JP3870259B2 - Nitride semiconductor laminate and growth method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、広義には、光デバイス及び電子デバイスに用いられる窒化物半導体結晶の製造方法に関し、狭義には、バッファ層を用いて結晶欠陥密度を低減させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、バンドギャップの大きな半導体材料である窒化物半導体、つまり窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、窒化ボロン(BN)及びそれらの混晶結晶(AlGaN、InGaN等)は、高温高出力電子デバイス及び短波長光素子へ応用可能であることから、多くの関心を集めている。
【0003】
具体的な応用例としては、高出力ヘテロ接合電界効果型トランジスター、青色発光素子及び青色半導体レーザ等の窒化物半導体デバイスである。これらの窒化物半導体デバイスは、比較的窒化ガリウムが良質な結晶が得られやすいため、窒化ガリウムの上にデバイス構造が構築される。つまり基板上に窒化ガリウムをまず成長させ、その上にデバイス構造を構築する。
【0004】
そして、これらのデバイスの高性能化には、高品質な欠陥の少ない結晶製造方法が重要である。その製造方法としては、有機金属化合物気相成長法、ハイドライド気相成長法、分子線エピタキシー法等の結晶成長法が用いられる。
【0005】
有機金属化合物気相成長法は、有機金属とアンモニアを原料ガスとして、それらを高温炉内の基板上で反応させ、窒化物半導体結晶を成長させる方法であり、成長中の炉内の圧力は、常圧もしくは1/10気圧程度である。ハイドライド気相成長法は、臭素等を用いて結晶成長を行う方法であり、主に厚く成長させる場合に用いる。分子線エピタキシー法は、真空中で、原料であるガリウムやアルミニウム等と、窒素プラズマ又はアンモニア等を基板上で反応させて結晶成長させる方法である。
【0006】
高品質な窒化物半導体材料を結晶成長させるためには、厚さが300μmから500μm程度の窒化ガリウムを基板として用いるのが最も望ましいが、現在まだ開発途中であり、用いることが困難である。また将来においても安価に供給されることは困難と予想される。さらに絶縁性が低いため、発光素子構造の製造は可能であるが、電子デバイス構造の製造には不向きである等の問題がある。
【0007】
他に用いることが可能な基板としては、(111)面のシリコン基板や、結晶構造が6H又は4Hの炭化珪素基板、α−サファイアのc面つまり(0001)面を用いた(0001)c面サファイア基板等があるが、現在では主に(0001)c面サファイア基板が用いられる。
【0008】
サファイア基板と窒化ガリウムは、10%以上の格子定数差があるため、直接サファイア基板上に成長させると、局部的にしか成長しない。あるいは全面に成長したとしても、アモルファスに近い非常に格子欠陥密度の高い結晶しか成長できず、半導体デバイスにはとても用いることが出来ない。
【0009】
そこで、サファイア基板上にまず格子定数差を緩衝させるための層(バッファ層)を用いて、良質な結晶を成長させる方法がとられる(下記特許文献1〜5参照)。
【0010】
これは、特殊な成長条件により成長させた薄いAlN及びGaN等をバッファ層として用い、基板及び窒化ガリウム層の間に入れることにより、結晶品質の改善を図る方法である。また、基板に近ければ近いほど、格子欠陥が多いため、欠陥の多いものから少ないものを順番に積層していくという考え方もある(下記特許文献6参照)。
【0011】
バッファ層を成長させる場合に重要なパラメーターとしては、成長温度がある。バッファ層の材料と基板材料との格子定数の差が大きい場合には、温度が高い条件で成長させると、基板表面に均一に成長されず局所的にまばらに成長してしまう現象が起きる。そのため、一般には、まず低い温度でバッファ層を成長させ、その後、温度を上げて半導体デバイス構造を成長させる。
【0012】
この理由は、成長温度が低い場合には供給材料であるGa等の原子が基板上で熱運動により移動する速度が小さくなり、基板全体に均一にバッファ層が形成されやすくなるためである。
【0013】
しかしながら、バッファ層の種類や成長方法によっては、最適な成長温度は異なる。例えば、分子線エピタキシー法のような、真空中での成長法においては、窒化アルミニウムをバッファ層として用いる場合、低温といってもやや高い温度で成長させる。窒化アルミニウムの最適な成長温度は、窒化ガリウムの最適成長温度よりも高いため、低温バッファとして用いる窒化アルミニウムの成長温度が、その上に成長させるデバイス構造の一部である窒化ガリウムの成長温度に近いかそれよりも高い場合もある(下記非特許文献1〜2参照)。
【0014】
このような結晶成長においては、窒化物半導体結晶の物性が深く関係している。また、本願発明の説明にも密接に関係しているため、窒化物半導体結晶の特性について説明する。
【0015】
デバイスの製造に用いられる窒化物半導体結晶は、主に六方晶系の結晶構造(ウルツ鉱型結晶)である。立方晶の窒化物半導体結晶も存在するが、熱力学的に不安定であり実際の応用には用いられない。
【0016】
ウルツ鉱型結晶である窒化物半導体結晶は、同じく六方晶であるα−サファイアと異なり、+c軸方向と、−c軸方向で構成原子の配向が異なり、非対称である。よって、結晶成長を行なうと、成長方向に対して+c軸が向くものと、−c軸が向くものが存在する。
【0017】
成長方向に+c軸が向いているものをIII族面の結晶と呼ぶ。窒化ガリウムの場合には、ガリウム面の結晶、窒化アルミニウムの場合にはアルミニウム面の結晶、窒化インジウムの場合にはインジウム面の結晶と呼んでも良い。一方で、成長方向に−c軸が向くものはV族面の結晶と呼ぶ。または窒素面の結晶と呼んでも良い。
【0018】
そのため窒化物半導体結晶を窒化ガリウム基板以外の基板、例えばサファイア基板上に成長させると、III族面の結晶とV族面の結晶が、混在する可能性がある。事実、多くの場合には、混在してしまう。また低温で成長させたアモルファス状の窒化物半導体結晶は、六方晶以外に立方晶も混在している場合もある。
【0019】
さて熱力学的には、III族面の結晶の方が安定である。つまり高温では、III族面の結晶が優位になる。しかし低温では、V族面も安定であるため混在することになる。
【0020】
また、化学的にもIII族面の結晶の方が安定である。格子欠陥の密度にも依存するが、例えば230℃で保ったリン酸で5〜10分間エッチングするとV族面とIII族面の結晶が混在した結晶は溶解してしまうが、III族面のみの結晶はなかなかエッチングされない。
【0021】
よって、実際のデバイス構造の製造には、全面がIII族面になるようにする。それによって実際の応用に耐えうるデバイスが製造可能となる。
【0022】
実際に、有機金属化合物気相成長法及びハイドライド気相成長法においては、窒化ガリウム及び窒化アルミニウムのいずれをバッファ層として用いても、III族面の良質な結晶が基板全体に均一に得られている。
【0023】
しかしながら、分子線エピタキシー法においては、まだ良質な結晶は得られていない。従来、分子線エピタキシー法においては、主に窒化アルミニウムをバッファ層として用いている。これによりIII族面の結晶を成長させることは可能であるが、欠陥密度が多く、未だ実用に供されることはない。
【0024】
【特許文献1】
特開平10-294492
【特許文献2】
特公昭59-48794
【特許文献3】
特許第3,026,087号
【特許文献4】
米国特許第 5,290,393号明細書
【特許文献5】
米国特許第6,270,574号明細書
【特許文献6】
米国特許第6,261,931号明細書
【非特許文献1】
S. Yoshida, S. Misawa, and S. Gonda: Appl. Phys. Lett. 42 (1983) 427.
【非特許文献2】
X. Q. Shin, T. Ide, S. H. Cho, M. Shimizu, S. Hara, H. Okumura, S. Sonoda and S. Shimizu: Jpn. J. Appl. Phys. 40 (2001) L23.
