JP3885356B2 - 制振材料の試験方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制振性能の評価方法に係り、三次元化制振性能評価技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
制振鋼板の制振性能の評価を損失係数でおこなうことが、JIS(G0602−1993)に規定されている。
ここでJISの規定においては、鋼板に制振材である樹脂を積層した試験片を用い、
温度;−10℃〜80℃
周波数;100Hz〜1800Hz
の範囲で損失係数を測定する。また、その方法は試験片の保持方式と試験片の加振方法によって区分されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、損失係数は周波数と温度に依存するが、JISによる結果から温度−周波数−損失係数の相関関係を求めることは難しいという問題がある。
JISの規定では、鋼板に樹脂を積層した試験片の損失係数、つまり、鋼板と樹脂との複合損失係数を測定しており、樹脂単体の損失係数は測定できないという問題があった。
さらに、寒冷地や炎天下での自動車室内を考えると、−10℃〜80℃というJISの規定における測定温度の範囲は狭く、また、ヒトの可聴範囲が20Hz〜20000Hzであることを考えると、100Hz〜1800Hzという周波数の測定範囲はかなり狭い。
しかし、温度の測定範囲を広げることは恒温槽の性能から無理であり、周波数の測定範囲についても、高周波数領域では105 Hz付近(波動伝播法)までが限界であり、低周波数領域では応カ緩和やクリープでしか測定できず、実用的ではない。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
▲1▼温度および周波数の広い範囲に対応する制振性能の評価を可能とすること。
▲2▼温度,周波数と損失係数との相関関係をより明確に表示可能な制振性能の評価方法を提供すること。
▲3▼制振材としての樹脂単体に対する制振性能の評価を可能とすること。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所定の基準温度における試験片の周波数とtanδとの関係を測定して、このtanδのデータの温度を周波数に変換し、該データからマスターカーブを異なる基準温度ごとに複数作成し、これらのマスターカーブに最小自乗平滑化処理を施すことで三次元化することにより上記課題を解決した。
本発明はまた、前記tanδのデータを固体粘弾性測定装置により測定すること、および、試験片が樹脂単体であることもできる。
さらに本発明は、所定の基準温度における試験片の周波数とtanδとの関係を測定して、このtanδのデータの温度を周波数に変換し、該データからマスターカーブを異なる基準温度ごとに複数作成し、前記マスターカーブから二変量ヒストグラムを作成することが可能である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る制振性能の評価方法の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
制振材料としての樹脂単体の制振性能は、損失係数をもってその評価がなされているが、JISで減衰法と規定する損失係数が対数減衰率のことであるため、対数減衰率と損失正接(tanδ)との関係を見いだせば、対数減衰率の代わりに、このtanδによって制振性能を評価することができる。
そこで、図1に示すような1自由度の機械系をモデルに、減衰運動系の運動方程式より対数減衰率ηとtanδとの関係を求めた。
【0007】
図1の機械系モデル(フォークトモデル)において、mは質量、kは弾性係数、cは粘性係数であり、この減衰振動系の運動方程式は、
【0008】
【数1】
Figure 0003885356
【0009】
となる。
この微分方程式の一般解は、
【0010】
【数2】
Figure 0003885356
【0011】
となり、そのグラフは図2に示すようになる。
ここで、対数減衰率ηは、始点(t=0)と1周期目(t=2π/ω)を(2)式に代入してその対数をとると、
【0012】
【数3】
Figure 0003885356
【0013】
となる。tanδは粘性項と慣性項との比率であるから、
【0014】
【数4】
Figure 0003885356
【0015】
となる。
ところで、速度の最大値には、
【0016】
【数5】
Figure 0003885356
【0017】
のような関係があるので、(5)式から(4)式は、
【0018】
【数6】
Figure 0003885356
【0019】
となる。また、弾性係数k=mω2/πから
