JP3902451B2 - Structure of fastener and its buried setting part - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプレキャストコンクリート(以下、「PC」という)製の壁材と建物躯体とを連結するためのファスナー及び当該ファスナーを壁材に埋設した埋設定着部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各種ファスナーを使用して、PCカーテンウォール等の外壁材を建物躯体の床や梁等の水平部材に連結固定することが行われている。
以下、既往の代表的なファスナー9’を使用して、上下2体のPCカーテンウォール5’,6’を、鉄骨梁7’に連結固定した連結固定部(以下、「連結固定部」という)の構造1’を例として説明する。
【0003】
図4〜図6に示すように、既往のファスナー9’は、上下のPCカーテンウォール5’,6’の接合部における内側壁面に沿って設けられている本体プレート10’と、当該本体プレート10’に挿通された状態で下部PCカーテンウォール6’に埋設定着されるとともに、鉄骨梁7’に植立しただぼピン35’に接合される定着金物30’とを備えている。
前記本体プレート10’には、その上部に連結ボルト13’を遊嵌するための溝部10a’が、また、当該溝部10a’の下部には押しボルト挿通孔10b’(符号19’は押しボルトを示す)が、また、下端部には下部PCカーテンウォール6’に対する定着用アイボルト26’の挿通孔10f’が、さらに、当該アイボルト26’の挿通孔10f’の上部には、定着金物30’の埋設部31’の挿通孔10c’がそれぞれ穿設されている。
前記定着金物30’は、下部PCカーテンウォール6’への埋設部31’と、その先端の支持部33’とから形成されており、当該支持部33’には、だぼピン35’を遊嵌するための遊嵌孔33a’が形成されている。
【0004】
従来の連結固定部の構造1’では、前記ファスナー9’を用い、上部PCカーテンウォール5’,6’に埋設された連結ボルト13’を、本体プレート10’の溝部10a’に通し、調整座金14’、滑り材(図示せず)、座金15’及びナット16’を使用して当該本体プレート10’に定着することにより、上部PCカーテンウォール5’が固定されている。また、下部PCカーテンウォール6’は、定着金物30’の埋設部31’を当該下部PCカーテンウォール6’に埋設するとともに、アイボルト26’により定着されている。さらに、鉄骨梁7’は、定着金物30’の支持部33’の下面に座金36’及びナット38’を介してだぼピン35’を接合することにより定着されている。この連結固定部の構造1’によって、上下のPCカーテンウォール5’,6’と鉄骨梁7’を連結固定して、当該上下のPCカーテンウォール5’,6’の荷重を鉄骨梁7’に伝達することができるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記ファスナー9’及び連結固定部の構造1’は、以下のような問題点を有していた。
(1)ファスナー9’の支持耐力が小さく、標準重量が約4t〜5tである大型のPCカーテンウォールに使用することが難しかった。また、ファスナー9’の定着金物30’における支持部33’に局所的に過大な荷重が作用し易いため、大きな支持強度を得ることが難しかった。
(2)ファスナー9’の本体プレート10’に定着金物30’の埋設部31’が挿通されている構造であり、定着金物30’の支持部33’と本体プレート10’との固定度が低く、また、アイボルト26’は定着面積が小さく、その定着力のねばりを期待できないため、大きな荷重を本体プレート10’に有効に伝達することができなかった。
(3)ファスナー9’における定着金物30’の支持部33’においてだぼビン35’が螺着されておらず、建て方作業において当該だぽピン35’が脱落する恐れがあった。
【0006】
本発明は前記の問題点を解決するためになされたものであり、大きな支持強度を確保でき、取り付けを容易かつ確実に行うことができるファスナー及び当該ファスナーを壁材に埋設した埋設定着部の構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明のファスナーは、プレキャストコンクリート製の壁材と建物躯体とを連結するためのファスナーであって、前記壁材に固着されている本体プレートと、前記本体プレートの前記建物躯体側に突設されており、前記建物躯体と接合される定着金物と、前記本体プレートの前記壁材側であり、前記本体プレートと直交する向きに固着されている定着板と、前記定着板に対して直交する向きに配筋されている第1定着筋と、前記定着板において前記壁材の縦筋方向に延出して配筋されている第2定着筋と、を備え、前記定着板における前記第2定着筋の延出部側の端縁部が、前記本体プレートにおける前記第2定着筋の延出部側の端縁部よりも突出する形状に形成されていることを特徴としている。
