JP3918315B2 - インパルス応答測定方法 - Google Patents

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    • G01H3/00Measuring characteristics of vibrations by using a detector in a fluid
    • G01H3/005Testing or calibrating of detectors covered by the subgroups of G01H3/00

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、有響室で測定したインパルス応答から無響室での対応するインパルス応答を得るインパルス応答測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スピーカやマイクロホン等の電気音響変換素子のインパルス応答は反射や残響の影響を回避するため本来は無響室で測定する必要がある。しかし、無響室はどこにでも簡単に設置できるものではないため、従来は測定対象を無響室がある所までわざわざ運んで測定する必要があった。また、埋め込み型スピーカなど移動できないものは、事実上無響室での測定が困難であった。
【0003】
これらの問題は、有響室で測定したインパルス応答から無響室相当のインパルス応答を求めることができれば解消される。これを実現する従来方法として、特開平6−324689号公報に記載された方法があった。これは、有響室で測定したインパルス応答から、第1反射音が現われる手前までの部分(テストパルスを発してから約2msec程度までの部分)を切り出して用いることにより、残響成分を除去して、これを無響室相当のインパルス応答として求めるものであった。
【0004】
また、これとは別に、ケプストラム解析を用いる方法もあった。有響室での測定はインパルス応答に残響成分が混入するため、結果的にその伝達特性にくし形特性が現れてしまう。くし形特性とは、伝達関数の周波数軸上に等間隔にピーク・ディップが生じることを言う。ケプストラム処理とは、特性中の顕著な周期成分を解析検出して除去するための数学的な演算手法であって、その具体的な処理内容としては、伝達特性などの対数パワースペクトルをさらにフーリエ変換した結果を利用するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
測定されたインパルス応答から第1反射音が現われる手前までの部分を切り出して使う前記従来方法では、約500Hz(=1/2msec)以下の特性はぼやけてしまい、測定対象の正確なインパルス応答を求めることはできなかった。
【0006】
また、ケプストラム解析を用いる方法は、演算内容が複雑になってしまい、処理に時間がかかってしまうという欠点があった。
【0007】
この発明は、前記従来の技術における問題点を解決して、有響室で測定したインパルス応答から無響室での対応するインパルス応答を高精度に求めることができるインパルス応答測定方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、有響室内にスピーカとマイクを配置し、インパルス応答を測定するための測定用音響を前記スピーカから発生し、該発生された測定用音響を前記マイクで収音し、該収音信号からインパルス応答を求め、該インパルス応答を実数部および虚数部からなる周波数軸上の複素データに変換し、該複素データに平滑化処理を行って平滑化した周波数軸上の複素データを求め、さらに該平滑化された複素データを時間軸上のデータに変換し、該時間軸上のデータを前記有響室でのインパルス応答に対応する無響室でのインパルス応答としての用途に利用されるデータとして求めるものである。
【0009】
前述したように、有響室で測定したインパルス応答(時間軸上の特性)をフーリエ変換して得られる周波数軸上の特性(伝達関数)は残響成分を含むためいわゆるくし形特性となる。そこで、この発明では有響室で測定したインパルス応答を一旦周波数軸上の複素データに変換して平滑化処理してくし形特性を除去しもしくは低減し、これを再び時間軸上の特性に戻すことにより、残響成分を含まない無響室相当のインパルス応答を求めている。これによれば、前記従来方法に比べて、インパルス応答全体のうち使用する時間範囲を制限する必要がないので、低減成分の特性も保存され、無響室相当の正確なインパルス応答を求めることができる。
