JP3895573B2 - Elastic wave propagation velocity measurement calculation method and nondestructive compressive strength test apparatus using the method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体(コンクリート、鉄骨等)内を伝播する弾性波の伝播速度を測定する方法において、詳しくは、該弾性波の振動立ち上がり点(以下、「波頭」と呼ぶ。)を抽出する方法及び該方法を用いた非破壊圧縮強度試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート構造物等の圧縮強度を試験する方法には以下のようなものがある。
【0003】
▲1▼コンクリート打設時にテストピースを作成し、該テストピースに対して所定の時期に圧縮試験機により圧縮強度試験を行う。
【0004】
▲2▼柱、梁、壁等調べたい場所の一部をコアボーリング等によりサンプリングし、該サンプリングしたテストピースを圧縮試験機により試験する。
【0005】
▲3▼表面硬度法(シュミットハンマー)による非破壊圧縮強度試験。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記▲1▼、▲2▼、▲3▼の方法には以下のような不都合がともなっている。
【0007】
▲1▼の場合、テストピースの作成、養生、保管等の管理上の煩雑さ、テストピースの強度から実際の構造物における強度を間接的に類推すると言う対応性の問題等、不都合がある。
【0008】
▲2▼の場合、構造躯体の一部を採取するために欠損が生じ、更にこの採取には大掛かりな作業が必要である。
【0009】
▲3▼の場合、コンクリートを局部的に打撃して試験するので、表面硬度のバラツキの影響を受け易く、試験結果に比較的大きなバラツキが生じ、信頼性に欠ける。
【0010】
これらの問題を解決するために、本出願人は、コンクリートに弾性波を発生させ、該弾性波の伝播速度を測定することにより、コンクリートの圧縮強度を測定する非破壊圧縮強度試験方法及び非破壊圧縮強度試験装置を特願2000−328516で提案している。
【0011】
しかし、この場合、弾性波の伝播速度の算出に厳しい精度が要求されるが、図6に示すように、一般的には振動測定器の潜在ノイズ、測定対象の微振動、外乱等により、上記弾性波の波頭の立ち上がり点SPがノイズに埋もれて判別が困難であり、要求される精度の上記伝播速度の算出が困難である。
【0012】
そこで本発明は上記事情に鑑み、管理上の煩雑さ、対応性の問題が無く、部材欠損による構造物への損傷を与えることも無く、加えて、容易且つ合理的に信頼性と精度の高い試験結果を得ることができる弾性波伝播速度測定演算方法及び該方法を用いた非破壊圧縮強度試験装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、所定の距離(L)を置いて配置された第1及び第2のセンサ(S1,S2)により、固体内を伝播する弾性波(PS)をそれぞれ検知し、前記弾性波(PS)が前記第1及び第2センサ(S1,S2)により検知される時間差(ΔT)を測定し、該時間差(ΔT)と前記距離(L)から前記弾性波(PS)の前記固体内での伝播速度(V)を演算する方法において、
前記第1及び第2のセンサ(S1,S2)により検知された前記弾性波(PS)の第1及び第2電圧波形(31,32)の所定の立ち上がり領域(A1,A2)における波形の最大勾配(Φm1,Φm2)をそれぞれ演算し、
それら演算された前記第1及び第2電圧波形(31,32)の最大勾配(Φm1,Φm2)に対して所定の割合を有する勾配を波頭勾配値(Φh1,Φh2)としてそれぞれ演算し、
それら演算された前記波頭勾配値(Φh1,Φh2)を有する前記第1及び第2電圧波形(31,32)の立ち上がり領域(A1,A2)における位置をそれぞれ波頭(H1,H2)として、当該波頭間の前記時間差(ΔT)を求めて、前記伝播速度(V)を演算する、
ことを特徴とする弾性波伝播速度測定演算方法である。
【0014】
請求項2に係る発明は、前記最大勾配(Φm1,Φm2)及び前記波頭勾配値(Φh1,Φh2)の演算において、
前記弾性波(PS)の第1及び第2電圧波形(31,32)を所定のサンプリング間隔(ST)でサンプリングして第1及び第2離散データ(SP1,SP2)を収集し、
前記第1及び第2離散データ(SP1,SP2)に基づき、第1及び第2電圧波形(31,32)それぞれについて、前記最大勾配(Φm1,Φm2)及び前記波頭勾配値(Φh1,Φh2)を演算する、
ことを特徴とする請求項1記載の弾性波伝播速度測定演算方法である。
【0015】
請求項3に係る発明は、前記最大勾配(Φm1,Φm2)及び前記波頭勾配値(Φh1,Φh2)の演算において、
前記収集された第1及び第2離散データ(SP1,SP2)に基づいて、それら第1及び第2離散データ(SP1,SP2)の各サンプリング点(SP11〜SP15,SP21〜SP26)を通過する第1及び第2補間波形(501,502)を演算し、
それら演算された第1及び第2補間波形(501,502)に基づいて前記最大勾配(Φm1,Φm2)及び前記波頭勾配値(Φh1,Φh2)を演算する、
ことを特徴とする請求項2記載の弾性波伝播速度測定演算方法である。
【0016】
請求項4に係る発明は、固体の圧縮強度を測定する非破壊圧縮強度試験装置(1)において、
試験対象物に弾性波(PS)を発生させる振動発生手段(5)と、
該試験対象物上に所定の距離を置いて配置し得る第1及び第2のセンサ(S1,S2)と、
前記第1及び第2のセンサ(S1,S2)により検知された前記弾性波(PS)の第1及び第2電圧波形(31,32)の所定の立ち上がり領域(A1,A2)における最大勾配(Φm1,Φm2)をそれぞれ演算する最大勾配演算手段(223,233)と、
前記第1及び第2電圧波形(31,32)の最大勾配(Φm1,Φm2)に対して所定の割合を有する勾配を波頭勾配値(Φh1,Φh2)としてそれぞれ演算し、それら演算された前記波頭勾配値(Φh1,Φh2)を有する前記第1及び第2電圧波形(31,32)の立ち上がり領域(A1,A2)における位置をそれぞれ波頭(H1,H2)として抽出する波頭抽出手段(224,234)と、
前記第1及び第2電圧波形(31,32)の波頭(H1,H2)の各発生した時間(Th1,Th2)の時間差(ΔT)を求める時間差検出手段(24)と、
前記時間差(ΔT)と、前記第1及び第2のセンサ(S1,S2)の所定の距離(L)に基づき、試験対象物のコンクリートを伝播する前記弾性波(PS)の伝播速度(V)を演算する速度演算手段(25)と、
前記演算された弾性波(PS)の伝播速度(V)に基づき、試験対象物の圧縮強度(F)を演算する圧縮強度演算手段(26)と、
を有することを特徴とする非破壊圧縮強度試験装置(1)である。
【0017】
請求項5に係る発明は、前記弾性波(PS)の第1及び第2電圧波形(31,32)を所定のサンプリング間隔(ST)でサンプリングして第1及び第2離散データ(SP1,SP2)を収集するアナログ/デジタル変換手段(221,231)を有し、
前記最大勾配演算手段(223,233)が、
前記第1及び第2離散データ(SP1,SP2)に基づき、前記第1及び第2電圧波形(31,32)それぞれについて、前記最大勾配(Φm1,Φm2)を演算し、
前記波頭抽出手段(224,234)が、
前記第1及び第2離散データ(SP1,SP2)と前記最大勾配(Φm1,Φm2)とに基づき、前記第1及び第2電圧波形(31,32)それぞれについて、前記波頭勾配値(Φh1,Φh2)を演算する、
ことを特徴とする請求項4記載の非破壊圧縮強度試験装置(1)である。
【0018】
請求項6に係る発明は、前記第1及び第2離散データ(SP1,SP2)に基づき、それら第1及び第2離散データ(SP1,SP2)の各サンプリング点(SP11〜SP15,SP21〜SP26)を通過する第1及び第2補間波形(501,502)を演算する補間波形演算手段(222,232)を有し、
前記最大勾配演算手段(223,233)が、
前記第1及び第2補間波形(501,502)に基づいて、前記最大勾配(Φm1,Φm2)を演算し、
前記波頭抽出手段が、
前記第1及び第2補間波形(501,502)と前記最大勾配(Φm1,Φm2)とに基づいて、前記波頭勾配値(Φh1,Φh2)を演算する、
ことを特徴とする請求項5記載の非破壊圧縮強度試験装置(1)である。