【0008】
ここで、定着金物は、一体成形されていることが好ましいものである。
また、定着金物は、本体プレートに貫通している固着部と、当該固着部に連設している幅広の拡径部と、当該拡径部と滑らかに結ばれている支持部と、から構成すると、当該定着金物と本体プレートとの固着性を増加させることができるとともに、拡径部と支持部とが滑らかに結ばれている形状であるため当該支持部に局所的に過大な荷重が作用することを防止することができる。なお、前記拡径部は、断面形状が固着部側から小さくなるとともに、支持部の先端において、前記支持部材の挿通孔が穿設されていることが好ましい。
【0009】
本発明によれば、本体プレート、定着板及び定着金物を固着していることから、各部材の定着力を高めることができ、定着金物を面内水平力及び面内鉛直力で有効に抵抗させることができる。
また、定着板における第2定着筋の延出部側の端縁部が、本体プレートにおける前記第2定着筋の延出部側の端縁部よりも突出する形状に形成されているため、定着金物に過大な荷重が作用した場合であっても、当該突出部が抵抗力を発揮できることから、壁材の重量が大きい場合にも適用可能である支持耐力の大きいファスナーとすることができる。
さらに、前記突出している端縁部を有する定着板と、当該定着板において前記壁材の縦筋方向に延出して配筋されている第2定着筋とを備えていることから、前記第2定着筋を長寸法とすることができる。そのため、第2定着筋が抵抗力を発揮できることから、壁材の重量が大きい場合にも適用可能な支持耐力の大きいファスナーとすることができる。
【0010】
なお、前記定着板は、複数枚設けることが好ましいものである。
また、第1定着筋も定着板の上下に配筋することが好ましいものである。この場合には、定着板を本体プレートの端縁部よりも突出して形成することにより、上下の第1定着筋間の距離を長くすることができるため、定着金物に過大な荷重が作用した場合であっても、複数本の第1定着筋の抵抗力により大きな定着耐力を確保することができる。
【0011】
また、本発明の前記ファスナーの埋設定着部の構造は、前記壁材に前記定着板、前記第1定着筋及び前記第2定着筋を埋設するとともに、側面視で、前記本体プレートと前記第2定着筋の間に、前記縦筋方向の補強筋を配筋したことを特徴としている。
ここで、補強筋は、第1定着筋と定着板との間に設けることが配筋を行う上で好適である。なお、補強筋の長さには特に制限はない。
【0012】
本発明によれば、本体プレートと第2定着筋の間に、他の補強筋を配設することにより、埋設定着部におけるファスナーの定着耐力を高めることができることから、壁材の重量が大きい場合にも適用可能な構造とすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明では、上下2体のPCカーテンウォール5,6(壁材)に対して水平態となるように鉄骨梁7(建築躯体)がファスナー9により接合されており、その場合における連結固定部の構造1を例として説明する。ここで、上下のPCカーテンウォール5,6には、水平方向及び鉛直方向にそれぞれ、複数の横筋6a及び縦筋6b(下部PCカーテンウォール6のみ図示する)が配筋されている。また、側面視とは、図1に示す方向をいう。
【0014】
[ファスナー]
図1〜図3に示すように、前記ファスナー9は、本体プレート10、2枚の定着板20及び定着金物30から構成される本体部と、連結ボルト13,押しボルト19及び支持ボルト35等から構成される付属部品とを備えている。
【0015】
○本体プレート
本体プレート10は、上部PCカーテンウォール5の自重等の荷重を下部PCカーテンウォール6と鉄骨梁7に伝達するための鋼製の板状部材であり、上下のPCカーテンウォール5,6の接合部における内側(鉄骨梁7側)壁面に跨設されている。
前記本体プレート10の上端部の中央には、連結部材である連結ボルト13を挿通するために上縁部が解放されている溝部10aが、また、当該溝部10aの下部には押しボルト挿通孔10bが、また、当該押しボルト挿通孔10bの下部には定着金物挿通孔10cが穿設されている。なお、定着金物挿通孔10cの上部にはエア抜き孔10dが穿設されている。