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明が解決しようとする課題は、分子線エピタキシー法においても、高品質な結晶を成長させることが可能な結晶成長方法を提供することである。
【0026】
従来の技術で述べた低温成長窒化ガリウムバッファ及び窒化アルミニウムバッファを用いた結晶成長方法は、有機金属化合物気相成長法を用いた場合に有効であったが、分子線エピタキシー法を用いた場合には効果がなかった。
【0027】
まず、窒化ガリウムをバッファ層として用いる方法は、分子線エピタキシー法で用いても良質な結晶が得られない。実際に低温成長窒化ガリウムをバッファ層として成長させ、走査電子顕微鏡(SEM)又は原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察すると表面は平坦でなかった。
【0028】
これは、低温で成長させた窒化ガリウムのバッファ層中には、III族面の結晶とV族面の結晶が混在しており、分子線エピタキシー法は、成長温度が低いためV族面の結晶も安定して成長し続けるためである。
【0029】
分子線エピタキシー法は、真空中での結晶成長法であるため、温度を上げるとガリウム金属等の再蒸発が起こる。その結果成長温度をあまり高くすることは不可能であり、800℃程度以下にする必要がある。
【0030】
これは有機金属化合物気相成長法の場合と比較してみれば明らかである。成長中の圧力が常圧もしくは1/10気圧程度の有機金属化合物気相成長法においては成長温度は約1000℃以上であり、分子線エピタキシー法の成長温度よりも200℃以上も高い。その結果、有機金属化合物気相成長法で成長させる場合には、バッファ層で一度形成されたV族面の結晶は、熱力学的に安定なIII族面の結晶にとって代わられる。
【0031】
しかしながら分子線エピタキシー法においては、V族面の結晶は比較的安定に存在し続けることになる。その結果分子線エピタキシー法で窒化ガリウムをバッファ層として用いて成長させた窒化ガリウムの表面は、III族面の結晶とV族面の結晶が混在することになり、非常に荒れた表面となる。
【0032】
以上で述べたように、低温成長させた窒化ガリウムをバッファ層として用いる方法は、分子線エピタキシー法による結晶成長では用いることが出来なかった。
【0033】
また窒化アルミニウムをバッファ層として用いた場合でも分子線エピタキシー法では良い結晶が得られない。その理由について述べる。
【0034】
窒化アルミニウムバッファについては、低温で成長させた場合と高温で成長させた場合でその特性が異なる。約800℃以下の低温で窒化アルミニウムを成長させると、やはりV族面の結晶が混在してしまう。その結果、III族面の結晶の間にV族面が入りこみ、荒れた結晶表面となる。
【0035】
一方で、約800℃以上の高温で窒化アルミニウムを成長させると、V族面は、熱力学的に不安的であるため成長初期段階から排除されるが、バッファ層として成長させた窒化アルミニウム層は直径約0.1μm程度のグレインからなる層を形成してしまい、非常に貫通転移等の欠陥の多い結晶になってしまう。例えば単位平方cmあたり10の10乗個以上の貫通転移等の欠陥を含む結晶となってしまう。
【0036】
このような結晶表面は、走査電子顕微鏡又は光学顕微鏡により観察する限りは平坦であるが、原子レベルでは全く平坦ではなく、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察すると、高い密度の貫通転移と、0.5 nm〜2 nm程度の細かい凹凸からなる表面である。そのため、電子デバイスの動作に必要な二次元電子ガスを形成することがほぼ不可能である。
【0037】
つまり、窒化アルミニウムを用いた場合には、最適条件がなく、V族面が混在した、荒れた表面の結晶となるか、あるいは、表面が平坦でも貫通転移の多い結晶となるかどちらかである。
【0038】
以上述べたように、低温GaNバッファを用いた場合でも、窒化アルミニウムをバッファ層として用いた場合にも、いずれも分子線エピタキシー法による成長では、良好な結晶が得られない。
【0039】
また分子線エピタキシー法において、以上で述べた様に最適なバッファ層の成長方法がない理由は、成長温度が低いためV族面の結晶がそのまま成長し続けるという問題点があるためだけでなく、同じIII族面のグレインであって隣り合って存在していても分離したまま成長し続けるという問題点もあるためである。
【0040】
例えば、分子線エピタキシー法を用いて、高温で成長させた窒化アルミニウムのバッファ層上に窒化ガリウムを成長させると、基板全体にわたってIII族面の結晶になっているが、実際には直径が0.1μm程度のグレインに完全に別れた構造を形成しており、結晶成長の膜厚を厚くしても、グレイン構造は、完全には消滅せずに、残存してしまう。
【0041】
隣り合いながらも、個々のグレインが結合せずに存在するのは、個々のグレインの結晶方位が異なっており、その間に結晶欠陥が存在するからである。このようなグレインが存在すると、ステップフロー成長と呼ばれるところの良好な結晶成長モードとはかけ離れた結晶成長になってしまい、その結果、欠陥密度の高い結晶になってしまう。
【0042】
この状況は、有機金属化合物気相成長法における場合と大きく異なる。有機金属気相法においては成長温度が高いため、グレインとグレインが結合しやすく、成長すればするほど欠陥の密度が低減する。結晶欠陥の密度は、基板とその上の窒化物半導体結晶の界面近辺がもっとも高く、窒化物半導体結晶の成長膜厚を増やすに従って欠陥密度が減少する。この現象は、成長膜厚を厚くするに従って欠陥同士が打ち消し合う、もしくは多数の欠陥が一つになる、という効果にもよるが、結晶の粒(グレイン)が結合しやすいという効果による所が大きい。
【0043】
以上のように、分子線エピタキシー法においては、成長温度が低いためにV族面の結晶が混在し、欠陥密度が高く、グレイン構造が存在する等の欠点がある。しかしながら、真空中での成長であるため、基板面内での膜厚の均一性が高い、急峻なヘテロ界面の形成が可能、原子層オーダーで膜厚制御が可能等の利点もあり、今後量子効果を利用した光電子デバイス構造の製造には重要な結晶成長方法である。
【0044】
よって、本願発明が解決する課題は、分子線エピタキシー法を用いても、V族面の結晶の混入がなく、グレイン構造が存在せず、結晶表面がステップ状になっている良質な結晶を成長させることである。
【0045】
【課題を解決するための手段】
窒化物半導体結晶は、ウルツ鉱型結晶であり、+c軸方向と−c軸方向で対称ではないため、III族面とV族面の結晶がある。そのため格子定数の異なるサファイア基板や炭化珪素基板等の異種基板上に成長させる場合には、基板全体を覆うように低温で成長させると、III族面とV族面の結晶が混在してしまう。一方で、高温でいきなり成長させると、結晶は基板上に局所的にしか成長せず、しかも結晶方位はばらばらになる。
【0046】
また従来の技術の方法(上記特許文献1及び4参照)の様に、単に成長温度を上下させるだけでは、分子線エピタキシー法においては良質な結晶を得ることは不可能である。例えば、低温で成長させた窒化ガリウムのバッファ層は、V族面とIII族面を含んでいる。その上に高温で成長させようとしても、温度に限界があるため、V族面の結晶とIII族面の結晶の両方に結晶成長が行なわれてしまい平坦な結晶は得られない。
【0047】
そこで、本願発明においては、バッファ層の膜厚を分割して低温で成長させ、各々を成長させるごとに熱処理を加える方法を提供する。図1に、本願発明の方法を図示する。
【0048】
分子線エピタキシー法においては、成長温度を上げることは原料金属の再蒸発等があるため現実的ではない。しかしながら、熱処理の温度を上げることは可能である。熱処理の温度にも依存するが適切な時間熱処理を行なうことにより、層厚が薄い場合には、V族面の結晶をIII族面の結晶に変換させることができる。また、低温で成長したバッファ層中には、立方晶の結晶も含まれるが、これも熱処理によりIII族面の結晶に変換される。
【0049】
これは、熱処理によって、高温で最も安定な結晶の配位、つまりIII族面の結晶に再配列もしくは変換される現象である。この現象には、マストランスポート等の現象が関係していると考えられるが詳細は未だ判明していない。
【0050】
この熱処理の効果を最大限に引き出すためには、特に、分割したバッファ層の膜厚が重要である。膜厚が厚い場合にはV族面の結晶はなかなかIII族面の結晶に変化しない。通常、数分以内に変化する程度の膜厚を選ぶ必要がある。
【0051】
そのため、まず熱処理によりV族面の結晶がIII族面の結晶に十分変化する程度の薄い膜を低温で成長させる。その後、基板温度を上げて、熱処理を行なう。熱処理の温度と膜厚が適切ならば、現実的に許容できる時間、例えば2〜3分以内にV族面の結晶はIII族面の結晶に変化する。
【0052】
結晶膜厚が薄い場合には、立体的に局所的に成長している可能性もある。そのため、膜と呼ぶにはふさわしくないが、低温で成長しているため十分に均等に基板表面に分散して成長していると考えられる。
【0053】
熱処理の後、再び低温に下げて、分割された厚さの薄いバッファ層を成長させ、再び熱処理を施す。このように低温での薄いバッファ層の成長と、高温での熱処理を繰り返すことにより、十分基板全体がIII族面のバッファ層におおわれるようにする。たとえば、総合したバッファ層の厚さが20nm程度以上になるようにする。
【0054】
また分割して成長させるバッファ層の厚さは同じである必要はない。異種基板上に成長させる場合は最初の成長時に最もV族面の結晶が入り込むため、最初に成長させるバッファ層の厚さは薄くする必要がある。しかし何回か、薄いバッファ層の成長と熱処理を繰り返した後には、基板上のかなりの部分がIII族面のバッファ層に覆われているため、低温で成長させるバッファ層の膜厚をやや厚くしても良い。
【0055】
このような方法により成長させることにより、成長に用いる基板のc軸方向と、その上に成長させる窒化物半導体結晶のc軸方向を、きちんと合わせることが可能である。これは分割して成長させたバッファ層が薄ければ、熱処理によってもっとも安定な形態つまりc軸がそろった形態になりやすいためである。
【0056】
その結果、個々のグレインの結晶軸の方位を非常に整って配向させることが可能となり、成長温度の低い分子線エピタキシー法において成長させても、グレインが結合しやすくなる。つまり、c軸方向がそろったグレインはやがて結合して大きなグレインを形成し、最後には、基板全体にわたって結合し、グレインが存在しない良質な結晶となりうる。
【0057】
以上の方法を用いれば、分子線エピタキシー法を用いても、V族面結晶の混入のない、グレイン構造のない高品質な窒化物半導体材料の成長が可能となる。
