JP3901875B2 - タンディッシュ、およびそのタンディッシュを用いた希土類元素含有合金の製造方法と、そのタンディッシュを備えた希土類元素含有合金の製造装置 - Google Patents

タンディッシュ、およびそのタンディッシュを用いた希土類元素含有合金の製造方法と、そのタンディッシュを備えた希土類元素含有合金の製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属溶解炉で溶解した溶湯を冷却ロールの表面へ注湯するためのタンディッシュに関するものであり、更に詳しくは、均一かつ安全な注湯が可能であり、加えてメンテナンスの容易なタンディッシュに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属溶解炉で溶解した溶融金属を冷却ロールの表面へ均一に注湯するために、タンディッシュには種々の工夫が施され提案されている。
【0003】
(従来例1)
図9は特開平8−229641号公報に開示されているタンディッシュ103、急冷ロール105、その他を示す概略図である。真空または不活性ガス雰囲気とした密閉容器101内に高周波溶解炉102と先端部にノズル104を有するタンディッシュ103、これに隣接された急冷ロール105、更に急冷ロール105の表面に接触させたスクレーパ106、および鋳片回収容器107が配置されている。そして、タンディッシュ103の先端部のノズル104は急冷ロール105の最上部105aと中心点105bを結ぶ線に対して、θ=30°〜90°の角度範囲位置に臨むように配置され、かつノズル104の先端と急冷ロール105の表面との間の空隙長は0.01mm〜3.0mmに設定されている。
【0004】
そして、タンディッシュ103内の溶湯108をノズル104から急冷ロール105へ注湯する場合、ノズル104の角度θが30°未満では鋳片の冷却が不十分であり、90°を越えると溶湯が急冷ロール105の表面を滑り、ノズル部での溶湯の凝固によってノズル詰まりを発生し易い。また、ノズル104の先端と急冷ロール105の表面との間の空隙長が0.01mm未満ではノズル104が急冷ロール105の表面と接触して疵を生成し易く、3.0mmを越えるとノズル104と急冷ロール105の表面との間から湯漏れを生ずるとしている。
【0005】
(従来例2)
図10は特開平9−155513号公報に開示されているタンディッシュ110の斜視図である。このタンディッシュ110は従来の先端部にノズルを有するタンディッシュはノズルが詰まり易いとして提案されているものであるが、矢印方向からの合金溶融物を流通させる緩やかな傾斜の底面111、その側面側から合金溶融物を流出させないための側面112a、112bと、隔離して設けた合金溶融物の2つの流通流路113a、113bを備えた堰板113から構成されている。
【0006】
すなわち、流通してくる合金溶融物114は堰板113の底面111側に一時的に貯湯されて流速が遅延されて、流通流路113a、113bから分割して流れ出した後、タンディッシュ110の先端部115において合体して回転ロールの幅内に略均一流量で供給されるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般的には、先端部に堰や注湯用のノズルを有するタンディッシュは冷却ロールへの注湯量を一定に保ち易いが、溶湯の温度低下によって詰まりを発生し易くタンディッシュから高温の溶湯が溢れ出るという問題があり、極端な場合には鋳造装置を破損する恐れもある。これに対して、堰やノズルを設けないタンディッシュは、詰まりを発生することはないが、冷却ロールへの注湯量が変動し易い。また、従来のタンディッシュはセラミックスの一体成形品として製造されるが、例えば受ける熱衝撃によって部分的に破損した場合、センメントを塗布し加熱硬化させるという工程で補修されるので、補修に長時間を要し装置の稼動率を低下させる。そのほか、急冷効果を得るために、冷却ロール上の溶湯の厚さを可及的に薄くするべく、タンディッシュの先端は冷却ロールに近接して設置されるが、そのことによって冷却ロールは疵つき易く、また冷却ロールの交換には長時間を要し鋳造装置の稼動率を低下させている。
