JP3873311B2 - 金属マトリックス複合材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属マトリックス複合材料及びその製造方法に関する。さらに詳細には、特定のα−アルミナ粉末を強化材として含有してなる金属マトリックス複合材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属マトリックス複合材料は、比強度、比剛性等が必要とされる用途に有望な材料として注目されており、従来から強化材とマトリックス合金の組み合わせや、製造プロセス等について種々の検討がなされてきた。
【0003】
複合材料においては一般に種々のセラミックス粒子が強化材として用いられるが、複合材料の機械的強度や耐摩耗性等の特性は強化材の性質に大きく依存することが知られている。従来より、アルミナ粒子を強化材として用いる場合、電融アルミナや焼結アルミナを粉砕したアルミナ粉末等が強化材としてよく利用されていた。
【0004】
例えば、ジャーナル・オブ・マテリアルズ・サイエンスVol.28,P.6683(1993)には、粉砕したα−アルミナ粉末を強化材として用いたアルミニウムマトリックス複合材料が開示されている。
【0005】
特開昭63−243248号公報には、電融アルミナなどのアルミナ粒子を強化材として用いたマグネシウムマトリックス複合材料が開示されている。
【0006】
特開昭62−13501号公報には、アルミナ微粉末を強化材として用いた銅マトリックス複合材料が開示されている。
【0007】
軽金属学会第84回春期大会(1993.5)概要集P.17には、コランダム(α−アルミナ)を主体とし、ムライトを含む微細粒子からなる球状粒子を強化材として用いたアルミニウムマトリックス複合材料が開示されている。
【0008】
特開平2−122043号公報には、シャープエッジを有さないアルミナ粉末を強化材として用い、黒鉛粉末を潤滑材として添加した過共晶ケイ素−アルミニウム合金マトリックス複合材料製シリンダーライナーが開示されている。
【0009】
リソ・インターナショナル・シンポジウム・オン・マテリアルズ・サイエンス(第12回)、ロスキルデの会報P.503には、アスペクト比(長径/短径比と同義)が5〜25の6角板状α−アルミナ粉末を強化材として用いたアルミニウムマトリックス複合材料が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこれらの公知の複合材料において強化材として用いられるアルミナ粉末は、粉砕工程を経ているために粒子そのものの強度が低かったり、また、粒度分布が広いため、或いは、長径/短径比が大なるゆえに、充填性が劣る傾向にあり、該アルミナ粉末を強化材として用いた金属マトリックス複合材料は機械的強度や耐摩耗性等が必ずしも十分ではないといった問題点があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、機械的強度や耐摩耗性に優れた金属マトリックス複合材料を得るべく鋭意検討を重ねた結果、強化材として特定のα−アルミナ粉末を含有してなる金属マトリックス複合材料が、機械的強度や耐摩耗性に優れていることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、製造工程において粉砕されていない、長径/短径比が5未満の多面体一次粒子よりなり、重量累積粒度分布の微粒側から累積10%、累積50%および累積90%の粒径をそれぞれD10、D50およびD90としたとき、D50が0.1μm以上、50μm以下で、D50/D10比が2以下であり、D90/D10比が3以下である粒度分布を有し、D50をBET比表面積径で除した値が2以下のα−アルミナ粉末を強化材として2体積%以上、80体積%以下含有し、該α−アルミナ粉末に金属溶湯を含浸して得られる金属マトリックス複合材料に係るものである。
【0013】
また、本発明は、製造工程において粉砕されていない、長径/短径比が5未満の多面体一次粒子よりなり、重量累積粒度分布の微粒側から累積10%、累積50%および累積90%の粒径をそれぞれD10、D50およびD90としたとき、D50が0.1μm以上、50μm以下で、D50/D10比が2以下であり、D90/D10比が3以下である粒度分布を有し、D50をBET比表面積径で除した値が2以下のα−アルミナ粉末に金属溶湯を加圧含浸または無加圧含浸する金属マトリックス複合材料の製造方法に係るものである。
