JP3903553B2 - Staircase structure on the floor where seismic isolation devices are installed - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既存建物の中間階に免震装置を付加した場合において、その中間階と上下階を結ぶ階段を地震などの揺れによる変位に対応させた免震装置設置階における階段構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存建物の耐震改修方法の一つとして、免震装置を付加する工法がある。この工法は、中間階の既存柱に軸力支持材を配置した上で、柱の上下を一旦切離し、切離した中間部に免震ゴムなどの免震装置により柱をつなぎ、次いで前記軸力支持材を撤去する工法であり、その改修にあたっては、工事範囲を免震装置設置階であって、柱の周囲のみに限定できるため、その建物の日常的使用に支障を与えることなく工事できる利点がある。
【0003】
そして、この工法では、前記柱を免震構造にした後、柱の切断レベルの線に沿って壁などに免震スリットを形成することで、建物の上下を完全に切離し、免震装置のみにより建物荷重を支持する。
【0004】
この種の改修が施された建物は、図5(a)に示すように、階段室1を構成する壁2にも免震スリット2aが形成される。なお、図中符号3は中間階の柱、4は柱3の間に介在された免震装置、5は階段室1内に配置された二つの階段であり、中間踊場6を介してく字型に配置されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上の免震構造を付加した建物にあっては、地震時に図5(b)に示すように、その中間階の位置で、建物が水平方向に相対的に変位する。このような場合に、階段室1に配置されている下部側階段5が、従来のまま剛体で構成されていると、スリット2aの上下位置において、階段5に水平方向のせん断力が作用するため、その水平力によって階段5が変形したり破損し、この種の災害時に唯一の避難経路となる階段5の上下動線が寸断されるおそれがあった。
【0006】
本発明は、以上の問題を解決するものであり、その目的は、地震発生時に十分な避難動線を確保でき、また、地震発生時に階段部分を人が通過する場合における安全性を十分なものとできる免震装置設置階における階段構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明は、既存建物の中間階に位置する柱に免震装置を配置するとともに、該免震装置の設置位置と同一レベルの線上に沿って、壁に免震スリットを形成することで、建物を上階と下階とに切離し、前記免震装置によって支持するようにした建物において、前記免震装置設置階の階段室に配置される階段の各段板を、前記免震スリットによって上下に分割される壁面側の側桁に固定された段板と、階段室中央側の側桁に固定された段板との二枚で構成し、かつ両者の自由端部が互いに階段の幅方向に沿って相対移動可能に重ね合せた構造とし、さらに壁面側の側桁の上端及び下端、ならびに、階段室中央側の側桁の上端または下端の少なくとも一方が、踊場床面に対し幅方向に相対移動可能に設置されていることを特徴とするものである。
【0008】
以上により、本発明にあっては、地震動が前記階段に加わると、重ね合される段板同士が幅方向に互いに伸縮し、しかも、登り方向に階段全体がずれることで、水平方向の全方位にわたる変位を吸収する。これによって階段自体の損壊を防止するとともに、地震時における踏み幅寸法が保持される。
【0009】
また、本発明では、前記重ね合された段板の下部側に、伸縮可能なガイドビームを設けてガイドビーム間を連結したことにより、階段の幅方向以外の水平変位が加わっても、段板同士はガイドビームにガイドされた幅方向のみの伸縮に規制され、これによって段板間の衝突なども防止できる。
【0010】
さらに、本発明では、壁面側および階段室中央側の側桁の、上端または下端のいずれかが、踊場床面に対し昇降方向に相対移動可能に設置されていることにより、より確実に階段の損壊を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、階段室の構成は基本的に前記従来例にかかる図5に示す構造と全く同一であるので、同一部分には同一符号を付し、新規な部分および新たに説明を付加する部分のみ新たな符号を用いて説明する。
【0012】
図1、図2において、階段室1は、壁2で囲われる平面視長方形断面を建物の各階を全通して形成したもので、免震装置設置階においては、ドア10によって出入り可能な当該階の踊場12、前述の中間踊場6、上階踊場14とを備えている。
【0013】
そして、本実施形態では、中間踊場6の上部において壁2に免震スリット2aが形成されている場合を示し、従って中間踊場6と上階踊場14との間に、本発明の鉄骨製階段18を配置している。
【0014】
この階段18は、壁2の壁面に沿って配置され、踊場14,6間を所定の勾配で結ぶ内壁側側桁20と、階段室1の中心位置に配置され、踊場14,6間を結ぶ中央側桁22と、一端を内壁側側桁20に多段に固定された可動段板24および一端を中央側桁22に多段に固定された固定段板26からなり、両段板24,26の自由端側は互いに重ね合され、幅方向に相対移動可能としている。
【0015】
前記側桁22の上端は、上階踊場14に固定され、また、側桁20,22の下端は中間踊場6に対して登り方向に移動可能に設置されている。
【0016】
なお、図1において符号23は、階段5,18の中央側に配置された手摺である。また、柱3および免震装置4については、本実施形態では省略しているが、基本的には、前記図5と同じであり、免震装置設置階に前記免震スリット2aが形成される。
【0017】
以上において、図1,2(a)に示す通常状態から、変位Lが発生すると、その変位Lの階段18に対する登り方向分力により、図1(b)に示すように、階段18の下端が踊場12の床面からずれることにより、登り方向分力が吸収される。
【0018】
また、変位Wの階段18の幅方向分力により、可動段板24が固定段板26に対して移動することで、幅方向分力が吸収される。
【0019】
以上により、階段18はその揺れに応じて段板24,26間を伸縮させつつ階段18全体が登り方向に往復移動し、各段板24,26の踏み幅を一定に保ったまま常態を維持することになり、これによって階段18自体の損壊を防止しつつ、上下の避難動線を確保する。
【0020】
次に、図3,4により前記階段18のより詳細な構造を説明する。
【0021】
まず、図3は、以上の構成からなる階段18の踊場6との接合位置近傍における、より詳細な断面構造を示している。図において、踊場6を構成する床版6aの前部側には、一段低い段差が形成され、この上面には鋼板製のガイドプレート28が埋設固定されている。
