JP3902182B2 - 弦楽器用ブリッジ及び電気ギター - Google Patents

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    • G10D3/153Tremolo devices

Description

本発明は、弦楽器用ブリッジ及び弦楽器用ブリッジを備えた電気ギターに係り、詳しくはワンタッチで変則チューニングが可能な弦楽器用ブリッジ及び弦楽器用ブリッジを備えた弦楽器に関する。
従来より、弦楽器、例えばギターなどにおいて、標準的なチューニングに対して、特定の弦の張力を変える変則チューニングを行うことがある。例えば、ギターの第6弦は通常Eの音程に調整されるが、これを全音落としたDの音程にする、いわゆるDチューンと呼ばれるような変則チューニングがある。この場合、糸巻きを回転操作することで弦の張力をゆるめて高張力の高い音から低張力の低い音へ変更することができるが、演奏中に長時間掛けてチューニングを行うのは極めて煩雑である。一方、そのためにチューニングの異なった複数のギターを揃えておくのも煩雑である。
これがトレモロ装置を備えたギターの場合は、さらに煩雑である。仮に、糸巻きで第6弦のみを正確に全音落としたとしても、6本の弦全体の合計の張力が変化するため、これに対抗してトレモロブロックに張力を付与している張力付与機構による張力と、弦の張力とのバランスが崩れ、他の5本の弦は逆に張力が増してしまう。そのため、糸巻きで他の5弦のそれぞれの張力を調節して全体の調整をとらなければならないという問題があった。
そこで、特許文献1に示すようなトレモロ装置を備えた弦楽器のための張力変更装置が提案された。ここでの説明においては、図において上方向を上部、ヘッド側を前部として説明する。この装置はトレモロ装置を備えたギターにより説明されており、図12に示すように、ベースプレート123を備える。ベースプレート123の後部は、斜め上方に屈曲されてフランジプレート123aが形成され、後端部は水平な平面部が形成されている。この後端部には、ファインチューニング調整ネジ142が上方から下方に向けて貫通するように螺入されている。
ベースプレート123に固定された前部135には、後部137がピン138により回動可能に軸支されている。弦115は、その端部がクランプブロック139により後部137に保持される。弦115は、ピン138に軸支された円筒形に形成された後部137の部分の臨界接触点Zまで、後部137で支持される。このため、後部137は、ベースプレート123とともに、弦115の張力により前方(ヘッド側)に付勢されている。
このベースプレート123は、前端部に設けられたナイフエッジ129においてボディに固定されたスタッドボルト131に揺動可能に支持される。
ベースプレート123の図面下方にはトレモロブロック145が、ギターのボディ内に向けて設けられている(一部図示を省略)。このトレモロブロック145の先端には、引張りコイルスプリング(図示を省略)の一端が連結される。このスプリングの他の一端は、前方(ヘッド側)のボディ内部に固定され、張力付与機構としてトレモロブロック145の先端側が前方に付勢される。
このため、ベースプレート123は、弦115の張力と張力付与機構の付勢力とのバランスにより、トレモロアーム130により揺動可能に構成される。
前部135に軸支された後部137には、軸部190が後方に向けて延設される。軸部190は、前述のフランジプレート123aに設けられた孔を貫通して延設され、シフト部材191に連結される。シフト部材191は、軸部190を内部に遊嵌する状態で、軸部に対して前後方向にシフト可能に連結されている。後部137及びここに固定された軸部190は、弦115の張力により前方に付勢されているため、シフト部材191も、ピン138を軸に図において反時計回りの方向に回転するように付勢されている。そのため、図12の状態ではシフト部材191の上端面である上部平面191aは、上方に配置されたファインチューニング調整ネジ142の下端に付勢されて当接する。
なお、シフト部材191の下方からは、ベースプレート123に前部が固定されたリーフスプリング192が、上方に向けて付勢されてシフト部材191に下端面に当接している。この状態で、例えば、第6弦が糸巻きによりEの音にチューニングされる。また、必要に応じて、ファインチューニング調整ネジ142により精密にチューニングされる。
次に、図12に示す状態から、第6弦を全音落としたDにチューニングする状態を図13で説明する。シフト部材191を手でつまみ後方へ引き出す。そうするとシフト部材191は後方へシフトする。シフト部材191が後方にシフトすると、シフト部材191の下部前端部に設けられた掛止凹部191bの凹部に上方に付勢されているリーフスプリング192の先端が嵌り込み、シフト部材191の位置が固定される。このとき、後部137、軸部190、シフト部材191はピン138を中心に弦115の張力により図において反時計回りに付勢されているため、上部平面191aは、ファインチューニング調整ネジ142の下端から外れると、軸部190に当接する。そうすると、シフト部材191の所定の厚み分だけ、後部137,軸部190、シフト部材191がピン138を中心に図において反時計回りに回転する。そのため、弦115の張力は低減し、第6弦はEの音からDの音に変化する。従って、特許文献1に示す発明によれば、トレモロ装置を備えない弦楽器用のブリッジであれば、シフト部材191をシフトするだけで変則チューニングが可能になるといえる。また、ファインチューニング調整ネジ142により、Eにチューニングした場合に正確な調整が可能である。
なお、トレモロ装置を備えた弦楽器用ブリッジでは、やはり上記発明によっても張力が低減した第6弦の影響で、6本の弦全体の付勢力が弱まり、図示を省略した張力付与機構との付勢力のバランスが崩れ、第1弦から第5弦までの張力が高まることに関しては同様の問題があった。そのため、特許文献1に示す発明では、シフト部材191による変則チューニングをした後、張力付与機構のバネの張力を手動で調整し、トレモロ装置全体のバランスを調整して、チューニングしなおすことで解決するようにしていた。
米国特許第5359144号明細書
しかしながら、これをシフト部材191をシフトしてDにチューニングした場合では、いくらシフト部材191の精度を高めたとしても弦自体の特性や、全体の張力の状態などにより必ずしも正確にDの音にチューニングできる保証がない。その場合は、概ねDの音にチューニングできても、結局演奏するためには、ファインチューニング調整ネジ142により演奏前に正確にチューニングし直さなければならないという煩雑な作業が残ることになる。さらに、Dの音で正確にチューニングした場合は、シフト部材191を押し戻し元のEの音にしたときには、必ずチューニングが狂っていることになる。この問題は、トレモロ装置を備えていないブリッジにおいても生じる。
加えて、トレモロ装置を備えたブリッジでは、第6弦だけ正確に調整したとしても、全体のバランスが崩れるという問題があり、上述の発明では張力付与機構において一括で調整できるとしても、手作業でその都度調整し直すしかなく調整が煩雑であるという問題もあった。
また、上述の発明では、シフト部材191が後方に飛び出しており、トレモロアーム130を上方に引き上げたとき、シフト部材191がボディと干渉しないような逃げの空間がボディに必要となる。特に、図13に示すようなDにチューニングした場合は、さらにシフト部材191が大きく飛び出すため、ボディにさらに大きな空間が必要となる。そのため、このようなトレモロ装置では、専用のボディが必要となり、従来のトレモロ装置と交換して使用できるような汎用性に乏しいという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するため、極めて容易な方法で、正確な変則チューニングを行うことができる弦楽器用ブリッジを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る弦楽器用ブリッジでは、弦楽器のボディ上面に設けられたレバーアーム保持部材と、該レバーアーム保持部材に、弦の張設方向と直交する方向に設けられた軸に前端部が連結されて、上下方向に回動可能に設けられたレバーアームと、該レバーアームにおいて前記弦の端部を保持する弦保持手段と、
前記レバーアームの回動によっても弦の張設方向における位置を実質的に変更することなく前記弦を支持する臨界接触点と、前記レバーアーム保持部材若しくはレバーアーム保持部材に対して固定された部分に螺入される螺合部と、当該螺合部から延設され頭部が形成された軸部と、前記頭部の下面において前記レバーアームに対して弦の張力による付勢方向側に当接させる当接部とが設けられ、前記螺合部の螺合量を変更することで前記当接部を前記レバーアーム保持部材に対して上下方向に変位させて前記レバーアームの回動位置を微調節する操作ネジとを有する各弦の張力を微調節するファインチューニング手段を備えた弦楽器用ブリッジであって、前記操作ネジにおいて、軸部の頭部と前記レバーアームとの間に介在するように当該軸部に環装され、前記レバーアームに当接部で当接するチューナーノブを備え、前記チューナーノブを前記軸部に対して相対的に上下方向に移動させて固定する固定手段により前記軸部に対して前記チューナーノブを比較的位置として所定の弦を所定の高張力とする高張力状態と、前記軸部に対して前記チューナーノブを比較的高位置として所定の弦を所定の低張力とする低張力状態とに張力を切り替え可能な変調手段をいずれかの弦に配設したことを要旨とする。
