JP3885728B2 - ハイデータレートトラフィックのためのダイレクテッド最大比合成方法およびシステム - Google Patents

ハイデータレートトラフィックのためのダイレクテッド最大比合成方法およびシステム Download PDF

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Description

【0001】
(関連出願)
本出願は、米国仮特許出願番号60/218,905、「ハイデータレートトラフィックのためのダイレクテッド最大比合成方法」(Directed Maximum Ratio Combining Methods for High Data Rate Traffic)、2000年7月18日の出願を基礎にして優先権主張しており、その開示内容がここに参照文献として挿入される。本出願は、並列的に出願され同時に譲渡された米国特許出願番号08/929,638、現在の特許番号6,108,565、「CDMA通信能力向上のための時空無線方法」、1997年9月15日の出願、そして、出願番号09/229,482、「CDMA通信能力向上のための時空無線方法」、1999年1月13日の出願に関連し、その開示内容がここに参照文献として挿入される。本出願は、並列的に出願され、共に譲渡された米国仮特許出願番号60/237,951、「DMRCの適用とCDMAネットワークのアップリンクのためのハイデータレート伝送のスケジューリング」、2000年10月3日の出願と、同時的に出願され、共に譲渡された米国特許出願番号09/874,930、出願日2001年6月5日の「データネットワークのためのダイレクテッド最大比合成およびデータネットワークのためのハイレート伝送のスケジューリング」に関連し、これらの開示内容は、ここに参照文献として挿入される。
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線情報通信システムに関し、そして、そこに有用性があり、特に、干渉を減らす技術を用いることを通じた無線通信システムにおいてデータレートを増加させるシステムに関する。
【0003】
【従来の技術】
いわゆる「インターネット」経由の高速のデジタルデータ伝送は、現代社会においてユビキタスになってきてきた。同時に、世界は無線通信技術の中にさらされている。米国のような発展国においては、特に携帯電話サービスのような無線通信は、無線通信ネットワークのバックボーンに付随するものとして急激に増加してきた。発展度合いが低い国では、無線通信サービスは主要な通信媒体として発展している。デジタルデータの無線サービスを増加する実効データレートで提供するするニーズが発生してきた。
【0004】
無線通信システムによれば、多くの移動局あるいは加入者は、ランドベースの無線電話システムに接続することが可能となり、および/または、ワールドワイドウェブのデジタル情報バックボ−ンへのアクセスができるインターネットサービスプロバイダに接続することが可能となる。伝統的な無線エアーインタフェースは、周波数分割多重アクセス(FDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、そして、コード分割多重アクセス(CDMA)そしてその改良を含む。
【0005】
デジタルデータパケット伝送は、デジタル音声情報の伝送と異なる。フルデュプレックス(同時2方向)音声通信パターンは、基地局と特定のモバイルとの間のデータ伝送がリアルタイムのものであり、バンド幅において実質的に同等であるということを意味する。全体で200ミリ秒の遅延(スピーチボコーダーにとって約2Kビットのデジタルデータ)は、音声チャネルにおける許容できない待ち時間であることを表す。一方、高速のデータパケット伝送のためには、移動局は、現用の無線データシステムにおいて生起する上限10秒までの待ち時間という、より多くのデータ伝送の待ち時間あるいは遅延を許容できる。そのような遅延は移動局によって許容できる一方で、比較的少ない実効データ伝送レートに起因するその遅延は、それでもなお望ましくない。
【0006】
データスループットを最適化するために使用される適応アンテナアレイ技術が知られている。適応アンテナアレイを用いた空間次元多重アクセス方法は、ゲルラッヒエトアールに与えられた、米国特許番号5,471,647および5,634,199や、M.Cウェルズの論文、「GSMセルラー無線使用適応アンテナの増加する能力」IKE(UK)Proc.on Comm.Vol.143,No.5,1996年10月、pp.304−310、そして、S.アンダーソン,B.ヘジャーマン、H.ダン、U.フォーセン、J.カールソン、F.クロネステット、S.メツァーとK.モリナールの論文、「GSMおよびTDMAシステム用の適応アンテナ」、IEEE Personal Communicotions、1999年6月、pp.74−86において記述され、これらは参照文献として挿入される。
【0007】
「CDMA/HDR」として知られている提唱された一つの解決方法は、チャネルデータ伝送レートを測定する知られた技術を用いて、チャネル制御とチャネkル干渉を緩和し、抑制するものである。このタイプのアプローチは、特に、ポールベンダー、ピーターブラック、マシューグローブ、ロバートパドバニ、ナガブフシャナシンドフシャヤナそしてアンドリュービタービによる論文、「CDMA/HDR:移動ユーザへのバンド幅実効高速無線データサービス」、クアルコム社発行において特に記述され、この論文における開示内容はここに完全に挿入される。
【0008】
別の提唱された解決方法は、電気通信産業協会によって1999年8月に発行されたTIA/EIA/IS−2000−2というTIA/EIA暫定標準である。TIA/EIA/IS−2000−2は、cdma2000の拡散スペクトルシステムの物理層の標準であり、cdma2000の標準シリーズの一部である。cdma2000の拡散スペクトルシステムは、音声通信とデータ通信の双方にとって有用である。
【0009】
cdma2000システムおよび多くの新世代のパーソナル通信システムにおいて、専用のパイロットが上りリンクに導入されている。上りリンク専用のパイロット信号は、基地局が移動局の伝送を調査するのに役立つ調節されていない拡散スペクトル信号である。上りリンク専用のパイロット信号は、基地局で統合され、上りリンクの電力制御と上りリンク信号のコヒーレント復調という少なくとも2つの目的のために用いられる。
【0010】
上りリンクの電力制御メカニズムは、基地局で受信された全ての専用パイロットが同じ信号対干渉電力比(SINRs)を持つことを保証する。受信された専用パイロットが同じSINRsを有していても、異なる移動局から受信したこれらの専用パイロットの伝送電力は異なる。専用パイロットの伝送電力は、基地局において必要となるパイロットSINRと無線伝搬チャネルに依存する。
【0011】
コヒーレント復調のメカニズムは、基地局の受信機の感度を上げる。多くの場合、コヒーレント復調は、コヒーレント復調なしに復調する場合より約3dB受信機の感度がよい。基地局の受信機の感度は、最大比合成(MRC)方法を用いることによりさらに増加される。図1Aは、コヒーレント復調と最大比合成メカニズムを用いた典型的な基地局を示す。多数の受信素子10から受信した信号は、対応する一のアナログ受信器12に伝送される。そのアナログ信号は、処理された後、アナログデジタル変換器(ADCs)14によってデジタル信号に変換される。そして、コヒーレント復調器16は、ADCs14とパイロット信号統合回路16からの信号を処理する。そして、復調器18の出力は、選択された信号を出力するために、最大比合成器19に伝送される。
【0012】
多数アンテナ素子を用いた最大比合成メカニズムは、基地局の受信感度を増加させることができるが、干渉を解消することはできない(高いキャパシティをもったパーソナル通信システムにおいては、データスループットは、通常、セル内およびセル間の干渉により構成される干渉によって制限される。)。一方、標準的な干渉解消アルゴリズム、例えば、マトリックス反転アルゴリズムは、大量の数値計算を要し、システムを実施困難にするか、システム構築が高価になる。このため、従来、効率よく実際に多数の移動局によって基地局へデータを送信する場合に、相互に許容できない干渉を引き起こさずに送信するという解決できないニーズが起こっていた。
