JP3885684B2 - オーディオデータのエンコード装置およびエンコード方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、PCMのオーディオデータをMP3などの形式にエンコードするオーディオデータのエンコード装置およびエンコード方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
PCMのオーディオデータをMP3などの形式にエンコードする場合、高品質のエンコードをしようとすれば、高速のCPUを用いても相応の時間を要する。高品質のMP3エンコードの場合、オーディオ信号を多数の周波数帯域のサブバンドに分割して、MDCTにより対象フレームの前後の隣接フレームを考慮したフィルタ処理を行い、高精度に周波数分布の特徴を反映させるように処理しており、また、オーディオデータの重要な箇所に対してより多くのデータ量を割り当てるため、メインデータをフレームサイズよりも大きくしたり小さくしたりするビット貯蔵という方式を採用している。
【0003】
このMP3エンコードをより高速に処理したいという要請があり、それを実現するためにはオーディオデータを分割して複数のプロセッサで並列処理することが考えられる。しかし、上記のようにエンコードプロセス中に対象フレームの前後の隣接したフレームを考慮したフィルタ処理を行うため、データを分割してしまうと、その分割点付近のフレームでは隣接フレームの有無による影響が生じるという問題点があった。また、ビット貯蔵を行うと、エンコードされたデータ(メインデータ)が、そのデータのフレームとは異なるフレームに配置されることもあるため、単純に分割して結合するのみでは、データが不連続になってしまうという問題点があった。
【0004】
この発明は、エンコードの品質を維持し、且つデータの連続性を保ってデータの分割処理をすることができるオーディオデータのエンコード装置およびエンコード方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、PCMのオーディオデータを複数の分割データに分割する手段であって、前記オーディオデータをフレーム単位に区切り、各分割データを複数フレームの本体データ区間、および前後の分割データとオーバーラップする複数フレーム分のオーバーラップ区間で構成する分割手段と、各分割データをそれぞれ別個に可変長でエンコードし、エンコード後のオーディオデータをフレームを越えて隙間無く連続させて書き込むエンコード手段と、エンコード手段がエンコードした前後2つの分割データが互いにオーバーラップしている区間の各フレームについて、前の分割データにおける各フレームに書き込まれているエンコード後のオーディオデータの始端と、後の分割データにおける同じオーディオデータの始端とが重ならずに最も近い位置になるフレームを検索する解析手段と、解析手段が検索したフレームで各分割データを結合する結合手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、PCMのオーディオデータを、エンコードする時のフレーム単位で複数の分割データに分割し、そのとき前記オーディオデータをフレーム単位に区切り、各分割データを複数フレームの本体データ区間、および前後の分割データとオーバーラップする複数フレーム分のオーバーラップ区間で構成する分割工程と、各分割データをそれぞれ別個に可変長でエンコードし、エンコード後のオーディオデータをフレームを越えて隙間無く連続させて書き込むエンコード工程と、エンコード工程でエンコードした前後2つの分割データが互いにオーバーラップしている区間の各フレームについて、前の分割データにおける各フレームに書き込まれているエンコード後のオーディオデータの始端と、後の分割データにおける同じオーディオデータの始端とが重ならずに最も近い位置になるフレームを検索する解析工程と、解析工程で検索したフレームで各分割データを結合する結合工程と、からなることを特徴とする。
【0008】
この発明では、PCMのオーディオデータを分割し、各分割データを個別にエンコードする。そして、この個別にエンコードされた分割データを再結合することによって、エンコードされたオーディオデータを作成する。