【0008】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、冷却ロールへの注湯量を均一に保ち得るタンディッシュであり、かつ仮に詰まりを生じても鋳造装置を破損するには至らないタンディッシュ、更には短時間での補修が可能なタンディッシュを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は請求項1、請求項12、または請求項14の構成のタンディッシュによって解決されるが、請求項1およびそれに従属する請求項のタンディッシュによる解決手段を説明すれば、請求項1のタンディッシュは、溶解炉から供給される溶湯を傾斜受板で受けて溶湯の勢いを止め、かつ溶湯を中央付近だけでなく、両端にも供給する。更に、溶湯の流路を可及的に長く取り得る形状とすることによって、また落差を可及的に小さくする形状とすることによって溶湯の整流化を図っている。更には、輻射による温度低下を可及的に防ぎ得る形状としている。
【0010】
また請求項1のタンディッシュは、複数種の単純な形状のセラミックスの板材を組み合わせて構成されており、その分解、組み立てを容易とし、各板材の部分的な取り替えを可能としている。また請求項1のタンディッシュは、タンディッシュ内の溶湯量を常時監視しており、所定量を超えると金属溶解炉からタンディッシュへの出湯を強制的に停止させるようにすると共に、注湯量を一定に制御するための堰や注湯路が詰まってタンディッシュが溶湯で満ち溢れる場合に備えて溢出溶湯受器を設けている更には、冷却ロールの交換時等において、その作業を容易化するために、タンディッシュは移動可能に設置される
【0011】
上記の課題は、請求項12の厚肉とされた箱形状のタンディッシュ、または請求項14の箱形状で内部に傾斜受板と、底面を流れる溶湯の保温カバーとを有するタンディッシュとしても解決される
そして、本発明の希土類元素含有合金の製造方法は、上記請求項1、請求項12、または 請求項14に記載のタンディッシュを使用する製造方法であるまた、本発明の希土類元素含有合金の製造装置は、上記請求項1、請求項12、または請求項14に記載のタンディッシュを備えた製造装置である
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のタンディッシュは、ルツボから供給される溶湯を傾斜受板で受けることで、溶湯の勢いを止め、かつ溶湯を中央付近だけでなく両端にも供給する。更に、底面の前端部に堰を設けると共に、溶湯の流路を可及的に長く取り得る形状とすることによって、また溶湯を落下させる場合には落差を可及的に小さくする形状として、溶湯の整流化を図っている。更には、タンディッシュを肉厚に作製して保温性を高めるか、または溶湯の流路にカバーを設けて輻射による溶湯の温度低下を可及的に防ぎ得る形状としている。そのようなタンディッシュである限りにおいて、タンディッシュの形状は特に限定されない。
【0013】
また本発明のタンディッシュは、その組み立て、分解が容易であるように、複数種の単純な形状のセラミックスの板材を組み立てて作製されるが、その板材の形状は作製するタンディッシュの形状に応じて設定される。
【0014】
また本発明のタンディッシュは、注湯量を一定に制御するための堰や冷却ロールへの注湯路が詰まって、タンディッシュから溶湯が溢れ出る場合に備えて溢出溶湯受器を設けると共に、タンディッシュ内の溶湯量を常時監視し、所定量を超えると金属溶解炉からタンディッシュへの出湯を強制的に停止させるが、溢出溶湯受器の形状や設置場所は特に限定されず、また、タンディッシュ内の溶湯量は重量で監視してもよく、また、例えば超音波の反射に要する時間によって溶湯面の高さを監視するようにしてもよい。
【0015】
