JP3903682B2 - Manufacturing method of color filter - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCDカメラや液晶表示素子なの各種表示素子やカラーセンサーに使用されるカラーフィルターの形成技術に関するものであり、着色層やブラックマトリクスの製造方法に関する。具体的には、着色層やブラックマトリクスを簡便にしかも高解像度で形成する新カラーフィルターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、 カラーフィルターの製造方法としては、(1)染色法、(2)顔料分散法、(3)印刷法、(4)インクジェット法、(5)電着法、(6)ミセル電解法などが知られている。
これらのうち、(1)染色法及び(2)顔料分散法はいずれも技術の完成度は高く、カラー固体撮像素子(CCD) に多用されているが、フォトリソグラフィの工程を経てパターニングする必要があり、工程数が多くコストが高いという問題がある。
【0003】
これに対して、(3)印刷法、(4)インクジェット法はいずれもフォトリソグラフィ工程を必要としないが、(3)印刷法は顔料を分散させた熱硬化型の樹脂を印刷し、硬化させる方法であり、解像度や膜厚の均一性の点で劣る。(4)インクジェット法は特定のインク受容層を形成し、親水化・ 疎水化処理を施した後、親水化された部分にインクを吹きつけてカラーフィルター層を得る方法であり、解像度の点、さらに、隣接するフィルター層に混色する確率が高く、位置精度の点でも問題がある。
【0004】
(5)電着法は、水溶性高分子に顔料を分散させた電解溶液中で、予めパターニングした透明電極上に70V 程度の高電圧を印加し、電着膜を形成することで電着塗装を行い、これを3 回繰り返しR.G.B.のカラーフィルター層を得る。この方法は、予め、透明電極をフォトリソグラフィーによりパターニングする必要があり、これを電着用の電極として使用するため、パターンの形状が限定されTFT液晶用には使えないという欠点がある。また、TFT液晶基板の画素電極に電着でカラーフィルターを一体形成できれば新たにパターニングする必要がないが、従来の電着法では電着電圧が高く、透明画素電極にアクティブマトリクス回路で電着を起こさせるのは非常に困難であり、TFTの画素電極を利用した電着は不可能であった。
【0005】
(6)ミセル電解法は電着法の一種であるが、析出材料として用いるフェロセンの酸化還元を利用するため電着に必要な電圧が低く、TFT液晶基板側に電着によるカラーフィルターを一体形成できる。しかし、TFTは内部抵抗が大きいため電圧は印加できるが、大きな電流を流すことはできない。従って、ミセル電解法を用いてもTFTの駆動回路を用いて直接画素電極にカラーフィルターを形成するのは困難であった。また、ミセル電解法で形成される薄膜は、その形成工程に不可欠のフェロセンや界面活性剤等が析出時に取り込まれることにより不純物として混入してしまうため、形成されたカラーフィルターの透明性が悪くなる。また、電着に必要な時間が数十分を要するなど長時間となり製造効率が悪く、必須の電解液成分であるフェロセン化合物が非常に高価であり、コストの点で問題があった。さらに、支持塩としてアルカリ金属が不可欠でTFT回路や液晶に悪影響を与えるため利用ができない。
【0006】
また、光反応を利用する膜形成法として、千葉大学の星野らにより考案されたミセル電解法の一種である光堆積法(Photocatalytic Deposition Method)が知られている。この光堆積法については、星野、加藤、倉迫、小門により、日本写真学会、59巻2号(1996)に詳しく書かれている。この方法は、フェロセンの酸化還元を利用して、光未照射領域に着膜する方法であるが、外部から電圧を印加させる必要があり、使用する装置が複雑になるという不利な点があり、カラーフィルターなどの微細パターンを形成する方法としては適していない。
【0007】
一方、我々は、光触媒薄膜を用いた新規の着膜方法およびこれを用いたカラーフィルターの作製方法を提案した(特願平11−322507号)。しかし、前記のカラーフィルターの作製方法において、光透過性の導電性薄膜の上に全面に光触媒薄膜を設けた場合、光触媒法により形成される着色膜が光照射部分よりも広がって着膜する傾向があり、解像度が低下し易いという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡易なプロセスで膜を形成することが可能な光触媒着膜方法を用いる、工程数が少なく、低コストで、制御性が高いカラーフィルターの製造方法において、特にその解像度を高めることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)着色材を含みかつpHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する材料を含む電解液に、光透過性の基板に光透過性の導電性薄膜と該導電性薄膜に接してパターン化された光触媒薄膜が設けられ、かつ前記導電性薄膜が電解液と導通可能なカラーフィルター作製用基板を、光触媒薄膜が電解液に接触するように配置すると共に、前記導電性薄膜が電解液に導通する状態にし、この状態で、前記光触媒薄膜の選択領域に紫外線を照射して選択領域に着色膜を形成する工程を含む、カラーフィルターの製造方法。
この発明は、カラーフィルターの製造方法において、着膜方法として光触媒着膜法を利用し、そして上記のように導電性薄膜に接してパターン化された光触媒薄膜を形成するようにしたため、工程数が少なく、低コストで、制御性が高くカラーフィルターを製造できることに加え、特に、得られるカラーフィルターの解像度が優れているという利点を有する。
【0010】
(2)着色材を含みかつpHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する材料を含む電解液に、光透過性の基板に光透過性の導電性薄膜と該導電性薄膜に接してパターン化された光触媒薄膜が設けられ、かつ前記導電性薄膜が電解液と導通可能なカラーフィルター作製用基板を、光触媒薄膜が電解液に接触するように配置すると共に、前記導電性薄膜が電解液に導通する状態にし、この状態で、前記光触媒薄膜の選択領域に紫外線を照射して選択領域に着色膜を形成する工程を行い、その後前記着色材を他の色に変更した電解液を用いて前記工程を1回以上繰り返すことを特徴とする、カラーフィルターの製造方法。
【0011】
(3)パターン化が、エッチング領域にレーザーを照射することにより行われることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のカラーフィルターの製造方法。
(4)パターン化が、光触媒薄膜を酸またはアルカリに接触させつつエッチング領域に光を照射することにより行われることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のカラーフィルターの製造方法。
(5)パターン化が、フォトリソ工程を用いて行われることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のカラーフィルターの製造方法。
【0012】
(6)光透過性の基板に、薄膜トランジスタおよび光透過性の画素電極を配列形成した後、その上に光触媒薄膜を形成し、次いで前記各画素電極の一部が露出するように光触媒薄膜を除去することによって作製したカラーフィルター作製用基板を、着色材を含みかつpHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する材料を含む電解液に、少なくとも前記画素電極および光触媒薄膜が電解液に接触するように配置し、次いで、前記光触媒薄膜の選択領域に紫外線を照射して選択領域に着色膜を形成する工程を含む、薄膜トランジスタ一体型のカラーフィルターの製造方法。
(7)光透過性の基板に、薄膜トランジスタおよび光透過性の画素電極を配列形成した後、その上に光触媒薄膜を形成し、次いで前記画素電極の一部が露出するように光触媒薄膜を除去することによって作製したカラーフィルター作製用基板を、着色材を含みかつpHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する材料を含む電解液に、少なくとも前記画素電極および光触媒薄膜が電解液に接触するように配置し、次いで、前記光触媒薄膜の選択領域に紫外線を照射して選択領域に着色膜を形成する工程を行い、その後前記着色材を他の色に変更した電解液を用いて前記工程を1回以上繰り返すことを特徴とする、薄膜トランジスタ一体型のカラーフィルターの製造方法。
【0013】
(8)光触媒薄膜の除去が、除去領域にレーザーを照射することにより行われることを特徴とする前記(6)または(7)に記載のカラーフィルターの製造方法。
(9)フォトマスクを使用することにより前記光触媒薄膜の選択領域に紫外線を照射することを特徴とする前記(1)ないし(8)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
(10)光触媒薄膜として酸化チタンを含む薄膜を用いることを特徴とする前記(1)ないし(9)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
【0014】
(11)フォトマスクとカラーフィルター作製用基板の間に結像光学系を挿入して、紫外線を光触媒薄膜面に結像させることを特徴とする、前記(1)ないし(10)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
(12)フォトマスクとカラーフィルター作製用基板の間にミラー反射光学系を挿入して、紫外線を光触媒薄膜面に結像させることを特徴とする、前記(1)ないし(10)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
【0015】
(13)pHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する材料が分子中にカルボキシル基を有していることを特徴とする、前記(1)ないし(12)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
(14)前記電解液が光透過性の導電性微粒子を含むことを特徴とする、前記(1)ないし(13)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法
(15)前記電解液のpHを、着膜特性に影響を与えないpH調整剤によって調節することを特徴とする、前記(1)ないし(14)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法
(16)前記電解液の導電率を、着膜特性に影響を与えない塩によって調節することを特徴とする、前記(1)ないし(15)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
(17)前記電解液の温度を制御することを特徴とする、前記(1)ないし(16)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
(18)着色膜を形成した後に、着色膜形成面の上に黒色の紫外線硬化樹脂を塗布し、光透過性の基板の着色膜を設けてない側から紫外線を照射し、次いで、非硬化部分を除去してブラックマトリックスを形成することを特徴とする、前記()ないし(17)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
【0016】
(19)着色材を含みかつpHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する材料を含むことを特徴とする、前記(1)ないし(18)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法に使用する電解液。
(20)pHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する材料がカルボキシル基を有する高分子材料であり、かつ着色材が顔料であることを特徴とする、前記(19)に記載の電解液。
(21)前記高分子材料が疎水基と親水基を有するモノマーの共重合体であり、疎水基数と親水基数の総数に対する疎水基数の割合が40%以上80%以下であることを特徴とする、前記(20)に記載の電解液。
【0017】
【発明の実施の形態】
最初に本発明のカラーフィルターの製造方法に使用する、「光触媒着膜法」について説明する。我々が先に提案したいわゆる「光電着法」は、光半導体を作用電極(ワーク電極)とし、pHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する物質を含む液に接触させ、作用電極と対向電極の間に電圧(バイアス電圧)を印可した状態で光を照射し、照射部分に前記物質からなる膜を電着させる方法である。光半導体に発生した光起電力とバイアス電圧の和が、水の電解が生ずる閾値電圧より大きい場合には、作用電極近傍の液のpHが小さくなり、この変化により前記物質の溶解度が低下して、沈殿し、作用電極表面に膜が形成される。
【0018】
pHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する物質として、カルボキシル基を有する水溶性アクリル樹脂を例にとって説明する。この材料は、弱アルカリ性水(pH=8〜9)に容易に溶解し、アニオンとして水溶液中に存在するが、pHが7以下になると不溶化して析出する性質を持つ。この水溶液中に白金電極を浸し通電すると、陽極付近では水溶液中のOH-イオンが消費されてO2になり、水素イオンが増えてpHが低下する。これは、陽極付近でホール(p)とOH-イオンとが結び付く次のような反応が起こるためである。
2OH-+2p+―――>1/2(O2)+H2O
この反応が起こるには、一定の電圧が必要である。
上記の光電着法において、バイアス電圧と光半導体に生ずる光起電力の和がこの電圧を超える場合には、上記の反応が生起し、反応の進行に伴って水溶液中の水素イオン濃度が増えてpHが低下するのである。そしてその結果、光半導体(作用電極)の近傍では水溶性アクリル樹脂の溶解度が低下して不溶化し、電極上に薄膜が形成されるのである。
【0019】
これに対し、「光触媒着膜法」に関する前記特願平11−322507号の発明は、光半導体薄膜近傍の液のpH(水素イオン濃度)を変化させるには、前記光電着法における光起電力を利用する以外の方法があることを見いだしたことに基づいている。すなわち、後述の酸化チタン等の光半導体が有している光触媒作用を利用すると、前記の光電着法のように、外部から電気を流さなくても光を照射するだけで、酸化チタンに接触している溶液中で水の電気分解が生じて水素イオン濃度を変化させることができるのである。したがって、この方法によれば上記の光電着法のように外部から通電をしなくても、酸化チタンに接する溶液の水素イオン濃度を変化させることが可能になり、液からの物質の沈殿、すなわち着膜が可能になるのである。
【0020】
水の電気分解に関しては、藤嶋・本田効果と呼ばれる有名な現象が知られている。これは、光触媒作用のある酸化チタンに紫外光を照射すると、水が電気分解して水素が発生する現象である。また、光触媒反応を応用する典型的な技術としては、橋本、藤嶋: “酸化チタン光触媒のすべて―抗菌・防汚・空気浄化のために―”、シーエムシー、(1998)に詳しく書かれている。
しかし、これまで光触媒反応を利用して薄膜を形成した技術は存在しない。前記の藤嶋・本田効果と呼ばれている、光触媒によって水が電気分解して水素が発生する現象においても、水溶液の水素イオン濃度が変化することはない。なぜなら、前記現象においては酸化と還元が同時に起きるため、全体としては、水素イオン濃度は変化しないからである。したがって、これまで、この現象と膜形成が結びつけられることはなかった。
【0021】
前記光触媒を用いる着膜方法は、上記の酸化か還元のどちらか一方を光触媒の膜の表面に起こせば、膜の表面近傍で水素イオン濃度を変化させることができるという知見に基づくものである。
すなわち、前記の光触媒を用いる着膜方法は、pHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する材料を含む電解液に、光透過性の基板(以下、単に「透明基板」ということがある)に、光透過性の導電性薄膜(以下、単に「導電性薄膜」ということがある)と、該導電性薄膜に接して光触媒薄膜が設けられ、かつ前記導電性薄膜が電解液と導通可能な膜形成用基板を、光触媒薄膜が電解液に接触するように配置すると共に、前記導電性薄膜が電解液に導通する状態にし、この状態で、前記光触媒薄膜に紫外線を照射することを特徴とする。そうすると、外部から電圧を印可しなくても、光触媒薄膜の表面で前記式で示されるのと同様な反応が生じ、光触媒薄膜表面近傍で電解液のpHの低下が起こる。その結果電解液中に含まれるpHの低下に伴ってその溶解性が低下する着膜材料が光触媒薄膜の上に析出するのである。
前記の「・・・・導電性薄膜が電解液と導通可能な膜形成用基板」および「導電性薄膜が電解液に導通する状態にし」とは、膜形成用基板の光触媒薄膜を、導電性薄膜の一部が露出するように設け、該導電性薄膜を電解液に接触させることにより、導電性薄膜と電解液を導通させる方法や、膜形成用基板の導電性薄膜に電極をリード線等を介して接続し、この電極を電解液に接触させることにより、導電性薄膜と電解液を導通させる方法などのように、直接的または間接的に導電性薄膜と電解液を導通させて、後述のように、光触媒薄膜−導電性薄膜−電解液の間に内部回路が形成可能なようにすることを意味する。
