JP3919589B2 - Belt meandering correction apparatus and image forming apparatus - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の支持部材に張架された無端ベルトの蛇行を補正するベルト蛇行補正装置及び複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置の中には、複数の支持部材であるローラに張架された無端ベルトである中間転写ベルトを用いてカラー画像を形成するカラー画像形成装置がある。このカラー画像形成装置は、感光体等に形成された各色トナー像を中間転写ベルト上に重ね合わせ、その重ね合わせた合成トナー像を転写紙に転写してカラー画像を形成する。一般に、中間転写ベルト等の無端ベルト(以下、単に「ベルト」という。)が駆動しているときには、その中間転写ベルト上の任意点がベルト幅方向(ベルト表面上における無端移動方向に直交する方向)に多少変位しながら移動するため、ベルトが蛇行する。このような蛇行が生じると、ベルトを張架するローラからベルトが脱落するという不具合が生じる。
また、上記カラー画像形成装置において中間転写ベルトが蛇行すると、その中間転写ベルト上に各色トナー像をぴったりと重ね合わせることができず、画像の色ズレ等の不具合が生じる。また、画像情報に応じた潜像を担持する潜像担持体として、無端ベルトである感光体ベルト等を用いた画像形成装置においてその感光体ベルト等が蛇行したときには、画質劣化という不具合が生じる。
【0003】
このような不具合を抑制するため、ベルトの無端移動中にベルトの幅方向位置がズレたとき、その幅方向位置を修正する方法が種々提案されている。その方法の中の1つには、ベルトを張架するステアリングローラのベルト幅方向における傾き動作を制御して、ベルトの幅方向位置を修正する方法が知られている。以下、この方法をステアリング方式という。このステアリング方式を採用したものとしては、例えば特開平3−288167号公報に開示されたベルト駆動装置が知られている。このベルト駆動装置は、ベルト上に設けたマークをCCDセンサで読み取ってベルト幅方向の位置ズレを検出し、そのCCDセンサで読み取った結果に基づいてステアリングローラの傾き動作を制御する。しかし、このベルト駆動装置では、ベルト上に1個だけ設けられたマークを、所定箇所に配置されたCCDセンサでベルト1周ごとに読み取る。そのため、CCDセンサがベルト上のマークを読み取ってから、ベルトが1周して再度マークを読み取るまでの間に生じるベルト幅方向の位置ズレについては、ステアリングローラの傾き動作の制御にフィードバックされない。このように比較的長い周期でベルト幅方向の位置ズレを検出するのでは、ベルトの幅方向位置のズレを高い精度で修正することはできない。
【0004】
一方、特開2000−34031号公報には、ステアリングローラの傾き動作を行う可動端部とは反対側の固定端部側に、ベルトの幅方向縁部の位置を検出するエッジセンサを配置したベルト駆動装置が開示されている。このベルト駆動装置では、ベルトの無端移動方向に沿って延びるベルトの幅方向縁部の位置をエッジセンサによって検出するので、ベルト幅方向の位置ズレを連続的に又は比較的短い周期で検出することが可能となる。よって、ベルト幅方向の位置ズレを、連続的に又は細かい間隔で、ステアリングローラの傾き動作の制御にフィードバックすることが可能となる。よって、このベルト駆動装置によれば、ベルトの幅方向位置のズレを高い精度で修正することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上述した種々の不具合の原因となるベルトの蛇行は、次のようなメカニズムにより発生するものと考えられる。
ベルトの蛇行は、ベルト上の任意点がベルト幅方向に変位しながら移動することである。このようにベルト上の任意点をベルト幅方向に変位させる力は、主に、そのベルトとこれが巻き付けられたローラとの間に働く摩擦力によって生じる。そして、ローラに巻き付いたベルト部分での無端移動方向が正規の無端移動方向に対して傾斜し始めたときに、ベルト上の任意点がベルト幅方向に変位し始める。ベルトの正規の無端移動方向はローラの表面移動方向と一致する場合には、上記ベルト部分での無端移動方向がそのローラの表面移動方向に対して傾斜し始めたときにベルト上の任意点がベルト幅方向に変位し始める。そして、ベルト幅方向に変位したベルト上の任意点がベルトの無端移動に伴って無端移動方向下流側に伝わると、ベルトが蛇行することになる。
【0006】
ところが、上記特開2000−34031号公報に開示のベルト駆動装置を含む従来のベルト駆動装置は、所定の箇所におけるベルトの幅方向への位置ズレをステアリングローラの傾き動作の制御にフィードバックするものである。すなわち、上述した蛇行のメカニズムからすると、従来のベルト駆動装置による制御では、ベルトが蛇行した結果生じるベルトの幅方向への位置ズレをフィードバックする。よって、従来のベルト駆動装置は、蛇行が発生した後にこの蛇行を修正するものと言える。したがって、従来のベルト駆動装置では、蛇行が発生してからステアリングローラの傾き動作による蛇行修正が行われるまでにタイムラグが生じ、蛇行が修正されるまでにある程度の時間を要するという問題があった。
【0007】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ベルトの蛇行が発生し始めてからこの蛇行を修正するまでの時間を短縮し、従来よりも効果的にベルトの蛇行を抑制できるベルト駆動装置及び画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の支持部材により張架される無端ベルトに駆動力を伝達して該無端ベルトを駆動させるベルト駆動装置で、該無端ベルトの無端移動方向が正規の無端移動方向から外れたときに生じる該無端ベルトの蛇行を補正するベルト蛇行補正装置において、上記複数の支持部材の中の少なくとも1つの支持部材に巻き付いた無端ベルト部分の無端移動方向と、該無端ベルト部分の正規の無端移動方向との傾斜を検出するための傾斜検出手段と、上記傾斜検出手段による検出結果に基づいて、上記無端ベルト部分の無端移動方向を正規の無端移動方向に修正する傾斜修正手段とを備え、上記傾斜検出手段は、上記無端ベルトの無端移動方向における互いに異なる2つの箇所で、上記少なくとも1つの支持部材に巻き付いた無端ベルト部分又はその近傍のベルト幅方向位置をそれぞれ検出する2つの位置検出手段を有し、該2つの位置検出手段による各検出結果の差分に基づいて上記傾斜を得るものであり、上記2つの位置検出手段が検出する各ベルト幅方向位置は、上記無端ベルトが上記少なくとも1つの支持部材に接触を開始する接触開始位置と、該支持部材から離間を開始する離間開始位置であることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のベルト蛇行補正装置において、上記少なくとも1つの支持部材は、上記複数の支持部材の中で、上記無端ベルトとの間の摩擦係数と、該無端ベルトの巻付き角との積が最も大きいものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、複数の支持部材により張架される無端ベルトに駆動力を伝達して該無端ベルトを駆動させるベルト駆動装置と、上記無端ベルトの無端移動方向が正規の無端移動方向から外れたときに生じる該無端ベルトの蛇行を補正するベルト蛇行補正装置とを備えた画像形成装置において、上記ベルト蛇行補正装置として、請求項1又は2のベルト蛇行補正装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、非画像形成動作時に、上記無端ベルトのベルト幅方向位置を正規の位置に修正する位置修正手段を設けたことを特徴とするものである。
上記請求項1のベルト蛇行補正装置においては、無端ベルトを張架する少なくとも1つの支持部材に巻き付いた無端ベルト部分の無端移動方向と、その無端ベルト部分の正規の無端移動方向との傾斜を傾斜検出手段により検出する。そして、その傾斜検出手段による検出結果に基づいて、傾斜修正手段により、無端ベルト部分の無端移動方向を正規の無端移動方向に修正する。すなわち、このベルト蛇行補正装置では、ベルトの蛇行の発生原因である上記傾斜を検出し、この検出結果に基づいて蛇行を補正する。よって、ベルトの蛇行が発生してから蛇行を修正する従来のものに比べて、ベルトの蛇行が発生し始めてからこの蛇行を修正するまでのタイムラグが小さい。これにより、ベルトの蛇行により生じるベルト幅方向位置のズレ量が小さいうちにその蛇行を補正できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、画像形成装置としての電子写真方式のカラー複写機(以下、単に「複写機」という。)に適用した一実施形態について説明する。なお、本実施形態の複写機は、無端ベルトである中間転写ベルトを備えたいわゆるタンデム型のカラー画像形成装置である。
図2は、本実施形態に係る複写機全体の概略構成図である。この複写機は、複写機本体100と、この複写機本体を載置する給紙テーブル200と、その複写機本体上に取り付けるスキャナ300と、このスキャナの上部に取り付けられる原稿自動搬送装置(ADF)400とから構成されている。
【0010】