【0020】
【数7】
Figure 0003885356
【0021】
従って、(3),(7)式から、
【0022】
【数8】
Figure 0003885356
【0023】
結局、
対数減衰率η ∝ tanδ
が導かれ、tanδが対数減衰率の代用になる。このことから、tanδによる制振性能評価が可能であり、また、樹脂単体の損失係数が測定できることになる。
【0024】
これより、本実施形態の制振性能の評価方法の手順について説明する。
【0025】
〔tanδ測定〕
上述した理由に基づいて、固体粘弾性測定装置(DMA;Dynamic Mechanical Analyzer)1により対数減衰率のかわりにtanδのデータを測定する。DMA1は、図3(a),(b)に示すように、内部に試験片3を支持する温度設定手段(加熱炉)2と、該試験片3にプローブ4を介して力を与える力発生部5と、試験片3の変形量を計測する歪計測部6と、これらを制御する制御部(CPU)7とを有する。
【0026】
tanδのデータは、制御部7により、加熱炉2を所定の設定温度にし、該設定温度で力発生部5により試験片3に加える周波数を下限値から上限値の間で変化させて、歪計測部5により変位信号として計測をおこない、このデータを制御部7で処理して、さらに、加熱炉2の設定温度を変化して複数回測定する。このtanδのデータは、図4に示すように、温度軸に対して垂直方向に並んでいる。並んだデータのうち、最下部が周波数上限値のデータ、最上部が周波数下限値のデータである。また、前記の各温度で周波数の下限値と上限値との間で測定したデータを、横軸を周波数、縦軸をtanδとして示したのが図5である。
【0027】
〔温度−周波数変換〕
次に、温度−時間(周波数)換算則に基づき、前記の各温度で周波数の下限値と上限値との間で測定したデータについて、温度を周波数に変換する。ここで、温度−時間(周波数)換算則は、高分子の粘弾性についての実験の集積から経験的に導かれたもので、J.Am.Chem.Soc.,77.3701(1955)に記載されるように、Williams−Landel−Ferryの3人によって提唱され、WLF式と呼ばれている。このWLF式は、
【0028】
【数9】
Figure 0003885356
【0029】
で表され、(9)式において、aT は移動因子、Tは温度、TS はガラス移転温度より50±5℃高い各物質に固有の標準温度、C1 ,C2 は温度に無関係な定数である。
これは、粘弾性における観測時間(周波数)と温度とが互いに等価であり、相互の交換が可能であることに起因している。すなわち、低温での測定は、高い周波数あるいは短い時間あるいは早い変形に相当し、高温での測定は、低い周波数あるいは長い時間あるいは遅い変形に相当する。
【0030】
このWFL式に従って、前記の各温度で周波数の下限値と上限値との間で測定したtanδのデータについて、温度を周波数に変換すると図6となる。
〔マスターカーブ作成〕
図5において、所定の温度のデータを基準温度として、それより高い温度のデータは右に、それより低い温度のデータは左ヘシフトさせると、図6に示すように、1本の連続した曲線が得られる。この曲線を本発明において、マスターカーブという。この図では、図5に示す各温度で周波数の下限値と上限値との間で測定したデータが変換されて、広い周波数範囲まで拡張されたことがわかる。すなわち、マスターカーブにより測定していない周波数範囲のtanδの予測が可能となる。このことは、広い周波数範囲における制振性能が評価できることを意味する。
〔複数マスターカーブ作成〕
そして、先の基準温度と異なる温度を基準温度として、同様にマスターカーブを多数作成する操作を繰り返す。作成された多数の基準温度によるマスターカーブを、x軸を周波数、y軸を温度、z軸をtanδとする三次元グラフ上に示したものが図7,図8である。
〔3次元化(TFL曲線作成)〕
図7、図8に示す複数のマスターカーブに最小自乗平滑化処埋を施すと、三次元化表現である三次元化曲線が得られる。この三次元化曲線を、Temperature、Frequency、Lossfactorの頭文字をとり、以下TFL曲線と称する。
このTFL曲線の一例を図9に示す。z軸は一目で明確になるよう塗り分けをした。TFL曲線のx軸は周波数が対数でとってあり、一目盛りが1桁に相当する。JIS測定の周波数範囲が100Hz〜1800Hzであることを考慮すると、TFL曲線の僅か一目盛り強に相当し、TFL曲線がいかに広範囲の周波数をカバーしているかがわかる。
〔二変量ヒストグラム作成〕