【0022】
光触媒を用いる着膜方法を図8の概念図を用いて説明すると、図8中、10は透明基板、12は導電性薄膜、14は光触媒作用を有する物質の薄膜(光触媒薄膜)である。この図8の例においては、導電性薄膜の一部が露出するように該膜に接して光触媒薄膜が設けられている。また、16はpHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する物質を含む電解液を示す。この例においては、電解液には少なくとも導電性薄膜12と光触媒薄膜14の両方が接触するように基板を配置することが必要である。このような状態において光触媒薄膜14に紫外線を照射すると、光触媒薄膜14と導電性薄膜12との間に内部回路が形成されることになり、外部より電圧を印加しなくても電気分解が生じる。この内部回路において、導電性薄膜は対極として、また、光触媒薄膜は作用極として作用する。
【0023】
光を照射して生じたホールは光触媒薄膜14を介して水溶液に移動する。一方、光を照射して生じた電子は対極である導電性薄膜12を介して水溶液に移動する。このとき、水の電気分解反応が生じ、光触媒薄膜近傍ではpHが小さくなり、一方、対極近傍ではpHが上昇する。したがって、pHが小さくなることにより溶解性が減少する物質は、光触媒薄膜の上に析出するのである。
ここで、導電性薄膜が電解液に接触するとは、導電性薄膜の少なくとも一部が電解液に接触することを意味する。したがって、導電性薄膜の膜の側面のみが接触している場合も含む。
【0024】
また、図9に、導電性薄膜が直接電解液に接触していない状態で着膜を行う方法の概念図を表す。図9に示すように、この例では導電性薄膜の光触媒薄膜で被覆されていない部分を絶縁性薄膜で覆い、また、導電性薄膜が電解液中の電極たとえば白金電極18とリード線17で結ばれている。この例でも上記と同様の内部回路が形成され、光触媒薄膜の表面近傍のpHが低下する一方、白金電極の表面近傍のpHが上昇する。
【0025】
光触媒を用いる着膜方法は、電着装置および電着用の別の電極を必要としないので、簡易な装置で低コストに膜を形成することができる。また、また作製される膜は光電着法と同等の高品質が達成されるとともに、着色膜形成時に外部から電圧を印加することがないので、膜の均一性が優れている。
【0026】
次に、前記の着膜方法に使用する光透過性の基板、光透過性の導電性薄膜および光触媒薄膜について順次説明する。
この方法で使用する光透過性の基板とは、可視光域の光を透過させるものをいい、例えばガラス板、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート等の板、シートあるいはフィルムが挙げられる。
【0027】
また、光透過性の基体の上に設けられる光透過性の導電性薄膜は、本発明の膜形成法において作用極である光触媒薄膜と対極をなすもので、たとえばITO膜、二酸化スズ、酸化インジュウム等が挙げられる。
【0028】
光触媒としては、酸化チタンが好ましく用いられる。酸化チタンは、光触媒作用をもたせるためアナターゼ型であることが望ましいが、ルチル型でも使用できる。
酸化チタン の製膜方法についてはいくつかの方法が知られている。例えば、熱酸化膜法、スパッタリング法、エレクトロンビーム法(EB 法)、ゾル・ ゲル法などが有名であるが、通常のスパッタリング法とEB法によって製膜する酸化チタン は、光触媒効果が充分であるとはいいがたい。そこで、光触媒の効果を高めるために還元処理を行う方がよい。還元処理は水素ガス中で加熱することによって行われる。例えば、 3%の水素を混合した窒素ガスを1L/min.の流量で流しながら、約330℃で10分間という低温かつ短時間の処理でも十分な効果を得ることができる。
ただし、後述のように、薄膜トランジスター素子(TFT)を設けた基板に本発明による膜形成を行う場合、TFTの特性上、基板を250℃程度までしか加熱できないので、500℃で燒結するゾル・ゲル法が利用できない。したがって、この場合には、スパッタリングや電子ビーム加熱法を用いたり、あるいは光触媒酸化チタン微粒子を分散させた薄膜形成用の塗布液(TOTO(株)や日本曹達(株)など)を使用して、低温で酸化チタン薄膜を形成する方法が適用される。光触媒薄膜の厚みは、0.05μmから3μmの範囲が良好な特性が得られる範囲である。0.05μm未満では光の吸収が不充分となりやすく、また、3μmを超えると膜にクラックが生ずるなどの成膜性が悪くなりやすいので、前記範囲が適切である。
【0029】
次に、前記の膜形成法において使用する電解液について説明する。電解液にはpHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する物質を含むことが重要である。このような材料としては、カルボキシル基やアミノ基などのように、液のpHが変わることにより、そのイオン解離性が変化する基(イオン性基)を分子中に有している物質を含むことが好ましい。例えば、我々が先に提案した光電着法において使用する、pHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する物質を含む材料は基本的にすべて使用することができる。
しかし、着膜材料は必ずしもイオン性基の存在が必須ではない。また、イオンの極性も問わない。例えば、2種類のイオンを混合した場合について考えてみる。一般に、塩基性溶液と酸性溶液を混合すると中和して錯体など別の析出物を生じて沈殿する。このため、2種類の色素を混合して混合色を出す場合には無極性の顔料を使うか、同極性の材料を分散させるのが一般的である。ところが、ある種の染料同士では、錯体が形成されずイオンが共存した状態を取る。この場合には、塩基性溶液と酸性溶液を混合しても析出物を抑えることができ、イオンの極性によらず使用することができる。
【0030】
まず、電解液のpHが変化するのに伴って電解液に対する溶解性あるいは分散性が低下して薄膜を形成する高分子材料について説明する。このような高分子材料としては、前記のようにイオン性基を有する高分子材料(イオン性高分子)が挙げられる。
前記イオン性高分子は、水系液体(pH調節を行った水系液体を含む。)に対して十分な溶解性あるいは分散性を有していること、また光透過性を有していることが必要である。また前記イオン性高分子は、それが溶解している電解液のpH値の変化に応じて、溶解状態あるいは分散状態から上澄みを発生して沈殿を生じる液性変化が、pH範囲領域2以内で生じることが好ましい。前記のpH範囲領域が2以内であると、通電による急峻なpH変化に対しても瞬時に画像の析出が可能となり、また析出する画像の凝集力が高く、電着液への再溶解速度が低減するなどの効果が優れている。そしてこのことにより、高い透光性と耐水性を有するフィルター層が得られる。
前記pH範囲領域が2より大きい場合は、十分な画像構造を得るための印字速度の低下や、画像の耐水性の欠如などが起こりやすい。より好ましい特性を得るには、前記pH範囲領域が1以内である。
【0031】
前記のイオン性高分子としては、分子中に親水基と水への不溶化を促進させる疎水基を有する重合体であることが好ましい。疎水基は、前記のようなpHの変化によって親水基から疎水基に変化した疎水基と協働して、瞬時に膜を析出させるという機能をも重合体に付与している。また、この疎水基は、後述する本発明のカラーフィルターの形成方法において、色材として用いる有機顔料に対し親和性が強いため有機顔料を吸着する能力があり、重合体に良好な顔料分散機能を付与する。(なお、前記の「pHの変化によって親水基から疎水基に変化」とは、たとえばpHが低下することにより−COONaから−COOHに変化する基のように、高分子に親水性を付与する基である−COONaが親水性付与機能を失った−COOHに変化することをいい、親水性付与機能を失った−COOHがあたかも疎水性基のような振る舞いをするため、−COOHを疎水基と表現したものである。)
【0032】
疎水基と親水基を有する重合体中の疎水基の数が、親水基と疎水基の総数の40%から80%の範囲にあるものが好ましい。疎水基の数が親水基と疎水基の総数の40%未満のものは、形成された膜が再溶解し易く、膜の耐水性や膜強度が不足する場合があり、また疎水基数が親水基と疎水基の総数の80%より大きい場合は、水系液体への重合体の溶解性が不十分となるため、電解液が濁ったり、電解材料の沈殿物が生じたり、電解液の粘度が上昇しやすくなるので、前記の範囲にあることが望ましい。親水基と疎水基の総数に対する疎水基数は、より好ましくは55%から70%の範囲である。この範囲のものは、特に膜の析出効率が高く、電解液の液性も安定している。
【0033】
また、このイオン性高分子の酸価は、60から300の範囲で良好な着膜特性が得られる。特に90から195の範囲でより良好な着膜特性となる。高分子材料の酸価が60以下では、水系液体への溶解性が不十分となり、電解液の固形分濃度を適正値まで上げることができなくなったり、液体が濁ったり沈殿物が生じたり、液粘度が上昇したりし問題が生じる。また、高分子材料の酸価が300以上では、形成された膜が再溶解しやすい。
さらに、この高分子材料が溶解した状態の電解液は、水素イオン濃度(pH)の変化で沈殿を生じる状態変化が急峻に生じることと、再溶解しにくいというヒステリシス特性が必要である。この特性により、pH変化で薄膜が形成され、一旦薄膜が形成されると電解液への再溶解が困難となり薄膜形成が維持されるのである。
【0034】
前記高分子材料に使われる親水基を含むモノマー材料としては、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリルアミド、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無水フタル酸、ヘミメリット酸、コハク酸、アジピン酸、プロピオル酸、プロピオン酸、フマル酸、イタコン酸、などおよびこれらの誘導体用いられる。特に、メタクリル酸、アクリル酸はpH変化による着膜効率が高く、有用な親水性モノマー材料である。
また、高分子材料に使われる疎水基を含むモノマー材料としては、アルキル基、スチレン基、α−メチルスチレン基、α−エチルスチレン基、メタクリル酸メチル基、メタクリル酸ブチル基、アクリロニトリル基、酢酸ビニル基、アクリル酸エチル基、アクリル酸ブチル基、メタクリル酸ラウリル基、などおよびこれらの誘導体が用いられる。特に、スチレン基、α−メチルスチレン基は疎水性が強いために、再溶解に対するヒステリシス得やすく有用な疎水性モノマー材料となっている。
ここで利用される水溶性高分子は、このような親水基と疎水基を含む分子を前記の比率で共重合した高分子材料であり、各親水基及び疎水基の種類は1種に限定されるものではない。重合度は、6,000から25,000のものが良好な着膜を得る高分子材料となる。より好ましくは、重合度が9,000から20,000の材料である。重合度が6,000より低いと再溶解し易くなる。重合度が25,000より高いと、水系液体への溶解性が不十分となり、液体が濁ったり沈殿物が生じたりして問題を生じる。
【0035】
分子中に疎水基と親水基とを有する重合体は、例えば疎水基を有するモノマーと親水基を有するモノマーを共重合させることにより製造される。この共重合はランダム共重合であることが好ましい。前記疎水基及び親水基は、それぞれ1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
【0036】
また、カラーフィルターを作製する場合に使用するイオン性高分子は、無色もしくは淡色のものを用いることが好ましい。
【0037】
前記の方法により膜形成が可能な材料は、前記のイオン性高分子の他に、分子中にイオン性基を有するイオン性分子、例えば、イオン性染料、該イオン性染料と顔料の混合物を挙げることができる。本発明においては、前記イオン性染料として、電解液のpHの変化に対応して急激にその溶解性あるいは分散性が低下する性質を有するものが好ましい。
イオン性染料としては、トリフェニルメタンフタリド系、フェノサジン系、フェノチアジン系、フルオレセイン系、インドリルフタリド系、スピロピラン系、アザフタリド系、ジフェニルメタン系、クロメノピラゾール系、ロイコオーラミン系、アゾメチン系、ローダミンラクタル系、ナフトラクタム系、トリアゼン系、トリアゾールアゾ系、チアゾールアゾ系、アゾ系、オキサジン系、チアジン系、ベンズチアゾールアゾ系、キノンイミン系の染料、及びカルボキシル基、アミノ基、又はイミノ基を有する親水性染料等が挙げられる。例えば、フルオレセイン系の色素であるローズベンガルやエオシンはpH=4以上では水に溶けるが、それ以下では中性状態となり沈殿する。同様にジアゾ系のPro Jet Fast Yellow2はpH6以上では水に溶けるが、それ以下では沈殿する。
これらの着色材がpHの変化に追随して、その溶解性あるいは分散性が低下して着膜する性質を有している場合は、膜形成材料はこの着色材のみからなっていてもよい。
【0038】
また、前記の着膜方法で使用する電解液に含まれる膜形成材料としては、それ自体にイオン性がなく電解液のpHの変化により溶解性が低下する性質がない材料であっても、これと前記のイオン性高分子やイオン性染料のごときイオン性分子と組み合わせることにより使用することができる。このような材料は、イオン性分子が凝集・析出する際に取り込まれて、共に膜を形成することになる。すなわち着膜材料として混合物を用いる場合には、少なくとも1種類以上の分子は単体でpHの変化によって溶解度が低下し薄膜が形成される特性を持っていればよい。
たとえば、カラーフィルター形成の場合、着色材が必須の成分であるが、着色材自体は必ずしも前記のごとき性質を備えている必要はなく、たとえば着色材をイオン性高分子と共に水性液体に分散させた電解液を用い、イオン性高分子がpHの変化により溶解性が低下して凝集・析出する際に、着色材を取り込んで着色高分子膜を形成するようにしてもよい。
また、前記イオン性染料、またはイオン性染料および顔料と、イオン性高分子とを組み合わせて用いることも可能である。
顔料としては、公知の赤色、緑色、青色等の顔料を特に制限なく使用することができるが、顔料の粒子径が小さい程色相の再現性がよい。カラーフィルターを作製する場合には、カラーフィルター層の透明性及び分散性の観点からは、特に顔料の平均粒子径が200nm好ましくは100nm以下のものが好ましい。
また、カラーフィルター用着色材としては、本発明者らが、光電着方法に適する材料として先に、特願平9−268642号、特願平9−329798号として提案した明細書に記載の着色材なども用いることができる。
また、二種以上の着色材を用いれば、任意の混合色が得られることになる。
【0039】
電解液に含まれる着膜材料は、薄膜の形成効果を損なわない限りにおいて、上で述べたような材料を任意に組み合わせることができ、2種類以上のアニオン性分子の混合物のような同極性分子の混合物、あるいはアニオン性分子とカチオン性分子の混合物のような異極性分子の混合物が挙げられる。
【0040】
また、前記着膜方法においては、電解液に含ませる着膜材料として、上記のごとくpHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する材料だけでなく、光触媒反応により光触媒薄膜の上に膜を形成するような材料であれば特に制限なく使用することが可能である。
【0041】
また、電解液に、支持塩を加えて導電率を高めることにより析出効率を改善することもできる。電気化学で、一般的に使われる支持塩であるNaCl、KCl等のアルカリ金属塩や、テトラエチルアンモニウムパークロレート(Et4NClO4)、テトラメチルアンモニウムパークロレート(Me4NClO4)、テトラエチルアンモニウムクロライド(Et4NCl)、テトラメチルアンモニウムクロライド(Me4NCl)、テトラ−n−ブチルアンモニウムパークロレート(n−Bu4NClO4)、テトラエチルアンモニウムブロマイド(Et4NBr)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド(n−Bu4NBr)、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロブロマイド(Et4NBF4)等のテトラアルキルアンモニウム塩、NH4Cl等のハロゲン系のアンモニウムイオンが用いられる。
しかし、薄膜トランジスタ(TFT)を設けた基板に薄膜を形成する場合には、上記塩のうちアルカリ金属塩は薄膜トランジスタの特性に悪影響を及ぼすために利用できない。この場合は、上記塩のうち、NH4Cl等のハロゲン系のアンモニウムイオンや、Me4NCl、Me4NClO4、n−Bu4NClO4、Me4NBF4、Me4NBr、n−Bu4NBr等のテトラアルキルアンモニウム塩を用いることが好ましい。
【0042】
また、電解液のpHも当然ながら薄膜の形成に影響する。例えば、薄膜形成前には着膜性分子の溶解度が飽和するような条件で着膜を行えば薄膜形成後には再溶解しにくい。ところが、未飽和状態の溶液のpHで膜の形成を行うと、薄膜が形成されても、光照射をやめた途端に膜が再溶解し始める。従って、溶解度が飽和するような溶液のpHで薄膜の形成を行うほうが望ましいことから、所望のpHに酸やアルカリを用いて電解液を調整する必要がある。
薄膜トランジスタ(TFT)を設けた基板に薄膜を形成する場合には前記と同様の理由で、アルカリ金属塩は使用できない。従って、この場合は、アミン系や、アンモニア系の有機アルカリ材が使用される。テトラメチルハイドロオキサイドはフォトレジストのエッチング液として多用されており、薄膜トランジスタとの相性が良いため、特に好適に利用できる。