【0058】
当然のことながら、熱処理を行ないながら、分割してバッファ層を成長させる成長方法は、分子線エピタキシー法のみならず、他の有機金属化合物気相成長法や、ハイドライド成長法でも用いることが可能である。これらの成長方法においても、成長温度よりも熱処理の温度を上げることが可能なため、本願発明の方法を用いることにより、従来の方法よりも結晶品質を向上させることが可能である。
【0059】
つぎに、バッファ層の材質について述べる。
【0060】
実際に用いるバッファ層の材質としては、現状では、窒化ガリウムが最も扱いやすい。これは、窒化ガリウムが、分子線エピタキシー装置に備えられている基板ヒーターの到達温度範囲内で比較的簡単に熱処理によりV族面の結晶がIII族面の結晶に変化するからである。
【0061】
これは、窒化ガリウムのマストランスポートする温度特性も関係していると考えられ、マストランスポート等の現象により熱処理によりV族面とIII族面の混在した小さなグレインからなるバッファ層が、大きなIII族面のグレインからなるバッファ層に変化すると考えられる。
【0062】
さらに窒化ガリウムをバッファ層として用いる時には、インジウムを添加もしくは照射することにより、熱処理の効果を上げることが可能である。
【0063】
インジウムは、熱処理により再蒸発する。しかし、V族面の窒化ガリウムをIII族面の窒化ガリウムに効率良く再配列することが可能である。
【0064】
また、窒化インジウムをバッファ層として用いる場合については、窒化インジウム自体が現在最も多く使われる窒化ガリウムの成長温度で不安定なため、バッファ層に用いるべきではない。しかしながら、その上に成長させる構造が、窒化インジウムの安定な温度範囲内ならばバッファ層として用いることも可能と考えられる。
【0065】
一方、窒化アルミニウムは、基板ヒーターの到達温度の範囲内で安定であり、なかなかV族面からIII族面に変化しない。あるいはIII族面の結晶に変化しても大きなグレインにならない。つまり窒化アルミニウムは、窒化ガリウムに比較してマストランスポート等も起きにくいと考えられる。
【0066】
よって熱処理を施すことにより若干の特性は向上するものの、小さなグレインからなるバッファ層が大きなグレインからなるバッファ層に変化することはなく、大きな改善は見られない。
【0067】
しかしながら、今後基板加熱方法の改良等により基板ヒーターの到達温度が向上すれば、窒化アルミニウムのマストランスポートも可能となり、高温での熱処理により、グレイン構造を大きくできるか、又はすべてのグレインが結合した良質なバッファ層を形成できると考えられる。
【0068】
窒化ボロンについては、ウルツ鉱型よりも六方晶型が安定である。そして六方晶の窒化ボロンは+c軸方向と−c軸方向に区別がない。そのため、窒化ボロンをバッファ層として用いる場合には、アモルファス状の窒化ボロンを低温で成長させ、その後熱処理を施す行程を繰り返すことになる。
【0069】
しかしながら、窒化ボロンは、窒化アルミニウム以上に安定であり、再配列又はマストランスポートを起こす温度まで昇温することが出来ない。今後、ヒーターの改造、昇温方法の改良等により可能になる事もあると考えられる。
【0070】
つぎに基板について述べる。
【0071】
サファイアを基板として用いる場合には、特に注意を払う必要がある。分子線エピタキシー法においては、サファイア基板をまず窒化した後に結晶成長を行なう。この窒化プロセスは、窒素源を基板表面に供給することにより行なわれるため、窒素のみが供給される状況、つまり窒素が過剰な状況でのプロセスである。
【0072】
このように窒素、つまりV族原子の供給が過剰な状況では、V族面の結晶はより安定となる。よって、サファイア基板表面は、V族面の窒化アルミニウムに覆われることになり、この上に成長させる窒化物半導体結晶をV族面の結晶にしてしまう大きな原因の一つである。これは、分子線エピタキシー法により良い結晶が出来なかった原因の一つである。
【0073】
特に低温窒化においては注意が必要である。サファイア基板は、高温状態で真空中において安定でないため、平坦な表面を得るために、低温窒化とよばれるプロセスを行なう方法がある。低温窒化とは、基板温度を約200℃以下にたもち、サファイア基板表面に、窒素プラズマを照射することにより、サファイア基板表面に極薄い窒化アルミニウムの層を形成する技術である。
【0074】
この場合には、低温で窒化アルミニウムを形成しているため、サファイア基板表面全体がV族面の窒化アルミニウムとなっており、V族面の結晶成長を強く助長してしまうことになる。そのため、低温で最初の薄い窒化物半導体のバッファ層を成長させる前に、熱処理を必ず行なう必要がある。この場合の熱処理の温度としては900℃以上、できれば1000℃以上が望ましい。
【0075】
また、本願発明の方法は、サファイア基板のみならず炭化珪素基板、シリコン基板等においても有効と考えられる。なぜならば、それ等の基板を用いた場合にも、III族面とV族面の結晶が混在してしまうからである。よって本願発明の方法により、III族面の結晶になるように制御する事が可能となる。
【0076】
また、本願発明の方法は、窒化物半導体上に格子定数の異なる他の窒化物半導体を成長させる場合も有効である。例えば窒化アルミニウム上に窒化ガリウムを成長させる場合に本願発明の方法を用いれば、結晶欠陥密度を低減させることが出来る。
【0077】
【発明の実施の形態】
ここでは、分子線エピタキシー装置を用いて、サファイア基板上に熱処理を行ないながら分割して窒化ガリウムのバッファ層を成長させ、その上に窒化ガリウムを成長させる方法について述べる。窒化ガリウム以外の窒化物半導体材料も原理的にはバッファ層として用いることが可能である。
【0078】
窒化物半導体の成長には、成長室や基板搬送室、基板搬入室からなる分子線エピタキシー装置を用いる。このような3室構成の真空チャンバーを用いれば、搬入時に大気にさらすのは、基板搬入室だけである。さらに、基板搬入室と成長室の間に基板搬送室があるため、水分等が成長室に混入するのを最小限にすることが出来る。
【0079】
本願発明の実施例においては、リベール社製MBE32を用いた。また成長室は、イオンポンプと油拡散ポンプを装備したものを用いた。成長中は油拡散ポンプで真空引きした。発明の実施の形態で述べる成長条件等は装置によって異なるため、実際に行なう場合には条件出しを行なう必要があり、注意を要する。
【0080】
III族の原料となるガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)等は、成長室内真空中で、Kセルを用いて成長基板に供給する。Kセルは、原料であるGa、Al、In等を、PBN製のルツボに入れて熱し蒸発させて供給するものである。またV族の原料としては原子状窒素(窒素プラズマ)を用いる。そのため、radio frequency(rf, 13.56 MHz)によりプラズマを発生できるrfプラズマセルを用いる。これは、高純度の窒素を成長室内真空中でプラズマ状にし成長基板に供給するものである。
【0081】
窒化物半導体結晶成長の場合には、成長中に結晶表面の状態をモニターする必要があるが、そのためには高速反射電子線回折(RHEED)を用いる。RHEEDのパターンの形状およびその明暗により、基板表面での再配列や、平坦性について、情報を得ることが可能である。
【0082】
成長基板としては、c面のサファイア基板(0001)を用いる。基板の加熱方法としては、サファイア基板は透明なので、裏面にモリブデン(Mo)等(厚さ500nm以上)を蒸着させたものを用いる。前処理でリン酸を用いたエッチングを行なうため、リン酸で溶解しない金属を選ぶ必要がある。Moがふさわしい。基板購入後に裏面にまずMo等を蒸着した後に、以下に述べるような前処理を行なう。
【0083】
成長基板は、基板搬入室内に搬入する前に、前処理を行なう。有機溶媒を用いて油分を取り去った後に、市販のオルトリン酸と硫酸の1:3の混合液を用いて表面をエッチングする。この時、混合液の温度は110℃、エッチング時間は30分にする。
【0084】
リン酸によるエッチングでは、その条件により基板の平坦性は大きく異なる。リン酸によるエッチングの条件を最適化すれば、表面は極めて平坦になる。その状態では、サファイアのc軸方向の原子間隔に応じたステップのみがほぼ平行にならんだ状態になる。このようなステップ状の表面を出すことが重要である。
【0085】
エッチング後に基板を、分子線エピタキシー装置付属の基板ホルダーに取り付ける。分子線エピタキシー装置の基板搬入室に搬入し、十分に真空引きする。その後、成長基板が取り付けられた基板ホルダーを、基板搬送室を通過させた後に、成長室内の基板加熱ヒーターに取り付ける。熱処理等の温度が高いため、裏面に蒸着したMoを直接ヒーターで加熱できるようになっている必要がある。
【0086】
図2に、分子線エピタキシー装置内に搬入後のプロセスについて図示する。
まず、サファイア基板表面の数分子層の酸化アルミニウムを、窒化アルミニウムに変化させる。この処理は、窒化とよばれ、いかに平坦に表面を窒化するかが重要である。これには、サファイア基板の温度を低くしたまま(目安としては基板裏側に取り付けられた熱電対で約200℃以下)、サファイア基板の表面にrfプラズマセルにより発生させた原子状窒素を照射する。rfプラズマセルへの高純度窒素の流量は1 sccm、rfプラズマセルへのrfパワーは380W、照射時間は2時間である。また以後のプロセスにおいても、窒素の流量とrfプラズマのパワーは、この条件を用いた。
【0087】
このようにサファイア基板を低温に保ったまま、原子状窒素(窒素プラズマ)を照射することにより、プラズマによるダメージが生じることなく、サファイア基板表面を平坦に窒化できる。また表面の数原子層が、酸化アルミニウムから窒化アルミニウムに変化することは、RHEEDを用いて確認できる。酸化アルミニウムと窒化アルミニウムは格子定数が異なるため、表面が窒化アルミニウムに変化するとRHEEDのパターンが変化する。
【0088】
つぎにrfプラズマの照射を止め、基板温度を1000℃以上に上げて熱処理を行なう。この過程で、V族面の窒化アルミニウムは、III族面の窒化アルミニウムに変化する。またこの過程でRHEEDの明暗に若干の変化がある。低温で窒化した直後は、窒素プラズマのみが基板表面に供給されていたためと、温度が低いため、V族面の窒化アルミニウムとIII族面の窒化アルミニウムが混在していると考えられる。しかし温度を上昇させて熱処理を行なうと基板上のすべての窒化アルミニウムがIII族面の結晶に再配列される。よってRHEEDが若干明るくなる。
【0089】
