JP3926155B2 - 室内監視システムおよびハイジャック・テロ防止システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロマシンを用いて部屋内の様子を監視する室内監視システムと、その技術を応用したハイジャック・テロ防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
先日、米国で発生した同時多発テロでは、ハイジャックした航空機を武器としてテロを起こした点に特徴がある。このようなハイジャック・テロが起きた背景として、現状では航空機の機内の様子をモニタリングして、迅速な対応を行う有効なシステムが存在しないことにある。コックピット内の操縦士ですら機内の様子を正確に把握できないため、先日の同時多発テロでは、乗客が自己の携帯電話で機外と通信した内容が最もよく機内の状況を伝えていた。
【0003】
このように、現状では、ハイジャッカーに対してまったく無防備な状況にあり、乗員や乗客は決死の覚悟で、多くの犠牲者の命と引き換えにハイジャッカーに立ち向かわなければならない。あるいは、被害の拡大を防止するためにハイジャックされた航空機をミサイル等で撃墜するか、ハイジャッカーの要求を受け入れるしかない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
機内の状況をモニタリングするためには、監視カメラを設ければよいが、監視カメラはハイジャッカーに破壊されてしまうおそれが高いし、監視カメラで常に監視されていることが乗客にわかると、乗客に不快な思いをさせてしまう。
【0005】
また、一台の監視カメラで監視できる範囲は限られており、大型航空機の場合は、多数の監視カメラを設置しなければならず、設備コストがかかる上に、これら多数の監視カメラからの映像をチェックする作業も大変になる。
【0006】
さらに、ハイジャッカーは一般乗客に紛れ込んでいるため、ハイジャッカーを特定するにはすべての乗客の顔をチェックする必要があるが、そのためには、監視カメラの設置台数を増やして全座席を監視しなければならず、大型航空機でなくても数多くの監視カメラが必要になる。
【0007】
また、ハイジャッカーは、必ずしも座席に座っているとは限らないため、監視カメラの監視領域外にハイジャッカーが移動してしまうと、監視が不可能になる。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設備コストをかけることなく部屋内の状況をくまなく監視可能な室内監視システムを提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、ハイジャッカーを早期に特定してハイジャック・テロを未然に防止可能なハイジャック・テロ防止システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、部屋の天井および壁の少なくとも一方の内部に配設されるガイド部材と、前記ガイド部材に沿って移動可能で、マイクロカメラユニットを搭載したマイクロマシンと、前記ガイド部材に沿って天井面または壁面に互いに間隔を隔てて形成される複数のモニタリング孔と、前記マイクロマシンの位置制御を行う位置制御手段と、前記マイクロカメラユニットが前記モニタリング孔を通して撮影した部屋内の映像を受信および再生する受信再生手段と、を備える。
【0011】
本発明では、ガイド部材に沿ってマイクロマシンを任意の場所に移動させて部屋内の状況を監視することにより、犯罪者の特定と犯罪に対する対策をいち早く行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る室内監視システムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は本発明に係る室内監視システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図である。図1の室内監視システムは、航空機の機内の各部をくまなく監視することを目的とする。
【0014】
