JP3894475B2 - 土壌特性データ処理装置及びプログラム及びこれを記憶した記憶媒体及び土壌特性データの処理方法 - Google Patents

土壌特性データ処理装置及びプログラム及びこれを記憶した記憶媒体及び土壌特性データの処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ほ場内の土壌特性やその分布に関するデータ情報を処理するための土壌特性情報処理装置、プログラム及びそのようなプログラムを記録した記録媒体に関し、特に、相互間で比較可能に標準化された多数のデータ情報を作成及び管理するためのものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境の保全や収益性の向上といった観点から、農作物の生産に供されるほ場単位面積当たりに対し、農業資材、肥料あるいは飼料等の投入量を最小化すべく、精密農法の導入が普及するようになってきた。
【0003】
精密農法では、比較的大規模なほ場を複数の区画に分割し、区画毎に異なる土壌特性(土壌特性のばらつき)を考慮した上で、農作物の選択、耕うん作業、或いは施肥等に関し、区画毎に最適な管理を行う。
【0004】
例えば、ほ場における作物の生育と密接な関わりのあることが知られている環境パラメータとして、土壌硬度という概念がある。土壌硬度は、土壌の硬さに関する指標として用いられる。ほ場における土壌硬度の高くなると、作物の根系の成長が阻害され、作物の収穫量が低減する傾向にある。そこで、ほ場内の各区画における土壌硬度を把握し、過去に得られたデータや他のほ場で得られたデータと比較することにより、個々の区画の土壌特性に適合する最適な管理方法を見出すようにすればよい。このため、各区画に対応するデータ情報は、時間的、地理的に異なる領域から取得された土壌特性に関するデータ情報と比較可能なように標準化されたもの(規格の統一化がなされたもの)であることが望ましい。このように、各区画の土壌に関して取得されたデータを各区画の土壌硬度に情報として標準化するために、例えば、土壌硬度を複数のパラメータからなる1つの関数として把握する手法が考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、土壌硬度を複数のパラメータからなる1つの関数として捉えた場合、この関数は、土の種類、比重、含水比、組成、粘土含量等々、多数のパラメータを含むことになり、しかもこれらのパラメータのほとんどは、サンプルの分析方法や採取条件によって、大きく変動する。このため、地理的に広範囲な、或いは離間したほ場で採取されたサンプルや、時系列的に取得されたサンプルについて、信頼性の高いデータ解析を行うことが困難となっていた。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ほ場内における土壌特性の分布に関し、精度の高いデータ情報を効率的に取得し、さらに、同一ほ場内で取得されたデータ間で、或い複数のほ場で取得されたデータ間で比較が容易なデータ情報として一括管理することを容易にする土壌特性データの処理装置、プログラム、そのようなプログラムを記憶する記憶媒体、或いは土壌特性データの処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明による装置は、土壌の硬度特性と、該硬度特性に関連するその他の特性とを、複数の土壌サンプルに対応するデータとして処理する土壌特性データ処理装置であって、複数の土壌サンプルに対応するデータのうち、一部若しくは全部のデータについて標準化された硬度特性として、土壌の特性に関する他のパラメータを一定とした場合の前記硬度特性を推定する推定手段と、前記推定される標準化土壌硬度を、各データの取得位置及び取得時間の少なくとも一方に関連づけて処理する処理手段と、を備えることを要旨とする。
【0008】
ここで、土壌の硬度特性とは、土壌の硬さに関する特性を広く意味する。また、土壌サンプルに対応するデータとは、ほ場等から採取されたサンプルを分析して得られたデータのみならず、ほ場等に分布する土壌を現場観測することによって得られたデータをも意味する。また、一部のデータとは、グループ化された複数のデータのみならず、一個のデータをも意味する。なお、ここでいうデータは、そのほ場に関して過去に観測し、保有しているデータも含む。
【0009】
また、土壌の特性に関する他のパラメータは、一種類のパラメータであってもよいし、複数種類のパラメータであってもよい。さらに、他のパラメータを一定にした場合とは、他のパラメータが複数存在する場合には、そのうち1種類のパラメータを一定にした場合を想定してもよいし、複数のパラメータを一定にした場合を想定してもよい。さらに、他のパラメータ全てを一定にした場合を想定することもできる。
【0010】
同構成によれば、例えば、任意のほ場から取得された複数のデータについて標準化された硬度特性を推定することで、当該ほ場の土壌に特有の硬度特性を数値(標準化土壌硬度)として把握し、他のほ場の土壌に特有の硬度特性(他のほ場についての標準化土壌硬度)と比較することができるようになる。従って、当該ほ場の土壌硬度特性に見合う最適な作物種や農法を見いだすことが容易になる。また、例えば、他のパラメータのうち一種類、或いは複数種類を選択し、当該選択されたパラメータを一定とした場合の前記硬度特性を推定すれば、当該ほ場の土壌に特有の硬度特性のうち、特定の土壌特性(例えば水分量等)に影響を受けて変動する要素の空間的な分布を正確に把握することができるようになる。従って、特定のほ場内で土壌特性が不均一に分布している場合であっても、各地点の土壌特性に応じた最適な農地管理を行うことができるようになる。
【0011】
また、上記土壌特性データ処理装置において、前記土壌の特性に関する他のパラメータに、土壌の水分量に関するパラメータと、土壌のテクスチャに関するパラメータと、および前記各パラメータの取得条件と、を含むのが好ましい。
【0012】
ここで、土壌の水分量に関するパラメータとは、土壌の水分比や水分含量等のように当該土壌の水分量に直接的に関与するパラメータのみならず、土壌の電気伝導度や誘電率等のように当該土壌の水分量に間接的に関与するパラメータをも含むものとする。また、各パラメータの取得条件とは、サンプルの採集時や現場観測時における作業条件、或いはサンプルの分析条件等を意味する。
【0013】
また、上記土壌特性データ処理装置において、前記土壌の特性に関する他のパラメータに、土壌の密度に関するパラメータを含むのが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、例えば、水分量、テクスチャ、密度等、土壌の硬度特性を決定づける主要なパラメータのうち、特定のパラメータの影響を排除した関数として土壌の硬度特性(標準化土壌硬度)やその空間的な分布を把握することができるようになる。よって、ほ場内における土壌の硬度特性の分布を多面的に捉えた上で効果的な農地管理の手法を見いだすことができるようになる。
