JP3926158B2 - トラフィック負荷分散方式および方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークのトラフィック負荷を分散させるトラフィック負荷分散方式および方法に関し、特にルーティングプロトコルを用いてネットワークトポロジー情報を動的に収集しTOS(Type of Service)を意識した最短経路を選択するとともにトラフィックエンジニアリングを併用することによりトラフィックに要求されるCoS(Class of Service)を保証するトラフィック負荷分散方式および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コネクションレス型のパケットネットワーク(IP(Internet Protocol)ネットワーク)において、従来のOSPF(IETF:RFC1247,Open Shortest Path First)に代表されるリンク状態プロトコルでは、データフロー毎のTOSに対して最適な経路を選択するために、以下のような方法をとっている。
ネットワークを構成するルータが、全ての出力ポートに対してTOS毎に遅延、スループット、信頼性のコストを算出して、そのコスト情報をネットワーク全体に通知する。
ネットワークに属するルータは、通知されたTOS毎のコストに基づき最短経路を算出し、ルーティングテーブルを生成する。
これにより、ネットワーク内において輻輳やネットワークトポロジー変更によるコストの変化に基づいて、動的にデータフローのTOSに適した最短経路を選択することができる。
【0003】
上記ルーティングプロトコルによって求められた最短経路上で、その経路を通過するパケットに対するQoS(Quality of Service,サービス品質)を保証する手段として、Diffserv(IETF:RFC2474,RFC2475,Differentiated Services)やRSVP(IETF:RFC2205〜2209,Resource ReSerVation Protocol)のようなプロトコルがある。
【0004】
Diffservでは、あらかじめネットワーク管理者とユーザ間の取り決めとして、Diffservドメイン内のルータにおける受信パケットに対する処理方法と、IPヘッダ内のDSCP(DiffServ Code Point)の関係を定義する。これにより、DSCPごとに、差別化したサービスを実現する。サービスクラスとして、帯域,遅延保証を目的としたEF(Expedited Forwarding)と相対的な優先処理を実現するAF(Assured Forwarding)がある。また、DSCPとして、IPv4では、IPv4ヘッダ内のType of Serviceフィールド、IPv6では、IPv6ヘッダ内のPriorityフィールドが使用される。図15にIPv4のヘッダフォーマット(RFC791)を、図16にIPv6のヘッダフォーマット(RFC1883)を示す。
【0005】
また、RSVPは、データフロー毎にそれが通過するルータにおいて帯域を予約することによって、CoSを保証する手段である。送信側端末がデータフローを送信すると、そのネットワークで動作するルーティングプロトコルによって、そのデータフローの通過する経路が決定される。RSVPでは、この経路上の各々のルータにおいて、前段のルータのIPアドレス情報を蓄積する。これにより、帯域を予約する経路が決定される。ルーティングプロトコルによってデーターフローの通過する経路が変更された場合、ネットワーク上の各ルータは、蓄積している前段のルータのIPアドレス情報を更新する。受信側端末は、上記により決定された経路上のルータに対して、上記データフローに対して必要とされる帯域を要求する。これにより、ある特定のデータフローに対してCoSを保証することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術には、以下のような問題点がある。
【0007】
第1の問題点は、従来のルーティングプロトコルでは、そのパケットの通過経路として想定しうるすべてのルートの中で、通過経路として許可するルート群と許可しないルート群とを指定することが出来なかった。また、従来のスタティックルーティングでは、事前に登録された固定の経路しか定義できないため、ネットワークの状況の変化に、動的に対応させることができなかった。そのため、いくつかの通過する候補となるルートをグループ化し、その中で最適な経路を自動選択させるというような、柔軟な経路制御を行うことができなかった。
【0008】
第2の問題点は、OSPFのようなリンク状態プロトコルを用いて、TOS毎に最適な経路のルーティングを行うためには、ネットワーク上の全てのルータが、常に実装する全ての出力ポートにおいて各TOS毎のコストを算出し、ネットワーク全体に通知する必要がある。また、ネットワーク上の全てのルータは受信した上記コスト情報から、TOS毎の最適経路を常時算出し、TOS毎にルーティングテーブルを作成する必要がある。これらの処理が、ネットワーク全体で必要とされる処理の負荷を高める要因となるため、TOSルーティングはあまり利用されていなかった。
【0009】
第3の問題点は、OSPFのようなリンク状態プロトコルにおいて、TOSルーティングを行った場合、ルーティングはあくまでTOS毎であるため、同じTOSを持つ全てのパケットに同じ経路が適用される。これにより、パケット長などTOSに反映されない特徴によって、パケットのルートを振り分けて、ネットワーク内の負荷を分散させるような制御を行うことができなかった。
【0010】
第4の問題点は、DiffServやRSVPのようなトラフックエンジニアリングでは、経路選択の手段としてOSPFなどの既存のルーティングプロトコルを使用しているため、上記で指摘した問題点1〜3を解消することは出来なかった。
【0011】
本発明の第1の目的は、前述の第1の問題点を解決するために、特定のパケット種別に応じて、そのパケット種別が通過するルートとして、許可するルート群と許可しないルート群とを指定する機能を提供することによって、ネットワークの特性に適した柔軟な経路制御を行うトラフィック負荷分散方式および方法を提供することである。
【0012】