【0016】
○定着板
本体プレート10の下半部のPCカーテンウォール5,6側には、その壁面に対して垂直に、2つの鋼製の定着板20が定着金物挿通孔10cを挟んで所定間隔を隔てて溶接されている。この定着板20は、2枚の略長方形形状部とその間の略菱形形状部を結合させた形状であり、上下方向に突出部20a,20bを有し、下方の突出部20bにおける下端部(端縁部)が本体プレート10の下端部10e(端縁部)よりもさらに突出して形成されている。なお、この下方の突出部20bは、ファスナー9の定着部における定着耐力を増加させるために、下部PCカーテンウォール6の内部側(端部と反対側)に延出するように設けられている。
【0017】
この各定着板20には、水平方向のかんざし筋21A,21B(第1定着筋)の挿通孔20cが穿設されており(本実施形態ではそれぞれ2孔づつ)、当該挿通孔20cを貫通した状態で上下のかんざし筋21A,21Bが平行に(定着板20の壁面に対して直交する向きに)配筋されている。さらに、前記各定着板20の外側壁面には、鉛直方向(下部PCカーテンウォール6の縦筋6b方向)にひげ筋22(第2定着筋)が溶接されている。なお、これらのかんざし筋21,21Bとひげ筋22は、ファスナー9の定着耐力を増加させること、及び、本体プレート10の補剛を目的として設けるものである。
【0018】
○定着金物
定着金物30は、上下のPCカーテンウォール5,6の荷重を、後記支持ボルト35(支持部材)を介して、鉄骨梁7に伝達するために設けられている一体成型された鋼製のブラケットである。
前記定着金物30は、固着部31と、当該固着部31に連設されており鉛直方向に幅広となっている拡径部32と、当該拡径部32から鉄骨梁7側に向かい鉛直方向に連続して滑らかに幅狭となっている支持部33と、から構成されている。前記定着金物30の固着部は、本体プレート10の定着金物挿通孔10cに挿通された状態で溶接されており、当該本体プレート10と定着金物30は一体となっている。
また、支持部33は、略ブロック状になっているが、平面視で両側面が鉄骨梁7側に向けてテーバー状に拡がるとともに、円弧状の球面と滑らかに結合して形成されており、その先端部には、鉛直方向のネジ孔33aが穿設されている(図3参照)。
【0019】
[連結固定部の構造]
連結固定部の構造1は、前記ファスナー9と上部PCカーテンウォール5との接合部(以下、「上部接合部2」という)、前記ファスナー9を下部PCカーテンウォール6に埋設した埋設定着部3及び前記ファスナー9と鉄骨梁7との接合部(以下、「下部接合部4」という)から構成されている。そして、この構造により、上下のPCカーテンウォール5,6と鉄骨梁7を連結固定して、当該上下のPCカーテンウォール5,6の荷重を鉄骨梁7に伝達することができるようになっている。
【0020】
○上部接合部
上部接合部2は、上部PCカーテンウォール5に埋設された連結ボルト13を、ファスナー9の本体プレート10に螺着する構造となっている。以下、その構造について詳述する。
上部PCカーテンウォール5の下端部における下部PCカーテンウォール6との接合部の近傍には、当該上部PCカーテンウォール5の製作時に予め埋設されている連結ボルト13が、先端部を鉄骨梁7側に突出させた状態で設けられている。この連結ボルト13の突出部は、前記本体プレート10の溝部10aに遊挿され、調整座金14、滑り材(図示せず)及び座金15を介して、ナット16で螺着締結させることにより、上部PCカーテンウォール5と本体プレート10が固定されている。なお、符号18は、上部PCカーテンウォール5の内側壁面に沿って設けられている鋼板である。
【0021】
また、押しボルト19が、前記押しボルト挿通孔10bに挿通されている。この押しボルト19は、上部PCカーテンウォール5に定着した鋼板18に当接させることによって、上部PCカーテンウォール5の建入れを調節するために設けるものである。
さらに、調整座金14には、ロッキング方式に対応する場合は縦長となり、スウェイ方式に対応するときは横長となるように前記連結ボルト13を遊挿可能である溝孔14aが穿設されている。
【0022】
○埋設定着部
埋設定着部3では、下部PCカーテンウォール6の上部の壁内に、ファスナー9の各定着板20とかんざし筋21A,21Bとひげ筋22と定着金物30の固着部31が埋設され、当該下部PCカーテンウォール6と本体プレート10とが固定されている構造となっている。
