JP3879876B2 - Ceramic dental crown ceramic composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックス歯冠に好適に使用される新規な陶材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年歯冠用セラミックスの分野では、オールセラミックスと呼ばれる材料が需要を拡大しつつある。従来、審美的なインレーまたはクラウン修復には、メタルボンドポーセレンと呼ばれる金属コアにセラミックスを焼き付けた材料が用いられてきた。しかし、メタルボンドポーセレンでは内部の金属が光を透過しないため天然歯と同様の自然感を再現できず、また金属の影響により歯肉が変色するという問題点を有していた。これに対し、オールセラミックスとは金属コアを用いずに歯冠全体をセラミックスで形成する手法である。このセラミックスには通常半透明の材料が用いられ、天然歯と同様に光を透過することができる。このためより自然感の高い歯冠が得られ、且つ歯肉の変色に関する問題も解消される。このためオールセラミックスは、それ自身の材料強度向上とあいまって、応用範囲を拡大しつつある。
【0003】
一方、インレー、クラウン等修復物の審美性を追求すると、その構造は歯と同様の2層またはそれ以上の層状構造を有することが望ましい。これは歯の硬組織がデンチン、エナメルの2層構造であり、これらの層内または層界面で可視光が複雑に散乱し、その散乱光が審美性に顕著な影響を及ぼすためである。従って、近年のオールセラミックス修復物は、コアとシェルの2層構造を形成できるシステムであることが不可欠の条件となっている。
【0004】
コアには、従来マイカ系、アパタイト系、ディオプサイド系等の結晶化ガラスが主に用いられており、これらは 熔融状態からのキャストまたは高温プレスにより成形される。一方シェルの形成には、通常歯科用陶材と呼ばれるガラスまたは結晶化ガラスの粉末が用いられる。この歯科用陶材を練和液でスラリー状として、コアの表面に盛り付けた後に焼成することにより、シェルが形成される。
【0005】
このシェルには、当然のこととして口腔内での耐久性が要求される。しかし、上述のようにガラスの粉末を焼成する場合、焼成の過程において気泡が内部に閉じ込められることがあり、この気泡がシェル焼成体の強度を低下せしめる原因となっていた。
【0006】
また上記シェルには、使用部位により天然歯と同様の透明感を要求される。特に歯の切端に用いられる場合にはシェルに高度の透明性が求められ、この高度の透明性の再現には、気泡による濁りの除去が不可欠である。一方、後述するように近年焼成温度の低いシェルへの需要が高まっているにも関わらず、焼成温度の低いガラス粉末は、焼成温度の高いガラス粉末に比べ焼成過程において内部に気泡を取り込みやすく、良好な強度及び透明性を有するシェルが得られないという問題を有していた。
【0007】
最近歯冠用セラミックスとして開発されたディオプサイド結晶化ガラスは、強度が高くまた低温でのプレス成形が可能なため、上記コア用材料として有望視されている。そのガラス転移点は730〜750℃程度であるが、陶材をこの材料の上に築盛する場合、コアの熱変形防止のため陶材の焼成温度は上記ガラス転移点以下でなければならない。
【0008】
更に、シェルとコアの熱膨張係数は互いに近似していることが必要であり、さもなくば焼成後の冷却時に生じる成形物中の内部応力により、クラックの発生を招いてしまう。コアの熱膨張係数は従来の歯冠用セラミックスの場合、7×10-6〜13×10-6/℃程度であった。しかし、最近では例えばディオプサイド系結晶化ガラス等で6×10-6/℃程度の熱膨張係数を有するものが現れてきており、この様な低膨張のコアに対応するシェルは未だ開発されていない。
【0009】
一般にガラスでは、二酸化珪素等の網目構造が種々の物性を支配するため、網目構造が強固なほど熱膨張係数は低くなる。しかし一方では、高温での流動性が上昇し、焼成温度も同時に高くなる。即ち、低膨張と低焼成温度を両立するガラスを得ることは、ガラスの特性に伴う二律背反の克服を意味していた。
【0010】
上記条件に加え、シェルには口腔内環境での耐久性が要求される。しかし、低焼成温度用シェルは口腔環境下での長期に亘る浸漬により表面からイオンが溶出し、色調の微妙な変化や透明性の低下等が起きることが問題となっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、第一に焼結後の強度および透明性の高いセラミックス歯冠用シェル並びに該シェルの製造に好適に使用される陶材組成物を提供することにあり、更には、強度および透明性が高く、且つ低焼成温度、低膨張、化学的耐久性に優れるセラミックス歯冠用シェル並びに陶材組成物を供給することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記技術課題を克服すべく鋭意研究を重ねた。その結果、特定の温度差で焼成温度の異なるガラス粉末を混合することにより、焼成後に強度並びに透明性の高いセラミックス歯冠用陶材組成物の得られることを見いだした。また当該特性に加え、低焼成温度、低熱膨張係数であり、且つ化学的耐久性に優れる歯冠用陶材組成物の得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明は、焼成温度の異なる少なくとも二種のボロシリケートガラス粉末を含んでなるセラミックス歯冠用陶材組成物であって、組成物中最も高い焼成温度を有するガラス粉末と最も低い焼成温度を有するガラス粉末との焼成温度差が20〜100℃であり、最も高い焼成温度を有するガラス粉末が酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、並びに酸化リチウムおよび/または酸化ナトリウムを主成分とするボロシリケートガラスからなり、該ガラス中のこれら各成分の含有割合が、各成分をそれぞれSiO 2 、Al 2 O 3 、B 2 O 3 、Li 2 OおよびNa 2 Oに換算したときのこれら各成分の合計に対する重量%で表して、それぞれSiO 2 :60〜75重量%、Al 2 O 3 :5〜20重量%、B 2 O 3 :10〜20重量%、並びにLi 2 Oおよび/またはNa 2 O:3〜12重量%であり、最も低い焼成温度を有するガラス粉末が酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、並びに酸化リチウムおよび/または酸化ナトリウムを主成分とするボロシリケートガラスからなり、該ガラス中のこれら各成分の含有割合が、各成分をそれぞれSiO 2 、Al 2 O 3 、B 2 O 3 、Li 2 OおよびNa 2 Oに換算したときのこれら各成分の合計に対する重量%で表して、それぞれSiO 2 :55〜65重量%、Al 2 O 3 :2〜15重量%、B 2 O 3 :12〜25重量%、並びにLi 2 Oおよび/またはNa 2 O:5〜15重量%であり、且つ当該陶材組成物の焼成温度が650〜800℃である前記セラミックス歯冠用陶材組成物である。他の発明は、該セラミックス歯冠用陶材組成物を焼成してなるセラミックス歯冠用シェルである。
【0014】
本発明のセラミックス歯冠用陶材組成物は、焼成温度の異なる少なくとも二種のガラス粉末を含む。該組成物中、焼成温度が最も高いガラス粉末を以下高温焼成ガラス粉末といい、焼成温度が最も低いガラス粉末を以下低温焼成ガラス粉末という。必要に応じて、その中間温度域に焼成温度を有する中温焼成ガラス粉末を用いることもできる。
【0015】