第2の目的は、前述の第2の問題点を解決するために、本発明による経路制御方法により、パケット種別毎にトラフィックが集中するルートについて迂回するルート群をあらかじめ定義しておくことによって、従来ボトルネックとなっていた各TOS毎のコストに基づく最適経路を常時算出する手順を省き、ネットワーク全体で必要とされる処理を簡素化したトラフィック負荷分散を行うトラフィック負荷分散方式および方法を提供することである。
【0013】
第3の目的として、前述の第3の問題点を解決するために、パケット種別を定義するパラメータとして、IPパケットのTOSに加えて任意のIPパケットヘッダ情報を取り扱うことにより、柔軟なパケット種別選択を行うトラフィック負荷分散方式および方法を提供することである。
【0014】
第4の目的として、前述の第4の問題点を解決するために、従来のルーティンプロトコルに上記第1〜3の目的で記述されている機能を追加することにより、従来のトラフィックエンジニアリングが本発明の機能を利用して、トラフィックの負荷分散された経路上でQoS制御を実現するトラフィック負荷分散方式および方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本願第の発明のトラフィック負荷分散方式は、ルーティングプロトコルを用いてネットワークトポロジー情報を動的に収集して最短経路を選択するコネクションレス型のパケットネットワーク(IPネットワーク)におけるトラフィック負荷分散方式であって、前記ネットワークはパケットを送受信する端末と前記端末間のパケットを経路中継するルータと管理端末とを備え、前記管理端末は、パケットを識別するパケット種別情報を設定する手段と、前記パケット種別毎の仮想ネットワークを構築するための各ルータ間接続の有効/無効情報を設定する手段と、前記パケット種別情報および前記パケット種別毎のルータ間接続情報を前記ルータに送信する手段と、を有し、前記ルータは、実存するネットワークに対応した実ネットワークトポロジーテーブルを生成し前記実ネットワークトポロジーテーブルを基に実ルーティングテーブルを作成する手段と、前記パケット種別情報および前記パケット種別毎のルータ間接続情報を前記管理端末から受信する手段と、前記実ネットワークトポロジーテーブルおよび前記パケット種別毎のルータ間接続情報を基に前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを生成し前記仮想ネットワークトポロジーテーブルを基に仮想ルーティングテーブルを作成する手段と、パケットを受信したときに受信したパケットが前記パケット種別に該当するか否かを検索し前記パケット種別に該当する場合には該当したパケット種別に対応した仮想ルーティングテーブルを用いて受信したパケットのルーティングを行う手段と、を有する、ことを特徴とする。
【0017】
本願第の発明のトラフィック負荷分散方式は、ルーティングプロトコルを用いてネットワークトポロジー情報を動的に収集して最短経路を選択するコネクションレス型のパケットネットワーク(IPネットワーク)におけるトラフィック負荷分散方式であって、前記ネットワークはパケットを送受信する端末と前記端末間のパケットを経路中継するルータと管理端末とを備え、前記管理端末は、ネットワークからネットワークトポロジー情報を収集して実在のネットワークトポロジーを認識し実ネットワークトポロジーテーブルを作成する実ネットワーク認識手段と、パケットを識別するパケット種別情報を設定する手段と、前記パケット種別毎の仮想ネットワークを構築するための各ルータ間接続の有効/無効情報を設定する手段と、前記ルータ間接続情報および前記実ネットワークトポロジーテーブルを基に前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを作成する仮想ネットワーク定義手段と、前記パケット種別情報および前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを前記ルータに送信する手段と、を有し、前記ルータは、実存するネットワークに対応した実ネットワークトポロジーテーブルを生成し前記実ネットワークトポロジーテーブルを基に実ルーティングテーブルを作成する手段と、前記パケット種別情報および前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを前記管理端末から受信する手段と、前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを基に前記パケット種別毎の仮想ネットワークに対応した仮想ルーティングテーブルを作成する手段と、パケットを受信したときに受信したパケットが前記パケット種別に該当するか否かを検索し前記パケット種別に該当する場合には該当したパケット種別に対応した仮想ルーティングテーブルを用いて受信したパケットのルーティングを行う手段と、を有する、ことを特徴とする。
【0018】
本願第の発明のトラフィック負荷分散方式は、第または第の発明において前記ルータは、前記受信したパケットが前記パケット種別に該当しない場合に前記実存するネットワークに対応した実ルーティングテーブルを用いて受信したパケットのルーティングを行う手段を有することを特徴とする。
【0019】
本願第の発明のトラフィック負荷分散方式は、第または第の発明において前記パケット種別情報は、パケットのヘッダ情報の組み合わせから成ることを特徴とする。
【0020】
本願第の発明のトラフィック負荷分散方法は、ルーティングプロトコルを用いてネットワークトポロジー情報を動的に収集して最短経路を選択するコネクションレス型のパケットネットワーク(IPネットワーク)におけるトラフィック負荷分散方法であって、ルータは、ネットワークからネットワークトポロジー情報を収集して実存するネットワークに対応した実ネットワークトポロジーテーブルを生成し前記実ネットワークトポロジーテーブルを基に実ルーティングテーブルを作成し、管理端末は、パケットを識別するためのパケット種別情報を設定し、前記パケット種別毎の仮想ネットワークを構築するためのルータ間接続情報を設定し、前記パケット種別情報および前記パケット種別毎のルータ間接続情報をネットワークを構成する各ルータに送信し、前記ルータは、前記パケット種別情報および前記パケット種別毎のルータ間接続情報を前記管理端末から受信し、前記実ネットワークトポロジーテーブルおよび前記パケット種別毎のルータ間接続情報を基に前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを生成し、前記仮想ネットワークトポロジーテーブルを基に対応した仮想ルーティングテーブルを作成し、前記ルータは、パケットを受信したときに受信したパケットが前記パケット種別に該当するか否かを検索し前記パケット種別に該当する場合には該当したパケット種別に対応した仮想ルーティングテーブルを用いて受信したパケットのルーティングを行う、ことを特徴とする。
