JP3897841B2 - Disease diagnostic agent using labeled acyl-L-carnitine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、標識アシル−L−カルニチンを用いた疾患診断剤に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、生体内のアシルカルニチン挙動を高感度で測定することのできる標識アシル−L−カルニチンを用い、慢性疲労症候群をはじめとする消耗性疾患、血管障害、ストレス病などのアシルカルニチン代謝異常症候群(Acyl-Carnitine Metabolic Syndrome: ACMDS)に属する疾患や、あるいは脳梗塞、脳血栓症、老人性脳機能障害等の脳障害疾患の発病またはその危険性を簡便かつ正確に診断するための薬剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カルニチンは、1905年に筋肉組織中で最初に発見された生理活性物質であり、これまでに、生体における主なエネルギー源として利用されている長鎖脂肪酸のミトコンドリア内への取り込みや、ミトコンドリア内における短鎖脂肪酸CoA(Coenzyme A)/CoA比の調節に重要な働きをしていることが明らかにされている。
【0003】
カルニチンが脂肪酸と結合したアシルカルニチン(特にアセチルカルニチン)については、約10年前よりその薬理的効果について動物を用いた様々な検討がなされており、その結果、生体組織または細胞へのアシルカルニチンの投与が、ア)脳エネルギー代謝や脂肪代謝に影響を及ぼすこと、イ)神経細胞の生存期間を延長させること、ウ)加齢に伴う神経細胞の構造変化を予防し、学習効率の低下を改善させること、エ)細胞のアポトーシスを抑制すること等の数多くの薬理効果をもたらすことが明らかにされつつある。
【0004】
このアシルカルニチンは、内在性に存在する生理的な物質であるが、現在までに生体内でのアシルカルニチンの変化については絶食時や運動時において血液中に上昇がみられることが報告されているだけであり、このアシルカルニチンが生体のどの器官、組織、細胞で産生され、どのように働いているいるのかなどについては殆ど解明されていない。
【0005】
最近、この発明の発明者等は、慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome: CFS)の多くの患者では筋肉生理学・生化学検査上明らかな異常が認められないにもかかわらず、脱力、筋肉痛、軽度の労作後の強い倦怠感等の筋症状を示すことに疑念をいだき、血清中のカルニチンの値を測定したところ、CFS患者では遊離カルニチン値は正常であるが、脂肪酸を結合したアシルカルニチンが明らかに減少しているという特異な現象を報告している(Clinical Infectious Diseases 1994; 18(Suppl 1) S62-7)。さらにその後、この発明の発明者等は、絶食・再摂食マウス、糖負荷前後のサルやヒトを用いた検討によって、絶食などのエネルギー危機の状態では、肝でアシルカルニチンを産生し、再摂食や糖負荷によりその必要がうすれた場合には、速やかに血液中より肝へ取り込み貯蔵するという、肝臓を中心とした制御機構が存在していることを見出している。
【0006】
一方、生体内の極微量物質の生理的、薬理的、あるいは生化学的挙動を測定する方法として、標識した物質を生体内に投与し、生体各組織やその生物標本における物質の挙動をトレースすることが各種の方法によって行われている。たとえば、サイクロトロンで作成したポジトロン崩壊核種を用いてポジトロン標識化合物を合成し、これを生体内に投与したのち、ポジトロンエミッショントモグラフィー(Positron Emission Tomography:PET)によって各組織の放射活性を測定する方法や、あるいは安定同位体で標識した物質を生体に投与し、高磁場環境下での電磁波照射に対する核磁気共鳴を画像化する方法( Magnetic Resonance Imaging:MRI)や、その共鳴周波数を測定する核磁気共鳴スペクトル装置(Magnetic Resonance Spectroscopy :MRS)を用いた方法等が広く用いられている。また、これらの方法は1個体としての生体を対象としてその各組織における標識物質の挙動を追跡することが可能であるが、それ以外にも、たとえば生体から採取した尿や血液等の生物標本を試料として標識物質を測定する方法として、液体クロマトグラフィー等を利用した方法も用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、この発明者等が見出したアシルカルニチン代謝異常と各種疾患との関係に基づいてなされたものであって、生体各組織またはその生物標本におけるアシルカルニチン挙動を高感度で測定することのできる新しい標識物質を有効成分とする疾患診断剤を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するものとして、炭素が放射化学標識されたアシル−L−カルニチンまたはその塩もしくは誘導体である標識アシル−L−カルニチンを提供する。
この標識アシル−L−カルニチンにおけるアシル−L−カルニチンとは、カルニチンが脂肪酸と結合した物質であり、アシル−L−カルニチンまたはその塩もしくは誘導体を含んでいる。アシル−L−カルニチンとしては、炭素2〜26程度の直鎖状または分枝鎖状アシル基を有するカルニチン、例えば、アセチルカルニチン、プロピオニルカルニチン、ブチルカルニチン、イソブチルカルニチン、バレリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、ピバロイルカルニチン、ヘキサノイルカルニチン、ラウロイルカルニチンなどが含まれる。後記する検査方法等に用いる場合には、炭素2〜6程度のアシル−L−カルニチンが好ましく、特に、アセチルカルニチン、プロピオニルカルニチンが好ましい。
【0010】
このような標識アシル−L−カルニチンは、具体的には放射化学標識が、11C標識であって、標識された炭素が、カルニチン基を構成する炭素原子、アシル基の第1位炭素原子、またはアシル基の第2位からω末端までの任意の位置の炭素原子であることを好ましい態様としている。これらの標識アシル−L−カルニチンは、例えば以下の化1、化2、化3、化4として各々例示することができる。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