【0013】
そのため、その技術分野におけるシステムおよび方法にとって、従来技術の干渉解消アルゴリズムを実際に用いることなくデータスループットを最適化するというニーズが存在する。
【0014】
(発明の要旨)
本発明は、移動局のような無線システムにおいて、伝送が干渉を減らすように制御され、それによって増加する平均データレートを提供するシステムおよび方法に関する。好適な具体例によれば、セル内の干渉は、移動局について平均上りデータレートを不均等化する技術を用いることを通じて最小化される。加えて、そして二者択一的に、好適な実施例は、アレイレスポンスベクトル間の相関が低い移動局を選択する技術を通じてセル間の干渉を最小化する。一つまたは複数の選択された局は、最小のセル間の干渉でパケット継続期間において同時に伝送することができる。セル内の干渉もまた、より低い伝送電力の移動局に、より高い伝送電力の移動局より高い平均データレートで伝送させることにより減少させることができる。
【0015】
一例においては、移動局は高い平均データレートのグループと低い平均データレートのグループの2つのグループに分けられる。各グループの各移動局が、その最大の瞬間データレートで伝送すると、高い平均データレートのグループにおける移動局は、低い平均データレートのグループより頻繁にデータを伝送する。高い平均データレートのグループもまた好ましくは低い伝送電力の移動局を有する。これがセル内の干渉を最小化する。
【0016】
本発明の別の具体例においては、次のタイムインターバルにおける伝送のために選択されたある移動局が、最も大量のキューされたデータを有する移動局やキューされたデータに関する最も長い遅延を有する移動局や、特定の通信チャネルを有する移動局を選択するなど、他のクライテリアに従って選択されたとしたも、一つのデータキュー内の最初の移動局が、次のタイムインターバルにおける伝送のために選択される。同じデータレートグループ内のこの最初の移動局と他の移動局との間のアレイレスポンスベクトルの相互相関は適宜計算される。ここにおいて、各相互相関は、2つの移動局に関するものである。好ましくは、予め決められた閾値より小さい最初の移動局との相互相関を有する移動局は、最初のグループに入れられる。
【0017】
この最初のグループ内に移動局が存在する場合は、最も低い相互相関に該当する移動局が、次のタイムインターバルにおいて、伝送する2番目の移動局として最初の移動局とともに選択される。最初のグループにおいて追加の移動局があるなら、2番目の移動局と最初のグループ内の残りの移動局との間の相互相関が適宜計算される。予め決められた閾値より低い相互相関が少なくとも一つある場合は、最も低い相互相関に対応する移動局が、次のタイムインターバルにおいて伝送する3番目の局として最初の移動局と2番目の移動局とともに選択される。
【0018】
しかし、その閾値より小さい相互相関が存在しない場合や、最初のグループに追加の移動局が存在しない場合は、2番目の移動局と他のデータレートのグループにおける移動局との間の相互相関が、最初の移動局と他のデータレートのグループの移動局との間の相互相関と同時に計算される。計算された相互相関は、適宜分析され、最初の移動局と2番目の移動局それぞれについて、予め決められた閾値より小さい相互相関を有する移動局があるかを判断する。好適な実施例によれば、双方の相互相関が予め決められた閾値より小さい移動局が存在しない場合は、その2つの移動局が次のタイムインターバルにおける伝送のために選択される。しかし、双方の相互相関が予め決められた閾値より小さい移動局が少なくとも1個存在する場合は、3番目の移動局が適宜次のタイムインターバルにおける同時通信のために選択される。好ましくは、双方の相互相関が予め決められた閾値より小さい移動局が1個以上ある場合は、各移動局についての相互相関が合計され、最も小さい合成された相互相関を有する移動局が次のタイムインターバルにおいて伝送する3番目の移動局として選択される。
【0019】
最初のグループ内に移動局が存在しない場合は、最初の移動局と2番目のデータレートグループとの間の相互相関が適宜計算される。予め決められた閾値より小さい相互相関を有する2番目のデータレートのグループ内の移動局は、適宜2番目のグループに入れられる。好適な具体例によれば、2番目のグループ内に移動局が存在しない場合は、最初の移動局のみが次のタイムインターバルにおける伝送のために選択される。しかし、2番目のグループ内に1又は複数の移動局がある場合は、最も低い相互相関に該当する移動局が、適宜、次のタイムインターバルにおける伝送のための2番目の移動局として最初の移動局とともに選択される。好適な具体例によれば、2番目のグループ内において1個の移動局のみが存在する場合は、2個の移動局のみが次のタイムインターバルにおける伝送のために選択される。
【0020】
しかし、2番目のグループにおいて2個またはそれ以上の移動局がある場合は、2番目の選択された移動局と2番目のグループ内の残りの移動局との間の相互相関が適宜計算される。2番目に選択された移動局について予め決められた閾値より小さい相互相関を有する2番目のグループ内の移動局は、適宜3番目のグループに入れられる。好適な具体例によれば、3番目のグループ内に移動局が存在しなければ、次のタイムインターバルにおける伝送のためにもはや移動局は選択されない。しかし、3番目のグループ内において少なくとも一つの移動局が存在するなら、最も低い相互相関に該当する移動局が、最初の移動局と2番目の移動局とともに、次のタイムインターバルにおいて伝送する3番目の移動局として選択される。
【0021】
本発明の別の一つの具体例によれば、望ましくは上記のグルーピングパターンの繰り返しを通じて、付加的な移動局が選択される。本発明によれば、選択された移動局それぞれが適宜次のタイムインターバルにおいて伝送し、そして/または伝送される。
【0022】
別の具体例においては、データキュー内の最初の移動局が、前に示した具体例と同様に次のタイムスロットにおける伝送のために選択される。しかし、前の具体例と異なり、最初の移動局と他の全ての移動局のアレイレスポンスベクトル間の相互相関が適宜計算され、予め決められた閾値と比較される。この具体例によれば、その閾値より低い相互相関を有する全ての移動局が選択候補となる。好ましくは、そのような移動局が存在しない場合は、最初の移動局のみが次のタイムインターバルにおける移動のために選択される。しかし、そのような候補が1個存在する場合は、この候補は最初に選択された移動局とともに、次のタイムインターバルにおいて伝送する2番目の移動局として選択される。
【0023】
1個より多くの選択候補が存在する場合は、全ての候補の相互相関が適宜計算され、予め決められた閾値と比較される。1またはそれ以上の相互相関がその閾値より小さいなら、最も小さい合成された平均伝送電力を有する移動局のペアが、最初の移動局とともに次のタイムインターバルにおいて伝送する2番目と3番目の移動局として選択される。しかし、閾値より低い相互相関が存在しない場合は、最も低い伝送電力を有するグループの候補からの移動局が、適宜2番目の移動局として選択され、最初と2番目の移動局のみが次のタイムインターバルに伝送される。
【0024】
別の具体例においては、全部でN個の移動局それぞれが、測定されたレスポンスベクトルVを有する。各タイムインターバル毎に様々な数の移動局(例えば、1、2、3等の移動局)を選択するより前の具体例と異なり、決まった数L(例えば3個)の移動局が、この具体例に従って、それぞれK個の通信タイムインターバルにおいて選択される。より早く選択されることが望ましい移動局が、他の移動局より頻繁に含まれるリストが適宜生成される。L個の移動局が例えばランダムにそのリストから選択され、コストファンクションがL個の選択された移動局のレスポンスベクトルの相互相関を合計することによって計算される。ある好適な具体例によれば、コストファンクションの値が閾値より低い場合は、これらL個の移動局が選択され、最初のタイムスロットを構成する。そして、これらL個の移動局が適宜そのリストから取り出される。しかし、コストファンクションの値が閾値以上である場合は、別のL個の移動局が適宜リストから選択され、そのコストファンクションが適宜計算される。好適な具体例によれば、このプロセスは、閾値より低いコストファンクションが計算される時まで反復され、その時は関連するL個の移動局が選択され、リストから取り出される。
