JP3887212B2 - Base sequence detection chip, hybridization monitoring system, and hybridization monitoring method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遺伝子検査などに用いられる塩基配列検出用チップ、ハイブリダイゼーションモニタリングシステム、ハイブリダイゼーションモニタリング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、DNA検出センサとしてDNAチップを用いた遺伝子検査技術が注目を集めている。このDNAチップを用いた検査では、DNAチップに設けられた複数のマトリクス状のアレイにDNAプローブを配置する。そして、検体DNAとDNAプローブとのハイブリダイゼーション反応の有無を検出することにより、検体DNAが有する塩基配列などの情報を取得することができる。
【0003】
DNAチップ上でハイブリダイゼーションを行う際に、反応条件が最適でないと、検体DNAが誤ったハイブリダイズする、すなわち無関係なDNAプローブと結合する確率が増大する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ハイブリダイゼーション条件を確定する定量的な手法が無いため、ハイブリダイゼーション条件を変えた多くの実験を行う必要がある。このため、DNAチップの開発コストが高くなるという問題があった。
【0005】
また、検出するDNAやプローブDNAの種類によって、最適なハイブリダイゼーション条件が異なる場合には、DNAチップの開発コストがさらに高くなるという問題もあった。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ハイブリダイゼーション条件を最適化するための塩基配列検出用チップ、ハイブリダイゼーションモニタリングシステム、ハイブリダイゼーションモニタリング方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明のある観点によれば、基板と、基板上に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と相補性のある標的相補塩基配列よりも標的塩基配列に対して相補性の低い準相補塩基配列を有する複数種の第1準相補プローブを有し、複数種の第1準相補プローブは、標的塩基配列と相補性の無い非相補塩基数が互いに異なっている第1準相補プローブ群とを備えた塩基配列検出用チップと、塩基配列検出用チップにおける各々の第1準相補プローブと検体塩基配列とのハイブリダイゼーション反応の発生率を検出する検出手段と、ハイブリダイゼーション反応の反応条件を変更する変更手段と、検出手段により検出されたハイブリダイゼーション反応の発生率を反応条件に関連づけて格納する記憶手段と、各々の反応条件におけるハイブリダイゼーション反応の発生率に基づいて最適な反応条件を検出する検出手段とを具備するハイブリダイゼーションモニタリングシステムが提供される。
【0009】
このような構成によれば、ハイブリダイゼーション反応時に、誤ったハイブリダイゼーション反応の発生率を、ハイブリダイゼーション反応条件と関連づけて定量的にモニタリングできるため、少ないハイブリダイゼーション実験により最適なハイブリダイゼーション反応条件を容易に求めることができる。
【0011】
また、本発明の別の一の実施形態によれば、さらに、基板上に固定化され、標的塩基配列と相補性のある標的相補塩基配列よりも標的塩基配列に対して相補性の低い準相補塩基配列を有する複数種の第2準相補プローブを有し、複数の第2準相補プローブは、非相補塩基数が同一でかつ互いに塩基配列の異なる第2準相補プローブ群を具備する。これにより、モニタリングに最適な準相補プローブを選択する必要が無く、また準相補プローブを誤って選択するなどによる測定精度の低下などの測定のばらつきを低減できる。
【0012】
また、本発明の別の一の実施形態によれば、基板上に、スポッティング装置の1回の溶剤の滴下により溶剤が基板上に広がる領域であって、溶剤の他の滴下により溶剤が基板上に広がる他の領域と重なり部分を持たず、溶剤の各滴下位置の距離を最小とする領域を複数有し、領域のそれぞれに、準相補プローブが複数種形成されている。これにより、準相補プローブをスポッティング装置の分解能以上の密度で実装できるので、塩基配列検出用チップを小型化することができる。また、複数のプローブから得られる出力結果を用いて統計処理等行うことにより、エラー検定に用いることができる。
【0013】
また、本発明の別の一の実施形態によれば、検出手段により検出された発生率に基づき、第1及び第2の準相補プローブ群のうち、非相補塩基数が同一でかつ互いに塩基配列の異なる複数の準相補プローブにおけるハイブリダイゼーション反応の発生率の平均値を算出し、該平均値から所定のしきい値φ以上外れた反応発生率を除外する第1の統計処理、非相補塩基数が同一でかつ互いに塩基配列の異なる複数の準相補プローブにおけるハイブリダイゼーション反応の発生率を加算して代表値を算出する第2の統計処理、第1の統計処理により除外された結果得られる反応発生率の平均値を算出する第3の統計処理、第1の統計処理により除外された結果得られる反応発生率の分散値を算出する第4の統計処理の少なくとも一つを実行する統計処理手段をさらに備える。これにより、ハイブリダイゼーション状態のモニタリング精度を向上させることができる。
【0014】
また、本発明の別の一の実施形態によれば、基板上に配置され、第1又は第2準相補プローブを固定化する固定化電極と、対向電極とをさらに備え、検出手段は、固定化電極から流れる電荷量に基づきハイブリダイゼーション反応の発生率を算出する。また、本発明の別の一の実施形態によれば、基板上に配置され、第1又は第2準相補プローブを固定化する固定化電極と、対向電極とをさらに備え、検出手段は、固定化電極と対向電極間の電圧あるいは電流に基づき得られるコンダクタンスに基づきハイブリダイゼーション反応の発生率を算出する。また、本発明の別の一の実施形態によれば、ハイブリダイゼーション反応後の塩基配列検出用チップの第1又は第2準相補プローブを撮像する撮像手段をさらに備え、検出手段は、撮像手段により撮像される蛍光の明度に基づいてハイブリダイゼーション反応の発生率を算出する。
【0015】
また、装置に係る本発明は、その装置により実現される方法の発明としても成立する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るハイブリダイゼーション状態モニタリングシステムの全体構成を示す図である。図1に示すように、塩基配列検出用チップとしてのDNAチップ1と、DNAチップ1の出力に基づき信号処理する信号処理部2と、信号処理部2で信号処理された信号を表示させる表示部3と、DNAチップ1の各電極に電圧を印加する等の制御を行い各電極におけるハイブリダイゼーション反応等の反応を制御する電極制御部4から構成される。また、信号処理部2は記憶部2aを有しており、この記憶部2aに信号処理部2で信号処理され取得されたハイブリダイゼーション率やハイブリダイゼーション反応条件などのデータが格納される。
【0018】
図2はDNAチップ1の詳細な構成を示す図である。図2に示すように、基板11に複数のプローブ電極121,122が設けられている。121は相補プローブ電極であり、122は準相補プローブ電極である。また、基板11上もしくは基板11上以外に対向電極(図示せず)が設けられている。
【0019】
相補プローブ電極121には、標的塩基配列120と相補性のある塩基配列(標的相補塩基配列)の相補プローブ121aが固定される。準相補プローブ電極122は複数あり、それぞれには相補プローブ121aよりも標的塩基配列120との相補性が低い準相補プローブ122aが固定される。これら相補プローブ電極121と準相補プローブ電極122、対向電極はそれぞれ信号処理部2に接続されている。プローブ電極121,122と対向電極間に電圧が印加された際にプローブ電極121,122に流れ出す電荷は、信号処理部2に出力され、信号処理部2でその電荷量を検出することによりハイブリダイゼーション率(プローブと検体塩基配列が結合する反応が発生する率)を測定することができる。
【0020】
各プローブ電極に電圧を印加するに当たり、対向電極に加えて参照電極を使用した3電極方式としてもよい。
【0021】
標的塩基配列とは、検出の目的とされる塩基配列である。検体塩基配列は、検査の対象となる試料塩基配列であり、この検体塩基配列と相補プローブや準相補プローブをハイブリダイゼーションさせることにより、ハイブリダイゼーション反応をモニタリングする。
【0022】
相補プローブとは、検体塩基配列が標的塩基配列を含んでいるか否かを検出する目的で利用されるプローブであり、標的塩基配列とは相補性のある塩基配列(標的相補塩基配列)を有する。また、相補プローブのハイブリダイゼーション反応を準相補プローブのハイブリダイゼーション反応と比較するため、検体塩基配列が標的塩基配列を有しているか否かの検出用のみならず、ハイブリダイゼーション状態のモニタリングに用いることもできる。
【0023】
準相補プローブとは、ハイブリダイゼーション状態のモニタリングを行うことによりハイブリダイゼーション反応条件を最適化するために利用されるプローブであり、標的塩基配列と相補性のある塩基配列(標的相補塩基配列)の少なくとも1つ(始点塩基から終点塩基までの塩基のうちのいずれか一つ以上)の塩基を他の塩基に置換した塩基配列を有する。
【0024】
なお、以下の実施形態で、ハイブリダイゼーション反応条件とは、ある塩基配列と他の塩基配列のハイブリダイゼーション反応を生じさせる条件のみならず、このハイブリダイゼーション反応が生じた二本鎖を検出するまでに必要な工程における処理条件も含まれる。
【0025】
準相補プローブ122aと標的塩基配列120の概念図を図3に示す。図3に示すように、標的塩基配列120が、始点塩基から終点塩基までC−A−G−A−T−C−Aとなっている場合に、この標的塩基配列120と相補性がある塩基配列は、塩基の相補性により、始点塩基から終点塩基までG−T−C−T−A−G−Tである。従って、相補プローブ121aは、この塩基配列“G−T−C−T−A−G−T”を有するプローブとなる。
【0026】
また、準相補プローブ122aは複数種あり、これらの複数種の準相補プローブを第1準相補プローブ群とする。第1準相補プローブ群を構成する各第1準相補プローブとしては、標的塩基配列120と相補的な塩基配列(標的相補塩基配列)と1つの塩基が異なるG−T−C−T−T−G−Tの塩基配列を有する第1準相補プローブ(1)1221と、2つの塩基が異なるG−T−C−T−T−C−Tの塩基配列を有する第1準相補プローブ(2)1222と、3つの塩基が異なるG−T−C−T−T−C−Aの塩基配列を有する第1準相補プローブ(3)1223というように、標的相補塩基配列と塩基の数(非相補塩基数)がi個(iは自然数であって、標的塩基配列の塩基数と同じあるいはそれ以下)異なる塩基配列を有する第1準相補プローブ(i)122iを有する。
【0027】
第1準相補プローブ(2)1222は、第1準相補プローブ(1)1221のうちの標的相補塩基配列とは異なる塩基と隣接する塩基が、標的相補塩基配列とは異なる塩基となるような塩基配列を有する。従って、相補プローブ121a中の標的相補塩基配列のうち2つの塩基を他の塩基に置換した塩基配列を第1準相補プローブ(2)1222が有し、かつその2つの塩基は隣接している。