【0015】
また、上記土壌特性データ処理装置において、前記土壌サンプルについて前記土壌特性に関する他のパラメータのうち少なくとも一つのパラメータと、当該土壌サンプルについて各土壌サンプルの硬度とを、所定のほ場において任意深さの土壌を切削しつつ進行する土壌切削手段を有して該土壌切削手段に切削される土壌の特性を連続的に観測する土壌特性観測装置の観測結果として取得するのが好ましい。
【0016】
同構成によれば、前記土壌特性観測装置を通じて、土壌特性に関する情報として任意の観測点で得られた大量のデータを効率的に活用することができるようになり、広域に亘る土壌の硬度特性について、効率的な管理を行うことができるようになる。
【0017】
この発明によるプログラムは、土壌の硬度特性と、該硬度特性に関連するその他の特性とを、複数の土壌サンプルに対応するデータとしてコンピュータに処理させるコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、コンピュータに、複数の土壌サンプルに対応するデータのうち、一部若しくは全部のデータについて標準化された硬度特性として、土壌の特性に関する他のパラメータを一定とした場合の前記硬度特性を推定する推定手順と、前記推定される標準化土壌硬度を、各データの取得位置及び取得時間の少なくとも一方に関連づけて処理する処理手順と、を実行させることを要旨とする。
【0018】
ここで、上記コンピュータ読み取り可能なプログラムは、前記土壌の特性に関する他のパラメータに、土壌の水分量に関するパラメータと、土壌のテクスチャに関するパラメータと、前記各パラメータの取得条件と、を含むのが好ましい。
【0019】
また、上記コンピュータ読み取り可能なプログラムは、前記土壌の特性に関する他のパラメータに、土壌の密度に関するパラメータを含むのが好ましい。
【0020】
また、上記コンピュータ読み取り可能なプログラムは、前記土壌サンプルについて前記土壌特性に関する他のパラメータのうち少なくとも一つのパラメータと、当該土壌サンプルについて各土壌サンプルの硬度とを、所定のほ場において任意深さの土壌を切削しつつ進行する土壌切削手段を有して該土壌切削手段に切削される土壌の特性を連続的に観測する土壌特性観測装置の観測結果として取得するのが好ましい。
【0021】
この発明による記憶媒体は、土壌の硬度特性と、該硬度特性に関連するその他の特性とを、複数の土壌サンプルに対応するデータとしてコンピュータに処理させるコンピュータ読み取り可能なプログラムの記憶媒体であって、複数の土壌サンプルに対応するデータのうち、一部若しくは全部のデータについて標準化された硬度特性として、土壌の特性に関する他のパラメータを一定とした場合の前記硬度特性を推定する推定手順と、前記推定される標準化土壌硬度を、各データの取得位置及び取得時間の少なくとも一方に関連づけて処理する処理手順と、を実行させるプログラムを記憶することを要旨とする。
【0022】
ここで、上記コンピュータ読み取り可能なプログラムの記憶媒体において、前記土壌の特性に関する他のパラメータには、土壌の水分量に関するパラメータと、土壌のテクスチャに関するパラメータと、および前記各パラメータの取得条件と、を含むことを要旨とする。
【0023】
また、上記コンピュータ読み取り可能なプログラムの記憶媒体において、前記土壌の特性に関する他のパラメータには、土壌の密度に関するパラメータを含むことを要旨する。
【0024】
また、上記コンピュータ読み取り可能なプログラムの記憶媒体において、前記土壌サンプルについて前記土壌特性に関する他のパラメータのうち少なくとも一つのパラメータと、当該土壌サンプルについて各土壌サンプルの硬度とを、所定のほ場において任意深さの土壌を切削しつつ進行する土壌切削手段を有して該土壌切削手段に切削される土壌の特性を連続的に観測する土壌特性観測装置の観測結果として取得することを要旨とする。
【0025】
この発明による方法は、土壌の硬度特性と、該硬度特性に関連するその他の特性とを、複数の土壌サンプルに対応するデータとして処理する土壌特性データの処理方法であって、複数の土壌サンプルに対応するデータのうち、一部若しくは全部のデータについて標準化された硬度特性として、土壌の特性に関する他のパラメータを一定とした場合の前記硬度特性を推定する手順と、前記推定された標準化土壌硬度を、各データの取得位置及び取得時間の少なくとも一方に関連づけて処理する手順と、を含むことを要旨とする。
【0026】
ここで、上記土壌特性データの処理方法において、前記土壌の特性に関する他のパラメータには、土壌の水分量に関するパラメータと、土壌のテクスチャに関するパラメータと、および前記各パラメータの取得条件と、が含まれるのが好ましい。
【0027】
また、上記土壌特性データの処理方法において、前記土壌の特性に関する他のパラメータには、土壌の密度に関するパラメータが含まれるのが好ましい。
【0028】
また、上記土壌特性データの処理方法において、前記土壌サンプルについて前記土壌特性に関する他のパラメータのうち少なくとも一つのパラメータと、当該土壌サンプルについて各土壌サンプルの硬度とは、所定のほ場において任意深さの土壌を切削しつつ進行する土壌切削手段を有して該土壌切削手段に切削される土壌の特性を連続的に観測する土壌特性観測装置の観測結果として取得するのが好ましい。
【0029】
上記各構成は、可能な限り組み合わせることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、ほ場内における土壌特性の分布を観測し、観測結果として取得されたデータ情報を加工及び管理する観測システムに適用した一実施の形態について説明する。
【0031】
〔観測システムの概要〕
図1には、本実施の形態にかかる観測システムの概略を示す。
【0032】
同図1に示すように、観測システム1は、トラクタ等の車両2に牽引され、農作物の生産を行うべく耕地されたほ場3内を移動する土壌特性観測装置10と、土壌特性観測装置10の正確な位置を把握するためのGPS(Global Positioning System)衛星によって構成されている。土壌特性観測装置10にはGPSアンテナ11が備えられており、土壌特性観測装置10はこのGPSアンテナ11を通じGPS衛星200からの位置情報(地表における土壌特性観測装置10の位置に関する情報)信号を受信して自身の現在位置を認識することになる。同図1中において破線で示すように、ほ場3は仮想的に複数の区画に分割されており、土壌特性に関して取得した情報の管理や、農作物を生産するにあたって行う肥料や農薬等の投入量の決定は、区画毎に独立して行うことになる。
【0033】
〔土壌特性観測装置の構造及び機能〕
次に、土壌特性観測装置の構造及び機能について説明する。
【0034】
図2は、車両(トラクタ)2に牽引される土壌特性観測装置10の構造を概略的に示す側面図である。
【0035】