次に、図13に示すように、二変量ヒストグラムを作成する。この図13は各周波数の範囲に入るtanδのデータ数を示している。すなわち、図7におけるy軸(温度)とz軸(tanδ)とを変換して、図14に示す変換図を作成し、この図14を上面からみた図15の周波数の範囲とtanδの範囲とに入るデータの数を数え、ヒストグラムに表したものである。所定の範囲にある周波数での制振性能を他の試料のそれと比較したい場合に非常に有効である。このヒストグラムはTFL曲線では明確にしずらい数量比較をカバーする評価手法として優れている。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を、実施例および比較例により、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0032】
(実施例)
1.tanδの測定
tanδはDMA(Dynamic Mechanical Analyzer(固体粘弾性測定装置))を用いて、以下の条件に従って測定した。
(a)試料
試料は離型紙に流し、風乾後、0.5×5×35mmの短冊に切り出したものを用いる。
(b)装置
レオメトリックス社製Solid analyzer RSA‐2
(c)tanδの測定条件
測定周波数;1Hz
測定温度;−40℃〜100℃(3℃/min)
(d)マスターカーブ(tanδ)の測定条件
試験モード:4(周波数/温度同時掃引試験)
初期設定周波数:1(rad/s)
ひずみ振幅:0.1(%)
初期設定温度:−50(℃)
最終設定温度:150(℃)
試験温度間隔:10(℃)
温度浸漬時間:2(min)
有効測定波形の設定:0(cycles)
自動張力:Yes
周波数走査動作:No
最終設定周波数:100(rad/s)
試験周波数間隔:5
【0033】
2.tanδと損失係数との比較
上記1.(b)の装置により、1.(c)の条件下で測定した典型的な樹脂のtanδを、図19と表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003885356
【0035】
測定温度(20℃)で比較すると、表1に示す損失係数の大きいアクリルやアスファルトはtanδが高く、損失係数の小さいウレタンやポリブタジエン、エポキシはtanδが低いことがわかる。ここで、損失係数(対数減衰率)とtanδとが、前述した比例関係とならないのは、損失係数の測定値が樹脂単体の値ではなく、鋼板も含めた値であるためである。
【0036】
3.マスターカーブの作成
上記1.(b)の装置により、1.(d)の条件下で測定したtanδのデータを図4に示す。各温度で周波数を1rad/s〜100rad/sの範囲で変化させて測定するため、データは温度軸に垂直に並んでいる。この並んだデータの最下部が100rad/sにおけるtanδのデータ、最上部が1rad/sにおけるtanδのデータである。
このデータの横軸を温度ではなく周波数とすることにより図5となる。この図5において、たとえば39℃のデータを基準に、それより高い温度のデータは右に、それより低い温度のデータは左ヘシフトさせると、図6に示すように、1本の連続した曲線がえられ、これをマスターカーブとする。この図6において、温度を変えて1rad/s〜100rad/sで測定したデータが変換され、周波数範囲が10-4Hzから10Hzまで拡張されたことがわかる。すなわち、マスターカーブにより測定していない周波数範囲のtanδの予測が可能となる。このことは、広い周波数範囲における制振性能が評価できることを意味する。
そして、同様に39℃以外の温度を基準温度として多数のマスターカーブを作成する。作成された多数の基準温度によるマスターカーブを、x軸を周波数、y軸を温度、z軸をtanδとする三次元グラフ上に示したものが図7,図8である。ここで図8は、図7の右側面図である。
【0037】
4.三次元化制振性能評価
(1)TFL曲線の作成
図7,図8に示すようないろいろな基準温度でのマスターカーブを、x軸を周波数、y軸を温度、z軸をtanδにとり、統計解析ソフトSTATlSTlCAで最小自乗平滑化処埋をして、三次元化曲線であるTFL曲綿を、図9に示すように得る。
TFL曲線のx軸は周波数が対数でとってあり、一目盛りが1桁に相当する。JIS測定の周波数範囲が100Hz〜1800Hzであることを考慮すると、図9に示すTFL曲線の僅か一目盛り強に相当し、TFL曲線がいかに広範囲をカバーしているかがわかる。
【0038】
5.TFL曲線の応用
ラテックスエマルジョンA(tanδmax=0.7)と、アクリルエマルジョンB(tanδmax=2.3)との混合物を、ラテックスエマルジョンAとアクリルエマルジョンBとの混合比が、7:3,5:5,および3:7として作成し、これらの混合物のTFL曲線を図10ないし図12に示す。ここで、混合比7:3のものをA/B=7/3混合物と表す。
