JP3863957B2 - Process for producing unsaturated alcohol - Google Patents

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JP3863957B2 JP03112097A JP3112097A JP3863957B2 JP 3863957 B2 JP3863957 B2 JP 3863957B2 JP 03112097 A JP03112097 A JP 03112097A JP 3112097 A JP3112097 A JP 3112097A JP 3863957 B2 JP3863957 B2 JP 3863957B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下記の式(2)
【0002】
【化3】

Figure 0003863957
【0003】
(上記式中、XおよびYはともに水素原子を表すか、ひとつになって炭素−炭素結合を表す。nは0、1または2を表す。)で示される不飽和アルデヒドを接触水素添加することによる、下記の式(1)
【0004】
【化4】
Figure 0003863957
【0005】
(上記式中、nは上記定義のとおりである)で示される不飽和アルコールの製造方法に関する。
本発明によって得られる不飽和アルコールは香料として有用であり、また、医薬、農薬等の原料としても有用である。
【0006】
【従来の技術】
上記の式(2)で示される不飽和アルデヒドを接触水素添加することにより上記の式(1)で示される不飽和アルコールを製造するに際し、ラネーニッケルを触媒として使用することは公知であり、例えば、▲1▼クロムで変性したラネーニッケルを触媒として使用する方法(特開昭52−100405号公報参照)、▲2▼ラネーニッケルとラネーコバルトの混合物を触媒として使用する方法(特開昭60−197634号公報参照)などが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲1▼に記載された方法では、反応の選択性が温度に大きく左右される。上記▲1▼に記載された方法において、高選択的に目的とする不飽和アルコールを得るためには、80℃以下といった低い温度で反応を実施することが必要となるが、その場合、反応速度は非常に小さいので、高い転化率を達成するためには反応を長時間行うことが必要となり、生産性の点で工業的方法としては有利ではない。一方、上記▲2▼に記載された方法は、高い選択率および十分に大きな反応速度で目的化合物を得ることができるが、高価なラネーコバルトを使用しなければならず、製造コスト上有利ではない。
本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、高い選択率および十分に大きな反応速度で、上記の式(2)で示される不飽和アルデヒドから、上記の式(1)で示される不飽和アルコールを安価に製造することのできる、工業的に有利な方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記の課題は、下記の式(2)
【0009】
【化5】
Figure 0003863957
【0010】
(上記式中、XおよびYはともに水素原子を表すか、ひとつになって炭素−炭素結合を表す。nは0、1または2を表す。)で示される不飽和アルデヒドを、鉄およびクロムで変性されたラネーニッケル(a) 並びに第3級アミンまたはピリジン系化合物(b) の存在下に、水素と接触させることを特徴とする、下記の式(1)
【0011】
【化6】
Figure 0003863957
【0012】
(上記式中、nは上記定義のとおりである)で示される不飽和アルコールの製造方法を提供することによって解決される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において原料として使用される式(2)で示される不飽和アルデヒドの具体例は、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエナール(シトラール)〔X,Y:炭素−炭素結合、n=0の場合に対応する〕、3,7−ジメチル−6−オクテナール(シトロネラール)〔X=Y=水素原子、n=0の場合に対応する〕、4,8−ジメチル−3,7−ノナジエナール(X,Y:炭素−炭素結合、n=1の場合に対応する)、4,8−ジメチル−7−ノネナール(X=Y=水素原子、n=1の場合に対応する)、5,9−ジメチル−4,8−デカジエナール(X,Y:炭素−炭素結合、n=2の場合に対応する)および5,9−ジメチル−8−デセナール(X=Y=水素原子、n=2の場合に対応する)である。
【0014】
本発明では、鉄およびクロムで変性されたラネーニッケル(以下、これを変性ラネーニッケルと略称する)を使用する。鉄のみで変性したラネーニッケルを使用した場合には、式(1)で示される不飽和アルコールへの選択率が低下する。また、クロムのみで変性したラネーニッケルを使用した場合には、上記において説明した問題点に加えて、クロムの溶出による環境への悪影響という問題も生じる。
ここで、鉄およびクロムの割合は、鉄原子およびクロム原子のモル比として、通常、鉄/クロム=1:10〜10:1であり、好ましくは、鉄/クロム=1:5〜5:1である。
【0015】
ラネーニッケルの変性に使用する鉄およびクロムの量は、合計量としてラネーニッケルに対して通常1〜10重量%であるが、ラネーニッケルに対して2〜8重量%であれば、式(1)で示される不飽和アルコールへのより高い選択率と十分に大きな反応速度を達成することができるので好ましい。
【0016】
本発明では、変性ラネーニッケルとして、市販されているものを使用してもよいし、文献〔Zhur. Fiz. Khim., 35, 2071 (1961) など〕に記載された方法に従って調製したものを使用してもよい。
【0017】
変性ラネーニッケルの使用量としては、反応混合液に対して通常0.01〜10重量%であるが、式(1)で示される不飽和アルコールの製造コストや反応の操作性などの観点から、反応混合液に対して0.05〜5重量%であることが好ましい。
【0018】
本発明で使用する第3級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第3級アミン;N,N−ジエチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン等の芳香族第3級アミン;トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の第3級のアルコールアミンなどが挙げられる。また、本発明で使用するピリジン系化合物としては、ピリジン、キノリン、イソキノリンなどが挙げられる。