【0019】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、波頭近傍(A1,A2)における上記第1及び第2電圧波形(31,32)の最大勾配(Φm1,Φm2)に所定の比を掛けて算出した勾配値を波頭勾配値(Φh1,Φh2)として求め、第1及び第2電圧波形(31,32)において対応する勾配値を有する位置を波頭(H1,H2)として抽出していることから、波頭近傍(A1,A2,SP)における潜在ノイズ等による上記第1及び第2電圧波形(31,32)の乱れに影響されることがなく、正確に波頭(H1,H2)を抽出することができる。また、勾配値の比により波頭(H1,H2)を求めていることから、上記第1及び第2電圧波形(31,32)の増幅度や電圧振幅の大小が問題にならず、更に、電圧振幅の差を取るので上記第1及び第2電圧波形(31,32)のドリフトやゼロ点の影響は除外され、高精度に測定対象を伝播する弾性波(SP)の速度(V)を算出することができる。
【0020】
請求項2の発明によると、波頭近傍(A1,A2)における上記第1及び第2電圧波形(31,32)を所定のサンプリング間隔(ST)でサンプリングして第1及び第2離散データ(SP1,SP2)を収集するので、コンピュータによる演算により各波頭(H1,H2)を抽出することが可能となり、測定対象物を伝播する弾性波(PS)の速度(V)を高精度で算出することができる。
【0021】
請求項3の発明によると、上記所定のサンプリング間隔(ST)でサンプリングされたデジタルデータである第1及び第2離散データ(SP1,SP2)に基づき、それらの第1及び第2離散データ(SP1,SP2)の各サンプリング点(SP11〜SP15,SP21〜SP26)を通過する高次式から第1及び第2補間波形(501,502)を演算し、それら演算された第1及び第2補間波形(501,502)に基づいて前記最大勾配(Φm1,Φm2)及び前記波頭勾配値(Φh1,Φh2)を演算するので、上記サンプリング間隔(ST)がある程度の大きさを許容したものであっても、合理的且つ精度を高く上記波頭(H1,H2)を抽出することができ、ひいては、測定対象物を伝播する弾性波(PS)の速度(V)を高精度で算出することができる。これにより、サンプリング間隔(ST)を余り短くできない市販のパソコン等の使用が可能となり、小型且つ実用的な装置の実現が可能となる。
【0022】
請求項4の発明によると、比較的短い測定距離(L)で容易に、精度の高い試験対象物における弾性波(PS)の伝播速度(V)を測定することができ、該伝播速度(V)から導出する試験対象物の圧縮強度(F)を容易に精度よく試験することが可能である。また、試験対象物の表面状態や場所(P1,P2)を選ばないので、実構造物の様々な部位で簡易に試験対象物の非破壊圧縮強度試験が可能であり、更に、管理上の煩雑さ、対応性の問題が無く、部材欠損による構造物への損傷を与えることも無く、容易に信頼性と精度の高い試験対象物の非破壊圧縮強度試験ができる。
【0023】
請求項5の発明によると、弾性波(PS)の波頭近傍(A1,A2)のアナログ信号(31,32)をデジタルデータである第1及び第2離散データ(SP1,SP2)に変換し、該第1及び第2離散データ(SP1,SP2)からコンピュータにより合理的に上記波頭(H1,H2)を抽出することが可能となり、ひいては、合理的且つ精度の高い試験対象物における弾性波(PS)の伝播速度(V)を測定することができ、該伝播速度(V)から導出する試験対象物の圧縮強度(F)を容易に精度よく試験することができる。
【0024】
請求項6の発明によると、上記第1及び第2離散データ(SP1,SP2)から上記第1及び第2補間波形(501,502)を求め、該第1及び第2補間波形(501,502)に基づいて上記最大勾配(Φm1,Φm2)及び波頭勾配値(Φh1,Φh2)を算出するので、上記A/D変換手段(221,231)の演算速度が遅くて処理能力が低く、該A/D変換におけるサンプリング間隔(ST)が比較的大きくても、合理的且つ精度を高く波頭(H1,H2)を抽出することができ、ひいては、合理的且つ精度の高い試験対象物における弾性波(PS)の伝播速度(V)を測定することができ、該伝播速度(V)から導出する試験対象物の圧縮強度(F)を容易に精度よく試験することが可能である。
【0025】
尚、括弧内の番号等は、図面及び本文における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上及び本文中の記載に限定拘束されるものではない。
【0026】
また、図示した振動波形は正方向への立ち上りを示しているが、負方向への立ち上りの場合は波形の符号を変えれば同様の扱いとなる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づき、本発明に係るコンクリートの弾性波伝播速度演算方法及び該方法を用いた非破壊圧縮強度試験装置の実施例を示す。
【0028】
図1は、本発明に係るコンクリートの非破壊圧縮強度試験の様子を模擬した断面図である。
【0029】
1は非破壊圧縮強度試験装置であり、該非破壊圧縮強度試験装置1は、器具3と制御装置2とを備えている。
【0030】
該器具3はフレーム31を有しており、該フレーム31は試験結果に影響を与えないために、コンクリートより弾性波伝播速度の低い材質でできている。また、フレーム31の両端部近傍には第1センサS1,第2センサS2が所定の距離Lを介して設けられており、上記器具3は全体としてコの字型になっている。更にフレーム31の中央付近は、試験者が手で握り持ち運びできる取手部31aが形成されている。上記第1センサS1及び第2センサS2はケーブル4により上記制御装置2と接続されている。
【0031】
図2は、上記制御装置2及び器具3の制御構成を示すブロック図である。第1センサS1及び第2センサS2は、図2に示すように振動検知部S12,S22を有しており、該振動検知部S12,S22は、ケーブル4を介してフィルタ・増幅器S11,S21が接続されており、該フィルタ・増幅器S11,S21は上記制御装置2内におさめられ、後述する制御装置2内のA/D変換部221,231と電気的に接続されている。尚、該振動検知部S12,S22間の間隔は上述したように上記所定の距離Lとなっている。
【0032】
上記制御装置2には、図2に示すように上記主制御部21が設けられており、上記振動検知部S12,S22で振動を検知し、フィルタ・増幅器S11,S21により目標とする周波数帯域の振動が抽出されて増幅され、その検知信号が上記制御装置2の上記A/D変換部221,231に伝送される。また主制御部21には、第1波形演算部22、第2波形演算部23、時間差検出部24、速度演算部25、圧縮強度演算部26、記録部27、表示出力部28等が設けられている。更に、上記第1波形演算部22及び上記第2波形演算部23は、それぞれアナログデジタル変換部(以下、「A/D変換部」と呼ぶ。)221,231、補間波形演算部222,232、最大勾配演算部223,233、波頭抽出部224,234により構成されている。
【0033】
尚、図1において、PSは上記コンクリート内を伝播する弾性波であり、5は上記コンクリートを打撃して上記弾性波PSを発生させるハンマであり、P1は上記第1センサS1における振動検知点であり、P2は上記第2センサS2における振動検知点であり、P3は該振動検知点P1及び上記振動検知点P2を結んだ略延長線上に任意に選択されたハンマ5による打撃点である。
【0034】
以上のように非破壊圧縮強度試験装置1は構成されており、該非破壊圧縮強度試験装置1を用いたコンクリートの非破壊圧縮強度試験は以下のように行われる。
【0035】
まず、図1に示す通り、試験対象物たるコンクリート上の任意の場所に上記器具3を設置し、上記振動検知点P1及びP2を定める。そして、上述の通り該振動検知点P1とP2の略延長線上に打撃点P3を定めてハンマ5を配置する。
【0036】
次に、該打撃点P3を上記ハンマ5にて一回叩き、試験対象物であるコンクリート内に弾性波PSを発生させる。すると、まず該弾性波PSは、上記振動検知点P1において、上記第1センサS1の振動検知部S12により検知される。該検知された弾性波PSは、上記フィルタ・増幅器S11において、例えば、図3に示すアナログ信号である第1電圧波形31のように増幅される。
【0037】
続いて、上記ハンマ5にて発生させられた上記弾性波PSは、上記振動検知点P2において、上記第2センサS2の振動検知部S22により検知される。該検知された弾性波PSは、上記フィルタ・増幅器S21において、例えば、図3に示すアナログ信号である第2電圧波形32のように増幅される。
【0038】
尚、図3における上記第1電圧波形31と上記第2電圧波形32の立ち上がり点、即ち波頭H1,H2の位相差IDは、上記打撃点P3から上記振動検知点P1までの距離と上記打撃点P3から上記振動検知点P2までの距離との差である上記所定の距離Lにより生じる、上記弾性波PSの到達時間差ΔTによるものである。
【0039】
