JP3888025B2 - Process for producing polygalacturonic acid - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重合度が20未満の、非ガラクツロン酸系糖類不純物を実質的に含まないポリガラクツロン酸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリガラクツロン酸は、カルシウムイオンに対して高い親和性を有するために、スケール形成防止剤およびスケール除去剤としての有用性が期待される。ポリガラクツロン酸が生分解性であることは、環境保全および廃棄物処理の観点から特に有益である。さらに、ポリガラクツロン酸は、分裂活性、アジュバント活性、インターフェロン産生能、マクロファージ活性化能および抗腫瘍活性といったマウスの免疫調節活性を示すことが明らかにされている(Y. Kumazawa, K. Mizunoe, Y. Otsuka,"Immunostimulating Polysaccaride Separated from Hot Water Extract of Angelic Acutiloba Kitagawa Yamato Tohki," Immunology, 47, 75-83 (1982))。また、ポリガラクツロン酸は植物防御刺激活性を示すことが明らかにされている(E.A. Nothnagel, M. McNeil, P. Albersheim, A. Dell, "Host-Pathogen Interactions XXII, A Galacturonic Acid Oligosaccharide from Plant Cell Walls Elicits Phytoalexins," Plant Physiology, 71, 916-926 (1988))。さらに、ポリガラクツロン酸の還元末端に疎水性基を共有結合させた誘導体は、インクジェットプリンタに使用される顔料を分散させた水性インク組成物用の分散剤として有用である。
【0003】
ポリガラクツロン酸が得られるペクチンは、レモン、ライム、グレープフルーツ、オレンジ、マンゴー、リンゴ、ヒマワリおよび甜菜などの果実に含まれる天然由来の水性コロイド成分である。ペクチンは主に1→4結合α-D-ガラクツロン酸メチルエステルと1→4結合α-D-ガラクツロン酸からなる。ペクチンを構成するガラクツロン酸メチルエステルとガラクツロン酸を合わせた含有量は典型的には約70%を超える。ポリガラクツロン酸塩の配列は1→2結合 L-ラムノース単位によって遮断され、それが高分子主鎖にねじれをもたらしている。ペクチンには、主にアラビノース、ガラクトース、キシロース、フコースといった中性糖単位で構成された分岐鎖も含まれている。
【0004】
ペクチンはプロトペクチンと呼ばれる非可溶性の形で果物に存在している。ペクチンは柑橘類の皮、リンゴの搾りかすまたは甜菜パルプを熱希酸水溶液で抽出することによりプロトペクチンから得られる。酸性抽出の過程でガラクツロン酸メチルエステル単位の一部は脱エステル化されてガラクツロン酸単位に変化する。抽出工程を注意深く制御すれば、ガラクツロン酸メチルエステル単位とガラクツロン酸単位の比が20:1程度のペクチンを得ることも可能である。しかし2:1程度の比が普通である。ペクチンをさらにアルカリ水溶液または酸性水溶液で処理すると、脱エステル化がさらに進む。メチルエステル単位とガラクツロン酸単位の比が1:19以下のペクチンは伝統的にペクチン酸と呼ばれている。ペクチン酸は水にはほとんど溶けない。しかし、適当な塩基で中和すると水にかなり良くとけるペクチン酸塩が得られる。ペクチンという用語は、伝統的に、ガラクツロン酸単位が酸の形で存在しているペクチン多糖類、またはガラクツロン酸単位が塩基で中和された塩の形で存在しているペクチン多糖類、またはそれらの混合物を指している。
【0005】
適当な原料を酸、アルカリまたは酵素で加水分解すれば、エステル化度が低くポリガラクツロン酸含有量の高い低分子量のペクチンを得ることができることは先行技術でよく知られている。次に、これらの方法の実例をやや詳細に述べる。
【0006】
酸性加水分解の代表的な方法は R. Kohn, "The Activity of Calcium Ions in Aqueous Solutions of the Lower Calcium Oligogalacturonates," Carbohydrate Research, 20, 351-356 (1971)に記載されている。そこに記載されている酸性加水分解では、ペクチン酸を水酸化ナトリウムで中和してペクチン酸ナトリウム塩の1重量%溶液を調製する必要がある。ペクチン酸原料は、アルカリ脱エステル化処理を繰り返すことによって市販のリンゴペクチンから得られる。次に、ペクチン酸ナトリウム塩溶液に希硫酸を滴下してpH3.3にする。前記希硫酸を定期的に添加して溶液のpHを3.3に保ちながら、生成する溶液を加熱し、17時間100゜Cに保つ。冷却した溶液を濾過し、濾液を可能な限り少量の炭酸バリウムで中和する。次に、中和した溶液をH形イオン交換樹脂のカラム(Zerolit 225-H+)に流す。集めたイオン交換溶液を回転式蒸発器(ロータリー・エバポレーター)によって最初の溶液の1/3の体積まで濃縮する。次に、4倍体積のエタノールを加えるとオリゴマー生成物が沈殿してくる。生成物を濾取し、エタノールで洗い、乾燥する。
【0007】
前記の酸性加水分解法はポリガラクツロン酸を実験室規模で調製するには有用であるかもしれないが、工業生産に使用する場合のように大規模で実施するには困難を伴うものと思われる。その理由は、原料ペクチン酸の濃度が1重量%にすぎないという点にある。しかも、前記酸性加水分解法は多段階からなり、そして複雑である。
【0008】
代表的なアルカリ加水分解法は、欧州特許出願 EP 0 487 340 A1,"Coating for Food Composition Limiting Fat Absorption upon Frying"に記載されている。そこに記載されているアルカリ加水分解は、60%イソプロパノール中の10重量%ペクチンのスラリーを調製する必要がある。次に、タイプ(エステルか酸か)に関係なくガラクツロニド1当量当たり3当量の固体水酸化ナトリウムをスラリーに加える。スラリーを25゜Cで5日間攪拌して解重合と脱エステル化を行う。生成物をろ過し、濾過ケーキを60%イソプロパノール水溶液で洗って過剰のアルカリを除く。鉱酸を加えてフィルターケーキのpHを4ないし6に調節する。酸性にした生成物を乾燥する。この方法によれば、粘度測定で決定したポリガラクツロン酸製品の分子量は2,000から20,000の範囲にある。この分子量範囲は11ないし114の重合度に相当する。
【0009】
前記アルカリ加水分解法はポリガラクツロン酸を実験室規模で調製するには有用であるかもしれないが、工業生産に使用する場合のように大規模で実施するには困難を伴うものと思われる。その理由は解重合と脱エステル化が不均一系で行われる点にある。大規模では不溶性のペクチンとアルコール性水酸化ナトリウムとの不均一混合物の混合が不十分となり、分子量分布の広い製品ができるものと予想される。また、上で述べたようにポリガラクツロン酸製品の重合度は11ないし114の範囲にあり、20より小さい本発明のポリガラクツロン酸の重合度とほとんど重ならない。加水分解の時間を長くすれば平均重合度は減少するはずであるが、広い分子量分布が狭くなって本発明が指定する範囲内の平均重合度が得られる見込みはないだろう。
【0010】
