JP3876750B2 - Valve device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流路を開閉制御する弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、流体が移動する流路の開閉制御を行う弁装置として、電磁石を利用したものが知られている。その一例として、特開2000−81162号公報に開示された弁装置がある。この弁装置では、流体が移動するバルブ本体の流路の開閉制御を行う弁体(弁部材)が設けられており、この弁体は磁性体から構成されている。この弁体は、バルブ本体に移動可能に支持される膜状部材に連結されている。そして、バルブ本体の流路の外周には励磁コイルが巻回されており、同コイルを励磁することにより、電磁石が構成される。この弁装置では、励磁コイルを励磁させると、磁性体である弁体が吸引又は反発して、流路が開状態又は閉状態にされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の弁装置では、弁体及び流路の一部が磁性体でなければならない。このため、電磁石の磁力を弁体に伝達するために、弁体の直近に電磁石を配置しなければならない。従って、この弁装置では、弁部材の材質が限られたものとなるため、弁部材の選択に自由度がなく、弁装置の設計の自由度にも制限があった。また、この弁装置では、バルブ本体の流路の外周に励磁コイルを巻回させて電磁石を構成しなければならず、装置の構造が複雑化及び大型化するという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、弁部材の選択及び弁装置の設計の自由度が得られる弁装置を提供することにある。また、本発明の別の目的は、装置の構造を簡略化し、小型化することができる弁装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明では、流体が移動する流路内に配置されて該流路を開閉する弁部材と、前記流路内に配置されて前記弁部材を支持する磁性体からなる支持部材と、前記支持部材を磁力により吸引させる電磁駆動手段とを備えた弁装置であって、前記流路は流路形成部材によって形成されるとともに、前記電磁駆動手段は前記流路形成部材外に配置される一対の磁性体を有し、該一対の磁性体は、それら両磁性体間に前記支持部材を介在させることによって該支持部材と共に磁気回路を構成するように、前記流路形成部材外において互いに対向する面に各々配置され、前記弁部材は前記支持部材の吸引に伴って前記流路の開閉動作のいずれかを行う。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の弁装置において、前記流路を封止するフィルム材を設けるとともに、前記支持部材は、先端部及び基端部のうち少なくとも基端部が前記流路形成部材側に固定され、前記支持部材の基端部と前記電磁駆動手段の一方の磁性体とが前記フィルム材を介して近接するように配置した。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の弁装置において、前記フィルム材は前記流路形成部材と熱溶着されている。
請求項4に記載の発明では、請求項2又は3に記載の弁装置において、前記フィルム材は耐ガスバリア性の高い材質によって構成されている。
【0009】
請求項5に記載の発明では、請求項2〜4のいずれかに記載の弁装置において、前記支持部材はその所定箇所であって前記電磁駆動手段による吸引力を受ける吸引部を有しており、前記支持部材の基端部から前記吸引部までの距離は、該基端部から前記弁部材までの距離よりも短くした。
【0010】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれかに記載の弁装置において、前記弁装置の上流側にフィルタを配置した。
請求項7に記載の発明では、請求項1〜6のいずれかに記載の弁装置において、前記弁部材が前記電磁駆動手段を駆動させたときに前記流路を閉状態とし、前記電磁駆動手段を駆動させないときに前記流路を開状態とするようにした。
【0011】
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のいずれかに記載の弁装置において、前記支持部材は、弾性体により構成されている。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の弁装置において、前記弾性体は、板ばねである。
【0012】
請求項10に記載の発明では、請求項1〜9のいずれかに記載の弁装置において、前記弁部材が前記流路を閉状態とすると、該流路を開状態にする方向に付勢力が働く弾性部材を設けた。
【0013】
請求項11に記載の発明では、請求項10に記載の弁装置において、前記弾性部材は、コイルばねである。
請求項12に記載の発明では、請求項1〜11のいずれかに記載の弁装置において、前記弁部材は、弾性体により構成されている。
【0014】
請求項13に記載の発明では、請求項1〜12のいずれかに記載の弁装置において、前記弁部材の端部に設けられたリング状の凸部を前記流路形成部材に当接させることにより、前記流路が閉状態とされる。
【0015】
請求項14に記載の発明では、請求項1〜12のいずれかに記載の弁装置において、前記弁部材を前記流路形成部材に設けられた小孔の外周縁に形成された凸部に当接させることにより、前記流路が閉状態とされる。
【0016】
請求項15に記載の発明では、請求項14に記載の弁装置において、前記凸部は、弾性体により構成されている。
請求項16に記載の発明では、請求項1〜15のいずれかに記載の弁装置において、前記流体は、インクである。
【0017】
請求項17に記載の発明では、請求項1〜16のいずれかに記載の弁装置において、前記弁装置はインクジェット式記録装置に使用される。
請求項18に記載の発明では、請求項16に記載の弁装置において、前記弁装置はインクジェット式記録装置の記録ヘッドのフィルタ上流側に配置される。
【0018】
請求項19に記載の発明では、請求項16又は17に記載の弁装置において、前記弁装置は、インクジェット式記録装置のチョーククリーニング又は選択クリーニングに使用される。
【0019】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、電磁駆動手段と支持部材により磁気回路が構成される。そして、電磁駆動手段を励磁させることによって磁性体の支持部材が吸引され、流路の開閉のいずれかが行われる。特に、支持部材が磁性体により構成されるため、弁部材自体を磁性体で構成する必要がなくなる。また、弁部材の直近に電磁駆動手段を設ける必要がなくなる。また、電磁駆動手段を流路外に配置したため、流路の外周に直接電磁駆動手段を設ける必要がなくなる。このため、構造が簡略化、小型化した弁装置が得られる。
【0020】
また、電磁駆動手段は流路形成部材外に配置した一対の磁性体を有するため、電磁駆動手段が両磁性体を介して支持部材とともに磁気回路を構成することができる。従って、電磁駆動手段の一対の磁性体が流路形成部材外で互いに対向する面に各々配置されており、両磁性体間に支持部材が介在するため、支持部材の吸引を効率よく行うことができる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、基端部と電磁駆動手段の磁性体とがフィルム材を介して近接するように配置されているため、基端部と電磁駆動手段の磁性体との距離を短くすることができ、電磁駆動手段の負荷を小さくしても比較的大きな吸引力を得ることができる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、フィルム材は流路形成部材と熱溶着されているため、簡易な構成により流路を封止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、フィルム材は耐ガスバリア性の高い材質によって構成されているため、流路内へのガスの流入をより確実に防止することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、支持部材の基端部から吸引部までの距離は、基端部から弁部材までの距離よりも短く構成されている。