【0021】
本願第の発明のトラフィック負荷分散方法は、ルーティングプロトコルを用いてネットワークトポロジー情報を動的に収集して最短経路を選択するコネクションレス型のパケットネットワーク(IPネットワーク)におけるトラフィック負荷分散方法であって、ルータは、ネットワークからネットワークトポロジー情報を収集して実存するネットワークに対応した実ネットワークトポロジーテーブルを生成し前記実ネットワークトポロジーテーブルを基に実ルーティングテーブルを作成し、管理端末は、ネットワークからネットワークトポロジー情報を収集して実在のネットワークトポロジーを認識して実ネットワークトポロジーテーブルを作成し、パケットを識別するためのパケット種別情報を設定し、前記パケット種別毎の仮想ネットワークを構築するためのルータ間接続情報を設定し、前記ルータ間接続情報および前記実ネットワークトポロジーテーブルを基に前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを作成し、前記パケット種別情報および前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルをネットワークを構成する各ルータに送信し、前記ルータは、前記パケット種別情報および前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを前記管理端末から受信し、前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを基に前記パケット種別毎の仮想ネットワークに対応した仮想ルーティングテーブルを作成し、前記ルータは、パケットを受信したときに受信したパケットが前記パケット種別に該当するか否かを検索し前記パケット種別に該当する場合には該当したパケット種別に対応した仮想ルーティングテーブルを用いて受信したパケットのルーティングを行う、ことを特徴とする。
【0022】
本願第の発明のトラフィック負荷分散方法は、第または第の発明において前記受信したパケットが前記パケット種別に該当しない場合には、実存するネットワークに対応したルーティングテーブルを用いて受信したパケットのルーティングを行うことを特徴とする。
【0023】
本願第の発明のトラフィック負荷分散方法は、第または第の発明において前記パケット種別情報は、パケットのヘッダ情報の組み合わせであることを特徴とする。
【0024】
本願第の発明のトラフィック負荷分散方法は、第または第の発明において前記受信したパケットが前記パケット種別に該当している場合で且つ対応する仮想ネットワークの仮想ルーティングテーブルを用いても宛先に到達不能である場合、実存するネットワークに対応した実ルーティングテーブルを用いて受信したパケットのルーティングを行うことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態の構成について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の構成を示す図であり、ネットワークトポロジーを表している(後述する仮想ネットワークトポロジーに対して、以降、実ネットワークトポロジーと称す)。
図2は、ルータの構成を示す図である。
図3は、管理端末の構成を示す図である。
図4は、パケット種別テーブルの例を示す図である。
【0026】
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態は、端末10,端末20,ルータ30,ルータ40,ルータ50,ルータ60,ルータ70,ルータ80,ルータ90および管理端末200を備えている。
【0027】
端末10は、端末20宛のパケットを送信する情報処理装置である。
【0028】
端末20は、端末10からのパケットを受信する情報処理装置である。
【0029】
ルータ30〜ルータ90は、端末10から端末20宛のパケットを中継する装置である。
ルータ30〜ルータ90は、図2に示すように、ルータ機能部101と実ルーティングテーブル102と第1仮想ルーティングテーブル1031と第2仮想ルーティングテーブル1032とパケット種別テーブル104とインタフェース部105とを有している。
【0030】
ルータ機能部101は、実ルーティングテーブル102またはパケット種別テーブル104および仮想ルーティングテーブル103を用いてパケットの中継処理を行う。ルータ機能部101は、CPUおよびCPUが実行するプログラムやデータ等を格納するメモリ等で構成され、仮想ネットワークトポロジーテーブルを基に仮想ルーティングテーブル103を作成する機能,受信したパケットのパケット種別をパケット種別テーブル104に基づき判定する機能,ルーティングテーブルに基づきパケットの中継経路を決定する機能およびパケットの送受信を行う機能を有している。また、ネットワーク内におけるルータ間の接続情報を収集して実在のネットワークトポロジーを認識して実ネットワークトポロジーテーブルを生成し、さらに生成した実ネットワークトポロジーテーブルを基に対応する実ルーティングテーブル102を作成する機能を有する。
【0031】
実ルーティングテーブル102は、実ネットワークトポロジーに対応したルーティングテーブルであり、パケットの中継経路情報を格納する。実ルーティングテーブルを構成する各行(エントリと呼ぶ)は、ある中継経路に関する情報を示している。
【0032】