代表的な酵素加水分解法は、Y. K. LiuおよびB. S. Luh,"Quantitative Aspects of Pectic Acid Hydrolysis by Endo-polygalacturonase from Rhizopus Arrhizus," Journal of Food Science, 45, 601-604 (1980)に記載されている。そこに記載されている酵素加水分解法では Rhizopus Arrhizusを感染させたアプリコットから分離したendo-polygalacturonase (RAPG)が使用される。加水分解には、pH5の0.03 M 酢酸/0.06 M 塩化ナトリウム緩衝液に溶かしたペクチン酸ナトリウム塩の0.45重量%溶液が必要である。ペクチン酸溶液10mL当たり、精製したRAPG0.1mL(標準検定法で決定されたpolygalacturonase 0.62単位)が使用される。RAPGによって30゜Cで48時間加水分解後の生成物は、ガラクツロン酸(GAと略記、6.5%)、GA2量体(18%)、GA3量体(55.0%)、GA4量体(6.6%)、GA5量体(5.1%)、GA6量体(3.0%)および少量のその他のオリゴマーである。上記報告書に記載されている分析によると、RAPGは、重合度が約24のペクチンで最も速く反応する。
【0011】
前記の酵素加水分解法は実験室規模で調製するには有用であるかもしれないが、工業生産に使用する場合のように大規模で実施するには困難を伴うものと思われる。その理由は、原料ペクチン酸の濃度が0.45重量%にすぎないという点にある。その上、酵素から生成物を分離することはささいなことではないと予想される。また、上で述べたように、生成物の重合度が3ないし6の範囲にあり、かなりの量のガラクツロン酸とガラクツロン酸の2量体を含んでいる。この生成物は本発明の対象生成物であるポリガラクツロン酸というよりも、オリゴガラクツロン酸に分類した方が適当である。
【0012】
上で述べたペクチンおよび/またはペクチン酸の酸性加水分解、アルカリ性加水分解および酵素加水分解以外に、ペクチンおよび/またはペクチン酸の過ヨウ素酸酸化がいくつかの異なる立場から研究されている。ただ、これらの研究では低分子量のポリガラクツロン酸を得ることが目的であると明記されている訳ではない。J. Szejtli, "Periodate Oxidation of Alginic Acid," Acta Chimica Academiae Hungaricae Tomus, 49, 205-216 (1966)では、ペクチンの過ヨウ素酸酸化が、この反応の酸化の限界を明らかにする観点から研究されている。そして、ガラクツロニド1 mole当たり消費される過ヨウ素酸の mole数の形で表したペクチン酸の酸化限界は 0.69であると報告されている。Z. D. Ashubaevaおよび V. A. Afanas'ev, "Destruction of Polygalacturonic Acid under Periodate Oxidation Conditions," Izv. Akad. Nauk Kirg. SSR, 44-46 (1978)には、過ヨウ素酸酸化の機構がアルデヒド含有量と生成物の重合度との関係の観点から論じられている。この機構研究では鎖の開裂が示唆されている。C. Cessa, M. L. De Cherchi, S. Deiana, A. Dessi, G. Micera,"High-Performance Liquid Chromatographic Determination of Formic Acid in Cleavage Reactions of Carbohydrates," Journal of Chromatography, 268, 539-542 (1983)では、ポリガラクツロン酸の還元性末端基の分析に過ヨウ素酸酸化が使用され、還元性末端基当たり3モルのギ酸が生成することが同定された。上で述べたZ. D. Ashubaevaおよび V. A. Afnas'evの研究とは異なり、鎖の開裂については言及されていない。
【0013】
日本公開特許出願第 6-279504号には酸化オリゴ糖の製造方法および洗浄剤組成物への使用が記載されている。そこに記載された方法では、まず、多糖を酸化してポリカルボン酸多糖を得る。次に、アルカリ条件下でポリカルボキシル化多糖を加水分解して、金属イオンに高い親和性を有する生分解性オリゴマーを得る。ポリカルボキシル化多糖を酸性加水分解すると異なる構造の混合物からなる生成物が生成すると述べられており、それゆえ、記載された方法には有用ではない。日本公開特許出願第 6-279504号に記載されている実施例では、第1段階で、部分的に中和したペクチン酸の5重量%のスラリーを過ヨウ素酸ナトリウムで酸化し、部分的にジホルミル化されたペクチン酸をナトリウム塩として得る。次の段階で、部分的にジホルミル化されたペクチン酸を亜塩素酸ナトリウムで酸化し、部分的にジカルボキシル化ペクチン酸をナトリウム塩として得る。さらに次の段階で、部分ジカルボキシル化ペクチン酸をアルカリ水溶液中で27時間還流させ、低分子量ジカルボキシル化ペクチン酸をナトリウム塩として得る。GPC法で決定された低分子量生成物の数平均分子量は1,700、重量平均分子量3,400と報告されている。13C-NMRによるこの生成物の分析は、酸化されていない最初のガラクツロニドと酸化開環されたガラクツロニドの両方が存在することを示唆している。この13C-NMRデータによると生成物は単にポリガラクツロン酸だけでないことは明らかである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記の例から分かるように、重合度が20未満の、非ガラクツロン酸系糖類不純物を実質的に含まないポリガラクツロン酸の製造を工業的規模で実施する方法は今なお必要とされている。具体的には、出発物質がペクチン、ペクチン酸またはペクチン酸塩のいずれであっても、その濃度が5重量%より高い製造方法が必要とされている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、重合度が20未満の、非ガラクツロン酸系糖類不純物を実質的に含まないポリガラクツロン酸を製造する実際的な方法を提供することにある。本発明者は、過ヨウ素酸 H5IO6および過ヨウ素酸塩がペクチンまたはペクチン酸塩の濃厚溶液を酸化し、酸性条件下で容易に加水分解される中間生成物質を生成することを発見した。ここで言う過ヨウ素酸塩には過ヨウ素酸ナトリウム(メタ過ヨウ素酸ナトリウム)NaIO4、パラヨウ素酸ナトリウム Na3H2IO6および過ヨウ素酸カリウム KIO4が含まれるが、もちろんこれらに限定されるものではない。酸化反応で生成する主要なヨウ素含有生成物はヨウ素酸でなく、遊離ヨウ素であることが明らかにされている。この知見は、1つの酸化剤で多重の酸化段階が行われることを暗示している。これらの発見が本発明の基礎となっている。
【0016】
本明細書に記載した発明によれば、次に挙げる段階で構成される、重合度が20未満の、非ガラクツロン酸系糖類不純物を実質的に含まないポリガラクツロン酸の製造方法が提供される。第1段階ではペクチンまたはペクチン酸を水に溶解してペクチンまたはペクチン酸を5重量%以上含む溶液を調製する。第2段階では化学量論量より少ない過ヨウ素酸または過ヨウ素酸塩を加えて、ペクチンまたはペクチン酸塩を酸化する。第3段階では酸化反応を完結させ遊離ヨウ素を反応混合物から分離させる。第4段階では遊離ヨウ素を分離する。第5段階では反応混合物を酸性にして加熱し、ポリガラクツロン酸を含む低分子量の成分を得る。第6段階では低分子量のアルコール、低分子量のカルボン酸、またはそれらの混合物を加えてポリガラクツロン酸を選択的に沈殿させる。最後にポリガラクツロン酸を常法によって分離する。
【0017】
【発明の実施の形態】
重合度が20未満の、非ガラクツロン酸系糖類不純物を実質的に含まないポリガラクツロン酸の実際的な製造方法を以下に説明する。非ガラクツロン酸系糖類不純物を実質的に含まないという表現は、試料をD2Oに溶解した10重量%溶液の13C-NMRにおいて、ポリガラクツロン酸のC-1、C-2、C-3、C-4、C-5およびC-6に相当する6つの主要ピークのみが観察できるという意味である。