図1の室内監視システムは、機内の天井や壁に埋め込まれた配管内を自由に移動可能なマイクロマシン1と、マイクロマシン1の停止位置を制御する停止位置制御部2と、マイクロマシン1に搭載されたマイクロカメラユニットで撮影した映像音声情報を受信して再生するモニタリング部3と、ハイジャッカーに関する個人情報および犯罪履歴情報を格納するテロ情報データベース4と、ハイジャック・テロの可能性について解析を行う解析部5と、ハイジャック・テロの可能性が高いと判断されたときに警告を行う警告部6と、ハイジャック・テロの可能性が高いことを示す裏づけ情報を作成する裏づけ情報作成部7と、を備えている。
【0015】
機内の天井や壁には、図2に示すように、複数本の小口径の配管8が埋め込まれており、これら配管8の中をマイクロマシン1が自由に行き来する。マイクロマシン1は、操縦室や搭乗室内の任意の場所に停止して周辺の様子を監視する。
【0016】
配管8の本数に特に制約はないが、大型の航空機ほど多くの配管8を必要とする。例えば、座席が横に6列ある場合には、各列とその間の通路のそれぞれに対応させて天井裏に配管8を設けるのが望ましい。ただし、マイクロマシン1が広角撮影が可能なマイクロカメラユニットを搭載している場合には、配管8の数を減らしてもよい。
【0017】
配管8は、図3に示すように、航空機の長手方向に延びている。配管8は多少曲がっていてもよい。曲率半径が約40cm以上であれば、マイクロマシン1の移動を妨げることがない。また、大型航空機の場合などは、前方や後方などの座席位置によって別個の配管8を設けてもよい。また、マイクロカメラユニットのメンテナンスの便宜を考慮に入れて、配管8は塩化ビニール等の透明または半透明の材料で形成するのが望ましい。
【0018】
図3では、わかりやすくするために、配管8の直径を太く描いているが、実際には、直径が1.5cm〜2cm程度の細径の配管8である。マイクロマシン1も直径が1cm程度で長さが7cm程度の小さなものである。
【0019】
機内の天井面や壁面には、配管8に沿って、図4に示すように、例えば30cm間隔で多数のモニタリング孔9が設けられている。これらモニタリング孔9の位置でマイクロカメラユニットは機内の様子を撮影する。モニタリング孔9の直径は5mm程度であるが、ハイジャッカーや乗客に気づかれないように、モニタリング孔9を天井や壁の装飾的なデザインに合致させるのが望ましい。
【0020】
このように、配管8に沿って多数のモニタリング孔9を設けることにより、マイクロカメラユニットは機内の様子をくまなく監視できる。
【0021】
図5はマイクロマシン1の一例を示す外観図である。このマイクロマシン1は、原子力発電用の主復水器の小口径配管8の内面をモニタリングする目的で開発されたものである。これは、通商産業省工業技術院の産業科学技術研究制度「マイクロマシン技術の研究開発」(以下マイクロマシンプロジェクト)の一環として、平成3年から開発を進めて来たものである。この開発済みのマイクロマシン1は、マイクロ視覚、移動機構、発電機構、通信デバイス・制御回路等から構成され、管内の様子をCCDカメラで撮影し、その画像データを外部に無線伝送する機能を有しているとともに、必要なエネルギーは、マイクロ波と光により外部から供給されてワイヤレスで動作する。システムのサイズは、直径約1cm、長さ7cmである。この中で、(株)東芝は、マイクロ視覚を担当し、直径1cm、長さ2.5cmのマイクロカメラモジュールを開発した。移動機構等はこの例に限定されるものではない。このマイクロカメラモジュールはコンパクトであるため、曲率の大きい曲管内をスムーズに通過できる移動機構に搭載することも可能である。
【0022】
多くの原子力発電所は、沸騰水型軽水炉(BWR)が中心であり、BWRは原子炉内の主蒸気を直接発電用タービンに供給する。このため、BWRの主復水器の冷却管は放射能バウンダリを構成しており、冷却配管8の健全性確認は安全上非常に重要である。前記マイクロマシンプロジェクトで開発された上述のマイクロマシン1は、このような事情から考案・実用化されたものであり、高性能かつ小型であるため、多くのBWRプラントの安全確保に重要な役割を果たしている。
【0023】
本実施形態のマイクロマシン1は、上述のマイクロマシン1と同様の機能をもち、かつサイズも同様である。マイクロマシン1の一端側には、マイクロカメラユニットが搭載され、他端側には移動機構とエネルギー供給装置が搭載されている。
【0024】
