JP3879627B2 - Speaker diaphragm and speaker using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカ用振動板およびこれを用いたスピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機用のマイクロスピーカに用いる振動板はポリエチレン等のシートを、加熱プレス成形して図7に示す形状の振動板7としていた。そして、この振動板7を用いてマイクロスピーカを構成していた。
【0003】
一般スピーカ、特にツィータ等に適用する場合も、上記同様の構成としていた。
【0004】
ここで、この振動板7に求められる物理的性質は、音速:E(ヤング率)/p(比重)の平方根と内部損失のバランスで方向付けされ、高音質化、低f0化(f0:最低共振周波数)を狙って設定している。
【0005】
この振動板としては、従来はポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)等が用いられている。また、特開平11−266493号公報のごとき樹脂フィルムに金属薄板を積層する方法が提案されているが、これでは高音質化は可能となるものの低f0化は困難となる。また特開平03−57400号公報においても高弾性率、高内部損失のためのサンドイッチ構造が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
PENはヤング率が6000MPaと大きいために最低共振周波数(f0)が小さいことが求められる携帯電話用スピーカにおいては、f0を小さくするためには振動板厚さを極度に薄くする必要がある。そのために結晶性の高いPENでは寸法精度のバラツキが大きくなり、そのバラツキがスピーカの諸特性のバラツキにつながる。よって、薄すぎるために寸法精度や諸特性が不安定になるという課題を抱えるものであった。
【0007】
PEIはヤング率が2800MPaとPENに比べると柔軟であり、f0を小さく設計しても、寸法精度を維持する厚さを確保できる。ところが内部損失(tanδ)が室温付近で0.02程度(PENは0.04程度)となり、ローリング等が起こりやすく歪みが大きくなり、音質劣化を招くという課題を抱えるものであった。
【0008】
よって本発明は、特に小型のスピーカにおいて、振動板の低f0化、適正材厚化、低弾性率化、高内部損失化を満足できる振動板の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高音質で低f0化に対応したスピーカ用振動板を提供することである。
【0010】
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
【0011】
本発明の請求項1に記載の発明は、ヤング率が2500MPa以上で、かつ内部損失が0.03以下で、厚さが全体の60%〜90%である樹脂製基材の表面に、架橋型で架橋点間分子量が大きい、加水分解縮合型のウレタン系エラストマー、加水分解縮合型のシリコーン系エラストマー、付加反応型のシリコーン系エラストマー、加水分解縮合型の炭化水素系エラストマー、フッ素系エラストマーのうちのいずれかのエラストマー層を設けた基材をプレス成形または真空成形してスピーカ用振動板を構成したものである。この構成により、低弾性率化、高内部損失化を満足できるスピーカ用振動板を生産性を向上させて実現することができる。
【0012】
また、エラストマー層を架橋型エラストマーとして構成することでスピーカ用振動板の金型離型性を向上させることができる。
【0013】
さらに、架橋型エラストマーをウレタン系エラストマーとして構成することでスピーカ用振動板の低コスト化を図ることができる。
【0014】
さらに、架橋型エラストマーをシリコーン系エラストマーとして構成することでスピーカ用振動板の耐熱性、温度特性の安定化を図ることができる。
【0015】
さらに、架橋型エラストマーを炭化水素系エラストマーとして構成することでスピーカ用振動板の内部損失を大きくすることができる。
【0016】
さらに、架橋型エラストマーをフッ素系エラストマーとして構成することでスピーカ用振動板の金型離型性、耐熱性を特に向上させることができる。
【0017】
本発明の請求項2に記載の発明は、ヤング率が2500MPa以上で、かつ内部損失が0.02以下の樹脂からなる基材の表面にエラストマー層を設けてスピーカ用振動板を構成したものである。この構成により、請求項1より内部損失が小さい基材を使用して低弾性率化、高内部損失化を満足できるスピーカ用振動板を実現することができる。
【0018】
本発明の請求項3に記載の発明は、樹脂製基材の表、裏面にエラストマー層を設けてスピーカ用振動板を構成したものである。この構成により、基材両面にわたる効果で、さらなる低弾性率化、高内部損失化を満足できる振動板を実現することができる。
【0019】
本発明の請求項4に記載の発明は、基材をポリエーテルイミド(PEI)として請求項1から請求項3記載のスピーカ用振動板を構成したものである。この構成により、スピーカ用振動板の信頼性を向上させることができる。
【0020】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の2種類以上の架橋型エラストマーで請求項3記載のスピーカ用振動板を構成したものである。この構成により、振動板の低弾性率化、高内部損失化を自由に設定することができる。
【0021】
