JP3926075B2 - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気と燃料とを予混合して燃焼させるガスタービン燃焼器に係わり、特に、NOx発生量の低減を図ったガスタービン燃焼器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の火力発電プラントに適用するガスタービン燃焼器は、NOx濃度の環境汚染規制値を達成するため、希薄予混合燃焼を採用しているものが主流を占めるようになっている。希薄予混合燃焼では、燃料と空気とを予め燃料希薄状態で混合して燃焼させることから排出されるNOx量が少ないが、安定でNOxの低い燃焼をする混合範囲が狭いことから、単独では着火から定格負荷まで対応することができなかった。このため、燃料制御系統数を複数化させた多段燃焼方式が採用されている。
【0003】
多段燃焼方式には、例えば、2段式を採用しているガスタービンがある。図5に、2つの燃料系統を備えたガスタービン燃焼器を概略的に示す。
【0004】
図5に示すように、円筒形状の燃焼器ライナ1の上流側に燃料系統が設けられ、この燃料系統は、燃焼器ライナ1に拡散燃料aを導入する拡散燃料系統2と、燃焼器ライナ1に予混合燃料bを導入する予混合燃料系統3とを備える。
【0005】
拡散燃料系統2には、図示しない燃料供給源から拡散燃料aを供給する拡散燃料配管4を備え、この拡散燃料配管4は燃焼器ライナ1の上流側中央に設けられた拡散燃焼用パイロットノズル5に接続される。そして、このパイロットノズル5を介して拡散燃料aが燃焼器ライナ1内に導入される。
【0006】
一方、予混合燃料系統3には、図示しない燃料供給源から燃料を導入する予混合燃料配管6を有する。そして、燃焼器ライナ1の外周側には、空気と燃料とを予め混合する予混合ダクト7が設けられ、この予混合ダクト7の上流側中央に設けられた予混合燃焼用メインノズル8に予混合燃料配管6が接続される。そして、このノズル8を介して、予混合燃料bが燃焼器ライナ1に供給される。
【0007】
このような構成を有するガスタービン燃焼器の燃料系統では、着火時または夜間などの電力供給量が少ない負荷の小さい範囲では拡散燃焼用パイロットノズル5を介して拡散燃料aを導入して火炎を確保する。また、ガスタービンの負荷が増大したときに、拡散燃焼用パイロットノズル5の絞りを調節して拡散燃料aの導入量を減らし、予混合燃焼用メインノズル8から予混合燃料bを供給する。
【0008】
このような2段式を採用することで、予混合燃料bは、拡散火炎の火種により安定して希薄予混合燃焼するためNOxの発生を抑制することができる。
【0009】
また、さらにNOx発生量を低減するため、拡散燃焼に供給する燃料の割合を小さくすることが有効である。しかし、火種が小さいと予混合火炎が薄いときに燃焼性が悪くなる。そこで燃焼性を良くするために、予混合燃料系統3を2系統に分割した。このガスタービン燃焼器の制御系統を多段燃焼方式の他の例として、図6に示す。なお、図6は図5とほぼ同様であるために、同一箇所には同一の符号を用いて説明を省略する。
【0010】
図6に示すように、予混合燃料系統3は、燃料器ライナ1の外周面から予混合燃料bを導入する第1の予混合燃料系統9と、燃焼器ライナ1の上流側であって、拡散燃料導入部近傍部から予混合燃料bを導入する第2の予混合燃料系統10とを有する。なお、第1の予混合燃料系統9は、図5に示す予混合燃料系統3と同一である。
【0011】
第2の予混合燃料系統10では、燃焼器ライナ1上流側の拡散燃焼用パイロットノズル5の外周側に、小型の予混合ダクト11を設置する。この小型の予混合ダクト11の上流側には予混合燃焼用パイロットノズル12が設けられ、この予混合燃焼用パイロットノズル12は図示しない燃料供給源から燃料を供給する予混合燃料配管13に接続される。そして、この第2の予混合燃料系統10からも燃料器ライナ1内に予混合燃料bが供給される。
【0012】
このような燃料系統を有するガスタービン燃焼器では、ガスタービン運転時での負荷の小さい範囲では、第1の予混合燃料系統9から燃料を供給せず、拡散燃焼用パイロットノズル5からの拡散火炎で第2の予混合燃料系統10の予混合燃焼用パイロットノズル12により予混合燃料bを導入して燃焼させる。
【0013】