なお、第3級アミンまたはピリジン系化合物は、1種類のものを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0019】
本発明において、第3級アミンまたはピリジン系化合物を使用しないと、大きな反応速度を達成すべく反応温度を高くした場合に、式(1)で示される不飽和アルコールへの選択率が低下する。本発明において、第3級アミンまたはピリジン系化合物の使用量は、反応混合液に対し、通常0.01〜50重量%であり、好ましくは0.1〜20重量%である。
【0020】
本発明において、水素の圧力は、反応の操作性、安全性、反応の選択性などの観点から、通常、常圧〜50kg/cm2(ゲージ圧)、好ましくは常圧〜20kg/cm2(ゲージ圧)の範囲に設定される。
【0021】
本発明において、溶媒の使用は必ずしも必要ではないが、式(2)で示される不飽和アルデヒドの接触水素添加を阻害しない限り溶媒を使用してもよい。溶媒の使用により、変性ラネーニッケルの懸濁を助けることができる。
使用できる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;イソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブチルアルコール、ブタノール、オクタノール、イソアミルアルコール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類などが挙げられる。
【0022】
溶媒の使用量としては、反応の容積効率、操作性などの観点から、式(2)で示される不飽和アルデヒドに対し、通常0.001〜10倍重量、好ましくは0.01〜5倍重量である。
【0023】
本発明に従う反応は、バッチ式、連続式のいずれの方式で実施してもよいが、一般に、式(2)で示される不飽和アルデヒド、変性ラネーニッケル、第3級アミンまたはピリジン系化合物、および所望により溶媒を混合し、攪拌機付きの反応容器中で所定の反応温度において水素と接触させることによって実施される。
【0024】
反応温度は、触媒の使用量などにより異なるが、通常60℃〜140℃であり、好ましくは80〜120℃である。
また、反応時間は、反応温度等により異なるが、通常0.5〜12時間である。
【0025】
反応終了後、目的化合物である式(1)で示される不飽和アルコールは、例えば、変性ラネーニッケルを濾過等により除去した後の反応混合物を蒸留する方法などの公知の方法により、容易に単離取得することができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
【0027】
実施例1
内容積300mlのオートクレーブに、シトラール100g、イソプロピルアルコール10g(溶媒)、トリエタノールアミン1g、並びに鉄およびクロムで変性したラネーニッケル〔BLM112w(商品名)、デグッサ社製〕1gを仕込み、オートクレーブ内に水素を供給し、内圧を7kg/cm2(ゲージ圧)とした後、100℃に加熱した。オートクレーブに適宜水素を供給して水素圧力を7kg/cm2(ゲージ圧)に維持したまま、10時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィー〔カラム:PG−HT 3m、ジーエルサイエンス社製;カラム温度:70℃→240℃(昇温速度:5℃/分〕で分析した。その結果、シトラールの転化率は100%であり、シトロネロール〔式(1)で示される不飽和アルコール:n=0〕への選択率は93.2%であることが分かった。なお、得られた反応混合物はシトロネラールを少量含有していた(シトロネラールへの選択率:0.2%)。
得られた反応混合物を減圧蒸留することにより、シトロネロール(純度:98%)を90.2g得た。
【0028】
実施例2
実施例1において、トリエタノールアミン1gに代えてN−エチルジエタノールアミン1gを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作により、シトラールの水素添加を行った。実施例1と同様にして、反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、シトラールの転化率は100%であり、シトロネロールへの選択率は91.4%であることが分かった。なお、得られた反応混合物はシトロネラールを少量含有していた(シトロネラールへの選択率:0.3%)。
【0029】
実施例3
実施例1において、イソプロピルアルコール10gに代えてメタノール10gを使用し、かつトリエタノールアミンの使用量を2gとし、さらに反応温度を100℃から80℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により、シトラールの水素添加を行った。実施例1と同様にして、反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、シトラールの転化率は100%であり、シトロネロールへの選択率は94.4%であることが分かった。なお、得られた反応混合物はシトロネラールを少量含有していた(シトロネラールへの選択率:0.1%)。
【0030】
実施例4
実施例1において、イソプロピルアルコール10gに代えてメタノール10gを使用し、かつトリエタノールアミン1gに代えてN,N−ジエチルエタノールアミン1gを使用し、そして、水素圧力を7kg/cm2(ゲージ圧)から5kg/cm2(ゲージ圧)に変更し、さらに反応温度を100℃から120℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により、シトラールの水素添加を行った。実施例1と同様にして、反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、シトラールの転化率は100%であり、シトロネロールへの選択率は91.3%であることが分かった。なお、得られた反応混合物はシトロネラールを少量含有していた(シトロネラールへの選択率:0.1%)。
【0031】
実施例5
実施例1において、イソプロピルアルコール10gに代えて3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール20gを使用し、かつ水素圧力を7kg/cm2(ゲージ圧)から5kg/cm2(ゲージ圧)に変更し、さらに反応温度を100℃から120℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により、シトラールの水素添加を行った。実施例1と同様にして、反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、シトラールの転化率は100%であり、シトロネロールへの選択率は92.3%であることが分かった。なお、得られた反応混合物はシトロネラールを少量含有していた(シトロネラールへの選択率:0.1%)。
