JP3872525B6 - 移動通信システム、移動局およびダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチ制御方法 - Google Patents
移動通信システム、移動局およびダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチ制御方法 Download PDFInfo
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Description
技術分野
本発明は、複数の追加ブランチ候補および削除ブランチ候補が移動局で検出された場合における移動局によるブランチ候補選別方法、ならびにダイバーシティ・ハンドオーバ(Diversity Handover)実行における網側によるダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチ(Diversity Handover Branch)制御方法に関する。
背景技術
近年、次世代の移動通信網システムにおけるマルチメディア通信を実現する無線伝送技術の一つとして、符号分割多重アクセス(Code Division Multiple Access:CDMA)技術が提案されている。CDMAでは、無線エリアの境界付近における移動局の移動により、移動局と複数の基地局との間に複数の通信リンク(ブランチ)を設定し、この複数の通信リンク上で信号合成(選択合成)を行って通信を行うダイバーシティ・ハンドオーバ(Diversity HandOver:DHO)を行っている。ダイバーシティ状態においては、移動局および各基地局が最小送信出力で通信を行えるように制御することにより無線容量を拡大することができる(送信電力制御)。さらにダイバーシティ状態で通信することにより、従来の時分割多重アクセス(Time Division Multiple Access:TDMA)等で発生していたハンドオーバ時の瞬断を無くすことが可能である。
DHOによる新たなブランチの設定を、DHOの中でも特別に「追加DHO」と呼ぶ。ダイバーシティ状態において通信に寄与していない通信中ブランチの削除を、DHOの中でも特別に「削除DHO」と呼ぶ。追加DHOおよび削除DHOをする場合、その追加DHOの候補(「追加DHO候補」または「追加ブランチ候補」と呼ぶ)およびその削除DHOの候補(「削除DHO候補」または「削除ブランチ候補」と呼ぶ)を移動局が検出する方法が一般的である。移動局が自セクタおよび周辺セクタのとまり木の無線状態(例えば伝搬損失)を監視することにより追加または削除ブランチ候補を検出すると、移動局は検出した上記候補を網側に通知する。網側は、通知された上記候補に基づきDHO(追加DHO、削除DHO)を実行する。網側とは一般的には交換局もしくは基地局制御局を指すが、その機能を基地局に配備しても良い。
移動局は、各基地局と対応している個別の無線リンク(無線ブランチ)を用いて各基地局と通信する。交換局は、移動局が通信中である各基地局との間に有線リンク(有線ブランチ)をもち、これらの各基地局からの信号をハンドオーバ(HandOver:HO)処理装置またはダイバーシティ・ハンドオーバ・トランク(Diversity Handover Trunk:DHT)において選択合成する。ダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチの基本的動作は特表平9−508773号に示され、網の構成およびダイバーシティ・ハンドオーバ・トランクの制御方法は特願平8−348900号に示されている。
ハードウェア実装上の理由等により、移動局が同時設定可能な無線ブランチ数の上限(最大無線ブランチ数)、および交換局内のDHTが同時接続または同時処理可能な有線ブランチ数の上限(最大有線ブランチ数)が設定されている。最大無線ブランチ数と最大有線ブランチ数の内の少ない方が、ダイバーシティ状態において設定可能な通信ブランチ数の上限(最大通信ブランチ数)となる。通常のシステムでは、無線リソースの有効利用を優先するため、最大無線ブランチ数をもって最大通信ブランチ数としている。
しかし、従来の論文(1997年電子情報通信学会総合大会「次世代移動通信システムにおけるハンドオーバ装置と制御方法」、清水他)等においては、追加および削除されるブランチの数の制御単位は1ブランチで議論されており、複数の追加ブランチおよび削除ブランチを同時に取り扱う場合の制御については議論されておらず、ITU−T勧告Q.FIF version 6においても明記されていなかった。
しかし、上述のように従来技術では追加および削除されるブランチの数の制御単位が1ブランチであるため、Nブランチの制御の場合は原則としてN回の制御が必要となる。しかし、移動局におけるブランチ候補の検出は周辺の無線状態に依存するため、同時に複数の削除ブランチ候補と複数の追加ブランチ候補とを検出することがあり得る。
したがって、このような場合には移動局と交換局との間で同様の制御が複数回繰り返されることになるため、非効率的であるだけでなく、すべてのハンドオーバ制御の完了までに上述の制御の分だけ余計に時間を要することになる。
従来技術では1ブランチの追加DHOを考慮して、最大有線ブランチ数は最大無線ブランチ数よりも1ブランチだけ多く設定している。したがって、網側は最大無線ブランチ数より1ブランチだけ多くあらかじめ有線区間のブランチを用意することが可能である。そこで、最大無線ブランチ数で通信中に1ブランチ追加する場合であっても、通信中ブランチを削除することなしに、あらかじめ用意した有線ブランチを追加することにより、無線区間の切替のみで追加DHOを完了させることが可能であった。
しかし従来の考えを踏襲した、最大有線ブランチ数を最大無線ブランチ数よりも1だけ多く設定する方法では、複数の追加ブランチ候補を処理する場合、網側の制御が追加ブランチ候補回数だけ実行されることになり、効率的制御を行う上で問題があった。さらに従来技術では、制御単位が1ブランチであることと最大有線ブランチ数の制御とにより、通信中ブランチよりDHO優先度が高いにも関わらず、有線区間においても追加されなかった追加ブランチ候補の取扱いについては考慮されていなかった。
発明の開示
そこで、本発明の目的は上記問題を解決するためになされたものであり、複数の追加ブランチ候補および削除ブランチ候補が移動局において検出された場合に、最大有線ブランチ数および移動局の最大無線ブランチ数を考慮した移動局によるブランチ候補選別方法およびDHO実行における網側によるダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチの制御方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、移動通信システムにおいて、監視した無線状態品質の順に、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みるようにすることである。
さらに、本発明の別の目的は、移動通信システムにおいて、有線区間のリソースと無線区間のリソースのコストでは、無線区間のコストが高く、貴重であるため、有線区間を確保した上で、無線区間のリソースの確保手続きを行うことにより、無駄に無線リソースが確保されることを防ぐことである。
本発明の第1の形態は、移動局、複数の基地局、および当該複数の基地局と接続されたセンタを含む移動通信システムにおけるダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法であって、前記移動局は、前記複数の基地局と同時に通信しつつ、複数のブランチに対応する無線状態品質を監視し、さらに1以上の追加ブランチ候補を含む前記複数のブランチの情報を前記センタに通知し、前記センタは、前記複数のブランチの情報を受信し、これによって前記移動通信システムがダイバーシティ・ハンドオーバを行うダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法において、前記移動局は、前記1以上の追加ブランチ候補を、前記監視した無線状態品質の順に配置し、当該追加ブランチ候補を配置した順に前記センタに通知し、前記センタは、前記通知された追加ブランチ候補を配置されている順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みるダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法である。
本発明の第2の形態は、移動局、複数の基地局、および当該複数の基地局と接続されたセンタを含む移動通信システムにおけるダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法であって、前記移動局は、前記複数の基地局と同時に通信しつつ、複数のブランチに対応する無線状態品質を監視し、さらに1以上の追加ブランチ候補を含む前記複数のブランチの情報を前記センタに通知し、前記センタは、前記複数のブランチの情報を受信し、これによって前記移動通信システムがダイバーシティ・ハンドオーバを行うダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法において、前記移動局は、前記追加ブランチ候補の前記監視した無線状態品質に基づいて、ダイバーシティ・ハンドオーバに用いる優先順位を示す、前記追加ブランチ候補の各々の相対値を取得し、前記追加ブランチ候補およびそれらの相対値を前記センタに通知し、前記センタは、前記通知された追加ブランチ候補をそれらの相対値によって示される順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みるダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法である。
ここで、前記複数のブランチの各々は、前記移動局と前記基地局の1つとの間の無線ブランチ、および前記基地局の1つと前記センタとの間の有線ブランチを備え、前記ダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法は、通信中ブランチを設定する際に、当該通信中ブランチの有線ブランチを設定した後に、当該通信中ブランチの無線ブランチを設定するものとすることができる。
ここで、前記複数のブランチの各々は、前記移動局と前記基地局の1つとの間の無線ブランチ、および前記基地局の1つと前記センタとの間の有線ブランチを備え、前記移動局は、前記監視した無線状態品質に基づいて、1以上の削除ブランチ候補を選択し、前記移動局は、前記1以上の削除ブランチ候補を含む複数のブランチの情報を前記センタに通知し、前記センタは、前記通知された削除ブランチ候補を用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのために用いられている1以上の通信中ブランチを削除し、前記ダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法は、通信中ブランチを削除する際に、当該通信中ブランチの無線ブランチを削除した後に、当該通信中ブランチの有線ブランチを削除するものとすることができる。
ここで、前記複数のブランチは、1以上の通信中ブランチを含み、前記複数のブランチの各々は、前記移動局と前記基地局の1つとの間の無線ブランチ、および前記基地局の1つと前記センタとの間の有線ブランチを備え、通信中ブランチの数と、追加ブランチ候補の数との合計が、同時に設定できる無線ブランチの最大数を超える場合には、前記センタは、当該センタが同時に処理できる有線ブランチの最大数まで、前記通知された追加ブランチ候補を配置されている順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みるものとすることができる。
ここで、前記複数のブランチは、1以上の削除ブランチ候補を含み、前記センタは、ダイバーシティ・ハンドオーバのために用いられており、前記削除ブランチ候補に対応する1以上の通信中ブランチを削除し、前記削除された通信中ブランチを除く通信中ブランチの数と、追加ブランチ候補の数との合計が、同時に設定できる無線ブランチの最大数を超える場合には、前記センタは、当該センタが同時に処理できる有線ブランチの最大数まで、前記通知された追加ブランチ候補を配置されている順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みるものとすることができる。
ここで、前記センタは、1以上の通知された追加ブランチ候補であって、前記ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定の試みにおいて設定されなかった追加ブランチ候補を格納し、前記移動局は、前記監視した無線状態品質に基づいて、1以上の削除ブランチ候補を選択し、前記移動局は、前記削除ブランチ候補の通信中ブランチを自律的に解放し、当該通信中ブランチの解放を前記センタに通知し、前記センタは、前記通信中ブランチの解放を通知された際に、前記格納した追加ブランチ候補をそれらの相対値によって示される順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みるものとすることができる。
本発明の第3の形態は、ダイバーシティ・ハンドオーバの際に複数の基地局と同時に通信する移動局において、複数のブランチに対応する無線状態品質を監視する手段と、1以上の追加ブランチ候補を含む前記複数のブランチの情報をセンタに通知する手段とを備え、前記移動局は、前記1以上の追加ブランチ候補を、前記監視した無線状態品質の順に配置し、当該追加ブランチ候補を配置した順に前記センタに通知する移動局である。