以下、本発明の金属マトリックス複合材料及びその製造方法について詳しく説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の金属マトリックス複合材料において強化材として用いるα−アルミナ粉末について説明する。
【0015】
本発明では強化材としてα−アルミナ粉末が用いられる。α−アルミナ以外のアルミナは遷移アルミナと呼ばれ、必ずしも安定な化合物ではなく、また粒子そのものの強度が低いために、遷移アルミナの粉末を強化材として用いた金属マトリックス複合材料は機械的強度や耐摩耗性が劣る。
【0016】
本発明で強化材として用いるα−アルミナ粉末は、その表面に実質的に破面を有さない。すなわち、本発明においては、製造工程において粉砕されていないα−アルミナ粉末を用いる。粉砕の工程を経ずに製造されたα−アルミナ粉末に比較して、製造工程で粉砕されたα−アルミナ粉末は、多くの歪を内包するために粒子そのものの強度が低く、このようなα−アルミナ粉末を強化材として用いた金属マトリックス複合材料は機械的強度や耐摩耗性が劣る。
【0017】
本発明で強化材として用いるα−アルミナ粉末は、多面体一次粒子からなるα−アルミナ粉末である。一次粒子の形状が多面体であるために、機械的な応力が複合材料に働いたときに、球体に比べてマトリックスとの界面で滑りにくく、また、回転しにくい。従って、該アルミナ粉末を強化材として用いた金属マトリックス複合材料は、機械的強度や耐摩耗性等の特性が優れる。なお、本発明において多面体一次粒子とは、8以上の平面により表面が構成された粒子を意味する。ただし、面と面が交わって形成される稜部が若干丸くなった粒子も、本発明における多面体一次粒子に分類される。
【0018】
本発明で強化材として用いるα−アルミナ粉末は、α−アルミナ粉末の重量累積粒度分布の微粒側から累積50%の粒径をD50としたとき、D50が0.1μm以上、50μm以下であり、好ましくは0.3μm以上、30μm以下である。D50が0.1μm未満の粉末を強化材として用いた金属マトリックス複合材料は、耐摩耗性が劣る。特に金属溶湯を含浸して得られる金属マトリックス複合材料の場合、α−アルミナ粉末の粒径が小さいために含浸が困難となる。一方、D50が50μmを超える粉末を強化材として用いた金属マトリックス複合材料は、機械的強度が劣る。
【0019】
本発明で強化材として用いるα−アルミナ粉末は、α−アルミナ粉末の重量累積粒度分布の微粒側から累積10%、累積50%の粒径をそれぞれD10、D50としたとき、D50/D10比が2以下であり、好ましくは1.7以下である。なお、D50/D10比の最小値は1である。D50/D10比が2を超える場合には、微小な粒子の割合が増大するために、充填性に劣り、この粉末を強化材として用いた金属マトリックス複合材料は、機械的強度や耐摩耗性が劣る。
【0020】
本発明の金属マトリックス複合材料は、強化材としてα−アルミナ粉末を含有している。その含有量は2体積%以上、80体積%以下であり、好ましくは40体積%以上、80体積%以下であり、より好ましくは50体積%以上、70体積%以下である。α−アルミナ粉末の含有量が2体積%未満では、強化材が不足するために、金属マトリックス複合材料の機械的強度や耐摩耗性が不十分となる。また、含有量が80体積%を超えると、複合材料の成形が困難になるとともに、金属マトリックス量が不十分であるため、複合材料の機械的強度や耐摩耗性が低下する。
【0021】
本発明で強化材として用いるα−アルミナ粉末は、多面体一次粒子の長径/短径比が5未満であることが好ましく、より好ましくは3未満である。なお、長径/短径比の最小値は1であり、この時長径と短径が同一長さとなる。長径/短径比が5以上になると、α−アルミナ粉末の充填性が悪くなるとともに、金属マトリックス複合材料に異方性が生じる場合がある。これは金属マトリックス複合材料製造プロセスにおいて、例えばマトリックスとなる金属溶湯を含浸させる方向とこれに垂直な方向で、或いは熱間加工の変形方向とこれに垂直な方向で、α−アルミナ粉末が配向する結果、機械的強度や耐摩耗性が複合材料の方向によって異なるためである。
【0022】