本発明の請求項6に記載の発明は、2枚以上の基材に1枚以上のエラストマー層を設けて複層構成とした請求項1から請求項5記載のスピーカ用振動板である。この構成により、スピーカ用振動板の低弾性率化、高内部損失化をより向上させることができ、さらにその値を自由に設定することができる。
【0022】
本発明の請求項7に記載の発明は、基材の成形時に基材の材厚を場所により可変させて請求項1から請求項6記載のスピーカ用振動板を構成したものである。この構成により、スピーカ用振動板の特定位置の低弾性率化、高内部損失化を図ることができ、スピーカ用振動板の不要共振を制御することができる。
【0023】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7記載のいずれか一つのスピーカ用振動板の一部または全部に、請求項1から請求項7記載のいずれか一つのスピーカ用振動板の一部を接合してスピーカ用振動板を構成したものである。この構成により、特定位置の低弾性率化、高内部損失化を図ることができ、不要共振を制御することができる。
【0024】
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8記載のいずれか一つのスピーカ用振動板を用いてスピーカを構成したものである。この構成により、振動板の低弾性率化、高内部損失化を図ることで、スピーカの音質、特性の向上化と低域の再生帯域拡大化、不要共振の低減化を実現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0026】
本発明に用いる振動板は樹脂製基材の表、裏面または片面にエラストマー層を設けた複層構造を有する。
【0027】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1と請求項2および請求項4に記載の発明について説明する。
【0028】
図1は本発明の一実施の形態におけるスピーカ用振動板27の断面図を示したものである。すなわち、請求項1に記載の発明は、樹脂からなる基材30の表面にエラストマー層31を設けてスピーカ用振動板27を構成したものである。ここで、この樹脂からなる基材30はヤング率が2500MPa以上で、かつ内部損失が0.03以下で、厚さが全体の60%〜90%である樹脂から形成したものである。そして、この樹脂製基材30の表面に、架橋型で架橋点間分子量が大きい、加水分解縮合型のウレタン系エラストマー、加水分解縮合型のシリコーン系エラストマー、付加反応型のシリコーン系エラストマー、加水分解縮合型の炭化水素系エラストマー、フッ素系エラストマーのうちのいずれかのエラストマー層を設けてプレス成形または真空成形してスピーカ用振動板としたものである。
【0029】
すなわち振動板27を図1のごとく所要の形状に成形、具体的には円板状のものを図1 のA部分で円形に加工し、その内外で曲面状態を異ならせている。つまり、この振動板は、その基材30を、金型によるプレス成形や真空成形等の方法で、所要の形状に成形している。この構成により、低弾性率化、高内部損失化を満足できるスピーカ用振動板27を、生産性良く実現することができる。
【0030】
このように、基材30の樹脂はヤング率が2500MPa以上で内部損失が0.03以下の材料であれば使用できる。PEI、芳香族ポリイミド等の一般的にエンジニアリングプラスチックと呼ばれる樹脂の多くが挙げられるが、ヤング率が比較的低く、内部損失が小さいPEIが、エラストマー層31として、内部損失が大きくなる点で好ましい。
【0031】
次に、本発明に用いるスピーカ用振動板27の材厚について説明する。
【0032】
本発明に用いるスピーカ用振動板27は小型スピーカに用いるものであるから100μm以下、好ましくは50μm以下、もっとも好ましくは30μm以下である。また、薄くなり過ぎると寸法精度等の課題が発生する。
【0033】
樹脂の基材30とエラストマー層31の厚さバランスは、全体の50%以上の厚さが樹脂の基材30でないと、スピーカとして音圧を出す場合に振動板厚さが必要以上に厚くなってしまう。しかし、基材30が全体の95%以上になるとエラストマー層31の効果が得にくくなる。好ましくは樹脂の基材30厚さが全体の60%〜90%であることが良い。
【0034】
本発明の材料で、図1のごとくドーム形状に成形したスピーカ用振動板27は材質の内部損失が大きくなり、ローリングが防止され高音質化、低f0化対応可能なスピーカ用振動板となる。
【0035】
また、請求項2に記載の発明は、ヤング率が2500MPa以上で、かつ内部損失が0.02以下の樹脂からなる図1の基材30を用いたものである。この構成により、さらに請求項1より内部損失が小さい基材30を使用して低弾性率化、高内部損失化を満足できるスピーカ用振動板27を実現することができる。
【0036】
次に、請求項4に記載の発明は、基材30をポリエーテルイミド(PEI)としたものである。この構成によれば、基材30であるポリエーテルイミド(PEI)の信頼性に強い物性としての効果から、振動板の亀裂発生対策等の信頼性向上が実現できる。
【0037】
次に、エラストマー層31について、その詳細を説明する。
【0038】
エラストマー層31を架橋型エラストマーとすることにより、スピーカ用振動板27の金型離型性を向上させることができる。また2次成形時(スピーカ用振動板27形状への成形時)の金型に対する粘着性が小さい点で好ましい。
【0039】