本実施形態のマイクロマシン1は、配管8内の任意の場所に静かにかつ高速に移動できることを特徴とする。したがって、乗客やハイジャッカーにまったく気づかれることなく、機内の様子をくまなく常時監視することができる。
【0025】
図6はマイクロマシン1の内部構造の一例を示す断面図である。図示のように、マイクロカメラユニット11の横に無線通信回路14が設けられ、その横に移動機構12が設けられ、その横にエネルギー供給装置13が設けられている。
【0026】
マイクロカメラユニット11は、モニタリング孔9に対向配置される観察窓15と、観察窓15からの入射光を90度反射させる反射ミラー16と、反射ミラー16を回転させる反射ミラー駆動モータ17と、反射された入射光の集光・調整を行うレンズおよびレンズ調整機構18と、レンズを通過した光を撮像するCCDセンサ20と、CCDセンサ20を駆動して映像情報を生成する信号処理部21と、信号処理後の映像信号を一時的に格納するバッファメモリ22と、制御用IC23とを有する。
【0027】
反射ミラー駆動モータ17を設けることで、反射ミラー16を任意の角度で回転させることができ、マイクロカメラユニット11を動かさなくても室内の広範囲の状況を観察することができる。反射ミラー駆動モータ17は、中空駆動モータであるのが望ましく、静電ワブルモータなどが利用可能である。また、反射ミラー駆動モータ17を設けることで、反射ミラー16と配管8のモニタリング孔9との位置合わせも精度よく行うことができる。
【0028】
エネルギー供給装置13は、例えば配管8の一端部から不図示のレーザー発生装置によりレーザー光線を送り込むことでコードレスでエネルギーを供給する。これにより、電力切れでマイクロマシン1が停止するといった不具合が起きなくなるし、マイクロマシン1自身が電源装置を持たなくてよいため、マイクロマシン1を小型化できる。
【0029】
移動機構12は、配管8の内壁面に当接する位置に設けられる複数の車輪31と、車輪31に駆動力を伝達する不図示の歯車列と、歯車列を駆動する車輪用モータ32とを有する。
【0030】
移動機構12は、例えば車輪用モータ32で歯車列を駆動し、それに応じて車輪31が回転し、マイクロマシン1が配管8内を移動する。歯車列を逆方向に駆動すると、マイクロマシン1の移動方向も逆になる。
【0031】
なお、配管8の代わりに、ガイドレールを設けて、ガイドレール上をマイクロマシン1が移動するようにしてもよい。あるいは、配管8内にガイドレールを設けてもよい。ガイドレールを設けると、マイクロマシン1の移動方向が規制されるため、マイクロマシン1を意図した方向に移動させやすくなる。
【0032】
図7はマイクロマシン1の内部構造の他の例を示す断面図である。図7では、図6と同様の構成要素には同一符号を付している。図7のマイクロマシン1は、エネルギー供給装置13の代わりにバッテリ41を備えている点と、反射ミラー16を持たない点と、視野方向調整モータ42を備えている点とで、図6のマイクロマシン1と異なる。
【0033】
モニタリング孔9からの入射光は、反射ミラー16を介さずに、直接レンズに入射されるため、より鮮明な映像が得られる。機内の様子を広範囲に観察するには、レンズおよびレンズ調整機構18と、CCDセンサ20と、信号処理部21とを、視野方向調整モータ42で回転させればよい。視野方向調整モータ42は、観察窓15とモニタリング孔9との位置合わせを行うこともできる。反射ミラー16を省いたことで、マイクロマシン1の長手方向のサイズを短くでき、マイクロマシン1の小型軽量化が図れる。
【0034】
図6および図7のいずれのマイクロマシン1でも、CCDセンサ20で撮影された画像は信号処理部21で画像処理された後、無線通信部から無線で図1のモニタリング部3に送信される。図1の解析部5は、モニタリング部3で受信した映像をテロ情報データベース4に格納されている情報と照らし合わせて、ハイジャック・テロの可能性について解析する。この作業は、手動で行ってもよいが、コンピュータを利用して画像のマッチング処理を行って自動的に解析してもよい。
【0035】
警告部6は、解析部5の解析結果に基づいて、ハイジャック・テロの可能性が高いと判断されると警告を行う。警告をどのような形態で誰に対して行うかは特に問わないが、一例として、操縦士、管制官、航空会社、警察、政府機関(例えば、米国のホワイトハウス・国防総省や日本の首相官邸)および軍隊などに警告することが考えられる。