【0025】
移動局の選択と、閾値より低いコストファンクションを得ることなくコストファンクションを計算するプロセスを予め決められたM回繰り返したら、M個のグループからの最も低いコストファンクション値を有する移動局のセットが適宜選択され、リストから取り出される。これらのステップは、L個の移動局のK個のグループがK個の通信タイムスロットについて選択される時まで適宜繰り返される。
【0026】
よって、データスループットを最適化する場合において、本発明の技術的に有利な一つの点は、一つのタイムインターバルにおいて通信する特定の無線通信システムを選択することによって提供され、そこにおいて、そのようなシステムそれぞれは、干渉解消アルゴリズムを実際に用いることなく最大瞬間データレートで動作する。
【0027】
以上は、以下に示す発明の詳細な説明がよりよく理解されるように、本発明の特徴と本発明の技術的な有利な点をいくぶん広く示したものである。発明の付加的な特徴と有利な点は、下記の請求項に係る発明の主要な部分を形成する。開示された特定の具体例の概念が、直ちに本発明と同一の目的を達成するための修正を行ったり他の構成を着想するための基礎として役立つことが、この技術分野における当業者に認識されるであろう。その技術分野における当業者には、そのような同等の構成が付随する請求項において示す発明の思想と範囲を逸脱するものではないことも認識される。さらなる有利な点とともに、その構成と動作方法双方に関して本発明の特徴であると信じられている明白な特徴は、添付する図に関連づけて考えた時に以下の説明によってよりよく理解される。しかし、各図は表示と説明のためのみに用いられ、本発明の限界を定義することを意図するものではないことは明確に理解されるべきである。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な具体例は、移動局の平均上りデータレートを不均一化することによりセル内の干渉を最小化し、移動局のアレイレスポンスベクトル間の低い相関を持つ移動局を選択することにより、干渉解除アルゴリズムを実際に用いることなくセル間の干渉を最小化して、上りデータスループットを最大化する。好適な具体例におけるアレイレスポンスベクトルは、配列されたアンテナエレメントの信号について、ビーム形成のための重み付け(位相および/または振幅)をすることによってビームを形成するのに役立つ、予め決められたジオメトリーに配列される多数のアンテナエレメントを有するようなアンテナアレイのアンテナエレメントに送信または供給される無線通信信号に関する情報を提供する。適合するアンテナアレイを用いたアップリンクおよびダウンリンクチャネル双方にとっての迅速なビーム形成を行う方法および構成が上記言及した米国特許出願、「CDMA通信能力向上のための有用な時空無線方法」に述べられている。
【0029】
例えばcdma2000、HDR、そしてGSMにおいて、ある瞬間上りリンクデータレートが与えられると、異なる場所における異なる動作条件の移動局(従って異なる無線伝搬チャネル)は、異なる伝送電力を有する。無線伝搬チャネルが悪いほど(すなわち、チャネルにおける電力減衰が高いほど)移動局の伝送電力は高い。
【0030】
本発明によるセル内の障害を最小化する方法の一つに、低い伝送電力の移動局に高い伝送電力の移動局より高い平均データレートを伝送させることがある。例えば、最大瞬間データレートで伝送している低い伝送電力の移動局に伝送タイムインターバルにおける多くのタイムスロットを割り当て、最大瞬間データレートで伝送している高い伝送電力の移動局に伝送タイムインターバルにおける少ないタイムスロットを割り当てることにより、低い伝送電力の移動局については高い平均データレートとし、高い伝送電力の移動局については低い平均データレートとするのである。
【0031】
本発明の好適な具体例によれば、高い平均データレートは低い平均データレートのN倍であり、各移動局の瞬間データレートは最大限であるMであり、Nは約3から約9であり、Mは、例えばcdma2000については150Kbpsであり、HDRについては300Kbpsである。あるNとMが与えられた場合、本発明の好適な具体例によって移動局全体の伝送電力を最小化するために、移動局は好ましくは最も高い平均データレートを含む高い平均データレートグループと最も低い平均データレートを含む低い平均データレートグループに分けられる。好ましくは、移動局のグルーピングは、移動局全体の伝送量に関して最も低い平均伝送電力を達成するために選択される。例えば、高い伝送電力レベルを要する移動局は、低い平均データレートグループに分類され、低い伝送電力レベルで動作する移動局は、高い平均データレートグループに分類され、2つのグループ間の線引きは、移動局の伝送に関連する平均電力を最小化する機能を果たす。
【0032】
全ての移動局が最高の瞬間データレートのみで伝送することが許されるなら、前述の高い平均データレートの移動局は、前述の低い平均データレートの移動局よりN倍頻繁に、あるいはN回長く伝送する。従って、そのような具体例において、前述の高い平均データレートのグループと低い平均データレートのグループとの平均データレートの比はNであると認められる。
【0033】
例えば、ある特定のセルあるいはセルのセクターにおいて全部でK個の移動局があり、全ての移動局は伝送データを有するとする。K番目の移動局の最も高い瞬間データレートを伝送するために要する伝送電力はPkと表される。P1≦P2≦...≦Pkであると仮定するが一般性を失うことはない。K個の移動局を、例えば、前述の高い平均データグループと低い平均データグループという2つの異なるデータレートグループに分けた後、同時に一つの移動局のみが伝送できるとして、全体の移動局の伝送電力の平均は、以下の式(1)によって与えられる。
【0034】
Figure 0003885728
【0035】
式(1)において、全体を通してJは1とKの間の値であり、高い平均データレートのグループの移動局と低い平均データレートのグループの移動局との線引きを行う。上記のように、Jは、好ましくは、AP(平均電力)が与えられたPkについて最小となるように選択される。本発明に従って、K個の移動局の平均電力を減少することにより、セル内の干渉は最小化される。
【0036】
本発明の好適な具体例によれば、データキャパシティを増加させた通信が可能となる。例えば、好適な具体例によれば、前述したセル内またはセルのセクター内におけるK個の移動局のような多数の移動局は、データを同時に伝送することを可能にして、上記のある移動局の一度の伝送に関するデータキャパシティを増加させる。しかし、そのような一つのセルまたはセクターにおける一以上の移動局が同時に基地局に伝送できるなら、他の移動局の伝送は、セル間の干渉を引き起こすであろう。
【0037】
ダイレクテッドマトリックス反転アルゴリズムのような干渉解消アルゴリズムを実際に用いることにより、受信信号から干渉信号コンポーネントを取り除き、セル間の干渉を減らすことができる。しかし、そのような干渉解消アルゴリズムは、典型的なプロセッサの集中であって実施が困難であり、そして/あるいは、高価である。
【0038】
従って、本発明の好適な具体例によれば、アレイレスポンスベクトル間の相関が低い移動局のみが同時にデータを伝送することを許すことにより、予めセル間の干渉を最小化する。例えば、図1Aに示すような最大比合成(MRC)アルゴリズムを実施するレシーバー構造を修正することにより、本発明の好適な具体例は、低いアレイレスポンスベクトルの相関を有する移動局を定めて、予め決められた閾値より低いアレイレスポンスベクトルの相関を有する移動局のみが同時に通信するように通信制御する。このような方法によるセル間の干渉の最小化は、ここにおいて、ダイレクテッドMRC(DMRC)と言われる。本発明の好適な具体例に従って適用された基地局が図1Bに示され、その基地局は、本発明に従ってDMRCを実施するための、スケジューラ102に連結された相互相関評価器101を備える。
【0039】
以下の例は、同時に伝送できる移動局の数が最大3のDMRCの好適な実施例を示すものである。K=5,J=3,N=3とし、全ての5個の移動局は最大瞬間データレートで伝送される連続するデータの流れを有する。そして、これら5個の移動局のデータキューは図2に示すデータキュー200である。明確には、データキュー200には、移動局1から5の5個の移動局に関連する11個のデータパケットUがある。他のデータパケットの継続期間と様々なデータパケットの継続期間が本発明に従って用いられるが、図2に示すデータパケットUの継続期間は、好適な具体例によると、50msの配列である。