一方、負荷が大きい範囲では拡散燃料系統2から拡散燃料aを導入し、また第2の予混合燃料系統10から予混合燃料bを導入する。そしてこれらの火炎により、第1の予混合燃料系統9から導入される予混合燃料bを安定して燃焼させる。
【0014】
このように、ガスタービン運転時に負荷の変動に応じて第1および第2の予混合燃料系統9,10からの燃料供給量を変えることでNOx発生をより一層低減することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような予混合燃焼は、NOx発生を抑制するには効果的であるが予混合気内に火炎が伝播しやすく、燃焼器ライナ1内の火炎が予混合ダクト7,11の中に侵入し、一旦侵入するとダクト7,11の壁を焼損するという問題を有していた。
【0016】
このように燃焼器ライナ1内の火炎のダクト7,11内への侵入を防止するため、予混合燃料bガスの噴出速度を火炎の伝播する速度より充分高くするなどの工夫がなされている。しかしながら、このような工夫を施したにもかかわらず、ダクト7,11内に火炎が侵入するという不具合が観察されることがしばしばあった。
【0017】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、NOx発生量の低減を図るとともに、予混合ダクト内への火炎侵入を防止し、製品寿命を向上させたガスタービン燃焼器を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した目的を達成するために、燃焼器内の火炎がダクト内に侵入する機構について詳細に調査した。
【0019】
通常、多段予混合燃焼している状態から拡散燃料aと予混合燃料bとの割合を拡散燃料aが減る方向にシフトしていくと、拡散燃料aがある割合より小さくなると火炎が不安定となり、予混合燃料aは失火と再着火とを繰り返す。その時の燃焼器ライナ1内の圧力変化は、失火時に急激な体積縮小で圧力が低下し、逆に再着火時には爆発的燃焼で圧力が上昇する。この再着火時の圧力上昇が大きいとき、瞬時に燃焼器ライナ1内の高温ガスが予混合ダクト7,11内に逆流して予混合燃料bに着火して予混合ダクト7,11内燃焼を引き起こす事が本発明者らの研究により明らかとなった。本願発明はこのような知見に基づいて完成されたものである。
【0021】
請求項記載の発明は、一つの燃焼器に対して少なくとも3系統以上の燃料系統を有し、かつ運転時に各系統からの燃料供給量を可変としたガスタービン燃焼器において、燃料流量が最大の系統に燃料が供給されるときには、最小の燃料流量の下限を、その最小の燃料流量に次いで少ない燃料流量の関数とすることを特徴とする。
【0022】
請求項記載の発明は、請求項記載のガスタービン燃焼器において、燃料は、拡散燃料または予混合燃料であることを特徴とする。
【0026】
請求項記載の発明は、請求項記載のガスタービン燃焼器において、最小の燃料流量の下限をその最小の燃料流量に次いで少ない燃料流量と大気温度との関数とすることを特徴とする。
【0027】
請求項記載の発明は、請求項記載のガスタービン燃焼器において、最小の燃料流量の下限をその最小の燃料流量に次いで少ない燃料流量と圧縮機吐出温度との関数とすることを特徴とする。
【0028】
請求項記載の発明は、請求項記載のガスタービン燃焼器において、最小の燃料流量の下限をその最小の燃料流量に次いで少ない燃料流量と大気湿度との関数とすることを特徴とする。
【0029】
請求項記載の発明は、請求項記載のガスタービン燃焼器において、燃料流量を実測して制御することを特徴とする。
【0030】
請求項記載の発明は、請求項記載のガスタービン燃焼器において、燃料流量の実測にかえて各燃料系統に設けた流量調整弁の弁開度信号により制御することを特徴とする。
【0031】
燃料系統が2系統以上ある多段予混合燃焼の場合には、燃料流量が最大の系統に燃料が供給されるときに、最小の燃料流量の下限を設けると良い。例えば、燃料として拡散燃料および予混合燃料を用いた場合に、すなわち従来例の図5に示す燃料系統2,3を備える場合に、燃焼器ライナ1内の高温ガスが予混合ダクト7,11内に逆流して予混合燃料に着火するのを防止するために、予混合燃料bの失火再着火を防ぐことが必要である。具体的には、図5に示す予混合燃料bが失火再着火を引き起こすことがないよう、拡散燃料aを下限流量以上導入して運転することで、予混合燃料aの失火再着火を回避できる。