【0028】
また、第1準相補プローブ(3)1223は、第1準相補プローブ(2)1222のうちの標的相補塩基配列とは異なる2つの塩基と隣接する1つの塩基が、標的相補塩基配列とは異なる塩基となるような塩基配列を有する。従って、相補プローブ121a中の標的相補塩基配列のうち3つの塩基を他の塩基に置換した塩基配列を第1準相補プローブ(3)1223が有し、かつその3つの塩基は隣接している。
【0029】
同様に、第1準相補プローブ(i)122iは、第1準相補プローブ(i−1)122(i−1)のうちの標的相補配列とは異なる(i−1)個の塩基と隣接する1つの塩基が、標的相補塩基配列とは異なる塩基となるような塩基配列を有する。第1準相補プローブ群の各プローブはそれぞれ異なる電極上に固定化されている。
【0030】
図3に示した第1準相補プローブ(1)1221〜第1準相補プローブ(3)1223は、一例を示したものである。第1準相補プローブ(i)122iの場合、標的相補塩基配列とは異なる塩基はi個であり、このi個の塩基を塩基配列中のいずれとするか、またそのi個の塩基を、標的相補塩基配列として選択されているA,G,C,Tのうちの特定の塩基以外の3つの塩基から自由に定められる。これら考えられ得るすべての種類や複数種類についてDNAチップ1の各電極122に固定してもよいし、代表的な1種類のみをDNAチップ1の各電極122に固定してもよい。また、塩基の相違する数iは、2以上の数であればいくつでもよい。
【0031】
本実施形態では説明の便宜のため、第1準相補プローブ(1)1221,第1準相補プローブ(2)1222,第1準相補プローブ(3)1223のそれぞれについて代表的な塩基配列のもの1種のみを用いて説明する。
【0032】
次に、上記図1乃至図3に示したハイブリダイゼーション状態モニタリングシステムを用いたハイブリダイゼーション状態モニタリングの第1の手法を説明する。
【0033】
まず、検体塩基配列を含む被験液をDNAチップ1内の各電極121,122に注入して接触させ、注入した被験液に含まれる検体塩基配列と相補プローブ121a、準相補プローブ122aとでハイブリダイゼーション反応を生じさせる。ここでは説明の便宜のため、検体塩基配列が標的塩基配列と同一の塩基配列を有するとして説明する。反応溶液の溶媒は、所定のpHの緩衝液などが用いられる。また、反応は被験液を所定の温度で例えば1分以上行う。また、このハイブリダイゼーション反応の際、電極制御部4によりプローブ電極121,122の固定化電極及び対向電極に所定の電圧を印加することにより、従来数時間から数日必要であった反応を数分程度に短縮することができる。
【0034】
ハイブリダイゼーション反応が終了すると、プローブ電極121,122を所定の緩衝液で洗浄し、電極表面に形成された二本鎖部分(相補プローブ121a,準相補プローブ122aと検体塩基配列による二本鎖部分)に選択的に結合する挿入剤を作用させる。そして、挿入剤が作用したプローブ電極121,122の固定化電極及び対向電極に所定の電圧を印加し、挿入剤に由来する各電極121,122の電荷量を信号処理部2で測定する。得られた測定結果はハイブリダイゼーション率として表示部3に表示される。
【0035】
図4は表示部3に表示される測定結果の一例を示す図である。RTO0は、相補プローブ電極121について検出された電荷量に基づき得られるハイブリダイゼーション率、RTO1,RTO2,RTO3は、準相補プローブ電極122について検出された電荷量に基づき得られるハイブリダイゼーション率である。RTO1は第1準相補プローブ(1)1221のハイブリダイゼーション率、RTO2は第1準相補プローブ(2)1222のハイブリダイゼーション率、RTO3は第1準相補プローブ(3)1223のハイブリダイゼーション率である。
【0036】
図4(a)と図4(b)は異なるハイブリダイゼーション反応条件による測定結果である。異なるハイブリダイゼーション反応条件とは、例えば反応温度、反応させる準相補プローブの塩基配列、被験液のイオン強度やpH、ハイブリダイゼーション促進剤の種別やその諸条件、攪拌、振とうなどの条件、反応時間、挿入剤の種別、濃度、挿入剤の緩衝液のイオン強度、pHやその諸条件などである。
【0037】
図4(a)に示すように、標的塩基配列の相補的な塩基配列と不一致の塩基数に従ってハイブリダイゼーション率が減少している。従って、ハイブリダイゼーション反応は正常に行われていることが分かる。一方、図4(b)も、図4(a)と同様に、標的塩基配列の相補的な塩基配列と不一致の塩基数(非相補塩基数)に従ってハイブリダイゼーション率が減少している。従って、ハイブリダイゼーション反応は正常に行われていることが分かる。
【0038】
図4(a)と図4(b)を比較すると、図4(a)の場合の不一致の塩基数(非相補塩基数)の増加に伴うハイブリダイゼーション率の減少率は図4(b)の測定結果に比較して小さくなっている。従って、図4(b)のハイブリダイゼーション反応の方が、図4(a)のハイブリダイゼーション反応よりも最適化されているのが分かる。
【0039】
また、図4(a)や図4(b)の場合とはさらに異なるハイブリダイゼーション反応条件の下で得られた測定結果の例を図5(a)及び(b)に示す。図5(a)及び(b)のいずれの場合も、RTO0>>RTO1>RTO2>RTO3の関係が不成立であり、標的塩基配列の相補的な塩基配列と不一致の塩基数(非相補塩基数)とハイブリダイゼーション率との因果関係が見られない。RTO0の値が、正常なハイブリダイゼーション反応が起こっていることを示す場合のハイブリダイゼーション率である。従って、これよりもRTO1、RTO2、RTO3の値を大きい場合、少なくとも異常ハイブリダイゼーション反応が生じていることが分かる。異常ハイブリダイゼーション反応の原因は、不純物の混入や、ハイブリダイゼーション反応温度が低すぎる等ののハイブリダイゼーション条件が不適であるという問題が考えられる。
【0040】
また、図4や図5の場合とさらに異なるハイブリダイゼーション反応条件の下で得られた測定結果の例を図6(a)及び(b)に示す。図6(a)の場合、RTO0≒RTO1>>RTO2>RTO3の関係が成立している。図6(b)の場合、RTO0≒RTO1≒RTO2≒RTO3の関係が成立している。いずれの場合も、図4(a)や図4(b)の場合のように、ハイブリダイゼーション率と不一致塩基数(非相補塩基数)との因果関係が無いか、あるいはあまり見られないため、異常ハイブリダイゼーション反応が生じていることが分かる。図5(a)や図5(b)の場合と同様に、異常ハイブリダイゼーション反応の原因は、不純物の混入や、ハイブリダイゼーション反応温度が低すぎる等のハイブリダイゼーション条件が不適であるという問題が考えられる。
【0041】
次に、ハイブリダイゼーション状態モニタリングの第2の手法を説明する。用いられる装置や、第1の手法と共通する部分についての詳細な説明は省略する。
【0042】
ハイブリダイゼーション状態モニタリングの第1の手法と異なるのは、この第2の手法は不一致塩基数(非相補塩基数)の異なる複数の第1準相補プローブを用いたハイブリダイゼーション率の測定において、非相補塩基数に応じたハイブリダイゼーション率を温度条件と関連づけて解析する点である。
【0043】
まず、検体塩基配列を含む被験液をDNAチップ1内の各電極121,122に注入する。次に、注入した被験液に含まれる標的核酸鎖と相補プローブ121a、準相補プローブ122aとでハイブリダイゼーション反応を生じさせる。ここでは、説明の便宜のため、検体塩基配列が標的塩基配列と同一の塩基配列を有するとして説明する。反応溶液は、所定のpHの緩衝液などが用いられる。また、反応は被験液を例えば1分以上行う。また、このハイブリダイゼーション反応の際、電極制御部4によりプローブ電極121,122に所定の電圧を印加する。また、他の測定条件を同一にし、温度条件を変化させた複数の反応を生じさせる。
【0044】
ハイブリダイゼーション反応が終了すると、プローブ電極121,122を所定の緩衝液で洗浄し、電極表面に形成された二本鎖部分(相補プローブ121a,122aと検体塩基配列)に選択的に結合する挿入剤を作用させる。そして、挿入剤が作用したプローブ電極121,122に所定の電圧を印加し、挿入剤に由来する各電極121,122の電荷量を信号処理部2で測定する。得られた測定結果はハイブリダイゼーション率として表示部3に表示される。この第2の手法では、他の測定条件を同一にし、温度条件を変化させた複数の反応を生じさせているため、異なる温度条件で反応した複数の測定結果が得られる。
【0045】
図7は表示部3に表示される測定結果の一例を示す図である。RTO0は、相補プローブ電極121について検出された電荷量に基づき得られるハイブリダイゼーション率、RTO1,RTO2,RTO3は、準相補プローブ電極122について検出された電荷量に基づき得られるハイブリダイゼーション率であり、RTO1は第1準相補プローブ(1)1221のハイブリダイゼーション率、RTO2は第1準相補プローブ(2)1222のハイブリダイゼーション率、RTO3は第1準相補プローブ(3)1223のハイブリダイゼーション率である。図7(a)と図7(b)は異なる温度条件でハイブリダイゼーション反応を生じさせた測定結果である。具体的には、図7(b)の方が図7(a)よりも低い温度でハイブリダイゼーション反応を生じさせた場合に対応している。
【0046】
図7(a)に示すように、標的塩基配列の相補的な塩基配列と不一致の塩基数(非相補塩基数)に従ってハイブリダイゼーション率が減少している。従って、ハイブリダイゼーション反応は正常に行われていることが分かる。一方、図7(b)は、図7(a)と同様に、標的塩基配列の相補的な塩基配列と不一致の塩基数(非相補塩基数)に従ってハイブリダイゼーション率が減少している。従って、ハイブリダイゼーション反応は正常に行われていることが分かる。図7(a)と図7(b)を比較すると、図7(b)の場合の不一致の塩基数(非相補塩基数)の増加に伴うハイブリダイゼーション率の減少率は図7(a)の測定結果に比較して小さくなっている。従って、図7(b)のハイブリダイゼーション反応の方が、図7(a)のハイブリダイゼーション反応よりも最適化されているのが分かる。これら図7(a)及び(b)の測定結果により、ハイブリダイゼーション反応温度を下げることで、ハイブリダイゼーション反応を最適化できることがわかる。
【0047】
また、図7(a)や図7(b)の場合とさらに異なるハイブリダイゼーション反応条件の下で得られた測定結果の例を図8(a)及び(b)に示す。図8(a)及び(b)のいずれの場合も、RTO0>>RTO1>RTO2>RTO3の関係が不成立であり、標的塩基配列の相補的な塩基配列と不一致の塩基数とハイブリダイゼーション率との因果関係が見られない。RTO0の値が、正常なハイブリダイゼーション反応が起こっていることを示す場合のハイブリダイゼーション率である。従って、これよりもRTO1、RTO2、RTO3の値を大きい場合、少なくとも異常ハイブリダイゼーション反応が生じていることが分かる。異常ハイブリダイゼーション反応の原因は、ハイブリダイゼーション反応温度が低すぎる等の問題が考えられるので、ハイブリダイゼーション反応温度を高める対応などが考えられる。
【0048】