【0040】
図2のデータパケットの表示はUkiの形をとり、kは移動局のインデックスであり、Iはパケットのインデックスである。より明確には、移動局1はデータパケットU11,U12,U13を有し、移動局2はデータパケットU21,U22,U23を有し、移動局3はデータパケットU31,U32,U33を有し、移動局4はデータパケットU41を有し、移動局5はデータパケットU51を有する。従って、データキュー200の中の伝送を待っている最初のパケットは移動局1からのパケットインデックスが1のデータパケットU11である。しかし、キュー200のデータパケットは典型的なものであり、本発明は、示されているデータパケットがキューされている移動局の番号やキューされているデータパケットの番号や、示されている移動局間のデータパケットの区分に限られるものではない。
【0041】
図1Bの相互相関評価器101を用いて決定される5個の典型的な移動局の正規化されたアレイレスポンスベクトル(ARV)を想定することとし、以下の表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003885728
ここにおいて、表1の相互相関値の単位はdB(ログベースの正規化されたARVの10個のコンプレックスモジュールの相互相関の20倍)である。
【0043】
例えば、各移動局のアレイレスポンスベクトルは、ミリ秒から数十ミリ秒の多岐にわたる特定の統合されたインターバルのための上り専用のパイロットを統合することにより測定される。各移動局のアレイレスポンスベクトルは、好ましくは相互相関のために例えばまとまったベクトルの大きさに正規化される。2つの移動局のアレイレスポンスベクトルは相関して、表1に示すような相互相関を提供する。
【0044】
本発明の好適な実施例に従って、多数の移動局から基地局へ高いデータレートを同時に伝送するためには、同時に伝送されている移動局の信号はお互いにとっての過大な、または過度な干渉を引き起こすべきでない。本発明のアレイレスポンスベクトルの相互相関によると、移動局の各組み合わせによる同時伝送に関する干渉レベルが示される。例えば、その相互相関が、−10dBのような予め決められた閾値や他の許容される干渉レベルに関して決められた評価値より低いなら、移動局は、本発明に従って、例えば図1Bのスケジューラ102の制御の下で高いデータレートを同時に伝送する動作をする。
【0045】
次のパケット継続期間(例えばフレームのタイムスロット)において上りデータを同時に伝送することが可能な移動局を決定する好適な具体的な方法は、図3Aおよび3Bのフローチャートに示される。図3Aおよび3Bの典型的なフローチャートに示される概念をより容易に理解するために、上記典型的な実施例に関する仮定に加えて、無線伝搬環境が静的であって全てのアレイレスポンスベクトルが表1に示すように静的であるという仮定が置かれる。しかし、移動性の高い携帯電話通信のような特定の実施例においては、アレイレスポンスベクトルは時間とともに相当変化する。従って、そのような環境においては、図3Aと3Bのフローチャートは、相互相関を次第にアップデートするために、パケット継続期間毎、伝送フレーム毎、あるいは伝送スーパーフレーム毎など、定期的に表示された相互相関ステップに戻る。
【0046】
以下の記述は、3個またはそれに満たない数の移動局の選択について述べていることに注意されたい。しかし、そのような具体例は、例証のためであって、本発明による同時伝送のために選択される移動局の数を限定することを意図するものではない。よって、3個以上の移動局が本発明を利用するものとして選択される。
【0047】
図3Aのステップ300において、移動局は、上記の高いデータレートのグループと低いデータレートのグループのようなデータレートのグループにすでに区分されている。図3Aの具体例においては、ステップ300において、データキュー中にデータを持つ最初の移動局は、好ましくは次のタイムインターバルにおいてデータ伝送をする最初の移動局として選択される。例えば、選択された移動局と、それに関連する、上記高い平均データレートのグループまたは低い平均データレートのグループの中の一つであるデータレートグループ1のようなデータレートグループは適宜区分される。
【0048】
ステップ302において、最初の移動局とグループ1における残りの移動局との間の相互相関が計算される。データレートグループ1において、予め決められた閾値CCtより低い相互相関を持つ移動局は、ステップ304において、例えば同時に伝送する候補であるグループAのような新たなグループの移動局として選択される。
【0049】
もし、ステップ306における判断で、例えば同時に伝送する候補であるグループAのようなCCtより低い相互相関を持つデータレートグループ1に移動局が存在するなら、ステップ308において、グループA中の最も低い相互相関を持つ移動局が、次のタイムインターバルにおけるデータ伝送のための2番目の移動局として選択される。すなわち、最初のそして2番目の移動局が同時伝送のために選択される。もしステップ310における判断で、グループAにおいて移動局がさらにあれば、2番目の移動局とグループAにおける残りの移動局との間の相互相関がステップ312において計算される。ステップ314において、ステップ312において計算される最も低い相互相関が選択され、閾値CCtと比較される。もしこの相互相関がCCtより低いなら、その相互相関に関する移動局は、ステップ326において、次のタイムインターバルにおけるデータ伝送する3番目の移動局として選択される。すなわち、最初、2番目、そして、3番目の移動局が同時伝送のために選択される。ステップ328において、選択されたグループAにおける3個の移動局は、次のパケット継続期間におけるデータ伝送の準備ができているものとして通知される。
【0050】
しかし、ステップ310あるいはステップ316それぞれにおいて、グループAに他の移動局がないか、ステップ314で選択された相互相関がCCt以上であるなら、ステップ318において、2番目の移動局と別のデータレートグループ(例えば、上記高い平均データレートのグループまたは低い平均データレートのグループのうちの一つのグループであるデータレートグループ2)との相互相関が計算されるとともに、最初の移動局とこの別のデータレートグループとの相互相関が計算される。ステップ320において、それぞれCCtより低い最初のユーザと2番目のユーザに関する相互相関を有するこの別のデータレートグループの複数のユーザをグループCとして選択した後、ステップ322において、グループC中にユーザが存在するかを判断する。もしグループCにユーザが存在しないなら、ステップ300とステップ308において判断された最初の2個の選択された移動局のみが、ステップ324で、次のタイムインターバルにおいてデータを伝送するために選択される。そして、これら2個の移動局は、次のパケット継続期間におけるデータ伝送の準備ができているものとして通知される。しかし、もしグループC内にユーザが存在するなら、グループCの各ユーザについての最初のユーザと2番目のユーザに関する相互相関が合計され、ステップ325において、最も低い合計相互相関を有するグループC内のユーザが選択される。ステップ325において選択された移動局は、ステップ326で、次のタイムインターバルにおいて、データ伝送のための3番目の移動局として選択される。そして、ステップ328において、これら3個の移動局は次のパケット継続期間においてデータ伝送の準備ができているものとして通知される。
【0051】