【0032】
なお、予混合燃料bの失火および再着火を繰り返す限界の流量は、燃焼用空気の温度および湿度により変化することが実験的に明らかとなっている。ガスタービンでは、燃焼用空気の温度は圧縮機吐出温度であるため、圧縮機吐出温度により拡散燃料aの流量下限を変化させることでNOx発生量の低減を図るとともに、予混合ダクト7,11内への火炎の侵入を防止できる。また、圧縮機吐出温度は大気温度の関数であるため、制御のための数値として大気温度を用いてもよい。さらに、燃焼用空気の湿度は大気湿度と同じであるので大気湿度により拡散燃料の流量下限を変化させてNOx発生量を低減し、ダクト内への火炎の侵入を防止できる。
【0033】
次に、燃料系統が3系統以上あるガスタービン燃焼器について説明する。このような多段予混合燃焼の場合に、通常の予混合燃焼状態から3つの燃料系統の割合を可変し、失火再着火の不安定燃焼が生ずる配分を調査した。なお、最大流量を供給する予混合燃料系統を第1系統とし、最小の燃料流量である燃料系統を第2系統、最小の燃料流量に次いで少ない燃料系統を第3系統とした。そして、第2の燃料流量を横軸とし、また第3の燃料流量を縦軸として両者の関係を図7のグラフ上に示した。なお、第2の燃料流量を横軸とし、第3の燃料流量を縦軸とした。
【0034】
図7に示すように、失火再着火限界線13が1本のカーブとして得られ、この失火再着火限界線13が不安定燃焼範囲と安定燃焼範囲とに区切られていることが実験的に明らかとなっている。この実験的事実から、失火再着火による圧力の急激な変動で予混合ダクト内へ火炎が侵入するのを回避するためには、第2燃料流量および第3燃料流量を調節して、不安定燃焼領域に入れないことが必要である。
【0035】
また、失火および再着火を繰り返す第2系統および第3系統の燃料流量領域限界線13は、燃焼用空気の温度と湿度により変化するのが実験的に明らかとなっている。ガスタービンでは、燃焼用空気の温度は圧縮機吐出温度である。このため、圧縮機吐出温度により拡散燃料の流量下限を変化させることでNOx発生量の低減を図るとともにダクト内への火炎の侵入を防止できる。また、圧縮機吐出温度は大気温度の関数であることから、制御のための数値として大気温度を用いてもよい。さらに、燃焼用空気の湿度は大気湿度と同じであるので大気湿度により拡散燃料の流量下限を変化させて、NOx発生量の低減を図るとともに予混合ダクト内への火炎の侵入を防止できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図1ないし図4を参照して説明する。
【0037】
基本形態(図1、図2)]
本形態においては、2系統の燃料系統を備えたガスタービン燃焼器について図1および図2を用いて説明する。
【0038】
図1は、2系統の燃料系統を備え、これらの燃料系統に燃料流量を制御する手段を設けたガスタービン燃焼器の概略を示す図である。
【0039】
図1に示すように、円筒形状の燃焼器ライナ20の上流側に燃料系統を備え、この燃料系統は、燃焼器ライナ20に拡散燃料aを導入する拡散燃料系統21と、燃焼器ライナ20に予混合燃料bを導入する予混合燃料系統22とを有する。
【0040】
拡散燃料系統21には、図示しない燃料供給源から燃焼器ライナ20内に拡散燃料aを供給する拡散燃料配管23を設け、この拡散燃料配管23に拡散燃料aを導入する流量を調節する拡散燃料流量調節弁24を備える。また、拡散燃料配管23の下流側先端部は燃焼器ライナ20の上流側中央に設けられた拡散燃焼用パイロットノズル25に接続され、このパイロットノズル25を介して拡散燃料aが燃焼器ライナ20内に導入される。
【0041】
一方、予混合燃料系統22には、図示しない燃料供給源から燃料を供給する予混合燃料配管26を設け、この予混合燃料配管26に予混合燃料bを導入する流量を調節する予混合燃料流量調節弁27を備える。この予混合燃料配管26の下流側は、燃焼器ライナ20の外周側に配置された予混合ダクト28に接続されており、この予混合ダクト28の上流側中央に設けられた予混合燃焼用メインノズル29を介して予混合燃料bが燃焼器ライナ20内に供給される。
【0042】