請求項2に係る弦楽器用ブリッジでは、請求項1に記載の弦楽器用ブリッジにおいて、前記変調手段において、前記軸部は、前記チューナーノブに挿入されてその内周の所定部分に掛止可能な掛止部が形成されるとともに、その下端部に螺合部が形成されたベースネジと、当該ベースネジに上方から螺入され、当該ベースネジに対して相対高さ調節可能な頭部を有した調節ネジとを含み、前記高張力状態では前記チューナーノブ内周の所定部分が前記ベースネジの掛止部に対して掛止されるとともに当該チューナーノブとともに前記ベースネジが一体に回動可能とされた高張力状態微調節手段と、前記低張力状態では前記チューナーノブが前記ベースネジの掛止部に対して掛止を解除されるとともに前記調整ネジの頭部に掛止され、前記チューナーノブとともに前記ベースネジが一体に回動可能とされた低張力状態微調節手段とをさらに備え、前記高張力状態において前記チューナーノブを回動させることで当該高張力状態でのファインチューニングが可能であるとともに、前記低張力状態においてチューナーノブを回動させることで当該低張力状態でのファインチューニングが可能であり、チューナーノブを回動しないで前記調節ネジのみを回動して前記ベースネジに対して相対高さを調整することで、前記高張力状態と前記低張力状態での音程差を調節可能に構成されたことを要旨とする。
請求項3に係る弦楽器用ブリッジでは、請求項1又は請求項2に記載の弦楽器用ブリッジにおいて、前記変調手段は、前基軸部が前記レバーアームに設けられたスリットに上方から挿入されるとともに、前記レバーアーム保持部材若しくはレバーアーム保持部材に対して固定された部分に先端部が螺合され、前記チューナーノブの当接部は、前記レバーアームのスリット周縁近傍に当接されることを要旨とする。
請求項4に係る弦楽器用ブリッジでは、請求項3に記載の弦楽器用ブリッジにおいて、前記レバーアームとの当接部を有した筒状のチューナーノブと、当該チューナーノブに挿入され、下部に前記螺合部が設けられたベースネジと、前記ベースネジに螺入される螺入部と、当該螺入部より大径に形成された頭部とを有した調節ネジとを備え、前記チューナーノブには、その上部の内径より小さい内径に形成された段差部が形成され、当該段差部の上端面の一部に設けられた係合部と、該係合部とは段差部の異なる位置に形成された空間である非係合部とが設けられ、前記ベースネジの上端には、前記第1の係合部と係合可能で、かつ前記非係合部とは係合しない係止突起が設けられ、前記調節ネジには、頭部に前記チューナーノブの段差部と当接可能な当接段部が設けられ、前記高張力状態では、前記ベースネジの係止突起が前記チューナーノブの係止凹部に係合することで、チューナーノブの前記レバーアームとの当接部が低位置に保持され、前記低張力状態では、前記ベースネジの係止突起が前記チューナーノブの非係合部に位置することで係合が解かれ、かつ前記チューナーノブの段差部と前記調節ネジの当接段部とが当接することで、チューナーノブの前記レバーアームとの当接部が高位置に保持されることを要旨とする。
請求項5に係る弦楽器用ブリッジでは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の弦楽器用ブリッジにおいて、トレモロ装置を備えたことを要旨とする。
請求項6に係る弦楽器用ブリッジでは、請求項5に記載の弦楽器用ブリッジにおいて、前記トレモロ装置が、弦の張力に対抗する付勢力を与えて当該弦の張力を維持する張力付与機構を備え、前記高張力状態若しくは低張力状態における弦の張力に応じて当該張力付与機構の付勢力を調整する付勢力調整手段を備えたことを要旨とする。
請求項7に係る弦楽器用ブリッジでは、請求項5又は請求項6に記載の弦楽器用ブリッジにおいて、前記トレモロ装置が、弦の張力に対抗する付勢力を与えて当該弦の張力を維持する張力付与機構を備え、前記高張力状態若しくは低張力状態における特定の弦の張力が変化しても、当該張力を変更した弦以外の張力を変更させないように維持するために当該張力付与機構の付勢力を維持する付勢力維持手段を備えたことを要旨とする請求項5又は請求項6に記載の弦楽器用ブリッジ。
請求項8に係る弦楽器用ブリッジでは、請求項7に記載の弦楽器用ブリッジにおいて、前記付勢力維持手段が、前記レバーアーム保持部材を保持しつつボディに対して揺動可能に支持されたベースプレートと、当該ベースプレートの下側面に突設され、前記ボディ内部を前後に揺動可能に設けられたトレモロブロックと、当該トレモロブロックの下端部近傍の後面に形成された引掛部と、前記ボディの内部に設けられた裏機構ベースと、前記裏機構ベースの後部の左右両側に形成され、後方への開放部を有する係合部と、前記裏機構ベースの前部に前後位置調節自在に配設された調節部材と、前記調節部材に前端が固定され後端が前記トレモロブロック先端に固定され該トレモロブロックを常時前方に付勢する第一スプリングと、前記裏機構ベースに前端が固定された第二スプリングと、前記トレモロブロックの後方に配置され、前記第二スプリングの後端が固定されて常時前方に付勢され、該トレモロブロックの非揺動時及び前方への揺動時には前記係合部に係着されているとともに、前記トレモロブロックの後方への揺動時には該トレモロブロックの引掛部と当接して前記係合部の係止位置より離脱して後方へ移動される棒状部材とを含むことを要旨とする。
請求項9に係る電気ギターでは、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の弦楽器用ブリッジを備えたことを要旨とする。
本発明の弦楽器用ブリッジ及び電気ギターによれば、極めて容易な方法で、正確な変則チューニングを行うことができるという効果がある。
(第1実施形態)以下、本発明を具体化した電気ギターのトレモロ装置を備えた電気ギターの一実施形態を図1〜図10に従って説明する。
図1は、本実施形態の電気ギター11全体を左後方側上面から見た斜視図である。なお、本発明の説明においては、図1における紙面上側(弦15側)を電気ギター11の上方、奥側(ヘッド14側)を前方とする。
電気ギター11は、ソリッドタイプのボディ12と、ボディ12から前方に延設されたネック13を備える。ネック13前端に続くヘッド部14には、弦15を巻き取る6本の弦柱16が上方に回動可能に突設されている。それぞれの弦柱16の背面には図示しないギヤ機構を有し、ギヤ機構からはヘッド部14から突設された糸巻き17が備えられ、糸巻き17の回動に応じて弦柱16が回動されようになっている。この弦柱16、ギヤ機構、糸巻き17によりそれぞれの弦15のピッチ(張力)が調整されて張弦される。又、ネック13の先端部に設けたナット18には弦15が後方側で振動可能に第1臨界接触されている。ナット18に対し弦15は上方から固定されている。なお、本実施形態では、弦15を上方から、押さえ部材で押さえ、ボルトでナット18に締め付けてピッチが変動しないようにしたロッキングナットの構成としている。通常のナットであっても、本発明は適用できるが、ロッキングナットの場合では、ロック後でもブリッジ側で調弦できるため、特に好適に適用できるものである。
ボディ12には中央やや後方側に、本発明のブリッジであるトレモロ装置21が配設されている。なお本発明の「ブリッジ」とは、広く弦を後方で支持する装置全般をいう。ナット18で第1臨界接触している6本の弦15は、トレモロ装置21で第2臨界接触され、第1臨界接触点と第2臨界接触点の間で所定の張力で相互に略平行に張架される。この弦15は、演奏により第1臨界接触点と第2臨界接触点の間で振動される。ボディ12の弦15の下方には弦の振動を検出し、電気信号に変換するピックアップ19が配置されている。このピックアップ19に生じた電気信号は、ケーブル(図示略)を介してアンプリファイアーで増幅されて音声に変換される。
次に、図2は、図1に示す電気ギター11のトレモロ装置21近傍の部分斜視図であり、図3は、図2のA−A部分の矢視断面図である。以下トレモロ装置21の概略構成を、図2、図3により説明する。
図2、図3に示すように、トレモロ装置21は、ボディ12に対しヒンジ機構22により回動可能に装着されるベースプレート23と、ベースプレート23の上面に装着され、かつ各弦15を支持するためのブリッジサドル24とを備えている。ブリッジサドル24には、本発明のファインチューニング手段であるファインチューニング装置41及び本発明の変調手段であるDチューナー装置50が配設される。また、ベースプレート23に設けられ、ベースプレート23をヒンジ機構22を中心に回動するトレモロ操作機構26を備えている。また、図3に示すように、トレモロ装置21はベースプレート23を弦15の張力と対抗して回動付勢するための張力付与機構25を備える。
次に、これらの各機構について順次説明する。