本発明の第4の形態は、ダイバーシティ・ハンドオーバの際に複数の基地局と同時に通信する移動局において、複数のブランチに対応する無線状態品質を監視する手段と、1以上の追加ブランチ候補を含む前記複数のブランチの情報をセンタに通知する手段とを備え、前記移動局は、前記追加ブランチ候補の前記監視した無線状態品質に基づいて、ダイバーシティ・ハンドオーバに用いる優先順位を示す、前記追加ブランチ候補の各々の相対値を取得し、前記追加ブランチ候補およびそれらの相対値を前記センタに通知する移動局である。
ここで、前記移動局は、前記監視した無線状態品質に基づいて、1以上の削除ブランチ候補を選択し、当該削除ブランチ候補を前記センタに通知し、前記移動局は、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチをさらに設定する余地があるか否かを判断し、前記移動局は、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチをさらに設定する余地がある場合には、前記追加ブランチ候補のすべておよびそれらの相対値を前記センタに通知するものとすることができる。
ここで、前記移動局は、1以上の削除ブランチ候補があるか、または通信中の無線ブランチの数が、同時に設定できる無線ブランチの最大数よりも小さい場合には、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチをさらに設定する余地があると判断するものとすることができる。
ここで、通信中の無線ブランチの数が、同時に設定できる無線ブランチの最大数に等しい場合には、前記移動局は、最も優先順位の低い通信中ブランチの無線状態品質よりも高い無線状態品質を有する追加ブランチ候補であって、両無線状態品質の差が予め定められたしきい値を超える追加ブランチ候補およびそれらの相対値のみを前記センタに通知するものとすることができる。
ここで、前記移動局は、前記監視した無線状態品質に基づいて、1以上の削除ブランチ候補を選択し、前記移動局は、前記削除ブランチ候補の通信中ブランチを自律的に解放し、当該通信中ブランチの解放を前記センタに通知するものとすることができる。
本発明の第5の形態は、複数の基地局と接続され、これらの基地局を介して移動局と通信を行う移動通信システムのセンタにおいて、前記移動局から、無線状態品質の順に配置されている1以上の追加ブランチ候補の通知を受ける手段と、前記通知された追加ブランチ候補を配置されている順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みる手段とを備えるセンタである。
本発明の第6の形態は、複数の基地局と接続され、これらの基地局を介して移動局と通信を行う移動通信システムのセンタにおいて、前記移動局から、1以上の追加ブランチ候補、およびダイバーシティ・ハンドオーバに用いる優先順位を示す、前記追加ブランチ候補の各々の相対値の通知を受ける手段と、前記通知された追加ブランチ候補をそれらの相対値によって示される順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みる手段とを備えるセンタである。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施の形態であるダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチ制御方法を説明する概略図である。
図2は、各DHOにおける網側、移動局側のブランチ接続、解放のイメージを示す図である。
図3は、追加DHO閾値および削除DHO閾値のイメージを示す図である。
図4Aは、追加情報パラメータのフォーマットを示す図である。
図4Bは、削除情報パラメータのフォーマットを示す図である。
図5は、閾値からみたDHO実行イメージを示す図である。
図6は、網側からみた各ブランチ数の関係を示す図である。
図7は、移動局におけるハンドオーバ・トリガ信号送出アルゴリズムの詳細について説明するフローチャートである。
図8は、最大無線ブランチ通信中において追加ブランチ候補が通知されない場合を示す図である。
図9Aは、追加ブランチ候補が追加される場合のばたつき防止用閾値の説明図である。
図9Bは、追加ブランチ候補が追加されない場合のばたつき防止用閾値の説明図である。
図10は、網におけるDHO実行アルゴリムの詳細について説明するフローチャートである。
図11は、DHOシーケンスを起動するブランチ図である。
図12は、図12A、図12Bおよび図12Cの関係を示す図である。図12A、図12Bおよび図12Cはこの順でつながっている図である。
図12Aは、移動局において図11のような無線状態であった場合のDHO処理シーケンスを示す図である。
図12Bは、移動局において図11のような無線状態であった場合のDHO処理シーケンスを示す図である。
図12Cは、移動局において図11のような無線状態であった場合のDHO処理シーケンスを示す図である。
図13は、最大有線ブランチ数の制限により追加されない候補例を示す図である。
図14は、削除シーケンスを示す図である。
図15は、削除シーケンスを示す図である。
図16は、削除シーケンスを示す図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態であるダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチ制御方法を概略的に示す。
図1において、移動局(Mobile Station:MS)20は移動通信を行なう、例えば携帯電話、携帯情報端末等の無線通信機能を備えた装置であり、基地局(Base Station:BS)10,14および16は移動局20と無線通信を行なう無線局である。移動局20は、最初に基地局10,14および16と無線通信している。交換局(Mobileservices Switching Center:MSC)30,32または34は、基地局10,12,14,16または18と有線接続され、基地局10等に対する無線制御などを行なう基地局制御機能と、基地局10等を介して移動局20等に通信サービスを提供するための呼制御機能を有している。ただし、上述の交換局30,32または34と基地局10,12,14,16または18との接続は、有線接続の代替手段として固定無線接続としてもよいことは言うまでもない。1つの交換局は複数の基地局と対応することができる。図1に示されるように、基地局10は交換局30,32に負荷分散もしくは現用予備切り替えを目的として2重に有線接続されているが、一通信単位では1つの基地局は1つの交換局に接続されている。移動局20が移動局22の位置に移動することにより、新たに基地局12および18と良好な無線状態が得られるようになると、基地局12および18は追加ブランチ候補となる。ここで基地局10および14の無線状態が悪化した場合には、基地局10および14は削除ブランチ候補となる。すなわち、追加ブランチ候補があがっても、必ずしも削除ブランチ候補があがるわけではない。交換局30,32,34は中継網40により接続されている。
以下、まず本発明で用いるDHOの制御の種類について説明する。
DHOには大別して追加DHO、削除DHOおよび追加DHOの特別な場合である追加削除DHOがある。追加DHOは新たにブランチ候補を追加するDHOであり、削除DHOは通信に寄与しない通信中のブランチ候補を削除するDHOである。以下に各DHOの制御手順について述べる。
(追加DHO)
図2は、各DHOにおける網側、移動局側のブランチ接続、解放のイメージを示す。
図2中の追加DHOの無線ブランチ接続・解放イメージは、通信中のブランチ50が存在する場合に、時刻60において新たに無線ブランチ52が追加されたことを示す。有線ブランチ接続・解放イメージでは新たに有線ブランチ54が追加されたことを示す。追加DHOにおけるブランチ制御順は、まず追加(有線)ブランチ54であり、次が追加(無線)ブランチ52である。
移動局は周辺セクタの無線状態を監視(例えば、とまり木の伝搬損失を監視)することにより、移動局による追加ブランチ候補の検出条件である追加ブランチ候補判定条件を満たしたものから追加ブランチ候補を選択する。
図3は、追加DHO閾値および削除DHO閾値のイメージを示す。図3において、縦軸は伝播損失の程度を示し、横軸は移動局の移動する距離を示す。
図3に示すように、移動局が横軸の左から右に移動した場合、DHOエリアでダイバーシティ状態となり、2ブランチで通信する。この間で、ハンドオーバ(HandOver:HO)が行われる。DHOエリアより左側では1ブランチで通信しており、したがってDHOエリアに入ると、1ブランチ通信中に1追加ブランチ候補が現れることになる。DHOエリアより右側に入ると、2ブランチ通信中に1削除ブランチ候補が現れることになる。移動局は、HO元BS伝搬損失とHO先BS伝搬損失との差を基に追加/削除ブランチ候補を検出する(追加/削除ブランチ候補判定条件)。この差が追加DHO閾値より小さくなった場合(追加ブランチ候補判定条件を満たした場合)に追加ブランチ候補を検出し、削除DHO閾値より大きくなった場合(削除ブランチ候補判定条件を満たした場合)に、削除ブランチ候補を検出する。どちらのDHO(追加/削除DHO)も複数の通信ブランチで通信中の場合は、最も伝搬損失の小さいブランチの伝搬損失を判定の基準となるHO元BS伝搬損失とする。この場合、削除DHO閾値を追加DHO閾値より大きくし、2つの閾値間に差(ヒステリシス)を設け、削除したDHOブランチが、無線状態の変化によりまたすぐに追加されないようにする。
移動局は、上述の追加ブランチ候補と通信中ブランチの両方を、例えば、伝搬損失の小さいものの順に配置したり、優先順位が分かる情報と共に任意の順に設定して、ハンドオーバ・トリガ信号内の追加情報パラメータに含めて網に通知する。削除ブランチ候補がある場合は、削除情報パラメータを同様に通知する。
交換局が自ら通信中ブランチの情報を得ることも可能であり、この場合は移動局から交換局へ通信中ブランチに関する情報を送る必要はない。
優先順位を示す情報は、上述のように追加ブランチ候補の配置順でもよいし、その他の絶対値、相対値等でもよい。例えば、配置順とは独立に伝播損失の少なさを示す数値を各ブランチの情報とセットにして送出してもよい。
図4Aは、上述の追加情報パラメータのフォーマットの一例を示し、図4Bは、上述の削除情報パラメータのフォーマットの一例を示す。
図4Aにおいて、通信中在圏セクタ数は移動局がハンドオーバ・トリガ信号送出時にDHO通信中のセクタの数を示し、追加DHO候補セクタ数は新たに追加し得るDHO候補のセクタ数を示し、基地局番号は移動局とDHO通信中の基地局の番号または追加ブランチ候補の基地局の番号を示し、セクタ番号は同基地局内のセクタの番号を示し、とまり木CH受信SIR値は、報知チャネルの受信SIR値を示し、とまり木CH送信電力値は、上記報知チャネルの送信電力値を示す。パラメータには、通信中在圏セクタ数と追加DHO候補セクタ数を足したかずだけ、基地局番号、セクタ番号、とまり木CH受信SIR値、とまり木CH送信電力値の組が繰り返される。
図4Bにおいて、削除DHO候補セクタ数は新たに削除し得るDHO候補のセクタ数を示し、図4Aと同様に削除DHO候補セクタ数だけ基地局番号、セクタ番号の組が繰り返される。
図5は、閾値からみたDHO実行イメージを示す。
図5において、優先順位の最も高い通信中のブランチがブランチ110であり、次がブランチ112である。閾値120,122は、通信ブランチ中最も優先順位が高いブランチ110を基にした閾値であり、閾値120は削除DHO閾値、閾値122は追加DHO閾値を示す。網側は、追加DHO優先順位の大きいブランチから順(ブランチ114、ブランチ116、ブランチ118の順)に、現在通信中のブランチ数を加味した上で、同時に実行できるブランチ数だけ取り出し、追加DHOを実行する。追加DHOブランチ候補114は、通信中ブランチ110よりさらに伝搬損失が少なく、追加ブランチ判定条件を満たすことは明らかである。通信中ブランチの内最も伝搬損失の小さいブランチ110と比較して伝搬損失が大きいブランチ116でも、他のブランチ118との兼ね合いにより優先順位の高いブランチであると考えられる。つまり、優先順位が高いということは、追加される際に優先して実行されるブランチであるという意味である。
本発明における移動局によるブランチ候補の選別とは、移動局により検出された追加ブランチ候補の内、追加DHOの実行をされないことが確実な候補は網側に通知しないように移動局で制御することである。
(削除DHO)
図2中の削除DHOの無線ブランチ接続・解放イメージは、通信中のブランチ70が存在する場合に、時刻80において無線ブランチ72が削除されたことを示す。有線ブランチ接続・解放イメージでは有線ブランチ74が削除されたことを示す。削除DHOにおけるブランチ制御順は、まず削除(無線)ブランチ72であり、次が削除(有線)ブランチ74である。
移動局は通信中セクタの無線状態を監視(例えば、とまり木の伝搬損失を監視)することにより、削除ブランク候補判定条件を満たしたもの全てを削除DHO候補とする。削除DHOではDHO優先順位を考慮していない。つまり通信に寄与していないわけだから検出すれば、すぐに削除する。移動局はこれらの削除DHO候補をハンドオーバ・トリガ信号内の削除情報パラメータに含め網側に通知する。削除情報パラメータでは、削除DHOセクタ数とその数分の基地局番号、セクタ番号の組が繰り返される(図4Bの削除情報パラメータ・フォーマット参照)。図5に示すように、網側は削除DHOを実行して、例えば削除DHO候補のブランチ113を削除する。ただし、削除DHOでは上述のように検出すれば必ず削除するわけだから、移動局が自律的に削除して、その報告だけを網側に通知する方法をとることもできる。