もし、ステップ300において、最初の移動局を選択した後、データレートグループ1内に、閾値CCtより低い相互相関を有する移動局がなければ、図3Bのステップ330において、最初の移動局と、例えばデータレートグループ2などの別のデータレートグループの移動局との相互相関が計算される。ステップ332において、閾値CCtより低い相互相関を有するデータレートグループ2内の全ての移動局が、例えば同時に伝送する候補としてのグループBなどの新たなグループの移動局として選択される。ステップ334における判断で、グループB内に移動局がない場合は、ステップ336において、最初の移動局のみが次のタイムインターバルにおいてデータを伝送するように指示される。しかし、グループBにおいて移動局が存在するなら、ステップ338において、最も低い相互相関を有する移動局が、次のタイムインターバルにおけるデータを伝送する2番目の移動局として選択される。もし、ステップ340における判断で、これがグループBにおける唯一の移動局なら、ステップ342において、その2つの選択された移動局は、次のパケット継続期間におけるデータを伝送する準備をするように指示される。
【0052】
もし、グループBにおいて、1以上の移動局があるなら、(ステップ338において選択された)2番目の移動局とグループBにおける残りの移動局との相互相関がステップ344において計算される。2番目の移動局とグループBの移動局との相互相関のうち最も低い相互相関がステップ346において選択され、ステップ348において、閾値CCtと比較される。もし、この相互相関がCCt以上なら、ステップ300とステップ338において判断された最初の2個の選択された移動局のみが、ステップ350において、次のタイムインターバルにおいてデータを伝送するために選択され、その最初の移動局と2番目の移動局が、次のパケット継続期間においてデータを伝送する準備をするように指示される。しかし、もしこの相互相関がCCtより低いなら、ステップ352において、この相互相関に該当する移動局が、タイムインターバルにおいてデータ伝送する3番目の移動局として選択される。その3個の選択された移動局はステップ354において、次のパケット継続期間におけるデータ伝送の準備をするように指示される。
【0053】
選択された(この例では1、2、あるいは3個の)移動局が1のパケット継続期間についての伝送を完了した後、その新たなデータパケットは、適宜キューの最後に付加される。よって、上記好適な具体的方法は、その方法におけるステップが反復されるにつれて、全ての移動局のデータ通信を提供するように動作する。
【0054】
表1に示されたチャネル特性を有し、図2のキュー200に示されるようなキューされたデータを有し、CCt=−10dBである5個の移動局についての図3A、図3Bの上記好適な具体例の実施の後、キューされたデータは、時間が縦軸に伸びる図4に示すような伝送用のキューから取り出される。例えば、最初のタイムインターバルにおいて、キュー200中のデータパケットU11とU21(図4における斜線部)が伝送され、キュー401となる。図3Aと3Bのステップを繰りかえすうち、キュー401のデータパケットU12とU22は2番目のパケット継続期間において伝送される。同様に、キュー402のデータパケットU13とU23は、3番目のパケット継続期間において伝送され、キュー403のデータパケットU31とU24は4番目のパケット継続期間において伝送され、キュー404のデータパケットU32とU25は5番目のパケット継続期間において伝送され、キュー405のデータパケットU33とU26は6番目のパケット継続期間において伝送され、キュー406のデータパケットU41とU51は7番目のパケット継続期間において伝送され、キュー407のデータパケットU14とU26は8番目のパケット継続期間において伝送される。よって、セル間の干渉が最低になるような同時伝送のスケジューリングを行うことを通じてデータキャパシティが増加する一方で、各移動局のデータ通信ニーズが、好適な具体的方法によって満たされる。
【0055】
図2に示される具体例において、特定の移動局に関連するデータパケットのエントリーは、本発明の好適な具体例によって制御されることが認識される。特に、上記のように、セル内の干渉を減らすことは望ましく、また、本発明の好適な具体例によれば、セル内の干渉は、低い電力レベルで伝送している移動局へ高い平均データレートを提供し、高い電力レベルで伝送している移動局へ低い平均データレートを提供することを通じて制御される。よって、5個の移動局それぞれが連続するデータの流れを持っていると仮定しても、それぞれがここに記述されるように高い平均データレートに該当すると判断される移動局1、移動局2、移動局3に関連するデータパケットは、それぞれがここに記述されるように低い平均データレートに該当すると判断される移動局4および移動局5に関連するデータパケットより3倍頻繁に(すなわちN=3)キュー200に設定される。よって、ここにおいて記述されるキュー200からのデータ伝送のスケジューリングをする好適な具体的な方法を実施すると、セル内の干渉が最小化される。
【0056】
しかし、上記具体例における実際の高い平均データレートは、低い平均データレートの3倍ではないことに注意されたい。例えば、移動局4と移動局5が低い平均データレートのグループに該当しても、これらの局は、多くのあるいは他のすべての移動局との間の通信が両立できるように、すなわちそれらの相互相関がCCtより小さくなるように特定の場所あるいは特定の方向に設置される。よって、そのような移動局は、該当する平均データレートのグループがそうでなければ提示するより頻繁に通信のために選択される。
【0057】
本発明が実際に用いられるであろう無線伝搬環境下では、移動局のアレイレスポンスベクトル(ARVs)は時間とともに変化することが見込まれる。よって、ARVsの相互相関も変化することが見込まれる。こうして、本発明の好適な具体例によれば、上で示したステップによる次の伝送パケットのコンビネーションの選択がなされる直前に、全ての移動局間の相互相関は適宜アップデートされる。
【0058】
各移動局毎に1のARVがミリ秒ごとに生成され、最後のアップデートから新たなARVがL個存在すると仮定すると、移動局iと移動局j間の相互相関(CC)は、下記の式(2)において定義される。
【0059】
Figure 0003885728
【0060】
||は、複合モジュール(complex modulus)ファンクションであり、’は複合連結ファンクションである。Lはほぼパケット継続期間とARV統合期間の比である。
【0061】
セル内の干渉やセル間の干渉を最小化する別の好適な具体例は、図5のフローチャートに示される。ステップ500では、キュー内の最初の移動局は、データ伝送の最初の移動局として選択され、設定される。最初の移動局と残りの移動局との相互相関はステップ502で計算される。予め決められた閾値CCtより小さい相互相関を持つ移動局は、最初の同時に伝送する候補のグループ(グループA)に属する移動局としてステップ504で選択される。ステップ506における判断で、グループA内に移動局が存在しない場合は、ステップ508において、最初の移動局だけが次のタイムインターバルにおけるデータを伝送するように指示される。しかし、ステップ510における判断で、グループA内に1個の移動局だけがある場合は、ステップ512において、その移動局は、次のタイムインターバルにおけるデータを伝送する2番目の移動局として選択される。すなわち、最初と2番目の移動局が同時伝送のために選択される。そして、ステップ514において、その2つの選択された移動局は、次のパケット継続期間においてデータを伝送するように指示される。
【0062】
グループA内に1以上の移動局がある場合は、ステップ516において、グループA内の全ての移動局間の相互相関が計算される。ステップ518において、CCtよりも小さい相互相関を有している全ての移動局のペアが、2番目の同時に伝送する候補のグループ(グループB)として選択される。ステップ520における判断で、このグループB内に移動局のペアがない場合は、ステップ522において、グループA内の伝送電力が最も低い移動局が選択され、この移動局は次のタイムインターバルにおいてデータを伝送する2番目の移動局として設定される。そして、ステップ514において、選択された最初の移動局と2番目の移動局は、次のパケット継続期間においてデータを伝送する準備をするように指示される。しかし、グループB中に移動局のペアが少なくとも1つある時は、ステップ524において、最も低い合成平均伝送電力を有するペアが次のタイムインターバルにおいてデータを伝送する2番目、3番目の移動局として選択される。すなわち、最初の移動局、2番目の移動局、3番目の移動局が同時伝送のために選択される。その3つの選択された移動局は、ステップ526において、次のパケット継続期間においてデータを伝送する準備をするよう指示される。3つの選択された移動局が1のパケット継続期間についての伝送を完了した後は、それらの新たなパケットは、キューの最後に付加される。