またサファイア基板自体が、真空中の高温であまり安定でないため熱処理は、可能な限り短時間で済ませる。実際には、基板上の窒化アルミニウムの厚さは、非常に薄いため、短時間の熱処理で十分に再配列可能である。事実、100℃/分の温度上昇時間で1000℃以上に上げた後にすぐに降温しても十分に効果があった。
【0090】
次に、バッファ層の成長に適している温度に下げる。基板表面での原料金属Gaの移動(マイグレーション)が十分に抑えられ、一方で窒化ガリウムが成長できる温度とする。本願発明で用いた成長温度は、約600℃である。ガリウムのKセルのシャッターを開け、窒素プラズマを供給して成長させる。ガリウムのKセルの温度は900℃とした。この時の成長レートは、約300nm/時である。
【0091】
インジウムをバッファ層中に添加する場合には、ここでインジウムも同時に基板に供給する。インジウムの供給量は、ガリウムの供給量の10%程度でよい。
【0092】
ここで一回ごとのバッファ層の成長膜厚と、熱処理の温度は、密接に関係しており、注意を要する。再配列が現実的に実行可能な短時間で行なわれるか否かは、熱処理の温度と膜厚に依存するためである。
【0093】
本願発明で用いた装置では、基板温度の最高到達温度が約1050℃であった。最高温度近辺に昇温するには時間がかかるため、熱処理の温度と時間は、約1000℃、20秒とした。この条件では、5nm以上成長させると、V族面の結晶と思われる箇所が残ってしまった。そのため分割して成長させる窒化ガリウムの膜厚を4nm以下とした。
【0094】
一方で、熱処理の温度をもっと高くできる場合には、分割して成長させるバッファ層の厚さをもっと厚くすることが可能である。これについては、装置ごとに到達温度が異なるため条件出しを行なう必要がある。
【0095】
また熱処理を行っている最中にインジウムを照射すると、熱処理を効率良く行うことが可能である。照射量としては、成長中にインジウムを添加する場合と同程度で良い。添加もしくは照射したインジウムは、熱処理の温度が高いため、再蒸発していると考えられる。
【0096】
以上で述べたように、分割された厚さの薄いバッファ層の成長とその熱処理を繰り返すことにより、全バッファ層の総合した膜厚が20nmになるようにする。そのため4nmづつ成長させる場合には、5回に分けて成長させる必要がある。
【0097】
しかしすべて同じ厚さにする必要はない。最初の数回は薄くする必要があるが、その後は、徐々に膜厚を増やしても結果に大きな変化はない。例えば、最初の層の膜厚から、2nm、3nm、4nm、5nm、6nmと増やしても良好な結果が得られる。
【0098】
分割して最後のバッファ層の熱処理を終えた後は、窒化ガリウムを成長させる。そのため基板温度を窒化ガリウムの成長温度に設定しなおす。窒化ガリウムの成長時の基板温度は800℃を用いた。
【0099】
この温度では、原料金属であるガリウムの再蒸発が起こるため、ガリウムの供給量を増やす必要がある。ガリウムのセルの温度としては、970℃とした。また基板と同じところに位置する真空計、つまり、フラックスモニターと呼ばれる真空計を用いて、ガリウム蒸気の圧力を測定したところ、約7×10-7 Torr程度であった。成長レートは、やはり約300nm/時である。この条件では、ガリウムの供給量の内60%〜70%が再蒸発していると考えられる。
【0100】
このようにして窒化ガリウムを0.6〜1μm以上成長させると欠陥の少ない窒化ガリウム結晶が得られる。良質な結晶においては、結晶表面は、窒化ガリウムのc軸方向の原子間隔に相当するステップが並んだ構造となる。このようなステップが表面を覆っている状態での成長は、ステップフロー型の成長と呼ばれる。このような状態では、結晶膜厚を厚くするほど欠陥密度が減少する。しかしながら、サファイア基板と窒化ガリウム基板は、熱膨張係数が異なるため、成長膜厚としては、4μm以下にする。
【0101】
ヘテロ接合電界効果型トランジスター等の半導体デバイス構造を成長させるには、この上に、ヘテロ構造を成長させる。たとえばアルミ組成比xが0.2程度の窒化アルミニウムガリウム(AlxGa1-xN)を厚さ20nm程度成長させれば良い。それによってヘテロ接合部分、つまり窒化ガリウムと窒化アルミニウムガリウムの界面に2次元電子ガスを形成できる。ドーピング濃度等のデバイス構造の詳細については本願発明の範囲以外なので詳細は述べない。
【0102】
また、上記発明の実施の形態においては、分子線エピタキシー装置を用いた場合について述べたが、有機金属化合物気相成長法等の他の成長装置を用いても原理的には同じである。しかしながらそれぞれ条件を適切に変化させる必要がある。特に、窒素流量、基板温度、成長膜厚等の成長条件については、用いる結晶成長装置が変わると変化する。
【0103】
また、アンモニアを窒素源と用いる場合には、アンモニアに水素原子が含まれるため注意が必要である。熱処理等を行なう最中には、アンモニアにより結晶の再蒸発が起こる可能性があるため、アンモニアの供給を止める又は減ずる必要があると予想される。一方で熱処理の効果が助長される場合もある。これについては、結晶成長方法によって異なるため条件出しを行う必要がある。
【0104】
水素を混入させて成長させる場合には、水素によって熱処理の効果が助長されるため、条件が異なる。
【0105】
また、本願発明は、サファイア基板以外の炭化珪素基板又はシリコン基板を用いた場合にも有効である。ただしサファイア基板を用いた場合と同様に、成長前に基板表面を原子層オーダーで平坦にする必要がある。これらの基板の前処理方法については、公知の方法により基板の前処理等を行なえば良い。
【0106】
また、V族原子として窒素以外のAs、P等を含む結晶成長においても、六方晶の結晶成長である限りは、本願発明によるバッファ層の形成方法を用いて成長させる事が可能である。
【0107】
【発明の効果】
発明の効果については、以上の説明においても述べた。最も重要な点は、分子線エピタキシー法を用いても、低温薄膜成長と熱処理を繰り返してバッファ層を形成する本願発明の方法を用いれば、基板と垂直方向つまりc軸方向の結晶方位が厳密に配向し、さらにグレイン構造が消滅し、ステップフロー成長と呼ばれる成長モードになることである。その結果、従来の窒化アルミニウム単層バッファ層を用いた場合に比較して、らせん転移や面欠陥等の結晶欠陥を大幅に低減できる。
【0108】
また、このように成長させる窒化物半導体結晶のc軸の方位は、基板の基板と垂直な結晶軸の方位に厳密に合っているので、結晶表面のステップ間隔やステップの方向を、基板の表面状態によって制御することが出来る。
【0109】
例えばサファイア基板を用いた場合には、サファイア基板表面が(0001)c面であれば成長させた窒化物半導体結晶のステップ間隔は広くなる。一方でサファイア基板表面が(0001)c面から例えば0.5°ほど傾斜している基板、つまりオフ基板と呼ばれる基板を用いれば、成長させた窒化物半導体結晶のステップ間隔は狭くなる。このような基板を用いることにより、ステップ間隔、ステップの方位等を制御することも可能となる。
【0110】
さらにステップ間隔を狭くすれば、熱力学上の表面エネルギーの関係から、例えば小さなグレインが仮に残っていたとしても消滅させることが可能となり、結晶欠陥の低減につながる。
【0111】
以下実際に分子線エピタキシー法を用いて成長した結果について述べる。
【0112】
X線回折を用いてc軸方向の結晶配向性を測定することが可能な方法として、X線を基板面垂直の方向つまりc軸に対称に反射させる方法がある。これはωスキャンという方法である。格子欠陥が多数存在すると、らせん転移や面欠陥等により結晶方位が局所的にばらばらになり、X線の回折する方位にずれが生じる。そして、X線ピークの幅が広くなる。そのためc軸方向の配向のみならず、欠陥密度等も調べることが可能である。
【0113】
本願発明の方法により、窒化ガリウムをバッファ層として用いて、サファイア基板上に成長させた厚さ約0.8μmの窒化ガリウムの結晶をX線回折を用いて測定した。その結果、半値全幅は50arcsec〜60arcsecであった。MOCVD法で成長させた場合には、通常100〜200 arcsec以上あり、非常に狭い。
【0114】
50arcsecは0.00025ラジアンであり、1万個分原子が並んでいる時に、ようやっと2〜3個横にずれる程度である。よって個々のグレインの方向がそろっているため、グレイン同士が結合し、結晶表面がステップ構造となる。さらにステップフロー成長と呼ばれる成長モードになり欠陥が減少する。
【0115】
実際に成長した結晶の表面構造を調べるために、本願発明の方法により成長させた同じく厚さ約0.8μmの結晶の表面を原子間力顕微鏡を用いて測定した。5μm四方について測定した結果、測定した全面で、段差(ステップ)からなるステップ構造が観測された。これは、基板と垂直方向、つまりc軸方向の原子の間隔に相当するステップであり、良質な結晶成長が行なわれていることが分かった。また2インチ基板のすべての部分で同様の測定結果が得られ、基板全体にわたって、良質な結晶が得られることが分かった。
【0116】
従来の方法により成長させた窒化ガリウムの表面も、原子間力顕微鏡を用いて測定した。測定した結晶の窒化アルミニウムバッファ層の成長温度は750℃、膜厚は200nmである。その上の窒化ガリウムの成長温度は800℃、膜厚は0.5μmである。1μm四方に拡大して測定したが、きちんとしたステップは見られなかった。これは窒化アルミニウムをバッファ層として従来の方法で成長すると貫通転移等の結晶、欠陥が高密度で入るためである。
【0117】
また、同じく本願発明の方法により成長させた窒化ガリウムの電気特性を測定した。ノンドープの場合においては、N型であり、バックグラウンドのキャリア密度は5×1016cm-3以下であり、移動度は100cm/Vs以上であった。従来の方法を用いてrfプラズマを窒素源として成長した場合には、欠陥密度が高いため極めて高抵抗であり、測定不能であった。
【0118】
以上で分かるように、本願発明の方法を用いれば分子線エピタキシー法を用いても高品質の窒化物半導体結晶を得ることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の成長方法
【図2】 窒化ガリウムをバッファ層として用いる場合の本願発明の成長方法[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates generally to a method for manufacturing a nitride semiconductor crystal used in an optical device and an electronic device, and in a narrow sense relates to a method for reducing crystal defect density using a buffer layer.
