JP3909765B2 - 太陽電池モジュール及び太陽光発電システム - Google Patents

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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽光発電システムに使用する太陽電池モジュールに関し、更に詳しくは、エミッション問題を低減し、太陽電池モジュールが電磁波の受信アンテナとして作用することで、パワーコンディショナへのイミュニティ耐性を向上することができる太陽電池モジュール発電セル間の配線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から使われている太陽光発電システムは、太陽電池ブロック19により発電された直流電力を電子・電気機器等で使用できるように、パワーコンディショナ20を使って直流から交流に変換するよう構成されている(図9参照)。
【0003】
一般の個人住宅では、この太陽光発電システムを利用することでパワーコンディショナ20により変換された交流電力を、屋内負荷21である家電製品、例えばテレビ、照明等の駆動に使用することができる。
一方、余剰電力は、分電盤22と引込み線23を介して、逆に電力会社に送電されるが、このとき、売電メータ24には、その売却された電力が積算される。
もっとも、不足した場合は、電力会社から引込み線23と分電盤22を介して購入され、買電メータ25に積算される。
【0004】
このような太陽光発電システムは、発電時に窒素酸化物等の有害物資を発生しないクリーンなエネルギーシステムであることから、将来において更なる普及が望まれている。
因みに、二酸化炭素の削減効果により、現在、課題となっている地球温暖化の防止に少しでも寄与できるものと期待されている。
【0005】
ところが、このような太陽光発電システムは、設置コストが高い等の理由によってその普及が遅れているのが現状である。
太陽光発電システムとしては、図10に示すように、まず発電セルの集合体である太陽電池モジュール1を複数整列させて電池アレイ9とし、更にその電池アレイ9を複数個設けることで太陽電池ブロック26を形成している。
そして、太陽電池ブロック26をパワーコンディショナ20と接続して全体の太陽光発電システムを構成している。
このような太陽光発電システムの太陽電池モジュール1においては、現場での個々に接続する作業には、多くの組み立て工数を要するためにコスト高となっている。
【0006】
すなわち、従来の太陽光発電システムでは、各電池アレイ9から接続ボックス27までの間を、電源ケーブル28、29で電池アレイ9毎に配線する必要がある。
更には、多数の電源ケーブル28、29が接続ボックス27に集中するために配線の取り回しが非常に困難になっている。
また、通常は、このように接続された電池アレイ9が複数配列して接続されていることから、電源ケーブル28、29は、網の目のように配線されることになる。
【0007】
そこで、太陽光発電システムの配線接続方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
この太陽光発電システムは、複数の太陽電池モジュール1とパワーコンディショナ20とを所定間隔で接続コネクタを設けた幹線ケーブルを介して接続する方法を採用することで配線の取り回しを容易したものである。
しかし、このような設置コストの削減だけでは、太陽光発電システム全体としてのコスト削減効果が得られないために、量産効果が期待できるパワーコンディショナ20も含めたシステム全体としてのコスト削減効果を向上させる必要がある。
【0008】
一方、最近では、携帯電話や医療機器等で電磁妨害波(エミッション)の問題が多方面で真剣に検討されている。
エミッションとは、他の電子・電気機器への悪影響を与える電磁波のことであり、このエミッションを低減させることが強く求められている。
そのため、これらの問題に対しては、EMC(電磁両立性)に関する規格があり、新たに太陽光発電システムに対してもその適用が検討されている。
【0009】
ところで、現在太陽光発電システムの動作電圧は、200V前後であることから、1 個あたり1V程度の発電能力のある発電セル3では、それらを直列接続して、例えば25V〜35Vから程度の単位の太陽電池モジュール1を構成している。
【0010】
太陽電池アレイ9を構成する太陽電池モジュール1は、例えば図7(A)の上面図に示すようになっており、円盤状の発電セル3では、上面がプラス電極で下面がマイナス電極に構成されている。
ちなみに、発電セル3には、例えば単結晶シリコンやアモルファスシリコンを組み込んで作られている。