また、この発明は、炭素が安定同位体標識されたアシル−L−カルニチンまたはその塩もしくは誘導体である標識アセチル−L−カルニチンを提供する。この標識アシル−L−カルニチンは、具体的には、安定同位体標識が、13C標識であることを好ましい態様としている。
さらにこの発明は、上記の標識アシル−L−カルニチンの一種または2種以上を有効成分とする薬剤であって、この薬剤を投与した生体の各組織、または生体より採取した生物標本における標識アシル−L−カルニチンの取り込み量を測定することによって、アシルカルニチン代謝異常症候群に属するヒト疾患の有無または程度を診断することを特徴とする疾患診断剤を提供する。この薬剤を用いることによって、アシルカルニチンの代謝やその取り込み異常を原因とする様々な疾患の有無や程度、あるいはそれらの疾患に対する各種の治療処置の効果を、生体から採取した尿や血液における標識アシル−L−カルニチン挙動を測定することによって診断することができ、また、PET法やMRI、MRSを用いた画像化によって生体各組織における標識アシル−L−カルニチン挙動の局在を判断することが可能となる。
【0016】
なお、この疾患診断剤によってその症状や発病のリスクを診断することのできるヒト疾患は、ACMDSに基づく症状、病態等である。すなわち、全身の細胞機能異常に関連する症状、例えば、全身倦怠感、頭痛、関節痛、微熱、睡眠過剰や不眠などの睡眠異常、めまい、羞明、視野暗転、健忘、過敏、錯乱、思考障害、注意集中不能、知覚障害、運動障害(運動麻痺、運動失調など)、抑うつなどの精神神経症状、食欲不信、眼のかすみなどの乾燥症状、消化器症状(腹痛、悪心、下痢、便秘など)、口腔乾燥、寝汗、呼吸器症状(咳、呼吸困難、息切れ、咽頭痛、胸痛など)、循環器症状(不整脈、頻脈、徐脈、動悸、胸痛、ショック状態、高血圧、低血圧などの血圧異常)、頻尿、乏尿、湿尿、白血球機能異常(NK活性の低下、リンパ球機能異常、単球機能異常など)、赤血球の形態異常などが挙げられる。
【0017】
さらに、この発明の疾患診断剤は、脳の構造的および/または機能的障害を原因とするヒト疾患を診断することもできる。すなわち、この発明の発明者等は、サルの一側の脳動脈を結紮したところ、血流が低下した側の脳部位では予想に反してアシルカルニチンの取り込みが亢進しているという極めて興味深い事実を見出している。このことは、血流低下等により糖代謝などが障害された場合にはアシルカルニチンがより取り込まれるメカニズムが存在し、このメカニズムが脳代謝代償に寄与していることを示唆するが、同時にこのようなアシルカルニチンの脳内挙動を追跡することによって、例えば脳梗塞や脳血栓症等の構造的障害、あるいはアルツハイマー病等の老人性脳機能障害の症状や病態を診断することが可能となる。
【0018】
さらにまた、標識アシル−L−カルニチンの脳内挙動の測定は、上記のACMDSに基づく各種疾患の有無や程度を診断するのにも有効である。なお、このような脳部位におけるアシルカルニチン挙動の測定には、アシル基の第2位からω末端までの任意の位置の炭素原子が11C標識されたアシル−L−カルニチンを用いるのが好ましい。他の標識アシル−L−カルニチンに比べ脳内に取り込まれる効率が最も高いためである。
【0019】
【実施例】
以下、参考例および実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明するが、この発明は以下の例によって限定されるものではない。
参考例1
第1位炭素原子を11C標識したアセテート (〔1−11C〕Acetate)を以下のとおり合成した。
【0020】
〔11C〕二酸化炭素を、900μl乾燥ジエチルエーテル、200μl乾燥THFおよび70μl3Mメチルマグネシウムブロミドの溶液に補集した。30秒の反応時間の後、1.2M−HClの1mlを添加し、N2 気流中でジエチルエーテルを蒸発させた。
粗生成物を、HPLC (Beckman Ultrasphere ODS C−18 10×250mm、mobile phase:saline(0.9%NaCl)により精製した。
【0021】
また、分析は、Beckman AXHPLCカラム(4.6×250mm、5μm)で、mobile phase A:0.01M CaHPO4 (pH4.6)およびB:MeOH、A/B=95/5で行った。
参考例2
第2位炭素原子を11C標識したアセテート (〔2−11C〕Acetate)を以下のとおり合成した。
【0022】
0.25M−水素化アルミニウムリチウムのTHF0.5ml溶液に〔11C〕二酸化炭素をトラップすることにより〔11C〕ヨウ化メチルを合成した。
THFを蒸発させたのち、1mlの57%ヨウ化水素を加え、N2 気流中、−72℃で〔11C〕ヨウ化メチルを、500μl乾燥ジエチルエーテルおよび100μl(160μmol)の1.6Mn−ブチルリチウムの溶液に移行した。1分間の反応時間ののち、二酸化炭素ガスを加えた(毎分50ml、30秒間)。反応ビンを2分間、55℃まで加温し、N2 気流中でジエチルエーテルを蒸発させた。3mlの0.1M HClと1ml生理食塩水を添加したのち、粗生成物をHPLCカラムに注入した。なお、HPLCシステムは参考例1と同一のものを使用した。
参考例3
第1位炭素原子を13C標識したアセテート (〔1−13C〕Acetate)を参考例1と同様にして合成した。
【0023】
ただし、30mg(280μmol)の〔13C〕Na2 CO3 を空間反応容器中において2ml H2 Oに溶解し、1M−HClの1mlを添加し、生成した〔13C〕二酸化炭素をヘリウムガス流により参考例1と同様に補集して反応を行った。
参考例4
第2位炭素原子を13C標識したアセテート (〔2−13C〕Acetate)を参考例2と同様にして合成した。
【0024】
ただし、〔11C〕ヨウ化メチルを、n−ブチルリチウム中で補集したのち、20μl(64μmol)の〔13C〕ヨウ化メチルを添加した。HPLCのmobile phaseとしては、H2 Oを使用した。
実施例1
アセチル基の第1位炭素原子を11C標識したアセチル−L−カルニチン(ACN)を以下のとおり合成した。
【0025】