この場合、実構造物での測定を考慮すると、上記所定の距離Lは20〜30(cm)程度が望ましい。また、弾性波の振動数を4(kHz)、該弾性波の速度を4000(m/s)と仮定すると、波長は4000(m/s)÷4(kHz)=1(m)程度となり、上記所定の距離Lは該波長1(m)の2〜3割程度となる。すると、上記ΔTは、20(cm)÷4000(m/s)=50(μs)及び30(cm)÷4000(m/s)=75(μs)より、50〜75(μs)となる。従って、仮に測定誤差が2%程度とすると、上記ΔTの測定誤差は、1〜1.5(μs)となり、上記弾性波の伝播速度の誤差は、4000(m/s)×0.02=80(m/s)となる。よって、上記所定の距離Lが20〜30(cm)であることを考慮すると、正確な上記到達時間差ΔTの測定が必要である。
【0040】
しかしながら、上述の通り、上記第1電圧波形31及び上記第2電圧波形32の立ち上り点は、外乱等のノイズに埋もれ、該立ち上り点を正確に抽出することは困難である。そこで、該第1電圧波形31及び該第2電圧波形32の各波頭H1,H2を合理的且つ正確に抽出するために、まず上記第1電圧波形31及び第2電圧波形32をそれぞれA/D変換して所定のサンプリング時間による複数の離散データに変換する。そして、該複数の離散データから高次式による補間波形に戻した後、該補間波形の最大勾配を求め、該最大勾配に所定の比を掛けて算出した勾配値を該補間波形の波頭の勾配値とし、該波頭の勾配値が発生した時間を波頭の発生時間として抽出する。
【0041】
まず、図1、図2、図3、図4、図5及び図7に基づき、上記第1センサS1及び第2センサS2から上記ケーブル4及び上記フィルタ・増幅器S11,S21を介して上記制御装置2に各入力された上記弾性波PSの上記アナログ信号(第1電圧波形31及び第2電圧波形32)の上記制御装置2内での処理について説明する。
【0042】
ここで、図3は第1センサS1及び第2センサS2により各検知された上記弾性波SPのアナログ信号である波形を示す時間−電圧グラフであり、図4は上記図3のアナログ信号である第1電圧波形31及び第2電圧波形32の立ち上がり点、即ち波頭近傍(例えば、各電圧波形31,32の電圧振幅が0となる時点Z1,Z2から所定時間TPだけ前の時点ST1,ST2)から第1電圧波形31及び第2電圧波形32が極大値PK1,PK2を取るまでのエリアA1及びA2(このエリアA1,A2の開始時点であるST1,ST2は、上述のように適宜設定して決定する他に、任意の方法で設定することができる。例えば、時点Z1,Z2より以前の勾配値が0となる点ZXなど)の信号を所定のサンプリング間隔でA/D変換した離散データをプロットした時間−電圧グラフであり、図5は上記図4の第1離散データSP1及びSP2から各求めた高次式に基づき、滑らかな補間波形として描いた時間−電圧グラフであり、図7はコンクリートの圧縮強度とコンクリートを伝播する弾性波速度の関係を示す弾性波速度−圧縮強度グラフである。
【0043】
上記第1センサS1において検知され、上記上記フィルタ・増幅器S11において増幅されたアナログ信号である弾性波PS(図1)の第1電圧波形31(図3)について、第1波形演算部22(図2)における処理を説明する。
【0044】
上記上記フィルタ・増幅器S11において増幅された上記アナログ信号である第1電圧波形31(図3)は、上記制御装置2(図1)内の第1波形演算部22(図2)のA/D変換部221(図2)で、所定のサンプリング時間ST(例えば、6.4μsec)により第1離散データSP1(図4)に変換されて上記補間波形演算部222(図2)に出力される。尚、上記サンプリング時間STは短ければ短いほどよいが、小型且つ安価な市販のパソコン等を用いる限りにおいては、例えば、0.05(μsec)程度のサンプリングでの処理は困難を伴う。従って、実用上、やや大きなサンプリング時間STを許容した形でのA/D変換が行われる。しかし、このままでは、第1電圧波形31及び第2電圧波形32の各波頭H1,H2を正確に抽出することは、上記サンプリング時間STが長すぎて困難である。従って、上記問題点を克服しつつ、上記各波頭H1,H2を正確に抽出するために、以下の処理を行う。
【0045】
上記補間波形演算部222は、上記A/D変換部221から入力された上記第1離散データSP1(図4)に基づき、図5に示す通り、第1離散データSP1を構成する各サンプリング点SP11,SP12,SP13,SP14,SP15を通過する滑らかな第1補間波形501(図5)である高次式を算出し、上記最大勾配演算部223(図2)に出力する。尚、該高次式は、最小2乗法により求められる。また、図4に示すように、第1離散データSP1のサンプリング状況で、上記第1離散データSP1を各直線で結んだのみの電圧波形では、既に述べたように、電圧波形の分解能が悪い。しかし、上記高次式を求めることにより、サンプリング時間STを過度に短くしなくても、電圧波形の分解能を高めることができる。
【0046】
次に、波形の立ち上がり位置、即ち波頭H1,H2を求める方法としては、電圧波形の振幅により求める方法がある。この方法は既に述べたように、外乱等があり困難である。そこで、振幅の微分値である電圧波形の勾配に着目し、電圧波形が最初に極大値PK1,PK2を取るまでの領域A1,A2における最大勾配Φm1,Φm2を求め、電圧波形が該最大勾配Φm1,Φm2に対して所定の割合の勾配Φh1,Φh2をとる位置を、第1補間波形501及び後述する第2補間波形502の領域A1,A2について演算して求め、当該位置を、各電圧波形31,32の波頭H1,H2とする。
【0047】
尚、図5は、電圧振幅と時間の関係を示すものであるが、第1補間波形501の時間Tnにおける勾配Φnは、Φn=(Vn−Vn−1)/dtで表され、dt=Tn−Tn−1である。従って、該電圧波形の最大勾配Φm1は、Φm1=(Vm1−Vm1−1)/dtで表される。また、上記波頭の勾配Φh1は、Φh1=(Vh1−Vh1−1)/dtであり、且つ、dt=Th1−Th1−1であることから、この時dtを一定値とすると、上記最大勾配Φm1に対する上記波頭の勾配Φh1の比は、Φh1/Φm1=(Vh1−Vh1−1)/(Vm1−Vm1−1)となる。つまり、該電圧波形の勾配Φh1の上記最大勾配値Φm1に対する比は、電圧振幅増分比となっている。従って、該最大勾配値Φm1に所定の比を掛けて上記波頭勾配値Φh1を算出することにより、電圧波形の増幅度や電圧振幅の大小が問題にならない。また、電圧振幅の差を取るので、該電圧波形のドリフトやゼロ点の影響は除外される。
【0048】
こうした観点から、上記最大勾配演算部223(図2)は、上記補間波形演算部222(図2)から入力された上記第1補間波形501(図5)の高次式に基づき、該第1補間波形501の最大勾配値Φm1を算出して上記波頭抽出部224に出力する。該最大勾配値Φm1は、上記第1補間波形501の高次式をエリアA1を範囲として、時間で微分した値の最大値である。
【0049】
そして、上記波頭抽出部224は、上記最大勾配演算部223(図2)から入力された上記最大勾配値Φm1に所定の比を掛けて波頭勾配値Φh1を算出する。更に、該波頭勾配値Φh1と図5における上記第1補間波形501を比較し、上記第1補間波形501の勾配値が上記波頭勾配値Φh1と等しくなるポイントを波頭H1(図5)として抽出する。そして、該波頭H1(図5)の発生した時間Th1を上記時間差検出部24(図2)へ出力する。ここで、上記所定の比は、実際には1/15〜1/20が適当な値である。
【0050】
尚、上記第2センサS2において検知されたアナログ信号である弾性波PS(図1)の第2電圧波形32(図3)は、上記第1センサS1において検知されたアナログ信号である弾性波PS(図1)の第1電圧波形31(図3)と同様に、上記第2波形演算部23において処理される。すなわち、上記制御装置2(図1)内の第2波形演算部23(図2)のA/D変換部231(図2)で、所定のサンプリング時間ST(例えば、6.4μsec)により第2離散データSP2(図4)に変換され、上記補間波形演算部232(図2)において、該第2離散データSP2に基づき、該第2離散データSP2を構成する各サンプリング点SP21,SP22,SP23,SP24,SP25,SP26を通過する滑らかな第2補間波形502(図5)である高次式を算出し、上記最大勾配演算部233(図2)において、該高次式に基づき、第2補間波形502(図5)の最大勾配値Φm2を算出する。そして、上記波頭抽出部234において、該最大勾配値Φm2に所定の比を掛けて波頭勾配値Φh2を算出し、該波頭勾配値Φh2と図5における上記第2補間波形502を比較し、上記第2補間波形502の勾配値が上記波頭勾配値Φh2と等しくなるポイントを波頭H2(図5)として抽出し、該波頭H2(図5)の発生した時間をTh2として上記時間差検出部24(図2)に出力する。
【0051】
続いて、上記制御装置2(図1)において、上述の通り第1波形演算部22(図2)及び第2波形演算部23(図2)よりそれぞれ抽出された上記波頭H1の発生した時間Th1及び上記波頭H2の発生した時間Th2に基づき、上記弾性波PSの伝播速度を算出し、該伝播速度から導出するコンクリートの圧縮強度試験を行うためのシーケンスを説明する。