全ガラス粉末を混合したセラミックス歯冠用陶材組成物の焼成温度は650〜800℃、好ましくは650〜750℃の範囲である。陶材組成物の焼成温度が800℃より高いとコアが熱変形を起こす可能性がある。一方焼成温度が650℃より低いと、ガラスの特性上酸溶解量の悪化する場合が多く、また技工操作中に陶材組成物に付着した有機物が完全に分解することなくシェルの中に取り込まれ、シェルの色調を不良なものとする恐れが生じる。
【0016】
本発明で用いられる各ガラス粉末の焼成温度は、高温焼成ガラス粉末と低温焼成ガラス粉末との焼成温度差が20〜100℃の条件を満足し且つ上記の通り、二種以上のガラス粉末を混合したセラミックス歯冠用陶材組成物の焼成温度が650〜800℃である限り、各々のガラス粉末の焼成温度が650〜800℃の範囲を外れるてもよい。
【0017】
代表的には、高温焼成ガラス粉末の焼成温度範囲は、670〜810℃、好ましくは700〜760℃から選択され、低温焼成ガラス粉末の焼成温度範囲は、600〜790℃、好ましくは630℃〜740℃から選択される。更に、中焼成ガラス粉末の焼成温度は、上記高および低温焼成ガラス粉末の間にあれば良い。各ガラス粉末の焼成温度が上記範囲を外れると、焼成体の透明性が低下する傾向にある。尚、本発明における焼成温度とは、ガラス粉末または陶材組成物を水と練和後作製した成形体が、充分な焼結に至る温度であり、その詳細は実施例に記す。
【0018】
またガラス粉末の粒径については特に限定されることはないが、セラミックス歯冠用陶材組成物に用いるためには、練和液との混合、築盛、コンデンス等、種々の操作性を満足することが望ましく、平均粒径は20〜70μm程度の範囲であることが好ましい。
【0019】
更に、焼成体に残留する気泡を可究的に少なくするためには、上記二種以上のガラス粉末の内、焼成温度の高いものについては小さい粒子を含まないことが望ましく、平均粒子径は30〜70μmの範囲であることが好ましく、40〜60μmの範囲であることがより好ましい。一方焼成温度の低いガラス粉末については、平均粒子径は20〜50μmの範囲であることが好ましく、25〜50μmの範囲であることがより好ましい。
【0020】
上記二種以上のガラス粉末の屈折率は特に限定されることはないが、特に透明性の高い陶材組成物を必要とする場合には、複数のガラス粉末間で屈折率の差が小さいほうが好ましい。具体的には、二種以上のガラス粉末の屈折率は、その最大値と最小値の差は0.03以下であることが好ましく、0.02以下であることがより好ましい。
【0021】
高温焼成ガラス粉末と低温焼成ガラス粉末の配合比は、上記の通り二種以上のガラス粉末を混合したセラミックス歯冠用陶材組成物の焼成温度が650〜800℃になるように、各ガラス粉末の焼成温度を勘案して決定される。例えば、高温焼成ガラス粉末と低温焼成ガラス粉末との両者の重量比で表示すれば、2:8〜7:3の範囲が好ましく、3:7〜6:4の範囲がより好ましい。必要に応じて中温焼成ガラス粉末を配合するときは、該ガラス粉末の焼成温度及び量を考慮して、高温焼成温ガラス粉末と低温焼成ガラス粉末との配合比が決定される。
【0022】
これらガラス粉末の混合方法は、特に限定されず公知の方法を採用することができる。混合に用いる装置を例示すれば、V−ブレンダー、揺動ミキサー、シェイカー、ボールミル、ライカイ機等を挙げることができるが、中でも混合中にガラスが過剰に粉砕されることの無いものが好ましく、その様な装置として、V−ブレンダー、揺動ミキサー、シェイカー等を挙げることができる。
【0023】
本発明のセラミックス歯冠用陶材組成物に用いるガラスは特に限定されず、公知のガラスを使用する事が出来る。ここで言うガラスとは、完全に非晶質のガラス、および非晶質のガラスをマトリックスとしてその中に結晶成分を含むいわゆる結晶化ガラスの両者を意味する。このガラスとして一般に好適に使用されるものを例示すれば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、及びアルカリ金属酸化物を主成分とするボロシリケートガラスを挙げることができる。代表的なボロシリケートガラスの組成を以下に示す。
【0024】
二酸化珪素(SiO2換算)の好適な含有量は50〜75重量%であり、より好ましくは55〜70重量%である。SiO2の含有量が75重量%を越えるとガラスを調製するための溶融温度が高くなりすぎ、また高温でガラスを調製できたとしてもそのガラスの焼成温度が高くなる。一方、55重量%以下では酸溶解量が大きくなりすぎる。
【0025】
また、酸化アルミニウム(Al2O3換算)の好適な含有量は2〜20重量%であり、より好ましくは5〜15重量%である。Al2O3の含有量が20重量%を越えるとガラスの高温粘性が高くなるため焼成温度が高くなり、2重量%以下では酸溶解量が大きくなりすぎる。
【0026】
また、酸化ホウ素(B2O3換算)の含有量は5〜25重量%が好適であり、より好ましくは8〜20重量%である。B2O3の含有量が25重量%を越えると酸溶解量が大きくなりすぎ、5重量%以下ではガラスを調製するための溶融温度が高くなりすぎ、また高温でガラスを調製できたとしてもその焼成温度が高くなる。 更に、アルカリ金属酸化物としては、熱膨張係数の点から酸化リチウム(Li2O換算)および/又は酸化ナトリウム(Na2O換算)が好適である。これらの合計含有量は3〜15重量%が好適であり、より好ましくは5〜12重量%である。Li2O+Na2Oの含有量が15重量%を越えると熱膨張係数が大きくなると同時に酸溶解量が大きくなりすぎ、5重量%以下ではガラスを調製するための溶融温度が高くなりすぎ、また高温でガラスを調製できたとしてもその焼成温度が高くなる。特に、熱膨張係数を低く抑えるためには、Li2Oを3重量%以上含むことが好ましい。
【0027】
上記ボロシリケートガラスには、酸化カルシウム、酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも一種の2価金属酸化物を加えることにより、焼成温度の低下、焼成体中の気泡の減少等を図ることができる。該2価金属酸化物の含有量は、ガラスを構成する全成分を100重量%として、20重量%以下であることが好ましい。含有量が20重量%を越えると熱膨張係数が高くなり、また酸溶解量が大きくなりすぎる場合がある。
【0028】
更に該ボロシリケートガラスには、上記物性に悪影響のない範囲において、更に各種金属酸化物を含有させることが可能である。これら金属酸化物を例示すれば、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化リン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅等の遷移金属酸化物、酸化ランタン等のランタノイド酸化物、酸化錫、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化タンタル等を挙げることができる。これらの金属酸化物の中でも、特に酸化チタンを含有させることにより、ボロシリケートガラスに容易にオパール性を付与することができる。酸化チタンの好適な含有量は0.1〜15重量%であり、より好ましくは1〜10重量%である。この場合、酸化チタンは結晶析出のための核形成剤として用いられるが、この酸化チタンに加え酸化ジルコニウムを含有させることは、微結晶の制御をより容易なものとするため、好ましい態様である。
【0029】