参考例1で合成した〔1−11C〕アセテートの生理食塩水溶液(1.32ml)を0.5M−Tris/HClバッファー(pH8.0)400μl、0.3M−MgCl2 ・6H2 Oの20μl(6μmol)、0.1M−ATPの100μl(10μmol)、50mM−コエンザイムA(Sigma) の40μl(2μmol)、アセチル−CoA合成酵素(Boehringer Mannheim GmbH)40μl(400μg、3units /mg蛋白質)、1.0M−L−カルニチン40μl(4μmol)およびカルニチンアセチルトランスフェラーゼ(Sigma) 40μl(304μg,77units /mg)の溶液に添加した。
【0026】
この溶液を、37℃の温度において5分間インキュベートし、1.0M−HClの200μlを添加して反応を終了させた。
反応液を、0.22μm細孔径のフィルターに通し、次いでHPLCカラム(Beckman Ultraphere ODS C−18 10×250mm、mobile phase:100%生理食塩水)に注入した。
【0027】
分析は、Beckman CXHPLCカラム、4.6×250mmにより、mobile phase A:0.01M CaHPO4 (pH4.6)およびB:MeOH=95/5で行った。
実施例2
アセチル基の第1位炭素原子を13C標識したアセチル−L−カルニチンを実施例1と同様にして合成した。
【0028】
ただし、以下の操作を行った。
参考例3で合成した1.4mlの〔1−13C〕アセテート(H2 O)を、800μlの0.5M−Tris/HCl、40μl(12μmol)の0.3M−MgCl2 ・6H2 O、200μl(20μmol)の0.1M−ATP、80μl(8μmol)の50mM−コエンザイムA、80μl(800μg、3units /mg蛋白質、アセチル−CoA合成酵素、80μl(8μmol)の1.0M−L−カルニチンおよび80μl(608μg、77units /mg)カルニチンアセチルトランスフェラーゼの溶液に添加した。
【0029】
この溶液を37℃の温度において12分間インキュベートし、H2 Oをmobile phaseとするHPLCにより精製した。
回収したフラクションを蒸発乾燥させ、D2 Oにより希釈した。13C−NMRスペクトルは、δ175.9(レファレンス TSP)シングルピークを示し、このピークは、同一条件でのO−アセチル−L−カルニチンのアセチル基におけるカルボニル炭素に対応するものであることを確認した。
実施例3
アセチル基の第2位炭素原子を11C標識したアセチル−L−カルニチン(ACM)を、参考例2で合成した〔2−11C〕アセテートを用いて実施例1と同様にして合成した。
実施例4
アセチル基の第2位炭素原子を13C標識したアセチル−L−カルニチンを、参考例4で合成した〔2−13C〕アセテートを用いて実施例1と同様にして合成した。13C−NMRスペクトルは、δ23.8(TSP)シングルピークを示し、このピークは、同一条件でのO−アセチル−L−カルニチンのメチルカーボンに対応していることが確認された。
実施例5
カルニチンのN−メチル炭素原子を11C標識したL−カルニチン(CRN)およびアセチル−L−カルニチン(ACC)を以下のとおり合成した。
【0030】
0.25M−リチウムアルミニウム水素化物のTHF0.5ml溶液に〔11C〕二酸化炭素をトラップすることにより〔11C〕ヨウ化メチルを合成した。
THFの蒸発後、57%ヨウ化水素1mlを添加し、〔11C〕ヨウ化メチルをN2 気流により、2mg(13.5μmol)デスメチル−L−カルニチン、200μlDMSOおよび50μl(43μmol)K2 CO3 −溶液(42mg/350μlH2 O)の溶液に移した。
【0031】
この溶液を90℃の温度に5分間加熱し、2mlのH2 Oにより希釈し、pHを8〜9に調整した。
この溶液を、2mlエタノールおよび2mlのH2 O/KOH(pH8.0)により調製された陽イオン交換樹脂(AG・50W−X4、Bio-Rad Laboratories Richmond 、CA)150mgが充填された抽出カラムを通した。
【0032】
2mlのH2 Oにより洗浄後、L−〔11C〕カルニチンを0.5mlの2M−HClにより、0.5mlの2M−Na2 CO3 溶液に溶出した。
生成物は、 BeckmanCXカラムで、A:0.01M CaHPO4 (pH4.6)およびB:MeOH、A/B=95/5によりHPLCにより分析した。
回収フラクションのLC/MS分析の結果、L−カルニチンに相当するm/z162の値を得た。
【0033】
生成物を、400μl Tris/HClの緩衝液(pH8.0)、20μl(2μmol)の0.1M−アセチル−CoAおよび20μl(152μg、77units /mg)のカルニチンアセチルトランスフェラーゼの溶液に添加した。この溶液を、37℃の温度において5分間インキュベートした。
反応は、200μlの1.0M−HClの添加により終了させた。次いで溶液を、0.22μm細孔径のフィルターを通した。実施例1と同様のHPLCシステムにより精製、分析した。
【0034】
回収フラクションのLC/MSは、アセチル−L−カルニチンに相当するm/z204の値を示した。
実施例6
カルニチンN−メチル炭素原子を13C標識したアセチル−L−カルニチンを実施例5と同様にして合成した。
【0035】
ただし、以下の操作を行った。
L−〔N−メチル−13C〕カルニチンを、2mlの0.5M−Tris/HClバッファー、100μl(10μlmol)の0.1M−アセチル−CoA、100μl(760μmol、77units /mg)カルニチンアセチルトランスフェラーゼの溶液に添加し、15分間インキュベートした。また、HPLCのmobile phaseとしてはH2 Oを用いた。
【0036】
回収したフラクションは蒸発した後、D2 Oにより希釈した。13C−NMRスペクトルは、同一条件のO−アセチル−L−カルニチンのN−メチル炭素に相当するδ57.2シングルピーク(TSPレファレンス)を示した。
実施例7
麻酔下のアカゲザルに、実施例1、3および5で各々作成したACN、ACM、CRNおよびACCをそれぞれ等量ずつ2時間間隔で静脈内に投与し、脳(whole brain:WB9)と側頭筋(temporal muscle:TEM11)への取り込み値をPETを用いて経時的に追跡した。ただし、取り込み値は次の式によって算出した。
【0037】
【0038】
結果は、図1に示したとおりであり、カルニチンのN−メチル炭素原子が標識されたCRNおよびACCは殆ど脳内に取り込まれなかった。また、第1位炭素原子が標識されたACNもわずかに脳に取り込まれるだけであった。これに対して、第2位炭素原子が標識されたACMの脳内取り込み効率は極めて良好であり、投与から60分後までほぼ直線的に脳に取り込まれることが確認された。