【0010】
なお、平滑化処理は、例えば周波数軸上の適宜の周波数範囲について、適宜の周波数差または適宜の周波数比ごとに周波数ポイントを設定し、複素データの実数部および虚数部ごとに、1つの周波数ポイントの前後所定の周波数帯域幅に含まれる周波数ポイントの平均値を求めて、該平均値でもとの1つの周波数ポイントの値を置き換え、この操作を前記周波数範囲の各周波数ポイントについて行う処理を用いることができる。複素データの実数部および虚数部を別々に平均化処理して加算することは、数学的には複素データそのものの平均化と全く等価であるが、実際の処理回路またはプログラム構成という観点でみた場合、別々に平均化することにより、同様の処理構成または処理ルーチンを使い回しすることが可能となり、構成の簡素化につながる。この場合、1つの周波数ポイントに置き換える1つの平均値を求めるための周波数帯域幅を、例えば該1つの周波数ポイントを該周波数帯域幅のほぼ中心周波数の周波数ポイントとする所定の周波数帯域幅に設定することができる。
【0011】
また、前記1つの平均値を求めるための周波数帯域幅の下限周波数の周波数ポイントが該平均値演算を行う周波数範囲全体の最低周波数の周波数ポイントよりも低くなる周波数帯域で、該1つの平均値を求めるための周波数帯域幅の下限周波数の周波数ポイントを該平均値演算を行う周波数範囲全体の最低周波数の周波数ポイントまたは該最低周波数よりもやや高い周波数ポイントに固定し、かつ該求められた1つの平均値で置き換えられる1つの周波数ポイントが該1つの平均値を求めるための周波数帯域幅のほぼ中心周波数の周波数ポイントとなるように、該1つの平均値を求めるための周波数帯域幅を変更し、前記1つの平均値を求めるための周波数帯域幅の上限周波数の周波数ポイントが該平均値演算を行う周波数範囲全体の最高周波数の周波数ポイントよりも高くなる周波数帯域で、該1つの平均値を求めるための周波数帯域幅の上限周波数の周波数ポイントを該平均値演算を行う周波数範囲全体の最高周波数の周波数ポイントまたは該最高周波数よりもやや低い周波数ポイントに固定し、かつ該求められた1つの平均値で置き換えられる1つの周波数ポイントが該1つの平均値を求めるための周波数帯域幅のほぼ中心周波数の周波数ポイントとなるように、該1つの平均値を求めるための周波数帯域幅を変更することにより、平均値演算を行う周波数範囲外の無意味なデータが平均値演算に入るのを回避することができる。
【0012】
また、平均値演算を行う周波数範囲を周波数が0の周波数ポイントからインパルス応答の測定に用いたサンプリング周波数の半分の周波数ポイントまでの範囲(または前記半分の周波数ポイントからサンプリング周波数の周波数ポイントまでの範囲)に設定し、前記半分の周波数ポイントからサンプリング周波数の周波数ポイントの範囲(または周波数が0の周波数ポイントから前記半分の周波数ポイントの範囲)については、複素データの特性の対称性を利用して、該平均値演算で求められた値を流用して該当する複素データを得て、これにより周波数が0の周波数ポイントからサンプリング周波数の周波数ポイントまでの全体の範囲を平滑化処理することにより、平均値演算を行う周波数範囲を半分に減らすことができ、演算回路の負担を軽減することができる。
【0013】
なお、この発明の方法により得られたインパルス応答は、例えば前記スピーカまたは前記マイクのインパルス応答として、該スピーカまたはマイクの位相特性を含めた特性、また立ち上がり特性および立ち下がり特性を含めた特性を評価するのに利用することができる。また、別の用途として、該求められたインパルス応答から、該スピーカまたはマイクの特性を所望の特性に補正するフィルタ特性を設計することができる。また、バイノーラル録音のスピーカによる再生などの場合は、無響室内での左右のスピーカとダミーヘッドの左右の耳に配置したマイク相互間の4種類のインパルス応答が基礎データとして必要になるが、この発明を利用して有響室内での測定に基づき該基礎データを得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を以下説明する。図2はこの発明のインパルス応答測定方法を実施するためのシステム構成の概要を示すブロック図である。有響室10は例えば普通の建物内の普通の部屋である。有響室10内にはスピーカ12とマイク14が配置されている。音源装置16からはインパルス応答の測定用音響信号としてインパルス信号、バンド信号、TSP(Time StretchedPulse:時間引き伸ばしパルス)信号等が出力され、スピーカ12から該当する測定用音響が発せられる。マイク14はこの測定用音響を収音する。解析装置18は収音信号を入力し、各種演算を行って、最終的に無響室相当のインパルス応答のデータを得て、該データを外部に出力する。制御装置20は外部からの指令を受けて音源装置16を駆動したり、解析装置18の制御を行う。