【0036】
裏づけ情報作成部7は、警告部6が警告を行ったときに、ハイジャック・テロの可能性が高いことを示す裏づけ情報を作成し、その裏づけ情報を警告先に送信する。
【0037】
図1に示したモニタリング部3、テロ情報データベース4、解析部5、警告部6および裏づけ情報作成部7は、機内に設けてもよいし、少なくとも一部を機外に設けてもよい。機外に設ける場合は、衛星通信回線等の高速通信回線を介して情報の送受を行うのが望ましい。
【0038】
このように、本実施形態では、機内の天井や壁に埋め込まれた複数の配管8の内部を任意に移動可能なマイクロマシン1に搭載されたマイクロカメラユニット11にて機内の様子を撮影し、その撮影された映像に基づいてハイジャック・テロの可能性を解析するため、ハイジャック・テロの可能性を事前に予測でき、ハイジャック・テロに対する対策が取りやすくなる。例えば、本実施形態によれば、航空機が離陸する前にハイジャッカーやテロリストを特定できるため、ハイジャッカー等が搭乗していることがわかれば、航空機の離陸を中止できる。また、離陸後にハイジャッカーに気づいた場合でも、政府機関などと協力して最悪の事態を防止するための対策検討をいち早く行うことができる。
【0039】
上述した実施形態では、航空機の機内を監視する例を説明したが、本発明は、機内だけでなく、列車、バス、ビルの内部など、不特定多数の人間が集まるすべての場所に適用可能である。
【0040】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、機内の様子を監視するだけでなく、ハイジャッカーの行動を抑制するものである。
【0041】
図8は本発明に係るハイジャックテロ防止システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図である。図8では、図1と共通する構成要素には同一符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
【0042】
図8のハイジャックテロ防止システムは、図1の構成に加えて、ハイジャック・テロに対する対策を検討するテロ対策部51と、ハイジャッカーに対する行動抑止行為を指示する行動抑止指示部52とを備えている。
【0043】
本実施形態のマイクロマシン1は、先端が鋭利な発射物をハイジャッカーに向けて打ち込むマイクロ銃ユニット60を搭載している。図9は本実施形態のマイクロマシン1の構造の一例を示す斜視図である。図示のように、マイクロ銃ユニット60はマイクロカメラユニット11の一端側に取り付けられ、マイクロ銃ユニット60の内部には、発射物61を収納したカプセル62が設けられている。カプセル62は、通常状態では図9のように横置きされるが、ハイジャッカーに対して行動抑止行為を行う際は図10のように縦置きされる。カプセル62を縦置きできるように、マイクロ銃ユニット60の筐体には、カプセル62が出入りするための切り欠き部63が設けられている。
【0044】
カプセル62を縦置きすると、配管8の内壁にカプセル62が当たってしまうため、配管8にも切り欠き部を設けるか、あるいはカプセル62が配管8の壁面に当たったときに壁面が自動的に持ち上がるような蓋構造にする必要がある。
【0045】
カプセル62内の発射物61の後端部側には、圧搾空気が収納された圧搾空気タンク64が設けられている。圧搾空気タンク64は、行動抑止指示部52からの指示により孔が開けられ、この孔から圧搾空気を吐出させる。吐出された圧搾空気は、発射物61を押し出し、その勢いで発射物61は発射される。
【0046】
発射物61は、ハイジャッカーの衣服を貫通して皮膚に突き刺さるように、先端部が鋭利になっている。具体的には、発射物61として、例えば麻酔薬の入った注射針や、薬物を塗布した矢や針などの針状部材が考えられるが、発射物61の具体的形態は特に問わない。また、薬物の種類も特に問わないが、ハイジャッカーの生命を奪わずにその行動を抑制できるものが望ましい。さらに、薬物は、ハイジャッカーが対抗手段を取らないように、即効性のあるものが望ましい。
【0047】
マイクロ銃ユニット60は、機内の天井面や壁面に予め設けたモニタリング孔9から発射物61を発射するが、ハイジャッカーはモニタリング孔9の直下にいるとは限らないので、カプセル62の角度を任意に変更可能にするのが望ましい。これにより、カプセル62を任意の角度にセットして、ハイジャッカーに確実に発射物61を命中させることができる。