このため、吸引部における吸引の距離を短くさせることができ、電磁駆動手段の負荷を小さくすることができる。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、弁装置の上流側にフィルタを配置したため、異物の流入を防止でき、弁装置の開閉をより確実に行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、弁部材が電磁駆動手段を駆動させたときに流路が閉状態となり、駆動させないときに流路が開状態となる。このため、電磁駆動手段を駆動させない動作状態において、流路を閉状態に制御する弁装置を得ることができる。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、支持部材が弾性体であるため、支持部材が磁力により吸引される場合に弾性変形して流路の開閉を行うことができる。また、支持部材が弾性体であるため、支持部材が吸引される場合に別途弾性部材等を設ける必要がなくなる。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、板ばねである支持部材が磁力により吸引される場合に、弾性変形して流路の開閉を行うことができる。
請求項10に記載の発明によれば、弾性部材により、流路が閉状態となった際に、流路を開状態にする方向に付勢力が働く。このため、電磁駆動手段が非励磁状態となった場合に、弾性部材により流路を開状態にできる。
【0027】
請求項11に記載の発明によれば、コイルばねの付勢力により、電磁駆動手段が非励磁状態となった場合に、弾性部材により流路を開状態にできる。
請求項12に記載の発明によれば、弁部材は弾性体であるため、弁部材が流路側又は流路形成部材により確実に当接して、弁部材による流路のシール性を高めることができる。
【0028】
請求項13に記載の発明によれば、弁部材の端部に設けられたリング状の凸部を流路形成部材に当接させることにより、弁部材による流路のシール性を高めることができる。
【0029】
請求項14に記載の発明によれば、弁部材が凸部に当接することにより、流路が閉状態とされる。このため、凸部により流路のシール性を高めることができる。
【0030】
請求項15に記載の発明によれば、凸部が弾性体であるため、凸部が弁部材により確実に当接して、弁部材による流路のシール性を高めることができる。
請求項16に記載の発明によれば、流体はインクであるため、インク流路の開閉の制御において、請求項1〜15のいずれかの作用効果を得ることができる。
【0031】
請求項17に記載の発明によれば、弁装置はインクジェット式記録装置に使用されるため、インクジェット式記録装置において、請求項14の作用効果を得ることができる。
【0032】
請求項18に記載の発明によれば、弁装置はインクジェット式記録装置の記録ヘッドのフィルタの上流側に配置される。このため、記録ヘッドのフィルタ上に溜まった気泡を排出させるためのクリーニングの際に、この弁装置を効果的に利用することができる。
【0033】
請求項19に記載の発明によれば、弁装置は、インクジェット式記録装置のチョーククリーニング又は選択クリーニングに使用される。このため、弁部材を閉じた状態で、記録ヘッドのノズル側から吸引を行い、高負圧状態でバルブを開けるチョーククリーニング、又は複数色の色ノズルのうち必要なもののみクリーニングを行う選択クリーニングの際に、この弁装置を効果的に利用することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の弁装置をインクジェット式記録装置の圧力ダンパに具体化した第1の実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0035】
図1は、インクジェット式記録装置としてのインクジェットプリンタの概念図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ11は、インクカートリッジ12のインクを、インク供給チューブ13及びキャリッジ14に設けられた圧力ダンパ15を介して、記録ヘッド16へ供給するものである。記録ヘッド16は、インク滴を吐出するノズル開口を備えており、記録紙等の印刷媒体にインク滴を吐出することにより画像や文字等の印刷データの記録を行う。インクジェットプリンタ11は、A0判等の大判の記録紙に印刷可能なプリンタであって、インク消費量が多いために多量のインクを貯留しておく必要があるものである。従って、多量のインクを貯留したインクカートリッジをキャリッジ上に搭載させると、キャリッジが重くなり、キャリッジ駆動モータに過大な負荷が係ってしまうことになる。このため、インクジェットプリンタ11では、インクカートリッジ12をキャリッジ14上に搭載させない構成となっている。
【0036】
インクカートリッジ12は、インクジェットプリンタ11の本体側に配置されたインクカートリッジホルダ17内に収容されている。インクカートリッジ12の内部には、インクパック18が設けられており、インクパック18内にはインクが充填されている。インクパック18の一端には針装着部19が形成されており、インクカートリッジホルダ17に設けられた針20が針装着部19に装着するように構成されている。針20はインク供給チューブ13の一端と接続されており、圧力ダンパ15に対してインクを供給可能となっている。インク供給チューブ13は、例えばポリエチレン等の可撓性部材により形成されている。また、インク供給チューブ13は、耐薬品性に優れたポリエチレン系樹脂等の可撓性部材による内装に、気密遮断性に優れた塩化ビニルや金属膜等を外装として覆った二重構造であってもよい。
【0037】
キャリッジ14は、記録紙の幅方向(主操作方向)と同方向に配置されたガイド部材(図示せず)に沿って、往復動可能に取り付けられている。キャリッジ14は、樹脂製材料によって成型される。キャリッジ14の内部には、弁装置としての圧力ダンパ15が取り付けられている。圧力ダンパ15は、キャリッジ14の往復動に伴うインク圧力の変動を抑制するものである。圧力ダンパ15の詳細については、後述する。キャリッジ14の下面には記録ヘッド16が設けられており、圧力ダンパ15から記録ヘッド16にインクが供給されるようにインク流路が接続されている。記録ヘッド16は、図示しないフィルタ、インク供給管、圧電振動子、流路ユニット及びノズル開口等を備えている。記録ヘッド16は、圧電振動子によって圧力室を膨張・収縮させることにより、ノズル開口からインク滴を吐出させるものである。
【0038】
図1において、記録ヘッド16の下方には、キャップ22が設けられている。キャップ22は、有底状に形成されており、その開口部が記録ヘッド16をキャッピングするようになっている。キャップ22は、インクジェットプリンタ11の非印刷領域に配置されており、非記録時に記録ヘッド16のノズル開口を閉じることにより、インクの水分蒸発を防止するとともに、記録ヘッド16のインクを吸引するクリーニング動作を行う。キャップ22の底部は、吸引チューブ23に連通されており、吸引チューブ23の途中に配設された吸引ポンプ24によって、記録ヘッド16からキャップ22側へインクを強制的に吸引するようになっている。吸引ポンプ24により吸引されたインクは、廃液回収ボックス25に回収される。廃液回収ボックス25内には、複数層のスポンジ26が設けられており、回収されたインクを貯蔵する。
【0039】
なお、図1では1色のインクについてのみの構成を示しているが、インクジェットプリンタ11は、例えば、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラック等の複数のインクに対応した構成となっている。従って、インクカートリッジ12、インク供給チューブ13、圧力ダンパ15及び記録ヘッド16等はインク数毎に設けられている。
【0040】
次に、図2〜図4により、圧力ダンパ15について説明する。