更には、冷却ロールの交換時等において、その作業を容易化するために、タンディッシュは冷却ロールから離隔し得るように設置される。離隔させるには、側方へ移動させてもよく、上方へ移動させるようにしてもよい。
【0016】
以下、図面を参照して、本発明のタンディッシュ、およびそのタンディッシュを用いた希土類元素含有合金の製造方法、製造装置を実施例によって具体的に説明する。
【0017】
【実施例】
図1は金属鋳造装置内に設置される実施例のタンディッシュ4Aを、金属の誘導加熱式溶解炉2および冷却ロール5と共に示す部分破断側面図であり、図2は図1に対応する平面図である。すなわち、誘導加熱式溶解炉2内の溶湯がタンディッシュ4Aへ出湯され、溶湯は前方へ回転する冷却ロール5の表面へタンディッシュ4Aから注湯され、冷却されて帯状の急冷鋳片となる。そして冷却ロール5の下流側の面にスクレーパ6が取り付けられており、急冷鋳片は冷却ロール5から剥離される。
【0018】
誘導加熱式溶解炉2は支柱3の回動軸31に支持されており、図示を省略した油圧シリンダによって、実線で示す位置から一点鎖線で示す位置を経て二点鎖線で示す位置まで回動可能とされている。そして、溶解炉2内で溶解された金属の溶湯を出湯口22からタンディッシュ4Aへ定量的に供給する。
【0019】
図3はタンディッシュ4Aの平面図であり、図4は図3における[4]−[4]線方向の断面図、図5は図4における[5]−[5]線方向の矢視図である。タンディッシュ4A内に設けられる傾斜受板46は、溶湯が飛びはねてタンディッシュ4Aから漏れ出ないように、傾斜受板46上における溶湯の供給方向と、傾斜受板46の溶湯を受ける地点より上側部分との挟角α90°以下(好ましくは20〜80°)とるように配置する。図3〜図5を参照して、タンディッシュ4Aは下流端側に注湯板53が一体的に形成された底板41、両側の側板42、下半部が注湯板53のカバー59となってノズル状の注湯路51を形成する前面壁としての前板43、および後面壁としての後板44によって箱形状とされ、側板42の内側に接して設けた両側の支持板45に傾斜受板46を支持させて構成されている。また、底板41の下側には補強板47、後板44の後側には補強板48が取り付けられている。そして、これらは何れも単独で取り外して交換することが可能となっている。これらを組み立てたタンディッシュ4Aの全体は図2に示した鋼鉄製の外枠49内に固定されている。
【0020】
更には、図4、図5を参照して、底板41の下流端側に一体的に形成されている注湯板53は、注湯量を一定に維持し得るように底板41の表面から若干高くした堰52を超える部分として形成され、かつ注湯板53の幅をほぼ4等分して注湯板53の表面から突出する3本の流路ガイド板54を設けて、4本の分流路55が形成されており、上述したカバー59と共にノズル状で横長の注湯路51が形成されている。なお、図4、図5では3本の流路ガイド板54を示したが、流路ガイド板54は7本まで設けることも可能であり、その場合には分流路55は8本形成される。
【0021】
上記のような構成により、溶解炉2から傾斜受板46の上部へ注がれる溶湯は傾斜受板46を流下し、底板41の後端部分へ低い落差を落下することにより乱流の発生が可及的に抑制され、次いで堰52によって溶湯の厚さが維持されて底板41のほぼ全長に沿って流れ、更には注湯板53において流路ガイド板54に沿って流れることにより整流化されて冷却ロール5へ注湯される。なお、注湯路51においては流路ガイド板54によって溶湯は厚さを維持されて分流路55を流れることにより、冷却ロール5に達した時点においても、溶湯の幅は狭まることなく注湯される。また、底板41の表面を流れる溶湯の上方には温度の高くなる傾斜受板46があることから、溶湯の輻射による温度低下が防がれる。注湯板53を流れる溶湯もカバー59によって温度低下が防がれる。
【0022】