【0039】
一方、側頭筋への取り込み量は、いずれの標識物質にも基本的な差は観察されなかった。
以上の結果から、脳内のアシル−L−カルニチン挙動を測定するためには、少なくとも第2位炭素原子もしくは第2位からω末端までに位置する炭素原子を標識したアシル−L−カルニチンの使用が有効であることが確認された。
実施例8
実施例1で合成したACMを健常者に静脈内投与し、ACMの脳内取り込み値を、休止状態(WB9)と課題負荷状態(計算課題、記憶課題等:WB9−TASK)の各々においてPETを用いて比較した。
【0040】
結果は図2に示したとおりであり、ACMは休止状態でも経時的に脳に取り込まれることが再度確認されたが、さらに重要な点として、このACMは課題負荷状態では、休止状態の約20%も脳に取り込まれることが実証された。
この結果は、脳の機能発現とアシルカルニチンの脳内活性には正の相関関係があり、従って、脳内の標識アシル−L−カルニチン挙動を測定することによって、脳の構造的および/または機能的障害の存在もしくはその程度を精度良く診断することが可能であることを示すものである。
実施例9
実施例3で合成したACMを、健常者(N=5)およびCFS患者(N=6)の各々に静脈内投与し、脳の全体および視覚皮質におけるACMの取り込み値をPETを用いて経時的に測定した。
【0041】
結果は図3(脳全体)および図4(視覚皮質)に示したとおりである。すなわち、CFS患者におけるACM取り込み値の経時的増加は、健常者のそれに比べて有意に低く、しかもそのような違いは脳全体よりも視覚皮質において顕著に観察された。
以上の結果によって、この発明の標識アシル−L−カルニチン(特にACM)をヒトに投与し、その脳の全体、好ましくは脳の視覚皮質におけるACM挙動をPET等により測定することにより、CFSに属する疾患の有無またはその程度を診断することが可能であることが確認された。
【0042】
なお、CFS患者におけるACM取り込み値の減少は、脳血流量の低下に起因するものではない。すなわち、図5に示したように、脳全体(WB−S.T)および視覚皮質(VCX)を含めた各部位(小脳:CRB、橋:PONS、下垂体:PIT、線条体:STR、視床:THALAMUS、前偏頭皮質:A−Cg、後偏頭皮質:P−Cg)における血流量を健常者およびCFS患者で比較したところ、両者に有意な差は観察されず、このことは、ACM取り込み値で有意差が観られた脳全体および視覚皮質においても同様であった。
実施例10
実施例9でACMを静脈投与した健常者およびCFS患者から血液を採取し、その血漿中のACMの取り込み量をウェルカウンター法により測定した。
【0043】
結果は図6に示したとおりであり、血漿中におけるACM取り込み量は、健常者もCFS患者もほぼ同様の時間経過で減少した。
しかしながら、赤血球と血漿の各々のACM取り込み量の割合(赤血球/血漿比)を観た場合には、図7に示したように、健常者ではこの割合が経時的に増加するのに対し、CFS患者では増加が抑制された。このことは、血漿中のACM取り込み量の変化が健常者およびCFS患者で差がないことを考慮すれば、CFS患者における赤血球でのACM取り込み量が健常者に比べて有意に低いことを明示する結果である。
【0044】
以上のことから、この発明の標識アシル−L−カルニチンは、その血液中の挙動を測定することによっても、CFSに属する疾患の有無またはその程度を診断することが可能であることが確認された。
【0045】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この発明によって、生体各組織またはその生物標本におけるアシルカルニチン挙動を高感度で測定することのできる新しい標識アシル−L−カルニチンが提供される。
また、この発明によって、アシルカルニチンの代謝やその取り込み異常を原因とする様々な疾患や、あるいは脳の構造的/機能的障害を原因とする疾患を、生体から採取した尿や血液等の生物標本の測定、またはPET法やMRI、MRSを用いた生体各組織の画像化によって診断することが可能となる。さらには、それらの疾患に対する各種の治療処置の経過を把握することも可能になり、治療法の最適化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】アカゲザルの脳および側頭筋へのACN、ACM、CRNおよびACCの取り込み値を経時的に示したグラフ図である。
【図2】健常者の脳へのACM取り込み値を、休止状態(WB9)と課題負荷状態(WB9−TASK)の各々において経時的に示したグラフ図である。
【図3】健常者およびCFS患者の脳全体へのACM取り込み値を経時的に示したグラフ図である。
【図4】健常者およびCFS患者の脳視覚皮質へのACM取り込み値を経時的に示したグラフ図である。
【図5】健常者およびCFS患者の脳の各部位での血流量を示したグラフ図である。
【図6】健常者およびCFS患者の血漿へのACM取り込み値を経時的に示したグラフ図である。
【図7】健常者およびCFS患者の赤血球および血漿への各々のACM取り込み値の割合を経時的に示したグラフ図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a disease diagnostic agent with labeled acyl -L- Karunichi down. More particularly, this invention uses a labeled acyl -L- carnitine capable of measuring acylcarnitine behavior in vivo with high sensitivity, wasting diseases, including chronic fatigue syndrome, vascular disorders, such as stress disease To easily and accurately diagnose the onset or risk of diseases belonging to the Acyl-Carnitine Metabolic Syndrome (ACMDS), or brain disorders such as cerebral infarction, cerebral thrombosis, and senile brain dysfunction Is related to the drug.