ヒンジ機構22は、図2に示すように、ボディ12に対しスタッドボルト31により固定されるブラケット28と、このブラケット28の先端部に軸29を介して連結したベアリング(図示を省略)とを備えている。このベアリングはベースプレート23の左右両側に一体形成した軸受27の内部に嵌入され、ベースプレート23をボディ12に対して回動可能に支持する。
ブリッジサドル24は、図2、3に示すように、弦15を支持するレバーアーム37と、レバーアーム37を回動可能に支持するレバーアーム保持部材35とを備える。レバーアーム保持部材35は、その先端部に弦15の張設方向に沿った溝状のスロット35aを備えている。図3に示すように、このスロット35aから下方に挿通した固定ボルト36をベースプレート23に設けたネジ孔23aに螺合して締め付ける。そうすると固定ボルト36の頭部がスロット35aの部分を上部から押圧することによりベースプレート23上面の所定位置にレバーアーム保持部材35を固定する。なお、この固定ボルト36を緩めれば、ブリッジサドル24は、ベースプレート23に対して摺動可能になり、ブリッジサドル24を弦15の張設方向に変位させて、ハーモニック調整を行い、任意の位置で固定できる。
また図3に示すように、レバーアーム保持部材35には、軸受35bが一体に形成され、この軸受35bには弦15の張設方向と直交する方向に水平にピン38が配設される。このピン38によりレバーアーム37の前端部に設けられた弦受け部37bが連結され、レバーアーム37の後方側が上下方向に回動可能に支持されている。このレバーアーム37の上面には、平面視矩形の開口部が開口されており、その中に直方体状のクランプブロック39が遊嵌されている。クランプブロック39の下部には、クランプブロック39が抜け落ちにくいように断面かぎ状の突起が設けられている。このクランプブロック39は、レバーアーム37の後方から貫通するようにネジ孔37aに螺入された無頭の弦固定用ボルト40によって締め付け固定される。このクランプブロック39の前面側の保持部39aとレバーアーム37の開口部の前面側の壁面である挟着面37cの間隙には、エンドリングが切り落とされた弦15の端部が挿入される。そして、弦固定用ボルト40により締めつけられて、弦15の端部が保持部39aと挟着面37cとに挟持されて保持される。この実施形態ではクランプブロック39及び弦固定用ボルト40により本発明の弦保持手段を構成している。
レバーアーム37の前端部の上面は、ピン38を中心とした円筒状の曲面を有したいわゆるサドルとして機能する弦受け部37bが備えられており、中央部が弦15を保持するように弦15の張弦方向に凹部が形成されて、弦15の振動部分の後端部と臨界接触する第2臨界接触点Zを形成する。
図2に示すように、レバーアーム37の後端部は略水平な板状に形成され、ファインチューニングボルト42の当接部42dや、Dチューナー装置50のチューナーノブ51の当接部51fと当接する当接部37fとして形成されている。また、その中央部には、弦15の張設方向に沿った方向に、ファインチューニングボルト42やDチューナー装置50のベースネジ52を挿入するためのスロット37eが形成されている。
次に、図2,3に基づいてトレモロ操作機構26について説明する。このトレモロ操作機構26は、ベースプレート23の一側部に下向きに貫通されるネジ筒32と、その下端部に螺合され、ネジ筒32をベースプレート23に締付け固定するナット33とを備えている。ネジ筒32の内部にはトレモロアーム30の先端屈曲部が取り外し可能に挿入されるようになっている。そして、アームアップ、アームダウン等のトレモロ操作をする場合は、トレモロアーム30をネジ筒32の内部に挿入した状態でトレモロアーム30を上下方向に傾動する。この傾動によりトレモロ装置21のベースプレート23、ブリッジサドル24及びトレモロブロック45等が張力付与機構25の付勢力に抗して軸29を中心に微量回動するようになっている。
次に、ファインチューニング装置41について説明する。本実施形態のファインチューニング装置41は、第6弦のブリッジサドル24に備えられたDチューナー装置50によるものと、それ以外の第1〜第5弦のブリッジサドル24に備えられたファインチューニングボルト42によるものとから構成される。
ここで、図4は、ファインチューニング装置41のファインチューニングボルト42を説明する図2のB−B部分の矢視断面図である。ここでは、まずファインチューニングボルト42によるファインチューニングから説明する。
図4に示すように、ベースプレート23の後端部下面には、円筒状のボス部23bが形成され、ボス部23bの内面はファインチューニングボルト42の螺合部42aを螺合するネジ孔23cが形成されている。スロット37eには操作ネジとしてのファインチューニングボルト42のロッド部42cが下方に向って挿通され、螺合部42aがこのネジ孔23cに螺入される。このときレバーアーム37は、弦15の張力によりピン38を中心として反時計回りに付勢されているため、ファインチューニングボルト42の上端部に設けた頭部42b下側の当接部42dにレバーアーム37後端の当接部37fが係止されている。
なお、弦15が張られていない場合でも、レバーアーム37後端の当接部37fが係止されるように、レバーアーム37とレバーアーム保持部材35の間には、圧縮コイルスプリングからなるバネ37dが配設され、レバーアーム37を上方に付勢するように構成されている。そのため、振動によるノイズ発生を効果的に抑え、また弦15が張っていない場合でも、レバーアーム37の当接部37fがファインチューニングボルト42の当接部42dに当接してがたつかないので、弦の装着なども容易になる。
このとき、ファインチューニングボルト42の頭部42bを手で回すと、ファインチューニングボルト42の螺合部42aのベースプレート23のネジ孔23cとの螺合量が変化して、ファインチューニングボルト42が、ベースプレート23に対して概ね上下に変位する。レバーアーム37の当接部37fはファインチューニングボルト42の当接部42dに当接しているため、レバーアーム37が上下に変位する。具体的には、螺合部42aは、右ネジに切ってあるためファインチューニングボルト42を平面視時計回りに回転させると、ファインチューニングボルト42は、下方に変位し、レバーアーム37後端もこれに応じて下方に下がる。その結果、図4において、弦受け部37bがピン38を中心に時計回りに回転し、弦15の端部は下方に変位する。この場合、弦15の第2臨界接触点Zの位置は変わらないため、弦15の張力が高くなり音程が高くチューニングされる。逆に、ファインチューニングボルト42を平面視反時計回りに回転させれば、音程は低くチューニングされる。
次に、ファインチューニング装置41のDチューナー装置50について詳細に説明する。ここで、図7は、高張力状態(Eの音程)にされたDチューナー装置50を詳細に説明する図3の拡大断面図である。
図7に示すように、Dチューナー装置50は、ファインチューニングボルト42に替えて配設される。したがって、ベースプレート23、レバーアーム保持部材35、レバーアーム37の構成は、図4に示すファインチューニングボルト42が配設された構成と同一であるので、重複した説明は省略する。
ここで、図5は、Dチューナー装置50の構成を示す分解斜視図である。Dチューナー装置50は、概ね円筒形のチューナーノブ51と、その内部に配置されベースプレート23のボス部23bに設けられたネジ孔23cに螺入されるベースネジ52と、ベースネジ52に螺入されて、Dの音程の位置(低張力状態)でファインチューニングを行う調節ネジ53とから構成されている。
次に、Dチューナー装置50を構成する各部材について説明する。チューナーノブ51は、図5に示すように、上下が開放した円筒形の筒状部51aを備え、その高さは、実施形態では直径の1.5倍程度である。筒状部51aの外周には、上下方向に直線状の溝が90度間隔で4本刻設されて、溝部51bが形成されている。溝部51bは、チューナーノブ51の回動位置を示すマークになっている。また、チューナーノブ51の下端面は、レバーアーム37に当接する当接部51fとして機能する。
図6は、図5に示すチューナーノブ51のC−C部分での断面を示す斜視図である。図6に示すように、概ね円筒状に形成された筒状部51aの概ね下部2分の1は、内径が小さく形成され、その上端面は平坦に形成された段差部51cとして形成されている。段差部51cには、直径方向に対向する位置に、一対の断面半円形状の空間である溝状の係止凹部51dが形成されている。また、これと直交する直径方向の対向する位置には、係止凹部より深い一対の断面矩形状の空間を備えた非係合部であるクリアランス51eが形成されている。このクリアランス51eの円周方向の幅は、係止突起52cの円周方向の幅より僅かだけ大きく、チューナーノブ51は、係止突起52cが、クリアランス51e内にある場合は、相対的な回転を規制する。一方、係止突起52cが、クリアランス51e内にある場合でも、クリアランス51eは上下方向に十分なクリアランスをとっているため、係止突起52cの上下方向の移動を規制しない。