【0063】
この好適な具体的方法を説明するために、上記に図3A、図3Bにおける方法に関して記述した具体的な仮定は、図5における方法でNは1であることを除いて用いられる。また、その具体例の中で示される概念を簡潔にするために、無線伝搬環境が静的であり、また、表1で示されるように、全てのARVsの相関もまた静的であると仮定する。しかし、全ての移動局の伝送電力は、どの移動局が次のパケット持続期間において上りリンクデータを伝送することができるかを決定する場合に考慮される。最も高いデータレートで伝送するために5個の典型的な移動局に関して要求される具体的な相対電力水準が下記の表2に示される。
【0064】
【表2】
Figure 0003885728
例えば、HDRにおいては、全ての移動局の相対伝送電力レベルは、図2で示されているように、上りリンクの電力制御プロセスと上りリンクにおけるデータレート制御チャネルから見積ることができる。
【0065】
携帯電話通信の高度な移動環境のような特殊な実施例においては、無線伝搬チャネルや、アレイレスポンスベクトル、そして/あるいは相対伝送電力レベルは時間とともに相当変化することが認められる。従って、表1とそして/あるいは表2の情報は、都合よく定期的にアップデートされる。そのような具体例では、図5のフローチャートは、動作情報を次第にアップデートするために、パケット継続期間毎、伝送フレーム毎、あるいは伝送スーパーフレーム毎など、定期的に表示される相互相関ステップに戻り、そして/あるいは、電力レベルを再決定する。例えば、表1、表2双方のデータは、好適な具体例によって、5つのパケット継続期間ごとにアップデートされるだろう。
【0066】
上記の表1と表2に示されるチャネル特性を持ち、図2のキュー200中に示されるキューされたデータを持ち、CCtが−10である5つの移動局についての図5における好適な具体的方法を実施した後、データが、図6に示される時間が縦軸方向に伸びる伝送のためのキューから取り出される。例えば、最初のタイムインターバルでは、図6のキュー601における斜線が施されているユーザブロックによって示されるようなキュー200の移動局1(データパケットU11、U12、U13)と移動局4(データパケットU41)と関連するデータパケットが、最初のタイムインターバルにおいて伝送され、キュー602となる。図5のステップを繰り返す事により、キュー602の移動局1と移動局2に関連するデータパケットは、2番目のタイムインターバルにおいて伝送され、キュー603となる。同様に、移動局3と移動局2に関連するデータパケットが、3番目のタイムインターバルにおいて伝送され、キュー604になり、移動局5と移動局4に関連するデータパケットが、4番目のタイムインターバルにおいて伝送される。よって、セル間の干渉が最低になるような同時伝送のスケジューリングを行うことを通じてデータキャパシティが増加する一方で、各移動局のデータ通信ニーズが、好適な具体的方法によって満たされる。
【0067】
本発明の別の好適な実施例によれば、あるアルゴリズムが同時伝送のための移動局のグループの選択に用いられる。各グループのメンバーは、適宜制御され、それらの信号が基地局のビーム形成器による空間的な処理によって分割される同一のタイムスロットにおいて伝送される。各タイムインターバルについて様々な数の移動局(例えば、1、2、3個の移動局)を選択する前述の具体例と異なり、この具体例によれば、各K個の通信タイムインターバル毎に、固定された数L個(例えば3個)の移動局が適宜選択される。
【0068】
例えば、n番目の移動局が測定されたレスポンスベクトルV(n)を持っている全部でNu個の移動局があり、Ns個の割り当て可能なタイムスロットがあると仮定する。レスポンスベクトルは、選択プロセスの間、定数であると仮定される。好適な具体例におけるアルゴリズムは、Ng個の移動局(典型的にはNgは1から4の範囲)のグループを選択し、各グループには、1つのタイムスロットが割り当てられる。
【0069】
好適な具体例におけるアルゴリズムは、Ns* Ng個の移動局のリストを作ることによってスタートする。それぞれの移動局は、その移動局が必要とされる相対頻度に応じて、リストされる回数が異なる。典型例として、Ng=3個のグループのNu=30個の移動局があり、移動局の10個が他の20個の2倍頻繁に利用される必要がある場合を想定してみる。リストの最小サイズは、結果として40(2* 10+20)となる。そのアルゴリズムは、リストがより大きく作られた場合も良好に作動する。こうして、例えば、6* 40=240のリストがNs=240/ 3=80のタイムスロットに対応する。
【0070】
一旦好適に具体化されたリストが作成されると、Ng個の移動局は適宜ランダムにリストから選択される。移動局のレスポンスベクトル(Vs)の相互相関の合計を実現するコストファンクションが、Ng個の選択された移動局のために適宜計算される。例えば、もしNg=3であれば、コストファンクションは、下記の式(3)に示すように適宜計算される。
【0071】
Figure 0003885728
上記式(3)においては、n1、n2、n3は、選択された移動局のインデックス番号であり、||はコンプレックスモジュールファンクションであり、’は、複合連結ファンクションである。
【0072】
もし、計算されたコストが特定の閾値よりも小さい場合は、Ng個の選択された移動局は、ランダムにそのリストから選択され、そのコストファンクションが計算される。もし、計算されたコストが閾値よりも大きい場合は、別のNg個の移動局のセットがランダムにそのリストから選択され、そのコストファンクションが計算される。このプロセスは、適宜、最大N回(Nは予め決められた値)繰り返される。N回繰りかえした後、十分に小さいコストを有する移動局のセットが存在しなければ、そのプロセスは終了され、Nセットのうち最も小さいコストを有する移動局のセットが、1つのグループとして選ばれる。
【0073】
一旦1つの移動局のセットがグループとして選択されると、それらの移動局はリストから適宜取り出される。上記のステップは、リストが空になるまで適宜繰り返される。例えば、Ns個のグループが作られるときまで繰りかえされる。リストが空になった時は、新しいリストが作られ、上記のステップが適宜、再び繰り返される。
【0074】
この発明の上記の具体例は、ただ単に一例である事を意味するものであって、これに限定されるものではない。その技術の分野における当業者にとって、広い視点からこの発明の範囲を逸脱することのない様々な変更および修正がなされることが明確になる。例えば、3個またはそれより少ない移動局を同時伝送のために選択するいくつかの実施例が記述される。しかし、上りリンクにおけるセル間の干渉を減らすために、本発明を用いた付加的な移動局が選択され得る。同様に移動局に関連する好適な具体例が検討されてきたが、本発明が、いかなる特定の通信デバイスを用いたものにも限定されないことは認識されるべきである。
【0075】
本発明およびその有利な点が詳細に述べられてきたが、付随する請求項により定義される発明の思想と範囲を逸脱することなく様々な変化、代替、改変がなされ得ることは理解されるべきである。さらに、本出願の範囲は、明細書中のプロセス、機械、製品、構成、方法、手段そしてステップの特定の具体例に限定されない。この技術における一つの通常の技術が本発明の開示からすぐに恩恵を受けるように、ここで述べられる対応する具体例と実質上同じ結果をもたらす現在存在しており、後に発展することとなるプロセス、機械、製品、構成、方法、手段、ステップは、本発明に従って活用される。従って、付随するクレームは、その範囲内でそのようなプロセス、機械、製品、構成、方法、手段、ステップを含むものである。
【図面の簡単な説明】
本発明をより完全に理解するため、以下の図面に関して以下の記述がなされる。
【図1A】 コヒーレント復調と最大比合成メカニズムを実施する典型的な基地局を示す図である。
【図1B】 本発明の好適な具体例に従って用いられる基地局を示す図である。
【図2】 本発明の一つの具体例に対する連続する期間におけるデータキューの一例を示す図である。
【図3A】 本発明の一つの具体例を示すフローチャートの部分を示す図である。