【0048】
このように、第2の実施形態では、マイクロマシン1にマイクロカメラユニット11とマイクロ銃ユニット60を搭載するため、マイクロカメラユニット11で得られた映像によりハイジャッカーであることがわかると、ハイジャッカーに狙いを定めてマイクロ銃ユニット60から発射物61を発射させることができる。したがって、機外からハイジャッカーに対する攻撃やハイジャッカーとの交渉を行わなくても、ハイジャッカーの行動を抑制でき、ハイジャック・テロを未然に防止できる。
【0049】
また、機内の複数箇所に配管8を埋め込んでいるため、各配管8内のマイクロ銃ユニット60からハイジャッカーを攻撃すれば、ハイジャッカーが仮に復数人いたとしても、ほぼ同時にすべてのハイジャッカーの行動を抑制できる。また、仮に一つのマイクロ銃ユニット60からの発射物61がハイジャッカーに命中しなくても、他のマイクロ銃ユニット60から発射物61を発射させることができるため、狙いが外れる確率を低減できる。
【0050】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、航空機の搭乗者リストに基づいてハイジャック・テロの起きる可能性を確率予測するものである。
【0051】
図11は本発明に係るハイジャック・テロ防止システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図である。図11のハイジャック・テロ防止システムは、航空機の搭乗者リストを送信するリスト送信部71と、ハイジャッカーの個人情報および犯罪履歴情報を格納するテロ情報データベース4と、搭乗者リストを氏名、国籍、性別、宗教等の観点で分析するリスト分析部72と、リスト分析部72の分析結果を考慮に入れてハイジャック・テロの起きる可能性を確率評価する確率評価部73と、ハイジャック・テロが起きる可能性が高い場合に警告を行う警告部6と、ハイジャック・テロの可能性が高いことを示す裏づけ情報を作成する裏づけ情報作成部7と、を備えている。
【0052】
リスト送信部71は、無線あるいは有線により搭乗者リストをリスト分析部72に送信する。望ましくは、航空機が離陸する前に送信するのがよい。テロ情報データベース4、リスト分析部72、確率評価部73および警告部6は、機内に設けてもよいし、航空機外(例えば、空港など)に設けてもよい。
【0053】
テロ情報データベース4には、個々のハイジャッカーごとに、国籍、年齢、性別、宗教等の詳細情報が格納されている。確率評価部73は、リスト分析部72での分析結果をテロ情報データベース4に格納された情報と照らし合わせて、ハイジャック・テロの起きる可能性を数値化し、その可能性を確率値として出力する。
【0054】
警告部6は、確率評価部73から出力された確率値が所定のしきい値を超えると、警告を発する。警告部6からの警告と裏づけ情報作成部7が作成した裏づけ情報は、例えば、パイロット、管制官、航空会社、警察、政府機関(例えば、米国のホワイトハウス・国防総省や日本の首相官邸)および軍隊などに送られる。
【0055】
これにより、警告先は、警告と同時に、ハイジャッカーに関する情報を把握できるため、ハイジャッカーがハイジャック・テロを起こす前に対策を検討することができる。
【0056】
図12は確率評価部73が行う確率評価手順の一例を示したプロファイル・ツリー図である。乗客リストに基づき、乗客一人一人の氏名、年齢、国籍、宗教、性別、住所の観点よりその乗客のプロファイルを決定する。決定したプロファイルの一つとして、テロを起こす可能性を示す確率値(以下、テロ確率値と呼ぶ)を設定する。実際には、国籍、宗教および住所のそれぞれに対して基準を定めて確率値を設定する。これらの確率値はテロ対策の専門家の情報と知識に基づいて設定される。このようなプロファイルを各乗客ごとに決定すれば、テロ対策の専門家でなくても、各乗客がテロリストである確率を定量的に予測可能となる。
【0057】
このように、第3の実施形態では、搭乗者リストとテロ情報データベース4を基にしてハイジャック・テロの起きる可能性を確率評価するため、ハイジャック・テロが起きる可能性を正確に予測でき、ハイジャック・テロを未然に防止できるとともに、誤って航空機の離発着を中止する等の不必要な過剰防衛をしなくて済む。