【0018】
上で述べたようにペクチンおよび/またはペクチン酸の過ヨウ素酸塩酸化はいくつかの立場から研究されているが、低分子量のポリガラクツロン酸を得ることを目的とする記述は見られない。日本公開特許出願第 6-279504号において、ペクチン酸を出発原料として低分子量のポリカルボキシル化ペクチン酸を製造するための3段階法が報告され、第1段階で過ヨウ素酸ナトリウムが使用された。酸化剤として過ヨウ素酸ナトリウムが使用され、第1段階ではペクチン酸の隣接グリコールが酸化的に切断され、カルボニル化合物が同時に生成した。その酸化生成物は単離され、部分的にジホルミル化されたペクチン酸であると確認された。この酸化反応の化学量論に基づけば、ヨウ素酸ナトリウムが予想される含ヨウ素生成物である。第2の酸化段階では、部分的にジホルミル化されたペクチン酸が亜塩素酸ナトリウムで酸化された。この段階ではカルボニル官能基の一部または全部がカルボン酸官能基まで酸化された。生成したペクチン酸酸化生成物が単離され、部分的にジカルボキシル化されたペクチン酸であると確認された。
【0019】
理論的にはどうであれ、本発明では、上述の2つの別個の酸化段階がただ1種類の酸化剤、すなわち過ヨウ素酸または過ヨウ素酸塩によって行われるものと推定される。この結論は、本発明の条件ではヨウ素酸塩でなく遊離のヨウ素が主要な含ヨウ素生成物であるという観察に基づいている。また、理論的にはどうであれ、2つの酸化反応は過ヨウ素酸を酸化剤として使用する下記の化学量論式に従って進行するものと信じられる。過ヨウ素酸または他の過ヨウ素酸塩に対しても同様な式を書くことができる:
−CHOH−CHOH− +NaIO4 → 2[−CHO] + NaIO3
2[−CHO]+NaIO3 + 2/5H2 → 2[−COOH]+2/5I2+4/5NaOH+1/5NaIO3
最初の酸化で生成するヨウ素酸ナトリウムは、さらにヨウ素まで還元され、部分的にジカルボキシル化されたペクチンまたはペクチン酸塩を生成する。上記の式によれば、第2の酸化でヨウ素酸の全量が還元されるわけではない。
【0020】
過ヨウ素酸または過ヨウ素酸塩とペクチンまたはペクチン酸塩との反応がたとえ上記の式通りに進行しなくても、ペクチンまたはペクチン酸塩を酸化して容易に加水分解される中間生成物に変換するのに過ヨウ素酸または過ヨウ素酸塩が有用であるという点が本発明の重要な点である。この容易に加水分解可能な中間生成物は酸化反応を完結させた時に得られ、一定量の遊離ヨウ素が反応混合物から分離する。
【0021】
本発明で出発原料として使用されるペクチンまたはペクチン酸塩は市販品であればいかなるペクチンまたはペクチン酸塩であってもよい。ポリガラクツロン酸が目的生成物であるので、出発原料にはガラクツロン酸に富むペクチンまたはペクチン酸塩が好ましい。一般に、柑橘類の皮から抽出されたペクチンがガラクツロン酸に富んでいる。加水分解溶液の粘度を比較的低く保つためには平均分子量の低いペクチンまたはペクチン酸塩が出発物質として好ましい。本発明では分子量が50,000 g/mole以下のペクチンまたはペクチン酸塩が好ましい。好ましいペクチンまたはペクチン酸塩としてはトーメンケミカル(東京、日本)から入手できる「超低粘度ペクチン酸」や三晶(大阪府枚方市、日本)から入手できる「超低粘度ペクチン酸、ナトリウム塩」がある。
【0022】
本発明の重要な点は、ペクチンもしくはそのリチウム塩、またはペクチン酸リチウム塩を使用することでペクチンまたはペクチン酸塩の5重量%以上の溶液が容易に過ヨウ素酸塩酸化用として得られることである。すなわち、ペクチンまたはペクチン酸に会合する陽イオンはリチウムである。ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩など、その他のアルカリ金属塩も本発明に使用することができる。しかし、出発物質であるペクチンまたはペクチン酸には関係なく、リチウム塩は他の相当するアルカリ金属塩より水に良く溶ける。従って、本発明の好ましい例は、ペクチンまたはペクチン酸に会合する陽イオンが主としてリチウムのものである。ペクチンのリチウム塩を調製する最も簡単な方法は、まず、ペクチンの溶液を酸性にして酸の形で沈殿させることである。次に、この固体を分離し、水酸化リチウムで中和して水に溶解する。同様に、ペクチン酸のリチウム塩溶液を得る簡単な方法はペクチン酸を水酸化リチウムで中和して水に溶解することである。これらの中和反応に使用する場合、水酸化リチウムより水酸化リチウム1水和物の方が使い易くて好ましい。
【0023】
本発明は第1段階として、ペクチンまたはペクチン酸塩を水に溶解し、ペクチンまたはペクチン酸塩を5重量%以上含む溶液を調製する。生成する溶液のpHは 2.8以上、5.0以下でなければならない。溶液のpHは無機酸またはアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えることによりこの範囲内に設定することができる。無機酸水溶液としては6 moles/liter以下の濃度の塩酸が好ましい。アルカリ金属水酸化物の水溶液としては5重量%以下の水酸化リチウム1水和物の水溶液が好ましい。市販品ペクチンまたはペクチン酸塩の場合、指定のpH範囲で調製した溶液は少量の不溶性不純物を含んでいる。もし必要と判断すれば、過ヨウ素酸または過ヨウ素酸塩を加える前に濾過し、これらの不純物を容易に除くことができる。2.8より低いpHでは、多くのペクチンまたはペクチン酸塩出発物質において、ペクチンまたはペクチン酸塩は、完全には溶解しないが、5.0より高いpHでは、過ヨウ素酸または過ヨウ素酸塩とペクチンまたはペクチン酸塩との反応は、含ヨウ素生成物として遊離ヨウ素を生成するが、容認できないほど進行が遅い。サンショーから入手できる「超低粘度ペクチン酸、ナトリウム塩」の場合、通常、pH約4.1の溶液が得られる。
【0024】
次の段階では、化学量論量より少ない過ヨウ素酸または過ヨウ素酸塩を加えることによってペクチンまたはペクチン酸塩を酸化する。過ヨウ素酸は次のような分子式を持っている: H5IO6。過ヨウ素酸塩としては次のものが挙げられるがこれらに限られるものではない:過ヨウ素酸ナトリウム(メタ過ヨウ素酸ナトリウム)NaIO4、パラヨウ素酸ナトリウム Na3H2IO6および過ヨウ素酸カリウム KIO4。本発明において、化学量論量より少ない過ヨウ素酸または過ヨウ素酸塩とは、5 mole%より多く、50 mole%より少ない量を意味する。5mole%より少ない化学量論量の場合、酸性加水分解で得られるポリガラクツロン酸は平均重合度が20より大きい。50mole%より大きな化学量論量の場合、ポリガラクツロン酸の典型的な収率は5%にも満たず、受け入れられない。過ヨウ素酸または過ヨウ素酸塩を加える場合、固体で加えても良いし水溶液で加えても良いが、固体で加える方が好ましい。過ヨウ素酸または過ヨウ素酸塩を加える時および反応初期は、ペクチンまたはペクチン酸塩の溶液を激しく攪拌し冷却すべきである。第1段の酸化は発熱反応であるため、冷却することは重要である。
【0025】
次の段階では酸化反応を完結させ遊離ヨウ素を反応混合物から分離させる。発熱を伴う最初の酸化反応が終了し、反応混合物を室温まで戻すとヨウ素が沈殿し始める。反応を進めて一定量の遊離ヨウ素を反応混合物から分離させる最も簡単な方法は、反応混合物を加熱することである。固体ヨウ素は蒸気圧が高いため、加熱は閉鎖系か排気系で行うのが最も良い。排出されるヨウ素はヨウ素専用の洗浄吸収溶液を通過させる。反応混合物の加熱温度は中間酸化物が速やかに遊離ヨウ素に変換されるよう、40゜Cより高くすることが好ましい。本発明の発明者は中間酸化物から遊離ヨウ素への変換を促進する可能性のある触媒については検討しなかったが、触媒の添加は確実に本発明の範囲内にある。
【0026】