図3は、複写機本体100部分の構成を示す拡大図である。複写機本体100には、中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、3つの支持部材である支持ローラ14,15,16に張架された状態で、図3中時計回り方向に回転駆動される。支持ローラのうちの第1支持ローラ14と第2支持ローラ15との間のベルト張架部分には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKが並んで配置されている。これらの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKの上方には、図2に示すように、露光装置21が設けられている。この露光装置21は、スキャナ300で読み取った原稿の画像情報に基づいて、各画像形成ユニットに設けられる潜像担持体としての感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK上に静電潜像を形成するためのものである。また、支持ローラのうちの第3支持ローラ16に対向する位置には、2次転写装置22が設けられている。この2次転写装置22は、2つのローラ23a,23b間に無端ベルト状の2次転写ベルト24が張架した構成を有する。そして、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙上に2次転写する際には、2次転写ベルト24を第3支持ローラ16に巻き付いた中間転写ベルト10部分に押し当てて2次転写を行う。なお、2次転写装置22は、2次転写ベルト24を用いた構成でなくても、例えば転写ローラや非接触の転写チャージャを用いた構成としてもよい。
また、2次転写装置22の2次転写ベルト24による転写紙搬送方向下流側には、転写紙上に転写されたトナー像を定着させるための熱定着手段としての定着装置25が設けられている。この定着装置25は、加熱ローラ26に加圧ローラ27を押し当てた構成となっている。
【0011】
また、中間転写ベルト10の支持ローラのうちの第2支持ローラ15に対向する位置には、ベルトクリーニング装置17が設けられている。このベルトクリーニング装置17は、記録材としての転写紙に中間転写ベルト10上のトナー像を転写した後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するためのものである。このベルトクリーニング装置17は、2つのファーブラシ90,91を備えている。これらのファーブラシ90,91は、それぞれ金属ローラ92,93に接触した状態で回転するように設けられている。本実施形態では、中間転写ベルト10の無端移動方向上流側の金属ローラ92に電源94から負極性の電圧を印加し、下流側の金属ローラ93に電源95から正極性の電圧が印加されている。これにより、ファーブラシ90,91には、それぞれ異なる極性のバイアスが印加される。なお、金属ローラ92,93には、それぞれブレード96,97が当接している。このベルトクリーニング装置17は、中間転写ベルト10の表面に対し、まず上流側のファーブラシ90により負極性のバイアスを印加してクリーニングを行う。そして、ファーブラシ90に転移したトナーは、さらに電位差によりファーブラシ90から金属ローラ92に転移し、ブレード96により掻き落とされる。このようにして、ブレード96,97で掻き落とされたトナーは、図示しないタンクに回収される。このようにして上流側のファーブラシ90によるクリーニングを受けた中間転写ベルト10の表面には、未だ多くのトナーが残留している。この残留しているトナーのほとんどは、もともと負極性トナーであったり、ファーブラシ90に印加される負極性バイアスによる電荷注入や放電により負極性に帯電されて負極性トナーになったものである。よって、これらのトナーは、正極性のバイアスが印加された下流側のファーブラシ91によりクリーニングされる。そして、ファーブラシ90に転移したトナーは、さらに電位差によりファーブラシ90から金属ローラ92に転移し、ブレード96により掻き落とされ、タンクに回収される。
【0012】
次に、画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKの構成について説明する。以下の説明では、黒色のトナー像を形成する画像形成ユニット18BKを例に挙げて説明するが、他の画像形成ユニット18Y,18C,18Mも同様の構成を有する。なお、画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKは、少なくとも感光体ドラム20と、画像形成ユニットを構成する構成部品や構成装置の全部又は一部とを備えたプロセスカートリッジとして構成することができる。この場合、画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKを複写機本体100に対して着脱自在に構成できるので、メンテナンス性が向上する。
【0013】
図4は、隣り合う2つの画像形成ユニット18M,18BKの構成を示す拡大図である。なお、図中の符号では、色の区別を示す「M」及び「BK」の記号を省略しており、以下の説明でも記号は適宜省略する。
画像形成ユニット18には、感光体ドラム20の周囲に、帯電装置60、現像装置61、感光体クリーニング装置63及び除電装置64が設けられている。また、感光体ドラム20に対して中間転写ベルト10を介して対向する位置には、1次転写装置62が設けられている。
【0014】
上記帯電装置60は、帯電ローラを採用した接触帯電方式のものであり、感光体ドラム20に接触して電圧を印加することにより感光体ドラム20の表面を一様に帯電する。この帯電装置60には、非接触のスコロトロンチャージャなどを採用した非接触帯電方式のものも採用できる。
【0015】
また、上記現像装置61は、一成分現像剤を使用してもよいが、本実施形態では、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分現像剤を使用している。この現像装置61は、攪拌部66と現像部67に大別できる。攪拌部66では、二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)が攪拌されながら搬送されて現像剤担持体としての現像スリーブ65上に供給される。この攪拌部66は、平行な2本のスクリュ68が設けられており、2本のスクリュ68の間には、両端部で互いが連通するように仕切るための仕切り板が設けられている。また、現像ケース70には現像装置内の現像剤のトナー濃度を検知するためのトナー濃度センサ71が取り付けられている。一方、現像部67では、現像スリーブ65に付着した現像剤のうちのトナーが感光体ドラム20に転移される。この現像部67には、現像ケース70の開口を通して感光体ドラム20と対向する現像スリーブ65が設けられており、その現像スリーブ65内には図示しないマグネットが固定配置されている。また、現像スリーブ65に先端が接近するようにドクタブレード73が設けられている。
【0016】
この現像装置61では、現像剤を2本のスクリュ68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネットにより汲み上げて保持される。現像スリーブ65に汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ65の回転に伴って搬送され、ドクタブレード73により適正な量に規制される。なお、規制された現像剤は攪拌部66に戻される。このようにして感光体ドラム20と対向する現像領域まで搬送された現像剤は、マグネットにより穂立ち状態となり、磁気ブラシを形成する。現像領域では、現像スリーブ65に印加されている現像バイアスにより、現像剤中のトナーを感光体ドラム20上の静電潜像部分に移動させる現像電界が形成される。これにより、現像剤中のトナーは、感光体ドラム20上の静電潜像部分に転移し、感光体ドラム20上の静電潜像は可視像化され、トナー像が形成される。現像領域を通過した現像剤は、マグネットの磁力が弱い部分まで搬送されることで現像スリーブ65から離れ、攪拌部66に戻される。
このような動作の繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71が検出し、その検出結果に基づいて攪拌部66にトナーが補給される。
【0017】
また、上記1次転写装置62は、1次転写ローラを採用しており、中間転写ベルト10を挟んで感光体ドラム20に押し当てるようにして設置されている。1次転写装置62は、ローラ形状のものでなくても、導電性のブラシ形状のものや、非接触のコロナチャージャなどを採用してもよい。また、各1次転写装置62の間には、中間転写ベルト10の裏面すなわち内周面側に接触する導電性ローラ74が設けられている。この導電性ローラ74は、1次転写時に各1次転写装置62により印加するバイアスが、中間転写ベルト10の内周面側の層を通じて隣接する画像形成ユニットに流れ込むことを阻止するものである。
【0018】
また、上記感光体クリーニング装置63は、先端を感光体ドラム20に押し当てられるように配置される、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えている。また、本実施形態では、クリーニング性能を高めるために感光体ドラム20に接触する導電性のファーブラシ76を併用している。このファーブラシ76には、金属製の電界ローラ77からバイアスが印加されており、その電界ローラ77にはスクレーパ78の先端が押し当てられている。そして、クリーニングブレード75やファーブラシ76により感光体ドラム20から除去されたトナーは、感光体クリーニング装置63の内部に収容される。その後、回収スクリュ79により感光体クリーニング装置63の片側に寄せられ、後述するトナーリサイクル装置80を通じて現像装置61へと戻され、再利用する。
【0019】
また、除電装置64は、除電ランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム20の表面電位を初期化する。
【0020】
以上の構成をもつ画像形成ユニット18では、感光体ドラム20の回転とともに、まず帯電装置60で感光体ドラム20の表面を一様に帯電する。次いでスキャナ300により読み取った画像情報に基づいて露光装置21からレーザやLED等による書込光Lを照射し、感光体ドラム20上に静電潜像を形成する。その後、現像装置61により静電潜像が可視像化されてトナー像が形成される。このトナー像は、1次転写装置62により中間転写ベルト10上に1次転写される。1次転写後に感光体ドラム20の表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニング装置63により除去され、その後、感光体ドラム20の表面は、除電装置64により除電されて、次の画像形成に供される。