架橋型エラストマーをウレタン系エラストマーとすることにより、スピーカ用振動板27の低コスト化を図ることができる。この理由として、あまりに架橋点間分子量の小さい架橋性エラストマーを使用すると例えば図1のようなドーム状にうまく成形できない。そのために架橋点間分子量が比較的大きい加水分解縮合型(湿気硬化)のウレタン、加水分解縮合型のシリコーン、付加反応型のシリコーン、加水分解縮合型の炭化水素系エラストマー(例えば、イソブチレン系、イソプレン系)を硬化させたものがより好ましい。
【0040】
架橋型エラストマーをシリコーン系エラストマーとすることにより、スピーカ用振動板27の耐熱性、温度特性の安定化を図ることができる。
【0041】
架橋型エラストマーを炭化水素系エラストマーとすることにより、スピーカ用振動板27の内部損失を大きくすることができる。
【0042】
架橋型エラストマーをフッ素系エラストマーとすることにより、スピーカ用振動板27の金型離型性、耐熱性を特に向上させることができる。
【0043】
これらの中でも最も好ましい組み合わせはコスト面、内部損失の拡大、成形時の粘着性の低減を考慮して、PEIと加水分解縮合型ウレタンの組み合わせである。さらに、コスト高になるが、耐熱性の点ではPEIとシリコーン(硬化形態は問わない)が好ましい。
【0044】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項3および請求項5に記載の発明について説明する。
【0045】
図2は本実施の形態におけるスピーカ用振動板27Aの断面図を示したものである。本発明の請求項3に記載の発明は、図2に示すように基材30の表、裏両面にエラストマー層31A,31Bを設けてスピーカ用振動板27Aを構成したものである。この構成により、振動板両面にわたる効果で、さらなる低弾性率化、高内部損失化を満足できるスピーカ用振動板27Aを実現することができる。
【0046】
本発明の請求項5に記載の発明は、架橋型エラストマーが請求項1に記載の2種類以上のエラストマーで請求項3記載のスピーカ用振動板27Aを構成したものである。この構成により、スピーカ用振動板27Aの低弾性率化、高内部損失化を自由に設定することができる。
【0047】
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項6に記載の発明について説明する。
【0048】
図3は本実施の形態におけるスピーカ用振動板27Bの断面図を示したものである。本発明の請求項6に記載の発明は、図3に示すように2枚以上の樹脂製基材30A,30Bに1枚以上のエラストマー層31C,31Dを設けて複層構成のスピーカ用振動板27Bを形成したものである。この構成により、スピーカ用振動板27Bの低弾性率化、高内部損失化をより向上させることができ、さらにその値を自由に設定することができる。
【0049】
(実施の形態4)
以下、実施の形態4を用いて、本発明の特に請求項7に記載の発明について説明する。
【0050】
図4は本発明の一実施の形態におけるスピーカ用振動板27Cの断面図を示したものである。本発明の請求項7に記載の発明は、振動板27Cの成形時の振動板27Cの材厚を場所により可変、具体的には中心部分は肉厚で、外周は肉薄としたものである。この構成により、スピーカ用振動板27Cの特定位置の低弾性率化(薄肉)、高内部損失化(厚肉)を図ることができ、その不要共振を制御することができる。
【0051】
(実施の形態5)
以下、実施の形態5を用いて、本発明の特に請求項8に記載の発明について説明する。
【0052】
図5は本実施の形態におけるスピーカ用振動板27Dの断面図を示したものである。本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7記載のいずれか1つのスピーカ用振動板(たとえば図1の27)に、請求項1から請求項7記載のいずれか1つのスピーカ用振動板(例えば図1の27)の一部(リング状)27dを接合してスピーカ用振動板27Dを構成したものである。この構成により、振動板27Dの特定位置の低弾性率化(A部の外周)、高内部損失化(A部の内周)を図ることができ、その不要共振を制御することができる。
【0053】
(実施の形態6)
以下、実施の形態6を用いて、本発明の特に請求項9に記載の発明について説明する。
【0054】
図6は本発明の一実施の形態におけるスピーカの断面図を示したものである。本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8記載のいずれか1つのスピーカ用振動板27、27A〜27Dを用いてスピーカを構成したものである。
【0055】
図6においては、着磁されたマグネット21を上部プレート22およびヨーク23により挟み込んで内磁型の磁気回路24を構成している。この磁気回路24のヨーク23にフレーム26を結合している。このフレーム26の内周縁部に、請求項1から請求項8記載のいずれか1つのスピーカ用振動板27を接着している。
【0056】
そして、このスピーカ用振動板27のA部下面に円筒状のボイスコイル28を結合するとともに、このボイスコイル28を、上記磁気回路24の磁気ギャップ25にはまり込むように結合している。
【0057】
つまり、スピーカ用振動板27の低弾性率化、高内部損失化を図ることで、スピーカの音質、特性の向上と低域の再生帯域拡大化、不要共振の低減化を実現することができる。
【0058】
【実施例】
以下に本発明の一実施例を示す。
【0059】
(実施例1)
1.5μmの付加反応型シリコーン(エラストマー層31)により、ヤング率が2800MPa,内部損失が0.019で6μmのPEI(基材30)の表、裏面をサンドイッチしたスピーカ用振動板(図2の形状)。実施例1の複合振動板の内部損失は0.040であった。