【0011】
前者の単結晶シリコンで作られる発電セル3は、原料のケイ石に不純物を添加した単結晶シリコンインゴットをスライシングし、単結晶シリコンウエハにPN接合部と反射防止膜を同時に作るために単結晶シリコンウエハの片面に不純物拡散源を塗布し高温で熱処理されたシリコンウエハが、先ず作られる。
そして不純物拡散源を塗布された面上に形成されたN型半導体部と反対側面に形成されたP型半導体部に電極を接合することで完成する。
【0012】
後者のアモルファスシリコンで作られる発電セル3は、ガラスやステンレス等の基板上にモノシラン(SiH4)ガスと微量のフォスフィン(PH3)ガスを反応室に加えてプラズマ放電をすることによりN 型のアモルファスシリコン膜が基板上に形成される。
そしてジボラン(B2H6)ガスを加えるとP型のアモルファス膜が、前記の膜上に堆積する。
【0013】
このように製造されたPiN構造上のP型アモルファス膜層側に透明電極層を設けることで、アモルファスシリコンの発電セル3が、完成する。
以上述べたように、発電セル3は、通常、相対する上下面に対極する電極が形成されることになる。
因みに、アモルファスシリコンによるステンレス基板の2層構造発電セルの電極間は、ステンレス基板を含めても約210μm程度である。
【0014】
さて、このような構造の発電セル3を複数備えた太陽電池モジュール1は、例えば図7(B)の側面図に示すように、No 12の前段にある発電セルNo 11のマイナス電極30(下面に配設されている)を、No 12のプラス電極31に接続し、後段の発電セルNo 13のプラス電極32(上面に配設されている)にNo 12のマイナス電極33を接続し、以下、これを順次繰り返すことで全体として直列接続を形成している。
【0015】
したがって、太陽電池モジュール1は、発電セル3が導電体であることから図8(A)に示すようなループ状配線34と等価になる。
そして、太陽電池アレイ9は、この太陽電池モジュール1をさらに直列接続することで200V程度の発電力を得ている。
【0016】
つまり、太陽電池アレイ9は、図8(B)に示すような配線と等価である構造を有することになる。
このような構造を持つ太陽光発電システムにおいては、パワーコンディショナ20の変換回路等(直流から交流への)から発生するエミッションが、電源ケーブル28,29を介して太陽電池モジュール1の集合体である太陽電池アレイ9から放射される欠点がある。
【0017】
このように発生したエミッション(例えば放射電界強度)は、CISPR(国際無線障害特別委員会)の規格を超過する恐れがある。
このような太陽光発電システムに対しては、エミッション対策として、パワーコンディショナ側に新たな電子回路を組み込む方法もあるが、システム全体が複雑となり、またコスト的に高くなるため、その対策が急がれていた。
【0018】
【特許文献1】
特開2002−124694号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状を背景に、上記の問題点を克服するためになされたものである。
すなわち、本発明の目的は、パワーコンディショナに起因するエミッション(例えば放射電界強度)を、極力低減できる太陽電池モジュールを提供することであり、またそれを備えた太陽光発電システムを提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して、鋭意研究を重ねた結果、太陽電池モジュールを構成する複数の発電セル間の配線において順方向の配線と逆方向の配線の両配線間距離を極力少なくなるように配置することで、従来の問題点を解決できることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成させたものである。
【0022】
即ち、本発明は、(1)、複数の発電セルを直列接続してなる太陽電池モジュールにおいて、プラス電極端子を前記複数の発電セルの始端発電セルのプラス電極に接続配線し、該始端発電セルのマイナス電極を一つ置きに隣接する発電セルのプラス電極に接続し、この接続形態を繰り返して、終端発電セルのプラス電極に順方向に直列接続し、該終端発電セルのマイナス電極から一つ置きに隣接する発電セルのプラス電極に接続し、最終的に前記始端発電セルに隣接する最終発電セルのプラス電極まで、逆方向に直列接続して全発電セルを直列接続し、前記最終発電セルのマイナス電極をマイナス電極端子に接続配線した太陽電池モジュールであって、前記プラス電極端子から前記終端発電セルのプラス電極まで接続された順方向配線と、該終端発電セルのマイナス電極から前記マイナス電極端子まで接続された逆方向配線とを近接配置し、エミッションの発生を防止した太陽電池モジュールに存する。
