JP3914616B2 - スポーツシューズ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運動能力を増加させるスポーツシューズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、球技用スポーツシューズとしては、多種のものが使用されていたが、これらはスポーツの種類毎に、例えば、ゴルフシューズ、テニスシューズ、バドミントンシューズ、バスケットシューズ、バレーボールシューズ、卓球シューズ、野球シューズ、ボクシングシューズ、ラニングシューズ、エアロビックスシューズ、ウォーキングシューズ等のスポーツの種類毎に最適のシューズが工夫され実用化されている。
これらのシューズは、相手の攻撃又は所定の動きに対して、前後左右に俊敏に、かつ再現性良く安定した動作で体重移動する必要があり、そのために、靴底裏面には、凹凸形状又はスパイク等のすべり止め構造が施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、俊敏に体重移動できるスポーツシューズを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、すべてのスポーツ、例えばテニス等においては、相手の動きに対応するために待機している場合に、両足裏の内側に体重をかけて置き、左へ移動すべき場合は右足裏の内側に力を入れて地面を蹴り左に移動し、右に移動する場合は左足の内側で地面を蹴って右に移動する。本発明者らは、左移動する場合の初動動作の主役は、右足の内側による蹴りの力であって、左足の裏側はその初動動作を後から補助する役目であることに着目した。また、ゴルフスイングのように右から左への体重移動によって、スイングするスポーツにおいても、例えば左への体重移動のためには、右足の内側に体重をかけた状態から、右足の蹴りで左に体重移動する点で、テニス等の初動動作の左への俊敏な移動の状況と全く同一の状況にあることが分かった。また、ゴルフスイングなどにおいては、右足の蹴りで生じた力を左足で受け止める動作も必要であり、この受け止め動作においても左足の裏の外側が高い方が力学的に有利であり、動作が安定する。
これらスポーツにおいて、待機中の足裏の内側の体重保持及び体重移動の初動動作の強さ及び動作の安定性が要請されるにもかかわらず、待機中に内側に体重をかける原則を忘れるスポーツマンが多いのが現状である。
スポーツにおいては、このような体重移動を短い時間の間に遂行することが要求される。本発明者らはこのスポーツの体重移動の実情に照らし、スポーツシューズの内側を外側より低く設計したものを使用すると、前記待機中の体重の足裏の内側への重心保持も意識しなくとも自然に実現でき俊敏な移動を達成でき、かつ左右に体重移動させる動作の場合も、足の裏が内側に傾斜しているので、大きな力で地面を蹴ることができる点に着目して、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の各項の発明よりなるものである。
(1)靴底に滑り止め構造を有し、内側表面よりも外側表面が高くなっているスポーツシューズであって、靴の最も横幅の広い部分で測定して、内部外側表面の外端縁から5mm内側の位置の高さが内部内側表面の内端縁から5mm内側の位置の高さとの高低差が4〜25mmであり、靴内部表面の踵からつま先までの長さの踵側の10〜60%の範囲において、内部外側表面の外端縁から5mm内側の位置の高さが内部内側表面の内端縁から5mm内側の位置の高さと略同一であることを特徴とするスポーツシューズ
(2)高低差が6〜15mmである第(1)項記載のスポーツシューズ
(3)靴の最も横幅の広い部分で測定して、内側表面の内端縁から該最大横幅の10〜70%が略同一の高さであることを特徴とする第(1)又は(2)項記載のスポーツシューズ
(4)底シート部品の外側の厚さを内側より厚くしてなる第(1)、(2)又は()項記載のスポーツシューズ
(5)ゴルフシューズである第 ( ) ( ) ( ) 又は ( ) 項記載のスポーツシューズ、及び、
(6)テニスシューズである第 ( ) ( ) ( ) 又は ( ) 項記載のスポーツシューズ、
を提供するものである。
特に、スポーツシューズがゴルフシューズ又はテニスシューズの場合が好ましい態様である。
【0005】
【発明の実施の形態】
スポーツシューズとしては、例えばゴルフシューズの場合に、裏底にすべり止め構造として、スパイクが設けてあるもの及びゴム製凹凸底のものが知られている。テニスシューズの場合は、アンツーカー用、芝生用などコートの種類に対応して、特別の形状の凹凸構造の滑り止め構造が設けられている。
本発明は、このような滑り止め構造を有するスポーツシューズにおいて、靴の内部外側表面の高さが内部内側表面の高さより高くなっているスポーツシューズを提供するものである。
本発明において、靴の内部外側表面とは、靴を履いたときに足の裏の外側が接する位置である。内部内側表面とは、同じく足の裏の内側が接する位置である。本発明は、靴の最も横幅の広い部分で測定して、内部外側表面の外端縁から5mm内側の位置の高さが内部内側表面の内端縁から5mm内側の位置の高さとの高低差が4〜25mm、好ましくは6〜15mm、さらに好ましくは、8〜12mmであるスポーツシューズである。5mm内側としたのは、実質的に体重のかかる位置が靴内部の端縁より5mm内部になるからである。
本発明の内側と外側の高さは、足の裏の親指の内側と踵の内側を結ぶ線に垂直方向の足幅の最も広い幅の部分において、当該垂直方向で測定する。