仮想ルーティングテーブル103は、仮想ネットワークトポロジーに対応したルーティングテーブルであり、パケットの中継経路情報を格納する。仮想ルーティングテーブルを構成する各行(エントリと呼ぶ)は、ある中継経路に関する情報を示している。仮想ルーティングテーブルは仮想ネットワークトポロジーに対応し、仮想ネットワークトポロジー毎に存在する。図2では、2つの仮想ルーティングテーブル(第1仮想ルーティングテーブル1031と第2仮想ルーティングテーブル1032)が例示されている。
【0033】
パケット種別テーブル104は、管理端末200から送信されたパケット種別情報が格納され、パケット種別と仮想ネットワークとの関連付けを行う。図4にパケット種別テーブルの例を示す。パケット種別テーブルにはIPヘッダ情報およびそれに対応する仮想ネットワーク番号が登録されている。図4の例では、Source Address“10.40.29.109”を持つIPパケットが仮想ネットワーク1と関連付けられている。
【0034】
インタフェース部105は、ケーブルを介してルータをネットワークに接続する。インタフェース部105はポート数に応じて複数個存在する。
【0035】
ルータ30〜ルータ90は、概略次のように動作する。インタフェース部105がパケットを受信すると、ルータ機能部101がパケットの種別を判定し、パケット種別から対応する仮想ネットワークを判定する。受信パケットの宛先アドレスから宛先ネットワークを判定し、宛先ネットワークで仮想ネットワークのルーティングテーブルを検索する。一致するエントリがない場合には実在ネットワークのルーティングテーブルを用いて転送処理を行い、一致するエントリがある場合にはその仮想ネットワークのルーティングテーブル上のエントリを選択してインタフェース部105から転送先に送信する。なお、管理端末200から発行される管理情報パケットは実ルーティングテーブルを使用して経路中継を行う。また、管理端末200からパケット種別情報およびルータ間接続情報を受信して、パケット種別テーブルおよび仮想ネットワークトポロジーテーブルを生成し、さらに生成した仮想ネットワークトポロジーテーブルを基に対応する仮想ルーティングテーブルを生成する。
【0036】
管理端末200は、端末10〜端末20およびルータ30〜ルータ90で構成されるネットワークを管理する情報処理装置である。
管理端末200は、図3に示すように、制御手段201とパケット種別情報設定手段202とルータ間接続情報設定手段203と通信手段204と実ネットワーク認識手段205と仮想ネットワーク定義手段206とを有する。
【0037】
制御手段201は、パケット種別情報設定手段202とルータ間接続情報設定手段203と通信手段204と実ネットワーク認識手段205と仮想ネットワーク定義手段206とを制御する。
【0038】
パケット種別情報設定手段202は、パケットを識別するためのパケット種別情報を設定する。パケット種別情報は、パケット優先度(TOS),データ長,プロトコルタイプ等のIPパケットヘッダ情報の組み合わせにより定義される。なお、パケット優先度は、IPv4ヘッダ内のTOSフィールドあるいはIPv6ヘッダ内のPriorityフィールドで指定される。データ長はIPv4ヘッダ内のTotal LengthフィールドあるいはIPv6ヘッダ内のPayload Lengthフィールドで指定される。プロトコルタイプは、IPv4ヘッダ内のProtocolフィールドあるいはIPv6ヘッダ内のNext Headerフィールドで識別される。
【0039】
ルータ間接続情報設定手段203は、各パケット種別毎の有効なルータ間接続情報(或は無効なルータ間接続情報)を設定する。ルータ間接続情報は、図1に示される実在のネットワークトポロジーでの各ルータ間の接続が、特定のパケット種別の経路演算をする際のルータ間接続として、有効であるか、無効であるかをあらわす。ルータ間接続情報は、仮想ネットワークトポロジーを生成するために使用される。
【0040】
通信手段204は、パケット種別情報設定手段202が設定したパケット種別情報やルータ間接続情報設定手段203が設定したルータ間接続情報などの情報をルータに送信する。また、端末10〜端末20やルータ30〜ルータ90からの情報を受信する。
【0041】
実ネットワーク認識手段205は、ネットワークトポロジー情報を動的に収集して実在のネットワークトポロジーを認識し、実ネットワークトポロジーテーブルを作成する。トポロジーテーブルは、認識されているルータ間リンクと、コスト情報と、ルータ間リンクの有効/無効情報と、を含んでいる。ルータ間リンクの有効/無効情報は本発明特有のパラメータであり、ルータ間リンクが有効であるか無効であるかを示す。
【0042】
仮想ネットワーク定義手段206は、ルータ間接続情報設定手段203でパケット種別毎に設定されるルータ間接続情報および実ネットワーク認識手段205が作成する実ネットワークトポロジーテーブルを基に、パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを作成する。
【0043】
本発明の第1の実施の形態の動作について、図面を用いて詳細に説明する。
図5は、本発明の第1の実施の形態の動作を説明する図である。
図6は、パケット種別テーブルの例を示す図である。
図7は、仮想ネットワークトポロジーの例を示す図である。
図8は、ルータにおけるIPパケットルーティングの流れを示す図である。
図9は、トラフィック100における変更された通過経路を示す図である。
図10は、トラフィック110における変更された通過経路を示す図である。
図11は、トラフィックの通過経路を示す図である。
【0044】
最初に、動作の全体の流れを説明する。本発明の実施の形態は、以下のように動作する。
(ステップ1)ネットワークが立ち上がり、公知の方法で実ルーティングテーブルを作成してルーティングを行う。
(ステップ2)管理端末200はパケット種別およびパケット種別毎のルータ間接続情報を定義し、各ルータへ通知する。
(ステップ3)各ルータは管理端末200より受信したパケット種別およびパケット種別毎のルータ間接続情報から、仮想ネットワークトポロジーテーブルを生成し、さらに対応する仮想ルーティングテーブルを作成する。
(ステップ4)各ルータは実ルーティングテーブルと仮想ルーティングテーブルとを使用してルーティングを行う。