本発明のセラミックス歯冠用陶材組成物に用いる高温焼成ガラス粉末の好ましい組成を例示すれば、SiO2が60〜75重量%、より好ましくは61〜88重量%、Al2O3が5〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%、B2O3が10〜20重量%、より好ましくは10〜17重量%、Li2OとNa2Oの合計量が3〜12重量%、より好ましくは4〜10重量%であり、好ましくはLi2Oが2重量%以上である。更に酸化チタン等の前記他の成分を、必要に応じて例えば1〜5重量%加えることができる。
【0030】
低温焼成ガラス粉末の好ましい組成を例示すれば、SiO2が55〜65重量%、より好ましくは61〜65重量%、Al2O3が2〜15重量%、より好ましくは5〜12重量%、B2O3が12〜25重量%、より好ましくは12〜20重量%、Li2OとNa2Oの合計量が5〜15重量%、より好ましくは6〜12重量%であり、好ましくはLi2Oが3重量%以上である。更に酸化チタン等の前記他の成分を、必要に応じて例えば1〜5重量%加えることができる。
【0031】
本発明のセラミックス歯冠用陶材組成物に用いられる各種ガラス粉末の製造方法は特に限定されず、公知の方法を採用することが可能である。代表的な製造方法を例示すれば、次のような方法を挙げることができる。
【0032】
先ず上記ガラス粉末の各構成成分の供給源となるガラス原料をV型混合機、ボールミル等を用いて混合した後、るつぼに混合原料を充填し、電気炉を用いて1300℃〜1600℃で加熱溶融する。ついで溶融状態のガラスを、空気中で徐冷または水中で急冷してガラスを得る。このガラスを再度溶融、冷却することも均一なガラスを得るために好ましい方法である。
【0033】
得られたガラスをガラス粉末に粉砕する方法は特に限定されず、公知の粉砕方法を採用することができる。一般的な粉砕装置を例示すれば、ジョークラッシャー、コーンクラッシャー等の圧縮粉砕機、振動ボールミル、遊星ミル等のボールミル類、塔式粉砕機、攪拌槽型粉砕機、アニュラー型粉砕機等の媒体攪拌型粉砕機、ピンミル、ディスクミル等の高速回転式衝撃粉砕機、その他ロールミル、ジェット粉砕機、自生粉砕機等が挙げられる。また分級方法も特に限定される事はなく、公知の分級方法が採用され得る。一般的な分級装置を例示すれば、振動ふるい、シフター等のふるい分級機、サイクロン等の遠心式分級機、沈降分級機等の湿式分級機等が挙げられる。
【0034】
本発明のセラミックス歯冠用陶材組成物に用いられるガラス粉末の基となるガラスを製造するための原料は特に限定されない。以下、各構成成分の供給源となるガラス原料を具体的に例示する。
【0035】
二酸化珪素の原料としては、珪砂(SiO2)が一般に用いられる。
【0036】
酸化アルミニウムの原料としては、アルミナ(Al2O3)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、ソーダ長石(Na2OAl2O36SiO2)、灰長石(CaOAl2O32SiO2)、カオリン(Al2O32SiO22H2O)、ペタライト(Li2OAl2O38SiO2)、スポジュメン(Li2OAl2O34SiO2)等が挙げられる。
【0037】
酸化ホウ素の原料としては、無水ホウ酸(B2O3)、無水ホウ砂(Na2B4O7)等が挙げられる。
【0038】
酸化ナトリウムの原料としては、ソーダ灰(Na2CO3)、水酸化ナトリウム(NaOH),硫酸ナトリウム(Na2SO4)、硝酸ナトリウム(Na2NO3)等を用いることができる。
【0039】
酸化リチウムの原料としては、炭酸リチウム(Li2CO3)、水酸化リチウム(LiOH),硫酸リチウム(LiSO4)、硝酸リチウム(LiNO3)等を用いることができる。
【0040】
酸化チタンの原料としては、通常酸化チタンが用いられるが、ルチル型、アナターゼ型いずれの結晶形態を用いることも可能である。
【0041】
酸化ジルコニウムの原料としては、バッデライト(ZrO2)、酸化ジルコニウム等を用いることができる。
【0042】
尚、これらガラス原料の混合比は、最終的に得られるガラス組成を勘案し、あらかじめ計算により決定しうる。
【0043】
本発明のセラミックス歯冠用陶材組成物に各種無機顔料を混合し、その色調の調製並びに透明性の制御を行うことは一般的である。これにより、デンチン、エナメル、切端、歯頸部など歯牙の各部に相当する色調並びに透明性を付与し、これらを複層に築盛することにより、自然観の良好な色調を再現することが可能となる。上記目的に使用される無機顔料として代表的なものを例示すれば、バナジウム黄、コバルト青、クロムピンク、鉄クロム茶、チタン白等が挙げられる。
【0044】
本発明のセラミックス歯冠用陶材組成物の使用方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。一般的には、本陶材組成物を水で練和してスラリー状の練和泥を調製し、次いでコアとなるセラミックス上に該練和泥を築盛し、その後陶材組成物の焼成温度にて焼成することで、シェルを被覆した人工歯が形成される。この時、水の替わりに陶材組成物に近似した屈折率の練和液を用いることは、練和泥が半透明となり、焼成後の色調予測が容易となる点で好ましい方法である。
【0045】
本発明の陶材組成物を焼成してなるシェルの熱膨張係数は4.0×10-6〜7.5×10-6/℃であることが好ましい。熱膨張係数がこの範囲を外れると、コアとなるセラミックスとの熱膨張係数の差が大きくなりすぎ、シェルに亀裂が入る、或は経時的にコアとシェルの間に熱応力が集中して剥離する等の不都合を生じる可能性がある。尚、シェルの熱膨張係数はガラスの組成に依存するが、その関係については前述の通りである。更に、シェルの酸溶解量が1.0wt%以下であることが好ましい。1.0wt%を越えると、長期に亘って使用した場合、色調変化や透明性低下が生じ審美性の観点から好ましくない。
【0046】
【発明の効果】
本発明のセラミックス歯冠用陶材組成物は焼成温度が低く、この組成物を焼成して得られるセラミックス歯冠用シェルは、強度および透明性が高く、且つ低膨張であり化学的耐久性に優れる。このため天然歯様の自然感に富み、且つ耐久性の高い人工歯の作製を可能とする。
【0047】
【実施例】
以下本発明を具体的に説明するため実施例を挙げるが、本発明はこの実施例により何等制限されるものではない。尚、実施例中に示した焼成温度、熱膨張係数、酸溶解量、強度および透明性の評価方法は以下の通りである。
【0048】
(1)焼成温度
ガラス粉末または陶材組成物を水と練和し、厚さ2mm、直径10mmの孔を有するモールドにコンデンスを行いながら充填し、成形体を作製した。この成形体をポーセレンファーネスTDFシグマ120(トクヤマ社製)を用い、600℃の炉下で5分間乾燥した後、ガラス組成より適宜予測した焼成温度付近において、10℃間隔にて真空焼成した。600℃からの昇温速度は50℃/min、焼成温度での保持時間は2分間とした。焼成体を観察し、全体が完全に焼結して半透明となり、且つ表面は完全に溶融することなく陶材粒子による凹凸がわずかに観察された時の焼成温度を、ガラス粉末または陶材組成物の焼成温度とした。
【0049】
(2)熱膨張係数
陶材組成物を水と練和し、4mm×4mm×12mmの穴を有するモールドにコンデンスを行いながら充填し、成形体を作製した。この成形体を、ポーセレンファーネスTDFシグマ120(トクヤマ社製)を用い、600℃の炉下で5分間乾燥した後、(1)で測定した焼成温度付近にて2分間真空焼成した。600℃からの昇温速度は50℃/minとした。焼成体を3mm×3mm×10mmの直方体に研磨して測定試料とし、熱分析装置TMA120(セイコー電子社製)にて室温から500℃まで加熱し、熱膨張係数を測定した。
(3)酸溶解量