ここで、オーディオデータを単純に時間軸上で切断して分割データを作成したのでは、その切断箇所付近では隣接するデータが存在しないことからデータエンコード時のフィルタ処理が元々のオーディオデータを処理した場合と異なってしまう。また、MP3形式などのデータではフレームのメインデータが異なるフレームに移動している場合がある。
【0009】
このためこの発明では、分割データにオーバーラップ区間を設け、このオーバーラップ区間をフィルタ処理区間に含めることによってフィルタ処理が一連のオーディオデータをフィルタ処理した場合と異ならないようにしている。また、先の分割データのメインデータ移動量と後の分割データのメインデータ移動量を比較して、両方を結合したとき重なり合わない箇所を選んで結合箇所として決定する。この結合箇所で前後の分割データを結合することにより、それぞれ個別にエンコードされた分割データを再結合してもデータが不連続になることがない。
【0010】
【発明の実施の形態】
図面を参照してこの発明の実施形態であるMP3エンコード装置および方法について説明する。
図1はこの発明が適用されるMP3エンコードシステムの概略ブロック図である。同図(A)は全体のブロック図、同図(B)はMP3エンコード部の機能ブロック図である。このMP3エンコードシステムは、PCMのオーディオデータを入力し、これをMP3形式のデータにエンコードして出力するシステムであるが、1曲のオーディオデータを複数の分割データに分割することにより、延べ複数のプロセッサがMP3エンコードを担当できるようにしている。延べ複数とは、複数のプロセッサが同時に並行して各分割データをエンコードすること、および1台のプロセッサが各分割データをそれぞれ別の機会にエンコードすることを含む。
【0011】
外部から入力されたPCMのオーディオデータは分割部1に入力される。ここで、入力されるPCMオーディオデータは、ストレージメディア(HDD、CD、DVD等)から通常再生速度よりも高速で分割部1に入力されるものとする。分割部1は、入力されたオーディオデータを複数の分割データに分割する。後述するように、オーディオデータの分割は、MP3のフレームサイズを単位として行われ、各分割データには、前後の分割データと数フレームずつオーバーラップするオーバーラップ区間が設けられている。各分割データはそれぞれ別々にMP3エンコード部2に入力される。このMP3エンコード部2は、上述したように、複数のエンコード部が並列に複数設けられたものであってもよく、1つのエンコード部が各分割データをそれぞれ別の機会に処理するものであってもよい。MP3エンコード部2は、MP3にエンコードした分割データを解析部3および結合部4に入力する。
【0012】
解析部3は、MP3にエンコードされた各分割データのオーバーラップ区間を解析し、前後の分割データをどのフレームで結合するかを決定する。結合部4は、解析部3が決定した結合フレームで前後の分割データを結合し、MP3にエンコードされた形式でもとの1曲のオーディオデータを復元する。
【0013】
この機能ブロック図において、分割部1、解析部3、結合部4およびMP3エンコード部2の少なくとも1つのエンコーダは、1つのパーソナルコンピュータ上で実現することが可能である。また、複数のエンコーダはパーソナルコンピュータで複数のプロセッサを実装したボードを装着して並列処理させてもよいし、複数のパーソナルコンピュータなどを接続して分割データを送受信して並列処理をさせてもよい。また、複数のパーソナルコンピュータに対して係員が手動で分割データを入力・取り出しするようにしてもよい。
【0014】
図1(B)は、MP3エンコード部2の各エンコーダの機能ブロック図である。また図2はMP3データのデータ構成を示す図である。
図2において、MP3データは、PCMオーディオデータの1152サンプルで1フレームを構成する。各フレームの構成は同図(b)に示すように、ヘッダ、サイドインフォメーション、メインデータなどからなり、ヘッダ内の情報のうち、サンプルレート、ビットレート、パディングの有無の情報によりフレームサイズを割り出すことができる。すなわち、1フレームの大きさ(byte数)は、144×(ビットレート)÷(サンプルレート)で決定される。たとえは、ビットレート:128kbps、サンプルレート(サンプリング周波数fs):44.1kHzの場合;
144×128000/44100=417byte