また、図7や図8の場合とさらに異なるハイブリダイゼーション反応条件の下で得られた測定結果の例を図9(a)及び(b)に示す。図9(a)の場合、RTO0≒RTO1>>RTO2>RTO3の関係が成立している。図9(b)の場合、RTO0≒RTO1≒RTO2≒RTO3の関係が成立している。いずれの場合も、図7(a)や図7(b)の場合のように、ハイブリダイゼーション率と不一致塩基数(非相補塩基数)との因果関係が無いか、あるいはあまり見られないため、異常ハイブリダイゼーション反応が生じていることが分かる。図8(a)や図8(b)の場合と同様に、異常ハイブリダイゼーション反応の原因は、ハイブリダイゼーション反応温度が低すぎる等の問題が考えられるので、ハイブリダイゼーション反応温度を高める対応などが考えられる。
【0049】
次に、ハイブリダイゼーション状態モニタリングの第3の手法を説明する。
【0050】
第3の手法では、まず、検体塩基配列を含む被験液をDNAチップ1内の各電極121,122に注入して、検体塩基配列とプローブとを接触させる。次に、注入した被験液に含まれる検体塩基配列と相補プローブ121a、準相補プローブ122aとでハイブリダイゼーション反応を生じさせる。ここでは、説明の便宜のため、検体塩基配列が標的塩基配列と同一の塩基配列を有するとして説明する。反応溶液は、所定のpHの緩衝液などが用いられる。また、反応は被験液を所定の温度で例えば1分以上行う。また、このハイブリダイゼーション反応の際、電極制御部4によりプローブ電極121,122に所定の電圧を印加することにより、従来数時間から数日必要であった反応を数分程度に短縮することができる。
【0051】
ハイブリダイゼーション反応が終了すると、プローブ電極121,122を所定の緩衝液で洗浄し、電極表面に形成された二本鎖部分に選択的に結合する挿入剤を作用させる。そして、挿入剤が作用したプローブ電極121,122に所定の電圧を印加する。挿入剤に由来する各電極121,122の電荷量を変化する各温度において信号処理部2で測定する。得られた測定結果はハイブリダイゼーション率として表示部3に表示される。
【0052】
図10は得られた第3の手法のハイブリダイゼーション状態モニタリングの概念と測定結果を示す図である。図10(a)は第3の手法のハイブリダイゼーション状態モニタリングの概念図、図10(b)〜(e)は測定結果である。
【0053】
図10(a)の最上段、上から2段、上から3段、最下段にいくにつれて、温度が低くなっていった場合の反応の概念図を示している。また、左端は相補プローブ121aと検体塩基配列のハイブリダイゼーション反応の模式図、左端から2番目が第1準相補プローブ(1)1221と検体塩基配列のハイブリダイゼーション反応の模式図、左端から3番目が第1準相補プローブ(2)1222と検体塩基配列のハイブリダイゼーション反応の模式図、右端が第1準相補プローブ(3)1223と検体塩基配列のハイブリダイゼーション反応の模式図である。この図10(a)より、温度が高い場合に比較して温度が低い場合の方が挿入剤の作用により相補プローブ121aあるいは準相補プローブ122aとのハイブリダイゼーション反応が生じやすくなっているのが分かる。また、標的塩基配列の塩基配列と相補的な塩基配列に対して不一致塩基数(非相補塩基数)の多いプローブほどハイブリダイゼーション反応が生じにくく、不一致塩基数(非相補塩基数)の少ないプローブほどハイブリダイゼーション反応が生じやすくなっているのが分かる。
【0054】
これら図10(a)で示す各測定条件で得られた測定結果は図10(b)〜(d)に示される。
【0055】
図10(b)〜(d)に示すように、温度が最も高い最上段の測定結果(図10(b))では、全体的にハイブリダイゼーション率が低く、各プローブ同士のハイブリダイゼーション率の比較が困難で、また標的塩基配列と相補的な塩基配列との不一致塩基数(非相補塩基数)とハイブリダイゼーション率との因果関係は見られない。
【0056】
次に温度が高い時の図10(a)の上から2段目の測定結果(図10(c))では、相補プローブ121aのハイブリダイゼーション率が最も高く、標的塩基配列と相補的な塩基配列との不一致塩基数(非相補塩基数)が増加するに従ってハイブリダイゼーション率が大きく減少しており、またハイブリダイゼーション率の減少率は、不一致塩基数(非相補塩基数)の増大に伴い減少している。これより、不一致塩基数(非相補塩基数)とハイブリダイゼーション率との因果関係が極めて明確に現れている。
【0057】
次に温度が高い時の図10(a)の上から3段目の測定結果(図10(d))では、相補プローブ121aのハイブリダイゼーション率が最も高く、標的塩基配列と相補的な塩基配列との不一致塩基数(非相補塩基数)が増加するに従ってハイブリダイゼーション率が大きく減少している点は、2番目に温度が高い図10(a)の上から2段目の測定結果と同じである。2番目に温度が高い測定結果と異なるのは、不一致塩基数(非相補塩基数)の増大に伴ってハイブリダイゼーション率の減少率はあまり変わらない点である。2段目の測定結果と比較すると、2段目の方がハイブリダイゼーション率と不一致塩基数(非相補塩基数)との因果関係が明確に現れているといえる。
【0058】
最も温度が低い時の図10(a)の最下段の測定結果(図10(e))では、不一致塩基数(非相補塩基数)とハイブリダイゼーション率との因果関係は見られず、相補プローブ121aのハイブリダイゼーション率よりも準相補プローブ122aのハイブリダイゼーション率の方が高くなっている場合も見受けられる。
【0059】
得られた測定結果のうち、RTO0>>RTO1>RTO2>RTO3の関係が成立する温度は、上から2段目の温度の場合である。従って、上から2段目の場合の測定結果が得られた温度条件をハイブリダイゼーション最適温度として検出する。
【0060】
本実施形態のハイブリダイゼーション状態モニタリングを実現するためのDNAチップ1の詳細な構造を図11に示す。図11に示すように、基板11上には、複数のスポットブロック91がマトリクス状に配置されている。スポットブロックとは、1種のプローブを固定するプローブ電極を少なくとも備え、さらには参照電極、対向電極の少なくとも一つを備える電極セットを備えた領域でかつ各ブロックの領域が互いに重なり領域を有しない領域であって、検体塩基配列と挿入剤を含む混合剤を各電極に滴下するためのスポッティング装置が1点として処理する単位に対応している。従って、スポットブロックは、スポッティング装置の最小分解能に応じて各ブロック間の距離などが定められており、あるスポットブロックにはスポッティング装置によりある1点検体塩基配列と挿入剤を含む混合剤が滴下され、他のスポットブロックにはスポッティング装置により他の1点検体塩基配列と挿入剤を含む混合剤が滴下される。スポッティング装置の最小分解能とは、スポッティング装置の1回の溶剤の滴下により溶剤が基板上に広がる領域であって、かつ溶剤の他の滴下により溶剤が基板上に広がる他の領域と重なり部分を持たず、溶剤の各滴下位置の距離を最小とする領域を指し、例えば100μm角以下の領域や直径100μm径以下の領域である。
【0061】
この最小分解能に対応してスポットブロックを配置することにより、あるスポットブロックに対する混合剤の滴下により、他のスポットブロックに対しては混合剤が滴下されない。すなわち、混合剤が互いに混合しないように、各スポットブロック毎に独立した滴下操作を行うことができる。
【0062】
各スポットブロック91には、同一種のプローブを固定化する固定化電極のみ、あるいは固定化電極と参照電極の組み合わせ、あるいは固定化電極、参照電極及び対向電極の組み合わせのいずれかの電極セットが配置される。固定化電極とは、相補プローブ121aや準相補プローブ122aを固定化させ、検体塩基配列とハイブリダイズさせるための電極である。対向電極とは、固定化電極との間で電極制御部4を用いて所定の電圧を与えることにより酸化還元反応などを生じさせるために配置された電極である。参照電極とは、固定化電極と対向電極の基準となる電極であり、例えばこの参照電極を基準とすることにより、参照電極に対する固定化電極の電位や対向電極の電位が測定される。
【0063】
図11(a)では、複数の固定化電極911からなる電極セット921が複数のスポットブロック91のうちのいくつかのブロックにp×q個マトリクス状に配置されている。この複数の固定化電極911は、前述した通りスポッティング装置のスポッティング機能の最小分解能に対応しているため、一回のスポッティングによりこの1つのスポットブロック91内のすべての固定化電極911に混合液が滴下される。
【0064】
図11(a)の例の場合、電極セット921が配置されたスポットブロック91にスポッティング装置により混合剤を滴下すると、p×q個の固定化電極911に一括して混合剤が供給される。
【0065】
また、この固定化電極911のみならなる電極セット921が配置されたスポットブロック91以外のブロックは、固定化電極911と参照電極912の組み合わせからなる電極セット922が配置されたブロックや、固定化電極911、参照電極912及び対向電極913の組み合わせからなる電極セット923が配置されたブロックである。電極セット922は、DNAチップ1上の複数のスポットブロック91のうち、最も外側の領域に配置されたブロック(例えば図11(a)ではマトリクス状のスポットブロックの最右列)に配置されている。
【0066】
電極セット923は、DNAチップ1上の複数のスポットブロック91のうち、最も内側の領域に配置されたブロックに配置されている。電極セット921は、電極セット922及び電極セット923が配置された以外のブロックに配置されている。
【0067】
なお、図11(a)の電極セット922が配置されるスポットブロック91を参照電極912のみからなる電極セットに置換し、電極セット923が配置されるスポットブロック91を対向電極913のみからなる電極セットに置換してもよい。
【0068】
図11(b)は、電極セットの別の配置例を示したものである。すべてのスポットブロック91内には固定化電極911、参照電極912及び対向電極913からなる同一の電極セット923がそれぞれ配置されている。各スポットブロック91内には、ブロック内の最も内側の領域に対向電極913が配置されている。また、この対向電極913を取り囲むように参照電極912が配置されている。そして、最も外側の領域に固定化電極911が配置されている。
【0069】
これら図11(a)及び(b)に示すように、スポッティング装置の最小分解能に対応してそれぞれスポットブロックを配置し、そのスポットブロック内に複数の電極からなる電極セットを配置することにより、各スポッティング領域に複数種の塩基配列プローブを配置することができる。従って、塩基配列プローブをスポッターの分解能以上の密度で実装し、DNAチップを小型化する。なお、上記実施形態において、検体核酸鎖と挿入剤は混合剤の形でDNAチップ1上に供給されているが、これらは別々の溶剤で供給されてももちろん構わない。
【0070】
なお、図11(a)及び(b)に示した電極セットの配置はあくまで一例である。例えば、対向電極913を基板11上の周辺領域に配置した上で、電極セット921からなるスポットブロック91を対向電極913に囲まれた領域内にマトリクス状に配置してもよい。また、電極セット913を配置するスポットブロック91aと電極セット911を配置するスポットブロック91bを列毎に交互に配置した構成としてもよい。その他、電極セットの配置を種々変更することができる。
【0071】