【0043】
また、電解液の温度は着膜速度に影響を与える。電解液の温度は電解液の組成にもよるが、一般的に10〜80℃程度が好ましい。10℃より低いと着膜速度が遅く実用的でなく、また80℃を超えると水が蒸発して電着液の特性が変化しやすいので、前記の温度範囲が好ましい。温度変化が少なくまたコントロールしやすい点から室温とするのが特に好ましい。
【0044】
次に、前記の光触媒を用いる着膜方法を利用して、本発明のカラーフィルターを製造する方法について説明する。
まず、光透過性の基板、たとえば無アルカリガラスからなる基板の上に、光透過性の導電性薄膜を全面に設け、さらに該導電性薄膜に接して光触媒薄膜を形成する。
その後光触媒薄膜を予めカラーフィルターの画素に対応するように、すなわち着色膜が設けられる場所に相当するところを残すように、他の部分(エッチング領域)を除去してパターン化する。光触媒薄膜が設けられない領域つまり着色膜が形成されない領域はカラーフィルターのブラックマトリクス形成領域とすることができる。図1は透明基板10、その上に全面に設けられた導電性薄膜12、および導電性薄膜12の上に設けられたパターン化された光触媒薄膜14からなるカラーフィルター作製用基板を示す。
次いで前記カラーフィルター作製用基板の導電性薄膜が電解液に導通する状態で光触媒薄膜を電解液に接触させ、前記基板のパターン化した光触媒薄膜に光を選択的に照射すると、前述のような作用に基づき光が照射された領域において光触媒薄膜の表面に着色膜が形成される。前記の「導電性薄膜が電解液に導通する状態」とは、前述の着膜方法において説明したのと同様の意味を有する。
また、本発明のカラーフィルターの製造方法において使用する光透過性の基板、光透過性の導電性薄膜、光触媒薄膜および電解液は、前記の着膜方法における光透過性の基板、光透過性の導電性薄膜、光触媒薄膜および電解液が同様に使用できる。
【0045】
また、光触媒薄膜のパターン化は、光触媒薄膜の材料に応じた適当なエッチング法が採用される。たとえば光触媒薄膜が酸化チタン薄膜の場合、レーザーの熱を用いてエッチング領域の薄膜を削る方法や、光触媒薄膜を酸やアルカリ中に浸漬した状態でエッチング領域に光(紫外線等)を照射してフォトエッチングする方法などにより、エッチング領域を直接除去する方法が挙げられる。また、フォトリソ工程を用いてパターン化することも可能である。この方法は、フォトリソ法によりカラーフィルター層を着膜する領域のみレジストを形成し、その後前記のように酸やアルカリ中に浸漬した状態で全面に光を照射する方法である。
レーザーの場合、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、Arガスレーザー、N2ガスレーザー等のレーザーが使用できるが、好ましくはエキシマレーザーが使用される。この方法では、レーザーの線幅をブラックマトリクスの線幅に等しくなるように絞る必要があるが、ブラックマトリクスの幅は通常5〜10ミクロンであるため容易にレーザーを絞ることが可能である。
また、酸やアルカリ中でのフォトエッチングで用いる酸としては、硫酸、硝酸、塩酸等の無機酸が使用され、好ましくは硫酸が使用される。酸の濃度は5〜50重量%が適切である。またアルカリとしてはNaOH、KOH等が使用される。アルカリの濃度は5〜50重量%が適切である。この方法ではフォトリソ法を用いることが可能なため、容易に光触媒薄膜をパターン化することができる。
【0046】
カラーフィルター用電解液はカラーフィルターの色に対応した必要な着色材を含有し、かつ、膜形成材料(着色材を含む)の少なくとも1つは上述のpHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する材料であることが好ましい。しかし、上記のようにpHが変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する材料だけでなく、光触媒作用により光触媒薄膜の上に膜を形成するような材料であれば特に制限なく使用することが可能である。また、上記のように必ずしも膜形成用高分子材料は必要ないが、カラーフィルター膜の強度等の観点から、高分子材料を使用することが好ましい。特に、カルボキシル基等のアニオン性基を有する高分子と顔料等の着色材を含む電解液が好ましく使用される。
上記のようにカラーフィルター作製用基板を電解液中に配置した後、該基板の背後から、カラーフィルター層の各色に対応したフォトマスクを介して紫外線を照射する。照射する光の強度は、20〜200mW/cm2の範囲が適切である。基板の背後から紫外線を照射する理由は、着色材の多くは紫外線を吸収する性質を有しているので、カラーフィルター作製用基板の前面から紫外線を照射する、すなわちカラーフィルター用電解液を通して紫外線を照射すると、紫外線が着色材に吸収されてしまうからである。しかし、紫外線を吸収しないあるいはごくわずかしか吸収しない着色材を使用する場合には、基板の前面から照射をすることができる。
一般的に、膜形成用基板に、レッド、グリーンおよびブルーの着色膜を形成する電解液を用いて、順次レッド、グリーンおよびブルーの着色膜を形成することにより、カラーフィルターが作製される。
前記のカラーフィルターの製造方法は、着膜方法として光触媒着膜法を利用し、そして上記のように光触媒薄膜を導電性薄膜の上にパターン化して設けたため、高価な電着装置を用いる必要がなく低コストで、工程数が少なく、また制御性よくカラーフィルターを製造できることに加え、得られるカラーフィルターの解像度が優れているという効果を有する。
【0047】
次に、液晶駆動用の薄膜トランジスタ(TFT)とカラーフィルターを同一基板上に形成する方法について述べる。カラーフィルターの形成には、TFT駆動回路を利用して所定の画素のみに所定の色のカラーフィルター層を電着法で形成する方法が従来から知られている(特開平5−5874号公報)が、前述のようにこの方法で高性能のTFT一体型カラーフィルターを作製することは非常に難しい。一方、本発明の膜形成法を利用するカラーフィルターの製造においては、所定の画素に所定の着色膜を形成するには、フォトマスク、紫外線レーザによる直接書き込み等を使用して紫外線照射領域を制御するだけでよい。
具体的には、光透過性の基板に液晶駆動用のTFT回路および光透過性の画素電極を常法により設け、次にこのTFT基板の全面に光触媒薄膜を形成し、その後各画素電極の一部が露出するように(この場合、「画素電極の一部」には、画素電極膜の側面部分も含まれる)、各画素電極の上の光触媒薄膜を除去し、これを所定の色の色材を含む電解液中に少なくとも画素電極(露出部分)と光触媒薄膜が電解液に接触するように配置し、所定の光触媒薄膜上に着色膜が形成されるように所定の領域に紫外線を制御照射する。所定の領域に紫外線を制御照射する方法としては、フォトマスクを使用する方法等が挙げられる。すると、この領域に所定の色の着色膜が形成される。必要に応じこの工程を複数色の着色膜について繰り返す。その結果、単色あるいは複数色のカラーフィルターが作製される。画素電極上の光触媒薄膜を除去する方法としては、レーザの熱により焼ききる方法が好ましい。
【0048】
次に、図を用いてTFT一体型カラーフィルターの製造方法ついてさらに詳細に説明する。
図2に現在、TFT液晶ディスプレーによく使われている逆スタガチャンネル埋め込み型TFTと画素電極を基板に形成したものの断面構造を示す。図2中、20は光透過性の基板、22はゲート電極、24はゲート絶縁膜、26はn+a−Si/a−Si、28はソース電極、30はドレイン電極、32は保護膜、40は画素電極、をそれぞれ示す。
図3は、図2のTFT基板の全面に光触媒薄膜を設けたものの断面構造を示す。TFTの耐熱性は250℃程度であり高温に加熱することができないので、光触媒薄膜、たとえば酸化チタン薄膜の形成は、スパッタリングや電子ビーム加熱法、また光触媒酸化チタン微粒子を分散させた薄膜形成用の塗布液を用いることによって形成される。塗布液を用いる方法は簡便であり、好ましく使用される。図4は、図3で示す基板をエキシマレーザー等のレーザーによりエッチングを行い、画素電極の一部を露出させたものの断面構造を示す。このようにしてカラーフィルター作製用基板が作製される。(この露出領域は、着色膜形成後に着色膜の上に設ける透明電極とTFTをスルホールさせるためにも使用する。)
次に前記のようにして作製したカラーフィルター作製用基板を前記のごとき電解液中に、少なくとも画素電極(露出領域)と光触媒薄膜が着色材を含む電解液に接触するように配置する。その後カラーフィルター作製用基板の裏面から紫外線を選択領域に照射する。光触媒薄膜の、紫外線を照射した領域にのみ光触媒反応が生じて着色膜(カラーフィルター膜)50が析出・形成される(図5)。電解液に含まれる着色材の色相を変えて、順次同様に着色膜を析出・形成させることによりカラーフィルターが作製される。
【0049】
また、一般にカラーフィルター着色膜は絶縁性が高いので、形成したカラーフィルター層の表面に光透過性の導電膜を形成し、これを液晶表示電極とすることが好ましい。図6に一例を示す。52は液晶表示電極となる導電膜を示す。この導電膜52はカラーフィルター作製用基板に設けた画素電極と接触するように形成し、TFTのドレイン電極と導通させる。
液晶表示電極を用いる代わりに、カラーフィルター層に導電性を持たせることも可能である。たとえば、粒径が数10Å程度のITO、SnO2等の透明導電性微粒子を加えたカラーフィルター形成用電解液を用いて膜形成を行い、析出膜に導電性が付与される。添加量は、たとえばITO微粒子の場合、膜形成材料(固形分)に対し5〜50重量%程度が適切である。
【0050】
また、本発明の着膜法あるいはカラーフィルター製造方法において、紫外線を選択照射する際に、選択的に照射された光を、結像光学系あるいはミラー反射光学系により光触媒薄膜表面に結像させることが好ましい。このようにすることにより、得られるカラーフィルターの解像度が基板の厚さに依存せず、各画素のエッジ部がシャープなカラーフィルターを作製できる。結像光学系あるいはミラー反射光学系を利用する露光装置は、一般にプロジェクション型露光装置とも呼ばれている。
図7を用いて結像光学系を用いる着膜装置を説明する。図7に示すように、透明基板10、導電性薄膜12、および光触媒薄膜14を設けた膜形成用基板(あるいはカラーフィルター作製用基板)を、導電性薄膜12および光触媒薄膜14が電解液16に接触するように配置する。結像光学系は2つの結像光学レンズ72および73から構成され、フォトマスクは結像光学レンズ72と73の間に挿入される。紫外線70は結像光学レンズ72によって、まず、フォトマスク71の表面71aで結像されるようになっている。
結像された入射光70は、フォトマスク71と膜形成用基板との間に配置されている結像光学レンズ73を通過して、光触媒薄膜の表面に結像する。
【0051】
基板の裏面から光が入射されるため、結像光学レンズ73と結像面(光触媒薄膜表面)との距離(以下,「焦点距離」という。)は、基板の厚み以上離れていることが好ましいが、一方、焦点距離が長くなると、解像力が低下しやすく、露光装置の設計上の点でも極端に焦点距離を離すことは好ましくなく、実用上、前記焦点距離は1〜500mmとすることが好ましい。
前記プロジェクション型露光装置では、焦点深度を±10〜±100μmと深くすることが可能なため、基板のたわみ等が生じた場合や用いる基体の表面精度が不十分な場合でも結像が可能であり、鮮鋭で、高解像度のカラーフィルタを安定に製造することができる。焦点深度とは、露光面上における照射光の広がりやボケの生じない、深さ方向の遠近の範囲をいう。
【0052】
前記の結像光学レンズに代えて、ミラー反射光学系を用いた露光装置(ミラープロジェクション型露光装置)を用いることもできる。
前記ミラープロジェクション型露光装置は、市販のものを利用できる。
前記ミラー反射光学系の場合、色収差がないことから、光源の全ての波長が使えることになり有利となる。また、反射ミラー面と結像照射面(光半導体薄膜の表面等)との距離を自由に設計できるため、基板を上面に配置して下面から光を入射するなどの自由度がある。
また、このようなミラープロジェクション型露光装置においても、焦点深度が±10〜±100μmと深く設計することができ、基板のたわみ等が生じていても、比較的容易に光半導体薄膜の表面に結像させることが可能である。
【0053】
さらに、カラーフィルターには、ブラックマトリックスを形成することが好ましい。ブラックマトリクスの光学濃度は、通常、2.5以上必要であり、光が漏れないことが必要である。
ブラックマトリックスは、着色膜を形成する前においては、通常のフォトリソ法を用いる方法、たとえば、黒色のネガ型フォトレジストを塗布した後、ブラックマトリックス用フォトマスクを用いて紫外線照射し、その後非照射部分をエッチングで除く方法等により形成され、また着色膜を形成した後においては、着色膜形成面の上に全面に黒色のネガ型フォトレジストを塗布した後、次いで基板の着色膜を形成していない側から光を照射し、基板を通して光が基板を通り抜ける領域のみに黒色膜を形成し、その後非硬化領域のフォトレジストを除去するなどの方法によって形成され、公知のブラックマトリックスの形成法が制限なく利用できる。
このほか、本発明の着膜法を利用してブラックマトリックスを作製することもできる。すなわち、前記の光触媒反応を利用して光触媒薄膜上に着色膜を形成した後、黒色顔料を含む電解液に光触媒薄膜を接触させかつ導電性薄膜を電解液に導通させた状態で、基板の全面に紫外線を照射すると、光触媒薄膜の着色膜が形成されていない部分に黒色膜(ブラックマトリックス)が形成される。
【0054】
TFT一体型カラーフィルターの場合には、前記のフォトリソ法が同様に適用可能である。
フォトマスクを用いない方法として、光透過性の基板にTFTおよび画素電極を設け、さらにこれらの上に黒色のポジ型フォトレジストを塗布した後、前記基板のTFTと画素電極を設けていない側から光を照射する方法が挙げられる。TFTの電極部分は遮光されるので、その後のレジスト除去工程の後にはTFTの上の黒色レジスト層が残りブラックマトリックスとなる。(その後、前記のように画電極の上に光触媒薄膜を設け、前述のようにしてカラーフィルター膜を形成する。)
また、TFT回路のゲート電極とソース電極の光の遮断性は元々高いので、ゲート電極やソース電極を低反射の金属膜、例えば2層のCr膜等で形成すれば、カラーフィルターの形成後に電極と電源ライン部分とがブラックマトリックスを兼用することになるので、別途ブラックマトリクスを設けなくてもよい。この場合には、カラーフィルターの開口率を極限まで高めることができ、非常に明るく高精細な液晶表示素子を形成できる。
【0055】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
(実施例1)
<液晶表示用基板の作製>
厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板(コーニング社製7059ガラス)に、全面に透明導電膜(ITO)を100nmに形成した。このITO膜の上に、RFスパッタリング法で膜厚200nmの酸化チタン薄膜を形成した。次に、出力70Wのエキシマレーザー(スポット径:10μm)をスキャンさせて酸化チタン膜のみを削って、ブラックマトリクスが形成される領域にITO薄膜を露出させた。これを液晶表示用基板とした。
<レッド着色膜形成>
次に、スチレン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸価150)と、赤色超微粒子顔料とを、重量固形分比率で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=8mS/cm)に、前記液晶表示基板を少なくとも酸化チタン薄膜とITO薄膜とが電解液に接触するように配置した。レッドフィルター用フォトマスクを介して裏面(ITO膜側)から、DeepUV光(光強度50mW/cm2)を1分間照射した。この光源には、均一照射光源(Hg−Xeランプ、山下電装製、1KW)を使用した。その結果、光が照射された部分にのみレッドの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄した。
<グリーン着色膜形成>
スチレン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸価150)と、フタロシアニングリーン系超微粒子顔料とを、重量固形分比率で樹脂/顔料=0.5に分散させた、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=8mS/cm)を調製した。この電解液に前記基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、グリーンフィルター用フォトマスクを介して同じ条件でDeepUV光を照射した。その結果、光が照射された部分にのみグリーンの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄した。
<ブルー着色膜形成>
スチレン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸価150)とフタロシアニンブルー系超微粒子顔料とを重量固形分比率で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=8mS/cm)を調製した。この電解液に前記基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、ブルーフィルター用フォトマスクを介して同じ条件でDeepUV光を照射した。その結果、光が照射された部分にのみブルーの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄した。