【0052】
図7に示すようにコンクリート圧縮強度Fと弾性波速度vの実験統計式F=f(v)は予め実験に基づいて統計的に求められており、該圧縮強度Fは、実験統計式F=f(v)により求まる。従って、上述の通り求めた上記第1補間波形501及び上記第2補間波形502の各波頭H1,H2の発生した時間Th1,Th2の時間差である上記ΔTと、上記所定の距離Lとから、上記伝播速度Vを求め、該伝播速度Vを上記実験統計式F=f(v)に代入して試験対象物の上記圧縮強度Fを算出することができる。
【0053】
まず、上記時間差検出部24(図2)は、上記第1波形演算部22の波頭抽出部224及び上記第2波形演算部23の波頭抽出部234から各入力された上記Th1及び上記Th2に基づき、上記弾性波PSがコンクリート内を伝播して上記第1センサS1の振動検知部S12と上記第2センサS2の振動検知部S22に各到達した時間差であるΔTを算出し、上記速度演算部25(図2)に出力する。該ΔTは、具体的には、ΔT=Th2−Th1である。
【0054】
上記速度演算部25は、上記時間差演算部24から入力された上記ΔTと上記所定の距離L(図1)に基づき、コンクリート内を伝播する上記弾性波PS(図1)の伝播速度Vを算出し、上記圧縮強度演算部26(図2)に出力する。該伝播速度Vは、具体的には、V=L/ΔTにより算出される。尚、実構造物での試験を対象とすると、測定距離である上記所定の距離Lは、上述の通り、20〜30cmが望ましい。
【0055】
上記圧縮強度演算部26は、上記速度演算部25から入力された上記伝播速度Vと、図7に示すように実験により統計的に既知となっているコンクリートの圧縮強度とコンクリートを伝播する弾性波速度の関係とに基づいて、上記試験対象物であるコンクリートの圧縮強度Fを算出して上記記録部27に出力する。上述の通り、該圧縮強度Fは、実験統計式F=f(v)に上記伝播速度Vを代入して算出する。
【0056】
上記記録部27は、上記圧縮強度演算部26から入力された上記圧縮強度Fを記録すると共に、上記表示出力部28(図2)に該圧縮強度Fをデータとして出力する。
【0057】
そして、上記表示出力部28(図2)は、上記記録部27から入力されたデータである上記圧縮強度Fを、例えば、ディスプレイ等の表示器に出力して、該データを視覚的に認識可能なものとする。
【0058】
上述の通り、本実施例においては、試験対象物を伝播する弾性波のアナログ信号である電圧波形を、該電圧波形の波頭近傍を範囲として、A/D変換によりデジタルデータである複数の離散データに変換した後、該複数の離散データに基づき、高次式を算出し、係る高次式の最大勾配値を算出し、該最大勾配値に所定の比を掛けて算出した勾配値を上記波頭の勾配値として該波頭を抽出している。しかし、上記複数の離散データから上記高次式を算出する理由は、上述の通り、実用として使用されるパソコン等では、上記A/D変換部221並びに231の演算速度が遅く、高速な演算をするためにはデータ処理能力が不足しているためである。従って、上記A/D変換部221並びに231の演算速度が高速でデータ処理能力が充分に高く、例えば、A/D変換におけるサンプリング時間が、0.05μsec程度で可能ならば、上述のように、上記高次式を算出することなく、上記弾性波のアナログ信号である電圧波形を該電圧波形の波頭近傍を範囲としてA/D変換したデジタルデータである複数の離散データから、時間軸上で各隣合った該複数の離散データのそれぞれの勾配値を算出し、該算出したそれぞれの勾配値の中から最大勾配値を選択し、該最大勾配値に所定の比を掛けて波頭の勾配として上記波頭を抽出しても、合理的且つ精度高く波頭を抽出することが可能である。従って、上記A/D変換部221並びに231の演算速度が高速で充分に演算能力が高いものであれば、上述のように上記高次式を算出することなく上記試験対象物を伝播する弾性波の速度を算出することが可能である。
【0059】
また、本実施例においては、上記第1センサS1の振動検知部S12並びに上記第2センサS2の振動検知部S22において、上記ハンマ5にて上記試験対象物内に発生させた弾性波PSをそれぞれ検知し、各振動検知部S12,S22においてそれぞれ検知した弾性波PSの波頭の発生時間Th1,Th2に基づいて、上記時間差ΔTを算出している。しかし、例えば、上記第1センサS1が、振動発生手段を含むものであり、該第1センサS1に含まれる振動発生手段により発生させた振動を、上記第1センサS1の振動検知部S22が、上記試験対象物内を伝播する弾性波を検知するのではなく、直接上記第1センサS1内を伝播する振動を検知するか、或いは、上記第1センサS1に含まれる振動発生手段により振動を発生させた時間を記録するなどして、該検知した振動の波頭の発生時間、或いは、上記記録した時間を、上記Th1としてもよい。すなわち、該Th1と、上記第1センサS1に含まれる振動発生手段により上記試験対象物内に発生させた弾性波を上記第2センサの振動検知部S22により検知して算出した上記Th2と、に基づいて、上記ΔTを算出することができる。
【0060】
以上のように本実施形態では、上記弾性波の波頭近傍のアナログ信号をデジタルデータである離散データに変換し、該離散データから上述の通り合理的に上記波頭を抽出することから、比較的短い測定距離で容易に精度の高いコンクリート内における弾性波の伝播速度を測定することができ、該伝播速度から導出するコンクリートの圧縮強度を容易に精度よく試験することが可能である。また、コンクリートの表面状態や場所を選ばないので、実構造物の様々な部位で簡易にコンクリートの非破壊圧縮強度試験が可能であり、更に、管理上の煩雑さ、対応性の問題が無く、部材欠損による構造物への損傷を与えることも無く、容易に信頼性と精度の高いコンクリートの非破壊圧縮強度試験を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る非破壊圧縮強度試験の様子を模擬した断面図。
【図2】 図1における制御装置2及び器具3の制御構成を示すブロック図。
【図3】 図1における第1センサS1及び第2センサS2により各検知された上記弾性波SPのアナログ信号である波形を示す時間−電圧グラフ。
【図4】 図3のアナログ信号である第1電圧波形31及び第2電圧波形32の立ち上がり点から第1電圧波形31及び第2電圧波形32が極大値PK1,PK2を取るまでのエリアA1及びA2の信号を所定のサンプリング間隔でA/D変換した離散データをプロットした時間−電圧グラフ。
【図5】 図4の第1離散データSP1及びSP2から各求めた高次式に基づき、滑らかな補間波形として描いた時間−電圧グラフ。
【図6】 弾性波の立ち上がり近傍に電圧波形を示す時間−電圧グラフ。
【図7】 コンクリートの圧縮強度とコンクリートを伝播する弾性波速度の関係を示す弾性波速度−圧縮強度グラフ。
【符号の説明】
1 非破壊圧縮強度試験装置
5 ハンマ(振動発生手段)
24 時間差検出部(時間差検出手段)
25 速度演算部(速度演算手段)
26 圧縮強度演算部(圧縮強度演算手段)
31 第1電圧波形
32 第2電圧波形
221 第1電圧波形に対するA/D変換部(A/D変換手段)
222 第1電圧波形に対する補間波形演算部(補間波形演算手段)
223 第1補間波形に対する最大勾配演算部(最大勾配演算手段)
224 第1補間波形に対する波頭抽出部(波頭抽出手段)
231 第2電圧波形に対するA/D変換部(A/D変換手段)
232 第2電圧波形に対する補間波形演算部(補間波形演算手段)
233 第2補間波形に対する最大勾配演算部(最大勾配演算手段)
234 第2補間波形に対する波頭抽出部(波頭抽出手段)
501 第1補間波形
502 第2補間波形
A1 第1電圧波形における所定の立ち上がり領域
A2 第2電圧波形における所定の立ち上がり領域
F コンクリートの圧縮強度
H1 第1電圧波形又は第1補間波形における波頭
H2 第2電圧波形又は第2補間波形における波頭
L 第1及び第2センサ間の所定の距離
PK1 第1電圧波形の波頭後最初の極大値
PK2 第2電圧波形の波頭後最初の極大値
PS 弾性波
SP1 第1離散データ
SP11〜SP15 第1離散データを構成するサンプリング点
SP2 第2離散データ
SP21〜SP26 第2離散データを構成するサンプリング点
ST 所定のサンプリング間隔
ST1 第1電圧波形における所定の立ち上がり領域の始まりの時点
ST2 第2電圧波形における所定の立ち上がり領域の始まりの時点
Th1 第1電圧波形又は第1補間波形における波頭が発生した時間
Th2 第2電圧波形又は第2補間波形における波頭が発生した時間
TP 所定時間
V 弾性波の伝播速度
ΔT 弾性波が第1及び第2センサにより検知された時間差
Φh1 第1電圧波形又は第1補間波形における波頭勾配値
Φh2 第2電圧波形又は第2補間波形における波頭勾配値
Φm1 第1電圧波形又は第1補間波形における最大勾配