上述のようにして、タンディッシュ4Aにおける溶湯の詰まりを防いでいるが、一般的にタンディッシュに設けられた堰やノズルでは溶湯の詰まりを生じ易いので、実施例のタンディッシュ4Aにおいても、その注湯板53、特にその堰52の近傍で詰まりを生ずることに備えた機構を設けている。すなわち、図2を参照して、タンディッシュ4Aの両側方のカバー64内に納められているロードセルによって、タンディッシュ4Aと溶湯との総重量が常時監視されており、その重量が所定値を超えると溶解炉2からタンディッシュ4Aへの出湯を強制的に停止させるようになっている。また、タンディッシュ4Aにおいて詰まりを生じた場合、タンディッシュ4Aから溢れ出る溶湯は両側方の溝61を経て排出口62からタンディッシュ4Aの周囲に設けられた溢出溶湯受器63に導かれ、それ以外の箇所へ散乱することを防いでいる。
【0023】
また、タンディッシュ4Aは、架台71上において、高さ調整が可能な支柱72に支持されており、冷却ロール5の表面から注湯路51の先端までの高さを調節し得るようになっている。そして、支柱72の下端部の両側方に軸支される一対の車輪73と、架台71に固定された走行用レール74とによって、タンディッシュ4Aは側方へ移動させ得るようになっている。
【0024】
実施例のタンディッシュ4Aは以上のように構成されるが、次にその作用を説明する。
【0025】
すなわち、図3〜図5、特に図4を参照して、溶解炉2からの溶湯は傾斜受板46へ供給されて後端側へ流下し、底板41の上流部分へ低い落差を落下した後、向きを変えて底板41のほぼ全長に沿って流れ、次いで注湯路51を流路ガイド板54に沿って流れることにより、冷却ロール5へ整流化されて注湯される。そして、底板41上を流れる溶湯は上方の温度の高い傾斜受板46によって輻射による温度低下が防がれ、注湯路51を流れる溶湯もカバー59によって温度低下が防がれる。
【0026】
また、タンディッシュ4Aは、注湯板53を一体的に設けた底板41、両側の側板42、注湯板53のカバー59を一体的に設けた前板43、後板44、支持板45、傾斜受板46、および補強板47、48等の板材を要素として組み立てられており、タンディッシュ4Aをそれらの板材に分解することも容易であるので、それらの何れかが、例えば熱衝撃によって破損してもその部分のみを交換することが可能であり、従来の一体的に成形されたタンディッシュが部分的に破損した場合に比較して、補修が極めて容易である。
【0027】
更には、図2を参照して、タンディッシュ4A内で溶湯が詰まっても、両側方のカバー64内に納められているロードセルがタンディッシュ4Aと溶湯との総重量を常時監視しており、その重量が所定値を超えると金属溶解炉2からタンディッシュ4Aへの出湯を強制的に停止させる。また、万一、溶湯がタンディッシュ4Aから溢れ出しても、タンディッシュ4Aの両側方の溝61を経て排出口62から溢出溶湯受器63に導かれ収容されるので、溢れ出した高温の溶湯によって鋳造装置が損壊されるような事故が防がれる。
【0028】
そのほか、図1に示すように、タンディッシュ4Aを支持する支柱72はその下端部の両側方に軸支された二対の車輪73と架台71に固定された走行用レール74とによって側方への移動が可能とされているので、例えば冷却ロール5の交換時やタンディッシュ4Aの予熱時にタンディッシュ4Aを側方へ移動させることができる。従って、冷却ロール5の交換作業等が短時間で完了する。
【0029】
(具体例)本発明のタンディッシュを用いて出発原料として、Nd、Dy、電解鉄、Co、フェロボロン、Al、Cuを使用し、重量比で30Nd−1Dy−BAL.Fe−4Co−1.1B−0.3Al−0.2Cuの組成に配合後、ストリップキャスト法により合金薄帯を作製した。
傾斜受板46上における溶湯の供給方向と、傾斜受板46の溶湯を受ける地点より上側部分との挟角αの角度と、溶解量に対する溶湯飛散量の重量、および図5のタンディッシュを使用した時の各仕切(スリット)への溶湯分配の均等性の関係を表1に示した。
【表1】
Figure 0003901875
【0030】