[0002]
[Prior art]
Carnitine is a physiologically active substance first discovered in muscle tissue in 1905. So far, long-chain fatty acids used as the main energy source in the living body are taken into mitochondria, It has been shown that it plays an important role in the regulation of the short chain fatty acid CoA (Coenzyme A) / CoA ratio.
[0003]
About acylcarnitine (especially acetylcarnitine) in which carnitine is combined with a fatty acid, various studies using animals have been made about its pharmacological effect about 10 years ago. As a result, acylcarnitine has been applied to living tissues or cells. The administration affects a) brain energy metabolism and fat metabolism, b) prolongs the survival time of neurons, c) prevents changes in the structure of neurons with age, and improves learning efficiency. It has been clarified that a number of pharmacological effects are brought about, such as inhibition of cell apoptosis.
[0004]
Acylcarnitine is an endogenous physiological substance, but up to now, it has been reported that the change of acylcarnitine in vivo is elevated in blood during fasting and exercise. However, little has been clarified as to which organs, tissues, and cells in the living body this acylcarnitine is produced and how it works.
[0005]
Recently, the inventors of the present invention have found that many patients with chronic fatigue syndrome (CFS) have weakness, muscle pain, mildness, although no obvious abnormalities are observed in muscle physiology and biochemical examination. Suspected to show muscle symptoms such as strong malaise after exertion, and measured carnitine level in serum, free carnitine level is normal in CFS patients, but acylcarnitine bound with fatty acid is clear It has reported a peculiar phenomenon that it is decreased (Clinical Infectious Diseases 1994; 18 (Suppl 1) S62-7). After that, the inventors of the present invention have produced acylcarnitine in the liver in the state of energy crisis such as fasting by fasting and refeeding mice, monkeys and humans before and after glucose loading, and refeeding. It has been found that there is a control mechanism centered on the liver, in which when the need is lost due to food or sugar load, the blood is quickly taken into the liver and stored.
[0006]
On the other hand, as a method of measuring the physiological, pharmacological, or biochemical behavior of trace amounts of substances in the living body, a labeled substance is administered into the living body, and the behavior of the substance in each tissue or biological specimen is traced. There are various methods. For example, after synthesizing a positron-labeled compound using a positron decay nuclide created with a cyclotron and administering it in vivo, the method of measuring the radioactivity of each tissue by positron emission tomography (PET), Alternatively, a substance labeled with a stable isotope is administered to a living body, and nuclear magnetic resonance imaging (Magnetic Resonance Imaging: MRI) for imaging electromagnetic waves in a high magnetic field environment or a nuclear magnetic resonance spectrum for measuring the resonance frequency. A method using an apparatus (Magnetic Resonance Spectroscopy: MRS) is widely used. In addition, these methods can trace the behavior of the labeling substance in each tissue of a living body as an individual, but other than that, for example, a biological specimen such as urine and blood collected from a living body can be used. As a method for measuring a labeling substance as a sample, a method using liquid chromatography or the like is also used.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made based on the relationship between acylcarnitine metabolism abnormalities and various diseases found by the present inventors, and is capable of measuring the acylcarnitine behavior in each biological tissue or its biological specimen with high sensitivity. An object of the present invention is to provide an agent for diagnosing a disease comprising a new labeling substance that can be used as an active ingredient .
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides a labeled acyl-L-carnitine in which carbon is radiochemically labeled acyl-L-carnitine, or a salt or derivative thereof, as a solution to the above problems.
The acyl-L-carnitine in the labeled acyl-L-carnitine is a substance in which carnitine is bound to a fatty acid, and includes acyl-L-carnitine or a salt or derivative thereof. Acyl-L-carnitine includes carnitine having a linear or branched acyl group having about 2 to 26 carbon atoms, such as acetylcarnitine, propionylcarnitine, butylcarnitine, isobutylcarnitine, valerylcarnitine, and isovalerylcarnitine. , Pivaloylcarnitine, hexanoylcarnitine, lauroylcarnitine and the like. When used in the inspection method described later, acyl-L-carnitine having about 2 to 6 carbon atoms is preferable, and acetylcarnitine and propionylcarnitine are particularly preferable.
[0010]
Specifically, such a labeled acyl-L-carnitine has a radiochemical label of 11 C label, and the labeled carbon is the carbon atom constituting the carnitine group, the first carbon atom of the acyl group, Alternatively, the preferred embodiment is a carbon atom at an arbitrary position from the second position of the acyl group to the ω terminal. These labeled acyl-L-carnitines can be exemplified as, for example, the following chemical formula 1,
[0011]
[Chemical 1]
[0012]
[Chemical 2]
[0013]
[Chemical 3]
[0014]
[Formula 4]
[0015]
Further, the invention provides a labeled acetyl -L- carnitine carbons are stable isotope-labeled acyl -L- carnitine or a salt or derivative thereof. Specifically, this labeled acyl-L-carnitine has a preferred embodiment in which the stable isotope label is a 13 C label.