同図2に示すように、土壌特性観測装置10は、支持フレーム12a,12b,12c,12dを介してトラクタ2の後部に連結された台座13と、台座13上に載置された制御部(コンピュータを含む)と、台座13後端の下部に取り付けられた土壌切削部50とを備えて構成される。制御部30の頭上には、GPSアンテナ11が取り付けられている。土壌切削部50は、台座13の下部に支持連結されたシャンク51と、シャンク51の下部に固定され土壌中(地表面下)の所定の深さを略水平に進むセンシング部52とを備える。シャンク51の進行方向先端は土壌から受ける抵抗を低減すべくV字型形状をなしており、また、センシング部52は、その先端に土壌を堀削するためのチゼル刃(チゼル部)53を備えており、また土壌特性を観測するための各種センサ(図示略)を内蔵している。土壌切削部50の外部に取り付けられたハロゲンランプ40は、センシング部52内に形成される観測空間(図示略)において、後述する各種センサ(図示略)の観測対象(土壌)を照明するための光源として機能する。台座13の側部に取り付けられた支持アーム14は、その先端部に設けられたゲージ輪15を接地させることにより、支持フレーム12a,12b,12c,12dと併せて台座13を地表面と水平な状態に保持する。また、ゲージ輪15及び台座13間の距離は調整可能であり、この距離を調整することによって土壌中のセンシング部52の位置(深さ)を調整することができる。同じく台座13の側部であって、支持アーム14よりも前方の所定部位13aにおいて、当該部位13aを中心に揺動自在に取り付けられた揺動アーム16は、その先端部に設けられた深度測定用自由転輪17を接地させる。揺動アーム16の取り付け部位には、台座13に対する揺動アーム16の回転位相に応じた信号を出力するポテンショメータ(回転角度センサ)18が取り付けられている。回転角度センサ18の出力信号に基づいて、深度測定用自由転輪17の接地面と台座13との距離D1、さらにはセンシング部52の底面(観測土壌面)と地表面L1との間の距離、言い換えれば観測土壌面L2の深さD2が求められる。また、台座13の先端部に設けられたコールタ19は、土壌切削部50前方の地表を切断することにより、センシング部52を地表面下に誘導するために要する力(土壌切削部50が土壌から受ける抵抗)を軽減する。また、藁や雑草等を切断し、これらがシャンク51に絡みつくのを防止する機能も有する。また、トラクタ2に取り付けられた表示操作部20は、制御部30と電気的に接続され、操作者の入力作業により、若しくは自動的に制御部30と通信し、制御部30が記憶するデータ情報等を適宜表示する。
【0036】
〔センシング部の構造〕
図3は、センシング部の内部構造を概略的に示す側断面図である。
【0037】
同図3に示すように、センシング部52は、進行方向に沿って先端部に相当するチゼル部53と、後端部に相当する光学センサ収納部60とに大別される。チゼル部53は、その刃先により前方の土壌を上下に切り開きながら進行するとともに、その後方に、地表面L1と水平をなす観測土壌面L2を形成する。光学センサ収納部60には、可視光集光ファイバー(可視光センサ)61、近赤外線集光ファイバー(赤外光センサ)62、CCD(Charge Coupled Device)カメラ63、温度センサ64および照明用光ファイバー65A,65Bが収容されている。また、これら部材61〜65は、観測土壌面L2から離間するように設けられ、各部材61〜65と観測土壌面L2との間には所定の観測空間S1が形成される。
【0038】
ここで、照明用光ファイバー65A,65Bは、ハロゲンランプ40(図2参照)から供給される光のうち特定の波長領域(例えば400nm〜2400nm程度)の光を選択的に透過させ、この光を観測土壌面L2に照射する。可視光センサ61は、照明用光ファイバー65A,65Bによって観測土壌面L2に照射された光の反射光のうち、可視光の波長領域(例えば400nm〜900nm)の光を選択的に収集する。赤外光センサ62は、同じく照明用光ファイバー65A,65Bによって観測土壌面L2に照射された光の反射光のうち、近赤外光の波長領域(例えば900nm〜1700nm)の光を選択的に収集する。CCD(Charge Coupled Device)カメラ63は、観測土壌面L2を撮像する。CCDカメラ63によって取得される撮像データは、土壌の大略分類やテクスチャ(きめ)を把握するための情報として活用される。温度センサ64は、観測土壌面L2の温度(放射熱)を検出する。
【0039】
また、可視光センサ61、赤外光センサ62、CCDカメラ63及び照明用光ファイバー65A,65Aは、各々の前面(観測土壌面に臨む面)が光学窓(例えば石英ガラス)66によって覆われている。光学窓66には、送風管67を通じて乾燥した空気が常時吹き付けられる。この乾燥空気の働きにより、光学窓66の曇りが防止される。また、観測空間S1の前方において、センシング部52の底面に凸設された均平板68がチゼル部53の後方に形成される土壌の切削面(センシング部52と対峙する面)の凹凸をならすため、観測土壌面L2は平坦な表面形状を保つ。
【0040】
図4は、チゼル部53の外観を示す上視図である。図3及び図4に併せ示すように、チゼル部53の上面には表面電極55が埋設されている。表面電極55の外縁には、同電極55及びチゼル部53間を隔離するための絶縁性部材56が周設されている。表面電極55は、導電性材料から構成されたチゼル部53の上面53aと対電極をなし、チゼル部53の上面53a(表面電極55を含む)に接触する土壌の電気伝導度と誘電率とを同時に検出する電気特性センサ57を構成する。また、表面電極55のやや後方に相当する部位には歪みゲージ(土壌硬度センサ)58が内蔵されている。土壌硬度センサ58は、チゼル部53内に形成された円筒状の収容空間S2の内壁に取り付けられている。円筒状空間S2は、チゼル部53の底面53b側に形成されたスリットS3を通じ、その一部が外部に連通している。スリットS3内には、鋼製のストッパ58aが設けられている。収容空間S2と、ストッパ58aを含むスリットS3とによって形成される空間には、当該空間への土や水分の進入を防ぐための弾性樹脂が充填されている。土壌硬度センサ58は、チゼル部53が土壌(チゼル部53自身が切り開く土壌)から受ける力学的抵抗(土壌抵抗)を検出する。チゼル部53の受ける土壌抵抗が大きくなるほど節Pを中心に発生するモーメント(例えば、チゼル部53の上面53aに対し矢指Q1方向に作用する力)が大きくなり、土壌硬度センサ(歪みゲージ)58の歪み量も大きくなる。すなわち、土壌硬度センサ58は、チゼル部53の上面53aにかかる土壌の荷重の大きさを、片持ち梁(チゼル部53)の各点にかかる荷重の大きさ(当該荷重が当該梁の支持点(節P)近傍に生じせしめる歪みの大きさ)として検出する。なお、土壌中におけるセンシング部52の進行速度等の諸条件が一定であれば、このチゼル部53が土壌から受ける抵抗(土壌抵抗)は当該土壌の硬さ(土壌硬度)と高い相関関係を示す。
【0041】