また、下部PCカーテンウォール6における上部かんざし筋21Aの上面部には側面視で鉤状に形成されている複数本(本実施形態では4本)の補強筋25(他の補強筋)が、下部PCカーテンウォール6の縦筋6b方向に所定間隔で配筋されている。この補強筋25は、上部かんざし筋21Aの上面部及び側面部と下部かんざし筋21Bの側面部に沿って配筋されており、先端のフック部25aが、下部PCカーテンウォール6の横筋6a(かんざし筋21A,21Bと平行に配筋されている鉄筋)に掛止されている。
【0023】
○下部定着部
下部定着部4は、前記定着金物30の支持部33におけるネジ孔33aに、上下のPCカーテンウォール5,6の荷重を受け、鉄骨梁7に伝達するための支持ボルト35が調整溝型鋼37上に載置されている取付座板36を介して螺着されており、上下のPCカーテンウォール5,6と鉄骨梁7とが連結固定されている構造になっている。
前記調整溝形鋼37は、その開口部37aが鉄骨梁7の上面方向となるように下向きに溶接されており、その底面部の中央には支持ボルト35を挿通するための遊嵌孔37bが穿設されている。この遊嵌孔37bの寸法は、上下のPCカーテンウォール5,6の層間変位に追従可能となるように予め適切な寸法に定められている。
また、前記支持ボルト35の下端は、鉄骨梁7の上部フランジ7aに載置されている。
【0024】
前記支持ボルト35の上端には、回転調整ナット38が取り付けられており、この回転調整ナット38を回すことにより、鉄骨梁7に対する上下のPCカーテンウォール5,6の高さを調整できるようになっている。
また、取付座板36には、前記支持ボルト35の外径と略同一寸法の貫通孔36aが穿設されており、当該この取付座板36を介して、前記支持ボルト35の位置決めと仮止めとを行うことができるようになっている。
【0025】
なお、ロッキング方式による連結固定部の構造1は、前記取付座板36を介装することなく、或いは、取付座板36の貫通孔36aにおいて支持ボルト35が上下動可能となる程度のクリアランスをとり、上部PCカーテンウォール5に埋設されている連結ボルト13を本体プレート10の溝部10aに遊挿し、調整座金14の溝孔14aを垂直方向にして連結ボルト13を遊挿した後に、座金15及び滑り材(図示せず)を介して、ナット16を螺着締結することにより行う。これにより、上下のPCカーテンウォール5,6と鉄骨梁7の支持ボルト35との間及び上部PCカーテンウォール5と本体プレート10との間において、上下方向の相対移動が許容され、地震時の建物挙動に対して上下のPCカーテンウォール5,6が損傷を受けることを防止することができることになる。
【0026】
また、スウェイ方式によるによる連結固定部の構造1は、前記取付座板36を介装することなく、前記支持ボルト35を調整溝型鋼37の遊嵌孔37aに遊嵌して、水平方向にフリーの状態にするとともに、上部PCカーテンウォール5に埋設されている連結ボルト13を本体プレート10の溝部10aに遊嵌し、調整座金14の溝孔14aを水平方向にして連結ボルト13を遊挿した後に、すべり材及び座金15を介して、ナット16を螺着締結することにより行う。
これにより、前記支持ボルト35を介して鉄骨梁7に接合された下部PCカーテンウォール6、及び、本体プレート10に連結ボルト13が遊挿された上部PCカーテンウォール5の水平方向の相対移動が許容されることになる。従って、地震時の建物挙動に対して上下のPCカーテンウォール5,6が損傷を受けることを防止することができることになる。
【0027】
前記ファスナー9によれば、下部PCカーテンウォール6に埋設されている定着板20の下部突出部20bの下端部を、本体プレート10の下端部10eよりも突出する形状に形成することにより、定着金物30に過大な荷重が作用した場合であっても、当該突出部が抵抗力を発揮できることから、上下のPCカーテンウォール5,6の重量が大きい場合にも適用可能な支持耐力が大きいファスナー9とすることができる。
また、下端部が突出している定着板10に、ひげ筋22が延出して配筋されていることから、当該ひげ筋22を長寸法とすることができる。そのため、ひげ筋22が抵抗力を発揮できることから、上下のPCカーテンウォール5,6の重量が大きい場合にも適用可能な支持耐力が大きいファスナー9とすることができる。
【0028】
また、下端部が突出している定着板10の上下にかんざし筋21A,21Bを設けており、上下のかんざし筋21A,21B間の距離を長くすることができるため、定着金物30に過大な荷重が作用した場合であっても、複数本のかんざし筋21A,21Bの抵抗力により大きな定着耐力を確保することができる。