【0023】
そしてまた、()、前記発電セル間を接続する配線が交差配置されている上記()記載の太陽電池モジュールに存する。
【0025】
そしてまた、()、 前記(1)記載の太陽電池モジュールと、該太陽電池モジュールによって発電された直流電力を交流電力に変換するためのパワーコンディショナを備える太陽光発電システムに存する。
【0026】
本発明は、この目的に沿ったものであれば、上記1〜を組み合わせた構成も当然採用可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池モジュールによって発電された直流電力を交流電力に変換するためのパワーコンディショナを備える太陽光発電システムに使用されるものである。
更にいうなら、本発明は、少なくとも複数の発電セルが直列接続してなる回路網の配線において、順方向の配線と逆方向の配線の両方線間距離を近接するように(換言すると、極力少なくなるように)配置して、放射エミッション発生量の低減させているものである。
【0028】
〔第1の実施の形態〕
図1は、この実施の形態における太陽電池モジュール1の配線構造を示す模式図であり、(A)は平面図、(B)は側面図を示す。
各発電セルのマイナス電極とプラス電極とを結ぶ線は、平面図で見て、一直線となるように配置されている。
なお、側面では、上下面にマイナス電極とプラス電極とが配設されているものである。
【0029】
この複数の発電セルを備えた太陽電池モジュール1のプラス電極端子2(上面にある)は、図1(B)の側面図に示すように、No41の発電セル3(以下「No41セル」というように示す)のプラス電極4に接続される。
また、No41セルのマイナス電極5は、後段にあるNo42セルのプラス電極6に接続され、以下、No11セルまで順次繰り返すことにより順方向の直列接続が構成されている。
すなわち、順方向の配線は、プラス電極端子2からNo41セル+No42セル+・・+No46セル+No36セル+・・+No31セル+No21セル+・・+No26セル+No16セル+・・+No11セルの経路で接続されている。
【0030】
No11の発電セル3までの順方向の配線は、折返し点RPで折返すことで逆方向の配線へと続いている。
この逆方向の配線は、順方向の配線と同じ経路をたどって(すなわちNo41セル〜No11セルの下方を通り)帰線経路として形成され、最後にマイナス電極端子7へ接続される。
【0031】
この太陽電池モジュール1の配線経路は、図2(A)の模式図に示すように、プラス電極端子2からマイナス電極端子7へ略閉ループとなっている。
そして、順方向の配線と逆方向の配線の両方線間距離を接近するように、すなわち両方線間距離を極力少なくするように配置されている。
なお、図中の矢印は、電流の流れる方向を示している。
【0032】
さて、以上のような従来の配線的特徴を有する太陽電池モジュール1を使って、放射する妨害波(放射エミッション)を測定した結果を図3に示す。
以下、その測定方法を述べる。
図4には、太陽電池モジュール1からの放射エミッションを測定する系を図示するが、この系の測定方法について説明する。
【0033】
放射エミッションの測定は、通常、電波無響室35等の外来電磁波の遮断された状態や被測定物から発した電磁波が反響しない理想的な環境で行う。
太陽電池モジュール1は、この電波無響室35に受光面を遮光状態(光を受光しないことによる無発電状態)にして設置する。
太陽電池モジュール1から放射される放射エミッションは、広帯域アンテナであるバイコニカルアンテナ36で測定する。
【0034】
なお、このバイコニカルアンテナは、30MHz〜300MHzの周波数帯域(超短波帯)で使用され、30MHz以下の周波数帯域では、ループアンテナが使用される。
図4に示すネットワークアナライザ37は、高周波回路、デバイスの高周波特性( インピーダンスなど) を測る計測器であり、回路や素子に高周波を入力し、回路からの反射、通過を測って回路や素子の高周波特性を測るものである。
【0035】
ここでは、ネットワークアナライザ37内部にある信号源から周波数掃引(例えば、30MHz〜300MHz)されて発する高周波をパワーコンディショナ20が発するエミッションとみなして太陽電池モジュール1に印加する。
ネットワークアナライザ37は、電波無響室35の外に設置し、その出力はバラン38を介して太陽電池モジュール1に印加される。
なお、バラン38は、それ自体からの放射電磁波の影響をさけるために電波無響室35の床下に設置する。
【0036】
太陽電池モジュール1は、パワーコンディショナ20との接続配線に平衡ケーブル等の2本の電源ケーブルで接続されている。
