefore, albumin used also in the evaluation of dialysis membranes was selected from many useful substances in blood, and the adsorptivity of albumin of the adsorbent group of the present invention and β 2 -MG which is the main subject of the present invention was measured. . The measurement results are collectively shown in Table 2.
In the column of adsorbent in Table 2, HAP represents hydroxyapatite, CAP5 to CAP35 represent the carbon dioxide concentration in the vapor phase at the time of CAP synthesis, 5 to 35%, and 400, 600, and 700 Also represents the firing temperature.
[0023]
[Table 2]
Figure 0003929745
[0024]
As is apparent from Table 2, the amount of albumin adsorbed by CAP according to the present invention synthesized under an atmosphere of 5 to 25% carbon dioxide gas is higher than that of conventional hydroxyapatite. Therefore, it has been confirmed that the clinical improvement is expected to gradually decrease. Furthermore, an ideal selective blood adsorbent and a method for synthesizing it have been found that the adsorption ability of β 2 -MG which is the main object of the present invention is remarkably improved. Although the reason for this is not clear, whether the carboxyl group concentration on the surface of hydroxyapatite is increased, the interaction between albumin and the carboxyl group at the molecular end is weakened electrostatically compared to conventional hydroxyapatite, or It seems that the pore diameter was somewhat narrowed, making it difficult to physically fit into the pores. On the contrary, it has an advantageous effect on β 2 -MG and has produced a desirable result that the adsorption ability is improved. However, when the carbon dioxide concentration in the gas phase is 35%, the adsorption ability of β 2 -MG is lowered due to an increase in the block of calcium carbonate, and generally a tendency to lower blood compatibility is observed. It was.
[0025]
Therefore, in order to achieve the initial object of the present invention, it is desirable that the optimum concentration range of the carbon dioxide gas in the gas phase during the synthesis of CAP according to the present invention is a region where the mixing ratio with the nitrogen stream is 5 to 25%. Conceivable.
Moreover, about those calcination temperatures, the sample which baked at 400 degreeC among 400 degreeC, 600 degreeC, and 700 degreeC before baking showed the maximum value of the adsorption ability of (beta) 2- MG in all the sample groups. Further, as shown in Table 1 above, in terms of blood compatibility, the sample fired at 400 ° C. has little difference from the blank value for all three types of parameters. Therefore, the optimum baking temperature range is 350 to 450. It is considered to be ℃.
[0026]
【The invention's effect】
The present invention provides a more effective adsorption remover for selectively adsorbing and removing pathogenic substances such as β 2 -MG in blood and a method for producing the same. For example, the removal rate of β 2 -MG in blood is more than double that of conventional hydroxyapatite and there is no problem with blood compatibility. Therefore, the adsorption treatment with the adsorbent of the present invention is applied to dialysis of patients with renal failure. In combination, β 2 -MG can be effectively removed from patients with renal failure, which is expected to prevent complications such as pruritus, bone pain, joint pain, and root canal syndrome. There is a remarkable effect in the points that can be done.
[Brief description of the drawings]
Figure 1 is according to the present invention, carbonate groups were measured hydroxide calcium phosphate has been introduced, shows the IR spectrum at 850~950Cm -1 and 1400~1600Cm -1 a carbonate ion band range.

Claims (8)

血液中のβ−ミクログロブリンの吸着除去に用いる、炭酸根が導入されてなる水酸化リン酸カルシウムを含んでなる血液浄化用吸着剤であって、
水酸化リン酸カルシウムが、炭酸ガス濃度が5〜30%になるように窒素と炭酸ガスを混合してなる炭酸ガス雰囲気下でリン酸アンモニウムと硝酸カルシウムとを反応させて得られた生成物である、血液浄化用吸着剤。
An adsorbent for blood purification comprising calcium phosphate into which carbonate radicals are introduced, used for adsorption removal of β 2 -microglobulin in blood,
The calcium hydroxide phosphate is a product obtained by reacting ammonium phosphate and calcium nitrate in a carbon dioxide atmosphere formed by mixing nitrogen and carbon dioxide so that the carbon dioxide concentration is 5 to 30%. Adsorbent for blood purification.
水酸化リン酸カルシウムが、得られた生成物を更に焼成したものである、請求項1に記載の血液浄化用吸着剤。  The adsorbent for blood purification according to claim 1, wherein calcium hydroxide phosphate is obtained by further baking the obtained product. 水酸化リン酸カルシウムが、350〜450℃の温度で焼成したものである、請求項2に記載の血液浄化用吸着剤。  The adsorbent for blood purification according to claim 2, wherein the calcium hydroxide phosphate is fired at a temperature of 350 to 450 ° C. 水酸化リン酸カルシウムのカルシウムとリンの比率(Ca/P)が1.67±0.01である、請求項1〜3の何れかに記載の血液浄化用吸着剤。  The adsorbent for blood purification according to any one of claims 1 to 3, wherein a ratio of calcium to phosphorus (Ca / P) of calcium hydroxide phosphate is 1.67 ± 0.01. 炭酸根が導入された水酸化リン酸カルシウムが、炭酸ガス濃度が5〜35%になるように窒素と炭酸ガスを混合してなる炭酸ガス雰囲気下でリン酸アンモニウムと硝酸カルシウムとを反応させる工程を含んで製造されることを特徴とする、
血液中のβ−ミクログロブリンの吸着除去に用いる、炭酸根が導入されてなる水酸化リン酸カルシウムを含んでなる血液浄化用吸着剤の製造法。
Including a step of reacting ammonium phosphate and calcium nitrate in a carbon dioxide gas atmosphere in which nitrogen hydroxide and carbon dioxide gas are mixed such that the calcium phosphate introduced with carbonate radicals has a carbon dioxide gas concentration of 5 to 35%. It is manufactured by,
A method for producing an adsorbent for blood purification comprising calcium phosphate into which carbonic acid radicals are introduced, which is used for adsorption removal of β 2 -microglobulin in blood.
炭酸ガス濃度が5〜35%になるように窒素と炭酸ガスを混合してなる炭酸ガス雰囲気下でリン酸アンモニウムと硝酸カルシウムとを反応させることにより製造される工程、に続けて、
該工程により得られた生成物を焼成する工程、
を含む、請求項5に記載の製造法。
Following the process produced by reacting ammonium phosphate and calcium nitrate under a carbon dioxide atmosphere formed by mixing nitrogen and carbon dioxide so that the carbon dioxide concentration is 5 to 35%,
Calcination of the product obtained by the step,
The manufacturing method of Claim 5 containing these.
得られた生成物を焼成する工程が、400〜700℃の焼成温度で行われる、請求項5又は請求項6に記載の製造法。  The manufacturing method of Claim 5 or Claim 6 with which the process of baking the obtained product is performed at the baking temperature of 400-700 degreeC. 請求項1〜4の何れかに記載の血液浄化用吸着剤を組込んでなる透析装置。  A dialysis apparatus comprising the blood purification adsorbent according to any one of claims 1 to 4.
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