本発明者らは、厚さ0.1mmのA4判の多数の紙を3mm、4mm、8mm、12mm、14mm、17mm、20mm、25mm、25mm及び30mmに重ねて、これらの紙束の端をずらせて、図1のように紙の側縁で傾斜面Mを作りこれを接着剤で固定した。この紙束を2個を傾斜面Mを内側に向けて配置して、この傾斜面上に左右両足を素足又はスニーカーを履いて乗った。
素足の場合は足の裏の最も幅の広い部分の内側端及び外側端を傾斜面Mの下縁a及び上縁bに合わせて乗っかって、テニスのラッケットを持って、実際のボールに対応して左右への俊敏な体重移動動作を行った。次にゴルフのドライバーを持って、実際の状況を想定してスイングを行った。
さらに、スニーカーを履いた場合は、靴の端縁を傾斜面の下縁a及び上縁bからスニーカーの最も幅の広い位置を5mmはみ出すように乗っかって同一の運動試験を行った。
各紙の厚さ毎に、紙の傾斜と左右への移動のし易さ及びゴルフのドライバースイングを行い、左右への移動のし易さ及びゴルフスイングにおける体重移動のし易さと紙の厚さとの関係を試験した。
その結果、4mm以下では、左右への体重移動のし易さに影響は感じられず、25mm以上では、傾斜が大きすぎて、左右に動き易くても通常の走行及び徒歩に不便になることが分かった。
これらの結果を基にして、本発明の靴の最も横幅の広い部分で測定して、内部外側表面の外端縁から5mm内側の位置の高さが内部内側表面の内端縁から5mm内側の位置の高さとの高低差が4〜25mm、好ましくは6〜15mm、さらに好ましくは8〜12mmであることが分かった。
本発明の内面の傾斜の態様は、上に凸でない限りどのようなものであっても、外側とが内側に所定の高さの差異が形成される限り、足裏の内側への蹴る力が増大するので使用することができる。さらに、本発明の特徴である外側を内側より高くする傾斜面は、平面的にする以外に、適宜、上に凹状の曲面の傾斜面にすることができる。
しかし、その場合において、本発明のスポーツシューズの望ましい態様として、靴の最も横幅の広い部分で測定して、内側表面の内端縁から該最大横幅の10〜70%、好ましくは20〜60%、特に好ましくは30〜50%を略同一の高さにすることができる。このことは前記の紙束の斜面Mを凹面にして試験した。このように内側からの10〜70%を同一の高さにすることによって、通常の前後への体重移動において、足裏面が傾く違和感が消失する利点がある。
また、同様の作用効果を目的として、本発明スポーツシューズにおいて、靴の踵部に近い位置は、内側表面と外側表面の高さを略同一の高さにすることができる。すなわち、靴内部表面の踵からつま先までの長さの踵側の10〜60%、好ましくは20〜50%、特に好ましくは30〜40%の範囲において、内部外側表面の外端縁から5mm内側の位置の高さが内部内側表面の内端縁から5mm内側の位置の高さとの略同一にすることができる。このことは前記の紙束を扇型に紙端縁をずらせて、踵部分が水平の斜面を作って試験した。
このように、最も幅の広い部分の外側だけが高いことで、多くのスポーツにおいて、ほとんど満足すべき動きが得られ、内側部分又は踵部分側を略水平にすることによって、前後への移動の際に存在した足裏が斜めになる若干の違和感が消失する。
本発明のスポーツシューズにおいては、靴内面に傾斜を形成しても、靴底が地面に対して、滑り易い構造では体重移動が有効に行われない。
本発明の滑り止め構造は、ゴルフシューズに採用されているような公知のスパイク構造及びゴム製若しくは合成樹脂製底のゴルフシューズ、テニスシューズ、バドミントンシューズ、卓球シューズ、スニーカーシューズ等それぞれのスポーツシューズに採用されている凹凸形状及びこれらに類似する凹凸形状はすべて採用することができる。
また、本発明の内側と外側の高さの差異は、凹凸付き靴底シート又はスパイク付靴底シートの厚さを内側と外側で変更して取り付けるのが従来の製造工程をそのまま使用できる利点がある。
【0006】
【発明の効果】
本発明のスポーツシューズでは、足の内側が外側より僅かに低いので、左右へ俊敏に移動することができる。さらに、ゴルフスイング等の左右に力を入れるスホーツ動作においても、安定に力を入れることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、傾斜面を形成する紙束の斜視図である。
【図2】図2は、傾斜面に足を乗せた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
M 傾斜面
a 傾斜面の下縁
b 傾斜面の上縁

Claims (6)

  1. 靴底に滑り止め構造を有し、内側表面よりも外側表面が高くなっているスポーツシューズであって、靴の最も横幅の広い部分で測定して、内部外側表面の外端縁から5mm内側の位置の高さが内部内側表面の内端縁から5mm内側の位置の高さとの高低差が4〜25mmであり、靴内部表面の踵からつま先までの長さの踵側の10〜60%の範囲において、内部外側表面の外端縁から5mm内側の位置の高さが内部内側表面の内端縁から5mm内側の位置の高さと略同一であることを特徴とするスポーツシューズ。
  2. 高低差が6〜15mmである請求項1記載のスポーツシューズ。
  3. 靴の最も横幅の広い部分で測定して、内側表面の内端縁から該最大横幅の10〜70%が略同一の高さであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスポーツシューズ。
  4. 底シート部品の外側の厚さを内側より厚くしてなる請求項1、請求項2又は請求項記載のスポーツシューズ。
  5. ゴルフシューズである請求項1、請求項2、請求項3又は請求項記載のスポーツシューズ。
  6. テニスシューズである請求項1、請求項2、請求項3又は請求項記載のスポーツシューズ。
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