Φm2 第2電圧波形又は第2補間波形における最大勾配[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for measuring the propagation speed of an elastic wave propagating in a solid (concrete, steel frame, etc.), and more specifically, a method for extracting a vibration rising point (hereinafter referred to as “wavefront”) of the elastic wave. And a nondestructive compressive strength test apparatus using the method.
[0002]
[Prior art]
Methods for testing the compressive strength of concrete structures and the like include the following.
[0003]
(1) A test piece is prepared at the time of placing concrete, and a compressive strength test is performed on the test piece by a compression tester at a predetermined time.
[0004]
(2) A part of a place to be examined such as a pillar, a beam, or a wall is sampled by core boring or the like, and the sampled test piece is tested by a compression tester.
[0005]
(3) Nondestructive compressive strength test by surface hardness method (Schmidt Hammer).
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above methods (1), (2), and (3) have the following disadvantages.
[0007]
In the case of {circle around (1)}, there are inconveniences such as the complexity of test piece creation, curing, storage, and the like, and the compatibility problem of indirectly inferring the strength of the actual structure from the strength of the test piece.
[0008]
In the case of {circle around (2)}, a defect occurs in order to extract a part of the structural casing, and this operation requires a large-scale work.
[0009]
In the case of {circle around (3)}, since concrete is hit and tested locally, it is easily affected by variations in surface hardness, resulting in relatively large variations in test results and lack of reliability.
[0010]
In order to solve these problems, the present applicant has developed a non-destructive compressive strength test method and a non-destructive method for measuring the compressive strength of concrete by generating an elastic wave in concrete and measuring the propagation speed of the elastic wave. A compressive strength test apparatus is proposed in Japanese Patent Application No. 2000-328516.
[0011]
However, in this case, strict accuracy is required for calculation of the propagation speed of the elastic wave. However, as shown in FIG. It is difficult to discriminate because the rising point SP of the wave front of the elastic wave is buried in noise, and it is difficult to calculate the propagation velocity with the required accuracy.
[0012]
Therefore, in view of the above circumstances, the present invention has no problem of management complexity and compatibility, and does not cause damage to the structure due to a missing member. In addition, it is easily and reasonably reliable and highly accurate. It is an object of the present invention to provide an elastic wave propagation velocity measurement calculation method capable of obtaining a test result and a nondestructive compressive strength test apparatus using the method.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In the invention according to
Maximum waveform in a predetermined rising region (A1, A2) of the first and second voltage waveforms (31, 32) of the elastic wave (PS) detected by the first and second sensors (S1, S2). Calculate the gradient (Φm1, Φm2),
A gradient having a predetermined ratio with respect to the maximum gradient (Φm1, Φm2) of the calculated first and second voltage waveforms (31, 32) is calculated as a wavefront gradient value (Φh1, Φh2), respectively.
The positions of the first and second voltage waveforms (31, 32) having the calculated wavefront slope values (Φh1, Φh2) in the rising regions (A1, A2) are defined as wavefronts (H1, H2), respectively. Calculating the time difference (ΔT) between and calculating the propagation velocity (V),
This is an elastic wave propagation velocity measurement calculation method.