【図3B】 本発明の一つの具体例を示すフローチャートの部分を示す図である。
【図4】 図3A、図3Bの具体例に対する連続する期間におけるデータキューの一例を示す図である。
【図5】 本発明の別の具体例の一例を示す図である。
【図6】 図5の具体例に対する連続する期間におけるデータキューの一例を示す図である。
異なる図において用いられる同一のまたは類似の参照番号は、同一のまたは類似の要素を示す。

Claims (30)

  1. 多数の移動局から一つの基地局へデータを伝送する方法であって、
    多数の移動局を最初のグループと2番目のグループに分ける過程と、
    最初のデータレートグループにおけるデータキュー中の最初の局である最初の移動局を伝送のために選択する過程と、
    最初の移動局と最初のデータレートグループ中の残りの移動局とのアレイレスポンスベクトル間の最初の相互相関を計算する過程と、
    その最初の相互相関を予め決められた閾値と比較する過程と、
    全ての最初の相互相関が予め決められた閾値以上で、最初の移動局と2番目のデータレートグループにおける複数の移動局とのアレイレスポンスベクトル間における全ての2番目の相互相関が予め決められた閾値以上でない限り、2番目の移動局を選択する過程と、
    前記選択された移動局から同時にデータを伝送する過程とを有する
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  2. 請求項1に記載されたデータ伝送方法において、
    最初の相互相関の少なくとも一つが予め決められた閾値より小さい場合に、2番目の移動局が、最初の相互相関の中で最も低い相互相関を有する
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  3. 請求項1に記載されたデータ伝送方法において、
    予め決められた閾値より小さい最初の相互相関がない場合、そして、少なくとも一つの2番目の相互相関が予め決められた閾値より小さい場合に、その2番目の移動局が、2番目の相互相関のうち最も低い相互相関を有する
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  4. 請求項1に記載されたデータ伝送方法であって、更に、
    3番目の移動局が選択されたかどうかを判断する過程を有し、
    その判断する過程は、
    2番目の移動局と2番目のデータレートのグループにおける複数の移動局とのアレイレスポンスベクトル間の相互相関を計算する過程と、
    最初の移動局と2番目のデータレートのグループにおける複数の移動局とのアレイレスポンスベクトル間の4番目の相互相関を計算する過程と、
    2番目のデータレートグループ内に、予め決められた閾値より低い最初の移動局と2番目の移動局についての相互相関を有する移動局があるかを判断する過程と、
    予め決められた閾値より低いと判断された最初の移動局および2番目の移動局と2番目のデータレートのグループの任意の移動局との相互相関を合計する過程と、
    最初の移動局と2番目の移動局とについて最も小さい相互相関の合計を有する移動局を3番目の移動局として選択する過程とを有する
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  5. 請求項1に記載されたデータ伝送方法であって、更に、
    3番目の移動局が選択されたかどうかを判断する過程を有し、
    その判断する過程は、
    予め決められた閾値より低い相互相関を有する2番目の移動局と最初のデータレートのグループにおける複数の移動局とのアレイレスポンスベクトル間の3番目の相互相関を計算する過程と、
    少なくとも一つの最初の相互相関と少なくとも一つの3番目の相互相関が予め決められた閾値より低い場合に、3番目の移動局を選択する過程とを有し、
    その3番目の移動局は3番目の相互相関のうち最も低い相互相関を有する
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  6. 請求項1に記載されたデータ伝送方法であって、更に、
    3番目の移動局が選択されたかどうかを判断する過程を有し、
    その判断する過程は、
    予め決められた閾値より低い相互相関を有する2番目の移動局と2番目のデータレートのグループにおける複数の移動局のアレイレスポンスベクトルとの間の3番目の相互相関を計算する過程と、
    少なくとも一つの2番目の相互相関と少なくとも一つの3番目の相互相関が予め決められた閾値より低い場合に、3番目の移動局を選択する過程とを有し、
    その3番目の移動局は3番目の相互相関のうち最も低い相互相関を有する
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  7. 多数の移動局から基地局へデータを伝送する方法であって、
    データキューにおける先頭となる最初の移動局を選択する過程と、
    最初の移動局のアレイレスポンスベクトルと他の選択された移動局とのアレイレスポンスベクトル間の相互相関を計算する過程と、
    予め決められた閾値より低い相互相関を有する移動局に準拠する1または複数の移動局を選択する過程と、
    次のデータパケット継続期間において、選択された移動局を同時に伝送する過程とを有する
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  8. 請求項7に記載されたデータ伝送方法において、
    その伝送が、選択された移動局における最大瞬間データレートである
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  9. 多数の移動局から基地局へデータを伝送する方法であって、
    データキューにおける先頭となる最初の移動局を選択する過程と、
    最初の移動局のアレイレスポンスベクトルと他の移動局のアレイレスポンスベクトル間の最初の相互相関を計算する過程と、
    最初の相互相関を予め決められた閾値と比較する過程と、
    予め決められた閾値より低い最初の相互相関の数を判断する過程と、
    その閾値より低い最初の相互相関に対応する最初の移動局のグループから相互相関の数に基づく付加的な移動局を選択する過程と、
    次のタイムスロットにおいて、選択された移動局からデータを同時に伝送する過程とを有する
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  10. 請求項9に記載されたデータ伝送方法において、
    その数が0個、1個または1個より多い
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  11. 請求項10に記載されたデータ伝送方法において、
    その選択された付加的な移動局が、
    その数が0個の場合に付加的な移動局を選択しない手段と、
    その数が1個の場合に2番目の移動局を選択する手段と、
    その数が1個より多い場合に2番目の移動局と、可能なら3番目の移動局を選択する手段とを備える
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  12. 請求項11に記載されたデータ伝送方法において、
    その数が1個の場合に、2番目の移動局が最初のグループにおける別の移動局である
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  13. 請求項11に記載されたデータ伝送方法において、
    その数が1個より大きい場合に、2番目の移動局と、可能なら3番目の移動局を選択する過程を有し、
    前記選択する過程は、最初のグループにおける全ての移動局間の2番目の相互相関を計算する過程と、
    予め決められた閾値より小さい2番目の相互相関がない場合に2番目の移動局のみを選択する過程と、
    少なくとも2番目の相互相関の一つが予め決められた閾値より小さい場合に、その閾値より小さい2番目の相互相関に対応する2番目のグループの移動局から2番目の移動局と3番目の移動局を選択する過程とを有する