ちなみに、本実施の形態では、土壌硬度センサ58を収容する収容空間S2の内壁が曲面をなすこと(円筒状に形成されていること)で、チゼル部53の上面53aに作用する抵抗に対して、節(モーメント中心)P近傍の部位に十分な強度及び耐久性が確保されている。また、土壌硬度センサ58(収容空間S2)の歪み量が有る程度以上大きくなった場合でも、ストッパ58aが存在しているために、スリットS3の幅は所定値より狭くなることはない。
【0042】
〔コンピュータ及びその周辺機器の電気的構成〕
図5は、制御部30に内蔵されたコンピュータ及びその周辺機器について、その電気的構成を示すブロック図である。
【0043】
コンピュータ150は、その内部に中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、バックアップRAM34、及びタイマーカウンタ等を備え、これら各部がバスにより接続されることにより論理演算回路を構成する。
【0044】
このように構成されたコンピュータ150は、光学センサ収容部60に設けられた可視光センサ61や赤外光センサ62からの検出信号を分光部を介して入力し、これら信号を処理する。分光部70は、可視光用分光部71及び近赤外光用分光部72から構成される。分光部71,72は、フォトダイオードリニアアレイを備えたマルチチャンネル式分光器であり、可視光用分光部71は400nm〜900nmの波長領域で256チャンネルに、近赤外光用分光部72は900nm〜1700nmの波長領域で128チャンネルに対応する波長の光の強度を個別に高速検出することができる。また、コンピュータ150は、同じく光学センサ収容部60に設けられた温度センサ64からの検出信号やCCDカメラ63からの撮像データを入力し、これらのデータ情報(信号)を処理する。また、コンピュータ150は、チゼル部53に設けられた電気特性センサ57や土壌硬度センサ58からの検出信号を入力し、これら信号を処理する。また、コンピュータ150は、揺動アーム16に取り付けられた回転角度センサ18からの検出信号を入力し、この信号を処理する。また、コンピュータ150は、GPS衛星200から送信される信号をGPSアンテナ11を通じて入力し、この信号を処理する。
【0045】
コンピュータ150は、これら各部からの入力した信号(データ情報)を、表示操作部20からの指令信号に応じ、若しくは自動的に処理するとともに、適宜同表示操作部20の画面上にその処理状況やデータ情報等を表示する。また、表示操作部20からの指令信号に応じ、若しくは自動的に、上記処理の結果を記録用データ情報として外部記憶装置(例えばカードメモリ等)75に記憶させる。
【0046】
〔電気伝導度及び誘電率の検出回路の基本構成〕
図6には、チゼル部53の上面53aに接触する土壌の電気伝導度及び誘電率に比例する信号を、電気特性センサ57の検出信号として個別にコンピュータ150に出力する検出回路の機能ブロック図を示す。
【0047】
同図6に示すように、電気伝導度検出用回路57aには、振幅可変の発信部から周波数4kHzの交流電圧が電極55,53aに印加される。各電極55,53aの電圧振幅を検出しつつ、所定の振幅制御電圧を発振器に入力することにより、各電極55,53aでの印加電圧振幅が一定となるように発振器出力電圧を制御する。コンピュータ150は、抵抗Rの両端の電圧実効値(土壌の電気伝導度に比例)を、所定期間平均化処理した後、これを記憶することになる。
【0048】
ここで、直流電圧を採用して検出回路を構成した場合、化学反応(電極反応)による生成物が電極表面に堆積し、長期に亘り安定性の高い測定を行うことが困難になる。また、上記のように交流電圧を採用する場合であれ、電極反応による影響を最小とするためには、電圧振幅はできるだけ小さくする方が望ましいことが、発明者らによって確認されている。
【0049】
また、定電流を両電極に印加する構成を採用した場合、土壌の電気伝導度の大きさに依存して、両電極に付与される電圧が変化することとなるため、電極反応の程度も変化する懸念があり、この場合も安定性の高い電気伝導度の測定を行うことが困難であることが、発明者らによって確認されている。
【0050】
一方、誘電率検出用回路57bには、電気伝導度検出用回路57aに印加される低周波交流電圧とは別途に、これと重畳して高周波交流電圧が印加される。同回路57bでは、電極55,53aをコンデンサの極板とみなし、両電極55,53aに接触する土壌の誘電率が検出される。
【0051】
なお、高周波カットフィルタは電気伝導度検出用回路57aへの高周波の混入を防止し、低周波カット用コンデンサは誘電率検出用回路57bへの低周波の混入を防止する。
【0052】
なお、本実施の形態では、土壌電気伝導度の検出にあたり、交流電圧を印加することとしたが、例えば方形波や三角波等、正負の電圧が繰り返し印加される波形パターンからなる電圧の印加を通じて土壌電気伝導度を検出する装置構成を適用してもよい。ただし、土壌の電気伝導度と誘電率とを同一の電極を通じて検出する実施態様、すなわち電気伝導度の検出回路と誘電率の検出回路とが同一の電極を共有する装置構成には、交流電圧を用いる方が望ましい。
【0053】
また本実施の形態では、電気伝導度と誘電率とを検出するにあたり同一の電極を共有する構成を採用しているが、各々を検出するために個別の専用電極を設置するようにしてもよい。
【0054】
〔土壌特性に関するデータ情報を取得するための基本ルーチン〕
次に、上記のようなハードウエア構成を備えた土壌特性観測装置10が、どのような制御ロジックに従いほ場3内の土壌特性に関するデータ情報を取得し、これら情報を管理するのか、その詳細を説明する。
【0055】
図7は、センシング部52に備えられた各種センサからの検出信号等に基づくデータ情報を当該データ情報が取得された位置や観測土壌面の深さと共に記録するための基本ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、コンピュータ150の起動後、当該コンピュータ150(コンピュータ150に記憶されたプログラム)によって所定時間毎に実行される。
【0056】
本ルーチンに処理が移行すると、コンピュタ150は先ずステップS101において、データ情報の取得要求があるか否かを判断する。すなわち、コンピュタ150は、土壌についてのデータ情報を取得すべき時刻、或いはほ場内における位置等の条件を予め記憶しておき、現時点がこのような条件に合致するタイミングであるか否かを判断する。また、操作者が、手動によって所定の指令信号(情報取得の開始信号)を表示入力操作部に入力した場合、コンピュータ150は、データ情報の取得要求があると判断するものであってもよい。同ステップS101における判断が否定である場合、コンピュータ150は本ルーチンを一旦抜ける。
【0057】
一方、上記ステップS101での判断が肯定である場合、コンピュータ150はGPS衛星200から送信される信号に基づいて当該土壌特性観測装置10の位置を把握し(ステップS102)、続いて光学センサ収容部60内の各種センサ61,62,63,64、チゼル部53内の各種センサ57,58の検出信号等に基づくデータ情報を取得し、これらを演算処理(例えば、積算や平均化)する(ステップS103)。また、演算処理されたデータ情報は、前回までのルーチンを通じて既に取得したデータ情報の履歴と照合し、加工処理する(ステップS104)。