以上に示されたスポットブロック91のうち、固定化電極911と対向電極913の間に電圧を印加し、その電圧の印加により生じた電気分解などの反応により、ハイブリダイゼーション反応が生じたプローブと反応が生じないプローブとで異なる大きさの電流がこれら電極間に流れる。信号処理部2は、その電流を電気信号に変換し、表示部3に表示することにより、ハイブリダイゼーション率を確認することができる。ハイブリダイゼーション率を算出するために必要な信号を取得するためには、酸化還元電流変化、酸化還元電位変化、電気容量変化、コンダクタンスの変化、電気化学発光変化を指標にすることができる。例えばコンダクタンスの変化を得るためには、固定化電極911と対向電極913の間に一定電圧を印加して得られる電流量を測定し、あるいは一定電流を流して得られる電圧を測定することにより得られる。
【0072】
そして、得られたハイブリダイゼーション率のうち、標的相補塩基配列に対する不一致の塩基数(非相補塩基数)との因果関係が明らかな測定結果として得られたハイブリダイゼーション反応条件における相補プローブ121aのハイブリダイゼーション率を信頼できる測定結果として利用することができる。
【0073】
以上のハイブリダイゼーション率の測定を統計処理を用いて測定精度を向上させる手法の一例を以下説明する。
【0074】
統計処理を用いたモニタリングシステムを図12に示す。基本的な構成は図1のモニタリングシステムと同様であるが、信号処理部2と統計処理部5が接続されており、この統計処理部5に表示部3が接続されている。信号処理部2での信号処理により得られたハイブリダイゼーション率は、統計処理部5に出力される。統計処理部5は、得られたハイブリダイゼーション率に基づき統計処理を行い検定結果を導出し、その結果を表示部3に表示させる。また、統計処理部5には、統計処理部5で算出された統計処理結果を格納する記憶手段5aを有する。
【0075】
統計処理を用いた手法では、まず、標的塩基配列と相補性の無い塩基をi個有する第1準相補プローブRTi(iは1〜nの自然数)からなる第1準相補プローブ群の各プローブを固定化した電極と、第2準相補プローブ群の各第2準相補プローブを固定化した電極とをDNAチップ1に配置する。
【0076】
第2準相補プローブ群を構成する複数の第2準相補プローブは、標的塩基配列に対して相補性の低い準相補塩基配列を有する。さらに、その塩基配列は標的塩基配列と相補性の無い塩基の数(非相補塩基数)が前記第1準相補プローブの少なくとも1種と同一である。また、第2準相補プローブ群を構成する複数種の第2準相補プローブは、それぞれその塩基配列が異なっている。
【0077】
ここでは、第1準相補プローブRTi(iは1〜nの自然数)n種と、各第1準相補プローブRTiと非相補塩基数が同じで塩基配列の異なる第2準相補プローブを、塩基配列の異なる種類が第1準相補プローブとあわせてm種ずつ、合計m×n種の準相補プローブを固定化した電極をDNAチップ1に配置した。また、標的塩基配列と相補性のある塩基配列(標的相補塩基配列)を有する相補プローブも固定化されている。
【0078】
次に、これらm×n種の準相補プローブと、相補プローブとが配置されたDNAチップ1に対し上述した検体塩基配列の供給、ハイブリダイゼーション反応、挿入剤の滴下、信号処理部2での信号検出を行う。ここでは、説明の便宜のため、検体塩基配列と標的塩基配列は同一とする。
【0079】
得られた信号処理結果はハイブリダイゼーション率として統計処理部5に出力される。以下、標的塩基配列と相補性の無い塩基をi個有するm個のプローブのうちのj番目のプローブRTijのハイブリダイゼーション率をRTOijとする。
【0080】
具体的には、標的塩基配列と相補性の無い塩基を0個有する相補プローブRT0jのハイブリダイゼーション率は、RTO00、標的塩基配列と相補性の無い部分を1個有する準相補プローブRT1jのハイブリダイゼーション率は、RTO11〜RTO1m、標的塩基配列と相補性の無い部分をn個有する準相補プローブRTnjのハイブリダイゼーション率は、RTOn1〜RTOnmで与えられる。
【0081】
統計処理部5は、得られたハイブリダイゼーション率RTOijに基づき以下の統計処理手法(1)〜(4)の少なくとも一つを行う。
【0082】
統計処理手法(1)では、不一致の塩基数が等しいハイブリダイゼーション率RTOij(RTOi1〜RTOim)の平均値を算出する。そして、この平均値から、予め定められたしきい値φ以上外れたハイブリダイゼーション率RTOijを除外し、しきい値φの範囲内のハイブリダイゼーション率RTOijのみを抽出する。しきい値φは、不一致の塩基数に応じて定められていてもよいし、すべての不一致の塩基数に対して共通して与えられていてもよい。そして、抽出されたハイブリダイゼーション率RTOijのみを表示部3に表示させてモニタリングを行う。
【0083】
これにより、異常ハイブリダイゼーション反応を除外することができ、チップ出力値の信頼性を向上させることができる。
【0084】
統計処理手法(2)では、不一致の塩基数が等しいハイブリダイゼーション率RTOi1〜RTOimをそれぞれ加算し、不一致の塩基数が等しいハイブリダイゼーション率の合計値S
S=RTOi1+RTOi2+…+RTOim
を算出する。そして、得られた合計値Sをその不一致の塩基数に対するハイブリダイゼーション率の代表値としてモニタリングを行う。これにより、各ハイブリダイゼーション率が微小な場合であっても信頼性の高いモニタリングが可能となる。
【0085】
統計処理手法(3)では、不一致の塩基数が等しいハイブリダイゼーション率RTOij(RTOi1〜RTOim)の平均値を算出する。そして、この平均値から予め定められたしきい値φ以上外れたハイブリダイゼーション率RTOijを除外し、しきい値φの範囲内のハイブリダイゼーション率RTOijのみを抽出する。しきい値φは、不一致の塩基数(非相補塩基数)に応じて定められていてもよいし、すべての不一致の塩基数(非相補塩基数)に対して共通して与えられていてもよい。そして、抽出されたハイブリダイゼーション率RTOij’のうち、不一致の塩基数(非相補塩基数)が等しいハイブリダイゼーション率(RTOi0’〜RTOim’)の平均値(抽出平均値)を算出する。そして、得られた抽出平均値を不一致の塩基数(非相補塩基数)に対するハイブリダイゼーション率の代表値としてモニタリングを行う。これにより、不一致の塩基数(非相補塩基数)が等しいハイブリダイゼーション率を平均化することができ、信頼性の高いモニタリングが可能となる。
【0086】
統計処理手法(4)では、不一致の塩基数が等しいハイブリダイゼーション率RTOij(RTOi1〜RTOim)の平均値を算出する。そして、予め定められたしきい値φ以上外れたハイブリダイゼーション率RTOijを除外し、しきい値φの範囲内のハイブリダイゼーション率RTOijのみを抽出する。しきい値φは、不一致の塩基数に応じて定められていてもよいし、すべての不一致の塩基数(非相補塩基数)に対して共通して与えられていてもよい。そして、抽出されたハイブリダイゼーション率RTOij’のうち、不一致の塩基数(非相補塩基数)が等しいハイブリダイゼーション率(RTOi1’〜RTOim’)の平均値(抽出平均値)を算出する。そして、得られた抽出平均値を用いて不一致の塩基数(非相補塩基数)が等しいハイブリダイゼーション率の分散値siを算出する。分散値siは以下の式により算出される。
【0087】
なお、RTOi_’は、予め定められたしきい値φ以上外れたハイブリダイゼーション率を除外した後に算出され、不一致の塩基数(非相補塩基数)iが等しいハイブリダイゼーション率RTOij’(RTOi1’〜RTOim’)の抽出平均値であり、RTOi_’=(RTOi1’+RTOi2’+…+RTOim’)/mで示される。
【0088】
si={(RTOi1’−RTOi_’)2+(RTOi2’−RTOi_’)2+…+(RTOim’−RTOi_’)2}/(m−1)
そして、抽出された分散値siの検定を行い、得られた各ハイブリダイゼーション率が一定範囲に収まっているか否かを判定する。一定範囲に収まっていると判定される場合には、そのハイブリダイゼーション反応条件が採用可能であることを示し、一定範囲に収まっていないと判定される場合には、そのハイブリダイゼーション反応条件が採用できないことを示している。
【0089】
なお、統計処理手法(1)〜(4)は本発明にそれぞれ別個適用してもよいし、それぞれを複数組み合わせて適用してもよい。また、統計処理手法(1)〜(4)では、相補プローブは1種のみを用い、その1種のプローブのハイブリダイゼーション率RTO00を用いて統計処理を行う場合を示したが、これに限定されるものではない。例えば、標的塩基配列と相補性の無い塩基を0個有するが、異なる種類の相補プローブを第2準相補プローブと同様にm個準備して統計処理を行ってもよい。上記統計処理手法(1)〜(4)では、標的塩基配列と相補性の無い塩基数を示すiの値を1〜nとして計算したが、m個の種類の相補プローブを用いた場合、iの値を0〜nとして計算すればよい。
【0090】
以上説明したように本実施形態によれば、ハイブリダイゼーション反応時に、少なくとも一つのハイブリダイゼーション反応条件をリアルタイムで変更しつつ、誤ったハイブリダイゼーション反応の発生率を、変更するハイブリダイゼーション反応条件と関連づけて定量的にモニタリングできるため、少ないハイブリダイゼーション実験により最適なハイブリダイゼーション反応条件を容易に求めることができる。その結果、DNAチップの開発コストを低減できる。
【0091】
なお、上記実施形態では、固定化電極911と対向電極913の間の電圧や、固定化電極911に流れる電荷量、電流などに基づいてハイブリダイゼーション率を検出する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、図12に示すモニタリングシステムと信号処理部2を直接接続せず、別途撮像手段6を信号処理部2に接続する構成としてもよい。撮像手段を用いてハイブリダイゼーション状態を検出するには、検体塩基配列に蛍光物質等で標識を付したものを使用し、ハイブリダイゼーションが生じたプローブに蛍光が生じるようにする。ハイブリダイゼーション状態モニタリングシステムの一例を図13に示す。
【0092】
図13に示すように、撮像手段6により撮像されたDNAチップ1の各プローブ121aや122aのハイブリダイゼーション反応により生じる蛍光の明度を示す信号、あるいは蛍光の明度を撮像した画像データを信号処理部2に出力する。そして、信号処理部2は、受信した信号や画像データを信号処理することにより、各プローブ121aや122a毎にハイブリダイゼーション率を算出することができる。もちろん、図1に示すモニタリングシステムにもこの撮像手段6を適用することができる。
【0093】
また、準相補プローブの構成は図3に示したものに限定されない。第1準相補プローブの変形例を図14に示す。図14に示すように、第1準相補プローブ(1)1221の塩基配列は図3と同様である。
【0094】
第1準相補プローブ(2’)1222’の塩基配列は、第1準相補プローブ(1)1221のうちの標的相補塩基配列とは異なる塩基と隣接しない塩基が、標的相補塩基配列とは異なる塩基となるような塩基配列を有する。従って、相補プローブ121a中の標的相補塩基配列のうちの2つの塩基を他の塩基に置換した塩基配列を第1準相補プローブ(2’)1222’が有し、かつそれら2つの塩基は互いに隣接していない。
【0095】