本発明で強化材として用いるα−アルミナ粉末は、α−アルミナ粉末の重量累積粒度分布の微粒側から累積10%、累積90%の粒径をそれぞれD10、D90としたとき、D90/D10比が3以下であることが好ましく、より好ましくは2.5以下である。なお、D90/D10比の最小値は1である。D90/D10比が3を超える場合には、粗大な粒子や微小な粒子の割合が増大するために、この粉末を強化材として用いた金属マトリックス複合材料は機械的強度や耐摩耗性が劣る場合がある。
【0023】
本発明で強化材として用いるα−アルミナ粉末は、α−アルミナ粉末の重量累積粒度分布の微粒側から累積50%の粒径をD50としたとき、D50をBET比表面積径で除した値が2以下であることが好ましく、より好ましくは1.5以下である。D50をBET比表面積径で除した値が2を超える場合には、このα−アルミナ粉末を強化材として用いた金属マトリックス複合材料は、粒子表面の吸着水分や微小な凹凸に起因して内部に欠陥が生じ易く、機械的強度や耐摩耗性が劣る場合がある。
【0024】
本発明で強化材として用いることができるα−アルミナ粉末は、例えば、遷移アルミナまたは熱処理により遷移アルミナとなるアルミナ前駆体を、塩化水素ガス、または塩素ガスおよび水蒸気を含有する雰囲気ガス中にて焼成することにより得ることができる(特開平6−191833号公報あるいは特開平6−191836号公報に記載)。
【0025】
塩化水素ガスの濃度は、雰囲気ガスの全体積に対して、1体積%以上、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上である。
塩素ガスの濃度は、雰囲気ガスの全体積に対して、1体積%以上、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上、水蒸気の濃度は、0.1体積%以上、好ましくは1体積%以上、より好ましくは5体積%以上である。
焼成温度は、600℃以上、好ましくは600〜1400℃、より好ましくは800〜1200℃である。
焼成時間は、塩化水素ガスまたは塩素ガスの濃度や焼成温度に依存するので、必ずしも限定されないが、好ましくは1分以上、より好ましくは10分以上である。
また、雰囲気ガスの供給源、供給方法および焼成装置などは特に限定されるものではない。
【0026】
本発明で強化材として用いるα−アルミナ粉末は、充填性が高いことも特徴であり、該粉末を用いることにより、強化材の体積分率が高く、従って機械的強度や耐摩耗性に優れた複合材料を得ることが可能である。
【0027】
また、本発明で強化材として用いるα−アルミナ粉末は、金属溶湯あるいは半溶融状態の金属溶湯に添加する場合においても複合化されやすい特徴を持つ。
【0028】
本発明においては、二種以上の異なった粒径を有するα−アルミナ粉末を混合して強化材として用いることも可能であるし、本発明で強化材として用いるα−アルミナ粉末とともに他の強化材を併用することも可能である。
α−アルミナ粉末とともに併用可能な他の強化材としては、例えば、アルミナの繊維やウィスカ、炭化ケイ素、窒化アルミ、窒化ケイ素、二ホウ化チタン、ホウ酸アルミ、炭素などの粉末、繊維やウィスカが挙げられる。
【0029】
本発明の金属マトリックス複合材料のマトリックスを構成する金属としては、例えば、アルミニウム、銅、マグネシウム、ニッケル、鉄、チタニウムなどが挙げられ、中でもアルミニウムが好適に使用される。ここで、本発明においては、マトリックスを構成する金属は、該金属と他の金属との合金、例えば、アルミニウムの場合は、アルミニウム合金をも包含するものと定義する。特に、無加圧含浸法によりアルミニウムマトリックス複合材料が製造される場合は、マグネシウムを0.5重量%以上、15重量%以下程度含有するアルミニウム合金をマトリックスとして使用することが好ましい。
【0030】
また、その他の合金成分元素や不純物元素の含有量は必ずしも限定されないが、例えば「JIS H 5202 アルミニウム合金鋳物」や「JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条」に規定されている化学成分値程度である。
【0031】
本発明の金属マトリックス複合材料は、その製造方法は特に限定されるものではない。例えば、金属粉末とα−アルミナ粉末を混合、成形、焼結した後、熱間加工やホットプレスにより緻密化して複合材料を得る固相法、または溶湯攪拌法、溶湯加圧含浸法、溶湯無加圧含浸法、アトマイズ共堆積法等の液相法を採用することができる。半溶融状態の金属にα−アルミナ粉末を添加、攪拌する方法も可能である。
【0032】