[0014]
In the invention according to
Sampling the first and second voltage waveforms (31, 32) of the elastic wave (PS) at a predetermined sampling interval (ST) to collect first and second discrete data (SP1, SP2);
Based on the first and second discrete data (SP1, SP2), the maximum gradient (Φm1, Φm2) and the wavefront gradient value (Φh1, Φh2) for the first and second voltage waveforms (31, 32), respectively. Calculate,
The elastic wave according to
[0015]
In the invention according to
Based on the collected first and second discrete data (SP1, SP2), the first and second discrete data (SP1, SP2) pass through the sampling points (SP11 to SP15, SP21 to SP26). 1 and the second interpolation waveform (501, 502) are calculated,
Calculating the maximum gradient (Φm1, Φm2) and the wavefront gradient value (Φh1, Φh2) based on the calculated first and second interpolation waveforms (501, 502);
The elastic wave according to claim 2 Propagation speed This is a measurement calculation method.
[0016]
The invention according to
Vibration generating means (5) for generating an elastic wave (PS) on the test object;
First and second sensors (S1, S2) that can be arranged at a predetermined distance on the test object;
Maximum gradient (A1, A2) in a predetermined rising region (A1, A2) of the first and second voltage waveforms (31, 32) of the elastic wave (PS) detected by the first and second sensors (S1, S2). Maximum gradient calculation means (223, 233) for calculating Φm1, Φm2),
A gradient having a predetermined ratio with respect to the maximum gradient (Φm1, Φm2) of the first and second voltage waveforms (31, 32) is calculated as a wavefront gradient value (Φh1, Φh2), respectively, and the calculated wavefronts Wave front extraction means (224, 234) for extracting the positions in the rising regions (A1, A2) of the first and second voltage waveforms (31, 32) having the gradient values (Φh1, Φh2) as wave fronts (H1, H2), respectively. )When,
Each occurrence time (T) of the wave front (H1, H2) of the first and second voltage waveforms (31, 32) h1 , T h2 ) A time difference detecting means (24) for obtaining a time difference (ΔT) of
Based on the time difference (ΔT) and the predetermined distance (L) of the first and second sensors (S1, S2), the propagation speed (V) of the elastic wave (PS) propagating through the concrete of the test object. Speed calculating means (25) for calculating
A compression strength calculating means (26) for calculating the compression strength (F) of the test object based on the calculated propagation velocity (V) of the elastic wave (PS);
It is a nondestructive compressive strength test apparatus (1) characterized by having.
[0017]
In the invention according to
The maximum gradient calculating means (223, 233)
Based on the first and second discrete data (SP1, SP2), the maximum gradient (Φm1, Φm2) is calculated for each of the first and second voltage waveforms (31, 32),
The wave front extracting means (224, 234)
Based on the first and second discrete data (SP1, SP2) and the maximum gradient (Φm1, Φm2), the wavefront gradient values (Φh1, Φh2) for the first and second voltage waveforms (31, 32), respectively. )
The nondestructive compressive strength test apparatus (1) according to
[0018]
The invention according to claim 6 is based on the first and second discrete data (SP1, SP2), and the sampling points (SP11 to SP15, SP21 to SP26) of the first and second discrete data (SP1, SP2). Interpolation waveform calculation means (222, 232) for calculating the first and second interpolation waveforms (501, 502) passing through
The maximum gradient calculating means (223, 233)
Based on the first and second interpolation waveforms (501, 502), the maximum gradient (Φm1, Φm2) is calculated,
The wave front extracting means is
Calculating the wavefront gradient values (Φh1, Φh2) based on the first and second interpolation waveforms (501, 502) and the maximum gradient (Φm1, Φm2);
The nondestructive compressive strength test apparatus (1) according to
[0019]
【The invention's effect】
According to the first aspect of the invention, the gradient value calculated by multiplying the maximum gradient (Φm1, Φm2) of the first and second voltage waveforms (31, 32) in the vicinity of the wavefront (A1, A2) by a predetermined ratio is used as the wavefront. Since the position having the corresponding gradient value in the first and second voltage waveforms (31, 32) is extracted as the wave front (H1, H2) as the gradient value (Φh1, Φh2), the vicinity of the wave front (A1, The wave front (H1, H2) can be accurately extracted without being affected by the disturbance of the first and second voltage waveforms (31, 32) due to the latent noise in A2, SP). Further, since the wave front (H1, H2) is obtained from the ratio of the gradient values, the magnitudes of the amplification degree and voltage amplitude of the first and second voltage waveforms (31, 32) are not a problem. Since the difference in amplitude is taken, the influence of the drift of the first and second voltage waveforms (31, 32) and the influence of the zero point are excluded, and the velocity (V) of the elastic wave (SP) propagating through the measurement object is calculated with high accuracy. can do.
[0020]
According to the invention of
[0021]
According to the invention of
[0022]
According to the invention of
[0023]
According to the invention of
[0024]
According to the invention of claim 6, the first and second interpolation waveforms (501, 502) are obtained from the first and second discrete data (SP1, SP2), and the first and second interpolation waveforms (501, 502) are obtained. ) Is used to calculate the maximum gradient (Φm1, Φm2) and the wavefront gradient value (Φh1, Φh2), the calculation speed of the A / D conversion means (221, 231) is slow and the processing capability is low. Even if the sampling interval (ST) in the / D conversion is relatively large, it is possible to extract the wave fronts (H1, H2) with a reasonable and high accuracy. PS) propagation velocity (V) can be measured, and the compressive strength (F) of the test object derived from the propagation velocity (V) can be easily and accurately tested.
[0025]
The numbers in parentheses are for the sake of convenience indicating the corresponding elements in the drawings and the text, and therefore the present description is not limited to the descriptions on the drawings and in the text.
[0026]
The illustrated vibration waveform shows rising in the positive direction, but in the case of rising in the negative direction, the same treatment can be performed by changing the sign of the waveform.
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the elastic wave propagation velocity calculation method for concrete according to the present invention and a nondestructive compressive strength test apparatus using the method will be described below with reference to the drawings.
[0028]
FIG. 1 is a cross-sectional view simulating a state of a nondestructive compressive strength test for concrete according to the present invention.
[0029]
[0030]
The
[0031]
FIG. 2 is a block diagram showing a control configuration of the
[0032]
As shown in FIG. 2, the
[0033]
In FIG. 1, PS is an elastic wave propagating in the concrete, 5 is a hammer that hits the concrete and generates the elastic wave PS, and P1 is a vibration detection point in the first sensor S1. Yes, P2 is a vibration detection point in the second sensor S2, and P3 is a striking point by the
[0034]
The nondestructive compressive
[0035]
First, as shown in FIG. 1, the said
[0036]
Next, the striking point P3 is struck once with the
[0037]
Subsequently, the elastic wave PS generated by the
[0038]
The rising point of the
[0039]
In this case, considering the measurement with an actual structure, the predetermined distance L is preferably about 20 to 30 (cm). Further, assuming that the frequency of the elastic wave is 4 (kHz) and the velocity of the elastic wave is 4000 (m / s), the wavelength is about 4000 (m / s) ÷ 4 (kHz) = 1 (m), The predetermined distance L is about 20 to 30% of the wavelength 1 (m). Then, the ΔT is 50 to 75 (μs) from 20 (cm) ÷ 4000 (m / s) = 50 (μs) and 30 (cm) ÷ 4000 (m / s) = 75 (μs). Therefore, if the measurement error is about 2%, the ΔT measurement error is 1 to 1.5 (μs), and the elastic wave propagation velocity error is 4000 (m / s) × 0.02 = 80 (m / s). Therefore, taking into account that the predetermined distance L is 20 to 30 (cm), it is necessary to accurately measure the arrival time difference ΔT.