第1準相補プローブ(3’)1223’の塩基配列は、第1準相補プローブ(2’)1222’のうちの標的相補塩基配列とは異なる2つの塩基と隣接しない1つの塩基が、標的相補塩基配列とは異なる塩基となるような塩基配列を有する。従って、相補プローブ121a中の標的相補塩基配列のうちの3つの塩基を他の塩基に置換した塩基配列を第1準相補プローブ(3’)1223’が有し、かつその3つの塩基はそれぞれ互いに隣接していない。
【0096】
このように、第1準相補プローブ(i’)122iは、第1準相補プローブ((i+1)’)122(i+1)と標的相補塩基配列に対する不一致の塩基数が一つ異なり、かつその不一致の塩基はそれぞれ塩基配列中で互いに隣接していなくてもよい。
【0097】
(第2実施形態)
本実施形態は第1実施形態の変形例に関わる。第1実施形態では、一塩基多型(SNP:Single Nucleotide Polymorphism)を考慮しない例を示したが、本実施形態は、標的塩基配列が一塩基多型を有する場合の実施形態に関する。第1実施形態と共通する部分の説明は省略する。
【0098】
図15は本実施形態のDNAチップ1の詳細な構成を示す図である。図15に示すように、基板11に複数のプローブ電極201,202が設けられている。プローブ電極201は相補プローブ電極であり、4種類の相補プローブ2011a〜2011dが各相補プローブ電極201a〜201dにそれぞれ固定される。プローブ電極202は準相補プローブ電極であり、準相補プローブ202aが固定される。相補プローブ電極201a〜201dは、塩基A検出用相補プローブ電極201a、塩基T検出用相補プローブ電極201b、塩基C検出用相補プローブ電極201c、塩基G検出用相補プローブ電極201dである。
【0099】
塩基A検出用相補プローブ電極201aには塩基A検出用相補プローブ2011aが固定され、塩基T検出用相補プローブ電極201bには塩基T検出用相補プローブ2011bが固定され、塩基C検出用相補プローブ電極201cには塩基C検出用相補プローブ2011cが固定され、塩基G検出用相補プローブ201dには塩基G検出用相補プローブ2011dが固定される。
【0100】
図16は本実施形態の相補プローブ2011a〜2011d、準相補プローブ202a及び標的塩基配列200の塩基配列の概念図である。標的塩基配列200は、SNPs塩基2001を有している。
【0101】
塩基A検出用相補プローブ2011aは、標的塩基配列200のSNPs塩基2001をAとした場合の標的塩基配列とは相補的な塩基配列(標的相補塩基配列:G−T−C−A−A−G−T)を有する。塩基T検出用相補プローブ2011bは、標的塩基配列のSNPs塩基2001をTとした場合の標的塩基配列とは相補的な塩基配列(標的相補塩基配列:G−T−C−T−A−G−T)を有する。塩基C検出用相補プローブ2011cは、標的塩基配列のSNPs塩基2001をCとした場合の標的塩基配列とは相補的な塩基配列(標的相補塩基配列:G−T−C−C−A−G−T)を有する。塩基G検出用相補プローブ2011dは、標的塩基配列のSNPs塩基2001をGとした場合の標的塩基配列とは相補的な塩基配列(標的相補塩基配列:G−T−C−G−A−G−T)を有する。
【0102】
準相補プローブ202aは、標的塩基配列200のうち、SNPs塩基2001をTとした場合の標的相補塩基配列のうち、1つの塩基を他の塩基に置換した塩基配列(G−T−C−T−T−G−T)を有する第1準相補プローブ(1)2021,2つの塩基を他の塩基に置換した塩基配列(G−T−C−T−T−C−T)を有する第1準相補プローブ(2)2022,3つの塩基を他の塩基に置換した塩基配列(G−T−C−T−T−C−A)を有する第1準相補プローブ(3)2023というように、塩基がi個異なる塩基配列を有する第1準相補プローブ(i)202iを有する。
【0103】
以上に示したプローブ、プローブ電極を有するDNAチップを用いて第1実施形態と同様の処理を行う。検体塩基配列が標的塩基配列のSNPがTである配列であったとすると、本実施形態の場合、塩基T検出用相補プローブ2011bのハイブリダイゼーション率が最大となった場合において、塩基T検出用相補プローブ2011bのハイブリダイゼーション率をTO、準相補プローブ202iのハイブリダイゼーション率をRTOiとした場合、TOとRTOiの関係を測定することにより、ハイブリダイゼーション反応の異常や適切なハイブリダイゼーション反応温度の指標を得ることができる。
【0104】
このように本実施形態によれば、標的塩基配列にSNPs塩基を有する場合であっても、第1実施形態と同様にハイブリダイゼーション反応のモニタリングを行うことができる。
【0105】
なお、準相補プローブ202aは、標的塩基配列200のSNPs塩基2001に対応する塩基がTとした場合について説明したが、他の塩基A,C,Gに置換された場合には別途同様に設定する。また、標的塩基配列200のSNPs塩基2001に対応する塩基をT,A,C,Gの4種類設定し、それぞれについて準相補プローブ202a〜202dを準相補プローブ電極202に固定してモニタリングを行ってもよい。
【0106】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0107】
上記実施形態では、検体塩基配列としてDNAの塩基配列を検出することにより、ハイブリダイゼーション反応の最適化を図る例を示したが、DNA以外にも他のRNAなどの塩基配列に広く適用可能である。
【0108】
また、出力手段の一例として表示部3により測定結果を表示する例を示したが、これに限定されることなく、最適なハイブリダイゼーション反応条件を音声により知らせてもよい。
【0109】
また、ハイブリダイゼーション反応の発生率の検出は、電荷量算出やコンダクタンス算出、蛍光撮像などにより行う例を示したが、これらに限定されない。
【0110】
また、図11に示すDNAチップ1の詳細な構成例では、固定化電極911、参照電極912、対向電極913の3種の電極を基板11上に配置する例を示したが、参照電極912や対向電極913は測定手法などに応じて適宜省略し、固定化電極911のみを配置しても本発明を適用できることはもちろんである。参照電極912や対向電極913を省略した場合、固定化電極911が配置された基板とは異なる基板上にこれら参照電極912や対向電極913を配置してもよい。
【0111】
相補プローブ、準相補プローブ、また検体塩基配列の構成材料は特に限定されるものではないが、DNA、RNA、PNA、メチルホスホネート骨格等の核酸、その他核酸類似体を用いることが可能である。
【0112】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ハイブリダイゼーション条件を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るハイブリダイゼーション状態モニタリングシステムの全体構成を示す図。
【図2】同実施形態に係るDNAチップの詳細な構成を示す図。
【図3】同実施形態に係る準相補プローブと標的塩基配列の概念図を示す図。
【図4】同実施形態に係る測定結果の一例を示す図。
【図5】同実施形態に係る測定結果の一例を示す図。
【図6】同実施形態に係る測定結果の一例を示す図。
【図7】同実施形態に係る測定結果の一例を示す図。
【図8】同実施形態に係る測定結果の一例を示す図。
【図9】同実施形態に係る測定結果の一例を示す図。
【図10】同実施形態に係るハイブリダイゼーション状態モニタリングの概念と測定結果を示す図。
【図11】同実施形態に係るDNAチップの詳細な構造を示す図。
【図12】同実施形態に係る統計処理を用いたモニタリングシステムの一例を示す図。
【図13】同実施形態に係る統計処理を用いたモニタリングシステムの変形例を示す図。
【図14】同実施形態に係る準相補プローブの変形例を示す図。
【図15】本発明の第2実施形態のDNAチップの詳細な構成を示す図。
【図16】同実施形態に係る相補プローブ、準相補プローブ202a及び標的核酸鎖の塩基配列の概念図
【符号の説明】
1…DNAチップ
2…信号処理部
3…表示部
4…電極制御部
91…スポットブロック
120…標的塩基配列
121…相補プローブ電極
121a…相補プローブ
122…準相補プローブ電極
122a…準相補プローブ
921〜923…電極セット
1221…第1準相補プローブ(1)
1222…第1準相補プローブ(2)
1223…第1準相補プローブ(3)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a base sequence detection chip, a hybridization monitoring system, and a hybridization monitoring method used for genetic testing and the like.
[0002]
[Prior art]
In recent years, gene testing technology using a DNA chip as a DNA detection sensor has attracted attention. In the inspection using this DNA chip, DNA probes are arranged in a plurality of matrix arrays provided on the DNA chip. Then, by detecting the presence or absence of a hybridization reaction between the sample DNA and the DNA probe, information such as the base sequence of the sample DNA can be acquired.
[0003]
When hybridization is performed on a DNA chip, if the reaction conditions are not optimum, the probability that the sample DNA will hybridize incorrectly, that is, bind to an irrelevant DNA probe increases.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, since there is no quantitative method for determining hybridization conditions, it is necessary to perform many experiments with different hybridization conditions. For this reason, there has been a problem that the development cost of the DNA chip becomes high.
[0005]
In addition, when the optimal hybridization conditions differ depending on the type of DNA or probe DNA to be detected, there has been a problem that the development cost of the DNA chip is further increased.