[0002]
[Prior art]
In recent years, nitride semiconductors, which are semiconductor materials with a wide band gap, that is, gallium nitride (GaN), aluminum nitride (AlN), indium nitride (InN), boron nitride (BN), and mixed crystals thereof (AlGaN, InGaN, etc.) Has attracted much interest because it can be applied to high-temperature, high-power electronic devices and short-wavelength optical devices.
[0003]
Specific application examples include nitride semiconductor devices such as high-power heterojunction field effect transistors, blue light emitting elements, and blue semiconductor lasers. In these nitride semiconductor devices, since a crystal having relatively good quality is relatively obtained from gallium nitride, a device structure is constructed on gallium nitride. That is, gallium nitride is first grown on a substrate, and a device structure is constructed thereon.
[0004]
In order to improve the performance of these devices, a high-quality crystal manufacturing method with few defects is important. As the production method, a crystal growth method such as an organic metal compound vapor phase growth method, a hydride vapor phase growth method, or a molecular beam epitaxy method is used.
[0005]
The organometallic compound vapor phase growth method is a method in which an organic metal and ammonia are used as source gases to react them on a substrate in a high temperature furnace to grow a nitride semiconductor crystal, and the pressure in the growing furnace is Normal pressure or about 1/10 atm. The hydride vapor phase growth method is a method of crystal growth using bromine or the like, and is mainly used when growing thickly. The molecular beam epitaxy method is a method of growing crystals by reacting gallium, aluminum, or the like as a raw material with nitrogen plasma or ammonia on a substrate in a vacuum.
[0006]
In order to grow a high-quality nitride semiconductor material, it is most desirable to use gallium nitride having a thickness of about 300 μm to 500 μm as a substrate, but it is still under development and is difficult to use. In the future, it will be difficult to supply cheaply. Further, since the insulating property is low, the light emitting element structure can be manufactured, but there is a problem that it is not suitable for manufacturing an electronic device structure.
[0007]
Other usable substrates include a (111) plane silicon substrate, a silicon carbide substrate having a crystal structure of 6H or 4H, and a (0001) c plane using α-sapphire c-plane (0001) plane. Although there are sapphire substrates, a (0001) c-plane sapphire substrate is mainly used at present.
[0008]
Since the sapphire substrate and gallium nitride have a lattice constant difference of 10% or more, they grow only locally when grown directly on the sapphire substrate. Alternatively, even if grown on the entire surface, only crystals with a very high lattice defect density close to amorphous can be grown, and cannot be used for semiconductor devices.
[0009]
Therefore, a method of growing a high-quality crystal on a sapphire substrate by first using a layer (buffer layer) for buffering the lattice constant difference is employed (see Patent Documents 1 to 5 below).
[0010]
This is a method for improving crystal quality by using thin AlN, GaN, or the like grown under special growth conditions as a buffer layer and placing it between a substrate and a gallium nitride layer. In addition, since the closer to the substrate, the greater the number of lattice defects, there is a concept of stacking the ones with the largest number of defects in order (see Patent Document 6 below).
[0011]
An important parameter for growing the buffer layer is the growth temperature. When the difference in lattice constant between the material of the buffer layer and the substrate material is large, if the growth is performed under a high temperature condition, a phenomenon occurs in which the growth is locally sparse instead of being uniformly grown on the substrate surface. Therefore, in general, the buffer layer is first grown at a low temperature, and then the temperature is raised to grow the semiconductor device structure.
[0012]
This is because when the growth temperature is low, the speed of movement of atoms such as Ga, which is a supply material, due to thermal motion on the substrate decreases, and a buffer layer is easily formed uniformly on the entire substrate.
[0013]
However, the optimum growth temperature differs depending on the type of buffer layer and the growth method. For example, in a growth method in a vacuum such as a molecular beam epitaxy method, when aluminum nitride is used as a buffer layer, the growth is performed at a slightly high temperature even if it is a low temperature. Since the optimal growth temperature of aluminum nitride is higher than the optimal growth temperature of gallium nitride, the growth temperature of aluminum nitride used as a low-temperature buffer is close to the growth temperature of gallium nitride that is part of the device structure grown on it Or higher than that (see Non-Patent Documents 1 and 2 below).
[0014]
In such crystal growth, the physical properties of nitride semiconductor crystals are closely related. Further, since it is closely related to the description of the present invention, the characteristics of the nitride semiconductor crystal will be described.
[0015]
Nitride semiconductor crystals used for manufacturing devices are mainly hexagonal crystal structures (wurtzite crystals). Although cubic nitride semiconductor crystals exist, they are thermodynamically unstable and are not used in actual applications.
[0016]
Unlike α-sapphire, which is also a hexagonal crystal, a nitride semiconductor crystal, which is a wurtzite crystal, is asymmetric because the orientation of constituent atoms is different in the + c-axis direction and the −c-axis direction. Therefore, when crystal growth is performed, there are those in which the + c axis faces the growth direction and those in which the −c axis faces.
[0017]
A crystal whose group has a + c axis in the growth direction is called a group III plane crystal. In the case of gallium nitride, it may be called a gallium face crystal, in the case of aluminum nitride, an aluminum face crystal, or indium nitride, an indium face crystal. On the other hand, the crystal with the −c axis facing the growth direction is called a crystal of a group V surface. Or you may call it the crystal | crystallization of a nitrogen surface.
[0018]
Therefore, when a nitride semiconductor crystal is grown on a substrate other than a gallium nitride substrate, for example, a sapphire substrate, a group III surface crystal and a group V surface crystal may be mixed. In fact, in many cases it is mixed. In addition, amorphous nitride semiconductor crystals grown at a low temperature may contain cubic crystals in addition to hexagonal crystals.
[0019]
In terms of thermodynamics, a group III crystal is more stable. In other words, at high temperatures, crystals of group III planes are dominant. However, at low temperatures, the V group surface is also stable and mixed.
[0020]
In addition, the group III crystal is more stable chemically. Although it depends on the density of lattice defects, for example, if the etching is carried out with phosphoric acid kept at 230 ° C. for 5 to 10 minutes, the crystals in which the crystals of the group V plane and the group III plane are mixed are dissolved, but only the group III plane is dissolved. Crystals are not easily etched.
[0021]
Therefore, in the actual device structure manufacturing, the entire surface should be a group III surface. This makes it possible to manufacture devices that can withstand actual applications.
[0022]
In fact, in the metal organic compound vapor phase growth method and the hydride vapor phase growth method, regardless of whether gallium nitride or aluminum nitride is used as the buffer layer, a good group III surface crystal can be obtained uniformly over the entire substrate. Yes.
[0023]
However, in the molecular beam epitaxy method, a good quality crystal has not been obtained yet. Conventionally, in the molecular beam epitaxy method, aluminum nitride is mainly used as a buffer layer. Although it is possible to grow a crystal of a group III plane by this, the defect density is large and it is not yet put into practical use.
[0024]
[Patent Document 1]
JP 10-294492 A
[Patent Document 2]
Shoko 59-48794
[Patent Document 3]
Patent No. 3,026,087
[Patent Document 4]
U.S. Pat.No. 5,290,393
[Patent Document 5]
US Patent 6,270,574
[Patent Document 6]
U.S. Patent 6,261,931
[Non-Patent Document 1]
S. Yoshida, S. Misawa, and S. Gonda: Appl. Phys. Lett. 42 (1983) 427.
[Non-Patent Document 2]
XQ Shin, T. Ide, SH Cho, M. Shimizu, S. Hara, H. Okumura, S. Sonoda and S. Shimizu: Jpn. J. Appl. Phys. 40 (2001) L23.
[0025]
[Problems to be solved by the invention]
The problem to be solved by the present invention is to provide a crystal growth method capable of growing a high-quality crystal even in the molecular beam epitaxy method.
[0026]
The crystal growth method using the low-temperature grown gallium nitride buffer and aluminum nitride buffer described in the prior art was effective when the metal organic compound vapor phase growth method was used, but when the molecular beam epitaxy method was used. Had no effect.
[0027]
First, the method using gallium nitride as the buffer layer does not provide a good quality crystal even when used by molecular beam epitaxy. When the low-temperature grown gallium nitride was actually grown as a buffer layer and observed using a scanning electron microscope (SEM) or atomic force microscope (AFM), the surface was not flat.
[0028]
This is because the buffer layer of gallium nitride grown at a low temperature contains a group III surface crystal and a group V surface crystal, and the molecular beam epitaxy method has a low growth temperature. This is because it will continue to grow stably.
[0029]
Since the molecular beam epitaxy method is a crystal growth method in a vacuum, re-evaporation of gallium metal or the like occurs when the temperature is raised. As a result, it is impossible to make the growth temperature too high, and it is necessary to keep it at about 800 ° C. or lower.
[0030]
This is clear when compared with the case of the organic metal compound vapor phase growth method. In the organic metal compound vapor phase growth method in which the pressure during growth is normal pressure or about 1/10 atm, the growth temperature is about 1000 ° C. or higher, which is 200 ° C. or higher than the growth temperature of the molecular beam epitaxy method. As a result, when the growth is performed by the organometallic compound vapor phase growth method, the group V-plane crystal once formed in the buffer layer is replaced by a thermodynamically stable group III-plane crystal.
[0031]
However, in the molecular beam epitaxy method, the crystal of the group V plane continues to exist relatively stably. As a result, the surface of gallium nitride grown using gallium nitride as a buffer layer by the molecular beam epitaxy method is a very rough surface because the group III surface crystal and the group V surface crystal coexist.