【0021】
次に、本実施形態における複写機の動作について説明する。
上記構成をもつ複写機を用いて原稿のコピーをとる場合、まず、原稿自動搬送装置400の原稿台30に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。その後、ユーザーが図示しないスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときには、原稿がコンタクトガラス32上に搬送される。そして、スキャナ300が駆動して第1走行体33および第2走行体34が走行を開始する。これにより、第1走行体33からの光がコンタクトガラス32上の原稿で反射し、その反射光が第2走行体34のミラーで反射されて、結像レンズ35を通じて読取センサ36に案内される。このようにしいて原稿の画像情報を読み取る。
【0022】
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、図示しない駆動モータが駆動し、支持ローラ14,15,16のうちの1つが回転駆動して中間転写ベルト10が回転駆動する。また、これと同時に、各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKの感光体ドラム20Y,20C,20M,20BKも回転駆動する。その後、スキャナ300の読取センサ36で読み取った画像情報に基づき、露光装置21から、各画像形成ユニットの感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK上に書込光Lがそれぞれ照射される。これにより、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20BKには、それぞれ静電潜像が形成され、現像装置61Y,61C,61M,61BKにより可視像化される。そして、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK上には、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像が形成される。このようにして形成された各色トナー像は、各1次転写装置62Y,62C,62M,62BKにより、順次中間転写ベルト10上に重なり合うようにそれぞれ1次転写される。これにより、中間転写ベルト10上には、各色トナー像が重なり合った合成トナー像が形成される。なお、2次転写後の中間転写ベルト10上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置17により除去される。
【0023】
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、ユーザーが選択した転写紙に応じた給紙テーブル200の給紙ローラ42が回転し、給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚に分離して給紙路46に入り込み、搬送ローラ47により複写機本体100内の給紙路48まで搬送される。このようにして搬送された転写紙は、レジストローラ49に突き当たったところで止められる。なお、給紙カセット44にセットされていない転写紙を使用する場合、手差しトレイ51にセットされた転写紙を給紙ローラ50により送り出し、分離ローラ52で1枚に分離した後、手差し給紙路53を通って搬送される。そして、同じくレジストローラ49に突き当たったところで止められる。
【0024】
レジストローラ49は、上述のようにして中間転写ベルト10上に形成された合成トナー画像が2次転写装置22の2次転写ベルト24に対向する2次転写部に搬送されるタイミングに合わせて回転を開始する。ここで、レジストローラ49は、一般的には接地されて使用されることが多いが、転写紙の紙粉除去のためにバイアスを印加するようにしてもよい。その印加バイアスには、DC電圧が用いられるが、転写紙をより均一に帯電させるためにDCオフセット成分をもったAC電圧を用いてもよい。なお、このようにバイアスが印加されたレジストローラ49を通過した後の転写紙表面は、若干ながら負極性に帯電する。よって、この場合、中間転写ベルト10から転写紙への2次転写時にはレジストローラ49にバイアスが印加されなかった転写紙とは転写条件が変わるため、適宜転写条件を変更する必要が生じる。
【0025】
レジストローラ49により送り出された転写紙は、中間転写ベルト10と2次転写ベルト24との間に送り込まれ、2次転写装置22により、中間転写ベルト10上の合成トナー像が転写紙上に2次転写される。その後、転写紙は、2次転写ベルト24に吸着した状態で定着装置25まで搬送され、定着装置25で熱と圧力が加えられてトナー像の定着処理が行われる。定着装置25を通過した転写紙は、排出ローラ56により排紙トレイ57に排出されスタックされる。なお、トナー像が定着された面の裏面にも画像形成を行う場合には、定着装置25を通過した転写紙の搬送経路を切換爪55により切り換える。そして、その転写紙は、2次転写装置22の下方に位置するシート反転装置28に送り込まれ、そこで反転し、再び2次転写部に案内される。
【0026】
次に、本発明の特徴部分である、中間転写ベルト10の蛇行補正制御について説明する。なお、本実施形態では、中間転写ベルト10を張架する3つの支持ローラ14,15,16のうちの第1支持ローラ14が、ステアリングローラとして機能するので、以下、第1支持ローラをステアリングローラと称する。
図5は、ステアリングローラ14を利用する傾斜修正手段としての蛇行補正機構の概略構成を示す平面図である。このステアリングローラ14は、図中下側に位置する軸方向端部が固定端となるようにピボット軸受14aにより揺動かつ回動自在に軸支されている。一方、その他端となる図中上側に位置する軸方向端部は、可動端となるように揺動アーム5の一端に回動自在に連結されている。また、揺動アーム5の長手方向中央部を支持する支軸5aを挟んだ揺動アーム5の他端部分には、図中奥側から偏心カム6が圧接している。この偏心カム6は、ステアリングモータ4の駆動軸4a上に固定されており、ステアリングモータ4の駆動により回転動作する。この回転動作により、偏心カム6が回転すると、揺動アーム5が支軸5aを中心に揺動する。この揺動により、ステアリングローラ14の可動軸がピボット軸受14aを中心に図中手前側又は奥側の方向に移動し、これに連動してステアリングローラ14が傾き動作する。ステアリングローラ14の傾き角は、偏心カム6の回転角すなわちステアリングモータ4の駆動軸の回転角によって制御される。
なお、以下の説明において、中間転写ベルト10の幅方向とは、図5に示すように、ステアリングローラの軸に平行な方向をいう。また、中間転写ベルト10の幅方向位置とは、ステアリングローラ14の固定端を基準位置とし、固定端から可動端に向かう方向を正方向とする。
【0027】
図6(a)は、ステアリングローラ14の周辺の斜視図である。また、図6(b)は、ステアリングローラ14を軸方向から見たときの模式図である。図6(b)において、中間転写ベルト10の裏面部分がステアリングローラ14との接触を開始する接触開始位置を符号P1で示している。また、中間転写ベルト10の裏面部分がステアリングローラ14から離間を開始する離間開始位置を符号P2で示している。また、ステアリングローラ14の軸中心から接触開始位置P1までの最短距離を結ぶ直線と、その軸中心から離間開始位置P2までの最短距離を結ぶ直線とのなす角を巻付き角と称し、符号θで示す。
【0028】
図7は、中間転写ベルト10の幅方向位置を検出する傾斜検出手段としての2つの位置検出センサ1,2の概略構成を示す模式図である。本実施形態において、2つの位置検出センサ1,2は、それぞれ、上記接触開始位置P1及び上記離間開始位置P2における中間転写ベルト10の幅方向位置を検出できるように配置されている。この位置検出センサ1,2は、三角測量を応用して位置検出を行う光学式センサである。位置検出センサ1,2は、それぞれ、発光素子1a,2a、受光素子1b,2b、光を集光するレンズ等から構成されている。発光素子1a,2aから照射された光は、レンズを通過してベルト端面で拡散反射する。その反射光は受光用レンズによって集光され、CCDからなる受光素子1b,2bによって検出される。受光素子1b,2bから照射された光の反射位置は、中間転写ベルトの幅方向における位置ズレに応じて変化する。このように反射位置が変化すると、受光素子1b,2b上の反射光検出位置が変化する。よって、位置検出センサ1,2によれば、受光素子1b,2b上の検出位置によって、中間転写ベルトの幅方向における位置ズレを検出することができる。このような位置検出センサ1,2としては、例えば、株式会社キーエンス製のCCDレーザ変位センサ(LKシリーズ)を用いることができる。
【0029】
なお、本実施形態のように、ステアリングローラ14に巻き付いたベルト部分又はその近傍の幅方向位置を検出する場合、位置検出センサ1,2による検出位置がステアリングローラ14の傾き動作に同期する必要がある。このような同期をとる方法としては、例えば、図8に示すように、位置検出センサ1,2をステアリングローラ14の軸に固定する構成が簡便である。
【0030】
図9は、蛇行補正制御を行う傾斜修正手段としてのベルト蛇行補正装置の制御ブロック図である。このベルト蛇行補正装置は、上記位置検出センサ1,2からの検出結果に基づいて、上記ステアリングモータ4の回転制御を行う制御部3を備えている。この制御部3は、CPU,ROM、RAM等を備えた電気回路で構成されたものである。この制御部3には、位置検出センサ1,2からの検出信号がデジタル信号として入力される。この信号入力間隔は極めて短く、制御部3には位置検出センサ1,2からのデジタル信号が連続的に入力される。これにより、制御部3は、各位置検出センサ1,2による検出結果(検出信号)に基づいて、図6に示した接触開始位置P1及び離間開始位置P2における中間転写ベルト10の幅方向位置を連続的に認識できる。
【0031】