【0015】
図2のシステム構成を用いて行われるこの発明のインパルス応答測定方法の手順を説明する。
【0016】
ここでは次のように定義する。
【0017】
s :インパルス応答データのサンプリング周波数
k :測定された有響室でのインパルス応答のサンプル列(k=0,1,……,N−1(Nは一般には2のべき乗値)で、全測定時間長はN/Fs 、サンプル数はN)
k :インパルス応答hk をフーリエ変換して得た周波数軸上の複素データの一定周波数差Fs /Nおきの周波数ポイントk(k=0,1,……,N−1)の複素データ列
e (Hk ):複素データHk の実数部のデータ列
m (Hk ):複素データHk の虚数部のデータ列
i :複素データHk の先頭からi番目の周波数ポイントfi の複素データ(iはインデックス番号で、i=0,1,……,N−1)
e (Hi ):複素データHi の実数部のデータ
m (Hi ):複素データHi の虚数部のデータ
w :平均値を求める周波数帯域幅(Bw は21/X 、すなわち1/Xオクターブバンド幅、Xの値は適宜に設定することができ、例えば3,6,12等の値に設定することができる。)
e (Hj ):実数部データRe (Hi )のうち帯域幅Bw に含まれるデータIm (Hj ):虚数部データIm (Hi )のうち帯域幅Bw に含まれるデータ
n:帯域幅Bw に含まれる周波数ポイント数(可変)
e (H′i ):データRe (Hi )に置き換わる平均値データ
m (H′i ):データIm (Hi )に置き換わる平均値データ
e (H′k ):平均値データRe (H′i )のデータ列
m (H′k ):平均値データIm (H′i )のデータ列
H′k :データ列Re (H′k ),Im (H′k )を複合させた複素データ列
k0:複素データ列H′k を逆フーリエ変換して得た時間軸上のデータ(有響室でのインパルス応答hk に対応する無響室相当のインパルス応答のサンプル列)
インパルス応答測定方法の手順の概要を図1に示す。図2の制御装置20の指令により音源装置16から測定用音響信号が出力されると、該測定用音響がスピーカ12から発生され(S1)、マイク14で収音される(S2)。解析装置18はこの収音信号を入力し、サンプリング周波数Fs でディジタル信号に変換して、インパルス応答が立ち上がる直前からNサンプル分のデータ(時間にしてN/Fs の区間のデータ)をメモリに記憶し、この記憶されたデータからインパルス応答hk を求める(S3)。さらに、このインパルス応答hk をフーリエ変換して、実数部Re (Hk )および虚数部Im (Hk )からなる周波数軸上の複素データHk に変換する(S4)。この複素データHk は実数部Re (Hk )および虚数部Im (Hk )ごとに平滑化処理される(S5,S6)。平滑化された実数部Re (H′k )および虚数部Im (H′k )は複合されて平滑化処理された複素データH′k となり、さらに逆フーリエ変換されて時間軸上のデータhk0に変換されて(S7)、無響室でのスピーカ12またはマイク14のインパルス応答データとして出力される。
【0018】
N個の複素データ列Hk を実数部Re (Hk )および虚数部Im (Hk )ごとに平滑化処理する(S5,S6)ための手法の具体例を図3に示す。ここでは、実数部Re (Hk )がN/2で線対称となり、虚数部Im (Hk )がN/2で点対称となる性質を利用して、個々の実数部データRe (Hi )および虚数部データIm (Hi )のうち前半分のインデックス番号i=1,2,……,N/2−1のデータについて平均値演算を行い(すなわち、平均値演算を行う範囲を最低周波数f1 ,最高周波数fN/2-1 の範囲に設定している。)、後半分のインデックス番号i=N/2+1,N/2+2,……,N−1のデータについては前半で得られたデータを流用して求めるようにしている。なお、インデックス番号i=0,N/2のデータについては、後述するように、平均値演算の対象から除外される。
【0019】