[0006]
The present invention has been made to solve the above-mentioned problems, and an object thereof is to provide a base sequence detection chip, a hybridization monitoring system, and a hybridization monitoring method for optimizing hybridization conditions. It is in.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
According to one aspect of the invention,A plurality of first complementary base sequences having a substrate and a quasi-complementary base sequence that is immobilized on the substrate and is less complementary to the target base sequence than the target complementary base sequence complementary to the target base sequence to be detected A plurality of types of first quasi-complementary probes, a base sequence detection chip comprising a first quasi-complementary probe group having different numbers of non-complementary bases that are not complementary to the target base sequence; , Detecting means for detecting the rate of occurrence of the hybridization reaction between each first quasi-complementary probe and the sample base sequence in the base sequence detection chip, changing means for changing the reaction conditions of the hybridization reaction, and detection by the detecting means A storage means for storing the occurrence rate of the generated hybridization reaction in association with the reaction condition, and based on the occurrence rate of the hybridization reaction in each reaction condition. Hybridization monitoring system comprising a detection means for detecting an optimal reaction conditions haveIs provided.
[0009]
According to such a configuration, the occurrence rate of an erroneous hybridization reaction can be quantitatively monitored during the hybridization reaction in association with the hybridization reaction condition, so that the optimal hybridization reaction condition can be easily achieved by a small number of hybridization experiments. Can be requested.
[0011]
In addition, according to another embodiment of the present invention, the quasi-complementary that is less complementary to the target base sequence than the target complementary base sequence that is immobilized on the substrate and complementary to the target base sequence. The plurality of second quasi-complementary probes each having a base sequence includes a second quasi-complementary probe group having the same number of non-complementary bases and different base sequences. Thereby, it is not necessary to select a quasi-complementary probe that is optimal for monitoring, and it is possible to reduce measurement variations such as a decrease in measurement accuracy due to erroneous selection of a quasi-complementary probe.
[0012]
According to another embodiment of the present invention, the solvent spreads on the substrate by one dropping of the solvent of the spotting device on the substrate, and the solvent is dropped on the substrate by another dropping of the solvent. There are a plurality of regions that do not overlap with other regions that spread out and minimize the distance between each solvent dropping position, and a plurality of types of semi-complementary probes are formed in each region. As a result, the quasi-complementary probes can be mounted at a density higher than the resolution of the spotting device, so that the base sequence detection chip can be miniaturized. Moreover, it can use for an error test by performing a statistical process etc. using the output result obtained from a some probe.
[0013]
According to another embodiment of the present invention, based on the occurrence rate detected by the detection means, the first and second quasi-complementary probe groups have the same number of non-complementary bases and the base sequences of each other. A first statistical process for calculating an average value of the occurrence rate of hybridization reactions in a plurality of quasi-complementary probes having different values and excluding a reaction rate that deviates from the average value by a predetermined threshold value φ or more, the number of non-complementary bases Second statistical processing for calculating a representative value by adding the occurrence rates of hybridization reactions in a plurality of quasi-complementary probes having the same base sequence and different base sequences, and the occurrence of a reaction obtained as a result of being excluded by the first statistical processing A third statistical process for calculating an average value of the rates, and a fourth statistical process for calculating a variance value of the reaction rate obtained as a result of being excluded by the first statistical process. Further comprising a processing means. Thereby, the monitoring accuracy of the hybridization state can be improved.
[0014]
According to another embodiment of the present invention, the detector further includes an immobilization electrode disposed on the substrate and immobilizing the first or second quasi-complementary probe, and a counter electrode. The occurrence rate of the hybridization reaction is calculated based on the amount of charge flowing from the activating electrode. According to another embodiment of the present invention, the detector further includes an immobilization electrode disposed on the substrate and immobilizing the first or second quasi-complementary probe, and a counter electrode. The rate of occurrence of the hybridization reaction is calculated based on the conductance obtained based on the voltage or current between the counter electrode and the counter electrode. According to another embodiment of the present invention, the imaging device further includes imaging means for imaging the first or second quasi-complementary probe of the base sequence detection chip after the hybridization reaction, and the detection means includes the imaging means. The occurrence rate of the hybridization reaction is calculated based on the brightness of the fluorescence imaged.
[0015]
Further, the present invention relating to an apparatus is also established as an invention of a method realized by the apparatus.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0017]
(First embodiment)
FIG. 1 is a diagram showing an overall configuration of a hybridization state monitoring system according to the first embodiment of the present invention. As shown in FIG. 1, a
[0018]
FIG. 2 is a diagram showing a detailed configuration of the
[0019]
A
[0020]
In applying a voltage to each probe electrode, a three-electrode system using a reference electrode in addition to the counter electrode may be used.
[0021]
The target base sequence is a base sequence targeted for detection. The sample base sequence is a sample base sequence to be tested, and the hybridization reaction is monitored by hybridizing the sample base sequence with a complementary probe or semi-complementary probe.
[0022]
A complementary probe is a probe used for detecting whether or not a sample base sequence includes a target base sequence, and has a base sequence complementary to the target base sequence (target complementary base sequence). In addition, in order to compare the hybridization reaction of the complementary probe with that of the semi-complementary probe, it should be used not only for detecting whether the sample base sequence has the target base sequence, but also for monitoring the hybridization status. You can also.
[0023]
The quasi-complementary probe is a probe used for optimizing the hybridization reaction conditions by monitoring the hybridization state, and is at least a base sequence complementary to the target base sequence (target complementary base sequence). It has a base sequence in which one base (any one or more of bases from the start base to the end base) is replaced with another base.
[0024]
In the following embodiments, the hybridization reaction conditions include not only conditions for causing a hybridization reaction between a certain nucleotide sequence and another nucleotide sequence, but also the detection of a double strand in which this hybridization reaction has occurred. Processing conditions in necessary steps are also included.
[0025]
A conceptual diagram of the
[0026]
There are a plurality of types of
[0027]
The first quasi-complementary probe (2) 1222 is a base in which a base adjacent to a base different from the target complementary base sequence in the first quasi-complementary probe (1) 1221 is a base different from the target complementary base sequence. Has an array. Therefore, the first quasi-complementary probe (2) 1222 has a base sequence in which two bases in the target complementary base sequence in the
[0028]
The first quasi-complementary probe (3) 1223 is different from the target-complementary base sequence in one base adjacent to two bases different from the target complementary base sequence in the first quasi-complementary probe (2) 1222. It has a base sequence that becomes a base. Therefore, the first quasi-complementary probe (3) 1223 has a base sequence in which three bases in the target complementary base sequence in the
[0029]
Similarly, the first quasi-complementary probe (i) 122i is adjacent to (i-1) bases different from the target complementary sequence of the first quasi-complementary probes (i-1) 122 (i-1). One base has a base sequence that is different from the target complementary base sequence. Each probe of the first quasi-complementary probe group is immobilized on a different electrode.
[0030]
The first quasi-complementary probe (1) 1221 to the first quasi-complementary probe (3) 1223 shown in FIG. 3 show an example. In the case of the first quasi-complementary probe (i) 122i, there are i bases different from the target complementary base sequence, and this i base is any of the base sequences, and the i bases are the target. It is freely determined from three bases other than a specific base among A, G, C, and T selected as complementary base sequences. All of these possible types or a plurality of types may be fixed to each
[0031]
In this embodiment, for convenience of explanation, each of the first quasi-complementary probe (1) 1221, the first quasi-complementary probe (2) 1222, and the first quasi-complementary probe (3) 1223 has a
[0032]
Next, a first technique for monitoring the hybridization state using the hybridization state monitoring system shown in FIGS. 1 to 3 will be described.
[0033]
First, a test solution containing a sample base sequence is injected and brought into contact with each of the
[0034]
When the hybridization reaction is completed, the
[0035]
FIG. 4 is a diagram illustrating an example of measurement results displayed on the
[0036]
FIG. 4 (a) and FIG. 4 (b) are measurement results under different hybridization reaction conditions. Different hybridization reaction conditions include, for example, the reaction temperature, the base sequence of the quasi-complementary probe to be reacted, the ionic strength and pH of the test solution, the type and conditions of the hybridization accelerator, the conditions such as stirring and shaking, and the reaction time. These include the type and concentration of the intercalating agent, the ionic strength of the intercalating agent buffer, pH, and various conditions thereof.
[0037]
As shown in FIG. 4 (a), the hybridization rate decreases according to the number of bases that do not match the complementary base sequence of the target base sequence. Therefore, it can be seen that the hybridization reaction is normally performed. On the other hand, in FIG. 4B as well, the hybridization rate decreases according to the number of bases that do not match the complementary base sequence of the target base sequence (the number of non-complementary bases). Therefore, it can be seen that the hybridization reaction is normally performed.
[0038]
Comparing FIG. 4 (a) and FIG. 4 (b), the decrease rate of the hybridization rate with the increase in the number of mismatched bases (the number of non-complementary bases) in FIG. 4 (a) is shown in FIG. 4 (b). It is smaller than the measurement result. Therefore, it can be seen that the hybridization reaction in FIG. 4B is optimized more than the hybridization reaction in FIG.
[0039]
5A and 5B show examples of measurement results obtained under further different hybridization reaction conditions than those in FIGS. 4A and 4B. In both cases of FIGS. 5A and 5B, RTO0>> RTO1> RTO2> RTOThreeThis relationship is not established, and a causal relationship between the number of bases that do not match the complementary base sequence of the target base sequence (the number of non-complementary bases) and the hybridization rate is not observed. RTO0Is the hybridization rate when a normal hybridization reaction is occurring. Therefore, RTO than this1, RTO2, RTOThreeWhen the value of is large, it can be seen that at least an abnormal hybridization reaction has occurred. The cause of the abnormal hybridization reaction may be a problem that the hybridization conditions such as contamination of impurities and the hybridization reaction temperature are too low.
[0040]
Examples of measurement results obtained under further different hybridization reaction conditions than those in FIGS. 4 and 5 are shown in FIGS. In the case of FIG. 6A, RTO0≒ RTO1>> RTO2> RTOThreeThe relationship is established. In the case of FIG. 6B, RTO0≒ RTO1≒ RTO2≒ RTOThreeThe relationship is established. In either case, there is no causal relationship between the hybridization rate and the number of mismatched bases (number of non-complementary bases) as in the case of FIG. 4 (a) or FIG. 4 (b). It can be seen that an abnormal hybridization reaction has occurred. As in FIGS. 5 (a) and 5 (b), abnormal hybridization reactions may be caused by problems such as contamination of impurities and hybridization conditions such as the hybridization reaction temperature being too low. It is done.
[0041]
Next, a second technique for monitoring the hybridization state will be described. Detailed description of the apparatus used and parts common to the first method will be omitted.