(追加削除DHO)
最大無線ブランチ数の制限に基づいて実行される追加DHOである。追加DHOにおいて、通信中ブランチ数と追加ブランチ数との合計が最大無線ブランチ数を超えた場合に起動される。最大有線ブランチ数を最大無線ブランチ数より多く設定するのは、この追加削除DHOを有効に実行するためである。追加削除DHO優先順位の高いものから順に、最大有線ブランチ数を上限として優先順位の高いブランチの追加を行う。
図6は、網側からみた各ブランチ数の関係を示す。
図6に示すように、通信中ブランチ数128に追加ブランチ数127を加えた(過渡的)有線ブランチ数126は、最大無線ブランチ数125を超えている。この超えた分((過渡的)有線ブランチ数126−最大無線ブランチ数125=M)の有線ブランチの設定は追加DHOを効率よく行うための過渡的なものである。最終的には網側では(過渡的)有線ブランチ中、通信中ブランチも含め、相対的に優先順位の低いもの(例えば、伝搬損失が大きいもの)からM(ただし、N≧Mであり、ここでN=最大有線ブランチ数124−最大無線ブランチ数125)分のブランチを削除する。無線区間においては、最終的に選択される有線ブランチに対応して、無線ブランチの追加、無線ブランチの切り替えが行われる。有線ブランチとして追加しても、相対的な優先順位が通信中のブランチに比べて低く、兼ね合いより、削除されることが分っている候補については追加処理を行わないという制御方法をとることも可能である。
図2中の追加削除DHOの無線ブランチ接続・解放イメージは、通信中のブランチ90、91が存在する場合に、時刻100においてブランチ92が追加され、時刻102にブランチ91が削除切り替えされ、時刻102より後にブランチ93が追加切り替えされたことを示す。ブランチ93の時刻102の点が白丸であるのは、最大無線ブランチ数を3ブランチに設定しているためである。有線ブランチ接続・解放イメージではブランチ96(有線ブランチ)および98(有線ブランチ)が追加され、ブランチ94(有線ブランチ)が削除されたことを示す。追加削除DHOにおけるブランチ制御順は、(1)追加ブランチ96および追加ブランチ98、(2)追加ブランチ92、(3)削除切り替えブランチ91、(4)追加切り替えブランチ93、(4)削除ブランチ94である。
図7は、移動局におけるハンドオーバ・トリガ信号送出アルゴリズムの詳細について説明するフローチャートを示す。
図7において、移動局は自セクタおよび周辺セクタの無線状態を監視して、追加ブランチ候補および削除ブランチ候補を検出する(ステップS10)。移動局はハンドオーバ・トリガ信号内の追加情報パラメータに通信中ブランチおよび追加ブランチ候補を設定し、さらに同信号内の削除情報パラメータに削除ブランチ候補を設定する。ただし追加情報パラメータの設定に関しては、以下の条件で設定し、送出する(S20〜S90)。
削除ブランチ候補が存在する場合(ステップS20)、全ての通信中ブランチおよび追加ブランチ候補を追加情報パラメータに含め送出する(条件1)(ステップS40,S50)。
削除ブランチ候補が存在しない場合において、通信中の無線ブランチ数が最大でない時(ステップS30)、全ての検出した追加ブランチ候補を通信中ブランチと共に追加情報パラメータに含めて送出する(条件2)(ステップS40,S50)。
通信中の無線ブランチ数が最大の時(ステップS30)、移動局では通信中ブランチと追加ブランチ候補とについて、両者の差がばたつき防止用閾値よりも大きい(例えば伝送損失の小さい)かどうか比較し(ステップS60)、ばたつき防止用閾値よりも大きい追加ブランチ候補のみをハンドオーバトリガ信号に含め送出し(条件3)(ステップS80,S90)、小さい場合は送出しない(ステップS70)。
通信中無線ブランチ数が最大の時、条件3のように候補送出条件を厳しくしている第1の理由は、通常の追加ブランチ判定条件を満たしているが、他のどの通信中ブランチよりも優先順位の低い(例えば伝搬損失が大きい)追加ブランチ候補は網側に通知しても追加処理されないことがあらかじめ分かっているので、追加ブランチ候補として網側に通知しないためである。
図8は、最大無線ブランチ通信中において追加ブランチ候補が通知されない場合を示す。
図8において、ブランチ130,132、および134は通信中ブランチを示し、閾値142は追加DHO閾値を示す。追加ブランチ候補は追加ブランチ候補判定条件(ブランチ130との伝搬損失の差が追加DHO閾値142より小さい)を満たすブランチ136,138であるが、この2つのブランチ136,138は通信中のブランチ134よりも優先順位が低いため、追加される見込みはない。さらにばたつき防止用閾値を設定し、この条件をより厳しくすることによりブランチが追加、削除を繰り返すこと、つまり「ばたつき」を防ぐ(第2の理由)。追加削除DHOの起動により削除されるブランチは他のブランチよりも相対的に悪くなったに過ぎず、削除ブランチ候補判定条件を満たしたために削除されたのではない。通信ブランチとしての要件を満たしており、通信に寄与しているブランチをそれよりわずかに優先順位の高い追加ブランチ候補と入れ換えたとしても、まもなく無線区間の変化により、再び追加ブランチ候補として入れ替わりに削除されたブランチが網に追加されることになる。これが繰り返されると網の制御負荷が大きくなるので、ばたつき防止用閾値を設定し、ばたつきを防いでいる。なお、ばたつき防止用閾値は最大無線ブランチ数で通信中において、追加ブランチ候補と最も優先順位の低い(例えば、伝搬損失の大きい)通信ブランチとの差を考え、その差の大きさを判定するものとして設定される。この差がばたつき防止用閾値より大きい場合に、追加が行われる。
図9A、図9Bは、ばたつき防止用閾値の説明図を示す。図9Aは追加ブランチ候補が追加される場合を示し、図9Bは追加されない場合を示す。通信中ブランチより優先順位の低い、つまり通信ブランチ中最も優先順位の低い通信ブランチより優先順位の低い追加ブランチは、追加される見込みがないため追加しない。さらに多少優先順位が高かったとしても、上記ばたつきの原因となるため追加しない。
図9Aにおいて、ブランチ150,152、および154は通信中ブランチを示し、ブランチ156は、ばたつき防止用閾値157を越える追加ブランチ候補を示す。
図9Bにおいて、ブランチ160,162、および164は通信中ブランチを示し、ブランチ166は、ばたつき防止用閾値167内の追加ブランチ候補を示す。
削除ブランチ候補が存在する場合および通信ブランチ数が最大でない場合において、全ての候補を網に通知しているのは、何らかの原因により、網がある追加ブランチ候補のDHOを拒絶しても、その代替追加ブランチ候補を通知しておくためである。
しかし、追加されることが確実な追加ブランチ候補のみを追加する制御としても良い制御であることは、当業者にとっては言うまでもない。これは、すでに指摘した有線ブランチとして追加しても、相対的な優先順位が通信中のブランチに比べて低く、兼ね合いより、削除されることがわかっている候補については有線ブランチの追加処理を行わない制御にすることも可能であると上述したことと同様である。
図10は、網におけるDHO実行アルゴリムの詳細について説明するフローチャートを示す。
図10において、網側はハンドオーバ・トリガ信号を受信すると(ステップS100)、先に削除DHOを実行し(ステップS110)、その完了を待って追加DHOを実行する(ステップS130)。この削除DHOシーケンス(ステップS200)は、追加DHOに先だって削除DHOを実行し、通信に寄与していないブランチを解放しておくことにより、追加DHOの同時実行可能なブランチ数をより多くするためである。また、移動局が自律的に削除DHOを実行する場合には、ハンドオーバ・トリガを受信して行う追加DHOの実行とは独立に削除DHOが実行可能であるが、追加DHOのためのトリガに先だって実行することが望ましい。追加DHOの実行手順は、通信中ブランチ数(#Br)−削除DHOブランチ数(#Del)(すなわち削除DHO完了後の通信中ブランチ数)と追加DHOブランチ数(#Add)との総和が最大無線ブランチ数(#Brmax)を超えるかどうかにより場合分けが行われる。
まず通信中ブランチ数と追加ブランチ候補との総和(#Br−#Del+#Add)が最大無線ブランチ数(#Brmax)を超えない場合は、通常手順により追加DHOを実行する(追加DHOシーケンスS210のステップS120,S130)。
通信中ブランチ数と追加ブランチ候補との総和(#Br−#Del+#Add)が最大無線ブランチ数(#Brmax)を超える場合は、追加削除DHO(追加削除DHOシーケンスS220)を実行する。最大有線ブランチ数を限界として有線ブランチを追加する(ステップS140)。次に最大無線ブランチ数(#Brmax)を限界として無線ブランチの追加、切り替えを行う(ステップS150)。最後に、最大無線ブランチ数(#Brmax)超える不要な有線ブランチを解放する(ステップS160)。
図11は、DHOシーケンスを起動するブランチ図を示す。
図11において、ブランチ1(190),ブランチ2(191)およびブランチ3(196)は通信中のブランチであり、ブランチ3(196)は削除DHO閾値194外のブランチであることを示している。ブランチ4(192)およびブランチ5(193)は追加ブランチ候補であり、ブランチ5(193)は追加DHO閾値195内にあり、ブランチ4(192)はブランチ2(191)より優先順位が高いことを示している。
図12A、図12B、図12Cは、この順につながる図であり、ブランチの優先順位が図11のような場合で、網主導で、削除DHO後、追加削除DHOを実行するDHO処理シーケンスを示す。ただし、最大無線ブランチ数を3、最大有線ブランチ数を4とした場合を示す。
図12Aは、削除DHOシーケンスを示し、不要な無線ブランチ3を削除していることを示す。
図12Aにおいて、無線ブランチ1から3の3つの無線ブランチ、有線ブランチ1から3の3つの有線ブランチおよび基地局番号1から5の5つの基地局があることが示されている。移動機500は追加DHO候補/削除DHO候補を検出し(501)、追加DHO候補/削除DHO候補を判定する(505)。移動局500から網503へハンドオーバ・トリガ要求(ブランチ削除、ブランチ追加)が送られる(510)。網503は削除DHO候補を抽出し(517)、移動機500へハンドオーバ実行要求(ブランチ3削除)が送られる(515)。移動機500は網503へハンドオーバ実行応答を返す(520)。移動機500において、無線ブランチ3が削除され(525)、無線ブランチ3の最大比合成を停止する(530)。この最大比合成の停止は、無線ブランチ3の線が点線で示されるように530で消えていることにより示されている。
網503から基地局番号3の基地局へ、無線および有線ベアラ解放要求(535)が送られる。基地局番号3の基地局では、上り無線チャネルCHの受信を停止し(540)、下り無線CHの送信を停止し(545)、基地局番号リソースを解放し(550)、網503へ無線および有線ベアラ解放応答(560)を返す。網503はDHT有線ブランチ3を削除する(565)。
図12B、図12Cは、追加削除DHOシーケンスを示す。追加削除DHOシーケンスは、あらかじめ有線ブランチ4、5を追加した後、追加された有線ブランチに対応する無線ブランチ4の追加、無線ブランチ1、5の切り替えを実行し、最後に不要になった有線ブランチ1を削除する。
図12Bにおいて、網503は追加DHO候補を検出し(600)、追加DHO先を決定し(605)、有線ブランチ4と5を追加する(610)。有線ブランチ4と5が追加されたことは、図12Bの有線ブランチ4と有線ブランチ5の線が、610からの点線で示される位置から現れていることにより示されている。網503から、基地局番号4の基地局と基地局番号5の基地局へ、それぞれ無線および有線ベアラ設定要求(615、620)が送られる。基地局番号4の基地局と基地局番号5の基地局から移動機500へ、それぞれ下り無線CH送信開始(625、630)が送られる。基地局番号4の基地局と基地局番号5の基地局は、それぞれ上り無線CH受信開始(635、640)を受ける。基地局番号4の基地局と基地局番号5の基地局から網503へ、それぞれ無線および有線ベアラ設定応答(645、650)が送られる。
図12Cにおいて、網503は有線ブランチ4および5の確認を行う。網503から移動機500へハンドオーバ実行要求(ブランチ4の追加、ブランチ1と5の切替)(705)が送られ、移動機500から網503へハンドオーバ実行応答(710)が返される。移動機500は無線ブランチ4を追加し(715)、新ブランチ4の同期確立を行ない(720)、無線ブランチ4の最大比合成を開始し(725)、無線ブランチ1と5を切替え(730)、新ブランチ5の同期確立を行う(735)。一方、網503では、有線ブランチ4と5を追加する(727)。基地局番号4の基地局は、上り無線CH同期検出を行ない(740)、網503へ無線および有線ベアラ設定応答を返す(745)。基地局番号5の基地局は、上り無線CH同期検出を行ない(750)、網503へ無線および有線ベアラ設定応答を返す(755)。網503は、無線ブランチ4の追加、無線ブランチ1と5の切替の確認を行い(757)、基地局番号1の基地局へ無線および有線ベアラ解放要求を送る(760)。基地局番号1の基地局は、上り無線CHの受信を停止し(765)、下り無線CHの送信を停止し(770)、基地局番号リソースの解放を行ない(775)、網503へ無線および有線ベアラ解放応答を返す(780)。網503は、DHT有線ブランチ1を削除する(785)。