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  14. 請求項13に記載されたデータ伝送方法において、
    予め決められた閾値より小さい2番目の相互相関がない場合に、その2番目の移動局が、最初のグループにおいて最も低い伝送電力を有する移動局である
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  15. 請求項13に記載されたデータ伝送方法において、
    2番目の相互相関のうち少なくとも一つがその閾値より小さい場合に、2番目の移動局と3番目の移動局が、2番目のグループにおいて最も低い合計平均伝送電力を有する移動局のペアである
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  16. 測定されたレスポンスベクトルVを有するN個の移動局からL個の移動局からなるK個のグループを無線通信システムの各K個の通信スロットのために選択する方法であって、
    (a)N個の移動局それぞれについての選択が望まれる頻度に基づいて、J個の移動局のリストをN個の移動局から決定する過程と、
    (b)そのリストからL個の移動局を選択する過程と、
    (c)L個の移動局について、レスポンスベクトルVのファンクションFの値を計算する過程と、
    (d)その値が予め決められた閾値より小さいかを判断する過程と、
    (e)その値が予め決められた閾値以上の場合に、ステップ(b)からステップ(d)を最大M回繰り返す過程と、
    (f)その値が予め決められた閾値より小さい場合に、L個の移動局を選択し、その値の全てが予め決められた閾値より小さくない場合に、M個のグループから最も小さい値を有するL個の移動局を選択する過程と、
    (g)そのリストから選択された移動局を取り出す過程と、
    (h)ステップ(b)からステップ(g)をK−1回繰りかえす過程とを有する
    ことを特徴とするグループ選択方法。
  17. 請求項16に記載されたグループ選択方法において、
    ファンクションFが次の式
    Figure 0003885728
    で表され、
    ここにおいて、||はコンプレックスモジュールファンクションを意味する
    ことを特徴とするグループ選択方法。
  18. 請求項16に記載されたグループ選択方法において、
    そのリストが、その選択が望まれる回数が低い移動局よりかなり頻繁な回数選択が望まれる移動局を含むかを判断する
    ことを特徴とするグループ選択方法。
  19. 高いデータレートの無線通信を提供するシステムであって、
    移動局通信制御アルゴリズムを有するスケジューラ回路を備え、
    前記スケジューラ回路は、多数の移動局の中から高い平均データレートのグループの移動局を区分し、前記多数の移動局の中から低い平均データレートの移動局のグループの他の移動局を区分し、前記スケジューラ回路は、前記高い平均データレートのグループが低い平均データレートのグループより頻繁に通信のためにスケジューリングされるように多数の移動局に関する通信をスケジュールする動作をする無線通信提供システムにおいて、
    前記多数の移動局との通信におけるアンテナアレイからの信号を受信する相互相関回路を備え、
    前記相関回路は、前記多数の移動局中の移動局のアレイレスポンスベクトルを決定し、前記多数の移動局中の移動局のアレイレスポンスベクトルを相互相関させ、これにより、前記多数の移動局に関する通信のスケジューリングに役立つ相互相関情報を前記スケジューラ回路に提供する
    ことを特徴とする無線通信提供システム。
  20. 請求項19に記載された無線通信提供システムであって、更に、
    前記スケジューラ回路に連結された通信キューを備え、
    前記多数の移動局中の移動局が、前記キュー内において、前記高い平均データレートのグループのデータレートが前記低い平均データレートのグループのデータレートを超えることとなるファクターと同じ数だけの回数出現し、前記スケジューラが前記キューから特定の移動局を選択することを通じて前記多数の移動局についての通信のスケジュール動作を行う
    ことを特徴とする無線通信提供システム。
  21. 請求項20に記載された無線通信提供システムにおいて、
    前記スケジューラ回路が、連続するタイムインターバルにおいて前記通信キューから最初の移動局を選択し、そして、前記最初の移動局と同じ平均データレートグループを有する前記キューから別の移動局を前記連続するタイムインターバルにおける通信のために区分し、前記別の移動局の区分は、前記相互相関情報の1つのファンクションとなる
    ことを特徴とする無線通信提供システム。
  22. 請求項21に記載された無線通信提供システムにおいて、
    前記相互相関情報が予め決められた閾値より低い相互相関である
    ことを特徴とする無線通信提供システム。
  23. 請求項22に記載された無線通信提供システムにおいて、
    前記スケジューラ回路が、前記相互相関情報のファンクションによっても、前記最初の移動局と同じ平均データレートのグループを有する前記キューから1の移動局が区分されない場合に、前記連続するタイムインターバルにおいて通信する前記最初の移動局とは異なる平均データレートのグループを有する前記キューから別の移動局を区分する
    ことを特徴とする無線通信提供システム。
  24. 請求項19に記載された無線通信提供システムにおいて、
    前記スケジューラ回路が、連続するタイムインターバルにおける通信のために、前記キューから最初の移動局を選択し、そして、連続するタイムインターバルにおける通信のために、前記キューから別の移動局を区分し、前記別の移動局の区分が前記相互相関情報のファンクションとなる
    ことを特徴とする無線通信提供システム。
  25. 請求項24に記載された無線通信提供システムにおいて、
    前記スケジューラ回路が、予め決められた閾値より小さい前記最初の移動局についての相互相関を有する前記キュー内の全ての移動局を区分し、最初の移動局に関して予め決められた閾値より小さい相互相関を持つ移動局が1個しかない場合は、この移動局が前記連続するタイムインターバルにおいて通信をする2番目の移動局として選択され、最初の移動局に関して予め決められた閾値より小さい相互相関を持つ移動局が1個より多くある場合は、各移動局相互にとっての相互相関が分析され、移動局相互についての予め決められた閾値より小さい相互相関を持つ移動局のペアがあるかが判断される
    ことを特徴とする無線通信提供システム。
  26. 請求項19に記載された無線通信提供システムにおいて、
    前記スケジューラ回路が、前記キューから予め決められた数の移動局を同時に伝送する候補として選択し、同時伝送に関するコスト分析を行う
    ことを特徴とする無線通信提供システム。
  27. 請求項26に記載された無線通信提供システムにおいて、
    前記コスト分析によるコスト値が予め決められた閾値より小さい場合に、前記選択された移動局が同じ連続するタイムインターバルにおける通信のためにスケジューリングされ、前記コスト分析によるコスト値が予め決められた閾値より大きい場合に、前記スケジューラ回路が再び前記キューから前記予め決められた数の移動局を選択する
    ことを特徴とする無線通信提供システム。
  28. 請求項26に記載された無線通信提供システムにおいて、
    前記キューからの前記移動局の選択がかなりランダムである
    ことを特徴とする無線通信提供システム。
  29. 請求項26に記載された無線通信提供システムにおいて、
    前記予め決められた数が3である
    ことを特徴とする無線通信提供システム。
  30. 請求項26に記載された無線通信提供システムにおいて、
    前記コスト分析が、少なくとも部分的には次式
    Figure 0003885728
    によって達成され、
    n1、n2そしてn3は選択された移動局のインデックス番号であり、Vは関連する移動局のアレイレスポンスベクトルであり、||はコンプレックスモジュールファンクションであり、’は複合連結変換ファンクションである
    ことを特徴とする無線通信提供システム。
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