そして、各燃料系統21,22には燃料a,bの導入量を制御する手段が設けられている。制御手段として、拡散燃料系統21の流量調節弁24には、この流量調節弁24の開度を検知および調節して拡散燃料aの流量を調整する拡散燃料開度設定器30を接続する。この拡散燃料開度設定器30には、拡散燃料aを導入する下限値の量を発信する最小開度信号発信器31を接続する。
【0043】
一方、予混合燃料系統22の流量調節弁27にも同様に、流量調節弁27の開度を検知および調節して予混合燃料bの流量を可変する予混合燃料開度設定器32を接続する。この予混合燃料開度設定器32は拡散燃料開度設定器30に接続されており、予混合燃料bの流量変動に応じて拡散燃料aの流量を可変できる。
【0044】
図2は、図1に示す最小開度信号発信器31に、センサ33および関数演算器34を接続したガスタービン燃焼器の概略を示す図である。
【0045】
図2に示すように、センサ33では、大気温度、圧縮機吐出温度または大気湿度を検知し、この検知されたセンサ信号から得られる下限開度を関数演算器34で演算し、最小開度信号発信器31に信号を発信するようになっている。
【0046】
このような燃料系統を有するガスタービン燃焼器では、着火時には拡散燃焼用パイロットノズル25から拡散燃料aを導入して火炎を確保する。そして、ガスタービンの負荷が増大したときには、拡散燃焼用パイロットノズル25から供給される拡散燃料aの導入量を低減し、予混合燃焼用メインノズル29から予混合燃料bを導入する。この予混合燃料bの導入により、拡散燃料開度設定器30が予混合燃料開度設定器32から予混合燃料開度が0でない信号を受ける。この信号を受けたとき、最小開度信号発信器31からの信号に基づき、拡散燃料bの燃料流量が下限値を下回らないように制御されるようになっている。
【0047】
なお、ガスタービン運転時、特に、夜間などの電力供給量が少ない負荷の小さい範囲では、予混合燃料開度設定器32からの信号により予混合燃料bの供給を減らし、着火時と同様に拡散燃料aを導入して火炎を確保する。
【0048】
本実施形態によれば、ガスタービンの負荷に応じて開度設定器31,32の信号により流量調節弁24,27の開閉して燃料導入量を変えることで、予混合燃料bは、拡散火炎の火種により安定して希薄予混合燃焼するため、NOx発生を抑制できる。
【0049】
また、図2に示す大気温度、圧縮機吐出温度または大気湿度を検知するセンサ33を設置し、この信号から得られる関数に基づいて燃焼器ライナ20への燃料導入量を可変することで、燃焼条件に最適な下限値が常に与えられ、予混合ダクト28内への火炎の侵入を防止しガスタービン燃焼器の寿命向上を図れる。
【0050】
なお、本形態では、燃料流量信号は拾わず開度発信器30,31,32からの信号により流量が制御されている。この開度発信器30,31,32に替えて、他の実施形態として、各燃料系統21,22に流量計を設けて燃料流量を実測し、この実測数値を各燃料系統21,22にフィードバックすることで燃料流量を制御しても良い。さらに、開度発信器30,31,32からの信号と流量計からの実測数値とにより制御しても良く、各燃料系統21,22に設けられた設定機器の設定精度をさらに向上できる。
【0051】
また、本形態では、2系統の燃料系統を有するがスタービン燃焼器を示したが、燃料系統は2系統に限定されるものではなく、2系統以上の燃料系統を有するガスタービン燃焼器にも適用することができる。
【0052】
実施形態(図3、図4)]
本実施形態においては、3系統の燃料系統を備えたガスタービン燃焼器について図3および図4を用いて説明する。なお、図3は、図1の予混合燃料系統22を分割したものであり、図1とほぼ同様の構成を有するため同一箇所には同一の符号を用いてその説明を省略する。
【0053】
図3は、3系統の燃料系統を備え、燃料系統に燃料流量を制御する手段を設けたガスタービン燃焼器の概略を示す図である。
【0054】
図3に示すように、予混合燃料系統22は、燃料器ライナ20の外周面から予混合燃料bを導入する第1の予混合燃料系統35と、燃焼器ライナ20の上流側であって、拡散燃料導入部近傍部から予混合燃料bを導入する第2の予混合燃料系統36とを有する。
【0055】
第1の予混合燃料系統35は、図1に示す予混合燃料系統22と同一である。
【0056】