また、かんざし筋21A,21Bと本体プレート10の間に、補強筋25を配設することにより、定着部の定着耐力を向上させて、上下のPCカーテンウォール5,6の重量が大きい場合にも対応させることができる。
【0029】
さらに、定着金物30は幅広の拡径部32を備えているため、当該定着金物30と本体プレート10との固着性を増加させることができるとともに、拡径部32と支持部33とが滑らかに結ばれている形状であるため、支持部33に局所的に過大な荷重が作用することを防止することができる。
【0030】
また、前記連結固定部の構造1によれば、本体プレート10に固設した定着板20を下部PCカーテンウォール6に埋設するとともに、本体プレート10に突設した定着金物30の定着部33におけるネジ孔33aに鉄骨梁7に立設した支持ボルト35を螺入させることより、各部材の定着力を高めるとことができ、定着金物30を面内水平力及び面内鉛直力で有効に抵抗させることができる。
また、鉄骨梁7と定着金物30を支持部33のネジ孔33aにおいて支持ボルト35で螺着しているため、確実に上下のPCカーテンウォール5,6の荷重を支持ボルト35に伝達することができるとともに、建て方作業を容易に行うことができる。
【0031】
なお、前記説明では、上下2体のPCカーテンウォール5,6(壁材)と鉄骨梁7(建物躯体)との連結をする場合について説明したが、建物の最上階等において、1体のPCカーテンウォール(壁材)と鉄骨梁とを連結する際に適用してもよい。そして、その場合におけるファスナーは、前記ファスナー9において、少なくとも押しボルト19より下部の部位のみの構造を有していればよい。
【0032】
以上、本発明について、好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。特に、壁材及び建物躯体を形成する部材は、PCカーテンウォール及び鉄骨梁に限るものでないことは言うまでもない。さらに、各構成部材の材質、形状及び寸法等は適宜変更が可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、大きな支持強度を確保でき、取付けを容易かつ確実に行うことができるファスナー及び当該ファスナーを壁材に埋設した埋設定着部の構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のファスナー及び連結固定部の構造を示す側断面図である。
【図2】本発明のファスナー及び連結固定部の構造を示す正面図である。
【図3】図2におけるX−X断面図である。
【図4】従来の連結固定部の構造を示す側断面図である。
【図5】従来の連結固定部の構造を示す正面図である。
【図6】図5におけるY−Y断面図である。
【符号の説明】
1 連結固定部の構造
2 上部接合部
3 埋設定着部
4 下部接合部
5,6 PCカーテンウォール(壁材)
6b 縦筋
7 鉄骨梁(建物躯体)
9 ファスナー
10 本体プレート
10a 溝部
10c 定着金物挿通孔
10e 下端部(端縁部)
13 連結ボルト
20 定着板
20a,20b 突出部
21A,21B かんざし筋(第1定着筋)
22 ひげ筋(第2定着筋)
25 補強筋
30 定着金物
31 固着部
32 拡径部
33 支持部
35 支持ボルト(支持部材)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fastener for connecting a wall material made of precast concrete (hereinafter referred to as “PC”) and a building frame, and a structure of a buried setting portion in which the fastener is embedded in the wall material.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, an outer wall material such as a PC curtain wall is connected and fixed to a horizontal member such as a floor of a building frame or a beam using various fasteners.