[0040]
However, as described above, the rising points of the
[0041]
First, based on FIG. 1, FIG. 2, FIG. 3, FIG. 4, FIG. 5 and FIG. 7, the control device is supplied from the first sensor S1 and second sensor S2 through the
[0042]
Here, FIG. 3 is a time-voltage graph showing a waveform which is an analog signal of the elastic wave SP detected by the first sensor S1 and the second sensor S2, and FIG. 4 is an analog signal of FIG. Rising points of the
[0043]
For the first voltage waveform 31 (FIG. 3) of the elastic wave PS (FIG. 1), which is an analog signal detected by the first sensor S1 and amplified by the filter / amplifier S11, a first waveform calculator 22 (FIG. 3) The process in 2) will be described.
[0044]
The first voltage waveform 31 (FIG. 3) that is the analog signal amplified by the filter / amplifier S11 is an A / D of the first waveform calculation unit 22 (FIG. 2) in the control device 2 (FIG. 1). The conversion unit 221 (FIG. 2) converts the first discrete data SP1 (FIG. 4) by a predetermined sampling time ST (eg, 6.4 μsec) and outputs the first discrete data SP1 (FIG. 2). The sampling time ST is preferably as short as possible. However, as long as a small and inexpensive commercially available personal computer is used, for example, processing with a sampling of about 0.05 (μsec) is difficult. Therefore, practically, A / D conversion is performed while allowing a slightly larger sampling time ST. However, in this state, it is difficult to accurately extract the wave fronts H1 and H2 of the
[0045]
Based on the first discrete data SP1 (FIG. 4) input from the A /
[0046]
Next, as a method for obtaining the rising position of the waveform, that is, the wave fronts H1 and H2, there is a method for obtaining from the amplitude of the voltage waveform. As described above, this method is difficult due to disturbances and the like. Accordingly, paying attention to the gradient of the voltage waveform which is a differential value of the amplitude, the maximum gradients Φm1 and Φm2 in the regions A1 and A2 until the voltage waveform first takes the maximum values PK1 and PK2 are obtained, and the voltage waveform is the maximum gradient Φm1. , Φm2, and a position having a predetermined ratio of gradients Φh1 and Φh2 are obtained by calculating the regions A1 and A2 of the
[0047]
FIG. 5 shows the relationship between the voltage amplitude and time. The time T of the
[0048]
From this point of view, the maximum gradient calculation unit 223 (FIG. 2) is based on the higher order expression of the first interpolation waveform 501 (FIG. 5) input from the interpolation waveform calculation unit 222 (FIG. 2). The maximum gradient value Φm1 of the
[0049]
The wavefront extraction unit 224 calculates a wavefront gradient value Φh1 by multiplying the maximum gradient value Φm1 input from the maximum gradient calculation unit 223 (FIG. 2) by a predetermined ratio. Further, the wavefront slope value Φh1 and the
[0050]
The second voltage waveform 32 (FIG. 3) of the elastic wave PS (FIG. 1) that is an analog signal detected by the second sensor S2 is an elastic wave PS that is an analog signal detected by the first sensor S1. In the same manner as the first voltage waveform 31 (FIG. 3) of FIG. That is, the A / D conversion unit 231 (FIG. 2) of the second waveform calculation unit 23 (FIG. 2) in the control device 2 (FIG. 1) performs the second sampling with a predetermined sampling time ST (for example, 6.4 μsec). It is converted into discrete data SP2 (FIG. 4), and in the interpolated waveform calculation unit 232 (FIG. 2), each sampling point SP21, SP22, SP23, which constitutes the second discrete data SP2 is based on the second discrete data SP2. A high-order expression that is a smooth second interpolation waveform 502 (FIG. 5) passing through SP24, SP25, and SP26 is calculated, and the maximum gradient calculation unit 233 (FIG. 2) performs second interpolation based on the high-order expression. The maximum gradient value Φm2 of the waveform 502 (FIG. 5) is calculated. Then, the
[0051]
Subsequently, in the control device 2 (FIG. 1), the time T when the wave front H1 extracted from the first waveform calculation unit 22 (FIG. 2) and the second waveform calculation unit 23 (FIG. 2) is generated as described above. h1 And the time T when the wave front H2 occurs h2 The sequence for calculating the propagation speed of the elastic wave PS and conducting the compressive strength test of the concrete derived from the propagation speed will be described.
[0052]
As shown in FIG. 7, the experimental statistical formula F = f (v) of the concrete compressive strength F and the elastic wave velocity v is statistically obtained in advance based on experiments, and the compressive strength F is calculated by the experimental statistical formula F = It is obtained by f (v). Therefore, the time T when the wave fronts H1 and H2 of the
[0053]
First, the time difference detector 24 (FIG. 2) receives the T input from the wavefront extractor 224 of the
[0054]
The
[0055]
The compressive
[0056]
The
[0057]
The display output unit 28 (FIG. 2) can output the compression strength F, which is data input from the
[0058]
As described above, in this embodiment, a voltage waveform, which is an analog signal of an elastic wave propagating through the test object, is converted into a plurality of discrete data that is digital data by A / D conversion with the vicinity of the front of the voltage waveform as a range. After converting to the plurality of discrete data, a higher order expression is calculated, a maximum gradient value of the higher order expression is calculated, and the gradient value calculated by multiplying the maximum gradient value by a predetermined ratio is used as the wave front. The wave front is extracted as a gradient value of. However, the reason why the higher order expression is calculated from the plurality of discrete data is that, as described above, in the personal computer or the like that is used in practice, the operation speed of the A /
[0059]
In the present embodiment, the elastic wave PS generated in the test object by the
[0060]
As described above, in the present embodiment, the analog signal in the vicinity of the wavefront of the elastic wave is converted into discrete data that is digital data, and the wavefront is reasonably extracted from the discrete data as described above. It is possible to easily measure the propagation velocity of elastic waves in concrete with high accuracy at the measurement distance, and to easily test the compressive strength of concrete derived from the propagation velocity. In addition, since the surface state and location of the concrete are not selected, it is possible to easily perform nondestructive compressive strength tests of concrete at various parts of the actual structure, and there is no problem of management complexity and compatibility, It is possible to easily perform a nondestructive compressive strength test of concrete with high reliability and accuracy without causing damage to a structure due to a member defect.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view simulating a state of a nondestructive compressive strength test according to the present invention.
FIG. 2 is a block diagram showing a control configuration of the
FIG. 3 is a time-voltage graph showing a waveform that is an analog signal of the elastic wave SP detected by the first sensor S1 and the second sensor S2 in FIG. 1;
4 is an area A1 from the rising point of the
5 is a time-voltage graph drawn as a smooth interpolation waveform based on higher-order equations obtained from the first discrete data SP1 and SP2 in FIG. 4;
FIG. 6 is a time-voltage graph showing a voltage waveform near the rise of an elastic wave.
FIG. 7 is an elastic wave velocity-compressive strength graph showing the relationship between the compressive strength of concrete and the elastic wave velocity propagating through the concrete.