【0058】
例えば、本ルーチンが、3秒インターバルで実行されると仮定する。この場合、3秒のインターバルを経た後、一秒間に0.05秒間隔でデータ情報の取得を行うように制御ロジックを構成すれば、この一秒間にセンサ1種類について20個程度(センサが5種類の場合は計100個)のデータ情報が取得されることになる。コンピュータ150は、このセンサ1種類当たり20個のデータ情報について平均化処理を行い(ステップS103)、1組のデータ情報に加工(ステップS104)して管理する。
【0059】
その後コンピュータ150は、上記ステップS104において得たデータ情報を、GPS衛星200からの位置情報と、観測土壌面L2の深さとに対応するデータ情報として外部記憶装置75に記憶し(ステップS105)、本ルーチンでの処理を一旦終了する。
【0060】
本実施の形態にかかる土壌特性観測装置10は、基本的にはこのような制御ロジックに従い、ほ場3内の各区画で土壌特性に関するデータ情報を連続的に取得及び記憶していく。
【0061】
次に、上記基本ルーチンにおける処理のうち、とくにステップS104での処理、すなわち各種センサの検出信号を演算処理して得たデータ情報の加工処理について、詳細に説明する。
【0062】
〔各種センサの信号に基づくデータの融合〕
図8は、センシング部52に備えられた各種センサの出力信号がどのように処理されるのかを概念的に説明する略図である。
【0063】
同図8に示すように、コンピュータ150は、土壌の光学的な特性を検知する検知手段、すなわち可視光センサ61や赤外光センサ62を通じて得られたデータ情報を処理し、土壌有機物SOM(Soil Organic Matter)量、pH、硝酸態窒素(NO3−N)、土壌溶液電気伝導度ECw及び水分量(含水比)等を推定するといった第1の推定手段としての機能を有する。
【0064】
同じくコンピュータ150は、土壌の電気的若しくは力学的な特性を検知する検知手段、すなわち電気特性センサ57や土壌硬度センサ58を通じて得られたデータ情報を処理し、土壌溶液電気伝導度ECw及び水分量(含水比)等を推定するといった第2の推定手段としての機能を有する。
【0065】
ここで、例えば土壌溶液電気伝導度ECwや水分量(含水比)は、土壌の光学的な特性を検知する検知手段を通じて得ることができる他、電気的若しくは力学的な特性を検知する検知手段を通じて得ることもできる。本実施の形態にかかる土壌特性観測装置10では、異なる検知手段を通じて得られた同一の観測項目(例えば土壌溶液電気伝導度ECwや含水比)に関するデータ情報については、それらデータ情報を相互に比較し、最も信頼度の高いデータ情報を採用するといったデータ情報の融合処理を行う。
【0066】
〔土壌光スペクトル及び土壌電気伝導度に関する情報の融合処理〕
図9は、土壌特性に関するデータ情報の処理のうち、土壌光スペクトル及び土壌電気伝導度に関する情報の融合処理の具体的な手順(ルーチン)を示すフローチャートである。なお、当該フローチャートに従う処理手順は、土壌特性観測装置10のコンピュータ150(コンピュータに記憶されたプログラム)によって実行される処理の一環として、例えば先の基本ルーチン(図7)におけるステップS104に含まれる。
【0067】
同ルーチンに処理が移行すると、コンピュータ150は先ずステップS201において、ほ場3内の任意の観測点における土壌について取得した最新のデータ情報を、融合処理に供するデータ情報として選択する。そして、光学センサ収納部60に設けられた可視光センサ61及び赤外光62等の検出信号に基づいて各観測点における土壌の含水比を推定する一方、電気特性センサ57(誘電率検出用回路57b)の検出信号に基づいて各観測点における土壌の含水比を別途に推定する。
【0068】
ステップS202においては、可視光センサ61及び赤外光62等の検出信号に基づいて推定した含水比(以下、光学特性に基づく含水比という)WPと、電気特性センサ57の検出信号に基づいて各観測点における土壌の含水比(以下、電気特性に基づく含水比という)WEとを比較し、各観測点における土壌の含水比としてより信頼性の高い含水比(以下、適用含水比という)WMを演算する。
【0069】
以下、適用含水比WMの演算方法の一例を説明する。
【0070】
すなわち、光学特性に基づく含水比WPと電気特性に基づく含水比WEとの偏差が所定範囲内であれば両値WP,WEの平均を適用含水比WMとして採用する。一方、当該偏差が所定値を上回っている場合、当該観測点と地理的に最も近接する他の観測点で得られたデータ情報(含水比WP,WE)を採用して適用含水比WMを演算する。
【0071】
続くステップS203においては、電気伝導度ECaと、上記ステップS202で得られた適用含水比WMとに基づいて土壌溶液電気伝導度ECwを推定する。なお、電気伝導度ECaは、電気特性センサ57(電気伝導度検出用回路57a)の検出信号に基づいて演算する。
【0072】
上記ステップS203を経た後、コンピュータ150は本ルーチンでの処理を一旦終了する。
【0073】
本ルーチンでの処理を終了した後、コンピュータ150は、例えば先の図7におけるステップ105に処理を戻すことにより、今回得られた適用含水比WMや土壌溶液電気伝導度ECwを、ほ場3内におけるこれらパラメータWM,ECwの分布状態を示すマップを作成するためのデータ情報として、外部記憶装置75に記憶することになる。
【0074】
なお、上記処理ルーチン(図9)に替え、ほ場3内での観測を終了した後、例えば図10に示す処理ルーチンに従い基本ルーチン(図7)とは独立した処理を行うこととしてもよい。
【0075】
以下、図10の処理ルーチンについて説明する。なお、本ルーチンは、コンピュータ150(コンピュータに記憶されたプログラム)を通じて行うものであってもよいし、外部記憶装置75に保管されたデータ情報を基に他の制御装置(制御装置に記憶されたプログラム)を通じて実行してもよい。また、本ルーチンの実行に先立ち、ほ場3内におけるN箇所の観測点のうち、n(n<N)箇所の観測点から実際に土壌試料を採取しておき、これら土壌試料については、その電気伝導度及び含水比を実験室内の分析機器を用いて予め測定し、標準データ情報として例えば外部記憶装置75に保管しておくものとする。
【0076】
本ルーチンにおいて、例えばコンピュータ150は先ずステップS301において、ほ場3内のN箇所で取得したデータ情報を、融合処理に供するデータ情報として選択する。
【0077】
ステップS302においては、光学センサ収納部60に設けられた可視光センサ61及び赤外光62等の検出信号に基づいて各観測点における土壌の含水比を推定する他、電気特性センサ57(誘電率検出用回路57b)の検出信号に基づいて各観測点における土壌の含水比を別途に推定する。
【0078】