ベースネジ52は、図5に示すように、前述したチューナーノブ51の段差部51cの内径よりも細い径の円筒状の筒部52aを備える。筒部52aの下部は、右ネジ方向に刻設された雄ネジが形成された螺合部52bが形成される。この螺合部52bは、ベースプレート23のネジ孔23c(図7)に螺合可能になっている。また、筒部52aの内部には、雌ネジが右ネジ方向に刻設されており、調節ネジ53と螺合可能になっている。筒部52aの上端には、直径方向の対向した位置に、上面が筒部52aの上端の平面に連続し、断面が半円状の一対の係止突起52cが水平方向に突設される。係止突起52cの断面形状は、概ねチューナーノブ51の係止凹部により形成される空間の断面形状と概ね同一形状になって係合可能に構成されている。前述のようにクリアランス51eにより形成される空間の半径方向の断面形状は、幅は係止突起52cと略同じであるが、深さは係止突起52cの上下の厚みより大きく形成されている。
調節ネジ53は、図5に示すようなドライバーなどで回転可能な頭部53aと、雄ネジが右ネジ方向に刻設された螺入部53bを有したネジ部材である。頭部53aは、螺入部53bより径が大きい概ね円盤状の形状であり、その上端面にはドライバーの先端部と係合するための凹部が形成されている。また、頭部53aの下端面には、チューナーノブ51の段差部51cと当接可能な当接段部53dが形成されている。
螺入部53bは、ベースネジ52の筒部52a内部に刻設された雌ネジに螺合可能に形成されている。また、螺入部53bの下端近傍には、環状の溝であるOリング係止溝53cが形成され、Oリング54が環装される。このOリング54は、ベースネジ52の筒部52a内部に刻設された雌ネジに摺接し、ベースネジ52に螺合した調節ネジ53の緩みを防止するためのフリクションを与えている。
Dチューナー装置50は、このような部材により構成されるが、次に、Dチューナー装置50の作用について、図7〜図9を参照して説明する。図7の状態は、弦15が高張力状態、実施形態では、第6弦がEの音程にチューニングされた状態を示している。
まず、所定の張力で弦を張り終えた状態での最初のファインチューニングの調整(以下「初期設定」という。)について説明する。ここでは、まず第6弦のみの変調について主に説明し、6本の弦15全体の張力の変化については後に詳述する。弦の張り替えは、ナット18(図1)のロックを解除し、弦15を自由な状態とし、弦15を張り替えた後に糸巻き17で概ね所定の調弦を行なった後再びナット18でのロックを行う。初期設定時において高張力状態のDチューナー装置50は、図7に示すように、ベースネジ52の係止突起52cが、チューナーノブ51の係止凹部51dに嵌合した状態になっている。なお、このときチューナーノブ51の当接部51fがレバーアーム37により上方に向けて付勢されているため、チューナーノブ51の当接部51fとレバーアーム37の当接部37fとは当接し続ける。また、レバーアーム37により、チューナーノブ51が上方に付勢されるため、チューナーノブ51の係止凹部51dとベースネジ52の係止突起52cとの嵌合状態も維持されている。
ベースネジ52の係止突起52cが、チューナーノブ51の係止凹部51dに嵌合した状態になっているため、チューナーノブ51の筒状部51aを回せば、これに伴って、ベースネジ52が回転する。したがって、筒状部51aを回転させることで、ベースネジ52の螺合部52bとベースプレート23のネジ孔23cとの螺合量が変化する。具体的には、チューナーノブ51を平面視時計回りに回転すれば螺合量は多くなり、ベースネジ52が下方に変位する。その結果、ベースネジ52とともに下方に変位するチューナーノブ51の当接部51fに押圧されてレバーアーム37が下方に回動する。よって、弦15の張力は高まり、音程が高音側に変化する。同様に、チューナーノブ51を平面視反時計回りに回転すれば、音程は低音側に変化する。したがって、チューナーノブ51をいずれかの方向に回転することでファインチューニングができる。
なお、この高張力状態の状態において、チューナーノブ51を回転させてファインチューニングした場合にベースネジ52はチューナーノブ51と一体になって回転する。このとき、調節ネジ53は、Oリング54の摩擦力によりベースネジ52に連れて回転するため、調節ネジ53とベースネジ52は相対回転することがない。さらに、この状態で演奏する場合でも、同様にOリング54の摩擦力により、調節ネジ53は、ベースネジ52に対して相対回転することがない。よって、Oリング54の摩擦力により高張力状態から低張力状態へ音程を変更した場合の音程差が狂うことを防止することができる。
ここで、図8は、Dチューナー装置50の通常の状態(高張力状態)であるEの音程から、変則チューニングの状態(低張力状態)であるDの音程に変更する場合の操作について説明する図である。図8の(a)に示す状態は、図7に示した高張力状態の状態である。この状態から、チューナーノブ51を下方に向けて押す。
そうすると(b)に示すように、チューナーノブ51は、当接部51fによりレバーアーム37を押し下げ、チューナーノブ51自体も下方に変位する。このとき、ベースネジ52は変位しないため、ベースネジ52の係止突起52cから、ここに嵌合していたチューナーノブ51の係止凹部51dが、相対的に離間して係合が解かれる。
次に、この状態から、(c)に示すように、チューナーノブ51を平面視時計回りに回転させる。このとき、チューナーノブ51は、ベースネジ52に対して相対的に回転し、ベースネジ52の係止突起52c(図5参照)は、係止凹部51dに対面している位置から、段差部51cを通過して、クリアランス51eに対面する位置に移動する(図6参照)。
そして、図8の(d)に示す図は、(b)の位置から90度回転した位置で、チューナーノブ51の下方への押圧を解いた状態を示す図である。チューナーノブ51には、90度毎に溝部51bが設けられているが、この溝部51bは1本おきに赤と黒にそれぞれ着色されている。そのため、チューナーノブ51がファインチューニングでいずれの位置にあっても、いずれかの溝部51bを異なる色の溝部51bが来るように回転すれば、極めて容易にちょうど90度回転させることができる。図8の(d)のチューナーノブ51の下方への押圧を解く前の状態では、係止突起52cは、クリアランス51eの上方の対面した位置にあるので、押圧を解くと係止突起52cは、クリアランス51eの内部に進入される。このとき、クリアランス51eは、係止突起52cを回転方向には規制するが、上下方向には規制しない位置関係になっている。
図9は、図7の状態から低張力状態(Dの音程)に変更されたDチューナー装置50を詳細に説明する図である。次に、図9の状態は、図8の(d)に示す状態であり、弦15が低張力状態、実施形態では、第6弦がDの音程にチューニングされた状態を示している。このときDチューナー装置50は、ベースネジ52の係止突起52cは、チューナーノブ51の係止凹部51dとの嵌合が解かれ、クリアランス51eに進入されて上下方向には相互に干渉しない状態になっている。なお、このときチューナーノブ51の当接部51fがレバーアーム37の当接部37fにより上方に向けて付勢されているため、チューナーノブ51が上方に移動しても当接部51fとレバーアーム37の当接部37fとは当接し続ける。また、レバーアーム37により、チューナーノブ51が上方に付勢されるが、ベースネジ52の係止突起52cは、チューナーノブ51の係止凹部51d(図6)と嵌合しないため、チューナーノブ51は、図7に示す高張力状態よりも上方に移動する。そして、係止突起52cがクリアランス51eの底部に当接する前に、チューナーノブ51の段差部51cが、調節ネジ53の頭部53aの下端面である当接段部53dに当接し、チューナーノブ51の上方への移動が規制される。したがって、チューナーノブ51の上下方向の位置は、調節ネジ53の当接段部53dにより決定される。
この低張力状態である音程Dの変則チューニングのとき、ファインチューニングは、調節ネジ53を用いて行う。以下に低張力状態でのファインチューニングの方法を詳説する。まず、チューナーノブ51を手で回転しないようにつまみ、ドライバーなどにより調節ネジ53の頭部53aを回転させる。この場合、音程を高くしたい場合は、平面視時計回りに回転させる。そうすると、ベースネジ52の内部に螺入されている調節ネジ53の螺入部53bのベースネジ52との螺合量が大きくなり内部にさらに進入する。このとき、ベースネジ52は、ベースプレート23のネジ孔23cに固定されており、一方、チューナーノブ51は、ベースネジ52に対して上下方向に移動可能となっている。そのため、下方に移動する調節ネジ53の当接段部53dは、チューナーノブ51の段差部51cを押し下げる。よって、レバーアーム37が押し下げられて、弦15の張力が増し、音程が高くなる。逆に、音程を低くしたい場合は、チューナーノブ51を手で固定して頭部53aを平面視反時計回りに回転させる。
なお、チューナーノブ51を手で固定しないで調節ネジ53を回転させた場合は、調節ネジ53がOリング54の摩擦力によりベースネジ52に対して相対回転しないようになっているため、ベースネジ52が調節ネジ53の回転に伴って回転する。そのため、ベースネジ52の回転によりファインチューニングができることになるが、高張力状態に戻した場合に、チューニングがずれてしまう。したがって、調節ネジ53を回転させる場合は、必ずチューナーノブ51を手で固定してベースネジ52の回転を規制しなければならない。