次に、本発明の金属マトリックス複合材料の製造方法について説明する。得られる複合材料の機械的強度や耐摩耗性を高い水準で確保するためには、強化材として用いる上記のα−アルミナ粉末に金属溶湯を加圧含浸或いは無加圧含浸させる方法を用いる。本発明に使用されるα−アルミナ粉末は、金属溶湯を加圧含浸或いは無加圧含浸させ易く、得られる複合材料の機械的強度や耐摩耗性が優れているので、加圧含浸あるいは無加圧含浸させる方法に適している。
【0033】
α−アルミナ粉末への金属溶湯の加圧含浸は、例えば、α−アルミナ粉末の成形体に溶融状態の金属を接触させ、この金属溶湯に静水圧を印加することにより行うことができる。静水圧を印加する方法は、油圧プレス等の機械力を用いる方法、大気圧或いはボンベガス圧を用いる方法、遠心力を用いる方法等を採用することができる。
【0034】
α−アルミナ粉末への金属溶湯の無加圧含浸は、例えば、α−アルミナ粉末の成形体に、窒素ガスを含有する雰囲気下で、マグネシウムを含有する溶融状態のアルミニウムを接触させることにより達成される。
【0035】
次に、上記のようにして得られる本発明の金属マトリックス複合材料の特性について、特にマトリックスを構成する金属としてアルミニウムを用いた場合について説明する。
【0036】
本発明のアルミニウムマトリックス複合材料は、「JIS R 1601 ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法」に規定されている3点曲げ強さが70kgf/mm2 以上であることが好ましい。
【0037】
また、本発明のアルミニウムマトリックス複合材料は、次式で示される3点曲げ強さの曲げ強化係数が0.6以上であることが好ましい。
曲げ強化係数=(複合材料の曲げ強さ−マトリックスアルミニウムの曲げ強さ)/複合材料中のα−アルミナ粉末の体積%
【0038】
すなわち、曲げ強化係数とは、アルミニウムマトリックス複合材料中のα−アルミナ粉末1体積%当たりの曲げ強さ増大量を表す。この数値が大きいほど、用いられた強化材は、強化材としての機能が高いことを示す。
【0039】
また、本発明のアルミニウムマトリックス複合材料は、引張強さが42kgf/mm2 以上であることが好ましい。
【0040】
また、本発明のアルミニウムマトリックス複合材料は、次式で示される引張強さの引張強化係数が0.25以上であることが好ましい。
引張強化係数=(複合材料の引張強さ−マトリックスアルミニウムの引張強さ)/複合材料中のα−アルミナ粉末の体積%
【0041】
すなわち、引張強化係数とは、アルミニウムマトリックス複合材料中のα−アルミナ粉末1体積%当たりの引張強さ増大量を表す。この数値が大きいほど、用いられた強化材は、強化材としての機能が高いことを示す。
【0042】
また、本発明のアルミニウムマトリックス複合材料は、機械構造用炭素鋼に対する摺動比摩耗量が2.5×10-10 mm2 /kgf以下であることが好ましい。ここで機械構造用炭素鋼とは、例えば、「JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材」に規定されている鋼材をさす。摺動比摩耗量は、例えば、大越式迅速摩耗試験機やピンオンディスク式摩耗試験機により測定することができる。
【0043】
また、本発明のアルミニウムマトリックス複合材料は、「JIS Z 2251 微小硬さ試験方法」に規定されているビッカース硬さが320以上であることが好ましい。
【0044】
さらに、本発明のアルミニウムマトリックス複合材料は、マトリックスとの界面抵抗を包含したα−アルミナ粉末の熱伝導率が30W/mK以上であることが好ましい。ここで、マトリックスアルミニウムの熱伝導率をKm、マトリックスとの界面抵抗を包含したα−アルミナ粉末の熱伝導率をKpとすると、α−アルミナ粉末を強化材としてVf体積分率含有するアルミニウムマトリックス複合材料の熱伝導率Ktは次式で表される。(Introduction to Ceramics,Second Edition,P636)。
Kt=Km×{1+2Vf(1−Km/Kp)/(2Km/Kp+1)}÷{1−Vf(1−Km/Kp)/(2Km/Kp+1)}
【0045】
Kpはα−アルミナ粉末粒子自身の熱伝導率とα−アルミナ粉末とマトリックスとの界面抵抗の大きさで決定されるが、Kpが大きいほどKtも大きくなり、複合材料の熱伝導率が高くなることになる。
【0046】