次に、上記ベルト蛇行補正装置の制御部3における制御動作について説明する。
図1は、制御部3における制御の流れを示すフローチャートである。まず、制御部3は、第1位置検出センサ1からの検出信号に基づいて接触開始位置P1のベルト幅方向位置L1をサンプリングする(S1)。また、第2位置検出センサ2からの検出信号に基づいて離間開始位置P2のベルト幅方向位置L2もサンプリングする(S2)。そして、このようにサンプリングした接触開始位置P1と離間開始位置P2のベルト幅方向位置L1,L2の差分ΔLを算出する(S3)。
【0032】
ここで、上記差分ΔLの算出方法について詳述する。
図10は、ステアリングローラ14に巻き付いたベルト部分の無端移動方向が正規の無端移動方向Xすなわちステアリングローラ14の表面移動方向に対して傾斜したときの模式図である。なお、図中符号Yで示す仮想線は、ベルト幅方向を示すものである。図示のように、差分ΔLは、接触開始位置P1において、ステアリングローラ14の表面移動方向と中間転写ベルト10の無端移動方向とが一致しない場合すなわち傾斜した場合に生じる。以下、この傾斜を中間転写ベルト10の傾斜という。ここで、上記差分ΔLは、リード量と呼ばれ、中間転写ベルト10とステアリングローラ14との間に働く摩擦力をパラメータとしてベルトの幅方向への変位量に対して非常に強い相関関係をもつ。
なお、一般に、中間転写ベルト10は一定の速度で無端移動することが要求されるため、3つの支持ローラ14,15,16と中間転写ベルト10との間に発生する滑りを極力抑えるように設計される。具体的には、中間転写ベルト10と支持ローラ14,15,16との間の摩擦係数μを高くしたり、中間転写ベルト10のテンションを高めたりするような設計がなされている。よって、本実施形態においては、これらの支持ローラ14,15,16の中のステアリングローラ14と中間転写ベルト10との間の滑りは極めて少ないものと考えることができる。したがって、ステアリングローラ14上においては、ベルト幅方向に滑ることなく、中間転写ベルト10が無端移動方向に無端移動するものとみなすことができる。したがって、接触開始位置P1に位置するベルト幅方向縁部は、ステアリングローラ14上での中間転写ベルト10の傾斜に応じ、その中間転写ベルト10の無端移動に伴って離間開始位置P2に至ることになる。すなわち、上記差分ΔLにより、ステアリングローラ14上での中間転写ベルト10の傾斜角を正確に把握することができる。
【0033】
図11は、中間転写ベルト10が一定速度で無端移動しているときの接触開始位置P1のベルト幅方向位置L1及び離間開始位置P2のベルト幅方向位置L2の経時変化の様子を示すグラフである。なお、図示のグラフでは、横軸を時間軸としているが、中間転写ベルト10が一定速度で無端移動しているためベルト移動距離と考えてもよい。また、縦軸は、ステアリングローラ14の軸方向における各ベルト幅方向位置L1,L2を示すものである。このベルト幅方向位置L1,L2は、図10に示すように、ステアリングローラ14の固定端を原点とし、その原点から各点P1,P2に位置する中間転写ベルト10の近い側の縁部までのローラ軸方向(図中Y方向)距離である。また、図11のグラフ中符号Tは、中間転写ベルトの1周期を示すものである。
【0034】
本実施形態における差分ΔLは、中間転写ベルト10上の同一点が接触開始位置P1及び離間開始位置P2に位置するときのベルト幅方向位置L1,L2の差分を用いている。一方で、これに限らず、同時刻における接触開始位置P1及び離間開始位置P2のベルト幅方向位置L1,L2の差分を上記差分ΔLとして用いることもできる。しかし、この場合、次のような理由により正確な上記差分ΔLを得ることができないことがある。
【0035】
すなわち、後者の差分を上記差分ΔLとして利用する場合、正確な中間転写ベルト10の傾斜角を得るには、正規の無端移動方向へのベルト無端移動時に、ベルト幅方向位置の検出対象がベルト幅方向に位置ズレしないことが前提になる。なお、ここでいう検出対象は、本実施形態における中間転写ベルト10の幅方向縁部である。しかし、製造コストやベルト生産性を優先した場合、シーム部分を有する無端ベルトを用いることも多い。このような無端ベルトでは、シーム部分の形状がベルト幅方向に膨らんでしまう。そのため、その膨らみ部分が接触開始位置P1又は離間開始位置P2に位置したときには、その検出結果が正確なベルト幅方向位置を示すものとはならない。したがって、このときの差分ΔLは正確な中間転写ベルト10の傾斜角を示すものとはならない。
また、中間転写ベルトや感光体ベルト等の画像形成装置に用いられる無端ベルトでは、一般にシーム部分を有しないシームレスベルトが使用される。しかし、シームレスベルトであっても、そのベルト幅方向縁部をその全域にわたって真っ直ぐ形成することは困難であり、そのベルト幅方向縁部は緩やかにうねった状態となる。そのため、得られる差分ΔLは、正確な中間転写ベルト10の傾斜角を示すものとはならない。
【0036】
なお、このようにベルト幅方向縁部がシーム部分で膨らんでいたり、緩やかにうねっていたりすることは、従来のステアリング方式においても、ベルト幅方向位置の誤検知となって表われ、正確な制御の妨げになっていた。すなわち、従来のステアリング方式では、所定の箇所におけるベルトの幅方向への位置ズレをベルトの幅方向縁部等を使って検出し、その検出結果に応じてステアリングローラの傾き動作の制御にフィードバックしていた。この方式で、ベルトの幅方向への正確な位置ズレを検出するには、上記と同様に、無端ベルトが蛇行せず真っ直ぐに無端移動するときにセンサ検出対象がベルト幅方向に位置ズレを起こさないことが前提となる。したがって、ベルト幅方向縁部がシーム部分の膨らんでいたり、緩やかにうねっていたりすると、正確な位置ズレを検出することができず、誤検知を招くことになる。
【0037】
このような従来のステアリング方式において誤検出をなくすには、ベルト上の任意のポイントのベルト幅方向位置を検出した後、ベルトを1周させて、再度そのポイントのベルト幅方向位置を検出すればよい。このようにすれば、ベルト幅方向縁部がシーム部分で膨らんでいたり、緩やかにうねっていたりしても、その影響を受けずに、図11に示すようなベルト幅方向への正確な位置ズレ量Kを検出することができる。しかし、これでは、ベルトを1周させるまでは、ベルト幅方向への正確な位置ズレ量Kを把握できないため、これをステアリングローラの傾き動作にフィードバックしても、正確な傾き動作の制御を行うことはできない。すなわち、このような検出方法では、ベルトの蛇行が発生してベルトの幅方向への位置ズレが生じた後、ベルトを1周させなければ、その正確な位置ズレ量Kを検出することができない。これでは、ベルトの蛇行が発生してからステアリングローラ14の傾き動作により蛇行修正されるまでのタイムラグが大きすぎる。しかも、このタイムラグにより、ベルトの幅方向位置が目標値である正規の位置をオーバーシュートすることが多くなり、ベルトの幅方向位置を正規の位置に迅速に収束させることが困難となる。
なお、上述した誤検出を黙認してタイムラグやオーバーシュートを回避しようとしても、従来の方式では、上述したように、蛇行が発生してからステアリングローラの傾き動作による蛇行修正が行われるまでにタイムラグが生じる。そして、このタイムラグに伴い、オーバーシュートも生じる。したがって、従来の方式では、いずれにしても、ベルトの蛇行を十分に抑制することは困難であった。
【0038】
上記のような理由から、本実施形態では、差分ΔLとして、中間転写ベルト10上の同一点が接触開始位置P1及び離間開始位置P2に位置するときのベルト幅方向位置L1,L2の差分を用いている。なお、図11中符号P1及びP2は、本実施形態における差分ΔLの算出に使用されるベルト幅方向位置L1,L2の一組の例を示すものである。図11中点P1及び点P2の時間差は、中間転写ベルト10上の接触開始位置P1に位置する任意の点が離間開始位置P2に到達するまでの時間を示すものである。この時間は、ステアリングローラ14に対して滑らずに中間転写ベルト10が一定速度で無端移動していることから、図6(b)に示した巻付き角θをステアリングローラ14の角速度θrで除算することで求められる。つまり、本実施形態では、上記S2で得たベルト幅方向位置L2のデータと、そのデータを得た時刻よりも巻付き角θ/角速度θrの時間分だけ前に上記S1で得たベルト幅方向位置L1のデータとから差分ΔLを求める。このように、中間転写ベルト10上の同一点におけるベルト幅方向位置を2箇所の点P1,P2で検出することで、ベルト幅方向縁部の形状に関わらず、中間転写ベルト10の傾斜角を示す正確な差分ΔLが得られる。
【0039】
このようにして差分ΔLを算出したら(S3)、次に、算出した差分ΔLが0よりも大きいか否かを判断する(S4)。差分ΔLが0よりも大きい場合、中間転写ベルト10の傾斜の様子は、図12(a)に示すようになる。よって、制御部3は、ステアリングモータ4に駆動命令を出力し、ステアリングローラ14を図中矢印Aの方向(正方向)に傾かせるように傾き動作させる(S5)。一方、上記S4において差分ΔLが0よりも大きくないと判断した場合、次に差分ΔLが0よりも小さいか否かを判断する(S6)。差分ΔLが0よりも小さい場合、中間転写ベルト10の傾斜の様子は、図12(b)に示すようになる。よって、制御部3は、ステアリングモータ4に駆動命令を出力し、ステアリングローラ14を図中矢印Bの方向(負方向)に傾かせるように傾き動作させる(S7)。なお、ステアリングローラ14の傾きは、上記差分ΔLの絶対値に応じたものとするのが望ましい。また、上記S6において差分ΔLが0よりも小さくないと判断した場合、算出した差分ΔLは0であるので、中間転写ベルト10は傾斜していない。よって、そのまま終了する。
そして、制御部3は、中間転写ベルト10が駆動している間、このような制御動作を繰り返し行い、ベルトの蛇行を連続的に補正する。
【0040】