【0060】
(実施例2)
3μmの加水分解縮合型(湿気硬化型)ウレタン(エラストマー層31)と、ヤング率が2800MPa、内部損失が0.019で6μmのPEI(基材30)の2層構造スピーカ用振動板(図1の形状)。
【0061】
実施例2のスピーカ用振動板の内部損失は0.034であった。
【0062】
(比較例1)
ヤング率が2800MPa、内部損失が0.019で7μmのPEI(基材30)一枚のスピーカ用振動板。
【0063】
前記構成より、実施例1および実施例2は比較例1に比べて、その内部損失を大きくできることがわかる。
【0064】
また、f0、歪について以下にまとめる。
【0065】
【表1】
【0066】
(表1)より、実施例1および実施例2は比較例1に比べて、低f0化、低歪化が実現できていることがわかる。
【0067】
これらのスピーカ用振動板は、その材質や材厚は、形状安定性やコストの点で望ましく、マイクロスピーカに要求される内部損失、材厚、重量を満足させることができる。
【0068】
前記の構成とすることで、携帯電話に代表されるマイクロスピーカや一般のスピーカに要求される性能を満足できるスピーカを提供することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上のように本発明は、樹脂製基材の表、裏面または片面にエラストマー層を設けて複層構造を有するスピーカ用振動板を構成したものである。さらに、このスピーカ用振動板を使用してスピーカを構成している。
【0070】
これらの構成とすることで、スピーカ用振動板の形状安定性向上やコスト低減化を図ることができる。また内部損失、材厚、重量、剛性を最適化して周波数特性の良好化を実現することができる。さらに、接着性等の信頼性向上や外観品位の向上を図ることができるスピーカを提供することができる。
【0071】
よって、携帯電話に代表されるマイクロスピーカや一般のスピーカに要求される性能を満足できる優れたスピーカを提供することができ、その工業的価値は非常に大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態におけるスピーカ用振動板の断面図
【図2】 本発明の他の実施の形態におけるスピーカ用振動板の断面図
【図3】 本発明の他の実施の形態におけるスピーカ用振動板の断面図
【図4】 本発明の他の実施の形態におけるスピーカ用振動板の断面図
【図5】 本発明の他の実施の形態におけるスピーカ用振動板の断面図
【図6】 本発明の一実施の形態におけるスピーカの断面図
【図7】 従来のスピーカ用振動板の断面図
【符号の説明】
21 マグネット
22 上部プレート
23 ヨーク
24 磁気回路
25 磁気ギャップ
26 フレーム
27 スピーカ用振動板
27A スピーカ用振動板
27B スピーカ用振動板
27C スピーカ用振動板
27D スピーカ用振動板
27d スピーカ用振動板の一部
28 ボイスコイル
30 基材
30A 基材
30B 基材
31 エラストマー層
31A エラストマー層
31B エラストマー層
31C エラストマー層
31D エラストマー層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a speaker diaphragm and a speaker using the same.
[0002]
[Prior art]
The diaphragm used for the microspeaker for the cellular phone is a
[0003]
Even when applied to general speakers, particularly tweeters, the same configuration as described above was adopted.
[0004]
Here, the physical properties required for the
[0005]
Conventionally, polyethylene naphthalate (PEN), polyetherimide (PEI) or the like is used as the diaphragm. Further, a method of laminating a metal thin plate on a resin film as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-266493 has been proposed, but this makes it possible to achieve high sound quality but makes it difficult to reduce f0. Japanese Patent Application Laid-Open No. 03-57400 also proposes a sandwich structure for high elastic modulus and high internal loss.