図2は、圧力ダンパ15の説明図であって、図2(a)は背面図、(b)は側面図、(c)は正面図であり、図3及び図4は、図2(a)の3−3線における部分破断断面図である。
【0041】
圧力ダンパ15は、流路形成部材としての流路形成部31、インク流入路32及び針接続部33等を有している。流路形成部31は、例えばポリプロピレン又はポリエチレン等の樹脂製材料によって成型されている。流路形成部31には、インク室34が形成されている。流路形成部31は、有底状に形成され、圧力ダンパ15の底面側において開口する開口部を有している。
【0042】
インク流入路32は、インク供給チューブ13に接続される接続部36を有しており、接続部36は、第1のインク流路38と連通している。第1のインク流路38は、第2のインク流路39を介して、環状のフィルタ部流路40に連通している。フィルタ部流路40付近にはフィルタ41が配設されており、インクの中のゴミ等の異物の流入を防止するようになっている。フィルタ41は、第3のインク流路42を介してインク室34に連通されている。インク室34には、圧力ダンパ15の上面に貫通する略直方体状の貫通孔43が設けられる。インク室34にはその略中央にインク室34に連通する小孔44が設けられる。小孔44は、第4のインク流路45及び第5のインク流路46を介して、針接続部33に連通している。針接続部33は、記録ヘッド16に設けられたインク供給針(図示せず)と嵌合可能に形成されている。従って、圧力ダンパ15内には、第1のインク流路38、第2のインク流路39、フィルタ部流路40、第3のインク流路42、インク室34、小孔44、第4のインク流路45及び第5のインク流路46により、一連のインク流路が形成される。そして、インクはインク供給チューブ13から第1のインク流路38よりこのインク流路に入り、第5のインク流路46から記録ヘッド16へと供給される。なお、本実施の形態では、一連のインク流路のうち、第1のインク流路38、第2のインク流路39、フィルタ部流路40及び第3のインク流路42によって構成される部分を弁装置である圧力ダンパ15の上流側とする。
【0043】
圧力ダンパ15の底面と上面には、フィルム材50,51がそれぞれ設けられている。フィルム材50,51は、ともに複数の材質からなる層によって形成されており、例えばポリエチレン層、ガスバリア層及びナイロン層から形成されている。従って、フィルム材50,51は、耐ガスバリア性の高い材質が使用されている。なお、フィルム材50,51は、その厚さが例えば0.1mm程度に形成されており、磁気抵抗を極力小さくしている。また、フィルム材50,51は、流路形成部31に対して熱溶着されており、流路形成部31に設けられたインク室34及び貫通孔43による開口部をそれぞれ封止している。特にフィルム材50は、インク室34を収縮させる方向と膨張させる方向とに変形可能であり、フィルム材50の弾性変形によるコンプライアンスによって、インク室34内におけるインクの圧力変動が吸収される。
【0044】
インク流路を構成するインク室34内には、支持部材53及び弁部材57が設けられている。支持部材53は、磁性体及び弾性体である板ばねを構成しており、例えばSUS420J2、SUS631といった材質が使用される。支持部材53は、基端部54が流路形成部31の下面において、流路形成部31とフィルム材50により挟持固定されている。また、基端部54は、支持部材53の移動の支点となっている。支持部材53は、略中央部において折り曲げ形成されてフィルム材51側に突出するように構成されている。この部分が支持部材53の吸引部55を形成している。支持部材53の先端部56には、弁部材57が支持固定されている。弁部材57は、支持部材53が移動した場合に、図4に示すように小孔44を閉じる位置に配置されている。従って、基端部54から吸引部55までの距離は、基端部54から弁部材57までの距離よりも短くなっている。弁部材57の先端にはリング状の凸部58が設けられており、この凸部58が小孔44の周辺に当接することにより、流路である小孔44を閉状態にする。弁部材57は弾性体により構成されている。弾性体としては、フッ素ゴム、シリコンゴム、ブチルゴム、エラストマー、CRゴム、NBRゴム又はウレタンゴム等が使用可能である。
【0045】
流路形成部31の外周、即ちインク流路外には、電磁駆動手段としての電磁石60が配置されている。電磁石60は、鉄芯61、枠体62、励磁コイル63及び第1及び第2の磁性体64,65を備えている。枠体62は、略円筒状に切削されており、中央に鉄芯61が配置される。枠体62の材料は、例えばポリブチレンテレフタレート等の樹脂材料が使用される。また、枠体62には、励磁コイル63が巻回されている。励磁コイル63は、銅線材料が使用されており、励磁コイル63の外周には、ポリエチレン及びウレタンの絶縁被覆層を有している。また、励磁コイル63は、リード線を介して弁装置駆動回路に電気的に接続されている(ともに図示せず)。第1及び第2の磁性体64,65はともに鉄芯61と固着されており、磁力が伝達するようになっている。第1の磁性体64の先端は、支持部材53の基端部54周辺と近接しており、基端部54は流路形成部31とフィルム材50及び第1の磁性体64により挟持されている。そして、第1の磁性体64と基端部54は、フィルム材50を介して磁力を伝達可能に構成されている。また、第2の磁性体65の先端は、支持部材53の吸引部55及び貫通孔43付近に設けられており、磁力により吸引部55を吸引可能に構成されている。なお、フィルム材51は、吸引部55と第2の磁性体65が対峙する面に形成されている。
【0046】
次に、以上のように構成された圧力ダンパ15の動作について説明する。
図3に示すように、電磁石60が励磁されていない状態では、弁部材57は小孔44とは離れた位置にあり、インク流路を開状態にしている。そして、電磁石60が励磁されると、第1及び第2の磁性体64,65及び支持部材53も励磁されて、吸引部55が第2の磁性体65方向に吸引される。この結果、図4に示すように、支持部材53は弾性変形するとともに、吸引部55がフィルム材51を介して第2の磁性体65に近接する。また、支持部材53が吸引される結果、弁部材57も従動し、小孔44を閉状態にする。そして、電磁石60が再度励磁されなくなると、図3の状態に戻り、インク流路が開状態となる。
【0047】
なお、以上のような圧力ダンパ15の動作は、記録ヘッド16のインクを吸引するクリーニング動作に適している。通常のインクジェットプリンタ11では、記録ヘッド16のメンテナンスとしては、吸引によるクリーニングが行われる。このクリーニングでは、記録ヘッド16内のインクに溜まった気泡を吸引するため、吸引ポンプ24によりインクの吸引を行う。しかし、この通常のクリーニングでは、十分に排出できない気泡がある。特に記録ヘッド16のフィルタ(図示せず)上には気泡の残りが大きく、ノズル抜けや印字品質の劣化の原因となることがあった。このような気泡を排出する方法として、いわゆるチョーククリーニングが効果的である。このチョーククリーニングでは、インク流路の上流側の弁を閉じた状態(チョーク状態)とし、ノズル側から吸引ポンプ24により吸引する。そして、記録ヘッド16内を負圧にして気泡を膨張させ、記録ヘッド16のフィルタより下流に気泡を引き込む。この状態で、弁を開いて気泡を排出させるものである。本実施の形態の圧力ダンパ15によれば、弁部材57によりインク流路を開閉することにより、このチョーククリーニングの実施が可能である。
【0048】
また、本実施の形態の圧力ダンパ15の動作は、複数の記録ヘッド16のうち一色のインクについてのみクリーニングを行う、いわゆる選択クリーニングに適している。近年のインクジェットプリンタは、高速化の要請に伴うヘッドの多ノズル化(又はハイバンド化ともいう)、及びカラー高画質化の要請に伴う多色化により、消費インク量が増加する傾向にある。このため、吸引によるクリーニングで発生する廃液を減少させて、消費インク量を極力減少させる要請がある。これを達成する方法として、クリーニングの必要な色のノズル開口のみを吸引する選択クリーニングを実施することが望ましい。本実施の形態によれば、クリーニングを行う色のインクだけインク流路を開状態とし、他の色のインクについてはインク流路を閉状態とすることにより、この選択クリーニングの実施が可能である。