Furthermore, the present invention is a drug comprising one or more of the above-described labeled acyl-L-carnitines as an active ingredient, and labeled acyl- in each tissue of a living body to which this drug is administered or a biological specimen collected from the living body. Disclosed is a disease diagnostic agent characterized by diagnosing the presence or degree of a human disease belonging to the acylcarnitine metabolic syndrome by measuring the amount of L-carnitine uptake. By using this drug, the presence or absence of various diseases caused by acylcarnitine metabolism and abnormal uptake, or the effects of various therapeutic treatments on these diseases, can be labeled acyl in urine and blood collected from living organisms. Can be diagnosed by measuring -L-carnitine behavior, and can determine the localization of labeled acyl-L-carnitine behavior in biological tissues by imaging using PET, MRI, and MRS It becomes.
[0016]
Note that human diseases whose symptoms and risk of disease can be diagnosed with this disease diagnostic agent are symptoms and pathologies based on ACMDS. That is, symptoms associated with systemic cell dysfunction throughout the body, for example, general malaise, headache, joint pain, slight fever, sleep abnormalities such as hypersomnia and insomnia, dizziness, dawn, dark vision, amnesia, irritability, confusion, thought disorder, Attention inconcentration, sensory disturbances, movement disorders (motor paralysis, ataxia, etc.), neuropsychiatric symptoms such as depression, loss of appetite, dryness such as blurred vision, digestive symptoms (abdominal pain, nausea, diarrhea, constipation, etc.) Dry mouth, night sweats, respiratory symptoms (cough, breathing difficulty, shortness of breath, sore throat, chest pain, etc.), cardiovascular symptoms (arrhythmia, tachycardia, bradycardia, palpitation, chest pain, shock state, high blood pressure, hypotension, etc.) ), Frequent urination, oliguria, wet urine, abnormal leukocyte function (decreased NK activity, abnormal lymphocyte function, abnormal monocyte function, etc.), abnormal erythrocyte morphology, and the like.
[0017]
Furthermore, the disease diagnostic agent of the present invention can also diagnose human diseases caused by structural and / or functional disorders of the brain. In other words, the inventors of the present invention ligated the cerebral artery on one side of the monkey, and found that the uptake of acylcarnitine increased unexpectedly in the brain region on the side where blood flow was reduced. Heading. This suggests that there is a mechanism for more uptake of acylcarnitine when sugar metabolism is impaired due to decreased blood flow, etc., and this mechanism contributes to brain metabolic compensation. By tracking the behavior of acylcarnitine in the brain, it becomes possible to diagnose structural disorders such as cerebral infarction and cerebral thrombosis, or symptoms and pathologies of senile brain dysfunction such as Alzheimer's disease.
[0018]
Furthermore, the measurement of the behavior of labeled acyl-L-carnitine in the brain is also effective in diagnosing the presence and extent of various diseases based on the above ACMDS. For the measurement of acylcarnitine behavior in such a brain region, it is preferable to use acyl-L-carnitine in which the carbon atom at any position from the second position to the ω-terminal of the acyl group is labeled with 11 C. This is because the efficiency of incorporation into the brain is the highest compared to other labeled acyl-L-carnitines.
[0019]
【Example】
Hereinafter, reference examples and examples will be shown to describe the embodiments of the present invention in more detail. However, the present invention is not limited to the following examples.
Reference example 1
The first carbon atom of the 11 C-labeled acetate ([1-11 C] Acetate) were synthesized as follows.
[0020]
[ 11 C] carbon dioxide was collected in a solution of 900 μl dry diethyl ether, 200 μl dry THF and 70 μl 3M methylmagnesium bromide. After 30 seconds of reaction time, the addition of 1ml of 1.2M-HCl, was evaporated diethyl ether in N 2 gas stream.
The crude product was purified by HPLC (Beckman Ultrasphere ODS C-18 10 × 250 mm, mobile phase: saline (0.9% NaCl).
[0021]
The analysis was performed on a Beckman AXHPLC column (4.6 × 250 mm, 5 μm) with mobile phase A: 0.01M CaHPO 4 (pH 4.6) and B: MeOH, A / B = 95/5.
Reference example 2
The second carbon atom of the 11 C-labeled acetate ([2-11 C] Acetate) were synthesized as follows.
[0022]
[ 11 C] methyl iodide was synthesized by trapping [ 11 C] carbon dioxide in a THF 0.5 ml solution of 0.25M-lithium aluminum hydride.
After evaporating the THF, 1 ml of 57% hydrogen iodide was added and [ 11 C] methyl iodide was added in a stream of N 2 at −72 ° C. with 500 μl of dry diethyl ether and 100 μl (160 μmol) of 1.6 Mn-butyl. It moved to the lithium solution. After a reaction time of 1 minute, carbon dioxide gas was added (50 ml per minute, 30 seconds). The reaction bottle was warmed to 55 ° C. for 2 minutes and diethyl ether was evaporated in a stream of N 2 . After addition of 3 ml 0.1 M HCl and 1 ml saline, the crude product was injected onto the HPLC column. The same HPLC system as in Reference Example 1 was used.
Reference example 3
The first carbon atom of the 13 C-labeled acetate ([1-13 C] Acetate) were synthesized in the same manner as in Reference Example 1.
[0023]
However, 30 mg (280 μmol) of [ 13 C] Na 2 CO 3 is dissolved in 2 ml of H 2 O in a space reaction vessel, 1 ml of 1M-HCl is added, and the produced [ 13 C] carbon dioxide is introduced into a helium gas stream. Thus, the reaction was conducted in the same manner as in Reference Example 1.
Reference example 4
The second carbon atom of the 13 C-labeled acetate ([2-13 C] Acetate) were synthesized in the same manner as in Reference Example 2.
[0024]
However, after collecting [ 11 C] methyl iodide in n-butyllithium, 20 μl (64 μmol) of [ 13 C] methyl iodide was added. H 2 O was used as the mobile phase of HPLC.