Hereinafter, a connection fixing portion (hereinafter referred to as “connection fixing portion”) in which two upper and lower
[0003]
As shown in FIGS. 4 to 6, the
The main body plate 10 'has a
The
[0004]
In the conventional connection
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the fastener 9 'and the connecting and fixing part structure 1' have the following problems.
(1) The supporting strength of the fastener 9 'is small, and it is difficult to use it for a large PC curtain wall having a standard weight of about 4t to 5t. Further, since an excessive load is likely to act locally on the
(2) The embedded
(3) The
[0006]
The present invention has been made to solve the above-mentioned problems, and can secure a large support strength, can be easily and reliably attached, and a structure of a buried setting attachment portion in which the fastener is embedded in a wall material. The purpose is to provide.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, a fastener of the present invention is a fastener for connecting a precast concrete wall material and a building frame, and a main body plate fixed to the wall material, A fixing metal projecting on the building housing side, bonded to the building housing, on the wall material side of the main body plate, and fixed in a direction orthogonal to the main body plate; A first fixing bar that is arranged in a direction perpendicular to the fixing plate; and a second fixing bar that extends in the vertical direction of the wall material on the fixing plate, and An end edge portion of the fixing plate on the extension portion side of the second fixing stripe is formed in a shape protruding from an end edge portion of the main body plate on the extension portion side of the second fixing stripe. It is said.
[0008]
Here, it is preferable that the fixing metal is integrally formed.
The fixing hardware includes a fixing portion penetrating the main body plate, a wide-diameter enlarged portion connected to the fixing portion, and a support portion smoothly connected to the enlarged-diameter portion. Then, the fixing property between the fixing metal and the main body plate can be increased, and since the enlarged diameter portion and the support portion are smoothly connected, an excessively large load acts on the support portion locally. Can be prevented. In addition, it is preferable that the diameter-enlarged portion has a cross-sectional shape that decreases from the fixing portion side, and an insertion hole of the support member is formed at the tip of the support portion.
[0009]
According to the present invention, since the main body plate, the fixing plate, and the fixing metal are fixed, the fixing force of each member can be increased, and the fixing metal is effectively resisted by the in-plane horizontal force and the in-plane vertical force. be able to.
Further, since the end edge portion of the fixing plate on the extending portion side of the second fixing stripe is formed in a shape protruding from the end edge portion of the main body plate on the extending portion side of the second fixing stripe, fixing. Even when an excessive load is applied to the hardware, the projection can exert a resistance force, so that it is possible to provide a fastener having a large support strength that can be applied even when the weight of the wall material is large.
In addition, since the fixing plate having the protruding edge portion and the second fixing bar extending and extending in the longitudinal direction of the wall material on the fixing plate, the second fixing bar is provided. The fixing muscle can be a long dimension. Therefore, since the second fixing muscle can exert a resistance, it can be a fastener having a large support strength that can be applied even when the weight of the wall material is large.
[0010]
Note that it is preferable to provide a plurality of fixing plates.
In addition, it is preferable that the first fixing bars are also arranged above and below the fixing plate. In this case, since the distance between the upper and lower first fixing bars can be increased by forming the fixing plate so as to protrude from the edge of the main body plate, an excessive load acts on the fixing hardware. Even so, a large fixing strength can be ensured by the resistance force of the plurality of first fixing muscles.
[0011]
In the fastener setting attachment portion of the present invention, the fixing plate, the first fixing muscles, and the second fixing muscles are embedded in the wall material, and the body plate and the second fixing member are seen in a side view. The reinforcing bars in the longitudinal direction are arranged between the fixing bars.
Here, the reinforcing bars are preferably provided between the first fixing bars and the fixing plate in order to arrange the bars. The length of the reinforcing bar is not particularly limited.