本発明で強化材として用いるα−アルミナ粉末は、歪の内包が少なく、粒子自身の熱伝導率が高く、また、表面に実質的に破面を有さず比較的平滑であるのでマトリックスとの間にギャップ等の欠陥が生じにくく、界面抵抗が小さい。したがって、強化材であるα−アルミナ粉末の体積分率が同等である、従来のα−アルミナ粉末を用いたアルミニウムマトリックス複合材料と比較して、本発明のアルミニウムマトリックス複合材料は熱伝導性が優れている。
【0047】
本発明の金属マトリックス複合材料は、優れた機械的強度と高い耐摩耗性を有しており、特にアルミニウムマトリックス複合材料は、比強度、耐摩耗性等が必要とされる用途、例えば、ピストン、ライナー、リテーナ、ヘッド等の各種内燃機関用部品、ロータディスク、キャリパー等のブレーキ周辺部品、精密機器の作動部品等に好適に利用することができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0049】
なお、本発明における各種の測定は次のようにして行った。
1.アルミナ粉末の結晶相の同定
X線回折測定(理学電気(株)製、RAD−γC)により同定した。
【0050】
2.アルミナ粒子の破面の有無及び一次粒子の形状の評価
アルミナ粉末のSEM(走査型電子顕微鏡、日本電子(株)製、JSM−T220)観察写真から判定した。アルミナ粒子の長径/短径比についてはSEM観察写真から5個の粒子を選定し、その長径と短径を定規で計測して求め、その平均値を採った。
【0051】
3.アルミナ粉末の粒度分布の測定
レーザー散乱法を測定原理とするマスターサイザー(マルバーン社製、MS20型)を用いて測定し、D10、D50及びD90値を求めた。
【0052】
4.アルミニウムマトリックス複合材料中のアルミナ粉末の体積%の測定
得られた複合材料およびこれとは別個に作製したマトリックスアルミニウムのみの試料について、密度測定装置((株)島津製作所製、SGM−AEL)にて、複合材料の密度ρcとマトリックスの密度ρmを測定し、アルミナ粉末の真密度を3.96g/cm3 として、次式からアルミナ粉末の体積%を求めた。
体積%=100×(ρc−ρm)/(3.96−ρm)
【0053】
5.BET比表面積径の測定
フローソーブ(マイクロメリテイクス社製、2300型)を用いて測定した比表面積からBET比表面積径を求めた。
【0054】
6.3点曲げ強さの測定
「JIS R 1601 ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法」に規定されている3点曲げ強さ試験方法に従い、オートグラフ((株)島津製作所製、DSS−500)にて測定した。
【0055】
7.引張強さの測定
全長40mm、厚さ3mm、幅は両側の平行部分が4mmで中央部が2mm、中央の凹部の曲率半径(R)が60mmの寸法の引張試験片を用い、オートグラフ((株)島津製作所製、IS−500)にて測定した。
【0056】
8.機械構造用炭素鋼に対する摺動比摩耗量の測定
摩耗輪材質を「JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材」に規定されているS45Cとし、大越式迅速摩耗試験機((株)東京試験機製作所製、OAT−U)にて、機械油#68により潤滑状態で測定した。
【0057】
9.ビッカース硬さ
ビッカース硬さ計((株)明石製作所製、AVK)にて測定した。
【0058】
10.マトリックスとの界面抵抗を包含したα−アルミナ粉末の熱伝導率
レーザーフッラッシュ法熱定数測定装置(真空理工株式会社製、TC−7000型)を用いて、複合材料の熱伝導率Ktおよびマトリックスアルミニウム自身の熱伝導率Kmを測定し、次式からマトリックスとの界面抵抗を包含したα−アルミナ粉末の熱伝導率Kpを求めた。ただし、Vfは複合材料中に含まれるα−アルミナ粉末の体積分率を表す。
Kt=Km×{1+2Vf(1−Km/Kp)/(2Km/Kp+1)}÷{1−Vf(1−Km/Kp)/(2Km/Kp+1)}
【0059】
実施例において使用したα−アルミナ粉末は以下に示すとおりのものである。
1.アルミナA
表1のAに示すα−アルミナ。
2.アルミナB
表1のBに示すα−アルミナ。
3.アルミナC
表1のCに示すα−アルミナ。
4.アルミナD
表1のDに示すα−アルミナ。
【0060】
【表1】
【0061】
実施例において使用したマトリックス金属は以下に示すとおりのものである。
1.2.マトリックスA
99.9重量%の純度のアルミニウムと99.97重量%の純度のマグネシウムを用いて作製した、マグネシウムを10.5重量%含有するアルミニウム。化学成分値を表2のAに示す。