反応を終結させた後、遊離したヨウ素は常法によって分離される。そのような方法として、濾過、遠心分離、および水蒸気蒸留を挙げることができる。ヨウ素を過ヨウ素酸または過ヨウ素酸塩に再生する精製回収工程は米国特許第 3,607,694号、米国特許第 3,681,213号および米国特許第 3,703,508号に開示されている。
【0027】
次の段階で、酸化された中間生成物が、ポリガラクツロン酸を含む低分子量成分に加水分解されるように、反応混合物が酸性化され、加熱される。上で指摘したように、酸化中間生成物の酸性加水分解が容易であることが本発明の重要な点である。加熱中または加熱前に反応混合物を酸性にしてpH3.5以下とする。pHが3.5より高いと加水分解は容認できないほど遅くなる。一般に、酸性加水分解の速度を上げる意味からpH値は低いほど良い。
【0028】
この段階では、酸性化された反応混合物は、中間生成物がポリガラクツロン酸を含む低分子量成分に加水分解されるに十分な時間、80℃以上に加熱される。80゜Cより低い温度を使用することもできるが、加水分解速度はそれに対応して遅くなる。大気圧の水の沸点より高い温度が使用できるように、圧力容器で加水分解を行うこともできる。一般に約120゜Cを超えると、加水分解と平行して起こる多糖生成物の分解が無視できなくなるため、約120゜Cより低い温度が好ましい。加水分解は通常の環境雰囲気で行うこともできるし、不活性雰囲気で行うこともできる。しかし、生成物の空気酸化を最小限に抑えるためには不活性雰囲気中で行う方が好ましい。コストの観点から高純度窒素の雰囲気が好ましい。
【0029】
中間生成物を加水分解してポリガラクツロン酸を含む低分子量成分に変換するに足る時間はいくつかの要因によって左右される。1つの要因は酸性にした反応混合物の温度である。第2の要因は出発ペクチンまたはペクチン酸塩の濃度である。第3の要因はペクチンまたはペクチン酸塩を酸化するために、出発原料ペクチンまたはペクチン酸塩の量に対して使用される過ヨウ素酸または過ヨウ素酸塩の量である。上で指摘したように、第4の要因は酸性にした反応混合物のpH値である。加水分解反応が完結したかどうかを決定するには、様々な分析技術が使用できる。その代表的な方法は、酸性にした反応混合物の分取を一定時間おきに抜き取ってポリガラクツロン酸を単離することである。分離したポリガラクツロン酸は NMR、ゲル浸透クロマトグラフィ、および末端基分析を含め、様々な方法で分析することができる。
【0030】
加水分解が完結したと判断されると、酸性反応混合物を室温まで冷却する。次に、低分子量のアルコール、低分子量のカルボン酸またはそれらの混合物を反応混合物に添加してポリガラクツロン酸を選択的に沈殿させる。好ましい低分子量のアルコールとしてはメタノール、エタノールおよびイソプロパノールの群から選択されたアルコールが含まれる。好ましい低分子量のカルボン酸としては酢酸およびプロピオン酸の群から選択されたカルボン酸が含まれる。ポリガラクツロン酸を選択的に沈殿させるために使用される低分子量のアルコール、低分子量のカルボン酸またはそれらの混合物の量は、反応混合物の体積に等しいかそれ以上、そして反応混合物の体積の5倍以下が好ましい。
【0031】
選択的に沈殿させた後、ポリガラクツロン酸は常法によって分離される。その様な分離法として濾過や遠心分離を挙げることができる。続いて生成物を低分子量のアルコールで洗浄し、常法に従って乾燥する。
【0032】
本発明の方法に従って調製されるポリガラクツロン酸は、非ガラクツロン酸糖類不純物を実質的に含まない。非ガラクツロン酸系糖類不純物を実質的に含まないという表現は、試料をD2Oに溶解した10重量%溶液の13C-NMRスペクトルにおいて、ポリガラクツロン酸のC-1、C-2、C-3、C-4、C-5およびC-6に相当する6つの主要なピークのみが観察できるという意味である。
【0033】
本発明の方法に従って調製されるポリガラクツロン酸の重合度は20より低い。平均重合度は、P.A.SchafferおよびM.Somogyi(J. Biol. Chem., 100, 695-713 (1933))の方法に従い、銅−ヨウ素滴定法によって決定される。この方法ではガラクツロン酸1水和物が基準糖として使用される。
【0034】
【実施例】
以下に挙げる実施例によって本発明をさらに説明する。すべての操作は換気に優れたドラフト下で行った。
【0035】
ポリガラクツロン酸の調製
【0036】
ペクチン酸150 g(超低濃度ペクチン酸、トーメンケミカル、東京、日本)を1000 mLビーカー中の脱イオン水600 mLに加えてスラリーにした。オーバーヘッド式攪拌機でスラリーを攪拌しながら水酸化リチウム1水和物27 gをこのスラリーに加えた。ペクチン酸は溶け、pH約4の溶液が得られた。脱イオン水を加えて全液量を750 mLにした。次に、溶液を氷浴で5゜C以下まで冷却した。冷却した溶液を攪拌機で激しく攪拌しながら、過ヨウ素酸ナトリウム43.7 gを速やかに加えた。冷却溶液を1時間激しく攪拌した後、氷浴を取り去り攪拌溶液を室温に戻した。次に、攪拌しながら濃塩酸8 gを加えた。ビーカーに蓋をして12時間放置した。この間にいくらかの遊離固体ヨウ素がビーカーの底に沈積した。反応混合物を2Lの蓋付き肉厚PFA容器に移した。容器の口の部分のネジにテフロンテープを巻きしっかり蓋をした。容器に鉛のおもりを付けて水浴中に沈め、90゜Cで12時間保温した。室温まで冷却した後、容器の蓋を開け、混合物をワットマンの4号濾紙で濾過した。濾紙上に集めたヨウ素は標準的な方法で処分した。濾液を丸底フラスコに移し還流冷却器を取り付けた。溶液にn−オクチルアルコール2 mlを加えた後、混合物を磁気攪拌器で攪拌しながら2時間加熱還流させた。攪拌と還流を続けながら、濃塩酸を還流冷却器を通してゆっくり加え、混合物のpHを1.0にした。pH値は、測定範囲が0.8−2.0の Hydrion Microfine pH試験紙で評価した。酸を添加すると白色の沈殿が少量生成した。混合物をさらに9時間還流させた。混合物を室温まで放冷し、孔径の微細な(孔径:16−40ミクロン)溶融ガラス濾過器で吸引濾過し濾液を濾過瓶に集めた。濾液を3 Lビーカーに移した。溶液を激しく攪拌しながら酢酸2 Lを溶液に加えると白色固体が沈殿した。固体を孔径の微細な(孔径:16−40ミクロン)溶融ガラス濾過器で吸引濾過した。固体を1−プロパノールで数回洗浄し、空気中に放置して乾燥させた。最後に、固体を恒量になるまで真空乾燥した。生成物の収量は18 gであった。生成物の重合度は P.A.SchafferおよびM.Somogyi(J. Biol. Chem., 100, 695-713 (1933))の方法で決定した。この方法の基準糖にはエタノールと水から再結晶したガラクツロン酸1水和物を使用した。ポリガラクツロン酸試料の実測重合度は18であった。生成物の純度は13C-NMRによって評価した。すなわち、試料約45 mgを重水0.4 mlに溶かし、室温でスペクトルを測定した。標準的な13C-NMRパルスシーケンスを使用して13,000回スキャニングをくり返してデータを集めた。得られたスペクトルを図1に示す。ポリガラクツロン酸のC-1、C-2、C-3、C-4、C-5およびC-6に相当する6つの主要なピークが、C-2とC-5のピークがはほとんど重なって観察された。化学シフトを下の表1にまとめた。
【0037】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は室温で測定したポリガラクツロン酸試料の13C-NMRスペクトルである。60 ppmから180 ppmまでの範囲のスペクトルが示してある。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a polygalacturonic acid having a degree of polymerization of less than 20 and substantially free of non-galacturonic acid-based saccharide impurities.