そのため、ネットワークアナライザ37からのBNC出力である不平衡線路をバラン38は、平衡ケーブル等の平衡線路39に変換している。
【0037】
以上の測定系により、太陽電池モジュール1からの放射エミッションは、バイコニカルアンテナ36で検出され、電界レベルは、ネットワークアナライザ37で測定される。
【0038】
さて、図3に示す放射エミッションの測定グラフは、以上の測定系で太陽電池モジュール1の入力端子にネットワークアナライザ37から0. 7Vの周波数掃引信号を印加することにより測定した結果である。
なお、参考までに、従来と本発明の太陽電池モジュールの測定結果を比較して図示する。
【0039】
従来の太陽電池モジュールでは、100MHz〜300MHzの周波数帯で78〜87d BμV/m程度の放射電界強度が測定されている。
しかし、それに較べて本発明の太陽電池モジュールでは、全体的に放射電界強度が低下しており、17dBから22dB程度の改善効果が見られる。
すなわち、従来の太陽電池モジュール1が発生する磁界は、図8(A)に示すように電流I1,I3と電流I2,I4が交互に逆方向へと流れることから、かなりの部分が相互に打ち消し合うものとなっている。
【0040】
しかし、測定点では、交互に逆方向へ流れる電流の配置距離が離れている分だけ逆方向の相互磁界による相殺作用が完全にされない。
また、実際の設置環境では、図8(B)に示すように太陽電池モジュール1がアレイ状に配置された電池アレイ9を構成していることから、更に放射エミッシ
ョンは、強くなる。
【0041】
参考のため、この相殺作用については、二本の導体線間を逆方向に流れる電流によって発生する磁界の作用をモデル化して説明する。
図5(A)の斜視図に示すように平行に配置した二本の導体線10と11間に相互の磁界が影響しない場合には、アンペアの法則より式1の磁界が発生する。
なお、図5(A)の導体線上の矢印は、電流の流れる方向を示しており、磁力線の近くの矢印は、磁力線の方向を示している。
磁界 × 1周の長さ = その面を通過する電流 … 式1
【0042】
さて、磁界Hは、電流(I)と1周の長さ(2πr)から、式2のように求まる。
H = I / 2πr …… 式2
この磁界Hは、導体線に流れる電流Iに比例し距離rに反比例する。
【0043】
しかし、二本の導体線間に発生する磁界Hは、図5(B)に示すように導体線10によって発生する磁界H1と導体線11によって発生する磁界H2とで形成する平行四辺形の対角線上の合成磁界である。
ここで、磁界H1は、図5(B)の紙面からこちら側に向かって流れる電流によって発生する右ネジ方向の磁界であり、一方、磁界H2は、紙面方向に向かって流れる電流によって発生する磁界である。
【0044】
したがって、二本の導体線間に発生する磁界Hは、図5(C)の上面図に図示す合成磁界が、従来の太陽電モジュール上に発生することになる。
ところが、本発明の太陽電池モジュールでは、図1(A)に図示する配線経路を有することから、エミッションの発生を防止する相殺作用が働く。
【0045】
そこで、この相殺作用が、どのように働くかをエミッションの発生量を電圧Vと電流Iの積である電力と置き換えて説明する。
図6(A)は、二本の導体線間に働く磁力線12と電気力線13をモデル化した上面図であり、電気力線13は、磁力線12に対して直角方向に働く。
【0046】
ところで、電界とは、電気力線13の面積密度をいい、また磁界とは、磁力線12の面積密度をいう。
一方、図6(B)は、エミッションの発生量と相対関係にある電力が二本の導体線間をどのように伝達するかの説明を容易にするために導体線を板状に変形した導体板14、15を用いてモデル化した上面図である。
【0047】
なお、導体板14には、紙面に向かって電流が流れており、導体板15には、導体板14とは逆方向の電流が流れている。
さて、電界Eは、導体板の間隔d(メートル単位)における電圧Vの勾配であることから
電界E × 導体板の間隔d = 電圧V …… 式3
となる。
【0048】
したがって、電界Eは、式3より
電界E = 電圧V / 導体板の間隔d …… 式4
となる。
一方、磁界Hは、式1のアンペアの法則を適用すると、1周の長さは、導体板の幅wに該当する。
【0049】
なお、磁界は、導体板間の外側では非常に弱くなるために無視することができる。
したがって、磁界Hは、式5のように導き出される。
磁界H = 電流I / 導体板の幅w …… 式5
【0050】
ここで、電力は、電圧Vと電流Iの積であることから、式4と式5を代入すると式6のようになる。
VI = EH×wd …… 式6