第2の予混合燃料系統36は、図示しない燃料供給源から燃焼器ライナ20内に予混合燃料bを供給する予混合燃料配管37を設け、この予混合燃料配管37に予混合燃料bの流量を調節する予混合燃料流量調節弁38を備える。この予混合燃料配管38の下流側は、燃焼器ライナ20の外周側に配置された小型の予混合ダクト39に接続されており、この予混合ダクト39の上流側中央に設置された予混合燃焼用パイロットノズル40を介して予混合燃料bが燃焼器ライナ20に導入される。
【0057】
そして、各燃料系統21,35,36には燃料a,bの導入量を制御する手段が設けられている。
【0058】
制御手段として、図1に示す燃料系統と同様に、拡散燃料系統21には、拡散燃料開度設定器30と、この拡散燃料開度設定器30に接続された最小開度信号発信器31とを備える。また第1の予混合燃料系統35には、予混合燃料開度設定器32を備える。
【0059】
一方、第2の予混合燃料系統36の流量調節弁38には、この流量調節弁38の開度を検知および調節して予混合燃料bの流量を調節する予混合燃料開度設定器41を接続する。この予混合燃料開度設定器41には、拡散燃料系統21の最小開度信号発信器31を接続し、また、第1の予混合燃料系統35の予混合燃料開度設定器32を接続し、予混合燃料bの流量変動に応じて拡散燃料aの流量を可変できる。
【0060】
図4は、図3に示す最小開度信号発信器31に、センサ33および関数演算器34を接続した燃料系統を有するガスタービン燃焼器の概略を示す図である。
【0061】
図4に示すように、センサ33では、大気温度、圧縮機吐出温度または大気湿度を検知し、この検知されたセンサ信号から得られる下限開度を関数演算器34で演算し、最小開度信号発信器31に信号を発信するようになっている。
【0062】
このような燃料系統を有するガスタービン燃焼器では、着火時および夜間などの電力供給量の比較的少ない負荷の小さい範囲では、予混合燃焼用メインノズル29から予混合燃料bを供給せずに、拡散燃焼用パイロットノズル25からの拡散火炎で、第2の予混合燃料系統36の予混合燃料bを燃焼させる。そして、負荷が大きい範囲では拡散燃焼用パイロットノズル25と第2の予混合燃料系統36の予混合ダクト39からの火炎で第1の予混合燃料系統35の予混合燃料bを安定して燃焼させることで低NOx化を達成している。このような負荷が大きい範囲においては、第1の予混合燃料系統35の予混合燃料開度設定器32から予混合燃料開度が0でない信号を受け、予混合燃料開度設定器41は最小開度信号発信器31からの信号に従い、拡散燃料aの流量が下限値を下回らないように制御している。なお、最小開度信号発信器31は、拡散燃料開度設定器30の信号を受けて内蔵する関数に従って第2の予混合燃料系統36における予混合燃料bの下限値を発信する。
【0063】
また、図4に示すセンサ33では、大気温度、圧縮機吐出温度または大気湿度を検知する。このセンサ33で検知した信号から求められる下限開度を関数演算器34で演算して最小開度信号発信器31に信号を発信する。
【0064】
本実施形態によれば、図4に示す大気温度、圧縮機吐出温度または大気湿度を検知するセンサ33を設置し、この信号から得られる関数により燃焼器ライナ20への燃料導入量を可変させる。すなわち、ガスタービンの負荷に応じて開度設定器31,32,41の信号により流量調節弁24,27,38を開閉し、燃料流量が最大である第1の予混合燃料系統35に予混合燃料bが供給されるときに、最小の燃料流量である第2の予混合燃料系統36の予混合燃料bの流量下限を拡散燃料系統21の拡散燃料aの燃料流量の関数とすることで、燃焼条件に最適な燃料流量の下限値が常に与えられるため、予混合ダクト28内への火炎の侵入を防止でき、これによりガスタービン燃焼器の寿命向上が図れる。
【0065】
また、本実施形態においては開度発信器30,32,41からの信号により流量が制御されており燃料流量信号は拾わないが、他の実施形態として、各燃料系統21,35,36に燃料流量を計測する流量計を設け、この流量計で実測された数値を各燃料系統21,35,36にフィードバックすることで燃料流量を制御しても良い。さらに、開度発信器30,32,41からの信号と流量計からの実測数値とにより、各燃料系統21,35,36に設けられた設定機器の設定精度をさらに向上することもできる。