【0022】
これに対し、前記側桁20,22の下端部間において、前記各段板24,26の下部に連続してそれぞれに連結された踏板30,32が積層状態に配置され、この踏板30,32はガイドプレート28の前半部上面に移動可能に設置されている。また、ガイドプレート28の後半部上面には可動マット34が敷設され、通常常態における上部側踏板30との平坦性を確保している。
【0023】
ガイドプレート28の長さは、前記踏板30の移動量である変位L×2倍の長さであり、図示の位置から水平変位が生じ、階段18が最大限前進しても下端は床版12a上に保持される。また、最大限後退するときにはマット34を弾性変形しつつガイドプレート28上を後退する。
【0024】
なお、前記変位Lの最大値としては、先の阪神大震災の規模などに鑑み、実寸法で400mm程度が妥当であり、従って800mm前進後退しても、階段の下端が踊場28上に支持されるべくガイドプレート28の長さが設定されることが好ましい。
【0025】
次に、前記可動段板24と固定段板26の下部には、両者間を摺動可能に連結したガイドビーム36が配置されている。
【0026】
このガイドビーム36は、図4に示すごとく固定段板26の下面にその幅方向に沿って固定された断面矩形状のシリンダ38と、シリンダ38内に摺動可能に挿通されたピストン42と、一端をピストン42に連結され、他端を側桁20側に連結したプランジャ44と、シリンダ38内に配置され前記ピストン42を押出し方向に圧縮付勢するバネ46およびシリンダ38の内部にあってピストン42に固定され、前記シリンダ38の上側部材に接触するガイドローラ48を備えている。
【0027】
さらに、段板24,26間の段差解消のために、可動段板26上には前記と同様可動マット50が敷設され、両段板間の平坦性を確保している。
【0028】
従って、この構成によれば、(a)に示す通常状態で常時バネ46の押圧力によって可動側桁20は壁2側に押しつけられ、階段18の幅を一定に保持している。
【0029】
この状態で(b)に示すように変位Wが生じ、壁2が前進すると、ピストン42および可動段板24ともに幅方向に前進し、階段幅をバネ46の付勢圧に抗してマット50を押しのけつつ縮小させる。なお、変位Wは全方向にわたっているが、このガイドビーム36によって、段板24,26はその幅方向の水平分力が働くだけに規制され、登り方向に対しては、階段18全体が動くだけとなる。
【0030】
なお、この状態ではバネ圧により変位時における衝撃が緩和され、過度の前進を妨げられる。
【0031】
以後、変位に追随した伸縮を繰返し、振動が収れば、再びもとの状態に復帰する。従って、以上の動作によって階段18そのものの損壊や、踊場からの脱落を防止できることになる。
【0032】
なお、図3にはガイドビーム36を一カ所のみ設けた場合を示したが、複数ないし、全ての重なり合う段板24,26間に配置することも可能である。
【0033】
また、実施例では階段18の上端を踊場14に固定し、下端を中間踊場6に移動可能に設置した構造としたが、逆の配置でもよいことは勿論である。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明による免震装置設置階における階段構造によれば、免震装置設置階において、地震発生時に階段が損傷することを未然に防止でき、この種の災害時における避難動線としての階段の安全性を十分に確保できる。また、この構造にあっては、地震時に階段を昇降する人がいた場合であっても、安全に昇降できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は本発明による階段を備えた階段室の通常時、および水平変位発生時の側断面図である。
【図2】(a),(b)は図1(a)のA−A線断面における通常時および水平変位発生時における正断面図である。
【図3】図1(a)におけるB部を拡大して示す部分断面図である。
【図4】(a),(b)は図3のC−C線におけ通常時および水平変位発生時におけるる側断面図である。
【図5】(a),(b)は免震構造を施した建物における階段室の通常時および地震による変位発生時における不具合を示す説明図である。
【符号の説明】
1 階段室
2 階段室の壁
3 柱
4 免震装置
6 中間踊場
12踊場
18 階段
20 内壁側側桁
22 中央側桁
24 可動段板
26 固定段板
36 ガイドビーム[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a staircase structure on a floor where a seismic isolation device is installed, in which when a seismic isolation device is added to an intermediate floor of an existing building, a stair connecting the intermediate floor and upper and lower floors is made to correspond to a displacement caused by shaking such as earthquake.
[0002]
[Prior art]
One method of retrofitting existing buildings is to add seismic isolation devices. In this construction method, axial support materials are placed on existing columns on the intermediate floor, the columns are temporarily separated from each other, the columns are connected to the separated intermediate parts by seismic isolation devices such as seismic isolation rubber, and then the axial force support is performed. It is a construction method that removes materials, and in the renovation, the construction scope is on the seismic isolation equipment installation floor and can be limited only to the periphery of the pillar, so there is an advantage that construction can be done without hindering daily use of the building is there.