[0012]
According to the present invention, since the fixing strength of the fastener in the buried setting portion can be increased by disposing another reinforcing bar between the main body plate and the second fixing bar, the weight of the wall material is large. It can be set as the structure applicable also to.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
In the following description, a steel beam 7 (building frame) is joined by a
[0014]
[fastener]
As shown in FIGS. 1 to 3, the
[0015]
The
In the center of the upper end portion of the
[0016]
On the
[0017]
Each fixing
[0018]
○ Fixing hardware The fixing
The fixing
Further, the
[0019]
[Structure of connecting and fixing part]
The
[0020]
Upper joint part The upper
In the vicinity of the joint with the lower
[0021]
A
Further, the
[0022]
○ In the buried setting
In addition, a plurality (four in this embodiment) of reinforcing bars 25 (other reinforcing bars) formed in a hook shape in a side view are formed on the upper surface portion of the upper pusher bar 21 </ b> A in the lower
[0023]
○ Lower fixing part The lower fixing part 4 is adjusted by a
The adjustment groove-shaped
The lower end of the
[0024]
A
Further, a through hole 36a having substantially the same size as the outer diameter of the
[0025]
The
[0026]
Further, in the
Thereby, relative movement in the horizontal direction of the lower
[0027]
According to the
Further, since the
[0028]
Further, since the knurled bars 21A and 21B are provided on the upper and lower sides of the fixing
Further, the reinforcing
[0029]
Further, since the fixing
[0030]
Further, according to the
Further, since the
[0031]
In the above description, the case where the upper and lower
[0032]
As mentioned above, although an example about a suitable embodiment was explained about the present invention, the present invention is not restricted to the embodiment concerned, and a design change is possible suitably in the range which does not deviate from the meaning of the present invention. Needless to say, the members that form the wall material and the building frame are not limited to PC curtain walls and steel beams. Furthermore, the material, shape, dimensions, and the like of each component can be changed as appropriate.
[0033]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the structure of the embedding setting part which can ensure large support strength and can perform attachment easily and reliably and the embedding setting part which embed | buried the said fastener in the wall material can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side sectional view showing the structure of a fastener and a connecting and fixing part of the present invention.
FIG. 2 is a front view showing a structure of a fastener and a connecting and fixing part of the present invention.
3 is a cross-sectional view taken along line XX in FIG.
FIG. 4 is a side sectional view showing a structure of a conventional connecting and fixing part.
FIG. 5 is a front view showing a structure of a conventional connection fixing portion.
6 is a cross-sectional view taken along line YY in FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
9
13 Connecting
22 Beard muscle (second fixing muscle)
25 Reinforcing
Claims (2)
前記壁材に固着されている本体プレートと、
前記本体プレートの前記建物躯体側に突設されており、前記建物躯体と接合される定着金物と、
前記本体プレートの前記壁材側であり、前記本体プレートと直交する向きに固着されている定着板と、
前記定着板に対して直交する向きに配筋されている第1定着筋と、
前記定着板において前記壁材の縦筋方向に延出して配筋されている第2定着筋と、を備え、
前記定着板における前記第2定着筋の延出部側の端縁部が、前記本体プレートにおける前記第2定着筋の延出部側の端縁部よりも突出する形状に形成されていることを特徴とするファスナー。A fastener for connecting a precast concrete wall material and a building frame,
A body plate fixed to the wall material;
A fixing hardware projecting on the building frame side of the main body plate and joined to the building frame;
A fixing plate that is on the wall material side of the main body plate, and is fixed in a direction orthogonal to the main body plate;
First fixing bars arranged in a direction perpendicular to the fixing plate;
A second fixing bar that extends in the vertical direction of the wall material in the fixing plate and is arranged.
An end edge portion of the fixing plate on the extension portion side of the second fixing stripe is formed in a shape protruding from an end edge portion of the main body plate on the extension portion side of the second fixing stripe. Features a fastener.
前記壁材に前記定着板、前記第1定着筋及び前記第2定着筋を埋設するとともに、
側面視で、前記本体プレートと前記第2定着筋の間に、前記縦筋方向の補強筋を配筋したことを特徴とする埋設定着部の構造。It is the structure of the embedding setting part of the fastener according to claim 1,
While burying the fixing plate, the first fixing muscle and the second fixing muscle in the wall material,
The structure of the embedding setting part characterized in that reinforcing bars in the longitudinal direction are arranged between the main body plate and the second fixing muscles in a side view.
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