以下では、追加ブランチ候補として網側に通知されたにも関わらず、有線ブランチ数の制限(最大有線ブランチ数)により追加されなかった候補の制御について説明する。一度の網制御で処理できるブランチの最大数は最大有線ブランチ数であるので、通信中ブランチ数と追加ブランチ候補数との総和が最大有線ブランチ数を超える場合には、追加ブランチ候補に通信中ブランチよりも優先順位が高いブランチが含まれているにも関わらず、1回の制御で追加できない場合が起こり得る。
図13は、最大有線ブランチ数の制限により追加されない候補例を示す。
図13において、ブランチ170,172、および174は通信中ブランチであり、ブランチ176,178、および180は追加ブランチ候補を示す。ブランチ178および180は通信中ブランチ170よりも優先順位は高いが、最大有線ブランチ数が4であるため、最高の優先順位を有する追加候補ブランチ176のみが追加され、追加候補ブランチ178および180は追加されない。
この場合の制御の一例は、追加されなかった追加ブランチ候補178、180を移動局側の測定により再びハンドオーバ・トリガ信号に含めて網に通知する方法である。網側では、この追加ブランチ候補178、180を含んだハンドオーバ・トリガ信号を再度受け取った時点で、一回目の制御で追加できなかった分の追加DHOを実行すればよい。また別の方法として、網側でその追加ブランチ候補178、180を記憶しておき、図10に示す一連の動作を完了後に、1回目に制御できないために記憶していた候補について、再度連続的に追加DHOを実行する方法を選択しても良い。
本発明は、移動局が最大有線ブランチ数および最大無線ブランチ数を考慮したブランチ候補の選別を行うことにより、網側に通知してもDHO実行されないブランチ候補を前もって除いてから網側に通知する。ただし、この場合以下の2通りの方法がある。
第1に、何らかの理由により網側で優先度の高い追加ブランチ候補の追加が実行されなかった場合を考慮して、その追加されなかった追加ブランチ候補が追加されていたならば追加される見込みのない追加ブランチ候補も、代替のため網側に通知する。これにより、すべての追加ブランチ候補を通知することになる。ただし、最大通信ブランチ数で通信中に、通信中ブランチより優先順位の低い追加ブランチ候補を網側に通知しない制御は実行する。既に通信ブランチ数が最大であるので、通信中ブランチより優先順位の低いブランチは追加されるはずはないからである。
第2に、代替の追加ブランチ候補を通知せずに、正常にDHO処理が実行された場合に追加されると考えられる追加ブランチ候補のみを網に通知する。この方法は、第1の方法と比べて、信号量を減らすことができるが、移動局は通信ブランチ数と削除ブランチ候補数との関係を考慮する必要がある。すなわち、削除DHOを先に実行するので、削除DHOが実行された後で確実に追加されると考えられる追加ブランチ候補のみを選択する制御が必要となる。
本発明は、移動局が追加ブランチ候補のみを通知信号(ハンドオーバ・トリガ信号)に含めるのではなく、追加ブランチ候補と通信中ブランチの両方を優先順位が分かる情報とともにハンドオーバ・トリガ信号に含めて網側に通知する。例えば、伝搬損失の大きさを優先順位の目安とし、優先順位の順に通知信号に格納する。削除ブランチ候補は通信に寄与していないブランチであるので、検出すれば削除してよく、したがって優先順位を示して通信中ブランチと共に網側に通知する必要はない。網側では通信中ブランチと追加ブランチ候補の優先順位を比較することができるので、どの追加ブランチ候補を追加し、どの通信中ブランチを残留または必要に応じて削除すればよいのか判断することができる。
移動局では複数の追加ブランチ候補と複数の削除ブランチ候補、すなわち全てのDHO候補を一つのハンドオーバ・トリガ信号に含め、網に通知する。詳しくは、追加ブランチ候補はハンドオーバ・トリガ信号内の追加情報パラメータに含め、削除ブランチ候補は削除情報パラメータに含める。なお、通信中ブランチも追加ブランチ候補と共に追加情報パラメータに含めることは言うまでもない。これによりハンドオーバ・トリガの送出回数を減少させ、無線リソースを有効利用することができる。また網側では処理の複雑化を避けるために、追加ブランチ候補と削除ブランチ候補とを分離し、それぞれシーケンシャルにDHO実行する。なお実行順序に関しては、先に削除DHOを実行する。先に削除DHOを実行し、不要なブランチを削除することにより、一度のハンドオーバ・トリガ信号による送出でより多くの追加ブランチ候補を追加することができ、無線および有線リソースの有効利用ができる。
移動局主導により削除DHOを実行する場合には、移動局はハンドオーバ・トリガ信号に削除ブランチ候補を含め、網側に通知するとともに無線ブランチを解放する。網では通知された削除ブランチ候補の無線断の検出を受け、対応する有線ブランチを解放する。
図14は、移動機主導の削除DHOシーケンスを示す。追加DHOはこのシーケンスと独立に実行される。
最大有線ブランチ数を最大無線ブランチ数に対してN(N≧1)本だけ多く設定することにより、最大有線ブランチ数を最大無線ブランチ数より1本だけ多く設定する場合に比べ、多くの有線ブランチをあらかじめ追加することができるようにする。これにより、複数の追加ブランチ候補の追加に対する効率的制御が可能となる。
上記の制御において、最大有線ブランチ数の制限により、有線ブランチの追加もされない追加ブランチ候補が存在する場合がある。本発明では、この場合の制御として以下の2通りの方法を提供することができる。
1.網側では特別な制御は行わない。移動局が新しい通信ブランチを使用している状態で再度追加ブランチ候補を判定し、再びハンドオーバ・トリガ信号網に通知し、未実行分の追加DHOを実行する。
2.網側で、1回の制御で実行できなかった追加ブランチ候補について記憶しておき、2回目の制御を自律的に実行する。
図15は、本発明における基地局、交換局等の接続の一実施の形態を示す。
図15において、基地局BS1(200)、BS2(210)は交換局MSC200と接続されており、交換局MSC220にはダイバーシティ・ハンドオーバ・トランクDHT230、音声符号化装置VXC240、データ・サービス制御装置DSC250およびプロセッサPRC260が接続されている。
図16は、本発明における基地局、交換局等の接続の他の実施の形態を示す。
図16において、図15と同様の機能を有するものは同じ符号を付しているため、説明は省略する。図16の接続形態が図15の接続形態と異なる点は、基地局を制御する機能を有する基地局制御局MSC1(320)が新たに追加され、通常の交換機能を有する交換局MSC2(330)に接続された点である。基地局制御局MSC1(320)は基地局BS1またはBS2の近傍に設置することも可能である。交換局MSC2(330)は固定網の交換局をそのまま利用することも可能である。DHT230とPRC260は基地局制御局MSC1(320)に接続され、VXC240、DSC250およびPRC260は交換局MSC2(330)に接続されている。
以上説明したように、本発明のダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチ制御方法によれば、複数の追加ブランチ候補および削除ブランチ候補が移動局において検出された場合において、移動局が最大有線ブランチ数および最大無線ブランチ数を考慮したブランチ候補の選別を行うことにより、DHO実行におけるダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチの制御方法を提供することができる。
また、移動通信システムにおいて、監視した無線状態品質の順に、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みるようにすることができる。
さらに、移動通信システムにおいて、有線区間のリソースと無線区間のリソースのコストでは、無線区間のコストが高く、貴重であるため、有線区間を確保した上で、無線区間のリソースの確保手続きを行うことにより、無駄に無線リソースが確保されることを防ぐことができる。
本発明は、複数の追加ブランチ候補および削除ブランチ候補が移動局で検出された場合における移動局によるブランチ候補選別方法、ならびにダイバーシティ・ハンドオーバ(Diversity Handover)実行における網側によるダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチ(Diversity Handover Branch)制御方法に関する。
背景技術
近年、次世代の移動通信網システムにおけるマルチメディア通信を実現する無線伝送技術の一つとして、符号分割多重アクセス(Code Division Multiple Access:CDMA)技術が提案されている。CDMAでは、無線エリアの境界付近における移動局の移動により、移動局と複数の基地局との間に複数の通信リンク(ブランチ)を設定し、この複数の通信リンク上で信号合成(選択合成)を行って通信を行うダイバーシティ・ハンドオーバ(Diversity HandOver:DHO)を行っている。ダイバーシティ状態においては、移動局および各基地局が最小送信出力で通信を行えるように制御することにより無線容量を拡大することができる(送信電力制御)。さらにダイバーシティ状態で通信することにより、従来の時分割多重アクセス(Time Division Multiple Access:TDMA)等で発生していたハンドオーバ時の瞬断を無くすことが可能である。
DHOによる新たなブランチの設定を、DHOの中でも特別に「追加DHO」と呼ぶ。ダイバーシティ状態において通信に寄与していない通信中ブランチの削除を、DHOの中でも特別に「削除DHO」と呼ぶ。追加DHOおよび削除DHOをする場合、その追加DHOの候補(「追加DHO候補」または「追加ブランチ候補」と呼ぶ)およびその削除DHOの候補(「削除DHO候補」または「削除ブランチ候補」と呼ぶ)を移動局が検出する方法が一般的である。移動局が自セクタおよび周辺セクタのとまり木の無線状態(例えば伝搬損失)を監視することにより追加または削除ブランチ候補を検出すると、移動局は検出した上記候補を網側に通知する。網側は、通知された上記候補に基づきDHO(追加DHO、削除DHO)を実行する。網側とは一般的には交換局もしくは基地局制御局を指すが、その機能を基地局に配備しても良い。
移動局は、各基地局と対応している個別の無線リンク(無線ブランチ)を用いて各基地局と通信する。交換局は、移動局が通信中である各基地局との間に有線リンク(有線ブランチ)をもち、これらの各基地局からの信号をハンドオーバ(HandOver:HO)処理装置またはダイバーシティ・ハンドオーバ・トランク(Diversity Handover Trunk:DHT)において選択合成する。ダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチの基本的動作は特表平9−508773号に示され、網の構成およびダイバーシティ・ハンドオーバ・トランクの制御方法は特願平8−348900号に示されている。
ハードウェア実装上の理由等により、移動局が同時設定可能な無線ブランチ数の上限(最大無線ブランチ数)、および交換局内のDHTが同時接続または同時処理可能な有線ブランチ数の上限(最大有線ブランチ数)が設定されている。最大無線ブランチ数と最大有線ブランチ数の内の少ない方が、ダイバーシティ状態において設定可能な通信ブランチ数の上限(最大通信ブランチ数)となる。通常のシステムでは、無線リソースの有効利用を優先するため、最大無線ブランチ数をもって最大通信ブランチ数としている。
しかし、従来の論文(1997年電子情報通信学会総合大会「次世代移動通信システムにおけるハンドオーバ装置と制御方法」、清水他)等においては、追加および削除されるブランチの数の制御単位は1ブランチで議論されており、複数の追加ブランチおよび削除ブランチを同時に取り扱う場合の制御については議論されておらず、ITU−T勧告Q.FIF version 6においても明記されていなかった。
しかし、上述のように従来技術では追加および削除されるブランチの数の制御単位が1ブランチであるため、Nブランチの制御の場合は原則としてN回の制御が必要となる。しかし、移動局におけるブランチ候補の検出は周辺の無線状態に依存するため、同時に複数の削除ブランチ候補と複数の追加ブランチ候補とを検出することがあり得る。
したがって、このような場合には移動局と交換局との間で同様の制御が複数回繰り返されることになるため、非効率的であるだけでなく、すべてのハンドオーバ制御の完了までに上述の制御の分だけ余計に時間を要することになる。
従来技術では1ブランチの追加DHOを考慮して、最大有線ブランチ数は最大無線ブランチ数よりも1ブランチだけ多く設定している。したがって、網側は最大無線ブランチ数より1ブランチだけ多くあらかじめ有線区間のブランチを用意することが可能である。そこで、最大無線ブランチ数で通信中に1ブランチ追加する場合であっても、通信中ブランチを削除することなしに、あらかじめ用意した有線ブランチを追加することにより、無線区間の切替のみで追加DHOを完了させることが可能であった。