[0042]
Unlike the first method for monitoring the hybridization state, this second method is non-complementary in measuring the hybridization rate using a plurality of first quasi-complementary probes having different number of mismatched bases (number of non-complementary bases). This is a point of analyzing the hybridization rate according to the number of bases in association with the temperature condition.
[0043]
First, a test solution containing the sample base sequence is injected into each of the
[0044]
When the hybridization reaction is completed, the
[0045]
FIG. 7 is a diagram illustrating an example of measurement results displayed on the
[0046]
As shown in FIG. 7A, the hybridization rate decreases according to the number of bases that do not match the complementary base sequence of the target base sequence (the number of non-complementary bases). Therefore, it can be seen that the hybridization reaction is normally performed. On the other hand, as in FIG. 7A, the hybridization rate in FIG. 7B decreases according to the number of bases that do not match the complementary base sequence of the target base sequence (the number of non-complementary bases). Therefore, it can be seen that the hybridization reaction is normally performed. Comparing FIG. 7 (a) and FIG. 7 (b), the decrease rate of the hybridization rate accompanying the increase in the number of mismatched bases (the number of non-complementary bases) in FIG. 7 (b) is shown in FIG. 7 (a). It is smaller than the measurement result. Therefore, it can be seen that the hybridization reaction in FIG. 7B is optimized more than the hybridization reaction in FIG. From the measurement results of FIGS. 7A and 7B, it can be seen that the hybridization reaction can be optimized by lowering the hybridization reaction temperature.
[0047]
8A and 8B show examples of measurement results obtained under further different hybridization reaction conditions than those in FIGS. 7A and 7B. In both cases of FIGS. 8A and 8B, RTO0>> RTO1> RTO2> RTOThreeIs not established, and a causal relationship between the number of bases that do not match the complementary base sequence of the target base sequence and the hybridization rate is not observed. RTO0Is the hybridization rate when a normal hybridization reaction is occurring. Therefore, RTO than this1, RTO2, RTOThreeWhen the value of is large, it can be seen that at least an abnormal hybridization reaction has occurred. The cause of the abnormal hybridization reaction may be a problem such as the hybridization reaction temperature being too low, and a countermeasure for increasing the hybridization reaction temperature may be considered.
[0048]
Examples of measurement results obtained under further different hybridization reaction conditions than those in FIGS. 7 and 8 are shown in FIGS. 9 (a) and 9 (b). In the case of FIG. 9A, RTO0≒ RTO1>> RTO2> RTOThreeThe relationship is established. In the case of FIG. 9B, RTO0≒ RTO1≒ RTO2≒ RTOThreeThe relationship is established. In either case, there is no causal relationship between the hybridization rate and the number of mismatched bases (the number of non-complementary bases) as in the case of FIG. 7 (a) or FIG. 7 (b). It can be seen that an abnormal hybridization reaction has occurred. As in the case of FIGS. 8A and 8B, the cause of the abnormal hybridization reaction may be a problem such as the hybridization reaction temperature being too low. It is done.
[0049]
Next, a third technique for monitoring the hybridization state will be described.
[0050]
In the third method, first, a test solution containing a sample base sequence is injected into each of the
[0051]
When the hybridization reaction is completed, the
[0052]
FIG. 10 is a diagram showing the concept of hybridization state monitoring and measurement results of the obtained third method. FIG. 10A is a conceptual diagram of the third state of hybridization state monitoring, and FIGS. 10B to 10E are measurement results.
[0053]
FIG. 10A is a conceptual diagram of the reaction when the temperature decreases as it goes from the top, the top two, the top three, and the bottom in FIG. The left end is a schematic diagram of the hybridization reaction between the
[0054]
The measurement results obtained under the measurement conditions shown in FIG. 10A are shown in FIGS. 10B to 10D.
[0055]
As shown in FIGS. 10 (b) to 10 (d), the uppermost measurement result (FIG. 10 (b)) with the highest temperature has a low overall hybridization rate, and the comparison of the hybridization rates between the probes. In addition, there is no causal relationship between the number of mismatched bases (number of non-complementary bases) between the target base sequence and the complementary base sequence and the hybridization rate.
[0056]
Next, in the measurement result in the second stage from the top in FIG. 10A when the temperature is high (FIG. 10C), the hybridization rate of the
[0057]
Next, in the measurement result in the third stage from the top in FIG. 10A when the temperature is high (FIG. 10D), the
[0058]
In the measurement result at the bottom of FIG. 10A when the temperature is the lowest (FIG. 10E), there is no causal relationship between the number of mismatched bases (number of non-complementary bases) and the hybridization rate. In some cases, the hybridization rate of the
[0059]
Of the obtained measurement results, RTO0>> RTO1> RTO2> RTOThreeThe temperature at which this relationship is established is the temperature at the second stage from the top. Therefore, the temperature condition at which the measurement result in the second stage from the top is obtained is detected as the optimum hybridization temperature.
[0060]
FIG. 11 shows a detailed structure of the
[0061]
By arranging the spot blocks corresponding to this minimum resolution, the mixture is not dropped on other spot blocks due to the drop of the mixture on one spot block. That is, an independent dropping operation can be performed for each spot block so that the mixed agents are not mixed with each other.
[0062]
Each
[0063]
In FIG. 11A, an
[0064]
In the case of the example in FIG. 11A, when the mixed agent is dropped onto the
[0065]
Further, blocks other than the
[0066]
The electrode set 923 is arranged in a block arranged in the innermost region among the plurality of spot blocks 91 on the
[0067]
In addition, the
[0068]
FIG. 11B shows another arrangement example of the electrode set. In all the spot blocks 91, the same electrode set 923 including the fixed
[0069]
As shown in FIGS. 11 (a) and 11 (b), each spot block is arranged corresponding to the minimum resolution of the spotting device, and an electrode set composed of a plurality of electrodes is arranged in the spot block. Plural kinds of base sequence probes can be arranged in the spotting region. Therefore, the base sequence probe is mounted at a density higher than the resolution of the spotter, and the DNA chip is miniaturized. In the above embodiment, the sample nucleic acid chain and the intercalating agent are supplied on the
[0070]
In addition, arrangement | positioning of the electrode set shown to Fig.11 (a) and (b) is an example to the last. For example, after the
[0071]
Among the spot blocks 91 shown above, a voltage is applied between the fixed
[0072]
Then, of the obtained hybridization rates, the hybridization of the
[0073]
An example of a method for improving the measurement accuracy of the above hybridization rate measurement using statistical processing will be described below.
[0074]
A monitoring system using statistical processing is shown in FIG. The basic configuration is the same as that of the monitoring system of FIG. 1, but the
[0075]
In the technique using statistical processing, first, the first quasi-complementary probe RT having i bases that are not complementary to the target base sequenceiThe
[0076]
The plurality of second quasi-complementary probes constituting the second quasi-complementary probe group have quasi-complementary base sequences having low complementarity to the target base sequence. Furthermore, the number of bases that are not complementary to the target base sequence (the number of non-complementary bases) is the same as that of at least one of the first quasi-complementary probes. Further, the plurality of types of second quasi-complementary probes constituting the second quasi-complementary probe group have different base sequences.
[0077]
Here, the first quasi-complementary probe RTi(I is a natural number of 1 to n) n types and each first quasi-complementary probe RTiThe second quasi-complementary probes with the same number of non-complementary bases and different base sequences were immobilized in a total of mxn types of quasi-complementary probes, each of which is different from the first quasi-complementary probe in different types of base sequences. The electrode was placed on the
[0078]
Next, supply of the above-described sample base sequence, hybridization reaction, dropping of the intercalating agent, signal in the
[0079]
The obtained signal processing result is output to the
[0080]
Specifically, a complementary probe RT having zero bases that are not complementary to the target base sequence0jHybridization rate of RTO00Quasi-complementary probe RT having one part that is not complementary to the target base sequence1jHybridization rate of RTO11~ RTO1mQuasi-complementary probe RT having n portions not complementary to the target base sequencenjHybridization rate of RTOn1~ RTOnmGiven in.
[0081]
The
[0082]
In statistical processing method (1), hybridization rate RTO with the same number of mismatched basesij(RTOi1~ RTOim) Is calculated. The hybridization rate RTO deviates from the average value by a predetermined threshold value φ or more.ijHybridization rate RTO within the range of the threshold φijExtract only. The threshold value φ may be determined according to the number of mismatched bases, or may be given in common to all the number of mismatched bases. And the extracted hybridization rate RTOijIs displayed on the
[0083]
Thereby, an abnormal hybridization reaction can be excluded and the reliability of the chip output value can be improved.
[0084]
In statistical processing method (2), hybridization rate RTO with the same number of mismatched basesi1~ RTOimAnd the total value S of the hybridization rates with the same number of mismatched bases.
S = RTOi1+ RTOi2+ ... + RTOim
Is calculated. Then, the obtained total value S is monitored as a representative value of the hybridization rate for the number of mismatched bases. This enables highly reliable monitoring even when the hybridization rate is very small.
[0085]
In statistical processing method (3), hybridization rate RTO with the same number of mismatched basesij(RTOi1~ RTOim) Is calculated. The hybridization rate RTO deviates from the average value by a predetermined threshold value φ or more.ijHybridization rate RTO within the range of the threshold φijExtract only. The threshold value φ may be determined according to the number of mismatched bases (number of non-complementary bases), or may be given in common to all the number of mismatched bases (number of non-complementary bases). Good. And the extracted hybridization rate RTOijHybridization rate (RTO) with the same number of mismatched bases (number of non-complementary bases)i0'~ RTOim′) Average value (extraction average value) is calculated. The obtained extraction average value is monitored as a representative value of the hybridization rate with respect to the number of mismatched bases (the number of non-complementary bases). As a result, hybridization rates with the same number of mismatched bases (the number of non-complementary bases) can be averaged, and highly reliable monitoring is possible.
[0086]
In statistical processing method (4), hybridization rate RTO with the same number of mismatched basesij(RTOi1~ RTOim) Is calculated. The hybridization rate RTO deviates by more than a predetermined threshold φijHybridization rate RTO within the range of the threshold φijExtract only. The threshold value φ may be determined according to the number of mismatched bases, or may be given in common to all the number of mismatched bases (number of non-complementary bases). And the extracted hybridization rate RTOijHybridization rate (RTO) with the same number of mismatched bases (number of non-complementary bases)i1'~ RTOim′) Average value (extraction average value) is calculated. Then, using the obtained extracted average value, the variance value s of hybridization rates with the same number of mismatched bases (number of non-complementary bases)iIs calculated. Variance value siIs calculated by the following equation.
[0087]
RTOi_ 'Is calculated after excluding a hybridization rate that deviates by more than a predetermined threshold value φ, and a hybridization rate RTO with the same number of mismatched bases (number of non-complementary bases) iij’(RTOi1'~ RTOim′) Extracted average value and RTOi_ ’= (RTOi1'+ RTOi2’+… + RTOim′) / M.