2.マトリックスB
「JIS H 5202 アルミニウム合金鋳物」に規定されている、1種B合金。化学成分値を表2のBに示す。
【0062】
3.マトリックスC
「JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条」に規定されている、6061合金。化学成分値を表2のCに示す。
4.マトリックスD
「JIS H 5202 アルミニウム合金鋳物」に規定されている、8種A合金。化学成分値を表2のDに示す。
【0063】
【表2】
【0064】
実施例において採用した金属マトリックス複合材料の製造方法は、アルミナ粉末に金属溶湯を含浸させる以下に記す二種の方法である。
1.含浸法A(無加圧含浸法)
黒鉛ルツボ内にアルミナ粉末を装填後、100または300kgf/cm2 の圧力で成形した。その上にマトリックスとなる金属を配置し、窒素雰囲気中で900℃で5ないし10時間加熱した後冷却した。
【0065】
2.含浸法B(加圧含浸法)
黒鉛ルツボ内に重装、あるいは重装した後100kgf/cm2 の圧力で成形したアルミナ粉末の上にマトリックスとなる金属を配置し、大気中で700℃で30分間加熱した後、12.5kgf/cm2 の圧力で溶融した金属を5分間加圧し、その後加圧状態で冷却した。
【0066】
実施例1
アルミナ粉末AにマトリックスA(アルミニウム−10.5重量%マグネシウム合金)を含浸法Aにて含浸して複合材料1を得た。得られた複合材料1に、430℃×18時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%、3点曲げ強さ、曲げ強化係数、引張強さ及び引張強化係数を求めた。結果を表3に示す。
【0067】
実施例2
アルミナ粉末CにマトリックスA(アルミニウム−10.5重量%マグネシウム合金)を含浸法Aにて含浸して複合材料2を得た。得られた複合材料2に、430℃×18時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%、3点曲げ強さ、曲げ強化係数、引張強さ及び引張強化係数を求めた。結果を表3に示す。
【0068】
実施例3
アルミナ粉末AにマトリックスA(アルミニウム−10.5重量%マグネシウム合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料3を得た。得られた複合材料3に、430℃×18時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%、3点曲げ強さ、曲げ強化係数、引張強さ及び引張強化係数を求めた。結果を表3に示す。
【0069】
比較例1
マトリックスAと同じアルミニウム(アルミニウム−10.5重量%マグネシウム合金)に、430℃×18時間の熱処理を施した後、3点曲げ強さと引張強さを求めた。結果を表3に示す。
【0070】
比較例2
アルミナ粉末DにマトリックスA(アルミニウム−10.5重量%マグネシウム合金)を含浸法Aにて含浸して複合材料4を得た。得られた複合材料4に、430℃×18時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%、3点曲げ強さ、曲げ強化係数、引張強さ及び引張強化係数を求めた。結果を表3に示す。
【0071】
比較例3
アルミナ粉末DにマトリックスA(アルミニウム−10.5重量%マグネシウム合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料5を得た。得られた複合材料5に、430℃×18時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%、3点曲げ強さ、曲げ強化係数、引張強さ及び引張強化係数を求めた。結果を表3に示す。
【0072】
実施例4
アルミナ粉末AにマトリックスB(JIS1種B合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料6を得た。得られた複合材料6に515℃×10時間かつ160℃×4時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%、3点曲げ強さ、曲げ強化係数、引張強さ、引張強化係数を求めた。結果を表3に示す。
【0073】
実施例5