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Since PEN has a large Young's modulus of 6000 MPa, it is necessary to extremely reduce the diaphragm thickness in order to reduce f0 in a cellular phone speaker that is required to have a low minimum resonance frequency (f0). For this reason, in PEN having high crystallinity, the variation in dimensional accuracy increases, and this variation leads to variations in various characteristics of the speaker. Therefore, since it was too thin, it had the subject that dimensional accuracy and various characteristics became unstable.
[0007]
PEI has a Young's modulus of 2800 MPa, which is more flexible than PEN, and can secure a thickness that maintains dimensional accuracy even when f0 is designed to be small. However, the internal loss (tan δ) is about 0.02 near room temperature (PEN is about 0.04), and rolling and the like are liable to occur, resulting in a large distortion and a deterioration in sound quality.
[0008]
Therefore, an object of the present invention is to provide a diaphragm that can satisfy a reduction in f0, an appropriate material thickness, a low elastic modulus, and a high internal loss, particularly in a small speaker.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
An object of the present invention is to provide a loudspeaker diaphragm that has high sound quality and low f0.
[0010]
That is, the present invention has the following configuration.
[0011]
According to the first aspect of the present invention, the surface of a resin base material having a Young's modulus of 2500 MPa or more, an internal loss of 0.03 or less , and a thickness of 60% to 90% of the whole is crosslinked. Hydrolysis condensation type urethane elastomer, hydrolysis condensation type silicone elastomer, addition reaction type silicone elastomer, hydrolysis condensation type hydrocarbon elastomer, fluorine elastomer A base plate provided with any of the above elastomer layers is press-molded or vacuum-molded to form a speaker diaphragm. With this configuration, it is possible to improve the productivity of a speaker diaphragm that can satisfy a low elastic modulus and a high internal loss.
[0012]
Moreover, the mold releasability of the speaker diaphragm can be improved by configuring the elastomer layer as a cross-linked elastomer.
[0013]
Furthermore, the cost of the speaker diaphragm can be reduced by configuring the cross-linked elastomer as a urethane elastomer.
[0014]
Furthermore, the heat resistance and temperature characteristics of the speaker diaphragm can be stabilized by configuring the cross-linked elastomer as a silicone elastomer.