しかし従来の考えを踏襲した、最大有線ブランチ数を最大無線ブランチ数よりも1だけ多く設定する方法では、複数の追加ブランチ候補を処理する場合、網側の制御が追加ブランチ候補回数だけ実行されることになり、効率的制御を行う上で問題があった。さらに従来技術では、制御単位が1ブランチであることと最大有線ブランチ数の制御とにより、通信中ブランチよりDHO優先度が高いにも関わらず、有線区間においても追加されなかった追加ブランチ候補の取扱いについては考慮されていなかった。
発明の開示
そこで、本発明の目的は上記問題を解決するためになされたものであり、複数の追加ブランチ候補および削除ブランチ候補が移動局において検出された場合に、最大有線ブランチ数および移動局の最大無線ブランチ数を考慮した移動局によるブランチ候補選別方法およびDHO実行における網側によるダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチの制御方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、移動通信システムにおいて、監視した無線状態品質の順に、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みるようにすることである。
さらに、本発明の別の目的は、移動通信システムにおいて、有線区間のリソースと無線区間のリソースのコストでは、無線区間のコストが高く、貴重であるため、有線区間を確保した上で、無線区間のリソースの確保手続きを行うことにより、無駄に無線リソースが確保されることを防ぐことである。
本発明の第1の形態は、移動局、複数の基地局、および当該複数の基地局と接続されたセンタを含む移動通信システムにおけるダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法であって、前記移動局は、前記複数の基地局と同時に通信しつつ、複数のブランチに対応する無線状態品質を監視し、さらに1以上の追加ブランチ候補を含む前記複数のブランチの情報を前記センタに通知し、前記センタは、前記複数のブランチの情報を受信し、これによって前記移動通信システムがダイバーシティ・ハンドオーバを行うダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法において、前記移動局は、前記1以上の追加ブランチ候補を、前記監視した無線状態品質の順に配置し、当該追加ブランチ候補を配置した順に前記センタに通知し、前記センタは、前記通知された追加ブランチ候補を配置されている順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みるダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法である。
本発明の第2の形態は、移動局、複数の基地局、および当該複数の基地局と接続されたセンタを含む移動通信システムにおけるダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法であって、前記移動局は、前記複数の基地局と同時に通信しつつ、複数のブランチに対応する無線状態品質を監視し、さらに1以上の追加ブランチ候補を含む前記複数のブランチの情報を前記センタに通知し、前記センタは、前記複数のブランチの情報を受信し、これによって前記移動通信システムがダイバーシティ・ハンドオーバを行うダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法において、前記移動局は、前記追加ブランチ候補の前記監視した無線状態品質に基づいて、ダイバーシティ・ハンドオーバに用いる優先順位を示す、前記追加ブランチ候補の各々の相対値を取得し、前記追加ブランチ候補およびそれらの相対値を前記センタに通知し、前記センタは、前記通知された追加ブランチ候補をそれらの相対値によって示される順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みるダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法である。
ここで、前記複数のブランチの各々は、前記移動局と前記基地局の1つとの間の無線ブランチ、および前記基地局の1つと前記センタとの間の有線ブランチを備え、前記ダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法は、通信中ブランチを設定する際に、当該通信中ブランチの有線ブランチを設定した後に、当該通信中ブランチの無線ブランチを設定するものとすることができる。
ここで、前記複数のブランチの各々は、前記移動局と前記基地局の1つとの間の無線ブランチ、および前記基地局の1つと前記センタとの間の有線ブランチを備え、前記移動局は、前記監視した無線状態品質に基づいて、1以上の削除ブランチ候補を選択し、前記移動局は、前記1以上の削除ブランチ候補を含む複数のブランチの情報を前記センタに通知し、前記センタは、前記通知された削除ブランチ候補を用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのために用いられている1以上の通信中ブランチを削除し、前記ダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法は、通信中ブランチを削除する際に、当該通信中ブランチの無線ブランチを削除した後に、当該通信中ブランチの有線ブランチを削除するものとすることができる。
ここで、前記複数のブランチは、1以上の通信中ブランチを含み、前記複数のブランチの各々は、前記移動局と前記基地局の1つとの間の無線ブランチ、および前記基地局の1つと前記センタとの間の有線ブランチを備え、通信中ブランチの数と、追加ブランチ候補の数との合計が、同時に設定できる無線ブランチの最大数を超える場合には、前記センタは、当該センタが同時に処理できる有線ブランチの最大数まで、前記通知された追加ブランチ候補を配置されている順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みるものとすることができる。
ここで、前記複数のブランチは、1以上の削除ブランチ候補を含み、前記センタは、ダイバーシティ・ハンドオーバのために用いられており、前記削除ブランチ候補に対応する1以上の通信中ブランチを削除し、前記削除された通信中ブランチを除く通信中ブランチの数と、追加ブランチ候補の数との合計が、同時に設定できる無線ブランチの最大数を超える場合には、前記センタは、当該センタが同時に処理できる有線ブランチの最大数まで、前記通知された追加ブランチ候補を配置されている順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みるものとすることができる。
ここで、前記センタは、1以上の通知された追加ブランチ候補であって、前記ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定の試みにおいて設定されなかった追加ブランチ候補を格納し、前記移動局は、前記監視した無線状態品質に基づいて、1以上の削除ブランチ候補を選択し、前記移動局は、前記削除ブランチ候補の通信中ブランチを自律的に解放し、当該通信中ブランチの解放を前記センタに通知し、前記センタは、前記通信中ブランチの解放を通知された際に、前記格納した追加ブランチ候補をそれらの相対値によって示される順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みるものとすることができる。
本発明の第3の形態は、ダイバーシティ・ハンドオーバの際に複数の基地局と同時に通信する移動局において、複数のブランチに対応する無線状態品質を監視する手段と、1以上の追加ブランチ候補を含む前記複数のブランチの情報をセンタに通知する手段とを備え、前記移動局は、前記1以上の追加ブランチ候補を、前記監視した無線状態品質の順に配置し、当該追加ブランチ候補を配置した順に前記センタに通知する移動局である。
本発明の第4の形態は、ダイバーシティ・ハンドオーバの際に複数の基地局と同時に通信する移動局において、複数のブランチに対応する無線状態品質を監視する手段と、1以上の追加ブランチ候補を含む前記複数のブランチの情報をセンタに通知する手段とを備え、前記移動局は、前記追加ブランチ候補の前記監視した無線状態品質に基づいて、ダイバーシティ・ハンドオーバに用いる優先順位を示す、前記追加ブランチ候補の各々の相対値を取得し、前記追加ブランチ候補およびそれらの相対値を前記センタに通知する移動局である。
ここで、前記移動局は、前記監視した無線状態品質に基づいて、1以上の削除ブランチ候補を選択し、当該削除ブランチ候補を前記センタに通知し、前記移動局は、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチをさらに設定する余地があるか否かを判断し、前記移動局は、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチをさらに設定する余地がある場合には、前記追加ブランチ候補のすべておよびそれらの相対値を前記センタに通知するものとすることができる。
ここで、前記移動局は、1以上の削除ブランチ候補があるか、または通信中の無線ブランチの数が、同時に設定できる無線ブランチの最大数よりも小さい場合には、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチをさらに設定する余地があると判断するものとすることができる。
ここで、通信中の無線ブランチの数が、同時に設定できる無線ブランチの最大数に等しい場合には、前記移動局は、最も優先順位の低い通信中ブランチの無線状態品質よりも高い無線状態品質を有する追加ブランチ候補であって、両無線状態品質の差が予め定められたしきい値を超える追加ブランチ候補およびそれらの相対値のみを前記センタに通知するものとすることができる。
ここで、前記移動局は、前記監視した無線状態品質に基づいて、1以上の削除ブランチ候補を選択し、前記移動局は、前記削除ブランチ候補の通信中ブランチを自律的に解放し、当該通信中ブランチの解放を前記センタに通知するものとすることができる。
本発明の第5の形態は、複数の基地局と接続され、これらの基地局を介して移動局と通信を行う移動通信システムのセンタにおいて、前記移動局から、無線状態品質の順に配置されている1以上の追加ブランチ候補の通知を受ける手段と、前記通知された追加ブランチ候補を配置されている順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みる手段とを備えるセンタである。
本発明の第6の形態は、複数の基地局と接続され、これらの基地局を介して移動局と通信を行う移動通信システムのセンタにおいて、前記移動局から、1以上の追加ブランチ候補、およびダイバーシティ・ハンドオーバに用いる優先順位を示す、前記追加ブランチ候補の各々の相対値の通知を受ける手段と、前記通知された追加ブランチ候補をそれらの相対値によって示される順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みる手段とを備えるセンタである。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施の形態であるダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチ制御方法を説明する概略図である。
図2は、各DHOにおける網側、移動局側のブランチ接続、解放のイメージを示す図である。
図3は、追加DHO閾値および削除DHO閾値のイメージを示す図である。
図4Aは、追加情報パラメータのフォーマットを示す図である。
図4Bは、削除情報パラメータのフォーマットを示す図である。
図5は、閾値からみたDHO実行イメージを示す図である。
図6は、網側からみた各ブランチ数の関係を示す図である。
図7は、移動局におけるハンドオーバ・トリガ信号送出アルゴリズムの詳細について説明するフローチャートである。
図8は、最大無線ブランチ通信中において追加ブランチ候補が通知されない場合を示す図である。
図9Aは、追加ブランチ候補が追加される場合のばたつき防止用閾値の説明図である。
図9Bは、追加ブランチ候補が追加されない場合のばたつき防止用閾値の説明図である。
図10は、網におけるDHO実行アルゴリムの詳細について説明するフローチャートである。
図11は、DHOシーケンスを起動するブランチ図である。
図12は、図12A、図12Bおよび図12Cの関係を示す図である。図12A、図12Bおよび図12Cはこの順でつながっている図である。
図12Aは、移動局において図11のような無線状態であった場合のDHO処理シーケンスを示す図である。
図12Bは、移動局において図11のような無線状態であった場合のDHO処理シーケンスを示す図である。
図12Cは、移動局において図11のような無線状態であった場合のDHO処理シーケンスを示す図である。
図13は、最大有線ブランチ数の制限により追加されない候補例を示す図である。
図14は、削除シーケンスを示す図である。
図15は、削除シーケンスを示す図である。
図16は、削除シーケンスを示す図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態であるダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチ制御方法を概略的に示す。