であり、小数点以下は切り捨てられるが、MP3データ全体としての伝送ビットレートを合わせるために数フレームに1つの割合で1byteを加算(パディング)したフレームが構成される。数フレームに1つの割合で418バイトのフレーム(パディングフレーム)を作成する。
【0015】
また、サイドインフォメーションには、メインデータビギンというデータが書き込まれている。このデータは、MP3エンコードされた上記1152サンプルの符号化データ部(メインデータ)がどこから始まるかを示すデータである。ここで、MP3フォーマットの1フレームは、上記のように1152サンプルを対象としたものであるが、この1152サンプル分の符号化データ部(メインデータ)を、このフレーム以外の複数の隣接フレームのメインデータエリアにまたがって配置することを許容している。すなわち、1152サンプルのPCMデータをエンコードしたときのデータサイズはそのPCMデータの状態に応じて変化させることができる。これにより、単調な音の区間ではデータ量を少なく、複雑で変化に富んだ区間にはデータ量を多く割り振ることで、音質を考慮したデータ配分を行うことができる。また、このとき生じるフレーム毎のデータ配分量の差異は、複数の隣接フレーム間でそれぞれのメインデータサイズを調節することで吸収し、データ量が多い区間に多くのデータを配分できるようにする。その結果として、データ量の少ない区間では、メインデータエリアの後ろの部分に余白ができることで、次のフレーム以降のデータ量の多い区間により多くのデータを配分するための余裕分が生じることになる(ビット貯蔵)。
【0016】
そして、次のフレームのメインデータは、そのフレームのメインデータエリアからでなく、このビット貯蔵されている前のフレームのメインデータエリアの途中から書きはじめる。これによって、配信のビットレートを変更することがなくなるうえ、その分のメインデータエリアのエリアを節約している。そして、なかには、エンコードしたメインデータのサイズが1フレームのメインデータエリアの大きさよりも大きい場合があるが、上記のように他のフレームでビット貯蔵しているため、このようなデータを書き込んでも、全体としてフレーム数に対応したメインデータエリアのデータ量に対応するデータ量に収めることができる。
【0017】
図1(B)において、MP3エンコード部2のエンコーダは、フィルタバンク部11、聴覚心理モデル解析部12および量子化部13からなっている。フィルタバンク部11は32の帯域に分割するフィルタ部とMDCT(Modified Discrete Cosine Transform)部からなり(不図示)、PCMオーディオデータを576の周波数分解能のデータに変換する。聴覚心理モデル解析部12は1024点FFT(Fast Fourier Transform)分析により純音成分抽出などからマスキングレベル(可聴限界レベル)を算出する。量子化部13では、フィルタバンク部からのデータに対し、聴覚心理モデル解析部12で算出したマスキングレベルに基づき、ビットを配分しハフマン符号化を行うことでデータ長を圧縮する。以上の処理により、ビットレート128kbpsでエンコードした場合、PCMのオーディオデータが約1/11のMP3データに圧縮される。
【0018】
図2(C)にビット貯蔵の例を示す。これは曲の途中のフレームを示す図であり、フレーム(1) のメインデータエリアにはフレーム(2) のメインデータの後半部、フレーム(3) のメインデータおよびフレーム(4) のメインデータの先頭部分が書き込まれている。そして、フレーム(4) のメインデータの残りの部分は、フレーム(2) のメインデータエリアに書き込まれている。このように、メインデータがフレームの範囲を越えて書き込まれるため、PCMオーディオデータの内容に応じて、ビット数を節約できるフレームではメインデータを小さくしてビット貯蔵し、複雑なPCMデータのフレームでは、貯蔵されているビットを借りて1フレームを超える大きさのデータを書き込むことができ、全体としてのデータ量を増加させることなく高音質のエンコードをすることができる。
【0019】