[0015]
Furthermore, the internal loss of the speaker diaphragm can be increased by configuring the cross-linked elastomer as a hydrocarbon-based elastomer.
[0016]
Furthermore, the mold release property and heat resistance of the speaker diaphragm can be particularly improved by configuring the cross-linked elastomer as a fluorine-based elastomer.
[0017]
According to the second aspect of the present invention, a speaker diaphragm is formed by providing an elastomer layer on the surface of a base material made of a resin having a Young's modulus of 2500 MPa or more and an internal loss of 0.02 or less. is there. With this configuration, it is possible to realize a speaker diaphragm that can satisfy a low elastic modulus and a high internal loss by using a base material having an internal loss smaller than that of the first aspect.
[0018]
According to a third aspect of the present invention, a speaker diaphragm is formed by providing an elastomer layer on the front and back surfaces of a resin base material. With this configuration, it is possible to realize a diaphragm that can satisfy further lower elastic modulus and higher internal loss due to the effect over both surfaces of the substrate.
[0019]
According to a fourth aspect of the present invention, the loudspeaker diaphragm according to any one of the first to third aspects is constituted by using a base material of polyetherimide (PEI). With this configuration, the reliability of the speaker diaphragm can be improved.
[0020]
According to a fifth aspect of the present invention, the speaker diaphragm according to the third aspect is constituted by two or more types of cross-linked elastomers according to the first aspect. With this configuration, it is possible to freely set a low elastic modulus and a high internal loss of the diaphragm.
[0021]
The invention according to claim 6 of the present invention is the speaker diaphragm according to any one of claims 1 to 5 , wherein one or more elastomer layers are provided on two or more substrates to form a multilayer structure. With this configuration, it is possible to further improve the low elastic modulus and high internal loss of the speaker diaphragm, and further freely set the values.
[0022]
According to a seventh aspect of the present invention, the loudspeaker diaphragm according to any one of the first to sixth aspects is configured by varying the thickness of the base material depending on the place when the base material is molded. With this configuration, it is possible to reduce the elastic modulus and the high internal loss at a specific position of the speaker diaphragm, and to control unnecessary resonance of the speaker diaphragm.
[0023]
The invention of claim 8 of the present invention, a part or all of any one of the speaker diaphragm of
[0024]
According to a ninth aspect of the present invention, a speaker is configured by using the speaker diaphragm according to any one of the first to eighth aspects. With this configuration, by reducing the elastic modulus and the high internal loss of the diaphragm, it is possible to improve the sound quality and characteristics of the speaker, expand the low-frequency reproduction band, and reduce unnecessary resonance.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
[0026]
The diaphragm used in the present invention has a multilayer structure in which an elastomer layer is provided on the front, back or one side of a resin base material.
[0027]
(Embodiment 1)
Hereinafter, the first, second, and fourth aspects of the present invention will be described using the first embodiment.
[0028]
FIG. 1 is a sectional view of a
[0029]
That is, the
[0030]
Thus, the resin of the
[0031]
Next, the material thickness of the
[0032]
Since the
[0033]
If the thickness of the
[0034]
The
[0035]
The invention according to claim 2 uses the
[0036]
Next, invention of Claim 4 makes the
[0037]
Next, the details of the
[0038]
By making the elastomer layer 31 a cross-linked elastomer, the mold releasability of the
[0039]
The cross-linked elastomer by a urethane elastomer, it is possible to reduce the cost of the
[0040]
The cross-linked elastomer by a silicone elastomer, heat resistance of the
[0041]
The cross-linked elastomer by a hydrocarbon-based elastomer, it is possible to increase the internal loss of the
[0042]
By making the cross-linkable elastomer into a fluorine-based elastomer, the mold releasability and heat resistance of the
[0043]
Among these, the most preferable combination is a combination of PEI and hydrolytic condensation type urethane in consideration of cost, expansion of internal loss, and reduction of adhesiveness during molding. Furthermore, although it becomes expensive, PEI and silicone (the hardening form is not ask | required) are preferable at a heat resistant point.