【0045】
次に、上記の4ステップについて、それぞれ詳細に説明する。
【0046】
先ず、ステップ1について説明する。
(1−1)図5を参照すると、各ルータは、ネットワークトポロジー情報を動的に収集して実在のネットワークトポロジーを認識し、従来のルーティングプロトコルのアルゴリズムによって、実ネットワークトポロジーに基づく実ルーティングテーブル102を作成する。
(1−2)実ルーティングテーブル102を使用して既存のルーティングプロトコルによる経路演算結果により選択された最短経路によるルーティングを行う(図5のネットワークが立ち上がった時点では、パケット種別を識別した仮想ネットワークによる経路制御は未だ行われていない)。このネットワークでは、端末10から端末20宛に、トラフィック100,トラフィック110およびトラフィック120が流れている。これらのトラフィックは、パケット優先度(TOS),データ長あるいはプロトコルタイプ等のパケット種別により互いに識別可能なIPパケットデータグラムのグループであり、トラフィック100は”ToS=5”のパケット群、トラフィック110は”TL=1500バイト以上”のパケット群、から成る。図5の例では、端末10より出力されるトラフィック100〜トラフィック120は、端末10→ルータ30→ルータ40→ルータ50→端末20の経路を通過している。
【0047】
続いて、ステップ2について説明する。
(2−1)先ず、管理端末200の実ネットワーク認識手段205は、ネットワークトポロジー情報を動的に収集して実在のネットワークトポロジーを認識し、実ネットワークのトポロジー図とトポロジーテーブル(実ネットワークトポロジーテーブルと称す)を作成する。図7の▲1▼−1は、ここで例として取り上げるネットワークのネットワークトポロジー図を示している(図7の▲1▼−1は図5のネットワークから端末と管理端末を省略したものである)。また、このネットワークトにおけるトポロジーテーブル例を▲1▼−2に示す。ここでは、コスト情報を考えないため、任意の値を示す“X”が表中に表示されている。▲1▼−2実在のネットワークにおけるトポロジーテーブル例においては、全てのルータ間リンクの“有効/無効”パラメータが、有効に設定されている。
(2−2)次に、管理端末200のパケット種別情報設定手段202は、仮想ネットワークのためのパケット種別を設定する。本例では、トラフィック100を識別するためのパケット種別1とトラフィック110を識別するためのパケット種別2を設定する。設定したパケット種別情報の例を図6に示す。図6を参照すると、パケット種別情報として”TOS=5”を有するパケットをパケット種別1として仮想ネットワーク番号1と関連付け、パケット種別情報として”TL=1500バイト以上”を有するパケットをパケット種別2として仮想ネットワーク番号2と関連付けている。
(2−3)次に、管理端末200のルータ間接続情報設定手段203は、各パケット種別毎の有効なルータ間接続情報(或は無効なルータ間接続情報)を設定する。ルータ間接続情報は、図7▲1▼−1に示される実在のネットワークトポロジーでの各ルータ間の接続が、特定のパケット種別の経路演算をする際のルータ間接続として、有効であるか無効であるかをあらわす。
本例では、パケット種別1に対するルータ間接続情報は、ルータ40〜ルータ50間およびルータ40〜ルータ90間のルータ間接続をトラフィック100の経路演算には使用しないという無効なルータ間接続情報である。
また、パケット種別2に対するルータ間接続情報は、ルータ30〜ルータ40間およびルータ40〜ルータ50間のルータ間接続をトラフィック110の経路演算には使用しないという無効なルータ間接続情報である。
(2−4)次に、管理端末200の仮想ネットワーク定義手段206は、実ネットワーク認識手段205が作成した実ネットワークトポロジーテーブルとルータ間接続情報設定手段203が作成したルータ間接続情報を基に、パケット種別毎に仮想ネットワークトポロジーを構築する。本例では、パケット種別1とパケット種別2のために2つの仮想ネットワーク(仮想ネットワーク1と仮想ネットワーク2)を定義する。図7を参照すると、
▲2▼−2において、仮想ネットワーク1のトポロジーテーブルを示す。表中No9 ルータ40〜ルータ50間のルータ間リンクと、No10 ルータ40〜ルータ90間のルータ間リンクの“有効/無効”パラメータを、“無効”に設定している。これにより仮想ネットワーク1のトポロジーテーブルにおいては、上記2つのルータ間リンクが、接続されていないとみなされる。▲2▼−1に、この時の仮想ネットワーク1のトポロジー図を示す。
同様に、▲3▼−2において、仮想ネットワーク2のトポロジーテーブルを示す。表中No2 ルータ30〜ルータ40間のルータ間リンクと、No9 ルータ40〜ルータ50間のルータ間リンクの“有効/無効”パラメータを、“無効”に設定している。これにより仮想ネットワーク2のトポロジーテーブルにおいては、上記2つのルータ間リンクが、接続されていないとみなされる。▲3▼−1に、この時の仮想ネットワーク2のトポロジー図を示す。
(2−5)次に、管理端末200の通信手段204は、ネットワーク内の全てのルータに対して、パケット種別情報設定手段202が作成したパケット種別情報およびルータ間接続情報設定手段203が作成したパケット種別毎のルータ間接続情報を送信する。
【0048】
続いて、ステップ3について説明する。
(3−1)先ず、ルータのルータ機能部101は、管理端末200から、パケット種別情報およびルータ間接続情報を受信する。
(3−2)次に、パケット種別情報をパケット種別テーブルに格納する。
(3−3)次に、パケット種別毎のルータ間接続情報および実ネットワークトポロジーテーブルを基にパケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを生成し、さらにパケット種別毎の仮想ルーティングテーブルを作成する。
すなわち、パケット種別1に対する第1仮想ルーティングテーブル1031およびパケット種別2に対する第2仮想ルーティングテーブル1032を生成する。このとき、パケット種別1に対して無効であるルータ40〜ルータ50間およびルータ40〜ルータ90間のルータ間接続は第1仮想ルーティングテーブル1031には使用されず、パケット種別2に対して無効であるルータ30〜ルータ40間およびルータ40〜ルータ50間のルータ間接続は第2仮想ルーティングテーブル1032には使用されない。