本発明の実施の形態によるタンディッシュ4Aは以上のように構成され作用するが、勿論、本発明はこれに限られることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0031】
例えば本実施の形態においては、タンディッシュ4において傾斜受板46を平板状としたが、これを下方へ凸の緩い曲面板としてもよい。また本実施の形態においては、タンディッシュ4Aを加熱するような機器を設けなかったが、溶湯が詰まりを発生し易い注湯路51を外部から保温的に加熱する機器、例えば赤外線を照射する機器を付設してもよい。
【0032】
また本実施の形態においては、傾斜受板46とノズル状で横長の注湯路51とを有するタンディッシュ4Aについて説明したが、これ以外の形状のタンディッシュとすることも可能である。例えば図6は本発明の変形例1のタンディッシュ4Bの破断側面図であり、タンディッシュ4Aの図4に対応する図である。タンディッシュ4Bは放熱によって温度が低下しにくいように厚肉とした底板81、両側板82、前板83、後板84を組み立てて形成されている。底板81は前端部においてその表面を上向き傾斜として溶湯の堰85とすると共に、底板81の前端面を下向き傾斜として流路86としている。また、前板83を、その下端が底板81の堰85となる部分の直上方に位置するように設けて、その下端と底板81の表面との間に出湯口87を設け、前板83の出湯口87の上方には、出湯口87が詰まった場合の排出口88を形成させており、その直前の庇部分89aによって出湯口87近傍の溶湯の輻射による温度低下を防ぐようにしたものである。溶解炉2からタンディッシュ4Bへ注がれる溶湯は堰85によって一定の厚さとされ、出湯口87から注湯路86を経て整流として冷却ロール5へ注湯される。
【0033】
また、図7は変形例2のタンディッシュ4Cの破断側面図である。形状的には図6の変形例1のタンディッシュ4Bと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、それらの説明は省略する。変形例1のタンディッシュ4Bと異なるところは、前板83の排出口88の直前の庇部分から前方へ若干下向き傾斜の垂下部を設けて、底板81の前端面の流路86の保温カバー89bとしていることにある。出湯口87から冷却ロール5へ注湯される溶湯は保温カバー89bによって温度低下が防がれると共に、出湯口87および流路86における溶湯の温度低下による詰まりの発生が防がれる。
【0034】
また、図8は変形例3のタンディッシュ4Dの破断側面図である。このタンディッシュ4Dは、底板91、両側板92、後板94を組み立てて形成されている。底板91の前端部には溶湯の堰98が設けられ、その前端面は前方へ下向き傾斜の流路とし、かつ、実施例のタンディッシュ4Aにおける流路ガイド板54と同様に、流路ガイド板99を設けている。そして、前板は存在しないが、それに代わるものとして、前端部の上端から後端部の底面に近い位置まで、タンディッシュ4Dの幅を有する下向き傾斜の傾斜受板96が設けられ、傾斜受板96の下端から底板91に平行に堰98よりも前方の位置まで保温板97が設けられている。これら傾斜受板96と保温板97は、図示せずとも、両側板92の内側に接して設けた支持板によって支持される。
【0035】
溶解炉2から傾斜受板96へ注がれる溶湯は傾斜受板96を流下して後端から底板91の後端部へ低い落差を落下し、向きを変えて流れる。溶湯は堰98によって一定の厚さとされると共に、底面91のほぼ全長を流れて整流化され、堰98を越え流路ガイド板99に導かれて冷却ロール5へ注湯される。この時、底面91を流れる溶湯は、保温板97によって、また堰98を越えて注湯される溶湯は保温板97の前端部によって温度低下が防がれる。
【0036】
また本実施の形態においては、タンディッシュ4A内の溶湯量を監視するために、タンディッシュ4と内部の溶湯との総重量をロードセルによって測定するようにしたが、これ以外の方法によって溶湯量を監視してもよい。例えば、超音波を溶湯面に向けて発信し、反射波が受信されるまでの時間によって溶湯の液面の高さを監視するようにしてもよい。光を溶湯面に照射して反射強度の大きさから同様に溶湯の液面の高さを監視し得る。