6gの陶材組成物を水と練和し、コンデンスを行いながら厚さ約10mmの塊状に成形した。この成形体を、ポーセレンファーネスTDFシグマ120(トクヤマ社製)を用い、600℃の炉下で5分間乾燥した後、(1)で測定した焼成温度付近にて5分間真空焼成した。600℃からの昇温速度は50℃/minとした。焼成体をアルミナ乳鉢にて粗粉砕した後、メッシュのふるいを通過し、メッシュのふるいを通過しない成分を回収した。この成分3gを採取し、0.01規定の硝酸水溶液100mlに浸漬して1時間煮沸した。ガラスを濾過により液から分離後、100℃にて15時間乾燥後秤量した。酸溶解量は下記式(1)により算出した。
【0050】
【0051】
(4)強度
陶材組成物を水と練和し、4mm×4mm×28mmの穴を有するモールドにコンデンスを行いながら充填し、成形体を作製した。この成形体を、ポーセレンファーネスTDFシグマ120(トクヤマ社製)を用い、600℃の炉下で5分間乾燥した後、(1)で測定した焼成温度付近にて5分間真空焼成した。600℃からの昇温速度は50℃/minとした。焼成体を3mm×3mm×20mmの直方体に研磨して測定試料とし、万能試験機オートグラフ(島津製作所社製)を用い、支点間距離20mm、クロスヘッドスピード1mmにて3点曲げ強度を測定した。
【0052】
(5)透明性
陶材組成物を水と練和し、厚さ2mm、直径10mmの孔を有するモールドにコンデンスを行いながら充填し、成形体を作製した。この成形体をポーセレンファーネスTDFシグマ120(トクヤマ社製)を用い、600℃の炉下で5分間乾燥した後、陶材組成物の焼成温度にて真空焼成した。600℃からの昇温速度は50℃/min、焼成温度での保持時間は2分間とした。焼成体の両面を#120と#800の耐水研磨紙にて研磨し、厚さを1mmとした。色差計(TC−1500MC、東京電色社製)により三刺激値のひとつであるY値を測定した。この時、試料の裏側に標準白色板(X=81.2、Y=82.7、Z=93.8)を置いた場合のY値(以下Ywとする)と、試料の裏側に標準黒色板(X=0.1、Y=0.1、Z=0.2)を置いた場合のY値(以下Ybとする)を測定し、コントラスト比を下記式(2)により算出した。
【0053】
【数2】
【0054】
透明性は、上式で得られたコントラスト比を用い、下記式(3)により算出した。
【0055】
【数3】
【0056】
透明性は0から1の範囲で変化し、その値が大きい程透明性の高いことを示す。
【0057】
(6)平均粒子径
ガラス粉末を水に懸濁し、粒度分布計(マスターサイザー、Malvern社製)にて粒度分布を測定し、50%体積粒径をこの粉末の平均粒子径とした。
【0058】
製造例1
二酸化珪素(試薬特級、和光純薬社製)31.5g、水酸化アルミニウム(試薬特級、関東化学社製)9.18g、酸化ホウ素(試薬特級、和光純薬社製)8.50g、炭酸リチウム(試薬特級、和光純薬社製)7.42g、炭酸ナトリウム(試薬特級、和光純薬社製)2.56gを秤量後、乾式で混合した後、混合物を1500℃にて15分間溶融後、ステンレス板上に流し出して冷却した。得られた粗ガラスをアルミナ乳鉢にて粉砕後、1500℃にて15分間再溶融し、ステンレス板上に流して冷却し、均一なガラスを得た。このガラスをアルミナ製乳鉢で粉砕し、ガラス粉末1を得た。ガラス粉末1の焼成温度は680℃、屈折率は1.526であった。ガラス原料の仕込組成を、各々酸化物に換算して表1に示した。
【0059】
製造例2〜13
製造例1と同様の方法により、組成の異なるガラス粉末2〜11を製造した。原料仕込組成(酸化物換算)、並びに得られたガラス粉末の焼成温度および屈折率をまとめて表1に示す。尚、製造例4以下の、ZrO2源として酸化ジルコニウム(EP、第一希元素化学社製)を、TiO2源として酸化チタン(タイペークA−100、石原産業社製)を用いた以外は、製造例1と同じ原料を使用した。
【0060】
【表1】
【0061】
実施例1
製造例5で得られた「ガラス粉末5」を200メッシュのふるいにかけ、通過した成分を回収した。この粉末を水に投入して懸濁液とし、攪拌後2分間静置して沈降分を回収した粉末を高温焼成ガラスとした。このガラスの平均粒子径は55.9μmであった。一方、製造例2で得られた「ガラス粉末2」を200メッシュのふるいにかけ、通過した成分を回収し、低温焼成ガラスとした。このガラスの平均粒径は42.9μmであった。この高温焼成ガラスと低温焼成ガラスを重量比4:6の割合で混合し、セラミックス歯冠用陶材組成物を得た。この陶材組成物の焼成温度は710℃、透明性は0.69、熱膨張係数は5.2×10-6、酸溶解量は0.24wt%であった。結果を表2に示す。
【0062】
またディオプサイド結晶化ガラスを用いて前歯部クラウンのコアを作製し、その上にこの陶材組成物と水とを練和して調製した練和泥を築盛し710℃にて焼成した所、シェル表面でのひび、シェルとコアとの剥離等は観察されず、良好な焼き付きを示した。この焼成体を石膏模型に戻して適合性を調べた所適合性は良好であり、陶材の焼付けによる変形は観察されなかった。
【0063】
実施例2〜11、比較例1〜5
実施例1と同様の方法に従い、表2に示す単独または複数のガラス粉末を用いてセラミックス歯冠用陶材組成物を調製し、試験を行った。結果を表2に示す。
【0064】
尚、実施例6および7の高温焼成ガラスは、まず280メッシュのふるい通過成分を回収し、その後実施例1と同様の処理をして調製した。実施例6および7の高温焼成ガラスの平均粒子径は、各々42.5μm、43.8μmであった。
【0065】
【表2】
【0066】
実施例1〜3は焼成温度の高いガラスと低いガラスの配合比を変化させた場合であるが、いずれにおいても、良好な透明性、熱膨張係数並びに酸溶解量が得られた。
【0067】
実施例4〜6は焼成温度の差を変化させた場合であるが、いずれにおいても良好な透明性、熱膨張係数並びに酸溶解量が得られた。
【0068】
また、比較例5の陶材組成物をディオプサイドコア上に820℃にて焼き付け、その焼成体を石膏模型に戻して適合性を調べた所、適合性は不良であった。この原因は、陶材の焼付け時に生じたコアの熱変形によるものと思われた。実施例1〜11についても、同様にして適合性を調べた所、いずれも良好であり変形は認められなかった。
【0069】
実施例7、8は低い焼成温度の陶材組成物を、実施例9は高い焼成温度の陶材組成物を試作したものであるが、いずれにおいても良好な透明性、熱膨張係数並びに酸溶解量が得られた。
【0070】
実施例10、11は焼成温度の異なる三種類のガラスを用いた場合であるが、いずれにおいても良好な透明性、熱膨張係数並びに酸溶解量が得られた。
【0071】
比較例1は一種類のガラスを用いた場合であり、透明性が不良であった。
【0072】
比較例2は焼成温度の差が大きい二種のガラスを用いた場合であり、透明性が不良であった。
【0073】
比較例3は焼成温度の近い二種類のガラスを用いた場合であり、透明性が不良であった。
【0074】
比較例4は焼成温度の低い陶材組成物を試作した場合であり、酸溶解量が不良であった。
【0075】
比較例5は焼成温度の高い陶材組成物を試作した場合であり、陶材焼成時のコアの熱変形によると思われる適合性の不良が観察された。
【0076】
比較例6は焼成温度の低い陶材組成物を試作した場合であり、熱膨張係数、酸溶解量が不良であった。この陶材をディオプサイドコア上に630℃にて焼き付けたところ、陶材表面に無数の亀裂が発生した。この原因は、コアとシェルの熱膨張係数の差によるもの推測される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel porcelain composition suitably used for a ceramic crown.