【0058】
従来、航空機の搭乗員にはテロ対策の専門知識がなく、また、乗客一人一人をテロ対策の観点よりチェックする手間と時間も大変なことから、航空機の乗客に対して事前に何のチェックも行っていなかった。しかし、本実施形態によれば、乗客リストを自動的に汎用コンピュータ等で簡単にチェックできるため、乗客全体のテロ確率値を合計することにより、その航空機のテロ確率値を比較的容易に決定できる。
【0059】
また、テロリストは単独行動を取ることは少なく、数名で行動することが多いので、航空機全体のテロ確率値は個々の乗客のテロ確率値よりも高くなる。人間の目では、見落とす可能性の高いテロ行為を、本実施形態によれば、自動的に、しかもかなりの確度をもって評価可能となる。
【0060】
さらに、本実施形態では、各航空機の飛行コースや目的地、出発地などの付加情報を加味して、総合的に各航空機のハイジャックテロ発生確率を予測し、その確率値が、例えば、10−2/フライトを越えた場合に警告を発生する。
【0061】
また、本実施形態では、テロリスト確率の高いプロファイルを持つ乗客が特定されると、本実施形態による航空機室内監視システムにより各乗客の映像を取得し、テロリストデータベースに保存されているテロリストの映像と比較することによりテロリストであることを確認することもできる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、ガイド部材に沿ってマイクロマシン1を任意の場所に移動させて部屋内の状況をくまなく監視するため、ハイジャッカー等に気づかれることなく犯罪者を特定して、犯罪に対する対策を早期に検討ことができる。したがって、ハイジャック・テロを未然に防止できる可能性が高くなる。
【0063】
また、ハイジャッカーがハイジャック・テロを起こす前に、マイクロ銃ユニット60によりハイジャッカーの行動を抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る室内監視システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図2】天井や壁に埋め込まれた配管を示す図。
【図3】機内における配管の配置方法を示す図。
【図4】モニタリング孔の配置の様子を示す図。
【図5】マイクロマシンの一例を示す外観図。
【図6】マイクロマシンの内部構造の一例を示す断面図。
【図7】マイクロマシンの内部構造の他の例を示す断面図。
【図8】本発明に係るハイジャックテロ防止システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図9】第2の実施形態のマイクロマシン1の構造の一例を示す斜視図。
【図10】カプセルを立てた状態を示す斜視図。
【図11】本発明に係るハイジャック・テロ防止システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図12】確率評価部が行う確率評価手順の一例を示したプロファイル・ツリー図。
【符号の説明】
1 マイクロマシン
2 停止位置制御部
3 モニタリング部
4 テロ情報データベース
5 解析部
6 警告部
7 裏づけ情報作成部
8 配管
9 モニタリング孔
11 マイクロカメラユニット
13 エネルギー供給装置
41 バッテリ
51 テロ対策部
52 行動抑止指示部
61 発射物
62 カプセル
71 リスト送信部
72 リスト分析部
73 確率評価部
Claims (13)
- 部屋の天井および壁の少なくとも一方の内部に配設されるガイド部材と、
前記ガイド部材に沿って移動可能で、マイクロカメラユニットを搭載したマイクロマシンと、
前記ガイド部材に沿って天井面または壁面に互いに間隔を隔てて形成される複数のモニタリング孔と、
前記マイクロマシンの位置制御を行う位置制御手段と、
前記マイクロカメラユニットが前記モニタリング孔を通して撮影した部屋内の映像を受信および再生する受信再生手段と、を備えることを特徴とする室内監視システム。 - 前記受信再生手段が再生した映像を分析する映像分析手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の室内監視システム。
- 犯罪者の個人情報および犯罪履歴情報を格納するデータベースと、