【0037】
また本実施の形態においては、冷却ロール5の交換等の作業を容易ならしめるために、タンディッシュ4Aを側方へ移動可能に設置したが、例えば、油圧シリンダによって上昇させるようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明のタンディッシュは以上説明したような形態で実施され、次ぎに記載するような効果を奏する。
【0039】
請求項1のタンディッシュは傾斜受板を設け溶湯の流路を長くし、堰を設けると共に、必要な落差は可及的に小さくすることにより、溶湯がタンディッシュから整流化された状態で冷却ロールへ注湯されるようにしているので、冷却ロール上の溶湯の幅、厚さが一定に維持され易く、従って溶湯を均一に冷却させ易い。また、タンディッシュを全体的に肉厚にして保温性を高めるか、または、例えば底面31上の傾斜受板46のように、溶湯の流路の上方に温度の高いカバーを設けて、溶湯の輻射による温度低下を防いでいるので、上記の溶湯の整流化と相俟って、タンディッシュ内において溶湯の詰まりが発生しにくい。
【0040】
また請求項1のタンディッシュ複数種の比較的単純な形状の板材を組み立てたものとしているので、例えば熱衝撃を受けてタンディッシュが部分的に破損しても、該当箇所の板材のみを交換することによって短時間で復旧し得るほか、庇のついた冷却ロールを交換する場合には、タンディッシュを冷却ロールから離隔させ得るので、作業が容易となって短時間に完了し、金属鋳造装置の稼働率の低下が回避される。
【0041】
またタンディッシュ内の溶湯量を常時監視して、溶湯量が所定量を越えると溶解炉からタンディッシュへの出湯を停止させるようにしており、かつタンディッシュからの万一の溢れ出しに備えて溢出溶湯受器を設けているので、高温度の溶湯が溢れ出て鋳造装置を損壊させるような事故が防がれている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 金属鋳造装置に設置されるタンディッシュを加熱溶解炉、冷却ロールと共に示す部分破断側面図である。
【図2】 図1に対応する平面図である。
【図3】 実施例のタンディッシュの平面図である。
【図4】 図3における[4]−[4]線方向の断面図である。
【図5】 図4における[5]−[5]線方向の矢視図である。
【図6】 変形例1のタンディッシュの破断側面図である。
【図7】 変形例2のタンディッシュの破断側面図である。
【図8】 変形例3のタンディッシュの破断側面図である。
【図9】 従来例1のタンディッシュの部分破断側面図である。
【図10】従来例2のタンディッシュの斜視図である。
【符号の説明】
2 誘導加熱式溶解炉
3 支柱
4A タンディッシュ
4B タンディッシュ
4C タンディッシュ
4D タンディッシュ
5 冷却ロール
6 スクレーパ
41 底板
42 側板
43 前板
44 後板
45 支持板
46 傾斜受板
47 補強板
48 補強板
49 外枠
51 注湯路
52 堰
53 注湯板
54 流路ガイド板
55 分流路
61 溝
62 排出口
63 溢出溶湯受器
64 カバー
72 支柱
73 車輪
74 走行用レール

Claims (16)

  1. 溶解炉で溶解された金属溶湯を冷却ロールへ注湯するためのタンディッシュにおいて、
    前記タンディッシュが箱形状であり前記箱形状の内部に前記箱形状の幅で前記箱形状の前端側の上端部分から後端側の下端部分へ至るように下向き傾斜に設けられ、前記溶解炉から供給される前記溶湯を受けて前記箱形状の底面の後端部へ流下させる傾斜受板、および前記底面の前端部にノズル状で横長の注湯路が設けられていることを特徴とするタンディッシュ。
  2. 前記溶解炉から前記傾斜受板へ向かって下向き傾斜に供給される前記溶湯の前記傾斜受板上における供給方向と前記傾斜受板の前記溶湯を受ける地点より上側部分との挟角の角度が90・以下となるように設定されている請求項1に記載のタンディッシュ