【0049】
上記第1の実施形態の圧力ダンパ15によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1の実施形態では、電磁石60が、第1及び第2の磁性体64,65を介して支持部材53とともに磁気回路を構成することができる。そして、電磁石60を励磁させることによって支持部材53の吸引部55が吸引され、弁部材57により流路が開状態から閉状態となる。従って、第1及び第2の磁性体64,65が対向する面に配置されており、第1及び第2の磁性体64,65間に支持部材53が介在するため、支持部材53の吸引を効率よく行うことができる。
【0050】
(2)第1の実施形態では、支持部材53が磁性体により構成されるため、弁部材57自体を磁性体で構成する必要がなくなる。また、弁部材57の直近に電磁石60を設ける必要がなくなるので、インク流路の外周に直接励磁コイルを巻回して電磁石を設ける必要がなくなる。また、電磁石60を流路外に配置したため、流路を介して電磁石を設ける必要がなくなる。このため、構造が簡略化、小型化した弁装置が得られる。
【0051】
(3)第1の実施形態では、基端部54と第1の磁性体64とがフィルム材50を介して近接するように配置されている。このため、基端部54と第1の磁性体64との距離を短くすることができ、電磁石60の負荷を小さくしても比較的大きな吸引力を得ることができる。
【0052】
(4)第1の実施形態では、フィルム材50,51により、インク流路が封止されている。特にフィルム材50,51は、薄い素材を使用することで、磁力により吸引力を受ける部分において磁気抵抗を小さくできる。従って、より効率的な磁気回路を実現することができる。
【0053】
(5)第1の実施形態では、フィルム材50,51は流路形成部31と熱溶着されているため、簡易な構成により流路を封止することができる。また、フィルム材50,51は耐ガスバリア性の高い材質によって構成されているため、流路内へのガスの流入をより確実に防止することができる。
【0054】
(6)第1の実施形態では、基端部54から吸引部55までの距離は、基端部54から弁部材57までの距離よりも短くなっている。このため、吸引部55における吸引の距離を短くさせることができ、電磁石60の負荷を小さくすることができる。また、吸引部55が第2の磁性体65側に折り曲げ形成されているため、吸引部55と第2の磁性体65との距離をより短くすることができる。
【0055】
(7)第1の実施形態では、弁装置である圧力ダンパ15の上流側にフィルタ41を配置したため、異物の流入を防止でき、弁部材57の開閉をより確実に行うことができる。
【0056】
(8)第1の実施形態では、弁部材57が電磁石60を駆動させたときにインク流路が閉状態となり、駆動させないときにインク流路が開状態となる。このため、電磁石60を駆動させない動作状態において、インク流路を閉状態に制御する弁装置を得ることができる。従って、チョーククリーニング又はクリーニングを行う選択クリーニングを行う場合には、クリーニング動作の時にのみ電磁石60を励磁させればよいため、インクジェットプリンタ11全体の負荷を少なくすることができる。
【0057】
(9)第1の実施形態では、支持部材53が弾性体としての板ばねであるため、支持部材53が磁力により吸引される場合に弾性変形することで、インク流路の開閉を行うことができる。また、支持部材53が弾性体であるため、支持部材53が吸引される場合に別途弾性部材等を設ける必要がなくなる。
【0058】
(10)第1の実施形態では、弁部材57は弾性体であるため、弁部材57が流路形成部31に対してより確実に当接する。特に弁部材57の先端はリング状の凸部58であり、弁部材57によるインク流路のシール性をより高めることができる。
【0059】
(11)第1の実施形態では、弁装置はインクジェットプリンタ11の記録ヘッド16の上流側に配置される。このため、記録ヘッド16のフィルタ上に溜まった気泡を排出させるためのクリーニングの際に、この弁装置を効果的に利用することができる。
【0060】
なお、第1の実施形態は以下のように変更してもよい。
○第1の実施形態では、支持部材53の吸引部55の形状を図3等に示すように形成したが、その形状は特に限定されない。また、電磁石60の生成する磁力に応じて、吸引部と第2の磁性体65との距離を適宜変更してもよい。さらに、強力な磁力が生成される場合は、吸引部を設けなくてもよい。
【0061】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態の圧力ダンパを図5に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の弁部材及び支持部材を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0062】
圧力ダンパ71は、支持部材72と小孔44との間に弾性部材としてのコイルばね74が介装されている。コイルばねの付勢力により、インク流路が閉状態となった際に、インク流路を開状態にする方向に付勢力が働く。このため、支持部材72の先端部73は、コイルばね74を当接させるためのスペースが設けられている。
【0063】
従って、第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態の(1)〜(11)に記載の効果と同様の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(12)第2の実施形態では、コイルばね74の付勢力により、インク流路が閉状態となった際に、インク流路を開状態にする方向に付勢力が働く。このため、電磁石60が非励磁状態となった場合に、コイルばね74により流路を開状態にできる。
【0064】
なお、第2の実施形態は以下のように変更してもよい。
○第2の実施形態では、弾性部材としてコイルばね74を1つのみ使用したが、弁部材57の周辺にコイルばねを複数個設けてもよい。
【0065】
○第2の実施形態では、弾性部材としてコイルばね74を使用したが、その他の弾性部材を用いてもよい。
○第2の実施形態では、支持部材72は弾性体として構成したが、弾性体以外のものを用いてもよい。これは、コイルばね74を使用したため、支持部材72に自身を弾性体にする必要がないからである。
【0066】
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態の圧力ダンパを図6に従って説明する。なお、第3の実施形態は、第1の実施形態の弁部材及び支持部材を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0067】
圧力ダンパ81は、支持部材82を設けているが、その先端に弁部材57が設けられておらず、支持部材82の先端部83自体が弁部材を兼ねている。その一方で、小孔44の周辺外周縁には、凸部84が形成されている。凸部84は弾性部材により構成されている。弾性部材としては、フッ素ゴム、シリコンゴム、ブチルゴム、エラストマー、CRゴム、NBRゴム又はウレタンゴム等が使用可能である。本実施形態では、電磁石60が励磁されたときに、弁部材である先端部83を小孔44の凸部84が当接して、インク流路が閉状態とされる。
【0068】
従って、第3の実施形態によれば、上記第1の実施形態の(1)〜(9)及び(11)に記載の効果と同様の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。(12)上記実施形態では、弁部材である先端部83が凸部84に当接することにより、インク流路が閉状態とされる。特に、凸部84は弾性体であるため、先端部83と凸部84とがより確実に当接する。
【0069】
なお、第3の実施形態は以下のように変更してもよい。
○第3の実施形態に、さらに第1の実施形態の弁部材57を設けてもよい。また、第3の実施形態に、さらに第2の実施形態のコイルばね74を設けてもよい。また、第3の実施形態に、弁部材57及びコイルばね74を設けてもよい。このように構成することで、インク流路のシール性をさらに高めることができる。