ステップS303においては、融合処理に供されるN個のデータ群のうち、上記標準データ情報を取得した土壌試料の採取位置と、同一位置で取得したデータ群について、可視光センサ61及び赤外光62等の検出信号に基づいて推定した含水比(以下、光学特性に基づく含水比という)WPと、電気特性センサ57の検出信号に基づいて各観測点における土壌の含水比(以下、電気特性に基づく含水比という)WEとで何れがより高い相関を示すか検定を行う。そして、光学特性に基づく含水比WP、および電気特性に基づく含水比WEのうち、標準(参照)データ情報としての含水比(以下、標準含水比という)WSに対し、より高い相関を示したデータ情報をほ場内における土壌の含水比(採用含水比)として採用するように決定する。
【0079】
ステップS304においては、ステップS303で採用することとした採用含水比(WP又はWE)から正確な含水比を算出するための算出方法を、n個のデータ情報について、採用含水比と標準含水比とを比較することによって確立する。
【0080】
続くステップS305においては、ステップS301において今回選択されたN個のデータ情報について、上記ステップS303で確立した含水比の推定方法と同様の推定方法で取得された採用含水比(WP又はWE)を、各観測点における土壌の含水比(適用含水比)WMとして採用する。
【0081】
ステップS306においては、電気伝導度ECaと、適用含水比WMとに基づいて土壌溶液電気伝導度ECwを推定する。なお、電気伝導度ECaは、電気特性センサ57(電気伝導度検出用回路57a)の検出信号に基づいて演算する。
【0082】
上記ステップS306を経た後、コンピュータ150は本ルーチンでの処理を一旦終了する。
【0083】
本ルーチンでの処理を終了した後、コンピュータ150は、例えば先の図7におけるステップ105に処理を戻すことにより、今回得られた適用含水比WMや土壌溶液電気伝導度ECwを、ほ場3内におけるこれらパラメータWM,ECwの分布状態を示すマップを作成するためのデータ情報として外部記憶装置75に記憶することになることは、先述の処理ルーチン(図9)と同様である。
【0084】
〔標準化土壌硬度〕
各観測地点の土壌特性を示す一指標として、相互に比較が容易なデータ情報として、発明者らは標準化土壌硬度なる概念を導入する。標準化土壌硬度は、上記基本ルーチン(図7)に基づいて取得されたデータ情報、すなわち特定時間における各観測地点の土壌特性を反映する複数のパラメータに基づいて推定される。
【0085】
以下、標準化土壌硬度の性質および算出手順の基本原理について説明する。
【0086】
本実施の形態におて標準化土壌硬度とは、各観測地点の土壌特性を示す一指標であり、当該土壌について取得された他の土壌特性(土壌特性に関するパラメータ)のうち、含水比W、電気伝導度Ec及びこれらパラメータの観測条件(作業条件パラメータ)αが特定の値であると仮定した場合(一定であると仮定した場合)の推定値である。
【0087】
なお、ここでいう含水比Wとは、先の図7の基本ルーチンにおいて各観測地点で取得される適用含水比WMと同義である。また、電気伝導度Ecとは、同じく先の図7の基本ルーチンにおいて各観測地点で取得される土壌溶液電気伝導度ECwと同義である。また、作業条件パラメータαとは、土壌切削部50を通じて各パラメータWM,ECwに関する検出信号の取得時刻における当該土壌切削部50の牽引速度や観測土壌面L2の深さを反映する関数である。
【0088】
ここで、図11は、含水比、電気伝導度および作業条件パラメータと、土壌切削部50からの検出信号に基づいて認識される土壌硬度(以下、単に土壌硬度という)との関係を示すシステムモデルであり、本実施の形態にかかる標準化土壌硬度を算出する上で、前提となる。
【0089】
本実施の形態では、土壌硬度Fを、含水比W、電気伝導度Ec、作業条件パラメータの関数であるものと想定する。
【0090】
さらに、含水比W(x)、電気伝導度Ec(x)、作業条件パラメータα(x)を入力、土壌硬度F(x)を出力として、多入力、一出力の線形システムを想定する。ただし、符号xは、GPS衛星200からの位置情報(座標)に相当する変数である。また、各入力は相互に独立であると仮定する。
【0091】
すると、
【数1】
Figure 0003894475
なる関係が成立する。ここで、F1,F2,F3は、各々が土壌硬度Fを決定づける成分であり、とくに、F1は含水比W(x)に、F2は電気伝導度Ec(x)に、F3は作業条件パラメータα(x)に従属する変数であるといえる。
【0092】
例えば、各変数F1,F2,F3は、
【数2】
Figure 0003894475
【0093】
【数3】
Figure 0003894475
【0094】
【数4】
Figure 0003894475
(ただし、a,a′,a″,b,b′,b″,c,c′,c″は定数)
といったかたちの回帰式h1,h2,h3として近似するようにすればよい。
【0095】
これらの回帰式は、ほ場3内の土壌に特有のものであるため、例えば各観測点で取得された含水比W(x)、電気伝導度Ec(x)、作業条件パラメータα(x)のうち何れかのデータが何らかの理由で欠落した場合でも、対応する回帰式に基づいて、その欠落したデータを高い精度で補間することができる。
【0096】
また、各回帰式(2),(3),(4)に含まれる各変数(パラメータ)W,Ec,αに特定値(任意に定めた値)を代入してF1,F2,F3を求め、さらに上記式(1)に従って算出した土壌硬度Fは、当該ほ場3に特有の土壌硬度(標準化土壌硬度F′という)として取り扱うことができる。
【0097】
さらに、例えば含水比Wのみ、或いは電気伝導度Ecのみに特定値を代入してF1,F2,F3を求め、さらに上記式(1)に従って算出した土壌硬度Fは、各々含水比Wや電気伝導度Ecの変動による影響を排除した場合における各観測地点の土壌特有の土壌硬度(以下、準標準化土壌硬度F″いう)として取り扱うことができる。
【0098】
〔標準化土壌硬度を算出するための処理ルーチン〕
以下、ほ場3に特有の標準化土壌硬度、および各観測地点に特有の準標準化土壌硬度を推定するための具体的な手順について、フローチャートを参照して説明する。
【0099】
図12には、先の図7の基本ルーチンによって取得されたデータ情報を基に、ほ場3の土壌に特有の標準化土壌硬度や、各土壌サンプルの準標準化土壌硬度を算出するための処理ルーチンを示す。
【0100】
このルーチンは、例えば土壌特性観測装置10がほ場3内における一回の観測作業を終えた後、コンピュータ150(コンピュータに記憶されたプログラム)を通じて、手動操作により、若しくは自動的に実行される。
【0101】
本ルーチンにおいてコンピュータ150は、先ずステップS401で、各土壌サンプルに対応するデータ(ほ場3内の各観測地点に対応するデータ)として含水比W、電気伝導度Ecおよび作業条件パラメータαを外部記憶装置75から取得する。
【0102】