【0032】
実施例6
実施例1において、イソプロピルアルコール10gに代えて3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール20gを使用し、かつトリエタノールアミン1gに代えてトリエチルアミン1gを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作により、シトラールの水素添加を行った。実施例1と同様にして、反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、シトラールの転化率は100%であり、シトロネロールへの選択率は90.8%であることが分かった。なお、得られた反応混合物はシトロネラールを少量含有していた(シトロネラールへの選択率:0.1%)。
【0033】
実施例7
実施例1において、イソプロピルアルコール10gに代えて3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール20gを使用し、かつトリエタノールアミン1gに代えてN,N−ジメチルアミノピリジン0.5gを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作により、シトラールの水素添加を行った。実施例1と同様にして、反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、シトラールの転化率は100%であり、シトロネロールへの選択率は88.2%であることが分かった。なお、得られた反応混合物はシトロネラールを少量含有していた(シトロネラールへの選択率:0.5%)。
【0034】
実施例8
実施例1において、トリエタノールアミン1gに代えてピリジン1.1gを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作により、シトラールの水素添加を行った。実施例1と同様にして、反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、シトラールの転化率は100%であり、シトロネロールへの選択率は84.2%であることが分かった。なお、得られた反応混合物はシトロネラールを少量含有していた(シトロネラールへの選択率:0.4%)。
【0035】
実施例9
実施例1において、シトラール100gに代えてシトロネラール100gを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作により、シトロネラールの水素添加を行った。実施例1と同様にして、反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、シトロネラールの転化率は99.3%であり、シトロネロールへの選択率は97.5%であることが分かった。
【0036】
比較例1
実施例1において、トリエタノールアミン1gを使用せず、かつ反応温度を80℃、反応時間を12時間としたこと以外は、実施例1と同様の操作により、シトラールの水素添加を行った。実施例1と同様にして、反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、シトラールの転化率は100%であり、シトロネロールへの選択率は60.4%であることが分かった。なお、得られた反応混合物はテトラヒドロゲラニオールを含有していた(テトラヒドロゲラニオールへの選択率:27.4%)。
【0037】
比較例2
実施例1において、鉄およびクロムで変性したラネーニッケル1gに代えて鉄で変性したラネーニッケル〔BM113w(商品名)、デグッサ社製〕1gを使用し、かつ反応時間を11時間としたこと以外は、実施例1と同様の操作により、シトラールの水素添加を行った。実施例1と同様にして、反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、シトラールの転化率は100%であり、シトロネロールへの選択率は68.4%であることが分かった。なお、得られた反応混合物はテトラヒドロゲラニオールを含有していた(テトラヒドロゲラニオールへの選択率:22.3%)。
【0038】
比較例3
実施例1において、鉄およびクロムで変性したラネーニッケル1gに代えて変性していないラネーニッケル〔B113w(商品名)、デグッサ社製〕1gを使用し、かつ反応時間を11時間としたこと以外は、実施例1と同様の操作により、シトラールの水素添加を行った。実施例1と同様にして、反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、シトラールの転化率は100%であったが、シトロネロールへの選択率は3.3%と低かった。なお、主生成物はテトラヒドロゲラニオールであった(テトラヒドロゲラニオールへの選択率:95.1%)。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、式(2)で示される不飽和アルデヒドを高い選択率かつ十分に大きな反応速度で水素添加して、式(1)で示される不飽和アルコールを安価に製造することのできる方法が提供される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides the following formula (2):
[0002]
[Chemical 3]
Figure 0003863957
[0003]
(Wherein X and Y both represent a hydrogen atom or are combined to represent a carbon-carbon bond. N represents 0, 1 or 2). According to the following formula (1)
[0004]
[Formula 4]
Figure 0003863957
[0005]
(In the above formula, n is as defined above).
The unsaturated alcohol obtained by the present invention is useful as a fragrance, and is also useful as a raw material for pharmaceuticals, agricultural chemicals and the like.
[0006]
[Prior art]