[0088]
si= {(RTOi1'-RTOi_ ’)2+ (RTOi2'-RTOi_ ’)2+ ... + (RTOim'-RTOi_ ’)2} / (M-1)
And the extracted variance value siTo determine whether each obtained hybridization rate is within a certain range. If it is determined that it falls within a certain range, it indicates that the hybridization reaction condition can be adopted, and if it is judged that it does not fall within a certain range, the hybridization reaction condition cannot be adopted. It is shown that.
[0089]
The statistical processing methods (1) to (4) may be applied separately to the present invention, or may be applied in combination with each other. In statistical processing methods (1) to (4), only one type of complementary probe is used, and the hybridization rate RTO of the one type of probe is used.00Although the case where statistical processing is performed using is shown, it is not limited to this. For example, although there are 0 bases that are not complementary to the target base sequence, m different types of complementary probes may be prepared and statistical processing may be performed in the same manner as the second quasi-complementary probe. In the statistical processing methods (1) to (4), the value of i indicating the number of bases not complementary to the target base sequence is calculated as 1 to n. However, when m kinds of complementary probes are used, i The value may be calculated as 0 to n.
[0090]
As described above, according to the present embodiment, at the time of the hybridization reaction, at least one hybridization reaction condition is changed in real time, and the occurrence rate of an erroneous hybridization reaction is correlated with the changed hybridization reaction condition. Since the monitoring can be performed quantitatively, the optimal hybridization reaction conditions can be easily obtained by a small number of hybridization experiments. As a result, the development cost of the DNA chip can be reduced.
[0091]
In the above embodiment, the example in which the hybridization rate is detected based on the voltage between the fixed
[0092]
As shown in FIG. 13, a
[0093]
Further, the configuration of the quasi-complementary probe is not limited to that shown in FIG. A modification of the first quasi-complementary probe is shown in FIG. As shown in FIG. 14, the base sequence of the first quasi-complementary probe (1) 1221 is the same as in FIG.
[0094]
The base sequence of the first quasi-complementary probe (2 ′) 1222 ′ is a base that is not adjacent to a base different from the target-complementary base sequence of the first quasi-complementary probe (1) 1221, but is different from the target complementary base sequence. The base sequence is as follows. Therefore, the first quasi-complementary probe (2 ′) 1222 ′ has a base sequence in which two bases in the target complementary base sequence in the
[0095]
The base sequence of the first quasi-complementary probe (3 ′) 1223 ′ is such that one base that is not adjacent to two bases different from the target-complementary base sequence of the first quasi-complementary probe (2 ′) 1222 ′ It has a base sequence that is different from the base sequence. Therefore, the first quasi-complementary probe (3 ′) 1223 ′ has a base sequence in which three bases in the target complementary base sequence in the
[0096]
Thus, the first quasi-complementary probe (i ′) 122i is different from the first quasi-complementary probe ((i + 1) ′) 122 (i + 1) in the number of mismatched bases with respect to the target complementary base sequence, and the mismatched The bases may not be adjacent to each other in the base sequence.
[0097]
(Second Embodiment)
This embodiment relates to a modification of the first embodiment. In the first embodiment, an example in which single nucleotide polymorphism (SNP) is not taken into consideration has been shown, but this embodiment relates to an embodiment in which the target nucleotide sequence has a single nucleotide polymorphism. Descriptions of parts common to the first embodiment are omitted.
[0098]
FIG. 15 is a diagram showing a detailed configuration of the
[0099]
The base A detection
[0100]
FIG. 16 is a conceptual diagram of the base sequences of the
[0101]
The base A detection
[0102]
The
[0103]
The same processing as in the first embodiment is performed using the DNA chip having the probe and the probe electrode described above. Assuming that the sample base sequence is a sequence in which the SNP of the target base sequence is T, in this embodiment, the base T detection complementary probe when the hybridization rate of the base T detection
[0104]
Thus, according to the present embodiment, even when the target base sequence has SNPs bases, the hybridization reaction can be monitored as in the first embodiment.
[0105]
The
[0106]
The present invention is not limited to the above embodiment.
[0107]
In the above embodiment, an example in which the hybridization reaction is optimized by detecting the base sequence of DNA as the sample base sequence has been described. However, the present invention can be widely applied to base sequences such as other RNAs in addition to DNA. .
[0108]
Moreover, although the example which displays a measurement result on the
[0109]
In addition, although the detection of the occurrence rate of the hybridization reaction has been illustrated by performing charge amount calculation, conductance calculation, fluorescence imaging, and the like, it is not limited thereto.
[0110]
Further, in the detailed configuration example of the
[0111]
The constituent materials of the complementary probe, semi-complementary probe, and sample base sequence are not particularly limited, but nucleic acids such as DNA, RNA, PNA, methylphosphonate skeleton, and other nucleic acid analogs can be used.
[0112]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, hybridization conditions can be optimized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an overall configuration of a hybridization state monitoring system according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a view showing a detailed configuration of a DNA chip according to the embodiment.
FIG. 3 is a diagram showing a conceptual diagram of a quasi-complementary probe and a target base sequence according to the embodiment.
FIG. 4 is a view showing an example of a measurement result according to the embodiment.
FIG. 5 is a view showing an example of a measurement result according to the embodiment.
FIG. 6 is a view showing an example of a measurement result according to the embodiment.
FIG. 7 is a view showing an example of a measurement result according to the embodiment.
FIG. 8 is a view showing an example of a measurement result according to the embodiment.
FIG. 9 is a view showing an example of a measurement result according to the embodiment.
FIG. 10 is a view showing a concept of hybridization state monitoring and measurement results according to the embodiment.
FIG. 11 is a view showing a detailed structure of the DNA chip according to the embodiment.
FIG. 12 is a diagram showing an example of a monitoring system using statistical processing according to the embodiment.
FIG. 13 is a view showing a modification of the monitoring system using statistical processing according to the embodiment.
FIG. 14 is a view showing a modification of the quasi-complementary probe according to the embodiment.
FIG. 15 is a diagram showing a detailed configuration of a DNA chip according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 16 is a conceptual diagram of the base sequences of the complementary probe,
[Explanation of symbols]
1 ... DNA chip
2 ... Signal processor
3 ... Display section
4 ... Electrode controller
91 ... Spot block
120: Target base sequence
121 ... Complementary probe electrode
121a ... complementary probe
122... Semi-complementary probe electrode
122a ... Semi-complementary probe
921-923 ... Electrode set
1221: First quasi-complementary probe (1)
1222 ... First quasi-complementary probe (2)
1223 ... First quasi-complementary probe (3)
Claims (9)
前記基板上に固定化された、検出の目的とする標的塩基配列と相補性のある標的相補塩基配列よりも前記標的塩基配列に対して相補性の低い準相補塩基配列を有する複数種の第1準相補プローブを有し、前記複数種の第1準相補プローブは、前記標的塩基配列と相補性の無い非相補塩基数が互いに異なっている第1準相補プローブ群とを備えた塩基配列検出用チップと、
前記塩基配列検出用チップにおける各々の第1準相補プローブと検体塩基配列とのハイブリダイゼーション反応の発生率を検出する検出手段と、
前記ハイブリダイゼーション反応の反応条件を変更する変更手段と、
前記検出手段により検出されたハイブリダイゼーション反応の発生率を前記反応条件に関連づけて格納する記憶手段と、
前記各々の反応条件における前記ハイブリダイゼーション反応の発生率に基づいて最適な反応条件を検出する検出手段とを具備するハイブリダイゼーションモニタリングシステム。A substrate,
A plurality of kinds of first bases having a quasi-complementary base sequence which is immobilized on the substrate and has a lower complementarity to the target base sequence than a target complementary base sequence complementary to the target base sequence to be detected A plurality of types of first quasi-complementary probes having a quasi-complementary probe, and a first quasi-complementary probe group having different numbers of non-complementary bases that are not complementary to the target base sequence, Chips,
Detection means for detecting a rate of occurrence of a hybridization reaction between each first quasi-complementary probe and the sample base sequence in the base sequence detection chip;
Changing means for changing reaction conditions of the hybridization reaction;
Storage means for storing the occurrence rate of the hybridization reaction detected by the detection means in association with the reaction conditions;
A hybridization monitoring system comprising detection means for detecting an optimal reaction condition based on the rate of occurrence of the hybridization reaction under each of the reaction conditions.
前記検出手段は、前記固定化電極から流れる電荷量に基づきハイブリダイゼーション反応の発生率を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリダイゼーションモニタリングシステム。An immobilized electrode disposed on the substrate and immobilizing the first quasi-complementary probe or the second quasi-complementary probe; and a counter electrode;
Said detecting means, hybridization monitoring system according to claim 1 or 2, characterized in that to calculate the incidence of hybridization reaction based on the amount of charge flowing from the fixed electrode.
前記検出手段は、前記固定化電極と前記対向電極間の電圧あるいは電流に基づき得られるコンダクタンスに基づきハイブリダイゼーション反応の発生率を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリダイゼーションモニタリングシステム。An immobilized electrode disposed on the substrate and immobilizing the first or second quasi-complementary probe; and a counter electrode;
The hybridization monitoring according to claim 1 or 2 , wherein the detection means calculates a rate of occurrence of a hybridization reaction based on a conductance obtained based on a voltage or a current between the immobilized electrode and the counter electrode. system.
前記各々の第1準相補プローブと前記検体塩基配列とのハイブリダイゼーション反応の発生率を検出し、
前記ハイブリダイゼーション反応を複数の反応条件で行い、前記各々の反応条件における前記ハイブリダイゼーション反応の発生率に基づいて最適な反応条件を検出することを特徴とするハイブリダイゼーション反応モニタリング方法。A plurality of types of substrates having a quasi-complementary base sequence immobilized on the substrate and having a lower complementarity to the target base sequence than a target complementary base sequence complementary to the target base sequence to be detected A first quasi-complementary probe group, wherein the plurality of types of first quasi-complementary probes are arranged on the substrate with a first quasi-complementary probe group having different numbers of non-complementary bases that are not complementary to the target base sequence; The quasi-complementary base sequence and the sample base sequence are arranged by contacting a base sequence detection chip, which is arranged and has an immobilized electrode for immobilizing the first quasi-complementary probe, with a test solution containing the sample base sequence. Hybridization reaction,
Detecting the rate of occurrence of a hybridization reaction between each of the first quasi-complementary probes and the sample base sequence;
A method for monitoring a hybridization reaction, wherein the hybridization reaction is performed under a plurality of reaction conditions, and an optimal reaction condition is detected based on an occurrence rate of the hybridization reaction in each of the reaction conditions.
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