[0002]
[Prior art]
In recent years, in the field of dental ceramics, demand for materials called all-ceramics has been increasing. Conventionally, a material obtained by baking ceramics on a metal core called metal bond porcelain has been used for aesthetic inlay or crown restoration. However, the metal bond porcelain has a problem that the inner metal does not transmit light, so that the natural feeling similar to that of a natural tooth cannot be reproduced, and the gingiva is discolored by the influence of the metal. In contrast, all ceramics is a technique in which the entire crown is formed of ceramics without using a metal core. This ceramic is usually made of a translucent material and can transmit light in the same manner as natural teeth. For this reason, a crown with a higher natural feeling can be obtained, and problems related to discoloration of gingiva can be solved. For this reason, all-ceramics, together with their own improvement in material strength, are expanding their application range.
[0003]
On the other hand, when pursuing the aesthetics of restorations such as inlays and crowns, it is desirable that the structure has a layered structure of two or more layers similar to a tooth. This is because the hard tissue of the tooth has a two-layer structure of dentin and enamel, and visible light is scattered in a complicated manner within these layers or at the interface between the layers, and the scattered light significantly affects aesthetics. Therefore, it is an indispensable condition for recent all-ceramic restorations to be a system capable of forming a two-layer structure of a core and a shell.
[0004]
Conventionally, crystallized glass such as mica, apatite, and diopside is mainly used for the core, and these are formed by casting from a molten state or by high-temperature pressing. On the other hand, for the formation of the shell, glass or crystallized glass powder, which is usually called dental porcelain, is used. The dental porcelain is made into a slurry with a kneading liquid, placed on the surface of the core, and then fired to form a shell.
[0005]
This shell is naturally required to have durability in the oral cavity. However, when the glass powder is fired as described above, bubbles may be trapped inside during the firing process, which causes the strength of the shell fired body to decrease.
[0006]
The shell is required to have the same transparency as natural teeth depending on the part used. In particular, when used for the cutting edge of teeth, the shell is required to have a high degree of transparency, and in order to reproduce this high degree of transparency, removal of turbidity due to bubbles is indispensable. On the other hand, despite the recent increase in demand for shells with a low firing temperature as described later, glass powder with a low firing temperature is more likely to incorporate air bubbles in the firing process than glass powder with a high firing temperature, There was a problem that a shell having good strength and transparency could not be obtained.
[0007]
Diopside crystallized glass, which has recently been developed as a ceramic for dental crowns, has high strength and can be press-molded at a low temperature, and therefore is promising as the core material. The glass transition point is about 730 to 750 ° C. When the porcelain is built on this material, the firing temperature of the porcelain must be equal to or lower than the glass transition point to prevent thermal deformation of the core.
[0008]
Furthermore, it is necessary that the thermal expansion coefficients of the shell and the core be close to each other, or cracks are caused by internal stress in the molded product that occurs during cooling after firing. The thermal expansion coefficient of the core is 7 × 10 in the case of conventional crown ceramics.-6~ 13x10-6/ ° C or so. However, recently, for example, diopside-based crystallized glass or the like is 6 × 10-6Those having a thermal expansion coefficient of about / ° C. have appeared, and a shell corresponding to such a low expansion core has not been developed yet.
[0009]
In general, in glass, since the network structure such as silicon dioxide dominates various physical properties, the stronger the network structure, the lower the thermal expansion coefficient. However, on the other hand, the fluidity at high temperatures increases and the firing temperature increases at the same time. That is, to obtain a glass having both low expansion and low firing temperature meant overcoming the trade-off associated with the characteristics of glass.
[0010]
In addition to the above conditions, the shell is required to be durable in the oral environment. However, the shell for low firing temperature has been problematic in that ions are eluted from the surface by long-term immersion in the oral environment, resulting in a subtle change in color tone or a decrease in transparency.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to first provide a ceramic crown shell having high strength and transparency after sintering, and a porcelain composition suitably used for the production of the shell. Another object of the present invention is to provide a ceramic crown shell and a porcelain composition having high transparency, low firing temperature, low expansion, and excellent chemical durability.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have intensively studied to overcome the above technical problem. As a result, it was found that a ceramic composition for a ceramic crown having high strength and high transparency after firing was obtained by mixing glass powders having different firing temperatures with a specific temperature difference. Moreover, in addition to the said characteristics, it discovered that the porcelain composition for crowns which is a low calcination temperature, a low thermal expansion coefficient, and was excellent in chemical durability was obtained, and came to complete this invention.
[0013]
That is, the present invention provides at least two kinds of different firing temperatures.Borosilicate glass powderA ceramic crown-use porcelain composition comprising a glass powder having the highest firing temperature and a glass powder having the lowest firing temperature in the composition having a firing temperature difference of 20 to 100 ° C.,The glass powder having the highest firing temperature is composed of borosilicate glass mainly composed of silicon oxide, aluminum oxide, boron oxide, and lithium oxide and / or sodium oxide, and the content ratio of each of these components in the glass is Each component is SiO 2 , Al 2 O Three , B 2 O Three , Li 2 O and Na 2 Expressed in terms of% by weight with respect to the total of these components when converted to O, SiO 2 2 : 60 to 75% by weight, Al 2 O Three : 5 to 20% by weight, B 2 O Three : 10 to 20% by weight, and Li 2 O and / or Na 2 O: 3 to 12% by weight, and the glass powder having the lowest firing temperature is composed of silicon oxide, aluminum oxide, boron oxide, and borosilicate glass mainly composed of lithium oxide and / or sodium oxide. The content ratio of each of these components, each component is SiO 2 , Al 2 O Three , B 2 O Three , Li 2 O and Na 2 Expressed in terms of% by weight with respect to the total of these components when converted to O, SiO 2 2 : 55 to 65% by weight, Al 2 O Three : 2 to 15% by weight, B 2 O Three : 12-25% by weight, and Li 2 O and / or Na 2 O: 5 to 15% by weight, andThe ceramic dental crown porcelain composition having a firing temperature of 650 to 800 ° C.is there.Another invention is a ceramic crown shell formed by firing the ceramic crown ceramic composition.
[0014]
The ceramic dental crown ceramic composition of the present invention contains at least two kinds of glass powders having different firing temperatures. In the composition, the glass powder having the highest firing temperature is hereinafter referred to as high-temperature fired glass powder, and the glass powder having the lowest firing temperature is hereinafter referred to as low-temperature fired glass powder. If necessary, an intermediate-temperature fired glass powder having a firing temperature in the intermediate temperature range can also be used.
[0015]
The firing temperature of the ceramic crown-use porcelain composition in which all glass powders are mixed is 650 to 800 ° C, preferably 650 to 750 ° C. If the firing temperature of the porcelain composition is higher than 800 ° C., the core may cause thermal deformation. On the other hand, if the firing temperature is lower than 650 ° C., the amount of acid dissolution often deteriorates due to the characteristics of glass, and organic substances adhering to the porcelain composition during the technical operation are taken into the shell without being completely decomposed. As a result, the shell color may be deteriorated.
[0016]
The firing temperature of each glass powder used in the present invention satisfies the condition that the firing temperature difference between the high temperature fired glass powder and the low temperature fired glass powder is 20 to 100 ° C. and, as described above, two or more kinds of glass powders are mixed. As long as the firing temperature of the ceramic dental crown porcelain composition is 650 to 800 ° C, the firing temperature of each glass powder may be out of the range of 650 to 800 ° C.