ここで、上記制御動作では、接触開始位置P1のベルト幅方向位置L1と離間開始位置P2のベルト幅方向位置L2との差分ΔLに基づいてステアリング制御を行っている。このため、この制御動作を繰り返し行うと、微小な蛇行の蓄積によって中間転写ベルト10の全体が幅方向に変位し、中間転写ベルト10がローラから脱落するおそれがある。そこで、本実施形態では、ベルトの脱落を防止するため、非画像形成動作時に、上記制御動作を応用して、接触開始位置P1のベルト幅方向位置L1を正規の位置に戻す制御動作を制御部3が行う。すなわち、第1位置検出センサ1からの検出信号に基づいて得られるベルト幅方向位置L1と、予め決められた正規の位置L0との差分を算出し、その差分に基づいてステアリング制御を行う。これにより、次回の画像形成動作時には、中間転写ベルト10は、その全体の幅方向位置が正規の位置に戻り、微小な蛇行の蓄積がリセットされる。よって、微小な蛇行の蓄積によるベルトの脱落を防止することができる。
【0041】
本実施形態では、このように、ステアリングローラ14上の中間転写ベルト10が傾斜するとすぐに、その傾斜を示す差分ΔLに基づいてステアリングローラ14の傾き動作を制御する。すなわち、本実施形態では、ベルト蛇行の発生原因である中間転写ベルト10の傾斜を直接的に検出し、その検出結果を制御にフィードバックする。よって、ローラ上のベルト部分で傾斜が発生することで初めて生じるベルト幅方向の位置ズレを検出して制御する従来のステアリング方式よりも、迅速にベルトの蛇行を補正することができる。しかも、本実施形態では、ベルト蛇行の発生原因を制御にフィードバックするので、従来のステアリング方式で生じるようなタイムラグはほとんど生じず、これによってオーバーシュートも抑制できる。
また、このようにベルト蛇行の発生原因を制御にフィードバックするので、ステアリングローラ14の傾き動作時におけるベルトの幅方向への位置ズレ量は、従来のステアリング方式よりも小さいものとなる。よって、本実施形態では、ベルト蛇行の修正に必要なステアリングローラ14の傾き角を従来のステアリング方式よりも小さくすることができる。これにより、従来のステアリング方式に比べてオーバーシュートが発生しにくくなる。
また、ステアリングローラ14に巻き付けられたベルト部分における差分ΔLに基づいて、中間転写ベルト10の傾斜を得るので、ステアリングローラ14の傾き動作によるベルトの幅方向位置への変位をすぐに検出できる。これにより、オーバーシュートの発生を効果的に抑制できる。
【0042】
〔変形例1〕
次に、上記実施形態における位置検出センサの変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。本変形例にでは、上記接触開始位置P1と上記離間開始位置P2における中間転写ベルト10の縁部の幅方向位置をそれぞれ検出する2つの位置検出センサが設けられている。
【0043】
図13は、変形例1に係る位置検出センサの概略構成を示す説明図である。この位置検出センサ101は、接触開始位置P1又は離間開始位置P2における中間転写ベルト10の幅方向縁部に接触する接触子102を備えている。この接触子102は、L字状部材であって、図示のように、そのL字が交差部分付近で支軸103に回動自在に取付けられている。そして、この接触子102は、付勢部材としてのスプリング104により、中間転写ベルト10の幅方向縁部に接触する方向に付勢され、その縁部に当接した状態で保持される。このときの当接圧は、そのベルト縁部が変形しない程度の適度な大きさに設定されている。また、位置検出センサ101には、エリアレーザセンサ105が設けられている。このエリアレーザセンサ105は、1対の発光素子と受光素子とから構成され、発光素子から照射されるレーザ光の受光量の変化を受光素子で検出する。この発光素子と受光素子の間には、発光素子からのレーザ光を一部遮るように、接触子102の中間転写ベルト10に当接する端部とは逆の端部が位置決めされている。これにより、接触子102が回動すると、その回転角度に応じて接触子102の端部によって遮られる光量が変化し、受光素子での受光量が変化する。
【0044】
ベルトの蛇行が発生すると、接触開始位置P1又は離間開始位置P2における中間転写ベルト10の幅方向縁部がベルト幅方向に変位する。そして、この幅方向縁部の動きは、これに当接する接触子102の回動動作に変換される。この回動動作によって、エリアレーザセンサ105における受光素子の受光量が変化し、その受光量の変化に応じた検出信号がエリアレーザセンサ105から出力される。よって、そのセンサ出力によって、接触開始位置P1又は離間開始位置P2における中間転写ベルト10の幅方向位置を連続的に検出することができる。なお、このようなエリアレーザセンサ105の代わりに、例えば、中間転写ベルト10の幅方向への変位に応じて変位する接触子102の変位を検出するような変位センサを用いることもできる。
【0045】
上記実施形態の位置検出センサ1,2は、光学センサで中間転写ベルト縁部の幅方向位置を直接的に検出するものであった。この場合、複写機の機内に浮遊するトナーなどの粉塵がセンサ表面に付着するなどにして、検出誤差が生じやすい。これに対し、本変形例は、接触子102を利用して接触開始位置P1及び離間開始位置P2における中間転写ベルト縁部の幅方向位置を間接的に検出するものである。よって、位置検出センサのセンサ表面をセンサケーシング内にパッケージングすることが可能となる。よって、検出誤差の抑制のために、トナーなどの粉塵がセンサ表面に付着するのを防止する構成を容易に得ることができる。
【0046】
〔変形例2〕
次に、上記実施形態における位置検出センサの他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。本変形例では、接触開始位置P1より無端移動方向上流側にズレた位置と、離間開始位置P2より無端移動方向下流側にズレた位置における中間転写ベルト縁部の幅方向位置をそれぞれ検出する2つの位置検出センサが設けられている。
【0047】
図14は、変形例2に係る位置検出センサの概略構成を示す説明図である。なお、説明のため、上記接触開始位置P1よりもベルト無端移動方向上流側にズレた位置における中間転写ベルト10の縁部の幅方向位置を検出する位置検出センサのみを図示している。本変形例に係る位置検出センサ201の構成は、上記変形例1における位置検出センサ101に設けられたエリアレーザセンサ105と同じである。そして、位置検出センサ201の発光素子202と受光素子203との間には、発光素子からのレーザ光を一部遮るように、中間転写ベルト10の幅方向縁部が位置決めされている。これにより、ベルトの蛇行が発生して中間転写ベルト10の幅方向縁部の幅方向位置が変位すると、その変位量に応じて遮られる光量が変化し、受光素子203での受光量が変化する。そして、この受光量の変化に応じた検出信号は位置検出センサ201から出力される。よって、2つの位置検出センサ201によって、接触開始位置P1より無端移動方向上流側にズレた位置のベルト幅方向位置と、離間開始位置P2より無端移動方向下流側にズレた位置のベルト幅方向位置を連続的に検出することができる。このようにして検出された結果からも、上記実施形態と同様の差分ΔLを算出することができる。
【0048】
上記実施形態及び変形例1の位置検出センサ1,2は、ステアリングローラ14に巻き付けられたベルト部分のベルト幅方向位置を検出するものであった。そのため、中間転写ベルト10の振動やうねりの影響をほとんど受けず、中間転写ベルト10の正確な傾斜角を得ることができる。これに対し、本変形例においては、ステアリングローラ14に巻き付いていないベルト部分のベルト幅方向位置を検出するため、中間転写ベルト10の振動やうねりの影響を多少受けることになる。しかし、本変形例のようにステアリングローラ14に巻き付いていないベルト部分の幅方向位置を検出する構成によれば、上記実施形態の構成に比べて位置検出センサの自由度を高めることができる。これにより、採用できる位置検出センサの選択肢が増えるので、装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
【0049】
〔変形例3〕
次に、上記実施形態における位置検出センサの更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。本変形例では、上記変形例2の場合と同様の検出位置における中間転写ベルト10の縁部の幅方向位置をそれぞれ検出する2つの位置検出センサが設けられている。
【0050】
図15は、変形例3に係る位置検出センサの概略構成を示す、中間転写ベルト10の裏面(内周面)側から見た説明図である。なお、説明のため、上記接触開始位置P1よりもベルト無端移動方向上流側にズレた位置における中間転写ベルト10の縁部の幅方向位置を検出する位置検出センサのみを図示している。本変形例においては、中間転写ベルト10の裏面における幅方向中央部分に、ベルト無端移動方向に平行に延びる反射テープ302が設けられている。なお、この反射テープ302は、ベルト無端移動方向に平行に延びるものであれば、幅方向中央部分でなくてもよい。本変形例に係る位置検出センサ301は、いわゆる光学式の反射型センサであり、反射テープ302のエッジ位置を検出するものである。よって、ベルトの蛇行が発生して反射テープ302のエッジ位置の幅方向位置が変位すると、その変位量が検出される。よって、2つの位置検出センサ301によって、接触開始位置P1よりも無端移動方向上流側にズレた位置のベルト幅方向位置と、離間開始位置P2よりも無端移動方向下流側にズレた位置のベルト幅方向位置を連続的に検出できる。このようにして検出された結果からも、上記実施形態と同様の差分ΔLを算出することができる。
【0051】
上記実施形態並びに変形例1及び変形例2においては、位置検出センサを中間転写ベルト10により囲まれた領域の外部に配置する必要があった。これに対し、本変形例においては、位置検出センサ301を中間転写ベルト10により囲まれた領域内に設置することができる。一般に、この領域内には比較的スペースの余裕があるため、装置の小型化を図ることができる。
【0052】