以上の工程により、レッド、グリーンおよびブルーの着色膜が形成されたカラーフィルターが作製された。
<ブラックマトリックスの作製>
レッド、グリーンおよびブルーの着色膜が形成された基板の着色膜形成面に、カーボンブラックを含む紫外線硬化樹脂を全面に塗布した。基板の紫外線硬化樹脂を塗布してない裏面から紫外線を照射した。ガラス基板を通して紫外線が基板を通り抜ける領域のみにおいて黒色の紫外線硬化樹脂が硬化する。その他の部分の紫外線硬化樹脂をアセトンによって洗浄除去した。
(実施例2)
<液晶表示用基板の作製>
厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板(コーニング社製7059ガラス)に、全面に透明導電膜(ITO)を150nmに形成した。このITO膜の上に、RFスパッタリング法で膜厚200nmの酸化チタン薄膜を形成した。次に、この基板を濃度10重量%の硫酸水溶液に接触させつつ、出力5mWのHe−Cdレーザー(スポット径:7μm)をスキャンさせて酸化チタンをフォトエッチィングし、ブラックマトリクスが形成される領域にITO薄膜を露出させた。これを液晶表示用基板とした。
<レッド着色膜形成>
次に、スチレン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸価150)と、赤色超微粒子顔料とを、重量固形分比率で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=8mS/cm)に、前記液晶表示基板を少なくとも酸化チタン薄膜とITO薄膜とが電解液に接触するように配置した。レッドフィルター用フォトマスクを介して裏面(ITO膜側)から、DeepUV光(光強度50mW/cm2)を1分間照射した。この光源には、均一照射光源(Hg−Xeランプ、山下電装製、1KW)を使用した。その結果、光が照射された部分にのみレッドの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄した。
<グリーン着色膜形成>
スチレン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸価150)と、フタロシアニングリーン系超微粒子顔料とを、重量固形分比率で樹脂/顔料=0.5に分散させた、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=8mS/cm)を調製した。この電解液に前記基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、グリーンフィルター用フォトマスクを介して同じ条件でDeepUV光を照射した。その結果、光が照射された部分にのみグリーンの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄した。
<ブルー着色膜形成>
スチレン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸価150)とフタロシアニンブルー系超微粒子顔料とを重量固形分比率で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=8mS/cm)を調製した。この電解液に前記基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、ブルーフィルター用フォトマスクを介して同じ条件でDeepUV光を照射した。その結果、光が照射された部分にのみブルーの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄した。
以上の工程により、レッド、グリーンおよびブルーの着色膜が形成されたカラーフィルターが作製された。
<ブラックマトリックスの作製>
レッド、グリーンおよびブルーの着色膜が形成された基板の着色膜形成面に、カーボンブラックを含む紫外線硬化樹脂を全面に塗布した。基板の紫外線硬化樹脂を塗布してない裏面から紫外線を照射した。ガラス基板を通して紫外線が基板を通り抜ける領域のみにおいて黒色の紫外線硬化樹脂が硬化する。その他の部分の紫外線硬化樹脂をアセトンによって洗浄除去した。
(実施例3)
<液晶表示用基板の作製>
厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板(コーニング社製7059ガラス)に、全面に透明導電膜(ITO)を150nmに形成した。このITO膜の上に、RFスパッタリング法で膜厚200nmの酸化チタン薄膜を形成した。次に、フォトリソ法を用いて、カラーフィルター層を着膜する領域のみにレジスト形成した後、この基板を濃度10重量%の硫酸水溶液に接触させつつ、紫外線を全面に照射した。このフォトエッチィングにより、ブラックマトリクスが形成される領域に相当するITO薄膜を露出させた。次いで、前記レジストをアセトンによって除去し、酸化チタン薄膜表面を露出させ、これを液晶表示用基板とした。
<レッド着色膜形成>
次に、スチレン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸価150)と、赤色超微粒子顔料とを、重量固形分比率で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=8mS/cm)に、前記液晶表示基板を少なくとも酸化チタン薄膜とITO薄膜とが電解液に接触するように配置した。レッドフィルター用フォトマスクを介して裏面(ITO膜側)から、DeepUV光(光強度50mW/cm2)を1分間照射した。この光源には、均一照射光源(Hg−Xeランプ、山下電装製、1KW)を使用した。その結果、光が照射された部分にのみレッドの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄した。
<グリーン着色膜形成>
スチレン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸価150)と、フタロシアニングリーン系超微粒子顔料とを、重量固形分比率で樹脂/顔料=0.5に分散させた、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=8mS/cm)を調製した。この電解液に前記基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、グリーンフィルター用フォトマスクを介して同じ条件でDeepUV光を照射した。その結果、光が照射された部分にのみグリーンの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄した。
<ブルー着色膜形成>
スチレン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸価150)とフタロシアニンブルー系超微粒子顔料とを重量固形分比率で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=8mS/cm)を調製した。この電解液に前記基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、ブルーフィルター用フォトマスクを介して同じ条件でDeepUV光を照射した。その結果、光が照射された部分にのみブルーの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄した。
以上の工程により、レッド、グリーンおよびブルーの着色膜が形成されたカラーフィルターが作製された。
<ブラックマトリックスの作製>
レッド、グリーンおよびブルーの着色膜が形成された基板の着色膜形成面に、カーボンブラックを含む紫外線硬化樹脂を全面に塗布した。基板の紫外線硬化樹脂を塗布してない裏面から紫外線を照射した。ガラス基板を通して紫外線が基板を通り抜ける領域のみにおいて黒色の紫外線硬化樹脂が硬化する。その他の部分の紫外線硬化樹脂をアセトンによって洗浄除去した。
【0056】
(実施例4)
<液晶表示用基板の作製>
図2に示すように、厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板(コーニング社製1737ガラス)に常法により、薄膜トランジスタ(TFT)と透明導電膜(ITO)の画素電極を形成した。このとき、TFTのゲート電極とドレイン電極は2層クロムで形成し、カラーフィルター層の形成後に、電極及び電源ライン部分がブラックマトリクスを兼用できるようにした。
次に、RFスパッタリング法で200nmの酸化チタン薄膜を形成した。
その後、出力70Wのエキシマレーザー(スポット径:10μm)を用いて、図で示すように画素電極の一部が露出するように酸化チタン膜を除去した。これを液晶表示用基板とした。この露出領域は、着色膜形成後に着色膜の上に設ける透明電極とTFTをスルホールさせるためにも使用する。
<レッド着色膜形成>
次に、スチレン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸価150)と、赤色超微粒子顔料とを、重量固形分比率で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=8mS/cm)に、前記液晶表示基板を少なくとも酸化チタン薄膜とITO薄膜が電解液に接触するように配置した。レッドフィルター用フォトマスクを介して裏面(ITO膜側)から、DeepUV光(光強度50mW/cm2)を1分間照射した。この光源には、均一照射光源(Hg−Xeランプ、山下電装製、1KW)を使用した。その結果、光が照射された部分にのみレッドの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄した。
<グリーン着色膜形成>
スチレン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸価150)と、フタロシアニングリーン系超微粒子顔料とを、重量固形分比率で樹脂/顔料=0.5に分散させた、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=8mS/cm)を調製した。この電解液に前記基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、グリーンフィルター用フォトマスクを介して同じ条件でDeepUV光を照射した。その結果、光が照射された部分にのみグリーンの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄した。
<ブルー着色膜形成>
スチレン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸価150)とフタロシアニンブルー系超微粒子顔料とを重量固形分比率で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=8mS/cm)を調製した。この電解液に前記基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、ブルーフィルター用フォトマスクを介して同じ条件でDeepUV光を照射した。その結果、光が照射された部分にのみブルーの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄した。
【0057】
最後に、カラーフィルター層の上にITOからなる透明電極を形成して、予め開けておいたITO透明電極と導通させた。
以上の一連の工程により、所定の画素電極の上に、レッド、グリーンおよびブルーの着色膜が形成されたフルカラーのTFT一体型カラーフィルターが作製された。また、TFTのゲート電極とドレイン電極を前記のごとき2層クロムで形成したため、別にブラックマトリックスを形成しなくても、電極及び電源ライン部分がブラックマトリクスとして充分な機能を果たした。
【0058】
【発明の効果】
この発明は、カラーフィルターの製造方法において、着膜方法として光触媒着膜法を利用し、そして上記のように導電性薄膜に接してパターン化された光触媒薄膜を形成するようにしたため、工程数が少なく、低コストで、制御性が高くカラーフィルターを製造できることに加え、特に、得られるカラーフィルターの解像度が優れているという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の、パターン化された光触媒薄膜を形成したカラーフィルター作製用基板の一例の断面図を示す。
【図2】 逆スタガチャンネル埋め込み型TFT構造を示す図である。
【図3】 図2のTFT基板に光触媒薄膜を設けた図を示す。
【図4】 図3のTFT基板の光触媒薄膜を、画素電極の一部が露出するように除去した図を示す。
【図5】 図4のTFT基板を用いてカラーフィルター層を形成した図を示す。
【図6】 図5のカラーフィルター層の上に導電性薄膜を形成した図を示す。
【図7】 本発明のカラーフィルターを製造するための装置の一例を示す図である。
【図8】 本発明が利用する、光触媒反応に基づく着膜方法の原理を示す概念図である。
【図9】 光触媒反応に基づく着膜方法において導電性薄膜を絶縁し、導電性薄膜をリード線により電解液中の電極と接続することを示す図である。
【符号の説明】
10:透明基板、12:導電性薄膜、14:光触媒薄膜、16:電解液、22:ゲート電極、28:ソース電極、30:ドレイン電極、40:画素電極、42:光触媒薄膜、50:カラーフィルター膜、52:導電膜、71:フォトマスク、72:結像光学レンズ、73:結像光学レンズ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a technique for forming a color filter used in various display elements such as a CCD camera and a liquid crystal display element and a color sensor, and relates to a method for manufacturing a colored layer and a black matrix. Specifically, the present invention relates to a method for manufacturing a new color filter that easily forms a colored layer and a black matrix with high resolution.
[0002]
[Prior art]
Currently, color filter manufacturing methods include (1) dyeing method, (2) pigment dispersion method, (3) printing method, (4) ink jet method, (5) electrodeposition method, and (6) micelle electrolysis method. Are known.
Of these, (1) the dyeing method and (2) the pigment dispersion method are both highly complete, and are often used in color solid-state imaging devices (CCD). However, it is necessary to perform patterning through a photolithography process. There is a problem that the number of processes is large and the cost is high.
[0003]
In contrast, (3) the printing method and (4) the inkjet method do not require a photolithography process, but (3) the printing method prints and cures a thermosetting resin in which a pigment is dispersed. This method is inferior in terms of resolution and film thickness uniformity. (4) The ink jet method is a method of forming a specific ink receiving layer, hydrophilizing / hydrophobizing, and then spraying ink on the hydrophilized portion to obtain a color filter layer. Furthermore, there is a high probability of color mixing in adjacent filter layers, and there is a problem in terms of positional accuracy.