アルミナ粉末BにマトリックスB(JIS1種B合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料7を得た。得られた複合材料7に515℃×10時間かつ160℃×4時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%、3点曲げ強さ、曲げ強化係数、引張強さ、引張強化係数を求めた。結果を表3に示す。
【0074】
比較例4
マトリックスBと同じアルミニウム(JIS1種B合金)に515℃×10時間かつ160℃×4時間の熱処理を施した後、3点曲げ強さと引張強さを求めた。結果を表3に示す。
【0075】
比較例5
アルミナ粉末DにマトリックスB(JIS1種B合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料8を得た。得られた複合材料8に515℃×10時間かつ160℃×4時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%、3点曲げ強さ、曲げ強化係数、引張強さ、引張強化係数を求めた。結果を表3に示す。
【0076】
実施例6
アルミナ粉末AにマトリックスC(JIS6061合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料9を得た。得られた複合材料9に515℃×10時間かつ160℃×18時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%、3点曲げ強さ、曲げ強化係数、引張強さ、引張強化係数を求めた。結果を表3に示す。
【0077】
比較例6
マトリックスCと同じアルミニウム(JIS6061合金)に515℃×10時間かつ160℃×18時間の熱処理を施した後、3点曲げ強さと引張強さを求めた。結果を表3に示す。
【0078】
比較例7
アルミナ粉末DにマトリックスC(JIS6061合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料10を得た。得られた複合材料10に515℃×10時間かつ160℃×18時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%、3点曲げ強さ、曲げ強化係数、引張強さ、引張強化係数を求めた。結果を表3に示す。
【0079】
【表3】
【0080】
実施例7
アルミナ粉末AにマトリックスD(JIS8種A合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料11得た。得られた複合材料11に510℃×4時間かつ170℃×10時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%、機械構造用炭素鋼に対する摺動比摩耗量及びビッカース硬さを求めた。結果を表4に示す。
【0081】
比較例8
マトリックスDと同じアルミニウム(JIS8種A合金)に、510℃×4時間かつ170℃×10時間の熱処理を施した後、機械構造用炭素鋼に対する摺動比摩耗量及びビッカース硬さを求めた。結果を表4に示す。
【0082】
比較例9
アルミナ粉末DにマトリックスD(JIS8種A合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料12を得た。得られた複合材料12に、510℃×4時間かつ170℃×10時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%、機械構造用炭素鋼に対する摺動比摩耗量及びビッカース硬さを求めた。結果を表4に示す。
【0083】
【表4】
【0084】
実施例8
アルミナ粉末AにマトリックスD(JIS8種A合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料13を得た。得られた複合材料13に510℃×4時間かつ170℃×10時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%を求めた。該複合材料を二分し、一方はそのままで、他方は400℃×300サイクルの熱疲労を与えた後に3点曲げ強さを求めた。結果を表5に示す。
【0085】
比較例10