(3−4)次に、生成したルーティングテーブルとパケット種別との関連付けをパケット種別テーブルに格納する。
すなわち、パケット種別テーブルはIPヘッダ情報と仮想ネットワーク番号と仮想ルーティングテーブル番号とから成るように構成される。
【0049】
続いて、ステップ4について説明する。
(4−1)ルータはパケットの中継処理を行う。
図8を参照すると、ルータは、IPパケットを受信すると、そのIPパケットのヘッダ情報を抽出する。
次に、IPヘッダ情報がパケット種別テーブル104に登録されているかを検索する。
パケット種別テーブル104内のIPヘッダ情報と条件が一致し(パケット種別テーブル104にエントリがある)仮想ネットワークと関連付けられている場合には、仮想ネットワークに対応する仮想ルーティングテーブルを決定し、この仮想ルーティングテーブルを用いてそのIPパケットのルーティングを行う。
パケット種別テーブル104にエントリがない場合(仮想ネットワークによる経路制御を必要としないパケット)あるいはパケット種別テーブル104にエントリはあるが仮想ネットワークと関連付けられていない場合には、実ルーティングテーブル102を使用してルーティングを行う。
仮想ルーティングテーブルにおいて経路計算を行ったときに該当するパケットが到達不能である場合には、実ルーティングテーブル102を使用してルーティングを行う。
管理端末200から送信される管理情報パケットについては、実ルーティングテーブル102を使用してルーティングを行う。
このようにして、受信したIPパケットを送信する出力ポートが決定され、IPパケットを送信する。
本例では、トラフィック100(IPヘッダ情報に”TOS=5”を有するパケット群)はパケット種別1と認識されて第1仮想ルーティングテーブル1031を用いてルーティングが行なわれ、トラフィック110(IPヘッダ情報に”TL=1500バイト以上”を有するパケット群)はパケット種別2と認識されて第2仮想ルーティングテーブル1032を用いてルーティングが行なわれ、トラフィック120は実ルーティングテーブル102を用いてルーティングが行なわれる。
トラフィック100の通過経路を図9に示す。トラフィック100の経路は端末10→ルータ30→ルータ40→ルータ70→ルータ50→端末20のように変更されている。なお、点線は無効なルータ間接続を示している。
トラフィック110の通過経路を図10に示す。トラフィック110の経路は端末10→ルータ30→ルータ40→ルータ50→端末20のように変更されている。なお、点線は無効なルータ間接続を示している。
トラフィック120の通過経路は、図5と同様に、端末10→ルータ30→ルータ40→ルータ50→端末20である。
トラフィック100〜トラフィック120の通過経路をまとめると、図11のようになる。
【0050】
なお、上述の実施の形態では、ルータはパケット種別毎のルータ間接続情報および実ネットワークトポロジーテーブルを基にパケット種別毎の仮想ルーティングテーブルを生成しているが、管理端末がルータに仮想ネットワークトポロジーテーブルを送信しルータは仮想ネットワークトポロジーテーブルを基に仮想ルーティングテーブルを生成するようにしてもよい。
【0051】
このようにして、ネットワーク上でパケット種別に応じた仮想ネットワークを明示的に複数定義することで、仮想ネットワークに関連するパケットはその定義されたルート群内でルーティングされるので、ネットワークの特性に適した柔軟な経路制御を行うことができる。また、定義されたルート群内で動的に経路演算を行うため、トポロジーの変更や、経路の障害によるルート変更にも追従することができる。この結果、ネットワークにおける負荷を分散させ輻輳の発生を事前に防止する効果がある。
【0052】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図12は、本発明の第2の実施の形態の構成を示す図でであり、ネットワークトポロジーを表している(後述する仮想ネットワークトポロジーに対して、以降、実ネットワークトポロジーと称す)。
図13は、仮想ネットワークの例を示す図である。
図14は、仮想ネットワークの例を示す図である。
【0053】
図12を参照すると、本発明の第2の実施の形態は、4つのLANセグメント(LAN300,LAN310,LAN320およびLAN330)並びに、それらを接続している5つのルータ(ルータ400,ルータ410,ルータ420,ルータ430およびルータ440)を備えている。
【0054】
図12の構成において、各LANセグメント間で通信を行う場合を考える。
例として、LAN300の端末からLAN330の端末にデータを転送する場合、ループが存在しないよう通過経路を考えると、以下の4通りの通過経路の候補が考えられる。
1つ目として、ルータ400→ルータ420→ルータ440。
2つ目として、ルータ400→ルータ420→ルータ430→ルータ440。
3つ目として、ルータ400→ルータ410→ルータ420→ルータ440。
4つ目として、ルータ400→ルータ410→ルータ420→ルータ430 →ルータ440となる。
【0055】
ここで、管理端末において、第1の実施の形態と同様に仮想ネットワークを定義する。
本例では、図12のネットワークに対して、2つのパケット種別を設定し、パケット種別ごとにルータ間接続情報を設定し、図13および図14に示す2つの仮想ネットワークを定義している。
【0056】
これにより、LAN300の端末からLAN330の端末にデータを転送する通過経路の候補が、図12においては4つであったが、図13および図14では、各々1つのみとなる。
【0057】
特定のパケット種別により、図13または図14のどちらかの仮想ネットワークへパケットを振り分け、各々の仮想ネットワークにおいてルーティング演算を実施する。
【0058】
各々の仮想ネットワークでは、通過経路の候補が減少したことにより、経路演算の処理を減少することができる。
【0059】