Example 1
Acetyl-L-carnitine (ACN) in which the first carbon atom of the acetyl group was labeled with 11 C was synthesized as follows.
[0025]
Synthesized in Reference Example 1 [1-11 C] acetate saline solution (1.32 ml) and 0.5M-Tris / HCl buffer (pH8.0) 400μl, 20μl of 0.3M-MgCl 2 · 6H 2 O (6 μmol), 100 μl (10 μmol) of 0.1 M-ATP, 40 μl (2 μmol) of 50 mM coenzyme A (Sigma), 40 μl of acetyl-CoA synthase (Boehringer Mannheim GmbH) (400 μg, 3 units / mg protein), 0 M-L-
[0026]
This solution was incubated for 5 minutes at a temperature of 37 ° C., and 200 μl of 1.0 M HCl was added to terminate the reaction.
The reaction solution was passed through a filter having a pore diameter of 0.22 μm, and then injected into an HPLC column (Beckman Ultraphere ODS C-18 10 × 250 mm, mobile phase: 100% physiological saline).
[0027]
The analysis was performed on a Beckman CXHPLC column, 4.6 × 250 mm, with mobile phase A: 0.01M CaHPO 4 (pH 4.6) and B: MeOH = 95/5.
Example 2
Acetyl-L-carnitine in which the first carbon atom of the acetyl group was labeled with 13 C was synthesized in the same manner as in Example 1.
[0028]
However, the following operations were performed.
1.4 ml of [1- 13 C] acetate (H 2 O) synthesized in Reference Example 3 was added to 800 μl of 0.5 M Tris / HCl, 40 μl (12 μmol) of 0.3 M MgCl 2 .6H 2 O, 200 μl (20 μmol) 0.1M-ATP, 80 μl (8 μmol) 50 mM Coenzyme A, 80 μl (800 μg, 3 units / mg protein, acetyl-CoA synthase, 80 μl (8 μmol) 1.0 M L-carnitine and 80 μl (608 μg, 77 units / mg) was added to a solution of carnitine acetyltransferase.
[0029]
This solution was incubated at a temperature of 37 ° C. for 12 minutes and purified by HPLC using H 2 O as a mobile phase.
The collected fraction was evaporated to dryness and diluted with D 2 O. The 13 C-NMR spectrum showed a δ175.9 (reference TSP) single peak, which was confirmed to correspond to the carbonyl carbon in the acetyl group of O-acetyl-L-carnitine under the same conditions. .
Example 3
The second carbon atom of the 11 C-labeled acetyl -L- carnitine acetyl group (ACM), was synthesized in the same manner as in Example 1 using the synthesized [2-11 C] acetate in Reference Example 2.
Example 4
Acetyl-L-carnitine in which the second carbon atom of the acetyl group was 13 C-labeled was synthesized in the same manner as in Example 1 using [2- 13 C] acetate synthesized in Reference Example 4. The 13 C-NMR spectrum showed a δ23.8 (TSP) single peak, and this peak was confirmed to correspond to the methyl carbon of O-acetyl-L-carnitine under the same conditions.
Example 5
L-carnitine (CRN) and acetyl-L-carnitine (ACC) in which the N-methyl carbon atom of carnitine was labeled with 11 C were synthesized as follows.
[0030]
[ 11 C] methyl iodide was synthesized by trapping [ 11 C] carbon dioxide in a THF 0.5 ml solution of 0.25M-lithium aluminum hydride.
After evaporation of THF, 1 ml of 57% hydrogen iodide was added, and [ 11 C] methyl iodide was added with 2 mg (13.5 μmol) desmethyl-L-carnitine, 200 μl DMSO and 50 μl (43 μmol) K 2 CO 3 by N 2 stream. -Transferred to a solution (42 mg / 350 μl H 2 O).
[0031]
The solution was heated to a temperature of 90 ° C. for 5 minutes, diluted with 2 ml of H 2 O and the pH was adjusted to 8-9.
This solution was added to an extraction column packed with 150 mg of a cation exchange resin (AG 50W-X4, Bio-Rad Laboratories Richmond, Calif.) Prepared with 2 ml of ethanol and 2 ml of H 2 O / KOH (pH 8.0). I passed.
[0032]
After washing with 2 ml of H 2 O, L- [ 11 C] carnitine was eluted with 0.5 ml of 2M HCl to 0.5 ml of 2M Na 2 CO 3 solution.
The product was analyzed by HPLC on a Beckman CX column with A: 0.01 M CaHPO 4 (pH 4.6) and B: MeOH, A / B = 95/5.
As a result of LC / MS analysis of the collected fraction, a value of m / z 162 corresponding to L-carnitine was obtained.
[0033]
The product was added to a solution of 400 μl Tris / HCl buffer (pH 8.0), 20 μl (2 μmol) 0.1M-acetyl-CoA and 20 μl (152 μg, 77 units / mg) carnitine acetyltransferase. This solution was incubated at a temperature of 37 ° C. for 5 minutes.
The reaction was terminated by the addition of 200 μl 1.0 M HCl. The solution was then passed through a 0.22 μm pore size filter. The product was purified and analyzed by the same HPLC system as in Example 1.
[0034]
LC / MS of the recovered fraction showed a value of m / z 204 corresponding to acetyl-L-carnitine.
Example 6
Acetyl-L-carnitine in which carnitine N-methyl carbon atom was labeled with 13 C was synthesized in the same manner as in Example 5.
[0035]
However, the following operations were performed.
L- [N-methyl- 13 C] carnitine in 2 ml of 0.5 M Tris / HCl buffer, 100 μl (10 μl mol) 0.1 M acetyl-CoA, 100 μl (760 μmol, 77 units / mg) carnitine acetyltransferase solution And incubated for 15 minutes. As the HPLC of mobile phase using H 2 O.