続くステップS402においてコンピュータ150は、含水比W、電気伝導度Ecおよび作業条件パラメータαを入力とし、土壌硬度F(各パラメータW,Ec,αに従属する土壌硬度F1,F2,F3)を出力とする3つの回帰式h1,h2,h3を計算する。なお、土壌硬度は所定の基準値に対する相対的な値としてもよい。例えば、含水率W、電気伝導度Ec、作業条件パラメータαの値に関係して土壌特性観測装置10の土壌切削にかかわる部分(例えば土壌切削部50やコールタ19等)が受ける土壌抵抗を、標準的な形状の土壌切削部が受ける土壌抵抗に対する指数として表すこともできる。ここでいう土壌抵抗とは、土壌特性観測装置10が進行する際に土壌切削部50が受ける抵抗(シャンク51が受ける抵抗、およびチゼル部53が受ける土圧を抵抗換算したもの)をいう。また牽引抵抗とは、土壌特性観測装置10が進行する際に土壌切削にかかわる部分が受ける抵抗の総称をいう。
【0103】
ステップS403においてコンピュータ150は、上記ステップS402で求めた各回帰式に特定値を代入してF1,F2,F3を算出し、さらにその総和として、ほ場3に特有の標準化土壌硬度F′を算出する。また、含水比W若しくは電気伝導度Ecのみに特定値を代入し、他のパラメータには観測値を代入することによってF1,F2,F3を算出し、さらにその総和として、ほ場3内の各観測地点に対応する準標準化土壌硬度F″を算出する。
【0104】
ステップS404においてコンピュータ150は、準標準化土壌硬度F″について、ほ場3内の空間変動(平面的な分布)を示すマップの作成を行う。
【0105】
その後コンピュータ150は、上記ステップS404において作成したマップを、特定日時においてほ場3で取得したデータ情報として外部記憶装置75に記憶し(ステップS405)、本ルーチンでの処理を一旦終了する。
【0106】
以上説明したように、本実施の形態にかかる観測システムによれば、ほ場3内において複数の観測地点から得られた土壌サンプルに対応するデータのうち、全部のデータについて標準化された硬度特性を推定することで、当該ほ場3の土壌に特有の硬度特性を数値(標準化土壌硬度F′)として把握し、これを時系列に比較することや、他のほ場の土壌に特有の硬度特性(他のほ場についての標準化土壌硬度F′)と比較することが極めて容易になる。従って、ほ場3の土壌硬度特性に最適な作物種や農法を容易に見いだすことができるようになる。
【0107】
また、ほ場3の土壌に特有の硬度特性のうち、特定の土壌特性(例えば水分量等)に影響を受けて変動する要素の空間的な分布を正確に把握することができるようになる。従って、特定のほ場内で土壌特性が不均一に分布している場合であっても、各地点の土壌特性に応じた最適な農地管理を行うことができるようになる。
【0108】
また、含水比Wや電気伝導度Ec等、土壌の硬度特性を決定づける主要なパラメータのうち、特定のパラメータの影響を排除した関数として準標準化土壌硬度F″を適用することにより、土壌の硬さに関する特定に因子について、ほ場3内における空間的な分布を把握することもできる。よって、ほ場3内における土壌の硬度特性の分布を多面的に捉えた上で効果的な農地管理の手法を見いだすことができるようになる。
【0109】
とくに、土壌特性観測装置10のようなシステムを通じて取得されるデータ、すなわち、土壌特性に関する情報として任意の観測点で得られた大量データを効率的に活用することができるようになり、広域に亘る土壌の硬度特性について、効率的な管理を行うことができるようになる。
【0110】
なお、ほ場3から取得されたデータのうち、全観測地点から取得されたデータについて標準化土壌硬度F′や準標準化土壌硬度F″を算出するばかりでなく、一部のデータをグループ化し、このグループ化されたデータについて標準土壌硬度や準標準化土壌硬度を推定することとしてもよい。
【0111】
また、標準化土壌硬度F′や準標準化土壌硬度″を算出するに際し、土壌硬度を決定づける因子として、含水比や電気伝導度に替え、或いは加え、土壌のテクスチャ(例えばCCDカメラ63の撮像データに基づいて認識することができる)や、密度等を適用してもよい。
【0112】
なお、入力側の観測データとしての含水比W,電気伝導度Ec,作業条件パラメータαと、出力側の観測データとしての土壌硬度Fとに基づいて、各回帰式(システム関数)を算出する手法としては、以下のような方法を例示することができる。
【0113】
図11に示したシステムモデルにおいて、各回帰式hi(x)を重み関数とすれば、上記式(1)における土壌硬度の各成分Fi(x)は、
【数5】
Figure 0003894475
【0114】
あるいは、ラプラス変換(フーリエ変換)して、
【数6】
Figure 0003894475
となる。zi, Ziは含水比、電気伝導度、作業パラメータのデータ値及びそのフーリエ変換(2次元も可)であり、Hi(f)は各パラメータの伝達関数(空間変動に対する伝達関数)である。fは空間周波数を意味する。ここで未知数は、FiとHiである。
【0115】
相互スペクトルの関係式は、
【数7】
Figure 0003894475
【0116】
ここで、Sij(f)は相互スペクトル密度関数であり、実測データから計算することができる。上記式(7)は、1個のパラメータと土壌抵抗との相互スペクトル密度関数を表現していることになり、3個の連立方程式が得られ、各パラメータの伝達関数が計算できる。
【0117】
例えば,テクスチャと土壌抵抗との関係(伝達関数)は、
【数8】
Figure 0003894475
より次式で得られる。
【0118】
【数9】
Figure 0003894475
これを利用して、電気伝導度のみの影響を受ける土壌硬度が原理的に計算できる。
【0119】
【数10】
Figure 0003894475
同様にして、含水比、作業パラメータそれぞれの効果のみの影響を受ける土壌硬度を計算することができる。
【0120】
すなわち、
【数11】
Figure 0003894475
【0121】
【数12】
Figure 0003894475
(10)〜(12)式をラプラス逆変換(フーリエ逆変換)すれば、空間座標における各パラメータのみの影響を受ける土壌硬度のマップが得られる。また、それぞれの式に基づいて、空間周波数変動の特性(セミバリオグラムに対応)を図示することもできる。
【0122】
ここで、含水比及び電気伝導度を一定にすると、密度効果を含む準標準化土壌硬度F'''のマップが得られる。
【0123】
【数13】
Figure 0003894475
これを各セグメントにつき計算し、観測値を補正してクリーギングなどで準土壌硬度の空間分布を示すマップを作成すればよい。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、任意のほ場から取得された複数のデータについて標準化された硬度特性を推定することで、当該ほ場の土壌に特有の硬度特性を数値(標準化土壌硬度)として把握し、他のほ場の土壌に特有の硬度特性(他のほ場についての標準化土壌硬度)と比較することができるようになる。従って、当該ほ場の土壌硬度特性に最適な作物種や農法を見いだすことが容易になる。