In producing the unsaturated alcohol represented by the above formula (1) by catalytic hydrogenation of the unsaturated aldehyde represented by the above formula (2), it is known to use Raney nickel as a catalyst, for example, (1) A method using Raney nickel modified with chromium as a catalyst (see Japanese Patent Laid-Open No. 52-100405), (2) A method using a mixture of Raney nickel and Raney cobalt as a catalyst (Japanese Patent Laid-Open No. 60-197634) For example).
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the method described in (1) above, the selectivity of the reaction greatly depends on the temperature. In the method described in (1) above, in order to obtain the target unsaturated alcohol with high selectivity, it is necessary to carry out the reaction at a low temperature of 80 ° C. or less. Is very small, it is necessary to carry out the reaction for a long time in order to achieve a high conversion rate, which is not advantageous as an industrial method in terms of productivity. On the other hand, the method described in (2) above can obtain the target compound with a high selectivity and a sufficiently high reaction rate, but expensive Raney cobalt must be used, which is not advantageous in terms of production cost. .
The present invention has been made in view of the above-mentioned problems of the prior art, and from the unsaturated aldehyde represented by the above formula (2) with a high selectivity and a sufficiently large reaction rate, the above formula ( It is an object to provide an industrially advantageous method capable of producing the unsaturated alcohol represented by 1) at a low cost.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
According to the present invention, the above problem is solved by the following formula (2):
[0009]
[Chemical formula 5]
Figure 0003863957
[0010]
(In the above formula, X and Y both represent a hydrogen atom, or represent a carbon-carbon bond. N represents 0, 1 or 2.) In the presence of the modified Raney nickel (a) and the tertiary amine or pyridine-based compound (b), the compound is brought into contact with hydrogen, which is represented by the following formula (1):
[0011]
[Chemical 6]
Figure 0003863957
[0012]
This is solved by providing a method for producing an unsaturated alcohol represented by the formula (wherein n is as defined above).
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Specific examples of the unsaturated aldehyde represented by the formula (2) used as a raw material in the present invention are 3,7-dimethyl-2,6-octadienal (citral) [X, Y: carbon-carbon bond, n = 0, 3,7-dimethyl-6-octenal (citronellal) [X = Y = hydrogen atom, corresponding to n = 0], 4,8-dimethyl-3,7-nonadienal (X, Y: carbon-carbon bond, corresponding to n = 1), 4,8-dimethyl-7-nonenal (X = Y = hydrogen atom, corresponding to n = 1), 5,9 -Dimethyl-4,8-decadienal (X, Y: carbon-carbon bond, corresponding to n = 2) and 5,9-dimethyl-8-decenal (X = Y = hydrogen atom, n = 2) Corresponding to).