[0044]
(Embodiment 2)
Hereinafter, with reference to the second embodiment will be described the invention described in particular claims 3 and 5 of the present invention.
[0045]
FIG. 2 shows a cross-sectional view of the
[0046]
According to a fifth aspect of the present invention, the speaker-
[0047]
(Embodiment 3)
Hereinafter, with reference to the third embodiment will be described the invention described in particular claim 6 of the present invention.
[0048]
FIG. 3 shows a cross-sectional view of the
[0049]
(Embodiment 4)
Hereinafter, with reference to the fourth embodiment will be described the invention described in
[0050]
FIG. 4 shows a cross-sectional view of a
[0051]
(Embodiment 5)
Hereinafter, the invention described in the eighth aspect of the present invention will be described with reference to the fifth embodiment.
[0052]
FIG. 5 shows a cross-sectional view of the
[0053]
(Embodiment 6)
Hereinafter, with reference to the sixth embodiment will be described the invention described in particular claim 9 of the present invention.
[0054]
FIG. 6 shows a cross-sectional view of a speaker according to an embodiment of the present invention. The invention according to claim 9 of the present invention is a speaker constituted by using any one of the
[0055]
In FIG. 6, a
[0056]
A
[0057]
That is, by reducing the elastic modulus and the high internal loss of the
[0058]
【Example】
An embodiment of the present invention will be shown below.
[0059]
Example 1
A diaphragm for speakers (FIG. 2) sandwiching the front and back surfaces of a PEI (base material 30) of 6 μm with Young's modulus of 2800 MPa, internal loss of 0.019 and 1.5 μm addition reaction type silicone (elastomer layer 31). shape). The internal loss of the composite diaphragm of Example 1 was 0.040.
[0060]
(Example 2)
Diaphragm for 2-layer speaker of 3 μm hydrolytic condensation type (moisture curing type) urethane (elastomer layer 31) and PEI (base material 30) of 6 μm with Young's modulus of 2800 MPa, internal loss of 0.019 (FIG. 1) Shape).
[0061]
The internal loss of the speaker diaphragm of Example 2 was 0.034.
[0062]
(Comparative Example 1)
A loudspeaker diaphragm for PEI (base material 30) having a Young's modulus of 2800 MPa and an internal loss of 0.019 and having a thickness of 7 μm.
[0063]
From the above configuration, it can be seen that the internal loss of Example 1 and Example 2 can be larger than that of Comparative Example 1.
[0064]
Further, f0 and distortion are summarized below.
[0065]
[Table 1]
[0066]
From Table 1, it can be seen that Example 1 and Example 2 can achieve lower f0 and lower distortion than Comparative Example 1.
[0067]
These speaker diaphragms are desirable in terms of shape stability and cost, and can satisfy internal loss, material thickness, and weight required for a micro speaker.
[0068]
With the above-described configuration, it is possible to provide a speaker that can satisfy the performance required for a micro speaker represented by a mobile phone or a general speaker.
[0069]
【The invention's effect】
As described above, the present invention constitutes a speaker diaphragm having a multilayer structure by providing an elastomer layer on the front, back or one side of a resin substrate. Furthermore, a speaker is configured using this speaker diaphragm.
[0070]
With these configurations, the shape stability of the speaker diaphragm can be improved and the cost can be reduced. In addition, the internal characteristics, thickness, weight and rigidity can be optimized to improve the frequency characteristics. Furthermore, it is possible to provide a speaker capable of improving reliability such as adhesiveness and improving appearance quality.
[0071]
Therefore, it is possible to provide an excellent speaker that can satisfy the performance required for a micro speaker typified by a cellular phone or a general speaker, and its industrial value is very large.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a speaker diaphragm according to an embodiment of the present invention. FIG. 2 is a cross-sectional view of a speaker diaphragm according to another embodiment of the present invention. FIG. 4 is a cross-sectional view of a speaker diaphragm according to another embodiment of the present invention. FIG. 5 is a cross-sectional view of a speaker diaphragm according to another embodiment of the present invention. 6 is a cross-sectional view of a speaker according to an embodiment of the present invention. FIG. 7 is a cross-sectional view of a conventional speaker diaphragm.
21
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