なお、この低張力状態の状態において演奏する場合でも、Oリング54の摩擦力により、演奏中に調節ネジ53がベースネジ52に対して相対回転することがない。
弦15を新たに張り替えた場合の初期設定は、以上のような手順で高張力状態と低張力状態のチューニングをそれぞれ正確に行うことができる。この初期設定を行った後に、時間の経過とともに、特に演奏等により弦が伸びてチューニングが狂うことがある。以下に、このような場合のファインチューニング調整(以下「演奏時調整」という。)について説明する。
まず、弦15が高張力状態に調整されている状態から演奏時調整をする場合ついては、高張力状態(実施形態では第6弦がEの音程にチューニングされた状態)では、チューナーノブ51を回転することでファインチューニングを行う。この場合は、初期設定の場合の調整方法と同一である。演奏によって伸びた弦により低下した張力を高めるため、チューナーノブ51をつまんで平面視時計回転に回転させる。なお、6本の弦15全体が伸びた場合の調整については後述する。
次に、高張力状態の弦15を上述のように低張力状態に変更する。この手順も、初期設定のときと同様の手順である。このとき、初期設定において低張力状態でのファインチューニングが調整済みの場合、調整する必要はない。これは、既に高張力状態と低張力状態でのチューナーノブ51の当接部51fの高さの差が調整されているため、多少の弦15の伸びによる張力の差があっても、実質的に問題のないレベルで高張力状態と低張力状態での音程差が維持されるからである。
逆に、低張力状態から演奏時調整を行う場合は、チューナーノブ51をそのままつまんで平面視時計回転に回転させる。この方法は、初期設定の場合に先に調整した高張力状態でのファインチューニング調整を狂わせないように、チューナーノブ51を手で回転しないようにつまみ、ドライバーなどにより調節ネジ53の頭部53aを回転させていたのとは方法が異なる。すなわち、演奏時調整では、チューナーノブ51と、ここを回転させることで連れて回転する調節ネジ53が同量だけ変位するが、既に初期設定で高張力状態と低張力状態でのチューナーノブ51の当接部51fの高さの差が調整されている。そのため、その差を維持しつつチューナーノブ51と調節ネジ53が回転することにより、低張力状態でのファインチューニングの調整分だけ同時に高張力状態でのファインチューニングの調整ができることになる。
つまり、演奏時調整は、高張力状態での調整も、低張力状態での調整も、状態にかかわらず、何らの道具なしでチューナーノブ51を手でつまみ回転させるだけでよい。したがって、演奏途中であっても簡単に調整することができる。
次に、張力付与機構25について説明する。ここで、図10は、ボディ12の下面に配置された平衡状態時における裏機構61を示す底面図である。以下、図3及び図10に沿って張力付与機構25を構成する裏機構61を説明する。図3に示すように、トレモロ装置21は、上面に弦15を保持するブリッジサドル24、下面にトレモロブロック45が装着されたベースプレート23とを備えている。また、このベースプレート23に着脱自在に取り付けられてベースプレート23の揺動を操作するためのトレモロアーム30を備えたトレモロ操作機構26と、ベースプレート23の揺動後にベースプレートを平衡状態位置(釣り合い状態となる中立位置)に復元(復帰)させる張力付与機構25を構成する裏機構61とを備えている。なお、図示の例では、裏機構61は、ボディ12の裏面側に形成された凹部内に配設されている。
実施形態では、ベースプレート23上に各弦15に対応してそれぞれ独立した複数(図にて6個を例示)のブリッジサドル24が配置され、各弦15毎のハーモニック調整が可能に構成されている。なお、図3においてはトレモロ演奏を行っていない平衡状態時におけるトレモロ装置21及びその周辺を示している。ベースプレート23は、図2に示すようにその前部(ネック13側)の両脇に形成されたヒンジ機構22でスタッドボルト31,31によって、揺動可能に固定されている。
次に、図3、図10に沿ってベースプレート23の裏側(下方)の部分の構造について説明する。図3に示すように、本実施形態の張力付与機構25では、ベースプレート23の下方のトレモロブロック45の引掛部60を裏機構61が付勢する。裏機構61は、裏機構ベース62、係合部64、調節部材66、第一スプリング69、第二スプリング72及び棒状部材75の各部を含む。
引掛部60は、トレモロブロック45の下部近傍の後部に形成され、トレモロブロック45の後方への揺動時に棒状部材75と当接する部分である。裏機構ベース62は、裏機構61のボディ12への取付部になる部分であり、ボディ12の裏側の凹部にネジ等適宜の取付部材によって固定されている。
係合部64は、裏機構ベース62の後部の左右両側に形成され、後方への開放部を有する。実施形態では、裏機構ベース62の左右両側に一体に立設された立ち片65,65に略V字状の切欠によって係合部64、64としたが、この係合部64は棒状部材75が離隔自在に係合する部分であるからそのような作用を有すればどのような構造又は形状でもよい。
調節部材66は、裏機構ベース62の前部に前後位置が調節可能に配設された部材であって、この例では、裏機構ベース62前端が屈曲されて立設されたブラケット部67に回動可能に取り付けられた調節ネジ68に螺合して、調節ネジ68の回動によって前後方向に変位する。
第一スプリング69は、調節部材66に前端70が固定され後端71がトレモロブロック45下部に固定され、トレモロブロック45を常時前方に付勢するものである。実施形態では、調節部材66の左右に2つの第一スプリング69,69が配置されている。
第二スプリング72はその前端73が裏機構ベース62に固定されている。第二スプリング72の前端73は、裏機構ベース62に突設された係着部63に係着される。この実施形態では、第二スプリング72は第一スプリング69の外側に2つ設けられている。
棒状部材75は、トレモロブロック45の後方に配置され、第二スプリング72の後端74が固定されて常時前方に付勢されている。そして、この棒状部材75は、トレモロブロック45の非揺動時及び前方への揺動時には、係合部64に係着されているとともに、トレモロブロック45の後方への揺動時にはトレモロブロック45の引掛部60と当接して後部が開放した係合部64の係止位置より離脱して後方へ移動される。実施形態では係合部64のV字溝から下側斜面を摺動して後方へ移動する。
上述したところからわかるように、調節部材66の位置調節、この例では調節ネジ68の回動によって、第一スプリング69,69の付勢力を調節することができ、これによって使用する種々の弦ゲージにおける弦15の張力に合わせることができる。また、ベースプレート23のスタッドボルト31,31に対する傾きにも調整することができる。
ここで、第一スプリング69,69は、トレモロ装置21が平衡状態となる通常時に、自然長よりも伸びた状態で調節部材66とトレモロブロック45間に張設され、トレモロブロック45を前方に付勢するようになっている。一方、第二スプリング72,72は、トレモロ装置21が平衡状態となる通常時に、自然長よりも伸びた状態で裏機構ベース62の係着部63,63と棒状部材75間に張設され、棒状部材75を前方に付勢し、係合部64,64に係合するようになっている。この状態がトレモロ装置21(ベースプレート23)の設定角度(トレモロ演奏しないときの角度)となる。
このような構造のトレモロ装置21にあっては、ボディ12表面側の弦15に張力が発生していない状態では、トレモロブロック45は第一スプリング69,69の付勢力によって前方限に移動している。そして、調弦する際に、弦15に張力を加えるにつれてトレモロブロック45は後方に移動し、その引掛部60が棒状部材75に当接し、その位置で平行状態に保持される。このとき、第一スプリング69,69のばね設定が弱いときには、弦15の張力により引掛部60は棒状部材75と当接し、さらに係合部64,64より離脱させて後方に移動する。一方、第一スプリング69,69のばね設定が強いときには、弦15の張力を受けても引掛部60が棒状部材75と当接する前に弦15と第一スプリング69,69の張力はバランスしてしまう。このバランス状態はいわば浮いた状態で、非常に不安定となる。
したがって、第一スプリング69,69のばね設定は、弦15の張力よりは少し弱く、かつ第二スプリング72,72のばね設定を、トレモロブロック45の引掛部60が棒状部材75と当接するが係合部64,64より離脱させない程度に調整することが望ましく薦められる。ただし、演奏者の好みにより浮いた状態を望む場合にはこの限りでない。なお、裏機構ベース62から第二スプリング72,72及び棒状部材75は、簡単に取り外すことができるため、これらを取り外せば従来のトレモロ装置のような使用も可能である。
なお、トレモロブロック45の引掛部60や、係合部64,64がゴム等からなる緩衝部材によって形成されている。これによって、棒状部材75が引掛部60や係合部64,64に当接する際の衝撃を緩衝部材により吸収し、当接音等の異音(ノイズ)の発生を防ぐことができる。