[0014]
In the present invention, Raney nickel modified with iron and chromium (hereinafter referred to as modified Raney nickel) is used. When Raney nickel modified only with iron is used, the selectivity to the unsaturated alcohol represented by the formula (1) decreases. In addition, when Raney nickel modified only with chromium is used, in addition to the problems described above, there is a problem of adverse effects on the environment due to elution of chromium.
Here, the ratio of iron and chromium is usually iron / chromium = 1: 10 to 10: 1 as a molar ratio of iron atom and chromium atom, preferably iron / chromium = 1: 5 to 5: 1. It is.
[0015]
The amount of iron and chromium used for the modification of Raney nickel is usually 1 to 10% by weight with respect to Raney nickel as a total amount, but if it is 2 to 8% by weight with respect to Raney nickel, it is represented by formula (1). This is preferred because a higher selectivity to unsaturated alcohols and a sufficiently high reaction rate can be achieved.
[0016]
In the present invention, commercially available modified Raney nickel may be used, or one prepared according to the method described in the literature (Zhur. Fiz. Khim., 35 , 2071 (1961) etc.). May be.
[0017]
The amount of the modified Raney nickel is usually 0.01 to 10% by weight based on the reaction mixture, but from the viewpoint of the production cost of the unsaturated alcohol represented by the formula (1) and the operability of the reaction, the reaction is performed. It is preferable that it is 0.05 to 5 weight% with respect to a liquid mixture.
[0018]
Examples of the tertiary amine used in the present invention include aliphatic tertiary amines such as triethylamine, tributylamine, and trioctylamine; aromatics such as N, N-diethylbenzylamine and N, N-dimethylaminopyridine. Tertiary amine; tertiary alcohol amines such as triethanolamine, N-methyldiethanolamine, N-ethyldiethanolamine, N, N-dimethylethanolamine, N, N-diethylethanolamine, tripropanolamine, triisopropanolamine Etc. Examples of the pyridine compound used in the present invention include pyridine, quinoline, and isoquinoline.
In addition, a tertiary amine or a pyridine type compound may use one type, and may use 2 or more types together.
[0019]
In the present invention, unless a tertiary amine or a pyridine-based compound is used, the selectivity to the unsaturated alcohol represented by the formula (1) decreases when the reaction temperature is increased to achieve a large reaction rate. In this invention, the usage-amount of a tertiary amine or a pyridine type compound is 0.01-50 weight% normally with respect to a reaction liquid mixture, Preferably it is 0.1-20 weight%.
[0020]
In the present invention, the hydrogen pressure, the operation of the reaction, in view of safety and reaction selectivity, usually atmospheric pressure to 50 kg / cm 2 (gauge pressure), preferably normal pressure to 20 kg / cm 2 ( (Gauge pressure) range.
[0021]
In the present invention, the use of a solvent is not always necessary, but a solvent may be used as long as it does not inhibit the catalytic hydrogenation of the unsaturated aldehyde represented by the formula (2). The use of a solvent can assist in the suspension of the modified Raney nickel.
Solvents that can be used include aliphatic hydrocarbons such as pentane, hexane, heptane, octane, cyclohexane, and methylcyclohexane; ethers such as isopropyl ether and 1,4-dioxane; methanol, ethanol, propanol, isopropanol, and t-butyl alcohol. , Butanol, octanol, isoamyl alcohol, octanol, ethylene glycol, propylene glycol, 1,3-butanediol, 1,4-butanediol, 3-methyl-1,3-butanediol, 3-methoxy-3-methyl-1 -Alcohols, such as butanol, ethylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol monomethyl ether, etc. are mentioned.
[0022]
The amount of the solvent used is usually 0.001 to 10 times by weight, preferably 0.01 to 5 times by weight with respect to the unsaturated aldehyde represented by the formula (2), from the viewpoint of volumetric efficiency of the reaction, operability and the like. It is.
[0023]
The reaction according to the present invention may be carried out either batchwise or continuously, but in general, the unsaturated aldehyde represented by the formula (2), modified Raney nickel, tertiary amine or pyridine-based compound, and a desired compound Is carried out by mixing the solvent and contacting with hydrogen at a predetermined reaction temperature in a reaction vessel equipped with a stirrer.
[0024]
Although reaction temperature changes with the usage-amounts of a catalyst etc., it is 60 to 140 degreeC normally, Preferably it is 80 to 120 degreeC.
Moreover, although reaction time changes with reaction temperature etc., it is 0.5 to 12 hours normally.