[0017]
Typically, the firing temperature range of the high temperature fired glass powder is selected from 670 to 810 ° C, preferably 700 to 760 ° C, and the firing temperature range of the low temperature fired glass powder is 600 to 790 ° C, preferably 630 ° C to Selected from 740 ° C. Furthermore, the firing temperature of the medium fired glass powder may be between the high and low temperature fired glass powders. When the firing temperature of each glass powder is out of the above range, the transparency of the fired body tends to decrease. The firing temperature in the present invention is a temperature at which a molded product prepared after kneading glass powder or porcelain composition with water reaches sufficient sintering, and details thereof will be described in Examples.
[0018]
In addition, the particle size of the glass powder is not particularly limited, but for use in a ceramic crown ceramic composition, it satisfies various operability such as mixing with a kneading liquid, build-up, and condensation. The average particle size is preferably in the range of about 20 to 70 μm.
[0019]
Further, in order to reduce as much as possible bubbles remaining in the fired body, it is desirable that among the two or more kinds of glass powders, those having a high firing temperature do not contain small particles, and the average particle size is 30. It is preferably in the range of ˜70 μm, and more preferably in the range of 40 to 60 μm. On the other hand, for the glass powder having a low firing temperature, the average particle diameter is preferably in the range of 20 to 50 μm, and more preferably in the range of 25 to 50 μm.
[0020]
The refractive index of the two or more glass powders is not particularly limited, but when a highly transparent porcelain composition is required, the difference in refractive index between the plurality of glass powders should be smaller. preferable. Specifically, the difference between the maximum value and the minimum value of the refractive indexes of two or more glass powders is preferably 0.03 or less, and more preferably 0.02 or less.
[0021]
The blending ratio of the high-temperature fired glass powder and the low-temperature fired glass powder is such that each glass powder has a firing temperature of 650-800 ° C. for the ceramic dental crown ceramic composition in which two or more glass powders are mixed as described above. Is determined in consideration of the firing temperature. For example, when expressed as a weight ratio of both the high-temperature fired glass powder and the low-temperature fired glass powder, the range of 2: 8 to 7: 3 is preferable, and the range of 3: 7 to 6: 4 is more preferable. When blending the intermediate-temperature fired glass powder as necessary, the blending ratio of the high-temperature fired glass powder and the low-temperature fired glass powder is determined in consideration of the firing temperature and amount of the glass powder.
[0022]
The method for mixing these glass powders is not particularly limited, and a known method can be adopted. Examples of the apparatus used for mixing include a V-blender, a rocking mixer, a shaker, a ball mill, and a reiki machine. Among them, those in which glass is not excessively crushed during mixing are preferable. Examples of such devices include a V-blender, a rocking mixer, and a shaker.
[0023]
The glass used in the ceramic dental crown composition of the present invention is not particularly limited, and a known glass can be used. Glass as used herein means both completely amorphous glass and so-called crystallized glass containing amorphous glass as a matrix. Examples of the glass generally used preferably include borosilicate glass mainly composed of silicon oxide, aluminum oxide, boron oxide, and alkali metal oxide. The composition of a typical borosilicate glass is shown below.
[0024]
Silicon dioxide (SiO2The suitable content of (converted) is 50 to 75% by weight, more preferably 55 to 70% by weight. SiO2If the content exceeds 75% by weight, the melting temperature for preparing the glass becomes too high, and even if the glass can be prepared at a high temperature, the firing temperature of the glass becomes high. On the other hand, if the amount is 55% by weight or less, the acid dissolution amount becomes too large.
[0025]
Aluminum oxide (Al2OThreeThe suitable content of (converted) is 2 to 20% by weight, more preferably 5 to 15% by weight. Al2OThreeIf the content of S exceeds 20% by weight, the high temperature viscosity of the glass increases, so the firing temperature increases, and if it is 2% by weight or less, the acid dissolution amount becomes too large.
[0026]
Boron oxide (B2OThreeThe content of (converted) is suitably 5 to 25% by weight, more preferably 8 to 20% by weight. B2OThreeIf the content of S exceeds 25% by weight, the acid dissolution amount becomes too high, and if it is 5% by weight or less, the melting temperature for preparing the glass becomes too high, and even if the glass can be prepared at a high temperature, the firing temperature is too high. Get higher. Furthermore, as an alkali metal oxide, lithium oxide (Li2O conversion) and / or sodium oxide (Na2O conversion) is preferable. The total content of these is suitably 3 to 15% by weight, more preferably 5 to 12% by weight. Li2O + Na2If the O content exceeds 15% by weight, the coefficient of thermal expansion increases and at the same time the acid dissolution amount becomes too high. If it is less than 5% by weight, the melting temperature for preparing the glass becomes too high, and the glass is prepared at a high temperature. Even if it can be done, the firing temperature becomes high. In particular, to keep the thermal expansion coefficient low, Li2It is preferable to contain 3% by weight or more of O.
[0027]
By adding at least one divalent metal oxide selected from the group consisting of calcium oxide, magnesium oxide and zinc oxide to the borosilicate glass, the firing temperature is lowered, the bubbles in the fired body are reduced, and the like. be able to. The content of the divalent metal oxide is preferably 20% by weight or less based on 100% by weight of all components constituting the glass. If the content exceeds 20% by weight, the coefficient of thermal expansion becomes high, and the acid dissolution amount may become too large.
[0028]
Furthermore, the borosilicate glass can further contain various metal oxides within a range where the above physical properties are not adversely affected. Examples of these metal oxides include transition metal oxides such as strontium oxide, barium oxide, phosphorus oxide, vanadium oxide, chromium oxide, manganese oxide, iron oxide, cobalt oxide, nickel oxide, and copper oxide, and lanthanoids such as lanthanum oxide. Examples thereof include oxide, tin oxide, titanium oxide, zirconium oxide, yttrium oxide, and tantalum oxide. Among these metal oxides, opal properties can be easily imparted to the borosilicate glass by including titanium oxide in particular. The suitable content of titanium oxide is 0.1 to 15% by weight, more preferably 1 to 10% by weight. In this case, titanium oxide is used as a nucleating agent for crystal precipitation, but inclusion of zirconium oxide in addition to this titanium oxide is a preferred embodiment because it makes control of microcrystals easier.
[0029]
An example of a preferred composition of the high-temperature fired glass powder used in the ceramic dental crown composition of the present invention is SiO.2Is 60 to 75% by weight, more preferably 61 to 88% by weight, Al2OThree5 to 20% by weight, more preferably 5 to 15% by weight, B2OThreeIs 10 to 20% by weight, more preferably 10 to 17% by weight, Li2O and Na2The total amount of O is 3 to 12% by weight, more preferably 4 to 10% by weight, preferably Li2O is 2% by weight or more. Furthermore, the said other components, such as a titanium oxide, can be added, for example 1-5 weight% as needed.
[0030]
To illustrate the preferred composition of the low-temperature fired glass powder, SiO2Is 55 to 65% by weight, more preferably 61 to 65% by weight, Al2OThreeIs 2 to 15% by weight, more preferably 5 to 12% by weight, B2OThreeIs 12 to 25% by weight, more preferably 12 to 20% by weight, Li2O and Na2The total amount of O is 5 to 15% by weight, more preferably 6 to 12% by weight, preferably Li2O is 3% by weight or more. Furthermore, the said other components, such as a titanium oxide, can be added, for example 1-5 weight% as needed.
[0031]
The manufacturing method of the various glass powder used for the porcelain composition for ceramic crowns of this invention is not specifically limited, A well-known method is employable. Examples of typical production methods include the following methods.