図1において、移動局(Mobile Station:MS)20は移動通信を行なう、例えば携帯電話、携帯情報端末等の無線通信機能を備えた装置であり、基地局(Base Station:BS)10,14および16は移動局20と無線通信を行なう無線局である。移動局20は、最初に基地局10,14および16と無線通信している。交換局(Mobileservices Switching Center:MSC)30,32または34は、基地局10,12,14,16または18と有線接続され、基地局10等に対する無線制御などを行なう基地局制御機能と、基地局10等を介して移動局20等に通信サービスを提供するための呼制御機能を有している。ただし、上述の交換局30,32または34と基地局10,12,14,16または18との接続は、有線接続の代替手段として固定無線接続としてもよいことは言うまでもない。1つの交換局は複数の基地局と対応することができる。図1に示されるように、基地局10は交換局30,32に負荷分散もしくは現用予備切り替えを目的として2重に有線接続されているが、一通信単位では1つの基地局は1つの交換局に接続されている。移動局20が移動局22の位置に移動することにより、新たに基地局12および18と良好な無線状態が得られるようになると、基地局12および18は追加ブランチ候補となる。ここで基地局10および14の無線状態が悪化した場合には、基地局10および14は削除ブランチ候補となる。すなわち、追加ブランチ候補があがっても、必ずしも削除ブランチ候補があがるわけではない。交換局30,32,34は中継網40により接続されている。
以下、まず本発明で用いるDHOの制御の種類について説明する。
DHOには大別して追加DHO、削除DHOおよび追加DHOの特別な場合である追加削除DHOがある。追加DHOは新たにブランチ候補を追加するDHOであり、削除DHOは通信に寄与しない通信中のブランチ候補を削除するDHOである。以下に各DHOの制御手順について述べる。
(追加DHO)
図2は、各DHOにおける網側、移動局側のブランチ接続、解放のイメージを示す。
図2中の追加DHOの無線ブランチ接続・解放イメージは、通信中のブランチ50が存在する場合に、時刻60において新たに無線ブランチ52が追加されたことを示す。有線ブランチ接続・解放イメージでは新たに有線ブランチ54が追加されたことを示す。追加DHOにおけるブランチ制御順は、まず追加(有線)ブランチ54であり、次が追加(無線)ブランチ52である。
移動局は周辺セクタの無線状態を監視(例えば、とまり木の伝搬損失を監視)することにより、移動局による追加ブランチ候補の検出条件である追加ブランチ候補判定条件を満たしたものから追加ブランチ候補を選択する。
図3は、追加DHO閾値および削除DHO閾値のイメージを示す。図3において、縦軸は伝播損失の程度を示し、横軸は移動局の移動する距離を示す。
図3に示すように、移動局が横軸の左から右に移動した場合、DHOエリアでダイバーシティ状態となり、2ブランチで通信する。この間で、ハンドオーバ(HandOver:HO)が行われる。DHOエリアより左側では1ブランチで通信しており、したがってDHOエリアに入ると、1ブランチ通信中に1追加ブランチ候補が現れることになる。DHOエリアより右側に入ると、2ブランチ通信中に1削除ブランチ候補が現れることになる。移動局は、HO元BS伝搬損失とHO先BS伝搬損失との差を基に追加/削除ブランチ候補を検出する(追加/削除ブランチ候補判定条件)。この差が追加DHO閾値より小さくなった場合(追加ブランチ候補判定条件を満たした場合)に追加ブランチ候補を検出し、削除DHO閾値より大きくなった場合(削除ブランチ候補判定条件を満たした場合)に、削除ブランチ候補を検出する。どちらのDHO(追加/削除DHO)も複数の通信ブランチで通信中の場合は、最も伝搬損失の小さいブランチの伝搬損失を判定の基準となるHO元BS伝搬損失とする。この場合、削除DHO閾値を追加DHO閾値より大きくし、2つの閾値間に差(ヒステリシス)を設け、削除したDHOブランチが、無線状態の変化によりまたすぐに追加されないようにする。
移動局は、上述の追加ブランチ候補と通信中ブランチの両方を、例えば、伝搬損失の小さいものの順に配置したり、優先順位が分かる情報と共に任意の順に設定して、ハンドオーバ・トリガ信号内の追加情報パラメータに含めて網に通知する。削除ブランチ候補がある場合は、削除情報パラメータを同様に通知する。
交換局が自ら通信中ブランチの情報を得ることも可能であり、この場合は移動局から交換局へ通信中ブランチに関する情報を送る必要はない。
優先順位を示す情報は、上述のように追加ブランチ候補の配置順でもよいし、その他の絶対値、相対値等でもよい。例えば、配置順とは独立に伝播損失の少なさを示す数値を各ブランチの情報とセットにして送出してもよい。
図4Aは、上述の追加情報パラメータのフォーマットの一例を示し、図4Bは、上述の削除情報パラメータのフォーマットの一例を示す。
図4Aにおいて、通信中在圏セクタ数は移動局がハンドオーバ・トリガ信号送出時にDHO通信中のセクタの数を示し、追加DHO候補セクタ数は新たに追加し得るDHO候補のセクタ数を示し、基地局番号は移動局とDHO通信中の基地局の番号または追加ブランチ候補の基地局の番号を示し、セクタ番号は同基地局内のセクタの番号を示し、とまり木CH受信SIR値は、報知チャネルの受信SIR値を示し、とまり木CH送信電力値は、上記報知チャネルの送信電力値を示す。パラメータには、通信中在圏セクタ数と追加DHO候補セクタ数を足したかずだけ、基地局番号、セクタ番号、とまり木CH受信SIR値、とまり木CH送信電力値の組が繰り返される。
図4Bにおいて、削除DHO候補セクタ数は新たに削除し得るDHO候補のセクタ数を示し、図4Aと同様に削除DHO候補セクタ数だけ基地局番号、セクタ番号の組が繰り返される。
図5は、閾値からみたDHO実行イメージを示す。
図5において、優先順位の最も高い通信中のブランチがブランチ110であり、次がブランチ112である。閾値120,122は、通信ブランチ中最も優先順位が高いブランチ110を基にした閾値であり、閾値120は削除DHO閾値、閾値122は追加DHO閾値を示す。網側は、追加DHO優先順位の大きいブランチから順(ブランチ114、ブランチ116、ブランチ118の順)に、現在通信中のブランチ数を加味した上で、同時に実行できるブランチ数だけ取り出し、追加DHOを実行する。追加DHOブランチ候補114は、通信中ブランチ110よりさらに伝搬損失が少なく、追加ブランチ判定条件を満たすことは明らかである。通信中ブランチの内最も伝搬損失の小さいブランチ110と比較して伝搬損失が大きいブランチ116でも、他のブランチ118との兼ね合いにより優先順位の高いブランチであると考えられる。つまり、優先順位が高いということは、追加される際に優先して実行されるブランチであるという意味である。
本発明における移動局によるブランチ候補の選別とは、移動局により検出された追加ブランチ候補の内、追加DHOの実行をされないことが確実な候補は網側に通知しないように移動局で制御することである。
(削除DHO)
図2中の削除DHOの無線ブランチ接続・解放イメージは、通信中のブランチ70が存在する場合に、時刻80において無線ブランチ72が削除されたことを示す。有線ブランチ接続・解放イメージでは有線ブランチ74が削除されたことを示す。削除DHOにおけるブランチ制御順は、まず削除(無線)ブランチ72であり、次が削除(有線)ブランチ74である。
移動局は通信中セクタの無線状態を監視(例えば、とまり木の伝搬損失を監視)することにより、削除ブランク候補判定条件を満たしたもの全てを削除DHO候補とする。削除DHOではDHO優先順位を考慮していない。つまり通信に寄与していないわけだから検出すれば、すぐに削除する。移動局はこれらの削除DHO候補をハンドオーバ・トリガ信号内の削除情報パラメータに含め網側に通知する。削除情報パラメータでは、削除DHOセクタ数とその数分の基地局番号、セクタ番号の組が繰り返される(図4Bの削除情報パラメータ・フォーマット参照)。図5に示すように、網側は削除DHOを実行して、例えば削除DHO候補のブランチ113を削除する。ただし、削除DHOでは上述のように検出すれば必ず削除するわけだから、移動局が自律的に削除して、その報告だけを網側に通知する方法をとることもできる。
(追加削除DHO)
最大無線ブランチ数の制限に基づいて実行される追加DHOである。追加DHOにおいて、通信中ブランチ数と追加ブランチ数との合計が最大無線ブランチ数を超えた場合に起動される。最大有線ブランチ数を最大無線ブランチ数より多く設定するのは、この追加削除DHOを有効に実行するためである。追加削除DHO優先順位の高いものから順に、最大有線ブランチ数を上限として優先順位の高いブランチの追加を行う。
図6は、網側からみた各ブランチ数の関係を示す。
図6に示すように、通信中ブランチ数128に追加ブランチ数127を加えた(過渡的)有線ブランチ数126は、最大無線ブランチ数125を超えている。この超えた分((過渡的)有線ブランチ数126−最大無線ブランチ数125=M)の有線ブランチの設定は追加DHOを効率よく行うための過渡的なものである。最終的には網側では(過渡的)有線ブランチ中、通信中ブランチも含め、相対的に優先順位の低いもの(例えば、伝搬損失が大きいもの)からM(ただし、N≧Mであり、ここでN=最大有線ブランチ数124−最大無線ブランチ数125)分のブランチを削除する。無線区間においては、最終的に選択される有線ブランチに対応して、無線ブランチの追加、無線ブランチの切り替えが行われる。有線ブランチとして追加しても、相対的な優先順位が通信中のブランチに比べて低く、兼ね合いより、削除されることが分っている候補については追加処理を行わないという制御方法をとることも可能である。
図2中の追加削除DHOの無線ブランチ接続・解放イメージは、通信中のブランチ90、91が存在する場合に、時刻100においてブランチ92が追加され、時刻102にブランチ91が削除切り替えされ、時刻102より後にブランチ93が追加切り替えされたことを示す。ブランチ93の時刻102の点が白丸であるのは、最大無線ブランチ数を3ブランチに設定しているためである。有線ブランチ接続・解放イメージではブランチ96(有線ブランチ)および98(有線ブランチ)が追加され、ブランチ94(有線ブランチ)が削除されたことを示す。追加削除DHOにおけるブランチ制御順は、(1)追加ブランチ96および追加ブランチ98、(2)追加ブランチ92、(3)削除切り替えブランチ91、(4)追加切り替えブランチ93、(4)削除ブランチ94である。
図7は、移動局におけるハンドオーバ・トリガ信号送出アルゴリズムの詳細について説明するフローチャートを示す。
図7において、移動局は自セクタおよび周辺セクタの無線状態を監視して、追加ブランチ候補および削除ブランチ候補を検出する(ステップS10)。移動局はハンドオーバ・トリガ信号内の追加情報パラメータに通信中ブランチおよび追加ブランチ候補を設定し、さらに同信号内の削除情報パラメータに削除ブランチ候補を設定する。ただし追加情報パラメータの設定に関しては、以下の条件で設定し、送出する(S20〜S90)。
削除ブランチ候補が存在する場合(ステップS20)、全ての通信中ブランチおよび追加ブランチ候補を追加情報パラメータに含め送出する(条件1)(ステップS40,S50)。
削除ブランチ候補が存在しない場合において、通信中の無線ブランチ数が最大でない時(ステップS30)、全ての検出した追加ブランチ候補を通信中ブランチと共に追加情報パラメータに含めて送出する(条件2)(ステップS40,S50)。
通信中の無線ブランチ数が最大の時(ステップS30)、移動局では通信中ブランチと追加ブランチ候補とについて、両者の差がばたつき防止用閾値よりも大きい(例えば伝送損失の小さい)かどうか比較し(ステップS60)、ばたつき防止用閾値よりも大きい追加ブランチ候補のみをハンドオーバトリガ信号に含め送出し(条件3)(ステップS80,S90)、小さい場合は送出しない(ステップS70)。
通信中無線ブランチ数が最大の時、条件3のように候補送出条件を厳しくしている第1の理由は、通常の追加ブランチ判定条件を満たしているが、他のどの通信中ブランチよりも優先順位の低い(例えば伝搬損失が大きい)追加ブランチ候補は網側に通知しても追加処理されないことがあらかじめ分かっているので、追加ブランチ候補として網側に通知しないためである。
図8は、最大無線ブランチ通信中において追加ブランチ候補が通知されない場合を示す。
図8において、ブランチ130,132、および134は通信中ブランチを示し、閾値142は追加DHO閾値を示す。追加ブランチ候補は追加ブランチ候補判定条件(ブランチ130との伝搬損失の差が追加DHO閾値142より小さい)を満たすブランチ136,138であるが、この2つのブランチ136,138は通信中のブランチ134よりも優先順位が低いため、追加される見込みはない。さらにばたつき防止用閾値を設定し、この条件をより厳しくすることによりブランチが追加、削除を繰り返すこと、つまり「ばたつき」を防ぐ(第2の理由)。追加削除DHOの起動により削除されるブランチは他のブランチよりも相対的に悪くなったに過ぎず、削除ブランチ候補判定条件を満たしたために削除されたのではない。通信ブランチとしての要件を満たしており、通信に寄与しているブランチをそれよりわずかに優先順位の高い追加ブランチ候補と入れ換えたとしても、まもなく無線区間の変化により、再び追加ブランチ候補として入れ替わりに削除されたブランチが網に追加されることになる。これが繰り返されると網の制御負荷が大きくなるので、ばたつき防止用閾値を設定し、ばたつきを防いでいる。なお、ばたつき防止用閾値は最大無線ブランチ数で通信中において、追加ブランチ候補と最も優先順位の低い(例えば、伝搬損失の大きい)通信ブランチとの差を考え、その差の大きさを判定するものとして設定される。この差がばたつき防止用閾値より大きい場合に、追加が行われる。