これらの図10ないし図12を比較することより、図11に示すA/B=5/5混合物が、tanδの高い、すなわち制振性能のよいことが明確に判断できる。
このようにTFL曲線により、樹脂単体の制振性能の比較が一見して可能であり、また、任意の温度、周波数における挙動も、周波数、温度等軸スケールの拡大縮小が簡単なことから、複数種類の試験片の間において細部にわたり対照比較することができる。
【0039】
6.二変量ヒストグラム
図13に示すように、二変量ヒストグラムを作成した。この図は各周波数の範囲に入るtanδのデータ数を示している。すなわち、この図は、図14に示すように、図7のy軸(温度)とz軸(tanδ)を変換し、図15に示すように、上面からみた図の周波数の範囲とtanδの範囲に入るデータの数を数え、ヒストグラムに表したものである。
たとえば1rad/s〜10000rad/sの範囲にある周波数での制振性能を他の試料のそれと比較したい場合に非常に有効である。
このヒストグラムはTFL曲線では明確にしずらい数量比較をカバーする評価手法として優れている。
【0040】
(比較例)
通常片持ち梁といわれる片端固定方式で定常加振法を採用し、図17にその概略構成を示すようなJIS規格に沿った装置(制振性能測定システム:ME8068)を使用し損失係数を測定した。以下に測定条件等を示す。
1.損失係数の測定
(a)装置
制振性能測定システム
メーカー:松下インターテクノ(株)
機種:ME8068システム
測定系:ME3930型複素弾性計数測定装置
2チャンネルFFT分析器(2032型)
加振器:MM0002型電磁型変換器+2639型増幅器
取付ジグ:ME3930型複素弾性計数測定装置
恒温槽:日測エンジニアリング(株)製
データ処埋:HP9000−300コンピュータ
(b)損失係数の測定条件
(1)試験方法の種類
試料の保持方式は片端固定(片持ち梁)による定常加振法を用いた。
従って、加振は電磁加振器、保持はバイスに固定、損失係数算出法は半値幅法である。
(2)試験片
試験片はJIS G0602の標準試験片に基づき、0.8×16×215mmの鋼板に表1に示す5種類の制振材を2mmの厚さに塗布したものを用いた。
(3)測定温度
恒温槽を−10℃〜80℃の測定温度に保持し、その温度で試験片を1時問放置したものを用いた。
【0041】
上記(b)の条件下で測定した損失係数の値を表1に示す。
【0042】
2.制振性能評価法について
JIS(G0602−1993)に規定されている規格の上記1.(a)に示した装置を用いて、アクリル樹脂の損失係数を測定した。その結果を図18に示す。横軸は周波数(Hz)、縦軸は損失係数である。測定温度が高くなると、損失係数は高くなる傾向を示すが、80℃では低下する。また、200Hzでは40℃での損失係数が80℃より高いが1000Hzになると逆転する。
【0043】
上述のように、実施例の制振性能の評価方法は、鋼板に塗布した制振材を用いずに制振性能を評価するため、現在のJIS法に規定される比較例のような方法では不明な制振材単体での性能を評価することができる。そのため、自動車,鉄道,船舶等の運送機械関連分野、制振合板等の建設・建材関連分野,洗濯機等の家電家庭製品分野等において用いられる制振材料の開発を促進することができる。
【0044】
なお、JIS法に規定される評価方法のいくつかの問題点を解決する評価方法として、図16に示す換算周波数ノモグラムがある。このノモグラムは、1994年にISOで推奨されているが、測定周波数の狭さをカバーする手法である。また、JISへの採用が検討されているが、二次元グラフで損失係数、温度、周波数、換算周波数が4軸にあり、わかりにくい。これと比較しても、本発明の制振性能の評価方法が優れていることがわかる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の制振性能の評価方法によれば、以下の効果を奏する。
(1)温度を周波数に変換し、マスターカーブを作成したため、温度および周波数の広い範囲に対応する損失係数に対する評価を可能とすることができる。
(2)複数のマスターカーブを作成し、これからTFL曲線を作成したことにより、温度,周波数と損失係数との相関関係をより明確に表示可能な制振性能の評価方法を提供することができる。
(3)固体粘弾性測定装置によりtanδを測定するため、樹脂を鋼板に塗布することなく、制振材としての樹脂単体の損失係数に対する評価を可能とすることができる。
(4)複数のマスターカーブを作成し、このデータから二変量ヒストグラムを作成したため、制振性能をより明確に表現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る制振性能の評価方法の一実施形態における機械系モデルを示す概略説明図である。