[0025]
After completion of the reaction, the unsaturated alcohol represented by the formula (1), which is the target compound, can be easily isolated and obtained by a known method such as a method of distilling the reaction mixture after removing the modified Raney nickel by filtration or the like. can do.
[0026]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention concretely, this invention is not limited to this Example.
[0027]
Example 1
An autoclave with an internal volume of 300 ml was charged with 100 g of citral, 10 g of isopropyl alcohol (solvent), 1 g of triethanolamine, and 1 g of Raney nickel (BLM112w (trade name), manufactured by Degussa) modified with iron and chromium, and hydrogen was added to the autoclave. Then, the internal pressure was set to 7 kg / cm 2 (gauge pressure), and then heated to 100 ° C. Hydrogen was appropriately supplied to the autoclave to react for 10 hours while maintaining the hydrogen pressure at 7 kg / cm 2 (gauge pressure). After completion of the reaction, the reaction mixture was cooled to room temperature, and the resulting reaction mixture was subjected to gas chromatography [column: PG-HT 3m, manufactured by GL Sciences; column temperature: 70 ° C. → 240 ° C. (heating rate: 5 ° C./min) As a result, it was found that the conversion rate of citral was 100%, and the selectivity to citronellol [unsaturated alcohol represented by formula (1): n = 0] was 93.2%. The resulting reaction mixture contained a small amount of citronellal (selectivity for citronellal: 0.2%).
The obtained reaction mixture was distilled under reduced pressure to obtain 90.2 g of citronellol (purity: 98%).
[0028]
Example 2
In Example 1, citral was hydrogenated in the same manner as in Example 1 except that 1 g of N-ethyldiethanolamine was used instead of 1 g of triethanolamine. The reaction mixture was analyzed by gas chromatography in the same manner as in Example 1. As a result, it was found that the conversion rate of citral was 100% and the selectivity to citronellol was 91.4%. The obtained reaction mixture contained a small amount of citronellal (selectivity for citronellal: 0.3%).
[0029]
Example 3
In Example 1, 10 g of methanol was used instead of 10 g of isopropyl alcohol, the amount of triethanolamine used was 2 g, and the reaction temperature was changed from 100 ° C. to 80 ° C., and the same as in Example 1. By the operation, citral was hydrogenated. The reaction mixture was analyzed by gas chromatography in the same manner as in Example 1. As a result, it was found that the conversion rate of citral was 100% and the selectivity to citronellol was 94.4%. In addition, the obtained reaction mixture contained a small amount of citronellal (selectivity to citronellal: 0.1%).
[0030]
Example 4
In Example 1, using methanol 10g instead of isopropyl alcohol 10g, and use of N, N- diethylethanolamine 1g instead of triethanolamine 1g, then the hydrogen pressure 7 kg / cm 2 (gauge pressure) change to 5 kg / cm 2 (gauge pressure) from, except that further the reaction temperature was changed from 100 ° C. to 120 ° C., in the same manner as in example 1, was subjected to hydrogenation of citral. As a result of analyzing the reaction mixture by gas chromatography in the same manner as in Example 1, it was found that the conversion of citral was 100% and the selectivity to citronellol was 91.3%. In addition, the obtained reaction mixture contained a small amount of citronellal (selectivity to citronellal: 0.1%).
[0031]
Example 5
In Example 1, 20 g of 3-methoxy-3-methyl-1-butanol was used instead of 10 g of isopropyl alcohol, and the hydrogen pressure was changed from 7 kg / cm 2 (gauge pressure) to 5 kg / cm 2 (gauge pressure). Further, citral was hydrogenated in the same manner as in Example 1 except that the reaction temperature was changed from 100 ° C. to 120 ° C. The reaction mixture was analyzed by gas chromatography in the same manner as in Example 1. As a result, it was found that the conversion rate of citral was 100% and the selectivity to citronellol was 92.3%. In addition, the obtained reaction mixture contained a small amount of citronellal (selectivity to citronellal: 0.1%).
[0032]
Example 6
In Example 1, 20 g of 3-methoxy-3-methyl-1-butanol was used instead of 10 g of isopropyl alcohol, and 1 g of triethylamine was used instead of 1 g of triethanolamine. By the operation, citral was hydrogenated. The reaction mixture was analyzed by gas chromatography in the same manner as in Example 1. As a result, it was found that the conversion rate of citral was 100% and the selectivity to citronellol was 90.8%. In addition, the obtained reaction mixture contained a small amount of citronellal (selectivity to citronellal: 0.1%).