このようにして、複雑なネットワーク構成を複数のシンプルな仮想ネットワーク構成で表現することにより、ルーティンプロトコルによる経路演算の処理を軽減することができ、構造的に複雑なネットワークに対しても容易に対応することが可能となる。
【0060】
例えば、OSPFのようなリンク状態プロトコルでは、ルーティングされるデータフローの到達経路が複数存在する場合、経路演算の処理が増大するという問題点があったが、本発明による経路制御方法を導入することにより、この問題点を解決することができる。
【0061】
【発明の効果】
第1の効果は、ネットワーク上でパケット種別に応じた仮想ネットワークを明示的に複数定義することが可能となり、ネットワークの特性に適した柔軟な経路制御方法を提供することができることである。
【0062】
第2の効果は、構造的に輻輳、伝播遅延、パケット廃棄が発生しづらいネットワークを構築でき、かつ実装が容易なパケット種別に応じたトラフィックの負荷分散が可能となることである。
【0063】
第3の効果は、特定のネットワークにおいて、そのネットワーク固有の特性に合ったパケット種別を定義することが可能となることである。
【0064】
第4の効果は、DiffservやRSVP等のトラフィックエンジニアリング方式を使用して、トラフィックの負荷分散された経路上で、QoS制御を行うことが可能となることである。
【0065】
第5の効果は、経路演算の処理を軽減することが可能となり、構造的に複雑なネットワークにおいても、容易にルーティングプロトコルを取り扱うことが可能となることである。
【0066】
その理由は、パケットを識別するパケット種別情報を設定してパケット種別毎に仮想ネットワークを定義し、パケットを受信した時にパケット種別を識別して対応する仮想ネットワークにルーティングするようにしたからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示す図
【図2】ルータの構成を示す図
【図3】管理端末の構成を示す図
【図4】パケット種別テーブルの例を示す図
【図5】本発明の第1の実施の形態の動作を説明する図
【図6】パケット種別テーブルの例を示す図である。
【図7】仮想ネットワークトポロジーの例を示す図
【図8】ルータにおけるIPパケットルーティングの流れを示す図
【図9】トラフィック100における変更された通過経路を示す図
【図10】トラフィック110における変更された通過経路を示す図
【図11】トラフィックの通過経路を示す図
【図12】本発明の第2の実施の形態の構成を示す図
【図13】仮想ネットワークの例を示す図
【図14】仮想ネットワークの例を示す図
【図15】 IPv4ヘッダフォーマットの例を示す図
【図16】 IPv6ヘッダフォーマットの例を示す図
【符号の説明】
10 端末
20 端末
30 ルータ
40 ルータ
50 ルータ
60 ルータ
70 ルータ
80 ルータ
90 ルータ
101 ルータ機能部
102 実ルーティングテーブル
104 パケット種別テーブル
105 インタフェース部
200 管理端末
201 制御手段
202 パケット種別情報設定手段
203 ルータ間接続情報設定手段
204 通信手段
205 実ネットワーク認識手段
206 仮想ネットワーク定義手段
300 LAN
310 LAN
320 LAN
330 LAN
400 ルータ
410 ルータ
420 ルータ
430 ルータ
440 ルータ
1031 第1仮想ルーティングテーブル
1032 第2仮想ルーティングテーブル

Claims (9)

  1. ルーティングプロトコルを用いてネットワークトポロジー情報を動的に収集して最短経路を選択するコネクションレス型のパケットネットワーク(IPネットワーク)におけるトラフィック負荷分散方式であって、
    前記ネットワークはパケットを送受信する端末と前記端末間のパケットを経路中継するルータと管理端末とを備え、
    前記管理端末は、
    パケットを識別するパケット種別情報を設定する手段と、
    前記パケット種別毎の仮想ネットワークを構築するための各ルータ間接続の有効/無効情報を設定する手段と、
    前記パケット種別情報および前記パケット種別毎のルータ間接続情報を前記ルータに送信する手段と、を有し、
    前記ルータは、
    実存するネットワークに対応した実ネットワークトポロジーテーブルを生成し前記実ネットワークトポロジーテーブルを基に実ルーティングテーブルを作成する手段と、
    前記パケット種別情報および前記パケット種別毎のルータ間接続情報を前記管理端末から受信する手段と、
    前記実ネットワークトポロジーテーブルおよび前記パケット種別毎のルータ間接続情報を基に前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを生成し前記仮想ネットワークトポロジーテーブルを基に仮想ルーティングテーブルを作成する手段と、
    パケットを受信したときに受信したパケットが前記パケット種別に該当するか否かを検索し前記パケット種別に該当する場合には該当したパケット種別に対応した仮想ルーティングテーブルを用いて受信したパケットのルーティングを行う手段と、を有する、
    ことを特徴とするトラフィック負荷分散方式。
  2. ルーティングプロトコルを用いてネットワークトポロジー情報を動的に収集して最短経路を選択するコネクションレス型のパケットネットワーク(IPネットワーク)におけるトラフィック負荷分散方式であって、
    前記ネットワークはパケットを送受信する端末と前記端末間のパケットを経路中継するルータと管理端末とを備え、
    前記管理端末は、
    ネットワークからネットワークトポロジー情報を収集して実在のネットワークトポロジーを認識し実ネットワークトポロジーテーブルを作成する実ネットワーク認識手段と、
    パケットを識別するパケット種別情報を設定する手段と、
    前記パケット種別毎の仮想ネットワークを構築するための各ルータ間接続の有効/無効情報を設定する手段と、
    前記ルータ間接続情報および前記実ネットワークトポロジーテーブルを基に前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを作成する仮想ネットワーク定義手段と、