アルミナ粉末DにマトリックスD(JIS8種A合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料14を得た。得られた複合材料14に510℃×4時間かつ170℃×10時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%を求めた。該複合材料を二分し、一方はそのままで、他方は400℃×300サイクルの熱疲労を与えた後に3点曲げ強さを求めた。結果を表5に示す。
【0086】
【表5】
【0087】
実施例9
アルミナ粉末AにマトリックスA(アルミニウム−10.5重量%マグネシウム合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料15を得た。得られた複合材料15に、430℃×18時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%及び界面抵抗を包含したα−アルミナ粉末の熱伝導率を求めた。結果を表6に示す。
【0088】
比較例11
アルミナ粉末DにマトリックスA(アルミニウム−10.5重量%マグネシウム合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料16を得た。得られた複合材料16に、430℃×18時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%及び界面抵抗を包含したα−アルミナ粉末の熱伝導率を求めた。結果を表6に示す。
【0089】
実施例10
アルミナ粉末AにマトリックスD(JIS8種A合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料17を得た。得られた複合材料17に、510℃×4時間かつ170℃×10時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%及び界面抵抗を包含したα−アルミナ粉末の熱伝導率を求めた。結果を表6に示す。
【0090】
比較例12
アルミナ粉末DにマトリックスD(JIS8種A合金)を含浸法Bにて含浸して複合材料17を得た。得られた複合材料17に、510℃×4時間かつ170℃×10時間の熱処理を施した後、アルミナ粉末の体積%及び界面抵抗を包含したα−アルミナ粉末の熱伝導率を求めた。結果を表6に示す。
【0091】
【表6】
【0092】
【発明の効果】
上記のように、本発明の金属マトリックス複合材料は、3点曲げ強さ、曲げ強化係数が高く、さらに、引張強さ、引張強化係数が高く、機械的強度に優れている。また、本発明の金属マトリックス複合材料は、機械構造用炭素鋼に対する摺動比摩耗量が小さく、かつビッカース硬さが高く、高い耐摩耗性を有している。さらに、本発明の金属マトリックス複合材料は、耐熱疲労特性にも優れている。
また、本発明の金属マトリックス複合材料の製造方法により、上記の優れた性質を有する本発明の金属マトリックス複合材料を得ることができる。
Claims (5)
- 製造工程において粉砕されていない、長径/短径比が5未満の多面体一次粒子よりなり、重量累積粒度分布の微粒側から累積10%、累積50%および累積90%の粒径をそれぞれD10、D50およびD90としたとき、D50が0.1μm以上、50μm以下で、D50/D10比が2以下であり、D90/D10比が3以下である粒度分布を有し、D50をBET比表面積径で除した値が2以下のα−アルミナ粉末を強化材として2体積%以上、80体積%以下含有し、該α−アルミナ粉末に金属溶湯を含浸して得られることを特徴とする金属マトリックス複合材料。
- α−アルミナ粉末の含有量が、40体積%以上、80体積%以下である請求項1記載の金属マトリックス複合材料。
- マトリックスを構成する金属がアルミニウムである請求項1または2記載の金属マトリックス複合材料。
- 製造工程において粉砕されていない、長径/短径比が5未満の多面体一次粒子よりなり、重量累積粒度分布の微粒側から累積10%、累積50%および累積90%の粒径をそれぞれD10、D50およびD90としたとき、D50が0.1μm以上、50μm以下で、D50/D10比が2以下であり、D90/D10比が3以下である粒度分布を有し、D50をBET比表面積径で除した値が2以下のα−アルミナ粉末に金属溶湯を加圧含浸または無加圧含浸することを特徴とする金属マトリックス複合材料の製造方法。
- 金属がアルミニウムである請求項4記載の金属マトリックス複合材料の製造方法。
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