[0003]
And in this construction method, after making the column a seismic isolation structure, a seismic isolation slit is formed in the wall etc. along the line of the column cutting level, so that the top and bottom of the building are completely separated, and only the seismic isolation device is used. Support building loads.
[0004]
As shown in FIG. 5A, a building subjected to this type of renovation has a seismic isolation slit 2a formed on a
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In a building with the above seismic isolation structure, the building is relatively displaced in the horizontal direction at the position of the intermediate floor as shown in FIG. In such a case, if the
[0006]
The present invention solves the above problems, and its purpose is to ensure a sufficient evacuation flow line in the event of an earthquake, and to ensure sufficient safety when a person passes through the stairs when an earthquake occurs. It provides a staircase structure on the seismic isolation device installation floor.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention arranges a seismic isolation device on a column located on an intermediate floor of an existing building, and segregates the wall along the same level line as the installation position of the seismic isolation device. By forming a slit, the building is separated into an upper floor and a lower floor and supported by the seismic isolation device, and each step plate of the stairs arranged in the staircase of the seismic isolation device installation floor is , Composed of two plates, a step plate fixed to the side beam on the wall surface divided vertically by the seismic isolation slit, and a step plate fixed to the side beam on the center side of the staircase, and the free ends of both The upper and lower ends of the side girders on the wall surface side and the upper and lower ends of the side girders on the center side of the staircase are at the landing stage. Installed so that it can move relative to the floor in the width direction. It is an feature.
[0008]
As described above, in the present invention, when seismic motion is applied to the stairs, the stacked step plates expand and contract with each other in the width direction, and the entire stairs are displaced in the climbing direction, so that the horizontal direction is omnidirectional. Absorb the displacement over. This prevents damage to the staircase itself and maintains the step width dimension during an earthquake.
[0009]
Further, in the present invention, by providing an extendable guide beam on the lower side of the superimposed step plates and connecting the guide beams, the step plate can be applied even if a horizontal displacement other than the width direction of the stairs is applied. The members are restricted to expansion and contraction only in the width direction guided by the guide beam, thereby preventing a collision between the step plates.