[0032]
As described above, the method of using gallium nitride grown at a low temperature as a buffer layer cannot be used for crystal growth by molecular beam epitaxy.
[0033]
Even when aluminum nitride is used as a buffer layer, a good crystal cannot be obtained by molecular beam epitaxy. The reason is described.
[0034]
The characteristics of the aluminum nitride buffer differ between when grown at a low temperature and when grown at a high temperature. When aluminum nitride is grown at a low temperature of about 800 ° C. or lower, crystals of the group V plane are also mixed. As a result, the group V surface enters between the crystals of the group III surface, resulting in a rough crystal surface.
[0035]
On the other hand, when aluminum nitride is grown at a high temperature of about 800 ° C. or higher, the group V plane is thermodynamically unstable and thus excluded from the initial growth stage, but the aluminum nitride layer grown as a buffer layer is A layer composed of grains having a diameter of about 0.1 μm is formed, resulting in a crystal with many defects such as threading transition. For example, a crystal containing defects such as threading transitions of 10 <10> or more per unit square centimeter.
[0036]
Such a crystal surface is flat as long as it is observed with a scanning electron microscope or an optical microscope, but is not flat at the atomic level. When observed with an atomic force microscope (AFM), a high-density threading transition is observed. The surface is composed of fine irregularities of about 0.5 nm to 2 nm. Therefore, it is almost impossible to form a two-dimensional electron gas necessary for the operation of the electronic device.
[0037]
In other words, when aluminum nitride is used, there is no optimum condition and either a rough surface crystal with a mixed group V surface or a flat surface and a crystal with many threading transitions. .
[0038]
As described above, even when a low-temperature GaN buffer is used or when aluminum nitride is used as a buffer layer, no good crystal can be obtained by growth by molecular beam epitaxy.
[0039]
In addition, as described above, in the molecular beam epitaxy method, the reason why there is no optimal buffer layer growth method is not only because there is a problem that the crystal of the V group plane continues to grow as it is because the growth temperature is low, This is because there is a problem that even if they are grains of the same III group and are adjacent to each other, they continue to grow while being separated.
[0040]
For example, when gallium nitride is grown on a buffer layer of aluminum nitride grown at a high temperature by using molecular beam epitaxy, a group III plane crystal is formed over the entire substrate, but the diameter is actually 0.1 μm. A structure completely separated into grains of a certain degree is formed, and even if the film thickness of crystal growth is increased, the grain structure does not completely disappear but remains.
[0041]
The reason why the individual grains exist without being bonded although they are adjacent to each other is that the crystal orientations of the individual grains are different and a crystal defect exists between them. When such grains are present, the crystal growth is far from a good crystal growth mode called step flow growth, and as a result, the crystal has a high defect density.
[0042]
This situation is greatly different from that in the case of the organometallic compound vapor phase growth method. Since the growth temperature is high in the metal organic vapor phase method, grains and grains are likely to be combined, and the density of defects decreases as the growth proceeds. The density of crystal defects is highest in the vicinity of the interface between the substrate and the nitride semiconductor crystal thereon, and the defect density decreases as the growth thickness of the nitride semiconductor crystal is increased. Although this phenomenon depends on the effect that defects are canceled each other or the number of defects becomes one as the growth film thickness is increased, it is largely due to the effect that crystal grains (grains) are easily combined. .
[0043]
As described above, the molecular beam epitaxy method has disadvantages such as the presence of a group V crystal, a high defect density, and a grain structure because the growth temperature is low. However, because it is grown in vacuum, there are advantages such as high uniformity of film thickness within the substrate surface, the formation of steep hetero interfaces, and control of film thickness on the atomic layer order. It is an important crystal growth method for manufacturing an optoelectronic device structure utilizing the effect.
[0044]
Therefore, the problem to be solved by the present invention is to grow a high-quality crystal in which the crystal surface of the V surface is not mixed, the grain structure does not exist, and the crystal surface is stepped even when the molecular beam epitaxy method is used. It is to let you.
[0045]
[Means for Solving the Problems]
A nitride semiconductor crystal is a wurtzite crystal and is not symmetrical in the + c-axis direction and the −c-axis direction. For this reason, when growing on different substrates such as sapphire substrates and silicon carbide substrates having different lattice constants, if they are grown at a low temperature so as to cover the entire substrate, crystals of group III and group V surfaces are mixed. On the other hand, when the crystal is grown suddenly at a high temperature, the crystal grows only locally on the substrate, and the crystal orientation varies.
[0046]
In addition, it is impossible to obtain high-quality crystals in the molecular beam epitaxy method simply by raising or lowering the growth temperature as in the prior art method (see Patent Documents 1 and 4). For example, a gallium nitride buffer layer grown at a low temperature includes a Group V surface and a Group III surface. Even if an attempt is made to grow it at a high temperature, since there is a limit to the temperature, crystal growth is performed on both the crystal of the group V face and the crystal of the group III face, and a flat crystal cannot be obtained.
[0047]
Therefore, the present invention provides a method of dividing the thickness of the buffer layer and growing it at a low temperature, and applying heat treatment for each growth. FIG. 1 illustrates the method of the present invention.
[0048]
In the molecular beam epitaxy method, it is not realistic to raise the growth temperature because of re-evaporation of the source metal. However, it is possible to increase the temperature of the heat treatment. Although depending on the temperature of the heat treatment, by performing the heat treatment for an appropriate time, when the layer thickness is thin, the crystal of the group V face can be converted into the crystal of the group III face. Further, the buffer layer grown at a low temperature includes cubic crystals, which are also converted into group III plane crystals by heat treatment.
[0049]
This is a phenomenon in which heat treatment causes rearrangement or conversion to the most stable crystal coordination at high temperature, that is, to a group III crystal. This phenomenon is thought to be related to a phenomenon such as mass transport, but the details are not yet known.
[0050]
In order to maximize the effect of this heat treatment, the thickness of the divided buffer layer is particularly important. When the film thickness is large, the crystal of the group V face hardly changes to the crystal of the group III face. Usually, it is necessary to select a film thickness that changes within a few minutes.
[0051]
Therefore, first, a thin film is grown at low temperature so that the crystal of the group V plane is sufficiently changed to the group III plane crystal by heat treatment. Thereafter, the substrate temperature is raised and heat treatment is performed. If the temperature and film thickness of the heat treatment are appropriate, the group V face crystal changes to the group III face crystal within a practically acceptable time, for example, within 2 to 3 minutes.
[0052]
When the crystal film thickness is small, there is a possibility that the crystal grows locally three-dimensionally. For this reason, it is not suitable to be referred to as a film, but it is considered that it grows at a low temperature and is sufficiently evenly distributed on the substrate surface.
[0053]
After the heat treatment, the temperature is lowered again to grow a divided thin buffer layer, and the heat treatment is performed again. Thus, by repeating the growth of the thin buffer layer at a low temperature and the heat treatment at a high temperature, the entire substrate is sufficiently covered with the buffer layer of the group III surface. For example, the total buffer layer thickness is set to about 20 nm or more.
[0054]
Further, the thicknesses of the buffer layers to be divided and grown need not be the same. When growing on a different kind of substrate, since the crystal of the V group plane enters most during the first growth, it is necessary to reduce the thickness of the buffer layer to be grown first. However, after repeating the growth and heat treatment of the thin buffer layer several times, a considerable portion of the substrate is covered with the group III surface buffer layer, so the thickness of the buffer layer grown at low temperature is slightly thicker. You may do it.
[0055]
By growing by such a method, it is possible to properly match the c-axis direction of the substrate used for the growth with the c-axis direction of the nitride semiconductor crystal grown thereon. This is because if the buffer layer grown in a divided manner is thin, the heat treatment tends to be the most stable form, that is, the form with the c-axis aligned.
[0056]
As a result, the orientations of the crystal axes of the individual grains can be very well aligned, and the grains are easily bonded even when grown by the molecular beam epitaxy method having a low growth temperature. That is, the grains having the same c-axis direction are eventually combined to form a large grain, and finally, the grains are bonded over the entire substrate, so that a high-quality crystal having no grains can be obtained.
[0057]
If the above method is used, even if the molecular beam epitaxy method is used, it is possible to grow a high-quality nitride semiconductor material having no grain structure and having no V-group crystal mixed therein.
[0058]
As a matter of course, the growth method in which the buffer layer is divided and grown while performing the heat treatment can be used not only in the molecular beam epitaxy method but also in other organic metal compound vapor phase growth methods and hydride growth methods. is there. Also in these growth methods, since the temperature of the heat treatment can be raised above the growth temperature, it is possible to improve the crystal quality as compared with the conventional method by using the method of the present invention.
[0059]
Next, the material of the buffer layer will be described.
[0060]
Currently, gallium nitride is the easiest to handle as the material of the buffer layer actually used. This is because gallium nitride changes from a group V crystal to a group III crystal by heat treatment relatively easily within the temperature range of the substrate heater provided in the molecular beam epitaxy apparatus.
[0061]
This is thought to be related to the temperature characteristics of gallium nitride mass transport, and a buffer layer composed of small grains mixed with group V and group III surfaces by heat treatment due to a phenomenon such as mass transport has a large III It is thought that it will change to a buffer layer consisting of grains of family faces.
[0062]
Further, when gallium nitride is used as the buffer layer, the effect of heat treatment can be improved by adding or irradiating indium.
[0063]
Indium re-evaporates by heat treatment. However, it is possible to efficiently rearrange gallium nitride on the group V surface to gallium nitride on the group III surface.
[0064]
Further, in the case of using indium nitride as a buffer layer, indium nitride itself is unstable at the growth temperature of gallium nitride, which is currently most frequently used, and should not be used for the buffer layer. However, it is considered possible to use it as a buffer layer if the structure grown thereon is within the stable temperature range of indium nitride.