次に張力付与機構25の作動について説明する。図2に示すトレモロアーム30をアームダウン、つまりボディ12方向に押し下げると、ベースプレート23は、ヒンジ機構22を支点としてその後部が上方へ傾斜するように揺動する。これによって、弦15の張力が減少して、全て弦の音程が下降(フラット)する。このとき、図3に示すベースプレート23の裏側に垂設されたトレモロブロック45がボディ12内の空間を後方へ回動し、それに伴って調節部材66とトレモロブロック45との間に架設された第一スプリング69,69は引張される。同時にトレモロブロック45は、引掛部60を棒状部材75に当接させながら棒状部材75を係合部64,64の開放部から後方へ押圧し離間するため、第二スプリング72,72を引張する。
アームダウン後、トレモロアーム30に対する力が除かれると、第一スプリング69,69及び第二スプリング72,72の付勢力によって、トレモロブロック45は、ヒンジ機構22(図2)を支点としてボディ12内の空間を前方へ回動して当初の平衡状態の位置に復元(復帰)し、棒状部材75も前方へ移動して係合部64,64に係止される。
これに対して、トレモロアーム30をアームアップ、つまりボディ12の反対方向に引き上げると、ベースプレート23は、ヒンジ機構22(図2)を支点としてその後部が下方へ傾斜するように揺動する。これによって、弦15の張力が増加して、全ての弦の音程が上昇(シャープ)する。このとき、ベースプレート23の裏側に垂設されたトレモロブロック45が前方へ回動し、それに伴って調節部材66とトレモロブロック45との間に架設された第一スプリング69,69は収縮する。なお、このときは裏機構ベース62と棒状部材75との間に架設された第二スプリング72,72の付勢力により係合部64,64に係止された棒状部材75はそのままの状態を保持している。
アームアップ後、トレモロアーム30に対する力が除かれると、各弦15の張力によって、トレモロブロック45はヒンジ機構22(図2)を支点としてボディ12内の空間を後方へ回動し当初の平衡状態の位置に復元(復帰)する。
次に、このような構造のトレモロ装置21において、本実施形態のDチューナー装置50により、チューニングを変更した場合の作用を説明する。前述のようにDチューナー装置50により第6弦を通常のチューニングであるEの音程にした場合(高張力状態)において、平衡状態となるように調節ネジ68により調節する。この状態であれば、無操作の場合は平衡状態が保たれるとともに上述のようにアームアップ、アームダウンによって演奏することもできる。
続いて、Dチューナー装置50により、上述のように第6弦を変則チューニングであるDの音程にした場合(低張力状態)においては、6弦の張力の合計が小さくなる。この場合でも、第一スプリング69,69の張力の合計より大きく、かつ第一スプリング69,69の張力と、第二スプリング72,72の張力との合計より小さい範囲に入る場合は、平衡状態となる。つまり、棒状部材75は係合部64,64に当接し、かつ、トレモロブロック45の引掛部60が棒状部材75に当接した状態で変化しないため、Dチューナー装置50を高張力状態から低張力状態に変化させても、他の弦の音程が狂うことがない。
上記実施形態の弦楽器用ブリッジによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 上記実施形態では、変調手段であるDチューナー装置50により、演奏中でも片手の指先で軽い力で瞬時に通常のチューニングから変則チューニングに変更することができる。また、変則チューニングから通常チューニングにも同様に瞬時に変更できるという効果がある。
(2) また、この場合、従来の特許文献1に示すようなトレモロ装置を備えた弦楽器のための張力変更装置のように、ブリッジ後方に部材が突出することもなく、従来のギターのブリッジを本発明のブリッジに取り替えるだけで適用でき、ボディ12の形状の変更をする必要もない。そのため、広い汎用性を有するという効果がある。
(3) また、初期設定として、通常チューニング(高張力状態)と変則チューニング(低張力状態)において、それぞれ個別に音程をDチューナー装置50を用いて、精密に音程を微調節することができるという効果がある。この場合、通常チューニングはチューナーノブ51によりファインチューニングを完了する。通常チューニングにおけるファインチューニングが完了したら、Dチューナー装置50により変則チューニングに切替える。この変則チューニングにおいて、チューナーノブ51が回転しないように押えながら調節ネジ53により音程を調節すれば通常チューニングでのファインチューニングを狂わせることなく変則チューニングでのファインチューニングを完了することができるという効果がある。つまり、微調節がそれぞれに独立してできるという効果がある。
(4)この微調節した結果はそのままチューニングを変更した場合でも保存され、再び変更した場合でも正確な音程が再現されてチューニングが変更される再現性を備えるという効果がある。
(5)また、初期設定完了後、通常チューニングと変則チューニングの音程差、つまり調節ネジ53とベースネジ52との位置関係がOリング54の効果で保存される。そのため、演奏時調整においては、通常チューニングと変則チューニングのいずれにおいても、チューナーノブ51をそのまま回転させてファインチューニングができる。たとえば、演奏等により弦15が伸張したような場合には、通常チューニングと変則チューニングとのいずれの時に拘わらず、いつでもチューナーノブ51を回転させるだけで通常チューニングと変則チューニングとにおける両方のファインチューニングを同時に完了することができるという効果がある。
(6) この場合、調節ネジ53の螺入部53bにはOリング54が環装されてベースネジ52との相対回動を防止しているため、演奏中でも、ファインチューニングが狂うこともないという効果がある。なお、ファインチューニングボルト42の螺合部42aやベースネジ52の螺合部52bには、ハードなグリスが塗布されて不用意な回動を防止するフリクションが与えられている。なお、ベースネジ52と調節ネジ53との間のフリクションはOリング54によるものに限るものではなく、スプリング等による付勢手段などその方法は問わない。
(7) また、チューナーノブ51には、2色に塗り分けられた溝部51bがあり、チューニングの変更の場所や、状態が一目でわかるように表示されるという効果がある。特に、溝部51bを1列ずらすだけで、チューニングを変更するのに必要な90度の回転角度を正確に操作ができるという効果がある。もちろん、チューニングの変更は90度の回転角度に限られるものではない。
(8) また、本実施形態では、ファインチューニングボルト42の螺合部42aと、Dチューナー装置50のベースネジ52の螺合部52bは、同一のピッチのネジであり、ファインチューニングボルト42をDチューナー装置50と取り替えるだけで、任意の弦の変則チューニングが容易に実現できるという効果がある。
(9) もちろん、低張力状態を通常チューニングとし、高張力状態を変則チューニングとすることもできる。また、全音に限らず、半音、若しくは全音半以上の音程差で変則チューニングをしてもよい。
(10) 一方、張力付与機構25に備えられた裏機構61は、高張力状態と低張力状態で弦15全体の張力が変化した場合でも、所定の範囲内であれば、平衡状態を維持するため、音程が狂うことがないという効果がある。そのため、Dチューナー装置50で変則チューニングをしても、その都度張力付与機構25の調整をする必要がないという効果がある。なお、所定の範囲内とは、6本の弦15の合計の張力が、第一スプリング69,69の合計より大きく、第一スプリング69,69と第二スプリング72,72の合計より小さい範囲をいう。この範囲であれば、複数の弦のチューニングを変えても平衡状態を維持できる。本実施形態のような1本の弦の変調であれば、なんら変調に伴う調整は不要となる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 本実施形態では、張力付与機構25に付勢力維持手段の一例として裏機構61を設けているが、これに限定されず、たとえば、弦の張力より強いスプリングを用いたトレモロ装置などの他の方法で付勢力を維持してもよいことはもちろんである。
○ さらに、本実施形態では張力付与機構25に付勢力維持手段としての裏機構61を設けているが、この裏機構61から第二スプリング72,72と棒状部材75を除去したような状態で、付勢力調整手段である調節ネジ68を手動で調整してもよい。この場合は、チューニングを変更するたびに調整する必要が生じるが、トレモロ装置21自体の操作感は自然になる。もちろん、張力付与機構自体の構成も極めて簡略化できる。
○ 本実施形態では、トレモロ装置を前提に説明しているが、変則チューニング自体はトレモロ装置のないギターなどでも行われるため、トレモロ装置のないギターなどに適用できることは言うまでもない。以下、実施形態で詳細に説明する。