フィルタバンク部11は、処理対象フレームとその前後の隣接フレームの半分にわたったフィルタ処理を行う。このため、データを分割してしまうと、その分割点付近のフレームでは隣接フレームの有無による影響が生じてしまう。また、MP3データにはビット貯蔵によるメインデータの移動があるため、オーディオデータを時間軸上でオーバーラップ無しに切断した分割データを単純に結合するのみでは再結合されたデータが不連続になってしまう。
そこで、上記分割部1では、分割するときに前後の分割データに重なり合うオーバーラップ区間を設け、解析部3が最適な結合フレームを割り出し、結合部4がメインデータの連続性を維持しつつ前記割り出された結合フレームで分割データを結合するようにしている。以下、これらの機能部の動作を詳細に説明する。
【0020】
図3は、分割部1が実行するPCMオーディオデータの分割処理を説明する図である。オーディオデータを分割する場合、各分割データがMP3の1フレームのサンプル数(この実施形態では1152サンプル)の整数倍になるように分割する。さらに、各分割データが前後の分割データと数フレーム分のオーバーラップ区間を共有するように、このオーバーラップ区間を両方に重複させて分割データを作成する。オーバーラップ区間のフレーム数は、上記のフィルタ処理で必要な隣接フレームをカバーできるフレーム数およびビット貯蔵が適合するフレームを検索するためのフレーム数を加算したフレーム数とする。
【0021】
同図では、1曲のオーディオデータを4分割し、各分割データが均等に同じ長さになるように調節している。このため、各分割データの長さ(フレーム数)をbase+ovlのフレーム数にしている。なお、基本分割フレーム数baseは、総データフレーム数;size、分割数;N、オーバーラップフレーム数;ovlとすると、(size−ovl)/Nで求めることができる。したがって、最初の分割データおよび最後の分割データは、隣の分割データとオーバーラップするのは片方のみであるため、両方ともオーバーラップする中間の分割データに比べてオーバーラップしない区間がovl/2だけ長くなっている。
【0022】
なお、元々のPCMオーディオデータのデータ長(サンプル数)がMP3の1フレームのサンプル数(1152サンプル)の整数倍でない場合には、最後の1フレームは短いフレームとなる。また、PCMオーディオデータのフレーム数が分割数Nで割り切れる数でなかった場合には、最後(N番目)の分割データは他の分割データよりも短い分割データとなる。上記のように分割された各分割データは、それぞれMP3エンコード部2でMP3データにエンコードされる。
【0023】
図4および図5は、前記解析部3が実行する結合フレーム検索処理を説明する図である。図4(A)は、分割データMP3(1) と分割データMP3(2) とを結合する場合について説明している。分割データMP3(1) のうちオーバーラップ区間の最後の2フレームは、終了点差などの影響を受ける区間であるため、それ以前のフレームの品質を確保するためのダミーフレームとして捨てることとする。また同様に、分割データMP3(2) のうちオーバーラップ区間の最初の2フレームは、フィルタリング遅延や開始点差などの影響を受ける区間であるため、それ以後のフレームの品質を確保するためのダミーフレームとして捨てることとする。したがって、オーバーラップ区間のうち両端の2フレームずつを除いた中央のフレームのどれかを結合フレームとするため、この区間の分割データMP3(1) 、分割データMP3(2) の対応する各フレームのメインデータビギン(ビット貯蔵値)の適合性をチェックする。
【0024】
すなわち、同図(B)に示すように、前のデータである分割データMP3(1) のメインデータビギンが、後のデータである分割データMP3(2) のメインデータビギンと同じか、または、それよりも手前にあれば、分割データMP3(1) のメインデータと分割データMP3(2) のメインデータを重なり合うことなく結合することができる。
【0025】
なお、ビット貯蔵に応じて複数の隣接フレーム間でデータ配分を調節するときは、エンコードを行うPCMデータの聴覚的情報量とその時点のビット貯蔵値によって配分量を決定する。このため、図1に示した複数のMP3エンコーダを同じものとし、オーバーラップ領域について同じPCMデータに対してエンコードを行ったとしても、オーバーラップ領域の始端からエンコードを開始したもの(MP3(2) )と、その前からエンコードをしてきたもの(MP3(1) )とでは、オーバーラップ領域に至るまでのエンコード過程が異なるため、それぞれのビット貯蔵値が異なる。したがって、結果として、それぞれのオーバーラップ領域のビット貯蔵値とメインデータビギン値は異なるものになる。このため、図4(A)に示すオーバーラップ領域のうち両端を除く全域にわたってメインデータビギンを比較し、メインデータが重ならない範囲でMP3(1) のメインデータビギンとMP3(2) のメインデータビギンが近いフレームを検索して、それを結合フレームとする。