[0036]
The collected fraction was evaporated and then diluted with D 2 O. The 13 C-NMR spectrum showed a δ57.2 single peak (TSP reference) corresponding to the N-methyl carbon of O-acetyl-L-carnitine under the same conditions.
Example 7
An equivalent amount of each of ACN, ACM, CRN and ACC prepared in Examples 1, 3 and 5 was intravenously administered to an anesthetized rhesus monkey at 2-hour intervals, and the whole brain (WB9) and temporal muscles were administered. The uptake value into (temporal muscle: TEM11) was followed over time using PET. However, the uptake value was calculated by the following formula.
[0037]
[0038]
The result is as shown in FIG. 1, and CRN and ACC labeled with the N-methyl carbon atom of carnitine were hardly taken into the brain. ACN labeled with the first carbon atom was also taken into the brain only slightly. On the other hand, it was confirmed that the ACM labeled with the second carbon atom has a very good uptake efficiency in the brain and is taken up almost linearly up to 60 minutes after administration.
[0039]
On the other hand, no fundamental difference in the amount of uptake into the temporal muscle was observed for any of the labeling substances.
From the above results, in order to measure acyl-L-carnitine behavior in the brain, use of acyl-L-carnitine labeled with at least the second carbon atom or the carbon atom located from the second position to the ω-terminal is used. Was confirmed to be effective.
Example 8
The ACM synthesized in Example 1 was intravenously administered to a healthy person, and the brain uptake value of ACM was determined as PET in each of a resting state (WB9) and a task load state (calculation task, memory task, etc .: WB9-TASK). Used and compared.
[0040]
The result is as shown in FIG. 2, and it was confirmed again that the ACM is taken into the brain over time even in the resting state. More importantly, the ACM is about 20% in the resting state in the task load state. % Have been demonstrated to be taken up by the brain.
This result shows that there is a positive correlation between the functional expression of the brain and the activity of acylcarnitine in the brain, and thus by measuring the labeled acyl-L-carnitine behavior in the brain, the structural and / or functional function of the brain This indicates that it is possible to accurately diagnose the presence or degree of a physical disorder.
Example 9
The ACM synthesized in Example 3 was intravenously administered to each of healthy subjects (N = 5) and CFS patients (N = 6), and ACM uptake values in the whole brain and visual cortex were measured over time using PET. Measured.
[0041]
The results are as shown in FIG. 3 (entire brain) and FIG. 4 (visual cortex). That is, the time-dependent increase in the ACM uptake value in CFS patients was significantly lower than that in healthy individuals, and such a difference was observed more markedly in the visual cortex than in the whole brain.
Based on the above results, the labeled acyl-L-carnitine (especially ACM) of the present invention is administered to humans, and the ACM behavior in the whole brain, preferably in the visual cortex of the brain is measured by PET or the like, thereby belonging to CFS. It was confirmed that it was possible to diagnose the presence or the extent of the disease.
[0042]
Note that the decrease in the ACM uptake value in CFS patients is not due to a decrease in cerebral blood flow. That is, as shown in FIG. 5, each region including the entire brain (WB-ST) and visual cortex (VCX) (cerebellum: CRB, bridge: PONS, pituitary gland: PIT, striatum: STR, When comparing blood flow in the thalamus: THALAMUS, preeccentric cortex: A-Cg, posterior eccentric cortex: P-Cg) in healthy subjects and CFS patients, no significant difference was observed between them. The same was true for the whole brain and visual cortex where significant differences were observed in ACM uptake values.
Example 10
Blood was collected from healthy subjects and CFS patients who received ACM intravenously in Example 9, and the amount of ACM uptake in the plasma was measured by the well counter method.
[0043]
The results are as shown in FIG. 6, and the amount of ACM uptake in plasma decreased in almost the same time for both healthy subjects and CFS patients.
However, when the ratio of red blood cell and plasma ACM uptake (red blood cell / plasma ratio) is observed, this ratio increases with time in healthy subjects, as shown in FIG. The increase was suppressed in patients. This clearly shows that the amount of ACM uptake in red blood cells in CFS patients is significantly lower than that in healthy individuals, considering that there is no difference in the change in plasma ACM uptake between healthy subjects and CFS patients. It is a result.
[0044]
From the above, it was confirmed that the labeled acyl-L-carnitine of the present invention can diagnose the presence or degree of a disease belonging to CFS by measuring the behavior in blood. .
[0045]
【The invention's effect】
As described above in detail, the present invention provides a novel labeled acyl-L-carnitine capable of measuring the acylcarnitine behavior in each biological tissue or biological specimen thereof with high sensitivity.
Further, according to the present invention, biological specimens such as urine and blood collected from a living body for various diseases caused by acylcarnitine metabolism and abnormal uptake thereof or diseases caused by structural / functional disorders of the brain It is possible to make a diagnosis by measuring the above or imaging each tissue of a living body using the PET method, MRI, or MRS. Furthermore, it becomes possible to grasp the progress of various therapeutic treatments for these diseases, and the optimization of the therapeutic method is achieved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the uptake values of ACN, ACM, CRN and ACC into the rhesus monkey brain and temporal muscle over time.
FIG. 2 is a graph showing ACM uptake values in the brain of a healthy person over time in each of a resting state (WB9) and a task load state (WB9-TASK).
FIG. 3 is a graph showing ACM uptake values in the whole brain of healthy subjects and CFS patients over time.
FIG. 4 is a graph showing ACM uptake values into the brain visual cortex of healthy subjects and CFS patients over time.
FIG. 5 is a graph showing blood flow in each part of the brain of healthy subjects and CFS patients.
FIG. 6 is a graph showing ACM uptake values into plasma of healthy subjects and CFS patients over time.
FIG. 7 is a graph showing the ratio of each ACM uptake value into red blood cells and plasma of healthy subjects and CFS patients over time.
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