[0004]
(5) The electrodeposition method is an electrodeposition coating in which an electrodeposition film is formed by applying a high voltage of about 70V on a previously patterned transparent electrode in an electrolytic solution in which a pigment is dispersed in a water-soluble polymer. Repeat this three times to obtain an RGB color filter layer. This method has a drawback that the transparent electrode needs to be patterned in advance by photolithography, and this is used as an electrodeposition electrode, so that the pattern shape is limited and it cannot be used for TFT liquid crystal. In addition, if the color filter can be integrally formed on the pixel electrode of the TFT liquid crystal substrate by electrodeposition, it is not necessary to perform new patterning. However, the conventional electrodeposition method has a high electrodeposition voltage, and the transparent pixel electrode is electrodeposited by an active matrix circuit. It was very difficult to cause it to occur, and electrodeposition using the pixel electrode of the TFT was impossible.
[0005]
(6) Although the micellar electrolysis method is a kind of electrodeposition method, the voltage required for electrodeposition is low because it uses the oxidation-reduction of ferrocene used as a deposition material, and a color filter by electrodeposition is integrally formed on the TFT liquid crystal substrate side. it can. However, since the TFT has a large internal resistance, a voltage can be applied, but a large current cannot flow. Therefore, it has been difficult to form a color filter directly on the pixel electrode using the TFT drive circuit even if the micelle electrolysis method is used. In addition, the thin film formed by the micellar electrolysis method is mixed with impurities as ferrocene, surfactant, etc., which are indispensable for the formation process, are incorporated at the time of deposition, so the transparency of the formed color filter is deteriorated. . In addition, the time required for electrodeposition takes a long time such as several tens of minutes, resulting in poor production efficiency, and the ferrocene compound, which is an essential electrolyte component, is very expensive, which is problematic in terms of cost. Furthermore, an alkali metal is indispensable as a supporting salt and cannot be used because it adversely affects the TFT circuit and liquid crystal.
[0006]
As a film formation method using photoreaction, a photocatalytic deposition method (Photocatalytic Deposition Method) which is a kind of micelle electrolysis method devised by Hoshino et al. Of Chiba University is known. This photo-deposition method is described in detail in Japanese Photographic Society, Vol. 59, No. 2 (1996) by Hoshino, Kato, Kurasako and Komon. This method is a method of forming a film on a light non-irradiated region using the oxidation reduction of ferrocene, but it is necessary to apply a voltage from the outside, there is a disadvantage that the apparatus to be used becomes complicated, It is not suitable as a method for forming a fine pattern such as a color filter.
[0007]
On the other hand, we proposed a novel film deposition method using a photocatalytic thin film and a method for producing a color filter using the same (Japanese Patent Application No. 11-322507). However, in the above-described method for producing a color filter, when a photocatalytic thin film is provided on the entire surface of a light-transmitting conductive thin film, the colored film formed by the photocatalytic method tends to be spread out from the light irradiation portion. There is a problem that the resolution is easily lowered.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to increase the resolution, particularly in a method for producing a color filter with a low number of steps, a low cost, and a high controllability, using a photocatalyst deposition method capable of forming a film by a simple process. There is.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
(1) A light-transmitting conductive thin film on a light-transmitting substrate and the conductive thin film in an electrolytic solution containing a colorant and a material whose solubility or dispersibility in an aqueous liquid is lowered due to pH change A substrate for forming a color filter in which a patterned photocatalytic thin film is provided in contact with the conductive film, and the conductive thin film is electrically conductive with the electrolytic solution, and the photocatalytic thin film is in contact with the electrolytic solution; A method for producing a color filter, comprising the step of: forming a colored film on the selected region by irradiating the selected region of the photocatalytic thin film with ultraviolet rays in this state.
The present invention uses a photocatalyst film formation method as a film formation method in the color filter manufacturing method, and forms a patterned photocatalyst thin film in contact with the conductive thin film as described above. In addition to being able to produce a color filter that is low, low cost, high in controllability, it has the advantage that the resolution of the obtained color filter is particularly excellent.
[0010]
(2) A light-transmitting conductive thin film on a light-transmitting substrate and an electroconductive thin film in an electrolytic solution containing a colorant and a material whose solubility or dispersibility in aqueous liquid is lowered due to pH change A substrate for forming a color filter in which a patterned photocatalytic thin film is provided in contact with the conductive film, and the conductive thin film is electrically conductive with the electrolytic solution, and the photocatalytic thin film is in contact with the electrolytic solution; In this state, the selected region of the photocatalytic thin film is irradiated with ultraviolet rays to form a colored film on the selected region, and then the colorant is changed to another color. A process for producing a color filter, characterized in that the process is repeated one or more times by using the above.
[0011]
(3) The method for producing a color filter as described in (1) or (2) above, wherein the patterning is performed by irradiating a laser to the etching region.
(4) The method for producing a color filter as described in (1) or (2) above, wherein the patterning is performed by irradiating the etching region with light while contacting the photocatalytic thin film with acid or alkali.
(5) The method for producing a color filter as described in (1) or (2) above, wherein the patterning is performed using a photolithography process.
[0012]
(6) After a thin film transistor and a light transmissive pixel electrode are arrayed on a light transmissive substrate, a photocatalytic thin film is formed thereon, and then the photocatalytic thin film is removed so that a part of each pixel electrode is exposed. At least the pixel electrode and the photocatalyst thin film are electrolyzed in an electrolyte solution containing a colorant and a material containing a colorant and having a solubility or dispersibility in an aqueous liquid that decreases as pH changes. A method for producing a color filter integrated with a thin film transistor, comprising a step of placing the liquid catalyst in contact with a liquid and then irradiating a selective region of the photocatalytic thin film with ultraviolet rays to form a colored film in the selective region.
(7) A thin film transistor and a light transmissive pixel electrode are arrayed on a light transmissive substrate, a photocatalytic thin film is formed thereon, and then the photocatalytic thin film is removed so that a part of the pixel electrode is exposed. A substrate for producing a color filter prepared in the above is used as an electrolytic solution containing a colorant and a material whose solubility or dispersibility in aqueous liquid is reduced due to pH change. At least the pixel electrode and the photocatalytic thin film are electrolytic solutions. Using an electrolytic solution in which the selected region of the photocatalytic thin film is irradiated with ultraviolet rays to form a colored film on the selected region, and then the colorant is changed to another color. A process for producing a color filter integrated with a thin film transistor, characterized in that the above steps are repeated one or more times.
[0013]
(8) The method for producing a color filter as described in (6) or (7) above, wherein the removal of the photocatalytic thin film is performed by irradiating the removal region with a laser.
(9) The method for producing a color filter according to any one of (1) to (8), wherein a selected region of the photocatalytic thin film is irradiated with ultraviolet rays by using a photomask.
(10) The method for producing a color filter as described in any one of (1) to (9) above, wherein a thin film containing titanium oxide is used as the photocatalytic thin film.
[0014]
(11) Any one of the above (1) to (10), wherein an imaging optical system is inserted between the photomask and the color filter manufacturing substrate to form an image of ultraviolet rays on the photocatalytic thin film surface. The manufacturing method of the color filter as described in 2.
(12) Any one of the above (1) to (10), wherein a mirror reflection optical system is inserted between the photomask and the color filter manufacturing substrate to form an image of ultraviolet rays on the photocatalytic thin film surface. The manufacturing method of the color filter as described in 2.
[0015]
(13) The material according to any one of (1) to (12) above, wherein the material whose solubility or dispersibility in an aqueous liquid is lowered by changing pH has a carboxyl group in the molecule. The manufacturing method of the color filter as described in 2.
(14) The method for producing a color filter according to any one of (1) to (13), wherein the electrolytic solution contains light-transmitting conductive fine particles.
(15) The method for producing a color filter as described in any one of (1) to (14) above, wherein the pH of the electrolytic solution is adjusted by a pH adjuster which does not affect the film deposition characteristics.
(16) The method for producing a color filter as described in any one of (1) to (15) above, wherein the conductivity of the electrolytic solution is adjusted by a salt that does not affect the film deposition characteristics.
(17) The method for producing a color filter according to any one of (1) to (16), wherein the temperature of the electrolytic solution is controlled.
(18) After forming the colored film, a black ultraviolet curable resin is applied on the colored film forming surface, irradiated with ultraviolet light from the side where the colored film of the light transmitting substrate is not provided, and then the non-cured portion The method for producing a color filter as described in any one of (1) to (17) above, wherein a black matrix is formed by removing.
[0016]
(19) The color as described in any one of (1) to (18) above, which contains a colorant and a material whose solubility or dispersibility in an aqueous liquid decreases due to pH change. Electrolyte used in the filter manufacturing method.
(20) The above (19) is characterized in that the material whose solubility or dispersibility in aqueous liquid decreases due to pH change is a polymer material having a carboxyl group, and the colorant is a pigment. Electrolyte of description.
(21) The polymer material is a copolymer of monomers having a hydrophobic group and a hydrophilic group, and the ratio of the number of hydrophobic groups to the total number of hydrophobic groups and the number of hydrophilic groups is from 40% to 80%, The electrolyte solution according to (20).
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
First, the “photocatalyst deposition method” used in the method for producing a color filter of the present invention will be described. The so-called “photodeposition method” that we previously proposed uses a photo-semiconductor as a working electrode (work electrode), and is brought into contact with a liquid containing a substance whose solubility or dispersibility in aqueous liquid decreases due to pH change. In this method, light is applied in a state where a voltage (bias voltage) is applied between the working electrode and the counter electrode, and a film made of the substance is electrodeposited on the irradiated portion. If the sum of the photovoltaic voltage and the bias voltage generated in the optical semiconductor is larger than the threshold voltage at which water electrolysis occurs, the pH of the liquid in the vicinity of the working electrode decreases, and this change reduces the solubility of the substance. Precipitates and a film is formed on the surface of the working electrode.
[0018]
A water-soluble acrylic resin having a carboxyl group will be described as an example of a substance whose solubility or dispersibility in an aqueous liquid is lowered by changing pH. This material is easily dissolved in weak alkaline water (pH = 8 to 9) and exists in an aqueous solution as an anion, but has a property of insolubilizing and precipitating when the pH is 7 or less. When a platinum electrode is immersed in this aqueous solution and energized, the OH in the aqueous solution is near the anode.-Ion is consumed and O2The hydrogen ions increase and the pH decreases. This is because the hole (p) and OH are near the anode.-This is because the following reaction occurs in association with ions.
2OH-+ 2p+――― > 1/2 (O2) + H2O
A constant voltage is required for this reaction to occur.
In the above photo-deposition method, when the sum of the bias voltage and the photoelectromotive force generated in the optical semiconductor exceeds this voltage, the above reaction occurs, and the hydrogen ion concentration in the aqueous solution increases as the reaction proceeds. The pH drops. As a result, in the vicinity of the optical semiconductor (working electrode), the solubility of the water-soluble acrylic resin decreases and becomes insoluble, and a thin film is formed on the electrode.
[0019]
On the other hand, the invention of the Japanese Patent Application No. 11-322507 relating to the “photocatalytic film deposition method” is a method for changing the pH (hydrogen ion concentration) of the liquid in the vicinity of the optical semiconductor thin film. It is based on finding that there are other ways than using. In other words, when utilizing the photocatalytic action of an optical semiconductor such as titanium oxide described later, as in the above-described photo-deposition method, it is possible to contact titanium oxide only by irradiating light without flowing electricity from the outside. Electrolysis of water occurs in the solution so that the hydrogen ion concentration can be changed. Therefore, according to this method, it is possible to change the hydrogen ion concentration of the solution in contact with the titanium oxide without energizing from the outside as in the above-described photodeposition method, and precipitation of the substance from the liquid, that is, The film can be deposited.
[0020]
Regarding water electrolysis, a famous phenomenon called the Fujishima-Honda effect is known. This is a phenomenon in which water is electrolyzed and hydrogen is generated when ultraviolet light is irradiated onto photocatalytic titanium oxide. As typical techniques for applying photocatalytic reactions, Hashimoto, Fujishima: “All about titanium oxide photocatalysts—for antibacterial, antifouling, and air purification”, detailed in CMC (1998). .
However, there is no technology for forming a thin film using photocatalytic reaction so far. Even in the phenomenon called the Fujishima-Honda effect, where hydrogen is electrolyzed by a photocatalyst and hydrogen is generated, the hydrogen ion concentration of the aqueous solution does not change. This is because, in the above phenomenon, since oxidation and reduction occur simultaneously, the hydrogen ion concentration does not change as a whole. Thus, until now, this phenomenon has not been linked to film formation.
[0021]
The film deposition method using the photocatalyst is based on the knowledge that the hydrogen ion concentration can be changed in the vicinity of the surface of the film if either one of the above oxidation or reduction is caused on the surface of the film of the photocatalyst.
In other words, the film deposition method using the photocatalyst includes a light-transmitting substrate (hereinafter simply referred to as “transparent substrate”) in an electrolytic solution containing a material whose solubility or dispersibility in an aqueous liquid is reduced due to a change in pH. A light-transmitting conductive thin film (hereinafter sometimes referred to simply as “conductive thin film”), a photocatalytic thin film in contact with the conductive thin film, and the conductive thin film being an electrolyte solution. A film-forming substrate that can conduct with the photocatalytic thin film is in contact with the electrolytic solution, and the conductive thin film is in conduction with the electrolytic solution. In this state, the photocatalytic thin film is irradiated with ultraviolet rays. It is characterized by. Then, even if no voltage is applied from the outside, a reaction similar to that represented by the above formula occurs on the surface of the photocatalytic thin film, and the pH of the electrolytic solution decreases near the surface of the photocatalytic thin film. As a result, a film-forming material whose solubility decreases with a decrease in pH contained in the electrolytic solution is deposited on the photocatalytic thin film.
The above-mentioned “... a film-forming substrate in which the conductive thin film can be electrically connected to the electrolytic solution” and “to make the conductive thin film conductive to the electrolytic solution” mean that the photocatalytic thin film of the film-forming substrate is electrically conductive Provide a part of the thin film so that the conductive thin film is brought into contact with the electrolytic solution to make the conductive thin film conductive with the electrolytic solution, or connect the electrode to the conductive thin film of the film forming substrate. The conductive thin film and the electrolytic solution are directly or indirectly connected to each other as in the method of conducting the conductive thin film and the electrolytic solution by contacting the electrode with the electrolytic solution. As described above, this means that an internal circuit can be formed between the photocatalytic thin film, the conductive thin film, and the electrolytic solution.
[0022]
The film forming method using a photocatalyst will be described with reference to the conceptual diagram of FIG. 8. In FIG. 8, 10 is a transparent substrate, 12 is a conductive thin film, and 14 is a thin film of a substance having a photocatalytic action (photocatalytic thin film). In the example of FIG. 8, a photocatalytic thin film is provided in contact with the film so that a part of the conductive thin film is exposed.
[0023]
Holes generated by irradiation with light move to the aqueous solution through the photocatalytic
Here, that the conductive thin film is in contact with the electrolytic solution means that at least a part of the conductive thin film is in contact with the electrolytic solution. Therefore, the case where only the side surface of the conductive thin film is in contact is included.