[0032]
First, glass raw materials that are the source of each component of the glass powder are mixed using a V-type mixer, ball mill, etc., then the mixed raw materials are filled in a crucible, and heated at 1300 ° C to 1600 ° C using an electric furnace Melt. Subsequently, the molten glass is slowly cooled in air or quenched in water to obtain glass. Melting and cooling the glass again is a preferable method for obtaining uniform glass.
[0033]
The method for pulverizing the obtained glass into glass powder is not particularly limited, and a known pulverization method can be employed. Examples of general crushers include compression crushers such as jaw crushers and cone crushers, ball mills such as vibration ball mills and planetary mills, tower crushers, stirring tank crushers, and agitation media such as annular crushers. Examples thereof include a high-speed rotary impact pulverizer such as a mold pulverizer, a pin mill, and a disk mill, and other roll mills, jet pulverizers, and self-pulverizers. Further, the classification method is not particularly limited, and a known classification method can be adopted. Examples of general classifiers include sieve classifiers such as vibrating sieves and shifters, centrifugal classifiers such as cyclones, and wet classifiers such as sediment classifiers.
[0034]
The raw material for manufacturing the glass used as the basis of the glass powder used for the ceramic composition for ceramic crowns of this invention is not specifically limited. Hereinafter, the glass raw material used as the supply source of each structural component is illustrated concretely.
[0035]
As a raw material of silicon dioxide, silica sand (SiO2) Is commonly used.
[0036]
As a raw material of aluminum oxide, alumina (Al2OThree), Aluminum hydroxide (Al (OH)Three), Soda feldspar (Na2OAl2OThree6SiO2), Anorthite (CaOAl2OThree2SiO2), Kaolin (Al2OThree2SiO22H2O), petalite (Li2OAl2OThree8SiO2), Spodumene (Li2OAl2OThree4SiO2) And the like.
[0037]
As a raw material for boron oxide, boric anhydride (B2OThree), Anhydrous borax (Na2BFourO7) And the like.
[0038]
The raw material for sodium oxide is soda ash (Na2COThree), Sodium hydroxide (NaOH), sodium sulfate (Na2SOFour), Sodium nitrate (Na2NOThree) Etc. can be used.
[0039]
As a raw material for lithium oxide, lithium carbonate (Li2COThree), Lithium hydroxide (LiOH), lithium sulfate (LiSO)Four), Lithium nitrate (LiNOThree) Etc. can be used.
[0040]
Titanium oxide is usually used as a raw material for titanium oxide, but any rutile or anatase crystal form can be used.
[0041]
As a raw material for zirconium oxide, Baderite (ZrO2), Zirconium oxide or the like can be used.
[0042]
The mixing ratio of these glass raw materials can be determined in advance by taking into consideration the finally obtained glass composition.
[0043]
In general, various inorganic pigments are mixed in the ceramic dental crown ceramic composition of the present invention to adjust the color tone and control the transparency. As a result, color tone and transparency corresponding to each part of the tooth, such as dentin, enamel, cutting edge, and tooth neck, are added, and by building these in multiple layers, it is possible to reproduce a color tone with a good natural view. Become. Examples of typical inorganic pigments used for the above purpose include vanadium yellow, cobalt blue, chrome pink, iron chrome tea, and titanium white.
[0044]
The method of using the ceramic composition for a ceramic crown of the present invention is not particularly limited, and a known method can be adopted. Generally, this porcelain composition is kneaded with water to prepare a slurry-like kneaded mud, and then the kneaded mud is built up on the ceramic as a core, and then the firing temperature of the porcelain composition The artificial tooth which coat | covered the shell is formed by baking by. At this time, the use of a kneading liquid having a refractive index approximate to that of the porcelain composition instead of water is a preferable method in that the kneading mud becomes translucent and the color tone prediction after firing is easy.
[0045]
The thermal expansion coefficient of the shell formed by firing the porcelain composition of the present invention is 4.0 × 10.-6~ 7.5 × 10-6/ ° C is preferred. If the coefficient of thermal expansion is outside this range, the difference in coefficient of thermal expansion from the core ceramic becomes too large and the shell cracks, or the thermal stress concentrates between the core and the shell over time and delamination. There is a possibility of causing inconvenience such as. The thermal expansion coefficient of the shell depends on the glass composition, and the relationship is as described above. Furthermore, the acid dissolution amount of the shell is preferably 1.0 wt% or less. When it exceeds 1.0 wt%, when it is used for a long period of time, a change in color tone or a decrease in transparency occurs, which is not preferable from the viewpoint of aesthetics.
[0046]
【The invention's effect】
The ceramic crown ceramic composition of the present invention has a low firing temperature, and the ceramic crown shell obtained by firing this composition has high strength and transparency, low expansion, and chemical durability. Excellent. For this reason, it is possible to produce artificial teeth that are rich in natural teeth and have high durability.
[0047]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, examples will be given to specifically describe the present invention, but the present invention is not limited to these examples. In addition, the baking temperature shown in the Example, a thermal expansion coefficient, the amount of acid dissolution, intensity | strength, and the evaluation method of transparency are as follows.
[0048]
(1) Firing temperature
The glass powder or porcelain composition was kneaded with water and filled into a mold having a hole having a thickness of 2 mm and a diameter of 10 mm while performing condensation, thereby producing a molded body. This molded body was dried using a porcelain furnace TDF Sigma 120 (manufactured by Tokuyama Corporation) in a furnace at 600 ° C. for 5 minutes, and then vacuum-baked at intervals of 10 ° C. in the vicinity of the baking temperature appropriately predicted from the glass composition. The heating rate from 600 ° C. was 50 ° C./min, and the holding time at the firing temperature was 2 minutes. Observe the fired body, the whole is completely sintered and becomes translucent, and the surface is not completely melted, and the unevenness caused by the porcelain particles is observed slightly. The firing temperature of the product was used.
[0049]
(2) Thermal expansion coefficient
The porcelain composition was kneaded with water and filled in a mold having holes of 4 mm × 4 mm × 12 mm while condensing to prepare a molded body. The molded body was dried for 5 minutes in a furnace at 600 ° C. using porcelain furnace TDF Sigma 120 (manufactured by Tokuyama Corporation), and then vacuum-baked for 2 minutes near the baking temperature measured in (1). The heating rate from 600 ° C. was 50 ° C./min. The fired body was polished into a 3 mm × 3 mm × 10 mm rectangular parallelepiped and used as a measurement sample, which was heated from room temperature to 500 ° C. with a thermal analyzer TMA120 (manufactured by Seiko Electronics Co., Ltd.), and the thermal expansion coefficient was measured.
(3) Amount of acid dissolved
6 g of the porcelain composition was kneaded with water and molded into a lump with a thickness of about 10 mm while condensing. The molded body was dried for 5 minutes in a furnace at 600 ° C. using porcelain furnace TDF Sigma 120 (manufactured by Tokuyama Corporation), and then vacuum-baked for 5 minutes near the baking temperature measured in (1). The heating rate from 600 ° C. was 50 ° C./min. The fired body was coarsely pulverized in an alumina mortar, and then passed through a mesh sieve, and components that did not pass through the mesh sieve were collected. 3 g of this component was sampled and immersed in 100 ml of 0.01 N aqueous nitric acid solution and boiled for 1 hour. The glass was separated from the liquid by filtration, dried at 100 ° C. for 15 hours, and then weighed. The acid dissolution amount was calculated by the following formula (1).