つまり、導体板の幅wと導体板の間隔dとの積であるwdは、導体板間の面積であることから、電界Eと磁界Hの積であるEHは、単位面積あたりの伝送電力となる。
【0051】
ちなみに、この二本の導体間に沿って伝わる電界と磁界のガイドされた波が、電磁波である。
したがって、本発明の太陽電池モジュールは、wdが最小になるように配線された配線経路により相殺作用が働く配線の配置をしている。
すなわち、この配線の配置とは、複数の発電セルを直列状に接続配線してなるプラス電極端部とマイナス電極端部の両端部を合せて形成される略閉ループの内側面積が極力少なくなる配置である。
【0052】
〔第2の実施の形態〕
発電セルのマイナス電極とプラス電極との位置は、平面図で見て、一直線上にない状態(傾斜した状態)に配置されている。
この複数の発電セルを備えてなる太陽電池モジュール1において、プラス電極端子2は、発電セル3であるNo41セルのプラス電極4に接続されている。
また、No41セルのマイナス電極5は、一つ飛ばしたNo43セルのプラス電極に接続され、以下、No11セルに至るまで順次繰り返すことにより、順方向の直列接続が構成されている。
【0053】
すなわち、順方向の配線は、プラス電極端子2からNo41セル+No43セル+No45セル+No36セル+No34+No32セル+No21セル+No23+No25セル+No16セル+No14セル+No12セルの経路で接続されている。
【0054】
またこの順方向の配線は、No11セルを折り返しの発電セルとして逆方向の配線へと続いている。
逆方向の配線においては、No11セルのマイナス電極は、1つ飛ばした(すなわちNo12セルを飛ばした)No13のプラス電極に接続され、No13のマイナス電極は、1つ飛ばした(すなわちNo14セルを飛ばした)No15セルのプラス電極に接続され、以下、No42セルに至るまで順次繰り返すことにより、逆方向の直列接続が構成されている。
【0055】
すなわち、逆方向の配線は、No11セルを折り返しの発電セルとしてNo13セル+No15セル+No26セル+No24セル+No22+No31セル+No33セル+No35+No46セル+No44セル+No42セル、そしてマイナス電極端子7と接続されている。
【0056】
このように、配線は、平面図で見て交差し、且つ側面図で見ても交差状態となっている。
【0057】
図2の模式図は、本発明の太陽電池モジュールの配線経路を示すものである。
この直列接続は、図2(B)の配線経路に模式的に示すように、発電セル含めて撚り線の如く順方向の配線と同じ経路で逆方向の配線が配置されているようになる。
換言すると、順方向の配線と逆方向の配線とが発電セルを一つずつ飛び越えて捩れるように配置して接続されている。
【0058】
このことにより、第1の実施形態では、導体線が有する断面積のためにwdを物理的に零とすることができない制限があったが、この実施の形態ではエミッションの発生量は、撚り線のように配線されて形成されたコイル状電流経路により、更に低減することとなる。
【0059】
つまり、コイル状電流経路では、この電流経路上を流れる電流によって発生する磁界が、コイル状電流経路自身と鎖交し、磁界が時間とともに変化することによりコイル状電流経路自身の両端部に逆起電力が発生する。
このことにより、本発明の太陽電池モジュールは、パワーコンディショナから発生するエミッションを逆起電力により相殺すると共に第1の実施形態における相殺作用との相乗効果によってエミッションの発生を防止している。
【0060】
以上、本発明を説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、その目的に則したものであれば種々の変形が可能である。
例えば、第1の実施形態において、帰線経路部の接続配線が発電セルを下から抱え込むようなコ字型の板状導体であってもよい。
【0061】
また、第2の実施の形態における発電セルの飛び越え数は、一つに限らず複数個飛び越えることも可能である。
また、第2の実施の形態では、発電セルのマイナス電極とプラス電極との位置は、平面図で見て、傾斜した状態に配置されているが、一直線上にある場合も当然採用可能である。
この場合は、発電セルを一つずつ飛び越えて側面でみて交差するように接続した状態となる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の太陽電池モジュールは、複数の発電セルを直列接続する配線の配置および発電セルを飛び越えて交差する配置による相殺作用によりエミッションの発生を防止させるものである。
したがって、本発明の太陽電池モジュールを備える太陽光発電システムでは、パワーコンディショナに起因するエミッションを極力抑えることができる。