以上、本実施形態におけるベルト蛇行補正装置は、無端ベルトである中間転写ベルト10が複数の支持部材であるローラ14,15,16に張架されている。そして、これらのローラの中のステアリングローラ14に巻き付いたベルト部分の無端移動方向と、そのベルト部分の正規の無端移動方向Xとの傾斜を示す差分ΔLを検出するための傾斜検出手段としての位置検出センサ1,2,101,201,301を備えている。また、この装置は、その位置検出センサ1,2,101,201,301による検出結果に基づいて、上記ベルト部分の無端移動方向を正規の無端移動方向Xに修正する傾斜修正手段としての蛇行補正機構を備えている。このような構成により、従来のステアリング方式で生じていたタイムラグやオーバーシュートがほとんどなく、しかも中間転写ベルト10が大きく蛇行することなく安定したベルト駆動を実現することができる。
また、本実施形態では、中間転写ベルト10の無端移動方向における互いに異なる2つの箇所で、ステアリングローラ14に巻き付いたベルト部分又はその近傍のベルト幅方向位置L1,L2をそれぞれ検出する。そして、各検出結果の差分ΔLに基づいて上記傾斜を得る。よって、ベルトの蛇行の発生原因である中間転写ベルトの傾斜を高い精度で得ることができる。これにより、蛇行補正制御の精度を向上させることができる。
特に、上記実施形態の構成及び変形例1の構成では、2つの位置検出センサが検出する各ベルト幅方向位置が、接触開始位置P1と離間開始位置P2となっている。よって、ベルトの蛇行の発生原因である中間転写ベルトの傾斜をより高い精度で得ることができる。これにより、蛇行補正制御の精度を更に向上させることができる。
また、本実施形態では、複数のローラ14,15,16の中で、中間転写ベルト10との間の摩擦係数μと、その中間転写ベルト10の巻付き角θとの積が最も大きいステアリングローラ14に巻き付いたベルト部分についてベルト幅方向位置L1,L2を検出している。このようなローラ14は、中間転写ベルト10の幅方向位置をベルト幅方向に変位させる力を最も強く生じさせるものであり、このローラ14の箇所で最もベルトの蛇行が発生しやすい。したがって、このようなローラ14上のベルト幅方向位置L1,L2を検出することで、最も効率よくかつ迅速にベルトの蛇行の発生を把握することができる。よって、より適切な蛇行補正制御を実現することができる。ここで、補足すると、オイラーの摩擦伝導理論によれば、図16に示すベルトモデルにおいて、弾性体であるベルトは、張力を与えなくては動力が伝達されないとがいわれており、下記の数1に示す関係式が成り立つ。この関係式において、Ttはベルト張り側の張力、Tsは緩み側の張力、θはベルトの巻付き角、μはベルトとローラとの間の摩擦係数である。この関係式からすると、上述した摩擦係数μと巻付き角θとの積が最も大きいローラは、張り側張力Ttから緩み側張力Tsを減じた値である有効張力が最も大きいローラと言い換えることもできる。
【数1】
Tt/Ts = eμ ・ θ
また、本実施形態の画像形成装置は、中間転写ベルト10の蛇行を補正するベルト蛇行補正装置として上述したベルト蛇行補正装置を用いているので、中間転写ベルト10の蛇行によって生じる画像の色ズレを安定して防止できる。
特に、本実施形態の複写機は、非画像形成動作時に、中間転写ベルト10のベルト幅方向位置を正規の位置に修正する位置修正手段としての制御部3及び蛇行補正機構を備えている。これにより、微小な蛇行の蓄積によりベルト全体の幅方向位置のズレ量が増大していったとしても、非画像形成動作中に、ベルト全体の幅方向位置を正規の位置に戻すことができ、微小な蛇行の蓄積をリセットできる。よって、微小な蛇行の蓄積による中間転写ベルト10の脱落を防止することができる。
【0053】
なお、本実施形態及び変形例1乃至3では、ステアリングローラ14に巻き付けられたベルト部分における差分ΔLに基づいて、その差分ΔLが最小となるようにステアリングローラ14の傾き動作を制御するものであった。しかし、ベルトの蛇行の発生原因となる中間転写ベルト10の傾斜すなわち差分ΔLは、ステアリングローラ14上だけでなく、他の支持ローラ15,16でも生じ得る。この場合、他の支持ローラ15,16上における中間転写ベルト10の傾斜がステアリングローラ14上に移動したときに初めて、ステアリングローラ14の傾き動作の制御がなされる。よって、ベルトの蛇行が発生してからステアリングローラ14の傾き動作の制御がなされるまでの多少のタイムラグが生じることがある。このようなタイムラグをも抑制して更に高精度な蛇行補正制御を必要とする場合には、ステアリングローラ14だけでなく、他の支持ローラ15,16においてもベルト幅方向位置の検出を行うようにしてもよい。このときには、それらの検出結果も、ステアリングローラ14の傾き動作の制御にフィードバックする。この場合、他の支持ローラ15,16もステアリングローラとして構成し、各ローラ14,15,16についての差分ΔLに基づき、個々にステアリング制御を行えば、より高い精度の蛇行補正制御を実現できる。
【0054】
【発明の効果】
請求項1乃至4の発明によれば、蛇行によるベルト幅方向位置のズレ量が小さいうちにその蛇行を補正できるので、従来よりも効果的にベルトの蛇行を抑制できるという優れた効果がある。この効果により、ベルト幅方向の位置ズレが少ない状態で無端ベルトを安定して無端移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る複写機におけるベルト蛇行補正装置の制御部で行われる制御の流れを示すフローチャート。
【図2】同複写機全体の概略構成図。
【図3】同複写機の本体部分の構成を示す拡大図。
【図4】同複写機における隣り合う2つの画像形成ユニットの構成を示す拡大図。
【図5】同ベルト蛇行補正装置を構成する蛇行補正機構の概略構成を示す平面図。
【図6】(a)は、蛇行補正機構により傾き動作されるステアリングローラの周辺の斜視図。(b)は、同ステアリングローラを軸方向から見たときの模式図。
【図7】同複写機における中間転写ベルトの幅方向位置を検出する2つの位置検出センサの概略構成を示す模式図。
【図8】同位置検出センサがステアリングローラの軸に固定された構成を示す説明図。
【図9】同ベルト蛇行補正装置の制御ブロック図。
【図10】同ステアリングローラに巻き付いたベルト部分の無端移動方向が正規の無端移動方向に対して傾斜したときの模式図。
【図11】同中間転写ベルトが一定速度で無端移動しているときの接触開始位置及び離間開始位置のベルト幅方向位置の経時変化の様子をそれぞれ示すグラフ。
【図12】(a)は、差分ΔLが0よりも大きいときの中間転写ベルトの傾斜の様子を示す説明図。(b)は、差分ΔLが0よりも小さいときの中間転写ベルトの傾斜の様子を示す説明図。
【図13】変形例1に係る位置検出センサの概略構成を示す説明図。
【図14】変形例2に係る位置検出センサの概略構成を示す説明図。
【図15】変形例3に係る位置検出センサの概略構成を示す、中間転写ベルト10の裏面側から見た説明図。
【図16】ベルト張力と摩擦係数との関係を説明するためのモデル図。
【符号の説明】
1,2,101,201,301 位置検出センサ
3 制御部
4 ステアリングモータ
5 揺動アーム
6 偏心カム
10 中間転写ベルト
14 ステアリングローラ
14a ピボット軸受
18Y,18C,18M,18BK 画像形成ユニット
20Y,20C,20M,20BK 感光体ドラム
102 接触子
104 スプリング
105 エリアレーザセンサ
302 反射テープ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a belt meandering correction device that corrects meandering of an endless belt stretched around a plurality of support members, and an image forming apparatus such as a copying machine, a printer, and a facsimile machine.
[0002]
[Prior art]
Among the image forming apparatuses of this type, there is a color image forming apparatus that forms a color image using an intermediate transfer belt that is an endless belt stretched around a roller that is a plurality of support members. In this color image forming apparatus, each color toner image formed on a photoreceptor or the like is superposed on an intermediate transfer belt, and the superposed synthetic toner image is transferred onto transfer paper to form a color image. In general, when an endless belt such as an intermediate transfer belt (hereinafter simply referred to as “belt”) is driven, an arbitrary point on the intermediate transfer belt is a belt width direction (a direction perpendicular to the endless movement direction on the belt surface). ), The belt meanders. When such meandering occurs, there arises a problem that the belt falls off from the roller that stretches the belt.