(第2実施形態)ここで、本発明の他の実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、トレモロ装置を備えないことを特徴としている。以下、第1実施形態と同様の構成の部分については同符号を付して説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
ここで、図11は、第2実施形態の電気ギター211のブリッジセット220近傍の部分斜視図である。以下、図の左手前を前(ヘッド方向)、図の上方向を上として説明する。本実施形態では、ブリッジセット220が本発明のブリッジに相当する。すなわち、本発明のブリッジは一体に構成されても、分離されて構成されてもよい。ブリッジセット220は、第2臨界接触点Zを構成するサドル229を備えたブリッジピース221と、ファインチューニング装置223と弦保持部224とを備えたテールピース222とから構成されている。第2臨界接触点が本発明の臨界接触点に相当し、ファインチューニング装置223がファインチューニング手段に相当し、弦保持部224が本発明の弦保持手段に相当する。ブリッジピース221の前部(ヘッド側)には、ピックアップ19が配置される。
ブリッジピース221は、ボディ212に螺入されたアンカーボルト225、225によって支持される。アンカーボルト225は、全体にネジ溝が設けられており、その下部のネジ溝はボディ212に螺合し、アンカーボルト225をボディ212に固定している。また、その中間部のネジ溝には、環状の高さ調整板227が螺合しており、その回動により高さ調整板227は上下方向に変位する。ブリッジピース221は、長手方向が弦15の張設方向と直交する方向(幅方向)に配置された部材で、両側にアンカーボルト225を貫通させる孔226が設けられている。この孔226にアンカーボルト225が貫通されて支持されるとともに、高さ調整板227によりブリッジピース221の高さが調整される。ブリッジピース221には、6本の弦15に対応する位置に、それぞれ上方に開放した正面視T字形の断面形状の空間である開口部228が6つ設けられる。これらの開口部228には、正面視T字形状のサドル229が配置される。このサドル229の上部は屋根型になっており、その稜線は幅方向に設けられている。そのため、張設された弦15と点接触して第2臨界接触点Zを形成する。
このサドル229は、下部が案内軸230により変位が前後方向に規制されている。また、ハーモニック調整ネジ231がブリッジピース221の後方から貫通するように螺入されており、その前端がサドル229に回動可能に連結されている。そのため、ハーモニック調整ネジ231を回動させることでサドル229を任意の前後位置に調整できる。したがって、このハーモニック調整ネジ231を回動することでハーモニック調整が可能となっている。
テールピース222は、長手方向が幅方向に配置された板状の部材であるベースプレート232を備え、両側にアンカーボルト233を貫通させる孔(不図示)が設けられている。この孔にアンカーボルト233を貫通されてボディ212に固定される。このベースプレート232は、本発明のレバーアーム保持部材として機能しており、各弦15に対応した位置にそれぞれ幅方向に配置されたピン234を備える。このピン234にレバーアーム235の前端部が連結されて、上下方向に回動可能に弦15の調節方向に沿って配置される。レバーアーム235の後端部は板状に形成され、スリット235aが設けられる。第1弦〜第5弦においては、このスリット235aに第1実施形態と同様のファインチューニングボルト42が挿入されてその下端の螺合部(不図示)がベースプレート232に螺合され上下に変位可能になっている。また、スリット235aの上部周端部の当接部235bとファインチューニングボルト42の頭部42bの下端の当接部42dが当接している。このファインチューニングボルト42が第1実施形態と同様、本発明の操作ネジに相当する。
レバーアーム235の前部には、ピン234を中心に円筒状に形成された弦受け部237が設けられる。弦保持部224は、弦15のエンドリング15aを掛止する凹部が形成されており、弦15は、この弦保持部224の凹部にエンドリング15aが掛止され、弦後端部は弦受け部237に当接した状態となる。その前側の弦15は、サドル229で接触し、第2臨界接触点Zを形成している。
このようにレバーアーム235は、張設される弦15の張力により弦保持部224がピン234を中心に上側に回動するように付勢され、当接部235bの上端が、ファインチューニングボルト42の当接部42dを付勢する。そのため、ファインチューニングボルト42を回動させてベースプレート232との螺合量を変えることで当接部235bの高さを変位させ、よってレバーアーム235の回動量を変化させて音程を変化させる。
また、弦15の第6弦に対応するレバーアーム235は、ファインチューニングボルト42に替えて、Dチューナー装置50が配置される。Dチューナー装置50も第1実施形態に示した構成と同一であり、本発明の変調手段を備えた操作ネジに相当する。
第2実施形態の電気ギター211では、以下のような効果がある。第1実施形態のトレモロ装置に由来する効果を除き、Dチューナー装置50による効果を奏する。これに加え、第2実施形態では、本発明を構成するブリッジであるブリッジセット220が、第2臨界接触点Zを備えたブリッジピース221と、ファインチューニング装置を備えたテールピース222とに分離した構成となっている。そのため、従来のテールピースが分離したタイプの電気ギターのテールピースを交換するだけで本発明の変調手段を実施できるという効果がある。特に、トレモロ装置を備えないアコースティックギターにおいても適用できる。
また、ハーモニック調整は、第2臨界接触点Zを備えたサドル229の移動が、ハーモニック調整ネジ231をドライバーなどで回動することで調整でき、ファインチューニング装置223などを移動させないでできるため、調整が狂いにくいという効果がある。
なお、本実施形態は以下のようにも実施できる。
○ 第2実施形態の電気ギター211では、テールピース222にトレモロ装置を備えていないが、テールピースにトレモロ装置を備えたセミアコースティックギターのようなタイプにおいても実施できる。
○ ファインチューニング装置41,223は、本実施形態で説明したような構造に限定されるものではなく、従来技術で説明したような構造のものにも適用できる。例えば、従来技術で示したトレモロ機構では、ベースプレート123が上方に屈曲し、フランジプレート123aの上方からファインチューニング調整ネジ142が螺入されている。このような場合であれば、シフト部材191に変えて、ファインチューニング調整ネジ142の先端に下方に向けて本発明の上下方向に移動する当接部を設ける。そうすることで軸部190の高さを変位させチューニングを変更することができる。
○ 変調手段は、1弦のみに限らず、複数の弦15に対して変調手段を設けるようにしてもよい。さらに、ファインチューニング装置は、すべての弦に設ける必要はなく、変則チューニングをしたい特定の弦のみに変調手段を設けたファインチューニング手段を設け、他の弦に関してはファインチューニング手段自体を備えない態様であってもよい。
○ 本実施形態では、6弦の電気ギターを例に説明したが、本発明を適用する弦楽器は7弦ギター、4弦ベースなどの電気ギターはもちろん、アコースティックギター、ハープ類などその種類は問わず、弦の数も限定されない。
○ また、本実施形態では、第6弦1本のみの変則チューニングを例に説明したが、複数の弦の張力を連動させて同時に変更するようなものであってもよい。
○ Dチューナー装置50では、チューナーノブ51を押し下げて90度回して戻すことで変調を行うが、高張力状態と低張力状態に当接部を移動させ固定させる方法は実施形態に限定されないのは言うまでもない。例えば、ノック式ボールペンのように押し下げる力を利用して、チューナーノブ51を自動的に回転させるようなものでもよい。あるいは、操作ネジを二重の筒にして、所定位置にキー孔を開けて、ここにピンをキーとして差し込み高さを調節してもよい。また、微調節とは別に粗動用のネジを設けて、ラッチにより所定の変調位置に止めるようなものでもよい。或いは、外筒にL字状に切り込みを設けて、突起を設けた内筒を固定するようなものなど、螺合部に対して当接部の位置が移動でき所定の位置で固定できるものであれば特にその方法は限定されないものである。
○ なお、高張力状態微調節手段と低張力状態微調節手段は、必ずしも必須要件ではなく、省略することも可能である。
○ その他、特許請求の範囲を逸脱しない限り、当業者により改良され、付加され、省略されて本発明を実施できることは言うまでもない。