【0070】
(第4の実施形態)
次に、本発明を具体化した第4の実施形態の圧力ダンパを図7に従って説明する。なお、第4の実施形態は、第1の実施形態の支持部材を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0071】
圧力ダンパ91は、支持部材92を設けているが、その基端部54及び先端部93ともに、流路形成部31とフィルム材50とにより挟持されている。そして、電磁石60が励磁されて、支持部材92が吸引部55から吸引される場合は、支持部材92全体が弾性変形して、弁部材57が閉状態とされる。
【0072】
従って、第4の実施形態によれば、上記第1の実施形態の(1)〜(9)及び(11)に記載の効果と同様の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。(13)上記実施形態では、弁部材である先端部83が凸部84に当接することにより、インク流路が閉状態とされる。特に、凸部84は弾性体であるため、先端部83と凸部84とがより確実に当接する。
【0073】
○第4の実施形態に、さらに第2の実施形態のコイルばね74を設けてもよい。また、第4の実施形態に、さらに第3の実施形態の凸部84を設けてもよい。また、第3の実施形態に、コイルばね74及び凸部84を設けてもよい。このように構成することで、インク流路のシール性をさらに高めることができる。
【0074】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記各実施形態では、弁部材が電磁石60を駆動させたときにインク流路が閉状態となり、駆動させないときにインク流路が開状態となる。これとは逆に、弁部材が電磁石60を駆動させたときにインク流路が開状態となり、駆動させないときにインク流路が閉状態となるように構成してもよい。このように構成するためには、例えば第1及び第2の磁性体64,65の長さを逆にして、吸引部55を第1の磁性体64方向に折り曲げ部を設ける。また、電磁石60を励磁させていない状態で弁部材が小孔44を閉状態にするように支持部材を構成する必要がある。このように構成することで、上記(7)に記載の効果を得ることができないが、他の弁装置の制御目的に資することができる。
【0075】
○上記各実施形態では、弁装置をインクジェットプリンタに応用したが、これに限られず、他の弁装置に応用してもよい。また、流体もインクに限られず、他の流体に応用してもよい。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、弁部材の選択及び弁装置の設計の自由度がある弁装置が実現できる。また、本発明によれば、装置の構造を簡略化し、小型化することができる弁装置ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のインクジェットプリンタの概念図。
【図2】第1の実施形態の圧力ダンパの説明図であって、(a)は背面図、(b)は側面図、(c)は正面図。
【図3】図2(a)の3−3線における圧力ダンパの部分破断断面図。
【図4】同じく図2(a)の3−3線における圧力ダンパの部分破断断面図。
【図5】第2の実施形態の圧力ダンパの部分破断断面図。
【図6】第3の実施形態の圧力ダンパの部分破断断面図。
【図7】第4の実施形態の圧力ダンパの部分破断断面図。
【符号の説明】
11 インクジェット式記録装置としてのインクジェットプリンタ
15,71,81,91 弁装置としての圧力ダンパ
16 記録ヘッド
31 流路形成部材としての流路形成部
41 フィルタ
44 小孔
50,51 フィルム材
53,72,82,92 支持部材
54 基端部
55 吸引部
57 弁部材
60 電磁駆動手段としての電磁石
64,65 第1及び第2の磁性体
74 弾性部材としてのコイルばね
58,84 弾性体としての凸部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a valve device that controls opening and closing of a flow path.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a valve device that uses an electromagnet is known as a valve device that controls opening and closing of a flow path through which a fluid moves. As an example, there is a valve device disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 2000-81162. In this valve device, a valve body (valve member) that performs opening / closing control of the flow path of the valve main body through which the fluid moves is provided, and the valve body is made of a magnetic material. The valve body is connected to a film-like member that is movably supported by the valve body. An exciting coil is wound around the outer periphery of the flow path of the valve body, and an electromagnet is configured by exciting the coil. In this valve device, when the exciting coil is excited, the valve body, which is a magnetic body, is attracted or repelled, and the flow path is opened or closed.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional valve device described above, a part of the valve body and the flow path must be magnetic. For this reason, in order to transmit the magnetic force of an electromagnet to a valve body, you have to arrange | position an electromagnet in the immediate vicinity of a valve body. Therefore, in this valve device, since the material of the valve member is limited, there is no degree of freedom in selecting the valve member, and the degree of freedom in designing the valve device is also limited. Further, in this valve device, an electromagnet has to be formed by winding an exciting coil around the outer periphery of the flow path of the valve body, resulting in a problem that the structure of the device becomes complicated and large.