【0125】
また、他のパラメータのうち一種類、或いは複数種類を選択し、当該選択されたパラメータを一定とした場合の前記硬度特性を推定すれば、当該ほ場の土壌に特有の硬度特性のうち、特定の土壌特性(例えば水分量等)に影響を受けて変動する要素の空間的な分布を正確に把握することができるようになる。従って、特定のほ場内で土壌特性が不均一に分布している場合であっても、各地点の土壌特性に応じた最適な農地管理を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる観測システムの概略構成を示す略図。
【図2】同実施の形態にかかる土壌特性観測装置を概略的に示す側面図。
【図3】同実施の形態にかかる土壌特性観測装置のセンシング部について、その内部構造を概略的に示す側断面図。
【図4】同実施の形態にかかるセンシング部の一部をなすチゼル部の外観を示す上視図。
【図5】同実施の形態にかかる土壌特性観測装置の制御部の電気的構成を示すブロック図。
【図6】同実施の形態にかかる検出回路の機能ブロック図。
【図7】同実施の形態において、土壌特性に関するデータ情報を、その取得位置や観測土壌面の深さと共に記録するための基本手順を示すフローチャート。
【図8】同実施の形態にかかるセンシング部に備えられた各種センサの出力信号がどのように処理されるのかを概念的に説明する略図。
【図9】同実施の形態において、土壌光スペクトル及び土壌電気伝導度に関する情報の融合処理手順を示すフローチャート。
【図10】同実施の形態において、土壌光スペクトル及び土壌電気伝導度に関する情報の融合処理手順を示すフローチャート。
【図11】同実施の形態において、含水比、電気伝導度および作業条件パラメータと、土壌硬度との間に成立すると仮定される関係を示すシステムモデル。
【図12】本実施の形態において土壌特性に関する観測が行われたほ場に特有の標準化土壌硬度や、各土壌サンプルの準標準化土壌硬度を算出するための手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 観測システム
2 車両(トラクタ)
3 ほ場
10 土壌特性観測装置
11 アンテナ
12a,12b,12c,12d 支持フレーム
13 台座
13a 所定部位
14 支持アーム
16 揺動アーム
17 深度測定用自由転輪
18 回転角度センサ
19 コールタ
20 表示操作部
30 制御部(記憶媒体の一例)
40 ハロゲンランプ
50 土壌切削部
51 シャンク
52 センシング部
53 チゼル部
53a 上面
55 表面電極
56 絶縁性部材
57 電気特性センサ
58 土壌硬度センサ(歪みゲージ)
60 光学センサ収納部
61 可視光センサ
62 赤外光センサ
63 CCDカメラ
64 温度センサ
65A,65B 照明用光ファイバー
66 光学窓
67 送風管
70 分光部
71 可視光用分光部
72 近赤外光用分光部
75 外部記憶装置(記憶媒体の一例)
150 コンピュータ
200 GPS衛星
L1 地表面
L2 観測土壌面
S1 観測空間

Claims (7)

  1. 土壌の硬度特性と、該硬度特性に関連するその他の特性とを、複数の土壌サンプルに対応するデータとして処理する土壌特性データ処理装置であって、
    複数の土壌サンプルに対応するデータのうち、一部若しくは全部のデータについて標準化された硬度特性として、土壌の特性に関する他のパラメータを一定とした場合の前記硬度特性を推定する推定手段と、
    前記推定される標準化土壌硬度を、各データの取得位置及び取得時間の少なくとも一方に関連づけて処理する処理手段と、
    を備えることを特徴とする土壌特性データ処理装置。
  2. 請求項1記載の土壌特性データ処理装置において、
    前記土壌の特性に関する他のパラメータに、土壌の水分量に関するパラメータと、土壌のテクスチャに関するパラメータと、および前記各パラメータの取得条件と、を含む
    ことを特徴とする土壌特性データ処理装置。
  3. 請求項2記載の土壌特性データ処理装置において、
    前記土壌の特性に関する他のパラメータに、土壌の密度に関するパラメータを含むことを特徴とする土壌特性データ処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の土壌特性データ処理装置において、
    前記土壌サンプルについて前記土壌特性に関する他のパラメータのうち少なくとも一つのパラメータと、当該土壌サンプルについて各土壌サンプルの硬度とを、
    所定のほ場において任意深さの土壌を切削しつつ進行する土壌切削手段を有して該土壌切削手段に切削される土壌の特性を連続的に観測する土壌特性観測装置の観測結果として取得する
    ことを特徴とする土壌特性データ処理装置。
  5. 土壌の硬度特性と、該硬度特性に関連するその他の特性とを、複数の土壌サンプルに対応するデータとしてコンピュータに処理させるコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、
    コンピュータに、
    前記複数の土壌サンプルに対応するデータのうち、一部若しくは全部のデータについて標準化された硬度特性として、土壌の特性に関する他のパラメータを一定とした場合の前記硬度特性を推定する推定手順と、
    前記推定される標準化土壌硬度を、各データの取得位置及び取得時間の少なくとも一方に関連づけて処理する処理手順と、
    を実行させることを特徴とするコンピュータ読み取り可能なプログラム。
  6. 土壌の硬度特性と、該硬度特性に関連するその他の特性とを、複数の土壌サンプルに対応するデータとしてコンピュータに処理させるコンピュータ読み取り可能なプログラムの記憶媒体であって、
    コンピュータに複数の土壌サンプルに対応するデータのうち、一部若しくは全部のデータについて標準化された硬度特性として、土壌の特性に関する他のパラメータを一定とした場合の前記硬度特性を推定する推定手順と、
    前記推定される標準化土壌硬度を、各データの取得位置及び取得時間の少なくとも一方に関連づけて処理する処理手順と、
    を実行させるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能なプログラムの記憶媒体。
  7. 土壌の硬度特性と、該硬度特性に関連するその他の特性とを、複数の土壌サンプルに対応するデータとして処理する土壌特性データの処理方法であって、
    複数の土壌サンプルに対応するデータのうち、一部若しくは全部のデータについて標準化された硬度特性として、土壌の特性に関する他のパラメータを一定とした場合の前記硬度特性を推定する手順と、
    前記推定された標準化土壌硬度を、各データの取得位置及び取得時間の少なくとも一方に関連づけて処理する手順と、
    を含むことを特徴とする土壌特性データの処理方法。
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