前記映像分析手段による分析結果に基づいて、犯罪の発生が予測される場合に所定の警告を発する警告手段と、
前記警告手段が警告を発したときに、犯罪の発生が予測されることを示す裏づけ情報を作成する情報作成手段と、
を備え、
前記映像分析手段は、前記受信再生手段が再生した映像を前記データベースに格納されている情報と照合して犯罪の発生を予測することを特徴とする請求項2に記載の室内監視システム。 - 前記部屋は、航空機の機内であり、
前記データベースは、ハイジャッカーおよびテロリストに関する個人情報および犯罪履歴情報を格納し、
前記映像分析手段は、前記受信再生手段が再生した映像を前記データベースに格納されている情報と照合してハイジャック・テロの発生を予測することを特徴とする請求項3に記載の室内監視システム。 - 前記ガイド部材は、前記マイクロマシンを収納可能な内径をもつ配管であり、
前記マイクロマシンは、前記配管の内部を自走する駆動機構を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の室内監視システム。 - 前記マイクロマシンは、前記マイクロカメラユニットで撮影した映像を無線送信するとともに、前記位置制御手段からの位置制御情報を無線受信する無線通信ユニットを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の室内監視システム。
- 前記マイクロマシンは、無線で電力の供給を受ける無線電力受信手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の室内監視システム。
- 前記マイクロマシンは、バッテリを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の室内監視システム。
- 前記マイクロカメラユニットは、
レンズと、
前記レンズを駆動させてズームおよび焦点調節を行うレンズ駆動機構と、
前記レンズを通過した被写体光を撮像するCCDセンサと、
前記モニタリング孔からの入射光を前記レンズに導く反射ミラーと、
前記反射ミラーの位置制御および角度制御の少なくとも一方を行うミラー制御手段と、を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の室内監視システム。 - 前記マイクロカメラユニットは、
前記モニタリング孔からの入射光を角度を変えずに集光するレンズと、
前記レンズの焦点調節を行うレンズ駆動機構と、
前記レンズを通過した被写体光を撮像するCCDセンサと、
前記レンズの位置制御を行う視野方向調節機構と、を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の室内監視システム。 - 請求項1〜10のいずれかに記載の室内監視システムを有するハイジャック・テロ防止システムであって、
前記マイクロマシンは、先端が鋭利な発射物と、前記発射物を発射させる発射制御手段と、を含む発射ユニットを有し、
前記警告手段による警告があったときに、前記発射物を発射させるか否かを決定する発射決定手段をさらに備えることを特徴とするハイジャック・テロ防止システム。 - 前記マイクロマシンは、前記発射物を発射しない状態では前記発射物の先端が前記ガイド部材の延在方向を向くように前記発射ユニットを配置し、前記発射物を発射するときは前記発射物の先端が前記モニタリング孔方向を向くように前記発射ユニットの配置方向を変えることを特徴とする請求項11に記載のハイジャック・テロ防止システム。
- 前記発射物は、薬物を封入した注射針、あるいは少なくとも先端に薬物を塗布した針状部材であることを特徴とする請求項11または12に記載のハイジャック・テロ防止システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002004856A JP3926155B2 (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | 室内監視システムおよびハイジャック・テロ防止システム |
Applications Claiming Priority (1)
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