【0066】
なお、本実施形態では、3系統の燃料系統を有するガスタービン燃焼器を示したが、燃料系統は3系統に限定されるものではなく3系統以上の燃料系統を有するガスタービン燃焼器にも適用することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ガスタービンの負荷に応じて燃料導入量を変化させることでNOx発生の低減を図るとともに、火種となる側の燃料系統の流量下限を設け、予混合燃料の失火再着火による急激な圧力変動に起因する予混合ダクト内への火炎の侵入を防止し予混合ダクトの焼損を回避できるため、ガスタービン燃焼器の製品寿命を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 2系統の燃料系統を備え、これらの燃料系統に燃料流量を制御する手段を設けたガスタービン燃焼器を示す概略図。
【図2】 図1に示す最小開度信号発信器31に、センサ33および関数演算器34を接続したガスタービン燃焼器を示す概略図。
【図3】 本発明の実施形態における、3系統の燃料系統を備え、これらの燃料系統に燃料流量を制御する手段を設けたガスタービン燃焼器を示す概略図。
【図4】 図3に示す最小開度信号発信器31に、センサ33および関数演算器34を接続したガスタービン燃焼器を示す概略図。
【図5】 従来における、2系統の燃料系統を備えたガスタービン燃焼器を示す概略図。
【図6】 従来における、2系統の燃料系統を備えたガスタービン燃焼器を示す概略図。
【図7】 本発明における、3系統以上の燃料系統がある場合の火炎が不安定となる限界を示すグラフ。
【符号の説明】
20 燃焼器ライナ
21 拡散燃料系統
22 予混合燃料系統
23 拡散燃料配管
24 拡散燃料流量調節弁
25 拡散燃焼用パイロットノズル
26 予混合燃料配管
27 予混合燃料流量調節弁
28 予混合ダクト
29 予混合燃焼用メインノズル
30 拡散燃料開度設定器
31 最小開度信号発信器
32 予混合燃料開度設定器
33 センサ
34 関数演算器
35 第1の予混合燃料系統
36 第2の予混合燃料系統
37 予混合燃料配管
38 予混合燃料流量調節弁
39 予混合ダクト
40 予混合燃焼用パイロットノズル
41 予混合燃料開度設定器
a 拡散燃料
b 予混合燃料

Claims (7)

  1. 一つの燃焼器に対して少なくとも3系統以上の燃料系統を有し、かつ運転時に各系統からの燃料供給量を可変としたガスタービン燃焼器において、燃料流量が最大の系統に燃料が供給されるときには、最小の燃料流量の下限を、その最小の燃料流量に次いで少ない燃料流量の関数とすることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 請求項記載のガスタービン燃焼器において、燃料は、拡散燃料または予混合燃料であることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  3. 請求項記載のガスタービン燃焼器において、最小の燃料流量の下限をその最小の燃料流量に次いで少ない燃料流量と大気温度との関数とすることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  4. 請求項記載のガスタービン燃焼器において、最小の燃料流量の下限をその最小の燃料流量に次いで少ない燃料流量と圧縮機吐出温度との関数とすることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  5. 請求項記載のガスタービン燃焼器において、最小の燃料流量の下限をその最小の燃料流量に次いで少ない燃料流量と大気湿度との関数とすることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  6. 請求項記載のガスタービン燃焼器において、燃料流量を実測して制御することを特徴とするガスタービン燃焼器。
  7. 請求項記載のガスタービン燃焼器において、燃料流量の実測にかえて各燃料系統に設けた流量調整弁の弁開度信号により制御することを特徴とするガスタービン燃焼器。
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