Further, when the intermediate transfer belt meanders in the color image forming apparatus, the color toner images cannot be exactly superimposed on the intermediate transfer belt, and problems such as image color misregistration occur. Further, when the photoreceptor belt or the like meanders in an image forming apparatus using a photoreceptor belt or the like as an endless belt as a latent image carrier that carries a latent image according to image information, a problem of image quality degradation occurs.
[0003]
In order to suppress such a problem, various methods have been proposed for correcting the position in the width direction when the position in the width direction of the belt is shifted during endless movement of the belt. As one of the methods, there is known a method of correcting the position in the width direction of the belt by controlling the tilting operation of the steering roller for stretching the belt in the belt width direction. Hereinafter, this method is referred to as a steering method. For example, a belt driving device disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 3-288167 is known as one that employs this steering system. The belt driving device reads a mark provided on the belt with a CCD sensor, detects a positional deviation in the belt width direction, and controls the tilting operation of the steering roller based on the result read by the CCD sensor. However, in this belt driving device, only one mark provided on the belt is read for each round of the belt by a CCD sensor arranged at a predetermined location. Therefore, the positional deviation in the belt width direction that occurs between the time when the CCD sensor reads the mark on the belt and the time when the belt makes one revolution and reads the mark again is not fed back to the control of the tilting operation of the steering roller. If the positional deviation in the belt width direction is detected in such a relatively long cycle, the positional deviation in the belt width direction cannot be corrected with high accuracy.
[0004]
On the other hand, Japanese Patent Laid-Open No. 2000-34031 discloses a belt in which an edge sensor for detecting the position of the edge in the width direction of the belt is arranged on the fixed end side opposite to the movable end portion that performs the tilting operation of the steering roller. A drive device is disclosed. In this belt drive device, the position of the edge in the width direction of the belt extending along the endless movement direction of the belt is detected by the edge sensor, so that the positional deviation in the belt width direction can be detected continuously or at a relatively short cycle. Is possible. Therefore, the positional deviation in the belt width direction can be fed back to the control of the steering roller tilting operation continuously or at fine intervals. Therefore, according to this belt drive device, it is possible to correct the deviation of the position in the width direction of the belt with high accuracy.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Here, it is considered that the meandering of the belt that causes the above-described various problems is caused by the following mechanism.
The meandering of the belt means that an arbitrary point on the belt moves while being displaced in the belt width direction. Thus, the force that displaces an arbitrary point on the belt in the belt width direction is mainly generated by a frictional force acting between the belt and a roller around which the belt is wound. Then, when the endless moving direction of the belt portion wound around the roller starts to be inclined with respect to the normal endless moving direction, an arbitrary point on the belt starts to be displaced in the belt width direction. When the normal endless movement direction of the belt coincides with the surface movement direction of the roller, an arbitrary point on the belt is detected when the endless movement direction in the belt portion starts to be inclined with respect to the surface movement direction of the roller. It starts to move in the belt width direction. When an arbitrary point on the belt displaced in the belt width direction is transmitted downstream in the endless movement direction along with the endless movement of the belt, the belt meanders.
[0006]
However, the conventional belt driving device including the belt driving device disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 2000-34031 feeds back the positional deviation in the width direction of the belt at a predetermined position to the control of the tilting operation of the steering roller. is there. That is, based on the above-described meandering mechanism, the control by the conventional belt driving device feeds back the positional deviation in the width direction of the belt caused as a result of the meandering of the belt. Therefore, it can be said that the conventional belt driving device corrects the meandering after the meandering occurs. Therefore, the conventional belt drive device has a problem that a time lag occurs between the occurrence of meandering and the meandering correction by the tilting operation of the steering roller, and a certain amount of time is required until the meandering is corrected.
[0007]
The present invention has been made in view of the above problems, and the object of the present invention is to shorten the time from the start of occurrence of belt meandering to the correction of the meandering, and more effectively than the prior art. It is an object to provide a belt driving device and an image forming apparatus that can suppress meandering.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention according to
MaClaim2The invention of claim1'sIn the belt meandering correction device, the at least one support member has a largest product of a coefficient of friction with the endless belt and a winding angle of the endless belt among the plurality of support members. It is characterized by this.
Claims3The invention includes a belt driving device that transmits driving force to an endless belt stretched by a plurality of support members to drive the endless belt, and the endless movement direction of the endless belt deviates from the normal endless movement direction. An image forming apparatus comprising a belt meandering correction device that corrects the meandering of the endless belt occurring in the belt as the belt meandering correction device.One or twoIs2The belt meandering correction device is used.
Claims4The invention of claim3In the image forming apparatus, position correction means for correcting the position in the belt width direction of the endless belt to a normal position during non-image forming operation is provided.
In the belt meandering correction apparatus according to
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An embodiment in which the present invention is applied to an electrophotographic color copier (hereinafter simply referred to as “copier”) as an image forming apparatus will be described below. Note that the copying machine of this embodiment is a so-called tandem type color image forming apparatus including an intermediate transfer belt which is an endless belt.
FIG. 2 is a schematic configuration diagram of the entire copying machine according to the present embodiment. The copying machine includes a copying machine
[0010]
FIG. 3 is an enlarged view showing the configuration of the copying machine
A fixing
[0011]
Further, a
[0012]
Next, the configuration of the
[0013]
FIG. 4 is an enlarged view showing the configuration of two adjacent
In the
[0014]
The charging
[0015]
The developing
[0016]
In the developing
When the toner concentration in the stirring
[0017]
The
[0018]
The
[0019]
Further, the
[0020]
In the
[0021]
Next, the operation of the copying machine in this embodiment will be described.
When copying a document using the copying machine having the above configuration, first, the document is set on the document table 30 of the
[0022]
When the start switch is pressed by the user, a drive motor (not shown) is driven, and one of the
[0023]
When the user presses the start switch, the
[0024]
The
[0025]
The transfer paper sent out by the
[0026]
Next, meandering correction control of the
FIG. 5 is a plan view showing a schematic configuration of a meandering correction mechanism as an inclination correcting means using the
In the following description, the width direction of the
[0027]
FIG. 6A is a perspective view of the periphery of the steering
[0028]
FIG. 7 is a schematic diagram showing a schematic configuration of two
[0029]
When detecting the position in the width direction of the belt portion wound around the steering
[0030]
FIG. 9 is a control block diagram of a belt meandering correction device as an inclination correcting unit that performs meandering correction control. The belt meandering correction device includes a
[0031]
Next, the control operation in the
FIG. 1 is a flowchart showing a control flow in the
[0032]
Here, a method of calculating the difference ΔL will be described in detail.
FIG. 10 is a schematic diagram when the endless movement direction of the belt portion wound around the steering
In general, since the
[0033]
FIG. 11 is a graph showing changes over time in the belt width direction position L1 at the contact start position P1 and the belt width direction position L2 at the separation start position P2 when the
[0034]
The difference ΔL in the present embodiment uses the difference between the belt width direction positions L1 and L2 when the same point on the
[0035]
That is, when the latter difference is used as the difference ΔL, in order to obtain an accurate inclination angle of the
In addition, as an endless belt used in an image forming apparatus such as an intermediate transfer belt or a photoreceptor belt, a seamless belt having no seam portion is generally used. However, even in a seamless belt, it is difficult to form the belt width direction edge straight over the entire region, and the belt width direction edge is gently undulated. Therefore, the obtained difference ΔL does not indicate an accurate inclination angle of the
[0036]
In addition, the fact that the edge in the belt width direction swells or gently swells in this way appears as an erroneous detection of the position in the belt width direction even in the conventional steering system, and accurate control is performed. It was an obstacle. In other words, in the conventional steering system, the positional deviation in the width direction of the belt at a predetermined location is detected by using the edge in the width direction of the belt, etc., and is fed back to the control of the tilting operation of the steering roller according to the detection result. It was. In order to detect an accurate positional deviation in the width direction of the belt using this method, as described above, when the endless belt does not meander and moves straight endlessly, the sensor detection target causes a positional deviation in the belt width direction. There is no premise. Therefore, if the edge in the belt width direction is swollen or gently swelled in the seam, an accurate positional shift cannot be detected, leading to erroneous detection.
[0037]
In order to eliminate erroneous detection in such a conventional steering system, after detecting the belt width direction position of an arbitrary point on the belt, the belt is rotated once and the belt width direction position of that point is detected again. Good. In this way, even if the edge in the belt width direction swells at the seam portion or gently undulates, an accurate positional shift in the belt width direction as shown in FIG. 11 is not affected. The quantity K can be detected. However, in this case, the accurate positional deviation amount K in the belt width direction cannot be grasped until the belt is rotated once. Therefore, even if this is fed back to the tilting operation of the steering roller, the accurate tilting operation is controlled. It is not possible. That is, in such a detection method, after the belt meandering occurs and the positional deviation in the width direction of the belt occurs, the accurate positional deviation amount K cannot be detected unless the belt is rotated once. . In this case, the time lag from the occurrence of the belt meandering to the correction of the meandering by the tilting operation of the steering
Even if it is attempted to avoid the time lag or overshoot by acknowledging the erroneous detection described above, in the conventional method, as described above, the time lag is not corrected until the meander correction is performed by the steering roller tilting operation. Occurs. And with this time lag, overshoot also occurs. Therefore, in any case, it has been difficult to sufficiently suppress the meandering of the belt in any case.