[0024]
FIG. 9 shows a conceptual diagram of a method for depositing a film in a state where the conductive thin film is not in direct contact with the electrolytic solution. As shown in FIG. 9, in this example, a portion of the conductive thin film not covered with the photocatalytic thin film is covered with an insulating thin film, and the conductive thin film is connected to an electrode in the electrolytic solution, for example, a platinum electrode 18 and a lead wire 17. It is. In this example as well, an internal circuit similar to the above is formed, and the pH in the vicinity of the surface of the photocatalytic thin film decreases while the pH in the vicinity of the surface of the platinum electrode increases.
[0025]
Since the film-forming method using a photocatalyst does not require an electrodeposition apparatus and another electrode for electrodeposition, a film can be formed at a low cost with a simple apparatus. In addition, the produced film achieves high quality equivalent to that of the photo-deposition method, and since no voltage is applied from the outside during the formation of the colored film, the uniformity of the film is excellent.
[0026]
Next, the light-transmitting substrate, the light-transmitting conductive thin film, and the photocatalytic thin film used in the film deposition method will be sequentially described.
The light-transmitting substrate used in this method refers to a substrate that transmits light in the visible light range, such as glass plate, polyethylene terephthalate, polyethylene naphthalate, polyethersulfone, polyetherimide, polyetherketone, polyphenylene sulfide. , Plates, sheets or films of polyarylate, polyimide, polycarbonate and the like.
[0027]
The light-transmitting conductive thin film provided on the light-transmitting substrate is a counter electrode with the photocatalytic thin film that is the working electrode in the film forming method of the present invention. For example, ITO film, tin dioxide, indium oxide Etc.
[0028]
As the photocatalyst, titanium oxide is preferably used. Titanium oxide is preferably anatase type because it has a photocatalytic action, but rutile type can also be used.
Titanium oxide There are several known methods for forming the film. For example, thermal oxide film method, sputtering method, electron beam method (EB method), sol-gel method, etc. are well known, but titanium oxide film is formed by normal sputtering method and EB method. It is hard to say that the photocatalytic effect is sufficient. Therefore, it is better to perform a reduction treatment in order to enhance the effect of the photocatalyst. The reduction treatment is performed by heating in hydrogen gas. For example, nitrogen gas mixed with 3% hydrogen is added at 1 L / min. A sufficient effect can be obtained even at a low temperature of about 330 ° C. for 10 minutes while flowing at a flow rate of 10 minutes.
However, as described later, when film formation according to the present invention is performed on a substrate provided with a thin film transistor element (TFT), the substrate can be heated only up to about 250 ° C. due to the characteristics of the TFT. The gel method cannot be used. Therefore, in this case, using a sputtering or electron beam heating method, or using a coating solution for forming a thin film in which photocatalytic titanium oxide fine particles are dispersed (TOTO Co., Ltd., Nippon Soda Co., Ltd., etc.) A method of forming a titanium oxide thin film at a low temperature is applied. The thickness of the photocatalyst thin film is in the range from 0.05 μm to 3 μm in which good characteristics are obtained. If the thickness is less than 0.05 μm, light absorption tends to be insufficient, and if it exceeds 3 μm, the film formability such as cracks tends to be deteriorated, so the above range is appropriate.
[0029]
Next, the electrolytic solution used in the film forming method will be described. It is important that the electrolyte contains a substance whose solubility or dispersibility in an aqueous liquid is lowered by changing the pH. Such materials include substances such as carboxyl groups and amino groups that have in their molecules groups (ionic groups) whose ionic dissociation properties change as the pH of the liquid changes. Is preferred. For example, basically all materials including substances whose solubility or dispersibility in an aqueous liquid is lowered by changing the pH used in the photo-deposition method previously proposed by us can be used.
However, the presence of an ionic group is not necessarily essential for the film forming material. Moreover, the polarity of ion is not ask | required. For example, consider the case where two types of ions are mixed. In general, when a basic solution and an acidic solution are mixed, they are neutralized to form another precipitate such as a complex and precipitate. For this reason, when two types of dyes are mixed to produce a mixed color, a nonpolar pigment is generally used or a material having the same polarity is dispersed. However, with certain types of dyes, a complex is not formed but ions coexist. In this case, even if a basic solution and an acidic solution are mixed, precipitates can be suppressed and can be used regardless of the polarity of ions.
[0030]
First, a polymer material that forms a thin film due to a decrease in solubility or dispersibility in the electrolytic solution as the pH of the electrolytic solution changes will be described. Examples of such a polymer material include a polymer material having an ionic group (ionic polymer) as described above.
The ionic polymer needs to have sufficient solubility or dispersibility with respect to an aqueous liquid (including an aqueous liquid whose pH is adjusted), and also needs to have optical transparency. It is. In addition, the ionic polymer has a liquid property change that causes precipitation by generating a supernatant from a dissolved state or a dispersed state in accordance with a change in pH value of an electrolyte solution in which the ionic polymer is dissolved. Preferably it occurs. When the pH range is within 2, the image can be deposited instantly even when a sharp change in pH is caused by energization, the cohesive force of the deposited image is high, and the re-dissolution rate in the electrodeposition liquid is high. The effect of reducing is excellent. As a result, a filter layer having high translucency and water resistance can be obtained.
When the pH range is larger than 2, a decrease in printing speed for obtaining a sufficient image structure or lack of water resistance of the image is likely to occur. In order to obtain more preferable characteristics, the pH range is within 1.
[0031]
The ionic polymer is preferably a polymer having a hydrophilic group and a hydrophobic group that promotes insolubilization in water in the molecule. The hydrophobic group also gives the polymer the function of instantly depositing a film in cooperation with the hydrophobic group that has been changed from a hydrophilic group to a hydrophobic group due to the change in pH as described above. In addition, this hydrophobic group has a strong affinity for an organic pigment used as a coloring material in the method for forming a color filter of the present invention, which will be described later. Give. (The above-mentioned “change from a hydrophilic group to a hydrophobic group due to a change in pH” means, for example, a group that imparts hydrophilicity to a polymer, such as a group that changes from —COONa to —COOH due to a decrease in pH. -COONa is said to change to -COOH that has lost its hydrophilicity imparting function, and -COOH that has lost its hydrophilicity imparting function behaves like a hydrophobic group, so -COOH is expressed as a hydrophobic group (It has been done.)
[0032]
It is preferable that the number of hydrophobic groups in the polymer having hydrophobic groups and hydrophilic groups is in the range of 40% to 80% of the total number of hydrophilic groups and hydrophobic groups. When the number of hydrophobic groups is less than 40% of the total number of hydrophilic groups and hydrophobic groups, the formed film may be easily redissolved, and the water resistance and film strength of the film may be insufficient. If it is larger than 80% of the total number of hydrophobic groups, the solubility of the polymer in the aqueous liquid becomes insufficient, so that the electrolytic solution becomes cloudy, the electrolytic material precipitates, or the viscosity of the electrolytic solution increases. Therefore, it is desirable to be within the above range. The number of hydrophobic groups relative to the total number of hydrophilic groups and hydrophobic groups is more preferably in the range of 55% to 70%. In this range, the film deposition efficiency is particularly high, and the electrolyte solution is stable.
[0033]
In addition, when the acid value of this ionic polymer is in the range of 60 to 300, good film forming characteristics can be obtained. Particularly in the range of 90 to 195, better film deposition characteristics are obtained. If the acid value of the polymer material is 60 or less, the solubility in an aqueous liquid becomes insufficient, and the solid content concentration of the electrolytic solution cannot be increased to an appropriate value, or the liquid becomes cloudy or precipitates are formed. Viscosity increases and problems arise. Further, when the acid value of the polymer material is 300 or more, the formed film is easily dissolved again.
Furthermore, the electrolytic solution in a state in which the polymer material is dissolved needs to have a hysteresis characteristic that a state change that causes precipitation due to a change in hydrogen ion concentration (pH) is abrupt and that it is difficult to be dissolved again. Due to this characteristic, a thin film is formed by pH change, and once the thin film is formed, it is difficult to re-dissolve in the electrolytic solution, and the thin film formation is maintained.
[0034]
Examples of the monomer material containing a hydrophilic group used in the polymer material include methacrylic acid, acrylic acid, hydroxyethyl methacrylate, acrylamide, maleic anhydride, trimellitic anhydride, phthalic anhydride, hemimellitic acid, succinic acid, and adipic acid. , Propiolic acid, propionic acid, fumaric acid, itaconic acid, and the like and derivatives thereof. In particular, methacrylic acid and acrylic acid are useful hydrophilic monomer materials because of high film deposition efficiency due to pH change.
Examples of the monomer material containing a hydrophobic group used in the polymer material include alkyl group, styrene group, α-methylstyrene group, α-ethylstyrene group, methyl methacrylate group, butyl methacrylate group, acrylonitrile group, vinyl acetate. Groups, ethyl acrylate groups, butyl acrylate groups, lauryl methacrylate groups, and the like and derivatives thereof. In particular, since the styrene group and α-methylstyrene group have strong hydrophobicity, it is a useful hydrophobic monomer material that is easy to obtain hysteresis against re-dissolution.
The water-soluble polymer used here is a polymer material obtained by copolymerizing such a molecule containing a hydrophilic group and a hydrophobic group at the above ratio, and the type of each hydrophilic group and hydrophobic group is limited to one. It is not something. A polymer having a degree of polymerization of 6,000 to 25,000 is a polymer material for obtaining a good film. More preferably, the material has a polymerization degree of 9,000 to 20,000. When the degree of polymerization is lower than 6,000, re-dissolution becomes easy. When the degree of polymerization is higher than 25,000, the solubility in an aqueous liquid becomes insufficient, and the liquid becomes turbid or precipitates are produced, causing problems.
[0035]
A polymer having a hydrophobic group and a hydrophilic group in the molecule is produced, for example, by copolymerizing a monomer having a hydrophobic group and a monomer having a hydrophilic group. This copolymerization is preferably random copolymerization. The hydrophobic group and the hydrophilic group can be used alone or in combination of two or more.
[0036]
In addition, it is preferable to use a colorless or light-colored ionic polymer for use in producing a color filter.
[0037]
Examples of materials capable of forming a film by the above method include ionic molecules having an ionic group in the molecule, for example, ionic dyes, and mixtures of the ionic dyes and pigments, in addition to the ionic polymers. be able to. In the present invention, it is preferable that the ionic dye has a property that its solubility or dispersibility rapidly decreases in response to a change in pH of the electrolytic solution.
Examples of ionic dyes include triphenylmethane phthalide, phenosadine, phenothiazine, fluorescein, indolylphthalide, spiropyran, azaphthalide, diphenylmethane, chromenopyrazole, leucooramine, azomethine, Rhodamine lactal, naphtholactam, triazene, triazole azo, thiazole azo, azo, oxazine, thiazine, benzthiazole azo, quinoneimine dyes, and hydrophilic with carboxyl, amino, or imino groups Sexual dyes and the like. For example, rose bengal and eosin, which are fluorescein-based pigments, are soluble in water at pH = 4 or higher, but become neutral and precipitate at pH lower than that. Similarly, diazo-based Pro Jet Fast Yellow 2 is soluble in water above pH 6, but precipitates below it.
When these colorants have the property of following a change in pH and forming a film with a decrease in solubility or dispersibility, the film-forming material may consist of only this colorant.
[0038]
In addition, as a film forming material contained in the electrolytic solution used in the film deposition method, even if the material itself is not ionic and does not have a property of lowering solubility due to a change in pH of the electrolytic solution, And ionic molecules such as the above ionic polymers and ionic dyes. Such a material is taken in when ionic molecules aggregate and precipitate, and together forms a film. That is, in the case of using a mixture as a film forming material, at least one kind of molecule may be a single substance having a characteristic that a solubility is lowered by a change in pH and a thin film is formed.
For example, in the case of forming a color filter, the colorant is an essential component, but the colorant itself does not necessarily have the properties as described above. For example, the colorant is dispersed in an aqueous liquid together with an ionic polymer. An electrolytic solution may be used to form a colored polymer film by incorporating a coloring material when the ionic polymer is reduced in solubility due to a change in pH and aggregates and precipitates.
It is also possible to use a combination of the ionic dye or the ionic dye and pigment and an ionic polymer.
As the pigment, known pigments such as red, green, and blue can be used without particular limitation, but the smaller the pigment particle diameter, the better the hue reproducibility. In the case of producing a color filter, from the viewpoint of transparency and dispersibility of the color filter layer, it is particularly preferable that the average particle diameter of the pigment is 200 nm, preferably 100 nm or less.
Further, as coloring materials for color filters, the present inventors have previously described coloring materials described in Japanese Patent Application No. 9-268642 and Japanese Patent Application No. 9-329798 as materials suitable for the photo-deposition method. Materials can also be used.
Further, if two or more kinds of coloring materials are used, an arbitrary mixed color can be obtained.
[0039]
As long as the film forming material contained in the electrolytic solution does not impair the effect of forming the thin film, the materials as described above can be arbitrarily combined, and the same polarity molecules such as a mixture of two or more types of anionic molecules Or a mixture of heteropolar molecules such as a mixture of anionic and cationic molecules.
[0040]
In the film forming method, the film forming material to be included in the electrolytic solution is not only a material whose solubility or dispersibility in aqueous liquid is lowered due to pH change as described above, but also a photocatalytic thin film formed by a photocatalytic reaction. Any material that can form a film thereon can be used without particular limitation.
[0041]
Further, the deposition efficiency can be improved by adding a supporting salt to the electrolytic solution to increase the conductivity. Alkaline metal salts such as NaCl and KCl, which are commonly used in electrochemistry, and tetraethylammonium perchlorate (EtFourNClOFour), Tetramethylammonium perchlorate (MeFourNClOFour), Tetraethylammonium chloride (EtFourNCl), tetramethylammonium chloride (MeFourNCl), tetra-n-butylammonium perchlorate (n-Bu)FourNClOFour), Tetraethylammonium bromide (Et)FourNBr), tetra-n-butylammonium bromide (n-Bu)FourNBr), tetraethylammonium tetrafluorobromide (EtFourNBFFour) Tetraalkylammonium salts such as NHFourHalogenous ammonium ions such as Cl are used.
However, when a thin film is formed on a substrate provided with a thin film transistor (TFT), an alkali metal salt among the above salts cannot be used because it adversely affects the characteristics of the thin film transistor. In this case, among the above salts, NHFourHalogenous ammonium ions such as Cl, MeFourNCl, MeFourNClOFour, N-BuFourNClOFour, MeFourNBFFour, MeFourNBr, n-BuFourIt is preferable to use a tetraalkylammonium salt such as NBr.