  3. 前記注湯路が前記底面の前端に一体的に形成された前方へ向かって下向き傾斜の注湯板と前記箱形状の前板の下端部から前記注湯板に平行に形成された前記溶湯の保温カバーとからなる請求項1または請求項2に記載のタンディッシュ
  4. 前記傾斜受板が前記底面を流れる前記溶湯の保温カバーとされている請求項1から請求項3までの何れかに記載のタンディッシュ
  5. 前記注湯板と一体的に前記底面から突出して堰が設けられおり前記溶湯が前記底面の後端部から前端部までの間を流れて整流化され、前記堰を越えて前記注湯路から前記冷却ロールへ注湯される請求項1から請求項4までの何れかに記載のタンディッシュ
  6. 前記堰および前記注湯板がそれらの幅を等分する複数の流路ガイド板によって分割されている請求項5に記載のタンディッシュ
  7. 前記タンディッシュが、少なくとも前記注湯板を備えた底板と、前記底板の両側に配置される一対の側板と、前記注湯板の保温カバーを一体的に設けた前記前板と、後板と、前記傾斜受板と、前記傾斜受板の支持板とからなる複数の板材を要素とし、前記各板材を交換可能に組み立てて構成されている請求項1から請求項6までの何れかに記載のタンディッシュ
  8. 前記タンディッシュ中の前記溶湯の量が常時監視されており、前記溶湯の量が所定量を超える場合には前記溶解炉から前記タンディッシュへの前記溶湯の供給が停止される請求項1から請求項6までの何れかに記載のタンディッシュ
  9. 前記溶湯の量が前記タンディッシュと前記溶湯との総重量をロードセルで測定して監視されている請求項1から請求項8までの何れかに記載のタンディッシュ
  10. 前記溶湯が前記タンディッシュから溢れ出る場合に備えて、溢出溶湯受器が前記タンディッシュの周囲に設けられている請求項1から請求項9までの何れかに記載のタンディッシュ
  11. 前記タンディッシュが、前記冷却ロールの交換等に際して、前記冷却ロールから離隔され得るように設置されている請求項1から請求項10までの何れかに記載のタンディッシュ
  12. 溶解炉で溶解された金属の溶湯を冷却ロールへ注湯するためのタンディッシュにおいて
    前記タンディッシュが全体的に肉厚の箱形状であり、前記タンディッシュの底面の前端側を上向き傾斜面として前記底面を後端側から前端側へ流れる溶湯の堰が形成されると共に、前記底面の前端面が下向き傾斜の流路とされ、かつ前記箱形状の前面壁の下端が前記上向き傾斜面の途中の直上方に位置して、前記前面壁の下端と前記上向き傾斜面との間に出湯口が形成されており
    加えて、前記出湯口が閉塞した場合の前記溶湯の排出口が、前記出湯口の上方において前記前面壁に形成されていることを特徴とするタンディッシュ
  13. 前記前面壁の前記排出口の上方から垂下部が前方へ傾斜して形成されており、前記流路を流れる前記溶湯の保温カバーとされている請求項12に記載のタンディッシュ
  14. 溶解炉で溶解された金属の溶湯を冷却ロールへ注湯するためのタンディッシュにおいて
    前記タンディッシュが箱形状であり、前記箱形状の内部に前記箱形状の幅で前記箱形状の前端側の上端部分から後端側の下端部へ至るように下向き傾斜に設けられ、前記溶解炉から供給される前記溶湯を受けて前記箱形状の底面の後端部へ流下させる傾斜受板、および前記底面の前端部に前記底面から突出する堰が設けられると共に該堰の前端面が下向き傾斜の流路とされ、更に前記傾斜受板の下端から前記底面に平行に前記堰を越える位置まで前記底面を流れる前記溶湯の保温カバーが設けられていることを特徴とするタンディッシュ
  15. 請求項1から請求項14までの何れかに記載のタンディッシュを使用する希土類元素含有合金の製造方法。
  16. 請求項1から請求項14までの何れかに記載のタンディッシュを備 えた希土類元素含有合金の製造装置
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