【0026】
メインデータが重ならない範囲でMP3(1) のメインデータビギンとMP3(2) のメインデータビギンが近いフレームで両分割データを結合すると、図4(B)の下段に示す結合後のメインデータのマージン(空白エリア)が少なくなり、空白を埋めるためのダミーデータを少なくしてメインデータエリアを有効に使うことができる。
【0027】
図5は、解析部3の動作(結合フレーム検索動作)を示すフローチャートである。まず、s1で検索範囲およびレジスタのリセットを行う。結合する分割データMP3(1) 、MP3(2) のオーバーラップ区間のうち、両端のデータを除いた検索範囲の先頭フレームの番号をそれぞれi、jにセットし、検索範囲の最終フレームの番号をそれぞれend_i、end_jにセットする。また、メインデータビギンの差が最小のフレーム番号を記憶するレジスタmin_i、min_jにダミーデータとして−1をセットする。
【0028】
以下、検索範囲の先頭フレームから最終フレームまでメインデータビギンを比較してゆく。分割データMP3(1) のフレームiのメインデータビギンを読み出してレジスタAに書き込み(s2)、分割データMP3(2) のフレームjのメインデータビギンを読み出してレジスタBに書き込む(s3)。このレジスタA、Bの内容を比較して結合条件(A≧B)を満たし(s4)、且つ、その差(A−B)が今まで比較したフレームのうち最も小さい場合には(s5)、これを結合フレームとするため(A−B)をminレジスタに書き込むとともに、そのフレーム番号i、jをmin_i、min_jに書き込む(s6)。上記の処理をi、jに1を加算しながら(s7)、最終フレームend_i、end_jについて処理するまで繰り返し実行する(s8)。
【0029】
全てのフレームについて上記の処理を行ったのち、min_i、min_jを結合フレームと決定して結合部に通知し、結合処理に進む(s10)。このとき、もしフレーム番号min_iがダミーデータ(−1)のままであれば、A≧Bを満たすフレームが無かったものとして、結合処理に進まずにエラー処理(s11)に進む。
【0030】
図6は結合部4が実行する結合処理を説明する図である。結合部4は、上記処理で解析部3が決定した結合フレームで分割データMP3(1) と分割データMP3(2) を結合する。同図では、MP3(1) の結合フレームmin_iのメインデータビギン(ビット貯蔵値)が160であり、MP3(2) の結合フレームmin_jのメインデータビギン(ビット貯蔵値)が150の場合を示している。
【0031】
まず、分割データMP3(2) において、結合フレームmin_jより前に繰り上げられている150サンプルのメインデータを読み出して蓄積しておく。次に、分割データMP3(1) において、結合フレームmin_iのメインデータビギンが存在するフレームから結合フレームの直前(min_i−1)のフレームまでを合成対象フレームとする。この合成対象フレームにおいて、ヘッダ、サイドインフォメーション、フレームサイズ、および、結合フレームmin_iのメインデータビギン以前のメインデータについては、分割データMP3(1) のものを用いる。そして、そのメインデータにつづけて上記(A−B=min)のサイズのダミーデータを挿入したのち、上記蓄積しておいた結合フレームmin_j以後の分割データMP3(2) のメインデータをMP3(1) のメインデータエリアに書き込む。
そして、上記合成対象フレームより後の(結合フレームmin_jを含む)フレームは分割データMP3(2) のものを結合し、合成対象フレームより後のフレームは、分割データMP3(1) のものを結合する。
【0032】