[0050]
[0051]
(4) Strength
The porcelain composition was kneaded with water and filled in a mold having holes of 4 mm × 4 mm × 28 mm while condensing to prepare a molded body. The molded body was dried for 5 minutes in a furnace at 600 ° C. using porcelain furnace TDF Sigma 120 (manufactured by Tokuyama Corporation), and then vacuum-baked for 5 minutes near the baking temperature measured in (1). The heating rate from 600 ° C. was 50 ° C./min. The fired body was polished into a 3 mm × 3 mm × 20 mm rectangular parallelepiped and used as a measurement sample. Using a universal testing machine Autograph (manufactured by Shimadzu Corporation), the three-point bending strength was measured at a distance between supporting points of 20 mm and a crosshead speed of 1 mm. .
[0052]
(5) Transparency
The porcelain composition was kneaded with water and filled into a mold having a hole with a thickness of 2 mm and a diameter of 10 mm while condensing, to produce a molded body. The molded body was dried using a porcelain furnace TDF Sigma 120 (manufactured by Tokuyama Corporation) in a furnace at 600 ° C. for 5 minutes, and then vacuum-baked at the baking temperature of the porcelain composition. The heating rate from 600 ° C. was 50 ° C./min, and the holding time at the firing temperature was 2 minutes. Both sides of the fired body were polished with # 120 and # 800 water-resistant abrasive paper to a thickness of 1 mm. The Y value which is one of the tristimulus values was measured with a color difference meter (TC-1500MC, manufactured by Tokyo Denshoku Co., Ltd.). At this time, a Y value (hereinafter referred to as Yw) when a standard white plate (X = 81.2, Y = 82.7, Z = 93.8) is placed on the back side of the sample, and a standard black color on the back side of the sample. The Y value (hereinafter referred to as Yb) when a plate (X = 0.1, Y = 0.1, Z = 0.2) was placed was measured, and the contrast ratio was calculated by the following formula (2).
[0053]
[Expression 2]
[0054]
Transparency was calculated by the following formula (3) using the contrast ratio obtained by the above formula.
[0055]
[Equation 3]
[0056]
Transparency changes in the range of 0 to 1, and the greater the value, the higher the transparency.
[0057]
(6) Average particle size
The glass powder was suspended in water, the particle size distribution was measured with a particle size distribution meter (Mastersizer, manufactured by Malvern), and the 50% volume particle size was taken as the average particle size of this powder.
[0058]
Production Example 1
Silicon dioxide (reagent special grade, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) 31.5 g, aluminum hydroxide (reagent special grade, manufactured by Kanto Chemical Co., Ltd.) 9.18 g, boron oxide (reagent special grade, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) 8.50 g, lithium carbonate (Weighed 7.42 g of reagent special grade, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) and 2.56 g of sodium carbonate (special grade reagent, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) were weighed and mixed dry, and the mixture was melted at 1500 ° C. for 15 minutes. It poured out and cooled on the stainless steel board. The obtained crude glass was pulverized in an alumina mortar, remelted at 1500 ° C. for 15 minutes, poured onto a stainless steel plate and cooled to obtain a uniform glass. This glass was pulverized with an alumina mortar to obtain glass powder 1. The firing temperature of the glass powder 1 was 680 ° C., and the refractive index was 1.526. Table 1 shows the charge composition of the glass raw materials in terms of oxides.
[0059]
Production Examples 2 to 13
Glass powders 2 to 11 having different compositions were produced by the same method as in Production Example 1. Table 1 summarizes the raw material charging composition (as oxide) and the firing temperature and refractive index of the obtained glass powder. In addition, ZrO below Production Example 42Zirconium oxide (EP, manufactured by Daiichi Rare Element Chemical Co., Ltd.) as a source, TiO2The same raw material as in Production Example 1 was used except that titanium oxide (Taipeke A-100, manufactured by Ishihara Sangyo Co., Ltd.) was used as a source.
[0060]
[Table 1]
[0061]
Example 1
The “glass powder 5” obtained in Production Example 5 was passed through a 200-mesh sieve, and the components passed through were collected. This powder was put into water to form a suspension, and after stirring, the powder was allowed to stand for 2 minutes and the sediment was collected, which was used as high-temperature fired glass. The average particle diameter of this glass was 55.9 μm. On the other hand, the “glass powder 2” obtained in Production Example 2 was passed through a 200-mesh sieve, and the components passed through were collected to obtain low-temperature fired glass. The average particle size of this glass was 42.9 μm. The high-temperature fired glass and the low-temperature fired glass were mixed at a weight ratio of 4: 6 to obtain a ceramic material for a ceramic crown. The firing temperature of this porcelain composition is 710 ° C., the transparency is 0.69, and the thermal expansion coefficient is 5.2 × 10.-6The amount of acid dissolved was 0.24 wt%. The results are shown in Table 2.
[0062]
Moreover, the core of the front tooth | gear part part was produced using diopside crystallized glass, and the kneaded mud prepared by kneading this porcelain composition and water was built up, and it baked at 710 degreeC. Cracks on the shell surface, peeling between the shell and the core, etc. were not observed, and good seizure was shown. When this fired body was returned to the plaster model and the suitability was examined, the suitability was good, and no deformation due to baking of the porcelain was observed.
[0063]
Examples 2-11, Comparative Examples 1-5
According to the same method as in Example 1, a ceramic dental crown composition was prepared using one or more glass powders shown in Table 2, and tested. The results are shown in Table 2.
[0064]
The high-temperature fired glasses of Examples 6 and 7 were prepared by first collecting the 280-mesh sieve passing component and then performing the same treatment as in Example 1. The average particle diameters of the high-temperature fired glasses of Examples 6 and 7 were 42.5 μm and 43.8 μm, respectively.
[0065]
[Table 2]
[0066]
Examples 1 to 3 are cases in which the blending ratio of the glass having a high firing temperature and the glass having a low firing temperature was changed. In any case, good transparency, thermal expansion coefficient, and acid dissolution amount were obtained.
[0067]
Examples 4 to 6 are cases in which the difference in the firing temperature was changed, but in all cases, good transparency, thermal expansion coefficient, and acid dissolution amount were obtained.
[0068]
Moreover, when the porcelain composition of Comparative Example 5 was baked on a diopside core at 820 ° C. and the fired body was returned to a plaster model, the compatibility was poor. The cause was thought to be due to the thermal deformation of the core that occurred during the baking of the porcelain. Also in Examples 1 to 11, when the compatibility was examined in the same manner, all were good and no deformation was observed.
[0069]
Examples 7 and 8 were produced by making a porcelain composition having a low firing temperature, and Example 9 was a prototype of a porcelain composition having a high firing temperature. In any case, good transparency, thermal expansion coefficient and acid dissolution were obtained. A quantity was obtained.
[0070]
In Examples 10 and 11, three types of glasses having different firing temperatures were used, and in all cases, good transparency, thermal expansion coefficient, and acid dissolution amount were obtained.
[0071]
Comparative Example 1 was a case where one kind of glass was used, and the transparency was poor.
[0072]
Comparative Example 2 was a case where two kinds of glasses having a large difference in firing temperature were used, and the transparency was poor.
[0073]
Comparative Example 3 was a case where two types of glasses having similar firing temperatures were used, and the transparency was poor.
[0074]
Comparative Example 4 is a case where a porcelain composition having a low firing temperature was prototyped, and the acid dissolution amount was poor.
[0075]
Comparative Example 5 is a case where a porcelain composition having a high firing temperature was made as a prototype, and a poor compatibility, which was considered to be due to thermal deformation of the core during the porcelain firing, was observed.
[0076]
Comparative Example 6 is a case where a porcelain composition having a low firing temperature was prototyped, and the thermal expansion coefficient and acid dissolution amount were poor. When this porcelain was baked on a diopside core at 630 ° C., countless cracks were generated on the porcelain surface. This cause is presumed to be due to the difference in thermal expansion coefficient between the core and the shell.
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