[0002]
[Prior art]
Since polygalacturonic acid has a high affinity for calcium ions, it is expected to be useful as a scale formation inhibitor and a scale remover. The biodegradability of polygalacturonic acid is particularly beneficial from the standpoint of environmental protection and waste disposal. Furthermore, polygalacturonic acid has been shown to exhibit immunomodulatory activity in mice such as mitotic activity, adjuvant activity, interferon production ability, macrophage activation ability and antitumor activity (Y. Kumazawa, K. Mizunoe, Y Otsuka, "Immunostimulating Polysaccaride Separated from Hot Water Extract of Angelic Acutiloba Kitagawa Yamato Tohki," Immunology, 47, 75-83 (1982)). Polygalacturonic acid has also been shown to exhibit plant defense stimulating activity (EA Nothnagel, M. McNeil, P. Albersheim, A. Dell, "Host-Pathogen Interactions XXII, A Galacturonic Acid Oligosaccharide from Plant Cell Walls Elicits Phytoalexins, "Plant Physiology, 71, 916-926 (1988)). Furthermore, a derivative in which a hydrophobic group is covalently bonded to the reducing end of polygalacturonic acid is useful as a dispersant for an aqueous ink composition in which a pigment used in an inkjet printer is dispersed.
[0003]
Pectin from which polygalacturonic acid is obtained is a naturally derived aqueous colloidal component contained in fruits such as lemon, lime, grapefruit, orange, mango, apple, sunflower and sugar beet. Pectin mainly consists of 1 → 4 linked α-D-galacturonic acid methyl ester and 1 → 4 linked α-D-galacturonic acid. The combined content of galacturonic acid methyl ester and galacturonic acid constituting pectin is typically greater than about 70%. The sequence of polygalacturonate is blocked by 1 → 2 linked L-rhamnose units, which leads to a twist in the polymer backbone. Pectin also includes a branched chain composed mainly of neutral sugar units such as arabinose, galactose, xylose, and fucose.
[0004]
Pectin is present in fruits in a non-soluble form called protopectin. Pectin is obtained from protopectin by extracting citrus peel, apple pomace or sugar beet pulp with a hot dilute aqueous acid solution. During the acidic extraction, a part of the galacturonic acid methyl ester unit is deesterified and converted into a galacturonic acid unit. If the extraction process is carefully controlled, it is possible to obtain pectin having a ratio of galacturonic acid methyl ester units to galacturonic acid units of about 20: 1. However, a ratio of about 2: 1 is common. When the pectin is further treated with an alkaline aqueous solution or an acidic aqueous solution, deesterification further proceeds. Pectins having a ratio of methyl ester units to galacturonic acid units of 1:19 or less are traditionally called pectic acids. Pectinic acid is hardly soluble in water. However, neutralization with a suitable base yields a pectate that dissolves fairly well in water. The term pectin is traditionally a pectin polysaccharide in which galacturonic acid units are present in acid form, or a pectin polysaccharide in which galacturonic acid units are present in the form of a salt neutralized with a base, or Pointing to a mixture.
[0005]
It is well known in the prior art that a low molecular weight pectin having a low degree of esterification and a high polygalacturonic acid content can be obtained by hydrolyzing a suitable raw material with acid, alkali or enzyme. Next, examples of these methods will be described in some detail.
[0006]
A representative method of acidic hydrolysis is described in R. Kohn, "The Activity of Calcium Ions in Aqueous Solutions of the Lower Calcium Oligogalacturonates," Carbohydrate Research, 20, 351-356 (1971). In the acidic hydrolysis described therein, it is necessary to prepare a 1% by weight solution of pectinic acid sodium salt by neutralizing pectinic acid with sodium hydroxide. The pectic acid raw material is obtained from commercially available apple pectin by repeating the alkaline deesterification treatment. Next, dilute sulfuric acid is added dropwise to the sodium pectate solution to adjust the pH to 3.3. The resulting solution is heated and maintained at 100 ° C. for 17 hours while periodically adding the dilute sulfuric acid to maintain the pH of the solution at 3.3. The cooled solution is filtered and the filtrate is neutralized with as little barium carbonate as possible. The neutralized solution is then passed through a column of H-type ion exchange resin (Zerolit 225-H +). The collected ion exchange solution is concentrated to 1/3 volume of the original solution by rotary evaporator (rotary evaporator). Next, when 4 times the volume of ethanol is added, the oligomer product precipitates. The product is filtered off, washed with ethanol and dried.
[0007]
The acidic hydrolysis method described above may be useful for preparing polygalacturonic acid on a laboratory scale, but may be difficult to implement on a large scale, such as when used for industrial production. . The reason is that the concentration of the raw material pectic acid is only 1% by weight. Moreover, the acidic hydrolysis method is multi-stage and complicated.
[0008]
A typical alkaline hydrolysis method is described in European patent application EP 0 487 340 A1, “Coating for Food Composition Limiting Fat Absorption upon Frying”. The alkaline hydrolysis described therein requires the preparation of a slurry of 10% by weight pectin in 60% isopropanol. Then, regardless of the type (ester or acid), 3 equivalents of solid sodium hydroxide per equivalent of galacturonide are added to the slurry. The slurry is stirred at 25 ° C. for 5 days for depolymerization and deesterification. The product is filtered and the filter cake is washed with 60% aqueous isopropanol to remove excess alkali. Mineral acid is added to adjust the pH of the filter cake to 4-6. The acidified product is dried. According to this method, the molecular weight of the polygalacturonic acid product determined by viscosity measurement is in the range of 2,000 to 20,000. This molecular weight range corresponds to a degree of polymerization of 11 to 114.
[0009]
While the alkaline hydrolysis method may be useful for preparing polygalacturonic acid on a laboratory scale, it appears to be difficult to perform on a large scale, such as when used for industrial production. The reason is that depolymerization and deesterification are performed in a heterogeneous system. On a large scale, a heterogeneous mixture of insoluble pectin and alcoholic sodium hydroxide is insufficiently mixed, and a product with a wide molecular weight distribution is expected. Further, as described above, the degree of polymerization of the polygalacturonic acid product is in the range of 11 to 114, and hardly overlaps with the degree of polymerization of the polygalacturonic acid of the present invention smaller than 20. Increasing the time of hydrolysis should reduce the average degree of polymerization, but there will be no prospect of obtaining an average degree of polymerization within the range specified by the present invention due to the narrow molecular weight distribution.