[0065]
On the other hand, aluminum nitride is stable within the temperature range reached by the substrate heater and does not readily change from the group V surface to the group III surface. Or it doesn't become a big grain even if it changes to the crystal of the group III face. In other words, aluminum nitride is less likely to cause mass transport or the like than gallium nitride.
[0066]
Therefore, although the characteristics are slightly improved by performing the heat treatment, the buffer layer made of small grains is not changed to the buffer layer made of large grains, and no significant improvement is observed.
[0067]
However, if the ultimate temperature of the substrate heater is improved by improving the substrate heating method in the future, mass transport of aluminum nitride will be possible, and the grain structure can be enlarged by heat treatment at high temperature, or all grains are combined. It is considered that a high-quality buffer layer can be formed.
[0068]
For boron nitride, the hexagonal type is more stable than the wurtzite type. And hexagonal boron nitride has no distinction between + c axis direction and -c axis direction. Therefore, when boron nitride is used as the buffer layer, the process of growing amorphous boron nitride at a low temperature and thereafter performing heat treatment is repeated.
[0069]
However, boron nitride is more stable than aluminum nitride and cannot be heated to a temperature that causes rearrangement or mass transport. In the future, it may be possible to modify the heater and improve the heating method.
[0070]
Next, the substrate will be described.
[0071]
Special attention must be paid when using sapphire as a substrate. In the molecular beam epitaxy method, crystal growth is performed after first nitriding a sapphire substrate. Since this nitriding process is performed by supplying a nitrogen source to the substrate surface, this is a process in which only nitrogen is supplied, that is, in a situation where nitrogen is excessive.
[0072]
Thus, in a situation where the supply of nitrogen, that is, a group V atom is excessive, the crystal of the group V plane becomes more stable. Therefore, the surface of the sapphire substrate is covered with the group V plane aluminum nitride, which is one of the major causes of the nitride semiconductor crystal grown thereon becoming a group V plane crystal. This is one of the reasons why good crystals could not be obtained by the molecular beam epitaxy method.
[0073]
Care must be taken especially in low-temperature nitriding. Since a sapphire substrate is not stable in a vacuum at a high temperature, there is a method of performing a process called low-temperature nitridation in order to obtain a flat surface. Low-temperature nitriding is a technique for forming a very thin aluminum nitride layer on the surface of a sapphire substrate by irradiating the surface of the sapphire substrate with nitrogen plasma with a substrate temperature of about 200 ° C. or less.
[0074]
In this case, since the aluminum nitride is formed at a low temperature, the entire surface of the sapphire substrate is a group V plane aluminum nitride, which strongly promotes the crystal growth of the group V plane. Therefore, it is necessary to perform a heat treatment before growing the first thin nitride semiconductor buffer layer at a low temperature. In this case, the heat treatment temperature is preferably 900 ° C. or higher, preferably 1000 ° C. or higher.
[0075]
The method of the present invention is considered effective not only for sapphire substrates but also for silicon carbide substrates, silicon substrates, and the like. This is because even when such a substrate is used, crystals of the group III plane and the group V plane are mixed. Therefore, it is possible to control the crystal to be a group III face crystal by the method of the present invention.
[0076]
The method of the present invention is also effective when growing other nitride semiconductors having different lattice constants on the nitride semiconductor. For example, when gallium nitride is grown on aluminum nitride, the crystal defect density can be reduced by using the method of the present invention.
[0077]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Here, a method of growing a gallium nitride buffer layer by dividing the sapphire substrate while performing a heat treatment on a sapphire substrate using a molecular beam epitaxy apparatus, and growing gallium nitride on the gallium nitride will be described. In principle, nitride semiconductor materials other than gallium nitride can also be used as the buffer layer.
[0078]
For the growth of the nitride semiconductor, a molecular beam epitaxy apparatus including a growth chamber, a substrate transfer chamber, and a substrate carry-in chamber is used. If such a three-chamber vacuum chamber is used, only the substrate loading chamber is exposed to the atmosphere during loading. Further, since there is a substrate transfer chamber between the substrate carry-in chamber and the growth chamber, it is possible to minimize the entry of moisture and the like into the growth chamber.
[0079]
In the examples of the present invention, MBE32 manufactured by Liber Corporation was used. The growth chamber was equipped with an ion pump and an oil diffusion pump. During the growth, vacuum was drawn with an oil diffusion pump. Since the growth conditions and the like described in the embodiment of the invention vary depending on the apparatus, it is necessary to pay attention to the conditions when actually performing them.
[0080]
Gallium (Ga), aluminum (Al), indium (In), etc., which are Group III materials, are supplied to the growth substrate using a K cell in a vacuum in the growth chamber. The K cell supplies raw materials such as Ga, Al, In, etc. into a PBN crucible, heated and evaporated. Further, atomic nitrogen (nitrogen plasma) is used as a group V material. Therefore, an rf plasma cell that can generate plasma with a radio frequency (rf, 13.56 MHz) is used. In this method, high-purity nitrogen is converted into plasma in a vacuum in a growth chamber and supplied to the growth substrate.
[0081]
In the case of growing a nitride semiconductor crystal, it is necessary to monitor the state of the crystal surface during the growth. For this purpose, high-speed reflection electron diffraction (RHEED) is used. Information on rearrangement and flatness on the substrate surface can be obtained by the shape of the RHEED pattern and its brightness.
[0082]
As the growth substrate, a c-plane sapphire substrate (0001) is used. As a method for heating the substrate, a sapphire substrate is transparent, and therefore, a method in which molybdenum (Mo) or the like (thickness of 500 nm or more) is deposited on the back surface is used. Since etching using phosphoric acid is performed in the pretreatment, it is necessary to select a metal that does not dissolve in phosphoric acid. Mo is suitable. After the substrate is purchased, Mo or the like is first deposited on the back surface, and then the pretreatment described below is performed.
[0083]
The growth substrate is pretreated before being loaded into the substrate loading chamber. After removing the oil using an organic solvent, the surface is etched using a 1: 3 mixture of commercially available orthophosphoric acid and sulfuric acid. At this time, the temperature of the mixed solution is 110 ° C., and the etching time is 30 minutes.
[0084]
In etching with phosphoric acid, the flatness of the substrate varies greatly depending on the conditions. If the conditions for etching with phosphoric acid are optimized, the surface becomes extremely flat. In this state, only the steps corresponding to the atomic spacing in the c-axis direction of sapphire are aligned substantially in parallel. It is important to have such a stepped surface.
[0085]
After etching, the substrate is attached to the substrate holder attached to the molecular beam epitaxy apparatus. Bring it into the substrate loading chamber of the molecular beam epitaxy system and evacuate it sufficiently. Thereafter, the substrate holder to which the growth substrate is attached is attached to the substrate heater in the growth chamber after passing through the substrate transfer chamber. Since the temperature of heat treatment or the like is high, it is necessary to be able to heat Mo deposited on the back surface directly with a heater.
[0086]
FIG. 2 illustrates the process after loading into the molecular beam epitaxy apparatus.
First, the aluminum oxide of several molecular layers on the surface of the sapphire substrate is changed to aluminum nitride. This treatment is called nitriding, and how flat the surface is nitrided is important. For this purpose, the surface of the sapphire substrate is irradiated with atomic nitrogen generated by the rf plasma cell while keeping the temperature of the sapphire substrate low (as a guideline, approximately 200 ° C. or less with a thermocouple attached to the back side of the substrate). The flow rate of high purity nitrogen to the rf plasma cell is 1 sccm, the rf power to the rf plasma cell is 380 W, and the irradiation time is 2 hours. In the subsequent processes, this condition was used for the flow rate of nitrogen and the power of rf plasma.
[0087]
By irradiating atomic nitrogen (nitrogen plasma) while keeping the sapphire substrate at a low temperature in this way, the surface of the sapphire substrate can be nitrided flat without causing damage due to plasma. Moreover, it can confirm using RHEED that the several atomic layer of the surface changes from aluminum oxide to aluminum nitride. Since aluminum oxide and aluminum nitride have different lattice constants, the RHEED pattern changes when the surface changes to aluminum nitride.
[0088]
Next, rf plasma irradiation is stopped, and the substrate temperature is raised to 1000 ° C. or higher to perform heat treatment. In this process, the aluminum nitride on the group V surface changes to the aluminum nitride on the group III surface. Also, there is a slight change in the brightness of RHEED during this process. Immediately after nitriding at a low temperature, only nitrogen plasma is supplied to the substrate surface, and because the temperature is low, it is considered that group V plane aluminum nitride and group III plane aluminum nitride are mixed. However, when the heat treatment is performed at an elevated temperature, all the aluminum nitride on the substrate is rearranged into crystals of the group III face. Therefore, RHEED becomes slightly brighter.
[0089]
Also, since the sapphire substrate itself is not very stable at high temperatures in a vacuum, the heat treatment can be completed in as short a time as possible. Actually, the thickness of aluminum nitride on the substrate is so thin that it can be sufficiently rearranged by a short heat treatment. In fact, even if the temperature was lowered immediately after raising the temperature to 1000 ° C. or higher at a temperature rising time of 100 ° C./min, there was a sufficient effect.
[0090]
Next, the temperature is lowered to a temperature suitable for the growth of the buffer layer. The temperature is such that the movement of the source metal Ga on the substrate surface is sufficiently suppressed, while gallium nitride can grow. The growth temperature used in the present invention is about 600 ° C. The gallium K cell shutter is opened and nitrogen plasma is supplied for growth. The temperature of the gallium K cell was 900 ° C. The growth rate at this time is about 300 nm / hour.
[0091]
When indium is added to the buffer layer, indium is also supplied to the substrate at the same time. The supply amount of indium may be about 10% of the supply amount of gallium.