図3について説明する。平均値演算でははじめにインデックス番号i、平均値を求めるためのデータを加算するエリア等が初期化される(S11)。インデックス番号iの初期値は1である。インデックス番号i=1,2,……,N/2−1の個々のデータRe (Hi ),Im (Hi )について平均値を求める処理が行われる(S12,S13,S14,S15)。1つのインデックス番号iにおける平均値を求める処理は次のようにして行われる(図4参照)。はじめに、インデックス番号iに対応する周波数fi
i =i×(Fs /N)
から求める。また、この周波数fi を中心とする帯域幅Bw の下限周波数fi1と上限周波数fi2
i1=fi /Bw 1/2
i2=fi ×Bw 1/2
から求める。そして、これら上下限周波数fi1,fi2に対応するインデックス番号i1,i2を
i1=(fi1/Fs )×N
i2=(fi2/Fs )×N
から求める。この場合、i1について端数を一律に切り下げ、i2については端数を一律に切り上げる。
【0020】
続いてインデックス番号i1からi2までのn個の周波数ポイント(n=i2−i1+1)の実数部データの平均値Re (H′i )および虚数部データの平均値Im (H′i )を
e (H′i )={ΣRe (Hj )}/n
m (H′i )={ΣIm (Hj )}/n
から求める。そして、求められた平均値Re (H′i ),Im (H′i )でもとの値Re (Hi ),Im (Hi )をそれぞれ置き換える。
【0021】
以上の操作を各周波数ポイントについて行う。なお、図5(a)のようにi1≦0となる区間では平均値を求める帯域幅Bw に無効なデータが入ってくるので、図5(b)に示すようにi1=1に固定し、周波数fi が帯域幅の中心となるように上限周波数fi2を定めて、無効なデータが入らないようにする。このとき、帯域幅Bw ′は本来の帯域幅Bw よりも狭められることになる。このときの上限周波数fi2に対応するインデックス番号i2は、次のようにして求められる。すなわち、
i1=i1×(Fs /N)
i1=1
i1×fi2=(fi /Bw 1/2 )×(fi ×Bw 1/2 )=fi 2
から上限周波数fi2を求め、このfi2
i2=(fi2/Fs )×N
に代入してインデックス番号i2を求める。なお、i2の端数は一律に切り上げる。このようにして求められたi1〜i2について実数部および虚数部の平均値Re (H′i ),Im (H′i )をそれぞれ求める。
【0022】
また、図6(a)のようにi2≧N/2となる区間についても、図6(b)に示すように、i2=N/2−1に固定し、周波数fi が帯域幅の中心となるように下限周波数fi1を定める。このとき、帯域幅Bw ′は本来の帯域幅Bw よりも狭められることになる。このときの下限周波数fi1に対応するインデックス番号i1は次のようにして求められる。すなわち、
i2=i2×(Fs /N)
i1=N/2−1
i1×fi2=fi 2
から下限周波数fi1を求め、このfi1
i1=(fi1/Fs )×N
に代入してインデックス番号i1を求める。なお、i1の端数は一律に切り下げる。このようにして求められたi1〜i2について実数部および虚数部の平均値Re (H′i ),Im (H′i )をそれぞれ求める。
【0023】
なお、i=1のときはfi1=fi2=fi となり、帯域幅Bwは0で、平均値はf1 における値そのものとなる。i=N/2−1のときも同様である。したがって、i=1,N/2−1の値を別途記憶しておき、後のステップS16でこの記憶した値を利用できるようにしておけば平均値演算を不要とすることができる。この場合、図3のステップS11の初期化による初期値をi=2とし、ステップS12を“i≧N/2−1?”とする。
【0024】
以上のようにして、インデックス番号i=1,2,……,N/2−1の各周波数ポイントについて平均値が求められたら、続いて平均値演算の対象から除外されたインデックス番号i=0,N/2についてRe (H′i ),Im (H′i )を次のように設定する(S16)。
【0025】
e (H′0 )=Re (H0 ),Im (H′0 )=0
e (H′N/2 )=Re (HN/2 ),Im (H′N/2 )=0
なお、i=1およびi=N/2−1について平均値演算を行わない場合は、ここでi=1,N/2−1についてRe (H′i ),Im (H′i )を次のように設定する。
【0026】
e (H′1 )=Re (H1 ),Im (H′1 )=Im (H1
e (H′N/2-1 )=Re (HN/2-1 ),Im (H′N/2-1
=Im (HN/2-1