【図2】 図1のモデルにおける振動系の振動状態を示すグラフである。
【図3】 本発明に係る制振性能の評価方法の一実施形態において使用するDMAを示すブロック図である。
【図4】 本発明に係る制振性能の評価方法の一実施形態における各周波数(1rad/s〜100rad/s)でのtanδの測定値を示すグラフである。
【図5】 図4の横軸を周波数としたグラフである。
【図6】 図5において39℃のデータを基準としたマスターカーブを示すグラフ。
【図7】 図6におけるマスターカーブの基準温度を変化して作成したグラフである。
【図8】 図7のグラフの右側面図である。
【図9】 図7のデータから作成したTFL曲線を示す図である。
【図10】 ラテックスエマルジョンAとアクリルエマルジョンBとの混合比がA/B=7/3の混合物のTFL曲線を示すグラフである。
【図11】 図10における混合比がA/B=5/5の混合物のTFL曲線を示すグラフである。
【図12】 図10における混合比がA/B=3/7の混合物のTFL曲線を示すグラフである。
【図13】 図7のデータから作成した二変量ヒストグラムである。
【図14】 図7においてy軸とz軸との交換をおこなったグラフである。
【図15】 図14を平面視したグラフである。
【図16】 ISOの推奨する換算周波数ノモグラムである。
【図17】 制振性能測定システム(ME8068)を示す構成図である。
【図18】 JIS規定に基づく比較例の測定結果を示すグラフである。
【図19】 典型的な樹脂のtanδ−温度を示すグラフである。
【符号の説明】
1…固体粘弾性測定装置(DMA;Dynamic Mechanical Analyzer)
2…温度設定手段(加熱炉)
3…試験片
4…プローブ
5…力発生部
6…歪計測部
7…制御部(CPU)

Claims (4)

  1. 制振材料からなる試験片を用意し、試験片に加える周波数を所定の下限値から上限値の間で変化させて所定の測定温度におけるtanδを測定し、さらに、同じ下限値から上限値の間で周波数を変化させて他の測定温度におけるtanδをそれぞれ測定することにより、複数の測定温度における試験片の周波数とtanδとの関係を測定し、
    前記複数の測定温度のうち一つの測定温度を基準温度として、前記tanδのデータのうち測定温度が前記基準温度と異なるものについては、次に示すWLF式(ただしa は移動因子、Tは温度、Tsは物質に固有の標準温度、C 及びC は温度に無関係な定数である。):
    log a = −C (T−Ts)/(C +T−Ts)
    に従って、各tanδのデータの測定温度を基準温度としたときに等価となる周波数を求め、該等価となる周波数を横軸としてtanδを縦軸としたグラフであるマスターカーブを作成することを複数回行うことにより、該データからマスターカーブを異なる基準温度ごとに複数作成し、
    これら複数のマスターカーブに最小自乗平滑化処理を施すことでx軸を周波数、y軸を温度、z軸をtanδとする三次元グラフを作成することを特徴とする制振材料の試験方法
  2. 前記tanδのデータを固体粘弾性測定装置により測定することを特徴とする請求項1記載の制振材料の試験方法
  3. 試験片が樹脂単体であることを特徴とする請求項1または2記載の制振材料の試験方法
  4. 制振材料からなる試験片を用意し、試験片に加える周波数を所定の下限値から上限値の間で変化させて所定の測定温度におけるtanδを測定し、さらに、同じ下限値から上限値の間で周波数を変化させて他の測定温度におけるtanδをそれぞれ測定することにより、複数の測定温度における試験片の周波数とtanδとの関係を測定し、
    前記複数の測定温度のうち一つの測定温度を基準温度として、前記tanδのデータのうち測定温度が前記基準温度と異なるものについては、次に示すWLF式(ただしa は移動因子、Tは温度、Tsは物質に固有の標準温度、C 及びC は温度に無関係な定数である。):
    log a = −C (T−Ts)/(C +T−Ts)
    に従って、各tanδのデータの測定温度を基準温度としたときに等価となる周波数を求め、該等価となる周波数を横軸としてtanδを縦軸としたグラフであるマスターカーブを作成することを複数回行うことにより、該データからマスターカーブを異なる基準温度ごとに複数作成し、
    周波数の範囲及びtanδの範囲をそれぞれ複数の範囲に分け、前記複数のマスターカーブから、各々の周波数及びtanδの範囲に入るデータの数を数えて頻度を求めることにより、二変量ヒストグラムを作成することを特徴とする制振材料の試験方法
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