[0042]
In addition, the pH of the electrolytic solution naturally affects the formation of the thin film. For example, if the film is deposited under the condition that the solubility of the film-forming molecule is saturated before the thin film is formed, it is difficult to dissolve again after the thin film is formed. However, when the film is formed at the pH of the unsaturated solution, even if a thin film is formed, the film starts to redissolve as soon as light irradiation is stopped. Therefore, since it is desirable to form a thin film at a pH of a solution that saturates the solubility, it is necessary to adjust the electrolyte using acid or alkali at the desired pH.
When a thin film is formed on a substrate provided with a thin film transistor (TFT), an alkali metal salt cannot be used for the same reason as described above. Therefore, in this case, an amine-based or ammonia-based organic alkali material is used. Tetramethyl hydroxide is frequently used as an etching solution for photoresist and can be used particularly suitably because of its good compatibility with thin film transistors.
[0043]
Further, the temperature of the electrolytic solution affects the deposition rate. The temperature of the electrolytic solution is generally about 10 to 80 ° C., although it depends on the composition of the electrolytic solution. When the temperature is lower than 10 ° C., the film deposition rate is slow and impractical, and when the temperature exceeds 80 ° C., water evaporates and the characteristics of the electrodeposition liquid are likely to change. Therefore, the above temperature range is preferable. It is particularly preferable to set the temperature to room temperature from the viewpoint of little temperature change and easy control.
[0044]
Next, a method for producing the color filter of the present invention using the film forming method using the photocatalyst will be described.
First, a light-transmitting conductive thin film is provided on the entire surface of a light-transmitting substrate, such as a substrate made of alkali-free glass, and a photocatalytic thin film is formed in contact with the conductive thin film.
Thereafter, the photocatalytic thin film is patterned in advance so as to correspond to the pixels of the color filter, that is, to leave a portion corresponding to the place where the colored film is provided, by removing other portions (etching regions). The region where the photocatalytic thin film is not provided, that is, the region where the colored film is not formed can be a black matrix forming region of the color filter. FIG. 1 shows a substrate for producing a color filter comprising a
Next, when the photocatalytic thin film is brought into contact with the electrolytic solution in a state where the conductive thin film of the color filter manufacturing substrate is in conduction with the electrolytic solution, and light is selectively irradiated to the patterned photocatalytic thin film of the substrate, the above-described action Based on the above, a colored film is formed on the surface of the photocatalytic thin film in the region irradiated with light. The above-mentioned “state in which the conductive thin film conducts to the electrolytic solution” has the same meaning as described in the above-described film deposition method.
Further, the light transmissive substrate, the light transmissive conductive thin film, the photocatalytic thin film, and the electrolyte used in the method for producing the color filter of the present invention are the light transmissive substrate, the light transmissive substrate in the film deposition method, and the like. Conductive thin films, photocatalytic thin films and electrolytes can be used as well.
[0045]
For patterning the photocatalytic thin film, an appropriate etching method according to the material of the photocatalytic thin film is employed. For example, when the photocatalytic thin film is a titanium oxide thin film, a method of scraping the thin film in the etching region using laser heat, or photoirradiating the etching region with light (such as ultraviolet rays) while the photocatalytic thin film is immersed in acid or alkali A method of directly removing the etching region by an etching method or the like can be mentioned. It is also possible to pattern using a photolithography process. This method is a method in which a resist is formed only in a region where a color filter layer is deposited by a photolithography method, and then light is irradiated to the entire surface in a state of being immersed in an acid or an alkali as described above.
In the case of laser, carbon dioxide laser, excimer laser, Ar gas laser, N2A laser such as a gas laser can be used, but an excimer laser is preferably used. In this method, it is necessary to squeeze the laser so that the line width of the laser becomes equal to the line width of the black matrix. However, since the width of the black matrix is usually 5 to 10 microns, the laser can be easily squeezed.
In addition, as an acid used for photoetching in an acid or an alkali, an inorganic acid such as sulfuric acid, nitric acid, hydrochloric acid or the like is used, and sulfuric acid is preferably used. The acid concentration is suitably 5 to 50% by weight. Moreover, NaOH, KOH, etc. are used as an alkali. The alkali concentration is suitably 5 to 50% by weight. In this method, since a photolithography method can be used, the photocatalytic thin film can be easily patterned.
[0046]
The color filter electrolyte contains the necessary colorant corresponding to the color of the color filter, and at least one of the film forming materials (including the colorant) is soluble in an aqueous liquid by changing the pH described above. It is preferable that the material has a low dispersibility. However, it is not particularly limited as long as it is a material that forms a film on a photocatalytic thin film by photocatalytic action as well as a material whose solubility or dispersibility in an aqueous liquid decreases due to pH change as described above. Is possible. Further, as described above, a polymer material for film formation is not necessarily required, but it is preferable to use a polymer material from the viewpoint of the strength of the color filter film. In particular, an electrolytic solution containing a polymer having an anionic group such as a carboxyl group and a colorant such as a pigment is preferably used.
After arranging the substrate for color filter preparation in the electrolytic solution as described above, ultraviolet rays are irradiated from behind the substrate through a photomask corresponding to each color of the color filter layer. The intensity of the irradiated light is 20 to 200 mW / cm.2The range is appropriate. The reason for irradiating ultraviolet rays from the back of the substrate is that many of the coloring materials absorb ultraviolet rays. Therefore, the ultraviolet rays are irradiated from the front surface of the color filter production substrate, that is, through the electrolyte for the color filter. This is because ultraviolet rays are absorbed by the coloring material when irradiated. However, when using a colorant that does not absorb ultraviolet light or absorbs very little, it can be irradiated from the front surface of the substrate.
Generally, a color filter is manufactured by sequentially forming red, green, and blue colored films on a film forming substrate using an electrolytic solution that forms red, green, and blue colored films.
The color filter manufacturing method uses a photocatalyst film formation method as a film formation method, and the photocatalyst thin film is patterned on the conductive thin film as described above, so that it is necessary to use an expensive electrodeposition apparatus. In addition to the low cost, the number of steps, and the ability to manufacture a color filter with good controllability, the resulting color filter has an excellent resolution.
[0047]
Next, a method for forming a thin film transistor (TFT) for driving liquid crystal and a color filter on the same substrate will be described. For forming a color filter, a method of forming a color filter layer of a predetermined color on only a predetermined pixel by using an electrodeposition method using a TFT drive circuit is conventionally known (Japanese Patent Laid-Open No. 5-5874). However, as described above, it is very difficult to produce a high-performance TFT integrated color filter by this method. On the other hand, in the production of a color filter using the film forming method of the present invention, in order to form a predetermined colored film on a predetermined pixel, the ultraviolet irradiation region is controlled by using a photomask, direct writing by an ultraviolet laser, or the like. Just do it.
Specifically, a TFT circuit for driving liquid crystal and a light transmissive pixel electrode are provided on a light transmissive substrate by a conventional method, and then a photocatalytic thin film is formed on the entire surface of the TFT substrate. The photocatalytic thin film on each pixel electrode is removed so that the portion is exposed (in this case, “a part of the pixel electrode” includes the side surface portion of the pixel electrode film) Place at least the pixel electrode (exposed part) and the photocatalyst thin film in contact with the electrolyte in the electrolyte containing the material, and control and irradiate a predetermined area with ultraviolet rays so that a colored film is formed on the predetermined photocatalytic thin film To do. Examples of a method for controlling and irradiating ultraviolet rays to a predetermined region include a method using a photomask. Then, a colored film having a predetermined color is formed in this region. This step is repeated for a plurality of colored films as necessary. As a result, a single color or multiple color filter is produced. As a method for removing the photocatalytic thin film on the pixel electrode, a method in which the photocatalytic thin film is burned out by laser heat is preferable.
[0048]
Next, the manufacturing method of the TFT integrated color filter will be described in more detail with reference to the drawings.
FIG. 2 shows a cross-sectional structure of an inverted stagger channel embedded TFT and a pixel electrode formed on a substrate, which are often used in TFT liquid crystal displays. In FIG. 2, 20 is a light transmitting substrate, 22 is a gate electrode, 24 is a gate insulating film, and 26 is n.+a-Si / a-Si, 28 is a source electrode, 30 is a drain electrode, 32 is a protective film, and 40 is a pixel electrode.
FIG. 3 shows a cross-sectional structure of the TFT substrate of FIG. 2 provided with a photocatalytic thin film on the entire surface. Since the heat resistance of TFT is about 250 ° C. and cannot be heated to a high temperature, the formation of a photocatalytic thin film, for example, a titanium oxide thin film, can be performed by sputtering, an electron beam heating method, or a thin film in which photocatalytic titanium oxide fine particles are dispersed. It is formed by using a coating solution. A method using a coating solution is simple and preferably used. FIG. 4 shows a cross-sectional structure of the substrate shown in FIG. 3 which is etched with a laser such as an excimer laser and a part of the pixel electrode is exposed. In this way, a color filter production substrate is produced. (This exposed region is also used to slew the transparent electrode and TFT provided on the colored film after the colored film is formed.)
Next, the color filter production substrate produced as described above is placed in the above-described electrolytic solution so that at least the pixel electrode (exposed region) and the photocatalytic thin film are in contact with the electrolytic solution containing the colorant. After that, the selected region is irradiated with ultraviolet rays from the back surface of the color filter manufacturing substrate. A photocatalytic reaction occurs only in the region of the photocatalytic thin film irradiated with ultraviolet rays, and a colored film (color filter film) 50 is deposited and formed (FIG. 5). A color filter is produced by changing the hue of the coloring material contained in the electrolytic solution and successively depositing and forming a colored film in the same manner.
[0049]
In general, since the color filter coloring film has high insulating properties, it is preferable to form a light-transmitting conductive film on the surface of the formed color filter layer and use it as a liquid crystal display electrode. An example is shown in FIG. Reference numeral 52 denotes a conductive film to be a liquid crystal display electrode. The conductive film 52 is formed so as to be in contact with the pixel electrode provided on the color filter manufacturing substrate, and is electrically connected to the drain electrode of the TFT.
Instead of using the liquid crystal display electrode, the color filter layer can be made conductive. For example, ITO or SnO having a particle size of about several tens of mm2Film formation is performed using an electrolytic solution for forming a color filter to which transparent conductive fine particles such as are added, and conductivity is imparted to the deposited film. For example, in the case of ITO fine particles, the addition amount is suitably about 5 to 50% by weight with respect to the film forming material (solid content).
[0050]
Further, in the film forming method or the color filter manufacturing method of the present invention, when selectively irradiating ultraviolet rays, the selectively irradiated light is imaged on the surface of the photocatalytic thin film by an imaging optical system or a mirror reflection optical system. Is preferred. By doing so, it is possible to produce a color filter in which the resolution of the obtained color filter does not depend on the thickness of the substrate and the edge portion of each pixel is sharp. An exposure apparatus using an imaging optical system or a mirror reflection optical system is generally called a projection type exposure apparatus.
A film forming apparatus using an imaging optical system will be described with reference to FIG. As shown in FIG. 7, a film forming substrate (or a color filter manufacturing substrate) provided with a
The formed incident light 70 passes through an imaging
[0051]
Since light is incident from the back surface of the substrate, the distance between the imaging
In the projection type exposure apparatus, since the depth of focus can be increased to ± 10 to ± 100 μm, it is possible to form an image even when the substrate is bent or the surface accuracy of the substrate used is insufficient. A sharp, high-resolution color filter can be manufactured stably. The depth of focus refers to a range in the depth direction in which the spread of irradiation light and blur do not occur on the exposure surface.
[0052]
Instead of the imaging optical lens, an exposure apparatus (mirror projection type exposure apparatus) using a mirror reflection optical system may be used.
A commercially available mirror projection type exposure apparatus can be used.
In the case of the mirror reflection optical system, since there is no chromatic aberration, all the wavelengths of the light source can be used, which is advantageous. Further, since the distance between the reflection mirror surface and the imaging irradiation surface (the surface of the optical semiconductor thin film, etc.) can be designed freely, there is a degree of freedom such that the substrate is placed on the upper surface and light is incident from the lower surface.
Also, in such a mirror projection type exposure apparatus, the depth of focus can be designed as deep as ± 10 to ± 100 μm, and even if the substrate is bent, it can be relatively easily attached to the surface of the optical semiconductor thin film. It is possible to image.
[0053]
Furthermore, it is preferable to form a black matrix in the color filter. The optical density of the black matrix usually needs to be 2.5 or more, and it is necessary that light does not leak.
Before forming the colored film, the black matrix is a method using a normal photolithography method, for example, after applying a black negative photoresist, and then irradiating with an ultraviolet ray using a black matrix photomask. After the colored film is formed, a black negative photoresist is applied on the entire surface of the colored film formation surface, and then the colored film of the substrate is not formed. It is formed by a method such as irradiating light from the side, forming a black film only in the region through which light passes through the substrate, and then removing the photoresist in the non-cured region. Available.
In addition, a black matrix can also be produced using the film deposition method of the present invention. That is, after forming a colored film on the photocatalytic thin film using the photocatalytic reaction, the entire surface of the substrate is brought into contact with the electrolytic solution containing the black pigment and the conductive thin film is conducted to the electrolytic solution. When an ultraviolet ray is irradiated, a black film (black matrix) is formed in a portion where the colored film of the photocatalytic thin film is not formed.
[0054]
In the case of a TFT-integrated color filter, the above-described photolithography method can be similarly applied.
As a method without using a photomask, a TFT and a pixel electrode are provided on a light-transmitting substrate, and a black positive photoresist is applied thereon, and then the substrate on the side where the TFT and the pixel electrode are not provided. The method of irradiating light is mentioned. Since the electrode portion of the TFT is shielded from light, the black resist layer on the TFT remains and becomes a black matrix after the subsequent resist removal step. (Then, a photocatalytic thin film is provided on the image electrode as described above, and a color filter film is formed as described above.)
In addition, since the light shielding property of the gate electrode and the source electrode of the TFT circuit is originally high, if the gate electrode and the source electrode are formed of a low reflection metal film, for example, a two-layer Cr film, the electrode is formed after the color filter is formed. Since the power supply line portion also serves as a black matrix, it is not necessary to provide a black matrix separately. In this case, the aperture ratio of the color filter can be increased to the limit, and a very bright and high-definition liquid crystal display element can be formed.
[0055]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to examples, but the present invention is not limited thereto.
Example 1
<Production of liquid crystal display substrate>
A transparent conductive film (ITO) was formed to 100 nm on the entire surface of a non-alkali glass substrate (Corning 7059 glass) having a thickness of 0.7 mm. A 200 nm-thick titanium oxide thin film was formed on this ITO film by RF sputtering. Next, an excimer laser (spot diameter: 10 μm) with an output of 70 W was scanned to scrape only the titanium oxide film to expose the ITO thin film in the region where the black matrix was formed. This was used as a liquid crystal display substrate.