また、従来の太陽電池モジュールから放射されるエミッションの周波数帯は、VHFの放送局が使用している電波が超短波帯であることから太陽電池モジュールが逆に受信アンテナとして作用することで、パワーコンディショナへの悪影響を与えるイミュニティ問題もあった。
【0063】
しかし、本発明の太陽電池モジュールでは、相殺作用が働くことでパワーコンディショナへの悪影響を与えるイミュニティ問題も軽減される。
さらに、単なる配線の配置方法によるEMC対策であることから、経済的負担も軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施形態である太陽電池モジュールの配線構造を示す模式図である。
【図2】 図2の模式図は、本発明の太陽電池モジュールの配線経路を示すものである。
図2(A)は、第1の実施の形態であり、図2(B)は、第2の実施の形態である。
【図3】 図3のグラフ図は、太陽電池モジュールが発生する放射エミッションの発生量を示す折れ線グラフであり。
比較のために従来の太陽電池モジュールは、従来結果と表記し本発明の太陽電池モジュールは本発明結果と表記してある。
【図4】 図4は、放射エミッションの測定系を示す図である。
【図5】 図5は、二本の導体線間に発生する磁界の作用をモデル化し図示したものである。
図5(A)は、斜視図により相互磁界の影響の無い状態を示したものであり、 また図5(B)は、導体線1と2により発生する合成磁界の求め方を示した図である。
図5(C)は、二本の導体線間に発生する合成磁界を示した上面図である。
【図6】 図6の模式図は、二本の導体線間に働く磁力線と電気力線をモデル化した図である。
図6(A)は、上面図であり、図6(B)は、導体板を用いてモデル化した上面図である。
【図7】 図7の模式図は、従来の太陽電池モジュールの配線構造を示すものである。
【図8】 図8の模式図は、従来の太陽電池モジュールの配線経路を(A)に示し、(B)には、太陽電池モジュールがアレイ状に配置された場合の配線経路を示すもの
である。
【図9】 図9は、一般の個人住宅に太陽光発電システムを適用した図である。
【図10】 図10は、従来の太陽光発電システムの概要を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…太陽電池モジュール
2…プラス電極端子
3…発電セル
4…No41のプラス電極
5…No41のマイナス電極
6…No42のプラス電極
7…マイナス電極端子
8…接続配線
9…電池アレイ
10,11…導体線
12…磁力線
13…電気力線
14,15…導体板
19、26…太陽電池ブロック
20…パワーコンディショナ
21…屋内負荷
22…分電盤
23…引込み線
24…売電メータ
25…買電メータ
27…接続ボックス
28,29…電源ケーブル
30…No11のマイナス電極
32…No1 3のプラス電極
33…No1 2のマイナス電極
34…ループ状配線
35…電波無響室
36…バイコニカルアンテナ
37…ネットワークアナライザ
38…バラン
39…平衡線路
d…導体板の間隔
I1,I2,I3、I4…電流
RP…折返し点
w…導体板の幅

Claims (3)

  1. 複数の発電セルを直列接続してなる太陽電池モジュールにおいて、プラス電極端子を前記複数の発電セルの始端発電セルのプラス電極に接続配線し、該始端発電セルのマイナス電極を一つ置きに隣接する発電セルのプラス電極に接続し、この接続形態を繰り返して、終端発電セルのプラス電極に順方向に直列接続し、該終端発電セルのマイナス電極から一つ置きに隣接する発電セルのプラス電極に接続し、最終的に前記始端発電セルに隣接する最終発電セルのプラス電極まで、逆方向に直列接続して全発電セルを直列接続し、前記最終発電セルのマイナス電極をマイナス電極端子に接続配線した太陽電池モジュールであって、前記プラス電極端子から前記終端発電セルのプラス電極まで接続された順方向配線と、該終端発電セルのマイナス電極から前記マイナス電極端子まで接続された逆方向配線とを近接配置し、エミッションの発生を防止したことを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記発電セル間を接続する配線が交差配置されていることを特徴とする、請求項記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記請求項1記載の太陽電池モジュールと、該太陽電池モジュールによって発電された直流電力を交流電力に変換するためのパワーコンディショナを備えることを特徴とする太陽光発電システム。
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