[0010]
Representative enzymatic hydrolysis methods are described in Y. K. Liu and B. S. Luh, “Quantitative Aspects of Pectic Acid Hydrolysis by Endo-polygalacturonase from Rhizopus Arrhizus,” Journal of Food Science, 45, 601-604 (1980). The enzyme hydrolysis method described therein uses endo-polygalacturonase (RAPG) isolated from apricots infected with Rhizopus Arrhizus. Hydrolysis requires a 0.45% by weight solution of pectic acid sodium salt in 0.03 M acetic acid / 0.06 M sodium chloride buffer at pH 5. 0.1 mL of purified RAPG (0.62 units of polygalacturonase determined by standard assay) is used per 10 mL of pectic acid solution. Products after hydrolysis with RAPG at 30 ° C for 48 hours are galacturonic acid (abbreviated as GA, 6.5%), GA dimer (18%), GA trimer (55.0%), GA tetramer. (6.6%), GA pentamer (5.1%), GA hexamer (3.0%) and small amounts of other oligomers. According to the analysis described in the above report, RAPG reacts fastest with pectin having a degree of polymerization of about 24.
[0011]
The enzymatic hydrolysis method described above may be useful for preparation on a laboratory scale, but may be difficult to implement on a large scale, such as when used for industrial production. The reason is that the concentration of the raw material pectic acid is only 0.45% by weight. Moreover, separating the product from the enzyme is not expected to be trivial. Also, as mentioned above, the degree of polymerization of the product is in the range of 3 to 6 and contains a significant amount of galacturonic acid and dimer of galacturonic acid. It is more appropriate to classify this product into oligogalacturonic acid rather than polygalacturonic acid which is the target product of the present invention.
[0012]
In addition to the acidic, alkaline and enzymatic hydrolysis of pectin and / or pectinic acid described above, periodate oxidation of pectin and / or pectinic acid has been studied from several different perspectives. However, these studies do not specify that the goal is to obtain low molecular weight polygalacturonic acid. In J. Szejtli, "Periodate Oxidation of Alginic Acid," Acta Chimica Academiae Hungaricae Tomus, 49, 205-216 (1966), the periodate oxidation of pectin was studied from the perspective of clarifying the oxidation limit of this reaction. ing. It is reported that the oxidation limit of pectic acid expressed in terms of moles of periodate consumed per mole of galacturonide is 0.69. In ZD Ashubaeva and VA Afanas'ev, "Destruction of Polygalacturonic Acid under Periodate Oxidation Conditions," Izv. Akad. Nauk Kirg. SSR, 44-46 (1978), the mechanism of periodate oxidation is related to aldehyde content and products. It is discussed from the viewpoint of the relationship with the degree of polymerization. This mechanistic study suggests chain cleavage. In C. Cessa, ML De Cherchi, S. Deiana, A. Dessi, G. Micera, "High-Performance Liquid Chromatographic Determination of Formic Acid in Cleavage Reactions of Carbohydrates," Journal of Chromatography, 268, 539-542 (1983) Periodic acid oxidation was used to analyze the reducing end groups of polygalacturonic acid, and it was identified that 3 moles of formic acid per reducing end group was produced. Unlike the Z. D. Ashubaeva and V. A. Afnas'ev studies described above, there is no mention of chain cleavage.
[0013]
Japanese Published Patent Application No. 6-279504 describes a method for producing an oxidized oligosaccharide and its use in a detergent composition. In the method described therein, first, a polysaccharide is oxidized to obtain a polycarboxylic acid polysaccharide. Next, the polycarboxylated polysaccharide is hydrolyzed under alkaline conditions to obtain a biodegradable oligomer having a high affinity for metal ions. It is stated that acid hydrolysis of polycarboxylated polysaccharides produces a product consisting of a mixture of different structures and is therefore not useful for the described method. In the example described in Japanese published patent application No. 6-279504, in a first stage, a 5% by weight slurry of partially neutralized pectic acid is oxidized with sodium periodate and partially diformyl. Pectinic acid is obtained as a sodium salt. In the next step, the partially diformylated pectinic acid is oxidized with sodium chlorite to obtain the partially dicarboxylated pectinic acid as a sodium salt. In the next step, the partially dicarboxylated pectinic acid is refluxed in an alkaline aqueous solution for 27 hours to obtain a low molecular weight dicarboxylated pectinic acid as a sodium salt. The number average molecular weight of the low molecular weight product determined by the GPC method is reported to be 1,700 and the weight average molecular weight is 3,400.13Analysis of this product by C-NMR suggests that there is both the first unoxidized galacturonide and the oxidatively ring-opened galacturonide. this13It is clear from the C-NMR data that the product is not just polygalacturonic acid.
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
As can be seen from the above examples, there is still a need for a process for the production of polygalacturonic acid on a commercial scale that has a degree of polymerization of less than 20 and is substantially free of non-galacturonic saccharide impurities. Specifically, there is a need for a production method in which the starting material is any one of pectin, pectinic acid or pectate, with a concentration higher than 5% by weight.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
An object of the present invention is to provide a practical method for producing a polygalacturonic acid having a degree of polymerization of less than 20 and substantially free of non-galacturonic acid-based saccharide impurities. The inventor has described periodic acid HFiveIO6And periodate have been found to oxidize pectin or concentrated solutions of pectate, producing intermediate products that are easily hydrolyzed under acidic conditions. Periodate here is sodium periodate (sodium metaperiodate) NaIOFour, Sodium periodate NaThreeH2IO6And potassium periodate KIOFourOf course, but is not limited to these. It has been shown that the main iodine-containing product produced by the oxidation reaction is free iodine, not iodic acid. This finding implies that multiple oxidation steps occur with one oxidant. These discoveries are the basis of the present invention.
[0016]
According to the invention described in the present specification, there is provided a method for producing polygalacturonic acid having a degree of polymerization of less than 20 and substantially free of non-galacturonic acid-based saccharide impurities, which is constituted by the following steps. In the first stage, pectin or pectic acid is dissolved in water to prepare a solution containing 5% by weight or more of pectin or pectic acid. In the second stage, less than the stoichiometric amount of periodic acid or periodate is added to oxidize pectin or pectate. In the third stage, the oxidation reaction is completed and free iodine is separated from the reaction mixture. In the fourth stage, free iodine is separated. In the fifth stage, the reaction mixture is acidified and heated to obtain a low molecular weight component containing polygalacturonic acid. In the sixth stage, a low molecular weight alcohol, a low molecular weight carboxylic acid, or a mixture thereof is added to selectively precipitate polygalacturonic acid. Finally, polygalacturonic acid is separated by a conventional method.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A practical method for producing polygalacturonic acid having a degree of polymerization of less than 20 and substantially free of non-galacturonic acid-based saccharide impurities will be described below. The expression that it is substantially free of non-galacturonic saccharide impurities means that the sample is D2Of a 10 wt% solution dissolved in O13In C-NMR, it means that only six major peaks corresponding to C-1, C-2, C-3, C-4, C-5 and C-6 of polygalacturonic acid can be observed.
[0018]
As mentioned above, periodate oxidation of pectin and / or pectinic acid has been studied from several standpoints, but there is no description aimed at obtaining low molecular weight polygalacturonic acid. In Japanese Published Patent Application No. 6-279504, a three-stage method for producing low molecular weight polycarboxylated pectinic acid using pectinic acid as a starting material was reported, and sodium periodate was used in the first stage. Sodium periodate was used as the oxidizing agent, and in the first stage, the adjacent glycol of pectic acid was oxidatively cleaved to produce a carbonyl compound simultaneously. The oxidation product was isolated and identified as partially diformylated pectinic acid. Based on the stoichiometry of this oxidation reaction, sodium iodate is the expected iodine-containing product. In the second oxidation stage, partially diformylated pectinic acid was oxidized with sodium chlorite. At this stage, some or all of the carbonyl functionality was oxidized to the carboxylic acid functionality. The resulting pectic acid oxidation product was isolated and confirmed to be partially dicarboxylated pectic acid.