さらに、N/2<i<Nの範囲について、複素データの対称性を利用して、0<i<N/2の範囲についてすでに求められている値を流用して平均値データRe (H′i ),Im (H′i )を求める。すなわち、インデックス番号iの初期値をi=N/2+1に設定し(S17)、i=N/2+1,N/2+2,……,N−1について、
e (H′i )=Re (H′N-i
m (H′i )=−Im (H′N-i
から平均値データRe (H′i ),Im (H′i )をそれぞれ求める(S18,S19,S20)。
【0027】
以上により、全インデックス番号i=0,1,……,N−1(周波数でいえば0〜Fs )について平均値データのデータ列Re (H′k ),Im (H′k )が得られたら、両データ列を複合させて平均化された複素データ列H′k を得て、逆フーリエ変換(図1のステップS7)を経て時間軸上のデータhk0を求めて、これを無響室でのスピーカ12またはマイク14のインパルス応答データとして出力する。
【0028】
図2のシステム構成において、図1,図3〜図6の処理を用いてインパルス応答の測定を行った実験結果を図7〜図12に示す。図7は実際に測定された有響室のインパルス応答hk 、図8はインパルス応答hをフーリエ変換して得た周波数軸上の複素データHk の実数部データRe (Hk )、図9は同虚数部データIm (Hk )、図10は実数部データRe (Hk )をBw =1/6オクターブバンドの周波数帯域幅で平滑化処理して得た平均値データRe (H′k )、図11は虚数部データIm (Hk )を平滑化処理して得た平均値データIm (H′k )、図12は実数部データRe (H′k )と虚数部データIm (H′k )を複合化したデータH′k を逆フーリエ変換して得たインパルス応答hk0である。図7のもとのインパルス応答hk と比べると、直接音成分にはほとんど影響がなく、残響成分が除去されて、無響室相当のインパルス応答が得られていることがわかる。
【0029】
なお、以上の実施の形態では平均値を求める周波数帯域幅Bを1/Xオクターブバンド幅(すなわち周波数比が一定の帯域幅)に設定したが、周波数差が一定の帯域幅に設定することもできる。また、平均値を求める周波数帯域幅Bw の上下限周波数fi2,fi1に対し中心周波数fi を、周波数比が等しくなるように
i =(fi1×fi21/2
に設定したが、周波数差が等しくなるように
i =(fi1+fi2)/2
に設定することもできる。また、平均値を求める周波数ポイントを一定周波数差おきのポイント
i+1 −fi =fi+2 −fi+1 =Fs /N
に設定したが、一定周波数比おきのポイント
i+1 /fi =fi+2 /fi+1
に設定することもできる。また、周波数ポイント数をインパルス応答のサンプリング数Nと等しくNに設定したが、これは、フーリエ変換としてFFT(高速フーリエ変換)演算を用いると、一般的には、時間軸上のNサンプルから周波数軸上のNポイントの値を算出するのが、最も簡単なためである。もし、計算の簡単さを問わないのであれば、サンプル数とポイント数を等しくする必要は特にはないが、その場合、逆FFT演算して時間軸特性に戻す際にも同様に考慮する必要があり、そのままでは最終的なインパルス応答の長さが変化してしまうので注意が必要である。
【0030】
また、平均値演算を行う周波数範囲をf1 〜fN/2-1 に設定したが、fN/2+1 〜fN-1 に設定することもできる。この場合も複素データの対称性を利用して、fN/2+1 〜fN-1 について求められた各平均値を流用してf1 〜fN/2-1 の各平均値を求める。また、f0 ,fN/2 のデータは平均値演算を行わないでそのまま用いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態を示すフローチャートである。
【図2】 この発明の方法を実施するためのシステム構成の一例を示すブロック図である。
【図3】 図1の平滑化処理の具体例を示すフローチャートである。
【図4】 図3のステップS14の平均値演算の説明図である。
【図5】 図3のステップS14の平均値演算を行う周波数範囲の最低周波数付近の処理の説明図である。
【図6】 図3のステップS14の平均値演算を行う周波数範囲の最高周波数付近の処理の説明図である。
【図7】 図2のシステム構成において、図1,図3〜6の処理を用いてインパルス応答の測定を行った時の実験結果を示す図7〜図12のうち、測定された有響室のインパルス応答hk を示す図である。
【図8】 インパルス応答hk をフーリエ変換して得た複素データの実数部のデータRe (Hk )である。