<Red colored film formation>
Next, a styrene-acrylic acid copolymer (molecular weight 13,000, hydrophobic group / (hydrophilic group + hydrophobic group) molar ratio 65%, acid value 150) and the red ultrafine pigment are mixed in a resin / weight ratio by weight. The liquid crystal display substrate is electrolyzed with at least a titanium oxide thin film and an ITO thin film in an electrolyte solution (pH = 7.8, conductivity = 8 mS / cm) having a solid content concentration of 10% by weight dispersed in pigment = 0.7. The liquid was placed in contact with the liquid. Deep UV light (light intensity 50 mW / cm) from the back side (ITO film side) through a photomask for red filter2) For 1 minute. As this light source, a uniform irradiation light source (Hg-Xe lamp, manufactured by Yamashita Denso, 1 KW) was used. As a result, a red colored film was formed only on the portion irradiated with light. Next, this substrate was washed with pure water.
<Green colored film formation>
Resin / pigment of styrene-acrylic acid copolymer (molecular weight 13,000, hydrophobic group / (hydrophilic group + hydrophobic group) molar ratio 65%, acid value 150) and phthalocyanine green ultrafine pigment in weight solid content ratio = A 0.5 wt% electrolyte solution (pH = 7.8, conductivity = 8 mS / cm) was prepared. The substrate was brought into contact with this electrolytic solution in the same manner as in the formation of the red colored film, and deep UV light was irradiated through the green filter photomask under the same conditions. As a result, a green colored film was formed only on the portion irradiated with light. Next, this substrate was washed with pure water.
<Blue colored film formation>
Styrene-acrylic acid copolymer (molecular weight 13,000, hydrophobic group / (hydrophilic group + hydrophobic group) molar ratio 65%, acid value 150) and phthalocyanine blue ultrafine pigment at a weight solid content ratio of resin / pigment = 0 An electrolyte solution (pH = 7.8, conductivity = 8 mS / cm) having a solid content concentration of 10% by weight, dispersed in .7, was prepared. The substrate was brought into contact with this electrolytic solution in the same manner as in the formation of the red colored film, and Deep UV light was irradiated under the same conditions through a blue filter photomask. As a result, a blue colored film was formed only on the portion irradiated with light. Next, this substrate was washed with pure water.
Through the above steps, a color filter having red, green and blue colored films formed thereon was produced.
<Preparation of black matrix>
An ultraviolet curable resin containing carbon black was applied on the entire surface of the colored film forming surface of the substrate on which the colored films of red, green and blue were formed. Ultraviolet rays were irradiated from the back surface of the substrate to which no ultraviolet curable resin was applied. The black ultraviolet curable resin is cured only in a region where the ultraviolet rays pass through the glass substrate. The other part of the UV curable resin was washed away with acetone.
(Example 2)
<Production of liquid crystal display substrate>
A transparent conductive film (ITO) having a thickness of 150 nm was formed on the entire surface of a non-alkali glass substrate (Corning 7059 glass) having a thickness of 0.7 mm. A 200 nm-thick titanium oxide thin film was formed on this ITO film by RF sputtering. Next, the substrate is brought into contact with an aqueous sulfuric acid solution having a concentration of 10% by weight, and a He—Cd laser (spot diameter: 7 μm) with an output of 5 mW is scanned to photoetch the titanium oxide, thereby forming a black matrix. The ITO thin film was exposed. This was used as a liquid crystal display substrate.
<Red colored film formation>
Next, a styrene-acrylic acid copolymer (molecular weight 13,000, hydrophobic group / (hydrophilic group + hydrophobic group) molar ratio 65%, acid value 150) and the red ultrafine pigment are mixed in a resin / weight ratio by weight. The liquid crystal display substrate is electrolyzed with at least a titanium oxide thin film and an ITO thin film in an electrolyte solution (pH = 7.8, conductivity = 8 mS / cm) having a solid content concentration of 10% by weight dispersed in pigment = 0.7. The liquid was placed in contact with the liquid. Deep UV light (light intensity 50 mW / cm) from the back side (ITO film side) through a photomask for red filter2) For 1 minute. As this light source, a uniform irradiation light source (Hg-Xe lamp, manufactured by Yamashita Denso, 1 KW) was used. As a result, a red colored film was formed only on the portion irradiated with light. Next, this substrate was washed with pure water.
<Green colored film formation>
Resin / pigment of styrene-acrylic acid copolymer (molecular weight 13,000, hydrophobic group / (hydrophilic group + hydrophobic group) molar ratio 65%, acid value 150) and phthalocyanine green ultrafine pigment in weight solid content ratio = A 0.5 wt% electrolyte solution (pH = 7.8, conductivity = 8 mS / cm) was prepared. The substrate was brought into contact with this electrolytic solution in the same manner as in the formation of the red colored film, and deep UV light was irradiated through the green filter photomask under the same conditions. As a result, a green colored film was formed only on the portion irradiated with light. Next, this substrate was washed with pure water.
<Blue colored film formation>
Styrene-acrylic acid copolymer (molecular weight 13,000, hydrophobic group / (hydrophilic group + hydrophobic group) molar ratio 65%, acid value 150) and phthalocyanine blue ultrafine pigment at a weight solid content ratio of resin / pigment = 0 An electrolyte solution (pH = 7.8, conductivity = 8 mS / cm) having a solid content concentration of 10% by weight, dispersed in .7, was prepared. The substrate was brought into contact with this electrolytic solution in the same manner as in the formation of the red colored film, and Deep UV light was irradiated under the same conditions through a blue filter photomask. As a result, a blue colored film was formed only on the portion irradiated with light. Next, this substrate was washed with pure water.
Through the above steps, a color filter having red, green and blue colored films formed thereon was produced.
<Preparation of black matrix>
An ultraviolet curable resin containing carbon black was applied on the entire surface of the colored film forming surface of the substrate on which the colored films of red, green and blue were formed. Ultraviolet rays were irradiated from the back surface of the substrate to which no ultraviolet curable resin was applied. The black ultraviolet curable resin is cured only in a region where the ultraviolet rays pass through the glass substrate. The other part of the UV curable resin was washed away with acetone.
(Example 3)
<Production of liquid crystal display substrate>
A transparent conductive film (ITO) having a thickness of 150 nm was formed on the entire surface of a non-alkali glass substrate (Corning 7059 glass) having a thickness of 0.7 mm. A 200 nm-thick titanium oxide thin film was formed on this ITO film by RF sputtering. Next, a resist was formed only in the region where the color filter layer was deposited by using a photolithography method, and then the entire surface was irradiated with ultraviolet rays while contacting the substrate with a sulfuric acid aqueous solution having a concentration of 10% by weight. By this photoetching, the ITO thin film corresponding to the region where the black matrix is formed was exposed. Next, the resist was removed with acetone to expose the surface of the titanium oxide thin film, which was used as a liquid crystal display substrate.
<Red colored film formation>
Next, a styrene-acrylic acid copolymer (molecular weight 13,000, hydrophobic group / (hydrophilic group + hydrophobic group) molar ratio 65%, acid value 150) and the red ultrafine pigment are mixed in a resin / weight ratio by weight. The liquid crystal display substrate is electrolyzed with at least a titanium oxide thin film and an ITO thin film in an electrolyte solution (pH = 7.8, conductivity = 8 mS / cm) having a solid content concentration of 10% by weight dispersed in pigment = 0.7. The liquid was placed in contact with the liquid. Deep UV light (light intensity 50 mW / cm) from the back side (ITO film side) through a photomask for red filter2) For 1 minute. As this light source, a uniform irradiation light source (Hg-Xe lamp, manufactured by Yamashita Denso, 1 KW) was used. As a result, a red colored film was formed only on the portion irradiated with light. Next, this substrate was washed with pure water.
<Green colored film formation>
Resin / pigment of styrene-acrylic acid copolymer (molecular weight 13,000, hydrophobic group / (hydrophilic group + hydrophobic group) molar ratio 65%, acid value 150) and phthalocyanine green ultrafine pigment in weight solid content ratio = A 0.5 wt% electrolyte solution (pH = 7.8, conductivity = 8 mS / cm) was prepared. The substrate was brought into contact with this electrolytic solution in the same manner as in the formation of the red colored film, and deep UV light was irradiated through the green filter photomask under the same conditions. As a result, a green colored film was formed only on the portion irradiated with light. Next, this substrate was washed with pure water.
<Blue colored film formation>
Styrene-acrylic acid copolymer (molecular weight 13,000, hydrophobic group / (hydrophilic group + hydrophobic group) molar ratio 65%, acid value 150) and phthalocyanine blue ultrafine pigment at a weight solid content ratio of resin / pigment = 0 An electrolyte solution (pH = 7.8, conductivity = 8 mS / cm) having a solid content concentration of 10% by weight, dispersed in .7, was prepared. The substrate was brought into contact with this electrolytic solution in the same manner as in the formation of the red colored film, and Deep UV light was irradiated under the same conditions through a blue filter photomask. As a result, a blue colored film was formed only on the portion irradiated with light. Next, this substrate was washed with pure water.
Through the above steps, a color filter having red, green and blue colored films formed thereon was produced.
<Preparation of black matrix>
An ultraviolet curable resin containing carbon black was applied on the entire surface of the colored film forming surface of the substrate on which the colored films of red, green and blue were formed. Ultraviolet rays were irradiated from the back surface of the substrate to which no ultraviolet curable resin was applied. The black ultraviolet curable resin is cured only in a region where the ultraviolet rays pass through the glass substrate. The other part of the UV curable resin was washed away with acetone.
[0056]
(Example 4)
<Production of liquid crystal display substrate>
As shown in FIG. 2, a pixel electrode of a thin film transistor (TFT) and a transparent conductive film (ITO) was formed by a conventional method on a non-alkali glass substrate (Corning 1737 glass) having a thickness of 0.7 mm. At this time, the gate electrode and the drain electrode of the TFT were formed of two-layer chrome so that the electrode and the power supply line portion could also serve as a black matrix after the color filter layer was formed.
Next, a 200 nm titanium oxide thin film was formed by RF sputtering.
Thereafter, using an excimer laser (spot diameter: 10 μm) with an output of 70 W, the titanium oxide film was removed so that a part of the pixel electrode was exposed as shown in the figure. This was used as a liquid crystal display substrate. This exposed region is also used to slew the transparent electrode and TFT provided on the colored film after the colored film is formed.
<Red colored film formation>
Next, a styrene-acrylic acid copolymer (molecular weight 13,000, hydrophobic group / (hydrophilic group + hydrophobic group) molar ratio 65%, acid value 150) and the red ultrafine pigment are mixed in a resin / weight ratio by weight. In an electrolyte solution (pH = 7.8, conductivity = 8 mS / cm) having a solid content concentration of 10% by weight dispersed in pigment = 0.7, the liquid crystal display substrate is composed of at least a titanium oxide thin film and an ITO thin film. It arranged so that it might touch. Deep UV light (light intensity 50 mW / cm) from the back side (ITO film side) through a photomask for red filter2) For 1 minute. As this light source, a uniform irradiation light source (Hg-Xe lamp, manufactured by Yamashita Denso, 1 KW) was used. As a result, a red colored film was formed only on the portion irradiated with light. Next, this substrate was washed with pure water.
<Green colored film formation>
Resin / pigment of styrene-acrylic acid copolymer (molecular weight 13,000, hydrophobic group / (hydrophilic group + hydrophobic group) molar ratio 65%, acid value 150) and phthalocyanine green ultrafine pigment in weight solid content ratio = A 0.5 wt% electrolyte solution (pH = 7.8, conductivity = 8 mS / cm) was prepared. The substrate was brought into contact with this electrolytic solution in the same manner as in the formation of the red colored film, and deep UV light was irradiated through the green filter photomask under the same conditions. As a result, a green colored film was formed only on the portion irradiated with light. Next, this substrate was washed with pure water.
<Blue colored film formation>
Styrene-acrylic acid copolymer (molecular weight 13,000, hydrophobic group / (hydrophilic group + hydrophobic group) molar ratio 65%, acid value 150) and phthalocyanine blue ultrafine pigment at a weight solid content ratio of resin / pigment = 0 An electrolyte solution (pH = 7.8, conductivity = 8 mS / cm) having a solid content concentration of 10% by weight, dispersed in .7, was prepared. The substrate was brought into contact with this electrolytic solution in the same manner as in the formation of the red colored film, and Deep UV light was irradiated under the same conditions through a blue filter photomask. As a result, a blue colored film was formed only on the portion irradiated with light. Next, this substrate was washed with pure water.
[0057]
Finally, a transparent electrode made of ITO was formed on the color filter layer and made conductive with the previously opened ITO transparent electrode.
Through the series of steps described above, a full color TFT integrated color filter in which red, green and blue colored films were formed on a predetermined pixel electrode was produced. Further, since the gate electrode and the drain electrode of the TFT are formed of the two-layer chromium as described above, the electrode and the power supply line portion functioned sufficiently as a black matrix without forming a black matrix separately.
[0058]
【The invention's effect】
The present invention uses a photocatalyst film formation method as a film formation method in the color filter manufacturing method, and forms a patterned photocatalyst thin film in contact with the conductive thin film as described above. In addition to being able to produce a color filter that is low, low cost, high in controllability, it has the advantage that the resolution of the obtained color filter is particularly excellent.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a cross-sectional view of an example of a substrate for producing a color filter on which a patterned photocatalytic thin film is formed according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing an inverted staggered channel embedded TFT structure.
FIG. 3 is a view in which a photocatalytic thin film is provided on the TFT substrate of FIG.
4 is a view in which the photocatalytic thin film of the TFT substrate of FIG. 3 is removed so that a part of the pixel electrode is exposed.
FIG. 5 shows a diagram in which a color filter layer is formed using the TFT substrate of FIG.
6 shows a view in which a conductive thin film is formed on the color filter layer of FIG. 5. FIG.
FIG. 7 is a view showing an example of an apparatus for producing the color filter of the present invention.
FIG. 8 is a conceptual diagram showing the principle of a film forming method based on a photocatalytic reaction that is used in the present invention.
FIG. 9 is a view showing that a conductive thin film is insulated in a film forming method based on a photocatalytic reaction, and the conductive thin film is connected to an electrode in an electrolytic solution by a lead wire.
[Explanation of symbols]
10: transparent substrate, 12: conductive thin film, 14: photocatalytic thin film, 16: electrolyte, 22: gate electrode, 28: source electrode, 30: drain electrode, 40: pixel electrode, 42: photocatalytic thin film, 50: color filter Film 52: conductive film 71: photomask 72: imaging optical lens 73: imaging optical lens
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