[0010]
Furthermore, in the present invention, either the upper end or the lower end of the side girders on the wall surface side and the staircase center side is installed so as to be relatively movable in the ascending / descending direction with respect to the landing floor surface. Damage can be prevented.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings. Since the structure of the staircase is basically the same as the structure shown in FIG. 5 according to the conventional example, the same parts are denoted by the same reference numerals, and only new parts and parts to which new explanations are added are newly added. This will be described using various reference numerals.
[0012]
1 and 2, the
[0013]
And in this embodiment, the case where the seismic isolation slit 2a is formed in the
[0014]
The
[0015]
The upper ends of the
[0016]
In FIG. 1,
[0017]
In the above, when the displacement L is generated from the normal state shown in FIGS. 1 and 2A, the lower end of the
[0018]
Further, the
[0019]
As described above, the
[0020]
Next, a more detailed structure of the
[0021]
First, FIG. 3 shows a more detailed cross-sectional structure in the vicinity of the position where the
[0022]
On the other hand, between the lower ends of the
[0023]
The length of the
[0024]
Note that the maximum value of the displacement L is about 400 mm in actual dimensions in view of the scale of the Great Hanshin Earthquake. Therefore, the lower end of the staircase is supported on the landing 28 even if it moves forward and backward by 800 mm. Therefore, the length of the
[0025]
Next, a
[0026]
As shown in FIG. 4, the
[0027]
Further, in order to eliminate the step between the
[0028]
Therefore, according to this configuration, the
[0029]
In this state, when a displacement W occurs as shown in (b) and the
[0030]
In this state, the spring pressure reduces the impact during displacement and prevents excessive advancement.
[0031]
Thereafter, the expansion and contraction following the displacement is repeated, and when the vibration is stopped, the original state is restored again. Therefore, it is possible to prevent the
[0032]
Although FIG. 3 shows a case where only one
[0033]
In the embodiment, the upper end of the
[0034]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, according to the staircase structure on the seismic isolation device installation floor according to the present invention, it is possible to prevent the staircase from being damaged at the time of earthquake occurrence on the seismic isolation device installation floor. The safety of the stairs as an evacuation flow line can be sufficiently secured. Also, with this structure, even if there is a person who goes up and down the stairs during an earthquake, it can be raised and lowered safely.
[Brief description of the drawings]
FIGS. 1A and 1B are side sectional views of a staircase with a staircase according to the present invention at normal time and when horizontal displacement occurs.
FIGS. 2A and 2B are front cross-sectional views taken along a line AA in FIG. 1A at a normal time and when a horizontal displacement occurs.
FIG. 3 is an enlarged partial cross-sectional view showing a portion B in FIG.
4A and 4B are side cross-sectional views taken along the line CC of FIG. 3 when normal and when horizontal displacement occurs.
5 (a) and 5 (b) are explanatory diagrams showing problems in a staircase in a building having a base-isolated structure during normal times and when a displacement occurs due to an earthquake.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (3)
前記免震装置設置階の階段室に配置される階段の各段板を、前記免震スリットによって上下に分割される壁面側の側桁に固定された段板と、階段室中央側の側桁に固定された段板との二枚で構成し、かつ両者の自由端部が互いに階段の幅方向に沿って相対移動可能に重ね合せた構造とし、さらに壁面側の側桁の上端及び下端、ならびに、階段室中央側の側桁の上端または下端の少なくとも一方が、踊場床面に対し幅方向に相対移動可能に設置されていることを特徴とする免震装置設置階における階段構造。Place the seismic isolation device on the pillar located on the middle floor of the existing building, and form the seismic isolation slit on the wall along the same level line as the installation position of the seismic isolation device, so that the building In a building that is separated from the lower floor and supported by the seismic isolation device,
Step plates arranged in the staircase on the floor where the seismic isolation device is installed are fixed to the side girders on the wall surface divided up and down by the seismic isolation slit, and the side girders on the center side of the staircase And a structure in which the free ends of both are overlapped so that they can move relative to each other along the width direction of the stairs, and the upper and lower ends of the side girders on the wall surface side, In addition, the staircase structure on the seismic isolation device installation floor is characterized in that at least one of the upper end or the lower end of the side beam on the center side of the staircase is installed so as to be relatively movable in the width direction with respect to the landing floor.
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