[Explanation of symbols]
1 Nondestructive compressive strength test equipment
5 Hammer (vibration generating means)
24 Time difference detection unit (time difference detection means)
25 Speed calculator (speed calculator)
26 Compressive strength calculator (compressive strength calculator)
31 First voltage waveform
32 Second voltage waveform
221 A / D converter for the first voltage waveform (A / D converter)
222 Interpolation waveform calculation unit (interpolation waveform calculation means) for the first voltage waveform
223 Maximum gradient calculation unit (maximum gradient calculation means) for the first interpolation waveform
224 Wavefront extraction unit (wavefront extraction means) for the first interpolation waveform
231 A / D converter (A / D converter) for second voltage waveform
232 Interpolation waveform calculation unit for second voltage waveform (interpolation waveform calculation means)
233 Maximum gradient calculation unit (maximum gradient calculation means) for the second interpolation waveform
234 Wavefront extraction unit (wavefront extraction means) for second interpolation waveform
501 First interpolation waveform
502 Second interpolation waveform
A1 Predetermined rising region in the first voltage waveform
A2 Predetermined rising region in the second voltage waveform
F Compressive strength of concrete
H1 Wave front in first voltage waveform or first interpolated waveform
H2 Wave front in second voltage waveform or second interpolated waveform
L A predetermined distance between the first and second sensors
PK1 The first local maximum after the beginning of the first voltage waveform
PK2 First local maximum after the beginning of the second voltage waveform
PS Elastic wave
SP1 1st discrete data
SP11 to SP15 Sampling points constituting the first discrete data
SP2 Second discrete data
SP21 to SP26 Sampling points constituting the second discrete data
ST Predetermined sampling interval
ST1 Time of start of a predetermined rising area in the first voltage waveform
ST2 Time of start of a predetermined rising area in the second voltage waveform
T h1 Time when the wave front in the first voltage waveform or the first interpolation waveform occurs
T h2 Time when the wave front in the second voltage waveform or the second interpolation waveform occurs
TP predetermined time
V Propagation velocity of elastic wave
ΔT Time difference when elastic wave is detected by first and second sensors
Φh1 Wavefront slope value in the first voltage waveform or the first interpolation waveform
Φh2 Wavefront slope value in the second voltage waveform or second interpolation waveform
Φm1 Maximum gradient in the first voltage waveform or the first interpolation waveform
Φm2 Maximum gradient in the second voltage waveform or second interpolation waveform
Claims (6)
前記第1及び第2のセンサにより検知された前記弾性波の第1及び第2電圧波形の所定の立ち上がり領域における波形の最大勾配をそれぞれ演算し、
それら演算された前記第1及び第2電圧波形の最大勾配に対して所定の割合を有する勾配を波頭勾配値としてそれぞれ演算し、
それら演算された前記波頭勾配値を有する前記第1及び第2電圧波形の立ち上がり領域における位置をそれぞれ波頭として、当該波頭間の前記時間差を求めて、前記伝播速度を演算する、
ことを特徴とする弾性波伝播速度測定演算方法。First and second sensors arranged at a predetermined distance are used to detect elastic waves propagating in the solid, respectively, and the time difference at which the elastic waves are detected by the first and second sensors is measured. In the method of calculating the propagation speed of the elastic wave in the solid from the time difference and the distance,
Calculating the maximum gradient of the waveform in a predetermined rising region of the first and second voltage waveforms of the elastic wave detected by the first and second sensors, respectively;
A gradient having a predetermined ratio with respect to the calculated maximum gradient of the first and second voltage waveforms is calculated as a wavefront gradient value, respectively.
The position in the rising region of the first and second voltage waveforms having the calculated wavefront slope value is used as a wavefront, the time difference between the wavefronts is obtained, and the propagation velocity is calculated.
An elastic wave propagation velocity measurement calculation method.
前記弾性波の第1及び第2電圧波形を所定のサンプリング間隔でサンプリングして第1及び第2離散データを収集し、
前記第1及び第2離散データに基づき、第1及び第2電圧波形それぞれについて、前記最大勾配及び前記波頭勾配値を演算する、
ことを特徴とする請求項1記載の弾性波伝播速度測定演算方法。In the calculation of the maximum gradient and the wavefront gradient value,
Sampling the first and second voltage waveforms of the elastic wave at a predetermined sampling interval to collect first and second discrete data;
Based on the first and second discrete data, calculating the maximum gradient and the wavefront gradient value for each of the first and second voltage waveforms;
The elastic wave propagation velocity measurement calculation method according to claim 1.
前記収集された第1及び第2離散データに基づいて、それら第1及び第2離散データの各サンプリング点を通過する第1及び第2補間波形を演算し、
それら演算された第1及び第2補間波形に基づいて前記最大勾配及び前記波頭勾配値を演算する、
ことを特徴とする請求項2記載の弾性波伝播速度測定演算方法。In the calculation of the maximum gradient and the wavefront gradient value,
Based on the collected first and second discrete data, calculate first and second interpolation waveforms that pass through the sampling points of the first and second discrete data,
Calculating the maximum gradient and the wavefront gradient value based on the calculated first and second interpolation waveforms;
The elastic wave propagation velocity measurement calculation method according to claim 2.
試験対象物に弾性波を発生させる振動発生手段と、
該試験対象物上に所定の距離を置いて配置し得る第1及び第2のセンサと、
前記第1及び第2のセンサにより検知された前記弾性波の第1及び第2電圧波形の所定の立ち上がり領域における最大勾配をそれぞれ演算する最大勾配演算手段と、
前記第1及び第2電圧波形の最大勾配に対して所定の割合を有する勾配を波頭勾配値としてそれぞれ演算し、それら演算された前記波頭勾配値を有する前記第1及び第2電圧波形の立ち上がり領域における位置をそれぞれ波頭として抽出する波頭抽出手段と、
前記第1及び第2電圧波形の波頭の各発生した時間の時間差を求める時間差検出手段と、
前記時間差と、前記第1及び第2のセンサの所定の距離に基づき、試験対象物を伝播する前記弾性波の伝播速度を演算する速度演算手段と、
前記演算された弾性波の伝播速度に基づき、試験対象物の圧縮強度を演算する圧縮強度演算手段と、
を有することを特徴とする非破壊圧縮強度試験装置。In a nondestructive compressive strength test device that measures the compressive strength of a solid,
Vibration generating means for generating elastic waves in the test object;
First and second sensors that can be placed at a predetermined distance on the test object;
Maximum gradient calculating means for calculating the maximum gradients in predetermined rising regions of the first and second voltage waveforms of the elastic wave detected by the first and second sensors, respectively;
Gradients having a predetermined ratio with respect to the maximum gradients of the first and second voltage waveforms are calculated as wavefront gradient values, respectively, and the rising regions of the first and second voltage waveforms having the calculated wavefront gradient values Wave front extraction means for extracting each position in as a wave front;
A time difference detecting means for obtaining a time difference between the generated times of the wave fronts of the first and second voltage waveforms;
Speed calculating means for calculating a propagation speed of the elastic wave propagating through the test object based on the time difference and a predetermined distance between the first and second sensors;
Based on the calculated propagation velocity of the elastic wave, a compressive strength calculating means for calculating the compressive strength of the test object,
A nondestructive compressive strength test apparatus characterized by comprising:
前記最大勾配演算手段が、
前記第1及び第2離散データに基づき、前記第1及び第2電圧波形それぞれについて、前記最大勾配を演算し、
前記波頭抽出手段が、
前記第1及び第2離散データと前記最大勾配とに基づき、前記第1及び第2電圧波形それぞれについて、前記波頭勾配値を演算する、
ことを特徴とする請求項4記載の非破壊圧縮強度試験装置。Analog / digital conversion means for sampling the first and second voltage waveforms of the elastic wave at a predetermined sampling interval and collecting the first and second discrete data;
The maximum gradient computing means is
Based on the first and second discrete data, the maximum gradient is calculated for each of the first and second voltage waveforms,
The wave front extracting means is
Calculating the wavefront slope value for each of the first and second voltage waveforms based on the first and second discrete data and the maximum slope;
The nondestructive compressive strength test apparatus according to claim 4.
前記最大勾配演算手段が、
前記第1及び第2補間波形に基づいて、前記最大勾配を演算し、
前記波頭抽出手段が、
前記第1及び第2補間波形と前記最大勾配とに基づいて、前記波頭勾配値を演算する、
ことを特徴とする請求項5記載の非破壊圧縮強度試験装置。Based on the first and second discrete data, having an interpolated waveform computing means for computing first and second interpolated waveforms passing through the sampling points of the first and second discrete data;
The maximum gradient computing means is
Calculating the maximum gradient based on the first and second interpolated waveforms;
The wave front extracting means is
Calculating the wavefront slope value based on the first and second interpolation waveforms and the maximum slope;
The nondestructive compressive strength test apparatus according to claim 5.
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