このようにこの実施形態では、分割された分割データを各々エンコード処理し、その後に1曲分のエンコードされたデータを得るために「結合」処理を行っている。この一連のデータ処理をフレームの流れに着目して考えると、図6から明らかなように、分割データMP3(1) のフレームと分割データMP3(2) のフレームの並べ替え処理であると考えることもできる。
【0033】
なお、この実施形態では、PCMオーディオデータをMP3データにエンコードする場合の処理について説明したが、これ以外の形式であっても、エンコード時にエンコード箇所よりも前または後のデータが必要なエンコード方式であれば全て適用可能である。
【0034】
また、上記実施形態における分割および解析・結合の処理は、ホストとなる1台のパーソナルコンピュータで行えばよいが、図7に示すように、複数のパーソナルコンピュータをLANまたはWANで接続し、分割、MP3エンコード、解析・結合をそれぞれ別々のパーソナルコンピュータが分散処理するようにしてもよい。また、インターネット上に分割エンコードしたMP3データ(分割データ)を配信するサーバを設け、端末側でこの分割エンコードされたMP3データを受信して解析・結合するようにしてもよい。
【0035】
また、本発明において「エンコード」の語を主に圧縮の意味で用いているが、符号化一般にも適用可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、PCMのオーディオデータを分割して並列処理によりエンコードすることができ、処理の高速化を図ることができるうえ、その場合でも、データが不連続になったり、圧縮品質を低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態であるMP3エンコードシステムの機能ブロック図
【図2】MP3データのフォーマットを説明する図
【図3】前記MP3エンコードシステムの分割部が行う処理を説明する図
【図4】前記MP3エンコードシステムの解析部が行う処理を説明する図
【図5】前記MP3エンコードシステムの解析部の処理動作を示すフローチャート
【図6】前記MP3エンコードシステムの結合部が行う処理を説明する図
【図7】前記MP3エンコードシステムをネットワーク上の分散処理化した形態を示す図
【符号の説明】
1…分割部、2…MP3エンコード部、3…解析部、4…結合部、
11…フィルタバンク部、12…聴覚心理モデル解析部、13…量子化部
Claims (2)
- PCMのオーディオデータを複数の分割データに分割する手段であって、前記オーディオデータをフレーム単位に区切り、各分割データを複数フレームの本体データ区間、および前後の分割データとオーバーラップする複数フレーム分のオーバーラップ区間で構成する分割手段と、
各分割データをそれぞれ別個に可変長でエンコードし、エンコード後のオーディオデータをフレームを越えて隙間無く連続させて書き込むエンコード手段と、
エンコード手段がエンコードした前後2つの分割データが互いにオーバーラップしている区間の各フレームについて、前の分割データにおける各フレームに書き込まれているエンコード後のオーディオデータの始端と、後の分割データにおける同じオーディオデータの始端とが重ならずに最も近い位置になるフレームを検索する解析手段と、
解析手段が検索したフレームで各分割データを結合する結合手段と、
を備えたオーディオデータのエンコード装置。 - PCMのオーディオデータを、エンコードする時のフレーム単位で複数の分割データに分割し、そのとき前記オーディオデータをフレーム単位に区切り、各分割データを複数フレームの本体データ区間、および前後の分割データとオーバーラップする複数フレーム分のオーバーラップ区間で構成する分割工程と、
各分割データをそれぞれ別個に可変長でエンコードし、エンコード後のオーディオデータをフレームを越えて隙間無く連続させて書き込むエンコード工程と、
エンコード工程でエンコードした前後2つの分割データが互いにオーバーラップしている区間の各フレームについて、前の分割データにおける各フレームに書き込まれているエンコード後のオーディオデータの始端と、後の分割データにおける同じオーディオデータの始端とが重ならずに最も近い位置になるフレームを検索する解析工程と、
解析工程で検索したフレームで各分割データを結合する結合工程と、
からなるオーディオデータのエンコード方法。
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