[0004]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and an object of the present invention is to provide a valve device capable of obtaining a degree of freedom in selecting a valve member and designing a valve device. Another object of the present invention is to provide a valve device capable of simplifying the structure of the device and reducing the size thereof.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problem, in the invention according to claim 1, a valve member that is disposed in a flow path in which a fluid moves and opens and closes the flow path, and a valve member that is disposed in the flow path and is provided in the flow path. A valve device comprising: a support member made of a magnetic material that supports a magnetic member; and an electromagnetic drive unit that attracts the support member by magnetic force, wherein the flow path is formed by a flow path forming member, and the electromagnetic drive unit Has a pair of magnetic bodies arranged outside the flow path forming member, and the pair of magnetic bodies forms a magnetic circuit together with the support member by interposing the support member between the two magnetic bodies. In addition, the valve members are arranged on the surfaces facing each other outside the flow path forming member, and the valve member performs any one of opening and closing operations of the flow path in accordance with suction of the support member.
[0007]
According to a second aspect of the present invention, in the valve device according to the first aspect, a film material for sealing the flow path is provided, and the support member has at least a base end portion of a front end portion and a base end portion. It is fixed to the flow path forming member side, and is arranged so that the base end portion of the support member and one magnetic body of the electromagnetic driving means are close to each other through the film material.
[0008]
According to a third aspect of the present invention, in the valve device according to the second aspect, the film material is thermally welded to the flow path forming member.
According to a fourth aspect of the present invention, in the valve device according to the second or third aspect, the film material is made of a material having a high gas barrier resistance.
[0009]
According to a fifth aspect of the present invention, in the valve device according to any of the second to fourth aspects, the support member has a suction portion that receives a suction force by the electromagnetic driving means at a predetermined location. The distance from the base end portion of the support member to the suction portion is shorter than the distance from the base end portion to the valve member.
[0010]
In invention of Claim 6, in the valve apparatus in any one of Claims 1-5, the filter was arrange | positioned to the upstream of the said valve apparatus.
According to a seventh aspect of the present invention, in the valve device according to any one of the first to sixth aspects, when the valve member drives the electromagnetic driving means, the flow path is closed, and the electromagnetic driving means The flow path was opened when the was not driven.
[0011]
According to an eighth aspect of the present invention, in the valve device according to any one of the first to seventh aspects, the support member is made of an elastic body.
According to a ninth aspect of the present invention, in the valve device according to the eighth aspect, the elastic body is a leaf spring.
[0012]
In invention of Claim 10, in the valve apparatus in any one of Claims 1-9, when the said valve member makes the said flow path closed state, urging | biasing force is the direction which makes this flow path open. A working elastic member was provided.
[0013]
According to an eleventh aspect of the present invention, in the valve device according to the tenth aspect, the elastic member is a coil spring.
In invention of
[0014]
In invention of
[0015]
According to a fourteenth aspect of the present invention, in the valve device according to any one of the first to twelfth aspects, the valve member is contacted with a convex portion formed on an outer peripheral edge of a small hole provided in the flow path forming member. By making contact, the flow path is closed.
[0016]
According to a fifteenth aspect of the present invention, in the valve device according to the fourteenth aspect, the convex portion is constituted by an elastic body.
In a sixteenth aspect of the present invention, in the valve device according to any one of the first to fifteenth aspects, the fluid is ink.
[0017]
The invention according to
According to an eighteenth aspect of the present invention, in the valve device according to the sixteenth aspect, the valve device is arranged on the upstream side of the filter of the recording head of the ink jet recording apparatus.
[0018]
According to a nineteenth aspect of the present invention, in the valve device according to the sixteenth or seventeenth aspect, the valve device is used for choke cleaning or selective cleaning of an ink jet recording apparatus.
[0019]
(Function)
According to invention of Claim 1, a magnetic circuit is comprised by an electromagnetic drive means and a supporting member. Then, by exciting the electromagnetic driving means, the magnetic support member is attracted and the flow path is opened or closed. In particular, since the support member is made of a magnetic material, the valve member itself need not be made of a magnetic material. Further, it is not necessary to provide electromagnetic drive means in the immediate vicinity of the valve member. Further, since the electromagnetic driving means is disposed outside the flow path, it is not necessary to provide the electromagnetic driving means directly on the outer periphery of the flow path. For this reason, a valve device with a simplified structure and a reduced size can be obtained.
[0020]
Further, since the electromagnetic drive means has a pair of magnetic bodies arranged outside the flow path forming member, the electromagnetic drive means can constitute a magnetic circuit together with the support member via both magnetic bodies. Accordingly, the pair of magnetic bodies of the electromagnetic driving means are respectively arranged on the surfaces facing each other outside the flow path forming member, and the support member is interposed between both magnetic bodies, so that the support member can be efficiently attracted. it can.
[0021]
According to the second aspect of the present invention, since the base end portion and the magnetic body of the electromagnetic driving means are disposed so as to be close to each other through the film material, the base end portion and the magnetic body of the electromagnetic driving means are The distance can be shortened, and a relatively large attractive force can be obtained even if the load of the electromagnetic driving means is reduced.
[0022]
According to the invention described in
According to the invention described in claim 4, since the film material is made of a material having a high gas barrier property, it is possible to more reliably prevent the gas from flowing into the flow path.
[0023]
According to the fifth aspect of the present invention, the distance from the base end portion of the support member to the suction portion is configured to be shorter than the distance from the base end portion to the valve member. For this reason, the distance of attraction | suction in an attraction | suction part can be shortened, and the load of an electromagnetic drive means can be made small.
[0024]
According to the sixth aspect of the present invention, since the filter is disposed on the upstream side of the valve device, the inflow of foreign matter can be prevented, and the valve device can be more reliably opened and closed.
According to the seventh aspect of the present invention, the flow path is closed when the valve member drives the electromagnetic driving means, and the flow path is opened when the valve member is not driven. For this reason, the valve apparatus which controls a flow path to a closed state in the operation state which does not drive an electromagnetic drive means can be obtained.
[0025]
According to the eighth aspect of the present invention, since the support member is an elastic body, when the support member is attracted by a magnetic force, the flow path can be opened and closed by elastic deformation. In addition, since the support member is an elastic body, it is not necessary to separately provide an elastic member or the like when the support member is sucked.