[0092]
Here, the growth thickness of the buffer layer for each time and the temperature of the heat treatment are closely related and need attention. This is because whether or not the rearrangement is performed in a practically executable short time depends on the temperature and film thickness of the heat treatment.
[0093]
In the apparatus used in the present invention, the maximum substrate temperature reached was about 1050 ° C. Since it takes time to raise the temperature around the maximum temperature, the temperature and time of the heat treatment were set to about 1000 ° C. for 20 seconds. Under these conditions, when it was grown to 5 nm or more, a portion considered to be a crystal of a group V plane remained. Therefore, the thickness of the gallium nitride grown separately is set to 4 nm or less.
[0094]
On the other hand, when the temperature of the heat treatment can be further increased, it is possible to further increase the thickness of the buffer layer to be divided and grown. Regarding this, it is necessary to determine the conditions because the temperature reached differs from device to device.
[0095]
Further, when indium is irradiated during the heat treatment, the heat treatment can be performed efficiently. The amount of irradiation may be about the same as when adding indium during growth. The added or irradiated indium is considered to have re-evaporated because the temperature of the heat treatment is high.
[0096]
As described above, the total thickness of all the buffer layers is set to 20 nm by repeating the growth of the divided thin buffer layer and the heat treatment thereof. Therefore, in the case of growing by 4 nm, it is necessary to grow in 5 times.
[0097]
But they don't have to all be the same thickness. Although it is necessary to reduce the thickness for the first several times, there is no significant change in the result even if the film thickness is gradually increased thereafter. For example, good results can be obtained even when the film thickness of the first layer is increased to 2 nm, 3 nm, 4 nm, 5 nm, or 6 nm.
[0098]
After the division and finishing the heat treatment of the last buffer layer, gallium nitride is grown. Therefore, the substrate temperature is reset to the growth temperature of gallium nitride. The substrate temperature during the growth of gallium nitride was 800 ° C.
[0099]
At this temperature, gallium as the source metal re-evaporates, so it is necessary to increase the supply amount of gallium. The temperature of the gallium cell was 970 ° C. Further, when the pressure of the gallium vapor was measured using a vacuum gauge located at the same position as the substrate, that is, a vacuum gauge called a flux monitor, about 7 × 10 -7 It was about Torr. The growth rate is still about 300 nm / hour. Under this condition, it is considered that 60% to 70% of the supply amount of gallium is reevaporated.
[0100]
In this way, when gallium nitride is grown to 0.6 to 1 μm or more, a gallium nitride crystal with few defects is obtained. In a high-quality crystal, the crystal surface has a structure in which steps corresponding to atomic intervals in the c-axis direction of gallium nitride are arranged. The growth with such a step covering the surface is called step flow type growth. In such a state, the defect density decreases as the crystal film thickness increases. However, since the sapphire substrate and the gallium nitride substrate have different thermal expansion coefficients, the growth film thickness is set to 4 μm or less.
[0101]
In order to grow a semiconductor device structure such as a heterojunction field effect transistor, a heterostructure is grown thereon. For example, aluminum gallium nitride (AlxGa1-xN) having an aluminum composition ratio x of about 0.2 may be grown to a thickness of about 20 nm. Thereby, a two-dimensional electron gas can be formed at the heterojunction portion, that is, at the interface between gallium nitride and aluminum gallium nitride. Details of the device structure such as doping concentration are not described in detail because they are outside the scope of the present invention.
[0102]
In the embodiment of the present invention, the case where the molecular beam epitaxy apparatus is used has been described. However, the same principle can be applied even when another growth apparatus such as an organic metal compound vapor phase growth method is used. However, it is necessary to change the conditions appropriately. In particular, the growth conditions such as the nitrogen flow rate, the substrate temperature, and the growth film thickness change as the crystal growth apparatus used changes.
[0103]
In addition, when ammonia is used as a nitrogen source, care must be taken because ammonia contains hydrogen atoms. During the heat treatment or the like, crystals may be re-evaporated by ammonia, so it is expected that the supply of ammonia needs to be stopped or reduced. On the other hand, the effect of heat treatment may be promoted. Since this differs depending on the crystal growth method, it is necessary to determine the conditions.
[0104]
In the case of growing by mixing hydrogen, the conditions are different because the effect of heat treatment is promoted by hydrogen.
[0105]
The present invention is also effective when a silicon carbide substrate or silicon substrate other than a sapphire substrate is used. However, as in the case of using a sapphire substrate, it is necessary to flatten the substrate surface on the atomic layer order before growth. With respect to these substrate pretreatment methods, the substrate may be pretreated by a known method.
[0106]
Further, even in the case of crystal growth including As, P, etc. other than nitrogen as a group V atom, it is possible to grow using the buffer layer forming method according to the present invention as long as it is hexagonal crystal growth.
[0107]
【The invention's effect】
The effect of the invention has also been described in the above description. The most important point is that even if the molecular beam epitaxy method is used, if the method of the present invention in which the buffer layer is formed by repeating the low-temperature thin film growth and the heat treatment, the crystal orientation in the direction perpendicular to the substrate, that is, the c-axis direction is strictly It is oriented, and the grain structure disappears, and a growth mode called step flow growth is achieved. As a result, crystal defects such as helical transition and surface defects can be greatly reduced as compared with the case of using a conventional aluminum nitride single layer buffer layer.
[0108]
In addition, since the orientation of the c-axis of the nitride semiconductor crystal grown in this way exactly matches the orientation of the crystal axis perpendicular to the substrate of the substrate, the step interval and step direction of the crystal surface can be set according to the surface of the substrate. It can be controlled by the state.
[0109]
For example, when a sapphire substrate is used, if the surface of the sapphire substrate is the (0001) c plane, the step interval of the grown nitride semiconductor crystal becomes wide. On the other hand, if a substrate whose surface of the sapphire substrate is inclined by about 0.5 ° from the (0001) c plane, that is, a substrate called an off substrate, the step interval of the grown nitride semiconductor crystal becomes narrow. By using such a substrate, it is also possible to control the step interval, step direction, and the like.
[0110]
If the step interval is further narrowed, for example, even if small grains remain, it can be eliminated from the relationship of thermodynamic surface energy, leading to reduction of crystal defects.
[0111]
The results of actual growth using molecular beam epitaxy are described below.
[0112]
As a method capable of measuring the crystal orientation in the c-axis direction using X-ray diffraction, there is a method of reflecting X-rays symmetrically in the direction perpendicular to the substrate surface, that is, in the c-axis. This is a method called ω scan. When a large number of lattice defects are present, the crystal orientation is locally dispersed due to helical transitions, surface defects, and the like, and the orientation of X-ray diffraction is shifted. And the width of the X-ray peak becomes wide. Therefore, not only the orientation in the c-axis direction but also the defect density can be examined.
[0113]
By using the method of the present invention, gallium nitride having a thickness of about 0.8 μm grown on a sapphire substrate was measured using X-ray diffraction using gallium nitride as a buffer layer. As a result, the full width at half maximum was 50 arcsec to 60 arcsec. When grown by the MOCVD method, it is usually 100 to 200 arcsec or more and very narrow.
[0114]
50 arcsec is 0.00025 radians, and when 10,000 atoms are lined up, it is only about 2 to 3 sides. Therefore, since the directions of the individual grains are aligned, the grains are bonded to each other and the crystal surface has a step structure. Furthermore, it becomes a growth mode called step flow growth, and defects are reduced.
[0115]
In order to investigate the surface structure of the actually grown crystal, the surface of a crystal having a thickness of about 0.8 μm grown by the method of the present invention was measured using an atomic force microscope. As a result of measuring about 5 μm square, a step structure consisting of steps was observed on the entire measured surface. This is a step corresponding to the distance between atoms in the direction perpendicular to the substrate, that is, in the c-axis direction, and it was found that high-quality crystal growth was performed. Similar measurement results were obtained for all parts of the 2-inch substrate, and it was found that good quality crystals were obtained over the entire substrate.
[0116]
The surface of gallium nitride grown by a conventional method was also measured using an atomic force microscope. The growth temperature of the measured crystal aluminum nitride buffer layer is 750 ° C., and the film thickness is 200 nm. The growth temperature of gallium nitride thereon is 800 ° C., and the film thickness is 0.5 μm. The measurement was performed by enlarging to 1 μm square, but no proper steps were seen. This is because crystals and defects such as threading transition enter at a high density when grown by a conventional method using aluminum nitride as a buffer layer.
[0117]
Similarly, the electrical characteristics of gallium nitride grown by the method of the present invention were measured. In the case of non-doping, it is N-type and the background carrier density is 5 × 10. 16 cm -3 The mobility was 100 cm / Vs or higher. When rf plasma was grown using a conventional method using nitrogen as a nitrogen source, the defect density was high, so the resistance was extremely high and measurement was impossible.
[0118]
As can be seen from the above, it is understood that a high-quality nitride semiconductor crystal can be obtained using the molecular beam epitaxy method by using the method of the present invention.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 Growth method of the present invention
FIG. 2 shows a growth method of the present invention when gallium nitride is used as a buffer layer.
Claims (6)
V族面の結晶とIII族面の結晶を含む窒化物半導体の結晶成長と、
V族面の結晶をIII族面の結晶へ再配列する熱処理を行うことにより、
基板全体を覆うバッファ層を成長させ、
該バッファ層の上に、窒化物半導体結晶を成長させることを特徴とする窒化物半導体積層体の成長方法。A method for growing a nitride semiconductor stacked body, comprising:
Crystal growth of a nitride semiconductor including a crystal of a group V surface and a crystal of a group III surface;
By performing a heat treatment to rearrange the crystal of the group V face to the crystal of the group III face,
Grow a buffer layer covering the whole substrate,
A method for growing a nitride semiconductor laminate, comprising growing a nitride semiconductor crystal on the buffer layer.
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