[0033]
Example 7
In Example 1, 20 g of 3-methoxy-3-methyl-1-butanol was used instead of 10 g of isopropyl alcohol, and 0.5 g of N, N-dimethylaminopyridine was used instead of 1 g of triethanolamine. In the same manner as in Example 1, hydrogenation of citral was performed. The reaction mixture was analyzed by gas chromatography in the same manner as in Example 1. As a result, it was found that the conversion rate of citral was 100% and the selectivity to citronellol was 88.2%. The obtained reaction mixture contained a small amount of citronellal (selectivity for citronellal: 0.5%).
[0034]
Example 8
In Example 1, citral was hydrogenated in the same manner as in Example 1 except that 1.1 g of pyridine was used instead of 1 g of triethanolamine. The reaction mixture was analyzed by gas chromatography in the same manner as in Example 1. As a result, it was found that the conversion rate of citral was 100% and the selectivity to citronellol was 84.2%. In addition, the obtained reaction mixture contained a small amount of citronellal (selectivity to citronellal: 0.4%).
[0035]
Example 9
In Example 1, hydrogenation of citronellal was performed in the same manner as in Example 1, except that 100 g of citronellal was used instead of 100 g of citral. The reaction mixture was analyzed by gas chromatography in the same manner as in Example 1. As a result, it was found that the conversion rate of citronellal was 99.3% and the selectivity to citronellol was 97.5%.
[0036]
Comparative Example 1
In Example 1, citral was hydrogenated in the same manner as in Example 1, except that 1 g of triethanolamine was not used, the reaction temperature was 80 ° C., and the reaction time was 12 hours. The reaction mixture was analyzed by gas chromatography in the same manner as in Example 1. As a result, it was found that the conversion rate of citral was 100% and the selectivity to citronellol was 60.4%. The obtained reaction mixture contained tetrahydrogeraniol (selectivity to tetrahydrogeraniol: 27.4%).
[0037]
Comparative Example 2
In Example 1, 1 g of Raney nickel modified with iron (BM113w (trade name), manufactured by Degussa) was used instead of 1 g of Raney nickel modified with iron and chromium, and the reaction time was 11 hours. By the same operation as in Example 1, citral was hydrogenated. The reaction mixture was analyzed by gas chromatography in the same manner as in Example 1. As a result, it was found that the conversion rate of citral was 100% and the selectivity to citronellol was 68.4%. The obtained reaction mixture contained tetrahydrogeraniol (selectivity to tetrahydrogeraniol: 22.3%).
[0038]
Comparative Example 3
In Example 1, in place of 1 g of Raney nickel modified with iron and chromium, 1 g of unmodified Raney nickel (B113w (trade name), manufactured by Degussa) was used, and the reaction time was 11 hours. By the same operation as in Example 1, citral was hydrogenated. The reaction mixture was analyzed by gas chromatography in the same manner as in Example 1. As a result, the conversion rate of citral was 100%, but the selectivity to citronellol was as low as 3.3%. The main product was tetrahydrogeraniol (selectivity to tetrahydrogeraniol: 95.1%).
[0039]
【The invention's effect】
According to the present invention, the unsaturated alcohol represented by the formula (1) can be produced at low cost by hydrogenating the unsaturated aldehyde represented by the formula (2) at a high selectivity and a sufficiently high reaction rate. A method is provided.

Claims (1)

下記の式(2)
Figure 0003863957
(上記式中、XおよびYはともに水素原子を表すか、ひとつになって炭素−炭素結合を表す。nは0、1または2を表す。)で示される不飽和アルデヒドを、鉄およびクロムで変性されたラネーニッケル(a) 並びに第3級アミンまたはピリジン系化合物(b) の存在下に、水素と接触させることを特徴とする、下記の式(1)
Figure 0003863957
(上記式中、nは上記定義のとおりである)で示される不飽和アルコールの製造方法。
The following formula (2)
Figure 0003863957
(In the above formula, X and Y both represent a hydrogen atom or are combined to represent a carbon-carbon bond. N represents 0, 1 or 2.) In the presence of the modified Raney nickel (a) and the tertiary amine or pyridine-based compound (b), the following formula (1)
Figure 0003863957
(In the above formula, n is as defined above).
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