    前記パケット種別情報および前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを前記ルータに送信する手段と、を有し、
    前記ルータは、
    実存するネットワークに対応した実ネットワークトポロジーテーブルを生成し前記実ネットワークトポロジーテーブルを基に実ルーティングテーブルを作成する手段と、
    前記パケット種別情報および前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを前記管理端末から受信する手段と、
    前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを基に前記パケット種別毎の仮想ネットワークに対応した仮想ルーティングテーブルを作成する手段と、
    パケットを受信したときに受信したパケットが前記パケット種別に該当するか否かを検索し前記パケット種別に該当する場合には該当したパケット種別に対応した仮想ルーティングテーブルを用いて受信したパケットのルーティングを行う手段と、を有する、
    ことを特徴とするトラフィック負荷分散方式。
  3. 前記ルータは、前記受信したパケットが前記パケット種別に該当しない場合に前記実存するネットワークに対応した実ルーティングテーブルを用いて受信したパケットのルーティングを行う手段を有する、
    ことを特徴とする請求項または記載のトラフィック負荷分散方式。
  4. 前記パケット種別情報は、パケットのヘッダ情報の組み合わせから成る、
    ことを特徴とする請求項または記載のトラフィック負荷分散方式。
  5. ルーティングプロトコルを用いてネットワークトポロジー情報を動的に収集して最短経路を選択するコネクションレス型のパケットネットワーク(IPネットワーク)におけるトラフィック負荷分散方法であって、
    ルータは、
    ネットワークからネットワークトポロジー情報を収集して実存するネットワークに対応した実ネットワークトポロジーテーブルを生成し前記実ネットワークトポロジーテーブルを基に実ルーティングテーブルを作成し、
    管理端末は、
    パケットを識別するためのパケット種別情報を設定し、
    前記パケット種別毎の仮想ネットワークを構築するためのルータ間接続情報を設定し、
    前記パケット種別情報および前記パケット種別毎のルータ間接続情報をネットワークを構成する各ルータに送信し、
    前記ルータは、
    前記パケット種別情報および前記パケット種別毎のルータ間接続情報を前記管理端末から受信し、
    前記実ネットワークトポロジーテーブルおよび前記パケット種別毎のルータ間接続情報を基に前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを生成し、
    前記仮想ネットワークトポロジーテーブルを基に対応した仮想ルーティングテーブルを作成し、
    前記ルータは、
    パケットを受信したときに受信したパケットが前記パケット種別に該当するか否かを検索し前記パケット種別に該当する場合には該当したパケット種別に対応した仮想ルーティングテーブルを用いて受信したパケットのルーティングを行う、
    ことを特徴とするトラフィック負荷分散方法。
  6. ルーティングプロトコルを用いてネットワークトポロジー情報を動的に収集して最短経路を選択するコネクションレス型のパケットネットワーク(IPネットワーク)におけるトラフィック負荷分散方法であって、
    ルータは、
    ネットワークからネットワークトポロジー情報を収集して実存するネットワークに対応した実ネットワークトポロジーテーブルを生成し前記実ネットワークトポロジーテーブルを基に実ルーティングテーブルを作成し、
    管理端末は、
    ネットワークからネットワークトポロジー情報を収集して実在のネットワークトポロジーを認識して実ネットワークトポロジーテーブルを作成し、
    パケットを識別するためのパケット種別情報を設定し、
    前記パケット種別毎の仮想ネットワークを構築するためのルータ間接続情報を設定し、
    前記ルータ間接続情報および前記実ネットワークトポロジーテーブルを基に前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを作成し、
    前記パケット種別情報および前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルをネットワークを構成する各ルータに送信し、
    前記ルータは、
    前記パケット種別情報および前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを前記管理端末から受信し、
    前記パケット種別毎の仮想ネットワークトポロジーテーブルを基に前記パケット種別毎の仮想ネットワークに対応した仮想ルーティングテーブルを作成し、
    前記ルータは、
    パケットを受信したときに受信したパケットが前記パケット種別に該当するか否かを検索し前記パケット種別に該当する場合には該当したパケット種別に対応した仮想ルーティングテーブルを用いて受信したパケットのルーティングを行う、
    ことを特徴とするトラフィック負荷分散方法。
  7. 前記受信したパケットが前記パケット種別に該当しない場合には、実存するネットワークに対応した実ルーティングテーブルを用いて受信したパケットのルーティングを行う、
    ことを特徴とする請求項または記載のトラフィック負荷分散方法。
  8. 前記パケット種別情報は、パケットのヘッダ情報の組み合わせであることを特徴とする請求項または記載のトラフィック負荷分散方法。
  9. 前記受信したパケットが前記パケット種別に該当している場合で且つ対応する仮想ネットワークの仮想ルーティングテーブルを用いても宛先に到達不能である場合、実存するネットワークに対応した実ルーティングテーブルを用いて受信したパケットのルーティングを行う、
    ことを特徴とする請求項または記載のトラフィック負荷分散方法。
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