図9A、図9Bは、ばたつき防止用閾値の説明図を示す。図9Aは追加ブランチ候補が追加される場合を示し、図9Bは追加されない場合を示す。通信中ブランチより優先順位の低い、つまり通信ブランチ中最も優先順位の低い通信ブランチより優先順位の低い追加ブランチは、追加される見込みがないため追加しない。さらに多少優先順位が高かったとしても、上記ばたつきの原因となるため追加しない。
図9Aにおいて、ブランチ150,152、および154は通信中ブランチを示し、ブランチ156は、ばたつき防止用閾値157を越える追加ブランチ候補を示す。
図9Bにおいて、ブランチ160,162、および164は通信中ブランチを示し、ブランチ166は、ばたつき防止用閾値167内の追加ブランチ候補を示す。
削除ブランチ候補が存在する場合および通信ブランチ数が最大でない場合において、全ての候補を網に通知しているのは、何らかの原因により、網がある追加ブランチ候補のDHOを拒絶しても、その代替追加ブランチ候補を通知しておくためである。
しかし、追加されることが確実な追加ブランチ候補のみを追加する制御としても良い制御であることは、当業者にとっては言うまでもない。これは、すでに指摘した有線ブランチとして追加しても、相対的な優先順位が通信中のブランチに比べて低く、兼ね合いより、削除されることがわかっている候補については有線ブランチの追加処理を行わない制御にすることも可能であると上述したことと同様である。
図10は、網におけるDHO実行アルゴリムの詳細について説明するフローチャートを示す。
図10において、網側はハンドオーバ・トリガ信号を受信すると(ステップS100)、先に削除DHOを実行し(ステップS110)、その完了を待って追加DHOを実行する(ステップS130)。この削除DHOシーケンス(ステップS200)は、追加DHOに先だって削除DHOを実行し、通信に寄与していないブランチを解放しておくことにより、追加DHOの同時実行可能なブランチ数をより多くするためである。また、移動局が自律的に削除DHOを実行する場合には、ハンドオーバ・トリガを受信して行う追加DHOの実行とは独立に削除DHOが実行可能であるが、追加DHOのためのトリガに先だって実行することが望ましい。追加DHOの実行手順は、通信中ブランチ数(#Br)−削除DHOブランチ数(#Del)(すなわち削除DHO完了後の通信中ブランチ数)と追加DHOブランチ数(#Add)との総和が最大無線ブランチ数(#Brmax)を超えるかどうかにより場合分けが行われる。
まず通信中ブランチ数と追加ブランチ候補との総和(#Br−#Del+#Add)が最大無線ブランチ数(#Brmax)を超えない場合は、通常手順により追加DHOを実行する(追加DHOシーケンスS210のステップS120,S130)。
通信中ブランチ数と追加ブランチ候補との総和(#Br−#Del+#Add)が最大無線ブランチ数(#Brmax)を超える場合は、追加削除DHO(追加削除DHOシーケンスS220)を実行する。最大有線ブランチ数を限界として有線ブランチを追加する(ステップS140)。次に最大無線ブランチ数(#Brmax)を限界として無線ブランチの追加、切り替えを行う(ステップS150)。最後に、最大無線ブランチ数(#Brmax)超える不要な有線ブランチを解放する(ステップS160)。
図11は、DHOシーケンスを起動するブランチ図を示す。
図11において、ブランチ1(190),ブランチ2(191)およびブランチ3(196)は通信中のブランチであり、ブランチ3(196)は削除DHO閾値194外のブランチであることを示している。ブランチ4(192)およびブランチ5(193)は追加ブランチ候補であり、ブランチ5(193)は追加DHO閾値195内にあり、ブランチ4(192)はブランチ2(191)より優先順位が高いことを示している。
図12A、図12B、図12Cは、この順につながる図であり、ブランチの優先順位が図11のような場合で、網主導で、削除DHO後、追加削除DHOを実行するDHO処理シーケンスを示す。ただし、最大無線ブランチ数を3、最大有線ブランチ数を4とした場合を示す。
図12Aは、削除DHOシーケンスを示し、不要な無線ブランチ3を削除していることを示す。
図12Aにおいて、無線ブランチ1から3の3つの無線ブランチ、有線ブランチ1から3の3つの有線ブランチおよび基地局番号1から5の5つの基地局があることが示されている。移動機500は追加DHO候補/削除DHO候補を検出し(501)、追加DHO候補/削除DHO候補を判定する(505)。移動局500から網503へハンドオーバ・トリガ要求(ブランチ削除、ブランチ追加)が送られる(510)。網503は削除DHO候補を抽出し(517)、移動機500へハンドオーバ実行要求(ブランチ3削除)が送られる(515)。移動機500は網503へハンドオーバ実行応答を返す(520)。移動機500において、無線ブランチ3が削除され(525)、無線ブランチ3の最大比合成を停止する(530)。この最大比合成の停止は、無線ブランチ3の線が点線で示されるように530で消えていることにより示されている。
網503から基地局番号3の基地局へ、無線および有線ベアラ解放要求(535)が送られる。基地局番号3の基地局では、上り無線チャネルCHの受信を停止し(540)、下り無線CHの送信を停止し(545)、基地局番号リソースを解放し(550)、網503へ無線および有線ベアラ解放応答(560)を返す。網503はDHT有線ブランチ3を削除する(565)。
図12B、図12Cは、追加削除DHOシーケンスを示す。追加削除DHOシーケンスは、あらかじめ有線ブランチ4、5を追加した後、追加された有線ブランチに対応する無線ブランチ4の追加、無線ブランチ1、5の切り替えを実行し、最後に不要になった有線ブランチ1を削除する。
図12Bにおいて、網503は追加DHO候補を検出し(600)、追加DHO先を決定し(605)、有線ブランチ4と5を追加する(610)。有線ブランチ4と5が追加されたことは、図12Bの有線ブランチ4と有線ブランチ5の線が、610からの点線で示される位置から現れていることにより示されている。網503から、基地局番号4の基地局と基地局番号5の基地局へ、それぞれ無線および有線ベアラ設定要求(615、620)が送られる。基地局番号4の基地局と基地局番号5の基地局から移動機500へ、それぞれ下り無線CH送信開始(625、630)が送られる。基地局番号4の基地局と基地局番号5の基地局は、それぞれ上り無線CH受信開始(635、640)を受ける。基地局番号4の基地局と基地局番号5の基地局から網503へ、それぞれ無線および有線ベアラ設定応答(645、650)が送られる。
図12Cにおいて、網503は有線ブランチ4および5の確認を行う。網503から移動機500へハンドオーバ実行要求(ブランチ4の追加、ブランチ1と5の切替)(705)が送られ、移動機500から網503へハンドオーバ実行応答(710)が返される。移動機500は無線ブランチ4を追加し(715)、新ブランチ4の同期確立を行ない(720)、無線ブランチ4の最大比合成を開始し(725)、無線ブランチ1と5を切替え(730)、新ブランチ5の同期確立を行う(735)。一方、網503では、有線ブランチ4と5を追加する(727)。基地局番号4の基地局は、上り無線CH同期検出を行ない(740)、網503へ無線および有線ベアラ設定応答を返す(745)。基地局番号5の基地局は、上り無線CH同期検出を行ない(750)、網503へ無線および有線ベアラ設定応答を返す(755)。網503は、無線ブランチ4の追加、無線ブランチ1と5の切替の確認を行い(757)、基地局番号1の基地局へ無線および有線ベアラ解放要求を送る(760)。基地局番号1の基地局は、上り無線CHの受信を停止し(765)、下り無線CHの送信を停止し(770)、基地局番号リソースの解放を行ない(775)、網503へ無線および有線ベアラ解放応答を返す(780)。網503は、DHT有線ブランチ1を削除する(785)。
以下では、追加ブランチ候補として網側に通知されたにも関わらず、有線ブランチ数の制限(最大有線ブランチ数)により追加されなかった候補の制御について説明する。一度の網制御で処理できるブランチの最大数は最大有線ブランチ数であるので、通信中ブランチ数と追加ブランチ候補数との総和が最大有線ブランチ数を超える場合には、追加ブランチ候補に通信中ブランチよりも優先順位が高いブランチが含まれているにも関わらず、1回の制御で追加できない場合が起こり得る。
図13は、最大有線ブランチ数の制限により追加されない候補例を示す。
図13において、ブランチ170,172、および174は通信中ブランチであり、ブランチ176,178、および180は追加ブランチ候補を示す。ブランチ178および180は通信中ブランチ170よりも優先順位は高いが、最大有線ブランチ数が4であるため、最高の優先順位を有する追加候補ブランチ176のみが追加され、追加候補ブランチ178および180は追加されない。
この場合の制御の一例は、追加されなかった追加ブランチ候補178、180を移動局側の測定により再びハンドオーバ・トリガ信号に含めて網に通知する方法である。網側では、この追加ブランチ候補178、180を含んだハンドオーバ・トリガ信号を再度受け取った時点で、一回目の制御で追加できなかった分の追加DHOを実行すればよい。また別の方法として、網側でその追加ブランチ候補178、180を記憶しておき、図10に示す一連の動作を完了後に、1回目に制御できないために記憶していた候補について、再度連続的に追加DHOを実行する方法を選択しても良い。
本発明は、移動局が最大有線ブランチ数および最大無線ブランチ数を考慮したブランチ候補の選別を行うことにより、網側に通知してもDHO実行されないブランチ候補を前もって除いてから網側に通知する。ただし、この場合以下の2通りの方法がある。
第1に、何らかの理由により網側で優先度の高い追加ブランチ候補の追加が実行されなかった場合を考慮して、その追加されなかった追加ブランチ候補が追加されていたならば追加される見込みのない追加ブランチ候補も、代替のため網側に通知する。これにより、すべての追加ブランチ候補を通知することになる。ただし、最大通信ブランチ数で通信中に、通信中ブランチより優先順位の低い追加ブランチ候補を網側に通知しない制御は実行する。既に通信ブランチ数が最大であるので、通信中ブランチより優先順位の低いブランチは追加されるはずはないからである。
第2に、代替の追加ブランチ候補を通知せずに、正常にDHO処理が実行された場合に追加されると考えられる追加ブランチ候補のみを網に通知する。この方法は、第1の方法と比べて、信号量を減らすことができるが、移動局は通信ブランチ数と削除ブランチ候補数との関係を考慮する必要がある。すなわち、削除DHOを先に実行するので、削除DHOが実行された後で確実に追加されると考えられる追加ブランチ候補のみを選択する制御が必要となる。
本発明は、移動局が追加ブランチ候補のみを通知信号(ハンドオーバ・トリガ信号)に含めるのではなく、追加ブランチ候補と通信中ブランチの両方を優先順位が分かる情報とともにハンドオーバ・トリガ信号に含めて網側に通知する。例えば、伝搬損失の大きさを優先順位の目安とし、優先順位の順に通知信号に格納する。削除ブランチ候補は通信に寄与していないブランチであるので、検出すれば削除してよく、したがって優先順位を示して通信中ブランチと共に網側に通知する必要はない。網側では通信中ブランチと追加ブランチ候補の優先順位を比較することができるので、どの追加ブランチ候補を追加し、どの通信中ブランチを残留または必要に応じて削除すればよいのか判断することができる。
移動局では複数の追加ブランチ候補と複数の削除ブランチ候補、すなわち全てのDHO候補を一つのハンドオーバ・トリガ信号に含め、網に通知する。詳しくは、追加ブランチ候補はハンドオーバ・トリガ信号内の追加情報パラメータに含め、削除ブランチ候補は削除情報パラメータに含める。なお、通信中ブランチも追加ブランチ候補と共に追加情報パラメータに含めることは言うまでもない。これによりハンドオーバ・トリガの送出回数を減少させ、無線リソースを有効利用することができる。また網側では処理の複雑化を避けるために、追加ブランチ候補と削除ブランチ候補とを分離し、それぞれシーケンシャルにDHO実行する。なお実行順序に関しては、先に削除DHOを実行する。先に削除DHOを実行し、不要なブランチを削除することにより、一度のハンドオーバ・トリガ信号による送出でより多くの追加ブランチ候補を追加することができ、無線および有線リソースの有効利用ができる。
移動局主導により削除DHOを実行する場合には、移動局はハンドオーバ・トリガ信号に削除ブランチ候補を含め、網側に通知するとともに無線ブランチを解放する。網では通知された削除ブランチ候補の無線断の検出を受け、対応する有線ブランチを解放する。
図14は、移動機主導の削除DHOシーケンスを示す。追加DHOはこのシーケンスと独立に実行される。
最大有線ブランチ数を最大無線ブランチ数に対してN(N≧1)本だけ多く設定することにより、最大有線ブランチ数を最大無線ブランチ数より1本だけ多く設定する場合に比べ、多くの有線ブランチをあらかじめ追加することができるようにする。これにより、複数の追加ブランチ候補の追加に対する効率的制御が可能となる。
上記の制御において、最大有線ブランチ数の制限により、有線ブランチの追加もされない追加ブランチ候補が存在する場合がある。本発明では、この場合の制御として以下の2通りの方法を提供することができる。