[0026]
According to the ninth aspect of the present invention, when the support member that is a leaf spring is attracted by a magnetic force, the flow path can be opened and closed by elastic deformation.
According to the invention described in claim 10, when the flow path is closed by the elastic member, the urging force acts in the direction of opening the flow path. For this reason, when an electromagnetic drive means will be in a non-excitation state, a flow path can be opened by an elastic member.
[0027]
According to the eleventh aspect of the present invention, when the electromagnetic driving means is in a non-excited state due to the biasing force of the coil spring, the flow path can be opened by the elastic member.
According to the twelfth aspect of the present invention, since the valve member is an elastic body, the valve member can be surely brought into contact with the flow path side or the flow path forming member, and the sealing performance of the flow path by the valve member can be improved. .
[0028]
According to the invention described in
[0029]
According to the fourteenth aspect of the present invention, the valve member is brought into contact with the convex portion, whereby the flow path is closed. For this reason, the sealing property of a flow path can be improved by a convex part.
[0030]
According to the fifteenth aspect of the present invention, since the convex portion is an elastic body, the convex portion can be reliably brought into contact with the valve member, and the sealing performance of the flow path by the valve member can be improved.
According to the sixteenth aspect, since the fluid is ink, the effect of any one of the first to fifteenth aspects can be obtained in controlling the opening and closing of the ink flow path.
[0031]
According to the invention described in
[0032]
According to the invention described in
[0033]
According to the nineteenth aspect of the present invention, the valve device is used for choke cleaning or selective cleaning of the ink jet recording apparatus. For this reason, suction is performed from the nozzle side of the recording head with the valve member closed, and choke cleaning is performed to open the valve in a high negative pressure state, or selective cleaning in which only necessary ones of the color nozzles are cleaned. In this case, the valve device can be used effectively.
[0034]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(First embodiment)
Hereinafter, a first embodiment in which the valve device of the present invention is embodied in a pressure damper of an ink jet recording apparatus will be described with reference to FIGS.
[0035]
FIG. 1 is a conceptual diagram of an ink jet printer as an ink jet recording apparatus. As shown in FIG. 1, the
[0036]
The
[0037]
The
[0038]
In FIG. 1, a
[0039]
Although FIG. 1 shows a configuration for only one color ink, the
[0040]
Next, the
2A and 2B are explanatory views of the
[0041]
The
[0042]
The
[0043]
[0044]
A
[0045]
An
[0046]
Next, the operation of the
As shown in FIG. 3, in a state where the
[0047]
The operation of the
[0048]
The operation of the
[0049]
According to the
(1) In the first embodiment, the
[0050]
(2) In the first embodiment, since the
[0051]
(3) In the first embodiment, the
[0052]
(4) In the first embodiment, the ink flow path is sealed by the
[0053]
(5) In the first embodiment, since the
[0054]
(6) In the first embodiment, the distance from the
[0055]
(7) In the first embodiment, since the
[0056]
(8) In the first embodiment, the ink flow path is closed when the
[0057]
(9) In the first embodiment, since the
[0058]
(10) In the first embodiment, since the
[0059]
(11) In the first embodiment, the valve device is disposed on the upstream side of the
[0060]
Note that the first embodiment may be modified as follows.
In the first embodiment, the shape of the
[0061]
(Second Embodiment)
Next, a pressure damper according to a second embodiment embodying the present invention will be described with reference to FIG. In addition, since 2nd Embodiment is a structure which only changed the valve member and support member of 1st Embodiment, the detailed description is abbreviate | omitted about the same part.
[0062]
In the
[0063]
Therefore, according to the second embodiment, in addition to the same effects as the effects described in (1) to (11) of the first embodiment, the following effects can be obtained.
(12) In the second embodiment, when the ink flow path is closed by the biasing force of the
[0064]
Note that the second embodiment may be modified as follows.
In the second embodiment, only one
[0065]
In the second embodiment, the
In the second embodiment, the
[0066]
(Third embodiment)
Next, a pressure damper according to a third embodiment embodying the present invention will be described with reference to FIG. In addition, since 3rd Embodiment is a structure which changed only the valve member and support member of 1st Embodiment, the detailed description is abbreviate | omitted about the same part.
[0067]
Although the
[0068]
Therefore, according to the third embodiment, in addition to the same effects as those described in (1) to (9) and (11) of the first embodiment, the following effects can be obtained. (12) In the above-described embodiment, the ink flow path is closed when the
[0069]
Note that the third embodiment may be modified as follows.
In the third embodiment, the
[0070]
(Fourth embodiment)
Next, a pressure damper according to a fourth embodiment embodying the present invention will be described with reference to FIG. In addition, since 4th Embodiment is a structure which changed only the support member of 1st Embodiment, the detailed description is abbreviate | omitted about the same part.
[0071]
The
[0072]
Therefore, according to the fourth embodiment, the following effects can be obtained in addition to the effects similar to the effects described in (1) to (9) and (11) of the first embodiment. (13) In the above-described embodiment, the ink flow path is closed by the
[0073]
In the fourth embodiment, the
[0074]
In addition, you may change each said embodiment as follows.
In each of the above embodiments, the ink flow path is closed when the valve member drives the
[0075]
In each of the above embodiments, the valve device is applied to an ink jet printer. However, the present invention is not limited to this and may be applied to other valve devices. The fluid is not limited to ink, and may be applied to other fluids.
[0076]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the valve apparatus with the freedom of selection of a valve member and design of a valve apparatus is realizable. Further, according to the present invention, a valve device that can simplify the structure of the device and reduce the size thereof can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a conceptual diagram of an ink jet printer according to a first embodiment of the present invention.
2A and 2B are explanatory views of a pressure damper according to the first embodiment, wherein FIG. 2A is a rear view, FIG. 2B is a side view, and FIG.
FIG. 3 is a partially broken cross-sectional view of the pressure damper taken along line 3-3 in FIG.
4 is a partially broken cross-sectional view of the pressure damper taken along line 3-3 in FIG. 2 (a).
FIG. 5 is a partially broken sectional view of a pressure damper according to a second embodiment.
FIG. 6 is a partially cutaway cross-sectional view of a pressure damper according to a third embodiment.
FIG. 7 is a partially broken cross-sectional view of a pressure damper according to a fourth embodiment.