【図9】 インパルス応答hk をフーリエ変換して得た虚数部のデータIm (Hk )である。
【図10】 実数部データRe (Hk )を1/6オクターブバンドの周波数帯域幅Bw で平滑化したデータRe (H′k )である。
【図11】 虚数部データIm (Hk )を1/6オクターブバンドの周波数帯域幅Bw で平滑化したデータIm (H′k )である。
【図12】 平滑化したデータRe (H′k ),Im (H′k )を複合した複素データH′k を逆フーリエ変換して得た無響室でのインパルス応答hk0である。
【符号の説明】
10 有響室
12 スピーカ
14 マイク

Claims (6)

  1. 有響室内にスピーカとマイクを配置し、インパルス応答を測定するための測定用音響を前記スピーカから発生し、該発生された測定用音響を前記マイクで収音し、該収音信号からインパルス応答を求め、該インパルス応答を実数部および虚数部からなる周波数軸上の複素データに変換し、該複素データに平滑化処理を行って平滑化した周波数軸上の複素データを求め、さらに該平滑化された複素データを時間軸上のデータに変換し、該時間軸上のデータを前記有響室でのインパルス応答に対応する無響室でのインパルス応答としての用途に利用されるデータとして求めるインパルス応答測定方法。
  2. 前記平滑化処理が、周波数軸上の適宜の周波数範囲について、適宜の周波数差または適宜の周波数比ごとに周波数ポイントを設定し、複素データの実数部および虚数部ごとに、1つの周波数ポイントの前後所定の周波数帯域幅に含まれる周波数ポイントの平均値を求めて、該平均値でもとの1つの周波数ポイントの値を置き換え、この操作を前記周波数範囲の各周波数ポイントについて行い、該置き換えられた実数部および虚数部を複合させて前記平滑化した周波数軸上の複素データを得る処理である請求項1記載のインパルス応答測定方法。
  3. 前記1つの周波数ポイントに置き換える1つの平均値を求めるための周波数帯域幅を、該1つの周波数ポイントを該周波数帯域幅のほぼ中心周波数の周波数ポイントとする所定の周波数帯域幅に設定している請求項2記載のインパルス応答測定方法。
  4. 前記1つの平均値を求めるための周波数帯域幅の下限周波数の周波数ポイントが該平均値演算を行う周波数範囲全体の最低周波数の周波数ポイントよりも低くなる周波数帯域で、該1つの平均値を求めるための周波数帯域幅の下限周波数の周波数ポイントを該平均値演算を行う周波数範囲全体の最低周波数の周波数ポイントまたは該最低周波数よりもやや高い周波数ポイントに固定し、かつ該求められた1つの平均値で置き換えられる1つの周波数ポイントが該1つの平均値を求めるための周波数帯域幅のほぼ中心周波数の周波数ポイントとなるように、該1つの平均値を求めるための周波数帯域幅を変更し、
    前記1つの平均値を求めるための周波数帯域幅の上限周波数の周波数ポイントが該平均値演算を行う周波数範囲全体の最高周波数の周波数ポイントよりも高くなる周波数帯域で、該1つの平均値を求めるための周波数帯域幅の上限周波数の周波数ポイントを該平均値演算を行う周波数範囲全体の最高周波数の周波数ポイントまたは該最高周波数よりもやや低い周波数ポイントに固定し、かつ該求められた1つの平均値で置き換えられる1つの周波数ポイントが該1つの平均値を求めるための周波数帯域幅のほぼ中心周波数の周波数ポイントとなるように、該1つの平均値を求めるための周波数帯域幅を変更してなる請求項2または3記載のインパルス応答測定方法。
  5. 前記平均値演算を行う周波数範囲を周波数が0の周波数ポイントから前記インパルス応答の測定に用いたサンプリング周波数の半分の周波数ポイントまでの範囲または前記半分の周波数ポイントからサンプリング周波数の周波数ポイントまでの範囲に設定し、前記半分の周波数ポイントからサンプリング周波数の範囲または周波数が0の周波数ポイントから前記半分の周波数ポイントの範囲については、複素データの特性の対称性を利用して、該平均値演算で求められた値を流用して該当する複素データを得て、周波数が0の周波数ポイントからサンプリング周波数の周波数ポイントまでの全体の範囲を平滑化処理してなる請求項2から4のいずれかに記載のインパルス応答測定方法。
  6. 前記インパルス応答を前記スピーカまたは前記マイクのインパルス応答として求める請求項1から5のいずれかに記載のインパルス応答測定方法。
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