第1実施形態の電気ギター11全体を左後方側上面から見た斜視図。 図1に示す電気ギター11のトレモロ装置21近傍の部分斜視図。 図2のA−A部分の矢視断面図。 ファインチューニング装置41のファインチューニングボルト42を説明する図2のB−B部分の矢視断面図。 Dチューナー装置50の構成を示す分解斜視図。 図5に示すチューナーノブ51のC−C部分での断面を示す斜視図。 高張力状態(Eの音程)にされたDチューナー装置50を詳細に説明する図3の拡大断面図。 Dチューナー装置50の通常の状態(高張力状態)であるEの音程から、変則チューニングの状態(低張力状態)であるDの音程に変更する場合の操作について説明する図。 図7の状態から低張力状態(Dの音程)に変更されたDチューナー装置50を詳細に説明する図。 ボディ12の下面に配置された平衡状態時における裏機構61を示す底面図。 第2実施形態の電気ギター211のブリッジセット220近傍の部分斜視図。 従来技術の弦楽器のための張力変更装置において通常のチューニング状態を示す図。 従来技術の弦楽器のための張力変更装置において図12に示す状態から、第6弦を全音落としたDにチューニングする状態を示す図。
符号の説明
Z…臨界接触点としての第2臨界接触点、11,211…電気ギター、12,212…ボディ、15…弦、21…トレモロ装置、23…ベースプレート、232…レバーアーム保持部材としてのベースプレート、25…張力付与機構、29…軸、35…レバーアーム保持部材、37,235…レバーアーム、41,223…ファインチューニング装置、42…ファインチューニングボルト、42a…螺合部、42b…頭部、42d…当接部、45…トレモロブロック、50…Dチューナー装置、51…チューナーノブ、51a…筒状部、51c…段差部、51d…係止凹部、51f…当接部、52…ベースネジ、52b…螺合部、52c…係止突起、53…調節ネジ、53a…頭部、53b…螺入部、53d…当接段部、60…引掛部、61…裏機構、62…裏機構ベース、64…係合部、65…立ち片、66…調節部材、68…調節ネジ、69…第一スプリング、70…(第一スプリングの)前端、71…(第一スプリングの)後端、72…第二スプリング、73…(第二スプリングの)前端、74…(第二スプリングの)後端、75…棒状部材。

Claims (9)

  1. 弦楽器のボディ上面に設けられたレバーアーム保持部材と、
    該レバーアーム保持部材に、弦の張設方向と直交する方向に設けられた軸に前端部が連結されて、上下方向に回動可能に設けられたレバーアームと、
    該レバーアームにおいて前記弦の端部を保持する弦保持手段と、
    前記レバーアームの回動によっても弦の張設方向における位置を実質的に変更することなく前記弦を支持する臨界接触点と、
    前記レバーアーム保持部材若しくはレバーアーム保持部材に対して固定された部分に螺入される螺合部と、当該螺合部から延設され頭部が形成された軸部と、前記頭部の下面において前記レバーアームに対して弦の張力による付勢方向側に当接させる当接部とが設けられ、前記螺合部の螺合量を変更することで前記当接部を前記レバーアーム保持部材に対して上下方向に変位させて前記レバーアームの回動位置を微調節する操作ネジと
    を有する各弦の張力を微調節するファインチューニング手段を備えた弦楽器用ブリッジであって、
    前記操作ネジにおいて、軸部の頭部と前記レバーアームとの間に介在するように当該軸部に環装され、前記レバーアームに当接部で当接するチューナーノブを備え、前記チューナーノブを前記軸部に対して相対的に上下方向に移動させて固定する固定手段により前記軸部に対して前記チューナーノブを比較的位置として所定の弦を所定の高張力とする高張力状態と、前記軸部に対して前記チューナーノブを比較的高位置として所定の弦を所定の低張力とする低張力状態とに張力を切り替え可能な変調手段をいずれかの弦に配設したこと
    を特徴とする弦楽器用ブリッジ。
  2. 前記変調手段において、
    前記軸部は、前記チューナーノブに挿入されてその内周の所定部分に掛止可能な掛止部が形成されるとともに、その下端部に螺合部が形成されたベースネジと、当該ベースネジに上方から螺入され、当該ベースネジに対して相対高さ調節可能な頭部を有した調節ネジとを含み、
    前記高張力状態では前記チューナーノブ内周の所定部分が前記ベースネジの掛止部に対して掛止されるとともに当該チューナーノブとともに前記ベースネジが一体に回動可能とされた高張力状態微調節手段と、
    前記低張力状態では前記チューナーノブが前記ベースネジの掛止部に対して掛止を解除されるとともに前記調整ネジの頭部に掛止され、前記チューナーノブとともに前記ベースネジが一体に回動可能とされた低張力状態微調節手段とをさらに備え、

    前記高張力状態において前記チューナーノブを回動させることで当該高張力状態でのファインチューニングが可能であるとともに、前記低張力状態においてチューナーノブを回動させることで当該低張力状態でのファインチューニングが可能であり、チューナーノブを回動しないで前記調節ネジのみを回動して前記ベースネジに対して相対高さを調整することで、前記高張力状態と前記低張力状態での音程差を調節可能に構成された
    ことを特徴とする請求項1に記載の弦楽器用ブリッジ。
  3. 前記弦楽器用ブリッジにおいて、前記変調手段は、前記軸部が前記レバーアームに設けられたスリットに上方から挿入されるとともに、前記レバーアーム保持部材若しくはレバーアーム保持部材に対して固定された部分に先端部が螺合され、
    前記チューナーノブの当接部は、前記レバーアームのスリット周縁近傍に当接されること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の弦楽器用ブリッジ。
  4. 前記レバーアームとの当接部を有した筒状のチューナーノブと、
    当該チューナーノブに挿入され、下部に前記螺合部が設けられたベースネジと、
    前記ベースネジに螺入される螺入部と、当該螺入部より大径に形成された頭部とを有した調節ネジとを備え、
    前記チューナーノブには、その上部の内径より小さい内径に形成された段差部が形成され、当該段差部の上端面の一部に設けられた係合部と、該係合部とは段差部の異なる位置に形成された空間である非係合部とが設けられ、
    前記ベースネジの上端には、前記係合部と係合可能で、かつ前記非係合部とは係合しない係止突起が設けられ、
    前記調節ネジには、頭部に前記チューナーノブの段差部と当接可能な当接段部が設けられ、
    前記高張力状態では、前記ベースネジの係止突起が前記チューナーノブの係止凹部に係合することで、チューナーノブの前記レバーアームとの当接部が低位置に保持され、
    前記低張力状態では、前記ベースネジの係止突起が前記チューナーノブの非係合部に位置することで係合が解かれ、かつ前記チューナーノブの段差部と前記調節ネジの当接段部とが当接することで、チューナーノブの前記レバーアームとの当接部が高位置に保持されること
    を特徴とする請求項3に記載の弦楽器用ブリッジ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の弦楽器用ブリッジにおいて、
    トレモロ装置を備えたことを特徴とする弦楽器用ブリッジ。
  6. 前記トレモロ装置において、弦の張力に対抗する付勢力を与えて当該弦の張力を維持する張力付与機構を備え、前記高張力状態若しくは低張力状態における弦の張力に応じて当該張力付与機構の付勢力を調整する付勢力調整手段を備えたこと
    を特徴とする請求項5に記載の弦楽器用ブリッジ。
  7. 前記トレモロ装置において、弦の張力に対抗する付勢力を与えて当該弦の張力を維持する張力付与機構を備え、
    前記高張力状態若しくは低張力状態における特定の弦の張力が変化しても、当該張力を変更した弦以外の張力を変更させないように維持するために当該張力付与機構の付勢力を維持する付勢力維持手段を備えたこと
    を特徴とする請求項5又は請求項6に記載の弦楽器用ブリッジ。
  8. 前記付勢力維持手段は、
    前記レバーアーム保持部材を保持しつつボディに対して揺動可能に支持されたベースプレートと、
    当該ベースプレートの下側面に突設され、前記ボディ内部を前後に揺動可能に設けられたトレモロブロックと、
    当該トレモロブロックの下端部近傍の後面に形成された引掛部と、
    前記ボディの内部に設けられた裏機構ベースと、
    前記裏機構ベースの後部の左右両側に形成され、後方への開放部を有する係合部と、
    前記裏機構ベースの前部に前後位置調節自在に配設された調節部材と、
    前記調節部材に前端が固定され後端が前記トレモロブロック先端に固定され該トレモロブロックを常時前方に付勢する第一スプリングと、
    前記裏機構ベースに前端が固定された第二スプリングと、
    前記トレモロブロックの後方に配置され、前記第二スプリングの後端が固定されて常時前方に付勢され、該トレモロブロックの非揺動時及び前方への揺動時には前記係合部に係着されているとともに、前記トレモロブロックの後方への揺動時には該トレモロブロックの引掛部と当接して前記係合部の係止位置より離脱して後方へ移動される棒状部材と
    を含むことを特徴とする請求項7に記載の弦楽器用ブリッジ。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の弦楽器用ブリッジを備えたことを特徴とする電気ギター。
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