[Explanation of symbols]
11 Inkjet printer as inkjet recording device
15, 71, 81, 91 Pressure damper as a valve device
16 Recording head
31 Channel forming part as channel forming member
41 Filter
44 small holes
50, 51 Film material
53, 72, 82, 92 Support member
54 Base end
55 Suction unit
57 Valve member
60 Electromagnet as electromagnetic driving means
64, 65 first and second magnetic bodies
74 Coil spring as an elastic member
58,84 Convex part as elastic body
Claims (19)
前記流路内に配置されて前記弁部材を支持する磁性体からなる支持部材と、
前記支持部材を磁力により吸引させる電磁駆動手段と
を備えた弁装置であって、
前記流路は流路形成部材によって形成されるとともに、
前記電磁駆動手段は前記流路形成部材外に配置される一対の磁性体を有し、
該一対の磁性体は、それら両磁性体間に前記支持部材を介在させることによって該支持部材と共に磁気回路を構成するように、前記流路形成部材外において互いに対向する面に各々配置され、
前記弁部材は前記支持部材の吸引に伴って前記流路の開閉動作のいずれかを行うことを特徴とする弁装置。A valve member disposed in a flow path through which the fluid moves to open and close the flow path;
A support member made of a magnetic material disposed in the flow path to support the valve member;
A valve device comprising electromagnetic driving means for attracting the support member by magnetic force,
The flow path is formed by a flow path forming member,
The electromagnetic driving means has a pair of magnetic bodies arranged outside the flow path forming member,
The pair of magnetic bodies are respectively arranged on surfaces facing each other outside the flow path forming member so as to form a magnetic circuit together with the support member by interposing the support member between the two magnetic bodies.
The valve member performs any one of opening and closing operations of the flow path in accordance with suction of the support member.
前記流路を封止するフィルム材を設けるとともに、
前記支持部材は、先端部及び基端部のうち少なくとも基端部が前記流路形成部材側に固定され、
前記支持部材の基端部と前記電磁駆動手段の一方の磁性体とが前記フィルム材を介して近接するように配置したことを特徴とする弁装置。The valve device according to claim 1,
While providing a film material for sealing the flow path,
The support member has at least a base end portion fixed to the flow path forming member side among a front end portion and a base end portion,
A valve device, wherein a base end portion of the support member and one magnetic body of the electromagnetic driving means are arranged so as to be close to each other through the film material.
前記フィルム材は前記流路形成部材と熱溶着されていることを特徴とする弁装置。The valve device according to claim 2,
The valve device, wherein the film material is thermally welded to the flow path forming member.
前記フィルム材は耐ガスバリア性の高い材質によって構成されていることを特徴とする弁装置。The valve device according to claim 2 or 3,
The said film material is comprised by the material with high gas-barrier resistance, The valve apparatus characterized by the above-mentioned.
前記支持部材はその所定箇所であって前記電磁駆動手段による吸引力を受ける吸引部を有しており、
前記支持部材の基端部から前記吸引部までの距離は、該基端部から前記弁部材までの距離よりも短いことを特徴とする弁装置。In the valve apparatus in any one of Claims 2-4,
The support member has a suction portion that receives the suction force by the electromagnetic driving means at the predetermined location;
The valve device, wherein a distance from the base end portion of the support member to the suction portion is shorter than a distance from the base end portion to the valve member.
前記弁装置の上流側にフィルタを配置したことを特徴とする弁装置。In the valve apparatus in any one of Claims 1-5,
A valve device characterized in that a filter is disposed upstream of the valve device.
前記弁部材が前記電磁駆動手段を駆動させたときに前記流路を閉状態とし、前記電磁駆動手段を駆動させないときに前記流路を開状態とするようにしたことを特徴とする弁装置。In the valve apparatus in any one of Claims 1-6,
A valve device characterized in that when the valve member drives the electromagnetic driving means, the flow path is closed, and when the electromagnetic driving means is not driven, the flow path is opened.
前記支持部材は、弾性体により構成されていることを特徴とする弁装置。In the valve apparatus in any one of Claims 1-7,
The said support member is comprised with the elastic body, The valve apparatus characterized by the above-mentioned.
前記弾性体は、板ばねであることを特徴とする弁装置。The valve device according to claim 8,
The valve device, wherein the elastic body is a leaf spring.
前記弁部材が前記流路を閉状態とすると、該流路を開状態にする方向に付勢力が働く弾性部材を設けたことを特徴とする弁装置。In the valve apparatus in any one of Claims 1-9,
When the valve member closes the flow path, an elastic member is provided that exerts a biasing force in a direction to open the flow path.
前記弾性部材は、コイルばねであることを特徴とする弁装置。The valve device according to claim 10,
The valve device, wherein the elastic member is a coil spring.
前記弁部材は、弾性体により構成されていることを特徴とする弁装置。In the valve apparatus in any one of Claims 1-11,
The said valve member is comprised by the elastic body, The valve apparatus characterized by the above-mentioned.
前記弁部材の端部に設けられたリング状の凸部を前記流路形成部材に当接させることにより、前記流路が閉状態とされることを特徴とする弁装置。In the valve apparatus in any one of Claims 1-12,
A valve device characterized in that the flow path is closed by bringing a ring-shaped convex portion provided at an end of the valve member into contact with the flow path forming member.
前記弁部材を前記流路形成部材に設けられた小孔の外周縁に形成された凸部に当接させることにより、前記流路が閉状態とされることを特徴とする弁装置。In the valve apparatus in any one of Claims 1-12,
A valve device characterized in that the flow path is closed by bringing the valve member into contact with a convex portion formed on an outer peripheral edge of a small hole provided in the flow path forming member.
前記凸部は、弾性体により構成されていることを特徴とする弁装置。The valve device according to claim 14,
The said convex part is comprised by the elastic body, The valve apparatus characterized by the above-mentioned.
前記流体は、インクであることを特徴とする弁装置。In the valve apparatus in any one of Claims 1-15,
The valve device, wherein the fluid is ink.
前記弁装置はインクジェット式記録装置に使用されることを特徴とする弁装置。In the valve apparatus in any one of Claims 1-16,
The valve device is used in an ink jet recording apparatus.
前記弁装置はインクジェット式記録装置の記録ヘッドのフィルタの上流側に配置されることを特徴とする弁装置。The valve device according to claim 17,
The valve device is arranged on the upstream side of a filter of a recording head of an ink jet recording apparatus.
前記弁装置は、インクジェット式記録装置のチョーククリーニング又は選択クリーニングに使用されることを特徴とする弁装置。The valve device according to claim 17 or 18,
The valve device is used for choke cleaning or selective cleaning of an ink jet recording apparatus.
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