[0038]
For this reason, in this embodiment, the difference ΔL is the difference between the belt width direction positions L1 and L2 when the same point on the
[0039]
Once the difference ΔL is calculated in this way (S3), it is next determined whether or not the calculated difference ΔL is greater than 0 (S4). When the difference ΔL is larger than 0, the state of the inclination of the
Then, while the
[0040]
Here, in the control operation, steering control is performed based on the difference ΔL between the belt width direction position L1 of the contact start position P1 and the belt width direction position L2 of the separation start position P2. For this reason, if this control operation is repeated, the entire
[0041]
In this embodiment, as described above, as soon as the
Since the cause of the belt meandering is fed back to the control in this way, the amount of positional deviation in the width direction of the belt when the steering
Further, since the inclination of the
[0042]
[Modification 1]
Next, a modified example of the position detection sensor in the above embodiment (hereinafter, this modified example is referred to as “modified example 1”) will be described. In the present modification, two position detection sensors are provided that respectively detect the width direction position of the edge of the
[0043]
FIG. 13 is an explanatory diagram illustrating a schematic configuration of a position detection sensor according to the first modification. The
[0044]
When the meandering of the belt occurs, the edge in the width direction of the
[0045]
The
[0046]
[Modification 2]
Next, another modified example of the position detection sensor in the above embodiment (hereinafter, this modified example is referred to as “modified example 2”) will be described. In this modified example, the position in the width direction of the edge of the intermediate transfer belt is detected 2 at a position shifted to the upstream side in the endless movement direction from the contact start position P1 and a position shifted from the separation start position P2 to the downstream side in the endless movement direction. Two position detection sensors are provided.
[0047]
FIG. 14 is an explanatory diagram illustrating a schematic configuration of a position detection sensor according to the second modification. For the sake of explanation, only the position detection sensor that detects the position in the width direction of the edge of the
[0048]
The
[0049]
[Modification 3]
Next, still another modification of the position detection sensor in the above embodiment (hereinafter, this modification is referred to as “
[0050]
FIG. 15 is an explanatory diagram showing a schematic configuration of a position detection sensor according to
[0051]
In the embodiment and the first and second modifications, the position detection sensor needs to be arranged outside the area surrounded by the
[0052]
As described above, in the belt meandering correction apparatus according to this embodiment, the
In the present embodiment, the belt portion wound around the steering
In particular, in the configuration of the above embodiment and the configuration of
In the present embodiment, among the plurality of
[Expression 1]
Tt / Ts = eμ ・ θ
Further, the image forming apparatus of the present embodiment uses the belt meandering correction device described above as a belt meandering correction device for correcting the meandering of the
In particular, the copying machine according to the present embodiment includes a
[0053]
In the present embodiment and
[0054]
【The invention's effect】
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flowchart illustrating a flow of control performed by a control unit of a belt meandering correction apparatus in a copying machine according to an embodiment.
FIG. 2 is a schematic configuration diagram of the entire copier.
FIG. 3 is an enlarged view showing a configuration of a main body portion of the copier.
FIG. 4 is an enlarged view showing a configuration of two adjacent image forming units in the copier.
FIG. 5 is a plan view showing a schematic configuration of a meandering correction mechanism constituting the belt meandering correction device.
FIG. 6A is a perspective view of the periphery of a steering roller that is tilted by a meandering correction mechanism. (B) is a schematic diagram when the steering roller is viewed from the axial direction.
FIG. 7 is a schematic diagram illustrating a schematic configuration of two position detection sensors that detect the position in the width direction of the intermediate transfer belt in the copier.
FIG. 8 is an explanatory diagram showing a configuration in which the position detection sensor is fixed to a shaft of a steering roller.
FIG. 9 is a control block diagram of the belt meandering correction device.
FIG. 10 is a schematic view when the endless moving direction of the belt portion wound around the steering roller is inclined with respect to the normal endless moving direction.
FIG. 11 is a graph showing changes over time in the belt width direction position of the contact start position and the separation start position when the intermediate transfer belt is moving endlessly at a constant speed.
FIG. 12A is an explanatory diagram showing a state of inclination of the intermediate transfer belt when the difference ΔL is larger than zero. FIG. 6B is an explanatory diagram illustrating the state of inclination of the intermediate transfer belt when the difference ΔL is smaller than zero.
FIG. 13 is an explanatory diagram showing a schematic configuration of a position detection sensor according to
FIG. 14 is an explanatory diagram illustrating a schematic configuration of a position detection sensor according to a second modification.
FIG. 15 is an explanatory diagram showing a schematic configuration of a position detection sensor according to
FIG. 16 is a model diagram for explaining a relationship between belt tension and a friction coefficient.
[Explanation of symbols]
1, 2, 101, 201, 301 Position detection sensor
3 Control unit
4 Steering motor
5 Swing arm
6 Eccentric cam
10 Intermediate transfer belt
14 Steering roller
14a Pivot bearing
18Y, 18C, 18M, 18BK Image forming unit
20Y, 20C, 20M, 20BK Photosensitive drum
102 Contact
104 spring
105 area laser sensor
302 reflective tape
Claims (4)
上記複数の支持部材の中の少なくとも1つの支持部材に巻き付いた無端ベルト部分の無端移動方向と、該無端ベルト部分の正規の無端移動方向との傾斜を検出するための傾斜検出手段と、
上記傾斜検出手段による検出結果に基づいて、上記無端ベルト部分の無端移動方向を正規の無端移動方向に修正する傾斜修正手段とを備え、
上記傾斜検出手段は、上記無端ベルトの無端移動方向における互いに異なる2つの箇所で、上記少なくとも1つの支持部材に巻き付いた無端ベルト部分又はその近傍のベルト幅方向位置をそれぞれ検出する2つの位置検出手段を有し、該2つの位置検出手段による各検出結果の差分に基づいて上記傾斜を得るものであり、
上記2つの位置検出手段が検出する各ベルト幅方向位置は、上記無端ベルトが上記少なくとも1つの支持部材に接触を開始する接触開始位置と、該支持部材から離間を開始する離間開始位置であることを特徴とするベルト蛇行補正装置。 A belt driving device that transmits a driving force to an endless belt stretched by a plurality of support members to drive the endless belt, and the endless movement that occurs when the endless moving direction of the endless belt deviates from the normal endless moving direction. In the belt meandering correction device for correcting the meandering of the belt,
An inclination detecting means for detecting an inclination between an endless belt portion wound around at least one of the plurality of support members and a normal endless movement direction of the endless belt portion;
Inclination correcting means for correcting the endless moving direction of the endless belt portion into a normal endless moving direction based on the detection result by the inclination detecting means ,
The inclination detection means includes two position detection means for detecting an endless belt portion wound around the at least one support member or a belt width direction position in the vicinity thereof at two different positions in the endless movement direction of the endless belt. And obtaining the inclination based on the difference between the detection results of the two position detection means,
The belt width direction positions detected by the two position detecting means are a contact start position at which the endless belt starts to contact the at least one support member, and a separation start position at which separation from the support member starts. A belt meandering correction device characterized by the above .
上記少なくとも1つの支持部材は、上記複数の支持部材の中で、上記無端ベルトとの間の摩擦係数と、該無端ベルトの巻付き角との積が最も大きいものであることを特徴とするベルト蛇行補正装置。The belt meandering correction apparatus 請 Motomeko 1,
The belt characterized in that the at least one support member has a largest product of a coefficient of friction with the endless belt and a winding angle of the endless belt among the plurality of support members. Meander correction device.
上記無端ベルトの無端移動方向が正規の無端移動方向から外れたときに生じる該無端ベルトの蛇行を補正するベルト蛇行補正装置とを備えた画像形成装置において、
上記ベルト蛇行補正装置として、請求項1又は2のベルト蛇行補正装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。A belt driving device that transmits a driving force to an endless belt stretched by a plurality of support members to drive the endless belt;
An image forming apparatus comprising: a belt meandering correction device that corrects meandering of the endless belt that occurs when the endless moving direction of the endless belt deviates from the normal endless moving direction;
As the belt meandering correction apparatus, an image forming apparatus characterized by the claims 1 or with 2 belt meandering correction system.
非画像形成動作時に、上記無端ベルトのベルト幅方向位置を正規の位置に修正する位置修正手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。The image forming apparatus according to claim 3 .
An image forming apparatus comprising a position correcting means for correcting a position in the belt width direction of the endless belt to a normal position during a non-image forming operation.
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