1.網側では特別な制御は行わない。移動局が新しい通信ブランチを使用している状態で再度追加ブランチ候補を判定し、再びハンドオーバ・トリガ信号網に通知し、未実行分の追加DHOを実行する。
2.網側で、1回の制御で実行できなかった追加ブランチ候補について記憶しておき、2回目の制御を自律的に実行する。
図15は、本発明における基地局、交換局等の接続の一実施の形態を示す。
図15において、基地局BS1(200)、BS2(210)は交換局MSC200と接続されており、交換局MSC220にはダイバーシティ・ハンドオーバ・トランクDHT230、音声符号化装置VXC240、データ・サービス制御装置DSC250およびプロセッサPRC260が接続されている。
図16は、本発明における基地局、交換局等の接続の他の実施の形態を示す。
図16において、図15と同様の機能を有するものは同じ符号を付しているため、説明は省略する。図16の接続形態が図15の接続形態と異なる点は、基地局を制御する機能を有する基地局制御局MSC1(320)が新たに追加され、通常の交換機能を有する交換局MSC2(330)に接続された点である。基地局制御局MSC1(320)は基地局BS1またはBS2の近傍に設置することも可能である。交換局MSC2(330)は固定網の交換局をそのまま利用することも可能である。DHT230とPRC260は基地局制御局MSC1(320)に接続され、VXC240、DSC250およびPRC260は交換局MSC2(330)に接続されている。
以上説明したように、本発明のダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチ制御方法によれば、複数の追加ブランチ候補および削除ブランチ候補が移動局において検出された場合において、移動局が最大有線ブランチ数および最大無線ブランチ数を考慮したブランチ候補の選別を行うことにより、DHO実行におけるダイバーシティ・ハンドオーバ・ブランチの制御方法を提供することができる。
また、移動通信システムにおいて、監視した無線状態品質の順に、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みるようにすることができる。
さらに、移動通信システムにおいて、有線区間のリソースと無線区間のリソースのコストでは、無線区間のコストが高く、貴重であるため、有線区間を確保した上で、無線区間のリソースの確保手続きを行うことにより、無駄に無線リソースが確保されることを防ぐことができる。
Claims (15)
- 移動局、複数の基地局、および当該複数の基地局と接続されたセンタを含む移動通信システムにおけるダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法であって、前記移動局は、前記複数の基地局と同時に通信しつつ、複数のブランチに対応する無線状態品質を監視し、さらに1以上の追加ブランチ候補を含む前記複数のブランチの情報を前記センタに通知し、前記センタは、前記複数のブランチの情報を受信し、これによって前記移動通信システムがダイバーシティ・ハンドオーバを行うダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法において、
前記移動局は、前記1以上の追加ブランチ候補を、前記監視した無線状態品質の順に配置し、当該追加ブランチ候補を配置した順に前記センタに通知し、
前記センタは、前記通知された追加ブランチ候補を配置されている順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みることを特徴とするダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法。 - 移動局、複数の基地局、および当該複数の基地局と接続されたセンタを含む移動通信システムにおけるダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法であって、前記移動局は、前記複数の基地局と同時に通信しつつ、複数のブランチに対応する無線状態品質を監視し、さらに1以上の追加ブランチ候補を含む前記複数のブランチの情報を前記センタに通知し、前記センタは、前記複数のブランチの情報を受信し、これによって前記移動通信システムがダイバーシティ・ハンドオーバを行うダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法において、
前記移動局は、前記追加ブランチ候補の前記監視した無線状態品質に基づいて、ダイバーシティ・ハンドオーバに用いる優先順位を示す、前記追加ブランチ候補の各々の相対値を取得し、前記追加ブランチ候補およびそれらの相対値を前記センタに通知し、
前記センタは、前記通知された追加ブランチ候補をそれらの相対値によって示される順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みることを特徴とするダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法。 - 請求項1または2に記載のダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法において、
前記複数のブランチの各々は、前記移動局と前記基地局の1つとの間の無線ブランチ、および前記基地局の1つと前記センタとの間の有線ブランチを備え、
前記ダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法は、通信中ブランチを設定する際に、当該通信中ブランチの有線ブランチを設定した後に、当該通信中ブランチの無線ブランチを設定することを特徴とするダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法。 - 請求項1または2に記載のダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法において、
前記複数のブランチの各々は、前記移動局と前記基地局の1つとの間の無線ブランチ、および前記基地局の1つと前記センタとの間の有線ブランチを備え、
前記移動局は、前記監視した無線状態品質に基づいて、1以上の削除ブランチ候補を選択し、
前記移動局は、前記1以上の削除ブランチ候補を含む複数のブランチの情報を前記センタに通知し、
前記センタは、前記通知された削除ブランチ候補を用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのために用いられている1以上の通信中ブランチを削除し、
前記ダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法は、通信中ブランチを削除する際に、当該通信中ブランチの無線ブランチを削除した後に、当該通信中ブランチの有線ブランチを削除することを特徴とするダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法。 - 請求項1または2に記載のダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法において、
前記複数のブランチは、1以上の通信中ブランチを含み、
前記複数のブランチの各々は、前記移動局と前記基地局の1つとの間の無線ブランチ、および前記基地局の1つと前記センタとの間の有線ブランチを備え、
通信中ブランチの数と、追加ブランチ候補の数との合計が、同時に設定できる無線ブランチの最大数を超える場合には、前記センタは、当該センタが同時に処理できる有線ブランチの最大数まで、前記通知された追加ブランチ候補を配置されている順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みることを特徴とするダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法。 - 請求項5に記載のダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法において、
前記複数のブランチは、1以上の削除ブランチ候補を含み、
前記センタは、ダイバーシティ・ハンドオーバのために用いられており、前記削除ブランチ候補に対応する1以上の通信中ブランチを削除し、
前記削除された通信中ブランチを除く通信中ブランチの数と、追加ブランチ候補の数との合計が、同時に設定できる無線ブランチの最大数を超える場合には、前記センタは、当該センタが同時に処理できる有線ブランチの最大数まで、前記通知された追加ブランチ候補を配置されている順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みることを特徴とするダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法。 - 請求項2に記載のダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法において、
前記センタは、1以上の通知された追加ブランチ候補であって、前記ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定の試みにおいて設定されなかった追加ブランチ候補を格納し、
前記移動局は、前記監視した無線状態品質に基づいて、1以上の削除ブランチ候補を選択し、
前記移動局は、前記削除ブランチ候補の通信中ブランチを自律的に解放し、当該通信中ブランチの解放を前記センタに通知し、
前記センタは、前記通信中ブランチの解放を通知された際に、前記格納した追加ブランチ候補をそれらの相対値によって示される順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みることを特徴とするダイバーシティ・ハンドオーバ制御方法。 - ダイバーシティ・ハンドオーバの際に複数の基地局と同時に通信する移動局において、
複数のブランチに対応する無線状態品質を監視する手段と、
1以上の追加ブランチ候補を含む前記複数のブランチの情報をセンタに通知する手段とを備え、
前記移動局は、前記1以上の追加ブランチ候補を、前記監視した無線状態品質の順に配置し、当該追加ブランチ候補を配置した順に前記センタに通知することを特徴とする移動局。 - ダイバーシティ・ハンドオーバの際に複数の基地局と同時に通信する移動局において、
複数のブランチに対応する無線状態品質を監視する手段と、
1以上の追加ブランチ候補を含む前記複数のブランチの情報をセンタに通知する手段とを備え、
前記移動局は、前記追加ブランチ候補の前記監視した無線状態品質に基づいて、ダイバーシティ・ハンドオーバに用いる優先順位を示す、前記追加ブランチ候補の各々の相対値を取得し、前記追加ブランチ候補およびそれらの相対値を前記センタに通知することを特徴とする移動局。 - 請求項9に記載の移動局において、
前記移動局は、前記監視した無線状態品質に基づいて、1以上の削除ブランチ候補を選択し、当該削除ブランチ候補を前記センタに通知し、
前記移動局は、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチをさらに設定する余地があるか否かを判断し、
前記移動局は、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチをさらに設定する余地がある場合には、前記追加ブランチ候補のすべておよびそれらの相対値を前記センタに通知することを特徴とする移動局。 - 請求項10に記載の移動局において、前記移動局は、1以上の削除ブランチ候補があるか、または通信中の無線ブランチの数が、同時に設定できる無線ブランチの最大数よりも小さい場合には、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチをさらに設定する余地があると判断することを特徴とする移動局。
- 請求項9に記載の移動局において、通信中の無線ブランチの数が、同時に設定できる無線ブランチの最大数に等しい場合には、前記移動局は、最も優先順位の低い通信中ブランチの無線状態品質よりも高い無線状態品質を有する追加ブランチ候補であって、両無線状態品質の差が予め定められたしきい値を超える追加ブランチ候補およびそれらの相対値のみを前記センタに通知することを特徴とする移動局。
- 請求項9に記載の移動局において、
前記移動局は、前記監視した無線状態品質に基づいて、1以上の削除ブランチ候補を選択し、
前記移動局は、前記削除ブランチ候補の通信中ブランチを自律的に解放し、当該通信中ブランチの解放を前記センタに通知することを特徴とする移動局。 - 複数の基地局と接続され、これらの基地局を介して移動局と通信を行う移動通信システムのセンタにおいて、
前記移動局から、無線状態品質の順に配置されている1以上の追加ブランチ候補の通知を受ける手段と、
前記通知された追加ブランチ候補を配置されている順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みる手段とを備えることを特徴とするセンタ。 - 複数の基地局と接続され、これらの基地局を介して移動局と通信を行う移動通信システムのセンタにおいて、
前記移動局から、1以上の追加ブランチ候補、およびダイバーシティ・ハンドオーバに用いる優先順位を示す、前記追加ブランチ候補の各々の相対値の通知を受ける手段と、
前記通知された追加ブランチ候補をそれらの相対値によって示される順に用いて、ダイバーシティ・ハンドオーバのための1以上の通信中ブランチの設定を試みる手段とを備えることを特徴とするセンタ。
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