[0019]
In theory, it is assumed in the present invention that the two separate oxidation steps described above are performed by only one oxidant, periodate or periodate. This conclusion is based on the observation that free iodine, rather than iodate, is the major iodine-containing product under the conditions of the present invention. Also, theoretically, it is believed that the two oxidation reactions proceed according to the following stoichiometric formula using periodic acid as the oxidizing agent: A similar formula can be written for periodic acid or other periodates:
−CHOH−CHOH− + NaIOFour → 2 [−CHO] + NaIOThree
2 [−CHO] + NaIOThree + 2 / 5H2 → 2 [−COOH] + 2 / 5I2+ 4 / 5NaOH + 1 / 5NaIOThree
The sodium iodate produced by the initial oxidation is further reduced to iodine to produce partially dicarboxylated pectin or pectate. According to the above formula, the total amount of iodic acid is not reduced by the second oxidation.
[0020]
Even if the reaction of periodic acid or periodate with pectin or pectate does not proceed as per the above formula, pectin or pectate is oxidized to an intermediate product that is easily hydrolyzed An important aspect of the present invention is that periodic acid or periodate is useful for this purpose. This easily hydrolyzable intermediate product is obtained upon completion of the oxidation reaction, and a certain amount of free iodine is separated from the reaction mixture.
[0021]
The pectin or pectate used as a starting material in the present invention may be any pectin or pectate as long as it is a commercial product. Since polygalacturonic acid is the desired product, the starting material is preferably galacturonic acid-rich pectin or pectate. In general, pectin extracted from citrus peel is rich in galacturonic acid. In order to keep the viscosity of the hydrolyzed solution relatively low, pectin or pectate having a low average molecular weight is preferred as a starting material. In the present invention, pectin or pectate having a molecular weight of 50,000 g / mole or less is preferable. Preferred pectin or pectate includes “ultra-low viscosity pectic acid” available from Tomen Chemical (Tokyo, Japan) and “ultra-low viscosity pectic acid, sodium salt” available from Sansho (Hirakata City, Osaka, Japan). is there.
[0022]
The important point of the present invention is that by using pectin or its lithium salt, or lithium pectate, a solution of 5% by weight or more of pectin or pectate can be easily obtained for periodate oxidation. is there. That is, the cation associated with pectin or pectic acid is lithium. Other alkali metal salts such as sodium salt, potassium salt, rubidium salt and cesium salt can also be used in the present invention. However, regardless of the starting material pectin or pectic acid, lithium salts are more soluble in water than other corresponding alkali metal salts. Therefore, a preferred example of the present invention is that in which the cation associated with pectin or pectic acid is mainly lithium. The simplest method for preparing the lithium salt of pectin is to first acidify the solution of pectin and precipitate it in acid form. The solid is then separated, neutralized with lithium hydroxide and dissolved in water. Similarly, a simple way to obtain a lithium salt solution of pectic acid is to neutralize pectic acid with lithium hydroxide and dissolve it in water. When used in these neutralization reactions, lithium hydroxide monohydrate is more preferable than lithium hydroxide because it is easier to use.
[0023]
In the present invention, as a first step, a solution containing 5% by weight or more of pectin or pectate is prepared by dissolving pectin or pectate in water. The pH of the resulting solution must be between 2.8 and 5.0. The pH of the solution can be set within this range by adding an aqueous solution of an inorganic acid or an alkali metal hydroxide. As the inorganic acid aqueous solution, hydrochloric acid having a concentration of 6 moles / liter or less is preferable. The aqueous solution of alkali metal hydroxide is preferably an aqueous solution of lithium hydroxide monohydrate of 5% by weight or less. In the case of commercial pectin or pectate, solutions prepared at the specified pH range contain small amounts of insoluble impurities. If deemed necessary, these impurities can be easily removed by filtration prior to addition of periodic acid or periodate. At pH lower than 2.8, in many pectin or pectate starting materials, pectin or pectate does not dissolve completely, but at pH higher than 5.0, periodic acid or periodate and The reaction with pectin or pectate produces free iodine as an iodine-containing product, but proceeds unacceptably slowly. In the case of “ultra-low viscosity pectic acid, sodium salt” available from Sunsho, a solution with a pH of about 4.1 is usually obtained.
[0024]
In the next step, pectin or pectate is oxidized by adding less than stoichiometric periodate or periodate. Periodic acid has the following molecular formula: HFiveIO6. Periodate includes, but is not limited to: sodium periodate (sodium metaperiodate) NaIOFour, Sodium periodate NaThreeH2IO6And potassium periodate KIOFour. In the present invention, periodic acid or periodate less than the stoichiometric amount means an amount of more than 5 mole% and less than 50 mole%. When the stoichiometric amount is less than 5 mole%, the polygalacturonic acid obtained by acidic hydrolysis has an average degree of polymerization of more than 20. For stoichiometric amounts greater than 50 mole%, the typical yield of polygalacturonic acid is less than 5% and is unacceptable. When periodic acid or periodate is added, it may be added as a solid or an aqueous solution, but it is preferable to add it as a solid. When adding periodic acid or periodate and at the beginning of the reaction, the pectin or pectate solution should be vigorously stirred and cooled. Since the first stage oxidation is an exothermic reaction, cooling is important.
[0025]
In the next step, the oxidation reaction is completed and free iodine is separated from the reaction mixture. The initial oxidation reaction with exotherm is complete and iodine begins to precipitate when the reaction mixture is allowed to return to room temperature. The simplest way to proceed the reaction to separate a certain amount of free iodine from the reaction mixture is to heat the reaction mixture. Since solid iodine has a high vapor pressure, heating is best done in a closed or exhaust system. The discharged iodine is passed through a cleaning and absorption solution dedicated to iodine. The heating temperature of the reaction mixture is preferably higher than 40 ° C. so that the intermediate oxide is quickly converted to free iodine. Although the inventor of the present invention has not considered catalysts that may promote the conversion of intermediate oxides to free iodine, the addition of catalysts is certainly within the scope of the present invention.
[0026]
After terminating the reaction, the liberated iodine is separated by conventional methods. Such methods can include filtration, centrifugation, and steam distillation. Purification and recovery processes for regenerating iodine into periodic acid or periodate are disclosed in US Pat. No. 3,607,694, US Pat. No. 3,681,213 and US Pat. No. 3,703,508. Yes.
[0027]
In the next step, the reaction mixture is acidified and heated so that the oxidized intermediate product is hydrolyzed to low molecular weight components including polygalacturonic acid. As pointed out above, it is an important aspect of the present invention that acidic hydrolysis of the oxidized intermediate product is easy. During or before heating, the reaction mixture is acidified to pH 3.5 or lower. If the pH is higher than 3.5, hydrolysis is unacceptably slow. In general, a lower pH value is better for increasing the rate of acidic hydrolysis.
[0028]
At this stage, the acidified reaction mixture is heated above 80 ° C. for a time sufficient to hydrolyze the intermediate product to low molecular weight components including polygalacturonic acid. Although temperatures below 80 ° C can be used, the hydrolysis rate is correspondingly slower. Hydrolysis can also be carried out in a pressure vessel so that temperatures higher than the boiling point of atmospheric water can be used. In general, when the temperature exceeds about 120 ° C, the decomposition of the polysaccharide product occurring in parallel with the hydrolysis cannot be ignored. Therefore, a temperature lower than about 120 ° C is preferable. Hydrolysis can be carried out in a normal environmental atmosphere or in an inert atmosphere. However, it is preferred to carry out in an inert atmosphere in order to minimize product air oxidation. An atmosphere of high purity nitrogen is preferable from the viewpoint of cost.
[0029]
The time sufficient to hydrolyze the intermediate product and convert it to a low molecular weight component containing polygalacturonic acid depends on several factors. One factor is the temperature of the acidified reaction mixture. The second factor is the starting pectin or pectate concentration. The third factor is the amount of periodate or periodate used relative to the amount of starting pectin or pectate to oxidize pectin or pectate. As pointed out above, the fourth factor is the pH value of the acidified reaction mixture. Various analytical techniques can be used to determine if the hydrolysis reaction is complete. The typical method is to isolate polygalacturonic acid by removing a portion of the acidified reaction mixture at regular intervals. The separated polygalacturonic acid can be analyzed in various ways, including NMR, gel permeation chromatography, and end group analysis.
[0030]
Once the hydrolysis is judged complete, the acidic reaction mixture is cooled to room temperature. Next, a low molecular weight alcohol, a low molecular weight carboxylic acid or a mixture thereof is added to the reaction mixture to selectively precipitate polygalacturonic acid. Preferred low molecular weight alcohols include alcohols selected from the group of methanol, ethanol and isopropanol. Preferred low molecular weight carboxylic acids include carboxylic acids selected from the group of acetic acid and propionic acid. The amount of low molecular weight alcohol, low molecular weight carboxylic acid or mixture thereof used to selectively precipitate polygalacturonic acid is equal to or greater than the volume of the reaction mixture and 5 times the volume of the reaction mixture. The following is preferred.
[0031]
After selective precipitation, the polygalacturonic acid is separated by conventional methods. Examples of such separation methods include filtration and centrifugation. The product is subsequently washed with a low molecular weight alcohol and dried according to conventional methods.
[0032]
The polygalacturonic acid prepared according to the method of the present invention is substantially free of non-galacturonic acid saccharide impurities. The expression that it is substantially free of non-galacturonic saccharide impurities means that the sample is D2Of a 10 wt% solution dissolved in O13This means that in the C-NMR spectrum, only six major peaks corresponding to C-1, C-2, C-3, C-4, C-5 and C-6 of polygalacturonic acid can be observed.
[0033]
The degree of polymerization of polygalacturonic acid prepared according to the process of the present invention is less than 20. The average degree of polymerization is determined by the copper-iodine titration method according to the method of P.A. Schaffer and M.Somogyi (J. Biol. Chem., 100, 695-713 (1933)). In this method, galacturonic acid monohydrate is used as the reference sugar.
[0034]
【Example】
The following examples further illustrate the present invention. All operations were performed in a draft with good ventilation.
[0035]
Preparation of polygalacturonic acid
[0036]
150 g of pectic acid (ultra-low concentration pectic acid, Tomen Chemical, Tokyo, Japan) was added to 600 mL of deionized water in a 1000 mL beaker to make a slurry. While stirring the slurry with an overhead stirrer, 27 g of lithium hydroxide monohydrate was added to the slurry. Pectinic acid was dissolved and a solution having a pH of about 4 was obtained. Deionized water was added to bring the total volume to 750 mL. The solution was then cooled to below 5 ° C with an ice bath. While the cooled solution was vigorously stirred with a stirrer, 43.7 g of sodium periodate was quickly added. After the cooled solution was vigorously stirred for 1 hour, the ice bath was removed and the stirred solution was allowed to warm to room temperature. Next, 8 g of concentrated hydrochloric acid was added with stirring. The beaker was covered and left for 12 hours. During this time some free solid iodine was deposited at the bottom of the beaker. The reaction mixture was transferred to a 2 L thick PFA container with a lid. Teflon tape was wrapped around the screw at the mouth of the container and the lid was tightly closed. The container was immersed in a water bath with a lead weight and kept at 90 ° C. for 12 hours. After cooling to room temperature, the vessel was opened and the mixture was filtered through Whatman No. 4 filter paper. The iodine collected on the filter paper was disposed of by standard methods. The filtrate was transferred to a round bottom flask and a reflux condenser was attached. After adding 2 ml of n-octyl alcohol to the solution, the mixture was heated to reflux for 2 hours while stirring with a magnetic stirrer. While continuing to stir and reflux, concentrated hydrochloric acid was slowly added through a reflux condenser to bring the pH of the mixture to 1.0. The pH value was evaluated with a Hydrion Microfine pH test paper having a measurement range of 0.8 to 2.0. A small amount of white precipitate formed upon addition of the acid. The mixture was refluxed for an additional 9 hours. The mixture was allowed to cool to room temperature, suction filtered with a fine glass filter (pore size: 16-40 microns), and the filtrate was collected in a filter bottle. The filtrate was transferred to a 3 L beaker. A white solid precipitated when 2 L of acetic acid was added to the solution with vigorous stirring of the solution. The solid was suction filtered with a fine glass pore size (pore size: 16-40 microns) molten glass filter. The solid was washed several times with 1-propanol and left to dry in the air. Finally, the solid was vacuum dried to a constant weight. The product yield was 18 g. The degree of polymerization of the product was determined by the method of P.A. Schaffer and M.Somogyi (J. Biol. Chem., 100, 695-713 (1933)). As a reference sugar for this method, galacturonic acid monohydrate recrystallized from ethanol and water was used. The measured polymerization degree of the polygalacturonic acid sample was 18. The purity of the product is13Evaluation was by C-NMR. That is, about 45 mg of a sample was dissolved in 0.4 ml of heavy water, and the spectrum was measured at room temperature. Standard13Data was collected by repeating scanning 13,000 times using a C-NMR pulse sequence. The obtained spectrum is shown in FIG. Six major peaks corresponding to C-1, C-2, C-3, C-4, C-5 and C-6 of polygalacturonic acid are almost overlapped with peaks of C-2 and C-5 Observed. The chemical shifts are summarized in Table 1 below.
[0037]
[Table 1]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a polygalacturonic acid sample measured at room temperature.13It is a C-NMR spectrum. A spectrum ranging from 60 ppm to 180 ppm is shown.
Claims (11)
(a)ペクチンまたはペクチン酸塩を水に溶解してペクチンまたはペクチン酸塩を5重量%以上含む酸性溶液を調製する工程と、
(b)化学量論量以下の過ヨウ素酸または過ヨウ素酸塩を加えることによってペクチンまたはペクチン酸塩を酸化する工程と、
(c)遊離したヨウ素が反応混合物から分離するように、酸化反応を完結またはほぼ完結させる工程と、
(d)遊離したヨウ素を反応混合物から分離する工程と、
(e)ポリガラクツロン酸を含む低分子量成分が得られるように反応混合物を酸性化し加熱する工程と、
(f)ポリガラクツロン酸を選択的に沈殿させるように低分子量アルコール、低分子量カルボン酸またはそれらの混合物を加える工程と、
(g)ポリガラクツロン酸を反応混合物から分離する工程。A process for producing polygalacturonic acid having a polymerization degree of less than 20 and substantially free of non-galacturonic acid-based saccharide impurities, comprising the following steps.
(A) preparing an acidic solution containing 5% by weight or more of pectin or pectate by dissolving pectin or pectate in water;
(B) oxidizing pectin or pectate by adding a substoichiometric periodate or periodate;
(C) completing or nearly completing the oxidation reaction such that free iodine is separated from the reaction mixture;
(D) separating the liberated iodine from the reaction mixture;
(E) acidifying and heating the reaction mixture such that a low molecular weight component comprising polygalacturonic acid is obtained;
(F) adding a low molecular weight alcohol, a low molecular weight carboxylic acid or a mixture thereof so as to selectively precipitate polygalacturonic acid;
(G) separating polygalacturonic acid from the reaction mixture;
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